JP2018126037A - 電源装置および電気機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】突入電流を制限する電流制限素子を有する電源装置における消費電力をさらに削減すること。
【解決手段】電源装置はAC/DCコンバータと複数のDC/DCコンバータを有している。第一DC/DCコンバータ240の出力電力は第二DC/DCコンバータ280の出力電力よりも少ない。AC/DCコンバータは突入電流を電流制限素子261により低減する低減回路260を有している。前記電流制限素子と並列にバイパス素子262が接続されている。前記第一DC/DCコンバータには前記バイパス素子を駆動する駆動信号を生成する駆動回路が設けられている。スイッチ素子291は前記電流制限素子での消費電力が前記バイパス素子の駆動電力を超える状態では前記バイパス素子に駆動信号を供給し、前記電流制限素子での消費電力が前記バイパス素子の駆動電力を超えない状態では前記バイパス素子に駆動信号を供給しない。
【選択図】図3
【解決手段】電源装置はAC/DCコンバータと複数のDC/DCコンバータを有している。第一DC/DCコンバータ240の出力電力は第二DC/DCコンバータ280の出力電力よりも少ない。AC/DCコンバータは突入電流を電流制限素子261により低減する低減回路260を有している。前記電流制限素子と並列にバイパス素子262が接続されている。前記第一DC/DCコンバータには前記バイパス素子を駆動する駆動信号を生成する駆動回路が設けられている。スイッチ素子291は前記電流制限素子での消費電力が前記バイパス素子の駆動電力を超える状態では前記バイパス素子に駆動信号を供給し、前記電流制限素子での消費電力が前記バイパス素子の駆動電力を超えない状態では前記バイパス素子に駆動信号を供給しない。
【選択図】図3
Description
本発明は、突入電流を制限する電流制限素子を有した電源装置および電気機器に関する。
電源装置はトランスの一次側に平滑用のコンデンサを有しているが、このコンデンサに商用電源から大きな突入電流が流れる可能性がある。そこで、突入電流を制限するために電流制限抵抗が設けられる。電流制限抵抗によって突入電流が低減されるが、商用電源が電源装置に接続されている限りにおいて電流制限抵抗は常に電力を消費してしまう。そこで、特許文献1によれば、電流制限抵抗であるサーミスタと並列にバイパス素子であるトライアックを設けることが提案されている。突入電流が発生しない期間においては電流がサーミスタを迂回してトライアックを流れるため、電力消費が削減される。
ところで、画像形成装置などの電気機器は消費電力の異なる複数の動作モードを有しているが、動作モードに応じて負荷に流れる電流は異なる。そのため、電源装置は、負荷に流れる電流が少ないときに電源効率の良いコンバータと、負荷に流れる電流が多いときに電源効率の良いコンバータとを有してもよい。このような複数のコンバータはそれぞれ突入電流を低減する低減回路を必要とするため、その低減回路として特許文献1に記載された低減回路が採用されることがある。しかし、特許文献1は、電流制限抵抗により消費される電力が、バイパス素子を駆動するために必要となる電力よりも多いことを前提としている。したがって、電流制限抵抗により消費される電力が、バイパス素子を駆動するために必要となる電力よりも少なければ、消費電力の削減効果が生じない。そこで、本発明は、突入電流を制限する電流制限素子を有する電源装置における消費電力をさらに削減することを目的とする。
本発明によれば、たとえば、
第一整流回路と第一平滑回路とを有し、交流電圧を直流電圧に変換する第一AC/DCコンバータと、
トランスを用いて前記第一AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第一DC/DCコンバータと、
第二整流回路と第二平滑回路とを有し、交流電圧を直流電圧に変換する第二AC/DCコンバータと、
前記第一DC/DCコンバータよりも出力電力が大きく、かつ、前記第二AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第二DC/DCコンバータと、
前記第二AC/DCコンバータに設けられ、電流制限素子と、当該電流制限素子と並列接続されたバイパス素子とを有し、前記第二AC/DCコンバータに交流電源からの電力が供給るときに前記第二平滑回路に流れ込もうとする突入電流を前記電流制限素子により低減する低減回路と、
前記第一DC/DCコンバータに設けられ、前記バイパス素子を駆動する駆動信号を生成する駆動回路と、
前記電流制限素子で消費される電力が前記バイパス素子を駆動させるために必要となる電力を超える状態では、前記バイパス素子に前記駆動信号を供給し、前記電流制限素子で消費される電力が前記バイパス素子を駆動させるために必要となる電力を超えない状態では、前記バイパス素子に前記駆動信号を供給しない第一スイッチ素子と
を有することを特徴とする電源装置を提供する。
第一整流回路と第一平滑回路とを有し、交流電圧を直流電圧に変換する第一AC/DCコンバータと、
トランスを用いて前記第一AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第一DC/DCコンバータと、
第二整流回路と第二平滑回路とを有し、交流電圧を直流電圧に変換する第二AC/DCコンバータと、
前記第一DC/DCコンバータよりも出力電力が大きく、かつ、前記第二AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第二DC/DCコンバータと、
前記第二AC/DCコンバータに設けられ、電流制限素子と、当該電流制限素子と並列接続されたバイパス素子とを有し、前記第二AC/DCコンバータに交流電源からの電力が供給るときに前記第二平滑回路に流れ込もうとする突入電流を前記電流制限素子により低減する低減回路と、
前記第一DC/DCコンバータに設けられ、前記バイパス素子を駆動する駆動信号を生成する駆動回路と、
前記電流制限素子で消費される電力が前記バイパス素子を駆動させるために必要となる電力を超える状態では、前記バイパス素子に前記駆動信号を供給し、前記電流制限素子で消費される電力が前記バイパス素子を駆動させるために必要となる電力を超えない状態では、前記バイパス素子に前記駆動信号を供給しない第一スイッチ素子と
を有することを特徴とする電源装置を提供する。
本発明によれば、突入電流を制限する電流制限素子を有する電源装置における消費電力がさらに削減される。
<実施例1>
●画像形成装置
図1は電源装置から電力を供給されて動作する電気機器の一例である画像形成装置100を示す。画像形成装置100は原稿読取装置120とプリンタ部140とを有する複写機である。なお、原稿読取装置120は省略されてもよい。プリンタ部140は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いてそれぞれトナー画像を形成する四つの像形成ステーションを有している。参照番号の末尾に付与されたy、m、c、kの文字はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを意味している。この色を示す文字は、四つのステーションに共通する事項が説明される際には、省略される。感光体ドラム101は静電潜像やトナー画像を担持する像担持体である。作像装置102は感光体ドラム101の表面を一様の電位となるように帯電させる帯電器と、トナーを静電潜像に付着させて現像してトナー画像を生成する現像器とを有している。露光装置103は、一様に帯電した感光体ドラム101の表面に光Eを照射して静電潜像を形成する。一次転写器104は、感光体ドラム101に担持されているトナー画像を中間転写体105に転写する。中間転写体105は無端状のベルトであり、駆動ローラ106によって駆動されて回転する。中間転写体105上にはそれぞれ異なる色のトナー画像が重畳的に転写され、多色画像が形成される。中間転写体105はトナー画像を二次転写部に搬送する。
●画像形成装置
図1は電源装置から電力を供給されて動作する電気機器の一例である画像形成装置100を示す。画像形成装置100は原稿読取装置120とプリンタ部140とを有する複写機である。なお、原稿読取装置120は省略されてもよい。プリンタ部140は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いてそれぞれトナー画像を形成する四つの像形成ステーションを有している。参照番号の末尾に付与されたy、m、c、kの文字はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを意味している。この色を示す文字は、四つのステーションに共通する事項が説明される際には、省略される。感光体ドラム101は静電潜像やトナー画像を担持する像担持体である。作像装置102は感光体ドラム101の表面を一様の電位となるように帯電させる帯電器と、トナーを静電潜像に付着させて現像してトナー画像を生成する現像器とを有している。露光装置103は、一様に帯電した感光体ドラム101の表面に光Eを照射して静電潜像を形成する。一次転写器104は、感光体ドラム101に担持されているトナー画像を中間転写体105に転写する。中間転写体105は無端状のベルトであり、駆動ローラ106によって駆動されて回転する。中間転写体105上にはそれぞれ異なる色のトナー画像が重畳的に転写され、多色画像が形成される。中間転写体105はトナー画像を二次転写部に搬送する。
給紙カセット108はシートPを収容する収容庫である。ピックアップローラ109はシートPをピックアップして搬送路へ送り出す。搬送ローラ110、113はシートPをさらに下流側に搬送する。レジストローラ111は、トナー画像が二次転写部に到着するタイミングと、シートPが二次転写部に到着するタイミングとを調整して、シートPを二次転写部に供給する。
二次転写部は、中間転写体105と二次転写ローラ107とによって構成されている。二次転写ローラ107は、中間転写体105とともにシートPを挟持しながら搬送することで、中間転写体105が担持しているトナー画像をシートPに転写する。定着器112は、トナー画像とシートPとに熱と圧力を加え、トナー画像をシートP上に定着させる。排紙ローラ114は、シートPを排出する。
操作部115は、操作者に対して情報を表示する表示装置と、操作者により入力される情報を受け付ける入力装置とを有している。電源スイッチ116は、画像形成装置100の動作の開始や停止を指示するためのスイッチである。演算回路130は、画像形成装置100の全体を制御するCPUなどを含む。電源装置150は、商用電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換し、各種の負荷に供給する。負荷は、たとえば、演算回路130、モータ、センサー、高圧電源などである。高圧電源は帯電電圧を帯電器に供給したり、現像電圧を現像器に供給したり、一次転写電圧を一次転写器104に供給したり、二次転写ローラ107に二次転写電圧を供給したりする。
●画像形成装置の電力系統
図2が示すように、商用電源295から電力の供給を受ける電源装置150は、小電力電源201と大電力電源202とを有している。小電力電源201と大電力電源202はそれぞれAC/DCコンバータとその後段に接続されるDC/DCコンバータとを有している。画像形成装置100は複数の動作モードを有しているが、複数の動作モードはそれぞれ必要とする電力が異なることがある。小電力の動作モードで電源効率が高くなる単独の電源だけでは、大電力の動作モードにおいて電源効率が低下する。一方で、大電力の動作モードで電源効率が高くなる単独の電源だけでは、小電力の動作モードにおいて電源効率が低下する。そこで、大電力の動作モードでは大電力電源202に電力を供給させ、小電力の動作モードでは大電力電源202を停止させることで、電源装置150の全体として電源効率が向上する。なお、小電力電源201は常時動作していてもよい。小電力電源201は演算回路130、ロジック回路131およびセンサー132に電力を供給する電源回路である。ロジック回路131は、モータの駆動やセンサーを制御する論理回路の集合体である。センサー132は、操作者の操作を検知するためのセンサーであり、たとえば、操作部115に設けられている。
図2が示すように、商用電源295から電力の供給を受ける電源装置150は、小電力電源201と大電力電源202とを有している。小電力電源201と大電力電源202はそれぞれAC/DCコンバータとその後段に接続されるDC/DCコンバータとを有している。画像形成装置100は複数の動作モードを有しているが、複数の動作モードはそれぞれ必要とする電力が異なることがある。小電力の動作モードで電源効率が高くなる単独の電源だけでは、大電力の動作モードにおいて電源効率が低下する。一方で、大電力の動作モードで電源効率が高くなる単独の電源だけでは、小電力の動作モードにおいて電源効率が低下する。そこで、大電力の動作モードでは大電力電源202に電力を供給させ、小電力の動作モードでは大電力電源202を停止させることで、電源装置150の全体として電源効率が向上する。なお、小電力電源201は常時動作していてもよい。小電力電源201は演算回路130、ロジック回路131およびセンサー132に電力を供給する電源回路である。ロジック回路131は、モータの駆動やセンサーを制御する論理回路の集合体である。センサー132は、操作者の操作を検知するためのセンサーであり、たとえば、操作部115に設けられている。
ダイオードブリッジ210は、商用電源295から供給された交流を整流する整流回路である。平滑コンデンサ230は、ダイオードブリッジ210から出力される電圧を平滑する平滑回路である。このようにダイオードブリッジ210と平滑コンデンサ230はAC/DCコンバータを形成している。パワーサーミスタ220は、ダイオードブリッジ210と平滑コンデンサ230との間に設けられ、突入電流を制限する電流制限素子である。平滑コンデンサ230の後段に絶縁タイプ(トランスを使用)の小電力コンバータ240が接続されている。小電力コンバータ240はDC/DCコンバータである。小電力コンバータ240の出力電圧は演算回路130、ロジック回路131およびセンサー132に供給される。これらは負荷の一例に過ぎない。
大電力電源202は、駆動回路133、高圧電源134および露光装置103などに電力を供給する電源回路である。ダイオードブリッジ250は、商用電源295から供給された交流を整流する整流回路である。平滑コンデンサ270は、ダイオードブリッジ250から出力される電圧(脈流)を平滑する平滑回路である。このようにダイオードブリッジ250と平滑コンデンサ270はAC/DCコンバータを形成している。低減回路260は、ダイオードブリッジ250と平滑コンデンサ270との間に設けられ、突入電流を制限する電流制限素子を含む回路である。平滑コンデンサ270の後段には絶縁タイプの大電力コンバータ280が接続されている。大電力コンバータ280はDC/DCコンバータである。大電力コンバータ280の出力電圧は、駆動回路133、高圧電源134、露光装置103等に供給される。駆動回路133は、搬送ローラ110を駆動するモータやピックアップローラ109を駆動するソレノイドなどを駆動する回路である。高圧電源134は作像装置102や一次転写器104、二次転写ローラ107に印加する高電圧を生成する電源回路である。これらの負荷は主に画像形成が実行されるときに動作する負荷であり、演算回路130などと比較して多くの電力を必要とする。
●画像形成装置の動作モード
(1)OFFモードは、操作者が電源スイッチ116を操作したときに画像形成装置100が遷移する動作モードである。OFFモードでは、画像形成装置100が備える様々な機能のうちほとんどの機能が停止し、演算回路130などの最小限の機能にだけ電力が供給される。
(1)OFFモードは、操作者が電源スイッチ116を操作したときに画像形成装置100が遷移する動作モードである。OFFモードでは、画像形成装置100が備える様々な機能のうちほとんどの機能が停止し、演算回路130などの最小限の機能にだけ電力が供給される。
(2)スリープモードは、画像形成装置100において画像が形成されない時間が所定時間を超えると、消費電力を削減するために画像形成装置100が遷移する動作モードである。なお、操作部115を通じてスリープモードへの遷移が操作者により指示されてもよい。画像形成装置100がスリープモードに遷移すると、操作者がジョブの実行を指示してからジョブが開始されるまでの時間が比較的に長くなる。スリープモードから画像形成を実行可能なモードに遷移する際に、画像形成装置100は、準備処理を実行する。たとえば、画像形成装置100は、トナー画像の濃度調整などを実行したり、搬送路にシートPが残量しているかどうかをチェックしたりする。そのため、ジョブが開始されるまでの待ち時間が長くなる。
(3)スタンバイモードは、操作者がジョブの実行を指示してからジョブが開始されるまでの時間が比較的に短い動作モードである。スタンバイモードでは、すぐに画像形成を開始できるようにするために、スリープモードと比較して多くの機能に電力が供給される。つまり、スタンバイモードの消費電力は、スリープモードの消費電力よりも多い。ただし、スタンバイモードでの消費電力は、以下で説明されるジョブモードの消費電力よりは少ない。
(4)ジョブモードは、プリント、スキャン、コピーなどのジョブが実行される動作モードである。ジョブモードの消費電力は他のモードの消費電力よりも多い。
(4)ジョブモードは、プリント、スキャン、コピーなどのジョブが実行される動作モードである。ジョブモードの消費電力は他のモードの消費電力よりも多い。
小電力電源201は、電源装置150が商用電源に接続されているときは常時動作している。一方、大電力電源202は、演算回路130から出力される制御信号に基づき、動作したり、停止したりする。
●コンバータの回路構成
図3は小電力コンバータ240と大電力コンバータ280とを説明する図である。小電力電源201では、平滑コンデンサ230が充電されると、平滑コンデンサ230の両端電圧はVaとなる。平滑コンデンサ230が充電されている間は、突入電流がパワーサーミスタ220により低減される。第一制御回路241は電圧Vaを供給されることで動作を開始する。
図3は小電力コンバータ240と大電力コンバータ280とを説明する図である。小電力電源201では、平滑コンデンサ230が充電されると、平滑コンデンサ230の両端電圧はVaとなる。平滑コンデンサ230が充電されている間は、突入電流がパワーサーミスタ220により低減される。第一制御回路241は電圧Vaを供給されることで動作を開始する。
小電力コンバータ240の第一制御回路241が動作を開始すると、第一制御回路241はFET242のゲート端子にスイッチング信号を出力する。スイッチング信号によりFET242はスイッチングを行い、トランス243の一次巻線243aへの電圧印加がオンオフされる。トランス243は、一次巻線243aへの電圧印加がオンオフされると、二次巻線243b、補助巻線243c、補助巻線243dにそれぞれ巻数比に比例した交流電圧を発生する。補助巻線243cに発生した交流電圧はダイオード246で整流され、さらにコンデンサ247で平滑されて、直流の電圧Vbに変換される。つまり、補助巻線243c、ダイオード246およびコンデンサ247は電圧Vbを生成する電源回路212を形成している。第一制御回路241に電源回路212からの電圧Vbが供給されると、第一制御回路241は、平滑コンデンサ230からの電力供給を遮断する。なお、第一制御回路241内の電圧Vaに直列なラインに設けられている不図示の半導体スイッチをOFFすることで平滑コンデンサ230からの電力供給が遮断される。つまり、第一制御回路241は、動作に使用する電圧の供給を電圧Vaから電圧Vbに切り替え、動作を継続する。なお、電圧Vbはスイッチ素子290を介して第二制御回路281にも供給される。なお、電圧Vaと電圧Vbとが乖離している場合、電圧Vaを電圧Vbに降圧する降圧回路が設けられる。
補助巻線243dに発生した交流電圧はダイオード248で整流され、さらに、平滑コンデンサ249で平滑され、直流の電圧Vcに変換される。電圧Vcはスイッチ素子291を介してサイリスタ262に供給される。つまり、補助巻線243d、ダイオード248および平滑コンデンサ249は、サイリスタ262を駆動するための電圧Vcを生成する電源回路211を形成している。
二次巻線243bに発生した交流電圧はダイオード244で整流され、コンデンサ245で平滑され、所定の直流電圧に変換される。所定の直流電圧は負荷である演算回路130、ロジック回路131およびセンサー132に供給される。演算回路130は小電力コンバータ240から供給される電圧で動作する。演算回路130は、画像形成装置100の動作モードに応じた第一リモート信号Sig1と第二リモート信号Sig2を出力する。
図4(A)が示すように、画像形成装置100がOFFモードまたはスリープモードに遷移すると、演算回路130は第一リモート信号Sig1と第二リモート信号Sig2をオフに設定する。第一リモート信号Sig1がオンからオフに切り替わると、スイッチ素子291は導通から非導通に切り替わる。スイッチ素子291が導通から非導通に切り替わると、サイリスタ262も導通から非導通に切り替わる。つまり、低減回路260において、電流はサイリスタ262に代えて抵抗261を通過するようになる。第二リモート信号Sig2がオンからオフに切り替わると、スイッチ素子290が導通から非導通に切り替わる。これにより、大電力コンバータ280の第二制御回路281が電源を失い、動作を停止する。このように動作モードがOFFモードまたはスリープモードであるときに、大電力コンバータ280も動作を停止する。これにより、スタンバイモードやジョブモードに比べて画像形成装置100の消費電力が大幅に削減される。なお、大電力コンバータ280が停止すると、抵抗261で消費される電力は、サイリスタ262を導通させるために必要となる電力よりも少なくなる。よって、OFFモードやスリープモードではサイリスタ262のゲートに印加される第一リモート信号Sig1がオンからオフに切り替えられる。
図4(A)が示すように、画像形成装置100がスタンバイモードに遷移すると、演算回路130は第一リモート信号Sig1をオフに設定し、第二リモート信号Sig2をオンに設定する。第一リモート信号Sig1がオンからオフになると、スイッチ素子291は導通から非導通に切り替わる。これにより、サイリスタ262が導通から非導通に切り替わる。第二リモート信号Sig2がオンのときに、スイッチ素子290は導通する。つまり、電圧Vbが大電力コンバータ280の第二制御回路281に供給され、第二制御回路281が動作を開始する。第二制御回路281はスイッチング素子であるFET282およびFET283を駆動し、トランス284の一次巻線284aに交流電圧を印加する。なお、FET282およびFET283、トランス284、コンデンサ285、ダイオード286およびダイオード287は、LLC電流共振タイプの電源回路を形成している。二次巻線284b、284cに発生した交流電圧はダイオード286およびダイオード287で整流され、コンデンサ288で平滑される。大電力コンバータ280が生成した直流電圧は、負荷である駆動回路133、高圧電源134、露光装置103などに供給される。このように動作モードがスタンバイモードのときに、大電力コンバータ280は動作して、出力電圧を負荷に供給する。負荷に電流が流れることで、トランス284の一次側にも電流が流れるが、この電流はサイリスタ262に代えて、電流制限素子である抵抗261を通過する。ただし、スタンバイモードにおいて負荷に流れる電流はジョブモードにおいて負荷に流れる電流よりも少ない。そのため、スタンバイモードにおいて一次側に流れる電流はジョブモードにおいて一次側に流れる電流よりも少ない。しかも、スタンバイモードにおいて抵抗261で消費される電力は、サイリスタ262を導通させるために必要となる電力よりも少ない。よって、サイリスタ262に電力を供給せずに、抵抗261に一次側の電流を通過させることで、低減回路260における電力損失が減少する。
図4(A)が示すように、動作モードがジョブモードであるときに、演算回路130は第一リモート信号Sig1をオンに設定し、第二リモート信号Sig2をオンに設定する。第一リモート信号Sig1がオンになると、スイッチ素子291が導通する。これにより、電圧Vcがサイリスタ262に供給され、サイリスタ262が導通する。サイリスタ262の導通抵抗は抵抗261の抵抗値よりもずっと小さいため、電流がサイリスタ262を通過する。第二リモート信号Sig2がオンになると、スイッチ素子290が導通する。これにより電圧Vbが第二制御回路281に供給される。第二制御回路281は大電力コンバータ280が所定の直流電圧を負荷に出力するように駆動信号をFET282とFET283にそれぞれ供給する。このように動作モードがジョブモードであるときに、大電力コンバータ280は動作して出力電圧を負荷に供給する。大電力コンバータ280が負荷へ供給する電力が多くなると、トランス243の一次側に流れる電流が増大する。仮に、ジョブモードでの一次側電流が抵抗261に流れたとすると、抵抗261が消費する電力がサイリスタ262を導通させるために必要となる電力を上回ってしまう。そのため、抵抗261に代えてサイリスタ262に一次側電流を通過させることで、低減回路260での電力損失が小さくなる。
抵抗261はパワーサーミスタであってもよい。サイリスタ262は導通抵抗が抵抗261の抵抗値より小さいトライアックでもよいし、リレーであってもよい。低減回路260は正の電圧側に設けられているが、負の電圧側に設けられていてもよい。あるいは、低減回路260が、商用電源295とダイオードブリッジ250との間に配置されてもよい。小電力コンバータ240と大電力コンバータ280のそれぞれのコンバータ方式には制約はなく、図3に示した方式とは異なる方式が採用されてもよい。ダイオードブリッジ250と平滑コンデンサ270の間に力率改善回路が設けられてもよい。図3において、サイリスタ262を導通させる第一リモート信号Sig1と、大電力コンバータ280を動作させる第二リモート信号Sig2は、それぞれ独立した信号である。スタンバイモードにおいて抵抗261が消費する電力がサイリスタ262を導通するために必要となる電力を上回るケースでは、これらが共通信号とされてもよい。つまり、スタンバイモードにおいてサイリスタ262が導通することで、低減回路260で電力損失が小さくなる。
<実施例2>
実施例1では、小電力電源201と大電力電源202がそれぞれ一次側に整流回路、平滑回路および突入電流の低減回路を有していた。実施例2では、小電力電源201と大電力電源202が一次側の整流回路、平滑回路および突入電流の低減回路を共有することに一つの特徴がある。また、実施例1と実施例2とでは画像形成装置100が有する動作モードが異なっている。
実施例1では、小電力電源201と大電力電源202がそれぞれ一次側に整流回路、平滑回路および突入電流の低減回路を有していた。実施例2では、小電力電源201と大電力電源202が一次側の整流回路、平滑回路および突入電流の低減回路を共有することに一つの特徴がある。また、実施例1と実施例2とでは画像形成装置100が有する動作モードが異なっている。
図5は実施例2の電源系統を示している。図5において図2と共通する機能には同一の参照符号が付与されており、実施例1における説明が援用される。図5が示すように、小電力電源201と大電力電源202とが、ダイオードブリッジ210、低減回路260および平滑コンデンサ230を共有している。これにより部品点数が削減され、製造コストが減少する。
実施例2にかかる画像形成装置100は、すでに説明されたOFFモード、スタンバイモードおよびジョブモードに加え、以下のような複数の動作モードを有している。第一スリープモードは実施例1におけるスリープモードと同様の動作モードである。第二スリープモードは、画像形成装置100において画像が形成されない時間が所定時間を超えると、消費電力を削減するために画像形成装置100が遷移する動作モードである点で第一スリープモードと同じである。ただし、第二スリープモードでは、演算回路130とそれに接続されるオプション機器で大きな電力が使用される。オプション機器としては、たとえば、USB機器や課金システム、ファクシミリ回路などがある。演算回路130はオプション機器を制御するために電力を消費する。つまり、第二スリープモードの消費電力は第一スリープモードの消費電力よりも多い。
図6は実施例2の電源装置150を詳細に示している。図6において図3と共通する機能には同一の参照符号が付与されており、実施例1における説明が援用される。商用電源295から供給される交流電圧はダイオードブリッジ210により全波整流され、平滑コンデンサ230を充電する。商用電源295から交流電圧の供給が開始された直後においては演算回路130が動作を開始していないため、第一リモート信号Sig1はオフであり、スイッチ素子291もオフである。したがって、低減回路260のサイリスタ262には駆動信号が供給されず、非導通となる。その結果、平滑コンデンサ230に流れ込もうとする突入電流は抵抗261を通過して減少する。平滑された電圧Vaにより第一制御回路241が動作を開始する。これにより、小電力電源201から電力が供給され、演算回路130も動作を開始する。
図4(B)が示すように、演算回路130は動作モードに応じて第一リモート信号Sig1と第二リモート信号Sig2を出力する。動作モードがOFFモードまたは第一スリープモードであるときに、演算回路130は第一リモート信号Sig1をオフに設定し、第二リモート信号Sig2もオフに設定する。第一リモート信号Sig1がオフであるため、スイッチ素子291が非導通となり、サイリスタ262が非導通となる。第二リモート信号Sig2もオフであるため、スイッチ素子290が非導通となり、第二制御回路281は動作を停止する。このようにOFFモードと第一スリープモードのときにはサイリスタ262が非導通となり、大電力コンバータ280の動作が停止する。これはOFFモードと第一スリープモードにおける消費電力の節約効果をもたらす。
図4(B)が示すように、動作モードが第二スリープモードであるときに、演算回路130は第一リモート信号Sig1をオンに設定し、第二リモート信号Sig2をオフに設定する。第一リモート信号Sig1がオンであるため、スイッチ素子291は導通する。つまり、平滑コンデンサ249などにより生成された電圧Vcがスイッチ素子291を介してサイリスタ262に供給され、サイリスタ262が導通する。また、第二リモート信号Sig2がオフでるため、スイッチ素子290が非導通となる。これにより、コンデンサ247などにより生成された電圧Vbが第二制御回路281に供給されなくなる。つまり、大電力コンバータ280が停止する。これは第二スリープモードにおける消費電力の節約効果をもたらす。このように第二スリープモードにおいて小電力コンバータ240は動作しているが、大電力コンバータ280は停止する。第二スリープモードでは、第一スリープモードと比較して、通信回路等が動作しているために、より多くの電力を消費する。つまり、抵抗261が消費する電力がサイリスタ262を導通させために必要となる電力を上回る。よって、演算回路130はサイリスタ262を導通させることで、抵抗261の代わりに電流を流し、低減回路260における損失を低減する。
図4(B)が示すように動作モードがスタンバイモードまたはジョブモードであるときに、演算回路130は第一リモート信号Sig1をオンに設定し、第二リモート信号Sig2もオンに設定する。第一リモート信号Sig1がオンであるため、スイッチ素子291が導通する。つまり、電圧Vcがサイリスタ262のゲートに供給され、サイリスタ262が導通する。これにより、電流は抵抗261に代えてサイリスタ262を通過するようになる。つまり、低減回路260における損失が減少する。第二リモート信号Sig2がオンになると、スイッチ素子290が導通する。これにより電圧Vbが第二制御回路281に供給され、第二制御回路281が動作を開始する。つまり、大電力コンバータ280が負荷に対して電力の供給を開始する。このようにスタンバイモードやジョブモードでは、大電力コンバータ280が動作するため、他の動作モードよりも多くの電流が低減回路260を通過することになる。仮にこの電流が抵抗261に流れると抵抗261が消費する電力がサイリスタ262を導通させるために必要となる電力を上回ってしまう。そこで、抵抗261に代わってサイリスタ262が電流を通過させることで、低減回路260における損失が減少する。
<まとめ>
図3や図6などに示したように、ダイオードブリッジ210は第一整流回路の一例である。平滑コンデンサ230は第一平滑回路の一例である。ダイオードブリッジ210と平滑コンデンサ230は交流電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換する第一AC/DCコンバータを形成している。商用電源295は交流電源の一例である。小電力コンバータ240はトランス243を用いて第一AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第一DC/DCコンバータの一例である。ダイオードブリッジ250は第二整流回路の一例である。平滑コンデンサ270は第二平滑回路の一例である。ダイオードブリッジ250と平滑コンデンサ270は商用電源295から供給された交流電圧を直流電圧に変換する第二AC/DCコンバータの一例である。大電力コンバータ280は小電力コンバータ240よりも出力電力が大きく、かつ、第二AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第二DC/DCコンバータの一例である。低減回路260は、第二AC/DCコンバータに設けられ、電流制限素子と、当該電流制限素子と並列接続されバイパス素子とを有する低減回路の一例である。低減回路260は、第二AC/DCコンバータに商用電源295からの電力供給されるときに平滑コンデンサ270に流れ込もうとする突入電流を電流制限素子により低減する低減回路の一例である。抵抗261は電流制限素子の一例である。サイリスタ262はバイパス素子の一例である。電源回路211は小電力コンバータ240に設けられ、サイリスタ262を駆動する駆動信号を生成する駆動回路の一例である。スイッチ素子291は、抵抗261で消費される電力がサイリスタ262を駆動させるために必要となる電力を超えるかまたは超えようとする状態では、サイリスタ262に駆動信号を供給する第一スイッチ素子の一例である。スイッチ素子291は、抵抗261で消費される電力がサイリスタ262を駆動させるために必要となる電力を超えていない状態(超える可能性がない状態)では、サイリスタ262に駆動信号を供給しない。とりわけ、本実施例によれば、バイパス素子であるサイリスタ262の駆動信号が、小電力コンバータ240内の電源回路211により生成される。そのため、突入電流を制限する電流制限素子を有する電源装置150における消費電力がさらに削減される。
図3や図6などに示したように、ダイオードブリッジ210は第一整流回路の一例である。平滑コンデンサ230は第一平滑回路の一例である。ダイオードブリッジ210と平滑コンデンサ230は交流電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換する第一AC/DCコンバータを形成している。商用電源295は交流電源の一例である。小電力コンバータ240はトランス243を用いて第一AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第一DC/DCコンバータの一例である。ダイオードブリッジ250は第二整流回路の一例である。平滑コンデンサ270は第二平滑回路の一例である。ダイオードブリッジ250と平滑コンデンサ270は商用電源295から供給された交流電圧を直流電圧に変換する第二AC/DCコンバータの一例である。大電力コンバータ280は小電力コンバータ240よりも出力電力が大きく、かつ、第二AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第二DC/DCコンバータの一例である。低減回路260は、第二AC/DCコンバータに設けられ、電流制限素子と、当該電流制限素子と並列接続されバイパス素子とを有する低減回路の一例である。低減回路260は、第二AC/DCコンバータに商用電源295からの電力供給されるときに平滑コンデンサ270に流れ込もうとする突入電流を電流制限素子により低減する低減回路の一例である。抵抗261は電流制限素子の一例である。サイリスタ262はバイパス素子の一例である。電源回路211は小電力コンバータ240に設けられ、サイリスタ262を駆動する駆動信号を生成する駆動回路の一例である。スイッチ素子291は、抵抗261で消費される電力がサイリスタ262を駆動させるために必要となる電力を超えるかまたは超えようとする状態では、サイリスタ262に駆動信号を供給する第一スイッチ素子の一例である。スイッチ素子291は、抵抗261で消費される電力がサイリスタ262を駆動させるために必要となる電力を超えていない状態(超える可能性がない状態)では、サイリスタ262に駆動信号を供給しない。とりわけ、本実施例によれば、バイパス素子であるサイリスタ262の駆動信号が、小電力コンバータ240内の電源回路211により生成される。そのため、突入電流を制限する電流制限素子を有する電源装置150における消費電力がさらに削減される。
図3などに示したように、電源回路211は、補助巻線243dやダイオード248、平滑コンデンサ249により構成されてもよい。補助巻線243dは小電力コンバータ240に設けられたトランス243の第一補助巻線の一例である。ダイオード248は、補助巻線243dに発生した交流を整流する整流素子の一例である。平滑コンデンサ249は、ダイオード248により生成された脈流を平滑する平滑素子の一例である。このような簡単な回路素子によりサイリスタ262を駆動することが可能となる。
演算回路130は、小電力コンバータ240から供給された電力により動作するコントローラの一例である。演算回路130は、抵抗261で消費される電力がサイリスタ262を駆動させるために必要となる電力を超える状況が生じると、スイッチ素子291を導通させてサイリスタ262に駆動信号を供給する。また、演算回路130は、抵抗261で消費される電力がサイリスタ262を駆動させるために必要となる電力を超える状況が生じていなければ、スイッチ素子291を非導通にすることでサイリスタ262に駆動信号を供給しない。このように、演算回路130は、低減回路260での消費電力が少なくなるようにスイッチ素子291を切り替える。
図4(A)や図4(B)などを用いて説明したように、演算回路130は、大電力コンバータ280の負荷の動作モードに応じてスイッチ素子291を制御してもよい。これにより、動作モードに応じて低減回路260で消費される電力が削減される。とりわけ、画像形成装置100は、消費電力の異なる複数の動作モードを有しているため、電源効率の観点から複数のコンバータを有する電源装置150を必要とする。また、各コンバータについて突入電流を低減する回路が設けられる。とりわけ、大電力コンバータ280の低減回路260については小電力コンバータ240からサイリスタ262の駆動電圧を供給することで、突入電流を低減しつつ、消費電力を削減することが可能となる。
電源回路212は、小電力コンバータ240に設けられ、トランス243の第二補助巻線である補助巻線243cに発生する交流電圧を整流および平滑して電源電圧を生成する電源回路の一例である。第二制御回路281は、大電力コンバータ280に設けられ、小電力コンバータ240の電源回路から電源電圧を供給されると大電力コンバータ280を起動する制御回路の一例である。第二制御回路281は、小電力コンバータ240の電源回路から電源電圧の供給が遮断されると大電力コンバータ280を停止する。スイッチ素子290は、演算回路130が大電力コンバータ280の負荷の動作モードに応じて出力する切替信号に基づき電源回路212からの電源電圧を第二制御回路281に供給するか供給しないかを切り替える第二スイッチ素子の一例である。図4(A)が示すように、負荷の動作モードがスリープモードおよびスタンバイモードであるときに駆動信号はオフレベルとなる。負荷の動作モードがスリープモードであるときに切替信号はオフレベルとなる。負荷の動作モードがスタンバイモードであるときに切替信号はオンレベルとなる。
パワーサーミスタ220は、第一AC/DCコンバータにおいてダイオードブリッジ210と平滑コンデンサ230との間に設けられた抵抗素子の一例である。パワーサーミスタ220は、商用電源295からの電力が第一AC/DCコンバータに供給されたときに平滑コンデンサ230に流れ込もうとする突入電流を低減する。これにより、平滑コンデンサ230に流れ込もうとする突入電流が効率よく削減される。とりわけ、小電力コンバータ240に接続される負荷が消費する電力は少ないため、パワーサーミスタ220で消費される電力も少ない。よって、バイパス素子をパワーサーミスタ220に並列接続する必要はない。これにより、バイパス素子やこれを駆動する駆動回路も不要となるため、製造コストが削減される。
図5や図6に示したように、第一AC/DCコンバータと第二AC/DCコンバータは同一のAC/DCコンバータであってもよい。このようにAC/DCコンバータを一つにまとめることで、製造コストが削減される。この場合にも低減回路260での消費電力が少なくなるようにバイパス素子が有効化されたり、無効化されたりする。
電流制限素子の一例として抵抗素子である抵抗261が説明された。しかし、電流制限素子はパワーサーミスタなどであってもよい。バイパス素子の一例として、サイリスタ262が説明された。しかし、バイパス素子はトライアックまたはリレーなど、電流制限素子よりも抵抗が小さい状態と抵抗がほぼ無限大となる状態とを切り替え可能な素子であればよい。
電気機器の一例として画像形成装置100が説明された。しかし、電気機器は、電源装置150と、電源装置150から電力を供給されて動作する負荷とを有していればよい。演算回路130は、CPUと、CPUにより実行される制御プログラムを記憶する記憶装置とを有していてもよい。CPUは、画像形成装置100の動作モードを監視しており、動作モードに対応した第一リモート信号Sig1と第二リモート信号Sig2とを出力してもよい。また、記憶装置は図4(A)や図4(B)に示したような動作モードと制御信号と関係を保持したテーブルなどを記憶していてもよい。CPUは、画像形成装置100の動作モードが変わるたびにテーブルを参照して、動作モードに対応する制御信号を出力してもよい。
150…電源装置、211…電源回路、240…小電力コンバータ、260…低減回路、280…大電力コンバータ、291…スイッチ素子、295…商用電源
Claims (14)
- 第一整流回路と第一平滑回路とを有し、交流電圧を直流電圧に変換する第一AC/DCコンバータと、
トランスを用いて前記第一AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第一DC/DCコンバータと、
第二整流回路と第二平滑回路とを有し、交流電圧を直流電圧に変換する第二AC/DCコンバータと、
前記第一DC/DCコンバータよりも出力電力が大きく、かつ、前記第二AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第二DC/DCコンバータと、
前記第二AC/DCコンバータに設けられ、電流制限素子と、当該電流制限素子と並列接続されたバイパス素子とを有し、前記第二AC/DCコンバータに交流電源からの電力が供給されるときに前記第二平滑回路に流れ込もうとする突入電流を前記電流制限素子により低減する低減回路と、
前記第一DC/DCコンバータに設けられ、前記バイパス素子を駆動する駆動信号を生成する駆動回路と、
前記電流制限素子で消費される電力が前記バイパス素子を駆動させるために必要となる電力を超える状態では、前記バイパス素子に前記駆動信号を供給し、前記電流制限素子で消費される電力が前記バイパス素子を駆動させるために必要となる電力を超えない状態では、前記バイパス素子に前記駆動信号を供給しない第一スイッチ素子と
を有することを特徴とする電源装置。 - 前記駆動回路は、
前記第一DC/DCコンバータに設けられた前記トランスの第一補助巻線と、
前記第一補助巻線に発生した交流を整流する整流素子と、
前記整流素子により生成された脈流を平滑する平滑素子と
を有することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 前記第一DC/DCコンバータから供給された電力により動作するコントローラをさらに有し、
前記コントローラは、前記電流制限素子で消費される電力が前記バイパス素子を駆動させるために必要となる電力を超える状態では、前記第一スイッチ素子を導通させて前記バイパス素子に前記駆動信号を供給し、前記電流制限素子で消費される電力が前記バイパス素子を駆動させるために必要となる電力を超えない状態では、前記第一スイッチ素子を非導通にすることで前記バイパス素子に前記駆動信号を供給しないことを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。 - 前記第一DC/DCコンバータから供給された電力により動作するコントローラをさらに有し、
前記コントローラは、前記第二DC/DCコンバータの負荷の動作モードに応じて前記第一スイッチ素子を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。 - 前記負荷は画像形成装置であることを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
- 前記第一DC/DCコンバータに設けられ、前記トランスの第二補助巻線に発生する交流電圧を整流および平滑して電源電圧を生成する電源回路と、
前記第二DC/DCコンバータに設けられ、前記第一DC/DCコンバータの前記電源回路から前記電源電圧を供給されると前記第二DC/DCコンバータを起動し、前記第一DC/DCコンバータの前記電源回路から前記電源電圧の供給が遮断されると前記第二DC/DCコンバータを停止する制御回路と、
前記コントローラが前記第二DC/DCコンバータの負荷の動作モードに応じて出力する切替信号に基づき前記電源回路からの電源電圧を前記制御回路に供給するか供給しないかを切り替える第二スイッチ素子と
をさらに有することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の電源装置。 - 前記負荷の動作モードがスリープモードおよびスタンバイモードであるときに前記駆動信号はオフレベルとなり、
前記負荷の動作モードが前記スリープモードであるときに前記切替信号はオフレベルとなり、
前記負荷の動作モードが前記スタンバイモードであるときに前記切替信号はオンレベルとなることを特徴とする請求項6に記載の電源装置。 - 前記第一AC/DCコンバータは、前記第一整流回路と前記第一平滑回路との間に設けられ、前記交流電源が前記第一AC/DCコンバータに接続されたときに前記第一平滑回路に流れ込もうとする突入電流を低減する抵抗素子をさらに有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の電源装置。
- 前記第一AC/DCコンバータと前記第二AC/DCコンバータは同一のAC/DCコンバータであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の電源装置。
- 整流回路と平滑回路とを有し、交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータと、
トランスを用いて前記AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第一DC/DCコンバータと、
前記第一DC/DCコンバータよりも出力電力が大きく、かつ、前記AC/DCコンバータから出力される直流電圧のレベルを変換する第二DC/DCコンバータと、
前記AC/DCコンバータに設けられ、電流制限素子と、当該電流制限素子と並列接続されたバイパス素子とを有し、前記AC/DCコンバータに交流電源からの電力が供給されるときに前記平滑回路に流れ込もうとする突入電流を前記電流制限素子により低減する低減回路と、
前記第一DC/DCコンバータに設けられ、前記バイパス素子を駆動する駆動信号を生成する駆動回路と、
前記電流制限素子で消費される電力が前記バイパス素子を駆動させるために必要となる電力を超える状態では前記バイパス素子に前記駆動信号を供給し、前記電流制限素子で消費される電力が前記バイパス素子を駆動させるために必要となる電力を超えない状態では前記バイパス素子に前記駆動信号を供給しないスイッチ素子と
を有することを特徴とする電源装置。 - 前記電流制限素子は、抵抗素子またはパワーサーミスタであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の電源装置。
- 前記バイパス素子は、サイリスタ、トライアックまたはリレーであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一項に記載の電源装置。
- 第一DC/DCコンバータと、
前記第一DC/DCコンバータよりも出力電力の大きい第二DC/DCコンバータと、
交流電源が接続されたときに発生する突入電流を低減する低減回路を備え、前記第二DC/DCコンバータに直流電圧を供給するAC/DCコンバータと、を有し、
前記第一DC/DCコンバータは、前記低減回路を駆動する電力を生成する電源回路を有していることを特徴とする電源装置。 - 請求項1ないし13のいずれか一項に記載された電源装置と、前記電源装置から電力を供給されて動作する負荷とを有する電気機器。
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