JP2018128277A - プローブ及び光学測定器 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンプルな構造により低コストで製造可能であり、メンテナンスが容易で、かつ反射効率に優れ高精度な測定が可能なプローブを提供することを課題とする。【解決手段】上記課題を解決する本願発明は、平凸球面レンズ部と、この平凸球面レンズ部の平面に光線を出射する手段と、この出光手段から出射され、球冠状凸面で反射され、かつ平面から出射する光線を受光する手段とを備えるプローブであって、上記平凸球面レンズ部が、光路中に切欠を有することを特徴とする。上記平凸球面レンズ部の平面を基準とし、出光手段の出光位置と受光手段の受光位置とが平面の中心に対して点対称に配設されているとよい。上記切欠が、平凸球面レンズ部の軸心と平行な対向する一対の壁面を有するとよい。上記平凸球面レンズ部が、サファイア又は石英からなるとよい。複数対の上記出光手段及び受光手段を備えているとよい。【選択図】図1

Description

本発明は、プローブ及び光学測定器に関する。
溶液中の物質濃度を測定する方法として、吸光度測定法が知られている。吸光度測定法としては、出光用光ファイバ及び受光用光ファイバを、一定の距離を空け、互いの開口部が対向するように当該溶液中に浸して測定する方法がある。この方法では、溶液を貯留し、一対のファイバを配置可能な一定の大きさ槽が必要となること、及び一対のファイバの開口部を正確に対向させるための非常に繊細なファイバ配置作業を要すること等、簡易に測定することが困難である。
吸光度測定を簡易に行える器具として、プローブが広く用いられている。吸光度測定で用いられるプローブとして、出光用光ファイバ、受光用光ファイバ、出光用光ファイバから出射された光を受光用光ファイバへ導く反射鏡、及びこの光路中に設けられた試料が介在可能な空間を備えるプローブが開示されている。(特許文献1)
このようなプローブを用いることで、測定用の槽や精緻なファイバの配置作業等が必要なくなるため、簡単にオンライン測定ができるとされている。
特開2000−275176号公報
特許文献1のようなプローブでは、投光用光ファイバ及び受光用光ファイバに対し、反射鏡が正確に垂直に配置される必要があり、製造が困難でプローブが高コストになるおそれがある。また、反射効率を高めるため各ファイバと反射鏡との間隔を狭くすると、反射鏡のメンテナンスが容易にできないおそれがある。さらに、投光用光ファイバから出射された光の一部しか受光用光ファイバに帰還することができないため、精密な測定が困難となるおそれがある。
上記不都合に鑑みて、本願発明は、シンプルな構造により低コストで製造可能であり、メンテナンスが容易で、かつ反射効率に優れ高精度な測定が可能なプローブを提供することを課題とする。
上記課題を解決する本願発明は、平凸球面レンズ部と、この平凸球面レンズ部の平面に光線を出射する手段と、この出光手段から出射され、球冠状凸面で反射され、かつ平面から出射する光線を受光する手段とを備えるプローブであって、上記平凸球面レンズ部が、光路中に切欠を有することを特徴とする。
当該プローブは、この平凸球面レンズ部の平面に光線を出射する出光手段と、この光線を受光する受光手段とを備え、出光手段から出射した光線は球冠状凸面で反射して受光手段に入射するので、光路を変更・反射させるための鏡等が必要なく、簡易な構造とすることができる。また、出光手段から出射した光線は、直後の反射で拡散するが、次第に収束する反射となって受光手段に入射するので、光量の損失が極めて少ない。そして、当該平凸球面レンズ部は切欠を有するので、当該切欠から平凸球面レンズ部内に被測定物が進入し、光路中に被測定物が介在することができる。この被測定物を透過した光線を受光・分析することで、被測定物の状態等の判断が可能となる。このように、当該プローブは、簡易な構成としつつ、光量の損失が少ない高精度な測定をすることができる。
上記平凸球面レンズ部の平面を基準とし、出光手段の出光位置と受光手段の受光位置とが平面の中心に対して点対称に配設されているのが好ましい。このようにすることで、光量の損失をより少なくすることができる。
上記切欠が、平凸球面レンズ部の軸心と平行な対向する一対の壁面を有するのが好ましい。このような構成とすることで、切欠の加工を容易に行うことができる。
当該平凸球面レンズ部が、サファイア又は石英で形成されているのが好ましい。平凸球面レンズ部が、このような耐蝕性を有する材料で形成されることで、被測定対象物が強酸性又は強アルカリ性等であっても、腐蝕を防ぐことができる。
複数対の出光手段及び受光手段が備えられているのが好ましい。当該プローブが、複数の対になった出光手段及び受光手段を備えることで光量を増大させることができ、より正確で、安定した被測定物の測定を行うことが可能となる。
以上のように、本発明のプローブは、簡易な構成で精度の高い測定を可能とすることができる。
本発明の一実施形態に係る光学測定器の概略図である。 図1の光学測定器のプローブの模式的拡大側面図である。 図2のプローブで出光手段から出射した光線の光路を表す模式的側面断面図である。 図3のプローブをAから視た模式的平面図である。 図3のプローブを先端側から視た模式的平面図である。 図5のプローブとは異なる形態に係るプローブを示す模式的平面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
[光学測定器]
光学測定器は、図1に示すように、プローブ1、接続部4、及び測定器本体Mを備える。測定器本体Mは、測定光を発光する光源、測定光が被測定物を透過した後の透過光を検出する検出器、検出した信号を解析・演算する信号処理部、信号処理後の結果を表示する表示部を有する。接続部4は、測定器本体Mの光源が発光した測定光をプローブ1に送る出光用光ファイバ、及びプローブ1で被測定物を透過した透過光を測定器本体に送る受光用光ファイバの少なくとも2本の光ファイバを含み、測定器本体Mとプローブ1とを接続する。光学測定器は、例えば、被測定物容器X内に存在する気体・液体等の分析をすることができる。
<プローブ>
本発明の一実施形態であるプローブ1は、図2に示すように、支持部2及び支持部2の一端に平凸球面レンズ部3を有する。平凸球面レンズ部3の反対側に位置する支持部2の他端に、接続部4が備えられる。
(支持部)
支持部2は、略円筒形状に形成され、内部に出光手段5及び受光手段6を内蔵している。また、支持部2の先端には、平凸球面レンズ部3が付設される。支持部2の材料としては、特に限定されないが、PEEK(PolyetheretherKetoneketone)樹脂、ハステロイ、チタニウム、ステンレス等により形成されることができる。支持部2には、外面にコーティングがされるのが好ましい。被測定対象物が強酸性又は強アルカリ性等である場合、コーティングをすることで耐蝕性を備えさせることができる。コーティングは、特に限定されないが、窒化クロムコーティング等が挙げられる。支持部2の長さとしては、特に限定されないが、30mm以上500mm以下が好ましく、50mm以上300mm以下がより好ましい。支持部14の長さが上記範囲を超える場合、プローブ1の取扱性が損なわれるおそれがある。
支持体2は、図3に示すように、出光手段5及び受光手段6を有する。測定器本体に備えられる光源により発光された光は、接続部4に含まれる一の光ファイバを経由して出光手段5から平凸球面レンズ部3に向けて出射される。出射した光(以下、出射光ということがある)は、平凸球面レンズ部3内に介在する被測定物を透過し、透過した光(以下、透過光ということがある)は、受光手段6に入射する。出光手段5から出射された出射光は、複数回の反射と、反射による光の拡散と収束をして、受光手段6に入射する。受光した光は、接続部4に含まれる他の光ファイバを経由して、光学測定器本体に備えられる検出器により検出され、被測定物の測定がなされる。
(出光手段及び受光手段)
出光手段5及び受光手段6は、支持部2と平凸球面レンズ部3の境界面を平面8として、平面8に垂直に、かつ平面8の中心9を基準として、平面8の中心9よりも外縁寄りに配設される。具体的には、出光手段5の開口部5a及び受光手段6の開口部6a間の距離は、平面8の半径の85%以上99%以下が好ましく、90%以上97%以下がより好ましい。出光手段5の開口部5a及び受光手段6の開口部6a間の距離が、上記範囲にあることで、後述する平凸球面レンズ部3内での光線Lの反射が好適に行われ、受光手段6に入射する透過光の光量を多くすることができる。
出光手段5の開口部5a及び受光手段6の開口部6aとは、平面8の中心9に対して点対称に配設されるのが好ましい。このように配設することで、出光手段5の出射光が平凸球面レンズ部3内で反射して受光手段6に入射するまでの光量の損失を、より少なくすることができる。
出光手段5の開口部5a及び受光手段6の開口部6aが、平面8に接する位置に配置されるのが好ましい。このように配置することで、光線Lの光路を最短にすることができる。出光手段5及び受光手段6は、接続部4に含まれる出光用光ファイバ及び受光用光ファイバと同様のものを用いることができる。なお、出光手段5の開口部5a及び受光手段6の開口部6a間の距離とは、出光手段5の開口部5aの中心と受光手段6の開口部6aの中心との間の距離を意味する。
(平凸球面レンズ部)
平凸球面レンズ部3は、半球の球冠状で、内部が空洞、すなわちドーム状に形成されている。また、半球の頂点部分に切欠7を有する。平凸球面レンズ部3の材料としては、光を高効率で反射するものであれば特に限定されないが、ダイヤモンド、サファイア、石英等がよい。これらの中でも、不活性の特性、好適な加工性を有する等の観点から、サファイア又は石英が好ましく、サファイアが特に好ましい。サファイアは、高屈折率を有するため、被測定物が気体、又は屈折率の高い液体である場合にも光線を安定して反射させることができ、多様な被測定物に対応することができる。
平凸球面レンズ部3の直径としては、特に限定されないが、1.0mm以上30mm以下が好ましく、5mm以上25mm以下がより好ましい。平凸球面レンズ部3の半径が上記下限値を満たさないと、出光手段5及び受光手段6の配設が困難になり、高い精度での測定ができないおそれがある。一方、平凸球面レンズ部3の半径が上記上限値を超えると、プローブ1が大きくなり、取り扱い性が損なわれるおそれがある。
平凸球面レンズ部3は、半球状の球冠の頂点部分に切欠7を有する。従って、平凸球面レンズ部3は、完全な半球を形成していない。切欠7は、平凸球面レンズ部の軸心と平行な対向する一対の壁面を有するのが好ましい。このような構成とすることで、光線の反射を阻害しない切欠の加工を容易にすることができる。具体的には、図5に示すように、切欠7は、正面視で出光手段5の開口部5aの中心及び受光手段6の開口部6aの中心を結ぶ直線に対して直交して形成される。また、中心9を通る平面8の法線上に、切欠7の中心が重なり、略矩形に形成される。平面8と水平に、且つ出光手段5の開口部5aの中心及び受光手段6の開口部6aの中心を結ぶ直線上から垂直にプローブ1の側面を視て(図2,3)、切欠7は「コの字」型に形成される。
切欠7の幅W(短辺長さ)は、平凸球面レンズ部3(平面8)の直径の20%以上40%以下が好ましく、25%以上35%以下がより好ましい。幅Wが上記下限を満たさないと、被測定物が切欠7に十分に進入することができず、高い精度での測定ができないおそれがある。一方、上記上限を超えると、後述する球冠状凸面での光の反射ができなくなるおそれがある。なお、正面視とは、支持部2の長手方向の中心軸上から平凸球面レンズ部3を視た状態をいう。
平面8から切欠7までの最も短い距離D(底部高さ)は、特に限定されないが、平凸球面レンズ部3(平面8)の直径の25%以上45%以下が好ましく、30%以上40%以下がより好ましい。距離Dが上記下限を満たさないと、平凸球面レンズ部3の強度が不足し破損する等、プローブ1の取扱性が低下するおそれがある。一方、上記上限を超えると、被測定物が切欠7に十分に介在することができず、高い精度での測定ができないおそれがある。
(光線)
出光手段5からの出射された光線は、平凸球面レンズ部3内に介在する被測定物を透過しながら、複数回の反射を行い、拡散・収束をして受光手段6に入射する。反射の回数は、平凸球面レンズ部3の直径、出光手段5の開口部5a及び受光手段6の開口部6aの直径、出光手段5及び受光手段6の配設位置等により変わる。出光手段5から出射されて受光手段6に入射するまでの光線Lの反射回数は、10回以下が好ましく、6回以下がより好ましい。上記上限を超えると光量の損失が大きくなり、正確な測定が困難になるおそれがある。本実施例では、図3〜5で示すように、光線Lが計4回の反射をするもので説明する。
出光手段5からの出射光は、平面8に垂直な光線Lとして直進し、平凸球面レンズ部3内面の一点で反射される。反射された光線Lは、進行方向を平凸球面レンズ部3の頂点方向に変更すると同時に、拡散する。拡散した光線Lは、平凸球面レンズ部3の頂点付近(切欠7近傍)でさらに反射して、平面8と平行な光線Lとなる。光線Lは、切欠7から進入した被測定物を透過しながら進行を続け、前回の反射と対象位置で反射して、進行方向を平面8の方向に変更すると同時に、収束する。収束した光線Lは、最初の反射と対象位置で反射して、平面8と垂直な光線Lとして直進し、受光手段6に入射する。
[利点]
プローブ1においては、図3〜5に示すように、出光手段5から出射された光が、受光手段6に入射するまでの間に、反射鏡等を必要としない。また、平凸球面レンズ部3内で、光線Lの拡散、透過光の収束がされるため、不要な光線を遮光するためのスリット等を必要としない。このような部品を必要とせず、また、これらの部品を精密に配置する作業等の必要がないため、低コストで製造をすることができる。また、上記部品を要せず部品点数が少ないため、プローブのメンテナンスを容易に行うことができる。さらに、上記部品を要しないため、測定時の光量損失を、極めて少なくすることができる。
[第二実施形態]
本発明の他の実施形態であるプローブ10は、図2に示すように、支持部2及び平凸球面レンズ部3を有する点で第一実施形態に係るプローブ1と同じである。第二実施形態において、第一実施形態と同一の構成、機能を有するものについては同一符号を用い、その説明を省略する。
この第二実施形態のプローブ10は、図6に示すように、複数対の出光手段5及び受光手段6を有する。本実施例では、七対の出光手段5及び受光手段6で説明する。出光手段5の出光位置と受光手段6の受光位置とが、平凸球面レンズ部3の平面8を基準とし、平面8の中心9に対して点対称に配設されている。また、出光手段5の開口部5a及び受光手段6の開口部6aが、平面8に接する位置に配置される。複数の出光手段5出光位置及び複数の受光手段6の受光位置は、上記平面8を基準とし、同一円上に配置されている。
この第二実施形態のプローブ10は、複数の出光手段5から光線を出射することで、平凸球面レンズ部3の内面において反射させる出射光及び透過光の光量を増加させることができる。そして、この光線は、各出光手段5と対となる受光手段6によって受光され、この複数の受光手段6で受光される光線の光量(合計量)が比較的大きいので、当該プローブ10を用いることで、より高精度の測定を行うことができる。
<その他の実施形態>
上記開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態では、支持部が略円筒形状のものについて説明したが、これに限らず、多角形柱状等とすることもできる。
上記実施形態では、平凸球面レンズ部が支持部と別体であるものについて説明したが、これに限らず、平凸球面レンズ部が支持部の一部又は全部と一体で形成することも可能である。
また、上記実施形態において、出光手段及び受光手段が、光ファイバを用いたもので説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、出光手段及び受光手段が光ファイバのみならず、光学レンズをさらに備えることも可能である。
上記実施形態においては、切欠が平凸球面レンズ部の球冠の頂点部分に有するもので説明したが、これに限定されるものでなく、光線の反射を妨げるものでなければ、他の箇所に切欠を設けることも可能である。また、切欠の形状も、略矩形に限定されず、他の形状とすることもできる。
本発明のプローブは、簡易な構造により低コストで製造ができ、メンテナンスが容易で、取り扱い性に優れ、高精度な測定が可能なため、試料の光学特性の調査、研究及び製造ラインでの品質管理等で好適に使用される。
1,10 プローブ
2 支持部
3 平凸球面レンズ部
4 接続部
5 出光手段
5a 開口部(出光手段)
6 受光手段
6a 開口部(受光手段)
7 切欠
8 平面
9 中心
D 距離(底部高さ)
L 光線
M 測定器本体
W 幅(短辺長さ)
X 被測定物容器

Claims (6)

  1. 平凸球面レンズ部と、
    この平凸球面レンズ部の平面に光線を出射する手段と、
    この出光手段から出射され、球冠状凸面で反射され、かつ平面から出射する光線を受光する手段と
    を備えるプローブであって、
    上記平凸球面レンズ部が、光路中に切欠を有することを特徴とするプローブ。
  2. 上記平凸球面レンズ部の平面を基準とし、出光手段の出光位置と受光手段の受光位置とが平面の中心に対して点対称に配設されている請求項1に記載のプローブ。
  3. 上記切欠が、平凸球面レンズ部の軸心と平行な対向する一対の壁面を有する請求項1又は請求項2に記載のプローブ。
  4. 上記平凸球面レンズ部が、サファイア又は石英からなる請求項1、請求項2又は請求項3に記載のプローブ。
  5. 複数対の上記出光手段及び受光手段を備えている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプローブ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプローブを備える光学測定器。
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