JP2018124539A - 電子ハイハット - Google Patents
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Abstract
【課題】トップシンバルの下降時における無用な騒音を低減するとともに、アコースティックハイハットの操作感に近い操作感を得ることができる電子ハイハットを提供する。【解決手段】電子ハイハット100は、演奏者の足踏み操作により上下動する上下動ロッド111にトップシンバル101および反射体ホルダ120を備えている。また、電子ハイハット100は、上下動ロッド111を支持する固定ロッド112にトップシンバル101に対向した状態でボトム台座130を備えている。反射体ホルダ120の下面である保持部120bには、反射体121が設けられている。また、ボトム台座130は、反射体121に対向する位置に光センサ132を支持する固定支持体131を備えている。【選択図】 図2
Description
本発明は、電子回路を用いてアコースティックのハイハットを電子的に実現した電子ハイハットに関する。
従来から、電子回路を用いてアコースティックのハイハットを電子的に実現した電子ハイハットがある。例えば、下記特許文献1には、ハイハットにおける上側のシンバルであるトップシンバルの下方にハイハットにおける下側のシンバルであるボトムシンバルに代えてトップシンバルの下降を検出する変位検出装置を備えた電子ハイハットが開示されている。この場合、変位検出装置は、演奏者のペダル操作によってトップシンバルとともに一体的に下降する回転抑制部が変位検出装置の上端部を構成する上側アクチュエータに衝突した後、この上側アクチュエータがコイルバネの弾性力に抗しながら押し下げられることによってトップシンバルの下降を検出している。
しかしながら、上記特許文献1に記載された電子ハイハットにおいては、トップシンバルが変位検出装置に衝突する衝突音が発生するとともに、トップシンバルが変位検出装置に衝突する前、衝突時および衝突の後でペダル操作の感覚が異なりアコースティックハイハットの操作感とは異なるという問題があった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、トップシンバルの下降時における無用な騒音を低減するとともに、アコースティックハイハットの操作感に近い操作感を得ることができる電子ハイハットを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、演奏者によって叩かれる打面を構成するトップシンバルと、棒状に形成されて演奏者による操作に応じて上下動することによりトップシンバルを上下動可能に支持する上下動ロッドと、トップシンバルに対して下方の位置に上下方向に不動状態で設けられた固定支持体とを備えた電子ハイハットであって、固定支持体および同固定支持体よりトップシンバル側の上下動ロッドのうちの一方に設けられて他方に向けて光を照射する発光部および受光した光を光電変換する光電変換部をそれぞれ有した光センサと、固定支持体および同固定支持体よりトップシンバル側の上下動ロッドのうちの前記他方に設けられて光センサから照射された光を同光センサ側に反射する反射体とを備えることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、電子ハイハットは、演奏者の操作によって上下動する上下動ロッドおよび上下動ロッドに対して上下方向に不動状態で設けられた固定支持体のうちの一方に光センサを設けるとともに他方に光センサが発した光を反射させる反射板を設けてトップシンバルの上下動を光学的に検出しているため、トップシンバルの下降時における無用な騒音を低減できるとともに、アコースティックハイハットの操作感に近い操作感を得ることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子ハイハットにおいて、光センサは、固定支持体に設けられており、反射体は、上下動ロッドに設けられていることにある。この場合、反射体は、上下動ロッドに対して直接設けられていてもよいし、反射体を支持する反射体ホルダなどの他の部品を介して設けられていてもよい。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子ハイハットは、光電変換を行う光センサが不動状態の固定支持体に設けられているため、光センサにおける光電変換を安定的に行なわせることができるとともに電気的な配線に対して上下動による負担を抑えることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子ハイハットにおいて、上下動ロッドは、反射体または同反射体を支持する反射体ホルダを介してトップシンバルを支持することにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子ハイハットは、反射体または同反射体を備える反射体ホルダを介してトップシンバルを支持するため、電子ハイハットの組立および解体を簡単かつ短時間に行うことができるとともに、部品点数の増加を抑えて電子ハイハットを簡単かつ小型に構成することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子ハイハットにおいて、反射体は、上下動ロッドの周囲にリング状に形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子ハイハットは、反射体が上下動ロッドの周囲にリング状に形成されているため、この反射体に対向配置された光センサに対して周方向の位置合わせが不要になる。また、この場合、反射体は、対向配置される光センサを覆う大きさに形成しておくことで光センサに外乱光(光センサが発した光以外の光)が導かれることも防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子ハイハットにおいて、さらに、光センサの周囲に壁状に起立して囲む筒壁部を備え、筒壁部は、光センサに対して上下方向に相対変位する反射体の変位範囲のうちの少なくとも一部を覆う高さに形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子ハイハットは、光センサの周囲に壁状に起立して囲む筒壁部が光センサに対して上下方向に相対変位する反射体の変位範囲のうちの少なくとも一部を覆う高さに形成されているため、光センサに外乱光が導かれることを防止できトップシンバルの位置の検出精度を向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子ハイハットにおいて、さらに、トップシンバルに対して下方に設けられて、下降するトップシンバルが突き当たるボトム台座を備え、固定支持体は、ボトム台座に設けられていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子ハイハットは、トップシンバルに対して下方にトップシンバルが突き当たるボトム台座を有するとともに、このボトム台座に固定支持体が設けられているため、互いに相対的に接近し合う光センサと反射体との物理的な接触を防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子ハイハットにおいて、さらに、ボトム台座を支持する固定ロッドを備え、上下動ロッドは、トップシンバルを回転可能に支持しており、固定ロッドは、ボトム台座を回転可能に支持していることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子ハイハットは、トップシンバルおよびボトム台座がそれぞれ回転可能に支持されているため、演奏者はアコースティックハイハットにより近い演奏感覚で演奏することができる。
以下、本発明に係る電子ハイハットの実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る電子ハイハット100の外観構成の概略を模式的に示した斜視図である。また、図2は、図1に示す電子ハイハット100の内部構成の概略を示す断面図である。なお、本明細書において参照する図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この電子ハイハット100は、演奏者(図示せず)がスティック(図示せず)を介して叩いた打面の衝撃を検出して電子的な楽音を発生させる電子打楽器である。
(電子ハイハット100の構成)
電子ハイハット100は、主として、トップシンバル101、スタンド110およびボトム台座130を備えている。トップシンバル101は、演奏者による叩く操作によって振動する部品であり、アコースティックハイハットを構成する上下一対のシンバルのうちの上側に配置されたシンバルに相当する。このトップシンバル101は、上方に向かって凸状に湾曲するとともに平面視で円形の板状体で構成されており、ベース体102、叩打センサ104、パッド105および裏面カバー106をそれぞれ備えている。
電子ハイハット100は、主として、トップシンバル101、スタンド110およびボトム台座130を備えている。トップシンバル101は、演奏者による叩く操作によって振動する部品であり、アコースティックハイハットを構成する上下一対のシンバルのうちの上側に配置されたシンバルに相当する。このトップシンバル101は、上方に向かって凸状に湾曲するとともに平面視で円形の板状体で構成されており、ベース体102、叩打センサ104、パッド105および裏面カバー106をそれぞれ備えている。
ベース体102は、トップシンバル101を形作る芯材となる部品であり、金属材または樹脂材を上方に向かって凸状に湾曲するとともに平面視で円環状の板状体に形成して構成されている。このベース体102は、中央部に取付孔102aが形成されている。取付孔102aは、トップシンバル101を所定の高さ位置に支持するための棒状の上下動ロッド111が貫通する部分である。この取付孔102aの図示上側の端面には、保持プレート103が設けられている。
保持プレート103は、ベース体102を上下動ロッド111に取り付けるための部品であり、ゴム材を平面視で円形のリング状に形成して構成されている。この保持プレート103は、ボルトによってベース体102に固定的に取り付けられている。また、ベース体102の裏面102bには、取付孔102aの周囲に凹状に凹んだ取付部102cが形成されており、この取付部102cに叩打センサ104が設けられている。
叩打センサ104は、トップシンバル101の振動を検出する検出器であり、ベース体102の振動に応じた電気信号からなる検出信号を外部接続端子107を介して図示しない信号処理装置に出力する。本実施形態においては、叩打センサ104は、圧電セラミックスの両面にそれぞれ電極を配置するとともに、これらの電極の一方に金属板を配置したピエゾ素子によって構成されている。この叩打センサ104は、図示しない信号線を介して外部接続端子107に接続された状態で取付部102cに両面粘着テープによって取り付けられている。
ここで、信号処理装置は、電子ハイハット100とは別体で設けられるマイクロコンピュータを備えて構成されており、叩打センサ104および光センサ132からそれぞれ出力される検出信号に基づいて楽音信号を出力する電子回路、すなわち、音源である。この場合、信号処理装置は、上下動ロッド111(トップシンバル101)の上下方向の位置に応じた楽音信号を出力する。この信号処理装置には、図示しない外部スピーカが接続されている。また、信号処理装置は、電力供給源(例えば、家庭用100V電源)から図示しない電源コードを介して電力の供給を受けて後述する光センサ132にも電力を供給する。
パッド105は、演奏者がスティックなどを用いて叩く打面を構成する部分であり、ゴム材または発泡樹脂材などからなる弾性体をベース体102の上面および外縁部をそれぞれ覆う円環状に形成して構成されている。なお、トップシンバル101は、本実施形態においては、ベース体102およびパッド105の2種の材料で構成されているが、1種の材料、例えば、樹脂材料のみまたは樹脂材料を含む繊維強化プラスチックのみで構成することもできる。
裏面カバー106は、ベース体102の裏面102bに取り付けられて取付部102cおよびこの取付部102cに取り付けられた叩打センサ104をそれぞれ覆うとともに外部接続端子107を収納する部品であり、樹脂材を平面視で円筒状に形成して構成されている。この場合、裏面カバー106は、外部接続端子107を外部に露出させた状態で収納している。この裏面カバー106は、図示しない取付ボルトによってベース体102の裏面102bに取り付けられている。
外部接続端子107は、叩打センサ104から出力される検出信号を電子ハイハット100の外部に設けられる信号処理装置に対して出力するために信号処理装置と叩打センサ104とを着脱自在に接続するためのジャック型のインターフェースである。
スタンド110は、トップシンバル101およびボトム台座130をそれぞれ支持するための器具であり、主として、上下動ロッド111、固定ロッド112、ペダル113およびベース台114をそれぞれ備えて構成されている。
上下動ロッド111は、トップシンバル101を上下方向に変位させるための部品であり、上下方向に延びる金属製の棒体で構成されている。この上下動ロッド111は、起立した姿勢で固定ロッド112を貫通して同固定ロッド112に支持された状態で、上端部側がクラッチ115を介してトップシンバル101を支持するとともに下端部がペダル113に連結されている。この場合、上下動ロッド111は、固定ロッド112内に配置される図示しないコイルスプリングによって上方に向かって弾性的に押し上げられている。これにより、上下動ロッド111は、演奏者によるペダル113の操作に応じて上下動することによりトップシンバル101を上下動させる。
固定ロッド112は、上下動ロッド111およびボトム台座130をそれぞれ支持する部品であり、上下方向に延びる金属製の円筒体で構成されている。この固定ロッド112は、ベース台114に起立した姿勢で支持されるとともに、上端部に形成された厚板状の支持台112a上にボトム台座130を支持している。
ペダル113は、演奏者(図示せず)の足による踏み込み操作によって上下動ロッド111を上下動させるための部品であり、金属製の板状体で構成されている。このペダル113は、一方の端部がベース台114に対して上下方向に回動自在に連結されているとともに、他方の端部が金属製のベルトを介して上下動ロッド111に連結されている。この場合、ペダル113は、図示しないコイルスプリングによって上方に押し上げられた上下動ロッド111によって先端部側からベース台114側に向かって下り傾斜の姿勢となっている。
ベース台114は、電子ハイハット100を設置する床面上に固定ロッド112およびペダル113をそれぞれ支持する部品である。このベース台114は、金属製の板状体における一方の端部にペダル113を回動自在な状態で支持するとともに、他方の端部側に門型に起立した支持柱114aによって固定ロッド112を支持している。
クラッチ115は、上下動ロッド111にトップシンバル101および反射体ホルダ120をそれぞれ一体的に連結するための部品であり、上下動ロッド111が貫通する金属製の円筒体で構成されている。このクラッチ115は、上端部側の外周面にネジ嵌合した状態で貫通するロックネジ115aによって上下動ロッド111に固定されているとともに、下端部に反射体ホルダ120がネジ嵌合を介して取り付けられている。また、クラッチ115の上下方向中央部には、上下一対の押圧体116およびクラッチナット117がそれぞれ設けられている。
上下一対の押圧体116は、保持プレート103を上下方向から挟んで保持するための部品であり、それぞれフェルト材をリング状に形成して構成されている。クラッチナット117は、保持プレート103を挟んだ状態の上下一対の押圧体116を反射体ホルダ120側に押圧することで2つの押圧体116で保持プレート103を圧迫するための部品であり、クラッチ115の外周面にネジ嵌合する金属製のナットで構成されている。すなわち、上下動ロッド111は、クラッチナット117と反射体ホルダ120とで上下一対の押圧体116を挟むことで保持プレート103を挟んでトップシンバル101を保持している。この場合、トップシンバル101は、上下一対の押圧体116により周方向に回転自在な状態で保持されている。
反射体ホルダ120は、反射体121を保持するとともに上下動ロッド111上でトップシンバル101を支持するための部品であり、樹脂材を円筒形に形成して構成されている。より具体的には、反射体ホルダ120は、クラッチ115の下端部にネジ嵌合してトップシンバル101を支持する円筒状の胴部120aと、この胴部120aの下端部にフランジ状に張り出して平板リング状に形成された保持部120bとで構成されている。そして、この保持部120bには、下方に面して反射体121が設けられている。
反射体121は、後述する光センサ132から照射される光を同光センサ132側に反射させるための部品であり、樹脂材を平板リング状に形成して構成されている。この場合、反射体121の板面は、入射光を全反射させる鏡面状に形成されていてもよいが、入射光を拡散反射させるように構成するとよい。例えば、反射体121の板面は、平滑な面または梨地面に淡色系(例えば、白色)の色で構成するとよい。
また、反射体121は、この反射体121に対向配置される光センサ132を覆うように光センサ132よりも径方向外側に広がる外径に形成されている。この反射体121は、反射体ホルダ120の保持部120bに接着剤または両面テープで取り付けられている。なお、この反射体121は、本実施形態においては、板状に形成したがブロック状、シート状、フィルム状または膜状(例えば、塗膜)で構成されていてもよい。
ボトム台座130は、アコースティックハイハットを構成する上下一対のシンバルのうちの下側に配置されたシンバルに相当する部品であり、トップシンバル101の真下に設けられている。このボトム台座130は、固定支持体131および上側ケース135をそれぞれ備えている。固定支持体131は、光センサ132および外部接続端子134を収容しつつ固定ロッド112の支持台112aに載置される樹脂製の部品であり、平板リング体における内側部分が上下動ロッド111が貫通する筒状に形成されるとともに外縁部が上方に立ち上った壁部を有した形状に形成されている。すなわち、固定支持体131は、上下動ロッド111の可動方向である上下方向に不動な状態でかつトップシンバル101の周方向と同じ方向に回転自在な状態で支持台112aを介して固定ロッド112に支持されている。
光センサ132は、トップシンバル101の上下方向の位置を光学的に検出するための検出器であり、主として発光部132aと受光部132bとをそれぞれ備えて構成されている。発光部132aは、反射体121に向けて光を照射する発光素子である。本実施形態においては、発光部132aは、赤外線を発光するLEDによって構成されている。受光部132bは、受光した光の光量に応じた電気信号を出力する受光素子によって構成されている。本実施形態においては、受光部132bは、赤外線を受光するフォトトランジスタによって構成されている。
これらの発光部132aおよび受光部132bは、直方体状の1つの樹脂製のハウジング内に発光素子および受光素子が露出した状態で収納されて光センサ132を一体的に構成している。そして、この光センサ132は、固定支持体131内に設けられた平面視で平板リング状に形成されて固定支持体131内に支持されたプリント基板133上に電気的に取り付けられている。
この場合、光センサ132は、発光部132aおよび受光部132bが反射体121に対向する位置および向きでプリント基板133上に支持されている。また、光センサ132は、発光部132aと受光部132bとが固定支持体131の径方向に並んで配置されている。そして、この光センサ132は、プリント基板133を介して外部接続端子134に電気的に接続される。
なお、この光センサ132は、発光部132aと受光部132bとが固定支持体131の周方向に並んで配置されていてもよい。また、発光部132aは、赤外線以外の波長の光、例えば、可視光を発光する光源であってもよい。また、受光部132bは、受光光量以外を検出、例えば、光の受光位置を検出してもよいし、受光部132bが発光した光を受光するまでの時間を検出するようにしてもよい。
外部接続端子134は、光センサ132から出力される検出信号を電子ハイハット100の外部に設けられる信号処理装置に対して出力するとともに信号処理装置から電源の供給を受けるために信号処理装置と光センサ132とを着脱自在に接続するためのジャック型のインターフェースである。この外部接続端子134は、接続部が固定支持体131の壁部を貫通して外部に露出した状態で固定支持体131内に収納されている。
上側ケース135は、固定支持体131の上部を覆うとともに台座ブッシュ136および台座本体137をそれぞれ支持するための樹脂製の部品であり、主として、覆い部135aと筒壁部135bとで構成されている。覆い部135aは、固定支持体131の上部を覆う部分であり、平板リング体における内側部分が上下動ロッド111が貫通する筒状に形成されるとともに外縁部が下方に下垂した壁部を有した形状に形成されている。この覆い部135aの天井部分には、光センサ132を反射体121に対して露出させるための貫通孔状の開口窓135cが形成されている。
筒壁部135bは、光センサ132の周囲を囲うとともに台座ブッシュ136および台座本体137をそれぞれ支持するための部分であり、上方に延びる円筒状に形成されている。この場合、筒壁部135bは、内径が反射体121の外径よりも大きく形成されるとともに、高さ(深さ)が反射体121の上下方向のストロークよりも長く形成されている。また、筒壁部135bの底部(前記覆い部の天井部の上面)には、同底部から露出する光センサ132を覆う樹脂製の透明な板材(図示せず)が設けられており光センサ132を保護している。
台座ブッシュ136は、台座本体137を支持するための部品であり、ゴム材をリング状に形成して構成されている。この場合、台座ブッシュ136は、外周面における中央部が周方向に沿って凹んで形成されており、この凹んだ部分に台座本体137が嵌め込まれて台座本体137を弾性的に支持している。この台座ブッシュ136は、筒壁部135bの外周部に嵌め込まれた状態で筒壁部135bの上端面に取り付けられるリング状の金属製プレートによって筒壁部135bの外周面上に固定的に取り付けられている。
台座本体137は、図3に示すように、下降するトップシンバル101の裏面カバー106を受け止めてストッパとして機能する部品であり、樹脂材を上方に向かって広がる円筒状に形成して構成されている。この台座本体137は、下端部が前記台座ブッシュ136に嵌合した状態で支持されることにより、ボトム台座130側に下降してきたトップシンバル101を弾性的に受け止める。
(電子ハイハット100の作動)
次に、このように構成した電子ハイハット100の作動について説明する。まず、演奏者は、トップシンバル101およびボトム台座130をスタンド110に組み付けて電子ハイハット100を組み立てた後、外部接続端子107,134と信号処理装置とを図示しないケーブルを介して電気的に接続して電子ハイハット100を演奏可能な状態とする。この場合、ボトム台座130内の光センサ132は、信号処理装置からの電源供給を受けて発光部132aが発光するとともに受光部132bが受光量に応じた検出信号を外部接続端子134を介して信号処理装置に出力する。
次に、このように構成した電子ハイハット100の作動について説明する。まず、演奏者は、トップシンバル101およびボトム台座130をスタンド110に組み付けて電子ハイハット100を組み立てた後、外部接続端子107,134と信号処理装置とを図示しないケーブルを介して電気的に接続して電子ハイハット100を演奏可能な状態とする。この場合、ボトム台座130内の光センサ132は、信号処理装置からの電源供給を受けて発光部132aが発光するとともに受光部132bが受光量に応じた検出信号を外部接続端子134を介して信号処理装置に出力する。
次に、演奏者は、電子ハイハット100を演奏する。具体的には、演奏者は、スティックを用いてトップシンバル101を叩く。これにより、叩打センサ104は、パッド105およびベース体102をそれぞれ介して伝搬した振動に応じた検出信号を外部接続端子107を介して信号処理装置に出力する。また、ボトム台座130に設けられた光センサ132は、発光部132aから発して反射体121で反射されて受光部132bによって受光された光の受光量に応じた検出信号を外部接続端子134を介して信号処理装置に出力する(図2および図3において破線矢印参照)。
これにより、信号処理装置は、叩打センサ104および光センサ132からそれぞれ得た検出信号に基づいて楽音を表す楽音信号を生成して外部スピーカに出力する。具体的には、信号処理装置は、光センサ132から得た検出信号に基づいてトップシンバル101の上下方向の位置を特定してトップシンバル101がボトム台座130に接している否かを判定するとともに、この判定結果、すなわちトップシンバル101の接触状態ごとに叩打センサ104から得た検出信号に応じた強さおよび音色の楽音信号を生成する。例えば、信号処理装置は、トップシンバル101がボトム台座130に接していないと判定した場合には、トップシンバル101がボトム台座130に接していない場合の楽音信号を生成する。
一方、電子ハイハット100の演奏時において演奏者がペダル113を踏み込んだ場合には、電子ハイハット100は上下動ロッド111の下降を介してトップシンバル101が下降してボトム台座130の台座本体137に衝突する。この場合、反射体121は、上下動ロッド111に対して固定的に組付けられた反射体ホルダ120に設けられているため、上下動ロッド111の下降とともに筒壁部135b内を光センサ132側に向かって下降する。また、反射体121は、反射体ホルダ120がトップシンバル101ではなく上下動ロッド111に取り付けられているため、トップシンバル101の叩打による振動および姿勢変化を抑えて下降することができる。
すなわち、反射体121は、演奏者によるペダル113の踏み込みによって姿勢を保った状態で光センサ132に接近する。したがって、光センサ132は、接近してくる反射体121の位置に応じた検出信号を外部接続端子134を介して信号処理装置に出力する。これにより、信号処理装置は、トップシンバル101がボトム台座130に接触したと判定した場合には、トップシンバル101がボトム台座130に接触した場合の楽音信号を生成する。これらの結果、電子ハイハット100は、演奏者の演奏操作に応じた楽音を外部スピーカから出力することができる。
次いで、演奏者がペダル113の踏み込みを弱くまたは解除した場合には、電子ハイハット100は、上下動ロッド111が固定ロッド112内に配置されたコイルスプリング(図示せず)の各弾性力によって上昇する。これにより、光センサ132は、筒壁部135b内を光センサ132から離隔する方向に上昇する反射体121の位置に応じた検出信号を外部接続端子134を介して信号処理装置に出力する。これにより、信号処理装置は、トップシンバル101が上下方向の位置に応じた楽音信号を生成する。これらの結果、電子ハイハット100は、演奏者の演奏操作に応じた楽音を外部スピーカから出力することができる。
次に、演奏者は、電子ハイハット100の演奏を終える場合には、電子ハイハット100と信号処理装置との電気的な接続を外した後、トップシンバル101およびボトム台座130をスタンド110から取り外す。これにより、演奏者は、電子ハイハット100の演奏を終了することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、電子ハイハット100は、演奏者の操作によって上下動する上下動ロッド111に反射板118を設けるとともに、上下動ロッド111に対して上下方向に不動状態で設けられた固定支持体131に光センサ132を設けてトップシンバル101の上下動を光学的に検出しているため、トップシンバル101の下降時における無用な騒音を低減できるとともに、アコースティックハイハットの操作感に近い操作感を得ることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、反射体121を上下動ロッド111に設けるとともに光センサ132を固定支持体131に設けた。しかし、反射体121は上下動ロッド111および固定支持体131のうちの一方に設けられていればよく、光センサ132は上下動ロッド111および固定支持体131のうちの他方に設けられていればよい。したがって、反射体121を固定支持体131に設けるとともに光センサ132を上下動ロッド111に設けることもできる。この場合、例えば、反射体121は覆い部135aの上面に設けるとともに、光センサ132を反射体ホルダ120の保持部120bに設けることができる。
また、上記実施形態においては、反射体121は、上下動ロッド111に対して反射体ホルダ120を介して間接的に取り付けるように構成した。しかし、反射体121は、上下動ロッド111に対して直接的に取り付けることもできる。例えば、反射体121は、
反射体ホルダ120を含む一体的な形状で構成することもできる。これによれば、電子ハイハット100は、反射体ホルダ120に反射体121を取り付ける作業、および反射体ホルダ120から反射体121が脱落するリスクを低減することができる。
反射体ホルダ120を含む一体的な形状で構成することもできる。これによれば、電子ハイハット100は、反射体ホルダ120に反射体121を取り付ける作業、および反射体ホルダ120から反射体121が脱落するリスクを低減することができる。
また、上記実施形態においては、上下動ロッド111は、反射体ホルダ120を介してトップシンバル101を支持するように構成した。しかし、上下動ロッド111は、保持プレート103の上下方向から2つのクラッチナット117で挟むことでトップシンバル101を支持することもできる。これによれば、反射体ホルダ120は、反射体121を支持可能な強度を有して構成することができ、反射体ホルダ120の構成を簡単化することができる。
また、上記実施形態においては、反射体121は、上下動ロッド111を中心とするリング状に形成した。これにより、反射体121は、光センサ132に対して周方向の位置
合わせが不要になる。しかし、反射体121は、光センサ132に対して対向配置されていればよいため、必ずしもリング状に形成する必要はない。したがって、例えば、反射体121は、三角形、四角形、五角形または六角形などの多角形のほか、円形または楕円形に形成することできる。
合わせが不要になる。しかし、反射体121は、光センサ132に対して対向配置されていればよいため、必ずしもリング状に形成する必要はない。したがって、例えば、反射体121は、三角形、四角形、五角形または六角形などの多角形のほか、円形または楕円形に形成することできる。
また、上記実施形態においては、電子ハイハット100は、光センサ132の周囲を筒壁部135bで囲うように構成した。しかし、電子ハイハット100は、必ずしも光センサ132の周囲を囲んで構成する必要はない。すなわち、電子ハイハット100は、筒壁部135bを省略して構成することもできる。この場合、電子ハイハット100は、台座ブッシュ136および台座本体137を省略してトップシンバル101が下降した際にこれらの部品に衝突しないように構成することもできる。
なお、上記実施形態においては、反射体121は、トップシンバル101の最上昇位置においても筒壁部135bの上端部よりも低い位置に位置して筒壁部135bの内部に位置するように構成した。すなわち、筒壁部135bは、光センサ132に対して上下方向に相対変位する反射体121の変位範囲の全部を含む高さに形成されている。これにより、反射体121は、トップシンバル101が最上昇位置においても筒壁部135bに囲まれているため、外乱光の影響を抑えて光センサ132から照射された光を反射させることができる。しかし、反射体121は、トップシンバル101の最上昇位置において筒壁部135bの上端部よりも高い位置に位置して筒壁部135bの外に位置するように構成することもできるものである。すなわち、筒壁部135bは、光センサ132に対して上下方向に相対変位する反射体121の変位範囲のうちの少なくとも一部を覆う高さに形成することができるものである。
また、上記実施形態においては、電子ハイハット100は、ボトム台座130を備えるとともにこのボトム台座130に固定支持体131を設けて光センサ132を配置するように構成した。しかし、電子ハイハット100は、光センサ132と反射体121とが互いに対向配置されていればよい。したがって、電子ハイハット100は、ボトム台座130を省略して構成することもできる。すなわち、電子ハイハット100は、トップシンバル101が下降した際に他の物体に衝突しないように構成することもできる。この場合、電子ハイハット100は、固定ロッド112における支持台112aを固定支持体として光センサ132を支持するように構成することができる。
また、上記実施形態においては、トップシンバル101およびボトム台座130は、上下動ロッド111および固定ロッド112をそれぞれ回転中心として回転自在な状態で支持されるように構成した。これにより、電子ハイハット100は、演奏者がアコースティックハイハットにより近い演奏感覚で演奏することができる。しかし、トップシンバル101およびボトム台座130は、上下動ロッド111および固定ロッド112に対して回転不能な状態で支持されるように構成することもできる。
100…電子ハイハット、101…トップシンバル、102…ベース体、102a…取付孔、102b…裏面、102c…取付部、103…保持プレート、104…振動センサ、105…パッド、106…裏面カバー、107…外部接続端子、
110…スタンド、111…上下動ロッド、112…固定ロッド、112a…支持台、113…ペダル、114…ベース台、114a…支持柱、115…クラッチ、115a…ロックネジ、116…押圧体、117…クラッチナット、
120…反射体ホルダ、120a…胴部、120b…保持部、121…反射体、
130…ボトム台座、131…固定支持体、132…光センサ、132a…発光部、132b…受光部、133…プリント基板、134…外部接続端子、135…上側ケース、135a…覆い部、135b…筒壁部、135c…開口窓、136…台座ブッシュ、137…台座本体。
110…スタンド、111…上下動ロッド、112…固定ロッド、112a…支持台、113…ペダル、114…ベース台、114a…支持柱、115…クラッチ、115a…ロックネジ、116…押圧体、117…クラッチナット、
120…反射体ホルダ、120a…胴部、120b…保持部、121…反射体、
130…ボトム台座、131…固定支持体、132…光センサ、132a…発光部、132b…受光部、133…プリント基板、134…外部接続端子、135…上側ケース、135a…覆い部、135b…筒壁部、135c…開口窓、136…台座ブッシュ、137…台座本体。
Claims (7)
- 演奏者によって叩かれる打面を構成するトップシンバルと、
棒状に形成されて前記演奏者による操作に応じて上下動することにより前記トップシンバルを上下動可能に支持する上下動ロッドと、
前記トップシンバルに対して下方の位置に上下方向に不動状態で設けられた固定支持体とを備えた電子ハイハットであって、
前記固定支持体および同固定支持体より前記トップシンバル側の前記上下動ロッドのうちの一方に設けられて他方に向けて光を照射する発光部および受光した光を光電変換する光電変換部をそれぞれ有した光センサと、
前記固定支持体および同固定支持体より前記トップシンバル側の前記上下動ロッドのうちの前記他方に設けられて前記光センサから照射された前記光を同光センサ側に反射する反射体とを備えることを特徴とする電子ハイハット。 - 請求項1に記載した電子ハイハットにおいて、
前記光センサは、
前記固定支持体に設けられており、
前記反射体は、
前記上下動ロッドに設けられていることを特徴とする電子ハイハット。 - 請求項2に記載した電子ハイハットにおいて、
前記上下動ロッドは、
前記反射体または同反射体を支持する反射体ホルダを介して前記トップシンバルを支持することを特徴とする電子ハイハット。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した電子ハイハットにおいて、
前記反射体は、
前記上下動ロッドの周囲にリング状に形成されていることを特徴とする電子ハイハット。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した電子ハイハットにおいて、さらに、
前記光センサの周囲に壁状に起立して囲む筒壁部を備え、
前記筒壁部は、
前記光センサに対して上下方向に相対変位する前記反射体の変位範囲のうちの少なくとも一部を覆う高さに形成されていることを特徴とする電子ハイハット。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載した電子ハイハットにおいて、さらに、
前記トップシンバルに対して下方に設けられて、下降する前記トップシンバルが突き当たるボトム台座を備え、
前記固定支持体は、
前記ボトム台座に設けられていることを特徴とする電子ハイハット。 - 請求項6に記載した電子ハイハットにおいて、さらに、
前記ボトム台座を支持する固定ロッドを備え、
前記上下動ロッドは、
前記トップシンバルを回転可能に支持しており、
前記固定ロッドは、
前記ボトム台座を回転可能に支持していることを特徴とする電子ハイハット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017205745A JP2018124539A (ja) | 2017-10-25 | 2017-10-25 | 電子ハイハット |
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JP2017205745A JP2018124539A (ja) | 2017-10-25 | 2017-10-25 | 電子ハイハット |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017015144A Division JP6236555B1 (ja) | 2017-01-31 | 2017-01-31 | 電子ハイハット |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018124539A true JP2018124539A (ja) | 2018-08-09 |
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ID=63110571
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JP2017205745A Pending JP2018124539A (ja) | 2017-10-25 | 2017-10-25 | 電子ハイハット |
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JP (1) | JP2018124539A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023234256A1 (ja) * | 2022-06-02 | 2023-12-07 | 株式会社エフノート | 電子打楽器 |
-
2017
- 2017-10-25 JP JP2017205745A patent/JP2018124539A/ja active Pending
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WO2023234256A1 (ja) * | 2022-06-02 | 2023-12-07 | 株式会社エフノート | 電子打楽器 |
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