JP2018125643A - 水晶素子および水晶デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】等価直列抵抗値が大きくなることを低減させつつ、電気的特性を向上させることができる水晶素子および水晶デバイスを提供する。【解決手段】平面視して、略矩形となっており、略直方体の振動部121a、および、振動部121aの外縁に沿って設けられ振動部121aより上下方向の厚みが薄い周辺部121bを有している水晶片121と、振動部121aの両主面に設けられている励振電極部123、および、励振電極部123から水晶片121の縁部まで延設されている接続配線部124からなる金属パターン122と、を備えている水晶素子120であって、金属パターン122に交番電圧を印加したとき、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置しており、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が水晶片121の長辺と平行な振動部121aの二辺上に位置している。【選択図】図7

Description

本発明は、水晶素子およびこの水晶素子を有する水晶デバイスに関する。水晶デバイスは、例えば、水晶振動子または水晶発振器である。
水晶素子は、例えば、平面視して、略矩形形状の水晶片と、水晶片に設けられる金属パターンと、から構成されている。水晶片は、例えば、略直方体形状の振動部と振動部の外縁に沿って設けられ振動部より上下方向の厚みが薄い周辺部とを備えている。金属パターンは、振動部の両主面に設けられている励振電極部と、励振電極部から水晶片の端部まで延設されている接続配線部とからなる(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−158147号公報
このような水晶素子は、金属パターンに交番電圧を印加すると、励振電極部に挟まれている振動部の一部が主振動として厚みすべり振動が生じるが、同時に、副次的な振動として、水晶片の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動と水晶片の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動とが生じている。このような水晶素子は、副次的な振動である屈曲振動が主振動である厚みすべり振動と結合し、等価直列抵抗値が大きくなり、電気的特性が低下する虞があった。特に、水晶素子の小型化、例えば、水晶片の長辺が920μm以下のような場合においては、
副次的な振動である屈曲振動の次数が低くなるため、主振動である厚みすべり振動へ与える影響が大きくなり、電気的特性が悪化する虞があった。
本発明では、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させつつ、電気的特性を向上させることができる水晶素子および水晶デバイスを提供することを目的とする。
本発明における水晶素子は、平面視して、略矩形となっており、略直方体の振動部、および、振動部の外縁に沿って設けられ振動部より上下方向の厚みが薄い周辺部を有している水晶片と、振動部の両主面に設けられている励振電極部、および、励振電極部から水晶片の縁部まで延設されている接続配線部からなる金属パターンと、を備えている水晶素子であって、金属パターンに交番電圧を印加したとき、水晶片の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片の長辺上に位置しており、
水晶片の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が水晶片の長辺と平行な振動部の二辺上に位置していることを特徴とする。
本発明に係る水晶素子は、平面視して、略矩形となっており、略直方体の振動部、および、振動部の外縁に沿って設けられ振動部より上下方向の厚みが薄い周辺部を有している水晶片と、振動部の両主面に設けられている励振電極部、および、励振電極部から水晶片の縁部まで延設されている接続配線部からなる金属パターンと、を備えている水晶素子であって、金属パターンに交番電圧を印加したとき、水晶片の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片の長辺上に位置しており、
水晶片の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が水晶片の長辺と平行な前記振動部の二辺上に位置している。このようにすることで、金属パターンに交番電圧を印加したときに水晶片の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動と水晶片の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動とが、主振動である厚みすべり振動に与える影響を低減させることが可能となり、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させ、電気的特性を向上させることができる。
本実施形態に係る水晶デバイスの斜視図である。 図1のA−A断面における断面図である。 本実施形態に係る水晶デバイスにおいて、蓋体が設けられていない状態での平面図である。 図3のB部の部分拡大図である。 本実施形態に係る水晶素子の斜視図である。 (a)は、本実施形態に係る水晶素子の上面の平面図であり、(b)は、本実施形態に係る水晶素子の下面を上面側から平面透視した平面図である。 本実施例における水晶素子と比較例である水晶素子との対比を示した対比表である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図面は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。便宜上、層状の部分の表面(すなわち断面でない面)にハッチングを付すことがある。
本開示の水晶デバイスおよび水晶素子は、いずれも上方または下方とされてよいものであるが、以下では、便宜上、図1および図2の紙面上方を上方として、上面または下面等の用語を用いることがある。また、単に平面視または平面透視という場合においては、特に断りがない限りは、上記のように便宜的に定義した上下方向においてみるもののこととする。
図1〜図4は、本実施形態に係る水晶デバイスに関する図である。図1は、本実施形態に係る水晶デバイスの斜視図であり、図2は、図1のA−A断面における断面図である。図3は、本実施形態に係る水晶デバイスにおいて蓋体が設けられていない状態での平面図であり、図4は、図3のB部の部分拡大図である。図5および図6は、本実施形態に係る水晶素子に関する図である。図5は、本実施形態に係る水晶素子の斜視図であり、図6は、本実施形態に係る水晶素子の平面図である。図7は、本実施形態に係る水晶素子と比較例である水晶素子との対比を示した対比表である。
(水晶デバイスの概略構成)
水晶デバイスは、例えば、全体として略直方体形状となっている電子部品である。水晶デバイスは、例えば、長辺または短辺の長さが0.6mm〜2.0mmであり、上下方向の厚さが0.2mm〜1.5mmとなっている。
水晶デバイスは、例えば、凹部が形成されている基体110と、凹部に収容された水晶素子120と、凹部を塞ぐ蓋体130と、基体110に水晶素子120を接着実装するための導電性接着剤140と、から構成されている。
水晶素子120は、発振信号の生成に利用される振動を生じる部分である。基体110および蓋体130は、水晶素子120を収容する空間を形成している。基体110の凹部は、蓋体130により封止され、その内部は、例えば、真空とされ、または、適当なガス(例えば、窒素)が封入されている。
基体110は、例えば、基体110の主体となる基板部110aと、水晶素子120を実装するための一対の搭載パッド111と、水晶デバイスを不図示の回路基板等に実装するための複数の外部端子112と、を有している。
基体110は、主体となる基板部110aと、基板部110aの上面の縁部沿って設けられている枠状の枠部110bと、から構成されており、凹部が形成されている。搭載パッド111は、金属等からなる導電層により構成されており、凹部の底面に位置している。搭載パッド111と外部端子112は、基板部110a内に配置された導体(図示せず)によって互いに電気的に接続されている。蓋体130は、例えば、金属から構成され、基体110の上面にシーム溶接等により接合されている。
水晶素子120は、例えば、水晶片121と、水晶片121の交番電圧を印加するための金属パターン122を有している。金属パターン122は、水晶片121の中央付近に設けられている一対の励振電極部123、および、励振電極部123から水晶片121の縁部まで延設されている接続配線部124からなる。
水晶素子120は、概略板状であり、凹部の底面、具体的には、基板部110aの上面に対向するように、凹部内に収容される。そして、一対の接続配線部124の一部(具体的には、接続配線部124の接続部124a)が、一対のバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)により、一対の搭載パッド111に接合される。これにより、水晶素子120は、基体110の片持ち梁のように支持される。また、一対の励振電極部123は、一対の接続配線部124、
導電性接着剤140を介して搭載パッド111と電気的に接続され、ひいては、複数の外部端子112のいずれかの二つと電気的に接続される。バンプは、例えば、導電性接着剤140である。導電性接着剤140は、例えば、導電性フィラーが熱硬化性樹脂に混ぜ込まれて構成されている。
このようにして構成された水晶デバイスは、例えば、不図示の回路基板の実装面に基体110の下面を対向させて配置され、外部端子112が半田などにより回路基板のパッド(図示せず)に接合されることによって回路基板に実装される。回路基板には、例えば、発振回路が構成されている。発振回路は、外部端子112および搭載パッド111を介して、一対の励振電極部123に交番電圧を印加し発振信号を生成する。この際、発振回路は、例えば、水晶片121の厚みすべり振動のうち基本波振動を利用する。オーバートーン振動が利用されてもよい。
(水晶素子の概略構成)
図5は、本実施形態に係る水晶素子の斜視図である。また、図6(a)は、本実施形態に係る水晶素子の上面の平面図であり、図6(b)は、本実施形態に係る水晶素子の下面を上面側から平面透視した平面図である。
本実施形態では、水晶素子120を基体110に実装した場合、基体110の基板部110aの上面と略平行となっている面を主面とし、水晶素子120から基板部110aへ向かう向きを下方向、基板部110aから水晶素子120へ向かう向きを上方向として説明する。
また、基板部110a側を向く面であって、基板部110aの上面と略平行となっている水晶素子120の面を水晶素子120の下面とし、水晶素子120の下面と反対側を向く水晶素子120の面を水晶素子120の上面とする。また、基板部110aの上面と略平行となっている振動部121aの面を振動部121aの下面とし、振動部121aの下面と反対側を向く振動部121aの面を振動部121a上面とする。また、基板部110a側を向く面であって、基板部110aの上面と略平行となっている(周辺部121bの)平板部の面を周辺部121bの下面とし、
周辺部121bの下面と反対側を向く(周辺部121bの)平板部の面を周辺部121bの上面とする。また、本実施形態においては、水晶素子120の下面と水晶片121の下面とを同一の意味で用いており、水晶素子120の上面と水晶片121の上面とを同一の意味で用いている。
水晶素子120は、水晶片121と金属パターン122とから構成されている。
水晶片121は、例えば、いわゆるATカット板である。すなわち、水晶において、X軸(電気軸)、Y軸(機械軸)およびZ軸(光軸)からなる直交座標系XYZ系を、X軸回りに30°以上50°以下(一例として、35°15′)回転させて直交座標系XY´Z´系を定義したときに、水晶片121の主面は、XZ´平面と平行となっている。
水晶片121は、略直方体形状の振動部121aと、振動部121aの外縁に沿って設けられ振動部121aより上下方向の厚みが薄い周辺部121bと、から構成されている。周辺部121bは、図示しないが、平板部と中間部とからなる。平板部は、その主面が振動部121aの主面と略平行となっており、その上下方向の厚みが振動部121aの上下方向の厚みより薄くなっている。中間部は、水晶片121を平面視したとき、振動部121aと平板部との間に位置しており、
その中間部の上下方向の厚みは振動部121aから平板部にかけて徐々に薄くなっている。つまり、水晶片121は、メサ型のものとなっている。このような形状にすることにより、平板状の水晶片を用いた場合と比較して、エネルギー閉じ込めを向上させることができ、ひいては、等価直列抵抗値を小さくすることができる。水晶片121の形状は、平面視して略矩形形状となっており、その主面は、X軸に平行な長辺およびZ´軸に平行な短辺を有する矩形である。このような水晶片121は、X軸方向を長手方向とし、Y´軸方向を上下厚み方向としている。
振動部121aは、例えば、XZ´平面に平行な一対の主面を有する略薄型直方体であり、その主面は、X軸に平行な長辺およびZ´軸に平行な短辺を有する矩形である。この振動部121aの主面には、金属パターン122の一部、具体的には、励振電極部123が設けられている。金属パターン122に交番電圧を印加すると、励振電極部123に挟まれている振動部121aの一部が、逆圧電効果および圧電効果により、振動する。このとき、水晶素子120では、主振動である厚みすべり振動、
副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動、および、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の少なくとも三つの振動が生じている。主振動である厚みすべり振動は、励振電極部123に挟まれている部分において最も振動しているが、励振電極部123に挟まれている部分から励振電極部123に挟まれていない部分へも、主振動である厚みすべり振動が漏れ伝搬している状態となっている。
周辺部121bは、振動部121aの外縁に沿って設けられている。また、周辺部121bは、特に区別するために図示しながい、平板部と中間部とから構成されている。
周辺部121bの平板部は、振動部121aの外縁に沿って環状に設けられており、その上下方向の厚みは、振動部121aの上下方向の厚みより薄くなっている。また、周辺部121bの平板部は、振動部121aの主面と略平行な面を有している。従って、周辺部121bの平板部は、水晶素子120を基体110に実装したとき、基板部110aの上面と略平行な面を有していることとなる。前述したように、振動部121aの主面と略平行となっている周辺部121bの平板部の面を周辺部121bの主面とする。また、周辺部121bの主面であって、
水晶素子120を基体110に実装したとき、基板部110aの上面側を向く周辺部121bの主面を周辺部121bの下面とし、周辺部121bの下面と反対側を向く周辺部121bの主面を周辺部121bの上面とする。
周辺部121bの中間部は、振動部121aと平板部との間に位置しており、振動部121aおよび平板部と一体的に設けられている。周辺部121bの中間部の上下方向の厚みは、振動部121aから平板部にかけて徐々に薄くなっている。従って、本実施形態では、特に図示していないが、水晶片121をX軸およびY´軸に平行な面で断面視したとき、振動部121aと平板部との位置している斜面を含んでいる部分が中間部に相当することとなる。
なお、水晶片121の外形がエッチングによって形成される場合、エッチングに対する水晶の異方性等によって比較的大きな誤差(系統誤差のようなもの)が生じる。当該誤差は、意図的に利用されていることもある。本開示の説明においては、このような誤差の存在は、無視するものとする。例えば、実際の水晶片121においては、側面が主面に直交せずに傾斜していたり、側面が平面にならず外側に膨らむ形状になっていたりすることがあるが、そのような傾斜および/または膨らみの図示および説明は省略する。
第三者の製品が本開示に技術に係るか否かを判断する場合においてもそのような誤差は無視されてよい。なお、偶然誤差のようなものが無視されてもよいことはもちろんである。周辺部における中間部および平板部を特に区別し図示していないのもこのためのである。
図5および図6に示すように、水晶片121の平面視における形状は、矩形である。当該矩形は、長方形(本開示では正方形も含むものとする。正方形の場合には、所定の一辺を一方の長辺とし、所定の一辺に接続している所定の他の一辺を一方の短辺とする。励振電極部123についても同様。)であり、一対の長辺と、一対の長辺の両端を結ぶ短辺とを有している。なお、本開示については矩形または長方形は、角部が面取りされた形状を含むものとする(励振電極部123についても同様)。水晶片121では、例えば、主面は、XZ´平面に略平行な面であり、長辺はX軸に略平行な辺であり、短辺はZ´軸に略平行な辺である。
水晶片121における振動部121aの厚みは、厚みすべり振動について所望の固有振動数に基づいて設定される。例えば、厚みすべり振動の基本波振動を用いる場合において、固有振動数をF(MHz)とすると、この固有振動数Fに対応する振動部121aの厚みt(μm)を求める基本式は、t=1670/Fである。なお、実際には、水晶片121における振動部121aの厚みは、励振電極部123の重さ等も考慮して、基本式の値から微調整された値となる。
また、このような水晶片121は、接続配線部124の接続部124aが並んで設けられている水晶片121の所定の一辺を含む側面を平面視(側面視)したとき、水晶片121の所定の一辺を含む側面に、凹部125が形成されている。
水晶片121の所定の一辺を含む側面に形成されている凹部125は、例えば、第一凹部125a、第二凹部125bおよび第三凹部125cからなる。第一凹部125aは、水晶片121の所定の一辺の一端側であって水晶片121の下面に連なるように形成されている。第二凹部125bは、例えば、水晶片121の所定の一辺の他端側であって水晶片121の下面に連なるように形成されている。第三凹部125cは、例えば、水晶片121の所定の一辺の中点を通過しつつ水晶片121の上面および水晶片121の下面に連なるように形成されている。
このように、接続配線部124の接続部124aが並んで設けられている水晶片121の所定の一辺を含む側面に凹部125を形成することで、水晶素子120を水晶デバイスとして用いる場合、接続部124aが導電性接着剤140により接着されるので、凹部125が形成されている側面の両端部を導電性接着剤140で接着されている状態にすることができる。別の観点では、このようにすることで、凹部125が形成されている側面の両端部を導電性接着剤140により固定することでできるといえる。このため、
接続部124が並んで設けられていない水晶片121の所定の他の辺に凹部125を形成する場合と比較して、副次的な振動である屈曲振動の発生をより抑制することが可能となる。この結果、副次的な振動である屈曲振動が、主振動である厚みすべり振動に与える影響を低減でき、電気的特性を向上させることが可能となる。
水晶片121の各種寸法の一例は、例えば、長辺の長さが550μm〜1.1mm、短辺の長さが350μm〜750μm、厚さが20μm〜70μmとなっている。
このような水晶片121に設けられている金属パターン122は、水晶素子120の外部から交番電圧を印加するためのものである。金属パターン122は、一層となっていてもよいし、複数の金属層が積層されていてもよい。金属パターン122は、特に図示しないが、例えば、第一金属層と、第一金属層上に積層されている第二金属層とからなる。第一金属層は、水晶と密着性のよい金属が用いられ、例えば、ニッケル、クロム、ニクロムまたはチタンのいずれか一つが用いられる。第一金属層に水晶と密着性のよい金属を用いることで、
水晶と密着しにくい金属を第二金属層に用いることができる。第二金属層は、金属材料の中で電気抵抗率が低く、安定した材料が用いられ、例えば、金、金を主成分とした合金、銀または銀を主成分として合金のいずれか一つが用いられる。電気抵抗率が低い材料を用いることで、金属パターン122自身の抵抗率を小さくすることができ、この結果、水晶素子120の等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることが可能となる。また、安定した金属材料を用いることで、水晶素子120が存在する周囲の空気と金属パターン122が反応し金属パターン122の重さが変化し水晶素子120の周波数が変化し電気的特性が変化することを低減させることができる。
金属パターン122は、励振電極部123および接続配線部124から構成されている。接続配線部124は、接続部124aおよび配線部124bからなる。
励振電極部123は、水晶片121に交番電圧を印加するためのものである。励振電極部123は、一対となっており、水晶片121の両主面の中央部付近、具体的には、振動部121aの中央部に互いが対向するように設けられている。励振電極部123は、平面視して、略矩形となっており、励振電極部123の中心(具体的には、励振電極部123の対角線の交点)が、振動部121aの中心(具体的には、振動部121aの対角線の交点)と一致している。このとき、励振電極部123の中心は、水晶片121の中心(具体的には、水晶片121の対角線の交点)と比較すると、
接続配線部124の接続部124aが設けられている水晶片121の一方の短辺と対向する水晶片121の他方の短辺側に位置している。ここで、水晶片121の一方の短辺とは、一対の接続配線部124の接続部124aが並んで設けられている水晶片121の短辺(または、水晶片121の所定の一辺)であり、水晶片121の他方の短辺とは接続部124aが設けられていない水晶片121の短辺である。このようにすることで、水晶片121の一方の短辺から励振電極部123の中心までの距離(および水晶片121の一方の短辺から振動部121aの中心までの距離)を、水晶片121の一方の短辺から水晶片121の中心までの距離と比較して長くすることができる。この結果、接続配線部124の接続部124aを導電性接着剤140で電気的に接着したとき、導電性接着剤140により励振電極部123に挟まれている部分の振動が阻害されることを低減させることが可能となり、水晶デバイスの等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることができる。
接続配線部124は、接続部124aと配線部124bとからなり、水晶素子120の外部から励振電極部123に交番電圧を印加するためのものである。
接続部124aは、水晶素子120を水晶デバイスとして用いる場合、基体110に実装するためのものであり、基体110の基板110aの上面に設けられている搭載パッド111と導電性接着剤140によって電気的に接着される。接続部124aは、一対となっており、基板部110aの搭載パッド111と対向する位置であって、水晶片121の一方の短辺の縁部に沿って二つ並んで設けられている。
配線部124bは、接続部124aと励振電極部123とを電気的に接続させるためのものであり、一端が接続部124aに接続され他端が励振電極部123に接続されている。また、配線部124bは、別の観点では、励振電極部123から接続部124aまで延設されているといえる。また、配線部124aは、水晶片121の長辺と平行となるように延設されている。このようにすることで、接続部124aと励振電極部123との距離をより短くすることができる配線部124b自身の抵抗を低減させることができ、ひいては、水晶素子120の等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることが可能となる。また、配線部124bをこのようにすることで、
配線部124bが水晶片121の長辺に対して直角または斜めになっている場合と比較して水晶素子120の外部の使用用途でない信号(ノイズ)が重畳することを低減させることを低減させることができ、ひいては、水晶素子120の外部のノイズによる水晶デバイスの電気的特性の悪化を抑制することができる。
このような水晶素子120は、前述したように金属パターン122に交番電圧を印加すると、主振動である厚みすべり振動、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動、および、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の少なくとも三つの振動が生じる。このとき、主振動である厚みすべり振動は、基本的には、励振電極部123に挟まれている部分において生じているが、励振電極部123に挟まれている部分から励振電極部123に挟まれていない部分へも漏れ伝搬している状態となっている。
ここで、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長をλzとし、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長をλxとする。なお、λzおよびλxについては、シミュレーションおよび実験によって算出している。
また、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動における節となる部分とは、節に対して±λz/8の範囲内となっている部分(―λz/8<節となる部分<+λz/8)である。同様に、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動における節となる部分とをは、節に対して±λx/8の範囲内となっている部分(―λx/8<節となる部分<+λx/8)である。
水晶素子120は、金属パターン122に交番電圧を印加したとき、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置しており、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置している。
また、水晶素子120は、平面視して、水晶片121の長辺と、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の長辺に隣接している振動部121aの辺との距離dが、次の式を満たしている。
d=(2n+1)×λz/4
このとき、nは、2以上の整数となっている。
また、水晶素子120は、平面視して、金属パターン122に交番電圧を印加したとき、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺上に位置している。
また、水晶素子120が導電性接着剤140によって基体110に実装されているとき、導電性接着剤140と水晶素子120とが接着している部分には、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置しつつ、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置している。
(実施例)
前記した水晶素子120の種々の寸法を実際に作製し、その等価直列抵抗値を調べる実験を行った。その結果、金属パターン122に交番電圧を印加したときに生じる副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置しているとき、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向き生じる屈曲振動の節となる部分が水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置していることが望ましいことが分かった。さらに、水晶片121の長辺と水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の長辺に隣接している振動部の121aの辺との距離dが次の関係式を満たしていることが望ましいことが分かった。
d=(2n+1)×λz/4
このとき、nは、2以上の整数となっている。
本実施例では、第一サンプル、第二サンプルおよび第三サンプルを各10個ずつ作製した。また、比較例として第四サンプル、第五サンプルおよび第六サンプルを各10個ずつ作製した。
第一サンプルは、本実施例の一つであり、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置し、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置している。また、このとき、水晶片121の長辺とこの水晶片121の長辺に隣接する(水晶片121の長辺に平行な)振動部121aの辺との距離dは、3/4×λzとなっている。つまり、dの式において、nが1の場合である。
第二サンプルは、本実施例の別の一つであり、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置し、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置している。このとき、水晶片121aの長辺とこの水晶片121の長辺に隣接する(水晶片121の長辺に平行な)振動部121aの辺との距離dは、5/4×λzとなっている。つまり、dの式において、nが2の場合である。
第三サンプルは、本実施例のさらに別の一つであり、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置し、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置している。このとき、水晶片121の長辺とこの水晶片121の長辺に隣接する(水晶片121の長辺に平行な)振動部121aの辺との距離dは、7/4×λzとなっている。つまり、dの式において、nが3の場合である。
第四サンプルは、比較例の一つであり、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置し、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置している。このとき、水晶片の121の長辺とこの水晶片121の長辺に隣接する(水晶片121の長辺に平行な)振動部121aの辺との距離dは、3/4×λzとなっている。つまり、dの式において、nが1の場合である。
第五サンプルは、比較例の別の一つであり、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置し、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置している。このとき、水晶片121の長辺とこの水晶片121の長辺に隣接する(水晶片121の長辺に平行な)振動部121aの辺との距離dは、5/4×λzとなっている。つまり、dの式において、nが2の場合である。
第六サンプルは、比較例のさらに別の一つであり、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置し、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置している。このとき、水晶片121の長辺とこの水晶片121の長辺に隣接する(水晶片121の長辺に平行な)振動部121aの辺との距離dは、7/4×λzとなっている。
従って、第一サンプル〜第六サンプルにおいては、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置しているという点で共通している。本実施例(第一サンプル〜第三サンプル)は、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置しているという点で、比較例(第四サンプル〜第六サンプル)と異なる。第一サンプル、第二サンプルおよび第三サンプルは、水晶片121の長辺とこの水晶片121に隣接する(水晶片121の長辺に平行な)振動部121aの辺との距離が、異なっている。第一サンプルは、dの式において、n=1の場合であり、第二サンプルは、dの式において、n=2の場合であり、第三サンプルは、dの式において、n=3の場合である。第四サンプル、第五サンプルおよび第六サンプルは、水晶片121の長辺とこの水晶片121に隣接する(水晶片121の長辺に平行な)振動部121aの辺との距離が、
異なっている。第四サンプルは、dの式において、n=1の場合であり、第五サンプルは、dの式において、n=2の場合であり、第六サンプルは、dの式において、n=3の場合である。
ここで、第一サンプル〜第六サンプルは、水晶片121の短辺の長さ、および、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さのみを変え、水晶片121の長辺の長さ、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さ、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の長さ、水晶片121の短辺に平行な励振電極部123の長さ、および、振動部121aの上下方向の厚みを、等価直列抵抗値を考慮した経験的に好適な値である所定の値とした。
第一サンプル〜第六サンプルのそれぞれの寸法は、以下のようになっている。水晶片121の長辺は、650μm〜920μmの所定の値であり、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さは、535μm〜600μmの所定の値であり、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の辺の長さは、450μm〜570μmの所定の値であり、水晶片121の短辺に平行な励振電極部123の辺の長さは、250μm〜550μmの所定の値であり、振動部121aの上下方向の厚みは、59μm〜62μmの所定の値である。なお、繰り返しとなるが、それぞれの所定の値については、等価直列抵抗値を考慮した経験的に好適な値となっている。
第一サンプル〜第六サンプルにおいて、異なる寸法となる水晶片121の短辺の長さ、および、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さは、シミュレーションおよび実験から求めた長さとした。なお、水晶片121の短辺の長さは、550μm〜690μmの範囲内に入っており、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの長さは、350μm〜580μmの範囲内に入っている。副次的な振動であり水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長λzは、水晶片121の長辺間の距離に大きく依存しているため、本実施例においては、水晶片121の短辺の長さ、および、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さをパラーメータとしている。
なお、本実施例においては、水晶素子120の振動周波数の公差は、±0.5%となっている。また、水晶片121の短辺の長さ、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの長さ、および、水晶片121の長辺の長さを除く寸法の公差は、±5μmとなっている。水晶片121の短辺の長さおよび水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さの公差は、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長λzの±λz/8であり、水晶片121の長辺の長さの公差は、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長λxの±λx/8である。
図7では、本実施形態における水晶素子と比較例である水晶素子との対比を示した対比表である。具体的には、サンプル1〜サンプル6においてそれぞれ10個作製し等価直列抵抗値を測定した際に、等価直列抵抗値が75Ω以下となっているものの数量から判定を行っているものである。
判定は、75Ω以下が100%であった場合には「◎」、75Ω以下が80%以上かつ100%未満であった場合には「○」、75Ω以下が50%以上かつ80%未満であった場合には「△」、75Ω以下が50%未満の場合には「×」とした。
第一サンプルは、10個のうち8個が75Ω以下であった。従って、第一サンプルは、80%であり、「○」とした。
第二サンプルは、10個のうち10個が75Ω以下であった。従って、第二サンプルは、100%であり、「◎」とした。
第三サンプルは、10個のうち9個が75Ω以下であった。従って、第三サンプルは、90%であり、「○」とした。
第四サンプルは、10個のうち一つも75Ω以下がなかった。従って、第四サンプルは、0%であり、「×」とした。
第五サンプルは、10個のうち2個が75Ω以下であった。従って、第五サンプルは、20%であり、「×」とした。
第六サンプルは、10個のうち3個が75Ω以下であった。従って、第五サンプルは、30%であり、「×」とした。
本実施例では、判定を行う際に、等価直列抵抗値が75Ωを基準としている。水晶素子120が実装されている水晶デバイスを用いて発振回路を形成する場合、要求される水晶素子120の等価直列抵抗値は、共振周波数や水晶デバイスの大きさによって異なるが、共振周波数が27.12(MHz)においては、等価直列抵抗値が75Ω以下であれば、移動通信機器(一例として、通信端末)に搭載される電子回路で、実用性のある発振回路を形成することができる。従って、本実施例では、等価直列抵抗値が75Ω以下であることを指標とする。
実施例および比較例より、金属パターン122に交番電圧を印加したときに生じる副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置しているとき、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向き生じる屈曲振動の節となる部分が水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置していることで、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させつつ、電気的特性を向上させることに有効であるといえる。さらに、水晶片121の長辺と水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の長辺に隣接している振動部の121aの辺との距離d=(2n+1)×λz/4であってnが2以上の整数になるようにすることで、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させつつ、電気的特性をより向上させることができるといえる。
以上の通り、本実施形態に係る水晶素子120は、平面視して、略矩形となっており、略直方体の振動部121a、および、振動部121aの外縁に沿って設けられ振動部121aより上下方向の厚みが薄い周辺部121bを有している水晶片121と、振動部121aの両主面に設けられている励振電極部123、および、励振電極部123から水晶片121の縁部まで延設されている接続配線部124からなる金属パターン122と、を備えている水晶素子120であって、金属パターン122に交番電圧を印加したとき、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置しており、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が水晶片121の長辺に平行な振動部121aの二辺上に位置している。
前述したように、金属パターン122に交番電圧を印加すると、主振動である厚みすべり振動、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動、および、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の少なくとも三つの振動が生じる。このとき、主振動である厚みすべり振動は、励振電極部123に挟まれている部分で最も振動しているが、励振電極部123に挟まれている部分から励振電極部123に挟まれていない部分へ漏れ伝搬している状態となっている。そして、励振電極部123に挟まれている部分の主振動である厚みすべり振動は、励振電極部123に挟まれていない部分へ漏れ伝搬し、水晶片121の短辺まで伝搬し、水晶片121の側面で反射し、水晶片121の縁部から水晶片121の中心へ向かって再び伝搬していく。
本実施形態に係る水晶素子120では、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置しているとき、副次的な振動であって水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置している。このため、励振電極部123に挟まれている部分が振動部121aと振動部121aと上下方向の厚みが異なる周辺部121bとの境界部(より、具体的には、中間部)において、励振電極部123に挟まれている部分から漏れ伝搬した振動が振動部121aと周辺部121bとの境界部において反射する量を一定にすることができ、振動部121aと周辺部121bとの境界部において反射した振動と励振電極部123に挟まれている部分の振動とが結合する状態を一定とすることができる。このため、水晶素子120の電気的特性を安定させることが可能となる。
水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺および水晶片121の長辺上に、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が位置している場合には、水晶片121の短辺に平行な向きで断面視(具体的には、Y´Z´平面で断面視)したときに、屈曲振動の影響により、振動部121aと周辺部121bとの境界部の位置が変化することとなる。前述したように、振動部121aの上下方向の厚みと、平板部および中間部からなる周辺部121bの上下方向の厚みとは異なっており、中間部の上下方向の厚みは振動部121aから平板部にかけて徐々に薄くなっている。このため、励振電極部123に挟まれている部分の振動が、周辺部121bの中間部において反射することに状態が変化することとなり、周辺部121bの中間部から振動部121aに向かう向きの反射した振動の状態が変化し続けることとなる。この結果、周辺部121bの中間部において反射した振動が、
励振電極部123に挟まれている部分の振動に与える影響が変化し続けることとなり、電気的特性が不安定となってしまう虞がある。
従って、本実施形態に係る水晶素子120では、このように水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が水晶片121の長辺上に位置しつつ、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺上に位置するようにすることで、電気的特性を安定させることができ、ひいいては、電気的特性を向上させることが可能となる。
また、水晶素子120は、平面視して、金属パターン122に交番電圧を印加したときに、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長をλzとし、水晶片121の長辺と水晶片121の長辺に隣接する水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺との距離をdとすると、d=(2n+1)×λz/4(n:整数かつn≧2)となっている。
このようにすることで、励振電極部123に挟まれている部分の振動が、水晶片121の縁部まで漏れ伝搬したとしても、漏れ伝搬した振動が励振電極部123に挟まれている部分の振動へ与える影響を低減させることができる。
また、水晶素子120は、平面視して、金属パターン122に交番電圧を印加したときに水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺上に位置している。
このようにすることで、水晶片121のXY´平面で断面視したときに水晶片121の短辺となる部分の変位量がほとんどない状態にすることができる。このため、励振電極部123に挟まれている部分から漏れ伝搬した主振動である厚みすべり振動が、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が水晶片121の短辺上に位置させることで、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動が、主振動である厚みすべり振動へ与える影響を低減させることができ、この結果、等価直列抵抗値が大きくなり電気的特性が低下することを抑制させることが可能となる。
一般的に、水晶片121の長辺の長さが短い場合、具体的には、水晶片121の長辺の長さが920μm以下のような場合、屈曲振動の次数が低くなるため、主振動である厚みすべり振動へ与える影響が大きくなってしまい、主振動である厚みすべり振動と副次的な振動である屈曲振動とが結合しやすくなる傾向がある。このため、本実施形態に係る水晶素子120の構成とすることで、副次的な振動である屈曲振動が主振動である厚みすべり振動へ与える影響をより低減させることができる。つまり、水晶素子120が小型化したような場合は、効果がより顕著となる。
また、本実施形態に係る水晶デバイスは、水晶素子120と、接続配線部124に導電性接着剤140で電気的に接続される搭載パッド111が設けられている基板部110aを有した基体110と、基体110に接合される蓋体130と、を備えている。
このような水晶デバイスは、前述したように、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させ、電気的特性を向上させることができる水晶素子120を用いているので、水晶デバイスにおいても、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させ、電気的特性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る水晶デバイスは、平面視して、導電性接着剤140と水晶片121とが接着している部分(図4における135°の斜線にてハッチングしている部分)に、金属パターン122に交番電圧を印加したときに水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分および水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置している。
このようにすることで、交番電圧を印加し副次的な振動である屈曲振動(具体的には、水晶片121の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動、および、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動)が生じた場合、導電性接着剤140により接着している部分の水晶片121の歪の量をより低減させることが可能となる。このため、導電性接着剤140により接着している部分に歪が生じることで主振動である厚みすべり振動が阻害され電気的特性が低下することを軽減させることができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
水晶素子を有するデバイスは、水晶振動子に限定されない。例えば、水晶素子に加えて水晶素子に電圧を印加して発振信号を生成する集積回路素子(IC)を有する発振器であってもよい。また、例えば、水晶デバイスは、水晶素子の他にサーミスタ等の電子素子を有するものであってもよい。また、例えば、水晶デバイスは、恒温槽付きであってもよい。水晶デバイスにおいて、水晶素子を実装する基体の構造は、適宜構成されてもよい。例えば、基体は、上面および下面に凹部を有する断面H型であってもよい。
水晶素子は、水晶片の所定の一辺を含む側面に第一凹部、第二凹部および第三凹部からなる凹部が形成されている場合について説明しているが、二以上の凹部であれば、いくつ凹部が形成されていてもよい。また、水晶片の所定の一辺を含む側面に凹部が形成されていなくてもよい。
110・・・基体
110a・・・基板部
110b・・・枠部
111・・・搭載パッド
112・・・外部端子
120・・・水晶素子
121・・・水晶片
121a・・・振動部
121b・・・周辺部
122・・・金属パターン
123・・・励振電極部
124・・・接続配線部
124a・・・接続部
124b・・・配線部
125・・・凹部
125a・・・第一凹部
125b・・・第二凹部
125c・・・第三凹部
130・・・蓋体
140・・・導電性接着剤

Claims (5)

  1. 平面視して、略矩形となっており、略直方体の振動部、および、前記振動部の外縁に沿って設けられ前記振動部より上下方向の厚みが薄い周辺部を有している水晶片と、
    前記振動部の両主面に設けられている励振電極部、および、前記励振電極部から前記水晶片の縁部まで延設されている接続配線部からなる金属パターンと、
    を備えている水晶素子であって、
    前記金属パターンに交番電圧を印加したとき、
    前記水晶片の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が前記水晶片の長辺上に位置しており、
    前記水晶片の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が前記水晶片の長辺と平行な前記振動部の二辺上に位置している
    ことを特徴とする水晶素子。
  2. 請求項1に記載の水晶素子であって、
    水晶素子を平面視して、
    前記金属パターンに交番電圧を印加したときに、前記水晶片の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長をλzとし、
    前記水晶片の長辺と前記水晶片の長辺に隣接する前記水晶片の長辺に平行な前記振動部の辺との距離をdとすると、
    d=(2n+1)×λz/4(n:整数かつn≧2)
    となっていることを特徴とする水晶素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水晶素子であって、
    前記水晶素子を平面視して、
    前記金属パターンに交番電圧を印加したとき、
    前記水晶片の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、前記水晶片の短辺上に位置している
    ことを特徴とする水晶素子。
  4. 請求項1乃至請求項3の水晶素子と、
    前記接続配線パターンと導電性接着剤により接着される搭載パッドが設けられている基板部を有した基体と、
    前記基体と接合される蓋体と、
    を備えた水晶デバイス。
  5. 請求項4に記載の水晶デバイスであって、
    前記水晶素子が前記導電性接着剤により接着されているとき、
    平面視して、
    前記導電性接着剤と前記水晶片とが重なっている部分に、 前記金属パターンに交番電圧を印加したときに前記水晶片の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置しており、
    かつ、前記導電性接着剤と前記水晶片とが重なっている部分に、前記金属パターンに交番電圧を印加したときに前記水晶片の短辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置している
    ことを特徴とする水晶デバイス。
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