JP2018126123A - 地表面熱核加温システム及び使用する遠赤外線高放射フィルムチューブ - Google Patents

地表面熱核加温システム及び使用する遠赤外線高放射フィルムチューブ Download PDF

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Abstract

【課題】農業用ビニールハウスにおいて、空気を暖めることなく、直に作物の葉茎に低温度の遠赤外線を多量に熱放射して生育下限温度を下回っても生育する、地表面熱核加温システムを提供する。【解決手段】高放射チューブは、粉砕したプラスチック原料樹脂にグラフェン複合体を分散化配合し、円筒外面にマット状のナノ単位の立体構造群を形成して表面積を増加させた高吸収放射性であって、各作土層上に密着敷設するおのおのの循環回路に温水を循環して、チューブより大量の低温度の遠赤外線を放出し同時にチューブ下面に適宜間隔で埋設配置させた金属製の熱核を介して、各作土層の浅層部を加温するように構成される。【選択図】図8

Description

本発明は、農業用ビニールハウスの作土層の暖房システムに関し、より具体的には、作土層に複数のパイプ状の熱核を挿入し、熱核上のチューブに温水を流水させて作土層の浅層部を加温し、作物の根圏域を暖め、チューブ及び作土層表面からの熱放射で作物の葉茎温度を維持する暖房システムに関する。
農業用ビニールハウス内の暖房手段として、作土層を暖める手法は、既に各種提案され、実施されている。図11は従来例1の暖房システムであり、特許文献1として挙げた土壌加温システムの縦断面図であって、夏期においては、地中加温と太陽熱利用による土壌消毒、冬期においては、ハウス栽培の地中暖房によって、農作物の育成を効率的に実施する作土層の加温方法であり、放熱パイプ群は、埋設深さ60cm、並列方向の平均配設間隔が70cm、放熱体の温度は、夏期の土壌消毒に80℃、冬期の農作物の育成促進には50℃で熱媒体を循環する土壌加温システムである。
また、従来例2は、非特許文献1として挙げたものであり、図12(A)〜(C)は、おのおの土壌加温のための水封チューブ方式であって、図12(A)1条植に1列の水封チューブを、図12(B)は2条植に1列の水封チューブを、図12(C)は畝上面と畝肩部に、チューブが横に直結した水封チューブをおのおの配置することを示す縦断面図である。
図12に示す従来例2は、プラスチック樹脂製のチューブに水を充填して、ビニールハウスの畝上に載置するものであって、チューブ内の水温は、昼間は日射とビニールハウス内の空気からの伝熱により上昇し、夜間にビニールハウス内の気温がチューブ内の水温より低下すると、チューブからの放熱によって暖房が実施されるものであり、太陽熱の集熱と放熱に動力を使用しないため、簡易で安価である。
特開2001−258045号公報(特許第3670551号)
「新太陽エネルギー技術ハンドブック」日本エネルギー学会編2000年11月20日初版、第II編 太陽エネルギー直接利用技術、第7章パッシブソーラーシステム、第10章 農水産用太陽エネルギーシステム、591頁の(3)項水封チューブ方式及び同頁の図10・2・11
従来例1(図11)の深層地中加温システムは、60cmの深さの土壌を総て加温させるのに大量の燃油が消費され、且つ、ビニールハウスの土壌掘削や埋設パイプの配管設備の作業性の課題や、既存のビニールハウスへの適用は煩雑であり、また、鳥居配管によってエア溜りが生じ通水不良やメンテナンスの課題があり、初期投資コストやランニングコストが嵩ばるため、安価な野菜栽培には採算性に乏しい問題がある。
従来例2(図12)に示す、プラスチック製の大径のフィルムチューブに熱媒を封入する水封チューブ方式は、日射の直達成分を熱媒に蓄熱する方法であるが、熱吸収が少量で土壌への加温能力が少なく、温度斑が発生することや、敷設及び片付け作業時に損傷が生じ再利用がしにくい課題がある。
本発明は、従来の、上述の問題点を解決または改善するものであって、土壌加温システムにおける従来技術は、経済性、加温性能の何れか一方を達成しているのみに対し、本発明は、熱放射を有効に活用する地表面熱核加温システムであって、寒冷地でも十分に土壌上部の加温を達成し、作物の根圏域や葉茎の生育下限温度の維持がなり、安全、且つ、合理的な構築を可能とする。
問題を解決するための手段
本発明は、壁(側面)と屋根(上面)とを有するビニールハウスにおける作土層の加温、及び作物の葉茎温度を維持させる暖房システムを提供する。暖房システムは、温水を生成する熱源機と、温水を流すチューブと、チューブの熱を作土層の浅層部に伝導させる側視T字形状の熱核とを備え、熱源機とチューブとは、連続するように配置されている。
この場合、熱核は銅や鉄、アルミニウムなどの金属製であり、典型的には熱伝導性に優れる銅製(熱伝導率:320kcal/mh°c)のパイプを用い、熱核上面の管より大径の鍔は管上端に上下方向の複数の切れ目を入れておのおの外方に折り曲げ加工し、花菱形状の鍔の対面する辺に結束バンドを貫通させる挿通孔を穿設するものである。
実施形態においては、熱核の鍔上面と作土層表面とを面一形態で適宜間隔(標準間隔:1000mm)に一列に整列させて、作土層に複数の熱核を埋設配置するものであって、一列の各熱核の鍔上面にプラスチック製のチューブを載置させて、対面する両側の挿入孔にプラスチック製の結束バンド(ベラマンタイトン社製、商品名:インシュロックタイ)を貫通して熱核にチューブを固定し、熱源機で生成させた温水をチューブに流水して、その熱を熱核に伝導させて、熱核及びチューブとで作土層の浅層部を加温させるものであり、既設及び新設のビニールハウスに容易に使用可能である。
本発明の第一の実施形態は、熱源機で生成した温流体をプラスチック製の主管から往き側ヘッタに送水し、往き側ヘッタから分散して、各流水回路の他端に配置するU字形状に屈曲したプラスチック製のサクションホースの両端におのおの連通接続する往き側及び戻り側のチューブに通水し、戻り側ヘッタに流体を集合させ、主管を介してプラスチック製のレシーバータンクに送水し、レシーバータンクから熱源機に環水するものであり、熱源機で再度加温して往き側ヘッタへの再送水を繰返し、複数の通路間の作土層群の浅層部を熱核及びチューブで加温して作物の根圏域を暖め、各作土層表面及び各流水回路からの熱放射で、直接、葉茎を暖めることで達成する。
また、薄厚のチューブの端縁に、端縁から突出する形態でゴムチューブを挿合し、突出部を折り返して、チューブの円筒外面に被着されたチューブ及びゴムチューブをプラスチック製の継手具に冠着する形態であって、ゴムチューブの折り返し部上にホースバンドを配設し、ホースバンドの径調節部の回動による円筒部の縮径で抑止するものであり、ゴムチューブの弾撥性によって継手具にチューブを密着して水密性を確保し、引き抜けを阻止するのが好ましい。
この場合、チューブの端縁に挿合する形態のプラスチック製継手具の被着部は、射出成形法による製作、または、旋盤(工作機械)による切削、研磨を行い、後端が縮径する裁頭円錐形状とするのが好ましい。また、チューブやサクションホース及び、往き側及び戻り側のヘッタは、各通路間の作土層及び熱核上の載置敷設によって、掘削作業及び鳥居配管を不要とするものであり、エア溜りを阻止してチューブの表面温度の均質化を実施し、各作土層浅層部に伝熱するのが好ましい。
また、チューブや流水確認が可能なサクションホース、金属製のヘッタなどの配管類は各作土層及び熱核上に略水平に配置され、プラスチック製のレシーバータンクは半埋設として上部が露出され、人力で簡単に屈曲可能なサクションホースは流水の確認が可能であり、流水回路の配管類は作土層上に露出され耐食性、露見性から保守が容易である。
また、本発明の第二の実施形態は、各通路間の作土層上に複数の直線形状のチューブを適宜間隔で敷設し、太陽の放射熱をチューブ表面で熱変換して予め充填した流体への加温を行い、チューブから作土層の表層部及び熱核を介して浅層部をおのおの暖房するものであり、冬期に使用する熱を夏期及び秋期に作土層の深層部に蓄える太陽熱蓄熱機能を有する地表面及び浅層部の加温システムである。
そして、第一の実施形態及び第二の実施形態のビニールハウスの周縁地盤には、複数のプラスチック製の成型断熱板を密着敷設して、外気温の影響を小さくし作土層の熱負荷を低減するものである。また、成形断熱板には、例えば、ビニールハウスの側部に張設するビニールシートを被覆する形態、または、予め断熱板をビニールシートで被覆して敷設してもよく、ビニールシートの配置によって、ビニールハウスからの雨水や融雪水が作土層に浸水しての温度低下や、地盤凍結による断熱板の損傷を阻止するのが好ましい。
使用するチューブは、熱可塑性のプラスチック原料樹脂のペレットを慣用の凍結粉砕機で微細に粉砕し、微量のグラフェン(単層炭素)、例えば、特許第5812313号で提案されたグラフェンに複数の官能基を結合させたグラフェン複合体を微量に小分けして用意し、ニーダー(混練機)を用いて、粉体状のプラスチック樹脂にグラフェン複合体を分散して投入し、均質に練り混ぜさせた第一の複合樹脂を、例えばインフレーション成形法で薄厚、長尺の円筒形状に製造するものであって、円筒外面にマット状の立体構造群を形成し表面積を増加させたチューブで達成する。
この場合、慣用の凍結粉砕機を用いてプラスチック原料樹脂のペレットを微細に粉砕するには、ペレットをガラス転移点以下にし、分子運動性を低下(ガラス状態)させて粉砕を行い微細な粉体状の原料樹脂を得るのが好ましい。
またペレット状のプラスチック原料樹脂に微量のグラフェン複合体を直接に混合させる場合、例えば、ビニル袋に半透明のペレット樹脂と黒色のグラフェン複合体(標準重量比:ペレット樹脂の0.1%)とを投入し、ビニル袋を回動させ目視しながら混ぜ合わせるものであり、小分け分散して混合された複数のビニル袋内の混合樹脂をおのおのニーダー(混練機)の投入口に供給し、ゆっくりとニーダーを稼働させて練り混ぜさせるものであって、より困難なペレット樹脂への混合を解決して、均質に混合させて第二の複合樹脂を製作するのが好ましい。
この場合、プラスチック樹脂は、低温度で融解し、製造が容易で安価なポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの熱可塑性の汎用樹脂を採用するのが好適であり、典型的には、柔軟性に優れる軟質のポリエチレン樹脂が好ましい。
プラスチック製のチューブは、第一の複合樹脂又は第二の複合樹脂を熱溶融して、例えばインフレーション成形で製造した薄厚、長寸の円筒形状のチューブであり,二次元共役結合構造を備えたグラフェンが、プラスチック樹脂の分子鎖が不揃いの非晶領域に連鎖形成を高めて介入され、分子間隔を狭めて、分子間力を引き出して、曲げ弾性や引張弾性などの物理的強度を向上させるとともに、他の分子が入りにくく、薬品に強く、燃えにくいチューブの製造を達成できる。
グラフェン複合体を配合させたプラスチック製のチューブは、電気伝導性や熱伝導性、強度、バリア性を生起させ、気体や液体など全てのものを透過させないバリア性は、空気中の酸素を透過させずこれを起因とするエア溜りを阻止させるのが好ましい。
また、プラスチック製のチューブは、グラフェン複合体を均質に配合させて共役二重結合を付与して導電性を生み出し、発生する静電気を作土層に速やかに放電させて流体に含まれる塵埃をチューブ内に付着させることなく、作土層及び作物に均一に熱伝達させるのが好ましい。
また、プラスチック樹脂の鎖状高分子非晶領域に介入した同素体のグラフェンは、共役二重結合を形成させ、プラスチック樹脂の高分子の単結合より結合強度を強めて熱伝導性が高まり、流体の熱が円筒外面に速やかに熱移動して、作土層に熱伝導させるとともに作物の葉茎に輻射熱で効率的に熱伝達させるのが好ましい。
発明の効果
本発明に係る地表面熱核加温システムは、ビニールハウス内の各通路間の作土層一列に整列して銅製の熱核を適宜間隔(標準間隔:1000mm)に埋設配置し、各熱核及び各作土層上におのおの流水回路を敷設し、流水回路のプラスチック製チューブに熱源機で生成した流体を通水させて、各作土層の表層部及び浅層部を斑なく加温して暖房するものであり、各作土層の加熱によって作物の根圏域を暖め、土中の微生物の活性化と作物の育成を促進する。そして、温風暖房のようにビニールハウス内の空気を暖めることなく、チューブ及び作土層表面からの熱放射で、直接、葉茎を暖め燃油の節減を達成させる。
また、本発明の地表面熱核加温システムにおいては、熱核の支持の下に作土層上に流水回路を略水平配置し、流体内の溶存酸素や流水回路の空気は流体の押圧によってレシーバータンクから排出され、チューブ自体は空気の透過に対するバリア性能を有するため、システム内のエア溜りがなく、チューブの円筒外面の温度を均質にして、作土層表層部に斑なく熱伝導させて、チューブから作物の葉茎に均一、且つ効率的な熱放射を実施する。
また、金属製のヘッタ及び高性能のプラスチック製のチューブ、流水の目視可能なサクションホースなどの流水回路は、ビニールハウス内を掘削することなく熱核及び作土層上に載置敷設し、半埋設のレシーバータンクは上部が作土層から突出配置され、耐食性のチューブの使用温度域は120〜−60℃と広範で熱劣化や紫外線劣化がなく、柔軟性に富みながら高強度で敷設作業性が好適で保守が容易であり、既設のビニールハウスにも容易に適用することができる。
本発明のグラフェン複合体を分散化配合するチューブは、複数の官能基や分子間力によって円筒外面にマット状の立体構造群が形成されて表面積が増加するとともに、高吸収放射性(吸収放射率:0.95)が付加され、太陽光のエネルギー密度が高い短波長を吸収して流体に熱伝導を行うものであり、チューブ表面から作物に優しい長波長の熱放射を実施して、省エネルギー、且つ、収穫期間を短縮し採算性を向上することができる。
本発明の熱核の使用状態説明図であって、(A)は長辺方向の側面図、(B)は短辺方向の側面図である。 本発明の熱核の説明図であって(A)は縦断面図、(B)は上面図、(C)は変形例1の下端縦断面図、(D)は変形例2の縦断面図、(E)は変形例2の上面図である。 本発明のチューブを示す図であって、(A)はチューブの縦断面図、(B)はチューブの円筒部の拡大図、(C)及び(D)はチューブと熱核を固定する結束バンドを示す図であり、(C)は側面図、(D)は上面図である。 本発明の一実施形態を示すビニールハウスの横断上面概略図である。 一実施形態を示す図であって、(A)はビニールハウスの短辺方向縦断面図、(B)は長辺方向縦断面図である。 チューブの使用形態を示す図であって、(A)はヘッタとの接続分解図、(B)はサクションホースとの接続側面図、(C)はヘッタ一端の側面図である。 別な実施形態を示す概略図であって、(A)はビニールハウスの横断上面図、(B)はチューブ両端の側面図である。 ビニールハウスの要部拡大概略図であって、(A)は断熱板及びビニールシートの関係を示す縦断面図、(B)はビニールシートで全面を被覆した断熱板の縦断面図である。 本発明のチューブの3部位の表面粗さ測定図である。 別なチューブの3部位の表面粗さ測定図であり、図上、図中、図下は図9とおのおの同様の部位を示すものである。 従来例1の土壌加温システムを示す縦断面説明図である。 従来例2の水封バック式を示す図であり、(A)は1条植に1列を配置する縦断面説明図、(B)は2条植に1列を配置する縦断面側面図、(C)は(B)の畝肩にも配置する縦断面説明図である。
[本発明に係る熱核の説明]
図1は、熱核8の使用状態を示す図であり、図2(A)及び(B)は、熱核8を示すものである。熱核8は、四周の側面7a(壁)と上面7b(屋根)とを有するビニールハウス7において、各作土層72上に配置させた流体回路のプラスチックチューブ1の下面に、適宜間隔(標準間隔:1000mm)で埋設配置しチューブ1の流体の温熱を熱核8に伝え、作土層72の浅層部を加温するものである。
金属製の熱核8は、銅や鉄、アルミニウムなどの汎用品でよく、典型的には、熱伝導に優れる銅(熱伝導率:320kcal/mh°c)が好ましく、パイプ形状の管8aの上端縁に管8aより大径の鍔8bを配置する側視T字形状であって、給水、給湯に用いる管8aは、例えば外径が22.22mm(肉厚1.04mm)、長さが300mmの銅管を用意し上端に複数の切れ目8dを設け、管8a上端を外方に折り曲げして花菱形状の鍔8bを形成するのが好ましい。
また、熱核8の花菱形状の鍔8b(標準径:55mm)の対面する位置に、熱核8上に載着するチューブ1とを固定させる結束バンド81挿通用の挿入孔8c(標準径:5mm)を備え、熱核8の作土層72への埋設は、鍔8b上に木片を当接載置し木槌等で打撃して、作土層72表面と面一形態に一列に整列させて打込し鍔8bの損傷を阻止するのが好ましく、複数の熱核8上に敷設させるインフレーション成形や押出し成形のチューブ1は、図3(A)及び(B)に示すように、折り径が略50mm(標準寸法)の円筒面11に微細な凹凸状の立体構造10群を備えている。
また、熱核8へのプラスチックチューブ1の取付けは、図3(C)及び(D)に示す、慣用のプラスチック製結束バンド81(ヘラマンタイトン社製、商品名:インシュロックタイ)を用意して、熱核8の鍔8bに穿設させた複数の挿入孔8cに、上視台形状のバンド81aの先端から挿通し、鍔8b上のチューブ1に絡め、バンド81先端をロック81の貫通孔81dに挿通してチューブ1を拘束する。
この場合、結束バンド81のバンド81aには傾斜状の凸部81bを備え、ロック81cの貫通孔81dの内面に付設する凸部81bと、同方向の傾斜状凹凸とが噛み合いバンド81aの引き抜きを阻止するものであり、バンド81aの解放は、バンド81aを固定するロック81cに爪を当ててロック81cを押し上げすれば、ロック81cからバンド81aを取外しすることが可能で、例えば、結束バンド81はバンド81aの幅が3.4mm、肉厚が1.2mm、ロック81cは幅及び長さが6mm、厚さが4.6mm、総長さが150mmのプラスチックバンドである。
熱核8の天板81b上に配置する折り径が略50mm(標準寸法)のプラスチックチューブ1は、流体をチューブ1内に給水させると、図1(B)に示すように、楕円形状となるため、熱核8へのチューブ1の取付けは、予め結束バンド81のバンド81aのロック81cからの突出長さを決定して、チューブ1を結束するのが好ましい。
[変形例(図2(C)及び図2(D)、(E)]
また、図2(C)は変形例1の熱核で、作土層72の浅層部が硬い土壌用に用いる熱核82であり、管8aの下端に切目を入れた対向する辺を折曲して鋭利にし、埋設作業を容易とするものであって、管8a及び鍔8bは図8(A)の熱核8と同様の形状である。
また、図2(D)及び図2(E)は熱核の変形例2であり、鉄筋棒83aの上面に鋼製の大径(標準:100mm)の鋼板製鍔83bを付設する熱核83であって、熱核83上に配置するプラスチックチューブ1が、流体通水時に位置を移動しても鍔83上から外れないようにするもので、安価で、作業性に優れた熱核83であり、鍔83bの形状は円形状でも矩形状でもよい。
[地表面熱核加温システムの説明]
図4及び図5は、本発明の第一の実施形態を示すものである。本地表面熱核加温システムは、ボイラーなどの熱源機6で生成した流体(寒冷地用標準温度:40℃)をプラスチック製の主管3を介して往き側ヘッタ2aに送水し、往き側ヘッタ2aから分散して各流水回路の往き側1aと戻り側1bのチューブ1及び2列のチューブ1と連通接続するU字形状に屈曲させたプラスチック製のサクションホース4に通水し、戻り側ヘッタ2bに流体を集合させるものであり、戻り側ヘッタ2bからプラスチック製のレシーバータンク5を経由し、主管3を介して熱源機6に環水するものであって、熱源機6で再度加温して往き側ヘッタ2aへの再送水を繰返し、ビニールハウス7の空気7fを暖めることなく、チューブ1下面に適宜間隔(標準間隔:1000mm)で埋設配置させた金属製の熱核8群及びチューブ1を介して、作土層72の各通路73間の浅層部を加温して作物74の根圏域を暖め、チューブ1及び作土層72表面からの熱放射で、直に、作物74の葉茎を暖める寒冷地向きの加温システムである。
この場合、各流水回路を通水する流体は、井水、河川水、不凍液でよく、典型的には上水を用いるのが好ましい。また、プラスチック製の慣用のレシーバータンク5には、戻り側ヘッタ2bからの通水口5a及び熱源機6への通水口5aと、流体補給用及び空気排出用の給排口52を新たに付設し、流水量の調節や流体内の溶存酸素、流水回路内の空気を排出するものであり、そして、作土層72の温度調節は、熱源機6に収納する循環ポンプ(図示なし)、及び作土層72の適宜位置に埋設する温度センサー78aとを計測コード78bで連絡し、温度センサー78aで地温を感知して循環ポンプの運転、停止で実施する。また、各流水回路の配置間隔や流体循環温度は作物の種別によって対応するのが好ましい。
複数の通路73間の各作土層72載置する各流体回路の往き側1a及び戻り側1bのチューブ1は、他端(図4の下側)77bにおいては、流体の確認ができ柔軟性を備える慣用のプラスチック製サクションホース4をU字形状に屈曲し、おのおののチューブ1の端部に継手具41を配置して連通接続する。また、一端(図3の上側)77aにおいては、各流水回路の継手具21を締着接合するヘッタ2の、往き側ヘッタ2aには往き側1aのチューブ1を接続し、戻り側ヘッタ2bに戻り側1bのチューブ1を接続するものであり、往き側ヘッタ2aの熱源機6側の端縁に配置する継手具31から繊維補強のブレード入りプラスチック製の主管3を熱源機6に接続し、同様に、戻り側ヘッタ2bからレシーバータンク5を経由して熱源機6に主管3を連続するものである。
図6は、各管の接続部詳細説明図であり、図6(A)はチューブ1及びヘッタ2の接続分解図、図6(B)はチューブ1及びサクションホース4の接続部側面図、図6(C)はヘッタ2及び主管3の接続部側面図である。
チューブ1及びヘッタ2の接続は、被着部21a及びねじ部21b、掴み部21cからなるプラスチック製の慣用の継手具21を、円筒部の一面に流水回路と同数以上の締着孔H1を備えた金属製の慣用のヘッタ2に締着孔H1を介して掴み部21cの回動でねじ部21bを挿合し、複数の継手具21を締着固定するものであり、余分な締着孔H1には慣用の盲ソケットを嵌合して閉止する。
そして、継手具21へのチューブ1の取付けは、予め肉厚0.3mm、径32mmのプラスチック製チューブ1の円筒外面11に、幅が12mm、被着物の外径が27mm〜51mmに対応が可能の、径調整部22a及び円形状の円筒部22bからなる慣用のステンレス製ホースバンド22を用いて、拡径した円筒部22bにチューブ1が貫通する形態でチューブ1上に配設するものであり、次いで、折り径46mm、肉厚が1mmの自転車のチューブを略40mmの長さに切断したゴムチューブ23を、チューブ1の端縁から突出して挿入し、ホースバンド22の幅(12mm)より広幅で突出部を折り返して、チューブ1の円筒外面11にゴムチューブ23の折り返し部23bを形成し、ゴムチューブ23の円筒部23a及び折り返し部23bとでチューブ1端縁を挟着する形態で、継手具21の被着部21aにゴムチューブ23及びチューブ1を被着する。
次に、ホースバンド22をゴムチューブ23の折り返し部23b上に移動し、径調整部22aの回動によって円筒部22bを縮径すれば、チューブ1及びゴムチューブ23は抑止され、ゴムチューブ23の弾撥作用で継手具21の被着部21aに密着されて水密性を確保し、チューブ1の引き抜きを阻止するものであり、この場合、ゴムチューブ23の折り返し部23bとして、チューブ1内に挿合するゴムリング及びチューブ1の円筒部11に被着するゴムリングを用いてもよい。
また、慣用のプラスチック製の継手具21の、径が32mm、肉厚5mm、長さが50mmの被着部21bを旋盤(工作機械)を用いて切削、研磨、または射出成形品として、元端の径を30mm、外端の径を28mmの裁頭円錐形状とするものであり、本システムはシステム内圧力が低く、例え被着部21bが薄肉でも耐圧性を有し、被着部21aへのゴムチューブ23及びチューブ1の被着は簡単に実施でき、ゴムチューブ23の弾撥性によっては漏水を阻止することができる。
図6(B)に示すように、チューブ1及びプラスチック製のサクションホースの接続は、中央の掴み部41cから被着部41bが左右方向に突出した形状のプラスチック製の継手具41を用いるものであり、チューブ1側は、上述の継手具21同様に被着部41bを裁頭円錐形状に切削、研磨し、チューブ1の端部に折り返し部23bを備えてゴムチューブ23を配置して被着部41bに被せ、ゴムチューブ折り返し部23b上にホースバンド22を配置して、円筒部22bの縮径でチューブ1及びゴムチューブ23を把持する。
そして、柔軟性を有する径が37.4mm、肉厚が2.8mmのサクションホース4側は、プラスチック製の継手具41の円筒形状の被着部41aがサクションホース4に嵌合する形態で、被着部41aにサクションホース4を被着するものであり、予めサクションホース4上に拡径配設したホースバンド42を被着部41aの適宜位置に移動して、径調節部42aの回動による円筒部の縮径でサクションホース4を把持するものであって、サクションホース4自体の弾撥作用で引き抜け及び漏水阻止が達成される。
ヘッタ2及び繊維補強のブレード入りの主管3の接続は、図6(c)に示すように、被着部31a、ねじ部31b、掴み部31cから形成される異径管接続の継手具31を用い、ねじ部31bをヘッタ2一端の締着孔H2に締着配置し、適宜長さの、径が26mm、肉厚4.5mmの柔軟性を有する軟質ポリ塩化ビニル製の主管3を継手具被着部31aに被着し、予め主管3上に拡径配設する、被着部の径が19〜44mmに対応するステンレス製のホースバンド32を、被着部31aの適宜位置に移動し、径調整部32aの回動による円筒部32aの縮径で主管3を把持するものであり、主管3の弾撥作用によって、主管3は被着部31aに密着されて水密性を確保し、主管3の引き抜けを阻止する。
図7は、本発明の地表面熱核加温システムの第二の実施形態を示す図であり、図7(A)は横断面概略図、図7(B)はチューブ1両端の側面概略図である。第二の実施形態は、ビニールハウス7内の各通路73間の作土層72上の適宜位置(作物の種類による)に複数の直線状のチューブ1をおのおの載置し、太陽光の電磁波をチューブ1表面で熱変換して充填水に熱伝導し、チューブ1下面に適宜間隔(標準間隔:1000mm)で埋設配置させた金属製の熱核8群及びチューブ1を介して、作土層72の浅層部を暖房して作物74の根圏域を暖めるとともに、チューブ1及び作土層72からの熱放射で、直接、作物74の葉茎を暖める温暖地向きの加温システムである。
この場合、作土層72に載置するチューブ1の両端は、ゴムチューブ23の、円筒部23aと折り返し部23bとでチューブ1の端縁を挟着する形態でゴムチューブ23を配置するものであり、他端(図7(A)の下側)77bにおいては、少なくても一端を閉止するプラスチック製の継手部12bをチューブ1の端縁に挿合し、ゴムチューブ23の折り返し部23a上に、ホースバンド22を被着し、径調整部22aの回動で円筒部22bを縮径して、継手具12b上のチューブ1を固着するものであって、一端(図7(A)の上側)77aにおいては、円筒内面の外端にねじ部を備えたパイプ状の継手具12aをチューブ1の端縁に挿合し、他端(図7(A)の下側)と同様にホースバンド22を被着してチューブを固着し、慣用の止水弁13を継手具12aに締着固定して充填水回路を形成する。
チューブ1への注水は、止水弁13のハンドル13bを回動して開放し、止水弁13の本体13a外方からホース等を挿入して実施するものであり、チューブ1内に流体が充填されたらハンドル13bを回動して閉止する。チューブ1には、太陽光のエネルギー密度が高い短波長の電磁波が円筒外面11に吸収されて熱変換を行い、充填水に熱伝導して作土層72を加温する。また、第一の実施形態においても熱源機6を作動しない場合は、第二の実施形態と同様の作用となり、太陽熱蓄熱機能を有する地表面熱核加温システムとなる。
[ビニールハウス外周の断熱板敷設の説明]
図5は、ビニールハウス7の周縁の地盤71上に密着敷設する断熱板76を示す縦断面概略図である。ビニールハウス7の作土層72浅層部の地温は、外気温の影響を直に受けるため、断熱板76及びビニールシート7c及び7dの被覆配置によって作土層72の冷却を阻止して熱損失を少なくするものであり、断熱板76はポリスチレンやウレタンフォーム、繊維系断熱材であって、典型的にはJIS A9611のビーズ法ポリスチレンフォームである。また、断熱板76は、例えば、幅が450mm、長さ1800mm、厚さ50mmであり、長さ方向に当接して敷設する。
断熱板76は、地盤71上に配置、または断熱板76の厚さの一部もしくは全部を埋設して木片75で固定、または埋設して土を被せてもよく、上面には、ビニールハウス7の側部7aに張設するビニールシート7cを延出して被覆(図8(A)の実線部)しても、慣用の固定具(図示なし)を用いて側部ビニールシート7cの外側から断熱板76上に被覆(図8(A)の点線部)しても、予め、断熱板76の一部もしくは全部をビニールシート7eで被覆して傾斜状に敷設(図8(B))してもよい。ビニールシート7c、7d、7eは、ビニールシート7からの雨水や融雪水が作土層72に浸水して温度が低下するのを阻止、及び地盤71や断熱板76の凍結による断熱板76の損傷を阻止するものであり、第一の実施形態及び第二の実施形態の地表面加温システムにおける、チューブ1及び熱核8を用いた作土層72の加温は効率的に実施される。
[本発明に係るチューブの説明]
図1及び図2は、本発明のプラスチック製チューブ1の説明図であり、図9は、3部位のJIS B0601:2001の試験方法による表面粗さの80μmレンジでの測定グラフであり、図上は試験体の前端部、図中は中央部、図下は後端部を表示し、横軸は評価長さにおける算術平均粗さを示し、縦軸は最大高さを示すものである。
図10は出願者が製造販売した従来品のフィルムチューブ100の、図9と同様の試験方法によるグラフであり、図上、図中、図下は、図9とおのおの同部位の8μmレンジの測定グラフである。
本発明の黒色チューブ1は、ペレット状のプラスチック原料樹脂を、典型的には、慣用の凍結粉砕機を用いて微細に粉砕し、グラフェン(単層炭素)に複数の官能基を結合した特許第5812312号として提案されたグラフェン複合体を、例えばプラスチック樹脂の重量比0.1%(標準混合比率)の割合で小分けして用意し、粉砕したプラスチック樹脂と混練機のニーダー(図示なし)を用い、グラフェン複合体を分散させて混合した第一の複合樹脂を熱溶融して、例えば、インフレーション成形法で製造するものである。
この場合、プラスチック原料樹脂のペレットを慣用の凍結粉砕機で粉砕するには、ペレットをガラス転移点以下に冷却させて、ペレットの分子運動性を低下させたガラス状態にして粉砕を実施し、微細な粉体状のプラスチック原料樹脂を得るものである。
複合樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン原料樹脂25kgを慣用の凍結粉砕機を用いて粉体状とし、0.1%混入に必要なグラフェン複合体25gを微量計測して小分けし、ニーダー(混練機)の長さ方向両側を10分割したおのおのの位置でグラフェン複合体2.5gを投入し、分散させて練り混ぜし、難解な均一配合を解決して、斑なく均質な混合の第一の複合樹脂を製作させることができる。
また、ペレット状のプラスチック樹脂に微量のグラフェン複合体を直接に混合させる場合、例えば、ビニル袋に半透明のペレット樹脂1kgと黒色のグラフェン複合体1gとを投入し、ビニル袋を回動させ目視しながら混ぜ合わせるものであり、小分け分割して混合された複数のビニル袋内の混合樹脂をおのおのニーダー(混練機)の投入口に供給し、ゆっくりとニーダーを稼働させて練り混ぜするものであって、より困難なペレット樹脂への混合を解決して、均質に混合させた第二の複合樹脂を製作する。
プラスチック製のチューブ1は、低温で軟化し、製造が容易で、安価な熱可塑性のプラスチック樹脂であり、典型的には、軽くて柔らかな耐熱性の低密度ポリエチレン樹脂にグラフェン複合体を微量分散化配合した第一の複合樹脂または第二の複合樹脂を、慣用の押出機で熱溶解してインフレーション成形で製造する薄厚、長尺の円筒形状のチューブである。また、従来品のフィルムチューブ100は、ポリエチレン樹脂より高強度のポリプロピレン樹脂(サンアロマー社製、商品番号PF380A)を用いてチューブ1と同様の成形方法で製造したものである。
融点が3550℃のグラフェンを分散配合したポリエチレン製のチューブ1は、単位分子のエチレンを構成する2個の炭素は二重結合を解き単結合に置換されて柔軟性を付加するものであって、複合樹脂のインフレーション成形時に、例えば常用の空気冷却ではなく急激に水冷却を行い、側鎖を絡み合わせて耐熱性を生み出し、主鎖は連続結合形状を保有する。
グラフェン複合体は、ポリエチレン樹脂の分子鎖が不揃いの非晶領域に、強靭で他の分子を取り込まない結晶領域に入れずに、高濃度となって連鎖形状を高め、且つ、共役構造を付与して挿入されるものであり、これによって電気伝導及び熱伝導、強度、バリア性が向上される。
高バリア性のチューブ1は、非晶領域に分子鎖を挿入して分子間隔を狭め、互いに引き合う分子間力を強くさせて、曲げ弾性や引張弾性などの物理的強度を向上させるとともに他の分子が入りにくくなり、薬品に強く、燃えにくくなり、且つ、空気中の酸素透過を低減させてエア溜りを阻止する。
また、高電気伝導性のチューブ1は、プラスチック製のチューブ1の円筒面11に生じる静電気を作土層72に放電させ、流体に含まれる塵埃がチューブ内に付着して熱伝達に斑を生じさせ、経年における目詰りを阻止するものであり、円筒外面11から均質に伝熱して経年の保守性を達成する。
また、高熱伝導性のチューブ1は、チューブ1内の流体の熱を速やかに円筒外面11に熱移動して、作土層72に熱伝導させ、作物74の葉茎に円筒外面11の表面温度の4剰で、効率的に輻射熱伝達されるものである(輻射放熱量:吸収放射率×シュテファンポルツマン係数×表面温度の4剰)。
そして、小径のチューブ1は、肉厚が0.3mm(標準厚さ)、折り径が略50mm(標準径寸法)、長さが60m(標準長さ)の断面楕円形状であり、円筒外面11には、予めグラフェンに結合した水酸基の分解作用及びオキシエチレン基の共有結合作用や拡散されたグラフェンの分子間力によって、図9及び図10に示すように、ポリプロピレン製の従来品フィルムチューブ100に比べ、7μm以上、且つ3部位の平均値で40倍以上の最大高さ粗さ及び1μm以上、且つ平均値で65倍以上の算術平均粗さの、マット状の立体構造10群が形成され円筒外面11の表面積が増加し、太陽光のエネルギー密度が高い短波長の電磁波の熱吸収や、チューブ1から作物に優しい長波長の熱放射に好適である。
また、ポリエチレン樹脂は、長波長の吸収放射率(0.9)に比べ短波長の吸収放射率は低い(吸収放射率:0.8)傾向があるが、円筒外面11に立体構造群10を備えたチューブ1は、短波長及び長波長ともに吸収放射率(試験値:0.95)に優れ、作物74の葉茎に円筒外面11から効率的に熱放射が実施される。
また、本発明のチューブ1に用いる低密度ポリエチレン及び従来品フィルムチューブ100のポリプロピレンとは、引張強度で2.6〜3.9倍、引張弾性で略6.8倍、ポリプロピレンのほうが高強度であるが、グラフェン複合体を分散化配合したチューブ1は、従来品フィルムチューブ100に比べ、曲げ弾性が120%(試験値:1079MPa)、引張弾性が112%(同880MPa)、曲げ最大応力が109%(同40MPa)と強度が向上される。また、チューブ1は、ポリエチレンチューブの使用温度域(70〜−20℃)を超える広範な温度域(120〜−60℃)での利用が可能となる。
本発明の高熱伝導性、吸収放射率に優れたプラスチックチューブ1を用いる地表面熱核加温システムは、複数の熱核8の埋設配置によって、作土層72を掘削することなく作土層72の浅層部を効率的に加温蓄熱し、チューブ1及び作土層72表面からの熱放射で作物の葉茎温度を維持するとともに、作土層72内の微生物の活性化を促し、ミネラルが豊富な作物の栽培期間の短縮をさせて、収穫量を増量させることができる。
1 :チューブ
1a :往き側
1b :戻り側
2 :ヘッタ
2a :往き側ヘッタ
2b :戻り側ヘッタ
3 :主管
4 :サクションホース
5 :レシーバータンク
6 :熱源機
7 :ビニールハウス
7a :側面
7b :上面
7c、7d、7e:ビニールシート
7f :空気
8 :熱核
8a :管
8b :鍔
8c :挿通孔
8d :切れ目
10 :立体構造
11 :円筒(外)面
12a、12b、21、31、41:継手具
13 :止水弁
13a:本体
13b:ハンドル
21a、31a、41a:被着部
21b、31b:ねじ部
21c、31c、41c:掴み部
22、32、42:ホースバンド
22a、32a、42a:径調整部
22b、23a、32b、42b:円筒部
23 :ゴムチューブ
23b:折り返し部
51 :通水口
52 :給排口
71 :地盤
72 :作土層
73 :通路
74 :作物
75 :木片
76 :断熱板
77a:一端(ビニールハウスの上側)
77b:他端(ビニールハウスの下側)
78a:温度センサー
78b:計測コード
81 :結束バンド
81a:バンド
81b:凸部
81c:ロック
81d:貫通孔
82 :熱核
82a:閉塞部
83 :熱核
83a:鉄筋棒
83b:鍔
83c:閉止板
100:従来品のフィルムチューブ
H1、H2:締着孔
本発明は、農業用ビニールハウスの暖房システムに関し、より具体的には、作土層に複数の金属製パイプ状の熱核を挿入し、熱核上にナノ単位で表面積を拡大した低温度の電磁波を大量に放射するチューブを乗せて温水を循環させて作土層の浅層部を加温し、作物の根圏域を暖め、チューブより遠赤外線を多量に放射し、又、作土層表面からの熱放射で作物の葉茎を加温し、生育下限温度以下でも成長する部屋の空気を温風暖房機で加温しない暖房システムに関する。
農業用ビニールハウス内の暖房手段として、作土層を暖める手法は、既に各種提案され、実施されている。図11は従来例の暖房システムであり、特許文献1として挙げた土壌加温システムの縦断面図であって、夏期においては、地中加温と太陽熱利用による土壌消毒、冬期においては、ハウス栽培の地中加温によって、農作物の育成を効率的に実施する暖房方法であり、放熱パイプ群は、埋設深さ60cm、並列方向の平均配設間隔が70cm、地中埋設管の温度は、夏期の土壌消毒に80℃、冬期の農作物の育成促進には50℃で熱媒体を循環する土壌加温システムである。
また、別の従来例は、非特許文献1として挙げたものであり、図12(A)〜(C)は、おのおの土壌加温のための水封チューブ方式であって、図12(A)1条植に1列の水封チューブを、図12(B)は2条植に1列の水封チューブを、図12(C)は畝上面と畝肩部に、チューブが横に直結した水封チューブをおのおの配置することを示す縦断面図である。
図12に示す従来例は、プラスチック樹脂製のチューブに水を充填して、ビニールハウスの畝上に載置するものであって、チューブ内の水温は、昼間は日射とビニールハウス内の空気からの伝熱により上昇し、夜間にビニールハウス内の気温がチューブ内の水温より低下すると、チューブからの放熱によって暖房が実施されるものであり、太陽熱の集熱と放熱に動力を使用しないため、土壌の蓄熱量を増加するのみである。
特開2001−258045号公報(特許第3670551号)
「新太陽エネルギー技術ハンドブック」日本エネルギー学会編2000年11月20日初版、第II編 太陽エネルギー直接利用技術、第7章パッシブソーラーシステム、第10章 農水産用太陽エネルギーシステム、591頁の(3)項 水封チューブ方式及び同頁の図10・2・11
従来例(図11)の深層地中加温システムは、60cmの深さの土壌を総て加温させるのに大量の燃油が消費され、且つ、ビニールハウスの土壌掘削や埋設パイプの配管設備の作業性の課題や、既存のビニールハウスへの適用は煩雑であり、また、鳥居配管によってエア溜りが生じ通水不良やメンテナンスの課題があり、初期投資コストやランニングコストが嵩ばるため、安価な野菜栽培には採算性に乏しい問題がある。
別の従来例(図12)に示す、プラスチック製の大径のフィルムチューブに熱媒を封入する水封チューブ方式は、日射の直達成分を熱媒に蓄熱する方法であるが、夜間の暖房の助けにはならない。
本発明は、従来の、上述の問題点を解決または改善するものであって、土壌加温システムにおける作土加温技術は、加温性能を達成しているのみに対し、本発明は、熱放射を直接植物に多量に与える地表面熱核加温システムであって、寒冷地でも十分に土壌上部の加温を達成し、植物生育下限温度を下回っても生育可能とする暖房システムである。
問題を解決するための手段
本発明は、壁(側面)と屋根(上面)とを有するビニールハウスにおける作土層の加温、及び作物の葉茎温度を維持させる暖房システムを提供する。暖房システムは、温水を加温する熱源機と、温水を循環するチューブと、チューブの熱を作土層の浅層部に伝導させる側視T字形状の熱核とを備え、熱源機とチューブとは、連続するように配置されている。
この場合、熱核は銅や鉄、アルミニウムなどの金属製であり、典型的には熱伝導性に優れる銅製(熱伝導率:320kcal/mh°c)のパイプを用い、熱核上面の管より大径の鍔は管上端に上下方向の複数の切れ目を入れておのおの外方に折り曲げ加工し、花菱形状の鍔の対面する辺に結束バンドを貫通させる挿通孔を穿設するものである。
実施形態においては、熱核の鍔上面と作土層表面とを面一形態で適宜間隔(標準間隔:1m)に一列に整列させて、作土層に複数の熱核を埋設配置するものであって、一列の各熱核の鍔上面にプラスチック製のチューブを載置させて、対面する両側の挿入孔にプラスチック製の結束バンド(ベラマンタイトン社製、商品名:インシュロックタイ)を貫通して熱核にチューブを固定し、熱源機で生成させた温水をチューブに循環して、その熱を熱核に伝導させて、熱核及びチューブとで作土層の浅層部を加温させるものであり葉茎にはチューブより大量の低温ふく射熱を与えられ、既設及び新設のビニールハウスに容易に使用可能である。
本発明の実施形態は、熱源機で加温した温水をプラスチック製の主管から往き側ヘッタに送水し、往き側ヘッタから分散して、各流水回路の他端に配置するU字形状に屈曲したプラスチック製のサクションホースの両端におのおの連通接続する往き側及び戻り側のチューブに通水し、戻り側ヘッタに水を集合させ、主管を介してプラスチック製のレシーバータンクに送水し、レシーバータンクから熱源機に環水するものであり、熱源機で再度加温して往き側ヘッタへの再送水を繰返し、複数の通路間の作土層群の浅層部を熱核及びチューブで加温して作物の根圏域を暖め、各作土層表面及び各流水回路の高放射チューブからの放射熱で、直接、葉茎を暖めることで達成する。
また、薄厚のチューブの端縁に、端縁から突出する形態でゴムチューブを挿合し、突出部を折り返して、チューブの円筒外面に被着されたチューブ及びゴムチューブをプラスチック製の継手具に冠着する形態であって、ゴムチューブの折り返し部上にホースバンドを配設し、ホースバンドの径調節部の回動による円筒部の縮径で抑止するものであり、ゴムチューブの弾撥性によって継手具にチューブを密着して水密性を確保し、引き抜けを阻止するのが好ましい。
この場合、チューブの端縁に挿合する形態のプラスチック製継手具の被着部は、射出成形法による製作、または、旋盤(工作機械)による切削、研磨を行い、後端が縮径する裁頭円錐形状とするのが好ましい。また、チューブやサクションホース及び、往き側及び戻り側のヘッタは、各通路間の作土層及び熱核上の載置敷設によって、掘削作業及び鳥居配管が発生しないものであり、エア溜りを阻止してチューブの表面温度の均質化を実施し、各作土層浅層部に伝熱し、葉茎にはチューブより直に多量の低温放射熱を与えることになり、熱核の結束バンドによりチューブの径が縮径されることにより、チューブ中心を流れている高温水が攪乱して表面温度が上がり、熱核に高い温度を伝熱する。
また、チューブや流水確認が可能なサクションホース、金属製のヘッタなどの配管類は各作土層及び熱核上に略水平に配置され、プラスチック製のレシーバータンクは半埋設として上部が露出され、人力で簡単に屈曲可能なサクションホースは流水の確認が可能であり、流水回路の配管類は作土層上に露出され耐食性、露見性から保守が容易である。
そして、ビニールハウスの周縁地盤には、複数のプラスチック製の成型断熱板を密着敷設して、外気温の影響を小さくし作土層の熱負荷を低減するものである。また、成形断熱板には、例えば、ビニールハウスの側部に張設するビニールシートを被覆する形態、または、予め断熱板をビニールシートで被覆して敷設してもよく、ビニールシートの配置によって、ビニールハウスからの雨水や融雪水が作土層に浸水しての温度低下や、地盤凍結による断熱板の損傷を阻止するのが好ましい。
使用するチューブは、熱可塑性のプラスチック原料樹脂のペレットを慣用の凍結粉砕機で微細に粉砕し、微量のグラフェン(単層炭素)、例えば、特許第5812313号で提案されたグラフェンに複数の官能基を結合させたグラフェン複合体を微量に小分けして用意し、ニーダー(混練機)を用いて、粉体状のプラスチック樹脂にグラフェン複合体を分散して投入し、均質に練り混ぜさせた第一の複合樹脂を、例えばインフレーション成形法で薄厚、長尺の円筒形状に製造するものであって、円筒外面にマット状の立体構造群を形成しナノ単位で表面積を増加させたチューブで達成する。
この場合、慣用の凍結粉砕機を用いてプラスチック原料樹脂のペレットを微細に粉砕するには、ペレットをガラス転移点以下にし、分子運動性を低下(ガラス状態)させて粉砕を行い微細な粉体状の原料樹脂を得るのが好ましい。
またペレット状のプラスチック原料樹脂に微量のグラフェン複合体を直接に混合させる場合、例えば、ビニル袋にペレット樹脂とグラフェン複合体(標準重量比:ペレット樹脂の0.1%)とを投入し、ビニル袋を回動させ目視しながら混ぜ合わせるものであり、小分け分散して混合された複数のビニル袋内の混合樹脂をおのおのニーダー(混練機)の投入口に供給し、ゆっくりとニーダーを稼働させて練り混ぜさせるものであって、より困難なペレット樹脂への混合を解決して、均質に混合させて第二の複合樹脂を製作するのが好ましい。
この場合、プラスチック樹脂は、低温度で融解し、製造が容易で安価なポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの熱可塑性の汎用樹脂を採用するのが好適であり、典型的には、柔軟性に優れる軟質の低密度の側鎖の長いポリエチレン樹脂が好ましい。
プラスチック製のチューブは、第一の複合樹脂又は第二の複合樹脂を熱溶融して、例えばインフレーション成形で製造した薄厚、長寸の円筒形状のチューブであり、二次元共役結合構造を備えたグラフェンが、プラスチック樹脂の分子鎖が不揃いの非晶領域に連鎖形成を高めて介入され、分子間隔を狭めて、分子間力を引き出して、曲げ剛性や引張強度などの物理的強度を向上させるとともに、他の分子が入りにくく、薬品に強く、燃えにくいチューブの製造を達成できる。
グラフェン複合体を配合させたプラスチック製のチューブは、電気伝導性や熱伝導性、強度、バリア性を生起させ、気体や液体など全てのものを透過させないバリア性は、空気中の酸素を透過させずこれを起因とするエア溜りを阻止させるのが好ましい。
また、プラスチック製のチューブは、グラフェン複合体を均質に配合させて共役二重結合を付与して導電性を生み出し、発生する静電気を作土層に速やかに放電させて流体に含まれる塵埃をチューブ内に付着させることなく、作土層及び作物に均一に熱伝達させるのが好ましい。
また、プラスチック樹脂の鎖状高分子非晶領域に介入した同素体のグラフェンは、共役二重結合を形成させ、プラスチック樹脂の高分子の単結合より結合強度を強めてグラフェンの高熱伝導率により、樹脂の熱伝導率を高め、温水の熱が円筒外面に速やかに熱移動して、作土層に熱伝導させるとともに作物の葉茎に多量に輻射熱を放射し効率的に熱伝達させるのが好ましい。
発明の効果
本発明に係る地表面熱核加温システムは、ビニールハウス内の各通路間の作土層一列に整列して銅製の熱核を適宜間隔(標準間隔:1m)に埋設配置し、各熱核及び各作土層上におのおの循環回路を敷設し、循環回路のプラスチック製チューブに熱源機で加温した水を循環させて、各作土層の表層部及び浅層部を斑なく加温して暖房するものであり、各作土層の加熱によって作物の根圏域を暖め、土中の微生物の活性化と作物の育成を促進する。そして、温風暖房のようにビニールハウス内の空気を暖めることなく、チューブより大量の低温度の電磁波を放出し、又、作土層表面からの熱放射で、直接、葉茎を暖め燃油の節減を達成させる。
また、本発明の地表面熱核加温システムにおいては、熱核の支持の下に作土層上に循環回路を略水平配置し、流体内の溶存酸素や流水回路の空気は流体の押圧によってレシーバータンクから排出され、チューブ自体は空気の透過に対するバリア性能を有するため、システム内のエア溜りがなく、チューブの円筒外面の温度を均質にして、作土層表層部に斑なく熱伝導させて、チューブから作物の葉茎に均一、且つ効率的な熱放射を実施する。
また、金属製のヘッタ及び高性能のプラスチック製のチューブ、流水の目視可能なサクションホースなどの循環回路は、ビニールハウス内を掘削することなく熱核及び作土層上に載置敷設し、半埋設のレシーバータンクは上部が作土層から突出配置され、耐食性のチューブの使用温度域は120〜−60℃と広範で熱劣化や紫外線劣化がなく、柔軟性に富みながら高強度で敷設作業性が好適で保守が容易であり、既設のビニールハウスにも容易に適用することができる。
また、高放射熱量により栽培される植物は、ハウスの室温より高温になるが故に、結露は発生せず、従って病害がなく、農薬が不要になり、有機栽培に有効である。
本発明の熱核の使用状態説明図であって、(A)は長辺方向の側面図、(B)は短辺方向の側面図である。 本発明の熱核の説明図であって(A)は縦断面図、(B)は上面図、(C)は変形例1の下端縦断面図、(D)は変形例2の縦断面図、(E)は変形例2の上面図である。 本発明のチューブを示す図であって、(A)はチューブの縦断面図、(B)はチューブの円筒部の拡大図、(C)及び(D)はチューブと熱核を固定する結束バンドを示す図であり、(C)は側面図、(D)は上面図である。 本発明の一実施形態を示すビニールハウスの横断上面概略図である。 一実施形態を示す図であって、(A)はビニールハウスの短辺方向縦断面図、(B)は長辺方向縦断面図である。 チューブの使用形態を示す図であって、(A)はヘッタとの接続分解図、(B)はサクションホースとの接続側面図、(C)はヘッター端の側面図である。 ビニールハウスの要部拡大概略図であって、(A)は断熱板及びビニールシートの関係を示す縦断面図、(B)はビニールシートで全面を被覆した断熱板の縦断面図である。 本発明のチューブの3部位の表面粗さ測定図である。 別な従来のチューブの3部位の表面粗さ測定図であり、図上、図中、図下は図8とおのおの同様の部位を示すものである。 従来例の土壌加温システムを示す縦断面説明図である。 別な従来例の水封バック式を示す図であり、(A)は1条植に1列を配置する縦断面説明図、(B)は2条植に1列を配置する縦断面側面図、(C)は(B)の畝肩にも配置する縦断面説明図である。
[本発明に係る熱核の説明]
図1は、熱核8の使用状態を示す図であり、図2(A)及び(B)は、熱核8を示すものである。熱核8は、四周の側面7a(壁)と上面7b(屋根)とを有するビニールハウス7において、各作土層72上に配置させた流体回路のプラスチックチューブ1の下面に、適宜間隔(標準間隔:1m)で埋設配置しチューブ1の流体の温熱を熱核8に伝え、作土層72の浅層部を加温するものである。
金属製の熱核8は、銅や鉄、アルミニウムなどの汎用品でよく、典型的には、熱伝導に優れる銅(熱伝導率:320kcal/mh°c)が好ましく、パイプ形状の管8aの上端縁に管8aより大径の鍔8bを配置する側視T字形状であって、給水、給湯に用いる管8aは、例えば外径が22.22mm(肉厚1.04mm)、長さが300mmの銅管を用意し上端に複数の切れ目8dを設け、管8a上端を外方に折り曲げして花菱形状の鍔8bを形成するのが好ましい。
また、熱核8の花菱形状の鍔8b(標準径:55mm)の対面する位置に、熱核8上に載着するチューブ1とを固定させる結束バンド81挿通用の挿入孔8c(標準径:5mm)を備え、熱核8の作土層72への埋設は、鍔8b上に木片を当接載置し木槌等で打撃して、作土層72表面と面一形態に一列に整列させて打込し鍔8bの損傷を阻止するのが好ましく、複数の熱核8上に敷設させるインフレーション成形や押出し成形のチューブ1は、図3(A)及び(B)に示すように、折り径が略50mm(標準寸法)の円筒面11に微細なナノ単位の凹凸状の立体構造1′を備えている。
また、熱核8へのプラスチックチューブ1の取付けは、図3(C)及び(D)に示す、慣用のプラスチック製結束バンド81(ヘラマンタイトン社製、商品名:インシュロックタイ)を用意して、熱核8の鍔8bに穿設させた複数の挿入孔8cに、上視台形状のバンド81aの先端から挿通し、鍔8b上のチューブ1に絡め、バンド81先端をロック81の貫通孔81dに挿通してチューブ1を拘束する。
この場合、結束バンド81のバンド81aには傾斜状の凸部81bを備え、ロック81cの貫通孔81dの内面に付設する凸部81bと、同方向の傾斜状凹凸とが噛み合いバンド81aの引き抜きを阻止するものであり、バンド81aの解放は、バンド81aを固定するロック81cに爪を当ててロック81cを押し上げすれば、ロック81cからバンド81aを取外しすることが可能で、例えば、結束バンド81はバンド81aの幅が3.4mm、肉厚が1.2mm、ロック81cは幅及び長さが6mm、厚さが4.6mm、総長さが150mmのプラスチックバンドである。
熱核8の天板81b上に配置する折り径が略50mm(標準寸法)のプラスチックチューブ1は、水をチューブ1内に給水させると、図1(B)に示すように、楕円形状となるため、熱核8へのチューブ1の取付けは、予め結束バンド81のバンド81aのロック81cからの突出長さを決定して、チューブ1を結束するのが好ましい。
[変形例(図2(C)及び図2(D)、(E)]
また、図2(C)は変形例1の熱核で、作土層72の浅層部が硬い土壌用に用いる熱核82であり、管8aの下端に切目を入れた対向する辺を折曲して鋭利にし、埋設作業を容易とするものであって、管8a及び鍔8bは図8(A)の熱核8と同様の形状である。
また、図2(D)及び図2(E)は熱核の変形例2であり、鉄筋棒83aの上面に鋼製の大径(標準:100mm)の鋼板製鍔83bを付設する熱核83であって、熱核83上に配置するプラスチックチューブ1が、流体通水時に位置を移動しても鍔83上から外れないようにするもので、安価で、作業性に優れた熱核83であり、鍔83bの形状は円形状でも矩形状でもよい。
[地表面熱核加温システムの説明]
図4及び図5は、本発明の実施形態を示すものである。本地表面熱核加温システムは、ボイラーなどの熱源機6で加温した水(寒冷地用標準温度:40℃)をプラスチック製の主管3を介して往き側ヘッタ2aに送水し、往き側ヘッタ2aから分散して各流水回路の往き側1aと戻り側1bのチューブ1及び2列のチューブ1と連通接続するU字形状に屈曲させたプラスチック製のサクションホース4に通水し、戻り側ヘッタ2bに水を集合させるものであり、戻り側ヘッタ2bからプラスチック製のレシーバータンク5を経由し、主管3を介して熱源機6に環水するものであって、熱源機6で再度加温して往き側ヘッタ2aへの再送水を繰返し、ビニールハウス7の空気7fを暖めることなく、チューブ1下面に適宜間隔で埋設配置させた金属製の熱核8群及びチューブ1を介して、作土層72の各通路73間の浅層部を加温して作物74の根圏域を暖め、チューブ1より大量の電磁波を放出し、作土層72表面からの熱放射で、直に、作物74の葉茎を暖める寒冷地向きの加温システムである。
この場合、各流水回路を通水する流体は水でよく、典型的には上水を用いるのが好ましい。また、プラスチック製の慣用のレシーバータンク5には、戻り側ヘッタ2bからの通水口5a及び熱源機6への通水口5aと、流体補給用及び空気排出用の給排口52を新たに付設し、流水量の調節や水の溶存酸素、流水回路内の空気を排出するものであり、そして、作土層72の温度調節は、熱源機6に収納する循環ポンプ(図示なし)、及び作土層72の適宜位置に埋設する温度センサー78aとを計測コード78bで連絡し、温度センサー78aで地温を感知して循環ポンプの運転、停止で実施する。また、各流水回路の配置間隔や水の循環温度は作物の種別によって対応するのが好ましい。
複数の通路73間の各作土層72載置する各水回路の往き側1a及び戻り側1bのチューブ1は、他端(図4の下側)77bにおいては、水の確認ができ柔軟性を備える慣用のプラスチック製サクションホース4をU字形状に屈曲し、おのおののチューブ1の端部に継手具41を配置して連通接続する。また、一端(図4の上側)77aにおいては、各流水回路の継手具21を締着接合するヘッタ2の、往き側ヘッタ2aには往き側1aのチューブ1を接続し、戻り側ヘッタ2bに戻り側1bのチューブ1を接続するものであり、往き側ヘッタ2aの熱源機6側の端縁に配置する継手具31から繊維補強のブレード入りプラスチック製の主管3を熱源機6に接続し、同様に、戻り側ヘッタ2bからレシーバータンク5を経由して熱源機6に主管3を連続するものである。
図6は、各管の接続部詳細説明図であり、図6(A)はチューブ1及びヘッタ2の接続分解図、図6(B)はチューブ1及びサクションホース4の接続部側面図、図6(C)はヘッタ2及び主管3の接続部側面図である。
チューブ1及びヘッタ2の接続は、被着部21a及びねじ部21b、掴み部21cからなるプラスチック製の慣用の継手具21を、円筒部の一面に流水回路と同数以上の締着孔H1を備えた金属製の慣用のヘッタ2に締着孔H1を介して掴み部21cの回動でねじ部21bを挿合し、複数の継手具21を締着固定するものであり、余分な締着孔H1には慣用の盲ソケットを嵌合して閉止する。
そして、継手具21へのチューブ1の取付けは、予め肉厚0.3mm、径32mmのプラスチック製チューブ1の円筒外面11に、幅が12mm、被着物の外径が27mm〜51mmに対応が可能の、径調整部22a及び円形状の円筒部22bからなる慣用のステンレス製ホースバンド22を用いて、拡径した円筒部22bにチューブ1が貫通する形態でチューブ1上に配設するものであり、次いで、折り径46mm、肉厚が1mmの自転車のチューブを略40mmの長さに切断したゴムチューブ23を、継手21端部よりチューブ1を挿入し、ホースバンド22の幅(12mm)より広幅で突出部を折り返して、チューブ1の円筒外面11にゴムチューブ23の折り返し部23bを形成し、ゴムチューブ23の円筒部23a及び折り返し部23bとでチューブ1端縁を挟着する形態で、継手具21の被着部21aにゴムチューブ23及びチューブ1を被着する。
次に、ホースバンド22をゴムチューブ23の折り返し部23b上に移動し、径調整部22aの回動によって円筒部22bを縮径すれば、チューブ1及びゴムチューブ23は抑止され、ゴムチューブ23の弾撥作用で継手具21の被着部21aに密着されて水密性を確保し、チューブ1の引き抜きを阻止するものであり、この場合、ゴムチューブ23の折り返し部23bとして、チューブ1内に挿合するゴムリング及びチューブ1の円筒部11に被着するゴムリングを用いてもよい。
また、慣用のプラスチック製の継手具21の、径が32mm、肉厚5mm、長さが50mmの被着部21bを旋盤(工作機械)を用いて切削、研磨、または射出成形品として、元端の径を30mm、外端の径を28mmの裁頭円錐形状とするものであり、本システムはシステム内圧力が低く、例え被着部21bが薄肉でも耐圧性を有し、被着部21aへのゴムチューブ23及びチューブ1の被着は簡単に実施でき、ゴムチューブ23の弾撥性によって漏水を阻止することができる。
図6(B)に示すように、チューブ1及びプラスチック製のサクションホースの接続は、中央の掴み部41cから被着部41a及びbが左右方向に突出した形状のプラスチック製の継手具41を用いるものであり、チューブ1側は、上述の継手具21同様に被着部41bを裁頭円錐形状に切削、研磨し、チューブ1の端部に折り返し部23bを備えてゴムチューブ23を配置して被着部41bに被せ、ゴムチューブ折り返し部23b上にホースバンド22を配置して、円筒部22bの縮径でチューブ1及びゴムチューブ23を把持する。
そして、柔軟性を有する径が37.4mm、肉厚が2.8mmのサクションホース4側は、プラスチック製の継手具41の円筒形状の被着部41aがサクションホース4に嵌合する形態で、被着部41aにサクションホース4を被着するものであり、予めサクションホース4上に拡径配設したホースバンド42を被着部41aの適宜位置に移動して、径調節部42aの回動による円筒部の縮径でサクションホース4を把持するものであって、サクションホース4自体の弾撥作用で引き抜け及び漏水阻止が達成される。
ヘッタ2及び繊維補強のブレード入りの主管3の接続は、図6(c)に示すように、被着部31a、ねじ部31b、掴み部31cから形成される異径管接続の継手具31を用い、ねじ部31bをヘッタ2の端末に締着配置し、適宜長さの、径が26mm、肉厚4.5mmの柔軟性を有する軟質ポリ塩化ビニル製の主管3を継手具被着部31aに被着し、予め主管3上に拡径配設する、被着部の径が19〜44mmに対応するステンレス製のホースバンド32を、被着部31aの適宜位置に移動し、径調整部32aの回動による円筒部32aの縮径で主管3を把持するものであり、主管3の弾撥作用によって、主管3は被着部31aに密着されて水密性を確保し、主管3の引き抜けを阻止する。
[ビニールハウス外周の断熱板敷設の説明]
図5は、ビニールハウス7の周縁の地盤71上に密着敷設する断熱板76を示す縦断面概略図である。ビニールハウス7の作土層72浅層部の地温は、外気温の影響を直に受けるため、断熱板76及びビニールシート7c及び7dの被覆配置によって作土層72の冷却を阻止して熱損失を少なくするものであり、断熱板76はポリスチレンやウレタンフォーム、繊維系断熱材であって、典型的にはJIS A9611のビーズ法ポリスチレンフォームである。また、断熱板76は、例えば、幅が450mm、長さ1800mm、厚さ50mmであり、長さ方向に当接して敷設する。
断熱板76は、地盤71上に配置、または断熱板76の厚さの一部もしくは全部を埋設して木片75で固定、または埋設して土を被せてもよく、上面には、ビニールハウス7の側部7aに張設するビニールシート7cを延出して被覆(図8(A)の実線部)しても、慣用の固定具(図示なし)を用いて側部ビニールシート7cの外側から断熱板76上に被覆(図8(A)の点線部)しても、予め、断熱板76の一部もしくは全部をビニールシート7eで被覆して傾斜状に敷設(図8(B))してもよい。ビニールシート7c、7d、7eは、ビニールシート7からの雨水や融雪水が作土層72に浸水して温度が低下するのを阻止、及び地盤71や断熱板76の凍結による断熱板76の損傷を阻止するものであり、第一の実施形態及び第二の実施形態の地表面加温システムにおける、チューブ1及び熱核8を用いた作土層72の加温は効率的に実施される。
[本発明に係るチューブの説明]
図1及び図2は、本発明のプラスチック製チューブ1に1m置きに土中蓄熱が進み即ち熱核伝熱管をつけた説明図であり、図9は、3部位のJIS B0601:2001の試験方法による表面粗さの80μmレンジでの測定グラフであり、図上は試験体の前端部、図中は中央部、図下は後端部を表示し、横軸は評価長さにおける算術平均粗さを示し、縦軸は最大高さを示すものである。
図10は出願者が製造販売した従来品のフィルムチューブ100の、図9と同様の試験方法によるグラフであり、図上、図中、図下は、図9とおのおの同部位の8μmレンジの測定グラフである。
本発明の黒色チューブ1は、ペレット状のプラスチック原料樹脂を、典型的には、慣用の凍結粉砕機を用いて微細に粉砕し、グラフェン(単層炭素)に複数の官能基を結合した特許第5812312号として提案されたグラフェン複合体を、例えばプラスチック樹脂の重量比0.1%(標準混合比率)の割合で小分けして用意し、粉砕したプラスチック樹脂と混練機のニーダー(図示なし)を用い、グラフェン複合体を分散させて混合した第一の複合樹脂を熱溶融して、例えば、インフレーション成形法で製造するものである。
この場合、プラスチック原料樹脂のペレットを慣用の凍結粉砕機で粉砕するには、ペレットをガラス転移点以下に冷却させて、ペレットの分子運動性を低下させたガラス状態にして粉砕を実施し、微細な粉体状のプラスチック原料樹脂を得るものである。
複合樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン原料樹脂25kgを慣用の凍結粉砕機を用いて粉体状とし、0.1%混入に必要なグラフェン複合体25gを微量計測して小分けし、ニーダー(混練機)の長さ方向両側を10分割したおのおのの位置でグラフェン複合体2.5gを投入し、分散させて練り混ぜし、難解な均一配合を解決して、斑なく均質な混合の第一の複合樹脂を製作させることができる。
また、ペレット状のプラスチック樹脂に微量のグラフェン複合体を直接に混合させる場合、例えば、ビニル袋に半透明のペレット樹脂1kgと黒色のグラフェン複合体1gとを投入し、ビニル袋を回動させ目視しながら混ぜ合わせるものであり、小分け分割して混合された複数のビニル袋内の混合樹脂をおのおのニーダー(混練機)の投入口に供給し、ゆっくりとニーダーを稼働させて練り混ぜするものであって、より困難なペレット樹脂への混合を解決して、均質に混合させた第二の複合樹脂を製作する。
プラスチック製のチューブ1は、低温で軟化し、製造が容易で、安価な熱可塑性のプラスチック樹脂であり、典型的には、軽くて柔らかな耐熱性の低密度ポリエチレン樹脂にグラフェン複合体を微量分散化配合した第一の複合樹脂または第二の複合樹脂を、慣用の押出機で熱溶解してインフレーション成形で製造する薄厚、長尺の円筒形状のチューブである。
融点が3550℃のグラフェンを分散配合したポリエチレン製のチューブ1は、単位分子のエチレンを構成する2個の炭素は二重結合を解き単結合に置換されて柔軟性を付加するものであって、複合樹脂のインフレーション成形時に、例えば常用の空気冷却ではなく急激に水冷却を行い、側鎖を絡み合わせて耐熱性を生み出し、主鎖は連続結合形状を保有する。
グラフェン複合体は、ポリエチレン樹脂の分子鎖が不揃いの非晶領域に、強靭で他の分子を取り込まない結晶領域に入れずに、高濃度となって連鎖形状を高め、且つ、共役構造を付与して挿入されるものであり、これによって電気伝導及び熱伝導、強度、バリア性が向上される。
高バリア性のチューブ1は、非晶領域に分子鎖を挿入して分子間隔を狭め、互いに引き合う分子間力を強くさせて、曲げ剛性や引張強度などの物理的強度を向上させるとともに他の分子が入りにくくなり、薬品に強く、燃えにくくなり、且つ、空気中の酸素透過を低減させてエア溜りを阻止する。
また、高電気伝導性のチューブ1は、プラスチック製のチューブ1の円筒面11に生じる静電気を作土層72に放電させ、流体に含まれる塵埃がチューブ内に付着して熱伝達に斑を生じさせることなく、経年における目詰りを阻止するものであり、円筒外面11から均質に伝熱して経年の保守性を達成する。
また、高熱伝導性のチューブ1は、チューブ1内の流体の熱を速やかに円筒外面11に熱移動して、作土層72に熱伝導させ、作物74の葉茎に円筒外面11の表面温度の4剰で、効率的に輻射熱伝達されるものである(輻射放熱量:吸収放射率×シュテファンボルツマン係数×表面温度の4剰)。
そして、小径のチューブ1は、肉厚が0.3mm(標準厚さ)、折り径が略50mm(標準径寸法)、長さが60m(標準長さ)の断面楕円形状であり、円筒外面11には、予めグラフェンに結合した水酸基の分解作用及びオキシエチレン基の共有結合作用や拡散されたグラフェンの分子間力によって、図9及び図10に示すように、ポリプロピレン製の従来品フィルムチューブ100に比べ、7μm以上、且つ3部位の平均値で40倍以上の最大高さ粗さ及び1μm以上、且つ平均値で65倍以上の算術平均粗さの、マット状の立体構造10群が形成され円筒外面11の表面積がナノ単位で増加し、太陽光のエネルギー密度が高い短波長の電磁波の熱吸収や、チューブ1から作物に多量の長波長の熱放射に好適である。
また、ポリエチレン樹脂は、長波長の吸収放射率(0.9)に比べ短波長の吸収放射率は低い(吸収放射率:0.8)傾向があるが、円筒外面11に立体構造群10を備えたチューブ1は、短波長及び長波長ともに吸収放射率(試験値:0.95)に優れ、作物74の葉茎に円筒外面11から効率的に熱放射が実施される。
また、本発明のチューブ1に用いる低密度ポリエチレンと従来品ポリプロピレンフィルムチューブとは、引張強度で2.6〜3.9倍、引張弾性で略6.8倍、ポリプロピレンのほうが高強度であるが、グラフェン複合体を分散化配合したチューブ1は、従来品フィルムチューブ100に比べ、曲げ剛性が120%、引張強度が112%、曲げ最大応力が109%と強度が向上される。また、チューブ1は、ポリエチレンチューブの使用温度域(70〜−20℃)を超える広範な温度域(120〜−60℃)での利用が可能となる。
本発明の高熱伝導性、吸収放射率に優れたプラスチックチューブ1を用いる地表面熱核加温システムは、複数の熱核8の埋設配置によって、作土層72を掘削することなく作土層72の浅層部を効率的に加温蓄熱し、チューブ1及び作土層72表面からの熱放射で作物の葉茎温度を維持するとともに、作土層72内の微生物の活性化を促し、ミネラルが豊富な作物の栽培期間の短縮をさせて、収穫量を増量させることができる。
平成26年冬期北海道の冬野菜の産地である伊達市野菜生産協議会会長のハウスの行った試験は外気温度マイナス12℃の時、対象区の夜間の温度は10℃の灯油温風暖房だが実証区はチューブを畝間に設置し、40℃の温水を循環し、ハウス温度は0℃だが対象区より1週間早く生育した。灯油の燃費も37%少なかった。
1 :チューブ
1′ :チューブ表面粗さ
1a :往き側
1b :戻り側
2 :ヘッタ
2a :往き側ヘッタ
2b :戻り側ヘッタ
3 :主管
4 :サクションホース
5 :レシーバータンク
6 :熱源機
7 :ビニールハウス
7f :空気
7a :側面
7b :上面
7c、7d、7e:ビニールシート
7f :空気
8 :熱核
8a :管
8b :鍔
8c :挿通孔
8d :切れ目
10 :立体構造
11 :円筒(外)面
12a、12b、21、31、41:継手具
21a、31a、41a:被着部
21b、31b:ねじ部
21c、31c、41c:掴み部
22、32、42:ホースバンド
22a、32a、42a:径調整部
22b、23a、32b、41b:円筒部
23 :ゴムチューブ
23b:折り返し部
51 :通水口
52 :給排口
71 :地盤
72 :作土層
73 :通路
74 :作物
75 :木片
76 :断熱板
77a:一端(ビニールハウスの上側)
77b:他端(ビニールハウスの下側)
78a:温度センサー
78b:計測コード
81 :結束バンド
81a:バンド
81b:凸部
81c:ロック
81d:貫通孔
82 :熱核
82a:閉塞部
83 :熱核
83a:鉄筋棒
83b:鍔
83c:閉止板
100:従来品のフィルムチューブの表面粗さ
H1 :締着孔

Claims (8)

  1. 側面と上面とを有するビニールハウス内の各作土層に、埋設配置した複数の熱核の上面及び前記作土層表面におのおの当接してプラスチック製のチューブを配置し、前記チューブの往き側及び戻り側を2本1組として、他端両端縁にU字形状に屈曲したプラスチック製のサクションホースを連通接続し、一端の往き側の前記チューブは往き側ヘッタに連続し、戻り側の前記チューブは戻り側ヘッタに連続して流水回路を形成するものであり、前記往き側ヘッタからプラスチック製の主管を用いて熱源機に接続し、前記戻り側ヘッタから前記主管を用い、プラスチック製のレシーバータンクを経由して前記熱源機に接続するものであって、前記往き側ヘッタ及び前記戻り側ヘッタに連続する複数の流水回路を各通路間の作土層に適宜間隔で敷設し、前記熱源機で生成した流体(温水)を送水して、前記熱核及び前記チューブからの熱伝導で前記各作土層の浅層部及び作物の根圏域を暖め、前記各流水回路及び前記各作土層表面からの熱放射で、直に、作物の葉茎を暖房する第一の実施形態の、地表面熱核加温システム。
  2. 前記ビニールハウス内の各作土層に、埋設配置した複数の前記熱核の上面及び前記作土層表面におのおの当接してプラスチック製の前記チューブを一列に配置し、前記チューブの他端に流水閉止用の継手具を嵌入配置し、一端にパイプ状のソケットを嵌入配置して、前記パイプ状ソケットに注水用止水弁を接続した、充填水回路を前記各通路間の前記作土層に適宜間隔で敷設し、前記チューブの充填水を太陽熱吸収で加温して、前記熱核及び前記チューブからの熱伝導で前記作土層の浅層部及び作物の根圏域を暖め、前記各充填水回路及び前記各作土層表面からの熱放射で、直に、作物の葉茎を暖房する第二の実施形態の、地表面熱核加温システム。
  3. 前記作土層表面に上面が面一形態で埋設配置する側視T字形状の前記熱核は、パイプ状の管及び前記管より大径の花菱形状の鍔とで構成され、前記鍔の対面する辺に結束用の挿入孔を備え前記チューブを拘束させた請求項1又は請求項2に記載の地表面熱核加温システム。
  4. 前記作土層表面に上面が面一形態で埋設配置する側視T字形状の前記熱核は、鉄筋棒と鉄筋棒より大径の鍔とで構成された、請求項1又は請求項2に記載の地表面加温システム。
  5. プラスチック製の継手具に接続する前記チューブは、端縁から突出する形態でゴムチューブの円筒部を挿合し、突出部を折り返して前記チューブに被着させて折り返し部を形成するものであり、前記折り返し部にステンレス製のホースバンドを被着して前記チューブを抑止する形態とした、請求項1又は請求項2に記載の地表面熱核加温システム。
  6. 前記第一の実施形態の流水回路及び前記第二の実施形態の充填水回路をおのおの収納する前記ビニールハウスの周縁地盤に、一部又は全部をビニールシートで被覆する形態の複数の成形断熱板を敷設させた、請求項1又は請求項2に記載の地表面熱核加温システム。
  7. 前記チューブの円筒外面に微細な立体構造群を備え、前記立体構造は、算術平均粗さが1.0〜1.5μm、最大高さが7.0〜8.5μmの表面粗さの、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の地表面熱核加温システム。
  8. 吸収放射率が0.92以上の前記チューブを用いる、請求項1又は請求項2に記載の地表面熱核加温システム。
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