JP2018129489A - 半導体装置 - Google Patents

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【課題】ボルト・ナットからなる締結構造を省くことができ、且つサージ電圧が小さくなるような半導体装置を提供する。【解決手段】図3に示すように、ビームリード22とバスバー42との間に端子中継部材50を介在させ、振動子52、52で端子中継部材50の一方の面にビームリード22を接合し、他方の面にバスバー42を接合する。ボルト・ナットで締結する場合に比較して、スペース的に遙かに小さくなる。加えて、冷却器30に貫通穴31を設けておき、この貫通穴31にバスバー42を通す。バスバー42は十分に短くなりサージ電圧が小さくなる。【選択図】図3

Description

本発明は、車載モータの駆動制御に好適な半導体装置に関する。
ハイブリッド車や電気自動車などの車両には、複数のモータ及びこれらのモータを制御するインバータ等が設けられている。
これらのうち、特にインバータを構成するパワーモジュールは、IGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)などの電力用半導体素子を有して構成されていることが多く、スイッチング動作により半導体素子が発熱する。したがって、この熱を除去して半導体の過熱を防止するために、冷却器が取付けられている。冷却器とパワーモジュールとの組み合わせ構造は、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1の図2に示されるように、冷却器本体(100)(括弧付き数字は、特許文献1に記載された符号を示す。以下同様)は、下部筐体(140)と、この下部筐体(140)の開口を塞ぐ上部筐体(130)とで構成される。そして、上部筐体(130)に第一素子搭載領域(101)と第二素子搭載領域(102)が割り当てられ、第一素子搭載領域(101)と第二素子搭載領域(102)との間の中間領域(103)にバスバー(133)が配置されている。
特許文献1の図1に示されるように、バスバー(113)が背骨のように、第一素子搭載領域(101)のパワーモジュールと第二素子搭載領域(102)のパワーモジュールの間を横切る構造であるため、バスバー(113)が長くなる。バスバー(113)が長くなると、寄生インダクタンスが大きく、サージ電圧が大きくなり、結果として損失が増加し、冷却器本体(100)を大きくするため、半導体装置が大型化してしまう。
また、特許文献1には開示されていないが、この種の半導体装置では、電圧の変動を抑制する平滑コンデンサを備えることが望まれる。
特許文献1の図2において、冷却器本体(100)の下部筐体(140)の近傍(上部筐体(130)と反対側の面)に空きがある。
そこで、従来、平滑コンデンサは、冷却器本体(100)のバスバー(133)と反対側に、配置される。すると、平滑コンデンサからパワーモジュールへ延びるバスバーは、冷却器本体(100)を迂回することとなり、バスバーは一層長くなり、サージ電圧が大きくなる。
加えて、バスバー同士を接続する部位等を、ボルト・ナットからなる締結構造にすると、この締結構造がスペースを占めるため、半導体装置の大型化を招く。
半導体装置の小型化が求められる中、ボルト・ナットからなる締結構造を省くことができ、且つサージ電圧が小さくなるような半導体装置が望まれる。
特開2012−230960号公報
本発明は、ボルト・ナットからなる締結構造を省くことができ、且つサージ電圧が小さくなるような半導体装置を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、パワーモジュールと、このパワーモジュールの下方に配置され前記パワーモジュールを冷却する冷却器と、この冷却器の下方に配置される平滑コンデンサとを備えた半導体装置において、
前記冷却器は、隣り合う前記パワーモジュール間に位置する部位に貫通穴を有し、
前記平滑コンデンサは、前記貫通穴を通って前記パワーモジュールに到るバスバーを有することを特徴とする。
請求項2に係る発明では、パワーモジュールは、バスバーへ向かって延びるモジュール側端子、及びこのモジュール側端子と前記バスバーとの間に介在される端子中継部材を有していることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、パワーモジュールは、樹脂ケースに収容され、端子中継部材は、ケースから露出するように一体成形されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、パワーモジュールは、モールディング樹脂によってモールドされ、端子中継部材は、モールディング樹脂から露出するように一体成形されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、冷却器は、梯子形状となっていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、パワーモジュールと平滑コンデンサとの間に介在する冷却器に貫通穴を設け、平滑コンデンサから延びるバスバーは、貫通穴を通した後に、パワーモジュールに到るようにした。
バスバーは、冷却器を迂回する必要がないため、十分に短くすることができる。加えて、複数個の平滑コンデンサから複数個のパワーモジュールに各々到る複数本のバスバーの長さを揃えることができる。
すなわち、平滑コンデンサとパワーモジュールとを接続する各バスバーが均等に分配され、かつ配線長を短くすることができるため、サージ電圧を抑えることができる。
請求項2に係る発明では、モジュール側端子とバスバーとの間に端子中継部材を介在させた。
端子中継部材によって、超音波などでモジュール側端子とバスバーを接続しやすくすることができる。ボルト・ナットで締結する場合に比較して、部品点数の削減が図れると共に、接続部位の小型化を図ることができ、半導体装置の小型化が達成できる。
よって、本発明によれば、ボルト・ナットからなる締結構造を省くことができ、且つサージ電圧が小さくなるような半導体装置が提供される。
請求項3に係る発明では、パワーモジュールは、樹脂ケースに収容され、端子中継部材は、ケースから露出するように一体成形されているので、パワーモジュールの内部空間を犠牲にすることなく、端子中継部材を設置することができる。
請求項4に係る発明では、パワーモジュールは、モールディング樹脂によってモールドされ、端子中継部材は、モールディング樹脂から露出するように一体成形されているので、パワーモジュールの内部空間を犠牲にすることなく、端子中継部材を設置することができる。
請求項5に係る発明では、冷却器は、梯子形状となっているので、コンデンサとパワーモジュールを接続する各バスバーが均等に分配され、且つ梯子の踏み桟の間に形成される貫通穴からバスバーを通すことで配線長を短くすることができる。
本発明に係るパワーモジュールの斜視図である。 本発明に係る半導体装置の分解斜視図、要部拡大図及び斜視図である。 端子中継部材にモジュール側端子とバスバーを接合する要領を説明する図である。 変形例に係る端子中継部材にモジュール側端子とバスバーを接合する要領を説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1に示すように、半導体装置10を構成するパワーモジュール20は、冷却器30に設けられている。パワーモジュール20は、絶縁基板21と、この絶縁基板21に設けられる半導体素子28及びダイオード29と、絶縁基板21、半導体素子28及びダイオード29に接続されるモジュール側端子としてのビームリード22と、モータ側へ延びる出力バスバー23と、複数本のゲートドライブ基板接続用信号ピン25とを備えている。パワーモジュール20は、構成要素がモジュールケース26で囲われ、このモジュールケース26にモールディング樹脂27(図3参照)が充填されている。
図2(a)に示すように、本発明に係る半導体装置10は、複数個(この例では6個)のパワーモジュール20と、これらのパワーモジュール20の下方に配置されパワーモジュール20を冷却する冷却器30と、この冷却器30の下方に配置される平滑コンデンサ40とを備えている。
平滑コンデンサ40は、コンデンサケース41に収められ、このコンデンサケース41外へ上方へ延びるPN(プラス・マイナス)バスバー42を有している。PN(プラス・マイナス)バスバー42は、以下、単にバスバー42と記す。
冷却器30は、隣り合うパワーモジュール20、20の間に位置する部位に、上下に貫通する筋状又は細長い矩形状の貫通穴31を有する。すなわち、冷却器30は梯子形状を呈している。梯子形状であるため、最も端のパワーモジュール20に沿う部位に、貫通穴32を有する。この例では、冷却器30は、5個の貫通穴31と1個の貫通穴32とを有する。
図2(c)の3−3線断面図である図3に示すように、パワーモジュール20は、冷却器30に設けられる絶縁基板21と、この絶縁基板21に設けられる半導体素子28と、この半導体素子28から延びるモジュール側端子としてのビームリード22と、複数本のゲートドライブ基板接続用信号ピン25とを備えている。絶縁基板21は、詳細には、絶縁基板21aとこの絶縁基板21aの両面に一体的に設けられた金属層21bとからなる。なお、絶縁基板21や半導体素子28等の部材は半田により接続されている。
加えて、パワーモジュール20は、構成要素を囲うモジュールケース26と、このモジュールケース26に充填するモールディング樹脂27(想像線で示す。)とを有する。
さらに、加えて、モジュールケース26には、局部的に、端子中継部材50が設けられている。モジュールケース26は樹脂が一般的である。一方、端子中継部材50は、金属ピースである。金属ピースは電気伝導性が良好であると共に剛性に富む。
図2(a)において、平滑コンデンサ40に、冷却器30を載せる。この際に、図2(b)に示すバスバー42が、冷却器30に設けられている貫通穴31又は32を通るようにする。すると、図2(c)において、バスバー42は端子中継部材50に接近する。
従来のバスバーは、冷却器を迂回していたため長くなった。対して、本発明のバスバー42は、図から明らかなように、冷却器30を貫通するため、十分に短い。図2(a)からも明らかなように、複数のバスバー42は、形状及び長さが揃っている。
次に、図3に示すように、モジュール側端子としてのビームリード22とバスバー42との間に端子中継部材50を介在させた状態で、ビームリード22とバスバー42に振動子52、52を置く。次に、これらの振動子52、52を狭める。すると、端子中継部材50の一方の面にビームリード22が接触し、他方の面にバスバー42が接触する。この状態で、振動子52、52を超音波振動させる。この振動により接触部位が発熱し溶融する。この状態で、振動を停止すると、端子中継部材50にビームリード22とバスバー42とが接合される。
この接合構造は、ボルト・ナットで締結する場合に比較して、スペース的に遙かに小さくなる。また、ボルトやナットが不要であるため、部品点数の削減が図れる。
なお、端子中継部材50は、出力バスバー23とビームリード22との間に介在させても良い。
端子中継部材50の利点を更に説明する。
図3にて、端子中継部材50を省いて、ビームリード22にバスバー42を直接融接することを検討すると、ビームリード22やバスバー42は共に薄い金属板であって剛性が小さいため、超音波振動の際にビームリード22が一緒に振動する心配がある。この振動によりパワーモジュール20に実装した素子や回路に悪影響が及ぶ虞がある。この点、剛性に富む端子中継部材50を設けると、端子中継部材50が振動を防止するため、ビームリード22やバスバー42の振動を抑えることができる。
次に、本発明に係る変形例を、図4に基づいて説明する。
図4に示すように、絶縁基板21のモジュール側端子(金属層)22に平板状の端子中継部材50を載せ半田(半田の一部はモジュール側端子とする。)などで接続する。その後、パワーモジュール全体をモールディング樹脂27にてモールドする。
次に、端子中継部材50にバスバー42の先端を載せ、このバスバー42に振動子52を上から当てる。この振動子52でバスバー42を端子中継部材50を融接する。
図4では、端子中継部材50がモジュール側端子(金属層)22で直接支持されてよりパワーモジュール全体がモールドさているため、モジュールケース26を省くことができる。よって、端子中継部材50は、パワーモジュール20に含まれていればよく、パワーモジュール20内であれば配置位置は任意である。
本発明は、ハイブリッド車や電気自動車などの車両に搭載される半導体装置に好適である。
10…半導体装置、20…パワーモジュール、22…モジュール側端子(ビームリード・金属層)、30…冷却器、31、32…貫通穴、40…平滑コンデンサ、42…バスバー(PNバスバー)、50…端子中継部材。

Claims (5)

  1. パワーモジュールと、このパワーモジュールの下方に配置され前記パワーモジュールを冷却する冷却器と、この冷却器の下方に配置される平滑コンデンサとを備えた半導体装置において、
    前記冷却器は、隣り合う前記パワーモジュール間に位置する部位に貫通穴を有し、
    前記平滑コンデンサは、前記貫通穴を通って前記パワーモジュールに到るバスバーを有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記パワーモジュールは、前記バスバーへ向かって延びるモジュール側端子、及びこのモジュール側端子と前記バスバーとの間に介在される端子中継部材を有していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記パワーモジュールは、樹脂ケースに収容され、
    前記端子中継部材は、前記ケースから露出するように一体成形されていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記パワーモジュールは、モールディング樹脂によってモールドされ、
    前記端子中継部材は、前記モールディング樹脂から露出するように一体成形されていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  5. 前記冷却器は、梯子形状となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の半導体装置。
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