JP2018128901A - 物品管理データ作成装置、物品管理データ作成方法、及び物品管理データ作成プログラム - Google Patents

物品管理データ作成装置、物品管理データ作成方法、及び物品管理データ作成プログラム Download PDF

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脩平 辻上
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Abstract

【課題】本発明は、物品の移動数量を管理するに際し、物品を構成する構成品の移動数量に関する情報を移動先に関する情報とともに容易に得ることができる物品管理データ作成装置、物品管理データ作成方法、及び物品管理データ作成プログラムを提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る物品管理データ作成装置は、物品の移動数量を管理するための物品管理データを作成するための装置である。この物品管理データ作成装置の制御部は、物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けた物品構成マスタを参照することにより、管理対象の物品における構成品の構成情報を取得し、取得した構成品の構成情報と、管理対象の物品の移動先を特定するための移動先特定情報と当該物品の移動数量に関する移動数量情報とを含む物品数量データとに基づいて、構成品の移動先特定情報と当該構成品の移動数量に関する移動数量情報とを含む構成品数量データを物品管理データの1つとして作成する。【選択図】図2

Description

本発明は、物品管理データ作成装置、物品管理データ作成方法、及び物品管理データ作成プログラムに関する。
特許文献1には、電池の外国への出荷又は物流業者への輸送依頼に際し、インボイスや船積依頼書用に支援情報を出力するための装置が開示されている(図7及び図9、及び請求項1等参照)。特許文献1に記載の技術では、支援情報は、出荷対象の物品に電池が含まれると判定される場合に出力される(図6及び図8参照)。これにより、出荷物又は輸送物に電池が含まれることが把握できるようになる。
特開2016−167161号公報
引用文献1に記載されているような技術では、出荷物又は輸送物に含まれる内容物を把握することができるようになるものの、内容物を構成する構成品(例えば、部品又は材料)の情報を得ることはできない。
ところで、化学薬品の多くは、組成物であり、複数の成分から構成される。これらのような化学薬品を外国へ輸出(出荷)する場合、国によっては、成分となる化合物ごとに、受け入れ量(輸入量)に上限が課されていたり、輸入量に応じて関税が異なっていたりする。そのため、化学薬品の出荷量を管理することが必要となる。
しかしながら、化学薬品の出荷は、通常、製品名(化学薬品名)及び製品コード(品番)を用いた出荷データ等で管理されるのが一般的であるため、出荷データからは、化学薬品を構成する成分の情報、特には含有量等の数量に関する数量情報を移動先に関する情報とともに得ることはできないという問題がある。なお、このような問題は、化学薬品の外国への輸出に限られることはなく、構成品を含む物品の移動においても同様に生じる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、物品の移動数量を管理するに際し、物品を構成する構成品の移動数量に関する情報を移動先に関する情報とともに容易に得ることができる物品管理データ作成装置、物品管理データ作成方法、及び物品管理データ作成プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る物品管理データ作成装置は、物品の移動数量を管理するための物品管理データを作成するための、制御部を備えた物品管理データ作成装置であって、前記制御部は、物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けた物品構成マスタを参照することにより、管理対象の物品における構成品の構成情報を取得する取得手段と、前記取得手段で取得した前記構成品の構成情報と、前記管理対象の物品の移動先を特定するための移動先特定情報と当該物品の移動数量に関する移動数量情報とを含む物品数量データとに基づいて、前記構成品の前記移動先特定情報と当該構成品の移動数量に関する移動数量情報とを含む構成品数量データを前記物品管理データの1つとして作成する構成品数量データ作成手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る物品管理データ作成装置は、前記構成品が、前記物品に配合されている成分であり、かつ、前記構成情報が、前記物品における前記成分の配合割合に関する配合割合情報を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る物品管理データ作成装置は、前記移動先特定情報が、前記管理対象の物品の出荷先又は当該出荷先を含む地域を特定する情報であることを特徴とする。
また、本発明に係る物品管理データ作成装置は、前記物品数量データは、所定期間分の前記管理対象の物品の移動数量に関する移動数量データを集計することによって得られる移動実績データであることを特徴とする。
また、本発明に係る物品管理データ作成装置は、前記制御部が、物品に関する物品情報が登録された物品マスタと、物品を構成する構成品に関する構成情報が登録された物品構成情報マスタとから、前記物品構成マスタを構築するマスタ構築手段をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明に係る物品管理データ作成方法は、制御部を備えた情報処理装置において実行される、物品の移動数量を管理するための物品管理データを作成するための物品管理データ作成方法であって、前記制御部において実行される、物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けた物品構成マスタを参照することにより、管理対象の物品における構成品の構成情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した前記構成品の構成情報と、前記管理対象の物品の移動先を特定するための移動先特定情報と当該物品の移動数量に関する移動数量情報とを含む物品数量データとに基づいて、前記構成品の前記移動先特定情報と当該構成品の移動数量に関する移動数量情報とを含む構成品数量データを前記物品管理データの1つとして作成する構成品数量データ作成ステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る物品管理データ作成プログラムは、制御部を備えた情報処理装置において実行させるための、物品の移動数量を管理するための物品管理データを作成するための物品管理データ作成プログラムであって、前記制御部において実行させるための、物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けた物品構成マスタを参照することにより、管理対象の物品における構成品の構成情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した前記構成品の構成情報と、前記管理対象の物品の移動先を特定するための移動先特定情報と当該物品の移動数量に関する移動数量情報とを含む物品数量データとに基づいて、前記構成品の前記移動先特定情報と当該構成品の移動数量に関する移動数量情報とを含む構成品数量データを前記物品管理データの1つとして作成する構成品数量データ作成ステップとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、物品の移動数量を管理するに際し、物品を構成する構成品の移動数量に関する情報を移動先に関する情報とともに容易に得ることができるという効果を奏する。
図1は、物品管理データ作成装置を含む物品管理データ作成システムの構成の一例を示すブロック図である。 図2は、図1における物品管理データ作成装置100が実行する物品管理データ作成方法の処理手順を示すフローチャートである。 図3は、図2のステップS201で物品構成マスタの構築に用いられる物品マスタの構成例を模式的に示す図である。 図4は、図2のステップS201で物品構成マスタの構築に用いられる物品構成情報マスタの構成例を模式的に示す図である。 図5は、図2のステップS201で構築される物品構成マスタの構成例を模式的に示す図である。 図6は、図である。図2のステップS202の判別に際し、起動される表示画面の構成例を示す図である。 図7は、図2のステップS203で取得される物品の移動実績データとしての出荷実績データの一例を模式的に示す図である。 図8は、図7に示す出荷実績データを作成するために用いられるデータ又はマスタの一例を模式的に示す図であり、図8(a)は、一般的な出荷データを所定期間分にわたって集計したデータを示しており、図8(b)は、出荷先と当該出荷先を含む地域とを関連付けたマスタを示しており、図8(c)は、出荷データ上の物品識別情報と物品識別情報とを関連付けたマスタを示している。 図9は、図2のステップS206で作成された物品管理データの1つとしての構成品数量データの一例を模式的に示す図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
[1.構成]
本実施形態に係る物品管理データ作成装置を含む物品管理データ作成システムの構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、物品管理データ作成装置を含む物品管理データ作成システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す物品管理データ作成システム1000は、情報処理装置としての物品管理データ作成装置100と、サーバ200と、物品管理データ作成装置100及びサーバ200を通信可能に接続するネットワーク300とを含んでいる。
物品管理データ作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータであり、物品の移動数量を管理するための物品管理データを作成するための情報処理装置である。この物品管理データ作成装置100は、例えば、事業者において物品の移動数量を管理する部署(例えば、化学薬品を外国へ出荷する事業者における輸出管理部門)に1台設置されている。なお、物品管理データ作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。また、物品管理データ作成装置100は、物品管理データ作成システム1000内において複数台設置されていてもよい。
物品管理データ作成装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108とを備えている。物品管理データ作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、物品管理データ作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、物品管理データ作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。したがって、通信インターフェース部104は、他の部署に備え付けの情報処理装置からの入力情報、受注元(出荷先)からの入力情報等を、ネットワーク300又はネットワーク300及びサーバ200を介して受け付けることが可能に構成されているとともに、所定の情報処理装置や、受注元に対して所定の情報を出力することが可能に構成されている。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラム(本発明のプログラムを含む)が記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。また、この記憶部106には、本発明のプログラムを実施するために用いられる各種のデータが書き出し/読み出し可能に格納されている。
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
制御部102は、物品管理データ作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
さらに図1を参照しながら、記憶部106及び制御部102の構成について詳述する。
記憶部106は、図1に示されるように、物品マスタ106aと、物品構成情報マスタ106bと、物品構成マスタ106cと、物品数量データ記憶領域106dと、構成品数量データ記憶領域106eとを含む。
物品マスタ106aは、物品に関する物品情報を登録したマスタであり、必要に応じて、物品マスタ106aには、物品と当該物品を構成する構成品(例えば半製品)とを関連付ける情報も登録される。物品構成情報マスタ106bは、物品を構成する構成品(例えば半製品)に関する構成情報を登録したマスタであり、必要に応じて、物品構成情報マスタ106bには、構成品と当該構成品を構成する構成品(例えば材料)とを関連付ける情報も登録される。
物品構成マスタ106cは、物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けたマスタであり、本実施形態では、必要に応じて物品管理データ作成装置100によって作成される。
物品数量データ記憶領域106dは、物品数量データを記憶するための領域である。物品数量データは、少なくとも、物品の移動先特定情報と移動数量情報とを含むデータである。ここで、物品数量データに含まれる物品の移動先特定情報は、管理対象の物品の移動先を特定するための情報である。物品数量データに含まれる物品の移動数量情報は、管理対象の物品の移動数量に関する移動数量情報である。物品数量データは、予め記憶されているものであってもよいし、他の記憶媒体から読み出したものであってもよいし、物品管理データ作成装置100によって作成されたものであってもよい。
構成品数量データ記憶領域106eは、構成品数量データを記憶するための領域である。構成品数量データは、少なくとも、構成品の移動先特定情報と移動数量情報とを含むデータである。ここで、構成品数量データに含まれる構成品の移動先特定情報は、管理対象の構成品の移動先を特定するための情報であり、通常、管理対象の構成品を含む物品に関する物品数量データに含まれる移動先特定情報と同一である。構成品数量データに含まれる構成品の移動数量情報は、管理対象の構成品の移動数量に関する移動数量情報である。構成品数量データは、物品管理データ作成装置100によって作成され、出力可能に構成品数量データ記憶領域106eに保持される。
制御部102は、図1に示されるように、複数のモジュールを備えている。図1に示す例では、制御部102は、マスタ構築部102aと、取得部102bと、構成品数量データ作成部102cとを備えている。
マスタ構築部102aは、物品に関する物品情報が登録された物品マスタと、物品を構成する構成品に関する構成情報が登録された物品構成情報マスタとから、物品構成マスタを構築するマスタ構築手段として機能するモジュールである。
取得部102bは、物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けた物品構成マスタを参照することにより、管理対象の物品における構成品の構成情報を取得する取得手段として機能するモジュールである。
構成品数量データ作成部102cは、構成品の構成情報と、管理対象の物品の移動先を特定するための移動先特定情報と当該物品の移動数量に関する移動数量情報とを含む物品数量データとに基づいて、構成品の移動先特定情報と当該構成品の移動数量に関する移動数量情報とを含む構成品数量データを作成する構成品数量データ作成手段として機能するモジュールである。ここで、構成品数量データは、管理対象の物品を管理するための物品管理データの1つとして扱われる。
[2.処理]
次に、図1に示す物品管理データ作成システム1000において実行される物品管理データ作成方法を例示的に説明する。
図2は、図1の物品管理データ作成システム1000において、物品管理データ作成装置100が実行する物品管理データ作成方法の処理手順を示すフローチャートである。この図2に示す処理は、概略的には、構成品からなる物品の移動数量を管理するに際し、物品を構成する構成品の移動先特定情報と移動数量情報とを含む構成品数量データを物品管理データの1つとして作成するというものであり、本処理の大部分は、物品管理データ作成装置100の制御部102において実行される。以下では、化学薬品を構成する成分となる化学物質につき、外国への出荷量を所定期間ごとに管理する場合を例に挙げて説明する。
図2において、まず、ステップS201では、物品管理データ作成装置100は、物品構成マスタの構築を行う。物品構成マスタの構築は、物品に関する物品情報が登録された物品マスタと、物品を構成する構成品に関する構成情報が登録された物品構成情報マスタとを用いて行われる。そのために、物品マスタ及び物品構成情報マスタは予め用意されており、例えば記憶部106に読み出し可能に保持されていることが好ましいが、物品マスタ及び物品構成情報マスタを新たに作成してもよい。なお、ステップS201で物品構成マスタを構築することに代えて、予め構築された物品構成マスタを他の記憶媒体から読み出して記憶部106に保持してもよい。物品マスタ、物品構成情報マスタ、及び、物品構成マスタについては、図3〜図5に示す例を用いて説明する。
図3は、図2のステップS201で物品構成マスタの構築に用いられる物品マスタの構成例を模式的に示す図である。
図3に示されるように、物品マスタは、物品(製品又はバルク品)を識別するための物品識別情報として、例えば、バルク品の品番コード及び品番名を含む。物品の一部又は全部を構成する構成品自体(半製品、例えば原料)が複数の構成品(材料、例えば成分としての化学物質)から構成される場合には、物品マスタは、図2に示されるように、半製品を識別するための半製品識別情報として、例えば、原料のコード品番コード及び品番名を含み、かつ、物品における半製品の割合を示す半製品割合情報として、例えば、配合率情報を含む。ここで、単一の構成品が物品の全部を構成する場合(例えば、仕入れた半製品を、他の半製品を用いることなく、加工することで得られる加工製品である場合)であっても、物品マスタは、当該物品の半製品識別情報及び半製品割合情報(この場合の配合率は1.0である)を含むことが好ましく、これにより、物品が単一の構成品で構成されていても複数の構成品で構成されていても同等に扱うことが可能となる。なお、物品マスタに登録される構成品は、物品を構成する全ての種類の構成品である必要はなく、一部の種類の構成品であってもよく、登録すべき構成品は、管理対象としたい種類の構成品又はその材料に応じて任意に決定される。
図4は、図2のステップS201で物品構成マスタの構築に用いられる物品構成情報マスタの構成例を模式的に示す図である。
図4に示されるように、物品構成情報マスタは、物品の半製品を識別するための半製品識別情報として、例えば、半製品の品番コード及び品番名を含む。半製品の品番コード及び品番名は、物品マスタ及び物品構成情報マスタで共通したものが用いられる。さらに、物品構成情報マスタは、半製品の一部又は全部を構成する材料を識別するための材料識別情報として、例えば、材料の成分コード及び成分名を含み、かつ、半製品における材料の割合を示す材料割合情報として、例えば、配合率情報を含む。なお、物品構成情報マスタに登録される材料は、半製品を構成する全ての種類の材料である必要はなく、一部の種類の材料であってもよく、登録すべき半製品は、管理対象としたい種類の半製品又はその材料に応じて任意に決定される。
図5は、図2のステップS201で構築される物品構成マスタの構成例を模式的に示す図である。
図5に示す物品構成マスタは、図3に示した物品マスタ及び図4に示した物品構成情報マスタに含まれる情報を含んでおり、物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けることによって構築されたものである。さらに、物品構成マスタは、物品における構成品としての材料の割合を示す割合情報として、図4に例示される原料毎成分配合率情報を含む。原料毎成分配合率情報が示す原料毎成分配合率は、物品管理データ作成装置100の制御部102によって算出されたものである。具体的には、原料毎成分配合率は、図3に示す物品における半製品の割合を示す配合率と、図4に示す半製品における材料の割合を示す配合率との積を計算することによって算出される。
図2に戻り、次に、ステップS202では、構成品数量データの作成を行うかどうかを判別する。構成品数量データとは、物品を構成する構成品の移動先特定情報と所定期間における移動数量情報とを含むデータであり、構成品の移動数量情報の一例は、成分出荷量である。ステップS202の判別は、具体的には、図6に例示されるような表示画面(成分出荷量計算処理画面)が起動されて、所定期間が設定されて「実行」の旨の指示入力を受け付けたかどうかによって行われる。図6に示す例では、物品が移動先に到着した日付を示す着日の年月が入力されることで、入力された月が所定期間として設定される。ステップS202の判別の結果、構成品数量データの作成を行わない場合には(ステップS202でNo)、マスタのメンテナンス又は新規構築を受け付けるべく、ステップS201に戻る。
一方、構成品数量データの作成を行う場合には(ステップS202でYes)、ステップS203に進んで、物品の移動実績データを取得する。移動実績データとは、管理対象の物品の移動数量に関する移動数量データを所定期間(すなわち集計期間としての会計年月)分にわたって集計することによって得られるデータである。移動実績データは、予め作成されたものを読み出してもよいし、後述するように、構成品の移動数量の算出を行う際に、その都度、移動データ(出荷データ)の集計を行うことで物品の移動実績データを取得してもよい。
図7は、図2のステップS203で取得される物品の移動実績データとしての出荷実績データの一例を模式的に示す図である。
図7に示されるように、物品の移動実績データは、物品識別情報と、所定期間に関する情報(例えば会計年月)と、移動数量に関する情報(例えば出荷量及び単位)と、物品の移動先を特定するための移動先特定情報とを含む。移動先特定情報が示す移動先は、物品の移動先そのものであってもよいし、その移動先を含む地域であってもよいし、移動先及び地域の双方であってもよい。図7に示す例では、出荷先を示す納入先コード及び納入先名、並びに、出荷先を含む地域を示す国コード、国名、地域コード、及び、地域名が、移動先特定情報に該当する。
ここで、図7に示される出荷実績データを作成するための処理の一例について説明する。図7の出荷実績データは、図8(a)、図8(b)及び図8(c)に模式的に示すデータ又はマスタを用いて作成することができる。図8(a)は、一般的な出荷データを所定期間分にわたって集計したデータを示しており、図8(b)は、出荷先と当該出荷先を含む地域とを関連付けたマスタを示しており、図8(c)は、出荷データ上の物品識別情報と物品識別情報とを関連付けたマスタを示している。具体的には、図8(a)に示すデータに、図8(b)に示す出荷先を含む地域に関する情報と、図8(c)に示す物品識別情報を関連付ける(組み入れる)ことにより、図7の出荷実績データが作成される。図8(a)に示すデータのように、物品をバルク品の品番コード及び品番名で管理せずに出荷品番コード及び出荷品番名で管理している場合に、図8(c)に示すマスタが参照される。
図2に戻り、続いて、物品における構成品の割合を示す割合情報を取得する(ステップS204)。具体的には、ステップS203で取得した物品の移動実績データに含まれる物品識別情報で、物品構成マスタを参照することにより、構成情報から、物品を構成する構成品を特定するための特定情報と、当該構成品の割合を示す割合情報(上記例では、原料毎成分配合率情報)を取得する。
さらに、ステップS205では、ステップS203で取得した物品の移動実績データと、ステップS204で取得した物品における構成品の割合を示す割合情報とを用いて、各構成品の移動数量を算出する。
そして、ステップS206では、物品の移動数量を管理するための物品管理データの1つとして、構成品数量データを作成する。具体的には、ステップS203で取得した物品の移動実績データにステップS205で算出した各構成品の移動数量に関する情報を組み入れることで、構成品数量データが作成される。すなわち、構成品数量データは、構成品の移動数量情報と移動数量情報とを少なくとも含む。また、構成品数量データは、構成品としての材料(成分)を特定可能な情報を含んでいることが好ましい。作成された構成品数量データは、出力可能に記憶部106に保持される。さらに、このステップS206において、構成品数量データにおいて、予め定められた出力順にしたがって情報の並び替えが行われていてもよい。
図9は、図2のステップS206で作成された物品管理データの1つとしての構成品数量データの一例を模式的に示す図である。
図9に示されるように、構成品数量データは、特定の会計年月において出荷した物品に含まれていた成分の情報を含んでいる。また、図9に示されるように、構成品数量データは、物品の出荷先としての地域に関する情報及びその出荷量を含んでいる。このように、図9に示す構成品数量データは、図8(a)に示したデータに比較しても情報量が多く、これにより、ユーザは、物品の管理上求められる情報を確実に把握できるようになる。さらに、図9に示される構成品数量データを、例えば、地域ごとに並び替えを行うことで、さらに必要に応じて地域ごとに集計することで、各成分の地域ごとの出荷量を把握することも可能である。
上述したようにして構成品数量データが作成されることにより、図2に示した一連の処理を完了する。
以上詳細に説明したように、図2に示した物品管理データ作成方法の処理によれば、物品の移動数量を管理するに際し、物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けた物品構成マスタを参照することにより、管理対象の物品における構成品の構成情報が取得され、取得した構成品の構成情報と、管理対象の物品の移動先を特定するための移動先特定情報と当該物品の移動数量に関する移動数量情報とを含む物品数量データとに基づいて、構成品の移動先特定情報と当該構成品の移動数量に関する移動数量情報とを含む構成品数量データが物品管理データの1つとして作成される(ステップS203〜S205)。これにより、ユーザは、物品の移動数量を管理するに際し、物品を構成する構成品の移動数量に関する情報を移動先に関する情報とともに容易に得ることができる。
また、図2の処理において、構成品が、物品に配合されている成分であり、かつ、構成情報は、物品における成分の配合割合に関する配合割合情報を含む場合、物品に含まれる成分の移動先特定情報と移動数量情報とを含む構成品数量データが物品管理データの1つとして作成される。これにより、ユーザは、化学薬品等の物品の移動数量(例えば出荷数量)を管理するに際し、物品に配合されている成分の移動数量に関する情報を移動先に関する情報とともに容易に得ることができる。さらに、図2の処理において、管理対象の物品の出荷先又は当該出荷先を含む地域を特定する情報である場合、構成品数量データとしては、出荷先又は出荷先を含む地域に関する情報と移動数量情報とを含む構成品数量データが作成される。これにより、ユーザは、化学薬品等の物品の出荷数量を管理するに際し、物品を構成する構成品の出荷数量に関する情報を出荷先に関する情報とともに容易に得ることができる。
また、図2の処理に関し上述したように、物品管理データ作成装置100は、構成品の移動数量を算出するために用いる物品数量データ(例えば、出荷実績データ)として、所定期間分の管理対象の物品の移動数量に関する移動数量データを集計することによって得られる移動実績データを取得することができるように構成可能である。ここで、物品数量データは、管理対象の物品の移動先を特定するための移動先特定情報と、当該物品の移動数量に関する移動数量情報とを含む。これにより、集計や移動先特定情報の抽出に要するユーザの手間も軽減することができる。
さらに、図2の処理に関し上述したように、物品管理データ作成装置100は、物品構成マスタを、物品に関する物品情報が登録された物品マスタと、物品を構成する構成品に関する構成情報が登録された物品構成情報マスタとから構築することができるように構成可能である。そのため、マスタ構成に要するユーザの手間も軽減することができる。
なお、上述した図2を用いた説明では、物品構成マスタの構築に際し用いられる物品マスタが半製品識別情報を含むとしたが、含まなくてもよく、この場合には、半製品識別情報に関する物品構成情報マスタを用意すればよい。また、上述した図2を用いた説明では、物品構成情報マスタが1つの場合を例に説明したが、物品構成情報マスタは複数であってもよく、この場合には、物品を構成する構成品の階層を単位として物品構成情報マスタを用意することができ、例えば、物品が、半製品を含んで構成され、当該半製品が材料を含んで構成されるというように、物品が2段階の階層にわたって構成される場合には、半製品識別情報に関する物品構成情報マスタと、材料識別情報に関する物品構成情報マスタとを用意してもよい。
また、上述した実施形態では、移動実績データを用いる例について説明したが、移動実績データに代えて、移動見込みデータを用いてもよく、これにより、将来の構成品移動数量をシミュレーションすることができる。
さらに、上述した実施形態では、物品の数量、特には、重量を扱う場合について説明したが、これに代えて、物品の体積で扱ってもよいし、物品の数で扱ってもよいし、さらには、金額(例えば出荷額)で扱ってもよいし、これらのうちの2つ以上を扱ってもよい。さらに、上述した実施形態では主に物品が製品である場合を例に挙げて説明したが、移動対象となる物品であれば本発明を同様に適用でき、また、移動先も外国に限られることはなく、国内であってもよい。例えば、本発明は、産業廃棄物を処分場へ運搬する際にも、産業廃棄物に含まれる特定の構成品を管理するために利用できる。
[3.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、物品管理データ作成装置100及び物品管理データ作成システム1000に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、物品管理データ作成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて物品管理データ作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、物品管理データ作成装置100に対して任意のネットワーク(例えばネットワーク300)を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明した処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、物品管理データ作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、物品管理データ作成装置100は、当該装置に本明細書で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
本発明は、物品の移動数量を管理する際において、特に、物品を構成する構成品の移動数量を管理する際において有用である。
100 物品管理データ作成装置
102 制御部
102a マスタ構築部
102b 取得部
102c 構成品数量データ作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 物品マスタ
106b 物品構成情報マスタ
106c 物品構成マスタ
106d 物品数量データ記憶領域
106e 構成品数量データ記憶領域
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
1000 物品管理データ作成システム

Claims (7)

  1. 物品の移動数量を管理するための物品管理データを作成するための、制御部を備えた物品管理データ作成装置であって、
    前記制御部は、
    物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けた物品構成マスタを参照することにより、管理対象の物品における構成品の構成情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得した前記構成品の構成情報と、前記管理対象の物品の移動先を特定するための移動先特定情報と当該物品の移動数量に関する移動数量情報とを含む物品数量データとに基づいて、前記構成品の前記移動先特定情報と当該構成品の移動数量に関する移動数量情報とを含む構成品数量データを前記物品管理データの1つとして作成する構成品数量データ作成手段と
    を備える
    ことを特徴とする物品管理データ作成装置。
  2. 前記構成品は、前記物品に配合されている成分であり、かつ、
    前記構成情報は、前記物品における前記成分の配合割合に関する配合割合情報を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の物品管理データ作成装置。
  3. 前記移動先特定情報は、前記管理対象の物品の出荷先又は当該出荷先を含む地域を特定する情報である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の物品管理データ作成装置。
  4. 前記物品数量データは、所定期間分の前記管理対象の物品の移動数量に関する移動数量データを集計することによって得られる移動実績データである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品管理データ作成装置。
  5. 前記制御部は、
    物品に関する物品情報が登録された物品マスタと、物品を構成する構成品に関する構成情報が登録された物品構成情報マスタとから、前記物品構成マスタを構築するマスタ構築手段
    をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品管理データ作成装置。
  6. 制御部を備えた情報処理装置において実行される、物品の移動数量を管理するための物品管理データを作成するための物品管理データ作成方法であって、
    前記制御部において実行される、
    物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けた物品構成マスタを参照することにより、管理対象の物品における構成品の構成情報を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得した前記構成品の構成情報と、前記管理対象の物品の移動先を特定するための移動先特定情報と当該物品の移動数量に関する移動数量情報とを含む物品数量データとに基づいて、前記構成品の前記移動先特定情報と当該構成品の移動数量に関する移動数量情報とを含む構成品数量データを前記物品管理データの1つとして作成する構成品数量データ作成ステップと
    を備える
    ことを特徴とする物品管理データ作成方法。
  7. 制御部を備えた情報処理装置において実行させるための、物品の移動数量を管理するための物品管理データを作成するための物品管理データ作成プログラムであって、
    前記制御部において実行させるための、
    物品に関する物品情報と、当該物品を構成する構成品に関する構成情報とを関連付けた物品構成マスタを参照することにより、管理対象の物品における構成品の構成情報を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得した前記構成品の構成情報と、前記管理対象の物品の移動先を特定するための移動先特定情報と当該物品の移動数量に関する移動数量情報とを含む物品数量データとに基づいて、前記構成品の前記移動先特定情報と当該構成品の移動数量に関する移動数量情報とを含む構成品数量データを前記物品管理データの1つとして作成する構成品数量データ作成ステップと
    を備える
    ことを特徴とする物品管理データ作成プログラム。
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