JP2018123185A - エマルジョン燃料、その製造方法及びその製造装置 - Google Patents

エマルジョン燃料、その製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】界面活性剤を添加しなくても、又は界面活性剤の添加量を低減しても、安定した乳化状態を維持でき、優れた燃費効率を有する新規なエマルジョン燃料、その製造方法及びその製造装置を提供する。
【解決手段】エマルジョン燃料は、燃料油と、添加剤と、水とを含む油中水滴型のエマルジョン燃料である。添加剤は、潤滑油を含み、燃料油は、温度50℃において前記潤滑油よりも低い動粘度を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エマルジョン燃料、その製造方法及びその製造装置に関する。
ディーゼルエンジンやボイラ等では、軽油、灯油、重油等の燃料油が用いられている。これらの燃料油に水を添加し乳化して得られるエマルジョン燃料は、燃料の使用量を低減でき、燃焼したときに生じる汚染物質(NO、SO、CO、粒子状物質(PM))の発生の抑制といった環境にも配慮した燃料として知られている。
エマルジョン燃料は、一般に燃料油と水とを混合したものであり、混合状態は、水の中に燃料油が存在するO/W型(水中油滴型)、燃料油の中に水が存在するW/O型(油中水滴型)に分けられる。O/W型のエマルジョン燃料は燃料油が水に包まれた状態であり、燃焼装置における配管の腐食や燃料ポンプの損傷等を生じさせる原因となるため、W/O型のエマルジョン燃料油を用いることが優位となっている。
W/O型のエマルジョン燃料は油水分離が生じやすいため、特に軽油、灯油、重油等のエマルジョン燃料では、燃料油と水とを均一に乳化し安定な乳化状態を維持するための乳化剤として界面活性剤を用いることが多い。しかしながら、界面活性剤は一般に高価であるため、界面活性剤の使用はエマルジョン燃料のコストアップを招く。
そこで、軽油、灯油、A重油、ガソリン等の燃料油にC重油を添加することにより、界面活性剤を使用しない又は低減してコストを低減したエマルジョン燃料が知られている(例えば、特許文献1〜2等)。
特開昭51−119003号公報 特開2011−148866号公報
本発明は、界面活性剤を添加しなくても、又は界面活性剤の添加量を低減しても、安定した乳化状態を維持でき、優れた燃費効率を有する新規なエマルジョン燃料、その製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下に示すエマルジョン燃料、その製造方法及びその製造装置を提供する。
〔1〕 燃料油と、添加剤と、水とを含む油中水滴型のエマルジョン燃料であって、
前記添加剤は、潤滑油を含み、
前記燃料油は、温度50℃において前記潤滑油よりも低い動粘度を有する、エマルジョン燃料。
〔2〕 前記潤滑油は、前記潤滑油と前記燃料油との総重量に対して0.5重量%以上10重量%以下含まれている。
〔3〕 前記水は、粒子径が100nm以上2000nm以下の粒子である。
〔4〕 前記水は、前記エマルジョン燃料の総重量に対して5重量%以上50重量%以下含まれている。
〔5〕 前記潤滑油は、エンジンオイル、ギアオイル、自動変速機油よりなる群より選択される少なくとも1種である。
〔6〕 前記燃料油は、灯油、軽油、A重油、ガソリン、バイオ燃料、再生油よりなる群より選択される少なくとも1種である。
〔7〕 前記エマルジョン燃料の製造方法であって、
前記燃料油と、前記添加剤と、前記水とを混合する混合工程を有する、エマルジョン燃料の製造方法。
〔8〕 前記エマルジョン燃料の製造装置であって、
前記燃料油と、前記添加剤と、前記水とを混合する混合部を有する、エマルジョン燃料の製造装置。
本発明によれば、乳化状態の安定性に優れ、燃費効率を向上できるエマルジョン燃料、その製造方法及びその製造装置を提供することができる。
エマルジョン燃料の製造装置の一例を示す概念図である。 エマルジョン燃料の製造装置の制御機構の一例を示すブロック図である。
(エマルジョン燃料)
以下に、エマルジョン燃料の具体例を以下に説明する。
エマルジョン燃料は、潤滑油を含む添加剤と、温度50℃での動粘度が潤滑油よりも低い燃料油と、水と、を含むW/O型のエマルジョン燃料である。
(添加剤)
添加剤は、エマルジョン燃料油の乳化状態を安定化するものであって、潤滑油を必須成分として含有するものであり、潤滑油のほかに界面活性剤やC重油等を含んでいてもよい。添加剤の含有率は、エマルジョン燃料油の乳化状態を安定できる範囲であれば特に限定されないが、エマルジョン燃料油の総重量に対して0.5重量%以上10重量%以下であることが好ましく、1重量%以上5重量%以下であることがより好ましい。
潤滑油とは、滑り合う二つの固体間の摩擦・摩耗を減少させるために用いられる油系液状物であり、パラフィン系潤滑油やナフテン系潤滑油等の石油系の潤滑油、動植物油や合成潤滑油等の非石油系の潤滑油を挙げることができる。潤滑油としては、ガソリンエンジン用潤滑油やディーゼルエンジン用潤滑油等の車両用潤滑油、船舶エンジン用潤滑油、機械油、金属加工油、電気絶縁油等を挙げることができ、このうち車両用潤滑油を用いることが好ましい。車両用潤滑油としては、エンジンオイル、ギアオイル、自動変速機油(オートマチックトランスミッションフルード、ATF)よりなる群より選択される少なくとも1種を挙げることができる。非石油系の潤滑油としては、動植物油、合成潤滑油を挙げることができる。潤滑油としては、エンジンオイル、ギアオイル、自動変速機油よりなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
潤滑油の含有率は、潤滑油と燃料油との総重量に対して0.5重量%以上であり、2重量%以上であることが好ましい。潤滑油の含有率が0.5重量%未満であると、エマルジョン燃料の乳化状態を安定化しにくくなる。また、水の微粒子化が困難となる傾向にある。潤滑油の含有率の上限値は特に限定されないが、潤滑油と燃料油との総重量に対して10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがさらに好ましい。潤滑油の含有率が上記の範囲内であれば、界面活性剤を低減して又は添加することなくエマルジョン燃料の乳化状態を安定化することができる。
添加剤として潤滑油を用いることにより、エマルジョン燃料の燃焼時に生じる汚染物質であるCO及びNOの量を、燃料油単体の燃焼時に生じるCO及びNOの量よりも低減することができる。
(燃料油)
燃料油は、常温常圧で液体である石油、植物油、アルコール等を用いることができる。燃料油は、温度50℃において潤滑油よりも低い動粘度を有する燃料油であれば特に限定されない。潤滑油は通常、温度50℃における動粘度が20mm/s(cSt)を超え100mm/s(cSt)以下であるので、燃料油の温度50℃における動粘度が、潤滑油の上記動粘度よりも低いものであればよいが、燃料油の温度50℃における動粘度が20mm/s以下であることが好ましく、0.7〜20mm/sであることがより好ましい。燃料油の温度50℃における動粘度が小さくなりすぎると水との粘度差が小さいため、エマルジョン燃料を得にくくなる傾向がある。また、燃料油は水と混合したときに粘度が上昇することから、エマルジョン燃料油の温度50℃における動粘度が20mm/sを超えるとエマルジョン燃料を常温で使用しにくくなる傾向があるため、エマルジョン燃料油としたときに上記動粘度が20mm/s以下となる燃料油を選択することが望ましい。上記動粘度は、JIS K 2283:2000で測定した値とする。
燃料油は、具体的には灯油、軽油、A重油、ガソリン、バイオ燃料、再生油(廃油)よりなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。灯油、軽油、A重油、ガソリン、バイオ燃料、再生油(廃油)は、水と混合した際の乳化状態の安定性が悪く油水分離が生じやすい。本発明では、潤滑油を用いることにより安定したエマルジョン化が可能となる。したがって、エマルジョン化のために界面活性剤を使用しない、又は低減することが可能になる。
(水)
水は、水道水、蒸留水、精製水、イオン交換水、アルカリ水、酸性水、純粋、超純水、廃水、ウルトラファインバブル水等を用いることができる。
水の含有率は、エマルジョン燃料の総重量に対して5重量%以上とすることが好ましく、10重量%以上とすることがより好ましく、15重量%以上とすることがさらに好ましい。水の含有率が5重量%未満であると、エマルジョン燃料を用いたときの燃費や燃料コストの向上が大きくは期待できない。
一方、エマルジョン燃料に含まれる水の量が多いほど燃料コストが下がるため、水の含有率は大きい方が好ましい。本発明のエマルジョン燃料では、水の含有率は、エマルジョン燃料の総重量に対して50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、30重量%以下であることがさらに好ましい。水の含有率が50重量%を超えると、エマルジョン燃料の安定性が低下する傾向がある。
エマルジョン燃料に含まれる水の粒子径は、燃費効率を向上する観点から、小さいことが好ましく、2000nm以下であることが好ましく、1600nm以下であることがより好ましく、1000nm以下であることが最も好ましい。一方、エマルジョン燃料の燃焼時に生じる汚染物質を低減する観点からは、水の粒子径は、100nm以上であることが好ましく、300nm以上であることがより好ましい。なお、上記水の粒子径は、後述の実施例で測定した方法で測定した値とする。
水の粒子径は、エマルジョン燃料油中の潤滑油の含有量、燃料油と添加剤と水とを混合するときの混合時間、混合圧力、撹拌速度を調整することで制御することができる。
(その他の成分)
エマルジョン燃料は、燃料油、添加剤、水以外のその他の成分として、酸化防止剤、粘度調整剤、防錆剤、分散剤、消泡剤、香料、着色剤、潤滑剤等を含んでいてもよい。エマルジョン燃料に含まれるその他の成分の含有率は、エマルジョン燃料の安定した乳化状態を維持できる範囲であれば特に限定されないが、エマルジョン燃料の総重量に対して20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
(エマルジョン燃料の用途)
エマルジョン燃料は、製造装置内にある混合タンクに燃料油、潤滑油、水が供給され、これらが混合タンク内で混合されて生成され、ボイラ、ディーゼルエンジン、燃焼炉、乾燥炉等の燃焼装置に供給されて使用される。
(エマルジョン燃料の製造装置)
以下に、エマルジョン燃料の製造装置の具体例を示す。図1は、本実施形態に係るエマルジョン燃料の製造装置の概念図である。図2は、本実施形態に係るエマルジョン燃料の製造装置の制御機構を示すブロック図である。
具体的には、製造装置Aは、図1に示すように、水を供給する水タンクT1、潤滑油を供給する潤滑油タンクT2、燃料油を供給する燃料油タンクT3、水、潤滑油、燃料油が供給されて混合される混合タンクT4(混合部)を備えている。
水タンクT1と上記混合タンクT4との間には、水タンクT1側から順に水流量計R1、水投入電磁弁V1、水流量調整弁V2が直列的に配設されている。潤滑油タンクT2と混合タンクT4との間には、潤滑油タンクT2側から順に潤滑油ポンプP1、潤滑油流量計R2、潤滑油投入電磁弁V3が直列的に配設されている。燃料油タンクT3と混合タンクT4との間には、燃料油タンクT3側から順に燃料油流量計R3、燃料油投入電磁弁V4が直列的に配設されている。
混合タンクT4には混合タンク撹拌モータM4に取り付けた撹拌装置が設けられ、混合タンクT4で燃料油、潤滑油、水が混合されてエマルジョン燃料が生成される。混合タンクT4には、循環経路Jが接続されており、循環経路Jには、混合タンクT4の排出口側から順に循環方向に、循環ポンプP2、ミキサMx、循環電磁弁V5が直列的に設けられている。
循環経路Jには、移送電磁弁V6を介して貯蔵タンクT5が接続され、貯蔵タンクT5の出口には、貯蔵タンクT5の出口側から順に吐出ポンプP3、吐出電磁弁V7が配設されている。貯蔵タンクT5には貯蔵タンク撹拌モータM5に取り付けた撹拌装置が設けられている。
製造装置Aには、図2に示すようなコントローラCが設けられており、コントローラCには、コンピュータ等の操作部Op、上記した各流量計R1〜R3、潤滑油タンクT2に設けられた潤滑油タンク油量計L2、混合タンクT4に設けられた混合タンク油量計L4、貯蔵タンクT5に設けられた貯蔵タンク油量計L5からの出力情報が入力される。そして、コントローラCは、これらの出力情報に基づいて制御情報を生成し、上記した各電磁弁V1〜V7、各ポンプP1〜P3、ミキサMx、各モータM4〜M5に制御情報を出力する。
製造装置Aでは、操作部Opを操作して燃料油、潤滑油、水を所望の混合重量割合に設定することで、燃料油量、潤滑油量、水量がそれぞれ算出され、それに適用した開口量で電磁弁V1,V3,V4の開口量が決定される。電磁弁V1,V3,V4が開口されると、燃料油タンクT3から燃料油が混合タンクT4に供給され、その流量は燃料油流量計R3により検出される。潤滑油は、潤滑油ポンプP1により潤滑油タンクT2から混合タンクT4に供給され、その流量は潤滑油流量計R2により検出される。水は、水流量調整弁V2で流量を調整しながら混合タンクT4に供給され、その流量は水流量計R1で検出される。
混合タンクT4には、まず燃料油及び潤滑油が供給され、混合タンクT4内でスターラー等の撹拌装置で撹拌を開始すると同時にゆっくりと水が供給される。これにより、混合タンクT4内で燃料油、潤滑油、水が上記撹拌装置で撹拌されてエマルジョン燃料となる。このエマルジョン燃料は、循環ポンプP2により混合タンクT4に接続された循環経路Jに導入される。エマルジョン燃料は、循環電磁弁V5が開口した状態の循環経路Jを2〜5回循環することにより、加圧溶解式混合器、旋回式混合器、せん断式混合器等のミキサMxで混合・撹拌されて、分散媒である水の粒子径の微細化を図った後、移送電磁弁V6が開口されて貯蔵タンクT5に供給される。貯蔵タンクT5内のエマルジョン燃料は、吐出電磁弁V7が開口されて吐出ポンプP3によりボイラの燃焼室に供給される。
上記のように、エマルジョン燃料油は、混合タンクT4に、まず燃料油と潤滑油とを供給した後、水を供給してこれらを混合・撹拌することによって簡単に生成することができる。
なお、潤滑油以外の添加油を用いる場合は、予め潤滑油と混合しておいてもよく、潤滑油とは別のタンクから、混合タンクT4に燃料油、潤滑油とともに供給して混合するようにしてもよい。その他の成分についても、専用のタンクから混合タンクT4に適宜のタイミングで供給すればよい。
[油水分離評価]
実施例及び比較例で得たエマルジョン燃料を200mLのメスシリンダーに150mL投入し、24時間静置した後、油水分離の有無を目視で確認し、以下の基準で評価を行った。
A:24時間静置後も油水分離は生じなかった。
B:12時間以上24時間未満の間に油水分離が生じた。
C:6時間以上12時間未満の間に油水分離が生じた。
D:6時間未満に油水分離が生じた。
[燃焼試験]
実施例及び比較例で得たエマルジョン燃料を、バーナ(GP−10、加藤鉄工所製)を用いて噴射圧力0.8〜1.2MPaの範囲で噴射して、簡易燃焼炉(炉サイズ:内径600mm、幅1500mm)内で燃焼させる燃焼試験を行った。排ガス分析器(Testo350S、テストー製)を用いて、簡易燃焼炉から排出される排ガスの排気煙道から、排ガス分析器のプローブで排ガス0.6L/minを採取し、排ガス内のCO、NO、NO、SOの量を測定した。燃焼試験では、排ガス中のO濃度が3.5重量%となるように、エマルジョン燃料の燃焼状態を維持した。
[燃費評価]
実施例及び比較例で得たエマルジョン燃料について、図1に示す生成装置を用い、上記燃焼試験で用いたものと同じ簡易燃焼炉、排ガス分析器を用いて燃費評価を行った。具体的には、簡易燃焼炉の温度を十分に昇温した後、エマルジョン燃料を燃焼させ、簡易燃焼炉の排気煙道から排ガス分析器のプローブで採取した排ガスを排ガス分析器で検出して、排ガスの温度が700℃、酸素濃度が3.5重量%となるように、エマルジョン燃料の燃焼状態を維持して30分間燃焼させた。
この30分間の燃焼の前後において、貯蔵タンクT5のエマルジョン燃料の油量を貯蔵タンク油量計L5で検出して、燃焼の前後における油量の体積差[L]を測定し、この体積差[L]の値とエマルジョン燃料の比重とを用いて、単位時間[h]あたりに消費されたエマルジョン燃料の消費重量[kg/h]を算出した。次に、エマルジョン燃料中のLSA及び潤滑油の重量割合(水以外の重量)に基づいて、上記エマルジョン燃料の消費重量[kg/h]に含まれるLSA及び潤滑油の重量を、エマルジョン燃料使用時のLSA及び潤滑油の消費重量[kg/h]として算出した(計算1)。
比較のために、燃料としてLSAのみを用いた場合(LSA=100)についても上記と同様の方法で実験を行い、単位時間[h]あたりに消費されるLSAの重量を、LSA単独使用時の消費重量[kg/h]として算出した(計算2)。
上記(計算1)で算出されたエマルジョン燃料使用時のLSA及び潤滑油の消費重量[kg/h]、及び、上記(計算2)で算出されたLSA単独使用時の消費重量[kg/h]から、下記の(式1)で燃費改善率を算出した。下記(式1)に基づいて算出される値が大きいほど燃費改善率に優れていることを示す。
(式1):
{1−(エマルジョン燃料使用時のLSA及び潤滑油の消費重量[kg/h]/LSAの消費重量[kg/h])}×100[%]
[水の粒子径]
実施例及び比較例で得たエマルジョン燃料をプレパラートに0.1mL採取した状態で顕微鏡(GR−D8T2、松電舎製)にて撮影し、撮影画像を画像分析装置(A像君、旭化成エンジニアリング製)で粒径分析して、エマルジョン燃料中の水の粒子径を算出した。
〔実施例1〕
図1に示す製造装置Aを用い、燃料油としてのローサルファA重油(LSA)(ENEOS LSA重油、JXエネルギー(株)製)と、添加剤に含まれる潤滑油としてのエンジンオイル(モーターマルチSL/CF 10W−30、JXエネルギー(株)製)とを、表1に示す割合で混合タンクT4に供給し、撹拌速度1000rpm、循環経路Jを圧力1.0MPaで循環するように撹拌を開始すると同時に、水道水を表1に示す割合となるまでゆっくりと供給し、温度20℃、撹拌速度1000rpm、撹拌時間10分として、循環経路Jを2回循環混合させて、エマルジョン燃料を得た(試料1−1〜試料1−4)。図1に示す混合タンクT4での撹拌は、撹拌装置としてラモンドスターラーRS100A((株)ナノクス製)を用い、ミキサMxとしてラモンドナノミキサRNM030A−S((株)ナノクス製)を使用した。
LSA及びエンジンオイルの物性は表1に示すとおりである。表1中、エンジンオイルの温度50℃における動粘度は、温度40℃における動粘度及び温度100℃における動粘度の値に基づいて算出した値である。
得られたエマルジョン燃料(試料1−1〜試料1−4)について、油水分離テストを行った。その結果を表2に示す。また、エマルジョン燃料(試料1−2〜試料1−4)について、燃焼試験を行った結果を表4に示し、水の粒子径を測定した結果を表5に示す。なお、表4には、燃料としてLSAのみを用いた場合(LSA:100重量%)の燃焼試験を行った結果も示している。
〔実施例2〕
LSAとエンジンオイルとの総重量に対してLSA及びエンジンオイルの混合比を表6に示すように変化させるとともに、エマルジョン燃料100重量%に対する水の混合率を0重量%、10重量%、20重量%、30重量%に変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法でエマルジョン燃料を得た。なお、LSA、エンジンオイル、水については、実施例1で使用したものと同じものを用いた。得られたエマルジョン燃料について、燃費評価を行った。その結果を表6に示す。なお、表6には、燃料としてLSAのみを用いた場合(LSA=100)の燃焼試験を行った結果も示している。
〔実施例3〕
エンジンオイルに代えて、自動変速機油(ATF)(マルチパーパスATFフルード、エクソンモービル社製)を表2に示す量で用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン燃料を得た(試料2−1〜2−4)。得られたエマルジョン燃料について、油水分離テストを行った。その結果を表2に示す。また、エマルジョン燃料(試料2−2)について、燃焼試験を行った結果を表4に示し、水の粒子径を測定した結果を表5に示す。自動変速機油の物性は表1に示すとおりである。なお、表1中、自動変速機油の温度50℃における動粘度は、温度40℃における動粘度及び温度100℃における動粘度の値に基づいて算出した値である。
〔実施例4〕
LSAと自動変速機油との総重量に対してLSA及び自動変速機油の混合比を表6に示すようにするとともに、エマルジョン燃料100重量%に対する水の混合率を0重量%、10重量%、20重量%、30重量%に変化させたこと以外は、実施例3と同様の方法でエマルジョン燃料を得た。なお、LSA、自動変速機油、水については、実施例3で使用したものと同じものを用いた。得られたエマルジョン燃料について、燃費評価を行った。その結果を表6に示す。なお、表6には、燃料としてLSAのみを用いた場合(LSA=100)の燃焼試験を行った結果も示している。
〔実施例5〕
エンジンオイルに代えて、ギアオイル(モチュールギヤ75W90、MOTYL社製)を表3に示す量で用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン燃料を得た(試料3−1〜3−4)。得られたエマルジョン燃料について、油水分離テストを行った。その結果を表3に示す。また、エマルジョン燃料(試料3−2)について、燃焼試験を行った結果を表4に示し、水の粒子径を測定した結果を表5に示す。ギアオイルの物性は表1に示すとおりである。なお、表1中、ギアオイル油の温度50℃における動粘度は、温度40℃における動粘度及び温度100℃における動粘度の値に基づいて算出した値である。
〔実施例6〕
LSAとギアオイルとの総重量に対してLSA及びギアオイルの混合比を表6に示すようにするとともに、エマルジョン燃料100重量%に対する水の混合率を0重量%、10重量%、20重量%、30重量%に変化させたこと以外は、実施例5と同様の方法でエマルジョン燃料を得た。なお、LSA、ギアオイル、水については、実施例5で使用したものと同じものを用いた。得られたエマルジョン燃料について、燃費評価を行った。その結果を表6に示す。なお、表6には、燃料としてLSAのみを用いた場合(LSA=100)の燃焼試験を行った結果も示している。
〔比較例1〕
エンジンオイルに代えて、C重油(LPC28、昭和シェル石油(株)製)を表3に示す量で用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン燃料を得た(試料4−1〜4−4)。得られたエマルジョン燃料について、油水分離テストを行った。その結果を表3に示す。また、エマルジョン燃料(試料4−3)について、燃焼評価を行った結果を表4に示し、水の粒子径を測定した結果を表5に示す。なお、C重油の物性は表1に示すとおりである。
〔比較例2〕
LSAとC重油との総重量に対してLSA95重量%、C重油5重量%の混合比とし(比較例1の試料4−3のLSAとC重油との混合比に相当)、エマルジョン燃料100重量%に対する水の混合率を0重量%、10重量%、20重量%、30重量%に変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法でエマルジョン燃料を得た。得られたエマルジョン燃料について、燃費評価を行った。その結果を表6に示す。なお、LSA、C重油、水については、比較例1で使用したものと同じものを用いた。
Figure 2018123185
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表2及び表3に示す結果から、エンジンオイル、自動変速機油又はギアオイルを含む添加剤を用いたエマルジョン燃料では油水分離を防止でき、安定な乳化状態のエマルジョン燃料が得られることがわかった。一方、実施例1(試料1−1〜1−4)、実施例3(試料2−1〜2−4)及び実施例4(試料3−1〜3−4)と、比較例1(試料4−1〜4−4)との対比から、エンジンオイル、自動変速機油又はギアオイルを含む添加剤を用いたエマルジョン燃料では、エンジンオイル、自動変速機油、ギアオイルと同じ添加量でC重油を用いたエマルジョン燃料よりも、添加剤の添加量を少なくしても、油水分離を抑制し、エマルジョン燃料の乳化状態を安定化できることがわかる。
表4に示す結果から、エンジンオイル、自動変速機油又はギアオイルを含む添加剤を用いたエマルジョン燃料では、燃料油としてLSAを単独で用いた場合に比較して、排ガス内に含まれるCO及びNOの量を抑制できることがわかる。また、エンジンオイルを含む添加剤を用いたエマルジョン燃料では、エンジンオイル、と同じ添加量でC重油を含むエマルジョン燃料を用いた場合に比較して(試料4−3と試料1−4との比較)、排ガス内に含まれるCO、NO、SO量を抑制できることがわかる。
表5に示す結果から、エンジンオイル、自動変速機油又はギアオイルを含む添加剤を用いたエマルジョン燃料では、水の粒子径を100nm以上2000nm以下の範囲に形成することができる。また、エンジンオイルを含む添加剤を用いたエマルジョン燃料では、エンジンオイルと同じ添加量でC重油を含むエマルジョン燃料を用いた場合に比べて(試料1−4と試料4−3との比較)、水の粒子径を小さくできることがわかる。
表6に示す結果から、エンジンオイル、自動変速機油又はギアオイルを用いたエマルジョン燃料は、LSAを単独で用いた場合よりも燃費改善効率に優れていることがわかる。また、エンジンオイルを含む添加剤を用いたエマルジョン燃料では、エンジンオイルと同じ添加量でC重油を含むエマルジョン燃料を用いた場合に比べて(エンジンオイルとLSAとの混合比が5:95である場合と、C重油とLSAとの混合比が5:95である場合との比較)燃費を改善できることがわかる。
本発明のエマルジョン燃料は、ディーゼルエンジンやボイラ等において好適に用いることができる。
A 製造装置、T1 水タンク、T2 潤滑油タンク、T3 燃料油タンク、T4 混合タンク、T5 貯蔵タンク、R1 水流量計、R2 潤滑油流量計、R3 燃料油流量計、V1 水投入電磁弁、V2 水流量調整弁、V3 潤滑油投入電磁弁、V4 燃料油投入電磁弁、V5 循環電磁弁 V6移送電磁弁、V7 吐出電磁弁、P1 潤滑油ポンプ、P2 循環ポンプ、P3 吐出ポンプ、Mx ミキサ、M4 混合タンク撹拌モータ、M5 貯蔵タンク撹拌モータ、J 循環経路、Op 操作部、C コントローラ、L2 潤滑油タンク油量計、L4 混合タンク油量計、L5 貯蔵タンク油量計

Claims (8)

  1. 燃料油と、添加剤と、水とを含む油中水滴型のエマルジョン燃料であって、
    前記添加剤は、潤滑油を含み、
    前記燃料油は、温度50℃において前記潤滑油よりも低い動粘度を有する、エマルジョン燃料。
  2. 前記潤滑油は、前記潤滑油と前記燃料油との総重量に対して0.5重量%以上10重量%以下含まれている、請求項1に記載のエマルジョン燃料。
  3. 前記水は、粒子径が100nm以上2000nm以下の粒子である、請求項1又は2に記載のエマルジョン燃料。
  4. 前記水は、前記エマルジョン燃料の総重量に対して5重量%以上50重量%以下含まれている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエマルジョン燃料。
  5. 前記潤滑油は、エンジンオイル、ギアオイル、自動変速機油よりなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエマルジョン燃料。
  6. 前記燃料油は、灯油、軽油、A重油、ガソリン、バイオ燃料、再生油よりなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエマルジョン燃料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエマルジョン燃料の製造方法であって、
    前記燃料油と、前記添加剤と、前記水とを混合する混合工程を有する、エマルジョン燃料の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエマルジョン燃料の製造装置であって、
    前記燃料油と、前記添加剤と、前記水とを混合する混合部を有する、エマルジョン燃料の製造装置。
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JP2020026478A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 テラテック株式会社 燃料油の製造装置及びその製造方法

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