JP2018121933A - 電気治療器、及び電気治療器の制御方法 - Google Patents

電気治療器、及び電気治療器の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気信号による治療効果を向上可能な電気治療器を提供する。【解決手段】本実施形態に係る電気治療器は、被検体に電気信号を伝導する電気治療器であって、周波数が異なる複数の信号により構成される直流の電気信号を生成する生成部と、先端部が突出した電極であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する電極と、を備える。【選択図】図1

Description

本実施形態は、電気治療器、及び電気治療器の制御方法に関する。
面状の電極を用いて人体局所の疼痛発生部に対し電気刺激を与え、疼痛の消退、軽減を図る電気治療器が知られている。このような電気治療器では、電気刺激により筋肉を運動させることで、疼痛発生部をほぐすなどの効果が得られ、患部のコリや痛みの緩和が図られる。
一方で、先端部が突出した電極を用いて例えば神経繊維に沿って非侵襲に電気信号を与えると、痛みなどに対する感覚などを変化させ、症状を改善させることがわかってきている。特に、電気信号の周波数が、症状改善のために重要であることが臨床的にわかってきた。
特開2015−231511号公報
本発明の目的は、電気信号による治療効果を向上可能な電気治療器を提供することである。
本実施形態に係る電気治療器は、
被検体に電気信号を伝導する電気治療器であって、
周波数が異なる複数の信号により構成される直流の電気信号を生成する生成部と、
先端部が突出した電極であって、前記被検体の皮膚表面に配置され、前記被検体に前記電気信号を非侵襲に伝導する電極と、
を備える電気治療器。
本実施形態に係る電気治療器の制御方法は、
被検体に電気信号を伝導する電気治療器の制御方法であって、
複数の周波数に基づく直流の電気信号を生成する工程と、
前記被検体の皮膚表面に配置された先端部が突出した電極に前記電気信号を出力する工程と、
を備える。
本実施形態によれば、電気信号による治療効果を向上可能な電気治療器を提供することができる。
第1実施形態に係る電気治療器の全体構成を示す図。 増幅変調回路の構成の一例を示す図。 第1〜第n変調回路が生成する信号波形の一例を示す図。 慢性症、急性症、及び一般症に関連付けられたパラメータ例を示す図。 図4Aとは異なるパラメータの例を示している図。 電気治療器の入力回路の一例を模式的に示す図。 電極の構成を示す説明図。 電極パッドの構成を示す説明図。 デルマトームを示す図であり、(a)は、脊髄神経根から伸びる感覚神経を番号で示す図、(b)は、脊髄神経根から伸びている感覚神経が支配する領域を番号で示す図。 複数の電極を電極パッドとして構成した例を示す図。 ふくらはぎに症状が出ている例の配置例を示す図。 制御回路の処理の一例であるフローチャートを示す図。 第1実施形態の第1変形例に係る電気治療器の構成例を示す図。 第1実施形態の第2変形例に係る電気治療器の構成例を示す図。 第1実施形態の第2変形例に係る入力回路の構成例を示す図。 第2実施形態に係る電気治療器の全体構成を示す図。 第2実施形態に係る増幅変調回路の構成を示す図。 第2実施形態に係る入力回路の構成を示す図。 図17に示す入力回路と異なる形態の入力回路を示す図。 電極パッドの全体構成を示す図。 電極パッドの正面図。 電極パッドの側面図。 6端子を用いた使用例を示す図。 第3実施形態に係る入力回路を示す図。 症例別に使用する周波数と端子数を示す表。 記憶回路に記憶される初期パラメータの一例を示す図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る電気治療器は、周波数が異なる複数の信号により構成される電気信号を被検体に、先端部が突出した電極により非侵襲に伝導することで、治療効果をより向上させようとしたものである。より詳しく、以下に説明する。
まず、図1に基づき、第1実施形態に係る電気治療器1の全体構成を説明する。図1は、第1実施形態に係る電気治療器1の全体構成を示す図である。この図1に示すように、電気治療器1は、電気信号を被検体に伝導する治療器である。すなわち、電気治療器1は、生成回路100と、電極200a、bと、ON/OFF回路300と、タイマー400と、記憶回路500と、入力回路600と、制御回路700とを、備えて構成されている。また、各回路100、400、500、600、700はバス1aを介して制御信号を入出力している。
生成回路100は、周波数の異なる複数の信号により構成される電気信号を生成する回路であり、電源回路102と、発振回路104と、増幅変調回路106とを、備えて構成されている。電源回路102は、外部電源から入力された電力を発振回路104、タイマー400、記憶回路500、入力回路600、及び制御回路700、などに供給する回路である。電源回路102は、例えばAC―DC変換器であり、商用の交流電力を直流電力に変換する。
発振回路104は、例えば正弦波の搬送波を発生させる回路である。この発振回路104は、増幅変調回路106に接続され、発生させた搬送波を増幅変調回路106に供給する。
増幅変調回路106は、制御回路700から入力された強度値を示す信号に従い、発振回路104から入力された搬送波を変調し、周波数が異なる複数の信号を生成して、複数の信号を増幅するとともに、加算する回路である。本実施形態において、増幅変調回路106が生成する信号は、例えば、信号の値がプラスの範囲で周期的に変動する台形状のパルス波である。なお、増幅変調回路106が生成する信号は、台形状のパルス波に限定されず、信号の値がプラスの範囲で周期的に変動する信号であればよい。増幅変調回路106が生成する信号は、例えば、所定の周期で振幅が変動する三角波、鋸波、矩形波、円形波、サイン波などでもよい。この増幅変調回路106が生成した電気信号は、端子1bに供給される。
本実施形態で用いる強度値は、増幅変調回路106で生成される信号の振幅の二乗を意味し、電気信号を生成するためのパラメータとして用いられる。このパラメータの値は、上述のように、制御回路700から増幅変調回路106に強度値を示す信号として入力される。例えば、周波数が2Hzの信号に対するパラメータの値が16であり、周波数が6Hzの信号に対するパラメータの値が25であり、他の周波数の信号に対するパラメータの値が0である場合、増幅変調回路106は、周波数が2Hzであり振幅が4の信号と周波数が6Hzであり振幅が5の信号とを生成し、生成したこれらの信号を加算する。
この様に、増幅変調回路106は、制御回路700から入力されたパラメータの値に従い、電気信号を生成する。これから分かるように、制御回路700は、増幅変調回路106に入力するパラメータの値を変更することで、増幅変調回路106が生成する電気信号の特性を変更する。
電極200a、200bは、先端部が突出した電極であり、コード202を介して端子1bに電気的に接続さている。電極200a、200bの内の電極200aは、端子1bの陽極に接続される電極200であり、電極200bは、端子1bの陰極に接続される電極200である。また、例えば、電極200の先端部の径は0.08mmである。この電極200は、被検体の皮膚表面に配置され、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する。このように、電極部の先端の径は0.08mm程度であるため、例えば神経繊維に直接的に電気信号を伝導可能である。なお、電極200の先端部の径は0.08mmでなくともよく、神経繊維に直接的に電気信号を伝導可能である径であればよい。例えば、0.04mmから0.15mmの範囲であれば、本実施形態の電極部として使用可能である。
ON/OFF回路300は、例えば押しボタン形式のON/OFFスイッチで構成され、ボタンが押し下げられると生成回路100の電源回路102がONになる。一方で、ボタンが押し下げられていない場合、生成回路100の電源回路102はOFFになる。
タイマー400は、電気信号の通電時間を設定する。例えば、タイマー400の通電時間の設定は、タイマー用ボタンで行われる。タイマー用ボタンで設定された時間に従い、制御回路700により電気信号の通電時間が制御される。具体的には、タイマー用ボタンで5分が設定されている場合、制御回路700は、通電時間が5分に達した時点で電気信号を遮断する。
記憶回路500は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。この記憶回路500は、識別情報に対応させて電気信号を生成するためのパラメータを記憶している。ここでの識別情報は複数あり、対応するパラメータも複数ある。このパラメータは、上述のように電気信号を構成する周波数が異なる複数の信号のそれぞれの強度値である。また、記憶回路500は、制御回路700にて行われる各処理機能をコンピュータによって実行可能なプログラム形態で、記憶している。
入力回路600は、電気治療器1を操作するための情報を入力する回路である。入力回路600は、選択回路602と、調整回路604とを有している。
選択回路602は、予め用意されている複数種類の電気信号の設定の中から使用する電気信号の設定を選択する。ここでは、電気信号を識別する識別情報が、複数の症例それぞれに、関連付けられている。このため、選択回路602は、操作者の操作に従い、複数の症例の中から治療対象の症状を選択することで、複数種類の電気信号の中から使用する電気信号の設定を選択するように構成されている。このように、治療対象の症例を選択することで、複数種類の電気信号の中から治療に用いる電気信号の設定が選択されるので、操作者にとっては操作が簡便になる。
なお、本実施形態における症例は、例えば、慢性症、急性症、一般症である。ここで、慢性症は、例えば症状はあまりひどくないが、治りにくく経過が長びく痛みの状態を意味し、急性症は、例えば急激に発症した痛みの状態を意味し、一般症は、例えば慢性症又は急性症に分類されない痛みの状態を意味する。
調整回路604は、操作者の操作に従い、増幅変調回路106が生成する周波数が異なる複数の信号のそれぞれの振幅を調整する回路である。これにより、操作者は、調整回路604により、増幅変調回路106が生成する電気信号の特性を調整できる。
制御回路700は、例えばCPUであり、電気治療器1内の各回路を制御する。この制御回路700は、プログラムを記憶回路500から読み出し、実行することで各プログラムに対応する各処理機能を実現するプロセッサである。より具体的には、制御回路700には、選択回路602で選択された症例に対応する識別情報が選択回路602から入力される。次に、制御回路700は、この識別情報に対応して記憶されるパラメータを記憶回路500から読み出して、このパラメータに基づく電気信号を増幅変調回路106に生成させる制御を行う。また、制御回路700には、調整回路604から入力される信号に応じて、増幅変調回路106の制御を行う。
なお、ここでの被検体は、人であり、本実施形態では人を対象として説明するが、被検体は人に限定されない。例えば、被検体は、馬、牛、犬などのほ乳類でもよい。また、本実施形態では、離散的に周波数が異なる複数の信号により構成される電気信号を説明するが、連続的に周波数が異なる複数の信号により構成される電気信号を用いてもよい。
次に、図2に基づき、本実施形態における増幅変調回路106の構成例をより詳細に説明する。図2は、増幅変調回路106の構成の一例を示す図であり、この図2に示すように、増幅変調回路106は、第1〜第n増幅変調回路1061〜106nと、加算回路108とを備えて構成されている。第1〜第n増幅変調回路1061〜106nは、発振回路104にそれぞれが並列に接続されており、入力された搬送波をそれぞれ変調し、パルス波を生成する。ここでは、例えばn=13であり、第1〜第n増幅変調回路1061〜106nのそれぞれは1、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12Hzに対応している。これにより、例えば第1増幅変調回路106は、制御回路700から入力された1Hzに対応する強度値に応じて、1Hzの信号を生成する。同様に、例えば第2増幅変調回路106は、制御回路700から入力された2Hzに対応する強度値に応じて、2Hzの信号を生成する。同様に、例えば第3増幅変調回路106は、制御回路700から入力された2.5Hzに対応する強度値に応じて、2.5Hzの信号を生成する。同様に、例えば第13増幅変調回路106は、制御回路700から入力された12Hzに対応する強度値に応じて、12Hzの信号を生成する。ここで、5Hzは、神経に対する鎮静効果の高い周波数であり、その半分の周波数である2.5Hzも症状改善に関与する周波数であると考えられている。また、第1〜第n増幅変調回路1061〜106nは、生成する波形形状を変更可能で有り、直流の台形波、方形波、三角波、円形波などを生成可能である。さらにまた、第1〜第n増幅変調回路1061〜106nは、位相の変更も可能である。
加算回路108は、第1〜第n増幅変調回路1061〜106nが生成した信号を加算する。この加算回路108は、加算した信号を端子1b(図1)に供給する。
図2を参照にしつつ図3に基づき、第1〜第n増幅変調回路1061〜106nが生成する信号波形の一例を説明する。図3は、第1〜第n増幅変調回路1061〜106nが生成する信号波形の一例を示す図である。この図3に示すように、第1〜第n増幅変調回路1061〜106nが生成する信号の一例は、台形状のパルス波である。ここでのパルス波は、OFF時間が例えば5〜7msと短く、OFF時間がON時間に対し1/10〜1/7程度となっている。振幅は、例えば0〜70Vの範囲であり、制御回路700から入力される強度値に応じて変更される。上述のように振幅の二乗が強度値である。なお、ON/OFFの比率は周波数によって変化するが、OFF時間は極力短く概ね上記範囲に設定される。また、第1〜第n増幅変調回路1061〜106nが生成する信号にオフセット電圧を加えてもよい。
次に、図4A、及び図4Bに基づき、記憶回路500に記憶される電気信号のパラメータの例を説明する。図4Aは、慢性症、急性症、及び一般症に関連付けられたパラメータ例を示す図である。つまり、識別情報である識別N0.1が慢性症に対応し、識別N0.2が急性症に対応し、識別N0.3が一般症に対応している。
また、この図4A、Bでは、強度値を0から10の数値に正規化し、割り振り直してある。すなわち、例えば数値10は、増幅変調回路106が生成しうる信号の最大の強度値を示している。同様に、例えば数値9は、最大の強度値の0.9倍を示し、例えば数値8は、最大の強度値の0.8倍を示し、例えば数値0は、最大の強度値の0.0倍を示している。つまり、数値0の場合には、信号が出力されない。
なお、本実施形態では、識別N0.1のパラメータに基づき生成される電気信号を第1電気信号と呼び、識別N0.2のパラメータに基づき生成される電気信号を第2電気信号と呼び、識別N0.3のパラメータに基づき生成される電気信号を第3電気信号と呼ぶこととする。
これらのパラメータから分かる様に、電気信号を構成する複数の信号の中で、10Hz以下の信号の強度平均値は、10Hz以上の信号の強度平均値よりも大きくなるように、設定されている。これは、出願人の臨床現場での治療経験に基づいており、痛みに対する症例には、主として10Hz以下の信号が効果的であることによる。
また、第1電気信号を構成する5Hz以上10Hz以下の信号の強度平均値は、5Hz未満の信号の強度平均値よりも大きくなるように設定されている。これも、出願人の臨床現場での治療経験に基づいており、慢性症には、主として5Hz以上10Hz以下の信号が効果的であることによる。一方で、第2電気信号を構成する6Hz以下の信号の強度平均値は、6Hzより大きく10Hz以下の信号の強度平均値よりも小さくなるように設定されている。これは、出願人の臨床現場での治療経験に基づいており、急性症には、主として6Hz以下の信号が効果的であることによる。
また、第1電気信号と第2電気信号とを比較すると、第1電気信号を構成する5Hz以上10Hz以下の信号の強度平均値は、第2電気信号を構成する5Hz以上10Hz以下の信号の強度平均値よりも大きくなるように、設定されている。これは、慢性症の場合、急性症と比較すると、0〜10Hzの中でも、比較的高周波側の周波数の強度が大きくなる傾向にあることによる。
また、同様に第1電気信号と第2電気信号とを比較すると、第1電気信号を構成する5Hz以下の信号の強度平均値は、第2電気信号を構成する5Hz以下の信号の強度平均値よりも小さくなるように、設定されている。これは、急性症の場合、慢性症と比較すると、0〜10Hzの中でも、比較的低周波側の周波数の強度が大きくなる傾向にあることによる。
また、第3電気信号を構成する信号の周波数は、2.5Hz、5Hzに設定されている。これは、出願人の臨床現場での治療経験に基づいており、上述のように2.5Hz、5Hz前後の周波数帯の信号の組み合わせが、一般症に対する沈静効果が高いことによる。
図4Bは、図4Aとは異なるパラメータの例を示している図である。この図4Bに示すように、第1電気信号、第2電気信号、及び第3電気信号を生成する場合、必ずしも強度値0を設定する必要がないのである。
次に、図1、図4A、及び図4Bを参照にしつつ、図5に基づき、選択回路602及び調整回路604のより詳細な構成例を説明する。図5は、電気治療器1の操作板上に構成される入力回路600の一例を模式的に示す図である。この図5に示すように、ここでの選択回路602は、症状選択ボタン602a、602b、602cで構成されている。本実施形態での症状選択ボタン602a、602b、602cは、慢性症、急性症、及び一般症の中のいずれかを選択するボタンである。症状選択ボタン602a、602b、602cは、例えば押しボタンであり、各症状選択ボタン602a、602b、602cには、識別情報が関連付けられている。これにより、各症状選択ボタン602a、602b、602cが押し下げられると、押し下げられたボタンに対応する識別情報が制御回路700に出力される。
また、ここでの調整回路604は、強度変更用の複数のボタンで構成されている。強度変更用のボタンは、周波数毎に対応する信号の強度値を調整するために使用するボタンである。本実施形態では、1〜12の数字のそれぞれが周波数を示している。これらのボタンは回転式であり、ボタンを回転することで強度値が変更される。例えば、1の数字で示すボタンが回転されると、ボタンの回転量に応じた強度を示す信号が制御回路700に入力され、制御回路700の制御に従い、第1増幅変調回路106が出力する1Hzの信号の強度が変更される。このように、強度変更用のボタンの変更に応じた電気信号が増幅変調回路106により生成される。すなわち各信号の振幅を調整することが可能である。これにより、被検体の症状に応じて、電気信号の特性変更を行うことが可能である。
また、操作板上には、ON/OFFスイッチ300aが配置されている。なお、本実施形態では、ON/OFFスイッチ300aがON/OFF回路300に対応する。さらにまた、操作板上には、タイマー用ボタン400aが配置されている。タイマー用ボタン400aは、例えば回転式のボタンであり、ボタンを回転することで通電時間が設定される。
これらから分かる様に、症状選択ボタン602a、602b、602cを用いることで、過去の治療知見に基づく電気信号を正確に生成することが可能である。また、これにより、操作性が向上すると共に、より正確に治療効果を得ることが可能である。また、強度変更用のボタン604を設けることで、症状に合わせて電気信号を変更すこともできる。
次に、図1を参照にしつつ図6に基づき、電極200のより詳細な構成例を説明する。図6は、電極200の構成を示す説明図である。この図6に示すように、電極200は、絶縁基材204と、電極部206とを備えて構成されている。
絶縁基材204は、例えば底面の直径5mm、高さ2mmのお椀形となっており、合成樹脂等の絶縁材にて形成さている。電極部206は、絶縁基材204から先端部が突出した電極である。この電極部206は、例えばステンレス製であり、絶縁基材204内に配置される。また、電極部206は、先端部206aと、底面側の端部206bとを、備えて構成されている。先端部206aの先端側の直径は、例えば直径が0.08mmであり、人の肌に非侵襲に接触させられる。電極部206の底面側の端部206bの直径は、例えば直径が1mmであり、コード202の一端側が接続される。コード202の他端側は、端子1bに接続される。なお、先端部206aの形状は、円、四角形、5角形などの多角形でもよく、その面積は、円換算で定義される。例えば、先端の径を0.08mmとして表記する場合の面積は、直径0.08mmの円の面積相当を意味する。ここでの電極部206は、電極200に対して一つ設けられている。
ここで、図7に基づき、電極200を電極パッド208として構成した例を説明する。図7は電極パッド208の構成を示す説明図であり、(a)は正面側、(b)は側面側を示している。この図7に示すように、電極パッド208は、電極200と、パッド部210と、グロメット部212とを、備えて構成されている。
パッド部210は、例えば緩衝材で構成されており、円形をしている。パッド部210の直径は例えば14mmであり、上面に電極200を配置している。グロメット部212は、コード202が引き出される部分であり、前後左右に屈曲自在、また、ねじれ方向にも弾性変形可能となっている。
〈電極200の配置について〉
図1及び図6を参照にしつつ図8に基づき、脊髄神経根から伸びている感覚神経が支配する領域と電極200の配置例について説明する。図8は、デルマトームを示す図であり、図8(a)は、脊髄神経根から伸びる感覚神経を番号で示す図であり、図8(b)は、脊髄神経根から伸びている感覚神経が支配する領域を番号で示す図である。この図8(a)に示すように、感覚神経は脊髄神経根から抹消に伸びている。また、図8(b)に示すように、皮膚の表面はデルマトームと呼ばれる特定の領域に分けられている。デルマトームのそれぞれは、脊髄神経根に対応している。例えばT1〜T12で示されるデルマトームは、脊髄神経根T1〜T12に対応している。
また、神経根は左右が対になっており、一方が体の右側に対応し、他方が左側に対応する。このように、7個の頸椎には8対の神経根があり、12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙椎のそれぞれに1対の脊髄神経根がある。
また、一つの脊髄神経につき二つの神経根がある。前側の神経根には、脊髄から筋肉へ信号を伝達して筋肉の運動を引き起こす神経繊維がある。一方で、後ろ側の神経根には、触覚、位置、痛み、温度などの感覚情報を体から脊髄へ伝達する神経繊維がある。
例えば、L5で示すデルマトームに痛みが生じている場合には、L5で示す腰椎の脊髄神経根に、痛みを示す神経の信号が伝わる。そして、このL5で示す脊髄神経根から脳内に神経を介して痛みの信号が伝わる。より具体的には、痛みを示す神経信号は、デルマトーム内の侵害受容器が痛み刺激を受けた後、このデルマトームに対応する脊髄神経根、視床を経て大脳皮質へ伝導される。これにより、人は痛みを感じるのである。
出願人は、臨床における治療経験から、痛みの生じているデルマトームに対応する神経根に陽極の電極200aを配置し、このデルマトーム内に陰極の電極200bを配置し、電気信号を伝導すると症状を改善させることを見出した。例えば、図8(b)に示すL5のデルマトームに痛みが生じている場合には、図8(a)に示すL5の脊髄神経根に陽極の電極200aを配置し、L5で示すデルマトーム内の痛みが生じている末梢側の箇所に陰極の電極200bを配置する。
また、出願人は、このような治療においては、面状の電極を用いるよりも、点状電極を用いる方が、より治療効果が上がることも見いだしている。より治療効果を上げるためには、電極200の先端部206aの径が例えば0.15mm以下であり、より望ましくは0.08mm以下である。なお、このように、神経繊維を介して人為的に電気信号を大脳皮質へ伝導させる治療技術は、所謂、ブレイン、マシン、インタフェース(BmI:Brain−machine Interface、脳介機装置)で、コンピュータを用いた治療技術は、ブレイン、コンピュータ、インタフェース(BCI:Brain−Computer Interface、脳介機装置)の一形態であると、考えられている。
〈電気信号の周波数について〉
出願人は、複数の周波数に基づく電気信号が治療により有効であることを見いだした。特に10Hz以下の複数の周波数に基づく電気信号を治療に用いることが、治療効果を上げるために有効であることを見いだした。例えば、慢性症の痛みを訴える患者に、5Hz、7Hz、10Hzの信号に基づく電気信号を電極200により通電し、治療したところ、「痛み」、「痛みを伴うしびれ感」などが消退、軽減し、治療効果が持続する知見が臨床的に得られている。
これらの症例では、例えば、先端部206aの径が0.08mm以下の3つの電極部206を用いて、それぞれに5Hz、7Hz、10Hzの電気信号を個別に印加した場合よりも、より大きな治療効果が得られることがわかっている。すなわち、周波数の異なる電気信号をそれぞれ、別の位置の電極部206から被検体に伝導させる場合よりも、周波数の異なる複数の信号により構成され電気信号を一つの電極部206から被検体に伝導させる場合の方が、より大きな治療効果が得られる症例が存在するのである。
また、症状により、加える周波数の組み合わせを変更することが重要であることも、わかってきた。例えば、急性症の痛みを訴える患者に、2Hz、4Hz、6Hzの信号に基づく電気信号を電極部206により通電し治療したところ、「痛み」、「痛みを伴うしびれ感」などが消退、軽減し、疾患部がより短期間に治癒に向かうことがわかってきた。これらの症例でも、例えば3つの電極部206を用いて、それぞれに2Hz、4Hz、6Hzの電気信号を印加した場合よりも、2Hz、4Hz、6Hzの信号により構成され電気信号を一つの電極部206から被検体に通電を行う場合の方が、より大きな治療効果が得られることがわかっている。これらの現象に関しては、研究機関での研究が開始されたところであるが、痛みを脳内に伝達している感覚神経に周波数の異なる複数の信号により構成され電気信号を与えることで、痛みを示す神経信号の脳への伝達が減少し、痛みを発生さていた神経回路が徐々に弱くなるためと考えられている。
このように、症例によっては、神経繊維に周波数の異なる複数の信号により構成され電気信号を伝導させることが治療にはより有効である。なお、痛みの生じている部位や症状によっては、単一の周波数の電気信号も有効であることがわかっている。
〈多電極の配置例について〉
図9は、複数の電極200を多電極パッド214として構成した例を示す図であり、ここでは、図9に基づき、多電極パッド214に関して説明する。この図9に示すように、多電極パッド214は、複数の電極200と、電極ベルト216a、216bと、を備えて構成されている、
電極ベルト216a、216bは、柔軟部材にて形成された弾性ベルトである。また、電極ベルト216a、216bの上部には、複数個の電極200が配置されている。電極200は、例えば14mmピッチにて、長手方向に沿って1列に配置されている。なお、電極200を上下に複数列配しても良く、その際、上下の列をずらして電極200を交互(斜め)に配置しても良い。
図10に基づき、広範囲の領域で痛みが生じている場合の電極配置例を説明する。図10は、ふくらはぎに症状が出ている例の配置例を示す図である。この図10に示すように、症例の出ている部位の上下に多電極ベルト216a、216bを装着する。例えば、膝関節下部後面に、多電極ベルト216a、216bの内の多電極ベルト216aを横長に接着し、アキレス腱上に多電極ベルト216bを横長に接着する。この際、必ず+極を上に、−極を下に取り付ける。すなわち、神経繊維の脊髄側に陽極の電極200aを非侵襲に配置し、陰極の電極200bを神経繊維の末梢側に非侵襲に配置する。このように、脊髄神経根から離れた末梢部に陽極の電極200aを配置しても、神経を伝わる感覚が改善されることがわかっている。
以上が第1実施形態に係る構成の説明であるが、以下に制御回路700の動作例について説明する。
図11は、制御回路700の処理の一例であるフローチャートを示す図である。ここでは、図4A及び図5を参照にしつつ、タイマー用のボタン400aで時間が設定された後に、慢性症に対応するボタン602aが、操作者に選択される場合の処理について説明する。
まず、症状選択ボタン602a、602b、602cの中から慢性症に対応するボタン602aが押し下げられると、ボタン602aに関連付けられ識別情報(識別No.1)が、ボタン602aから制御回路700に出力される(ステップS10)。
次に、制御回路700は、入力された識別情報(識別No.1)に対応するパラメータを記憶回路500から読み込む(ステップS12)。次に、制御回路700は、読み込んだパラメータの値に基づき、周波数が異なる信号毎の強度値を増幅変調回路106に出力する(ステップS14)。次に、増幅変調回路106は、入力された強度値に対応する振幅を有する信号を周波数毎に生成し、生成した周波数が異なるそれぞれの信号を加算して、電気信号の出力を開始する(ステップS16)。
制御回路700は、タイマー用のボタン400aで設定された時間が経過したか否かを判断し(ステップS18)、経過していない場合(ステップS18:No)、増幅変調回路106に電気信号の出力を継続させる。一方で、タイマー用ボタン400aで設定された時間が経過した場合(ステップS18:Yes)、増幅変調回路106に電気信号の出力を遮断させ、全体の処理を終了する。このように、操作者が症例の選択を行うと、選択された症例に対応する電気信号が、被検体に伝導される。
以上のように、本実施形態によれば、周波数の異なる複数の信号から構成される電気信号を被検体に電極部206を介して非侵襲に伝導させることとした。これにより、単一の周波数の信号で構成される電気信号を伝導させる場合よりも、周波数の異なる複数の信号から構成される電気信号を伝導させる方が治療効果の高い症例、部位などに対応できるので、より多くの症例などに対応が可能になり、治療効果をより上げることができる。また、症例を選択回路602により、操作者に選択させることとした。これにより、症例に応じた電気信号の設定を選択可能になるので、過去の臨床知見に基づく電気信号を正確且つ簡便に生成できる。
(第1変形例)
上述した第1実施形態においては、電気治療器1は外部から電力の供給を受けることとしたが、本変形例においては、電源を電気治療器1内の電池102aで構成するようにしている。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。また、第1実施形態と同等の構成には同一の番号を付して説明を省略する。
図12は、第1変形例に係る電気治療器1の構成例を示す図である。この図12に示すように、電池102aは、電気治療器1内の各回路に電力を供給する。この電池102aは、例えば二次電池であり、充電が可能である。また、電池102aは交換可能に構成されている。これにより、電気治療器1の携帯が可能になる。すなわち、第1変形例に係る電気治療器1は、可搬することが可能な可搬型の電気治療器である。
以上のように、本変形例によれば、電気治療器1内の電池102aにより各回路に電力を供給させることとした。これにより、被検体に装着した状態での電気治療も可能となり、日常生活においても連続的な治療を行うことが可能になり、治療効果をより上げることができる。
(第2変形例)
上述した第1変形例においては、制御回路700が、電気信号を生成するためのパラメータに基づき、電気信号を生成させることとしたが、本変形例においては、操作者が治療の度に電気信号を生成するためのパラメータを設定するようにしている。以下、上述した第1変形例と異なる部分を説明する。また、第1変形例と同等の構成には同一の番号を付して説明を省略する。
図13は、第2変形例に係る電気治療器1の構成例を示す図である。この図13に示すように、入力回路600aの出力値は、直接的に増幅変調回路106に出力される。このため、第2変形例に係る電気治療器1は、記憶回路500、選択回路602、及び制御回路700を備えずに構成している。これにより、電気治療器1をより小型化できる共に、電力消費もより抑えることが可能である。また、タイマー400は、電池102aに接続され電池102aをON/OFFすることで、第1変形例と相違する。
図14は、第2変形例に係る電気治療器1の操作板上に構成される入力回路600aの一例を模式的に示す図である。この図14に示すように操作板上において、症例選択用のボタンを無くし、ON/OFFスイッチ300aと、タイマー400用のボタンと、強度調整用のボタン604とを備えるように構成したものである。このように、電気治療器1の操作板も、簡易化可能である。
以上のように、本変形例によれば、入力回路600aの信号を増幅変調回路106に直接出力することとした。これにより、回路構成を簡便化できるので、電気治療器1をより小型化できる共に、電池102aの電力消費をより抑えることが可能である。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態においては、増幅変調回路106は、1つの端子1bから電気信号を出力するように構成することとしたが、第2実施形態においては、複数の端子1bのそれぞれから異なる電気信号を出力するように構成している。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
まず、図15に基づき、第2実施形態に係る電気治療器1の全体構成を説明する。図15は、第2実施形態に係る電気治療器1の全体構成を説明する図である。この図15に示すように、第2実施形態に係る増幅変調回路106aは、第1〜第m端子用増幅変調回路1061〜106mを備えることで、第1実施形態に係る増幅変調回路106と相違する。また、第2実施形態に係る入力回路600bは、第1〜第m端子用増幅変調回路1061〜106mを操作するための第1〜第m端子用入力回路6001〜600mを備えることで、第1実施形態に係る増幅変調回路106と相違する。ここでは、第1実施形態と同等の構成には同一の番号を付して重複した説明を省略する。なお、本実施形態では、端子1bを図15で示す左端から順に第1〜第m端子と呼ぶこととする。例えば、左端の端子1bが第1端子であり、左から2番目の端子1bが第2端子であり、右端の端子1bが第m端子である。
次に、図16に基づき、第2実施形態に係る増幅変調回路106aのより詳細な構成を説明する。図16は、第2実施形態に係る増幅変調回路106aの構成を示す図である。この図16に示すように増幅変調回路106aは、第1〜第m端子用増幅変調回路1061〜106mを備えて構成されている。第1〜第m端子用増幅変調回路1061〜106mのそれぞれは、図1で示した増幅変調回路106と同等の構成である。すなわち、第1〜第m端子用増幅変調回路1061〜106mのそれぞれは、並列に発振回路104に接続されている。また、第1〜第m端子用増幅変調回路1061〜106mのそれぞれは、制御回路700の制御に従い電気信号を生成する。このように、増幅変調回路106aは、それぞれの端子1bに、異なる電気信号を同時に出力可能である。ここでのmは例えば12である。
次に、図17に基づき、第2実施形態に係る入力回路600bのより詳細な構成を説明する。図17は、第2実施形態に係る入力回路600bの構成を示す図である。この図17に示すように入力回路600bは、第1〜第m端子用入力回路6001〜600mを備えて構成されている。第1〜第m端子用入力回路6001〜600mのそれぞれは、図1で示した入力回路600と同等の構成である。すなわち、第1〜第m端子用入力回路6001〜600mのそれぞれは、制御回路700に接続されている。ここでのON/OFFスイッチ300aは、対応する増幅変調回路1061〜106mの出力をON/OFFするために用いられる。このように、第1〜第m端子用入力回路6001〜600mを備えることで、被検体が複数人いる場合にも、個別に治療を行うことが可能である。また、被検体が一人の場合でも、異なる電気信号を同時に伝導させることが可能である。
図18は、第2実施形態に係る電気治療器1の操作板上に構成される入力回路600cの一例を模式的に示す図である。この図18に示すように、ここでの入力回路600cは、端子切り換えボタン606を備えることで、図17に示す入力回路600bと異なる。
端子切り換えボタン606は、回転型のボタンであり、回転に応じて端子1bを切り換える。端子切り換えボタン606により、例えば、第1端子1bを選択して、第1端子1bから出力する電気信号を選択又は調整する。続いて、第2端子1bを選択して、第2端子1bから出力する電気信号を選択又は調整する。このように、端子切り換えボタン606を備えることで、入力回路600bをより小型化可能である。
次に、図19乃至21に基づき、6端子を用いる円形多電極パッド218の構成例を説明する。図19は円形多電極パッド218の全体構成を示す図であり、図20は円形多電極パッド218の正面図であり、図21はその側面図である。図19に示すように、円形多電極パッド218は、複数個の電極200と、円形パッド部220とを備えて構成されている。円形パッド部220は、例えば合成樹脂であり、ウレタン等の柔軟部材で形成されている。
図20に示すように、プラグ222は、端子1bに挿入される金属のプラグである。上述のように、ケーブル202は一対の導線であり、導線の一端は電極200に接続され、他端はプラグ222に接続されている。
ここでは、プラグ222の数は6であり、例えば第1端子1bから第6端子1bにそれぞれ挿入されている。図21に示すように、円形パッド部は、外径38mm、厚さ5mmとなっており、円形パッド部には、電極200が、直径30mmの円周上に等間隔で12個取り付けられている。電極200は適宜取り外して交換できるようになっている。これにより、端子毎に伝導させる電気信号を異ならせることも可能である。
図22は、円形多電極パッド218の使用例を示す図である。ヘッドバンド224に6端子型の円形多電極パッド218が装着されている。このように、ヘッドバンド224を用いることで、頭部の神経に電気信号を伝導することも可能である。
以上のように、本実施形態によれば、生成回路100が、複数端子1b用の増幅変調回路106を備えることとした。これにより、複数の端子1bから異なる電気信号の出力が可能になり、治療効果をより上げることができる。
(第3実施形態)
上述した第2実施形態においては、複数周波数に基づく電気信号の初期パラメータを設定するように構成することとしたが、第3実施形態においては、単一周波数に基づく電気信号の初期パラメータも設定するように構成している。以下、上述した第2実施形態と異なる部分を説明する。
図23は、第3実施形態に係る電気治療器1の操作板上に構成される入力回路600dの一例を模式的に示す図である。である。この図23に示すように、選択回路602は、部位別ボタン608をさらに備えて構成される。すなわち、ここでの選択回路602は、症状選択ボタン602a、602b、602cと、部位別ボタン608とで構成される。
部位別ボタン608には、単一周波数に基づく電気信号を識別する識別番号が関連付けられている。
図24は、部位別に使用する周波数と端子の数を示す表である。例えば、催眠に電気治療器1を用いる場合には、2対の電極200が用いられ、それぞれの電極には、単一の周波数である5Hzの電気信号と、単一の周波数である10Hzの電気信号と、が出力される。すなわち、1番目の電極200には、5Hzの電気信号が出力され、2番目の電極200には、10Hzの電気信号が出力される。また、例えば、頸椎症に電気治療器1を用いる場合には、3対の電極200が用いられ、それぞれの電極200には、単一の周波数である2Hzの電気信号と、単一の周波数である5Hzの電気信号と、単一の周波数である8Hzの電気信号と、が出力される。
図15を参照にしつつ図25に基づき、単一周波数に基づく電気信号の初期パラメータについて説明する。図25は、記憶回路500に記憶される初期パラメータの一例を示す図であり、(a)は催眠用の初期パラメータを示し、(b)は頸椎症の初期パラメータを示し、(c)は、レストレッグスの初期パラメータを示している。例えば、催眠の初期パラメータでは、第1端子1bに出力される電気信号は、5Hzのみが強度9であり、他の周波数の強度は0であることを示している。これにより、第1端子1bに接続される電極200a、bからは、5Hzの電気信号が出力される。同様に、第2端子1bに出力される電気信号は、10Hzのみが強度4であり、他の周波数の強度は0である。これにより、第2端子1bに接続される電極200a、bからは、10Hzの電気信号が出力される。このように、催眠の場合には、単一の周波数の電気信号が用いられる。
また、例えば、頸椎症の初期パラメータでは、第1端子1bに出力される電気信号は、2Hzの強度が8であり、他の周波数の強度は0である。これにより、第1端子に接続される電極200a、bからは、2Hzの電気信号が出力される。同様に、第2端子1bに出力される電気信号は、5Hzのみが強度8であり、他の周波数の強度は0である。これにより、第2端子1bに接続される電極200a、bからは、5Hzの電気信号が出力される。同様に、第3端子1bに出力される電気信号は、8Hzのみが強度8であり、他の周波数の強度は0である。これにより、第3端子1bに接続される電極200a、bからは、8Hzの電気信号が出力される。このように、頸椎症の場合には、単一の周波数の電気信号が用いられる。
また、例えば、レストレッグスの初期パラメータでは、第1端子1b1に出力される電気信号は、5Hzの強度が9であり、他の周波数の強度は0である。これにより、第1端子1b1に接続される電極200a、bからは、5Hzに基づく電気信号が出力される。
以上のように、本実施形態によれば、選択回路602により、単一周波数に基づく電気信号を用いる症例も、操作者に選択させることとした。これにより、より多くの症状に応じた電気信号を選択可能になるので、臨床知見に基づく電気信号を正確且つ簡便に設定できる。
なお、第1実施形態における生成回路100は、特許請求の範囲における生成部の一例である。もしくは第1変形例、第2変形例、又は第2実施形態における生成回路100は、他の例である。第1実施形態における選択回路602は、特許請求の範囲における選択部の一例である。もしくは第1変形例、第2変形例、又は第2実施形態における選択回路602は、他の例である。1実施形態における制御回路700は、特許請求の範囲における制御部の一例である。もしくは第1変形例、又は第2実施形態における制御回路700は、他の例である。第1実施形態における記憶回路500は、特許請求の範囲における記憶部の一例である。もしくは第1変形例、又は第2実施形態における記憶回路500は、他の例である。第1実施形態における調整回路604は、特許請求の範囲における調整部の一例である。もしくは第1変形例、第2変形例、又は第2実施形態における調整回路604は、他の例である。
上記の説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えばCPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD))、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)などの回路を意味する。プロセッサは記憶回路500に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路500にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1、12、13、15における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置、方法およびプログラムは、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置、方法およびプログラムの形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1:電気治療器、100:生成回路、102a:電池、200:電極、200a:電極、200b:電極、206:電極部、500:記憶回路、602:選択回路、604:調整回路、700:制御回路

Claims (15)

  1. 被検体に電気信号を伝導する電気治療器であって、
    周波数が異なる複数の信号により構成される直流の電気信号を生成する生成部と、
    先端部が突出した電極であって、前記被検体の皮膚表面に配置され、前記被検体に前記電気信号を非侵襲に伝導する電極と、
    を備える電気治療器。
  2. 前記電気信号を構成する複数の信号の中で、周波数が10Hz以下の周波数を有する信号の強度平均値は、周波数が10Hz以上の信号の強度平均値よりも大きい請求項1に記載の電気治療器。
  3. 予め用意された複数種類の電気信号の設定中から使用する電気信号の設定を選択する選択部を更に備え、
    前記生成部は、前記選択部で選択された電気信号の設定に応じて前記電気信号を生成する請求項1又は2に記載の電気治療器。
  4. 前記複数種類の電気信号には、少なくとも第1電気信号及び第2電気信号が含まれ、
    当該第1電気信号を構成する周波数が5Hz以上10Hz以下の信号の強度平均値は、周期が5Hz未満の信号の強度平均値よりも大きく、
    当該第2電気信号を構成する周波数が6Hz以下の信号の強度平均値は、周期が6Hzより大きく10Hz以下の信号の強度平均値よりも大きい請求項3に記載の電気治療器。
  5. 前記第1電気信号を構成する周波数が5Hz以上10Hz以下の信号の強度平均値は、前記第2電気信号を構成する周波数が5Hz以上10Hz以下の信号の強度平均値よりも大きい請求項4に記載の電気治療器。
  6. 前記第1電気信号を構成する周波数が5Hz以下の信号の強度平均値は、前記第2電気信号を構成する周波数が5Hz以下の信号の強度平均値よりも小さい請求項4又は5に記載の電気治療器。
  7. 前記第1電気信号は慢性症に用いる電気信号であり、
    前記第2電気信号は急性症に用いる電気信号である請求項4乃至6のいずれか一項に記載の電気治療器。
  8. 前記第1電気信号は、少なくとも周波数が5、7、及び10Hzの信号を用いて構成され、
    前記第2電気信号は、少なくとも周波数が2、4、及び6Hzの信号を用いて構成される請求項4乃至7のいずれか一項に記載の電気治療器。
  9. 前記生成部を制御する制御部と
    複数の症状それぞれに対応させて前記電気信号を生成するためのパラメータを記憶する記憶部と、
    を更に備え、
    前記選択部は、操作者の指示に従い、前記複数の症状の中から治療対象の症状を選択し、
    前記制御部は、前記選択部により選択された症状に対応するパラメータを記憶部から読み込み、当該パラメータに基づき、前記電気信号を前記生成部に生成させる制御を行う請求項3乃至8のいずれか一項に記載の電気治療器。
  10. 前記パラメータは、前記電気信号を構成する複数の信号の強度値である請求項9に記載の電気治療器。
  11. 前記電気信号を構成する複数の信号の強度値を周波数毎に調整する調整部を更に備える請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電気治療器。
  12. 前記電極は、陽極に接続される電極と陰極に接続される電極との組で構成され、
    当該陽極に接続される電極は前記被検体における神経繊維の脊髄側に配置され、当該陰極に接続される電極は当該神経繊維の末梢側に配置される請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電気治療器。
  13. 前記電極における先端部の径は0.04mm以上0.15mm以下である請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電気治療器。
  14. 前記電極における先端部の径は0.08mmである請求項13に記載の電気治療器。
  15. 被検体に電気信号を伝導する電気治療器の制御方法であって、
    周波数が異なる複数の信号により構成される直流の電気信号を生成する工程と、
    前記被検体の皮膚表面に配置された先端部が突出した電極に前記電気信号を出力する工程と、
    を備える電気治療器の制御方法。
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