JP2018131419A - 血中尿酸値を低下させるための医薬および食品組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】血中尿酸値を低下させるための医薬および食品組成物を提供する。【解決手段】式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物を有効成分として含む、血中尿酸値を低下させるための医薬および食品組成物;式中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、またはメトキシ基を示し、好ましくは、R1およびR3がそれぞれ水酸基であり、かつR2およびR4がそれぞれ水素原子である。【選択図】図4

Description

本発明は、血中尿酸値を低下させるための医薬および食品組成物に関する。
高尿酸血症は、血中の尿酸濃度が高い状態を意味し、痛風や尿路結石のほか種々の疾患の誘因となる状態である。
高尿酸血症を改善し、痛風発作等の発生を予防する医薬としては、例えば、アロプリノールが知られている。アロプリノールは尿酸の前駆体であるキサンチンから尿酸を生成させる酵素であるキサンチンオキシダーゼを阻害することにより、血中尿酸値を低下させる。
キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する化合物としては、各種フラボノイド(非特許文献1)やエラグ酸(特許文献1および2)が公知である。
特開2000−290188号公報 特開2006−265174号公報
Journal of Natural Products, 61(1), 71-76 (1998). Cytotechnology (2016). doi:10.1007/s10616-016-0005-z
本発明は血中尿酸値を低下させるための新規医薬を提供することを課題とする。本発明はまた、血中尿酸値を低下させるための食品組成物を提供することを課題とする。
血中尿酸値低下作用を有する物質のスクリーニングには、従来、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を指標とする方法や高尿酸血症動物モデルに直接投与して確認する方法が採られてきた。しかし、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を指標とする上記の方法では、キサンチンオキシダーゼに対しては阻害活性を有しないが血中尿酸値低下作用を有する物質を候補物質として選択することができない。すなわち、例えば、他の酵素への作用で血中尿酸値低下作用を示す物質を見逃してしまう。一方、動物を用いた方法は、貴重な被検物質を相当量必要とすることに加え、時間や費用を要する。
このような状況下、本発明者らは、血中尿酸値低下作用を有しうる候補物質を広く同定することが可能であるとともに動物を用いない一次スクリーニング法を考案した(非特許文献2)。本発明者らは、この一次スクリーニング法を用い、血中尿酸値低下作用を有する物質を新たに見出し、この知見に基づきさらに検討を行ない、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[8]を提供するものである。
[1]式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物を有効成分として含む、血中尿酸値を低下させるための医薬;
式中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、またはメトキシ基を示す。
[2]R1が水酸基である、[1]に記載の医薬。
[3]R2およびR4がそれぞれ水素原子である、[1]または[2]に記載の医薬。
[4]R1およびR3がそれぞれ水酸基であり、かつR2およびR4がそれぞれ水素原子である、[1]に記載の医薬。
[5]式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物を有効成分として含む、血中尿酸値を低下させるための食品組成物:
式中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、またはメトキシ基を示す。
[6]R1が水酸基である、[5]に記載の食品組成物。
[7]R2およびR4がそれぞれ水素原子である、[5]または[6]に記載の食品組成物。
[8]R1およびR3がそれぞれ水酸基であり、かつR2およびR4がそれぞれ水素原子である、[5]に記載の食品組成物。
本発明により、血中尿酸値を低下させるための新規医薬が提供される。また、本発明により、血中尿酸値を低下させるための食品組成物が提供される。
肝臓細胞を維持する緩衝塩類液中においてウロリチンA添加が尿酸産生量に与える影響を示した図である。 肝臓細胞を維持する緩衝塩類液中においてウロリチンA添加およびエラグ酸添加が尿酸産生量に与える影響を示した図である。 肝臓細胞を維持する緩衝塩類液中においてウロリチンA添加およびウロリチンB添加が尿酸産生量に与える影響を示した図である。 ウロリチンA投与がマウスの血漿尿酸濃度に与える影響を示した図である。 ウロリチンAおよびエラグ酸の投与(単回投与)がそれぞれマウスの血漿尿酸濃度に与える影響を示した図である。 プリン体の肝臓での代謝経路を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、血中尿酸値を低下させるための医薬または食品組成物に関する。
本明細書において、血中尿酸値低下作用というとき、血中尿酸値を低下させる作用であってもよく、血中尿酸値の上昇を抑制する作用であってもよい。したがって、血中尿酸値を低下させるための医薬というとき、血中尿酸値を低下させるための医薬であってもよく、血中尿酸値の上昇を抑制する医薬であってもよい。血中尿酸値を低下させるための食品組成物というときも同様である。なお、血中尿酸値は血液中の尿酸濃度であり、通常、mg/dLの単位で表される値である。血漿中または血清中の尿酸の濃度に基づいて血中尿酸値の低下や上昇を判断することもできる。
本発明の医薬は式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物を有効成分として含む。
式(I)中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、またはメトキシ基を示す。
1は水酸基であることが好ましい。R2は水素原子または水酸基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。式(I)において、R1が水酸基であり、かつR2およびR4がそれぞれ水素原子である化合物がより好ましく、R1およびR3がそれぞれ水酸基であり、かつR2およびR4がそれぞれ水素原子である化合物がさらに好ましい。
式(I)において、R1およびR3がそれぞれ水酸基であり、かつR2およびR4がそれぞれ水素原子である化合物はウロリチンA、R1が水酸基であり、かつR2、R3、およびR4がそれぞれ水素原子である化合物はウロリチンB、R1が水酸基であり、R2およびR4がそれぞれ水素原子であり、R3がメトキシ基である化合物はメチルウロリチンAとして知られている。
上記ウロリチン類は、ザクロやイチゴなどに含まれるエラグ酸の腸内細菌による代謝等で生じる化合物である(J.Agric.Food Chem.,Vol 57, No.21, 2009, 10181-10186; Mol.Nutr. Food Res. 2015, 59, 1942-1953等参照)。
式(I)で表される化合物としては、天然成分や、天然成分発酵物を用いてもよく、合成品を用いてもよい。
式(I)で表される化合物は、その薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物として用いてもよい。
塩としては、塩酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩や、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸および安息香酸等の有機酸との塩が挙げられる。塩や遊離形態の化合物の他、これらの任意の水和物あるいは溶媒和物を有効成分として用いてもよい。上記の溶媒和物を形成し得る溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、塩化メチレン等が挙げられる。
医薬としては、錠剤、カプセル剤、細粒剤、散剤、丸剤、トローチ、舌下剤、または液剤などの経口投与の製剤、あるいは注射剤、座剤、軟膏、貼付剤などの非経口投与用の製剤を例示することができる。特に経口投与の製剤とすることが好ましい。
式(I)で表される化合物は、血液中の尿酸値を低下させる作用を有する。したがって、式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物は、血中尿酸値を低下させるための医薬の有効成分として有用である。医薬として具体的には、高尿酸血症または高尿酸血症に起因する疾患もしくは高尿酸血症を伴う疾患の予防および/または治療のための医薬が挙げられる。高尿酸血症に起因する疾患もしくは高尿酸血症を伴う疾患としては、痛風、腎障害、尿路結石等が挙げられる。また、近年、高濃度尿酸がインスリン抵抗性を引き起こすことが報告されており、式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物は2型糖尿病の悪化予防のための医薬の有効成分として用いることもできる。
また、式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物は、血中尿酸値を低下させるための食品組成物の有効成分として有用である。食品組成物は、血中尿酸値上昇抑制のための飲食品、高尿酸血症の予防および/もしくは治療のための飲食品、痛風、腎障害、尿路結石等の予防のための飲食品、または2型糖尿病の悪化予防のための飲食品として提供されていてもよい。飲食品としては、飲料、ビスケット、クッキー、チョコレート、ドロップなどの形態とすることができる。
式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物は、例えば、体重1kg当たり5.0mg〜1.0g程度、好ましくは10mg〜500mg程度で、1日1〜5回程度、ヒトまたはそのほかの哺乳動物等に投与することができる。
後述の実施例で示すように、本発明者らは、Cytotechnology (2016). doi:10.1007/s10616-016-0005-zに記載の培養肝臓細胞を用いた方法により、上記式(I)で表される化合物を、血中尿酸値低下作用を有する物質の候補物質として見いだし、さらに上記文献に記載の動物実験と同様の動物実験により上記化合物の血中尿酸値低下作用を確認した。
上記Cytotechnologyに記載の方法は、特定の酵素の活性に着目する方法等ではないため、上記式(I)で表される化合物は、どのような作用機作で血中尿酸値を低下させているかは明らかではない。しかし、少なくとも肝臓中でのプリン体の代謝によって尿酸が産生する過程に関わっていると考えられる。
図6に示すように、尿酸は肝臓中で複数の酵素が関わるプリン体の代謝によって生じる。実施例に示す方法では尿酸前駆体として、グアノシンおよびイノシンを使用しているため、式(I)で表される化合物の血中尿酸値低下作用は、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、キサンチンオキシダーゼ、またはグアニンデアミナーゼに作用して尿酸産生を抑制することに少なくとも由来すると推定できる。
上述のように、式(I)で表されるウロリチン類は、エラグ酸の腸内細菌による代謝で生じる化合物である。エラグ酸についてもインビトロでのキサンチンオキシダーゼ阻害活性が知られている。後述の実施例の動物実験で示されるように、ウロリチンAはエラグ酸よりも高い単回投与後の血中尿酸値低下作用を有する。すなわち、式(I)で表される化合物は血中尿酸値低下作用についてエラグ酸と比べて即効性がある。特に、式(I)で表される化合物は経口投与されたときに、エラグ酸と比べて迅速に血中尿酸値低下作用を示す。これは、ウロリチンA等の式(I)で表される化合物がエラグ酸よりも尿酸産生に関与する酵素を阻害する活性が高いことに由来すると考えられる。後述の実施例の肝臓細胞を用いた実験の結果(図2)はこの考察を支持する。さらに、ウロリチンA等の式(I)で表される化合物は、上記の酵素阻害活性に基づく作用以外の他の作用に基づいて血中尿酸値を低下させている可能性もある。他の作用としては、腎臓からの尿酸排泄を促進する作用などが挙げられる。
また、後述の実施例で示すように、数日投与を続けるとエラグ酸の血中尿酸値低下作用はウロリチンAとほぼ同等となる。これは、時間の経過によってエラグ酸がウロリチンAに変換したことに基づくと考えられる。すなわち、エラグ酸は体内において式(I)で表される化合物に変換されることによって、高い血中尿酸値低下作用を有し得る。一方、式(I)で表される化合物は、エラグ酸のウロリチン類への代謝活性を有していない個体においても血中尿酸値を低下させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
統計処理
実施例において、統計処理は以下のように行った。
データは平均値±標準誤差で示した。
AML12細胞の尿酸産生量の検討では、各群間の比較は一元配置分散分析(One-way ANOVA)を行った後にTukey法にて多重比較検定を行った。p<0.05 を統計的に有意とし、アルファベットの異なる群間(図1に示すグラフにおいて記載のa〜cの文字)において有意差があることを示した。
動物実験では、各群間の比較は一元配置分散分析(One-way ANOVA)を行った後に高尿酸血症モデルマウス群をコントロールとしてDunnett法を用いて多重比較検定を行った。p<0.05を統計的に有意とした(図4に示すグラフにおいて記載の*の印)。
全ての統計解析は、GraphPad Prism 6 (GraphPad Software Inc., San Diego, CA, USA)を用いて行った。
<肝臓細胞を用いた実験1>
細胞培養
AML12細胞をATCC(American Type Culture Collection, Manassas, VA, USA)より購入し、実験に用いた。10%FBS(ウシ胎児血清、Hyclone,Logan,UT,USA)、5μg/ml組換えヒトインスリン(ヒト組換え体、和光純薬工業株式会社)、5μg/mlトランスフェリン(和光純薬工業株式会社)、3ng/ml セレン(シグマアルドリッチ社(Sigma−Aldrich Chemical Co.,St.Louis,MO,USA))、40ng/ml デキサメタゾン(和光純薬工業株式会社)、100IU/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン(ナカライテスク株式会社)を含むDMEM/F−12培地(Life Technologies,Grand Island,NY,USA)にて37℃、5%CO2の条件下で培養した。
AML12を24ウェルマルチプレートに1.0×105細胞/ウェル(400μL)になるように播種し、10%FBS/DMEM/F−12培地で培養した。播種して72時間後に無血清DMEM/F−12培地で24時間培養した。次いで、AML12細胞をリン酸緩衝塩類液PBS(−)、和光純薬工業株式会社)で洗浄した。なお、実施例において、「PBS(−)」はカルシウムおよびマグネシウムを含まないリン酸緩衝塩類液を示す。
ウロリチンA存在下での細胞維持
下記の緩衝塩類液(BSS)中、100μMのグアノシン+100μMのイノシンの最終濃度となるように緩衝塩類液(188mM NaCl,5mM KCl,1mM MgCl2,0.8mM CaCl2,25mM NaHCO3,1mM NaH2PO4、10mM HEPES,5mMグルコース(全て和光純薬工業株式会社))に添加した。ウロリチンA(東京化成工業株式会社、純度98.1%)をDMSOに溶解し、緩衝塩類液中での最終濃度が0μM、10μM、30μM、100μMとなるように調製した緩衝塩類液200μL(DMSOとしての塩類液中での最終濃度は0.15%)を、上記のように洗浄後の肝臓細胞に加え37℃で2時間維持した。
尿酸産生量測定
上記維持後のBSSを回収後、肝臓細胞をPBS(−)で洗浄し、300μLの1mMリン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)および50mMトリス(pH7.5、Sigma−Aldrich Chemical Co.)を含む緩衝液中でセルスクレイパーにて掻き出し、超音波分解し、4℃で12000×g、5分間遠心分離した。BSS中の尿酸濃度は、ウリカーゼ比色法(尿酸C−テストワコー,和光純薬工業株式会社)を用いて測定した。また回収した細胞のタンパク量は、ビシンコニン酸法(Pierce BCA protein assay kit, Thermo Fisher Scientific Inc., Waltham,MA,USA)を用いて測定した。肝臓細胞タンパク量1mg当たり2時間当たりの尿酸産生量(nmol/2h/mgタンパク質)として算出した。結果を図1に示す。なお、図1に示すグラフで示される個々の値は平均±標準誤差(n=6)である。
図1に示す結果から分かるように、ウロリチンA添加によりAML12細胞の尿酸の産生量は用量依存的かつ統計的に有意に抑制された。以上の結果より、ウロリチンAにはAML12細胞の尿酸産生抑制作用があることが示唆された。
<肝臓細胞を用いた実験2>
上記実験1と同様の手順で、100μMウロリチンAおよび100μMエラグ酸(和光純薬工業株式会社、純度98%以上)をそれぞれ肝臓細胞に加えた例について実験を行ない、細胞による尿酸産生量を比較した。結果を図2に示す。なお、対照としては、いずれも添加しないものを用いた。
ウロリチンAを加えた例においてエラグ酸を加えた例よりも尿酸産生量が有意に低下した。
<肝臓細胞を用いた実験3>
上記実験1と同様の手順で、100μMウロリチンAと100μMウロリチンB(Sigma−Aldrich Chemical Co.、純度95%以上)をそれぞれ肝臓細胞に加えた例について実験を行ない、細胞中の尿酸濃度を比較した。結果を図3に示す。なお、対照として、いずれも添加しないものを用いた。
ウロリチンAを加えた例においてウロリチンBを加えた例よりも尿酸産生量が有意に低下した。
<動物実験1>
雄性ICRマウス4週齢を日本チャールズ・リバー株式会社より購入し、通常食(CRF−1、オリエンタル酵母工業株式会社)で一週間予備飼育した。その後、マウスを体重が均等になるようにして以下のように群分けを行った:正常マウス群(8匹/群)、高尿酸血症モデルマウス群(9匹/群)、アロプリノール群(8匹/群)、ウロリチンA低用量群(8匹/群)およびウロリチンA高用量群(8匹/群)の5群とし、試験に供した。予備飼育終了後、マウスに4時間の絶食を課し、0.5%(w/v)カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na、和光純薬工業株式会社)溶液で懸濁したウロリチンAを体重1kg当たりウロリチンA低用量群には80mg、高用量群には240mg経口投与した。アロプリノール群には0.5%CMC−Na溶液で懸濁したアロプリノールを体重1kg当たり10mg経口投与し、正常マウス群および高尿酸血症モデルマウス群には0.5%CMC−Na溶液のみを経口投与した。サンプルの経口投与を3日間連続で一日一回ずつ3回行い、投与後(3日目の投与後)1時間後に正常マウス群以外のマウスにPBS(−)に溶解したグアノシン 5’−モノリン酸(GMP、東京化成工業株式会社)とイノシン 5’−モノリン酸(IMP、東京化成工業株式会社)の両方をそれぞれ300mg/kg腹腔内投与した。正常マウス群にはPBS(−)のみを投与した。腹腔内投与の1時間後に、イソフルラン(Pfizer Inc., New York,NY,USA)麻酔下でマウスを開腹し、腹部下大静脈より採血を行った。回収した血液は氷上で静置した。静置後の血液を4℃で5000×g、10分間遠心分離し、血漿試料を得た。血漿中尿酸濃度は、ウリカーゼ比色法(尿酸C−テストワコー,和光純薬工業株式会社))を用いて測定した。
結果を図4に示す。なお、図4に示すグラフで示される個々の値は平均±標準誤差である。
図4から、ウロリチンAの投与により、高尿酸血症モデルマウスの血漿中尿酸濃度が用量依存的かつ有意(P<0.05)に低下していることが分かる。
<動物実験2>
正常マウス群(8匹/群)、高尿酸血症モデルマウス群(10匹/群)、アロプリノール群(8匹/群)、エラグ酸低用量群(8匹/群)、エラグ酸高用量群(8匹/群)、ウロリチンA低用量群(8匹/群)およびウロリチンA高用量群(8匹/群)の7群について、動物実験1と同様の手順および材料で動物実験2を行った。ただし、サンプルの経口投与は1回とした。エラグ酸は 和光純薬工業株式会社から入手し、エラグ酸低用量群には100mg、エラグ酸高用量群には300mgを経口投与した。
結果を図5に示す。なお、図5に示すグラフで示される個々の値は平均±標準誤差である。
図5から分かるように、高尿酸血症モデルマウスの血漿中尿酸濃度がウロリチンA用量依存的かつ有意(P<0.05)に低下した一方で、エラグ酸によっては高尿酸血症モデルマウスの血漿中尿酸濃度の有意な低下は見られなかった。
<動物実験3>
動物実験2で用いた7群のうちウロリチンA投与2群を除いた5群について、動物実験1と同様の手順および材料で動物実験3を行った。すなわち、サンプルの経口投与を3日間連続で一日1回ずつ3回行った。
その結果、エラグ酸によっても高尿酸血症モデルマウスの血漿中尿酸濃度の有意な低下が見られ、その抑制程度は、ウロリチンA投与群と同等であった。

Claims (8)

  1. 式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物を有効成分として含む、血中尿酸値を低下させるための医薬;
    式中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、またはメトキシ基を示す。
  2. 1が水酸基である、請求項1に記載の医薬。
  3. 2およびR4がそれぞれ水素原子である、請求項1または2に記載の医薬。
  4. 1およびR3がそれぞれ水酸基であり、かつR2およびR4がそれぞれ水素原子である、請求項1に記載の医薬。
  5. 式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの水和物もしくはそれらの溶媒和物を有効成分として含む、血中尿酸値を低下させるための食品組成物:
    式中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、またはメトキシ基を示す。
  6. 1が水酸基である、請求項5に記載の食品組成物。
  7. 2およびR4がそれぞれ水素原子である、請求項5または6に記載の食品組成物。
  8. 1およびR3がそれぞれ水酸基であり、かつR2およびR4がそれぞれ水素原子である、請求項5に記載の食品組成物。
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