JP2015019662A - ハウス栽培用太陽集蓄熱パイプ体及び使用方法 - Google Patents

ハウス栽培用太陽集蓄熱パイプ体及び使用方法 Download PDF

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邦臣 黒田
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Abstract

【課題】 施設園芸ハウスの浅層加温システムに於ける、暖房施設の設置費及び運転費の削減を計り、作物の下限温度を維持する水封チューブを得る。【解決手段】 施設園芸ハウス11内の畝部13群上面に、太陽光エネルギーの透過率が高い透明の透明バッグ2内に、集蓄熱パイプ表面3aをマット状として太陽光の反射を阻止すると共に、太陽光エネルギーを吸収し熱エネルギーに変換する、黒色の集蓄熱パイプ3を収納し、集蓄熱パイプ3内に、蓄熱用の熱媒体wを充填するものであり、透明バッグ2と集蓄熱パイプ3との間に空気層aを設け、透過断熱層を形成する太陽集蓄熱パイプ体1。【選択図】図1

Description

本発明は、冬期における施設園芸ハウス内の浅層地中加温用水封パイプに関するものであり、より詳しくは、軽量で幅及び高さが小の集蓄熱パイプ内に水を封入し、太陽熱によって加温された熱を畝の土壌に熱伝導して、農作物の育成を効率的に行う太陽集蓄熱パイプに関するもので、根圏域加温の一種でハウス栽培用暖房設備の技術分野に関するものである。
施設園芸ハウス内の暖房手段として、作土層を暖める手法は、既に各種提案され、実施されている。図4は、従来例1であって、特許文献1として挙げた土壌加温システムであり、図4は概略縦断面図である。
従来例1(図4)にあっては、夏期における地中加温と太陽熱利用による土壌消毒、及び冬期においては、ハウス栽培の地中暖房により、農作物の育成を効率的に行う土壌の加温方法であって、放熱パイプ群は、埋設深さが60cm、並列方向の平均配設間隔は70cm、放熱パイプの外径が13mmであり、放熱パイプは屋外に配置するボイラと接続しており、熱媒体の温度は、夏期の土壌消毒に80℃、冬期の農作物の育成促進には50℃で熱媒体を循環する土壌加温システムである。
また、従来例2は、非特許文献1として挙げたものであり、図5(A)〜(C)は、おのおの土壌加温のための、水封チューブ方式であって、図5(A)は1条植に1列の水封チューブを、図5(B)は2条植に1列の水封チューブを、図5(C)は畝肩部にもチューブが横に連結する形態で水封チューブ配置するものである。
また、従来例2(図5)は、プラスチック樹脂製のチューブに水を充填して、ビニールハウス内の畝上に載置するものであって、日中、チューブ内の水温は、日射とビニールハウス内空気からの伝熱により上昇し、夜間にビニールハウス内の気温がチューブ内の水温より低下すると、チューブからの放熱によって暖房が行われるものであり、太陽熱の集熱と放熱に動力を使用しないことから簡易で安価である。
特開2001−258045号広報(特許第3670551号)
「新太陽エネルギー技術ハンドブック」日本太陽エネルギー学会2000年11月20日初版 第II編 太陽エネルギー直接利用技術 第7章 パッシブソーラーシステム第10章 農水産用太陽エネルギーシステム 591頁(3)項 水封チューブ方式及び同頁の図10・2・11
従来例1(図4)の深層地中加温システムは、ボイラを用いて加温し、60cmの深さの土壌を50℃迄加温するのに大量の灯油が消費され、地球温暖化防止やCO2削減の問題、及び農作物栽培ハウス内の土壌全面の掘削、埋設パイプ群の配管や、掘削土の埋戻しや、高額なボイラの配置により、初期投資、運転コストが大きく、安価な野菜栽培には採算が合わない課題がある。
従来例2(図5)の水封チューブ式は、チューブを植物の根元に置くため、植物が生長して日射を遮るようになると蓄熱が出来なくなり、苗の時期やイチゴなど背丈の低い植物に限定され、水封チューブは日射の高温直達成分の受熱は小さく、熱媒体の蓄熱容量を高める効果しか無く、土壌を加温する能力が小さくしかも土壌に温度斑が生じる課題がある。
本発明は、従来の上述の問題点を解決又は改善するものであって、地中加温システムに於ける従来技術が、経済性、加温性能の何れか一方を達成しているのみに対し、本発明は太陽の光エネルギーを熱エネルギーに有効に変換し、太陽熱の集熱と放熱に動力を使用しないパッシブ方式の浅層地中加温システムであって、積雪寒冷地でも十分に土壌加温が出来、作物の下限温度を維持する、安全、且つ合理的な構築を可能とするものである。
本発明は、図1に示す如く、施設園芸ハウス内11内の畝部13上面に配置する、選択吸収性を備えたプラスチック樹脂製集蓄熱パイプ3と、集蓄熱パイプ3を収納する高透過性を備えるプラスチック樹脂製フィルムの透明バッグ2とから成るものであり、集蓄熱パイプ3はプラスチック樹脂製の継手具4を介して連通接続し、連続する集蓄熱パイプ3群の両外端は、端具5を配置して熱媒体wの注入排出口とし、円筒部のねじ部5cにキャップ5eを締着し、熱媒体wの戻りを阻止すると共に、流路を閉止する全プラスチック樹脂製の太陽集蓄熱パイプ体1である。
この場合、太陽熱を吸収する黒色の集蓄熱パイプ3と、集蓄熱パイプ3より太径で、太陽光線を透過させる透明バッグ2とからなり、図2に示す如く、集蓄熱パイプ3内には水道水、井水、海水、不凍液などの熱媒体wを、充填するものであり、典型的には水道水を注水して蓄熱を計り、集蓄熱パイプ3及び透明バッグ2との隙間は、断熱性を保持する空気層aを形成する袋で包まれた軽量の太陽集蓄熱パイプ体1である。
また、透明バッグ2は、熱可塑性プラスチック樹脂製フィルムで耐候性があれば良く、典型的にはポリプロピレン樹脂(PP樹脂)製のインフレーション成形の延伸加工品であり、集蓄熱パイプ3からの対流及び放射を阻止し、太陽光線の透過率が0.92の能力を有する、折径が100mm、肉厚が0.3mm、長さが4000mmの、透明フィルムの袋状である。
そして、集蓄熱パイプ表面3aがマット状の集蓄熱パイプ3も、熱可塑性プラスチック樹脂であれば良く、典型的には、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)製の押出成形品であり太陽光線の熱変換効率は短波長の吸収率が96%、長波長の反射率が40%の能力を有する、外径が42mm、肉厚が1mm、長さが4000mmの、円筒部3aの表面がマット状の黒色の選択吸収性を備えたパイプである。
そして、複数の太陽集蓄熱パイプ体1群の連通接続は、図2(C)に示す如く、集蓄熱パイプ3は、典型的には、両端の傾斜部4aを、傾斜部4aの外側に段差部4bを、中央に突起部4dをおのおの備えた、外径が41.5mm、長さが95mm、一般肉厚が2mmの、黒色のポリプロピレン樹脂(PP樹脂)製の継手具4を採用し、直列する前後の集蓄熱パイプ3がおのおの突起部4dまで被覆する形態で連通接続するものである。
この場合、適宜、集蓄熱パイプ3を継手具4の段差部4bに挿入し、ホースバンド6eで止め、透明バッグ2は、左右の接続部2aの外側に粘着テープ6を巻き付けて連続すれば良く、太陽集蓄熱パイプ体1は、簡単に連通一体化接続が出来るものである。
また、太陽集蓄熱パイプ体1の両端は、図2(D)に示す如く、典型的には、両端に傾斜部5aを、内方は段差部5bを、外方はねじ部5cを、中央に突起部5dをおのおの備えた、外径が41.5mm、長さが95mm、一般肉厚が2mmの、黒色のポリプロピレン樹脂(PP樹脂)製の端具5を採用し、内方は集蓄熱パイプ3が突起部5dまで被覆す形態で連通接続するものであって、外方は、ねじ部5cにキャップ5eを締着冠合して熱媒体wの戻りを閉止するものである。
この場合、適宜、集蓄熱パイプ3を端具5の段差部5bに、挿入し透明バッグ2は、段差部5bの外側の集蓄熱パイプ3を包み込みその上部よりホースバンド6eで止めれば太陽集蓄熱パイプ体1は簡単に、両端を閉止出来るものである。
従って、集蓄熱パイプ3群は、継手具4を介して連続接合が可能であって、両端に端具5を配置して、キャップ5eの取外しで注水及び排水が施され、キャップ5eの取付で熱媒体wの戻りを阻止するものであり、集蓄熱パイプ3を収納する透明バッグ2は、粘着テープ6を介して連続接合も閉止も可能で、得られる太陽集蓄熱パイプ体1は、丈が低く、小幅の、軽量且つ運搬、配置組立作業が容易であり、しかも耐腐食性に優れた安価な太陽集蓄熱パイプ体1を提供することが出来る。
しかも、透明バッグ2は、耐候性、耐衝撃性、耐熱性に優れ、太陽の光エネルギーの透過率が92%の能力を有し、短波長で透過した電磁波が集蓄熱パイプ3で吸収され、固体ふく射する長波長域では低ふく射する選択吸収膜の性能があり、空気層aは透過断熱層を形成し、施設園芸ハウス11内の室温の影響を受けにくく、また、薄肉で選択吸収性を備える集蓄熱パイプ3は、集蓄熱パイプ表面3aをマット状として反射を阻止し、太陽光線を熱変換する短波長の電磁波の吸収率が96%の能力を保持して、充填水wに熱伝導をするものであって、全面が均斉な集熱作用を奏することとなり、吸熱斑の無い、高性能な太陽集蓄熱パイプ体1となる。
また、熱伝導率が小さいポリプロピレン樹脂(PP樹脂)製の集蓄熱パイプ3(熱伝導率:0.23w/m.k)は、機械構造用炭素鋼(43w/m.k)と比べて186倍も悪いが太陽光線吸収率には影響せず96%と高く、安価で軽量、且つ耐腐食性の集蓄熱パイプ3を提供することが出来る。
そして、太陽集蓄熱パイプ体1は、図1及び図2(B)に示す如く、集蓄熱パイプ3内に熱媒体wを充填した太陽集蓄熱パイプ体1を、施設園芸ハウス11内の畝部13群から作物の背丈以上に上盛した盛土12a上面に載置して、日中の太陽熱を集熱し熱媒体の水wに熱伝導するものであり、熱媒体wは蓄熱すると共に集蓄熱パイプ体1の下側に接している畝部13群上面の盛土12aに熱伝導して加温するもので、日射の無い夜間に、作土層の畜熱性と断熱性とが有効に作用し、時間を経て集蓄熱パイプ体1の熱量を畝部13に熱伝導して、作物の生育下限室温を維持するものである。
この場合、日射量の少ない地域では、フィルム状のトンネル7で、畝部13上面を覆って熱損失を阻止するのが好ましい。また、日射量の多い地域では、太陽集蓄熱パイプ体1から畝部13に、十分に熱伝導が出来、太陽熱の土壌加温で作物の成長に大きく作用するため、トンネル7は不要となる。
また、図1及び図2(A)に示す如く、外径42mm、肉厚1mmの集蓄熱パイプ3を適宜長さ(標準:80mm)に切断し、上側中央に切欠14aを備えた短寸の架台片14を、適宜間隔(標準:1350mm)で畝部13上面の盛土12a上に、盛土12aの長辺方向に直交して配置し、切欠14a内に太陽集蓄熱パイプ体1の下側を嵌合して盛土12a上面と太陽集蓄熱パイプ体1下面とに隙間を設けて配置するものであって、日中の太陽熱を集熱し、集蓄熱パイプ3内の熱媒体に蓄熱された太陽集蓄熱パイプ体1は、日照が少ない地域や施設園芸ハウス11内が生育下限温度以下になる場合、架台片14群を前夜に取外して接地し、集蓄熱パイプ体1の蓄熱を作土層12に熱伝導して加温することで早期の低温時に作物生育温度を維持すると共に、低温時に、作物の根圏域を加温して根張りを良好に保持し、生長促進となる。
また、トマト、キューリ等の背丈の高い作物の場合、図3に示す如く、施設園芸ハウス11の長辺方向に配置する屋根構造用パイプ11aから吊下げ形態で太陽集蓄熱パイプ体1を配設し、日中は、作物の丈より上方位置に停止状態で空中配置するものであり、夜間は畝部13間の作土層12表面に載置して、太陽集蓄熱パイプ体1で蓄熱した熱量を作土層12に伝導し、植生域の土壌加温するものであって、太陽集蓄熱パイプ体1の上昇、下降は、例えば、屋根構造用パイプ11aに適宜間隔(標準:4000mm)に滑車群を取付け、滑車にワイヤーロープを配置して、ワイヤーロープを介し、一端はワイヤーロープに、他端は太陽集蓄熱パイプ体1におのおの堅縛してワイヤーロープを張設するものであり、ハウス11の壁用構造ポストに取付けた、ワイヤーロープを緩める事で下降し、ワイヤーロープを張設する事で上昇させる方法がある。
そして、透明バッグ2も、集蓄熱パイプ3も容易に鋏やカッターで切断が可能であり、太陽集蓄熱パイプ体1も、集蓄熱パイプ3は継手具4で連通接続され、透明バッグ2は粘着テープ6を介して接続されるため、太陽集蓄熱パイプ体1は、畝部13の総長さに簡単に整合することが出来る。
従って、本発明の太陽集蓄熱パイプ体1は、熱媒体wを充填する集蓄熱パイプ3を、太陽光が透過する透明バッグ2で収納し、透明バッグ2を透過した太陽光線は、集蓄熱パイプの表面3aで熱エネルギーに変換し、熱媒体wに伝導して蓄熱するものであって、蓄熱された熱エネルギーは畝部13に熱伝導がスムーズとなり、地中微生物の活性化を促し、栄養分が多量に含有する作物の生長を促進する。
本発明の太陽集蓄熱パイプ体1は、全プラスチック樹脂製であるため、軽量で、製作運搬取付作業が容易である。
そして、透明バッグ2は、袋状で構造が単純であるため、インフレーション成形の延伸加工での製作が安価で容易となり、均質、且つ高品質の透明バッグ2を準備出来る。
そして、集蓄熱パイプ3の製作も、押出成形で準備した集蓄熱パイプ3であり、太陽集蓄熱パイプ体1は、大径の透明バッグ2内に小径の集蓄熱パイプ3を挿入での実施となるため、均質の太陽集蓄熱パイプ体1の製作が簡単、且つ低コストで実施出来る。
そして、透明バッグ2と集蓄熱パイプ3との包袋状の太陽集蓄熱パイプ体1は、内側の集蓄熱パイプ3内に、端具5を介して熱媒体wを充填し、透明バッグ2及び集蓄熱パイプ3との隙間は、空気圧入が不要の空気層aであり、透過断熱層を形成する。
そして、太陽集蓄熱パイプ体1群を使用しない場合、両端の端具5のキャップ5eを取外し、中央を持ち上げると、充填水は排出されるものであり、柔軟性を備えているため、扱い易い。
そして、夜間の暖房熱源を、日中に蓄熱した太陽熱を時間を経て、殖生域の畝部13地中に伝熱して、加熱熱源となる安価なシステムを提供するものである。
そして、施設園芸ハウス内を加温するよりも、根圏域を加温するのが作物の生育には有効であり、畝部13を加温することによって、ハウス内温度を維持する合理的な暖房方式である。
そして、太陽集蓄熱パイプ体1の集蓄熱パイプ3内の高温熱媒体wからの熱エネルギーは、上方への対流熱損失は少なく、畝部13上面に伝導するほうが多く、且つ作土層12への伝導速度は遅いので、翌朝まで作土層12を加温することにより、殖生域温度の維持が確保され、又、地中加温をすることにより、地中微生物の活性化に繋がり、カルシューム、カロテン等の含有量が多くなって、美味しく、栄養価の高い作物を生産することが出来る。
本発明の実施例の全体説明図であって、(A)は施設園芸ハウスの正面図、(B)は側面図である。 太陽集蓄熱パイプ体の使用状態説明図であって、(A)は一例の縦断面正面図、(B)は一例の縦断面正面図、(C)は接続状態縦断面側面図、(D)は閉止状態縦断面側面図である。 トマト・キュウリ等、背丈の高い作物の場合の、集蓄熱パイプ(1)が太陽集蓄熱時と土中に伝熱時との模式図である。 従来例1の縦断面図である。 従来例2の説明図であって、(A)は1条植に1列の水封チューブを、(B)は2条植に1列の水封チューブを、(C)は畝肩にもチューブをおのおの配置する縦断面図である。
〔太陽集蓄熱パイプ体1の構造(図2)〕
製作する太陽集蓄熱パイプ体1の全体形状は、図2に示す如く、集蓄熱パイプ3を収納する透名バッグ2は、折り径が100mm、肉厚が0.3mm、長さが4000mmの透明の袋形状で、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)製のインフレーション成形の延伸加工品であり、太陽光線の透過率が92%の能力を備えた耐候性のある透明フイルムである。
そして、集蓄熱パイプ3は、外径が42mm、肉厚が1mm、長さが4000mmの黒色のパイプ形状でポリプロピレン樹脂(PP樹脂)製の、集蓄熱パイプの表面3aがマット状の押出成形品であって、短波長の吸収率が96%、長波長の反射率が40%の能力を備えた選択吸収性能の集蓄熱体であり、透明バッグ2内に集蓄熱パイプ3を貫通形態で挿入して、太陽集蓄熱パイプ体1を構成する。
〔施設園芸ハウス11(図1)〕
使用する施設園芸ハウス11は、図1に示す如く、例えば間口(短辺方向)幅が7200mm、奥行き(長辺方向)長さが50,000mmの慣用品であって、畝部13は、上面の幅400mm、下面の幅が600mm、高さが400mm、長さが48,000mmで短辺方向に400mmの間隔で8列配置するものであり、畝部13の幅方向中央には、作物の背丈以上の盛土12aを施している。
〔継手具4(図2(C))〕
継手具4は、図2(C)に示す如く、集蓄熱パイプ3の接合部品であり、典型的には、外径が41.5mm、長さが95mm、一般肉厚が2mmの、黒色のポリプロピレン樹脂(PP樹脂)製の射出成形品で、両端には傾斜部4aを、傾斜部4aの外側には、複数の鋸状の突起を備えた段差部4bを配置し、長さ方向中央には突出形態の突起部4dをおのおの備えた接続部品を準備する。
〔端具5(図2(D))〕
端具5は、図2(D)に示す如く、集蓄熱パイプ3の両端を閉止すると共に、熱媒体wの水の注水口を成す太陽集蓄熱パイプ体1の閉止部品であり、典型的には、継手具4と同様の、外径が41.5mm、長さが95mm、一般肉厚が2mmの、黒色のポリプロピレン樹脂(PP樹脂)製の射出成形品で、両端には傾斜部5aを、内方の傾斜部5aの外側には、複数の鋸状の突起を備えた段差部5bを、外方の傾斜部5aの外側にはねじ部5cを、長さ方向中央には突出形態の突起部5dをおのおの備えた閉止部品を準備する。
〔太陽集蓄熱パイプ体1の使用(図1、図2)〕
太陽集蓄熱パイプ体1の接続及び両端の閉止は、因1及び図2に示す如く、例えば、並列する畝部13群間の窪地13a群に、複数の太陽集蓄熱パイプ体1を長さ方向におのおの配置し、一方(外端部)の集蓄熱パイプ3を、端具5のキャップ5eを外方として集蓄熱パイプ3を傾斜部5aから突起部5dまでを挿入する形態で被覆するものであって、透明バック2を重ねて上からホースバンド6eで止めると集蓄熱パイプ3は、集蓄熱パイプ3の内面が段差部4bに食い込み、端具5は集蓄熱パイプ3の一方(外端部)に強度を維持して嵌合するものであり、また、透明バッグ2の外端部がホースバンド6eで止まり、空気aの流動を閉止する。
次いで、集蓄熱パイプ3の他方(内端)を、一方の端部と同様に、継手具4一端の傾斜部4aから突起部4dまでを挿入して、集蓄熱パイプ3に嵌合し、直列する集蓄熱パイプ3の端部をホースバンド6eで止め、継手具4の他端の傾斜部4aから突起部4dに嵌合被覆するものであり、直列する透明バッグ2は粘着テープ6を用いて連通接続するものであり、それを順じ繰り返して太陽集蓄熱パイプ体1群は連通接続する。
この場合、畝部13上面の盛土12a上に、太陽集蓄熱パイプ体1を適宜載置しながら接続作業を実施するものである。
そして、総べての太陽集蓄熱パイプ体1群が連続し、盛土12a上に配置して、一方の端具5のキャップ5eを回動して取外し太陽集蓄熱パイプ体1の外端部を持ち上げ、熱媒体wを連通接続する集蓄熱パイプ群3内に注水、充填後に、キャップ5eを取付けて熱媒体wの戻りを防止し、盛土12a上に外端部を再載置するものであって、この場合、日中の太陽熱を集熱媒体wに熱伝導し、太陽集蓄熱パイプ体1の下側に接している、畝部13群上面の盛土12aの作土層12に熱伝導して加温、蓄熱するものである。
また、畝部13上面の盛土12a上に、太陽集蓄熱パイプ体1を載置する際、適宜間隔(標準:1350mm)を、集畜熱パイプ3を適宜長さ(標準:80mm)で切断し上側中央に切欠14aを備えた架台片14を、太陽集蓄熱パイプ体1の下側を嵌合する形態で、盛土12a上面と太陽集蓄熱パイプ体1の下面として隙間を設けて配置する。
この場合、日中の太陽熱によって加温蓄熱された太陽集蓄熱パイプ体1を、夜に架台片14を取外して盛土12aに当接載置することで、日照の少ない地域や施設園芸ハウス11内が翌朝に生育下限温度以下となる場合、太陽集蓄熱パイプ体1から作土層12に熱伝導して加温して、作物生育温度を維持する。
トマト・キューリ等の丈の高い作物の場合、図3に示す如く、盛土はせず、畝部13間に太陽集蓄熱パイプ体1を置き、ハウス11の構造体の天井部に、巻き上げ装置を設けて上下できる構造を作り、昼間は植物の丈より上部空中に停止し、夜間は畝部13間の土壌表面に置いて、太陽集蓄熱体1の蓄熱した熱量を作土層12に熱伝導し、植生域の土壌加温に役立たせる。
従って、太陽集蓄熱パイプ体1は、鋏やカッターで容易に切断可能であり、継手具4を介しての連通接続できることから、総長さは畝部の長さに簡単に対応が出来、空気層aは、透明バッグ2間及び両外端の端具5への粘着テープ6の拘束で簡単に形成され、蓄熱は、端具5を介しての集蓄熱パイプ3内への注水充填によって達成されるものであって、太陽熱での作物の栽培は、地中微生物の活性化を促がし、カルシューム、カロテン等の含有量が多くなって、美味しく、体に良い作物が生産される。
外径42mm内径40mm選択性能のある長さ4mの黒色ポリプロピレン樹脂管の両端を端具5で止め、その上に折径100mm耐候性のある光線透過率92%の0.3ミリ厚のポリプロピレン製フイルムの袋を被せ、両端を外部よりホースバンド6eで止め、片側のキャップをはずし水を充填し、キャップを締めた。
そして、北海道立総合研究所工業試験場に於いて、平成25年7月17日に実施した試験では、給水温度が18.4℃で、試験用保温槽内の温度が61℃に上昇した結果、集熱量は8457.1kj/m・day、集熱効率が40.4%の高集熱率となり、透明バック2の透過性能、及び集蓄熱パイプ3の選択吸収性能、熱媒体wの高蓄熱性能が確認され、太陽熱浅層地中加温システムとして、十分機能することが公的機関の試験で実証された。
1:太陽集蓄熱パイプ体
2:透明バッグ
2a:接続部
3:集蓄熱パイプ
3a:集蓄熱パイプの表面
4:継手具
4a,5a:傾斜部
4b,5b:段差部
4d,5d:突起部
5:端具
5c:ねじ部
5e:キャップ
6:(粘着)テープ
6e:ホースバンド
7:トンネル
11:施設園芸ハウス
11a:屋根構造用パイプ
12:作土層
12a:盛土
13:畝部
13a:窪地
14:架台片
14a:切欠
a:空気(層)
w:熱媒体

Claims (5)

  1. 施設園芸ハウス(11)の畝部(13)上面に配置する選択吸収性を備えたプラスチック樹脂製の集蓄熱パイプ(3)を収納する、高透過性を備えるプラスチック樹脂製の透明バッグ(2)とから成るものであり、集蓄熱パイプ(3)は、プラスチック樹脂製の継手具(4)を介して連通接続し、連続する集蓄熱パイプ(3)群の両外端には、集蓄熱パイプ(3)内への熱媒体(w)の注入及び排出する端具(4)を配置する、全プラスチック樹脂製の太陽集蓄熱パイプ体(1)。
  2. 太陽熱を吸収する集蓄熱パイプ表面(3a)がマット状で、黒色の集蓄熱パイプ(3)と、集蓄熱パイプ(3)より太径の透明バッグ(2)の包袋であり、集蓄熱パイプ(3)内には熱媒体(w)を充填し、集蓄熱パイプ(3)及び透明バッグ(2)との隙間は空気層(a)を形成する、請求項1に記載の太陽集蓄熱パイプ体(1)。
  3. プラスチック樹脂製の集蓄熱パイプ(3)を薄肉とし、自身の放熱伝導性に影響を与えず、熱媒体(w)に熱伝達する、請求項1及至2のいずれか1項に記載の太陽集蓄熱パイプ体(1)。
  4. 請求項1の太陽集蓄熱パイプ体(1)の使用方法であって、日中は、太陽集蓄熱パイプ体(1)下面と畝部(13)との間に、配置間隔を設けて、短寸で上側中央部に切欠(14)を備えた架台片(14)を配置して蓄熱し、夜間に架台片(14)を取外して、太陽集蓄熱パイプ体(1)を畝部(13)に当接載置することで、畝部(13)を加温する太陽集蓄熱パイプ体(1)。
  5. 請求項1の太陽集蓄熱パイプ体(1)の使用方法であって、日中は太陽集蓄熱パイプ体(1)を植物の丈の上部空中に停止して蓄熱し、夜間には太陽集蓄熱パイプ体(1)を畝間作土上に当接載置する事で日中蓄熱した太陽熱を土中に伝熱し、殖生域を加温する太陽集蓄熱パイプ体(1)
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