JP2018124065A - 検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】デバイスに発生したクラックを容易に検出することができる検査装置を提供する。【解決手段】検査装置は、被検査物を保持するX軸方向およびX軸方向と直交するY軸方向で規制される保持面を有する保持手段と、保持手段に保持された被検査物に対して透過性を有する波長のレーザー光線照射手段6とを含み、レーザー発振器26と、レーザー光線LBを集光したスポット光を保持手段に保持された被検査物に照射する集光器28と、ビームスプリッター30と、被検査物の戻り光RLがビームスプリッター30によって光路が変更された側に配設された受光素子32とから構成され、受光素子32が受光した戻り光RLの光の強さをXY座標記憶部52で記憶し画像化してモニター54で表示する表示手段48と、保持手段と集光器28が照射するレーザー光線LBとを相対的にX軸方向、Y軸方向に移動する移動手段50とを含み構成される。【選択図】図2
Description
本発明は、デバイスに発生したクラックを容易に検出することができる検査装置に関する。
IC、LSI、SAWデバイス、LED等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されSi(シリコン)基板、SiC(炭化ケイ素)基板、LT(リチウムタンタレート)基板、LN(リチウムナイオベート)基板等の基板の表面に形成されたウエーハは、切削ブレードを回転可能に備えたダイシング装置、レーザー光線を照射するレーザー加工装置によって分割予定ラインが切断されて個々のデバイスに分割され、分割されたデバイスは携帯電話、パソコン、テレビ等の電気機器に利用される。
しかし、ダイシング装置、レーザー加工装置によってウエーハを個々のデバイスに分割、または分割予定ラインに積層されたパシベーション膜、Low−k膜を除去する等のハーフカットを行うとデバイスの内部に微細なクラックが発生する場合があり、クラックを見逃してデバイスの品質を低下させるという問題がある(特許文献1及び2参照。)。
また、ウエーハとガラス基板とが積層されたウエーハ、ウエーハが2層以上積層されたウエーハにおいてはデバイスの内部に発生したクラックを検出することが困難であるという問題がある。
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、デバイスに発生したクラックを容易に検出することができる検査装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が提供するのは以下の検査装置である。すなわち、被検査物の内部を検査する検査装置であって、被検査物を保持するX軸方向および該X軸方向と直交するY軸方向で規制される保持面を有する保持手段と、該保持手段に保持された被検査物に対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、を少なくとも含み、該レーザー光線照射手段は、レーザー光線を発振するレーザー発振器と、該レーザー発振器が発振したレーザー光線を集光したスポット光を該保持手段に保持された被検査物に照射する集光器と、該レーザー発振器と該集光器との間に配設されたビームスプリッターと、該保持手段に保持された被検査物で反射した戻り光が該ビームスプリッターによって光路が変更された側に配設された受光素子と、から少なくとも構成され、スポット光の照射位置に関連づけて該受光素子が受光した戻り光の光の強さをXY座標記憶部で記憶し画像化してモニターで表示する表示手段と、該保持手段と該集光器が照射するレーザー光線とを相対的に該X軸方向、該Y軸方向に移動する移動手段と、を含み構成される検査装置である。
好ましくは、該レーザー発振器と該ビームスプリッターとの間に配設され、該ビームスプリッターに対して直線偏光の偏光面をp偏光に調整する1/2波長板と、該ビームスプリッターと該集光器との間に配設され直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、を備え、該保持手段に保持された被検査物で反射して回転方向が逆転した円偏光の戻り光が該1/4波長板でs偏光に変換されて該ビームスプリッターによって該受光素子に導かれる。該ビームスプリッターと該受光素子との間に集光レンズとピンホールマスクが配設されるのが好適である。該移動手段は、該保持手段を該X軸方向に移動するX軸方向移動部と、該保持手段を該Y軸方向に移動するY軸方向移動部とから構成されるのが好都合である。該移動手段は、該レーザー発振器と該集光器との間に配設され、該レーザー発振器が発振したレーザー光線を該X軸方向に傾けるX軸傾斜部と該Y軸方向に傾けるY軸傾斜部とから構成されるのが好ましい。該X軸傾斜部はAOD、ガルバノスキャナー、ピエゾ素子、レゾナントスキャナーのいずれかで構成され、該Y軸傾斜部はAOD、ガルバノスキャナー、ピエゾ素子、レゾナントスキャナーのいずれかで構成されるのが好適である。該移動手段によって該集光器から照射されるレーザー光線は被検査物の外周を走査するのが好都合である。
本発明が提供する検査装置は、被検査物を保持するX軸方向および該X軸方向と直交するY軸方向で規制される保持面を有する保持手段と、該保持手段に保持された被検査物に対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、を少なくとも含み、該レーザー光線照射手段は、レーザー光線を発振するレーザー発振器と、該レーザー発振器が発振したレーザー光線を集光したスポット光を該保持手段に保持された被検査物に照射する集光器と、該レーザー発振器と該集光器との間に配設されたビームスプリッターと、該保持手段に保持された被検査物で反射した戻り光が該ビームスプリッターによって光路が変更された側に配設された受光素子と、から少なくとも構成され、スポット光の照射位置に関連づけて該受光素子が受光した戻り光の光の強さをXY座標記憶部で記憶し画像化してモニターで表示する表示手段と、該保持手段と該集光器が照射するレーザー光線とを相対的に該X軸方向、該Y軸方向に移動する移動手段と、を含み構成されているので、デバイスに発生したクラックを容易に検出することができると共に、分割予定ラインに積層されたパシベーション膜、Low−k膜を除去する等のハーフカットによってデバイスに発生した微細なクラックを検出することができる。また、本発明の検査装置では、スポット光の照射位置に関連づけて受光素子が受光した戻り光の光の強さをXY座標部で記憶し、XY座標部で記憶したスポット光の照射位置と戻り光の光の強さを画像化するので、解像度がレーザー光線のスポット径(例えばφ2μm)と移動手段の移動量(例えば2μm)とに依存することから、CCDの画素の大きさ(例えば5μm角)に比べて解像度が高く精密にクラックを検出することができる。更に、本発明の検査装置では、ダイシング装置、レーザー加工装置によってウエーハを加工する前にウエーハの内部にクラックが生じているか否かを検出することができる。
以下、本発明に従って構成された検査装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す検査装置2は、ウエーハ等の被検査物を保持する保持手段4と、保持手段4に保持された被検査物に対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段6とを少なくとも含む。
図1に示すとおり、保持手段4は、X軸方向において移動自在に基台8に搭載された矩形状のX軸方向可動板10と、Y軸方向において移動自在にX軸方向可動板10に搭載された矩形状のY軸方向可動板12と、Y軸方向可動板12の上面に固定された円筒状の支柱14と、支柱14の上端に固定された矩形状のカバー板16とを含む。カバー板16にはY軸方向に延びる長穴16aが形成され、長穴16aを通って上方に延びる円形状のチャックテーブル18が支柱14の上端に回転自在に搭載されている。チャックテーブル18の上面には、多孔質材料から形成された円形状の吸着チャック20が配置され、吸着チャック20は流路によって吸引手段(図示していない。)に接続されている。そして、チャックテーブル18においては、吸引手段によって吸着チャック20の上面に吸引力を生成することにより、吸着チャック20の上面に載置された被検査物を吸着して保持することができる。被検査物を保持するチャックテーブル18の上面(保持面)はX軸方向およびY軸方向で規制されるXY平面内に位置づけられている。また、チャックテーブル18の周縁には、周方向に間隔をおいて複数個のクランプ22が配置されている。なお、X軸方向は図1に矢印Xで示す方向であり、Y軸方向は図1に矢印Yで示す方向であってX軸方向に直交する方向である。X軸方向及びY軸方向が規制する平面は実質上水平である。
レーザー光線照射手段6は、図1に示す基台8の上面から上方に延び次いで実質上水平に延びる枠体24に配設されている。図2を参照して説明すると、レーザー光線照射手段6は、レーザー光線LBを発振するレーザー発振器26と、レーザー発振器26が発振したレーザー光線LBを集光したスポット光を保持手段4のチャックテーブル18に保持された被検査物に照射する集光器28と、レーザー発振器26と集光器28との間に配設されたビームスプリッター30と、保持手段4のチャックテーブル18に保持された被検査物で反射した戻り光RLがビームスプリッター30によって光路が変更された側に配設された受光素子32とから少なくとも構成される。レーザー発振器26が発振するレーザー光線LBの波長は被検査物に対して透過性を有する波長である。たとえば、被検査物がSi(シリコン)基板から構成されたウエーハの場合には、レーザー発振器26はSi(シリコン)に対して透過性を有する1064〜3000nmの波長のレーザー光線を発振する。レーザー発振器26のレーザー発振動作は、連続的にレーザー光線を発振する連続波発振動作であっても、断続的にレーザー光線を発振するパルス発振動作であってもよい。集光器28は、図1に示すとおり、枠体24の先端下面に配置された円筒部材34に内蔵されており、保持手段4のチャックテーブル18の上方に位置する。ビームスプリッター30は、ビームスプリッター30に入射したレーザー光線LBの一部を反射すると共に、ビームスプリッター30に入射したレーザー光線LBの一部を透過させることにより、ビームスプリッター30に入射したレーザー光線LBを2つの方向に分岐する。受光素子32は、集光器28から照射されたレーザー光線LBのスポット光が被検査物で反射した戻り光RLを受光し、受光した戻り光RLの光の強さに対応する信号を出力する。
図2を参照して説明を続けると、レーザー光線照射手段6は、更に、レーザー発振器26が発振したレーザー光線LBの出力を調整するアッテネーター36と、アッテネーター36の下流側に配置されたミラー38と、レーザー発振器26とビームスプリッター30との間(図示の実施形態ではミラー38とビームスプリッター30との間)に配設され、ビームスプリッター30に対して直線偏光の偏光面をp偏光に調整する1/2波長板40と、ビームスプリッター30と集光器28との間に配設され、直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板42とを備えるのが好ましい。また、図示の実施形態のように、ミラー38とビームスプリッター30との間に1/2波長板40が配設され、ビームスプリッター30と集光器28との間に1/4波長板42配設されている場合には、ビームスプリッター30は、ビームスプリッター30に入射したレーザー光線LBのうちs偏光成分を反射すると共に、ビームスプリッター30に入射したレーザー光線LBのうちp偏光成分を透過させることにより、ビームスプリッター30に入射したレーザー光線LBを偏光面によって2つの方向に分岐する偏光ビームスプリッターであるのが好都合である。図示の実施形態では、レーザー発振器26から発振されたレーザー光線LBは、被検査物にレーザー加工を施さない程度の出力(たとえば0.1W程度)にアッテネーター36によって出力が調整される。出力が調整されたレーザー光線LBは、ミラー38において光路が変更されて1/2波長板40に入射する。1/2波長板40に入射したレーザー光線LBは、1/2波長板40においてビームスプリッター30に対して直線偏光の偏光面がp偏光に調整される。ビームスプリッター30が偏光ビームスプリッターである場合、ビームスプリッター30に対して直線偏光の偏光面がp偏光に調整されたレーザー光線LBは、ビームスプリッター30で反射されることなく全部透過するので光の強さが弱まることがない。ビームスプリッター30を透過したレーザー光線LBは1/4波長板42において直線偏光から円偏光に変換される。円偏光に変換されたレーザー光線LBは集光器28においてスポット光に集光され、保持手段4のチャックテーブル18に保持された被検査物に照射される。被検査物でスポット光が反射して回転方向が逆転した円偏光の戻り光RLは、集光器28を透過して1/4波長板42に入射すると、1/4波長板42においてビームスプリッター30に対して偏光面がs偏光に調整される。そして、ビームスプリッター30に対して偏光面がs偏光に調整された戻り光RLは、ビームスプリッター30で透過されることなく、ビームスプリッター30で全部反射されて光路が変更される。そして、光路が変更された戻り光RLは、ビームスプリッター30で全部反射されているので、ビームスプリッター30において光の強さが弱まることなく受光素子32に導かれる。図2に示すとおり、さらに、ビームスプリッター30と受光素子32との間に集光レンズ44とピンホールマスク46が配設されるのが好適である。ビームスプリッター30によって光路が変更された戻り光RLが集光レンズ44によって集光され、次いでピンホールマスク46のピンホールを通過することによって、受光素子32で受光される戻り光RLがより鮮明となる。
図1及び図2を参照して説明する。本発明に従って構成された検査装置2は、レーザー光線照射手段6の集光器28から被検査物に照射されたスポット光の照射位置に関連づけてレーザー光線照射手段6の受光素子32が受光した戻り光RLの光の強さを記憶し画像化して表示する表示手段48と、保持手段4と集光器28が照射するレーザー光線LBとを相対的にX軸方向、Y軸方向に移動する移動手段50とを含む。表示手段48は、集光器28から被検査物に照射されたスポット光の照射位置(XY座標)に関連づけて受光素子32が受光した戻り光RLの光の強さを記憶し画像化するXY座標記憶部52と、XY座標記憶部52で記憶し画像化したスポット光の照射位置と戻り光RLの光の強さとを表示するモニター54とを有する。図1に示すとおり、表示手段48のモニター54は枠体24の先端上面に搭載されている。図2に示すとおり、表示手段48はレーザー光線照射手段6の受光素子32に電気的に接続されており、受光素子32が受光した戻り光RLの光の強さに対応する信号が受光素子32から出力される。また、表示手段48は移動手段50にも電気的に接続されており、レーザー光線LBのスポット光の照射位置(XY座標)を移動手段50から取得する。
図示の実施形態では図1に示すとおり、移動手段50は、保持手段4のチャックテーブル18をX軸方向に移動させるX軸方向移動部56と、保持手段4のチャックテーブル18をY軸方向に移動させるY軸方向移動部58と、上下方向に延びる軸線を中心として保持手段4のチャックテーブル18を回転させる回転手段(図示していない。)とを含む。X軸方向移動部56は、基台8上においてX軸方向に延びるボールねじ60と、ボールねじ60の片端部に連結されたモータ62とを有する。ボールねじ60のナット部(図示していない。)は、保持手段4のX軸方向可動板10の下面に固定されている。そしてX軸方向移動部56は、ボールねじ60によりモータ62の回転運動を直線運動に変換してX軸方向可動板10に伝達し、基台8上の案内レール8aに沿ってX軸方向可動板10をX軸方向に進退させ、これによって集光器28が照射するレーザー光線LBに対してチャックテーブル18をX軸方向に移動させる。Y軸方向移動部58は、X軸方向可動板10上においてY軸方向に延びるボールねじ64と、ボールねじ64の片端部に連結されたモータ66とを有する。ボールねじ64のナット部(図示していない。)は、保持手段4のY軸方向可動板12の下面に固定されている。そしてY軸方向移動部58は、ボールねじ64によりモータ66の回転運動を直線運動に変換してY軸方向可動板12に伝達し、X軸方向可動板10上の案内レール10aに沿ってY軸方向可動板12をY軸方向に進退させ、これによって集光器28が照射するレーザー光線LBに対してチャックテーブル18をY軸方向に移動させる。回転手段は、保持手段4の支柱14に内蔵されたモータ(図示していない。)を有し、上下方向に延びる軸線を中心として支柱14に対してチャックテーブル18を回転させる。
また、移動手段50に加え移動手段50’を設けてもよい。移動手段50’は、図3に示すとおり、レーザー発振器26が発振したレーザー光線LBをX軸方向に傾けるX軸傾斜部68と、レーザー発振器26が発振したレーザー光線LBをY軸方向に傾けるY軸傾斜部70とから構成される。X軸傾斜部68とY軸傾斜部70とから構成される移動手段50’は、レーザー光線照射手段6のレーザー発振器26と集光器28との間に配設され、たとえば図3に示すとおり、アッテネーター36とミラー38との間に配設され得る。また、図3に示すとおり、移動手段50’は表示手段48に電気的に接続され、これによって表示手段48はレーザー光線LBのスポット光の照射位置(XY座標)を移動手段50’から取得することができる。X軸傾斜部68は、印加される振動周波数に応じてレーザー光線LBの光軸の角度を変更するAOD(音響光学素子)、印加される電圧に応じてレーザー光線LBの光軸の角度を変更するピエゾ素子、設置角度が調整自在に構成されたミラー(図示していない。)及びミラーの設置角度を変更するアクチュエータ(図示していない。)を含み、アクチュエータによってミラーの設置角度を変更することでレーザー光線LBの光軸の角度を変更するガルバノスキャナー又はレゾナントスキャナーのいずれかで構成され得る。そしてX軸傾斜部68は、レーザー発振器26が発振したレーザー光線LBをX軸方向に沿って傾けることで、保持手段4のチャックテーブル18に対して集光器28が照射するレーザー光線LBをX軸方向に移動させる。Y軸傾斜部70は、X軸傾斜部68と同様に、印加される振動周波数に応じてレーザー光線LBの光軸の角度を変更するAOD(音響光学素子)、印加される電圧に応じてレーザー光線LBの光軸の角度を変更するピエゾ素子、設置角度が調整自在に構成されたミラー(図示していない。)及びミラーの設置角度を変更するアクチュエータ(図示していない。)を含み、アクチュエータによってミラーの設置角度を変更することでレーザー光線LBの光軸の角度を変更するガルバノスキャナー又はレゾナントスキャナーのいずれかで構成され得る。そしてY軸傾斜部70は、レーザー発振器26が発振したレーザー光線LBをY軸方向に沿って傾けることで、保持手段4のチャックテーブル18に対して集光器28が照射するレーザー光線LBをY軸方向に移動させる。
図4を参照して、被検査物としてのウエーハ72について説明する。Si(シリコン)基板、SiC(炭化ケイ素)基板、LT(リチウムタンタレート)基板、LN(リチウムナイオベート)基板等から形成され得る円盤状のウエーハ72の表面72aは、格子状の分割予定ラインによって複数の矩形領域に区画され、複数の矩形領域のそれぞれにはIC、LSI、SAWデバイス、LED等のデバイス74が形成されている。図示の実施形態では、周縁が環状フレーム76に固定された粘着テープ78にウエーハ72の裏面が貼り付けられている。なお、ウエーハ72の表面72aが粘着テープ78に貼り付けられていてもよい。また、図示の実施形態では、ウエーハ72は、切削ブレードを回転可能に備えたダイシング装置、レーザー光線を照射するレーザー加工装置によって分割予定ラインに沿って個々のデバイス74に分割され、あるいは分割予定ラインに積層されたパシベーション膜、Low−k膜を除去する等のハーフカットが施されている。ダイシング装置、レーザー加工装置によってウエーハ72の分割予定ラインに沿って格子状に加工が施された部分(加工ライン)を図4に符号80で示す。
検査装置2を用いてウエーハ72を検査する際は、粘着テープ78に貼り付けた面(図示の実施形態ではウエーハ72の裏面)を下に向けて、粘着テープ78に貼り付けたウエーハ72を保持手段4のチャックテーブル18の上面に載置する。次いで、吸引手段を作動させてチャックテーブル18の上面に吸引力を生成し、チャックテーブル18の上面にウエーハ72(図示の実施形態ではウエーハ72の裏面側)を吸着させる。また、環状フレーム76の外周縁部を複数のクランプ22によって固定する。次いで、移動手段50によって保持手段4のチャックテーブル18を移動させ、最初に検査すべき一のデバイス74を集光器28の直下に位置づける。次いで、レーザー光線照射手段6のスポット光位置調整手段(図示していない。)によってスポット光の上下方向位置を被検査物における適宜の位置(たとえばウエーハ72の厚み方向中間部)に調整する。ウエーハ72の厚み方向中間部にスポット光を位置づけることにより、ウエーハ72の表面72a側に位置するクラック及びウエーハ72の裏面側に位置するクラックの双方がより明確に検出され得る。次いで、移動手段50によって保持手段4のチャックテーブル18と集光器28から照射されるレーザー光線LBとを相対的にX軸方向、Y軸方向に移動させながら、チャックテーブル18に保持されたウエーハ72にレーザー光線LBを照射する。図示の実施形態では、集光器28から照射されるレーザー光線LBに対して、移動手段50のX軸方向移動部56、Y軸方向移動部58によってチャックテーブル18をX軸方向、Y軸方向に移動させながら、レーザー光線LBがデバイス74の外周を走査するようにウエーハ72にレーザー光線LBを照射する。X軸方向に延びるデバイス74の外周を走査する際は、たとえば、集光器28から照射されるレーザー光線LBに対してY軸方向移動部58によってチャックテーブル18をY軸方向において往復させると共にX軸方向移動部56によってチャックテーブル18をX軸方向の一方に移動させながらレーザー光線LBを照射する。また、Y軸方向に延びるデバイス74の外周を走査する際は、たとえば、集光器28から照射されるレーザー光線LBに対して、X軸方向移動部56によってチャックテーブル18をX軸方向において往復させると共にY軸方向移動部58によってチャックテーブル18をY軸方向の一方に移動させながらレーザー光線LBを照射する。これによって、デバイス74の外周をレーザー光線LBにより走査することができる。図2に、デバイス74の外周を走査するように照射されたレーザー光線LBの軌跡を符号82で示す。一のデバイス74の外周を走査するようにレーザー光線LBを照射した後は、移動手段50によってチャックテーブル18を移動させて集光器28の直下に他のデバイス74を位置づけた上で、上記同様に、集光器28から照射されるレーザー光線LBに対して、移動手段50のX軸方向移動部56、Y軸方向移動部58によってチャックテーブル18をX軸方向、Y軸方向に移動させながら、デバイス74の外周を走査するようにレーザー光線LBを照射することを繰り返して、ウエーハ72に形成された全てのデバイス74について検査を行う。
図3に示すX軸傾斜部68及びY軸傾斜部70から移動手段50’が設けられている場合には、まず、X軸移動部56及びY軸移動部58を有する移動手段50によってチャックテーブル18を移動させて最初に検査すべき一のデバイス74を集光器28の直下に位置づけると共に、スポット光位置調整手段によってスポット光の上下方向位置を適宜調整した上で、チャックテーブル18に保持されたウエーハ72に対して、移動手段50’のX軸傾斜部68、Y軸傾斜部70によって集光器28から照射されるレーザー光線LBをX軸方向、Y軸方向に移動させながら、レーザー光線LBがデバイス74の外周を走査するようにウエーハ72にレーザー光線LBを照射してもよい。X軸方向に延びるデバイス74の外周を走査する際は、たとえば、チャックテーブル18に保持されたウエーハ72に対して、Y軸傾斜部70によってレーザー光線LBをY軸方向において往復させると共にX軸傾斜部68によってレーザー光線LBをX軸方向の一方に移動させながらレーザー光線LBを照射する。また、Y軸方向に延びるデバイス74の外周を走査する際は、たとえば、チャックテーブル18に保持されたウエーハ72に対して、X軸傾斜部68によってレーザー光線LBをX軸方向において往復させると共にY軸傾斜部70によってレーザー光線LBをY軸方向の一方に移動させながらレーザー光線LBを照射する。これによって、デバイス74の外周をレーザー光線LBにより走査することができる。図3に、デバイス74の外周を走査するように照射されたレーザー光線LBの軌跡を符号82で示す。一のデバイス74の外周を走査するようにレーザー光線LBを照射した後は、移動手段50によってチャックテーブル18を移動させて集光器28の直下に他のデバイス74を位置づけた上で、上記同様に、チャックテーブル18に保持されたウエーハ72に対して、移動手段50’のX軸傾斜部68、Y軸傾斜部70によって集光器28から照射されるレーザー光線LBをX軸方向、Y軸方向に移動させながら、デバイス74の外周を走査するようにレーザー光線LBを照射することを繰り返して、ウエーハ72に形成された全てのデバイス74について検査を行う。
ウエーハ72に照射されたレーザー光線LBがウエーハ72で反射した戻り光RLは、集光器28及び1/4波長板42を透過してビームスプリッター30で光路が変更され、集光レンズ44及びピンホールマスク46を透過して受光素子32において受光される。受光素子32は戻り光RLを受光すると受光した戻り光RLの光の強さに対応する信号を表示手段48に出力する。また、表示手段48のXY座標記憶部52は、レーザー光線LBのスポット光の照射位置(XY座標)を移動手段50から取得し、スポット光の照射位置(XY座標)に関連づけて、受光素子32が受光した戻り光RLの光の強さを記憶し画像化する。スポット光の照射位置(XY座標)に関連づけてXY座標記憶部52が記憶した戻り光RLの光の強さの特異点(他の部分と比較して光の強さが著しく異なる点)を抽出してプロットすると、たとえば図5に示す模式図のようになる。図5においては、特異点を符号84で示し、デバイス74の外周ラインを符号86で示し、XY座標軸の目盛り(一部のみ図示している。)を符号88で示す。XY座標記憶部52で記憶し画像化したスポット光の照射位置及び戻り光RLの光の強さは表示手段48のモニター54に表示される。図5に示す模式図に対応するモニター54の表示画面としては例えば図6に示すとおりであり、図6においてはデバイス74の外周ラインを符号90で示し、特異点84に対応する部分を符号92で示す。そして、デバイス74のクラックにおいて反射した戻り光RLとデバイス74のクラックのない部分で反射した戻り光RLとでは光の強さが異なることから、検査装置2においては、デバイス74で反射した戻り光RLの光の強さの特異点に対応する部分92をモニター54に表示することによって、特異点に対応する部分92がデバイス74に発生したクラックであるとして容易に検出することができると共に、分割予定ラインに積層されたパシベーション膜、Low−k膜を除去する等のハーフカットによってデバイス74に発生した微細なクラックを検出することができる。また、図示の実施形態では、スポット光の照射位置(XY座標)に関連づけて戻り光RLの光の強さをXY座標部52で記憶し、XY座標部52で記憶したスポット光の照射位置と戻り光RLの光の強さを画像化するので、解像度(図5に示す目盛り88の間隔)がレーザー光線LBのスポット径(例えばφ2μm)と移動手段50の移動量(例えば2μm)とに依存することから、CCDの画素の大きさ(例えば5μm角)に比べて解像度が高く精密にクラックを検出することができる。更に、図示の実施形態では、ダイシング装置、レーザー加工装置によってウエーハ72を加工する前にウエーハ72の内部にクラックが生じているか否かを検出することができる。
2:検査装置
4:保持手段
6:レーザー光線照射手段
26:レーザー発振器
28:集光器
30:ビームスプリッター
32:受光素子
40:1/2波長板
42:1/4波長板
44:集光レンズ
46:ピンホールマスク
48:表示手段
50:移動手段
52:XY座標記憶部
54:モニター
56:X軸方向移動部
58:Y軸方向移動部
68:X軸傾斜部
70:Y軸傾斜部
4:保持手段
6:レーザー光線照射手段
26:レーザー発振器
28:集光器
30:ビームスプリッター
32:受光素子
40:1/2波長板
42:1/4波長板
44:集光レンズ
46:ピンホールマスク
48:表示手段
50:移動手段
52:XY座標記憶部
54:モニター
56:X軸方向移動部
58:Y軸方向移動部
68:X軸傾斜部
70:Y軸傾斜部
Claims (7)
- 被検査物の内部を検査する検査装置であって、
被検査物を保持するX軸方向および該X軸方向と直交するY軸方向で規制される保持面を有する保持手段と、該保持手段に保持された被検査物に対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、を少なくとも含み、
該レーザー光線照射手段は、レーザー光線を発振するレーザー発振器と、該レーザー発振器が発振したレーザー光線を集光したスポット光を該保持手段に保持された被検査物に照射する集光器と、該レーザー発振器と該集光器との間に配設されたビームスプリッターと、該保持手段に保持された被検査物で反射した戻り光が該ビームスプリッターによって光路が変更された側に配設された受光素子と、から少なくとも構成され、
スポット光の照射位置に関連づけて該受光素子が受光した戻り光の光の強さをXY座標記憶部で記憶し画像化してモニターで表示する表示手段と、
該保持手段と該集光器が照射するレーザー光線とを相対的に該X軸方向、該Y軸方向に移動する移動手段と、を含み構成される検査装置。 - 該レーザー発振器と該ビームスプリッターとの間に配設され、該ビームスプリッターに対して直線偏光の偏光面をp偏光に調整する1/2波長板と、
該ビームスプリッターと該集光器との間に配設され直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、を備え、
該保持手段に保持された被検査物で反射して回転方向が逆転した円偏光の戻り光が該1/4波長板でs偏光に変換されて該ビームスプリッターによって該受光素子に導かれる請求項1記載の検査装置。 - 該ビームスプリッターと該受光素子との間に集光レンズとピンホールマスクが配設される請求項1又は2記載の検査装置。
- 該移動手段は、該保持手段を該X軸方向に移動するX軸方向移動部と、該保持手段を該Y軸方向に移動するY軸方向移動部とから構成される請求項1記載の検査装置。
- 該移動手段は、該レーザー発振器と該集光器との間に配設され、該レーザー発振器が発振したレーザー光線を該X軸方向に傾けるX軸傾斜部と該Y軸方向に傾けるY軸傾斜部とから構成される請求項1記載の検査装置。
- 該X軸傾斜部はAOD、ガルバノスキャナー、ピエゾ素子、レゾナントスキャナーのいずれかで構成され、該Y軸傾斜部はAOD、ガルバノスキャナー、ピエゾ素子、レゾナントスキャナーのいずれかで構成される請求項5記載の検査装置。
- 該移動手段によって該集光器から照射されるレーザー光線は被検査物の外周を走査する請求項1記載の検査装置。
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-
2017
- 2017-01-30 JP JP2017013790A patent/JP2018124065A/ja active Pending
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