JP2018123844A - 駆動伝達装置及び駆動伝達装置を備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
低振動・低騒音化を目的とした噛み合いのないベルトとプーリを用いた駆動伝達系において特有の課題である滑りを解決可能な駆動伝達装置を提供する。
【解決手段】
ベルトとプーリ間に電圧を印加することで、静電吸着力を発生させ滑りを防止する。さらに、ベルトとプーリの接触時間に対して、印加電圧に対する電流応答の時定数を小さくすることで、高速回転時にも静電吸着力を発生させ滑り防止をできる。
【選択図】図1
低振動・低騒音化を目的とした噛み合いのないベルトとプーリを用いた駆動伝達系において特有の課題である滑りを解決可能な駆動伝達装置を提供する。
【解決手段】
ベルトとプーリ間に電圧を印加することで、静電吸着力を発生させ滑りを防止する。さらに、ベルトとプーリの接触時間に対して、印加電圧に対する電流応答の時定数を小さくすることで、高速回転時にも静電吸着力を発生させ滑り防止をできる。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像形成装置などに用いられる駆動伝達装置に関し、特に噛み合いのないベルトとプーリを用いた駆動伝達装置の改良に関する。
従来、画像形成装置をはじめとする各種の装置において、モータ等の駆動源の回転力を被駆動部に伝達する駆動伝達装置が設けられる。
例えば、画像形成装置において、駆動源としてのモータの駆動力を、ギアを介して、被駆動部としての感光体ドラムや中間転写ベルトを駆動する駆動ローラに伝達する構成が採用されている。しかし、この構成では、駆動力が入力されるギア(駆動入力ギア)と出力されるギア(従動ギア)との間の回転伝達誤差が生じる。この回転伝達誤差(特にかみあい伝達誤差)が起振力となって振動が発生する。ギアで発生した振動が軸、軸受、側板などのギア支持部材に伝わり、大きな騒音を発生させていた。
また、駆動力伝達手段起因の騒音を減らすために、振動減衰効果の高いゴム製のタイミングベルトを用いる提案もあるが、ギア同様かみあい起因の振動が発生するため十分な静音効果は得られていない。
そこで、ギアあるいはタイミングベルトに替えて、駆動プーリ及び従動プーリとそれらに巻回されるベルト(いわゆる平ベルト)とを用い、プーリとベルトとの間の摩擦力を利用して、モータの回転駆動力をベルトへ伝達する構成が検討されている。しかしながら、この構成において大きな駆動力を伝達しようとすると、プーリとベルトとの間で滑りが生じてしまい、モータの駆動力を被駆動部へと伝達することができないことがある。
そこで、プーリとベルトとを静電的に吸着させて、プーリとベルトとの滑りを抑制する技術が知られている(特許文献1)。この技術では、プーリとしての駆動ローラの芯金にバイアスを印加することにより、駆動ローラと中間転写ベルトとの間に静電吸着力を作用させ、駆動ローラの駆動力を中間転写ベルトへと伝達している。
しかしながら、プーリとベルトに静電力を利用した機構を駆動伝達手段として、ギアに置き換わる手段として考えると、プーリとベルトの幅は10mm程度が望ましい。特許文献1では、駆動ローラと中間転写ベルトは幅が400mm程度であり、大きな静電吸着力を発生させなくても滑らずに駆動できると考えられる。しかし、幅が10mm程度の駆動伝達手段では、より強い静電吸着力を発生させる必要がある。
強い静電吸着力を利用したデバイスとして、静電チャックが知られている(特許文献2)。静電チャックは、例えば半導体ウェハをドライエッチングやCVDなどの手法で処理する半導体製造装置に、半導体ウェハを強力に固定するデバイスとして広く用いられている。この静電チャックはウェハと接触して保持する誘電体層と、静電力を発生させるための電極から構成されている。この技術では、誘電体層を中抵抗の誘電体で構成することで、ジョンセン・ラーベック力と呼ばれる強い静電吸着力を発生させ、ウェハを強力に固定している。
しかしながら、上記従来技術では、以下に述べるような課題があった。特許文献1の技術では、駆動ローラ(プーリ)と中間転写ベルトとの間にだけ静電吸着力を作用させているので、駆動ローラ以外の、中間転写ベルトを張架している複数のローラ(従動ローラ)と中間転写ベルトとの間で滑りが発生するおそれがある。特に、従動ローラによって被駆動部が駆動される構成を考えた場合、被駆動部が大きな負荷であると、従動ローラとベルトとの滑りが発生しやすくなる。
つまり、特許文献1の構成では、ベルトと従動ローラの間において滑りが発生するので、駆動源の回転力を被駆動部へと高精度に伝達することができないという問題があった。また、特許文献1の技術では、駆動ローラの芯金にバイアスを印加し、中間転写ベルトが分極することで、駆動ローラと中間転写ベルトとの間に静電吸着力が発生させているため、大きな吸着力を発生させることが困難であった。
また、特許文献2の技術では、吸着力が発生するまでに数秒の時間を要している。このため、この技術をプーリが高速に回転するベルト駆動伝達手段に適用しても、強い吸着力が発生する前にプーリとベルトが離れてしまい、吸着力が得られず、滑りを防止できない。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、駆動源を駆動させることによって生じる振動や騒音を低減すると共に、駆動源の回転力を被駆動部に高精度に伝達することにある。特に、高速回転時においても、プーリとベルトを吸着させ、確実に滑りを防止する。
上記課題を解決するため、本発明の駆動伝達装置は、
駆動源と、駆動プーリと、被駆動部に連結された、少なくとも1つ以上の従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻回されたベルトと、を備え、
前記駆動源の回転力を前記駆動プーリに伝達し、前記ベルト及び前記従動プーリを介して前記被駆動部に駆動を伝達する駆動伝達装置であって、
前記駆動プーリおよび前記従動プーリと前記ベルトは導体部を有し、前記駆動プーリおよび前記従動プーリと前記ベルトの導体部は誘電体を介して接触するように配置され、前記駆動プーリの導体部および前記従動プーリの導体部と前記ベルトの導体部との間に電位差を与える電圧印加手段と、を備え、
印加電圧に応答して、前記駆動プーリの導体部および前記ベルトの導体部の間、および前記従動プーリの導体部および前記ベルトの導体部の間に発生する電流の時定数が、前記駆動プーリおよび前記ベルト、および前記従動プーリおよび前記ベルトの接触時間に対して、
時定数 × 1/10 < 接触時間 を満たすように、
前記時定数および前記接触時間を決定したことを特徴としている。
駆動源と、駆動プーリと、被駆動部に連結された、少なくとも1つ以上の従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻回されたベルトと、を備え、
前記駆動源の回転力を前記駆動プーリに伝達し、前記ベルト及び前記従動プーリを介して前記被駆動部に駆動を伝達する駆動伝達装置であって、
前記駆動プーリおよび前記従動プーリと前記ベルトは導体部を有し、前記駆動プーリおよび前記従動プーリと前記ベルトの導体部は誘電体を介して接触するように配置され、前記駆動プーリの導体部および前記従動プーリの導体部と前記ベルトの導体部との間に電位差を与える電圧印加手段と、を備え、
印加電圧に応答して、前記駆動プーリの導体部および前記ベルトの導体部の間、および前記従動プーリの導体部および前記ベルトの導体部の間に発生する電流の時定数が、前記駆動プーリおよび前記ベルト、および前記従動プーリおよび前記ベルトの接触時間に対して、
時定数 × 1/10 < 接触時間 を満たすように、
前記時定数および前記接触時間を決定したことを特徴としている。
本発明によれば、噛み合いのないプーリ、ベルトを用いた駆動伝達装置において、駆動力伝達に必要な摩擦力を発生させることができ、滑りを発生させることなく駆動伝達が行える。また、噛み合いがないために振動の発生を抑制することができ、スジムラ等の画像劣化を防ぐとともに、駆動伝達装置から発生する騒音を大幅に低減させることが可能となる。
加えて、ベルトに大きな張力を付与しないでよいため巻き癖の発生がなく、耐久面においても優位である。更に、静電吸着力が発生するまでの時間を、プーリとベルトの巻き付き時間に応じて設定するため、高速回転時にもプーリとベルトを静電吸着させ、確実に滑りを防止する効果がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明で用いる部材、数値、材料等は、理解を助ける目的の例示に過ぎず、本発明を限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
まず、本発明の第1の実施例である駆動伝達装置を備えた画像形成装置について、基本的な構成および動作を図2及び図3を参照して説明する。図2は画像形成装置の基本構成の説明図である。図2に示すように、実施例1の画像形成装置100は、中間転写ベルト9に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部PY、PM、PC、PKを配置したフルカラーレーザビームプリンタである。
まず、本発明の第1の実施例である駆動伝達装置を備えた画像形成装置について、基本的な構成および動作を図2及び図3を参照して説明する。図2は画像形成装置の基本構成の説明図である。図2に示すように、実施例1の画像形成装置100は、中間転写ベルト9に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部PY、PM、PC、PKを配置したフルカラーレーザビームプリンタである。
画像形成部PYでは、回転駆動される感光ドラム1Y上にイエロートナー像が形成されて担持搬送された後、第一転写部TYにおいて一次転写ローラ5Yによって中間転写ベルト9に一次転写される。画像形成部PM、PC、PKでも同様に、感光ドラム1M、1C、1Kにマゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が形成され、順次重ね合わせて中間転写ベルト9に一次転写される。
中間転写ベルト9は、駆動ローラ13、テンションローラ12、バックアップローラ10に掛け渡して支持され、駆動ローラ13の回転に伴って矢印B方向に回転する。中間転写ベルト9は一次転写ローラ5Y〜5Kによって図中上方向に張り上げられ、感光ドラム1Y〜1Kとの間で第一転写部TY〜TKが形成される。
各画像形成部から転写され、中間転写ベルト9に担持されたトナー像は、中間転写ベルト9の回転に伴って二次転写部T2へ搬送され、記録材Pへ二次転写される。記録材Pは、給紙カセット19から給紙ローラ14によって引き出され、分離装置15によって1枚ずつに分離されてレジストローラ16へ送り出される。レジストローラ16は、中間転写ベルト9に担持されたトナー像に先頭を一致させて、記録材Pを二次転写部T2へ給送する。
トナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置17へ受け渡されて、加圧ローラ40と定着ローラ41によって加熱加圧を受けることにより、表面に画像が定着される。中間転写ベルトクリーニング装置18は、不図示の駆動源によって中間転写ベルト9と接触離間可能に設置されている。通常印刷時には中間転写ベルトクリーニング装置18は中間転写ベルト9に接触し、二次転写部T2を通過して中間転写ベルト9に残った転写残トナーを除去する。中間転写ベルト9へのトナー像の転写を伴わないレーザー光量調整モード、転写電圧調整モード動作時には、中間転写ベルト9の劣化を防止するために中間転写ベルトクリーニング装置18は中間転写ベルト9と離間される。
続いて図3を参照して画像形成部の詳細を説明する。画像形成部PY、PM、PC、PKは、付設された現像装置4Y、4M、4C、4Kで用いるトナーがイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は同様に構成される。従って、以下では、イエローの画像形成部PYについて説明し、画像形成部PM、PC、PKについては、説明する構成の記号末尾のYをC、M、Kに読み替えて説明されるものとする。
図3は画像形成部、一次転写部、および二次転写部の構成説明図である。図3に示すように、画像形成部PYは、感光ドラム1Yの周囲に、帯電装置2Y、露光装置3Y、現像装置4Y、一次転写ローラ5Y、クリーニング装置6Yを配置する。感光ドラム1Yは、アルミニウム製シリンダの外周面に、帯電極性が負極性の有機光導電体層を塗布して構成され、矢印A方向に回転する。
帯電装置2Yは、電源D3から負極性の電圧を印加されて、感光ドラム1Yの表面に帯電粒子を照射することにより、感光ドラム1Yの表面を一様な負極性の電位に帯電する。露光装置3Yは、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データに従ってON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査し、感光ドラム1Y表面へ照射する。これにより、帯電した感光ドラム1Yの表面に画像データに対応した静電像が形成される。
現像装置4Yは、トナーに磁性キャリアを混合した二成分現像剤を攪拌してトナーを負極性に帯電させる。帯電したトナーは、固定磁極4jの周囲で感光ドラム1Yとカウンタ方向に回転する現像スリーブ4sに穂立ち状態で担持されて、感光ドラム1Yを摺擦する。電源D4は、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧を現像スリーブ4sに印加し、現像スリーブ4sよりも相対的に正極性となった感光ドラム1Yの静電像へトナーを付着させて、静電像をトナー像として現像する。
一次転写ローラ5Yは、感光ドラム1Yとの間に中間転写ベルト9を挟持して、感光ドラム1Yと中間転写ベルト9との間に一次転写部TYを形成する。電源D1は、正極性の直流電圧を一次転写ローラ5Yに印加して、負極性に帯電して感光ドラム1Yに担持されたトナー像を、一次転写部TYを通過する中間転写ベルト9へ一次転写させる。
クリーニング装置6Yは、クリーニングブレードを感光ドラム1Yに摺擦して、一次転写部TYを通過して感光ドラム1Yの表面に残留した転写残トナーを除去する。二次転写ローラ11は、中間転写ベルト9を介してバックアップローラ10に圧接し、中間転写ベルト9と二次転写ローラ11との間に二次転写部T2を形成する。二次転写部T2は、中間転写ベルト9のトナー像に重ね合わせて記録材Pを挟持搬送し、記録材Pが二次転写部T2を通過する過程で、中間転写ベルト9から記録材Pへトナー像を二次転写させる。
電源D2は、正極性の直流電圧を二次転写ローラ11に印加して、バックアップローラ10と中間転写ベルト9と記録材Pと二次転写ローラ11との直列回路に転写電流を流す。転写電流は中間転写ベルト9から記録材Pへのトナーの移動に関与する。続いて、図1および図4を参照して、静電吸着力を用いた駆動伝達について説明する。図1は駆動伝達装置50の斜視図である。図4(a)は図1のX−X断面図である。図4(b)は図4(a)のY−Y断面図であり、印加される電圧を模式的に付加してある。
まず、駆動力伝達装置50の各々の構成部品について説明する。駆動プーリ21は金属材料を円筒形状に形成したものであり、モータ20の出力軸20aに絶縁部材34aを介して結合されている。従動プーリ22は、駆動プーリ21と同様に金属材料にて形成されたものであり、軸30Yへは、絶縁部材34bを介して結合されている。軸30Yは、図示しない感光ドラム1Yへと接続されている。
駆動プーリ21および従動プーリ22は、導電性ブラシ28aおよび28bを介して、電圧印加手段25から直流電圧が印加される。無端ベルト23は、図4(b)に示すように、プーリに接する側に誘電体層23aを有し、さらに誘電体層23aの上に金属層23bを有する二層構造になっている。誘電体層23aは、導電性カーボンが分散されたポリイミドの樹脂材料で構成され、体積抵抗率が1E8〜1E14Ω・cm程度に抵抗調整されており、厚さは約70μm、幅は約10mmである。金属層23bは、Ni等のスパッタで形成され、厚さは約100nmであり、導電性ブラシ28cを介して接地してある。
また、無端ベルト23の金属層23bの幅は図4(a)に示すように誘電体層23aの幅よりも狭く構成されており、プーリ表面との沿面距離を大きくして放電を防止している。
以上のように構成することで、駆動プーリ21および従動プーリ22と無端ベルト23の間に静電吸着力を発生させ、駆動伝達に寄与する摩擦力を増大させている。なお、無端ベルト23に付与される初期張力は小さくてよく、ここでは0.5kgfである。続いて、図4および図5を参照して、駆動伝達装置50の上記構成による作用および効果について説明する。図5(a)は、図4(b)のA部において駆動プーリ21と無端ベルト23のミクロな接触状態を模式的に示した図で、図5(b)は、駆動伝達装置50の電気的性質を示した等価回路図である。
図5(a)に示すように、駆動プーリ21と無端ベルト23は、それぞれ表面に微小な凹凸を有して接触しているため、駆動プーリ21と無端ベルト23との間には微小な空隙が形成される。この微小な接触状態は電気的には、図5(a)に示すような等価回路で表現される。ここで、Cb1は誘電層23aの静電容量成分、Rb1は誘電層23aの抵抗成分、Cg1は駆動プーリ21と無端ベルト23によって形成された空隙の静電容量、Rg1は駆動プーリ21と無端ベルト23の接触抵抗である。
このような構成で金属層23bと駆動プーリ21の間に電圧を印加すると、各静電容量、抵抗の大きさに応じて、Cg1に電荷が蓄積され、その結果静電吸着力が発生する。特に、Rb1が小さい場合には、後述するジョンセン・ラーベック力なる大きな静電吸着力が発生する。
また、駆動伝達装置50の全体の等価回路としては、図5(b)のようになる。図5(b)は、図5(a)の等価回路に、従動プーリ22と無端ベルト23による静電容量成分と抵抗成分を加えたものである。ここでも、印加電圧、各静電容量、抵抗の大きさに応じてCg1およびCg2に電荷が蓄積され、駆動プーリ21および従動プーリ22と無端ベルト23の金属層23bとの間には静電力が発生し、電気的に吸着する。
このように静電吸着力が発生した結果、無端ベルト23と駆動プーリ21および従動プーリ22との間の垂直抗力が増して摩擦力が増大するため、滑りを抑制し、伝達可能な駆動力を増加させることが可能となる。
次いで、電圧を印加することで発生する静電吸着力の作用により、伝達可能な駆動力が増加することについて説明する。ベルトによって駆動伝達を行う場合、駆動プーリの回転駆動力によってプーリに掛かる前後のベルト張力に差が生じ、この張力差によって従動プーリへ駆動力が伝達される。伝達される駆動力はこの張力差に等しい。こうした駆動伝達において、伝達可能な駆動力即ち発生可能な張力差は、プーリとベルト間に発生し得る最大の摩擦力に依存する。一般に、静電吸着力を用いないベルト駆動伝達では、伝達可能な駆動力F1はオイラーの公式より次式(1)で表される。
図6(a)は、実際に作製したプーリとベルトで測定した印加電圧と静電吸着力の関係、図6(b)は、図6(a)から算出した印加電圧と伝達可能駆動力の関係を示した図である。図6(a)は、誘電層23aの体積抵抗率が1E11Ω・cmと、1E15Ω・cmで測定した結果である。1E11Ω・cmでの測定結果は、1E15Ω・cmと比べると静電吸着力が非常に大きいことが分かる。これは、1E11Ω・cmでは、ジョンセン・ラーベック力と呼ばれる静電吸着力が働いているからである。
ジョンセン・ラーベック力とは、誘電体の体積抵抗率を小さくすることで、誘電体内の電荷の移動が容易になり、吸着界面に電荷が多量に誘起されることで発生する力であり、一般的に、誘電体が抵抗成分の非常に大きい絶縁体の場合(=クーロン力と呼ばれる)と比べると、大きな力を発生する。このジョンセン・ラーベック力の働きによって、図6(a)の1E11Ω・cmと1E15Ω・cmとの、静電吸着力の差が生じているのである。
また、1E11Ω・cmでの測定結果から分かるように、印加電圧を大きくすることで、ジョンセン・ラーベック力による静電吸着力は大きくなることが分かる。これと同時に、図6(b)から、伝達可能駆動力も、印加電圧に応じて増大していることが分かる。実験的にも印加電圧に応じて、伝達可能駆動力が増加することが確認されている。
また、1E11Ω・cmでの測定結果から分かるように、印加電圧を大きくすることで、ジョンセン・ラーベック力による静電吸着力は大きくなることが分かる。これと同時に、図6(b)から、伝達可能駆動力も、印加電圧に応じて増大していることが分かる。実験的にも印加電圧に応じて、伝達可能駆動力が増加することが確認されている。
さて、上述した説明は駆動プーリ21と無端ベルト23との間の伝達可能駆動力についてであったが、従動プーリ22に関しても同様に伝達可能駆動力が算出できる。但し、本実施例の駆動伝達装置50においては、従動プーリ22と駆動プーリ21とで、ベルトの巻き付き角度θ、プーリの半径rが異なるため、伝達可能な駆動力は異なる。従動プーリ22では、駆動プーリ21に比べてベルトの巻き付き角度θおよびプーリの半径rは大きくなっているため、従動プーリ22の方が駆動プーリ21よりも無端ベルト23との接触面積が大きくなる。
すると、図5(b)に示した等価回路における静電容量成分が大きくなり、従動プーリ22と無端ベルト23の静電吸着力が大きくなる。その結果、従動プーリ22の方が駆動プーリ21よりも伝達可能な駆動力が大きくなる。駆動伝達装置50の系全体の伝達可能な駆動力は、静電吸着力の小さい駆動プーリの伝達可能駆動力となる。したがって、系全体の伝達可能駆動力を大きくするためには、静電吸着力の小さいプーリで伝達可能駆動力を大きくすることが望まれる。これについては、後で詳細を述べる。
なお、本発明の駆動伝達装置はここまで説明した構成に限定されるものではなく、他の構成でも好適に実施可能である。具体的には、駆動プーリに電圧印加して従動プーリを接地する構成や、駆動プーリおよび従動プーリ両方に電圧印加して無端ベルトを接地する構成など、プーリとベルト間に電圧がかかり、静電吸着力が発生する構成とすればよい。また、無端ベルトを金属層のみとしてプーリ表面に誘電体層を有する構成としてもよいし、ベルト・プーリ両方に誘電体層を有する構成でもよい。さらに無端ベルトは平ベルトに限らず、プーリとの間で摩擦伝達を行うVベルトやVリブベルトなどでもよい。
ここで、図5(a)、図7、図8を参照して、本発明の特徴である、プーリの高速回転時の滑り防止について概要を述べる。
静電吸着力は、電圧印加を開始してからの時間に応じて、大きさが変わる。特に本実施例の駆動伝達装置においては、プーリが高速回転の場合、プーリとベルトの巻き付き時間が小さくなり、静電吸着力は低下してしまう。すなわち、プーリを高速回転にすると、静電吸着力が低下して、プーリとベルトの間に滑りが発生する恐れがある。そこで、本発明では、静電吸着力が発生するまでの時間(時定数)を小さくすることによって、高速回転時にもプーリとベルトが吸着し、滑りを防止する。
図7は、駆動プーリ21と無端ベルト23の巻き付き時間と静電吸着力の関係を算出した結果である。算出方法については後述するが、条件として、駆動プーリ21は直径20mm、無端ベルト23との巻き付き角は180°、接触幅は10mm、無端ベルト23の誘電層23bは厚さ70μmのカーボン分散のポリイミドで体積抵抗率は1E11Ω・cmである。なお、以下では、ベルトの誘電層として、ベルトの金属層として厚さが0.1μm程度のNiスパッタ、プーリとしてアルミを用いて測定した結果である。
まず、図7に示したように、印加電圧が200Vの場合は、静電吸着力の時定数は120msecである。このとき、駆動プーリ21を回転数1200rpmで回転させた場合、駆動プーリ21と無端ベルト23の巻き付き時間は10msecとなる。巻き付き時間が、時定数に対して非常に小さいため、静電吸着力も4.5N(図中の●)と小さい。
そこで、時定数を小さくし、静電吸着力は素早く発生させるために、印加電圧を300Vに大きくする。すると、時定数は27msecとなり、それに伴って静電吸着力は16.9N(図中の■)まで上昇する。印加電圧による静電吸着力上昇の効果もあるが、このように時定数を小さくすることによってさらに静電吸着力を上昇させることが可能である。時定数を変化させるパラメータは、印加電圧の他にもあるが後述する。
このように、本発明では、静電吸着力が発生するまでの時間(時定数)を小さくすることによって、高速回転するプーリでもベルトとの吸着力を発動させ、プーリとベルトとの滑りを防止することを可能としている。
続いて、図5(a)、図8を参照して、プーリとベルトの静電吸着力の算出方法について説明する。図8(a)は、吸着界面の電荷量の時間変化、図8(b)は、静電吸着力の時間変化、図8(c)は、プーリとベルトの巻き付き時間と静電吸着力の関係を示した図、図8(d)は、プーリとベルトの巻き付き時間と伝達可能駆動力の関係を示した図である。
図5(a)で示した等価回路において、静電吸着力は、吸着界面の静電容量(Cg1)に蓄えられる電荷Qg1によって発生する。単位面積当たりの静電吸着力fと、Cg1に蓄えられる電荷Qg1は、以下の式で表わされる。なお、ε0は、空気の誘電率である。
これをクーロン力と呼ぶ。一方、誘電体の体積抵抗率が小さく、かつ時定数τよりも十分に時間が経過した場合、Qg1のqc(t)は無視され、qj(t)のみとなる。このとき、Qg1は誘電体あるいは空隙の抵抗成分で決まるので、fも誘電体あるいは空隙の抵抗成分で決定される。これをジョンセン・ラーベック力と呼ぶ。ジョンセン・ラーベック力を働かせるには、誘電体の体積抵抗率は1E8〜1E14Ω・cm程度とすることが必要で、このように設定すると、比誘電率が10以下の一般的な誘電体材料では、クーロン力よりもジョンセン・ラーベック力が大きくなる。
以上のように、静電吸着力は、ある時間を有して(時定数τに従って)、クーロン力からジョンセン・ラーベック力へと移行し、その力が増大する。
図8(a)は、式(5)、式(6)を用いて、界面電荷Qg1の時間応答を計算した結果である。なお、式(5)に用いるRb1、Rg1、Cb1、Cg1は測定値を用いているが、その測定方法および測定結果については後述する。また、誘電体の体積抵抗率は1E11Ω・cm、プーリは材質がアルミで、表面粗さがRa=0.1μm、印加電圧は200Vである。
図8(a)および(b)から分かるように、電圧印加時刻t=0から時間が経過するとともに、界面電荷Qg1が大きくなり、それと共に、静電吸着力fも増大していることが分かる。これは、前述したように、界面電荷Qg1が静電容量比から抵抗比へと移行したためである。なお、この時の時定数は、120msecである。また、図8(c)は、(b)で求めた静電吸着力fを積分することで、プーリとベルトの静電吸着力を求めた結果である。
図8(c)から、プーリとベルトの巻き付き時間に応じて静電吸着力が変化することが分かる。プーリとベルトの巻き付き時間は、プーリの回転数と、プーリに対するベルトの巻き付き角で決まる。巻き付き角を一定で考えると、回転数を変化させると、巻き付き時間が変化し、静電吸着力も変化することが分かる。また、図8(d)は、(c)で求めた静電吸着力から、伝達可能な駆動力を算出した結果である。伝達可能駆動力に関しても、巻き付き時間が変化すると、変化することが分かる。
以上のようにして、界面に蓄えられる電荷量から、プーリとベルトの静電吸着力を算出し、伝達可能駆動力を求めることができる。
続いて、時定数の測定方法について、2つの測定方法について述べる。
まず、1つ目の方法が直接的に時定数を測定する方法で、ステップ入力した印加電圧に対する電流の応答時間を測定する方法である。図5(a)で示した等価回路に流れる電流iは、以下のようになる。
まず、1つ目の方法が直接的に時定数を測定する方法で、ステップ入力した印加電圧に対する電流の応答時間を測定する方法である。図5(a)で示した等価回路に流れる電流iは、以下のようになる。
図9に、実際に測定した印加電圧と電流応答の図を示す。図9は、誘電体の体積抵抗率1E11Ω・cm、印加電圧200Vとのときの電流応答である。図9では、印加電圧の立ち上がり時刻から、電流がスレッショルド値ithに達するまでの時間を時定数τとおり、ここでは、τ=60msecとして検出された。ithは、十分時間が経過したときの電流iDCに対して、ith=1.3iDCの関係である。この1.3という値は、以下のように算出される。
式(7)において、t=∞のときをiDC、t=τのときをithとすると、iDCおよびithは、以下のように表わされる。
式(7)において、t=∞のときをiDC、t=τのときをithとすると、iDCおよびithは、以下のように表わされる。
前述したインピーダンス測定で求めたRb1、Rg1、Cb1、Cg1を代入すると、ith/iDC=1.2〜1.4となる。iDCに対してithをこの範囲でふっても、電流応答の波形の傾きが小さいために、時定数τは大きく変わらない。したがって、ith/iDC=1.3として時定数を求めることができる。
次に、2つ目の時定数を測定方法について述べる。2つ目の方法は、時定数τの関わるパラメータである各静電容量と、各抵抗をインピーダンス測定によって求め、その結果から、式(6)によって時定数τを算出する方法である。
まず、各静電容量と、各抵抗を測定するインピーダンス測定について述べる。誘電体の体積抵抗Rb1、静電容量Cb1を求めるには、誘電体の両面に任意の面積で金属電極を蒸着する。そして、誘電体両面の電極に所定のDC電圧を印加した状態で、AC電圧を重畳して印加し、AC電流を測定する。誘電体が理想的なコンデンサの場合、AC電流はAC電圧に対して90°位相がずれるが、抵抗成分があるために、電圧に対して0〜90°の範囲で位相がずれた電流が検出される。この位相のずれは、誘電体の抵抗成分と静電容量成分の大きさで決まる。一方、AC電流の振幅も誘電体の抵抗成分と静電容量成分の大きさで決まるため、電圧と電流の位相のずれと、電流の振幅から、誘電体の体積抵抗Rb1と静電容量Cb1を求めることができる(A)。
界面容量Cg1を求めるには、誘電体の片面に任意の面積で金属電極を蒸着する。そして、電極の無い面をプーリと接触させ、電極とプーリ間に所定のDC電圧を印加した状態で、AC電圧を重畳して印加し、その時のAC電流を測定する。ここから、(A)と同様に、全抵抗(Rb1+Rg1)と、全静電容量Cb1Cg1/(Cb1+Cg1)が求まる。求めた全静電容量と、(A)で求めた誘電体のRb1とCb1から、Rg1とCg1を算出することができる。
このように各抵抗Rb1、Rg1、各静電容量Cb1、Cg1をインピーダンス測定によって求めた結果を、式(6)に代入することで、時定数τが求まる。
ここで、実際にインピーダンス測定で求めた各静電容量、各抵抗について説明する。なお、測定は、プーリ半径は10mm、巻き付き角は180°、接触幅は10mmで、ベルトとプーリの接触面積は314mm2の条件のもとで行なった。
図10(a)は、誘電体の体積抵抗率と印加電圧をパラメータとして、誘電体の体積抵抗Rb1を測定した結果である。凡例にある誘電体の体積抵抗率の表示は、電圧が100Vの時の抵抗をおよその目安として表示しているだけで、印加電圧により変化する。図10(a)から、印加電圧に対して、4〜5乗の傾きで抵抗が小さくなっていることが分かる。これは、抵抗体によって傾きの違いはあるものの、一般的に起こりうる現象で、材料の温度特性や非オーミック機構に依る現象である。また、体積抵抗率に順じて、オフセットしたような直線となっている。
図10(b)は、印加電圧をパラメータとして、誘電体の静電容量Cb1を測定した結果である。図10(b)のように、静電容量は、印加電圧に対して大きな依存性はない。
また、図11(a)は、誘電体の体積抵抗率と印加電圧をパラメータにして、接触抵抗Rg1を測定した結果である。接触抵抗Rg1は、印加電圧を大きくすると共に、小さくなっていることが分かる。これは、印加電圧を大きくすることで、静電吸着力が増加しプーリとベルトのミクロな接触面積が増え、その結果、電流のパスが増えることで接触抵抗が下がったものと考えられる。また、体積抵抗率を小さくすると、接触抵抗Rg1が小さくなっている。体積抵抗を小さくすると、前述したジョンセン・ラーベック力による静電吸着力が増加するため、接触抵抗が低下したものと考えられる。
また、図11(a)は、誘電体の体積抵抗率と印加電圧をパラメータにして、接触抵抗Rg1を測定した結果である。接触抵抗Rg1は、印加電圧を大きくすると共に、小さくなっていることが分かる。これは、印加電圧を大きくすることで、静電吸着力が増加しプーリとベルトのミクロな接触面積が増え、その結果、電流のパスが増えることで接触抵抗が下がったものと考えられる。また、体積抵抗率を小さくすると、接触抵抗Rg1が小さくなっている。体積抵抗を小さくすると、前述したジョンセン・ラーベック力による静電吸着力が増加するため、接触抵抗が低下したものと考えられる。
図11(b)は、印加電圧をパラメータとして、界面容量Cg1を測定した結果である。Cg1は、Cg1=ε0×S/dで与えられる。ここでdは、プーリとベルト間の空隙距離である。図11(b)では、界面容量Cg1は、印加電圧を大きくするとともに、大きくなっている。これは、印加電圧を大きくすることで、静電吸着力が増加し、プーリとベルトの空隙距離が小さくなり、上式から界面容量Cg1が大きくなったと考えられる。
このような静電吸着力と接触抵抗および界面容量の関係は、ミクロな接触状態や材料間の電子の移りやすさなどが関係するため、プーリやベルトの表面粗さ、あるいはプーリやベルトの材質によって変化すると考えられる。
続いて、図12は、以上のように測定したRb1、Rg1、Cb1、Cg1を用いて、静電吸着力と時定数の計算値と、実測値の比較を行なった結果である。計算値は、図10、および図11の測定結果から、式(4)、式(5)を用いて算出した。また、静電吸着力の実測値は、プーリとベルトを低速(10rpm)で動かした状態で、負荷トルクを徐々に大きくし、滑りだした時の負荷トルクを測定し、式(2)を用いて算出した。静電吸着力は、計算値、実測値とも十分時間が経過したときの値を算出した。時定数の実測値は、詳図9で説明した、印加電圧に対する電流の応答を測定し算出した。
図12(a)は、印加電圧をパラメータとしたときの静電吸着力である。計算値と実測値がよく一致している。印加電圧を大きくすると、静電吸着力が大きくなっているが、これは、式(4)、式(5)から、印加電圧によって界面電荷が増え、吸着力が増したものと理解できる。
図12(b)は、誘電体23bの体積抵抗率をパラメータとしたときの静電吸着力である。体積抵抗率を小さくすることで、静電吸着力は大きくなっていることが分かる。これは、前述したようにジョンセン・ラーベック力による効果である。
図12(c)は、印加電圧をパラメータとしたときの時定数である。プーリとベルトの静電吸着の時定数は、式(6)から分かるように、電気的には、各抵抗Rb1、Rg1、各静電容量Cb1、Cg1を並列に接続した場合の電流応答の時定数と一致し、時定数=抵抗×静電容量と考えればよい。したがって、各抵抗、各静電容量が小さいと、時定数は小さくなる傾向にある。図12(c)では、印加電圧を大きくすると、時定数は低下しているが、これは、印加電圧によって誘電体の体積抵抗Rb1および接触抵抗Rg1が著しく低下する影響(図10(a)および図11(a))が大きく、界面容量Cg1の増加の影響(図11(b))の影響が小さいためと言える。
図12(d)は、誘電体23bの体積抵抗率をパラメータとしたときの時定数である。体積抵抗率を小さくすることで、時定数は小さくなっていることが分かる。これは、体積抵抗率を小さくすることで、Rb1およびRg1が小さくなり(図10および図11)、その結果、時定数が小さくなったものと考えられる。
また、図12(a)〜(d)のいずれにおいても、計算値と実測値がよく一致していることが分かる。このことから、インピーダンス測定で求めた各抵抗Rb1、Rg1、各静電容量Cb1、Cg1が現実に即しており、比較するために用いた式(4)〜(6)も正しいものと言える。
以上まとめると、静電吸着の時定数に関わるパラメータとして、印加電圧、体積抵抗率の影響について述べた。この他にも、誘電層23bの膜厚、誘電率、あるいは接触界面の凹凸形状によっても時定数を変えることができる。誘電層23bの膜厚はRb1とCb1に関わり、例えば膜厚を薄くすると時定数は小さくなる。これは、膜厚を薄くすることでRb1は小さくなりCb1は大きくなり、一方、Rg1およびCg1は変化しないためである。また、誘電率はCb1に関わり、誘電率を小さくすると、時定数は小さくなる。
さらに、接触界面の凹凸形状はRg1およびCg1に関わる。例えば、誘電層23bと、それに相対するプーリの表面粗さを小さくすると、誘電層23bとプーリの空隙距離が小さくなり、Cg1は大きくなる。それに伴い、誘電層23bとプーリの接触面積が大きくなるため、Rg1は小さくなる。Cg1が大きくなる程度と、Rg1が小さくなる程度によって、時定数の大小が決定される。したがって、接触界面の凹凸形状を変えることでも、時定数を変化させることができる。
以上に述べたパラメータによって、時定数を設定することができる。本発明の特徴は、時定数を小さくすることで、高速回転時にも素早く静電吸着力を発生させ、滑りを防止することである。時定数に関わるパラメータや測定方法についてはすでに述べた。ここで、どの程度時定数を小さくすれば、大きな力を得られるかを以下に説明する。
図13は、式(5)における、QcとQjの変化を別々に算出した結果である。横軸は時間であり、時刻0で電圧を印加している。また、この結果は、誘電体の体積抵抗率1E11Ω・cm、印加電圧200V、プーリ表面粗さRa=0.1μmの条件で測定したインピーダンスをもとに計算した結果である。図13から分かるように、Qcは時間と共に減衰し、Qjは時間と共に増加し、これに伴い合計の電荷量は時間と共に増加する。QcとQjがクロスする時間tcjから、Qjが支配的になり、ジョンセン・ラーベック力による強い吸着力が発生する。したがって、プーリとベルトの吸着を考えたとき、このtcjよりも巻き付き時間を大きく設定することによって、大きな静電吸着力が得られると言える。tcjは、Qc=Qjとすれば求められ、以下のようになる。
また、式(11)は以下のように変形できる。
ここで、定数aがどのような値になるかを求める。図14は、Rb1/Rg1およびCg1/Cb1を、静電吸着力を横軸にして整理した結果である。ここで静電吸着力を横軸にとった理由は、Rb1/Rg1やCg1/Cb1の比が、静電吸着力に大きく依存するからである。すなわち、静電吸着力の大小によって、プーリとベルトの接触状態が変化し、接触抵抗Rg1と界面容量Cg1が大きく変わることによって、Rb1/Rg1やCg1/Cb1の比が大きく変わる。
図14(a)をみると、静電吸着力が大きくなることによって、Rb1/Rg1が大きくなっていることが分かる。これは、静電吸着力が大きくなると、プーリとベルトの接触点が増えて界面の電流パスが増えることによって、Rg1が相対的に小さくなるからであると考えられる。また、Rb1/Rg1は、誘電体の体積抵抗率によっても変わることが確認できる。実際には、伝達機構に必要な静電吸着力は最大で500kPa程度である。静電吸着力が500kPaの場合、静電吸着力が500kPaの場合、Rb1/Rg1は2〜10となる。
次に、図14(b)をみると、静電吸着力が大きくなることによって、Cg1/Cb1が大きくなっていることが分かる。これは、静電吸着力が大きくなると、プーリとベルトの空隙距離が小さくなることによって、Cg1が相対的に大きくなるからであると考えられる。実際には、伝達機構に必要な静電吸着力は最大で500kPa程度であり、このときCg1/Cb1は10となる。
以上から、図14から、式(12)を用いて定数aを求めると、定数a=0.25〜0.7となる。定数a=0.25=1/4を式(14)に代入すると、tcj=1/4×τとなる。この結果から、プーリとベルト間にジョンセン・ラーベック力による強い吸着力を働かせるには、プーリとベルトの巻き付き時間をtcj、すなわち1/4×τよりも大きくすれば良いことが分かる。時定数τは、前述したように実測が可能であるため、プーリとベルトの巻き付き時間を1/4×τ以上にするように、各パラメータをすることができる。
以上のように、プーリとベルトの巻き付き時間を1/4×τよりも大きくなるように巻き付き時間および時定数を調整することで、静電吸着力による滑り防止の効果が大きくなる。
本実施例の最後に、図1、図15、図16を参照して、本発明を図1に示す減速比を有する駆動伝達装置50に適用した場合について述べる。
まず、図15は、駆動プーリ21と無端ベルト23の静電吸着力と巻き付き時間の関係を算出した結果であり、時定数を調整するパラメータとして誘電層23bの体積抵抗率を用いている。なお、駆動プーリ21は直径20mmで、無端ベルト23との巻き付き角は120°、巻き付き幅は10mmであり、印加電圧は200Vである。図1のような減速比を有する駆動伝達装置では、プーリ径の小さい駆動プーリ21の回転数が従動プーリ21に比べて速いため、駆動プーリ21の静電吸着力は従動プーリ22よりも小さくなってしまう。
前述したように駆動伝達装置の系全体の伝達可能駆動力は、静電吸着力の小さいプーリの伝達可能駆動力で決まってしまう。そこで、系全体の伝達可能駆動力を大きくするには、駆動プーリ21の静電吸着力を大きくする必要がある。ここで、モータの回転数を2000rpmとすると、駆動プーリ21と無端ベルト23の巻き付き時間は10msecとなる。このとき、図15の1E11Ω・cmの結果をみると、時定数が120msecと巻き付き時間が10msecよりも非常に大きいために、静電吸着力が4.45Nと小さく、静電吸着力が大きくなる前に駆動プーリ21と無端ベルト23が離れてしまっていることが分かる(図中の●)。
そこで、時定数を小さくするために、無端ベルト23の誘電層23bの体積抵抗率を1E10Ω・cmに小さくする。すると、時定数は15msecまで小さくなり、その結果、駆動プーリ21と無端ベルトの静電吸着力は24.6Nまで大きくなることが分かる(図中の■)。
このように、誘電層23bの体積抵抗率を小さくすることで、時定数を小さくすることができ、その結果、静電吸着力を大きくすることが可能である。特に、回転数が大きく、巻き付き時間が小さい駆動プーリ21では、相対的に静電吸着力が小さくなるため、時定数の調整をすることが必要である。
次に、図16は、時定数を調整するパラメータとして印加電圧を用いている。図16では、駆動プーリ21と従動プーリ22に別の電圧を印加できるように、電圧印加手段をそれぞれ別に設けている。駆動プーリ21は直径20mmで、無端ベルト23との巻き付き角は120°、従動プーリ22は直径80mmで、無端ベルト23との巻き付き角は240°で、駆動プーリ21および従動プーリ22と、無端ベルト23との接触幅を10mmとして計算している。すなわち、駆動プーリ21と無端ベルト23の接触面積は、従動プーリ21と無端ベルト23の接触面積に対して1/8である。無端ベルト23の体積抵抗率は1E11Ω・cm、プーリの表面粗さはRa=0.1μmである。
モータ20の回転数を2000rpmとすると、駆動プーリ21と無端ベルト23の巻き付き時間を10msecとなり、従動プーリ22と無端ベルト23の巻き付き時間を80msecとなる。図16に示すように、印加電圧が200Vの場合は時定数が120msecであり、巻き付き時間の小さい駆動プーリ21では、静電吸着力の大きくなる前に駆動プーリ21と無端ベルト23が離れてしまっている。そのため、静電吸着力は、駆動プーリ21で6.7N(図中の●)、従動プーリ21の静電吸着力が47.0N(図中の■)となり、その比は6.7/47.0=1/7であり、駆動プーリ21の静電吸着力が相対的に非常に小さいことが分かる。
静電吸着力の駆動伝達装置50の系全体の伝達可能な駆動力は、静電吸着力の小さい駆動プーリ21の伝達可能駆動力で決まるため、系全体の伝達可能駆動力を上げるには、駆動プーリ21の静電吸着力を大きくすることが望まれる。
そこで、静電吸着力の小さい駆動プーリ21の時定数を小さくするために、印加電圧を300Vに大きくする。すると、時定数τが27msecまで小さくなっている。その結果、駆動プーリ21と無端ベルト23の静電吸着力が16.9N(図中の▲)まで飛躍していることが分かる。その結果、駆動伝達装置50の系全体の伝達可能な駆動力が大きくなる。さらに、駆動プーリ21と従動プーリ22の静電吸着力の比が、16.0/47.0=1/3と緩和され、従動プーリ22の静電吸着力の無駄が小さくなった。これによって、効率も向上する。
このように、印加電圧を大きくすることでも、時定数を小さくすることができ、その結果、静電吸着力を大きくすることが可能である。特に、回転数が大きく、巻き付き時間が小さい駆動プーリ21では、相対的に静電吸着力が小さくなるため、時定数の調整をすることが必要である。
以上説明してきたように、本発明では、静電吸着力を用いたベルト駆動伝達装置において、静電吸着力が発生するまでの時間(時定数)を小さくすることで、高速に回転するプーリにおいても静電吸着力が増やすことができ、その結果、プーリとベルトの滑りを防止できる。さらには、駆動プーリと従動プーリの静電吸着力の差を小さくすることで、無駄な消費電力を削減する効果がある。
[実施例2]
本発明の第2の実施例について説明する。本実施例は、実施例1と同様の画像形成装置であり、備えられる駆動伝達装置における電圧の印加方法に関する構成が実施例1との相違点である。ここではその相違点についてのみ説明し、他の部分に関する詳細な説明は省略する。
本発明の第2の実施例について説明する。本実施例は、実施例1と同様の画像形成装置であり、備えられる駆動伝達装置における電圧の印加方法に関する構成が実施例1との相違点である。ここではその相違点についてのみ説明し、他の部分に関する詳細な説明は省略する。
まず、図17を参照して、実施例2における駆動伝達装置の構成について説明する。図17(a)は、駆動伝達装置50の側面図であり、印加される電圧を模式的に示してある。図17(b)は、図17(a)を電気的な等価回路で表わした図である。
図17(a)のように、実施例2における印加電圧の構成は、駆動プーリ21を接地し、従動プーリ22に電圧を印加し、無端ベルト23の金属層23bをフロートとしている。実施例1とは、駆動プーリ21を接地したこと、無端ベルト23をフロートとした点が異なる。なお、駆動プーリ21は、軸20aと導通させており、軸20aを介して接地した。ここで、実施例1の電気的な構成を並列構成、実施例2の電気的な構成を直列構成と呼ぶ。このような直列構成にすると、無端ベルト23の金属層23bは、駆動プーリ21と従動プーリ22の電位の間の電位となる。
すると、駆動プーリ21と無端ベルト23、および従動プーリ22と無端ベルト23の間にはそれぞれ電位差が発生し、それぞれのプーリと無端ベルト23との間に静電吸着力が発生し、プーリと無端ベルト23の滑りを抑制する。
本実施例の駆動伝達装置50においても、実施例1と同様に、静電吸着力から伝達可能駆動力を算出することができる。ただし、実施例1の並列構成では、径の小さい駆動プーリ21で伝達可能駆動力が小さくなったが、本実施例の直列構成では、径の大きい従動プーリ22で伝達可能駆動力が小さくなる。その理由を以下に説明する。
従動プーリ22と駆動プーリ21とで、ベルトの巻き付き角度θ、プーリの半径r、プーリとベルト間にかかる電圧Vが異なるため、伝達可能な駆動力は異なる。従動プーリ22では、駆動プーリ21に比べてベルトの巻き付き角度θおよびプーリの半径rは大きくなっている。一方、従動プーリ22の方が駆動プーリ21よりも無端ベルト23との接触面積が大きいため、図17(b)に示した等価回路における抵抗成分が小さくなり、プーリとベルト間にかかる電圧Vは小さくなる。
即ち図17(b)においてV1>V2となる。前述したように伝達可能な駆動力はプーリ−ベルト間にかかる電圧Vに依存する。このため、巻き付き角度θおよびプーリ半径rが大きくなることよりもプーリとベルト間に係る電圧Vが小さくなることがより大きく作用し、伝達可能な駆動力は、従動プーリ22の方が駆動プーリ21よりも小さくなる。したがって、従動プーリ22において、伝達可能駆動力が増加するように、時定数を調整することが望まれる。
次に、直列構成の時定数について説明する。図17(b)で示した等価回路図の電流応答の時定数は以下のように表わされる。
続いて、図18を参照して、本発明を直列構成の駆動伝達装置50に適用した場合の効果について述べる。図18は、減速比をもち、かつ直列構成の駆動伝達装置における、プーリとベルトの静電吸着力を算出した図である。ここでの条件は、駆動プーリ21の直径は20mm、無端ベルト23との巻き付き角θは120°、従動プーリ22の直径は80mm、無端ベルト23との巻き付き角θは240°である。また、無端ベルト23の誘電層23aの体積抵抗率は1E11Ω・cmであり、それぞれのプーリの表面粗さはRa=0.1μmである。
図18(a)は、印加電圧200Vのときの、巻き付き時間と静電吸着力の関係を示した図である。例えば、モータの回転数を800rpmの場合、駆動プーリ21の巻き付き時間が0.025sec、駆動プーリ22の巻き付き時間が0.2secである。このときの時定数τは3secであり、駆動プーリ21、従動プーリ22とも、静電吸着力の大きくなる前にプーリとベルトが離れてしまっている。そのため、静電吸着力は、駆動プーリ21で0.83N(図中の●)、従動プーリ22で0.17N(図中の■)となり、その比が、0.83/0.17=4.9と大きく、従動プーリ22の静電吸着力が相対的に非常に小さいことが分かる。
そこで、静電吸着力の小さい従動プーリ22の時定数を小さくために、印加電圧を300Vに大きくする。その結果が、図17(b)である。図17(b)をみると、印加電圧を300Vにすることで、時定数τが0.6secまで小さくなっていることが分かる。従動プーリ22の巻き付き時間は0.2secであるため、時定数を小さくすることで、従動プーリ22の静電吸着力が大きく増えていることが分かる。実際に、静電吸着力は、駆動プーリ21で2.0N(図中の●)、従動プーリ22で1.34N(図中の■)で、その比は、2.0/1.34=1.5となり、従動プーリ22の静電吸着力が相対的に飛躍していることが分かる。
駆動伝達装置50の伝達可能駆動力は、静電吸着力の小さいプーリで決まるため、従動プーリ22の静電吸着力を大きくすることで、系全体の伝達可能駆動力が増大する。さらに、駆動プーリ21と従動プーリ22の静電吸着力の比が小さくなることで、駆動プーリ21の静電吸着力の無駄が小さくなった。これによって、効率も向上する。
以上、本実施例では、減速比をもつベルト駆動伝達装置の、特に直列構成において、静電吸着力が小さくなる従動プーリにおける静電吸着力が発生するまでの時間(時定数)を小さくすることで、従動プーリの静電吸着力を大きくすることができた。これによって、駆動伝達装置の伝達可能駆動力が増大し、プーリとベルトの滑りを防止できる。さらには、駆動プーリと従動プーリの静電吸着力の差を小さくすることで、効率が向上する効果もある。
[実施例3]
本発明の第3の実施例について説明する。本実施例は、実施例1と同様の画像形成装置であり、画像形成装置内での駆動伝達装置の適用部位と、駆動伝達装置における電圧の印加方法に関する構成、動作が実施例1との相違点である。ここではその相違点についてのみ説明し、他の部分に関する詳細な説明は省略する。
本発明の第3の実施例について説明する。本実施例は、実施例1と同様の画像形成装置であり、画像形成装置内での駆動伝達装置の適用部位と、駆動伝達装置における電圧の印加方法に関する構成、動作が実施例1との相違点である。ここではその相違点についてのみ説明し、他の部分に関する詳細な説明は省略する。
本実施例は、特に、駆動伝達装置の回転数が変化する場合の、印加電圧の制御方法について述べたものである。すなわち、プーリとベルトの巻き付き時間に応じて、時定数を変更するように印加電圧を制御するものである。
まず、図19を参照して、本実施例における駆動伝達装置51の構成について説明する。本実施例では、図19に示すように、駆動伝達装置51を、画像形成装置の定着装置17の定着ローラ41を駆動させるために用いた。駆動伝達装置51の、従動プーリ22の出力軸42には、さらに減速するために、段ギヤ43と、それにかみ合うように定着ローラギヤ44が取り付けてあり、モータ20から定着ローラ41を大きな減速比で伝達駆動可能なようにしている。駆動プーリ21および従動プーリ22には、電圧印加手段25から電圧を供給しており、実施例1と同様に並列構成である。また、電圧印加手段25は、定着速度指令手段47からの信号に応じて、印加電圧を変えられるようにしてある。
電子写真方式の画像形成装置では、トナーを紙上に定着させる際に、加熱した定着ローラと加圧ローラの間に紙を通して、加熱定着させることが多い。その際に、厚紙、薄紙、普通紙、コート紙などの紙種に応じて、定着速度を変化させる場合がある。例えば、薄紙の場合、厚紙に比べて紙の熱容量が小さいため、定着時間を小さくでき、定着速度を速くする。このとき、駆動伝達装置51においては、モータ20の回転数を大きくする。これによって、プーリとベルトの巻き付き時間は小さくなるため、静電吸着力が小さくなる。すると、静電吸着力が不足になり、プーリとベルトが滑る恐れが発生する。本実施例では、プーリとベルトの速度を変えたときの滑りを防止するため、プーリとベルトの巻き付き時間に応じて、印加電圧を制御する。
次に、図20を参照して、駆動伝達装置における電圧の制御方法の思想について説明する。
図20は、駆動プーリ21と無端ベルト23の、巻き付き時間と静電吸着力の関係を算出した結果である。なお、駆動プーリ21は直径20mm、無端ベルト23との巻き付き角θは180°、接触幅は10mm、無端ベルト23の誘電層23bの体積抵抗率は1E11Ω・cmである。なお、定着ローラ44を駆動させるのに必要な目標吸着力は、16Nである。
図20に示すように、初期の巻き付き時間が10msecの場合、目標吸着力16Nを発生させるために必要な印加電圧は200Vである(図中の●)。このとき、定着速度が倍になると、巻き付き時間が5msecとなるため、静電吸着力が低下し(図中の▲)、目標吸着力を下回ってしまう。そこで、印加電圧を250Vに上げて、静電吸着力を上昇させる(図中の■)。このように、巻き付き時間が低下しても、印加電圧を制御することによって、静電吸着力の不足を防ぎ、プーリとベルトの滑りを防止することができる。逆に、回転数を落とし、巻き付き時間が上昇した場合は、印加電圧を低下させることで、消費電力を削減することができる。
続いて、図19および図21を参照して、駆動伝達装置における電圧の制御フローについて説明する。
まず、ユーザが紙種の設定を行なうか、画像形成装置内の紙種検知センター(不図示)によって紙種が検知される(S201)と、紙種情報が定着速度指令手段47に送られ、定着速度を標準か高速かを判定する(S202)。定着速度が標準の場合、モータ20の回転数を標準に設定し(S203)、印加電圧をVstandに設定する(S204)。定着速度が高速の場合は、モータ20の回転数を高速に設定し(S205)、印加電圧をVfastに設定する(S206)。
次に、印加電圧の設定信号が定着速度指令手段47から電圧印加手段25に送られ、プーリに電圧が印加される(S207)。続いて、モータ回転数の設定信号が定着速度指令手段47からモータ20に送られ、モータの回転が開始する(S208)。その後、CPUから停止指令が出されるまで待機する(S209)。装置の定着動作を含む印刷動作が行われ、停止指令が出されると、モータ60の回転を停止(S210)した後に、プーリへの電圧印加をOFFする(S211)。
次に、図22を参照して、プーリの速度を検知して、プーリへの印加電圧を制御する構成について説明する。
図22では、ロータリエンコーダ48を取り付けてある。ロータリエンコーダ48は、駆動プーリ21の回転数を検知する。ロータリエンコーダ48で検知した駆動プーリ21の回転数の情報を、電圧印加手段25に送り、印加電圧を制御する。なお、ここでの制御方法は、図20で示した制御方法と同様で、回転数が大きい場合には電圧を大きくし、回転数が小さい場合には電圧を小さくする。これによって、回転数上昇時の吸着力不足を防ぎ、また、回転数低下時の消費電力の削減を実現できる。
以上説明してきたように、本実施例では、プーリの回転数に応じて印加電圧を制御することによって、プーリの回転数上昇に伴う吸着力低下を防ぎ、プーリとベルトの滑りを防止する効果がある。さらに、プーリの回転数が小さくなった場合には、印加電圧を低下させることによって、消費電力を削減する効果がある。
また、本実施例では定着ローラへの駆動伝達装置として説明したが、適用先はこれに限定されるものではなく、例えば実施例1で説明した中間転写ベルトや感光ドラム等、その他の駆動伝達においても好適に実施できる。あるいは実施例2の直列構成の駆動伝達装置と組み合わせて実施することも可能である。
[実施例4]
本発明の第4の実施例について説明する。本実施例は、実施例3と同様の画像形成装置であり、画像形成装置内での駆動伝達装置の適用部位も同じであり、駆動伝達装置における巻き付き角可変機構が実施例3との相違点である。ここではその相違点についてのみ説明し、他の部分に関する詳細な説明は省略する。
本発明の第4の実施例について説明する。本実施例は、実施例3と同様の画像形成装置であり、画像形成装置内での駆動伝達装置の適用部位も同じであり、駆動伝達装置における巻き付き角可変機構が実施例3との相違点である。ここではその相違点についてのみ説明し、他の部分に関する詳細な説明は省略する。
本実施例は、特に、駆動伝達装置の回転数が変化する場合に、プーリとベルトの巻き付き角を制御する方法について述べたものである。すなわち、実施例3では、プーリの回転数が変化すると印加電圧を変えたが、本実施例では、プーリの回転数を変えたときに巻き付き角を変えるものである。
まず、図23を参照して、本実施例における駆動伝達装置の構成について説明する。図23は、駆動伝達装置52の側面図であり、印加される電圧を模式的に示してある。図23(a)と(b)は、駆動プーリ21と無端ベルト23の巻き付き角が異なっており、(a)は180°、(b)は230°である。図24は、駆動伝達装置52の上面図である。
図23(a)に示すように、本実施例では、実施例1と同様の並列構成の駆動伝達装置に、巻き付き角調整ローラ64を付け加えた構成である。巻き付き角調整ローラ64には、テンション調整バネ63、ホルダー62、カム61、カムモータ60が取り付けてある。巻き付き角調整ローラ64を駆動プーリ21に近づけるように(図中の矢印の方向)動かすことによって、無端ベルト23のテンションをほぼ変えることなく、無端ベルト23と駆動プーリ21、および無端ベルト23と従動プーリ22との巻き付き角を調整することが可能である。
なお、巻き付き角調整ローラ64は、カムモータ60を回転させることによって、動くように構成してある。図23(b)は、このような構成で、カムモータ60を回転させて、駆動プーリ21と無端ベルト23の巻き付き角を大きくした図である。また、図24に示すように、カムモータ60は、定着速度指令手段47の信号によって駆動できるようにしてあり、モータ20の回転数が変わるタイミングで、カムモータ60を駆動し、巻き付き角を調整する。
ここで、図25を用いて、駆動伝達装置52における巻き付き角の制御方法の思想について説明する。図25は、駆動プーリ21と無端ベルト23の、巻き付き時間と静電吸着力の関係を算出した結果である。なお、駆動プーリ21は直径20mm、印加電圧が200V、接触幅は10mm、無端ベルト23の誘電層23bの体積抵抗率は1E11Ω・cmである。なお、定着ローラ44を駆動させるのに必要な目標吸着力は、16Nである。
図25に示すように、初期の巻き付き時間が10msecの場合、目標吸着力16Nを発生させるために必要な巻き付き角は180°である(図中の●)。
図25に示すように、初期の巻き付き時間が10msecの場合、目標吸着力16Nを発生させるために必要な巻き付き角は180°である(図中の●)。
このとき、定着速度が倍になると、巻き付き時間が5msecとなるため、静電吸着力が低下し(図中の▲)、目標吸着力を下回ってしまう。そこで、巻き付き角を240°に大きくして、静電吸着力を上昇させる(図中の■)。また、消費電力はプーリとベルトの接触面積に依存するため、回転数が小さくなった場合は、巻き付き角を小さくすることが望ましい。
このように、プーリの回転数が上昇しても、巻き付き角を大きくすることによって、静電吸着力の不足を防ぎ、プーリとベルトの滑りを防止することができる。さらに、プーリの回転数が低下した場合は、巻き付き角を小さくすることによって、プーリとベルトの接触面積が減り、消費電力を削減することができる。
続いて、図23および図26を参照して、駆動伝達装置52における巻き付き角の制御フローについて説明する。
まず、ユーザが紙種の設定を行なうか、画像形成装置内の紙種検知センター(不図示)によって紙種が検知される(S301)と、紙種情報が定着速度指令手段47に送られ、定着速度を標準か高速かを判定する(S302)。定着速度が標準の場合、モータ20の回転数を標準に設定し(S303)、巻き付き角をθstandになるように、モータ60の回転角を設定する(S304)。定着速度が高速の場合は、モータ20の回転数を高速に設定し(S205)、巻き付き角をθfastになるように、モータ60の回転角を設定する(S306)。
次に、電圧印加手段25によって、プーリに電圧が印加される(S307)。続いて、モータ回転数の設定信号が定着速度指令手段47からモータ20に送られ、モータの回転が開始する(S208)。その後、CPUから停止指令が出されるまで待機する(S209)。停止指令が出されると、モータ60の回転を停止(S210)した後に、プーリへの電圧印加をOFFする(S211)。
以上説明してきたように、本実施例では、プーリの回転数に応じて巻き付き角を制御することによって、プーリの回転数上昇に伴う吸着力低下を防ぎ、プーリとベルトの滑りを防止する効果がある。さらに、プーリの回転数が小さくなった場合には、巻き付き角を小さくすることによって、消費電力を削減する効果がある。
また、本実施例では定着ローラへの駆動伝達装置として説明したが、適用先はこれに限定されるものではなく、例えば実施例1で説明した中間転写ベルトや感光ドラム等、その他の駆動伝達においても好適に実施できる。あるいは実施例2の直列構成の駆動伝達装置と組み合わせて実施することも可能である。あるいは実施例3の電圧制御や、プーリの速度検知による制御と組み合わせて実施することも可能である。
1Y、1M、1C、1K・・・感光ドラム
2Y、2M、2C、2K・・・帯電装置
3Y、3M、3C、3K・・・露光装置
4Y、4M、4C、4K・・・現像装置
4j・・・固定磁極
4s・・・現像スリーブ
5Y、5M、5C、5K・・・一次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K・・・クリーニング装置
9・・・中間転写ベルト
10・・・バックアップローラ
11・・・二次転写ローラ
12・・・テンションローラ
13・・・駆動ローラ
14・・・給紙ローラ
15・・・分離装置
16・・・レジストローラ
17・・・定着装置
18・・・中間転写ベルトクリーニング装置
20、60・・・モータ
20a・・・モータ軸
21・・・駆動プーリ
22・・・従動プーリ
23・・・無端ベルト
23a・・・金属層
23b・・・誘電層
25・・・電圧印加手段
28a、28b、28c・・・導電性ブラシ
30Y、42、45・・・軸
43・・・段ギヤ
44・・・定着ローラギヤ
34a、34b・・・絶縁部材
40・・・加圧ローラ
41・・・定着ローラ
47・・・定着速度指令手段
48・・・ロータリエンコーダ
50、51、52・・・駆動伝達装置
61・・・カム
62・・・ホルダー
63・・・テンション調整バネ
64・・・巻き付き角調整ローラ
100・・・画像形成装置
2Y、2M、2C、2K・・・帯電装置
3Y、3M、3C、3K・・・露光装置
4Y、4M、4C、4K・・・現像装置
4j・・・固定磁極
4s・・・現像スリーブ
5Y、5M、5C、5K・・・一次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K・・・クリーニング装置
9・・・中間転写ベルト
10・・・バックアップローラ
11・・・二次転写ローラ
12・・・テンションローラ
13・・・駆動ローラ
14・・・給紙ローラ
15・・・分離装置
16・・・レジストローラ
17・・・定着装置
18・・・中間転写ベルトクリーニング装置
20、60・・・モータ
20a・・・モータ軸
21・・・駆動プーリ
22・・・従動プーリ
23・・・無端ベルト
23a・・・金属層
23b・・・誘電層
25・・・電圧印加手段
28a、28b、28c・・・導電性ブラシ
30Y、42、45・・・軸
43・・・段ギヤ
44・・・定着ローラギヤ
34a、34b・・・絶縁部材
40・・・加圧ローラ
41・・・定着ローラ
47・・・定着速度指令手段
48・・・ロータリエンコーダ
50、51、52・・・駆動伝達装置
61・・・カム
62・・・ホルダー
63・・・テンション調整バネ
64・・・巻き付き角調整ローラ
100・・・画像形成装置
Claims (10)
- 駆動源と、
駆動プーリと、
被駆動部に連結された、少なくとも1つ以上の従動プーリと、
前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻回されたベルトと、を備え、
前記駆動源の回転力を前記駆動プーリに伝達し、前記ベルト及び前記従動プーリを介して前記被駆動部に駆動を伝達する駆動伝達装置であって、
前記駆動プーリまたは前記従動プーリの少なくとも一方と、前記ベルトは導体部を有し、
前記導体部を有するプーリと前記ベルトの導体部は誘電体を介して接触するように配置され、
前記導体部を有するプーリの導体部と前記ベルトの導体部との間に電位差を与える電圧印加手段と、を備え、
前記導体部を有するプーリと前記ベルトの接触時間tは、
クーロン力よりも、ジョンセン・ラーベック力が大きくなるために必要な時間tcjに対して、
tcj < t を満たすように、
前記tcjおよび前記接触時間tを決定したことを特徴とする駆動伝達装置。 - 前記印加電圧に応答して、前記導体部を有するプーリの導体部および前記ベルトの導体部の間に発生する電流の時定数τ、
前記誘電体の体積抵抗R、静電容量Cおよび、
前記駆動プーリおよび前記ベルト、または前記従動プーリおよび前記ベルトの接触時間tは、
τ×ln(1/τ×1/R×1/C+1) < t を満たすように
前記R、C、τ、tを決定したことを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。 - 前記印加電圧に応答して、前記導体部を有するプーリの導体部および前記ベルトの導体部の間に発生する電流の時定数τは、
前記駆動プーリおよび前記ベルト、および前記従動プーリおよび前記ベルトの接触時間tに対して、
τ × 1/4 < t を満たすように、
前記時定数τおよび前記接触時間tを決定したことを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。 - 前記駆動プーリおよび前記従動プーリは共に導体部を有し、前記駆動プーリおよび前記従動プーリのうち、
前記駆動プーリと前記ベルト、および前記従動プーリと前記ベルトの間に発生する静電吸着力が最も小さいプーリにおいて、
前記プーリおよび前記ベルトの接触時間tは、
クーロン力よりも、ジョンセン・ラーベック力が大きくなるために必要な時間tcjに対して、
tcj < t を満たすように、
前記tcjおよび前記接触時間を決定したことを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。 - 前記駆動プーリおよび前記従動プーリは共に導体部を有し、
前記ベルトの導体部を接地、あるいは所定の電位を付与する電位付与手段を備え、
前記駆動プーリの導体部、および前記従動プーリの導体部と前記ベルトの導体部との間に電位差を与える駆動伝達装置であって、
前記駆動プーリおよび前記従動プーリのうち、前記駆動プーリおよび前記ベルト、および前記従動プーリおよび前記ベルトの接触時間tが最も小さいプーリにおいて、
前記プーリおよび前記ベルトの接触時間tは、
クーロン力よりも、ジョンセン・ラーベック力が大きくなるために必要な時間tcjに対して、
tcj < t を満たすように、
前記tcjおよび前記接触時間を決定したことを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。 - 前記駆動プーリおよび前記従動プーリは共に導体部を有し、
前記駆動プーリの導体部と前記従動プーリの導体部との間に電位差を与える駆動伝達装置であって、
前記駆動プーリおよび前記従動プーリのうち、前記駆動プーリおよび前記ベルト、および前記従動プーリおよび前記ベルトの接触時間tが最も大きいプーリにおいて、
前記プーリおよび前記ベルトの接触時間tは、
クーロン力よりも、ジョンセン・ラーベック力が大きくなるために必要な時間tcjに対して、
tcj < t を満たすように、
前記tcjおよび前記接触時間を決定したことを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。 - 前記駆動プーリおよび前記従動プーリに所定の電位を付与する電位付与手段を2つ以上持つことを特徴とする請求項5に記載の駆動伝達装置。
- 前記駆動プーリあるいは前記従動プーリの回転速度に応じて、
前記電圧印加手段は印加電圧を変更することを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。 - 前記駆動プーリあるいは前記従動プーリの回転速度に応じて、
前記駆動プーリおよび前記ベルト、あるいは前記従動プーリおよび前記ベルトの接触長さを変更する接触長さ変更手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の駆動伝達装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017014224A JP2018123844A (ja) | 2017-01-30 | 2017-01-30 | 駆動伝達装置及び駆動伝達装置を備えた画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017014224A JP2018123844A (ja) | 2017-01-30 | 2017-01-30 | 駆動伝達装置及び駆動伝達装置を備えた画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018123844A true JP2018123844A (ja) | 2018-08-09 |
Family
ID=63111306
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017014224A Pending JP2018123844A (ja) | 2017-01-30 | 2017-01-30 | 駆動伝達装置及び駆動伝達装置を備えた画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018123844A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3647625A1 (en) * | 2018-10-15 | 2020-05-06 | KYOCERA Document Solutions Inc. | Drive force transmission mechanism, image forming apparatus and belt manufacturing method |
-
2017
- 2017-01-30 JP JP2017014224A patent/JP2018123844A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3647625A1 (en) * | 2018-10-15 | 2020-05-06 | KYOCERA Document Solutions Inc. | Drive force transmission mechanism, image forming apparatus and belt manufacturing method |
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---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
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