JP2018131919A - 圧縮機 - Google Patents

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裕一 赤津
Yuichi Akatsu
裕一 赤津
上田 元彦
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元彦 上田
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Abstract

【課題】耐久性および静音性を確保しつつ旋回スクロールの逆回転を抑止する。【解決手段】回転軸18の一端面における偏心軸の周囲に配置され、かつ、回転軸18の一端面から回転軸18の軸線方向一方側に突起して設けられた軸部材18bと、軸部材18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持する力を発生させる保持力発生部材74と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、圧縮機に関するものである。
従来、車両用空調装置に用いられる圧縮機として、特許文献1に記載されたものがある。この圧縮機は、渦巻き状の固定渦巻壁を有する固定スクロールと、固定渦巻壁と噛み合う渦巻き状の旋回渦巻壁を有する旋回スクロールと、固定スクロールおよび旋回スクロールを収納するハウジングを備えている。そして、固定渦巻壁と旋回渦巻壁を噛み合わせた状態で旋回スクロールを固定スクロールに対して旋回させることにより吸入ポートから吸入した冷媒を圧縮して吐出ポートから吐出するよう構成されている。
この圧縮機には、固定渦巻壁と旋回渦巻壁により形成される圧縮室に中間圧力の冷媒を導入するインジェクションポートが設けられている。これにより、例えば、車両用空調装置の暖房時に、圧縮室に導入される冷媒の流量を増加させ、車両用空調装置の暖房性能を向上することができる。
特開2015−129477号公報
上記特許文献1に記載された圧縮機は、圧縮室に中間圧力の冷媒を導入するガスインジェクション中に運転を停止した際に、中間圧力が吸入圧力よりも高くなっているため、インジェクションポートから圧縮室、さらには吸入ポートへと中間圧の冷媒が流れ込み、旋回スクロールを逆回転させてしまう。
このように旋回スクロールが逆回転すると、電動モータも逆回転して電動モータに起電力を発生し、電動モータに接続されている回路部品に悪影響を与えるといった問題や、圧縮機を停止しているにもかかわらずハウジング内の旋回スクロール等の部品が動くことによる騒音が発生するといった問題がある。
なお、旋回スクロールの逆転を防止するものとして、特開2013−170492号公報に記載されたスクロール型圧縮機がある。この圧縮機は、旋回スクロールおよびハウジングの一方に形成されたラチェット凹部と、旋回スクロールおよびハウジングの他方に形成されラチェット凹部と係合するラチェット凸部とを備えて旋回スクロールの正転方向への旋回を許容するラチェット機構を備えている。
しかし、この圧縮機は、通常動作時にラチェット凹部とラチェット凸部とが接触するため、旋回スクロールの耐久性が低下するだけでなく、接触による金属音により静音性も低下するといった問題がある。
本発明は上記問題に鑑みたもので、耐久性および静音性を確保しつつ旋回スクロールの逆回転を抑止することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、圧縮機であって、渦巻き状の固定渦巻壁(20b)を有する固定スクロール(20)と、固定渦巻壁と噛み合う渦巻き状の旋回渦巻壁(21b)を有する旋回スクロール(21)と、を有し、旋回スクロールを固定スクロールに対して旋回させることにより流体を圧縮して吐出する圧縮機構(15)と、回転自在に支持される回転軸(18)と、回転軸の一端面から回転軸の軸線方向一方側に突起し、かつ、回転軸の軸線に対して偏心して設けられた偏心軸(18a)と、偏心軸が回転可能に挿入される穴部(73a)が形成された円筒状部材(71)を有するブッシュバランサ(70)と、旋回スクロールに固定され、円筒状部材を外周側から回転可能に支持する支持部材(B3)と、回転軸の一端面における偏心軸の周囲に配置され、かつ、回転軸の一端面から回転軸の軸線方向一方側に突起して設けられた軸部材(18b)と、軸部材を回転軸の一端面の所定位置に保持する力を発生させる保持力発生部材(74)と、を備えている。
このような構成によれば、保持力発生部材により、軸部材に回転軸の一端面の所定位置に保持する力が働くので、回転軸の回転が停止した際に、旋回スクロール21が固定スクロール20を押しつける押付力が速やかに緩和され、固定スクロール20の固定渦巻壁20bと旋回スクロール21の旋回渦巻壁21bとの間の気密性が急速に低下する。これにより、サイクル内の流体の圧力が速やかに均一化されるので、耐久性および静音性を確保しつつ旋回スクロールの逆回転を抑止することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る圧縮機の断面図である。 図1のII−II断面図である。 旋回スクロール、ブッシュバランサおよび回転軸の分解断面図である。 ブッシュバランサを回転軸側から見た図である。 回転軸が回転する際の回転軸の軸線、偏心ピンの中心線およびボス部の中心線の位置を表した図である。 回転軸の回転停止時と開店時の公転半径について説明するための図である。 本発明の第2実施形態の圧縮機のボス部を回転軸側から見た図である。 本発明の第3実施形態の圧縮機のボス部を回転軸側から見た図である。 本発明の第4実施形態の圧縮機のブッシュバランサおよび回転軸の分解断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る圧縮機について図1〜図6を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る圧縮機の断面図である。本実施形態の圧縮機は、電動式のスクロール型圧縮機10として構成されている。スクロール型圧縮機10は、車両に搭載されるとともに車両空調装置に用いられる。
図1に示すように、スクロール型圧縮機10は、金属材料製(本実施形態ではアルミニウム製)のハウジング11を有している。ハウジング11は、一端(図1の左端)に開口が形成された有底筒状の吸入ハウジング構成体12と、吸入ハウジング構成体12の一端に連結されたブロック状の中間圧ハウジング13と、中間圧ハウジング13の一端(図1の左端)に連結されたブロック状の吐出ハウジング14とを有する。よって、中間圧ハウジング13は、吸入ハウジング構成体12と吐出ハウジング14との間に配置されている。吸入ハウジング構成体12には吸入ポート12hが形成されている。吐出ハウジング14には吐出ポート14hが形成されている。吸入ハウジング構成体12内には、冷媒を圧縮するための圧縮機構15と、圧縮機構15の駆動源である電動モータ16とが収容されている。
吸入ハウジング構成体12の開口寄りには、軸支部材17が固定されている。軸支部材17の中央部には挿通孔17hが形成されている。そして、軸支部材17と吸入ハウジング構成体12とにより電動モータ16が収容されるモータ室12aが区画されている。吸入ハウジング構成体12内には、回転軸18が収容されている。回転軸18の一端側(吸入ハウジング構成体12の開口側)は、軸支部材17の挿通孔17hに挿通されるとともに、ベアリングB1を介して軸支部材17に回転可能に支持されている。回転軸18の他端側(吸入ハウジング構成体12の底壁側)は、ベアリングB2を介して吸入ハウジング構成体12に回転可能に支持されている。
電動モータ16は、回転軸18と一体的に回転するロータ16a(回転子)と、ロータ16aを取り囲むように吸入ハウジング構成体12の内周面に固定されたステータ16b(固定子)とから構成されている。
圧縮機構15は、固定スクロール20及び旋回スクロール21により構成されている。固定スクロール20は、円板状である固定基板20aと、固定基板20aから立設される固定渦巻壁20bとから構成されている。旋回スクロール21は、円板状である旋回基板21aと、旋回基板21aから固定基板20aに向かって立設される旋回渦巻壁21bとから構成されている。
固定渦巻壁20bと旋回渦巻壁21bとは互いに噛み合わされている。固定渦巻壁20bの先端面は旋回基板21aに接触しているとともに、旋回渦巻壁21bの先端面は固定基板20aに接触している。そして、固定基板20a及び固定渦巻壁20bと、旋回基板21a及び旋回渦巻壁21bとによって圧縮室22が区画されている。軸支部材17には、モータ室12aと圧縮室22とを連通する吸入通路17aが形成されている。
旋回基板21aと軸支部材17との間には、自転阻止機構23が配設されている。自転阻止機構23は、軸支部材17における旋回基板21a側の端面に複数(図1では一つのみ図示)設けられた円環孔23aと、旋回基板21aにおける軸支部材17側の端面の外周部に突設されるとともに各円環孔23aに遊嵌されたピン23bとから構成されている。
軸支部材17の旋回スクロール21側には背圧室17bが形成されている。この背圧室17bは、回転軸18の軸線を中心とする円環状に形成されている。背圧室17bには、後述する圧縮室22で圧縮された高圧の冷媒が供給される。そのため、背圧室17b内の冷媒の圧力によって旋回スクロール21が固定スクロール20側に押し付けられ、旋回スクロール21と固定スクロール20とが密着する。
背圧室17bには、回転軸18の一端およびブッシュバランサ70が収容されている。図3に示すように、回転軸18の一端面における回転軸18の回転軸線J1に対して偏心した位置には、駆動ピン18aが突設されている。この駆動ピン18aは、回転軸18の一端面から回転軸18の軸線方向一方側へ突起する偏心軸である。駆動ピン18aの軸線J3は、回転軸18の軸線J1に対して偏心している。
また、回転軸18の一端面における駆動ピン18aの周囲には、規制ピン18bが設けられている。規制ピン18bは、回転軸18の一端面から回転軸18の軸線方向一方側に突設されている。規制ピン18bは、回転軸18の一端面から回転軸18の軸線方向一方側へ突起する円筒形状をなす軸部材である。規制ピン18bの軸線J4は、回転軸18の軸線J1に対して偏心している。なお、駆動ピン18aは偏心軸に相当し、規制ピン18bは軸部材に相当する。
ブッシュバランサ70は、電動モータ16の回転時に旋回スクロール21を固定スクロール20に押し付ける押付力を発生する。ブッシュバランサ70は、円環状のボス部71と錘としての機能を果たすウェイト部72と、を有している。ボス部71の一面には、回転軸18の駆動ピン18aを嵌め込む穴部73aが形成されている。
ボス部71の回転軸18側の面には、穴部73aが形成されている。穴部73aは、ボス部71の中心に対して偏心して設けられている。穴部73aには、回転軸18の一端面に突設された駆動ピン18aが嵌め込まれる。
ボス部71の回転軸18側の面には、保持部材74が設けられている。保持部材74は、ゴム等の弾性体により構成されている。保持部材74には、穴部74aが形成されている。この穴部74aには、回転軸18の一端面に突設された規制ピン18bが嵌め込まれる。穴部74aは、ボス部71の中心に対して偏心して設けられている。また、穴部74aは、保持部材74の中央に形成されている。保持部材74は、規制ピン18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持する力を発生させる。
ウェイト部72は、ボス部71に接続され、かつ、ボス部71の軸線J2に対して径方向外側に設けられている。本実施形態では、ウェイト部72とボス部71は一体で形成されている。
旋回スクロール21の旋回基板21aの中心部には、ベアリング部B3が設けられている。ブッシュバランサ70のボス部71は、ベアリング部B3によって回動自在に支持されている。
図3に示すように、回転軸18の軸線J1と、ブッシュバランサ70のボス部71の軸線J2と、駆動ピン18aの軸線J3と、規制ピン18bの軸線J4は、互いにオフセットしている。
電動モータ16によって回転軸18が回転駆動されると、旋回スクロール21が駆動ピン18aを介して固定スクロール20の軸心(回転軸18の回転軸線L)の周りで公転される。このとき、旋回スクロール21は、自転阻止機構23によって自転が阻止されて、公転運動のみが許容される。この旋回スクロール21の公転運動により、圧縮室22の容積が減少する。
固定基板20aの中央には吐出口20eが形成されている。固定基板20aには、吐出弁20vが吐出口20eを覆うように取り付けられている。中間圧ハウジング13には、吐出口20eに連通する連通通路24が形成されている。吐出ハウジング14には、連通通路24に連通する吐出室25が形成されている。また、吐出ハウジング14には、吐出ポート14hに連通する油分離室26が形成されている。さらに、吐出ハウジング14には、吐出室25と油分離室26とを連通する通路27が形成されている。油分離室26には油分離筒28が設けられている。油分離筒28は、油分離室26に嵌合される大径部28aと、大径部28aより下側にあって大径部28aよりも小径の小径部28bとを備えている。
図2に示すように、固定基板20aには、インジェクションポート30が形成されている。インジェクションポート30は、円孔状を成している。
図1に示すように、中間圧ハウジング13における吐出ハウジング14側の端面には、収容凹部31が形成されている。また、中間圧ハウジング13には、収容凹部31に中間圧の冷媒を導入するインジェクション配管32が接続される導入ポート33が形成されている。なお、インジェクション配管32には、後述する外部冷媒回路50が接続されている。
収容凹部31には、弁機構40が収容されている。弁機構40は、圧縮室22から導入ポート33側へ冷媒が流れるのを防止する。弁機構40は、バルブプレート41と、リード弁形成プレート42と、リテーナ形成プレート43とから構成されている。バルブプレート41の中央部には、単一の弁孔41aが形成されている。
リード弁形成プレート42は薄平板状であるとともに金属材料製(本実施形態では鉄製)であり、その外形が収容凹部31の内壁に沿った形状になっている。リード弁形成プレート42は、バルブプレート41の弁孔41aを覆うことが可能な大きさに形成されるとともに弁孔41aを開閉する。
リテーナ形成プレート43は、薄平板状であるとともにゴム材料製であり、その外形が収容凹部31の内壁に沿った形状になっている。リテーナ形成プレート43は、リード弁形成プレート42の開度を規制する。
収容凹部31の底壁上には、リテーナ形成プレート43、リード弁形成プレート42、バルブプレート41が、この順序で配置されている。そして、リテーナ形成プレート43、リード弁形成プレート42及びバルブプレート41は、ボルト45によって、収容凹部31の底壁に締結されている。
収容凹部31の開口は、平板状の蓋部材44により閉鎖されている。蓋部材44は、ボルト46によって中間圧ハウジング13に締結されるとともに、吐出室25の内部に配置されている。蓋部材44と中間圧ハウジング13との間には、中間圧ハウジング13と吐出ハウジング14との間をシールするガスケット47の一部が介在されている。よって、収容凹部31の内部と吐出室25との間は、ガスケット47によってシールされている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
ロータ16aが回転すると、回転軸18を介して旋回スクロール21が公転運動する。すると、圧縮機構15において圧縮動作及び吐出動作が行われて、冷媒が外部冷媒回路50を循環する。そして、低圧の冷媒が吸入ポート12hを介してモータ室12aに吸入される。モータ室12aに吸入された冷媒は、旋回スクロール21の旋回(吸入動作)によって、吸入通路17aを介して圧縮室22へ吸入される。圧縮室22内の冷媒は、旋回スクロール21の旋回(吐出動作)によって、圧縮されながら吐出口20eから吐出弁20vを押し退けて、高圧の冷媒として連通通路24へ吐出され、連通通路24を介して吐出室25内に流出する。
吐出室25内の冷媒は、通路27を介して油分離室26へ流出する。油分離室26へ流出した冷媒は、小径部28bの周囲を旋回した後、小径部28bの下部開口から油分離筒28内に流入する。油分離筒28内に流入した冷媒は、吐出ポート14hから吐出される。
次に、旋回スクロール21に生じる押付力について説明する。
本圧縮機は、電動モータ16によって回転軸18が回転駆動されると、回転軸18を介して旋回スクロール21が公転運動する。これにより、圧縮機構15において圧縮動作及び吐出動作が行われる。
この際、図2に示すように、固定スクロール20の固定渦巻壁20bと旋回スクロール21の旋回渦巻壁21bの間には、圧力の高い高圧力領域と圧力の低い低圧力領域が形成される。
なお、旋回スクロール21の中心に近づくにつれて圧力は高くなる。そして、高圧力領域と低圧力領域の圧力差により、旋回スクロール21およびブッシュバランサ70に圧縮力Fcと呼ばれる力が働く。この圧縮力Fcは、旋回スクロール21の中心から径方向外側を向いている。
一方、ブッシュバランサ70のボス部71には、回転軸18の一端面に設けられた駆動ピン18aが回転可能に挿入される穴部73aが形成されており、この穴部73aに駆動ピン18aが挿入されている。
図5は、回転軸18が回転する際の回転軸18の軸線J1、駆動ピン18aの中心線J3およびボス部71の中心線J2の位置を表している。電動モータ16によって回転軸18が回転駆動されると、ボス部71は、駆動ピン18aの軸心J3を中心に駆動ピン18a周りに回転することにより旋回スクロール21を公転運動させる。
この際、ブッシュバランサ70にかかる圧縮力Fcが、図5中に示すような、駆動ピン18aの軸周りのモーメントMを発生させる。このモーメントMにより、図2中の矢印F1に示したような、旋回スクロール21が固定スクロール20を押しつける押付力が生じる。この押付力により固定スクロール20の固定渦巻壁20bと旋回スクロール21の旋回渦巻壁21bとの気密性が確保され、効率よく圧縮動作が行われる。
ここで、図5に示すように、旋回スクロール21の公転半径rは、回転軸18の軸線J1とボス部71の中心J2との距離となる。ただし、回転軸18が回転している場合の旋回スクロール21の公転半径rは、上記したモーメントMにより回転軸18が回転していない場合よりも大きくなる。
図6は、電動モータ16が作動を停止している場合と電動モータ16が作動している場合のブッシュバランサ70を表している。(a)は、電動モータ16が作動を停止している場合のブッシュバランサ70を表しており、(b)は、電動モータ16が作動している場合のブッシュバランサ70を表している。
電動モータ16が作動を停止しており、回転軸18が回転していない場合、上記したモーメントMがブッシュバランサ70に作用しないため、(a)に示すように、規制ピン18bは、保持部材74の中央に位置する。
一方、電動モータ16が作動して、回転軸18が回転している場合、上記したモーメントMがブッシュバランサ70に作用する。この際、規制ピン18bには、保持部材74により保持部材74の中央に位置する力が作用するが、上記したモーメントMによって、(b)に示すように、規制ピン18bは、保持部材74に対して偏心する。具体的には、規制ピン18bは、保持部材74の中央より偏った場所に位置する。
なお、図6に示すように、旋回スクロール21の公転半径rは、回転軸18が回転していない場合よりも、回転軸18が回転している場合の方が大きくなる。また、旋回スクロール21が固定スクロール20を押しつける押付力は、旋回スクロール21の公転半径rが小さい場合よりも大きい場合の方が大きくなる。
このような圧縮機では、電動モータ16によって回転軸18が回転を停止した際に、サイクル内の冷媒の圧力が均一化され、導入ポート33内の冷媒の圧力と圧縮室22内の冷媒の圧力が同等となるまで、導入ポート33から圧縮室22へ中間圧の冷媒が流れ込む。そして、この圧縮室22への冷媒の流れ込みにより旋回スクロール21が逆回転してしまう。
しかし、本実施形態の圧縮機は、規制ピン18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持する力を発生させる保持部材74を備えている。したがって、電動モータ16によって回転軸18が回転を停止した際に、保持部材74の弾性力により規制ピン18bは速やかに保持部材74の中央の位置(所定位置)に復帰する。このため、旋回スクロール21が固定スクロール20を押しつける押付力が速やかに緩和され、固定スクロール20の固定渦巻壁20bと旋回スクロール21の旋回渦巻壁21bとの間の気密性が急速に低下する。これにより、サイクル内の冷媒の圧力が速やかに均一化されるので、耐久性および静音性を確保しつつ旋回スクロールの逆回転を抑止することができる。
上記したように、圧縮装置は、渦巻き状の固定渦巻壁20bを有する固定スクロール20と、固定渦巻壁20bと噛み合う渦巻き状の旋回渦巻壁21bを有する旋回スクロール21と、を有し、旋回スクロール21を固定スクロール20に対して旋回させることにより流体を圧縮して吐出する圧縮機構15を備えている。また、回転自在に支持される回転軸18と、回転軸18の一端面から回転軸18の軸線方向一方側に突起し、かつ、回転軸18の軸線に対して偏心して設けられた偏心軸18aと、偏心軸18aが回転可能に挿入される穴部73aが形成された円筒状部材71を有するブッシュバランサ(70)と、旋回スクロール21に固定され、円筒状部材71を外周側から回転可能に支持する支持部材B3と、回転軸18の一端面における偏心軸の周囲に配置され、かつ、回転軸18の一端面から回転軸18の軸線方向一方側に突起して設けられた軸部材18bと、軸部材18を回転軸18の一端面の所定位置に保持する力を発生させる保持力発生部材74と、を備えている。
このような構成によれば、保持力発生部材74により、軸部材18bに回転軸18の一端面の所定位置に保持する力が働くので、回転軸18の回転が停止した際に、旋回スクロール21が固定スクロール20を押しつける押付力が速やかに緩和され、固定スクロール20の固定渦巻壁20bと旋回スクロール21の旋回渦巻壁21bとの間の気密性が急速に低下する。これにより、サイクル内の流体の圧力が速やかに均一化されるので、耐久性および静音性を確保しつつ旋回スクロールの逆回転を抑止することができる。
なお、保持力発生部材74は、円筒状部材71に配置することができる。
また、保持力発生部材74は、弾性部材74を有し、弾性部材74の弾性力により軸部材18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持している。このように、弾性部材74の弾性力により軸部材18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持することができる。
また、弾性部材74には、軸部材18bが挿入される穴部74aが形成されており、軸部材18bは、弾性部材74に形成された穴部74aに挿入されている。このように、軸部材18bを、弾性部材74に形成された穴部74aに挿入するよう構成することができる。
また、弾性部材74は、ゴムにより構成されている。このように、弾性部材74を、ゴムにより構成することができる。
なお、本実施形態では、弾性部材74をゴムにより構成したが、弾性部材74を樹脂等の弾性体により構成してもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る圧縮機について図7を用いて説明する。図7は、実施形態の圧縮機のボス部を回転軸側から見た図である。上記第1実施形態では、弾性部材74を、ゴムまたは樹脂等の弾性体により構成した。これに対し、本実施形態では、弾性部材74をバネ部材75aにより構成している。
ボス部71には、穴部750が形成されている。保持部材75は、この穴部750に配置されたリング部75bおよび複数のバネ部材75aを有している。
リング部75bは、円環状をなしている。リング部75bには、規制ピン18bが挿入される。
バネ部材75aは、コイル状を成している。バネ部材75aは、一端が穴部750の側壁に固定されており、他端がリング部75bの外壁に接続されている。複数のバネ部材75aは、穴部750内で、穴部750の中央にリング部75bを保持している。このリング部75b内には、規制ピン18bが挿入される。
保持部材75は、規制ピン18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持する力を発生させる。具体的には、複数のバネ部材75aは、リング部75bを互いに引き合っており、これにより、リング部75bに挿入された規制ピン18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持する。
上記したように、弾性部材74はバネ部材75aにより構成されている。このように、 弾性部材74を、バネ部材75aにより構成することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る圧縮機について図8を用いて説明する。本実施形態では、保持力発生部材として磁力を発生する磁石76aを有する保持部材76を用いている。
ボス部71には、穴部760が形成されている。保持部材76は、この穴部760に配置された複数の磁石76aを有している。
複数の磁石76aは、穴部760の内周に配置されている。複数の磁石76aは、同一の極(本実施形態では、S極)が穴部760の中心側に位置するよう配置されている。
本実施形態の規制ピン18bは、磁性体により構成されている。規制ピン18bは、穴部760の中心に配置される。
上記したように、規制ピン18bは、磁性材により構成されており、保持力発生部材74は、磁石76aを有し、磁石76aの磁力により規制ピン18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持する。
このように、規制ピン18bを、磁性材により構成し、磁石76aの磁力により規制ピン18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持することができる。
(第4実施形態)
本発明の第2実施形態に係る圧縮機について図9を用いて説明する。本実施形態では、弾性体により構成された規制ピン18bにより保持力発生部材74を構成している。
ボス部71には、規制ピン18bを挿入するための穴部770が形成されている。
また、規制ピン18bは、ゴムまたは樹脂等の弾性体により構成されている。規制ピン18bは、駆動ピン18aに固定されている。
上記したように、規制ピン18bは、弾性体により構成されており、保持力発生部材74は、規制ピン18bの弾性力により該規制ピン18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持している。このように、規制ピン18bの弾性力により該規制ピン18bを回転軸18の一端面の所定位置に保持することもできる。
また、規制ピン18bは、駆動ピン18aに固定されている。このように、規制ピン18bを、駆動ピン18aに固定することもできる。
本実施形態では、規制ピン18bを駆動ピン18aに固定したが、規制ピン18bを回転軸18の一端面に固定してもよい。
(他の実施形態)
(1)上記各実施形態では、車両に搭載されるとともに車両空調装置に用いられるスクロール型圧縮機10の例を示したが、このような用途に限定されるものではない。
(2)上記実施形態では、回転軸18の一端面に、円筒形状をなす規制ピン18bを設けたが、規制ピン18bの形状は円筒形状に限定されるものではない。
(3)上記実施形態では、1つの規制ピン18bを回転軸18の一端面に設けたが、複数の規制ピン18bを回転軸18の一端面に設けるようにしてもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、圧縮装置は、渦巻き状の固定渦巻壁を有する固定スクロールと、固定渦巻壁と噛み合う渦巻き状の旋回渦巻壁を有する旋回スクロールと、を有し、旋回スクロールを固定スクロールに対して旋回させることにより流体を圧縮して吐出する圧縮機構を備えている。また、回転自在に支持される回転軸と、回転軸の一端面から回転軸の軸線方向一方側に突起し、かつ、回転軸の軸線に対して偏心して設けられた偏心軸と、偏心軸が回転可能に挿入される穴部が形成された円筒状部材を有するブッシュバランサと、旋回スクロールに固定され、円筒状部材を外周側から回転可能に支持する支持部材と、回転軸の一端面における偏心軸の周囲に配置され、かつ、回転軸の一端面から回転軸の軸線方向一方側に突起して設けられた軸部材と、軸部材を回転軸の一端面の所定位置に保持する力を発生させる保持力発生部材と、を備えている。
また、第2の観点によれば、保持力発生部材は、円筒状部材に配置されている。このように、保持力発生部材は、円筒状部材に配置することができる。
また、第3の観点によれば、保持力発生部材は、弾性部材を有し、弾性部材の弾性力により軸部材を回転軸の一端面の所定位置に保持する。このように、弾性部材の弾性力により軸部材を回転軸の一端面の所定位置に保持することができる。
また、第4の観点によれば、弾性部材には、軸部材が挿入される穴部が形成されており、軸部材は、弾性部材に形成された穴部に挿入されている。このように、軸部材を、弾性部材に形成された穴部に挿入しりよう構成することができる。
また、第5の観点によれば、弾性部材は、ゴムにより構成されている。このように、弾性部材を、ゴムにより構成することができる。
また、第6の観点によれば、弾性部材は、ばねにより構成されている。このように、弾性部材を、ばねにより構成することができる。
また、第7の観点によれば、軸部材は、磁性材により構成されており、保持力発生部材は、磁石を有し、磁石の磁力により軸部材を回転軸の一端面の所定位置に保持する。このように、磁石の磁力により軸部材を回転軸の一端面の所定位置に保持することができる。
また、第8の観点によれば、軸部材は、弾性体により構成されており、保持力発生部材は、軸部材の弾性力により該軸部材を回転軸の一端面の所定位置に保持する。このように、軸部材を、弾性体により構成することもできる。
また、第9の観点によれば、軸部材は、偏心軸に固定されている。このように、軸部材を、偏心軸に固定することもできる。
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、駆動ピン18aは偏心軸に相当し、ボス部71は、偏心軸18aが回転可能に挿入される穴部73aが形成された円筒状部材に相当する。また、ベアリング部B3は、円筒状部材71を外周側から回転可能に支持する支持部材に相当し、規制ピン18bは軸部材に相当する。
10 圧縮機
15 圧縮機構
18 回転軸
18a 駆動ピン
18b 規制ピン
20 固定スクロール
20a 固定渦巻壁
21 旋回スクロール
21a 旋回渦巻壁
70 ブッシュバランサ
71 ボス部
74 保持力発生部材

Claims (9)

  1. 圧縮機であって、
    渦巻き状の固定渦巻壁(20b)を有する固定スクロール(20)と、前記固定渦巻壁と噛み合う渦巻き状の旋回渦巻壁(21b)を有する旋回スクロール(21)と、を有し、旋回スクロールを固定スクロールに対して旋回させることにより流体を圧縮して吐出する圧縮機構(15)と、
    回転自在に支持される回転軸(18)と、
    前記回転軸の一端面から前記回転軸の軸線方向一方側に突起し、かつ、前記回転軸の軸線に対して偏心して設けられた偏心軸(18a)と、
    前記偏心軸が回転可能に挿入される穴部(73a)が形成された円筒状部材(71)を有するブッシュバランサ(70)と、
    前記旋回スクロールに固定され、前記円筒状部材を外周側から回転可能に支持する支持部材(B3)と、
    前記回転軸の一端面における前記偏心軸の周囲に配置され、かつ、前記回転軸の一端面から前記回転軸の軸線方向一方側に突起して設けられた軸部材(18b)と、
    前記軸部材を前記回転軸の一端面の所定位置に保持する力を発生させる保持力発生部材(74)と、を備えた圧縮機。
  2. 前記保持力発生部材は、前記円筒状部材に配置されている請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記保持力発生部材は、弾性部材(74)を有し、前記弾性部材の弾性力により前記軸部材を前記回転軸の一端面の所定位置に保持する請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 前記弾性部材には、前記軸部材が挿入される穴部(74a)が形成されており、
    前記軸部材は、前記弾性部材に形成された穴部に挿入されている請求項3に記載の圧縮機。
  5. 前記弾性部材は、ゴムにより構成されている請求項4に記載の圧縮機。
  6. 前記弾性部材は、ばねにより構成されている請求項3に記載の圧縮機。
  7. 前記軸部材は、磁性材により構成されており、
    前記保持力発生部材は、磁石(76a)を有し、前記磁石の磁力により前記軸部材を前記回転軸の一端面の所定位置に保持する請求項1または2に記載の圧縮機。
  8. 前記軸部材は、弾性体により構成されており、
    前記保持力発生部材は、前記軸部材の弾性力により該軸部材を前記回転軸の一端面の所定位置に保持する請求項1に記載の圧縮機。
  9. 前記軸部材は、前記偏心軸に固定されている請求項8に記載の圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2583373A (en) * 2019-04-26 2020-10-28 Edwards Ltd Scroll pump crank sleeve

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