JP2018132325A - ニオイ測定による西洋梨の熟成度の非破壊検査方法および装置 - Google Patents

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【課題】従来の西洋梨の熟成度の評価方法は破壊検査であり、非破壊検査方法の確立が求められてきた。【解決手段】化学センサによって西洋梨のニオイと、西洋梨の硬度の経日変化のデータを取得し、当該データを用いて前記ニオイのデータから前記硬度を推定する回帰モデルを求め、この回帰モデルを用いて未知の西洋梨のニオイのデータから硬度を推定する。西洋梨の硬度と熟成度は相関があるので、結果として西洋梨のニオイから熟成度を推定することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、ニオイ測定による西洋梨の熟成度の非破壊検査方法および装置に関する。
果実は、出荷用途に応じてその最適な熟成度において出荷することが求められる。熟成によって果皮の色が変化する果実では、表面色を分析して熟成度を評価することが行われてきた(非特許文献1)。また表面色の変化しない果実については、硬度やニオイを基に、熟練者の経験により最適な時期を判断することが行われてきた。非熟練者が熟成度を判断するためには、科学的原理(光学的方法、力学的方法、電磁気学的方法)に基づいた熟成度測定方法を用いることが必要であるが、果実によって熟成度を判断する特徴が異なるため、其々に適した方法が試行されている。
国際公開第2011/148774号公報 特願2016−230793
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西洋梨の中でも特にラ・フランスは、その熟成の過程において表面色の変化が殆どないため、色による熟成度の評価はできない。また、熟成度に応じて明らかな変色が起こる品種であっても、表面色による判定は、特に自動化された判定には好ましくない。それは、西洋梨の熟成度判定は、出荷過程における一工程としての選別のためではなく、熟成のための貯蔵中にどこまで熟成が進行したかを確認するための処理であるため、貯蔵されている果実を何回か取り出して光を照射する等の作業は、作業の手間だけではなく、果実に損傷を与える恐れの点からもあまり好ましいものではないからである。これまでの西洋梨の熟成度の評価は、西洋梨に針を刺すことによる力学的な方法で測定した硬度と、熟練者の経験を併用して行われてきた。しかしながらこの評価方法は、硬度の測定が破壊検査であり、測定に用いた西洋梨は商品にならないため、非破壊検査方法の確立が求められてきた。
本発明の目的は、ニオイ測定により西洋梨の熟成度を非破壊で検査する方法および装置を提供することにある。
本発明では、化学センサによって西洋梨のニオイと、硬さ計測器によって西洋梨の硬度の経日変化のデータとを取得し、これらのデータを用いてニオイのデータから前記硬度を推定する回帰モデルを求め、この回帰モデルを用いて、未知の西洋梨のニオイのデータから硬度を推定する。西洋梨の硬度と熟成度には相関があることが確認されているので、結果として西洋梨のニオイから熟成度を推定することが可能となる。
本発明のニオイ測定により西洋梨の熟成度を非破壊で検査する方法は、
複数個の複数の熟成過程にある西洋梨の硬度のデータを取得する工程と、
前記硬度のデータの取得とともに、硬度を測定した前記西洋梨のニオイ分子をニオイセンサで検知してニオイのデータを取得する工程と、
前記硬度のデータを目的変数とし、測定した前記西洋梨の前記ニオイのデータを説明変数として回帰分析を行い、前記ニオイのデータから前記硬度を推定する回帰モデルを求める工程と、
未知の西洋梨のニオイのデータを測定する工程と、
前記回帰モデルを用いて、前記未知の西洋梨のニオイのデータから硬度を推定し、該推定した硬度から熟成度を推定する工程とを含む。
本発明の1つの態様において、前記ニオイセンサに、異なるニオイ分子に反応する異なる感応膜を備える複数のセンサ素子を備え、其々のセンサ素子が出力信号を発生する膜型表面応力センサ(MSS)を用い、該複数の出力信号を前記ニオイのデータとして用いてもよい。
また、前記MSSの前記ニオイのデータが、前記西洋梨のニオイ分子を含む空気と空気のみとを交互に前記ニオイセンサに導入して得られる複数の周期的な波形の出力信号であってもよい。
さらに、前記MSSの前記ニオイのデータとして、前記MSSの複数の周期的な波形の出力信号の内、同じ周期の信号を其々から切り出し結合したデータセットを用いてもよい。
また、前記回帰分析にLasso回帰や異種混合学習回帰分析を用いて前記回帰モデルを求めてもよい。
また本発明は西洋梨の熟成度の非破壊検査装置も提供する。この非破壊検査装置は、
西洋梨から発生したニオイ分子を検知するニオイ測定システムと、
前記検知したニオイ分子の前記ニオイ測定システムからの出力信号の信号処理を行うコンピュータであって、前記コンピュータは、予め取得した西洋梨のニオイと硬度の経日変化のデータから求めた、前記ニオイのデータから前記硬度を推定する回帰モデルを内蔵し、未知の西洋梨のニオイのデータから、前記回帰モデルを用いて前記未知の西洋梨の硬度を推定するように構成され、該硬度の予測値を熟成度として表示する前記コンピュータとを備える。
さらに、前記ニオイ測定システムは、
ニオイを測定する西洋梨を内部に収納するサンプル容器と、
前記ニオイ分子を検知して信号を出力するニオイセンサと、気体を吸引・排出するポンプと、前記吸引・排出を制御するコントローラとを内蔵した計測モジュールと、
前記サンプル容器と前記計測モジュール間に接続され、前記ニオイ分子を前記ポンプの吸引により前記ニオイセンサに導入するためのニオイ吸引チューブと、
前記ポンプの吸引によって前記計測モジュールの外部から空気を吸引し、前記ニオイセンサへ導入するための空気吸引チューブと、
前記ニオイセンサを通過した後の前記ニオイ分子と前記空気を前記計測モジュールの外部へ排出するための排気チューブと、
前記ニオイセンサの出力信号を前記計測モジュールからコンピュータへ転送するための接続ケーブルとを備えていてもよい。
さらに、前記ニオイセンサが、異なるニオイ分子に反応する異なる感応膜を備える複数のセンサ素子を備え、其々のセンサ素子が出力信号を発生する膜型表面応力センサ(MSS)であってもよい。
本発明により、ニオイ測定により西洋梨の熟成度を非破壊で検査することが可能となる。また熟成度を定量化できるため、非熟練者でも容易に熟成度を評価することが可能となる。
なお、単に熟成度と言っても、当然のことであるが、西洋梨の生産者、流通過程の途中の業者、最終消費者への販売業者、場合によっては消費者等により、出荷・販売・消費等に適した熟成度が異なる。本発明による非破壊検査方法は何れの場合にも適用可能である。
また熟成度の推定対象となる西洋梨の個数が多数である場合はもちろん、流通過程の末端等でしばしば必要となる、ごく少数の西洋梨についての推定を行いたい場合にも、簡単にかつ複雑な装置を必要とすることなく、本発明による非破壊検査方法適用することが可能となる。
(A)硬さ推定モデルの学習の概念の説明図である。(B)学習モデルによる硬さ推定の概念の説明図である。 本発明による、ニオイ測定による西洋梨の熟成度の非破壊検査装置の概略図である。 複数のラ・フランスのサンプルの硬度の経日変化を示すグラフである。 本発明の実施例による、ニオイセンサ(MSS)からのラ・フランスのニオイの出力信号の一例を示すグラフである。 本発明による、ニオイデータのセットと硬さのデータセットによる回帰分析の概念の説明図である。 本発明による、ニオイのデータセットのデータのインデックスの説明図である。 機械学習に用いた53個のサンプルについて、これらのニオイのデータと硬度のデータから機械学習により回帰モデル求め、これを用いて其々のニオイのデータから予測した硬度の予測値と、実測値をプロットした学習データのグラフである。 機械学習に用いたサンプルとは異なる24個のサンプルについて、其々のニオイのデータから機械学習で求めた回帰モデルを用いて硬度を予測した値と、硬度の実測値とをプロットしたテストデータのグラフである。
図1A、Bに本発明による西洋梨の熟成度の非破壊検査で用いた機械学習の概念図を示す。針に荷重をかけその侵入深さにより硬度を求める硬さ計測器を用いて、複数の西洋梨の硬度データα、β、γ・・・を求める。他方、硬度を測定した西洋梨のニオイのデータを、後述するニオイ測定システムを用いて取得する。ある西洋梨の硬度データ(例えばα)とそのサンプルの複数のニオイのデータから硬さを推定する回帰モデルを機械学習する。さらに複数のサンプルのニオイのデータについてこの機械学習を行い、硬度の推定値が測定値に最も近くなるような回帰モデルを求める(図1A)。次に熟成度を推定する段階では、未知の西洋梨のニオイデータを測定し、求めた回帰モデルを用いてこのニオイデータから西洋梨の硬度を推定し、後述するように硬度と熟成度には相関があるので、最終的に硬度から熟成度を推定する(図1B)。
本発明による西洋梨のニオイ測定システム(熟成度の非破壊検査装置)1の概略を図2に示す。西洋梨のサンプル10はほぼ密閉されたサンプル容器20内に収納される。計測モジュール30内にはニオイ分子を検知するニオイセンサ(化学センサ)40、及びニオイ分子及び空気を吸引/排気する小型のポンプ50、吸引/排気のタイミング、信号等の制御を行うコントローラ(図示せず)が設置されている。ニオイ吸引チューブ61はサンプル容器20に連結され、ポンプ50によりニオイ分子を含む空気(キャリアガス)が吸引されニオイセンサ40に導入された後、排気チューブ62により外部に排出される。測定時はニオイ分子を含む空気と、吸引チューブ63を通して外部から吸引した空気とを交互にニオイセンサ40に導入して測定することにより、測定値の精度を高めてもよい。ニオイセンサ40の出力電圧は、コンピュータ、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)70へUSBケーブル等の接続ケーブル80により転送され信号処理される。また接続ケーブル80により計測モジュール30に電源を供給してもよい。
以下に本発明による熟成度の非破壊検査方法の実施例について説明する。
本発明では、西洋梨の硬度をニオイデータから推定するための回帰モデルを得るための学習データとして、硬度のデータを必要とする。複数(a〜g)のラ・フランスのサンプルの硬度を日を変えて測定し、それらの値を日付に対してプロットした結果、即ち硬度の経日変化を図3に示す。硬度の値は、1個のサンプルの4箇所について硬度測定器で測定した平均値(単位ニュートン:N)である。また硬度の測定は破壊検査であるため、a〜g のサンプルに対応するラ・フランスは各日で異なる個体を用いている。図3からわかるように硬度(7個の平均)は経日変化し、日数とともに硬度は低下して一定の値をとるようになる。硬度が減少する期間が「未熟」、一定値になる直前の期間が「適熟」、一定値に達した期間が「過熟」と経験的に分類されている。硬度の値から「未熟」と「適熟」は容易に識別できるが、「適熟」と「過熟」の識別は容易でないことがわかる。なお実際の西洋梨の収穫では、「未熟」のある期間内に収穫し、その状態で保存して熟成させて、その用途に応じた段階で出荷している。「適熟」、「過熟」の期間で収穫することは通常は行わない。従ってニオイの測定は収穫したラ・フランスに対して随時行うことができる。
本発明によれば、ニオイセンサ(化学センサ)として高感度な膜型表面応力センサ(MSS:Membrane−type Surface stress Sensor)を用いることができる(特許文献1、非特許文献2)。本発明の実施例で用いたMSSは、1チップの中に4つのセンサ素子を有し、各素子の表面に異なる感応膜を形成したものである。これら4つのセンサ素子の其々の出力信号がPCへ送られる。
上記の4つのセンサ素子の感応膜としては、本発明では水(HO)、ヘキサン(Hexane)、メタノール(MeOH)、アセトン(Acetone)に対して異なる応答を示す4種類の材料(Ch1〜Ch4)を用いた。水、メタノール、アセトンは極性分子、ヘキサンは無極性分子である。Ch1、Ch3には親水性が高い材料、Ch2には無極性分子に特に高い感度を有した材料を用いている。各材料のこれらの4種類の分子に対する応答例を表1に示す。表の値は、次に説明するCh1〜Ch4の出力電圧の周期的応答波形の内、4つ目の波形の立下り直前の値から立上り直前の値を引いた値である。表1に示すように、4種類の感応膜(Ch1〜Ch4)は上記4種類の分子に対して異なる応答パターンを示す。この異なる応答特性を用いて、ニオイ分子への応答パターンからニオイ分子を推定することができる。
上記MSSニオイセンサの出力信号(MSSチップ上に形成されているホイートストンブリッジの出力)の一例として、ラ・フランスのニオイの出力信号(ホイートストンブリッジのバイアス電圧を−1Vに設定した時の出力値:単位はmV)の時間依存性の一例を図4に示す。異なる素子からの各出力(Ch1〜4)は異なる強度を示している。なお、測定ではニオイ分子を含む空気とニオイ分子を含まない空気とを5秒ずつ交互に吸引して測定するため、出力信号は10秒の周期的な波形となっている。これらの波形、強度はラ・フランスの熟成度によって少しずつ変化する。これらの4チャンネルの周期波形上の各点の値がニオイデータになり、このニオイデータと上記硬度データから、コンピュータを用いて機械学習により回帰モデルを求める。
本発明の機械学習の実施例では、複数のラ・フランスのサンプルについて、図4と同様のデータを上記硬度の測定と同じ日にニオイ測定システムで測定した。次に其々のサンプルの、Ch1〜4の周期的出力として得られたニオイのデータ(1Ch当たり1周期中に100個のデータ点を含む)から、ある同一周期(実際には各Chで後ろから数えて2番目の波形(山・谷)を使用)のCh1〜4のデータを切り出し、結合させて1つのデータセットを作った(図5)。この1つのデータセットには計400次元のデータ点が含まれている。図6に示すようにこれらのデータ点に0から399までのインデックスを付与した。これらの400個のデータを説明変数とし、対応するサンプルの平均硬度を目的変数として回帰分析を行った。具体的には複数のサンプル、異なる日付のデータセットを用いて機械学習し、硬度の推定値が測定値に最も近くなるような回帰モデルを求めた。
本実施例では、4種類の異なるニオイ成分に対応し、それぞれが硬度の変化に対して異なる応答をする4種類のニオイのデータ(Ch1〜4)を結合した400次元という高次元データを扱っているため、機械学習には高度なアルゴリズムを必要とする。そこで本実施例では、機械学習法として、多種類のデータに混在するデータ間の関連性からこれらデータのベクトルが張る空間を自動的に分割し、それぞれの部分空間ごとに回帰モデルを見出す異種混合学習技術(異種混合学習回帰分析)を用いた(非特許文献3、4)。なお、十分に大きなデータの空間が与えられた場合には、異種混合学習回帰分析により、通常は複数個の部分空間とそれぞれの部分空間に対応した回帰モデルが得られるが、本実施例では、異種混合学習回帰分析としてはデータの個数がそれほど多くなかったため、その結果として部分空間分割は行わず、目的変数(硬度)を説明変数の一次多項式として表した以下に示す単一の回帰モデルが得られた。

ここで、yは硬さの推定値(単位:N)、説明変数のインデックスx、x253、・・・、x326は、結合済みデータセット上で図6に示すように付与されたものである。なお、回帰分析(機械学習)手法はこれに限られることはなく、他の方法を用いることも可能である(特許文献2)。例えば、Lasso回帰を用いても、本実施例に適用した場合には上式とほとんど同じ回帰モデルを得ることができる。
次に、硬度の予測精度を検証するため、交差検証法によるテストを行った(特許文献2)。即ち、77個のサンプルの内53個については、其々の異なる測定日のニオイデータとこれに対応する硬度データと併用して上記の機械学習により回帰モデルを求めた。そしてこの回帰モデルを用いて其々のニオイデータから硬度の推定値を求めた。一方、残りの24個のサンプルについては、上記53個のサンプルから求めた回帰モデルを用いて、其々のニオイデータから硬度の予測値を求めた。以下にその結果について示す。
図7は、機械学習に用いた上記53個のサンプルについて、求めた回帰モデルを用いて予測した硬度の予測値と、硬度の実測値とを重ねてプロットしたグラフ(学習データ)である。表示されたプロットは、上記53組のデータを無作為に横に並べたもので、データ点間の折れ線に実質的な意味はなく便宜上のものである。予測精度はR決定係数で表して0.85という高い値が得られた。
図8は、機械学習に用いなかった上記24個のサンプルについて、上記の回帰モデルを用いてニオイデータから硬度を予測した値と、硬度の実測値とをプロットしたグラフ(テストデータ)である。予測精度はR決定係数で表して0.82であり、学習データとほぼ同様の高い値が得られた。
以上説明したように、機械学習により一度回帰モデルを求めれば、ニオイ測定システムでサンプルのニオイ測定を行うだけで、回帰モデルを用いてこのサンプルの硬度が予測でき、結果的にこのサンプルの熟成度を定量的に予測することが可能となる。即ち、西洋梨の熟成度の非破壊検査を行うことが可能となる。
以上、実施例に基づいて本発明の説明を行ったが、当然ながら、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。当業者に自明な範囲において各種の設計変更が可能であり、これらの各種の設計変更も解釈上本発明の権利範囲に含まれるべきものである。例えば、本発明の実施例では化学センサ(ニオイセンサ)としてMSSを使用したが、これ以外の種類の化学センサも、条件に応じて使用できる。
1 ニオイ測定システム(西洋梨の熟成度の非破壊検査装置)
10 被測定サンプル(西洋梨)
20 サンプル容器
30 計測モジュール
40 ニオイセンサ(化学センサ)
50 ポンプ
61 ニオイ吸引チューブ
62 排気チューブ
63 空気吸引チューブ
70 パーソナル・コンピュータ(PC)
80 接続ケーブル

Claims (9)

  1. 異なる熟成過程にある西洋梨の硬度のデータを取得する工程と、
    前記硬度のデータの取得とともに、硬度を測定した前記西洋梨のニオイ分子をニオイセンサで検知してニオイのデータを取得する工程と、
    前記硬度のデータを目的変数とし、測定した前記西洋梨の前記ニオイのデータを説明変数として回帰分析を行い、前記ニオイのデータから前記硬度を推定する回帰モデルを求める工程と、
    未知の西洋梨のニオイのデータを測定する工程と、
    前記回帰モデルを用いて、前記未知の西洋梨のニオイのデータから硬度を推定し、該推定した硬度から熟成度を推定する工程と
    を含む西洋梨の熟成度の非破壊検査方法。
  2. 前記ニオイセンサが、異なるニオイ分子に反応する異なる感応膜を備える複数のセンサ素子を備え、其々のセンサ素子が出力信号を発生する膜型表面応力センサ(MSS)であり、該複数の出力信号を前記ニオイのデータとする、請求項1に記載の非破壊検査方法。
  3. 前記MSSの前記ニオイのデータが、前記西洋梨のニオイ分子を含む空気と空気のみとを交互に前記ニオイセンサに導入して得られる複数の周期的な波形の出力信号である、請求項2に記載の非破壊検査方法。
  4. 前記MSSの前記ニオイのデータが、前記MSSの複数の周期的な波形の出力信号の内、同じ周期の信号を其々から切り出し結合したデータセットである、請求項3に記載の非破壊検査方法。
  5. 前記回帰分析がLasso回帰を用いて前記回帰モデルを求める請求項1〜4のいずれか1項に記載の非破壊検査方法。
  6. 前記回帰分析が異種混合学習回帰分析を用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載の非破壊検査方法。
  7. 西洋梨から発生したニオイ分子を検知するニオイ測定システムと、
    前記検知したニオイ分子の前記ニオイ測定システムからの出力信号の信号処理を行うコンピュータであって、前記コンピュータは、予め取得した西洋梨のニオイと硬度の経日変化のデータから求めた、前記ニオイのデータから前記硬度を推定する回帰モデルを内蔵し、未知の西洋梨のニオイのデータから、前記回帰モデルを用いて前記未知の西洋梨の硬度を推定するように構成され、該硬度の推定値を熟成度として表示する前記コンピュータと
    を備える西洋梨の熟成度の非破壊検査装置。
  8. 前記ニオイ測定システムが、
    ニオイを測定する西洋梨を内部に収納するサンプル容器と、
    前記ニオイ分子を検知して信号を出力するニオイセンサと、気体を吸引・排出するポンプと、前記吸引・排出を制御するコントローラとを内蔵した計測モジュールと、
    前記サンプル容器と前記計測モジュール間に接続され、前記ニオイ分子を前記ポンプの吸引により前記ニオイセンサに導入するためのニオイ吸引チューブと、
    前記ポンプの吸引によって前記計測モジュールの外部から空気を吸引し、前記ニオイセンサへ導入するための空気吸引チューブと、
    前記ニオイセンサを通過した後の前記ニオイ分子と前記空気を前記計測モジュールの外部へ排出するための排気チューブと、
    前記ニオイセンサの出力信号を前記計測モジュールからコンピュータへ転送するための接続ケーブルと
    を備える請求項7に記載の非破壊検査装置。
  9. 前記ニオイセンサが複数のセンサ素子を有する膜型表面応力センサ(MSS)である、請求項8に記載の非破壊検査装置。
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