JP2018127790A - 電動錠装置および引戸 - Google Patents
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Abstract
Description
この錠装置としては、例えば特許文献1に記載された開放支援機構付き鎌錠が知られている。
キックレバー142およびフックボルト115は、リンク棒147を介して連動可能に連結されている。この開放支援機構は、操作ハンドル145のハンドル動作によってキックレバー142を回動させることで、キックレバー142による縦枠に対する蹴り出し動作と、キックレバー142に連動するフックボルト115によるストライカー104との係合を解除する解錠動作を行う構成とされている。
このような構成によれば、電動モータの駆動が減速歯車機構によって減速されるので、減速された分だけ大きなトルクで蹴り出し動作を行うことができ、例えば一般的な戸体よりも大型で重たい戸体を大きな力で蹴り出すことができる。
このような構成によれば、引戸の縦枠に対して戸当り部材が当接してケースに対して後退した状態では、戸当り部材と連動バーの切欠き部との係合が外れているので、連動バーは移動可能であり、操作部の解錠操作や施錠操作によって錠および蹴り出し機構を動作させることができる。一方、縦枠に対して戸当り部材が離れてケースに対して前進した状態では、戸当り部材と連動バーの切欠き部とが係合しているので、連動バーの移動はできず、錠および蹴り出し機構を不作動状態にできる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本実施形態に係る引戸としての引き違い戸1は、枠体2と、枠体2内に左右方向に引き違い可能に配置された戸体3,4と、戸体3,4にそれぞれ取り付けられた電動錠装置10とを備えている。戸体3は、戸体4よりも室外側に配置されている。
ケース57は、戸体4の戸先側の縦框43に形成された開口に配置されており、操作部51は、ケース57の室内面側に露出して操作可能に配置されている。電動モータ52および制御部54は、取付板6に取り付けられている。電動モータ52の回転軸は上下方向に沿って配置されている。制御部54は、制御基盤によって構成されており、後述する解錠ボタン512、施錠ボタン513、電動モータ52およびバッテリボックス53に電気的に接続されており、操作部51の操作に基づいてバッテリボックス53から電動モータ52に電力を供給する。
また、本体部551の上下方向における中間部分には、その一方の側縁から幅方向(横方向)に沿った横ガイド溝551Cが形成されており、この横ガイド溝551Cには、前述したガイドピン59Aが挿入されている。
取付部552には、上下一対の孔552A,552Bが形成されている。取付部552は、孔552A,552Bに挿通されたねじ(図示省略)によって連動バー80にねじ止めされている。
ケース本体571の内部には、電動モータ52、バッテリボックス53、制御部54および伝達機構56が収容されている。また、ケース本体571は、第一当接部573と、第二当接部574とを有している。第一当接部573は、電動錠装置10による戸体4の施錠状態において回動部材59の扇状回動部592の周方向における一方の縁部に当接する位置に配置されている。第二当接部574は、電動錠装置10による戸体4の解錠状態において回動部材59の扇状回動部592の周方向における他方の縁部に当接する位置に配置されている。
ケースカバー572のスライダ55に対する対向面側には、ガイドピン58A,58Bが設けられており、ガイドピン58A,58Bは、それぞれスライダ55のガイド溝551A,551Bに挿入されている。
前述したロック装置は任意の構造(例えば、実公昭59−15584号公報、特開2006−241748号公報に記載された錠など)が採用可能である。ここで、電動操作ユニット50で直接に掛け金などを回動させるものに限られず、連動バー80の上下動に連動して施錠、解錠する構成であってもよい。
基板61は、戸体4の戸先側の縦框43に取り付けるための取付部61Aと、取付部61Aから直角に折曲されたアーム支持部61Bとを備えている。この基板61は、断面略L字状に形成されている。
アーム支持部61Bには、図5(A)に示すように、その上端部に連結ピン62で蹴り出しアーム63が回転可能に取り付けられており、蹴り出しアーム63の自由端(回動端)には蹴り出しローラ64が回転可能に取り付けられている。
この構成において、戸体4の閉鎖状態から、電動操作ユニット50の解錠ボタン512の操作により電動モータ52を回転駆動して連動バー80を施錠位置から解錠位置へ上昇させると、ガイドピン86は第1のガイド溝611と第2のガイド溝631の縦方向溝部分中を上昇する。ここで、ガイドピン86が第2のガイド溝631の縦方向溝部分中を上昇する間は、蹴り出しアーム63は駆動されず不動であるが、この間に錠の解錠が行われる。
なお、本実施形態では、第2のガイド溝631の縦方向溝部分の長さは、操作部51の電動モータ52を回転駆動させたときのスライダ55および連動バー80の摺動長さに設定されている。
戸体4が幅W1に相当する幅だけ開くと、連動バー80の切欠き部85と戸当り部材72の壁部723とが当接して連動バー80の上下動を阻止する。この状態では、連動バー80が拘束されるため、ロック装置の空掛けおよび蹴り出しアーム63の作動が阻止される。
以下、本実施形態に係る引き違い戸1の戸体4側における動作を説明する。なお、戸体3側における動作も概略同様であるのでその説明を省略する。
戸体4側の電動錠装置10は、電動モータ52の回転駆動に基づいて錠を施錠または解錠するとともに、蹴り出し機構60を作動して戸体4を全閉位置から蹴り出して、戸体4の開放を支援する。また、戸体4の開放状態においては、空掛け防止機構70により電動錠装置10(蹴り出し機構60を含む)の作動を禁止する。以下詳述する。
図8(A)および図9(A)は、戸体4が閉じかつ電動錠装置10で施錠された施錠状態を示している。操作部51の解錠ボタン512が押されると、電動モータ52が回転駆動し、この回転駆動が減速歯車機構561を介して回動部材59に伝達され、回動部材59が上方に向かって回動することでガイドピン59Aが横ガイド溝551Cに沿って揺動しながら上昇し、このガイドピン59Aの上昇によって、スライダ55は、上下のガイド溝551A,551Bがケースカバー572のガイドピン58A,58Bに案内されながら押し上げられる。スライダ55の上昇することで、当該スライダ55に取り付けられた連動バー80も施錠位置から解錠位置へ向かって上昇する。
操作部51の電動モータ52の回転駆動に伴って連動バー80がさらに上昇すると、連動バー80のガイドピン取付部材84のガイドピン86は、蹴り出しアーム63の第2のガイド溝631の斜め上方へ向かう屈曲部に到達する。
このようにして、電動錠装置10によって戸体4の解錠および蹴り出しを連続動作させる解錠動作を行う。
図8(B)および図9(B)は、戸体4が開きかつ電動錠装置10によって錠が解錠された解錠状態を示している。操作部51の施錠ボタン513が押されると、電動モータ52が回転駆動し、この回転駆動が減速歯車機構561を介して回動部材59に伝達され、回動部材59が下方に向かって回動することでガイドピン59Aが横ガイド溝551Cに沿って揺動しながら下降し、このガイドピン59Aの下降によって、スライダ55は、上下のガイド溝551A,551Bがケースカバー572のガイドピン58A,58Bに案内されながら押し下げられる。スライダ55が下降することで、当該スライダ55に取り付けられた連動バー80も解錠位置から施錠位置へ向かって下降する。
スライダ55および連動バー80が施錠位置にそれぞれ到達すると、回動部材59の扇状回動部592の他方の縁部が第二当接部574に当接し、電動モータ52における電流値が上昇する。制御部54は、この電流値の上昇を検知して電動モータ52の回転駆動を停止する。
このようにして、電動錠装置10によって戸体4の施錠動作を行う。
次に、一連の戸体4の解錠および蹴り出し動作が終了した段階で、空掛け防止機構70が作動して、錠の空掛けが防止される。次に、その点について説明する。
前述したように、戸先側の縦框43の連動バー80に沿った操作部51および蹴り出し機構60間の位置に空掛け防止機構70が設けられている。
(1)本実施形態では、電動錠装置10は、戸体4(3)に装着可能な電動操作ユニット50と、戸体4(3)の解錠および施錠を行う錠と、戸体4(3)の蹴り出しを行う蹴り出し機構60と、電動操作ユニット50、錠および蹴り出し機構60を連結した連動バー80とを備え、電動操作ユニット50は、解錠操作および施錠操作可能な操作部51と、電動モータ52と、操作部51の操作に基づいて電動モータ52の駆動を制御する制御部54と、電動モータ52の駆動を連動バー80に伝達する伝達機構56とを備え、連動バー80は、施錠位置と、蹴り出し位置と、当該施錠位置および蹴り出し位置間にある解錠位置とに移動可能に配置され、錠は、連動バー80の施錠位置から解錠位置への移動に連動して解錠し、かつ、連動バー80の解錠位置から施錠位置への移動に連動して施錠する構成とされ、蹴り出し機構60は、連動バー80の解錠位置から蹴り出し位置への移動に連動して戸体4(3)の蹴り出しを行う構成とされ、制御部54は、操作部51の解錠操作に基づいて、連動バー80を施錠位置から解錠位置を通過して蹴り出し位置まで移動させ、その後、スライダ55を蹴り出し位置から解錠位置まで移動させる電動モータ52の駆動制御を実行し、かつ、操作部51の施錠操作に基づいて、連動バー80を解錠位置から施錠位置まで移動させる電動モータ52の駆動制御を実行する構成とされていることを特徴とする。
上記構成を有するため、操作部51の解錠操作によって電動モータ52を駆動して連動バー80を上方に移動することで、錠を解錠し、この解錠に連続して蹴り出し機構60による戸体4(3)の蹴り出しを行うことができる。また、操作部51の施錠操作によって電動モータ52を駆動して連動バー80を下方に移動することで、錠を施錠できる。このように、簡単な操作で施錠、解錠および蹴り出し動作を行うことができる。
さらに、本実施形態では、以下の各効果を発揮できる。
(2)前記実施形態では、連動バー80は上下動可能に配置され、伝達機構56は、電動モータ52に連結された減速歯車機構561と、減速歯車機構561に連結された回動部材59と、連動バー80に取り付けられたスライダ55とを備え、回動部材59には、その回動軸心から離間した位置にガイドピン59Aが取り付けられ、スライダ55には、ガイドピン59Aが配置された横ガイド溝551Cが形成されている。
このため、電動モータ52の駆動が減速歯車機構561によって減速されるので、減速された分だけ大きなトルクで蹴り出し動作を行うことができ、例えば一般的な戸体よりも大型で重たい戸体4(3)を大きな力で蹴り出すことができる。また、施錠時には、戸体4(3)と縦枠23に介在されたエアタイト材を潰しながら施錠することが可能である。
(3)前記実施形態では、連動バー80に係合してその移動を規制する空掛け防止機構70を備え、空掛け防止機構70は、戸体4(3)に装着可能なケース75と、ケース75に対して進退可能に配置された戸当り部材72と、戸当り部材72をケース75に対して前進方向に付勢する付勢部材としてのコイルばね74とを備え、連動バー80には切欠き部85が形成され、戸当り部材72は、ケース75に対して前進した状態で切欠き部85に係合し、ケース75に対して後退した状態で切欠き部85との係合が外れる構成とされている。
このため、戸先側の縦枠23に対して戸当り部材72が当接してケース75に対して後退した状態では、戸当り部材72と連動バー80の切欠き部85との係合が外れているので、連動バー80は移動可能であり、操作部51の解錠操作や施錠操作によって錠および蹴り出し機構60を動作させることができる。一方、戸先側の縦枠23に対して戸当り部材72が離れてケース75に対して前進した状態では、戸当り部材72と連動バー80の切欠き部85とが係合しているので、連動バー80の移動はできず、錠および蹴り出し機構を不作動状態にできる。
また、錠の空掛け防止を、戸当り部材72と連動バー80との当接による簡易な構成により自動で行えるため、全体として電動錠装置10の操作を単純化できる。
本発明は、以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、電動錠装置10の蹴り出し機構60は一つであるものとして説明したが、これに限られず、複数の蹴り出し機構60があってもよい。例えば、複数の蹴り出し機構60を縦框43(33)内において上下方向に所定間隔を隔てて取り付け、これらを一つの連動バー80に連動させてもよい。このように構成した場合には、複数の蹴り出し機構60を同時に作動でき、一つの蹴り出し機構60だけの場合よりも、戸体4(3)をバランス良く押し出すことができ、戸体4(3)の全閉位置からの押出し動作をスムーズに行うことができる。
Claims (4)
- 戸体に装着可能な電動操作ユニットと、前記戸体の解錠および施錠を行う錠と、前記戸体の蹴り出しを行う蹴り出し機構と、前記電動操作ユニット、前記錠および前記蹴り出し機構を連結した連動バーとを備え、
前記電動操作ユニットは、解錠操作および施錠操作可能な操作部と、電動モータと、前記操作部の操作に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御部と、前記電動モータの駆動を前記連動バーに伝達する伝達機構とを備え、
前記連動バーは、施錠位置と、蹴り出し位置と、当該施錠位置および蹴り出し位置間にある解錠位置とに移動可能に配置され、
前記錠は、前記連動バーの前記施錠位置から前記解錠位置への移動に連動して解錠し、かつ、前記連動バーの前記解錠位置から前記施錠位置への移動に連動して施錠する構成とされ、
前記蹴り出し機構は、前記連動バーの前記解錠位置から前記蹴り出し位置への移動に連動して前記戸体の蹴り出しを行う構成とされ、
前記制御部は、前記操作部の解錠操作に基づいて、前記連動バーを前記施錠位置から前記解錠位置を通過して前記蹴り出し位置まで移動させ、その後、前記連動バーを前記蹴り出し位置から前記解錠位置まで移動させる前記電動モータの駆動制御を実行し、かつ、前記操作部の施錠操作に基づいて、前記連動バーを前記解錠位置から前記施錠位置まで移動させる前記電動モータの駆動制御を実行する構成とされている
ことを特徴とする電動錠装置。 - 請求項1に記載の電動錠装置において、
前記連動バーは上下動可能に配置され、
前記伝達機構は、前記電動モータに連結された減速歯車機構と、前記減速歯車機構に連結された回動部材と、前記連動バーに取り付けられたスライダとを備え、
前記回動部材には、その回動軸心から離間した位置にガイドピンが取り付けられ、
前記スライダには、前記ガイドピンが配置された横ガイド溝が形成されている
ことを特徴とする電動錠装置。 - 請求項1または請求項2に記載の電動錠装置において、
前記連動バーに係合してその移動を規制する空掛け防止機構を備え、
前記空掛け防止機構は、前記戸体に装着可能なケースと、前記ケースに対して進退可能に配置された戸当り部材と、前記戸当り部材を前記ケースに対して前進方向に付勢する付勢部材とを備え、
前記連動バーには切欠き部が形成され、
前記戸当り部材は、前記ケースに対して前進した状態で前記切欠き部に係合し、前記ケースに対して後退した状態で前記切欠き部との係合が外れる構成とされている
ことを特徴とする電動錠装置。 - 枠体と、枠体内に配置されたスライド可能な戸体と、前記戸体に装着された請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動錠装置とを備えている
ことを特徴とする引戸。
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