JP2018129635A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、各チップアンテナには、送受信周波数の波長(λ)に対してλ/2またはλ/4で励振する放射電極と接地電極とを有し、接地電極が回路基板の長手方向の一辺側に向くように配置されているため、アンテナの設置状態、回路基板、周辺のGND配置等の影響により、回路基板内を励振させる共振電流を所望の方向に流すことは困難であり、小型化と同時に所望の指向性をフレキシブルに調整することは困難である。
さらに、特許文献1には、回路基板の一辺近傍に設置された2つのチップアンテナが互いに直交する向きに設置されていると共に回路基板の前記一辺に対して平行又は直交している例も記載されているが、一方のチップアンテナからの放射が他方に干渉してしまうために、この場合も回路基板の長手方向に指向性が限定されてしまう不都合があった。
特許文献3のアンテナ装置と同様のアンテナ占有領域で、さらにアンテナ性能の向上が要望されている。すなわち、特許文献3のアンテナ装置では、基板本体の端辺の両端にある一対の角部がアンテナ占有領域とされるが、同じ角部の面積において、より広い帯域幅と高い放射効率とが得られるアンテナ装置が要望されている。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナエレメントが、第1追加延在部の先端から基板本体の端辺に沿って延在する第2追加延在部を備えているので、第2追加延在部とアンテナ素子との間にも浮遊容量が発生すると共に、アンテナエレメントの開放端までの経路の中で、アンテナ素子と平行になる部分が無く、インピーダンスの高い開放端とアンテナ素子給電側との浮遊容量を効果的に利用でき、アンテナ全体の高インピーダンス化が可能になる。
すなわち、このアンテナ装置では、第2追加延在部が、アンテナ素子の基端の近傍まで延在しているので、第2追加延在部の開放端とアンテナ素子給電側との浮遊容量をより効果的に発生させることができる。
本発明のアンテナ装置によれば、アンテナ素子の先端から角部の角に向けて延在する第1追加延在部を備えているので、第1追加延在部とアンテナ素子との間に浮遊容量を発生させることができ、広帯域化及び高放射効率化を図ることができる。また、角部の角の直近までアンテナエレメントを配置することができ、アンテナエレメントから最大限に放射させることができる。
したがって、本発明によれば、従来と同様の角部の領域において、アンテナ性能のより高いアンテナ装置を得ることができる。
上記一対のアンテナ占有領域OP1,OP2は、基板本体2の端辺2aの両端にある一対の角部CNに設けられている。
上記一対のアンテナエレメント3A,3Bのアンテナ素子AT1,AT2は、互いに反対側に先端を向けていると共に基板本体2の端辺2aと反対側に先端を向けて延在している。
また、アンテナエレメント3A,3Bは、第1追加延在部E1の先端から基板本体2の端辺2aに沿って延在する第2追加延在部E2を備えている。
この第2追加延在部E2は、アンテナ素子AT1,AT2の基端の近傍まで延在している。
また、一対のアンテナエレメント3A,3Bの基端側に配されたグランド面GNDの端辺G1,G2が、一方に対して他方が異なる方向に延在していると共に少なくとも一方が基板本体2の端辺2aに対して傾斜している。すなわち、グランド面GNDの端辺G1,G2の少なくとも一方は、基板本体2の端辺2aに対して絶対値で0°を超えて90°未満の角度で延在している。
また、一対のアンテナエレメント3A,3Bのグランド接続延在部3aは、互いに内側に向けて配されている。
上記一対のアンテナ占有領域OP1,OP2は、基板本体2の同じ端辺2aの両端にある一対の角部CNであって、グランド面GNDを三角形状に切り欠いた形状で設けられている。また、各アンテナ占有領域OP1,OP2に接するグランド面GNDの端辺G1,G2は、互いに直交する方向に延在している。
なお、グランド面GNDには、RF回路部品実装領域を設けることができ、複数の部品が実装可能である。
また、アンテナエレメント3A,3Bは、アンテナ素子AT1,AT2の他端を実装するためのランド部3bを有している。
上記給電点FPには、例えば高周波回路に接続された同軸ケーブル(図示略)の芯線が接続され、該同軸ケーブルのグランド線は、近傍のグランド面GNDに接続される。
上記アンテナ素子AT1,AT2は、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子であって、例えば図3に示すように、セラミックス等の誘電体21の表面にAg等の導体パターン22が形成されたチップアンテナである。
本発明の実施形態の場合、給電点FPからアンテナ素子AT1,AT2までの間にグランド面GNDが重なっておらず、この間にアンテナエレメント3A,3Bが設けられグランド面GNDをカットした端辺G1,G2に対してアンテナエレメント3A,3Bの少なくとも一部が垂直に配置されているので、アンテナエレメント3A,3B内にグランド面GNDの影響を受けない部分が少なくとも1箇所存在し、その部分に第1受動素子P1a,P1bを設けることにより、その電気長をコントロールしてフレキシブルに共振周波数の調整を行うことができる。
そのため、当然、アンテナ素子AT1,AT2とグランド面GNDとの距離aは離した方が望ましいが、本発明の実施形態では、距離aをλ/16以下にしても、アンテナ利得の低下が小さく、高性能化を実現可能となる。これにより、アンテナ占有領域OP1,OP2の小型化と同時に、高性能化の両立を実現できる。
また、一対のアンテナエレメント3A,3Bのアンテナ素子AT1,AT2が、互いに反対側、すなわち互いに外側に先端を向けて延在しているので、互いに内側に先端を向けて配置する場合に比べて、干渉し難く、良好なアンテナ特性を得ることができる。
すなわち、第1追加延在部E1とアンテナ素子AT1,AT2との間には、図4に示すように、浮遊容量C1が生じると共に、第2追加延在部E2とアンテナ素子AT1,AT2との間には浮遊容量C2が生じる。また、第2追加延在部E2とアンテナ素子AT1,AT2の給電側基端部及び基端側のランド部3bとの間にも浮遊容量C3が発生する。
また、各受動素子として、第1受動素子P1aは8.2nHのインダクタであり、第1受動素子P1bは33.0nHのインダクタである。また、第2受動素子P2は8.2nHのインダクタである。
また、基板本体2の長手方向でアンテナ占有領域側に向かう方向をX方向とし、基板本体2のアンテナ占有領域OP1,OP2側の端辺2aに沿った方向でアンテナ占有領域OP2からアンテナ占有領域OP1へ向かう方向をY方向とし、基板本体2の表面に対する垂直方向をZ方向とした。この際のXY面に対する電力利得を測定した。
なお、アンテナエレメント3Aは、中心周波数:920MHzで、VSWR=3以下の帯域幅が80.8MHzであった。また、アンテナエレメント3Bは、中心周波数:920MHzで、VSWR=3以下の帯域幅が79.9MHzであった。
図7に示すように、本実施例のアンテナ装置1は、開放装荷エレメントの効果により、開放装荷エレメントが無い従来に比べ、同一面積のアンテナ占有領域OP1,OP2において帯域幅が20%以上改善されている。
図8に示すように、本実施例のアンテナ装置1は、中心周波数:920MHzで放射効率が−3.3dBであり、従来のアンテナ装置は、中心周波数:920MHzで放射効率が−4.8dBであった。
したがって、本実施例のアンテナ装置1は、開放装荷エレメントの効果により、開放装荷エレメントが無い従来に比べ、同一面積のアンテナ占有領域OP1,OP2において放射効率が1.5dB以上改善されている。
また、上記実施形態では、一対のアンテナエレメントにおいて同じアンテナ素子及び同じ定数の受動素子を採用しているが、条件により互いに異なるアンテナ素子や受動素子を採用しても構わない。
Claims (3)
- 絶縁性の基板本体と、
前記基板本体に金属箔でパターン形成されたグランド面と、
前記グランド面が形成されていない領域として前記基板本体上に前記グランド面の一部を挟んで前記基板本体の一つの端辺側に配された一対のアンテナ占有領域と、
前記一対のアンテナ占有領域内に金属箔でパターン形成され前記グランド面近傍に配された基端側に給電点がそれぞれ設けられる一対のアンテナエレメントとを備え、
前記アンテナエレメントが、基端側の少なくとも一部が前記給電点近傍の前記グランド面の端辺に対して直交する方向に延在し、前記直交する方向に延在した部分に受動素子が接続されていると共に先端側に前記グランド面の端辺に沿った方向に延在する誘電体アンテナのアンテナ素子が接続され、
前記一対のアンテナエレメントの基端側に配された前記グランド面の端辺が、一方に対して他方が異なる方向に延在していると共に少なくとも一方が前記基板本体の前記端辺に対して傾斜しており、
一対の前記アンテナ占有領域が、前記基板本体の前記端辺の両端にある一対の角部に設けられ、
前記一対のアンテナエレメントの前記アンテナ素子が、互いに反対側に先端を向けていると共に前記基板本体の前記端辺と反対側に先端を向けて延在し、
前記アンテナエレメントが、前記アンテナ素子の先端から前記角部の角に向けて延在する第1追加延在部を備えていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記アンテナエレメントが、前記第1追加延在部の先端から前記基板本体の前記端辺に沿って延在する第2追加延在部を備えていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項2に記載のアンテナ装置において、
前記第2追加延在部が、前記アンテナ素子の基端の近傍まで延在していることを特徴とするアンテナ装置。
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