JP2018125223A - 蓄電素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、一層の小型化が可能な蓄電素子を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の一態様に係る蓄電素子は、正極板、セパレータ及び負極板が積層され、前記正極板及び負極板の一方から突出する第1タブを有する電極体と、前記電極体を収容するケース本体及びこのケース本体を塞ぐ蓋板を有するケースと、前記蓋板を貫通した外部端子と、前記第1タブ及び外部端子を接続する集電体とを備え、前記集電体が、蓋板と略平行に延びて、前記第1タブが溶接される板状の接続部を有し、前記蓋板が、法線方向視で前記接続部の第1タブとの溶接領域と重なる開口を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電素子に関する。
正極板、セパレータ及び負極板が積層された電極体をケース内に収容した蓄電素子が広く利用されている。このような蓄電素子の中で、ケースの蓋板に外部端子が配設され、外部端子に接続されて蓋板と略平行に延びる板状の集電体に、正極板及び負極板から延びるタブを接続したものがある(特開2016−115409号公報参照)。
前記公報に記載の構成では、外部端子と集電体とは、パッキンを介して蓋板を挟み込んでかしめることによって蓋板に気密に固定される。この場合、タブの集電体への接続よりも先に、外部端子及び集電体を蓋板に取り付けることになる。
タブの集電体への接続方法としては、例えば超音波溶接等が用いられる。タブを集電体に超音波溶接する場合、タブ及び集電体を超音波ホーンとアンビルとの間に挟み込む必要がある。このため、従来の蓄電素子では、集電体と蓋板との間に超音波ホーンを挿入する空間を設けなければならない。
蓄電素子は、限られた空間への設置が要求されることがある。例えば、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)に備えられる蓄電素子の設置スペースは、極めて限定的である。このような用途では、蓄電素子の外形寸法を大きくすることはできないが、航続距離延長のために高容量の蓄電素子が求められる。外形寸法を大きくすることなく蓄電素子を高容量にするには、蓄電素子のケース内のデッドスペースを極力減らして、ケース内により大きい電極体を収容する必要がある。つまり、ケース内の容積に対する電極体の体積の比率を高める必要がある。集電体と蓋板との間に超音波ホーンを挿入する空間を設けることは、蓄電素子の容量が減ることにつながる。
本発明は、外形寸法を増大させることなく容量の増大が可能な蓄電素子を提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る蓄電素子は、正極板、セパレータ及び負極板が積層され、前記正極板及び負極板の一方から突出する第1タブを有する電極体と、前記電極体を収容するケース本体及びこのケース本体を塞ぐ蓋板を有するケースと、前記蓋板を貫通した外部端子と、前記第1タブ及び外部端子を接続する集電体とを備え、前記集電体が、蓋板と略平行に延びて、前記第1タブが溶接される板状の接続部を有し、前記蓋板が、法線方向視で前記接続部の第1タブとの溶接領域と重なる開口を有する。
本発明の一態様に係る蓄電素子は、外形寸法を増大させることなく容量の増大が可能である。
本発明の一態様は、正極板、セパレータ及び負極板が積層され、前記正極板及び負極板の一方から突出する第1タブを有する電極体と、前記電極体を収容するケース本体及びこのケース本体を塞ぐ蓋板を有するケースと、前記蓋板を貫通した外部端子と、前記第1タブ及び外部端子を接続する集電体とを備え、前記集電体が、蓋板と略平行に延びて、前記第1タブが溶接される板状の接続部を有し、前記蓋板が、法線方向視で前記接続部の第1タブとの溶接領域と重なる開口を有する蓄電素子である。
蓄電素子は、前記蓋板が、法線方向視で前記接続部の第1タブとの溶接領域と重なる開口を有するため、前記蓋板に前記外部端子及び集電体を固定した状態で、前記開口から溶接工具を差し込んで集電体に前記第1タブを溶接することができる。このため、蓄電素子は、前記蓋板と前記集電体との間の空間を小さくすることができ、ケース内の容積に対する電極体の体積の比率を高めることができる。
蓄電素子は、前記開口が、前記法線方向視で前記溶接領域を内包することが好ましい。この構成によれば、前記開口に溶接工具を蓋板の法線方向に差し込んで集電体に前記第1タブを確実に溶接することができる。
前記開口を塞ぐ破裂弁(Rupture Valve)をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、前記開口を破裂弁を取り付けるための開口として利用するので、破裂弁を取り付けるための開口を別途設ける必要がない。そのため、製造コストを低減することができる。
前記開口が、法線方向視で前記集電体と重ならない領域を有し、この重ならない領域内に前記破裂弁の開放領域の少なくとも一部分が配置されることが好ましい。この構成によれば、前記破裂弁が開放したときにケース内から開放した破裂弁を通して外部に放出する流体の流路が大きくなり、蓄電素子の内圧上昇時に迅速且つ確実に内圧を低減できる。
前記集電体が、前記外部端子に固定される板状の固定部を有し、前記接続部と固定部との間に前記接続部を前記蓋板から遠ざける段差を有することが好ましい。この構成によれば、前記外部端子と固定部との接続構造のケース内部への突出を最小限としつつ、前記蓋板と接続部との隙間を最適化することができる。
前記開口が、前記外部端子に隣接して形成されることが好ましい。この構成によれば、集電体の長さを比較的小さくして導電経路の抵抗を小さくできるので、より迅速な急速充電や急速放電に対応することができる。また、この構成により、第1タブと電気的に接続される外部端子とは別の外部端子等の、他の構成要素のための配置スペースを確保することが容易となる。
前記蓋板が導電性を有し、前記蓋板と外部端子とを絶縁する絶縁体をさらに備え、前記電極体が、前記正極板及び負極板の他方から突出する第2タブを有し、前記第2タブが前記蓋板に溶接されることが好ましい。この構成によれば、第2タブが接続される外部端子を不要として、蓄電素子の部品点数及び組み立て工数を低減できる。
なお、「略平行」とは、相対角度が10°以下、好ましくは5°以下であることを意味する。また、「前記開口が前記外部端子に隣接」とは、蓋板の法線方向視で、開口と外部端子との間隔が、外部端子の最大長さの1/2以下、好ましくは1/5以下であることを意味する。外部端子の最大長さとは、蓋板の法線方向視で、外部端子が略長方形状を有する場合は長辺に平行な方向の外部端子の寸法を意味する。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
図1乃至図3に、本発明の一実施形態に係る蓄電素子を示す。本実施形態の蓄電素子は、リチウムイオン二次電池であるが、本発明に係る蓄電素子は、リチウムイオン二次電池以外の非水電解質二次電池であってもよく、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよく、キャパシタであてもよい。蓄電素子は、一次電池であってもよい。
図1乃至図3に、本発明の一実施形態に係る蓄電素子を示す。本実施形態の蓄電素子は、リチウムイオン二次電池であるが、本発明に係る蓄電素子は、リチウムイオン二次電池以外の非水電解質二次電池であってもよく、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよく、キャパシタであてもよい。蓄電素子は、一次電池であってもよい。
蓄電素子は、正極板、セパレータ及び負極板が積層され、前記正極板及び負極板の一方(本実施形態においては負極板)から突出する第1タブ1と、前記正極板及び負極板の他方(本実施形態においては正極板)から突出する第2タブ2とを有する電極体3と、この電極体3を収容するケース本体4及びこのケース本体4を塞ぐ蓋板5を有するケース6と、前記蓋板5を貫通した外部端子7と、前記第1タブ1及び外部端子7を接続する集電体8とを備える。ケース6内には、電極体3と共に電解液が封入される。
蓄電素子において、前記集電体8は、蓋板5と略平行に延びて、前記第1タブ1が溶接される板状の接続部9を有する。前記蓋板5は、その法線方向視で、前記接続部9の第1タブ1との第1溶接領域Rと重なる、開口10を有する。
本実施形態の蓄電素子は、蓋板5の開口10を塞ぐ破裂弁11をさらに備えている。本実形態の蓄電素子では、蓋板5が導電性を有し、この蓋板5に第2タブ2が溶接されている(第2溶接領域S)。蓄電素子は、蓋板5と外部端子7とを絶縁する外側絶縁体12及び内側絶縁体13をさらに備える。
電極体3は、複数の平板状の正極板と複数の平板状の負極板とをセパレータを介して交互に積層したいわゆる積層型の電極体である。代替的に、電極体3は、長尺の正極板、セパレータ、負極板及びセパレータの積層体を巻き取って形成される巻回型の電極体であってもよい。
正極板は、導電性を有する箔状乃至シート状の正極基材と、この正極基材の両面に積層される正極活物質層とを有する。
正極板の正極基材の材質としては、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、導電性の高さとコストとのバランスからアルミニウム、アルミニウム合金、銅及び銅合金が好ましく、アルミニウム及びアルミニウム合金がより好ましい。また、正極基材の形状としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極基材としてはアルミニウム箔が好ましい。なお、アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H4000(2014)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
正極板の正極活物質層は、正極活物質を含むいわゆる合材から形成される多孔性の層である。また、正極活物質層を形成する合材は、必要に応じて導電剤、結着剤(バインダ)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
前記正極活物質としては、例えばLixMOy(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(LixCoO2、LixNiO2、LixMn2O4、LixMnO3、LixNiαCo(1−α)O2、LixNiαMnβCo(1−α−β)O2、LixNiαMn(2−α)O4等)、LiwMex(XOy)z(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO4、LiMnPO4、LiNiPO4、LiCoPO4、Li3V2(PO4)3、Li2MnSiO4、Li2CoPO4F等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極活物質層においては、これら化合物の一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。また、正極活物質の結晶構造は、層状構造又はスピネル構造であることが好ましい。
セパレータは、電解液が浸潤するシート状乃至フィルム状の材料から形成される。セパレータを形成する材料としては、例えば織布、不織布等を用いることもできるが、典型的には多孔性を有するシート状乃至フィルム状の樹脂が用いられる。このセパレータは、正極板と負極板とを隔離すると共に、正極板と負極板との間に電解液を保持する。
このセパレータの主成分としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレン等のポリオレフィン誘導体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステル等のポリエステルなどを採用することができる。中でも、セパレータの主成分としては、耐電解液性、耐久性及び溶着性に優れるポリエチレン及びポリプロピレンが好適に用いられる。
セパレータは、両面又は片面(好ましくは正極板に対向する面)に耐熱層を有することが好ましい。耐熱層により、セパレータの熱による破損を防止して、正極板と負極板との短絡をより確実に防止することができる。
セパレータの耐熱層は、多数の無機粒子と、この無機粒子間を接続するバインダとを含む構成とすることができる。
無機粒子の主成分としては、例えばアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄等の酸化物、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレイ、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。中でも、耐熱層の無機粒子の主成分としては、アルミナ、シリカ及びチタニアが特に好ましい。
負極板は、導電性を有する箔状乃至シート状の負極基材と、この負極基材の両面に積層される多孔性の負極活物質層とを有する。
負極板の負極基材の材質としては、銅又は銅合金が好ましい。また、負極基材の形状としては、箔が好ましい。つまり、負極板の負極基材としては銅箔が好ましい。負極基材として用いられる銅箔としては、例えば圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
負極活物質層は、負極活物質を含むいわゆる合材から形成される多孔性の層である。また、負極活物質層を形成する合材は、必要に応じて導電剤、結着剤(バインダ)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等の任意成分は、正極活物質層と同様のものを用いることができる。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材質が好適に用いられる。具体的な負極活物質としては、例えばリチウム、リチウム合金等の金属、金属酸化物、ポリリン酸化合物、例えば黒鉛、非晶質炭素(易黒鉛化炭素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料などが挙げられる。
前記負極活物質の中でも、正極板と負極板との単位対向面積当たりの放電容量を好適な範囲とする観点から、Si、Si酸化物、Sn、Sn酸化物又はこれらの組み合わせを用いることが好ましく、Si酸化物を用いることが特に好ましい。なお、SiとSnとは、酸化物にした際に、黒鉛の3倍程度の放電容量を持つことができる。
第1タブ1は、負極板の負極基材を活物質形成領域から帯状に突出するよう延長して形成することができる。第1タブ1は、複数の負極板の互いに重なる部分からそれぞれ延びる負極基材を束ねたものであってもよい。
第2タブ2は、正極板の正極基材を活物質形成領域から帯状に突出するよう延長して形成することができる。第2タブ2は、複数の正極板の互いに重なる部分からそれぞれ延びる正極基材を束ねたものであってもよい。
電極体3と共にケース6に封入される電解液としては、蓄電素子に通常用いられる公知の電解液が使用でき、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート、又はジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネートを含有する溶媒に、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF6)等を溶解した溶液を用いることができる。
ケース6は、上述のように、ケース本体4と、外部端子7が取り付けられる蓋板5とを有する。蓋板5は、ケース本体4に気密に固定され、ケース本体4の内部の電解液が漏出しないよう密閉する。このケース6の形状としては、例えば各面が方形状の箱形(直方体状)とすることができる。
ケース6のケース本体4は、電極体3を収容できるよう有底筒状に形成され、筒状部とこの筒状部の底部を塞ぐ底板とを有する。このケース本体4の材質としては、例えば金属、樹脂等を用いることができる。
本実形態におけるケース6の蓋板5は、内面側に第2タブ2が溶接されており、外面側に外部の回路が接続される。つまり、本実形態の蓋板5は、正極外部端子として利用される。
蓋板5としては、強度及び導電性を有する板材が用いられる。具体的には、例えばめっき鋼板又はステンレス鋼板、アルミニウム板等の金属板を用いることができ、典型的にはアルミニウム板が用いられる。
蓋板5への第2タブ2の溶接方法としては、例えばレーザー溶接、超音波溶接、電気溶接等を適用することができ、中でも複数の金属箔を束ねた第2タブ2を比較的確実に溶接できる超音波溶接が好ましい。
蓋板5に形成される開口10は、法線方向視で、集電体8の接続部9の第1タブ1との第1溶接領域R、と重なり、接続部9に第1タブ1を溶接するための工具(例えば超音波溶接ホーン、溶接棒、アーク溶接電極等)の挿入口として利用される。開口10は、蓋板5の法線方向視で第1溶接領域Rを内包するよう形成されることが好ましい。
本実施形態では、開口10は、蓋板5の法線方向視で後述する集電体8と重ならない領域を有するよう形成されている。これにより、開口10を封止する後述の破裂弁11が開放したときに、ケース6の中のガスや電解液が集電体8を迂回することなく流出可能な流路を確保し、ケース6の内圧を迅速かつ確実に低減することができる。
開口10は、後述する外部端子7に隣接して形成されることが好ましい。開口10を外部端子7に隣接して形成することによって後述する集電体8を短くすることができ、第2タブ2の取り回しが容易となる。
開口10を封止する破裂弁11としては、ケース6の内圧が上昇したときに少なくとも部分的に開口するもの、例えば開口10を封止する板状体に破断しやすいように溝が形成されたラプチャーディスク等とすることができる。この破裂弁11は、その開口領域が少なくとも部分的に、前記集電体8と重ならない領域内に配置されることが好ましい。これによって、破裂弁11が開放したときの流路を確保し、ケース6の内圧をより迅速かつ確実に低減することができる。
破裂弁11は、開口領域が偏って形成されてもよい。具体的には、破裂弁11は、図1に示すように、破断する溝が、蓋板5の長手方向において、外部端子7から遠い側に偏って形成されるものであってもよい。これにより、開口10を大きくして第1タブ1の集電体8への溶接を容易にしながら、従来の破裂弁の破断形状をそのまま用いることができ、かつケース6の内圧を迅速且つ確実に低減することが可能となる。
外部端子7は、蓋板5の外側に配置される板状の端子部14と、蓋板5を貫通する軸部15とを有して、軸部15が集電体8を貫通することが好ましい。集電体8を貫通した軸部15の先端を押し広げて、押し広げた軸部15の先端部と端子部14との間に蓋板5及び集電体8(並びに外側絶縁体12及び内側絶縁体13)を挟み込むかしめ構造とすることがより好ましい。
この外部端子7の材質としては、導電性を有するものであればよく、例えば金属とすることができるが、外部端子7の少なくともケース6内に露出する部分の材質が負極基材と同種の金属とされることが好ましい。
集電体8は、外部端子7と第1タブ1とを接続するための部材である。集電体8は、導電性を有する材料によって形成され、第1タブ1との溶接性を向上するために、第1タブ1と同種の金属とされることが好ましい。
集電体8は、外部端子7に固定される板状の固定部16を有し、この固定部16と第1タブ1が溶接される接続部9との間に、接続部9を蓋板5から遠ざける段差を有することが好ましい。集電体8は、金属板を曲げ加工して接続部9を固定部16に対してケース6の内側にオフセットしたものである。このように、接続部9を蓋板5から遠ざける構成とすることで、第1タブ1の負極板からの突出量を小さくして第1タブ1の電気抵抗を低減することができる。これにより、第1タブ1により大きな電流を流すことができるので、急速充電や急速放電をより迅速化することができる。また、集電体8が固定部16と接続部9との間に段差を有することで、外部端子7と固定部16との接続構造(本実施形態における外部端子7の軸部15の先端部)のケース6の内側への突出量を抑制しつつ、蓋板5と接続部9との短絡を確実に防止することができる。
集電体8の接続部9への第1タブ1の溶接方法としては、例えばレーザー溶接、超音波溶接、電気溶接等を適用することができ、中でも複数の金属箔を束ねた第1タブ1を比較的確実に溶接できる超音波溶接が好ましい。
蓄電素子は、蓋板5に外部端子7及び集電体8を取り付ける工程(取付工程)と、電極体3の第1タブ1及び第2タブ2を蓋板5及び集電体8に溶接する工程(溶接工程)と、ケース本体4に電極体3を挿入する工程(挿入工程)と、蓋板5でケース本体4の開口を閉鎖する工程(閉鎖工程)とを備える方法によって製造することができる。
前記溶接工程では、第1タブ1及び第2タブ2を電極体3の積層面に沿う方向に伸ばした状態で溶接する。このとき、例えば溶接ホーン等の溶接工具を蓋板5の開口10から差し込んで、第1タブ1を集電体8の接続部9に溶接する。
前記挿入工程で蓋板5を接続した電極体3をケース本体4に挿入し、前記閉鎖工程において、第1タブ1及び第2タブ2を折り曲げることで、第1タブ1及び第2タブ2をケース本体4の内部に収容し、ケース本体4の開口を蓋板5で塞いで全周を溶接することによってケース6を閉じる。
破裂弁11は、第1タブ1を集電体8に溶接した後に、開口10に取り付けられる。この破裂弁11の取り付けは、閉鎖工程後に行ってもよい。
蓋板5が、法線方向視で、接続部9の第1タブ1との第1溶接領域Rと重なる、開口10を有するため、蓋板5に外部端子7及び集電体8を固定した状態で、開口10から溶接工具を差し込んで集電体8に第1タブ1を溶接することができる。このため、蓄電素子は、蓋板5と集電体8との間の空間を小さくすることができ、ケース本体4内により大きい電極体を収容できる。蓄電素子は、外形寸法を増大させることなく容量を増大にできる。換言すると、蓄電素子は、容積当たりのエネルギー量を大きくすることができる。
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
蓄電素子において、蓋板の開口は、破裂弁以外の部品によって封止されてもよい。この場合、例えばケース本体の底部等に破裂弁を設けてもよい。
蓄電素子は、蓋板を貫通する正極外部端子を有し、この正極外部端子に直接又は正極集電体を介して第1タブが接続されていてもよい。
蓄電素子は、固体電解質を用いるものであってもよい。
本発明は、例えばリチウム二次イオン電池等に好適に利用することができ、中でも小型化及び高容量化への要求が大きい用途、具体的には電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車等の自動車用の蓄電素子として好適に利用される。
1 第1タブ
2 第2タブ
3 電極体
4 ケース本体
5 蓋板
6 ケース
7 外部端子
8 集電体
9 接続部
10 開口
11 破裂弁
12 外側絶縁体
13 内側絶縁体
14 端子部
15 軸部
16 固定部
R 第1溶接領域
S 第2溶接領域
2 第2タブ
3 電極体
4 ケース本体
5 蓋板
6 ケース
7 外部端子
8 集電体
9 接続部
10 開口
11 破裂弁
12 外側絶縁体
13 内側絶縁体
14 端子部
15 軸部
16 固定部
R 第1溶接領域
S 第2溶接領域
Claims (7)
- 正極板、セパレータ及び負極板が積層され、前記正極板及び負極板の一方から突出する第1タブを有する電極体と、
前記電極体を収容するケース本体及びこのケース本体を塞ぐ蓋板を有するケースと、
前記蓋板を貫通した外部端子と、
前記第1タブ及び外部端子を接続する集電体と
を備え、
前記集電体が、蓋板と略平行に延びて、前記第1タブが溶接される板状の接続部を有し、
前記蓋板が、法線方向視で前記接続部の第1タブとの溶接領域と重なる開口を有する蓄電素子。 - 前記開口が、前記法線方向視で前記溶接領域を内包する請求項1に記載の蓄電素子。
- 前記開口を塞ぐ破裂弁をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の蓄電素子。
- 前記開口が、法線方向視で前記集電体と重ならない領域を有し、この重ならない領域内に前記破裂弁の開放領域の少なくとも一部分が配置される請求項3に記載の蓄電素子。
- 前記集電体が、前記外部端子に固定される板状の固定部を有し、前記接続部と固定部との間に前記接続部を前記蓋板から遠ざける段差を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の蓄電素子。
- 前記開口が、前記外部端子に隣接して形成される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の蓄電素子。
- 前記蓋板が導電性を有し、
前記蓋板と外部端子とを絶縁する絶縁体をさらに備え、
前記電極体が、前記正極板及び負極板の他方から突出する第2タブを有し、
前記第2タブが前記蓋板に溶接される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の蓄電素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017017981A JP2018125223A (ja) | 2017-02-02 | 2017-02-02 | 蓄電素子 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110061156A (zh) * | 2019-05-09 | 2019-07-26 | 江苏恒驰动力科技有限公司 | 一种极片一体式方形盖板 |
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2017
- 2017-02-02 JP JP2017017981A patent/JP2018125223A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110061156A (zh) * | 2019-05-09 | 2019-07-26 | 江苏恒驰动力科技有限公司 | 一种极片一体式方形盖板 |
CN110061156B (zh) * | 2019-05-09 | 2024-05-24 | 江苏恒驰动力科技有限公司 | 一种极片一体式方形盖板 |
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