JP2018127156A - エアバッグ装置 - Google Patents

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孝彰 二井
Takaaki Nii
孝彰 二井
藤澤 直樹
Naoki Fujisawa
直樹 藤澤
中村 真也
Shinya Nakamura
真也 中村
鈴木 裕之
Hiroyuki Suzuki
裕之 鈴木
大輝 金本
Daiki Kanemoto
大輝 金本
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Abstract

【課題】正規着座位置の乗員に対する保護性能を維持しつつ、非正規着座位置の乗員に対するリスクを軽減するエアバッグ装置を提供する。【解決手段】エアバッグ装置は、車両の座席のシートバックに内蔵されて、側部に衝撃が入力されると並んで配置された2つの座席の間の保護エリアにエアバッグ10を展開させる。エアバッグは、メインチャンバー11と第1のサブチャンバー12と第2のサブチャンバー13とを備える。メインチャンバーは、ガスによって乗員の肩から頭部までの範囲に展開される。第1のサブチャンバーは、ガスが導入されて保護エリアを前方へ拡張する。第2のサブチャンバーは、ガスが導入されて保護エリアを上方へ拡張する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両が側方衝突を起こした際に前部座席の間に展開されるエアバッグ装置に関する。
車両が側方衝突を起こした際に前部座席の乗員どうしが当たらないように両者の間に展開されるエアバッグ装置がある(例えば特許文献1の図8)。このエアバッグ装置は、エアバッグに対して接近した位置となるOOP(Out of Position)にある乗員に対し、エアバッグが膨張する際の内圧を低い状態に保つために、可変ベントホールを有している。可変ベントホールは、テザーに接続されたカバーで塞がれる。エアバッグ装置は、膨張過程でOOPの乗員に接するとテザーが弛緩され、可変ベントホールからガスを排出し、内圧を比較的低い状態に保つことで、乗員を適切な圧力で保護している。
特開2016−008023号公報
ところで、車室内に装備される各エアバッグ装置は、インフレーターから瞬時に放出されるガスによってエアバッグを膨張させる。そして、エアバッグ装置は、それぞれの座席に理想的な姿勢で着座していることを前提に設計されている。しかしながら、エアバッグが展開する瞬間において、全ての乗員が理想的な姿勢、理想的な位置に着座しているとは限らない。例えば、前部座席の間から後部座席に向いた状態で乗車している子供乗員等、非正規着座位置(Out-of-Position)の乗員が居ることが想定される。したがって、エアバッグ装置が作動した場合にはエアバッグ装置としての機能を維持しつつ、エアバッグ装置が展開されることで上述のような非正規着座位置の乗員がけがを負わないようにする必要がある。
そこで、本発明は、正規着座位置の乗員に対する保護性能を維持し、かつ、非正規着座位置の乗員に対するリスクを軽減するエアバッグ装置を提供する。
本発明に係る一実施形態のエアバッグ装置は、車両の座席のシートバックに内蔵され、前記車両の側部に入力された衝撃を検出してガスをインフレーターから放出し並んで配置された2つの座席の間の保護エリアに展開させるエアバッグ装置である。エアバッグは、エアバッグは、メインチャンバーと第1のサブチャンバーと第2のサブチャンバーとを備える。メインチャンバーは、ガスによって乗員の肩から頭部までの範囲に展開される。第1のサブチャンバーは、ガスが導入されて保護エリアを前方へ拡張する。第2のサブチャンバーは、ガスが導入されて保護エリアを上方へ拡張する。
このとき、上述のエアバッグ装置において、第1のサブチャンバーは、メインチャンバーの前部に取り付けられ、ガスをメインチャンバーから導入される前部アクティブベント及びガスを外部へ放出する前部セーフティーベントを有し、第2のサブチャンバーは、メインチャンバーの上部に取り付けられ、ガスをメインチャンバーから導入される上部アクティブベント及びガスを外部へ放出する上部セーフティーベントを有する。
そして、このエアバッグ装置は、さらに第1のテザーと第2のテザーと第3のテザーと第4のテザーとを備える。第1のテザーは、メインチャンバーの一方の側壁の内面に基端が固定され、他方の側壁の内面を経由して第2のサブチャンバーの上部アクティブベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設される。第2のテザーは、第2のサブチャンバーの上壁の内側に基端が固定され、前部アクティブベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設される。第3のテザーは、第1のサブチャンバーの前壁の内側に基端が固定され、前部セーフティーベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設される。第4のテザーは、第2のサブチャンバーの上壁の内側に基端が固定され、上部セーフティーベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設される。
または、上述のエアバッグ装置において、第1のサブチャンバーは、メインチャンバーとインフレーターの前部との間に配置され、ガスの導入される入口ベント及びガスをメインチャンバーへ放出する前部アクティブベントを有し、第2のサブチャンバーは、メインチャンバーとインフレーターの上部との間に配置され、ガスの導入される入口ベント及びガスをメインチャンバーへ放出する上部アクティブベントを有する。そして、このエアバッグ装置は、さらに第1のテザーと第2のテザーとを備える。第1のテザーは、メインチャンバーの上部の内側に基端が固定され、上部アクティブベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設される。第2のテザーは、メインチャンバーの前部の内側に基端が固定され、前部アクティブベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設される。
本発明の一実施形態のエアバッグ装置によれば、前部座席の正規着座位置に一人が乗車した一人乗員の場合に車両が側部に衝撃を入力されて衝撃が入力された側へ乗員が大きく倒れ込んでも、メインチャンバーが車幅方向へ所定の大きさ以上に膨張可能かつ前方へ所定の大きさ以上に膨張可能なので第1のサブチャンバーによって保護エリアが前方に拡張される。また、前部座席の正規着座位置に二人が乗車した二人乗員の場合に車両が側部に衝撃を入力されて乗員どうしが接近しても、メインチャンバーが車幅方向へ所定の大きさ以内に制限されかつ上方へ所定の大きさ以上に膨張可能であるので第2のサブチャンバーによって保護エリアが上方に拡張される。さらに、前部座席の間の非正規着座位置に乗員がいるアウト・オブ・ポジション(OOP)の場合に車両が側部に衝撃を入力されてメインチャンバーが膨張しても、非正規着座位置の乗員によってメインチャンバーが前方及び上方へ所定の大きさ以上に膨張することを制限されるので第1のサブチャンバー及び第2のサブチャンバーが膨張しない。このように、エアバッグ装置は、正規着座位置の乗員に対する保護性能を維持し、かつ、非正規着座位置の乗員に対するリスクを軽減することができる。
本発明の第1の実施形態のエアバッグ装置を示す斜視図。 図1のエアバッグ装置の構造を示す斜視図。 図1のエアバッグ装置が一人乗員の時に作動した状態の正面図。 図3のエアバッグ装置を上から見た平面図。 図1のエアバッグ装置が二人乗員の時に作動した状態の斜視図。 図5のエアバッグ装置の側面及び正面図。 図1のエアバッグ装置に対して非正規着座乗員が乗った状態の側面図。 図7のエアバッグ装置が作動した状態の側面図。 本発明の第2の実施形態のエアバッグ装置を示す斜視図。 図9のエアバッグ装置の構造を示す側面図。 図9のエアバッグ装置が一人乗員の時に作動した状態の斜視図。 図11のエアバッグ装置を上から見た平面図。 図1のエアバッグ装置が二人乗員の時に作動した状態の正面図。 図13のエアバッグ装置の側面図。 図1のエアバッグ装置に対して非正規着座乗員が乗った状態の側面図。 図15のエアバッグ装置が作動した状態の側面図。
本発明に係る第1の実施形態のエアバッグ装置1について、図1から図8を参照して説明する。以下の説明の便宜上、車両の進行方向を基準に「前」、「後」、「右」、「左」を定義し、重力の作用する方向を基準に「上」、「下」を定義する。また、各実施形態における車両は、右側に運転席が配置されたいわゆる「右ハンドル車」を前提に説明する。したがって「左ハンドル車」の場合は、以下の説明において左右反転して実施される。
エアバッグ装置1は、車両の前部座席2のシートバック21に内蔵されており、車両の側部に入力された衝撃を検出してインフレーター101からガスGを放出し、前部座席2の間の保護エリアSにエアバッグ10を展開させる。図1及び図2は、第1の実施形態のエアバッグ装置1の構成を示す。図1は、車室内の座席を模式的に示し、エアバッグ装置1が作動して前部座席2の間の保護エリアSにエアバッグ(センターエアバッグ)10が展開された状態である。エアバッグ装置1は、前部座席2の運転席のシートバック21に内蔵されたインフレーター101及びエアバッグ10を備える。
このエアバッグ10は、図1及び図2に示すように、メインチャンバー11と、第1のサブチャンバー(以下、前方サブチャンバーという)12と、第2のサブチャンバー(以下、上方サブチャンバーという)13とを備える。メインチャンバー11は、インフレーター101によって発生したガスGが直接流入することによって、前部座席2の乗員の肩から頭部までの保護エリアSとなる範囲に展開される。
図1では、メインチャンバー11のみが膨張された状態であり、前方サブチャンバー12及び上方サブチャンバー13は、膨張されていない。図2では、エアバッグ装置1のエアバッグ10の構造を分かりやすく説明するために、エアバッグ10を構成するメインチャンバー11、前方サブチャンバー12、及び上方サブチャンバー13の全てが膨張した状態を示す。
前方サブチャンバー12は、メインチャンバー11が車幅方向へ所定の大きさ以上に膨張可能かつ前方へ所定の大きさ以上に膨張可能な場合にガスGが導入されて保護エリアSを前方へ拡張する。また上方サブチャンバー13は、メインチャンバー11が車幅方向へ所定の大きさ以内に制限されかつ上方へ所定の大きさ以上に膨張可能な場合にガスGが導入されて保護エリアSを上方へ拡張する。
第1の実施形態の場合、図1及び図2に示すように、前方サブチャンバー12は、メインチャンバー11の前部に取り付けられており、前部アクティブベント121及び前部セーフティーベント122を有している。前部アクティブベント121は、ガスGをメインチャンバー11から前方サブチャンバー12へ導入する。前部セーフティーベント122は、前方サブチャンバー12内のガスGを外部へ放出する。また、上方サブチャンバー13は、メインチャンバー11の上部に取り付けられており、上部アクティブベント131及び上部セーフティーベント132を有している。上部アクティブベント131は、ガスGをメインチャンバー11から上方サブチャンバー13へ導入する。上部セーフティーベント132は、上方サブチャンバー13内のガスGを外部へ放出する。
このエアバッグ装置1は、図2に示すように、さらに第1のテザー14と第2のテザー15と第3のテザー16と第4のテザー17とを備えている。第1のテザー14は、車幅方向にメインチャンバー11の一方の側壁の内側に基端141が固定され、他方の側壁の内面を経由して上方サブチャンバー13の上部アクティブベント131の開口面積を縮小可能に操作端142が配設されている。具体的には、第1のテザー14の操作端142は、上部アクティブベント131の周囲を囲う環状に配設され、基端141側に引っ張られることで、上部アクティブベント131を巾着状に縮径して閉じる。
第2のテザー15は、上方サブチャンバー13の上壁の内側に基端151が固定され、前部アクティブベント121の開口面積を縮小可能に操作端152が配設されている。具体的には、第2のテザー15の操作端152は、前部アクティブベント121の周囲を囲う環状に配設され、基端151側へ引っ張られることで、前部アクティブベント121を巾着状に縮径して閉じる。
第3のテザー16は、前方サブチャンバー12の前壁の内側に基端161が固定され、前部セーフティーベント122の開口面積を縮小可能に操作端162が配設されている。具体的には、第3のテザー16の操作端162は、前部セーフティーベント122の周囲を囲う環状に配設され、基端161側へ引っ張られることで、前部セーフティーベント122を巾着状に縮径して閉じる。
第4のテザー17は、上方サブチャンバー13の上壁の内側に基端171が固定され、上部セーフティーベント132の開口面積を縮小可能に操作端172が配設されている。具体的には、第4のテザー17の操作端172は、上部セーフティーベント132の周囲を囲う環状に配設され、基端171側へ引っ張られることで、上部セーフティーベント132を巾着状に縮径して閉じる。
なお、図2では分かりやすいように、前部アクティブベント121、前部セーフティーベント122、上部アクティブベント131及び上部セーフティーベント132は、開いているように描いている。
以上のように構成された第1の実施形態のエアバッグ装置1が作動したときにエアバッグ10がどのように膨張するか、一人乗員の場合、二人乗員の場合、アウト・オブ・ポジションの場合の3つの場合について、以下に説明する。ここで、「一人乗員」の場合とは、前部座席2の正規着座位置に運転者P1のみが乗車している状態である。また、「二人乗員」の場合とは、前部座席2の正規着座位置に運転者P1及び同乗者P2が乗車している状態である。さらに「アウト・オブ・ポジション(Out of Position:OOP)」の場合とは、前部座席2の間に後部座席3を向いて乗車している非正規着座位置に乗員P3がいる状態である。
[一人乗員の場合]
図3及び図4は、一人乗員の状態で車両の側部(運転席から離れた側)に衝撃が入力され、エアバッグ装置1が作動した状態を示す。一人乗員の場合、すなわち運転者P1のみが正規着座位置に乗車している場合、運転席側と反対側(左側)から側方衝突などにより衝撃が入力されると、エアバッグ装置1は、インフレーター101から噴出されたガスGによってまずエアバッグ10のメインチャンバー11を膨張させる。このとき運転席の隣には他の乗員(同乗者)が居ない空席状態であるので、運転者P1は、図3及び図4に示すように左前側へ大きく倒れ込む。
メインチャンバー11は、運転席側から運転者P1によって押されるが、反対側には支えが無いので、車幅方向へ所定の大きさ以上に膨張するとともに、前方へ所定の大きさ以上に膨張する。これによって、第1のテザー14は、基端141側へ引っ張られ、上方サブチャンバー13の上部アクティブベント131を閉じる。ガスGは、上方サブチャンバー13へ流入しなくなり、前部アクティブベント121を通って前方サブチャンバー12へ流入し、前方サブチャンバー12を膨張させる。前方サブチャンバー12の前に障害物は無いので、エアバッグ10は、前方サブチャンバー12が膨張することによって保護エリアSを前方へ拡張される。
前方サブチャンバー12がある程度以上に膨張すると、前方サブチャンバー12の前壁に基端161が固定された第3のテザー16が基端161側に引っ張られ、前部セーフティーベント122を閉じる。この結果、ガスGによってメインチャンバー11及び前方サブチャンバー12がエアバッグ10として膨らみ、運転者P1の頭部が左前方へ移動しても、前方サブチャンバー12によって保護エリアSが前方へ拡張されるので正規着座位置の運転者P1の頭部をより安全に保護することができる。
[二人乗員の場合]
図5及び図6は、二人乗員の状態で車両の側部に衝撃が入力され、エアバッグ装置1が作動した状態を示す。図5では、運転席から離れた側(左側)の車両の側部に衝撃が入力された場合を想定している。二人乗車の場合、すなわち運転者P1と同乗者P2が正規着座位置に乗車している場合、側方衝突などにより衝撃が入力されると、エアバッグ装置1は、インフレーター101から噴出されたガスGによってまずエアバッグ10のメインチャンバー11を膨張させる。このとき運転席の運転者P1は一人乗員の時と同様に左側へ移動する。
メインチャンバー11は、図6の右側の正面図に示すように、運転者P1の頭部及び同乗者P2の頭部に挟まれて、車幅方向へ所定の大きさ以内に制限されるとともに上方へ所定の大きさ以上に膨張可能である。第1のテザー14が弛緩された状態に保持されることで、ガスGは、上部アクティブベント131を通して上方サブチャンバー13へ流入し、上方サブチャンバー13を膨張させる。上方サブチャンバー13の上に障害物は無いので、エアバッグ10は、上方サブチャンバー13が膨張することで、保護エリアSを上方へ拡張する。
上方サブチャンバー13がある程度以上に膨張すると、上方サブチャンバー13の上壁に基端141,171が固定された第1のテザー14及び第4のテザー17がそれぞれ基端側に引っ張られる。この結果、第1のテザー14は、前部アクティブベント121を閉じ、第4のテザー17は、上部セーフティーベント132を閉じる。この結果、ガスGによってメインチャンバー11及び上方サブチャンバー13がエアバッグ10として膨らみ、運転者P1の頭部と同乗者P2の頭部が接近しても、上方サブチャンバー13によって保護エリアSが上方へ拡張されるので正規着座位置の乗員である運転者P1と同乗者P2の頭部をより安全に保護することができる。
[アウト・オブ・ポジションの場合]
図7は、前部座席2の間に後部座席3を向いて乗車している非正規着座位置に乗員(子供乗員)P3がいる「アウト・オブ・ポジション(Out of Position(OOP))」の状態を示し、図8は、「OOP」において、側部から衝撃が入力されてエアバッグ装置1が作動した場合を示す。OOPの状態において車両が側方衝突などにより車体の側部に衝撃が入力されると、エアバッグ装置1は、インフレーター101から噴出されたガスGによってまずエアバッグ10のメインチャンバー11を膨張させる。このとき、非正規着座位置の乗員P3が図7に示すようにエアバッグ10が前方及び上方へ膨張する方向を遮る位置にいるので、メインチャンバー11は、乗員P3を押し退けながら膨張する。
しかし、メインチャンバー11は、乗員P3によって車幅方向へ所定の大きさ以上に膨張することが制限されるだけでなく前方へ所定の大きさ以上に膨張することも制限される。その結果、第1のテザー14が弛緩された状態になる。このとき、図8に示すように乗員P3によって上方サブチャンバー13が上方へ膨張することが妨げられるため、第2のテザー15及び第4のテザー17も弛緩された状態に保持される。さらに、前方サブチャンバー12は、図8に示すように乗員P3によって前方へ膨張することが妨げられているので、第3のテザー16が弛緩された状態に維持される。
この結果、前部アクティブベント121、前部セーフティーベント122、上部アクティブベント131及び上部セーフティーベント132の全てが開かれた状態になる。そして、ガスGは、前部アクティブベント121から前方サブチャンバー12へ流入しても前部セーフティーベント122から外部へ排出されるとともに、上部アクティブベント131から上方サブチャンバー13流入しても上部セーフティーベント132から外部へ排出される。エアバッグ10が膨張する勢いは、ガスGが外部へ排出されることによって弱まり、非正規着座位置の乗員P3に対して局所的な力が加わることを防止できる。つまり、エアバッグ装置1が展開されることで非正規着座位置の乗員P3に生じるリスクを軽減することができる。
本発明に係る第2の実施形態のエアバッグ装置1について、図9から図16を参照して説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態のエアバッグ装置1の構成と同じ機能を有する構成は、第1の実施形態の構成と同一の符号を付し、その説明は第1の実施形態の対応する記載を参酌することとする。
第2の実施形態のエアバッグ装置1は、第1の実施形態のエアバッグ装置1と比較して、エアバッグ10の前方サブチャンバー12及び上方サブチャンバー13の配置が異なっている。図9は、エアバッグ装置1が作動して、前部座席2の間の保護エリアSにエアバッグ10が展開された状態の斜視図である。図10は、図9を模式的に左側から見た側面図である。第2の実施形態では、図9及び図10に示すように、前方サブチャンバー12は、メインチャンバー11とインフレーター101の前部との間に配置され、上方サブチャンバー13は、メインチャンバー11とインフレータ101の上部との間に配置されている。
また、前方サブチャンバー12は、インフレーター101からガスGを導入される入口ベント123及びガスGをメインチャンバー11へ放出する前部アクティブベント121を有している。前部アクティブベント121は、メインチャンバー11と前方サブチャンバー12の間の連通口である点で第1の実施形態の前部アクティブベント121と同じ機能を有している。
上方サブチャンバー13は、インフレーター101からガスGを導入される入口ベント133及びガスGをメインチャンバー11へ放出する上部アクティブベント131を有している。上部アクティブベント131は、メインチャンバー11と上方サブチャンバー13の間の連通口である点で第1の実施形態の上部アクティブベント131と同じ機能を有している。
なお、図9及び図10に示すように、インフレーター101で発生したガスGをそれぞれの入口ベント123,133を通して前方サブチャンバー12及び上方サブチャンバー13へ導入しやすくするためにプレチャンバー18を設けている。
エアバッグ装置1は、上部アクティブベント131の開口面積を縮小可能に操作端142が配設された第1のテザー14と、前部アクティブベント121の開口面積を縮小可能に操作端152が配設された第2のテザー15を有している。第2の実施形態では前部アクティブベント121及び上部アクティブベント131にメインチャンバー11側へ延びた漏斗状のノズル124,134をそれぞれ有している。
第1のテザー14の操作端142は、上部アクティブベント131のノズル134の周囲を囲う環状に配設され、基端141側へ引っ張られることで上部アクティブベント131の開口面積を縮小するようにノズル134を縮径する。第2のテザー15の操作端152は、前部アクティブベント121のノズル124の周囲を囲う環状に配設され、基端151側へ引っ張られることで前部アクティブベント121の開口面積を縮小するようにノズル124を縮径する。第1のテザー14の基端141は、メインチャンバー11の上壁の内側に固定されている。第2のテザー15の基端151は、メインチャンバー11の前壁の内側に固定されている。
なお、図9及び図10では分かりやすいように、前部アクティブベント121及び上部アクティブベント131が開いた状態で、かつ、第1のテザー14及び第2のテザー15が張った状態に描いている。また、前方サブチャンバー12及び上方サブチャンバー13は、前部アクティブベント121や上部アクティブベント131が閉じられ一定以上の内圧が加わると仮止めしていた部分が剥がれる又は仮縫製が切れることで、膨張するように構成されていてもよい。
以上のように構成された第2の実施形態のエアバッグ装置1が作動した時にエアバッグ10がどのように膨張するか、一人乗員の場合、二人乗員の場合、アウト・オブ・ポジション(OOP)の場合の3つの場合について、以下に説明する。
[一人乗員の場合]
図11及び図12は、一人乗員の状態で車両の側部(運転席から離れた側)に衝撃が入力され、エアバッグ装置1が作動した状態を示す。一人乗員の場合、すなわち運転者P1のみが正規着座位置に乗車している場合、運転席側と反対側(左側)から側方衝突などにより衝撃が入力されると、インフレーター101から噴出されたガスGによってプレチャンバー18が膨張し、これに伴ってメインチャンバー11、前方サブチャンバー12及び上方サブチャンバー13が運転席のシートバック21から前部座席の間へ押し出される。
前方サブチャンバー12が膨張する前では、前部アクティブベント121及び入口ベント123がほぼ重なる位置に配置されており、ガスGは、入口ベント123及び前部アクティブベント121を通過してメインチャンバー11へ流入する。また、上方サブチャンバー13が膨張する前では、上部アクティブベント131及び入口ベント133がほぼ重なる位置に配置されており、ガスGは、入口ベント133及び上部アクティブベント131を通過してメインチャンバー11へ流入する。
メインチャンバー11は、保護エリアSに展開されるとともに、左前側に倒れ込んでくる運転者P1によって左側へ押される。このとき運転者P1の隣には同乗者が居らず支えになるものが無いので、メインチャンバー11は、車幅方向へ膨張するとともに運転者P1の頭部で左側へ押される。これにより、第2のテザー15が基端151側へ引っ張られて前部アクティブベント121を閉じる。
図9及び図10に示すように、前部アクティブベント121が閉じられることで、入口ベント123から流入するガスGは、前方サブチャンバー12を膨張させる。上方サブチャンバー13は、前方サブチャンバー12が膨張したことによってメインチャンバー11に引っ張られ前方へ撚れるように伸ばされる。これにより、上方サブチャンバー13の入口ベント133は、ガスGの流入を制限される。
前方サブチャンバー12が膨張するとメインチャンバー11がさらに前方へ押し出され、エアバッグ10の保護エリアSは前方へ拡張される。この結果、メインチャンバー11と前方サブチャンバー12がエアバッグ10として膨らみ、運転者P1の頭部が左前方へ移動しても、メインチャンバー11が前方サブチャンバー12によって前方へ押し出されたことで保護エリアSが前方へ拡張され、正規着座位置の運転者P1の頭部をより安全に保護することができる。
[二人乗車の場合]
図13及び図14は、二人乗車の状態で車両の側部に衝撃が入力され、エアバッグ装置1が作動した状態を示す。図13では、運転席から離れた側(左側)の車両の側部に衝撃が入力された場合を想定している。二人乗車の場合、すなわち運転者P1と同乗者P2が正規着座位置に乗車している場合、側方衝突などにより衝撃が入力されると、エアバッグ装置1は、インフレーター101から噴出されたガスGによってプレチャンバー18が膨張されてメインチャンバー11、前方サブチャンバー12及び上方サブチャンバー13を前部座席2のシートバック21の間に押し出し、次にメインチャンバー11を膨張させる。運転席の運転者P1は一人乗員の時と同様に左側へ移動する。
メインチャンバー11は、図13に示すように運転者P1の頭部及び同乗者P2の頭部に挟まれて、車幅方向へ所定の大きさ以内に制限されるとともに上方へ所定の大きさ以上に膨張可能である。その結果、第1のテザー14はメインチャンバー11の上壁に固定された基端141側へ引っ張られて上部アクティブベント131を閉じる。上方サブチャンバー13は、入口ベント133から流入したガスGによって膨張し、メインチャンバー11を上方へ押し上げる。
前方サブチャンバー12は、上方サブチャンバー13が膨張したことで上方へ押し上げられたメインチャンバー11に引き上げられ、撚れるように引き伸ばされる。これにより、前方サブチャンバー12の入口ベント123は、ガスGの流れを制限される。上方サブチャンバー13が膨張したことで、メインチャンバー11は、エアバッグ10の保護エリアSを上方へ拡張する。メインチャンバー11と上方サブチャンバー13がエアバッグ10として膨らみ、運転者P1の頭部と同乗者P2の頭部が接近しても、上方サブチャンバー13によって保護エリアSが上方へ拡張されるので正規着座位置の乗員である運転者P1と同乗者P2の頭部をより安全に保護することができる。
[アウト・オブ・ポジションの場合]
図15は、前部座席2の間に後部座席3を向いて乗車している非正規着座位置に乗員(子供乗員)P3がいる「OOP」の状態を示し、図16は、「OOP」において、側部から衝撃が入力されてエアバッグ装置1が作動した場合を示す。OOPの状態において車両が側方衝突などにより車体の側部に衝撃が入力されると、エアバッグ装置1は、インフレーター101から噴射されたガスGによって、プレチャンバー18を膨張させ、メインチャンバー11、前方サブチャンバー12及び上方サブチャンバー13を前部座席2の間に押し、続いてメインチャンバー11が膨張させる。このとき、非正規着座位置の乗員P3が図15に示すようにエアバッグ10が前方及び上方へ膨張する方向を遮る位置にいるので、メインチャンバー11は、乗員P3を押しのけながら膨張する。
メインチャンバー11は、乗員P3によって車幅方向へ所定の大きさ以上に膨張することを制限されるだけでなく前方及び上方へも所定の大きさ以上に膨張することを制限される。そして、第1のテザー14及び第2のテザー15の両方が弛緩された状態に維持される。その結果、前部アクティブベント121及び上部アクティブベント131が開かれたままであるので、前方サブチャンバー12及び上方サブチャンバー13はいずれも膨張されない。
エアバッグ10は、メインチャンバー11が膨張されるだけで前方サブチャンバー12及び上方サブチャンバー13が膨張されないので、非正規着座位置の乗員P3に対して局所的な力が加わることを防止できる。つまり、エアバッグ装置1が展開されることで非正規着座位置の乗員P3に生じるリスクを軽減することができる。
以上、第1及び第2の実施形態を用いて本発明のエアバッグ装置1について説明した。これらの実施形態は、本発明を実施するにあたって理解しやすくするための一例に過ぎず、本発明がこれらの実施形態のみに限定されることを意図していない。したがって、本発明を実施するにあたってその趣旨を逸脱しない範囲で、各構成を同等の機能を有するものに置き換えて実施することも可能であり、それらもまた本発明に含まれる。また、各実施形態で説明した構成のいくつかを互いに組み合わせて、あるいは置き換えて実施することも本発明に含まれる。
1…エアバッグ装置、2…前部座席、10…エアバッグ、101…インフレーター、11…メインチャンバー、12…前方サブチャンバー(第1のサブチャンバー)、121…前部アクティブベント、122…前部セーフティーベント、123…入口ベント、13…上方サブチャンバー(第2のサブチャンバー)、131…上部アクティブベント、132…上部セーフティーベント、14…第1のテザー、141…基端、142…操作端、15…第2のテザー、151…基端、152…操作端、16…第3のテザー、161…基端、162…操作端、17…第4のテザー、171…基端、172…操作端、G…ガス、S…保護エリア、P1…運転者(正規着座位置の乗員)、P2…同乗者(正規着座位置の乗員)、P3…(非正規着座位置の)乗員。

Claims (4)

  1. 車両の座席のシートバックに内蔵され、前記車両の側部に入力された衝撃を検出してガスをインフレーターから放出し並んで配置された2つの座席の間の保護エリアに展開させるエアバッグ装置であって、
    エアバッグは、
    前記ガスによって乗員の肩から頭部までの範囲に展開されるメインチャンバーと、
    前記ガスが導入されて前記保護エリアを前方へ拡張する第1のサブチャンバーと、
    前記ガスが導入されて前記保護エリアを上方へ拡張する第2のサブチャンバーと、を備える
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記第1のサブチャンバーは、前記メインチャンバーの前部に取り付けられ、前記ガスを前記メインチャンバーから導入される前部アクティブベント及び前記ガスを外部へ放出する前部セーフティーベントを有し、
    前記第2のサブチャンバーは、前記メインチャンバーの上部に取り付けられ、前記ガスを前記メインチャンバーから導入される上部アクティブベント及び前記ガスを外部へ放出する上部セーフティーベントを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記メインチャンバーの一方の側壁の内面に基端が固定され、他方の側壁の内面を経由して前記第2のサブチャンバーの前記上部アクティブベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設された第1のテザーと、
    前記第2のサブチャンバーの上壁の内側に基端が固定され、前記前部アクティブベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設された第2のテザーと、
    前記第1のサブチャンバーの前壁の内側に基端が固定され、前記前部セーフティーベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設された第3のテザーと、
    前記第2のサブチャンバーの上壁の内側に基端が固定され、前記上部セーフティーベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設された第4のテザーと、をさらに備える
    ことを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記第1のサブチャンバーは、前記メインチャンバーと前記インフレーターの前部との間に配置され、前記ガスを導入される入口ベント及び前記ガスを前記メインチャンバーへ放出する前部アクティブベントを有し、
    前記第2のサブチャンバーは、前記メインチャンバーと前記インフレーターの上部との間に配置され、前記ガスを導入される入口ベント及び前記ガスを前記メインチャンバーへ放出する上部アクティブベントを有し、
    前記メインチャンバーの上部の内側に基端が固定され、前記上部アクティブベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設された第1のテザーと、
    前記メインチャンバーの前部の内側に基端が固定され、前記前部アクティブベントの開口面積を縮小可能に操作端が配設された第2のテザーと、をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
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