JP2018127978A - 電動ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】ポンプとして必要な能力を発揮しつつ、その径方向の大きさや実装面積の小さい電動ポンプを提供する。
【解決手段】電動ポンプ1は、ポンプ24及びポンプ24を収容するポンプハウジング12を有するポンプ部Pと、ポンプ部Pに隣接して配置されてポンプ24を回転軸心Yを中心に回転させるモータを有するモータ部Mと、ポンプ部Pに隣接してモータ部Mと反対側に配置されてポンプ部Pを覆うカバー部Qと、を備えている。モータ部Mは、回転軸心Y方向に沿ってポンプ部Pの方向に延びるモータハウジング52を有し、ポンプハウジング12及びカバー部Qは、モータハウジング52の外周より内側の空間に着脱可能に収容されている。
【選択図】図1
【解決手段】電動ポンプ1は、ポンプ24及びポンプ24を収容するポンプハウジング12を有するポンプ部Pと、ポンプ部Pに隣接して配置されてポンプ24を回転軸心Yを中心に回転させるモータを有するモータ部Mと、ポンプ部Pに隣接してモータ部Mと反対側に配置されてポンプ部Pを覆うカバー部Qと、を備えている。モータ部Mは、回転軸心Y方向に沿ってポンプ部Pの方向に延びるモータハウジング52を有し、ポンプハウジング12及びカバー部Qは、モータハウジング52の外周より内側の空間に着脱可能に収容されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等の車両に用いる電動ポンプに関する。
近年、地球の環境問題に配慮し、交差点等での短時間停止時にエンジンをストップし、排気ガスの排出やガソリンの消費を抑制するアイドリングストップ機能が搭載されている自動車等の車両が提案されている。アイドリングストップ機能の作動時にはエンジンが作動していないが、その場合でもトランスミッション(例えば、ATやCVT等)の油圧保持は必要であるため、エンジンが作動していなくても駆動可能でオイル(流体の一例)を供給し、循環させることのできる電動ポンプを使用して油圧保持を実現している。
通常、電動ポンプは、エンジンやトランスミッションケース(以下、エンジン等と称する)の外側表面にボルトで固定される。特許文献1において開示された電動ポンプは、ポンプハウジングのうちポンプ室近傍の箇所(本願のポンプハウジングに相当)とロータ室近傍の箇所(本願のモータハウジングに相当)とがポンプ室、ロータ室の径方向外側(以下、第1締結箇所と称する)においてねじで締結されている。また、ポンプハウジングのうち空隙室近傍の箇所とステー材とが第1締結箇所より径方向外側(以下、第2締結箇所と称する)においてねじで締結されている。更に、ステーには、第2締結箇所より径方向外側においてこの電動ポンプをエンジン等にボルトで固定するための取付孔が形成されている。
電動ポンプはエンジンルーム内やトランスミッション近傍の限られたスペースに搭載されるため、全体の体積が小さい方が好ましい。しかし、必要なポンプの能力を発揮するだけの躯体の大きさは必要である。特許文献1の電動ポンプにおいては、ポンプ室やロータ室の径方向外側に位置する第1締結箇所や第2締結箇所において、ねじによりポンプハウジングやステー材が締結されているので、これに伴い、ステー材に形成された取付孔は更に径方向外側に位置している。このような形状を有しているため、電動ポンプの径方向の大きさが大きくなると共に、電動ポンプを搭載するのに必要なエンジン等の外側表面の(以下、実装面積とも称する)も大きくなる。
このように、電動ポンプとして必要な能力を発揮しつつ、電動ポンプの大きさや実装面積を小さくすることについて、更なる改善の余地があった。
上記問題に鑑み、ポンプとして必要な能力を発揮しつつ、その径方向の大きさや実装面積の小さい電動ポンプが求められている。
上記課題を解決するために、本発明に係る電動ポンプの特徴構成は、ポンプと該ポンプを収容するポンプハウジングとを有するポンプ部と、前記ポンプ部に隣接して配置されて前記ポンプを回転軸心を中心に回転させるモータを有するモータ部と、前記ポンプ部に隣接して前記モータ部と反対側に配置されて前記ポンプ部を覆うカバー部と、を備え、前記モータ部は、前記回転軸心方向に沿って前記ポンプ部の方向に延びるモータハウジングを有し、前記ポンプハウジング及び前記カバー部は、前記モータハウジングの外周より内側の空間に着脱可能に収容されている点にある。
本発明に係る電動ポンプにおいては、ポンプハウジング及びカバー部が、モータハウジングの外周より内側の空間に着脱可能に収容されている。そのため、ポンプハウジングとカバー部はモータハウジングの外周から径方向外側に突出しておらず、電動ポンプを構成するポンプハウジング、カバー部、モータハウジングのうちモータハウジングが最大径を有する。よって、電動ポンプの径方向の大きさ及び実装面積を小さくすることができる。
本発明に係る電動ポンプにおいて、前記カバー部はスナップフィットにより前記モータハウジングに対して固定されていると好適である。
カバー部がスナップフィットによりモータハウジングに対して固定されているため、従来のねじによる締結と比較して、組立工数を低減することができ、安価な電動ポンプを提供することができる。
本発明に係る電動ポンプにおいて、前記モータハウジングは、前記回転軸心に沿って延びる延在部分及び前記延在部分の一部が切り欠かれた切欠き部分を有しており、前記ポンプハウジング及び前記カバー部の外周には径方向外側に突出する凸部が形成されており、前記切欠き部分に前記凸部が嵌り込むことにより、前記ポンプハウジング及び前記カバー部の前記モータハウジングに対する回転が規制されていると好適である。
このような構成であれば、特別な手段を講じることなく、ポンプハウジング及びカバー部のモータハウジングに対する回転を規制することができる。
本発明に係る電動ポンプにおいて、前記モータハウジングの側面に雌ねじが形成されると共に前記カバー部の側面に雄ねじが形成され、前記雌ねじと前記雄ねじとを螺合することにより、前記カバー部は前記モータハウジングに対して固定されていると好適である。
モータハウジングとカバー部とをボルトを用いた螺合により締結するためには、夫々の外周にボルトを挿通するための突出部分を別途設ける必要があり、これは電動ポンプの径方向の大きさの増加につながる。しかし、モータハウジングの側面に雌ねじを形成すると共に前記カバー部の側面に雄ねじを形成し、雌ねじと雄ねじとを螺合する構成であれば、ボルトが不要になると共に、電動ポンプの径方向の大きさを増加させることなく、カバー部をモータハウジングに対して固定することができる。
本発明に係る電動ポンプにおいて、前記モータハウジングに対して前記カバー部を前記ポンプの回転方向に回転させたときに、前記カバー部が前記モータハウジングに螺合されるように前記雌ねじと前記雄ねじが形成されていると好適である。
このような構成であれば、カバー部が露出した状態でポンプを回転駆動させても、カバー部が、モータハウジングから抜け落ちる方向ではなく締結される方向の力を受けるので、カバー部がモータハウジングから脱落するおそれがない。
本発明に係る電動ポンプにおいて、前記カバー部の前記ポンプ部と対向する面と反対側の面である下面には、前記カバー部の内部を流通する流体の通路の開口が設けられ、前記下面には、前記開口と連通する円弧状の溝が形成されていると好適である。
モータハウジングに対してカバー部を螺合により固定していると、モータハウジングとカバー部との周方向の相対位置を一定に維持することは難しい。そのため、電動ポンプをエンジン等に取り付けた時に、エンジン等の表面に設けられた流体の通路の開口と、カバー部の下面に設けられた開口との周方向の位置がずれるおそれがある。しかし、本構成のように、カバー部の下面に開口と連通する円弧状の溝が形成されていると、周方向の位置ずれによりエンジン等の開口がカバー部の開口と対向していない場合でも、円弧状の溝と対向するので、流体を両開口の間で漏出させることなく、流通させることができる。
1.第1実施形態
〔基本構成〕
以下、本発明の第1実施形態に係る電動ポンプ1を図面に基づいて説明する。図1、図2に示すように、電動ポンプ1は、流体の一例としてのオイルを吸入して吐出するポンプ部Pと、このポンプ部Pを電気的に駆動するモータ部Mと、モータ部Mを制御するドライバ部Cと、ポンプ部Pを覆うカバー部Qを備えて構成されている。
〔基本構成〕
以下、本発明の第1実施形態に係る電動ポンプ1を図面に基づいて説明する。図1、図2に示すように、電動ポンプ1は、流体の一例としてのオイルを吸入して吐出するポンプ部Pと、このポンプ部Pを電気的に駆動するモータ部Mと、モータ部Mを制御するドライバ部Cと、ポンプ部Pを覆うカバー部Qを備えて構成されている。
電動ポンプ1は、カバー部Qと、ポンプ部Pと、モータ部Mと、ドライバ部Cとを、この順序でロータ32の回転軸心Yに沿う方向に重ね合わせた構造を有している。
電動ポンプ1は、車両用のオイルポンプとしてエンジン等に取り付けられるものを示している。電動ポンプ1はオイル以外の流体の供給に使用してもよい。
〔ポンプ部〕
ポンプ部Pは、ポンプハウジング12に凹形状に形成されたロータ室に、インナロータ26と、アウタロータ28とからなるポンプユニット24を収容して構成されている。インナロータ26は外周に外歯部を有し、アウタロータ28はその内周にインナロータ26の外歯部と咬合する内歯部を有する。インナロータ26とアウタロータ28は、何れも鉄系の金属材料で構成されている。ポンプユニット24はポンプの一例である。
ポンプ部Pは、ポンプハウジング12に凹形状に形成されたロータ室に、インナロータ26と、アウタロータ28とからなるポンプユニット24を収容して構成されている。インナロータ26は外周に外歯部を有し、アウタロータ28はその内周にインナロータ26の外歯部と咬合する内歯部を有する。インナロータ26とアウタロータ28は、何れも鉄系の金属材料で構成されている。ポンプユニット24はポンプの一例である。
ポンプユニット24はトロコイド型であり、インナロータ26は、シャフト38の回転軸心Yと同軸心で回転自在に支持され、アウタロータ28は、回転軸心Yから所定量だけ偏芯する位置で回転軸心Yと平行姿勢となる遊転軸心(図示せず)を中心に回転するように支持されている。なお、ポンプユニットはトロコイド型に限るものではなく、ギヤポンプとして構成されるものや、ベーンを備えた遠心ポンプ型に構成されるものでもよい。
ポンプハウジング12はアルミ系の金属材料からなる円柱形状を有しており、その外周面から径方向に突出する第1嵌合凸部14を有している(図2参照)。本実施形態においては、第1嵌合凸部14は等間隔に3個形成されているが、2個以下でも4個以上でもよい。ポンプハウジング12のロータ室に向かい合う箇所には、ポンプユニット24内に吸入されたオイルを貯留する円弧状溝を有する吸入ポート16及び吐出ポート18が形成されている。なお、第1嵌合凸部14は凸部の一例である。
ポンプハウジング12には、回転軸心Yと同軸心でモータ部Mの方向に突出する膨出部20が一体形成されている。膨出部20は、円柱状の外周面を有し、回転軸心Yと同軸心上にシャフト38が貫通する貫通孔部が形成されている。膨出部20の貫通孔部にはシャフト38の外周に接触するメカニカルシール22が備えられている。これにより、ポンプ部Pのオイルがモータ部Mに漏出することを防止している。膨出部20は後述するモータ部Mのステータハウジング13に形成された嵌合凹部54に嵌り込む、いわゆるインロー構造を有している。
〔モータ部〕
図1に示すように、モータ部Mはポンプ部Pに隣接して配置されている。モータ部Mは、ロータ32とステータ42からなるセンサレスブラシレスDCモータとして構成されている。センサレスブラシレスDCモータはモータの一例である。
図1に示すように、モータ部Mはポンプ部Pに隣接して配置されている。モータ部Mは、ロータ32とステータ42からなるセンサレスブラシレスDCモータとして構成されている。センサレスブラシレスDCモータはモータの一例である。
ロータ32は、複数の磁性鋼板を積層してなる円柱状のロータヨーク34と、ロータヨーク34の外周近傍の内部に埋め込まれて保持される複数の永久磁石36とを備える。ロータ32の中心には、回転軸心Yと同軸心になるようにシャフト38が圧入や溶接等の方法により接合されている。シャフト38のロータ32と反対側の端部にはインナロータ26が接合されている。ロータ32が回転すると、シャフト38の回転を介してインナロータ26が回転する。
ステータ42は、円環状であり、ロータ32の外周から径方向に少しの間隙を有して配置されている。ステータ42は、複数の磁性鋼板を積層した環状のステータコア44と、ステータコア44のティースを覆う絶縁性樹脂からなるインシュレータ46と、インシュレータ46の上から巻回された絶縁被膜を有する銅線等の導体からなるコイル48とを備えて構成されている。ステータ42は回転軸心Yと同軸心になるように配置されている。
ステータ42をインサート成形することにより、ステータ42はナイロン等の絶縁性の樹脂からなるモータハウジング52で覆われて一体化している。モータハウジング52のうちポンプ部Pの側の端部には、回転軸心Yを同軸心になるようにシリンダ内面状の嵌合凹部54が形成されている。この嵌合凹部54の内径は、ポンプハウジング12の膨出部20の外径よりもわずかに大きくなっており、嵌合凹部54に膨出部20が嵌り込んでインロー構造を構成している。モータハウジング52のポンプハウジング12との境界面には円環溝が形成され、そこにOリング66が嵌め込まれている。Oリング66によりモータハウジング52とポンプハウジング12の境界から外部へのオイルの漏出が防止される。
モータハウジング52は回転軸心Yに沿ってポンプ部Pの方向に延びており、延在部分56を有している。延在部分56は円筒形状の部位の一部が3個の切欠き部分64により切り欠かれた形状を有しており、本実施形態では延在部分56は等間隔に3個に分離している。以下、3個に分離した夫々を延在部分56と称する。なお、延在部分56の数は2個以下でも4個以上でもよい。
夫々の延在部分56の先端には、径方向内側に向かって爪58が形成されており、径方向外側には電動ポンプ1をエンジン等に取り付けるためのボルトが挿通される貫通孔を有する取付け部60が形成されている。貫通孔には金属カラー62がインサート成形により埋め込まれており、ボルトを螺合してエンジン等の表面に固定した時にボルトの頭部及びエンジン等表面と金属カラー62とが接触し、それらと取付け部60の樹脂部分とが直接接触しないように構成されている。
電動ポンプ1において、ポンプ部Pは延在部分56の内側の空間に収容されている。このとき、3個の第1嵌合凸部14が3個の切欠き部分64の夫々に嵌合している。第1嵌合凸部14の最外周の外径はモータハウジング52の外径に等しくなっており、第1嵌合凸部14はモータハウジング52から径方向外側に突出していない。また、第1嵌合凸部14の周方向の長さは切欠き部分64の周方向の長さに等しく、第1嵌合凸部14は切欠き部分64に対して隙間なく嵌り込んでいる。これにより、モータハウジング52に対するポンプ部Pの周方向への回転は規制されている。
〔カバー部〕
カバー部Qは、アルミ系の金属材料からなる円柱形状を有し、ポンプ部Pに隣接してモータ部Mと反対側に配置されている。カバー部Qは、回転軸心Yに沿う方向視でポンプハウジング12と同じ形状を有しており、カバー部Qは、その外周面から径方向に突出する第1嵌合凸部14と同形状の第2嵌合凸部74を有している。第2嵌合凸部74の最外周の外径はモータハウジング52の外径に等しくなっており、第2嵌合凸部74はモータハウジング52から径方向外側に突出していない。また、第2嵌合凸部74の周方向の長さは切欠き部分64の周方向の長さに等しく、第2嵌合凸部74は切欠き部分64に対して隙間なく嵌り込んでいる。これにより、モータハウジング52に対するカバー部Qの周方向への回転は規制されている。なお、第2嵌合凸部74は凸部の一例である。
カバー部Qは、アルミ系の金属材料からなる円柱形状を有し、ポンプ部Pに隣接してモータ部Mと反対側に配置されている。カバー部Qは、回転軸心Yに沿う方向視でポンプハウジング12と同じ形状を有しており、カバー部Qは、その外周面から径方向に突出する第1嵌合凸部14と同形状の第2嵌合凸部74を有している。第2嵌合凸部74の最外周の外径はモータハウジング52の外径に等しくなっており、第2嵌合凸部74はモータハウジング52から径方向外側に突出していない。また、第2嵌合凸部74の周方向の長さは切欠き部分64の周方向の長さに等しく、第2嵌合凸部74は切欠き部分64に対して隙間なく嵌り込んでいる。これにより、モータハウジング52に対するカバー部Qの周方向への回転は規制されている。なお、第2嵌合凸部74は凸部の一例である。
本実施形態においては、第2嵌合凸部74は等間隔に3個形成されているが、2個以下でも4個以上でもよい。ただし、第2嵌合凸部74は、ポンプハウジング12の第1嵌合凸部14と同じ個数でなければならない。
ポンプ部Pのロータ室と対向するカバー部Qの箇所には、ポンプハウジング12に形成された吸入ポート16及び吐出ポート18と同様の形状を有する吸入ポート76及び吐出ポート78が形成されている。カバー部Qには、更に、吸入ポート76と連通して下面72まで貫通する孔である吸入通路80、及び、吐出ポート78と連通して下面72まで貫通する孔である吐出通路82が形成されている。吸入通路80及び吐出通路82は、何れも通路の一例である。
カバー部Qの下面72と側面(外周面)との境界であって第2嵌合凸部74が形成されていない箇所には、係合溝84が形成されている。カバー部Qはポンプ部Pと同様に延在部分56の内側の空間に収容されている。このとき、ポンプ部P(ポンプハウジング12)と同様に、3個の第2嵌合凸部74が3個の切欠き部分64の夫々と嵌合している。そして、スナップフィットにより、夫々の延在部分56の爪58は対応する係合溝84に係合されている。夫々の爪58が係合溝84と係合した状態では、爪58はカバー部Qの下面72と面一又は下面72に対して窪んでおり、下面72から下方(回転軸心Yに沿う方向)に突出していない。また、この状態では、モータ部Mとポンプ部Pの隙間、ポンプ部Pとカバー部Qの隙間はなく、回転軸心Yに沿う方向の移動は互いに規制されている。
ポンプ部Pとカバー部Qとはスナップフィットによりモータ部M(延在部分56)の内側の空間に収容され、固定されているので、ポンプ部Pとカバー部Qは、モータ部Mから着脱可能である。
ポンプハウジング12のカバー部Qとの境界面には円環溝が形成され、そこにOリング86が嵌め込まれている。Oリング86によりポンプハウジング12とカバー部Qの境界から外部へのオイルの漏出が防止される。
〔ドライバ部〕
ドライバ部Cは、モータハウジング52と一体的に構成されたドライバケース92と、ドライバケース92に固定される蓋部93と、ドライバ回路96を備える。ドライバケース92と蓋部93とによって内部空間94が形成され、ドライバ回路96は内部空間94に収容されている。内部空間94は外気とは遮断されており密封されている。
ドライバ部Cは、モータハウジング52と一体的に構成されたドライバケース92と、ドライバケース92に固定される蓋部93と、ドライバ回路96を備える。ドライバケース92と蓋部93とによって内部空間94が形成され、ドライバ回路96は内部空間94に収容されている。内部空間94は外気とは遮断されており密封されている。
ドライバ回路96は、基板98に発熱性素子であるFET(Field effect transistor;電界効果トランジスタ)100やコンデンサ102等を配設して構成されている。なお、図1にはFET100とコンデンサ102のみを示しているが、ドライバ回路96の構成はこれに限定されるものではなく、適宜必要な電子素子を設けることができる。基板98には、コネクタ端子104及びターミナル106が接続されている。コネクタ端子104は不図示の電源とドライバ回路96とを電気的に接続する。コネクタ端子104はモータハウジング52と一体的に形成されるコネクタハウジング105に覆われている。ターミナル106はコイル48とドライバ回路96とを電気的に接続する。
上記のように、電動ポンプ1においては、ポンプハウジング12及びカバー部Qが、モータハウジング52の外周より内側の空間に着脱可能に収容されている。そのため、ポンプハウジング12とカバー部Qはモータハウジング52の外周から径方向外側に突出しておらず、電動ポンプ1を構成する部品のうちモータハウジング52が最大径を有する。よって、電動ポンプ1の径方向の大きさ及び実装面積を小さくすることができる。
また、カバー部Qがスナップフィットによりモータハウジング52に対して固定されているため、従来のねじ締結と比較して、組立工数を低減し、電動ポンプ1を安価に提供することができる。
2.第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態に係る電動ポンプ2を図3、4に基づいて説明する。電動ポンプ2は、電動ポンプ1とは異なり、第2モータハウジング153とカバー部Q2とが螺合により固定されている。以下、本実施形態の説明においては、第1実施形態と同様の構成の箇所については同じ符号を付し、同様の構成に関する説明を省略する。
以下、本発明の第2実施形態に係る電動ポンプ2を図3、4に基づいて説明する。電動ポンプ2は、電動ポンプ1とは異なり、第2モータハウジング153とカバー部Q2とが螺合により固定されている。以下、本実施形態の説明においては、第1実施形態と同様の構成の箇所については同じ符号を付し、同様の構成に関する説明を省略する。
電動ポンプ2のステータ42は、第1実施形態と同様の構成を有しており、ナイロン等の樹脂からなる第1モータハウジング152で覆われて一体化している。図3に示すように、第1モータハウジング152は回転軸心Yに沿う方向ではステータ42のみを覆うように形成されており、第1実施形態のような延在部分56を有していない。また、ドライバケース92は、第1実施形態と比較して回転軸心Yに沿う方向が深くなっており、ドライバ回路96全体が収まる程度の深さを有している。更にコネクタ端子104を保護するコネクタハウジング105も形成されていない。
第1モータハウジング152の径方向外側には、鉄系の金属材料からなる有底円筒形状の第2モータハウジング153で覆われている。第2モータハウジング153の底面はドライバ部C2の上方に位置しており、ドライバケース92に蓋をしてドライバ回路96を密閉している。第2モータハウジング153の開口側はポンプ部P2の方向に延びて、延在部分156を形成している。本実施形態における延在部分156は切欠き部分を有しておらず、円筒形状である。なお、第1モータハウジング152及び第2モータハウジング153は何れもモータハウジングの一例である。
第2モータハウジング153の延在部分156の径方向外側には、電動ポンプ2をエンジン等に取り付けるためのボルトが挿通する貫通孔を有する取付け部160が形成されている。取付け部160は第2モータハウジング153と一体に形成されており、鉄系の金属材料からなるので、貫通孔には金属カラー62は埋め込まれていない。
第2モータハウジング153の底面には矩形状の開口があり、その開口には、ドライバ回路96に実装されたコネクタ204が挿通している。コネクタ204のコネクタ端子104は不図示の電源とドライバ回路96とを電気的に接続する。コネクタ204はステータ42を含む第1モータハウジング152の第2モータハウジング153に対する周方向の回転を規制する回転止めの役割を果たしている。
延在部分156の内側の空間にはポンプ部P2とカバー部Q2が収容されている。本実施形態におけるポンプ部P2のポンプハウジング112は第1実施形態のように第1嵌合凸部14を有しておらず、カバー部Q2も第2嵌合凸部74を有していない。すなわち、ポンプ部P2のポンプハウジング112とカバー部Q2の側面は何れも円筒形状である。なお、本実施形態のカバー部Q2の材料は第1実施形態とは異なり鉄系の金属材料である。これは後述するように、カバー部Q2は第2モータハウジング153と螺合されるので、第2モータハウジング153と同様の材料を使うのが好ましいためである。
第2モータハウジング153の延在部分156の内周面(側面の一例)のうち、カバー部Q2と対向する箇所には雌ねじ158が形成されており、カバー部Q2の外周面(側面の一例)には雄ねじ184が形成されている。そして、延在部分156にカバー部Q2を螺合することにより、ポンプ部P2とカバー部Q2は第2モータハウジング153に対して固定される。カバー部Q2の下面72の中心には、螺合の際に六角棒スパナを嵌め込む六角穴173が形成されている。この状態では、モータ部M2とポンプ部P2の隙間、ポンプ部P2とカバー部Q2の隙間はなく、回転軸心Yに沿う方向の移動は互いに規制されている。
本実施形態において、延在部分156に形成された雌ねじ158とカバー部Q2に形成された雄ねじ184のねじ切り方向は、インナロータ26の駆動時の回転方向と同方向にカバー部Q2を回転させたときに、延在部分156に対してカバー部Q2が螺合(締結)される方向に形成されている。このようにねじ切り方向を定めることにより、カバー部Q2が露出した状態でポンプユニット24を回転駆動させたときであっても、カバー部Q2にはインナロータ26の回転方向と同方向へ回転する力、すなわち、締結方向の力が作用するので、カバー部Q2が第2モータハウジング153から脱落するおそれがない。
本実施形態においては、ポンプハウジング112とカバー部Q2との対向する面にピン113を立てることにより、ポンプ部P2とカバー部Q2との周方向の相対的な回転を規制している。このような構成を有する結果、第2モータハウジング153に対する、第1モータハウジング152、ポンプ部P2、カバー部Q2の周方向への回転は何れも規制される。
本実施形態においては、ねじの螺合によって第2モータハウジング153とカバー部Q2とを固定している。そのため、第2モータハウジング153とカバー部Q2の間の周方向の相対位置は一つに定まらず、周方向への多少のずれが存在する。すなわち、第2モータハウジング153の取付け部160に対してカバー部Q2の吸入通路80、吐出通路82の位置が周方向にずれることとなる。一方、エンジン等の表面には、取付け部160を挿通したボルトと締結されるボルト孔と、エンジン等の内部にオイルを流通させるための流路につながる円形の開口が、夫々の相対位置が固定された状態で形成されている。
そのため、電動ポンプ2をエンジン等に取付ける際、もし、吸入通路80の円形の開口80Aと吐出通路82の円形の開口82Aが取付け部160に対して周方向にずれると、取付け部160を挿通するボルトで電動ポンプ2をエンジン等の表面に実装固定したときに、開口80A、82Aがエンジン等の表面に形成された円形の開口と完全に重ならず、一部が周方向にずれて対向するおそれがある。開口同士が完全に重ならないと、その境界でオイル漏れが発生する。
それを防ぐために、本実施形態の電動ポンプ2においては、図4に示すように、カバー部Q2の下面72の開口80A、82Aに夫々連通して、周方向に延在する円弧状の溝80B、82Bが形成されている。開口80A、82Aが溝80B、82Bを有することにより、周方向の位置ずれによりエンジン等の表面の開口が開口80A、82Aと対向していない場合でも、円弧状の溝80B、82Bと対向するので、両開口の間でオイル漏れを発生させることなく、オイルを流通させることができる。
このような構成であっても、ポンプハウジング112とカバー部Q2は第2モータハウジング153の外周から径方向外側に突出しておらず、電動ポンプ2を構成する部品のうち第2モータハウジング153が最大径を有する。よって、電動ポンプ2の径方向の大きさ及び実装面積を小さくすることができる。
3.第2実施形態の変形例
以下、本発明の第2実施形態の変形例に係る電動ポンプ2を図5、6に基づいて説明する。本変形例におけるカバー部Q3は第2実施形態のカバー部Q2と形状が異なっている。以下、本変形例の説明においては、第1、第2実施形態と同様の構成の箇所については同じ符号を付し、同様の構成に関する説明を省略する。
以下、本発明の第2実施形態の変形例に係る電動ポンプ2を図5、6に基づいて説明する。本変形例におけるカバー部Q3は第2実施形態のカバー部Q2と形状が異なっている。以下、本変形例の説明においては、第1、第2実施形態と同様の構成の箇所については同じ符号を付し、同様の構成に関する説明を省略する。
上記の各実施形態においては、ポンプ部P、P2において、ポンプハウジング12、112はアルミ系の金属材料で形成されており、ポンプユニット24のインナロータ26、アウタロータ28は鉄系の金属材料で形成されている。アルミ系金属材料の方が鉄系金属材料より線膨張係数が大きいので、ポンプ部P、P2が高温になった時に、アウタロータ28の外周とポンプ室の内周との間の隙間が大きくなってオイルが漏出し、ポンプの効率が低下する。
そこで、本変形例においては、鉄系の金属材料からなるカバー部Q3において、下面72とは反対側の面にポンプユニット24が収容できる大きさの環状部分188を一体的に形成する。そして、環状部分188の先端にポンプハウジング212に形成された窪み213と嵌合される突起189を形成する。ポンプハウジング212は環状部分188が収容できるような大きさに凹加工されている。カバー部Q3がこのような形状を有すると、アウタロータ28と環状部分188とが何れも鉄系の金属材料からなるので、アウタロータ28の外周と環状部分188(ポンプ室)の内周との間の隙間は温度に関係なく一定となり、ポンプの効率は低下しない。また、カバー部Q3の突起189がポンプハウジング212の窪み213に嵌合されるので、ピン113がなくても、ポンプ部P3とカバー部Q3との周方向の相対的な回転を規制することができる。
本発明は、自動車等の車両に用いる電動ポンプに利用することが可能である。
1、2 電動ポンプ
12 ポンプハウジング
14 第1嵌合凸部(凸部)
24 ポンプユニット(ポンプ)
52 モータハウジング
56、156 延在部分
64 切欠き部分
72 下面
74 第2嵌合凸部(凸部)
80 吸入通路(通路)
80A、82A 開口
80B、82B 溝
82 吐出通路(通路)
152 第1モータハウジング(モータハウジング)
153 第2モータハウジング(モータハウジング)
158 雌ねじ
184 雄ねじ
M、M2 モータ部
P、P2、P3 ポンプ部
Q、Q2、Q3 カバー部
12 ポンプハウジング
14 第1嵌合凸部(凸部)
24 ポンプユニット(ポンプ)
52 モータハウジング
56、156 延在部分
64 切欠き部分
72 下面
74 第2嵌合凸部(凸部)
80 吸入通路(通路)
80A、82A 開口
80B、82B 溝
82 吐出通路(通路)
152 第1モータハウジング(モータハウジング)
153 第2モータハウジング(モータハウジング)
158 雌ねじ
184 雄ねじ
M、M2 モータ部
P、P2、P3 ポンプ部
Q、Q2、Q3 カバー部
Claims (6)
- ポンプ及び該ポンプを収容するポンプハウジングを有するポンプ部と、
前記ポンプ部に隣接して配置されて前記ポンプを回転軸心を中心に回転させるモータを有するモータ部と、
前記ポンプ部に隣接して前記モータ部と反対側に配置されて前記ポンプ部を覆うカバー部と、を備え、
前記モータ部は、前記回転軸心方向に沿って前記ポンプ部の方向に延びるモータハウジングを有し、
前記ポンプハウジング及び前記カバー部は、前記モータハウジングの外周より内側の空間に着脱可能に収容されている、電動ポンプ。 - 前記カバー部はスナップフィットにより前記モータハウジングに対して固定されている、請求項1に記載の電動ポンプ。
- 前記モータハウジングは、前記回転軸心に沿って延びる延在部分及び前記延在部分の一部が切り欠かれた切欠き部分を有しており、
前記ポンプハウジング及び前記カバー部の外周には径方向外側に突出する凸部が形成されており、
前記切欠き部分に前記凸部が嵌り込むことにより、前記ポンプハウジング及び前記カバー部の前記モータハウジングに対する回転が規制されている、請求項2に記載の電動ポンプ。 - 前記モータハウジングの側面に雌ねじが形成されると共に前記カバー部の側面に雄ねじが形成され、
前記雌ねじと前記雄ねじとを螺合することにより、前記カバー部は前記モータハウジングに対して固定されている、請求項1に記載の電動ポンプ。 - 前記モータハウジングに対して前記カバー部を前記ポンプの回転方向に回転させたときに、前記カバー部が前記モータハウジングに螺合されるように前記雌ねじと前記雄ねじが形成されている、請求項4に記載の電動ポンプ。
- 前記カバー部の前記ポンプ部と対向する面と反対側の面である下面には、前記カバー部の内部を流通する流体の通路の開口が設けられ、
前記下面には、前記開口と連通する円弧状の溝が形成されている、請求項4又は5に記載の電動ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017022337A JP2018127978A (ja) | 2017-02-09 | 2017-02-09 | 電動ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017022337A JP2018127978A (ja) | 2017-02-09 | 2017-02-09 | 電動ポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018127978A true JP2018127978A (ja) | 2018-08-16 |
Family
ID=63173783
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017022337A Pending JP2018127978A (ja) | 2017-02-09 | 2017-02-09 | 電動ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018127978A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022219886A1 (ja) * | 2021-04-13 | 2022-10-20 | 株式会社ミクニ | ポンプ装置 |
-
2017
- 2017-02-09 JP JP2017022337A patent/JP2018127978A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022219886A1 (ja) * | 2021-04-13 | 2022-10-20 | 株式会社ミクニ | ポンプ装置 |
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