JP2018132223A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明を適用する一実施例にかかる冷凍装置Rの冷媒回路図である。この冷媒装置Rは、後に詳しく説明するとおり、スプリット熱交換器29を備える所謂スプリットサイクルの冷凍装置である。冷凍装置Rは、スーパーマーケット等の店舗の機械室等に設置された冷凍機ユニット3と、店舗の売り場内に設置された一台若しくは複数台(図面では一台のみ示す)のショーケース4とを備え、これら冷凍機ユニット3とショーケース4とが、ユニット出口6とユニット入口7を介して、冷媒配管(液管)8および冷媒配管9により連結されて所定の冷媒回路1を構成している。
次に、冷凍装置Rの動作を説明する。制御装置57により圧縮機11の電動要素13が駆動されると、第1の回転圧縮要素14および第2の回転圧縮要素16が回転し、低段側吸込口17より第1の回転圧縮要素14の低圧部に低圧の冷媒ガス(二酸化炭素)が吸い込まれる。そして、第1の回転圧縮要素14により中間圧に昇圧されて密閉容器12内に吐出される。これにより、密閉容器12内は中間圧(MP)となる。
高圧吐出配管27からガスクーラ28へ流入したガス冷媒は、ガスクーラ28にて空冷された後、ガスクーラ出口配管32を経て電動膨張弁33に至る。この電動膨張弁33は、電動膨張弁33より上流側の冷媒回路1の高圧側圧力HPを所定の目標値THPに制御するために設けられており、高圧センサ49の出力に基づき、制御装置57によりその弁開度が制御される。
運転始動時には先ず、制御装置57は外気温度に基づいて冷凍装置Rの始動時における電動膨張弁33の開度(始動時の弁開度)を設定する。具体的には、本実施形態では、制御装置57は、始動時における外気温度と電動膨張弁33の始動時の弁開度との関係を示すデータテーブルを予め記憶しており、始動時における外気温度から、上記データテーブルを参照して、電動膨張弁33の始動時の弁開度を設定する。
運転中、制御装置57は、外気温度を示す指標である高圧センサ49の検出圧力(高圧側圧力HP)に基づいて、電動膨張弁33の開度を設定する。この場合、制御装置57は、高圧側圧力HP(外気温度)が低い場合に大きくなるよう電動膨張弁33の開度を設定する。これにより、電動膨張弁33における圧力低下を最小限に抑えることができ、圧縮機11に入る中間圧吸入配管26の中間圧(MP)との圧力差を確保して、冷凍運転および冷蔵運転を効率的に行うことができる。
なお、上述のように制御を行っているときに、設置環境や負荷の影響で電動膨張弁33より上流側の高圧側圧力HPが所定の上限値MHPに上昇してしまった場合、制御装置57は電動膨張弁33の弁開度をさらに増大させる。この弁開度の増大により、高圧側圧力HPは低下する方向に向かうので、高圧側圧力HPを常に上限値MHP以下に維持することができるようになる。これにより、電動膨張弁33より上流側の高圧側圧力HPの異常上昇を的確に抑制して圧縮機11の保護を確実に行うことが可能となり、異常な高圧による圧縮機11の強制停止(保護動作)を未然に回避することが可能となる。
補助回路48における冷媒の流れを説明する。タンク36内の上部に溜まったガス冷媒の温度は、ほぼ、タンク36内の冷媒圧力での飽和温度となっている。このガス冷媒は、タンク36からガス配管42へ流出する。上述したようにガス配管42には電動膨張弁43が接続されている。ガス冷媒は、電動膨張弁43で絞られた後、電動膨張弁47を経た液冷媒と合流し、スプリット熱交換器29の第1の流路29Aに流入する。そして、ガス冷媒は、第1の流路29Aにおいて第2の流路29Bを流れる冷媒を冷却した後、中間圧戻り配管44を経て中間圧吸入配管26に流入する。そして、中間圧戻り配管44から中間圧吸入配管26へ流入したガス冷媒は、上述したとおり、インタークーラ24から出た冷媒と混合し、圧縮機11の高段側吸込口19に吸い込まれる。
制御装置57は、外気温度、または、外気温度を示す指標である高圧センサ49の検出圧力(高圧側圧力HP)に基づいて、冷凍装置Rの始動時における電動膨張弁43の弁開度(始動時の弁開度)を設定する。本実施形態の場合、制御装置57は始動時における外気温度、または、高圧側圧力HP(外気温度)と電動膨張弁43の始動時の弁開度との関係を示すデータテーブルを予め記憶している。
なお、上述のように制御を行っているときに、設置環境や負荷の影響でタンク36内圧力OP(電動膨張弁39に流入する冷媒の圧力)が所定の規定値MOPに上昇してしまった場合、制御装置57は、電動膨張弁43の弁開度を所定ステップ増大させる。この弁開度の増大により、タンク36内圧力OPは低下する方向に向かうので、圧力OPを常に規定値MOP以下に維持することができるようになり、高圧側圧力変動の影響抑制と、電動膨張弁39に搬送される冷媒の圧力の抑制効果を確実に達成することが可能となる。
補助回路48における冷媒の流れを説明する。タンク36内の下部に溜まる液冷媒は、タンク36からタンク出口配管37へ流入し、第2の流路29Bを通過後、分流する。分流した液冷媒の一方は、液配管46へ流入し、電動膨張弁47で絞られる。その後、液冷媒は、中間圧戻り配管44に流入し、電動膨張弁43からのガス冷媒と合流し、スプリット熱交換器29の第1の流路29Aに流入し、そこで蒸発する。このときの吸熱作用により、第2の流路29Bを流れる液冷媒の過冷却を増大させる。
従来、上記冷凍装置Rは、蒸発器41における冷媒温度が−5℃以下となる条件で使用されていた。このような冷凍装置Rを、−5℃よりも高い蒸発温度で使用することができないかシミュレーションして検討した。すなわち、蒸発器41における冷媒蒸発温度を−10℃、−5℃、0℃、5℃及び10℃とした場合に、上記冷凍装置Rが冷凍装置として機能するための条件を、排除容積比率(第1の回転圧縮要素14の排除容積に対する第2の回転圧縮要素16の排除容積の比)を変化パラメータとしてシミュレーションして求めた。
シミュレーションを行う際の前提条件は次のとおりである。
回転圧縮要素は、その構造上、吸い込み圧と吐出圧との間にある程度の差圧がないと、回転圧縮要素として有効に機能することができない。例えば、ロータリー圧縮機の場合は、スライディングベーンをピストンに押しつけるために差圧を利用しており、スクロール圧縮機の場合は、固定スクロールに揺動スクロールを押しつけるために差圧を利用している。回転圧縮要素の差圧の下限値は一般的に0.5MPaである。よって、各回転圧縮要素14、16の差圧の下限値を0.5MPaとした。なお、中間圧は第1の回転圧縮要素14の吐出圧であるから、第1の回転圧縮要素14の差圧の下限値が0.5MPaということは、蒸発圧力に0.5MPaを加えた値が中間圧の下限値になるということを意味している。例えば、蒸発温度が0℃の場合、二酸化炭素の蒸発圧力は3.49MPaであるので、中間圧の下限値は3.99MPaとなる。
スプリットサイクルの冷凍装置においては、タンクやその下流側の機器及びそれらを接続する配管等の設計圧力を低くしたいというコスト上の理由と、そもそもタンク内圧が二酸化炭素の臨界点の7.4MPa以上になると冷媒を気液分離できなくなるという技術的な理由から、タンクの内圧は、通常、6.0MPa程度とされている。よって、タンク36の内圧の設定値を6.0MPaとした。
スプリット熱交換器29において、第2の流路29Bを流れる冷媒を第1の流路29Aを流れる冷媒で過冷却するためには、各流路を流れる冷媒の温度差が5℃以上必要である。よって、電動膨張弁43によるガス冷媒の温度低下量を5℃以上とした。なお、タンク36の内圧の設定値は6.0MPaであるから、電動膨張弁43出口圧力は5.3MPa以下になる。補助回路48をガス冷媒が流れるためには、中間圧が電動膨張弁43出口圧力よりも低くなければならないので、電動膨張弁43出口圧力が5.3MPa以下であれば、中間圧は5.3MPa未満とする必要がある。
スプリットサイクルの冷凍装置において、補助回路を流れる冷媒の流量比率は、一般的に35%程度である。よって、補助回路48を流れる冷媒の流量比率は35%とした。
圧縮機11を構成する第1の回転圧縮要素14及び第2の回転圧縮要素16それぞれの体積効率及び圧縮効率は、各値として一般的な、95%及び70%とした。
シミュレーションの結果を表1及びこれをグラフにした図2に示す。表1及び図2に示されるように、排除容積比率を84.6%以上135.7%以下とすれば、蒸発温度を、従来の使用範囲よりも高い0℃とした場合であっても、冷凍装置Rを冷凍装置として機能させることが可能であることが判明した。シミュレーションで得られた、蒸発温度0℃、排除容積比率84.6%の場合のp−h線図を図3(a)に、蒸発温度0℃、排除容積比率135.7%の場合のp−h線図を図3(b)に示す。
1 冷媒回路
3 冷凍機ユニット
4 ショーケース
6 ユニット出口
7 ユニット入口
8、9 冷媒配管
11 圧縮機
12 密閉容器
13 電動要素
14 第1の回転圧縮要素
16 第2の回転圧縮要素
17 低段側吸込口
18 低段側吐出口
19 高段側吸込口
21 高段側吐出口
22 冷媒導入配管
23 中間圧吐出配管
24 インタークーラ
26 中間圧吸入配管
27 高圧吐出配管
28 ガスクーラ
29 スプリット熱交換器
29A 第1の流路
29B 第2の流路
31 ガスクーラ用送風機
32 ガスクーラ出口配管
33 電動膨張弁(圧力調整用絞り手段)
34 タンク入口配管
36 タンク
37 タンク出口配管
38 主回路
39 電動膨張弁(主絞り手段)
41 蒸発器
42 ガス配管
43 電動膨張弁(第1の補助回路用絞り手段)
44 中間圧戻り配管
46 液配管
47 電動膨張弁(第2の補助回路用絞り手段)
48 補助回路
49 高圧センサ
50 吐出温度センサ
51 低圧センサ
52 中間圧センサ
53 ユニット出口センサ
57 制御装置(制御手段)
Claims (2)
- 圧縮手段と、ガスクーラと、主絞り手段と、蒸発器とから冷媒回路が構成され、高圧側が超臨界圧力となる冷凍装置において、
前記ガスクーラの下流側であって、前記主絞り手段の上流側の前記冷媒回路に接続された圧力調整用絞り手段と、
該圧力調整用絞り手段の下流側であって、前記主絞り手段の上流側の前記冷媒回路に接続されたタンクと、
該タンクの下流側であって、前記主絞り手段の上流側の前記冷媒回路に設けられたスプリット熱交換器と、
前記タンク内の冷媒を、補助絞り手段を介して前記スプリット熱交換器の第1の流路に流した後、前記圧縮手段の中間圧部に吸い込ませる補助回路と、
前記タンク下部から冷媒を流出させ、前記スプリット熱交換器の第2の流路に流し、前記第1の流路を流れる冷媒と熱交換させた後、前記主絞り手段に流入させる主回路と、
前記圧力調整用絞り手段により、当該圧力調整用絞り手段より上流側の前記冷媒回路の高圧側圧力を調整する制御手段とを備え、
前記圧縮手段は、冷媒を低圧から中間圧に圧縮する低段側回転圧縮要素と、冷媒を中間圧から高圧に圧縮する高段側回転圧縮要素とを有しており、
前記高段側回転圧縮要素の排除容積が前記低段側回転圧縮要素の排除容積の85%以上である冷凍装置。 - 前記高段側回転圧縮要素の排除容積が前記低段側回転圧縮要素の排除容積の85%以上136%以下である請求項1記載の冷凍装置。
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