JP2018123394A - 電気防食システム及び定電流回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部電源方式及び流電陽極方式の電気防食において、外部電源用電極又は流電陽極に流れる電流を精度良く安定して定電流コントロールすることができ、被防食体に一定の防食電流を安定的に流入させて良好な防食状態を維持し得る電気防食システム及び定電流回路を提供すること。【解決手段】電気防食システム10は、被防食体91に電流を流す外部電源用電極20と、該電極20に直列に接続する定電流回路30とを備える。定電流回路30が、三端子レギュレータ33と電流調整抵抗34,35とを備える、外部電源用電極20に流れる電流の電流値が一定となるように該電流を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、外部電源方式又は流電陽極方式による電気防食システム及びそれに用いる定電流回路に関する。
コンクリート、土壌、海水、河川水その他の腐食環境に接する金属体などの被防食体の防食方法として電気防食法が知られている。電気防食法は、被防食体に対して防食電流を供給することにより、電位を卑方向に変化させて被防食体を再不動態化、又は不活性な電位域に変化させる防食方法である。電気防食の方式としては従来、外部電源方式と流電陽極方式と知られている。
外部電源方式は、直流電源装置及び陽極としての外部電源用電極を設置し、被防食体を陰極として電気回路を構成し、該直流電源装置より該外部電源用電極から該被防食体に直流電流(防食電流)を流入させる方式である。外部電源方式では、通常、直流電源装置の出力電圧を外部電源用電極と被防食体との間に一定に印加しているので、腐食環境の抵抗の抵抗値が経時的に変化した場合に防食電流の電流値が変動し、そのため、防食効果が安定的に得られない、複数の外部電源用電極を用いて広範囲の防食を行う場合にその防食が均一に行われないといった課題がある。斯かる課題への対処技術として、外部電源方式の電気防食システムに、防食電流の電流値を一定にし得る定電流回路を組み込む技術が知られている(特許文献1〜3)。
特許文献1には、電気防食用に配設された複数の陽極と、各陽極に接続された複数の定電流回路と、各定電流回路に接続された直流電源装置と、1つの電流設定用可変抵抗器及び/又は1つの定電位制御回路とを備え、該電流設定用可変抵抗器又は該定電位制御回路の出力によって複数の定電流回路を同時に制御するように構成した電気防食用直流電源装置において、定電流回路として、オペアンプとトランジスタとを組み合わせた構成のものが記載されている。特許文献1記載の電気防食用直流電源装置によれば、配線長の長短や接水抵抗あるいは接地抵抗の大小によって生じる、各陽極に流れる電流値の不均一に起因する陽極のトラブルを防止し得るとされている。
特許文献2には、水道管などの地下埋設物の防食装置として、外部電源方式における直流電源装置に太陽電池を用い、該太陽電池の発電電圧を充電するバッテリと、該バッテリの出力電流を一定にする定電流回路と、防食電極とを備え、該定電流回路が、抵抗及びトランジスタからなる直列回路と、該抵抗と該トランジスタのエミッタ−ベース間に定電位を供給する定電圧素子とを備えたものが記載されている。
特許文献3には、外部電源方式の防食装置における陽極電流均等化回路として、エミッタ抵抗、トランジスタ及びベース抵抗を用いた回路が記載されている。
特許文献1〜3に記載の定電流回路は定電流特性の良い回路ではなく、不安定な動作をすることがあり、正確な定電流コントロールを実現していない。例えば、コンクリート構造物に埋設されている鉄筋に対して外部電源方式による電気防食を行う場合、それに使用する定電流回路の定電流特性が良くないものであると、外部電源用電極からコンクリートを介して被防食体たる鉄筋に流れる防食電流が過剰となり、外部電源用電極の周囲のコンクリートやモルタルが変質するおそれがある。
また、特許文献1記載の電気防食用直流電源装置は、定電流回路が複数のオペアンプを用いた繊細な回路であるため、オフセット、ドリフト、歪み、ノイズが生じるおそれがあり、また、斯かる問題を解決するためには、回路のバランス、ノイズの除去などを目的とした非常に煩わしい種々の処置が新たに必要となる。
また、特許文献2記載の防食装置は、定電圧素子としてツェナーダイオードを利用しているため、ツェナーダイオードとトランジスタのエミッタ−ベース間の電圧−温度特性とが一致せず、周囲温度によって出力電流が変動するおそれがある。しかも、ツェナーダイオードのツェナー電圧が数V以上のため、抵抗の電圧降下が大きくなり、そのため、特許文献2記載の防食装置では電力消費が大きくなる。
また、特許文献3記載の陽極電流均等化回路による電流制御では、負荷の状態が変化するとそれによって負荷に流れる電流値も変化するので負荷の変化がない場合やわずかな変化しかない場合はよいが、負荷の変動が大きい場合はその都度再調整が必要となり実用的でない。
一方、流電陽極方式は、被防食体よりもイオン化傾向の高い卑金属を流電陽極として被防食体に接続し、流電陽極と被防食体との電位差を起電力として流電陽極から被防食体に直流電流(防食電流)を流入させる方式である。流電陽極方式は、外部電源方式に比べて、電源を必要とせず、施工及びメンテナンスが容易で、経済性に優れるというメリットを有するが、流電陽極方式では、特に流電陽極の設置当初において、防食電流の電流量が大きく分極量が過剰な状態となり、被防食体に被覆された塗膜などに悪影響を生じさせるおそれがある。また、コンクリート構造物又は地中埋設物に流電陽極方式を適用する場合には通常、流電陽極の近傍の抵抗を下げるために、コンクリート構造物の表面又は土壌と流電陽極との間に、ベントナイト、石膏及び無水芒硝などを含むバックフィルを介在させるところ、このバックフィルの水分が経時的に減少してその抵抗の抵抗値が高くなり、十分な電流が流せなくなるおそれがある。
特開平6−146030号公報 実開昭59−189869号公報 特開平2−50988号公報
外部電源方式及び流電陽極方式にはそれぞれ一長一短があり、被防食体の用途などに応じて使い分けられている。いずれの方式であっても、外部電源用電極又は流電陽極に流れる電流が精度良く安定し、防食電流の電流値が安定して一定となることが望まれるが、斯かる要望に十分に応え得る技術は未だ提供されていない
本発明の課題は、外部電源方式及び流電陽極方式の電気防食において、外部電源用電極又は流電陽極に流れる電流を精度良く安定して定電流コントロールすることができ、被防食体に一定の防食電流を安定的に流入させて良好な防食状態を維持し得る電気防食システム及び定電流回路を提供することである。
本発明は、被防食体に対して外部電源方式又は流電陽極方式によって電気防食を行う電気防食システムであって、前記被防食体に電流を流す外部電源用電極又は流電陽極と、該外部電源用電極又は該流電陽極に直列に接続する定電流回路とを備え、前記定電流回路が、三端子レギュレータ又は接合型電界トランジスタと電流調整抵抗とを備えるか、又は定電流ダイオードを備え、前記外部電源用電極又は前記流電陽極に流れる電流の電流値が一定となるように該電流を制御する電気防食システムである。
また本発明は、被防食体に対して外部電源方式又は流電陽極方式によって電気防食を行う場合に、外部電源用電極又は流電陽極に直列に接続して使用する定電流回路であって、三端子レギュレータ又は接合型電界トランジスタと電流調整抵抗とを備えるか、又は定電流ダイオードを備え、前記外部電源用電極又は前記流電陽極に流れる電流の電流値が一定となるように該電流を制御する定電流回路である。
本発明の電気防食システム及び定電流回路によれば、外部電源方式及び流電陽極方式の電気防食のいずれにおいても、外部電源用電極又は流電陽極に流れる電流を精度良く安定して定電流コントロールすることができ、被防食体が置かれている腐食環境の変化の影響を受け難く、腐食環境の抵抗の抵抗値が経時的に変化した場合でも防食電流が一定であるので、被防食体の良好な防食状態が維持される。また、特に本発明の定電流回路は、構成部品の点数が比較的少ないため、定電流回路の信頼性が向上し、長寿命化が実現でき、回路スペースが従来に比して縮小しており、施工及びメンテナンスなどの点で有利である。
図1は、本発明の電気防食システムの一実施形態である外部電源方式の電気防食システムの一例の概略構成図である。 図2は、図1に示す電気防食システムの回路構成図である。 図3は、図1に示す電気防食システムにおいて2種類の市販の三端子レギュレータ(LM317及びLM350)を使用した場合における、電圧(入出力の電位差)と出力電流の上限値との関係を示すグラフである。 図4は、図1に示す電気防食システムにおける直流電源装置の印加電圧の算出方法の説明図である。 図5は、本発明の電気防食システムの一実施形態である外部電源方式の電気防食システムの他の一例の概略構成図(図1相当図)である。 図6は、本発明の電気防食システムの一実施形態である外部電源方式の電気防食システムの回路構成の他の一例を示す回路構成図(図2相当図)である。 図7は、本発明の電気防食システムの他の一実施形態である流電陽極方式の電気防食システムの一例の概略構成図(図1相当図)である。 図8は、図7に示す電気防食システムの回路構成図である。 図9は、図7に示す電気防食システムにおいて2種類の市販の定電流ダイオード(E−301及びE−501)を使用した場合における、ドレイン電圧と出力電流との関係を示すグラフである。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1には、本発明の電気防食システムの一実施形態である電気防食システム10が示されている。電気防食システム10は、コンクリート構造物90中の鉄筋などの鋼材91に対して外部電源方式によって電気防食を行う電気防食システムである。コンクリート構造物90の如き鉄筋コンクリート構造物においては、酸素、水、塩化物イオン等の内部浸透によって鉄筋に腐食が発生し、その腐食生成物の体積膨張によりコンクリートにひび割れが発生し、これが腐食をさらに加速させ、鉄筋の断面減少等を引き起こすことにより、最終的には該構造物の強度等の諸性能が低下する。電気防食システム10は、このような鋼材91の腐食を防止してコンクリート構造物90の延命を図るものであり、被防食体である鋼材91に電流を流す外部電源用電極20と、該外部電源用電極20に対して直列に負電位側に接続する定電流回路30と、該定電流回路30に直流電流を出力する外部電源方式の直流電源装置40とを備える。
電気防食システム10においては、図1に示すように、コンクリート構造物90中における鋼材91の近傍に複数(図1では9個)の外部電源用電極20が配され、また、その複数の外部電源用電極20と同数の定電流回路30がコンクリート構造物90の外部に配されており、外部電源用電極20と定電流回路30とが1対1で接続されている。直流電源装置40はコンクリート構造物90の外部に1個配されており、その1個の直流電源装置40のプラス極が複数の定電流回路30それぞれに接続され、マイナス極が鋼材91に接続されている。外部電源用電極20、定電流回路30、直流電源装置40及び鋼材91どうしは、リード線を介して互いに接続されている。このように、電気防食システム10においては、直流電源装置40の正極側と外部電源用電極20とが定電流回路30を介して直列に接続されていると共に、直流電源装置40の負極側と被防食体である鋼材91とが接続されている。
外部電源用電極20としては、外部電源方式の電気防食に通常用いられる外部電源用電極を特に制限なく用いることができ、例えば、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム及びルテニウム等の白金族金属の少なくとも1種の酸化物により被覆されたチタン基材、又はニッケルにより被覆された炭素繊維シートが挙げられる。
図2には、電気防食システム10の回路構成が示されている。複数の外部電源用電極20は、それぞれ、定電流回路30と直列に接続され、各定電流回路30は、直流電源装置40のプラス極に対し並列に接続されている。直流電源装置40は、商用交流電源41を全波整流するダイオードブリッジを含む整流回路42と、該整流回路42によって整流された直流電流を平滑化する電解コンデンサを含む平滑回路43とを実装している。
電気防食システム10の主たる特徴の1つとして、定電流回路30が、三端子レギュレータ33と電流調整抵抗34,35とを備え、外部電源用電極20に流れる電流の電流値が一定となるように該電流を制御する点が挙げられる。より具体的には図2に示すように、複数の定電流回路30それぞれにおいては、三端子レギュレータ33の出力端子Voutに電流調整抵抗としての固定抵抗器34及び半固定抵抗器35が接続されていると共に、両抵抗器34,35が三端子レギュレータ33の調整用端子ADJに接続されており、これによって、定電流回路30から外部電源用電極20に流れる電流の電流値が常に一定となり、延いては、外部電源用電極20から被防食体である鋼材91に流れる防食電流の電流値が一定となり得る。即ち電気防食システム10は、鋼材91の置かれている腐食環境の変化の影響を受け難く、腐食環境の抵抗の抵抗値が経時的に変化した場合でも防食電流が一定であるので、鋼材91の良好な防食状態が維持される。また、定電流回路30は、このような優れた性能を有しながらも、構成部品の点数が比較的少なく簡素な構成であり、回路スペースが従来に比して縮小されているため、施工及びメンテナンスなどの点で有利である。
定電流回路30から外部電源用電極20に流れる電流の電流値の大きさは、半固定抵抗器35により微調整される。三端子レギュレータ33としては、入出力端子の他に調整用端子を有する出力可変型の三端子レギュレータが好ましく用いられ、出力可変型の三端子レギュレータの市販品として、ナショナル・セミコンダクター社製の三端子レギュレータ「LM317」及び「LM350」、三菱電機社製の三端子レギュレータ「M5N317L」を例示できる。
図3のグラフは、電気防食システム10において三端子レギュレータ33として、2種類の市販の三端子レギュレータ(前記LM317及び前記LM350)を使用した場合における、電圧(入出力の電位差)と出力電流の上限値との関係を示している。図3のグラフの縦軸の「出力電流」は、定電流回路30から外部電源用電極20に流れる電流の電流値に相当するものであるところ、図3から明らかなように、前記LM317及び前記LM350のいずれを使用した場合でも、電圧が2Vを超えると出力電流が流れ、電圧が3Vから12Vまでの範囲では出力電流が一定となる。三端子レギュレータ33として前記LM317を用いた場合、出力電流の電流値の上限は2.2A程度である。図3に示す結果から、電気防食システム10によれば、定電流回路30から外部電源用電極20に流れる電流が精度良く安定して定電流コントロールされることが明白であり、従って、被防食体である鋼材91に一定の防食電流が安定的に流入するようになり、良好な防食状態が維持されることが明白である。
電気防食システム10における直流電源装置40の印加電圧は、三端子レギュレータ33の各電圧に基づき、次の方法によって算出される(図4参照)。
三端子レギュレータ33からの出力電流Iは、三端子レギュレータ33の基準電圧(出力端子Voutと調整用端子ADJとの間に発生する電圧)をVref、電流調整抵抗34,35の抵抗値をRとした場合、下記式(1)により求められる。
I=Vref÷R …(1)
また、直流電源装置40の印加電圧Vexは、電気防食システム10の作業電圧(外部電源用電極20と被防食体91との間に発生する電圧)をVwork、三端子レギュレータ33のドロップ・アウト電圧(入力端子Vinと出力端子Voutとの間に発生する電圧)をVdropout、三端子レギュレータ33の基準電圧をVrefとした場合、下記式(2)により求められる。
Vex=Vwork+Vdropout+Vref …(2)
例えば、三端子レギュレータ33として前記LM317を用いた場合、三端子レギュレータ33の基準電圧Vrefは1.25Vであり、該三端子レギュレータ33に抵抗値Rが1.25Ωの電流調整抵抗34,35を接続すれば、該三端子レギュレータ33からの出力電流は1Aとなる。また、三端子レギュレータ33のドロップ・アウト電圧Vdropoutは、出力電流1A、25℃のとき2Vとなる。そして、電気防食システム10の作業電圧Vworkが2Vである場合、直流電源装置40の印加電圧Vexは5.25Vとなる。この印加電圧Vexが10Vを越えた場合、出力電流は一定の電流値を維持するが、三端子レギュレータ33の発熱量が多くなるので、電流調整抵抗34,35を変更するか、又は大きな放熱板(図示せず)を配置する必要がある。
以下、本発明の他の実施形態について図5〜図9を参照して説明する。後述する実施形態については、前記実施形態(電気防食システム10及び定電流回路30)と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、前記実施形態についての説明が適宜適用される。
図5に示す電気防食システム11においては、図1に示す電気防食システム10と同様に、1個の外部電源方式の直流電源装置40に対して定電流回路30が複数(図5では5個)並列に接続され、且つ各定電流回路30それぞれに外部電源用電極20が接続されているところ、1個の定電流回路30に対して複数(図5では2個)の外部電源用電極20が直列に接続されている点で電気防食システム10と相違する。このように本発明においては、外部電源用電極20と定電流回路30との接続は必ずしも1対1である必要はなく、図5に示す如くに1個の定電流回路30に対して2個以上の外部電源用電極20を接続してもよく、そのようにしても外部電源用電極20から鋼材91に流れる防食電流を一定にすることができる。また、電気防食システム11においては、複数の定電流回路30それぞれに接続されている外部電源用電極20の数は互いに同じであるが、定電流回路30どうしで、接続されている外部電源用電極20の数が異なっていてもよい。
図6に示す電気防食システム12においては、定電流回路31が、接合型電界トランジスタ36と電流調整抵抗34,35とを備え、三端子レギュレータは備えていない。より具体的には図6に示すように、複数の定電流回路31それぞれにおいては、接合型電界トランジスタ36のソースSに電流調整抵抗としての固定抵抗器34及び半固定抵抗器35が接続されていると共に、両抵抗器34,35が接合型電界トランジスタ36のゲートGに接続されており、これによって、定電流回路31から外部電源用電極20に流れる電流の電流値が常に一定となり、延いては、外部電源用電極20から被防食体である鋼材91に流れる防食電流の電流値が一定となり得る。接合型電界トランジスタ36としては、Nチャネル接合形電界トランジスタが好ましく用いられ、Nチャネル接合形電界トランジスタの市販品として、東芝セミコンダクター社製の電界効果トランジスタ「2SK369」、「2SK192」、「2SK2145」及び「2SK208」、フェアチャイルド社製のNchジャンクションFET「J112」及び「J212」を例示できる。
図7に示す電気防食システム13は、流電陽極方式によって電気防食を行うようになされている。電気防食システム13は、図7に示すように、被防食体である鋼材91に電流を流す流電陽極50を複数(図7では8個)備え、各流電陽極50と鋼材91とが定電流回路32を介して直列に接続されている。定電流回路32は流電陽極50と同数配されており、流電陽極50と定電流回路32とが1対1で接続されている。各流電陽極50は、コンクリート構造物90のコンクリート表面にバックフィル51を介して固定されており、バックフィル51と接触している。流電陽極50、定電流回路32及び鋼材91どうしは、リード線を介して互いに接続されている。尚、電気防食システム13においては、定電流回路32は、コンクリート構造物90中に設けられた接続箱52に収納され、接続箱52内にて前記リード線が結線されているが、前記リード線の途中の任意の位置に介挿接続されていてもよい。
流電陽極50としては、流電陽極方式の電気防食に通常用いられる流電陽極を特に制限なく用いることができ、例えば、コンクリート構造物の鋼材に対して電気化学的に卑な電位を有する金属、具体的には、亜鉛合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金が挙げられる。また、バックフィル51は、流電陽極50の接地抵抗の低下、電気化学的特性の向上など目的として、コンクリート構造物90と流電陽極50との間に介在配置される。バックフィル51としては、流電陽極方式の電気防食に通常用いられるバックフィルを特に制限なく用いることができ、例えば、ベントナイト及び塩化マグネシウムを含んだ粉末状又は粒子状の混合物を水と混練してペースト状にしたものが挙げられる。
図8には、電気防食システム13の回路構成が示されている。複数の定電流回路32は、それぞれ、流電陽極50に直列に負電位側に接続されていると共に、被防食体である鋼材91に接続されている。定電流回路32は定電流ダイオード37を備えており、流電陽極50に流れる電流の電流値が一定となるように制御する。定電流回路32は、1個の定電流ダイオード37のみで構成されているため、回路スペースが従来に比して十分に小さく、施工及びメンテナンスなどの点で有利である。定電流ダイオード37として好適に用いられる市販品として、SEMITEC社製の定電流ダイオード「E−301」、「E−501」及び「E−701」を例示できる。
図9のグラフは、電気防食システム13において定電流ダイオード37として、2種類の市販の定電流ダイオード(前記E−301及び前記E−501)を使用した場合における、ドレイン電圧(入出力の電位差)と出力電流との関係を示している。図9のグラフの縦軸の「出力電流」は、定電流回路32から流電陽極50に流れる電流の電流値に相当するものであるところ、図9から明らかなように、前記E−301及び前記E−501のいずれを使用した場合でも、ドレイン電圧が1Vから100Vまでの範囲では出力電流が一定となる。定電流ダイオード37として前記E−301を用いた場合、肩特性電圧値(ピンチオフ電流(定電流)の80%にあたる電流値を表す電圧値)0.6V近傍から出力電流が安定し、この定電流の電流値は0.3mA程度である。図9に示す結果から、電気防食システム13によれば、定電流回路32から流電陽極50に流れる電流が精度良く安定して定電流コントロールされることが明白であり、従って、被防食体である鋼材91に一定の防食電流が安定的に流入するようになり、良好な防食状態が維持されることが明白である。
尚、流電陽極方式の電気防食システムにおいては、ドレイン電圧即ち入出力間の電位差(図9参照)が比較的小さいため、三端子レギュレータの動作電圧即ち入出力間の電位差(図3参照)に達しない。従って、流電陽極方式の電気防食システムにおいては、定電流回路として三端子レギュレータを用いることができない。流電陽極方式の電気防食システムにおいては、定電流ダイオードの代わりとして、接合型電界トランジスタと電流調整抵抗との組み合わせを用いることが可能である。
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
前記実施形態は、コンクリート構造物中の鋼材を被防食体とするものであったが、本発明に係る被防食体はこれに限定されず、腐食環境に接する種々の被防食体(金属体)に適用することができ、例えば、防波堤、岸壁、桟橋、橋脚などの港湾や河川に設置される構造物における金属体、土壌に埋設された金属パイプラインを例示できる。
また、本明細書に記載した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
10,11,12,13 電気防食システム
20 外部電源用電極
30,31,32 定電流回路
33 三端子レギュレータ
34 固定抵抗器(電流調整抵抗)
35 半固定抵抗器(電流調整抵抗)
36 接合型電界トランジスタ
37 定電流ダイオード
40 直流電源装置
41 交流電源
42 整流回路
43 平滑回路
50 流電陽極
51 バックフィル
52 接続箱
90 コンクリート構造物
91 鋼材(被防食体)

Claims (6)

  1. 被防食体に対して外部電源方式又は流電陽極方式によって電気防食を行う電気防食システムであって、
    前記被防食体に電流を流す外部電源用電極又は流電陽極と、該外部電源用電極又は該流電陽極に直列に接続する定電流回路とを備え、
    前記定電流回路が、三端子レギュレータ又は接合型電界トランジスタと電流調整抵抗とを備えるか、又は定電流ダイオードを備え、前記外部電源用電極又は前記流電陽極に流れる電流の電流値が一定となるように該電流を制御する電気防食システム。
  2. 直流電流を出力する外部電源方式の直流電源装置を備え、前記外部電源方式によって電気防食を行うようになされており、
    前記直流電源装置の正極側と前記外部電源用電極とが前記定電流回路を介して直列に接続されていると共に、該直流電源装置の負極側と前記被防食体とが接続されている請求項1に記載の電気防食システム。
  3. 前記定電流回路が、前記三端子レギュレータと前記電流調整抵抗とを備える請求項2に記載の電気防食システム。
  4. 前記被防食体が、コンクリート構造物中の鋼材である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気防食システム。
  5. 前記流電陽極方式によって電気防食を行うようになされており、
    前記流電陽極の負極側と前記被防食体とが前記定電流回路を介して直列に接続されており、該定電流回路が、前記接合型電界トランジスタと前記電流調整抵抗とを備えるか、又は前記定電流ダイオードを備える請求項1に記載の電気防食システム。
  6. 被防食体に対して外部電源方式又は流電陽極方式によって電気防食を行う場合に、外部電源用電極又は流電陽極に直列に接続して使用する定電流回路であって、
    三端子レギュレータ又は接合型電界トランジスタと電流調整抵抗とを備えるか、又は定電流ダイオードを備え、前記外部電源用電極又は前記流電陽極に流れる電流の電流値が一定となるように該電流を制御する定電流回路。
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