JP2018121872A - 遊技機 - Google Patents

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Noriaki Oike
規晶 大池
剛大 安藤
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剛大 安藤
太佑 祖父江
Tasuke Sofue
太佑 祖父江
伊藤 司
Tsukasa Ito
司 伊藤
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Abstract

【課題】遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ機の操作データ記憶部1982には、始動入賞スイッチ1441等によって検出される始動入賞装置1431の進入口等への遊技球の進入に関する入賞情報であって、遊技状態等の設定条件に基づいて分類可能な複数の入賞情報が記憶され、遊技状態等の設定条件に基づいて複数の入賞情報を分類した入賞情報であって操作数値(装飾数値)を含む情報が、遊技者が認識可能にサブ表示部1860を通じて出力される。【選択図】 図88

Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の遊技機では、遊技者が発射ハンドルを回転操作した回転操作量に応じた強さで、発射装置から遊技球が発射されるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−345989号公報
しかしながら、従来の遊技機において、遊技者による発射操作を容易にするための構成について改良の余地がある可能性がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、例えば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載された遊技機は、
遊技者が視認可能な遊技領域と、
遊技者による操作程度を検出する操作手段と、
所定の遊技媒体を前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射する発射手段と、
前記操作程度として遊技者が操作した操作程度に対応した操作数値情報を記憶する操作数値記憶手段と、
遊技媒体が進入した場合に所定の特典が付与される所定の入賞口と、
前記所定の入賞口への遊技媒体の進入を検出する進入検出手段と、
該進入検出手段によって検出される前記所定の入賞口への遊技媒体の進入に関する入賞情報であって予め定められた設定条件に基づいて分類可能な複数の入賞情報を記憶する入賞情報記憶手段と、
前記予め定められた設定条件に基づいて前記複数の入賞情報を分類した入賞情報であって前記操作数値情報を含む情報を、遊技者が認識可能に出力する入賞情報出力手段とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 視点と投影画像の説明に供する略線図 遊技者の姿勢の説明に供する略線図 前後方向の目の位置と視点角度との関係の説明に供する略線図 目の位置の検出の説明に供する略線図 蓋の閉まった容器の画像を示す略線図 内容物を見せない状態の画像を示す略線図 容器内の内容物を見せたときの画像を示す略線図(1) 容器内の内容物を見せたときの画像を示す略線図(2) 容器内の内容物を見せたときの画像を示す略線図(3) 装飾図柄表示処理の一例を示すフローチャート 視点角度算出処理の一例を示すフローチャート 遊技者の視線の説明に供する略線図 カメラと帽子をかぶった遊技者の位置関係を示す略線図 通常状態におけるカメラ装置の配置を示す略線図 リーチ状態におけるカメラ装置の配置を示す略線図 抽選結果の画像を示す略線図(1) 抽選結果の画像を示す略線図(2) カメラ装置と帽子を被った遊技者を示す略線図(1) カメラ装置と帽子を被った遊技者を示す略線図(2) 2つのカメラ装置の配置を示す略線図(1) 顔検出処理の一例を示すフローチャート 2つのカメラ装置の配置を示す略線図(2) 顔検出処理の一例を示すフローチャート 所持品載置部の配置を示す略線図(1) 所持品載置部の配置を示す略線図(2) カバー部の開閉機構の説明に供する略線図(1) カバー部の開閉機構の説明に供する略線図(2) カバー部の開閉機構の説明に供する略線図(3) 所持品載置部の配置を示す略線図(3) 所持品載置部への所持品の載置状態を示す略線図(1) 所持品載置部への所持品の載置状態を示す略線図(2) 所持品載置部の配置を示す略線図(4) 所持品載置部の構成を示す略線図(1) ロック状態における所持品の載置を示す略線図(1) ロック解除状態における所持品の載置を示す略線図(2) 所持品載置部の配置と載置部本体の構成を示す略線図 所持品載置部の配置を示す略線図(5) 載置部本体の構成を示す略線図(1) 載置部本体の構成を示す略線図(2) 閉状態の所持品載置部の一例を示す略線図 特別演出状態の所持品載置部を示す略線図 上部装飾演出処理の一例を示すフローチャート 所持品載置部の構成を示す略線図(2) リーチ演出制御処理の一例を示すフローチャート 貯留領域表示部の配置の一例を示す略線図 カメラ装置の配置の一例を示す略線図 誘導処理を行うパチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 装飾された表示用数値の表示例(1) 装飾された表示用数値の表示例(2) 操作時間に応じた表示用数値の表示例(1) 操作時間に応じた表示用数値の表示例(2) 操作時間に応じた表示用数値の表示例(3) 操作時間に応じた表示用数値の表示例(4) 誘導処理の一例を示すフローチャート 表示用数値算出処理の一例を示す略線図 上下ボタンによる誘導処理の一例を示す略線図 スライド式の操作発射装置を有するパチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 スライド式の操作発射装置を有するパチンコ機の一例を示す斜視図 スライド式の操作発射装置の構成(1) スライド式の操作発射装置の構成(2) スライド式の発射操作装置とサブ表示部の位置関係を示す略線図 スライド発射処理の説明に供する略線図 リモート設定処理の説明に供する略線図 ロック回転発射処理の説明に供する略線図 通常遊技状態における遊技領域の一例を示す略線図 特別遊技状態における遊技領域の一例を示す略線図 携帯通信端末の電気的な構成を示すブロック図 ターゲット設定処理における携帯通信端末の表示例(1) ターゲット設定処理における携帯通信端末の表示例(2) ターゲット設定処理における携帯通信端末の表示例(3) ターゲット設定処理における携帯通信端末の操作例 ターゲット設定処理における携帯通信端末の表示例(4) ターゲット設定処理における携帯通信端末の表示例(5) ターゲット設定処理における携帯通信端末の表示例(6) 発射選択処理の一例を示すフローチャート 発射時刻に基づく入賞確率の算出処理を行うパチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 発射時刻に基づく入賞確率の算出処理を行うパチンコ機の一例を示す斜視図 遊技球の落下経路の一例を示す略線図 遊技開始時間と発射強度の関係を示す略線図 入賞装置選択画面を示す略線図 入賞確率表示画面を示す略線図(1) 入賞確率表示画面を示す略線図(2) 誘導表示画面を示す略線図(2) 読取情報が表すデータ例を示す略線図 入賞特定情報記憶処理の一例を示すフローチャート 入賞特定情報集計処理の一例を示すフローチャート
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニットCU(図36参照)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、5ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8球)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10球)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、ケースレール530内の遊技球の有無を検出可能な貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、この貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動表示時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動表示時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。また、副制御基板940に対しても同様に、現在の遊技状態及び図柄に関する情報などの制御信号が送信される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<装飾図柄表示処理>
次に、図13以降を参照して、装飾図柄表示処理について説明する。図13〜図16は、装飾図柄表示処理の原理の説明に供する図、図17〜図21は、装飾図柄の一例を示す図、図22〜図23は、装飾図柄表示処理手順を示すフローチャートである。
前述したように、主制御基板920(図10)は、第1特別図柄及び第2特別図柄の表示を制御すると共に、第1特別図柄及び第2特別図柄と同期させるためのタイミング信号を副制御基板940に供給する。副制御基板940は、タイミング信号に基づいて、装飾図柄表示処理(詳しくは後述する)を実行することにより、表示すべき画像データを生成し、装飾図柄表示装置479へ送信する。この結果、装飾図柄表示装置479には、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する装飾図柄が表示される。
副制御基板940は、3D(3Dimension)を用いた表示を行うようになされている。具体的に、副制御基板940の画像データ記憶部941(図10)には、装飾図柄に使用される移動体や背景などの3Dモデルデータと、3Dモデルデータの動きを表す動きデータが記憶されている。動きデータは、タイミング信号が表すタイミングに対応付けられて記憶されている。従って、副制御基板940の表示データ生成部942は、装飾図柄表示処理として、タイミング信号に応じて3Dモデルデータ及び動きデータを画像データ記憶部941から読み出すと共に、遊技者の顔の位置に応じた画像データを生成(詳細は後述する)し、当該画像データを装飾図柄表示装置479に供給する。この結果、装飾図柄表示装置479には、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する画像が表示される。
次に、表示データ生成部942による画像データの生成処理について具体的に説明する。パチンコ機100では、カメラ装置600によって遊技者がどの方向から装飾図柄表示装置479を視認しているかを表す視点角度を算出し、当該視点角度に応じた画像データを生成する。
図13(A)に示すように、3DモデルDDは3次元のモデルであり、装飾図柄表示装置479には、2次元に投影された状態に変換された画像として表示される。このとき、画像が投影される視点を投影視点と呼ぶ。遊技者が3DモデルDDをZ軸に平行な正面から視認している視点角度V1の場合、表示データ生成部942は、図13(B)に示すように、3DモデルDDをZ軸に平行な投影視点から投影した画像データを生成する。また、遊技者が3DモデルDDを左斜め上方向から視認している視点角度V2の場合、表示データ生成部942は、図13(C)に示すように、左斜め上方向の投影視点から投影した画像データを生成する。これにより、パチンコ機100は、ユーザに対してあたかも装飾図柄表示装置479の内部に3DモデルDDが存在するかのように感じさせることができ、ユーザを楽しませることができる。
ここで、図14(A)に示すように、通常、パチンコ機100を用いて遊技を行う場合、遊技者は椅子に座った状態で、装飾図柄表示装置479を視認する。このときの遊技者の視点角度が遊技者の標準的な視点角度であり、これを視点角度Vsとする。遊技者が上方向からのぞき込むように上方向へ視点角度Vu1を移動させる場合、図14(B)に示すように、遊技者はおしりを少しだけ浮かすようにして前につんのめることが多い。これは、図15に示すように、目の位置を前方に移動させた視点角度Vu1の方が、標準的な視点角度Vsからそのまま上方向に同じ高さだけ目の位置を移動させた視点角度Vu2よりも視点角度Vが急峻となるからである。
そこで、パチンコ機100には、カメラ装置600(図10)が設置されている。カメラ装置600は、遊技者の顔が撮影できるよう、例えば、外枠101、前ブロック102又は中間ブロック103(図1)などに設置され、具体的には、遊技盤400などに設置されており、有線又は無線によって副制御基板940に接続されている。カメラ装置600は、撮影された撮影データ(静止画データ又は動画データ)を副制御基板940に供給する。副制御基板940の顔検出部943は、カメラ装置600から供給される撮影データから遊技者の顔を検出し、当該顔から目の位置を検出すると共に、眼間距離DEとして顔のサイズを検出することにより、パチンコ機100と遊技者の目までの距離を推測し、視点角度Vを算出するようになされている。例えば、顔検出部943は、椅子に座って遊技する通常の状態における遊技者の顔(図16(A))を基準顔サイズとして登録(具体的には、副制御基板940のRAMに記憶保持)しておき、当該基準顔サイズを基準とした眼間距離DEの変化量Δde(図16(B))に基づいて、前後方向における遊技者の顔及び装飾図柄表示装置479間の距離を推測する。そして顔検出部943は、目の高さ位置PH及び眼の左右方向の位置(図示せず)に基づき、視点角度Vを算出し、表示データ生成部942に供給する。表示データ生成部942は、視点角度Vに応じた投影視点からの画像データを生成する。このとき、表示データ生成部942は、視点角度Vを視点とした画像データを生成することにより、ユーザに3Dモデルがあたかも装飾図柄表示装置479の内部に入ってるかのような感覚を抱かせることができる。一方、表示データ生成部942は、視点角度Vに対して重み付けを行うことにより、遊技者の実際の視点角度Vよりも投影角度を変化させることが可能である。例えば、視点角度Vを所定の係数を一律に乗算したり、視点角度Vの範囲を複数段階に分割し、当該範囲に応じた係数などを乗算したり加算したりすることにより重み付けを行う事ができる。
例えば、表示データ生成部942は、通常の画像データを表示している際には、視点角度Vを投影視点として画像データを生成する。一方、抽選結果のように、敢えて遊技者に覗き込ませることを意図した画像のとき、表示データ生成部942は、投影角度を視点角度Vよりも急峻にし、遊技者に少しだけ視点角度Vを変化させるだけで画像を大きく変化させることができる。
例えば、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選が開始されると、装飾図柄表示装置479に、図17のような蓋の閉じた状態の宝箱TBの画像が第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する装飾図柄として表示される。そして抽選の終了と共に、図18に示すように、画像には蓋の開いているものの内容物CNが見えない状態の宝箱TBの画像が装飾図柄として表示される。このとき遊技者が、あたかも宝箱TBを上からのぞき込むように視点角度Vを上方向に移動させることにより、内容物CNが視認できる画像が表示される。例えば、図19及び図20のように、当選を表す画像や、図21に示すようにハズレを表す画像が装飾図柄として表示される。このとき、上述したように、投影角度を視点角度Vよりも大きく設定することにより、遊技者に簡易な動作によって内容物CNを視認させることが可能である。このように、抽選結果を敢えて遊技者に見えないように表示し、遊技者に宝箱TBの画像をのぞき込ませることにより、遊技に対する単調さを低減して遊技者の興味を増大させ、遊技者を楽しませることができる。なお、一定時間が経過しても遊技者が宝箱TBを覗き込まない場合には、宝箱TBから内容物CNを飛び出させたり、内容物CNが見える状態の画像を装飾図柄表示装置479に表示させても良い。これにより、内容物を早く確認したい遊技者には、覗きこんで遊技を一層楽しませることができると共に、覗き込む動作を行いたくない遊技者に対しても内容物を確実に視認させることができる。
次に、図22を参照して、副制御基板940によって実行される装飾図柄表示処理について説明する。図22は、副制御基板940によって実行される装飾図柄表示処理を示したフローチャートである。この装飾図柄表示処理は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理と並行して実行される。
副制御基板940の装飾図柄表示処理では、まず、S100において、カメラ装置600から供給される撮影データから、人物の顔の検出が行われる顔検出処理が実行される。次いで、S101において、撮影データから、人物の顔が検出されたか否かについて判別される。顔の検出は、黒眼、肌色、唇などの検出又はこれらの組み合わせにより実行される。
ここで、遊技者が椅子に座って遊技を行っている場合であっても、例えば横を向いたり下を向いたりすることにより、一時的に遊技者の顔が検出されなくなる場合がある。このため、副制御基板940では、人物の顔が検出されるとトラッキングモードに遷移し、人物の顔が検出されなくても一定の解除時間に亘って人物の顔が検出されなくなるまで遊技者が存在するものとして処理を実行する。これにより、視点角度Vがむやみに変更されることを防止し、装飾図柄表示装置479に表示される画像が乱れることを防止することができる。
S102においては、現在のモードがトラッキングモードか否かが判別される。トラッキングモードでない場合には、S103へ移って現在のモードがトラッキングモードに遷移される。現在のモードがトラッキングモードである場合には、何もせずS104の処理が実行される。
S104においては、撮影データに基づき、遊技者の視点角度Vを算出する視点角度算出処理が実行され、視点角度Vが決定される。なお、視点角度算出処理については後述する。
S101において撮影データから人物の顔が検出されなかった場合、S107において、現在トラッキングモードであるか否かが判別される。現在トラッキングモードでないと判別された場合には、何ら処理が行われずにS110へ移る。現在トラッキングモードである場合には、S108において、解除時間以上であるか否かが判別される。すなわち、S108において、顔検出部943は、トラッキングモードにおいて、人物の顔が検出されない非検出時間をカウントするカウンタを有している。S108においては、人物の顔が検出されなかった場合にカウンタの値が1ずつ加算されると共に、当該カウンタの値が解除時間以上になったか否かが判別される。S108において否定結果がえられた場合には、何ら処理がなされることなくS111へ移る。
S109においては、解除時間に亘って人物の顔が検出されなかったため、遊技者が席を立った可能性が高いと判断され、トラッキングモードが解除される。このとき、S204(図23)において登録された基準顔サイズ(詳細は後述する)も併せて消去される。
S110においては、遊技者が席に存在しないため、画像データの生成に使用される視点角度Vとして、デフォルトで準備された初期視点角度が使用されることが決定される。
S111においては、何らかの理由により人物の顔が検出できなかったものの、遊技者がまだ遊技中である可能性があるため、前回使用した視点角度Vが使用されることが決定される。これにより、遊技者が遊技を行っているにも拘わらず、急激な視点角度Vの変化により画像が大きく変化して画像が乱れたという印象を遊技者に与えてしまうことを防止することができる。
S112においては、主制御基板920より供給されたタイミング信号から、使用する動きデータ及び3Dモデルが特定され、3次元の空間モデルが生成されると共に、S104,S110,S111において決定された視点角度Vから投影された画像が2次元の画像データとして生成される。
S113においては、生成された画像データが装飾図柄表示装置479に供給されることにより、装飾図柄表示装置479に装飾図柄が表示される。
次に、S104において実行される視点角度算出処理について説明する。
S201においては、撮影データから遊技者の高さ方向及び水平方向における目の位置が検出される。目の位置は、例えば遊技者における黒眼の位置によって検出されるが、遊技者がサングラスを掛けていた場合には、サングラスの中心位置を黒眼の位置として検出される。
S202においては、遊技者の眼間距離DEが顔のサイズとして検出される。顔のサイズとしては、眼間距離DE以外にも、眼と唇との距離を用いたり、これらを組み合わせるようにしても良い。
S203においては、基準となる基準顔サイズが登録されているか否かについて判別される。なお、基準顔サイズは、トラッキングモードが解除される(S109)度にリセットされ、遊技者ごとに登録される。S203において否定結果が得られた場合には、何ら処理がなされることなくS205へ移る。
S204においては、基準顔サイズが登録される。ここで、遊技者の性別や個性に応じて、顔のサイズは相違する。従って、眼間距離DEの値を一律に判断すると、視点角度Vの算出における誤差が大きくなってしまうおそれがある。遊技者ごとに基準顔サイズが登録されることにより、より正確な視点角度Vの推測が可能となる。なお、基準顔サイズは、遊技者が座って普通に遊技する状態の顔のサイズが登録されることが好ましい。この普通に遊技する状態としては、遊技者が着座して装飾図柄表示装置479を視認している状態であることが好ましく、装飾図柄の変動表示として複数の図柄が停止表示された状態において大当り当選に対応した一部の図柄が構成され、残りの一部の図柄が変動表示された状態(リーチ状態)や、遊技者が入力操作装置260を操作している状況であって装飾図柄表示装置479に当該操作に関する情報が表示された状態(例えば、パチンコ機100の設定操作を実行している場合において装飾図柄表示装置479に設定操作により選択された情報がハイライト表示された状態)などが例示される。
S205においては、S201において検出された目の位置と、S202において算出された眼間距離DEと、基準顔サイズとに基づいて、視点角度Vが算出される。すなわち、基準顔サイズに基づいて、遊技者の顔と装飾図柄表示装置479との距離が推測されると共に、当該推測された距離と目の位置とから、視点角度Vが算出される。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、遊技者の目の位置を検出すると共に、遊技者の目の位置に応じた画像を装飾図柄表示装置479に表示することにより、遊技者に対し、あたかも装飾図柄表示装置479の内部に3Dモデルが存在するかのように感じさせることができ、パチンコ機100としての娯楽性を向上させることができる。
<カメラ装置の設置(1)>
次に、カメラ装置600の設置について説明する。図24に示すように、遊技者が帽子などを被っている場合がある。図25に示すように、仮にパチンコ機100の上端に近い位置にカメラ装置600を設置した場合、帽子のつばが邪魔となり、遊技者の顔が撮影できない可能性が生じてしまう。また、図24に示すように、パチンコ機100において、装飾図柄表示装置479は、遊技者の視線が中心にくるように配置されることが多く、遊技者の顔の正面近傍にカメラ装置600を設置することは、物理的に困難である。
図26に示すように、パチンコ機100では、装飾図柄表示装置479の上部に造形物491が設置されている。この造形物491は、機械仕掛けにより装飾図柄表示装置479の前面中心付近に移動可能に構成されている。パチンコ機100では、この造形物491の内部に、カメラ装置600としての第1カメラ装置600Aが設置されており、レンズ部601Aが造形物491のほぼ中心(鼻部分)から露出している。
通常時において、造形物491は、装飾図柄表示装置479の上部に位置し、遊技者を撮影する。図26では、装飾図柄表示装置479において抽選の度に抽選結果が表示される表示部として、複数の数字が周方向に並んで表示された円筒状の数字盤が回転する回転画像の様子を示している。
副制御基板940は、変動パターンとしてリーチ状態を発生させる変動パターンの一部において、以下に説明するように、造形物491を動作させる。図27に示すように、抽選結果に応じて回転画像があと一つで当選となるリーチ状態となると、造形物491は装飾図柄表示装置479の前面ほぼ中央に移動し(図27の状態)、最後の数字を一旦覆い隠す。リーチ状態において変動中の最後の数字は、一般的に遊技者が装飾図柄表示装置479を注目し易いので、この状況を利用して第1カメラ装置600Aによって遊技者の顔を正面側から撮影するものであり、しかも、遊技者の顔がより正面側から撮影しやすい位置まで造形物491(第1カメラ装置600A)が下に下がるのである。
そして、遊技者の顔が第1カメラ装置600Aによって撮影された後には、造形物491(第1カメラ装置600A)は上昇して元の位置(通常状態)に戻る。これにより、変動中の最後の数字を遊技者が視認し易い状態に復帰し、遊技者に抽選結果を視認する遊技を楽しませることができる。
その後、図28に示すように抽選結果が表示され、大当りに当選している場合には、画像データに宝箱TBが出現し、図29に示すように数字盤の前に大きく表示される。その後、図18に示したように宝箱TBの蓋が開き、図19〜図21に示したように抽選結果が表示される。この宝箱TBを用いた抽選結果の表示としては、大当りか否かの抽選結果ではなく、大当りの種類の抽選結果に対応している。すなわち、図26から図28の変動表示を経由した後、大当りの発生による特別遊技状態の後に移行する遊技状態として、確変遊技状態へ移行するか、それとも確変遊技状態よりも遊技者にとって価値の低い時短遊技状態へ移行するかが宝箱TBを用いて表示され、その移行する遊技状態が宝箱TBの内容物CNに対応している。
なお、宝箱TBを用いた抽選結果の表示として、遊技状態の移行先に対応する大当りの種類の抽選結果ではなく大当りの抽選結果を表示する場合には、図27に示すリーチ状態の後において、造形物491(第1カメラ装置600A)が元の位置(通常状態)に戻った後であって中央の図柄の変動継続中に、宝箱TBを数字盤の前に大きく表示して内容物CNを視認させる演出を実行し、その後に大当りか否かの抽選結果を表示すれば良い。
既述の通り、パチンコ機100では、カメラ装置600で撮影された撮影データに基づき、遊技者の目の位置を遊技者の顔の一部として検出する。図30に示すように、通常状態において、第1カメラ装置600A(図では600A(n)と記載)は、斜め上から遊技者の顔を撮影する。一方、リーチ状態において、造形物491は装飾図柄表示装置479のほぼ中央に移動する。このとき、第1カメラ装置600Aは、遊技者の顔のほぼ正面に位置することになる(図では600A(r)と記載し、下側移動状態という)。
そこで、パチンコ機100では、リーチ状態中における第1カメラ装置600Aの下側移動状態において撮影された撮影データに基づいて、基準顔サイズを修正(更新)するようになされている。すなわち、副制御基板940の顔検出部943は、下側移動状態において撮影された撮影データから顔サイズを検出し、基準顔サイズとして登録する。例えば、顔検出部943は、下側移動状態に遷移するごとに1回、基準顔サイズを登録(記憶)する。これにより、顔検出部943は、遊技者のほぼ正面から撮影された撮影データを基準顔サイズにすることができるため、基準顔サイズの精度を向上させることができる。
また、図31に示すように、通常状態においては、第1カメラ装置600A(図では600A(n)と記載)が下側移動状態よりも上側に位置し、遊技者よりも上に位置する場合が生じ得る。このため、帽子を被った遊技者が下を向いたり、パチンコ機100に近づいたりした場合、第1カメラ装置600Aが遊技者を撮影できない場合が生じ易くなってしまう。
そこで、パチンコ機100では、図32に示すように、カメラ装置600として、第2カメラ装置600Bを設置している。第2カメラ装置600Bは、上方向から遊技者の顔が撮影できない場合であっても遊技者の顔が確実に撮影できるよう、下側移動状態における第1カメラ装置600Aより下に設置され、遊技者の顔よりも下に設置される。すなわち、副制御基板940の顔検出部943は、常に第1カメラ装置600A及び第2カメラ装置600Bによって遊技者を撮影しており、第1カメラ装置600Aの撮影データ(以下、これを第1撮影データと呼ぶ)から顔が検出された場合には、第1撮影データを使用して視点角度Vを算出する。一方、第1撮影データから顔が検出されない場合には、第2カメラ装置600Bの撮影データ(以下、これを第2撮影データと呼ぶ)を使用して視点角度Vを算出する。これにより、顔検出部943は、第1カメラ装置600Aで遊技者の顔が撮影できない場合であっても、第2カメラ装置600Bで撮影した第2撮影データから遊技者の顔を検出することができ、撮影できないケースを著しく減少することができる。
次に、図33を参照して、副制御基板940の顔検出部943によって実行される顔検出処理について説明する。図33は、顔検出部943によって実行される顔検出処理を示したフローチャートである。この顔検出処理は、副制御基板940の装飾図柄表示処理(図22)のうち、S100において実行される。
まず、S301において、第1カメラ装置600A(図では第1カメラと記載)によって撮影された第1撮影データから顔が検出されたか否かについて判別される。第1撮影データから顔が検出されなかった場合には、何ら処理が実行されることなく、S309へ移る。第1撮影データから顔が検出された場合には、S302へ移り、現在の状態がリーチ状態中であって第1カメラ装置600Aの下側移動状態中であるか否かについて判別される。第1カメラ装置600Aの下側移動状態中である場合には、S303〜S309の処理が実行され、第1カメラ装置600Aの下側移動状態中でない、すなわち通常状態であった場合には、何ら処理が実行されることなく、S310へ移る。
S303においては、今回のリーチ状態において、第1撮影データに基づく基準顔サイズが既に登録されたか否かについて判別される。既に登録されていた場合には、何ら処理が実行されることなく、S310へ移る。未だ登録されていなかった場合には、S304において、撮影データから顔サイズが検出される。S305においては、基準顔サイズが登録される。これにより、第1カメラ装置600Aが下がって遊技者の正面に位置するリーチ状態の一部における、遊技者の顔サイズが基準顔サイズとして登録され得る。
また、第1カメラ装置600Aが下がって基準顔サイズが登録された場合に、そのタイミングにおいて第2カメラ装置600Bによって基準顔サイズが登録され得る。S306〜S309では、第2撮影データに基づく基準顔サイズが登録される。S306においては、第2カメラ装置600Bに基づく第2撮影データから顔が検出されたか否かが判別される。顔が検出されなかった場合には、何ら処理が実行されることなく、S310へ移る。S307においては、今回のリーチ状態において、第2撮像データに基づく基準顔サイズが既に登録されたか否かについて判別される。既に登録されていた場合には、何ら処理が実行されることなく、S310へ移る。未だ登録されていなかった場合には、S307において、撮影データから顔サイズが検出される。S305においては、基準顔サイズが登録される。これにより、リーチ状態にあり、注目度が高く、装飾図柄表示装置479を真っ直ぐ凝視している可能性が高い状態の遊技者の顔が第2カメラ装置600Bに対しての基準顔サイズとして登録され得る。
S310においては、第1カメラ装置600Aによって撮影された撮影データを使用して遊技者の視点を検出することが決定され、S101(図22)へ移って処理が実行される。
S311においては、第2カメラ装置600B(図では第2カメラと記載)によって撮影された第2撮影データから顔が検出されたか否かについて判別される。第2撮影データから顔が検出された場合には、S312において、第2撮影データを使用して遊技者の視点を検出することが決定され、S101(図22)へ移って処理が実行される。顔が検出されなかった場合には、S313において遊技者の顔が検出されなかったと判断され、S101(図22)の処理が実行される。
このように、図33に示す顔検出処理においては、第1カメラ装置600Aが下がって基準顔サイズが登録(記憶)されたタイミングにおいて第2カメラ装置600Bによって基準顔サイズを登録(記憶)することができるため、第2カメラ装置600Bによって遊技者の目など顔の一部が直接撮影できなくても、遊技者が装飾図柄表示装置479を正面視した状況における目以外の耳、鼻、あご又は顔の外形等の他の部位の配置位置を撮影した撮影データを基準顔サイズとして登録することができる。このため、第1カメラ装置600Aが通常状態として上側に戻り、遊技者の顔(目)が第1カメラ装置600Aによって検出できない状況であっても遊技者が正面視した状況に対しての視点角度Vの変化を第2カメラ装置600Bによる撮影データを利用して推測することができ、視点角度Vの変化に対応した画像データを生成し易く、遊技者の顔(目)の状態変化に対応した画像データを装飾図柄表示装置479によって、より正確に表示することができる。
なお、図33におけるS310及びS312の処理において、第1カメラ装置600Aと第2カメラ装置600Bとの両方の撮影データを使用して遊技者の視点を検出する場合があるものとしても良い。第1カメラ装置600Aが通常状態として上側に戻った状況において、遊技者の顔が第1カメラ装置600A又は第2カメラ装置600Bのいずれか単体のみによっては検出できない状況であっても、遊技者が装飾図柄表示装置479を正面視した状況に対しての視点角度Vの変化を、第1カメラ装置600Aと第2カメラ装置600Bとの両方の撮影データを利用して推測することができる。これにより、視点角度Vの変化に対応した画像を装飾図柄表示装置479によって、一層正確に表示することができる。
また、図33におけるS307の処理を省略し、第1カメラ装置600Aによって基準顔サイズを登録した場合には、第2カメラ装置600Bによって基準顔サイズの登録があってもその登録データを更新することとしても良い。これにより、遊技者が装飾図柄表示装置479を正面視した状況に対しての第2カメラ装置600Bから見た遊技者の状態を、第2カメラ装置600B用の基準顔サイズとして正確に登録することができる。
<カメラ装置の設置(2)>
また、図34には、カメラ装置600としての第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600Dを、前ブロック102(図1〜図4)に設置した例を示している。前ブロック102にカメラ装置600を設置する場合、遊技者の顔の正面にカメラ装置600を設置することは物理的に困難である。仮に、1つのカメラ装置600を外枠101又は前ブロック102に1つだけ設置した場合、遊技者が設置されたカメラ装置600と逆方向を向いた場合に、遊技者の顔を検出できない可能性が生じる。
そこで、遊技者に対して左右2方向に、2つのカメラ装置600(第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600D)を設置している。第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600Dは、平均的な遊技者の視点よりも若干下に設けられており、背の低い遊技者や帽子を被った遊技者であっても、確実に顔を撮影できるようになされている。また、機種の変更に伴って遊技盤400を交換した場合であっても、外枠101及び前ブロック102は継続して使用されることから、機種変更に伴い新たなカメラ装置600を準備せずに済み、経済性に優れている。
副制御基板940の顔検出部943は、第1カメラ装置600Cによって撮影された第1撮影データ及び第2カメラ装置600Dによって撮影された第2撮影データのうち、少なくとも一つ以上の撮影データを使用して遊技者の顔を検出する。第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600Dの一方のみから遊技者の顔が検出された場合には、顔が検出された一方の撮影データを使用して、遊技者の視点を算出する。また、第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600Dの両方から遊技者の顔が検出された場合には、例えば2つの撮影データから視点角度をそれぞれ算出し、平均値を視点角度Vとする。また、2つの撮影データを合成して一つの合成画像データを生成し、合成画像データから遊技者の視点を算出することもできる。このように、2つのカメラ装置600を使用することにより、2つの撮影データから遊技者の顔を検出できた場合には、2つの撮影データを使用して視点角度Vの精度を高めることができる。また、2つのカメラ装置600を補完的に使用することにより、撮影データから遊技者の顔を検出する確率を上昇させ得る。
また、視点角度Vの精度が高まるため、遊技者の視点角度Vの小さな動きを検出し、当該小さな動きに応じて投影画像を大きく動かすといった動作を行うことができる。遊技者の遊技時間は様々であるが、遊技時間が長くなると、覗き込む動作をするのがおっくうになる場合が生じる。例えば、遊技者の視点角度Vが僅かに上方向へ移動したのを検出すると、表示データ生成部942は、投影画像における視点を視点角度Vの移動分に所定の係数を乗算した値分だけ変化させた位置に設定する。これにより、遊技者に飽きさせることなく装飾図柄表示装置479の画像に対する動作を行わせることができる。また、あたかも3Dモデルが装飾図柄表示装置479に存在するように見せるためには、遊技者の前後方向の動きに対して、投影画像を変化させる必要はない。しかし、遊技者が前方向に顔を近づける場合には、遊技者が3Dモデルの少なくとも一部を凝視したいと思っている可能性が高い。そこで、表示データ生成部942は、遊技者が前方向に顔を近づけたことを検出すると、予め予測された遊技者が凝視したい部分を拡大表示する。
このように、複数のカメラ装置600を使用して視点角度Vの算出精度を向上させることにより、遊技者の視点に応じて遊技者の望む投影画像を表示することができる。
次に、図35を参照して、副制御基板940の顔検出部943によって実行される顔検出処理について説明する。図35は、顔検出部943によって実行される顔検出処理を示したフローチャートである。この顔検出処理は、副制御基板940の装飾図柄表示処理(図22)のうち、S100において実行される。
S401において、第1カメラ装置600C(図では第1カメラと記載)によって撮影された第1撮影データから顔が検出されたか否かについて判別される。顔が検出された場合、S406〜S408の処理が実行される。一方、S401において第1撮影データから顔が検出されなかった場合、S402〜S404の処理が実行される。
S402においては、第2カメラ装置600D(図では第2カメラと記載)によって撮影された第2撮影データから顔が検出されたか否かについて判別される。第2撮影データから顔が検出されなかった場合には、S403において、2つのカメラ装置600の両方から遊技者の顔が検出されなかったと判断され、S101(図22)以降の処理が実行される。一方、第2撮影データから顔が検出された場合には、S404において、顔が検出された第2撮影データのみが使用することが決定され、当該第2撮影データを使用してS101(図22)以降の処理が実行される。
S406においては、第2撮影データから顔が検出されたか否かについて判別される。第2撮影データから顔が検出されなかった場合には、S407において、顔が検出された第1撮影データのみが使用することが決定され、当該第1撮影データを使用してS101(図22)以降の処理が実行される。一方、S406において第2撮影データから顔が検出された場合、顔の検出された第1及び第2撮影データの2つの撮影データが使用されることが決定され、当該2つの撮影データを使用してS101(図22)以降の処理が実行される。
<所持品載置部の構成(1)>
次に、所持品載置部の構成について説明する。遊技者は、遊技場から遊技球を借りて遊技を行っている。図36に示すように、パチンコ機100では、遊技進行に応じて払い出された遊技球や、カードユニットCUに対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口部分が形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。なお、便宜上、図36ではパチンコ機100を模式的に示している。
遊技者は、貯留部231における遊技球の数を視認し、他に手持ちの遊技球がある場合には、補助貯留機構240や箱に貯留する遊技球を貯留部231へ補充する。一方、遊技者は、手持ちの遊技球がない場合には、カードユニットCUにお金やプリペイドカードを投入し、新たな遊技球の貸し出しを受けて遊技球を補充する。このとき、遊技者は、発射操作装置250を操作して遊技を行いながらお金やプリペイドカードを準備するため、自身の手の届く範囲内に、かつ裸の状態で財布を載置することが多い。また、同様の理由でたばこなどを載置する遊技者も存在する。
ところが、パチンコ機100には遊技者の所持品(財布やたばこなど)を載置することを想定していない。例えば、パチンコ機100の上側に所持品を載置した場合、背中合わせに配置した後側の遊技機の正面側から所持品を取られてしまうことが想定され、盗難の恐れが生じてしまう。一方で、遊技を行いながら目が届く範囲内に所持品を載置できるスペースは殆どない。
そこで、本願のパチンコ機100では、パチンコ機100の上側に、遊技者が載置した所持品を盗難などから護る所持品載置部710を設けるようにした。
図36及び図37に示すように、パチンコ機100の上部は、装飾部材701が前側へ突出するように設けられており、比較的大きな面積を有する上面702が形成されている。所持品載置部710におけるカバー部711は、上面702の上側、パチンコ機100の左右方向の中心付近に設けられており、半球のドーム形状を有している。
カバー部711は、その表面に遊技者によって視認可能な装飾面を有し、例えば、地球の北半球を模した地図が印刷されると共に、内側にLED等の発光部品が複数内蔵され、日本、中国、米国などの各国が個別に発光可能に構成されている。発光部位は、装飾図柄表示装置479に表示される演出画像に連動し、特別図柄の変動表示に伴って実行される変動演出として、各国の名所を背景にした演出(例えば、京都、上海、ニューヨーク等)が実行され、名所毎に大当り期待度が異なる設定とされ、その演出の背景に対応した部位が発光する。
図37に示すように、開口周縁部211に対応する装飾部材701の内部には、カバー部711を収納可能な収納領域(破線で示す)712が設けられている。カバー部711は、1/4球が2つ組み合わされた構成でなり、中心部711aが開くと同時に端部711bが収納領域712に収納されることにより、開状態及び閉状態へと遷移可能な開閉機構を有している。装飾部材701の内部には、カバー部711を駆動する駆動装置703(図10)が設けられており、駆動装置703の駆動により、カバー部711が自動で開閉することができる。
また、所持品載置部710の内部には、所持品MMの有無を検出する所持品検出部713(図10)が設けられている。この所持品検出部713は、例えば重量センサや赤外線センサなどで構成されている。また、副制御基板940におけるプログラムの一部として載置制御部720及び動作検出部721が構成されている。
図38に示すように、開状態において、載置制御部720は、所持品検出部713によって所持品載置部710に所持品MMが載置されたことを検出すると、駆動装置703を制御して閉状態へ遷移し、図39及び図40に示すように、カバー部711の中心部711a同士を隣接させ、開口部分がない又は殆どない状態にし、所持品MMの全体を覆って所持品MMを取り出すことを不可能にできる。また、カバー部711の内側に、カバー部711の閉状態を維持するための電気的に動作する施錠装置717を設け、カバー部711に内側から施錠を行うことも可能である。この場合、載置制御部720は、駆動装置704(図10)を駆動させて自動施錠及び自動解錠を行う。
また上述したように、パチンコ機100は、カメラ装置600(図10、図32〜図34の600A〜600D)を有している。動作検出部721は、カメラ装置600によって撮影された画像データから遊技者の顔及び動きを監視し、遊技者が特定動作を行ったことを検出すると、特定動作の実行を表すフラグをONに設定する。載置制御部720(図10)は、特定動作の実行を表すフラグがONになっていることを認識すると、フラグが検出結果が表す特定動作に対応する動作対応処理を実行する。
例えば、載置制御部720は、特定動作として遊技者が上方向へ手を伸ばしたことが検出されると、駆動装置703,704を制御することにより、施錠装置717を解錠すると共に所持品載置部710を開状態へ遷移させてカバー部711を開口させる。これにより、遊技者は、遊技をしながら所持品MMを取り出すことができる。
さらに、所持品検出部713における検出状況を確認し、所持品MMが所持品載置部710に載置されている状況において、載置制御部720は、例えば遊技者が離席しようとしたことが特定動作として動作検出部721によって検出されると、動作対応特定処理を実行する。具体的に、載置制御部720は、音響装置281,282や盤面発光装置490、装飾図柄表示装置479などから音や光、画像などによって所持品MMが載置されたままであることを遊技者に知らせる。これにより、遊技者は、離席する際に載置した所持品MMを忘れないようにできる。なお、動作検出部721は、例えばカメラ装置600によって撮影される画像データから遊技者が立ち上がるのに伴い遊技者の顔が上方向に移動したときに、遊技者が離席しようとしている特定動作であることを検出する。
このように、パチンコ機100には、その上面より高い位置に突出可能なカバー部711が設けられ、パチンコ機100の上面より上方に、遊技者の所持品を載置し、この所持品を、カバー部711によって形成される収容空間内に収容可能に構成することができる。このため、パチンコ機100の正面視の外形より内側には従来と同様の部品スペースを確保することが可能となり、遊技者が利用可能なスペースであって遊技者の所持品を収容可能な新たな機能を付加するスペースを好適に設定することができる。
また、カバー部711の装飾部によって大当り期待度を示すことが可能な構成であり、カバー部711は他の遊技者からも注目し易い部位であるので、カバー部711の内部に収容した所持品は、犯罪者が盗難をし難くすることができ、所持品の盗難防止を図ることができる。
また、遊技者が離席しようとする特定動作に対して動作対応処理が実行され、所持品MMが載置されたままであることを遊技者に知らせたりする。よって、所持品の置き忘れを警告することができ、遊技者による所持品の置き忘れを防止することができる。
また、遊技者の特定動作として、遊技者が上方向へ手を伸ばしたことが検出されると、施錠装置717を解錠すると共に所持品載置部710を開状態へ遷移させてカバー部711を開口させ、遊技者は、遊技をしながら所持品MMを取り出すことができる。このため、遊技者が所持品の載置として利用し易い箇所をパチンコ機100に設けることができ、その使用を遊技者に促して利用を促進し、これにより、移動の際には、所持品の置き忘れを確実に警告可能にすることができて、遊技者による所持品の置き忘れをより確実に防止することができる。
<所持品載置部の構成(2)>
次に、所持品載置部750の構成について説明する。本実施の形態では、パチンコ機100において主貯留機構230の右側に所持品載置部750が設けられており、図1〜図9とはその構成を若干変更している。
図41に示すように、所持品載置部750は、主貯留機構230の前側部分を構成する壁面の上側とほぼ同じ高さにその上面751を有している。また、所持品載置部750の前側及び右側には上面751よりわずか(1〜3cm程度)高い壁部752が設けられている。このため、遊技者が所持品載置部750に大きめの所持品MMを載置した場合に、所持品MMが左側にのみはみ出すことができる。すなわち、所持品MMの前側及び右側へのはみ出しを防止して所持品MMの落下及び盗難を防止すると共に、遊技者の目の届きやすい左側にのみ所持品MMのはみ出しを許容できる。
所持品載置部750には、直方体形状の穴部753が設けられている。この穴部753は、図42に示すように、一万円札を伸ばした状態で収納できる長財布が立てて入れられることが想定されており、縦×横=(2〜5cm)×(7〜10cm)程度であり、深さが5〜15cmであることが好ましい。また、図43に示す上面751には、一万円札を収納した後に2つに折られた状態となる二つ折り財布が載置されることが想定されており、9cm角以上の面積を有することが好ましい。
所持品載置部750は、穴部753を有する上層部754と、前ブロック102に固着され、上層部754を支持する下層部755を有している。下層部755には、上層部754の重量を測定する重量センサが所持品検出部713(図10)として設けられており、所持品載置部750における所持品MMの載置の有無を検出することができる。
載置制御部720は、所持品載置部710の場合と同様、載置制御部720は、例えば遊技者が離席しようとしたことが特定動作として動作検出部721によって検出されると、動作対応特定処理を実行する。これにより、遊技者は、離席する際に載置した所持品MMを忘れないようにできる。
<所持品載置部の構成(3)>
次に、所持品載置部760の構成について説明する。本実施の形態では、パチンコ機100において主貯留機構230の右側に所持品載置部760が設けられており、図1〜図9とはその構成を若干変更している。
図44に示すように、所持品載置部760は、主貯留機構230の右側に設けられ、主貯留機構230の壁面の上側とほぼ同じ高さにその上面761を有している。所持品載置部760は、その筐体部765において、直方体形状の穴部763が設けられている。図45に示すように、この穴部763には、当該穴部763よりもわずかに小さい収納箱764がはめ込まれている。
図46に示すように、収納箱764は、所持品MMが入れられた状態で内部へ押し込まれると、内部に設けられたロック機構が作動し、収納箱764が内部に押し込まれた状態で固定される。
図47に示すように、遊技者によってロック解除ボタン769が押下されると、ロック機構が解除され、収納箱764の上端が上面761とほぼ同じ高さまで持ち上げられる。すなわち、遊技者は、遊技中には所持品MMを穴部763に収納し、所持品MMにおける穴部763に収納されない突出部分の割合を小さくして盗難などのリスクを低減することができる。一方、遊技者は、所持品MMが必要なときに所持品MMにおける穴部763に収納されない突出部分の割合を大きくして所持品MMを簡単に取り出すことができる。
なお、このロック機構を例えば深さの異なる2段階に設定し、2つ折り財布を収納するときには浅い位置で、長財布を収納するときには深い位置で収納箱764をロックするようにすることもできる。これにより、2つ折り財布及び長財布の双方に対して、盗難のリスクを低下させつつ取り出しやすい構造にすることができる。
また、所持品検出部713がロック機構がロックしている状態を検出する一方、動作検出部721が特定動作としてロック解除ボタン769の押下を検出し、所持品載置部750と同様の動作対応処理を実行しても良い。
<所持品載置部の構成(4)>
次に、所持品載置部780の構成について説明する。なお、便宜上、図48ではパチンコ機100をわかりやすく模式的に示しており、これに伴って形状の一部を適宜変更している。
図48に示すように、所持品載置部780は、主貯留機構230における貯留部231の上側に設けられている。所持品載置部780は、貯留部231に蓋をするように載置部本体781が設置されることにより構成される。貯留部231の側壁の内側に溝を設け、載置部本体781をはめるようにしても良く、また、載置部本体781を貯留部231より一回り大きく形成し、貯留部231の側壁上に単に置くようにしても良い。載置部本体781は、貯留部231から簡単に取り外すことができ、貯留部231の掃除作業や詰まり除去作業の邪魔になることはない。
載置部本体781は、板状部782と、通過部783とを有している。遊技球の川下側となる板状部782では、通過孔のない透明の板状部材が使用され、ゴミなどの混入を防止している。板状部材が透明であるため、遊技者は、遊技球が現在どの程度残っているかを載置部本体781を通して確認することができる。遊技球の川上側となる通過部783では、遊技球を通過させる通過孔783aを有している。この通過部783において、通過孔783aはできるだけ大きい面積を有することが好ましく、例えば通過部783は、金属製の棒状部材を用いて形成された全体を囲む枠と前後方向に渡された金属製の棒状部材とが固着されることにより構成されている。強度などの観点から、通過孔783aは、前後方向に縦長形状を有し、複数の通過孔783aが左右方向に連続的に並べられることが好ましい。通過部783は、重量のある遊技球が流し込まれるため、強度が必要で有り、材質として強度のある金属、特にステンレスや鉄などが好適に用いられる。
遊技者は、所持品載置部780のうち、好きな領域を選んで所持品MMを載置することができる。例えば、箱に入れた手持ちの遊技球が多く存在する場合には、いつでも箱から遊技球を補充できるよう、板状部782に所持品MMを載置する。一方、手持ちの遊技球がない場合には、残りの球数を正確に確認できるよう、通過部783状に所持品MMを載置する。
上述したように、パチンコ機100の左側にはカードユニットCUが設置されており、各遊技者専用のスペースが存在する。図49及び図50に示すように、載置部本体781Xとして、所持品MMを載置できる載置領域がカードユニットCUの方向へ拡大する拡大機構を設けることにより、カードユニットCUの前側のスペースに所持品MMを載置することもできる。具体的に、通過部783は、回転機構785を介して拡大部784と接続されている。拡大部784は、拡大部784が折り畳まれた状態において、通過部783の一部とほぼ同一形状を有しており、棒状部材同士が重なるため通過孔783aを殆どふさがない。一方、回転機構785の回転によって拡大部784が広げられた状態において、拡大部784の端部がカードユニットCUの左端からはみ出ないようになされている。遊技者は、拡大部784に所持品MMを載置することにより、遊技球が見えなくなったり、遊技球の補充がしづらくなったりすることなく、遊技を楽しむことができる。
また、図51(A)に示すように、所持品載置部780Yには、通過部783と同一形状を有する拡大部788が、スライド機構789,790を介して通過部783に設置されるようにしても良い。具体的に、拡大部788には、通過部783におけるスライド機構789とはめ合うスライド機構790が左右方向にほぼ平行に設けられている。図51(B)に示すように、スライド機構789,790がはめ合った状態で通過部783の上側に拡大部788が設置される。遊技者が拡大部788を左方向に滑らせると、拡大部788は左方向へ進行し、前後方向にほぼ平行に設けられたストッパ792,793によって位置が固定される。また、はめ合った状態のスライド機構789,790及びストッパ792,793とほぼ同一高さを有する高さ調節バー791によって、拡大部788の高さ位置がほぼ水平に保たれる。
このように、載置部本体781は、貯留部231の上側に重なり、遊技者の所持品の下側を支持可能に構成され、載置部本体781の外形の内側にて貯留部231に貯留された遊技球を視認可能であって、載置部本体781の外形の内側を通じて貯留部231へ遊技球を補充可能に構成されている。このため、貯留部231に貯留されている遊技球への視界を確保しつつ、遊技者の正面に所持品を載置する場所を確保できるため、所持品の盗難や置き忘れの危険を著しく低下させることができる。また、貯留部231は、遊技者が遊技球の残り量を確認したり、遊技球を追加投入したりして注意を向ける箇所であって、遊技者の視界に入り易い箇所でもあるので、その上側に重なるように所持品が置かれることによって、遊技者が所持品に注意を向け易く、所持品の置き忘れや盗難の危険性を低下させることができる。
なお、パチンコ機100(図36,図41,図48)に示すように、中大入賞装置434などの可変入賞装置や当該可変入賞装置における遊技球の進入のし易さを決定する抽選の権利が与えられる始動入賞装置341など、遊技者の注目が高い入賞装置を所持品載置部750,760,780に比較的近い位置に配置することが好ましい。これにより、遊技者が所持品MMを気にかけやすくでき、所持品MMの盗難の危険性を小さくすることができる。
<所持品載置部の構成(5)>
図52〜図54に示すパチンコ機100は、所持品載置部1710が大当りの抽選結果に対応して動作する装飾部材としての役割を兼ねている点と、所持品載置部1710と並ぶ位置に副装飾部材1730が設けられる点が、上述した所持品載置部710(図36〜39)とは相違している。これら所持品載置部1710及び副装飾部材1730は、いずれか一方のみをパチンコ機100に設けてもよく、また、これら所持品載置部1710及び副装飾部材1730の少なくとも一方に関する構造及び制御の構成を、上述した所持品載置部710を有するパチンコ機100などの他のパチンコ機100に付加してもよい。なお、所持品載置部1710を有するパチンコ機100には、所持品載置部710を有するパチンコ機100と対応する箇所に1000を付した符号を付し、同一箇所については説明を省略する。
図52に示すように、所持品載置部1710では、カバー部1711の表面に装飾が施されている。所持品載置部1710では、所持品載置部710と同様、所持品が載置されていない状態においては開状態となってカバー部1711が収納領域(図示せず)内に収納される一方、所持品が載置されると、図52に示したカバー部1711が閉状態となる。
かかる構成に加えて、所持品載置部1710では、大当りの際に、所持品が載置されている場合には、閉状態を維持して所持品載置部としての機能を果たす一方、所持品が載置されていない場合には、装飾部材としての機能を果たすようになされている。
具体的に、始動入賞装置431へ遊技球が進入したことに伴って実行された抽選の結果、大当りに当選すると、パチンコ機100は、特別遊技状態へと移行する。
また、副制御基板940には、所持品載置部1710を大当りの抽選結果に対応して動作させるための上部装飾制御部(図示せず)が設けられている。上部装飾制御部は、副制御基板940におけるROM(プログラム)の一部及びRAMの一部によって構成され、例えば、所持品検出部713(図10参照)による所持品載置の有無の検出によって所持品の有無を判断し、所持品の有無に対応した制御を実行する。
ここで、所持品載置部1710に所持品がある場合には、所持品をカバーするためにカバー部1711が閉状態となっている一方、所持品がない場合、カバー部1711は開状態であり、収納領域(図示せず)に収納されている。
副制御基板940は、所持品が有ると判断した場合、所持品載置部1710は閉状態に維持したままにする。これにより、遊技者の所持品は安全な状態が保たれる。また、パチンコ機100の上面1702には、副装飾部材1730が収納された副収納領域1731(図53,53)が形成されている。図53に示すように、副制御基板940は、駆動装置705(図10参照)を制御して副装飾部材1730を上面1702よりも上方へ突出させると共に、副装飾部材1730を回転させて大当りを演出する。そして特別遊技状態が終了すると、副制御基板940は、副装飾部材1730を収納領域の内部に収納すると共に、所持品載置部1710を閉状態のまま維持する。
一方、所持品がないと判断した場合、副制御基板940は、開状態にあるカバー部1711を上面1702よりも上方に突出させると共に、空いたり閉じたりのような往復運動をカバー部1711に行わせる。同時に副制御基板940は、駆動装置705を制御して副装飾部材1730を上面1702よりも上方へ突出させると共に、副装飾部材1730を回転させて大当りに対応する演出(以下、これを特別演出動作と呼ぶ)を行う。そして特別遊技状態が終了すると、副制御基板940は、副装飾部材1730を収納領域の内部に収納すると共に、所持品載置部1710を収納領域の内部に収納し、所持品載置部1710を開状態へと移行させる。
このように、所持品載置部1710における所持品の有無に応じて、大当り時における演出を変化させるようにした。これにより、所持品がある場合には所持品の保護を優先する一方、所持品がない場合には、所持品載置部1710のカバー部1711を大当り演出に活用できる。
次に、副制御基板940の上部装飾制御部(図示せず)が実行する上部装飾制御処理について、図54のフローチャートを用いて説明する。なお、上部装飾制御処理は、副制御基板940におけるプログラムの一部として構成されている。
副制御基板940は、ステップS1208(図12)において主制御基板920から現在の遊技状態を表す制御信号を受信すると、ステップS600へ移って上部装飾制御処理を開始する。ステップS601においては、現在が特別遊技状態であるか否かについてが確認される。ここで肯定結果が得られた場合には、ステップS602へ移り、所持品検出部713(図10参照)による所持品載置有無の検出結果を確認することにより、所持品載置部1710における所持品載置の有無が確認される。ここで肯定結果が得られた場合には、所持品載置部1710における所持品載置機能が優先され、閉状態が維持される。これに対して、ステップS602で否定結果が得られた場合には、大当り当選用の特別演出状態に遷移し、特別演出動作が実行される。特別演出動作としては、カバー部1711を開状態から閉状態へ移行させると共に、閉状態から少し開口させたり閉じたりする往復運動が実行される。また、同時に上面1702からせり出した副装飾部材1730に対し、回転動作などが実行される。
<所持品載置部の構成(6)>
図55,56に示すパチンコ機100は、所持品載置部1760が大当りの抽選結果に対応して遊技者に入力操作を促す入力装置としての役割を兼ねている点が、所持品載置部760(図45,46)とは相違している。この所持品載置部1760に関する構造及び制御の構成を、上述した所持品載置部760を有するパチンコ機100に付加してもよい。なお、所持品載置部1760を有するパチンコ機100には、所持品載置部760を有するパチンコ機100と対応する箇所に1000を付した符号を付し、同一箇所については説明を省略する。
図55に示すように、所持品載置部1760では、箱状の収納箱764の代わりに、板状の移動板1764を有している。移動板1764は、収納領域としての穴部1763における入り口を構成する開口部1763aを入口側とすると、入口側とは反対方向である奥側にあり、穴部1763の底(奥)面を構成する。言い換えると、穴部1763は二重底になっており、弾性部材1766を用いた移動板1764の長手方向への位置変化に応じて、当該穴部1763の長手方向の長さを変化させる。
所持品載置部760と同様、所持品載置部1760では、遊技者が所持品を挿入して押し込むことによりロック機構が動作し、移動板1764が奥側(正方向)へと変位した状態で固定される。一方、ロック解除ボタン1769の操作により、ロック状態が解除される。この結果、弾性部材1766が移動板1764を押し上げ、移動板1764は開口側(逆方向)へ変位する。
ところで、リーチ状態になると所定のボタンを押下させ、ボタンの押下に応じて装飾図柄表示装置479に抽選結果が表示される機能を有する遊技機が一般的に広く普及している。所持品載置部1760を有するパチンコ機100では、ボタンの代わりに所持品を押下させる入力操作によって、装飾図柄表示装置479に抽選結果が表示されるようになされている。
所持品載置部1760では、始動入賞装置341に遊技球が進入することに応じて行われた抽選によって押込リーチ状態を含む変動表示の実行が決定され、その押込リーチ状態となると、所持品載置部1760のロック状態が解除され、移動板1764が入口側へと移動する。この結果、穴部1763に収納された所持品は大きく突出した状態となる。なお、押込リーチ状態とは、数字盤の3つの数字の内2つがそろったリーチ状態(図27)のうち、押込演出動作を実行することが決定された状態であり、リーチ状態の全てが押込リーチ状態となっても良く、リーチ状態となる場合の一部のみが押込リーチ状態となっても良い。
このとき、副制御基板940は、例えば装飾図柄表示装置479に表示させたり、音声アナウンスを行うことなどにより、所持品を所持品載置部1760の内部へ押し込むように遊技者を促す。そして遊技者が所持品を押し込む動作により再び所持品載置部1760がロック状態となり、装飾図柄表示装置479に抽選結果が表示される。このとき、副制御基板940は、抽選結果が当選だった場合には、ロック状態を維持する一方、抽選結果が非当選だった場合には、再びロック状態を解除する。
すなわち、所持品載置部1760では、リーチ状態になると所持品が所持品載置部1760からせり出し、押し込む動作に応じて抽選結果が表示される。ここで抽選結果が当選だった場合には、ロック状態を維持するものの、抽選結果が非当選だった場合には、所持品が取りやすいように、再度所持品がせり出す。これにより、遊技者は、新たな遊技球の貸し出しを暗に要求されたとか、遊技の終了が促されたと感じる。ここで、抽選結果が非当選だった場合には、遊技者が所持品を押し込むと、非当選に対応した押込演出動作として、例えば装飾図柄表示装置479に遊技者を励ます画像などが表示される。
次に、副制御基板940のリーチ演出制御部(図示せず)が実行するリーチ演出制御処理について、図56のフローチャートを用いて説明する。なお、副制御基板940におけるプログラムの一部としてリーチ演出制御部が構成され、リーチ演出制御処理は、副制御基板940のメイン処理において定期的(例えば、10ミリ秒毎)に繰り返し実行されている。
ステップS1208(図12)によって主制御基板920から変動表示に関する制御信号が送信され、その制御信号の一部として、副制御基板940によって押込リーチ状態を実行可能な時間を含む変動表示時間に対応した制御信号が送信される場合がある。副制御基板940は、ステップS700におけるリーチ演出制御処理を定期的に実行し、ステップS701では、押込リーチ状態を実行可能な時間を含む変動表示時間による変動表示の開始後であって押込リーチ状態になったか否かが判別される。
押込リーチ状態は、押込リーチ状態を含む変動表示が開始されてから一定時間が経過してリーチ状態となった後の状態であり、その変動表示の経過時間と、リーチ状態の種類に対応した副制御基板940のRAMの一部領域を参照して判別される。
押込リーチ状態になったと判別されなければリーチ演出制御処理は終了し、押込リーチ状態になったと判別された場合には、次のステップS702に移る。ステップS702においては、所持品載置部1760における所持品の有無が判断される。所持品が有る場合には、次のステップS703へ移り、所持品が無ければ、リーチ演出制御処理は終了する。所持品の有無は、移動板1764の位置によって判別してもよく、穴部1763の底部にセンサを設けて判別してもよい。
ステップS703においては、所持品載置部1760におけるロック状態が解除された状態となり、移動板1764が逆方向に変位して所持品が持ち上げられる。同時に、所持品を押し込むように遊技者に対して促される入力操作情報(例えば、「荷物を押し込め!」の文字情報)が装飾図柄表示装置479に表示されたり、音声出力されたりする。
ステップS705においては、抽選結果が当選か否かが判別され、抽選結果が当選であった場合には、ステップS706へ移る。ステップS706においては、遊技者によって所持品が押し込まれたことが検出されるのを待ち受け、検出されると次のステップS707へ移る。ステップS707においては、所持品載置部1760がロック状態となる。ステップS708においては、押込みが行われたこと場合の当選に対応した押込演出動作として、当選に対応した情報(例えば、「大当り!」の文字情報)が装飾図柄表示装置479に表示されたり、音声出力されたりする。また、ステップS705において抽選結果が非当選だった場合には、ステップS710においてロック状態の解除が維持される。
ここで、抽選結果が非当選だった場合には、遊技者が一旦押し込み操作を実行した場合に、非当選に対応した押込演出動作として、非当選に対応した情報(例えば、「残念!」の文字情報)が装飾図柄表示装置479に表示されたり、音声出力されたりしてもよい。
遊技者が一旦押し込み操作を実行した場合、押込リーチ状態が終了し、変動表示の表示結果として、装飾図柄表示装置479に抽選結果に対応した装飾図柄が停止表示され、変動表示の実行終了時間に達した場合に、その後の遊技に進行する。
なお、遊技者による押し込み操作として1回でなく複数回の押し込み操作を実行させたり、押し込み時間として一定時間以上の押し込み操作を継続させるなど、他の入力操作としての所定の入力操作条件が成立した場合にロック状態となる設定としてもよい。また、押込リーチ状態となった場合に必ずしも当選となった場合の全てにおいてロック状態とされる必要はなく、ロック状態とはならずにロック状態が解除された状態を維持する場合が一部含まれてもよいし、押込リーチ状態となった場合に必ずしも非当選となった場合の全てにおいてロック状態が解除された状態が維持される必要はなく、ロック状態とされる場合が一部含まれてもよい。また、遊技者による押し込み操作が実行されなかった場合に、移動板1764を押し込んだ位置に移動させることが可能なモータやソレノイド等の駆動装置を備え、押込リーチ状態が実行されたり、遊技者が所持品を挿入しても遊技者による押し込み操作が実行されなかった場合に、副制御基板940により駆動装置を制御してロック機構が動作可能な位置まで移動板1764を移動させてもよい。
<貯留領域表示部の構成>
次に、貯留領域表示部の構成について説明する。
一般的に、遊技者は、遊技に夢中になると、遊技盤400に視点を集中させ、手元にある主貯留機構230を見る回数が減少してしまう。このような場合、遊技球がなくなって発射されないことにより、初めて主貯留機構230の遊技球を全て使ってしまったことに気づくことになってしまう。また、図57に示すように、主貯留機構230の上部に所持品載置部780を配置した場合、所持品を所持品載置部780上に載置することで、遊技球の有無や概ねの数量(残量)など遊技球が貯留される貯留領域の内部状態が視認しづらくなる可能性がある。主貯留機構230の手前側に入力操作用の装置として高さの高いレバーや押しボタンが設けられる場合、このレバーやボタンの高さ等によっても、貯留領域の内部状態が視認しづらくなる可能性もある。
そこで、図57に示すように、パチンコ機100に、遊技球の貯留領域を表示する貯留領域表示部1770が設けられた場合について説明する。貯留領域表示部1770は、例えば装飾図柄表示装置479の一部の領域が使用される。なお、貯留領域表示部1770を有するパチンコ機100として、上述した所持品載置部780を有するパチンコ機100を例示し、一部の構成を変更した場合について説明するが、上述した他の実施形態に係るパチンコ機100に貯留領域表示部1770に関する構造及び制御の構成を付加してもよい。
上述したように、パチンコ機100には、遊技者の顔を撮影するカメラ装置600が設置されている。例えば図58に示すように、フロントガラス199の後側に配置されたカメラ装置600を使用し、主貯留機構230(詳細には、遊技球の貯留領域)を撮影する。ここで、フロントガラス199としては、例えば、上述した前方板222及び後方板223が主貯留機構230の後側又は後方斜め上側に重なる位置まで下側に長く連続した形状にして構成されている。
図58では、斜め上へ向けて傾斜させた状態で主貯留機構230の後側にミラー1772を配置している。カメラ装置600は主貯留機構230を直接撮影するのではなく、主貯留機構230を映したミラー1772を撮影することにより、撮影位置を変化させ、この結果、1つのカメラ装置600によって遊技者の顔と主貯留機構230の両方を撮影することができる。なお、この場合、カメラ装置600としては、撮影角度を変化させられる可動式のカメラ装置又は幅広い角度を撮影可能な広角カメラ装置や2眼レンズカメラ装置などが好適に用いられる。撮影した画像データは、貯留領域表示部1770にそのまま画像として表示される。このとき、副制御基板940は、画像データから遊技球の数量(残量)を算出し、数量が一定量以下になったときのみ、装飾図柄表示装置479に貯留領域表示部1770を表示してもよい。なお、遊技球の数量については、例えば色検出や、遊技球の移動速度を算出することなどにより行うことが可能である。これにより、遊技球の数量が十分にあるときには、装飾図柄表示装置479の全てを本来の用途に使用できる一方、遊技球の数量が少ないときのみ、遊技者にその旨を知らせることができる。
<発射操作装置の操作の誘導>
次に、操作装置の誘導処理について、図59を参照して説明する。誘導処理を実行するパチンコ機100の構成は、図59のブロック図に示している。図59には、上述した図10に示したパチンコ機のブロック図に対して、誘導処理を実行するための構成(数値算出部981,操作データ記憶部982など)を追加して示している。
パチンコ機100は、回転式の発射操作装置250を備えている(図1及び図5等参照)。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)によって形成される遊技領域に向けて発射される。この回転操作量は、可変抵抗器253によって回転抵抗値として検出される。また、発射ハンドル252は、できるだけ多くの遊技球が入賞口へ進入するように各遊技者によって回転操作量が調整され、遊技者の技量に応じて入賞口へ遊技球が進入する数が異なる構成とされている。すなわち、発射ハンドル252は、遊技者が手を離すと初期位置に復帰し、発射ハンドル252が回転操作された状態で固定することができない構成とされている。このため、例えばトイレなどで遊技者が一旦離席した場合、席に戻った際には、遊技者が回転操作量の調整をやり直さなくてはならないという問題がある。
この問題に対して、例えば回転操作量に応じた操作数値(回転抵抗値)をパチンコ機の前面などに表示することにより、回転操作量の調整を容易にすることが考えられる。しかしながら、回転抵抗値を表示した場合には、遊技者が回転抵抗値ばかりを注視することになり、遊技の楽しみが減少する恐れがある。また、回転抵抗値をそのまま表示したり、回転抵抗値に対応した値をそのまま表示すると、遊技が上手な他の遊技者の回転抵抗値を模倣すれば、入賞口へ遊技球が進入する数が遊技者の技量に対応しない状態となってしまうことが予想されるし、遊技者自身の遊技を楽しめなくなってしまう恐れも生じてしまう。
そこで、本実施形態に係るパチンコ機100では、複数の遊技者に対して異なる遊技者パラメータを割り当て、当該遊技者パラメータを用いて複数の遊技者による同一の回転操作に対して操作数値を異ならせる(装飾する)数値装飾処理を実行することにより、遊技者本人のみが回転操作量を調整できるようにした。さらに本実施形態に係るパチンコ機100では、遊技開始から現在までの操作時間の間で、同一の回転操作量であったとしても操作数値の表示の仕方を固定的でなく変化させるようにした。
図60及び図61は、遊技者パラメータを用いて発射ハンドル252の回転操作量を、装飾された表示用数値(以下、「装飾数値」ともいう。)によって表示した表示例を示した図である。図60及び図61に示すように、パチンコ機100では、遊技者U(異なる遊技者UA及び遊技者UB)を識別すると、遊技者IDに関連付けられた遊技者パラメータ(図60及び図61では遊技者PMと表示)を決定し、回転操作量に応じた回転抵抗値を表すθ換算値に対し、遊技者パラメータを用いた計算式により装飾数値を算出する。この遊技者パラメータは遊技者ごとに相違する値が設定されている。この装飾数値を算出するために必要なプログラム及びデータは、副制御基板940(ROM)に記憶され、例えば、図59に示すように、顔検出部943、数値算出部981がプログラムとして記憶され、装飾数値を算出するために必要なデータが、操作データ記憶部982に記憶されている。そして、これらプログラム及びデータを用いて、副制御基板940のCPU及びRAMによって装飾数値を算出する制御が行われる。以下、この装飾数値を算出する制御の一例について説明する。
副制御基板940の顔検出部943(図59参照)は、カメラ装置600から供給される撮影データに基づいて、遊技者の顔を検出する。操作データ記憶部982には、予めROMに登録された遊技者の顔の特徴量(例えば、顔の横幅に対しての目の位置、高さ、形、目の虹彩、静脈の配置、縦横比や、顔の横幅に対する左右の目の長さ比、顔の頬の色のいずれか又は組み合わせ)に対応したデータと、遊技者IDとが関連付けられた遊技者データベース(以下、遊技者DBと略す)が記憶されている。検出された遊技者の顔から特徴量を抽出、照合することにより、遊技者を特定する。
例えば、顔検出部943は、図60に示すように、遊技者UAがパチンコ機100の前に着座した場合に、遊技者ID=「015」である遊技者UAを識別すると、この遊技者IDをRAMに記憶し、当該遊技者IDを数値算出部981にて使用する。数値算出部981は、遊技者DBから遊技者IDに関連付けられている遊技者パラメータを読み出すことにより、遊技者パラメータを「0.38」に決定し、θ換算値=「101.6」に対して「0.38」を乗算することにより、小数点以下3桁でなる装飾数値「38.608」を算出する。数値算出部981は、算出された装飾数値を数値表示部802に供給し、この装飾数値は、数値表示部802に表示される。
θ換算値は、発射ハンドル252の回転操作量に応じて変化する可変抵抗器253の回転抵抗値に対応している。可変抵抗器253の回転抵抗値の最小から最大の範囲は、例えば、0.0〜204.7までの「2048」種類の値に換算したθ換算値によって副制御基板940のRAMに記憶され、θ換算値=「101.6」は、半分程度の回転操作量に対応した値に相当する。
ここで、数値表示部802は、副制御基板940によって電気的に接続された液晶表示装置、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置などの表示装置の表示画面によって構成され、パチンコ機100の一部として、例えば、上述した前ブロック102の一部に設けられる。また、遊技者パラメータは、遊技者IDに対応して特定の数値の範囲内(例えば0.20〜2.00)から不規則に選択された値が予め副制御基板940に設定されており、具体的には、遊技者DBに登録されている。
また、図61に示すように、顔検出部943は、遊技者の顔の特徴量が遊技者UAとは異なる遊技者UBがパチンコ機100の前に着座した場合に、遊技者ID=「008」である遊技者UBを識別すると、この遊技者IDをRAMに記憶し、当該遊技者IDを数値算出部981にて使用する。数値算出部981は、遊技者DBから遊技者パラメータを「1.92」に決定し、θ換算値=「83.6」に対して「1.92」を乗算することにより、装飾数値「160.512」を算出する。この結果、数値表示部802に現在の装飾数値が表示される。これにより、遊技者ごとに相違する装飾数値が算出され、遊技者間での操作数値(θ換算値)の模倣は困難とすることができるなどの効果を奏するパチンコ機100とすることができる。
このように、パチンコ機100では、遊技者の発射ハンドル252に対する回転操作量に応じたθ換算値に対し、遊技者ごとに相違する遊技者パラメータを用いて演算を行うことにより装飾数値を算出し、装飾数値を数値表示部802に表示する。これにより、自分の遊技中には装飾数値を参照して発射ハンドル252の操作を行うことができる一方、他の遊技者の装飾数値を参照することはできず、遊技者が自己の遊技に集中することができる。
なお、装飾数値は、可変抵抗器253によって検出された回転抵抗値(操作数値)をそのまま使用しても良く、例えば末尾の端数や小数点以下の桁数を揃えることにより計算に都合が良い状態に換算された値であっても良い。また、図60及び図61では、θ換算値に遊技者パラメータを乗算することによりθ換算値に基づいて遊技者ごとに異なる装飾数値を算出しているが、加算、減算、除算などの他の演算を含む計算式によってθ換算値に基づいて遊技者ごとに異なる装飾数値を算出しても良い。
また、遊技者パラメータは、遊技者の特徴量に応じた値とする必要はなく、遊技者に共通の値を用いても、遊技者が途中休憩をしたり、右打ち遊技手法をした後に左打ち遊技手法に発射ハンドル252の操作位置を復帰させる場合などにおいて、調整操作を容易化することができる。また、遊技者パラメータは、遊技者の特徴量を応じた値とはしないものの、各遊技者毎に異なる値を設定するものとしてもよく、例えば、遊技機の電源をオンしてから遊技者が着座するまでの経過時間に対応した値に対応する遊技者パラメータを予め記憶し、その値を用いて数値算出部981が演算を行うものとしてもよい。
次に、パチンコ機100では、遊技開始直後を含む表示開始時期には装飾数値を、小数点以下第3位まで表示する一方、表示開始時期から操作が継続された経過時間(以下、操作時間ともいう)が所定の操作閾値時間(例えば1分間)を超えると、装飾数値の末尾(小数点以下や端数)を丸めて曖昧にして表示する。具体的に、副制御基板940の数値算出部981(図59参照)は、例えば、図62に示すように、表示開始時期からの操作時間が「11秒」である場合には、操作時間が操作閾値時間内(1分以内)であるため、小数点以下3桁で表された装飾数値である「38.608」をそのまま表示用数値として表示する。また、図63に示すように、数値算出部981は、操作時間が「6分01秒」である場合、操作時間が操作閾値時間としての1分を越えているため、装飾数値である「38.608」の末尾2桁を四捨五入し、小数点以下1桁で表される丸め装飾数値「38.6」を表示用数値とする。なお、操作閾値時間は、2以上に設定されていてもよく、例えば、操作閾値時間として第1の時間に相当する1分を越えた場合には、装飾数値の末尾1桁(小数点以下の3桁目)を四捨五入し、小数点以下を2桁にした「38.61」を数値算出部981の表示用数値とし、第2の時間に相当する3分を越えた場合には、装飾数値の末尾2桁(小数点以下の2桁目)を四捨五入し、小数点以下を1桁にした「38.6」を数値算出部981の表示用数値としてもよい。
また、数値表示部802に表示される装飾数値は、小数点以下の桁数が少なく丸められた装飾数値となった状態であっても、遊技者の意図によって、再び詳細な値を認識可能に構成されている。例えば、表示ボタン983を一定時間以上(例えば、3秒以上)押下し続けるなどの所定の詳細表示操作を実行した場合に、装飾数値の小数点以下の桁数を多く表示してもよく、更に表示ボタン983を押し続けるなどの、所定の詳細表示操作とは別の詳細表示操作を実行した場合には、一層小数点以下の桁数を多くして表示してもよい。操作数値が表示される桁数が多くなると、微妙な操作によって数値が変化することとなるので、細かな回転操作量までも気にして遊技を行う遊技者は、表示された操作数値を一致させる操作をすることにより、一層、入賞が発生し易いと感じるなど、遊技者が良好な回転操作量であると認識した状態に復帰させやすくすることができる。
このように、パチンコ機100では、表示開始時期から操作が継続された経過時間に相当する操作時間が所定の操作閾値時間以内である場合は、装飾数値をそのまま表示して回転操作量の詳細な差違を遊技者に認識させる一方、操作時間が操作閾値時間を経過すると、回転操作量の数値を丸めることにより装飾数値を曖昧にして表示して遊技者に認識させるようにした。これにより、遊技者は、遊技開始直後においては、目標の回転操作量になるよう発射ハンドル252を細かな値まで詳細に調整できると共に、操作閾値時間の経過後は詳細な数値を気にせずに発射ハンドル252を操作して調整操作を容易にし、且つ、自身の遊技に集中し易くすることができる。
なお、装飾数値は、数値表示部802に遊技者が発射ハンドル252に手を触れている発射操作中に常に表示されてもよいし、遊技者の表示ボタン983又は入力操作装置260に対しての表示有無調整操作によって表示有無を遊技者が選択可能に構成してもよい。また、装飾数値は、遊技者に長時間遊技を継続してもらいやすくするための特典として表示してもよく、例えば、予め定めた一定時間(例えば、5分)以上の遊技の継続、予め定めた一定回数(例えば、2回)以上の大当り、特別図柄の始動入賞が予め定めた回数(例えば、30回)以上の発生、予め定めた数(例えば、200個以上)以上の賞球の払出のいずれか、又は、これらのうちの複数の組み合わせによる表示条件が成立した場合に、数値表示部802に装飾数値又は概算数値のいずれかが表示されるようにしてもよいし、その表示条件が成立した場合に、詳細な値を遊技者が認識可能に詳細表示操作が実行された場合に装飾数値又は、詳細な概算数値が表示されるようにしてもよい。
次に、パチンコ機100には、遊技者の要求に応じて、回転操作量を表す操作数値(表示用数値,装飾数値,丸め装飾数値)と入賞確率との関係を表示して遊技者による遊技を補助する機能が備えられている。例えば、図64に示すように、遊技者がパチンコ機100の前面に設けられて遊技者によって操作可能な表示ボタン983(図59参照)を操作した場合には、副制御基板940の制御によって、装飾図柄表示装置479の一部又は全部に、入賞確率表示画面2001が表示される。ここで、入賞確率は、特別図柄の始動入賞の確率とするなど予め定めた入賞口に対しての入賞確率としてもよいし、一般入賞装置を含む賞球を発生させる入賞口に対しての入賞確率としてもよく、複数の入賞口に対する入賞確率を別々に表示可能に構成してもよい。また、入賞確率を算出するための発射された数の計数には、遊技領域の入口部分に遊技球の進入を検出する進入検出手段としてのスイッチを設けるなど、実際に遊技領域内に発射された遊技球の検出により計数してもよいし、発射操作が行われた時間に基づいて発射装置が作動した回数を用いるなど、他の制御による時間や回数に基づいた数を用いてもよい。
この入賞確率表示画面2001には、所定時間(図では15分)ごとの操作数値が小数点以下1桁まで丸められた平均装飾数値により表示された操作数値が時系列で棒グラフ2002によって表されると共に、各所定時間ごとの入賞確率が折れ線グラフ2003として表されている。なお、棒グラフの上端部分に記載されている数値は操作数値である。これにより遊技者は、現在値を表示する現在値表示欄2004に表示された現在の操作数値を視認しながら、自らが最も良いと思う操作数値に合わせるように発射ハンドル252を操作することができる。これにより遊技者は、時刻ごとに表示された操作数値と入賞確率とを比較しながら、自身の記憶を辿ることができ、最も良い状態をイメージして現在の操作数値を選択することができる。
また、遊技者が表示ボタン983を再度押下すると、図65に示すように、入賞確率表示画面2011が表示される。入賞確率表示画面2011では、操作数値と入賞確率との関係を示す棒グラフ2012が表示される。この棒グラフでは、右に行くほど操作数値が高くなるようにして入賞確率が並べて表示されている。パチンコ機100では、遊技者が操作数値と入賞確率との関係を理解しやすい表示を可能とするために、遊技者に最も良いと思う操作数値の表示形式を選択可能とすることができる。
ここで、操作数値は、一定の範囲毎に区分された形で、段階的に入賞確率を計測して表示することが好ましく、パチンコ機100では、小数点以下1桁まで丸めた値に区分けして「0.1」毎に段階的に入賞確率を表示する場合を例示しているが、必ずしも、その範囲に区分けする必要はなく、「0.2」毎に区分けするなど他の範囲に区分してもよい。また、操作数値は、遊技者が発射ハンドル252を微調整している状況を全てグラフ化してしまうと、サンプルとしての時間が短い入賞確率が表示されてしまうので、一定の位置で一定以上の時間が経過した操作数値に対しての入賞確率のみを抽出して表示する抽出表示を副制御基板940の制御により実行して入賞確率表示画面2001に表示することが好ましい。
入賞確率表示画面2011には、パチンコ機100の設計値としての入賞確率に相当する期待入賞確率が期待入賞ラインBLによって表示されている。期待入賞ラインBLは、操作数値に対応する入賞確率と共に、操作データ記憶部982に予め記憶された期待入賞確率の設計値データに基づいて、期待入賞確率の高さ位置に表示される。期待入賞ラインBLより高さの低い表示用数値(例えば、37.9や38.2)に対応する装飾数値に発射ハンドル252を操作した場合には、設計値より入賞が少ない状態となる可能性が高くなる。また、期待入賞ラインBLより高い表示用数値(例えば、38.6や38.8)に対応する装飾数値に発射ハンドル252を操作した場合には、設計値より入賞が多くなる可能性が高くなる。また、期待入賞ラインBLより明らかに表示用数値が高い場合(例えば、最高の入賞確率が2倍以上の場合)、又は、低い場合(例えば、最高の入賞確率が半分以下の場合)には、パチンコ機100に異常が生じて故障が発生している可能性などがあるので、その異常を早期に遊技者が認識し、遊技場の店員に入賞確率表示画面2011を視認させて異常の確認を依頼し易くすることができる。
次に、入賞確率表示画面2001,2011の表示制御例について、具体的に、説明する。副制御基板940(図59参照)の操作データ記憶部982には、数値算出部981によって、装飾数値及び入賞口へ進入した遊技球が検出された時刻が逐次記憶される。数値算出部981は、平均装飾数値と入賞確率とを算出し、算出された平均装飾数値と入賞確率とを時刻に関連付けて操作データ記憶部982に記憶する。入賞確率は、実際に入賞した実績値を相対的に表すものであり、例えば表示時間内に始動入賞装置431に進入した遊技球の数を表す。そして表示データ生成部942は、遊技者が表示ボタン983を操作することにより、遊技者から表示要求がなされたことを認識すると、操作データ記憶部982から平均装飾数値と算出された入賞確率と期待入賞確率を読み出し、入賞確率表示画面2001(図64参照)に対応する画像データを生成し、装飾図柄表示装置479(図7参照)に表示させる。
表示データ生成部942は、再度表示ボタンが操作されると、入賞確率表示画面2011(図64参照)に表示する画像データを生成し、装飾図柄表示装置479に表示させる。また、表示データ生成部942は、再度表示ボタン983が操作されると、通常の遊技に対応する画像データを装飾図柄表示装置479に表示させる。ここで、図64及び図65において表示されている表示用数値は、操作閾値時間の経過後に表示される丸め装飾数値と同様に末尾を丸めた値が表示されている。
なお、数値算出部981は、遊技者が一旦離席した場合、離席してからの離席時間を計測し、所定の離席時間が経過するまでの間、それまで記憶した記憶データや遊技者パラメータを保持する。数値算出部981は、離席リセット時間内に同一の遊技者が戻ってきた場合には、保持しておいた記憶データや遊技者パラメータを引き続き使用する。そして数値算出部981は、所定の離席時間が経過した場合には、操作データ記憶部982に保持しておいたデータや設定した遊技者パラメータを消去する。これにより、遊技者がトイレや食事などで一時離席して戻った場合に、これまで使用していたデータを引き続き使用することができ、表示された装飾数値を参照して、離席前と同様の条件で遊技を行うことが可能となる。
また、操作データ記憶部982に記憶されるデータは、遊技者が代わる毎に初期化されてデータの記憶を改めて開始する構成としてもよいし、パチンコ機100に対しての所定の操作(例えば、初期化スイッチ907に対しての押下操作)が行われるまで、継続してデータを記憶するものとしてもよく、この場合に、副制御基板940にデータを電源断後も記憶可能なバックアップ用の電源を設けてもよく、このバックアップ用の電源としては主制御基板920に用いるバックアップ用の電源とは別に設けて主制御基板920のバックアップの機能に影響することがないようにしておくことが好ましい。
また、入賞確率表示画面2001,2011の表示は、必ずしも表示ボタン983に対しての操作のみを条件とする必要はなく、これに代えて、又は、これに加えて、所定の遊技継続条件が成立することを条件の少なくとも一部として表示するようにしてもよい。例えば、遊技者による遊技の継続時間が予め定めた時間以上経過したり、遊技球の発射数が予め定めた数分以上に増加したり、大当りなどの所定の抽選条件が成立した回数が予め定めた回数以上となったり、これらの条件の複数を組み合わせるなどの表示条件が成立した場合に、入賞確率表示画面2001,2011のいずれか又は両方を表示するものとしてもよい。
<誘導処理の手順>
次に、副制御基板940の数値算出部981(図59参照)の一部として実行される誘導処理S800について、図66のフローチャートを用いて説明する。パチンコ機100は、遊技球を、発射ハンドル252の回転操作量に相当する操作程度に応じた強度で遊技領域に発射する発射装置330(図59参照)と、操作程度として遊技者が操作した操作程度に対応した操作数値情報を記憶する操作数値記憶手段としての副制御基板940のRAMと、副制御基板940に記憶された操作数値情報に基づいて、操作程度として遊技者にとって有利な選択数値に対応する所定の操作程度に近づくよう、遊技者を誘導する遊技者誘導手段とを有し、この遊技者誘導手段の一部が誘導処理S800によって構成され、以下、遊技者誘導手段の一例について説明する。また、副制御基板940におけるROMに記憶されるプログラムの一部として数値算出部981が構成され、誘導処理S800は、副制御基板940のCPUによって実行されるメイン処理において定期的(例えば、10ミリ秒毎)に繰り返し実行されている。
誘導処理S800は、装飾図柄表示処理(図22参照)の顔検出処理S101において、遊技者の顔の検出が実行された後に実行される。
数値算出部981は、誘導処理S800を開始すると、ステップS801に移る。ステップS801においては、顔検出処理において遊技者(遊技者の顔)が検出されたか否かについて判別され、肯定結果が得られた場合にはステップS802へ移り、否定結果が得られた場合にはステップS831へ移る。
すなわち、ステップS801において遊技者が検出されなかった場合には、ステップS831〜S834において、遊技者が検出されない時間をカウントし、所定の離席時間となると、設定されている遊技者パラメータなど、直前まで遊技していた遊技者に関する記憶データが削除される。
具体的に、ステップS831においては、遊技者存在フラグが「OFF」に設定される。ステップS832においては、離席カウンタが「1」加算される。ステップS833においては、離席カウンタの値に基づいて、所定の離席時間が経過したか否かが判別され、肯定結果が得られた場合にはステップS834へ、否定結果が得られた場合には終了ステップへ移る。ステップS834では、記憶データ及び設定されていた遊技者パラメータが削除され、終了ステップへ移る。
一方、ステップS801において遊技者が検出されると、ステップS802において遊技者が継続して検出されているか否かが判別される。
具体的に、ステップS802においては、遊技者存在フラグが「ON」になっているか否かが判別され、肯定結果が得られた場合にはステップS814へ移り、否定結果が得られた場合にはステップS803へ移る。
ステップS803〜S805では、遊技者存在フラグが「ON」にされると共に、遊技者の生体特徴情報が取得される。
具体的に、ステップS803においては、前回の処理時には遊技者が検出されなかったにも拘わらず今回の処理で遊技者が検出されているため、遊技者存在フラグが「OFF」から「ON」に変更される。ステップS804においては、例えば撮影データにおけるから生体特徴情報が抽出されることにより、生体特徴情報が取得される。ステップS805においては、取得された生体特徴情報が、登録済の生体特徴情報である登録生体情報と一致するか否かが判別される。肯定結果が得られた場合、既に遊技者の登録生体情報が登録されているため、ステップS821へ移る。
ステップS821〜ステップS824においては、遊技者のIDを特定し、必要に応じて記憶データが削除されると共に遊技者パラメータの設定の必要有無が判別される。
具体的に、ステップS821においては、登録生体情報から遊技者IDが特定される。ステップS822においては、遊技者IDが直前に遊技を行っていた遊技者と一致するか否かが判別され、肯定結果が得られた場合にはステップS813へ、否定結果が得られた場合にはステップS823へ移る。ステップS823においては、離席カウンタの値に基づいて、所定の離席時間が経過したか否かが判別され、肯定結果が得られた場合にはステップS813へ、否定結果が得られた場合にはステップS824へ移る。ステップS824においては、前に遊技していた遊技者に関する記憶データ及び設定されていた遊技者パラメータが削除され、ステップS813へ移る。
ステップS811〜S813においては、新規遊技者の登録及び遊技者パラメータの設定が行われる。
具体的に、ステップS811においては、新規遊技者として、遊技者の生体特徴情報及び新しく生成された遊技者パラメータが遊技者IDに関連付けて登録される。ステップ813においては、遊技者パラメータの設定が行われる。
ステップS815〜S817においては、表示用数値を表示するための処理が実行される。
具体的に、ステップS815においては、表示用数値算出処理(図67参照)が実行され、装飾数値に基づく表示用数値が算出される。ステップS816においては、装飾図柄表示装置479に表示用数値が表示される。ステップS817においては、離席カウンタが「0」に設定され、顔検出処理S101へ戻る。
次に、ステップS816において実行される表示用数値算出処理について、図67のフローチャートを用いて説明する。
数値算出部981(図59参照)は、表示用数値算出処理S815を開始すると、ステップS850へ移る。ステップS850においては、発射操作装置250に対する操作の有無が判別され、肯定結果が得られるとステップS851へ移り、否定結果が得られるとステップS861へ移る。ステップS851〜856、ステップS861〜S862では、発射操作装置250に対する遊技者の操作状況に応じた表示用数値がそれぞれ決定される。
ステップS861においては、発射操作装置250の連続操作時間をカウントする累計時間カウンタが「0」にリセットされる。ステップS862においては、表示用数値が「0」に決定され、終了ステップへ移って誘導処理S800のステップS816(図66参照)へ戻る。
ステップS851においては、設定されている遊技者パラメータと現在のθ換算値に基づいて、装飾数値が算出される。ステップS852においては、現在の装飾数値に基づく操作数値情報としての記憶データが登録され、具体的には、装飾数値と、現在の時間と、遊技の状態とが操作数値情報として副制御基板940のRAMに記憶され、また、入賞が発生した場合には入賞が発生したタイミングにおける装飾数値と入賞の発生した時間と遊技の状態とが記憶される。この記憶データによって、副制御基板940は、回転操作量を表す操作数値と入賞確率との関係や、入賞確率と操作数値とを時系列で表示した入賞確率表示画面2001,2011を表示する(図64及び図65参照)。
ここで、入賞の発生は、遊技球が発射された後に一定の時間が経過した後に発生するため、入賞が発生した場合には、その入賞が発生したタイミングより早い所定のタイミングにおける装飾数値を記憶することが好ましく、所定のタイミングとしては、遊技球が発射されてから、所定の入賞口に遊技球が進入するまでの平均時間を早めたタイミングとしてもよい。また、パチンコ機100においては、遊技の状態に応じて装飾数値と入賞確率とを別々に管理し、別々にグラフ表示するものであり、本実施形態においては、通常の遊技状態における装飾数値と入賞確率との関係をグラフ化する場合について例示している。
ステップS853においては、累計時間カウンタが「1」だけ加算される。ステップS854においては、現在の累計時間カウンタの値が、所定の丸め閾値以上であるか否かについて判別され、肯定結果が得られた場合にはステップS855へ移り、否定結果が得られた場合にはステップS871へ移る。
ステップS855においては、遊技者の操作時間が長いため、装飾数値に基づいて丸め装飾数値が算出され、当該丸め装飾数値が表示用数値として決定され、終了ステップへ移って誘導処理S800のステップS816(図66参照)へ戻る。
ステップS856においては、遊技者の操作時間が短いため、装飾数値がそのまま表示用数値として決定され、終了ステップへ移って誘導処理S800のステップS816(図66参照)へ戻る。
このように、パチンコ機100では、誘導処理S800のステップS852によって、遊技者による発射ハンドル252の回転操作量に対応した装飾数値に基づくデータが副制御基板940に記憶され、入賞確率表示画面2001,2011を表示するためのデータとして用いられる。このため、副制御基板940は、入賞確率表示画面2001,2011を表示し、操作程度として遊技者にとって有利な選択数値に対応する所定の操作程度に近づくよう、遊技者を誘導する。遊技者は、入賞確率表示画面2011,2011を視認することで遊技者にとって有利な操作程度に対しての現在の操作程度の差を認識し、装飾数値の中でも遊技者にとって有利な装飾数値に相当する選択数値を狙って発射ハンドル252を操作し、高確率で入賞し易い操作程度に調整し易くすることができる。よって、初心者など遊技に不慣れな遊技者であっても容易に遊技を楽しませることができる。
<発射操作装置の構成>
上述したように、パチンコ機100は、初期状態から一方向(右回り方向)へ一定の角度範囲内で回転操作(又は回動操作)が可能な回転式(又は回動式)の発射操作装置250を備えている(図1及び図5等参照)。このパチンコ機100では、発射操作装置250の発射ハンドル252に対する遊技者の回転操作量に応じた強度で遊技媒体が発射される構成であり、遊技者の手(右手)で発射ハンドルを回転操作する必要がある。ところで、スマートフォンやタブレット端末などの携帯通信端末の普及に伴い、携帯通信端末を操作しながら遊技を行いたいという要望がある。一般的に、携帯通信端末は、一方の手(例えば、左手)によって把持され、他方の手(例えば、右手)の指を表示画面に接触させて操作されることが多く、両手が使用されることが多い。このため、パチンコ機100が、常に右手での発射ハンドルの操作を必要とする場合には、携帯通信端末の操作のために両手を使用することができず、携帯通信端末を操作しながら遊技をすることは困難であるという問題があった。
そこで、携帯通信端末を操作しながら発射操作を可能とする発射操作装置850を有するパチンコ機1100について、図69〜図87を参照して説明する。この発射操作装置850に関する構成は、上記した実施形態に係るパチンコ機100に付加してもよく、以下、発射操作装置850に関する構成を備えたパチンコ機1100について説明する。
発射操作装置850を有するパチンコ機1100の構成は、図69のブロック図及び図70の斜視図などに示している。図69には、図59に示したパチンコ機100のブロック図に対して、発射操作装置850及び外部通信部879を追加し、上述した電源・発射制御基板900及び発射制御部902に対して構成の一部が異なる電源・発射制御基板1900及び発射制御部1902に変更している。
図70に示すように、発射操作装置850の載置部851は、主貯留機構230において上方に開口して遊技球を投入可能な貯留部231の高さ位置に設けられて貯留部231の前側を覆いつつパチンコ機1100の前側に膨出して形成された上側突出部849より高い位置に上面を有するようにして設けられている。すなわち、載置部851は、主貯留機構230の貯留部231よりも高い位置に遊技者の手首又は手の甲を下側から支持可能な高さ位置に設けられている。また、上側突出部849において、発射操作装置850が設けられる位置に対して右後方には、サブ表示部860が設けられ、サブ表示部860は、上方側に情報を表示可能な表示画面が向くようにして設けられている。
図71及び図72に示すように、発射操作装置850は、左右方向に長い形状を有しており、その上面が下側に曲面状に凹む凹部855を有する載置部851と、載置部851よりも左右方向に長いスライド溝852とを有し、スライド溝852に沿って載置部851を左右方向にスライド移動可能に支持するスライド機構によって載置部851が支持されている。
また、発射操作装置850は、図示しないコイルバネ等の弾性機構を有している。図72に示すように、遊技者が右方向に力を加えることにより載置部851が右方向に移動するが、遊技者が力を加えないと、載置部851は弾性機構の作用によって初期状態であるスライド溝852の左端(図71参照)に自動的に戻るように構成されている。図73に示すように、載置部851の凹部855には、遊技者の手首又は手の甲が載置されることが想定されており、凹部855は、手首や手の甲が載置し易く、且つ、左右方向への遊技者の手の移動によって載置部851が手の移動方向側の面に接触して移動可能なよう、左右両側部分より中央側が下方に凹んだ、なだらかな曲面形状を有している。遊技者は、載置部851に手の裏側に相当する手の甲又は手首を載せてスマートフォンやタブレット端末などの携帯通信端末880を把持したままで視認することが可能である。
ここで、パチンコ機1100では、携帯通信端末880を操作しながら遊技を楽しめるよう、発射操作装置250を回転操作する通常の方法(以下、これを回転発射処理ともいう)での遊技球の発射に加えて、発射操作装置850に手を載置した状態で行う3つの方法(処理)で遊技球を発射することができる。なお、以下の3つの方法のうち少なくとも1つの方法に対応する構成をパチンコ機1100に設けることによって遊技者による発射操作が容易に実行可能となるため、少なくとも1つの方法に対応した構成のみをパチンコ機に設けてもよく、2以上の方法が設けられることが発射操作の自由度を高めて遊技者の多様なニーズに対応可能とすることができて好ましい。
1つ目の方法は、図74に示すように、スライド発射処理によって遊技球を発射する方法であり、載置部851のスライド操作が可能な発射操作装置850に対する発射操作によって遊技球を発射する方法である。この方法は、電源・発射制御基板1900の発射制御部1902と、主制御基板920とに対して設定される以下の制御によって構成されている。
スライド操作が可能な発射操作装置850は、回転操作が可能な発射操作装置250が操作程度としての回転操作量(θ換算値)に応じた強度で遊技球を発射する操作を行う装置であるのと同様に、操作程度としてのスライド移動量Dに応じた強度で遊技球を発射する操作を行う装置である。このため、制御内容については、回転操作が可能な発射操作装置250に対する操作量をスライド操作に対する操作量に変更する点を除いて同様の処理によって構成されている。
具体的に、載置部851の凹部855の中央上面部分には、接触センサ854(図71,72参照)が設けられており、遊技者が凹部855に接触したことが接触センサ854によって検出されると、オン状態の球送り制御信号が、電源・発射制御基板1900の発射制御部1902(図69参照)に供給される。遊技者が載置部851を右方向にスライド移動させると、スライドしたスライド移動量Dに応じた移動抵抗値が可変抵抗器853に発生する。発射制御部1902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器853の移動抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器853の抵抗値(載置部851のスライド移動量D)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。このスライド発射処理による遊技球の発射は、接触センサ854によって遊技者が検出されない場合と、スライド移動量Dが「ゼロ」になった場合とのいずれかの条件が成立している状況においては実行されず、両方の条件が成立されている場合に実行される。
ここで、載置部851をスライドさせる方向は、前後方向としても良いし、左方向を正方向(発射強度が強くなる方向)へスライド移動させる構成としてもよい。ただし、遊技球の飛翔距離と、操作方向とが同一方向となるように、遊技領域において遊技球が進入する方向に対応した右方向を正方向としてスライド移動させる構成とすることが、遊技球の飛翔距離と、操作方向とが対応することとなって好ましい。また、必ずしも載置部851を直線状にスライド操作した変位量によって可変抵抗器853の抵抗値を変化させて遊技球の発射強度を変化させる構成とする必要はなく、曲線状に変位操作可能な変位機構を設けて、曲線状に変位操作した場合の変位量によって遊技球の発射する強さを変化させてもよいし、折れ線状や直線と曲線とを組み合わせた変位操作など、他の変位操作における変位量によって遊技球を発射する強さを変化させてもよい。また、発射操作装置850に対する発射操作によって遊技球を発射する発射装置330は、遊技球を操作程度としてのスライド移動量Dに応じた強度で遊技領域に発射する構成に限らず、遊技球をスライド移動量Dに応じた速度で遊技領域に発射するとしてもよく、スライド移動量Dに応じた初期位置(落下開始位置、又は、流下開始位置)より遊技球が遊技領域を流下するように遊技球を発射するとしてもよく、発射装置330に代えて、遊技領域内へ遊技媒体を供給する供給手段として、例えば、遊技領域の上部における複数箇所に遊技球が進入する進入箇所を設けて、複数の進入箇所のいずれから遊技球が進入するかを発射操作によって選択するものとしてもよく、以下に説明する他の方法によって発射装置330が遊技球を発射する場合においても、上記した各構成の少なくともいずれかを適用してもよい。
2つ目の方法は、図75に示すように、携帯通信端末880によって遊技球を発射する目標となるターゲット位置に基づいてターゲット強度を設定する通信設定発射処理によって遊技球を発射する方法である。すなわち、携帯通信端末880をリモートコントローラとして使用する。この操作は、載置部851に設けられる接触センサ854に対する遊技者の接触によって遊技者の存在が検出されたときのみ有効となる。なお、カメラ装置600によって遊技者の存在を検出し、その存在が検出された場合に副制御基板940から電源・発射制御基板1900へ遊技者の存在検出に対応した信号を出力することによって遊技者の存在を検出するなど、他の方法によって遊技者の存在を検出してもよい。
ターゲット強度が設定された状態で遊技者の存在が検出されると、ターゲット位置に対応する強度で遊技球が発射され、携帯通信端末880を遊技者が操作して発射強度を増減することも可能である。具体的には、ターゲット位置が設定された状態で遊技者が載置部851に手を載置したことにより接触センサ854からオン状態の球送り制御信号が供給される。発射制御部1902(図69参照)は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と携帯通信端末880から供給される設定値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から設定値(携帯通信端末880によって指定された設定値)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。この通信設定発射処理による遊技球の発射は、接触センサ854によって遊技者が検出されない場合と、携帯通信端末880を介してターゲット位置が設定されていない場合(例えば、ターゲット位置の設定がキャンセルされた場合)とのいずれかの条件が成立している状況においては実行されず、両方の条件が成立されている場合に実行される。なお、携帯通信端末880によるターゲット位置の設定は、携帯通信端末880とパチンコ機1100に設定される処理によって実現することができ、この処理の一例としてのリモート設定処理については後述する。
3つ目の方法は、図76に示すように、遊技者が発射操作装置250(発射ハンドル252)に対して回転操作を行い、この回転操作中に接触センサ854に接触することによって、回転操作量をロックするロック回転発射処理によって遊技球を発射する方法である。すなわち、遊技者が右手で行った発射操作装置250に対する回転操作を左手でブレーキを掛けたように固定して維持する方法である。
具体的には、遊技者が発射操作装置250に触ったことにより接触センサ254からオン状態の球送り制御信号が供給される。発射制御部1902(図69参照)は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253から供給された回転抵抗値(θ換算値)とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。
発射制御部1902は、接触センサ254からの球送り制御信号が途切れると、接触センサ854からのオン状態の球送り制御信号が供給されているか否かを判別する。供給されている場合、接触センサ254から最後の球送り制御信号が供給されたときの最後の回転抵抗値に基づいて発射ソレノイド334を作動させる。
発射制御部1902は、接触センサ854からのオン状態の球送り制御信号が供給されている間、最後の回転抵抗値に基づいて発射ソレノイド334を作動させる。一方、接触センサ254から最後の球送り制御信号が供給されたときに接触センサ854からのオン状態の球送り制御信号が供給されなかった場合、発射制御部1902は、発射ソレノイド334の作動を停止する。また、最後の回転抵抗値に基づいて発射ソレノイド334を作動している場合であっても、接触センサ854からのオン状態の球送り制御信号が途切れた場合、発射ソレノイド334の作動を停止する。このロック回転発射処理は、接触センサ854によって遊技者が検出されないときに終了する。
このように、ロック回転発射処理を有するパチンコ機1100によれば、発射操作装置250に対する遊技者の発射操作が行われなくなった場合であって載置部851への遊技者の接触を検出する接触センサ854に遊技者が接触している場合に、発射操作装置250に対して行われていた回転操作量に応じた強度で遊技球を発射するように、発射制御部1902が発射装置330を制御する。すなわち、接触センサ854に接触することを発射継続の条件にして発射操作装置250に対して行われていた回転操作量に応じた強度で遊技媒体を発射する制御(ロック制御)が行われることとなり、発射操作装置250に対する操作を発射継続に必要な操作から除外することができる。このため、発射操作装置250を物理的に固定させるなどの遊技者の不正行為を防止してパチンコ機1100の破損を防止し易くすることができる。また、携帯通信端末880を把持した遊技者の手又は手首を検出可能な接触センサ854に接触する操作によって、発射操作装置250に対しての回転操作量と同一の強さで遊技球の発射を継続することができるので、遊技者の操作負担を軽減することができる。
以上説明した3つの方法と、従来の回転操作による発射操作の方法とを含むの4つの方法による遊技球の発射は、パチンコ機1100においては、通常回転発射処理、ロック回転発射処理、通信設定発射処理、スライド発射処理の順で優先的に実行される。
例えば、図77に示すように、スライド発射処理による遊技球の発射の実行中に、遊技者が発射操作装置250を回転させると、スライド発射処理による遊技球の発射が終了して通常回転発射処理による遊技球の発射が実行される。また、通信設定発射処理による遊技球の発射の実行中において、遊技者が載置部851をスライドさせても、そのまま通信設定発射処理による遊技球の発射が継続される。一方、通信設定発射処理による遊技球の発射の実行中において、遊技者が発射操作装置250を回転させると、通信設定発射処理による遊技球の発射が終了して通常回転発射処理による遊技球の発射が実行される。通常回転発射処理による遊技球の発射中に遊技者が載置部851に接触しても、そのまま通常回転発射処理による遊技球の発射が継続され、遊技者が載置部851に接触している状態で発射操作装置250から手を離した場合にロック回転発射処理による遊技球の発射が実行される。
このように、スライド発射処理の優先順位を最後に設定することにより、スライド発射処理以外の発射処理が行われている間、載置部851を、手を載置する単なる載置台として使用することができる。また、通常回転発射処理の優先順位を最初に設定することにより、例えば特別遊技状態に切り替わったことにより、急に遊技球の発射強さを変更したい(例えば左打ちから右打ちに変更したい)ときに、発射操作装置250を使用するだけで簡単に発射強さを変更することが可能である。なお、他の順に、4つの方法による遊技球の発射の優先順位を設定してもよいし、遊技者が優先順位を設定可能にしてもよいし、発射制御の有効と無効とを、各方法による遊技球の発射方法に対して、遊技者又は遊技場の管理者の少なくともいずれかが各々設定可能な発射方法設定処理を有する構成としてもよい。
次に、パチンコ機1100は、通常回転発射処理とは異なる発射操作が可能な機種に好適な遊技盤1400を有する構成とされている。図77に示すように、パチンコ機1100は、透明な樹脂によって構成された基体1401と、その後側に設置された可動式の装飾図柄表示装置1479とが組み合わされて構成された遊技盤1400を有している。遊技盤1400と、基体1401と、装飾図柄表示装置1479とは、上記した実施形態に係る遊技盤400と、基体401と、装飾図柄表示装置479とに対応する部品であって先頭に「1」の数字を付加して説明するものであり、基本的な構成は上記した実施形態に係る各部品と同一であり、異なる部分のみを説明する。また、遊技盤1400に設けられる他の部品としての始動入賞装置1431、大入賞装置1434、一般入賞装置1439等についても同様であり、基本的な構成は上記した実施形態に係る各部品と同一であり、異なる部分のみを説明する。
遊技盤1400には、4つの一般入賞装置1439と、始動入賞装置1431と、大入賞装置1434とが設けられている。通常遊技状態においては、遊技盤1400に設けられる各装置の中で、入賞口へ遊技球が進入したときの特典として抽選が行われる始動入賞装置431及び抽選結果が表示される装飾図柄表示装置1479は、遊技者の注目度が高い。また、抽選に当選した特別遊技状態においては、大当りの特典として開口する大入賞装置1434は、遊技者の注目度が高いものの、特別遊技状態は大当りに当選したときの短時間のみに限られる。
そこで、本実施形態に係るパチンコ機1100では、抽選のきっかけとなる始動入賞装置1431と、装飾図柄表示装置1479において当該抽選の結果を表示する装飾表示部1479Aを遊技盤1400において遊技球が流下する遊技領域の下半分の領域に位置するように配置している。この結果、遊技者は、載置部851に下側を支持された左手によって携帯通信端末880を把持しつつ、携帯通信端末880から後側へ少し視線をずらすだけで、抽選の状況を確認することができる。
装飾図柄表示装置1479は、液晶表示装置等の表示画面によって構成された装飾表示部1479Aと、LEDなどの発光体によって構成された保留表示部1479Bとを有している。装飾表示部1479Aは、例えば3つの文字や図形などによって構成された図柄の組み合わせにより、大当り抽選の当選の有無が画像として表示される他、抽選結果を表示する前の変動表示、変動表示の実行に伴って表示されるキャラクタ等の演出画像、当選時における特別遊技状態中に当選を祝福する画像等が表示される。保留表示部1479Bは、始動入賞装置431に遊技球が進入したものの、変動表示が開始されずに抽選結果も未だ表示されず、保留状態となっている遊技の保留回数が点灯表示される。
また、載置部851の近傍(右後方向)には、液晶表示装置等の表示画面により構成されて画像を表示可能なサブ表示部860が設けられている。載置部851は、パチンコ機1100において回転操作が可能な発射操作装置250が設けられる右側端部から離間した左右方向における略中央部に設けられ、携帯通信端末880が左手によって把持し易く構成されている。このため、サブ表示部860は、携帯通信端末880を把持した左手から連続する腕部分によって視認性が低下することのないように、載置部851に対して、発射操作装置250が設けられる右側に配置されている。
また、サブ表示部860は、載置部851の右側で、上方(詳細には、斜め前側に傾いた上方側)を向くように配置され、また、遊技盤1400より手前側であって、遊技盤1400の前面側を覆う中央パネル220より手前側に設けられている。このため、携帯通信端末880を視認する遊技者が右後ろ方向へ少し視線をずらすだけで、サブ表示部860を容易に視認することが可能である。サブ表示部860には、装飾表示部1479Aに表示される変動表示に同期した変動表示の結果(抽選結果)が表示され、また、変動表示が未実行となっている遊技の保留回数が表示される。また、始動入賞装置431に遊技球が進入した場合には、例えば、保留回数の表示とは別の画像(星型の画像)が点滅するなどして、遊技者に始動入賞を判り易く知らせる構成とされている。すなわち、遊技者は、サブ表示部860を視認するだけで現在の遊技の進行状況を確認することができ、且つ、サブ表示部860を注視しなくても、携帯通信端末880に視線を向けていれば、始動入賞の発生などが専用の画像によって視界に入り易く、必要に応じて装飾図柄表示装置1479に視線を移動することができる。
サブ表示部860の近傍には、図73に示すように、押下操作が可能なボタン862,863が設けられている。ボタン862,863は、上記した入力操作装置260の一部として設けられる部材であり、ボタン862を押下することにより、サブ表示部860の表示画像を変化させることができる。例えば、上記した表示用数値(図64,65参照)や遊技者の過去の遊技履歴をサブ表示部860に、一定時間表示したり、変動表示中に遊技者に入力操作を促す演出の決定操作として、ボタン862の押下によって抽選結果や、大当りに遷移する期待度に対応したキャラクタの画像を表示してもよく、サブ表示部860に限らず装飾図柄表示装置1479などの別の表示部に対しての入力操作が実行できる入力操作装置260として機能する構成としてもよい。
ここで、上側突出部849には、上述した入力操作装置260が省略され、サブ表示部860の手前側に入力操作装置260の一例としてのボタン862,863(図73参照)が設けられる構成について示しているが、上側突出部849にも、上記した入力操作装置260の少なくとも一部が設けられてもよい。この場合において、スライド式の発射操作装置850に対して入力操作装置260は、左右方向において回転式の発射操作装置250が設けられる側と一致する右側に設けられたり、載置部851の手前側に設けられることが入力操作をし易くすることができて好ましい。
また、図78に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1100では、特別遊技状態において、装飾図柄表示装置1479が遊技領域の上半分領域に移動可能に構成されている。このとき、装飾表示部1479Aには、大当りに当選したことを祝福する画像など、通常遊技状態では表示されなかった特別な画像が表示される。サブ表示部860には、装飾表示部1479Aに表示される画像と同一の画像を表示してもよいし、装飾表示部1479Aには表示されない別の画像(例えば、簡易な画像として「大当り中」という文字による遊技状態を示す情報表示や、「5ラウンド」という文字による進行中の遊技状況の表示)を表示してもよく、また、遊技に必要な操作に関する情報(例えば、「発射してください」といった警告表示)を表示させてもよい。すなわち、サブ表示部860は、遊技者に遊技に必要な状況を判り易く示して携帯通信端末880を視認しながらの遊技をし易くし、遊技に集中したい遊技者に対しては複雑の画像表示が実行される装飾図柄表示装置1479を注目させるようにしてもよい。これにより、時間が短い特別遊技状態においてのみ、視線を携帯通信端末880から離れさせて遊技に集中したい遊技者や、特別遊技状態中にも携帯通信端末880を操作し続けたい遊技者など、多様な遊技者をより楽しませることができる。
このように、パチンコ機1100では、通常遊技状態においては携帯通信端末880を操作しながら遊技の状態を遊技者に視認させやすくする一方、特別遊技状態では遊技者に遊技に集中させることができるなど、携帯通信端末880を操作しながらの遊技の多様化に対応したパチンコ機1100とすることができるので、携帯通信端末880と遊技の両方を遜色なく楽しませることができる。
次に、携帯通信端末880からパチンコ機1100に対してターゲット位置の設定が行われるリモート設定処理について説明する。本実施形態に係るパチンコ機1100は、携帯通信端末880との双方向の無線通信を可能とするために、発信器と受信器とを備えた外部通信部879と、外部通信部に接続されてターゲット位置の設定に応じて遊技球を発射する制御を行う電源・発射制御基板1900の発射制御部1902とを備えている。電源・発射制御基板1900の発射制御部1902は、CPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含み、リモート設定処理に対応する発射選択処理S900(図87参照)等のプログラムがROMに記憶され、CPUとRAMとを用いた制御によってターゲット位置の設定に応じた遊技球の発射が実行可能とされている。
まず、遊技者の所持する携帯通信端末880の構成の一例について、図79のブロック図を用いて説明する。なお、ここでは携帯通信端末880が、画面上に表示される選択対象となる画像を指先で選択操作可能な端末(スマートフォン)として説明するが、他の携帯通信端末においても、また、他の操作方法による操作によっても、同様にリモート設定処理が実行可能に構成してもよい。
図79に示すように、携帯通信端末880は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)から構成される制御部881が携帯通信端末880の全体を統括的に制御し、リモート設定処理に対応したプログラムがROM又はRAMに記憶されて、CPUとRAMとによってリモート設定処理を実行可能に構成されている。ここで、携帯通信端末880として、必ずしも通話機能を有するものとする必要はなく、通話部882の構成は必ずしも必須ではない。
携帯通信端末880に対して、タッチパネルや外部ボタンでなる外部インターフェース883に対する操作により、アプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションと呼ぶ)を起動する旨の要求がユーザからなされると、携帯通信端末880の制御部881が、フラッシュメモリー、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などで構成される記憶部885からアプリケーションを読み出してRAMに展開することにより、アプリケーションが起動する。このとき、制御部881は、起動したアプリケーションに対応した初期設定のメニューページを読み出す旨の要求に応じ、外部インターフェース883を介して初期設定に指定されているメニューページの画像データを含む画像情報を読み出して表示部884に供給する。この結果、初期設定のメニューページが表示部884に表示され、アプリケーションの起動が終了したことをユーザに認識させることができる。
図80に示すように、メニュー画面895では、ペアリングボタン895Aと、入賞口一覧ボタン895Bと、撮影登録ボタン895Cと、過去プレイボタン895Dとが表示されている。例えば、遊技者がパチンコ機1100におけるサブ表示部860の画面指示に従って、サブ表示部860の近傍に配置された操作ボタン863を押下すると、外部通信部879(図69参照)から数秒間に亘ってペアリング通信信号が供給される。ここで、外部通信部879は、デジタル情報を無線で送受信可能な通信部によって構成され、パチンコ機1100と携帯通信端末880との情報の送受信が可能となっている。
ペアリング通信信号がパチンコ機1100から供給された状態で、遊技者が携帯通信端末880に表示されたボタン895Aをタッチすると、端末IDなどの交換が行われ、パチンコ機1100と携帯通信端末880との間で相互通信を認証するペアリング処理が完了する。このペアリング処理により、以降は、遊技を行っている1台のパチンコ機1100と、携帯通信端末880との間でのみ通信が実行される。また、ターゲット位置として設定可能な入賞装置や部品(以下、これをターゲット部品と呼ぶ)の画像や一覧など、ターゲット位置の設定に必要なターゲット設定情報がパチンコ機1100から携帯通信端末880に送信される。携帯通信端末880は、受信したターゲット設定情報を記憶部885に記憶する。なお、ターゲット設定情報は、必ずしもパチンコ機1100から携帯通信端末880に送信する必要はなく、別途アプリケーションの一部として予め携帯通信端末880に記憶可能にしてもよい。
次いで、遊技者が入賞口一覧ボタン895Bをタッチすると、図81に示すように、入賞口一覧画面896が表示される。入賞口一覧画面896では、ターゲット部品が選択画像896A〜896Fとして一覧表示されている。選択画像896A〜896Fは、通常遊技状態におけるパチンコ機1100の遊技領域(図77参照)に合わせた順序で配置されており、対応する入賞装置や部品が遊技者に一目で理解させることができる。遊技者が例えば右上の一般入賞装置1439をタッチすると、図82に示すように、指定された選択画像896B以外の領域が暗くなり、選択画像896Bが周囲と比べて明るくされた状態に表示されると共に、決定ボタン896Gが周囲と比べて明るく表示される。また、選択された選択画像896Bに対応する一般入賞装置1439に対する説明文(説明情報)が併せて表示される。これにより、遊技に慣れていない遊技者に対して、遊技の進行に伴う演出等を省略することなく、パチンコ機1100に関する簡単な説明を遊技中に実施することができる。
選択画像892Bが指定されている状態で、遊技者が決定ボタン896Gをタッチすると、ターゲット位置として選択画像896Bに対応する一般入賞装置1439が選択されたことが、パチンコ機1100に送信される。この結果、発射制御部1902は、ターゲット位置に対応して設定されている対応強度をターゲット強度に設定し、当該ターゲット強度で遊技球を発射する。対応強度は、遊技者が設定した箇所に遊技球が多く流下し易いように、パチンコ機1100に予め設定されており、各ターゲット位置に対応して、それぞれのターゲット強度が予め電源・発射制御基板900の発射制御部1902に記憶されている。
また、メニュー画面895において、撮影登録ボタン895Cがタッチされると、制御部881はカメラ887(図79参照)を起動し、図83に示すように、撮影中の撮影画像897を表示する。撮影画像897には、枠897Aが表示される。記憶部885(図79参照)には、ターゲット設定情報の一部としてターゲット部品の画像が記憶されており、枠897A内を照会して一致する画像を探索する。制御部881は、図84に示すように、枠897A内にターゲット部品(図では始動入賞装置431)が撮影されたことを認識すると、当該ターゲット部品以外の部分を暗く表示すると共に、決定ボタン897Bを表示する。遊技者が決定ボタン897Bをタッチすると、ターゲット位置として対応する始動入賞装置431が選択されたことが、パチンコ機1100に送信される。この結果、発射制御部1902は、ターゲット位置に対応して設定されている対応強度をターゲット強度に設定し、当該ターゲット強度で遊技球を発射する。
ターゲット位置が決定されると、携帯通信端末880の制御部881は、表示部884に変更画面898(図80参照)を表示させる。遊技者が変更画面898に表示された強度増ボタン898A又は強度減ボタン898Bをタッチすると、ターゲット強度を増減する旨の要求信号がパチンコ機1100に送信される。この結果、発射制御部1902は、設定されているターゲット強度を要求信号に応じて増減させる。また、登録解除ボタン898Cがタッチされると、発射制御部1902は、ターゲット強度をリセットすると共に、リモート通信処理を終了する。
さらに、メニュー画面895(図80参照)において、過去プレイボタン895Dがタッチされると、遊技者の過去の遊技履歴(図64,65参照)及び現在の表示用数値がグラフ表示される。遊技者は、自己の過去の遊技における表示用数値を参考にしてターゲット強度の調整をすることもできる。
<発射制御処理>
次に、発射制御部1902(図69参照)による制御の一部として実行される発射選択処理S900について、図87のフローチャートを用いて説明する。パチンコ機1100は、2つの発射操作装置250,850及び2つの接触センサ254,854、並びに外部通信部879から供給される情報から、予め設定された優先順位に応じて、回転操作量、ロック回転量、スライド移動量又はターゲット強度のうち一の操作程度を選択する発射制御部1902(図69参照)と、選択された操作程度に応じた強度で遊技領域に発射する発射装置330(図69参照)とを備え、発射装置330による遊技球の発射は、上述した発射制御処理S1213(図12参照)によって指示されるタイミング(時間間隔)に従って、後述する発射選択処理S900によって制御される強度で実行される。以下、発射選択処理S900の一例について説明する。また、発射制御部1902におけるROMにはターゲット強度やロック回転量が記憶され、発射選択処理S900は、発射制御部1902のCPUによって実行されるメイン処理の一部として、定期的(例えば、10ミリ秒毎)に繰り返し実行されている。
発射制御部1902は、発射選択処理S900を開始すると、ステップS901に移る。ステップS901においては、発射操作装置250に対する発射操作(回転操作)の有無(接触センサ254への接触及び所定以上の回転抵抗値)が判別され、肯定結果の場合にはステップS902へ、否定結果の場合にはステップS906へ移る。ステップS902においては、発射操作装置250に対する回転操作量に応じた発射強度で遊技球が発射される。ステップS903においては、接触センサ854に対する接触があったか否かが確認され、接触が有った場合にはステップS904において、検出された最新の回転操作量がそのままロック回転量として設定される。
ステップS906においては、ロック回転量の設定の有無について判別され、肯定結果の場合はステップS910へ、否定結果の場合はステップS908へ移る。ステップS907においては、接触センサ854に対する接触があったか否かが確認され、肯定結果の場合はステップS908へ、否定結果の場合はステップS910へ移る。ステップS908においては、設定されているロック回転量に応じた発射強度で遊技球が発射される。ステップS910においては、接触センサ854に対する接触がない状況のため、設定されているロック回転量がリセットされる。
ステップS911においては、ターゲット強度の設定の有無について判別され、肯定結果の場合はステップS912へ、否定結果の場合はステップS915へ移る。ステップS912においては、接触センサ854に対する接触があったか否かが確認され、肯定結果の場合はステップS913へ、否定結果の場合はステップS915へ移る。ステップS913においては、ターゲット強度に応じた発射強度で遊技球が発射される。
ステップS915においては、発射操作装置850に対するスライド操作の有無が判別され、肯定結果の場合はS916へ、否定結果の場合はステップS917へ移る。ステップS916においては、接触センサ854に対する接触の有無について判別され、肯定結果の場合はS917へ移る。ステップS917においては、スライド移動量に応じた発射強度で遊技球が発射される。ステップS903及びS916のいずれかで否定結果得られた場合と、ステップS904、ステップS908、ステップS913、ステップS917のいずれかが終了すると、発射選択処理S900が終了し、発射制御部1902のメイン処理における他の処理が実行される。
以上説明したように、パチンコ機1100は、遊技者の手首又は手の甲を載置可能な載置部851と、載置部851を、遊技者の手首又は手の甲の移動によって変位させることが可能なスライド機構と、載置部851の変位量に対応した操作程度としてのスライド移動量Dを検出する可変抵抗器853とを有する発射操作装置850と、載置部851のスライド移動量Dに応じた強度で遊技領域に遊技球を発射するよう発射装置330を制御する発射制御部1902とを備え、これにより、遊技者による発射操作を好適に容易にすることができる。すなわち、遊技者が載置部851に手首又は手の甲を載置しながら載置部851のスライド操作を行うことによって遊技球を遊技領域に発射することができる。このため、携帯通信端末880を把持した左手とは別の右手によって携帯通信端末を操作しながら発射操作をすることができ、携帯通信端末880の操作と遊技とを容易に同時進行することができる。
また、載置部851は、主貯留機構230の貯留部231よりも高い位置に設けられ、貯留部231より高い位置に遊技者の手首又は手の甲を下側から支持可能な高さ位置に設けられている。このため、遊技者は、体の正面側にある主貯留機構230の貯留部231の上に手を載置させておくことができ、貯留部231に貯留された遊技球によって携帯通信端末880の視認性と操作性とを低下させることが少なく、又、携帯通信端末880と遊技領域とを切り替えて視認する場合における視線の移動量を少なくして、携帯通信端末880の操作と遊技とを一層容易に同時進行することができる。
また、載置部851は、貯留部231に対して遊技者に近い前側に設けられている。このため、遊技者の体の正面にある貯留部231の近傍で、かつ、より遊技者側に載置部851が設けられることとなるため、載置部851と遊技者との間に障害物が存在せず、遊技者が手を載置し易く、また、遊技球の残量を携帯通信端末に視線を向けるだけで同時に確認し易く、貯留部231への遊技者の操作も容易な位置に載置部851を配置できる。例えば、貯留部231内で遊技球が滞留してしまった場合に、左手の指を貯留部231内に差し込んで遊技球の滞留部分を崩して滞留状態を解除する操作も容易に行うことができる。
また、発射選択処理S900のステップS912の処理において接触センサ854に対する接触によって遊技者の存在が検出された場合には、ステップS913の処理によって遊技者が所持する携帯通信端末880の操作によって設定されたターゲット強度で発射装置330によって遊技球が発射されるよう、発射制御部1902によって制御が行われる。ターゲット強度は、携帯通信端末880と通信可能な外部通信部879に通じて発射制御部1902に送信され、携帯通信端末880を介した遊技者の指示に基づき設定されたターゲット強度で発射装置330によって遊技球が発射される。このため、遊技者が回転式の発射操作装置250を直接操作しなくても、遊技者が好みのターゲット位置に対応したターゲット強度を選択して設定できるため、遊技に慣れていない遊技者など、誰でも簡単に遊技を楽しむことができる。
<入賞情報の記憶及び集計処理>
上述したように、パチンコ機1100には、遊技者の要求に応じて、回転操作量を表す操作数値(表示用数値,装飾数値,丸め装飾数値)と入賞確率との関係を表示して遊技者による遊技を補助する機能が備えられている。ところで、遊技者の発射操作装置250,850などに対する操作に応じて遊技球が発射されてから、遊技球が入賞口へ進入するまでには、1〜10秒程度のタイムラグが発生する。すなわち、遊技球の入賞口への進入した時刻と操作数値との関係を単純に時刻ごとの入賞確率としてしまうと、タイムラグの影響により当該入賞確率が必ずしも正確な値を示していないことになる。そこで、入賞口へ進入した遊技球が発射された発射時刻を推定することによりかかるタイムラグを補正するタイムラグ補正機能を有するパチンコ機2100について、図88〜図96を参照して説明する。このタイムラグ補正機能に関する構成は、上記した実施形態に係るパチンコ機100,1100に付加してもよく、以下、タイムラグ補正機能に関する構成を備えたパチンコ機2100について説明する。
パチンコ機2100の構成は、図88のブロック図、図89の斜視図などに示している。なお、パチンコ機2100では、パチンコ機1100に対して、携帯通信端末880と通信するための外部通信部879を設けず、電源・発射制御基板1900及び副制御基板1940間でのデータの供受給が可能な構成に変更している。また、パチンコ機2100の副制御基板1940の構成は、上記したパチンコ機1100の副制御基板940と対応する箇所に1000を付した符号を付し、異なる構成についてのみ説明し、同一の構成については説明を省略する。
図89に示すように、遊技盤1400の前側にて遊技球が流下する遊技領域において、上側の2つの一般入賞装置1439(1439A,1439B)、大入賞装置1434は遊技盤1400の上部領域に、始動入賞装置1431は中央領域に、下側の2つの一般入賞装置1439(1439C,1439D)は下部領域に位置しており、遊技球がそれぞれの入賞口へ到達するまでに遊技球が通過するルートの距離は、入賞口ごとに大きく相違することになる。また、一つの入賞口へ到達するルートは多数あり、遊技球が同じ入賞口に進入する場合であっても、その距離や到達するまでの時間は様々である。
上述したように、発射操作装置250の操作程度を表す表示用数値は、遊技者が発射操作装置250を操作した瞬間、すなわち遊技球が発射された瞬間を表すものであり、遊技球が入賞口へ進入するまでにはタイムラグが存在する。さらにそのタイムラグは、入賞口ごとに大きく相違する。仮に、遊技球が入賞口へ進入し入賞スイッチに検出された時刻である入賞時刻を基準に入賞確率を算出すると、かかるタイムラグにより、入賞確率が実際の入賞確率とずれてしてしまう可能性がある。そこで、パチンコ機2100では、各入賞装置の入賞口へ遊技球が進入した時刻である入賞時刻に基づいて、遊技球が発射装置330から発射された時刻である発射時刻を推定し、推定した発射時刻に基づいて遊技球の入賞に関する入賞情報である入賞確率を算出する。また、パチンコ機2100では、予め定められた設定条件ごとに入賞確率を算出可能に構成され、遊技者の知りたい条件に対応した複数種類の入賞確率を表示可能に構成され、遊技者の所持する携帯通信端末880でも入賞確率を表示可能に構成されている。
図89に示すように、発射装置330(図6参照)から発射された遊技球は、蛇行することなく内レール403及び外レール402の間を進行し、勢いのあるまま戻り球防止機構404近傍を通過する。そして遊技球は、勢いがなくなると、遊技盤400上に配置された釘411(図7参照)や風車412などの部材に衝突して蛇行しながら、ゆっくりと進行する。そして一部の遊技球は、入賞装置(一般入賞装置1439A〜1439D、始動入賞装置1431及び大入賞装置1434)の入賞口へと進入し、入賞となる。すなわち、発射装置330から発射された遊技球は、短時間で戻り球防止機構404まで同一距離を蛇行なく進行するため、発射装置330から戻り球防止機構404までに要する時間差は発射強度に差違があった場合でも非常に小さくなる。その後、勢いがなくなった時点で遊技球は落下を始め、蛇行しながらゆっくり下流へと進行するため、戻り球防止機構404以降、遊技球の通過距離には大きな差違が生まれ、落下に要する時間も大きな差違が生じる。そこで、パチンコ機2100では、まず入賞時刻から戻り球防止機構404近傍に遊技球が到達した通過時刻を特定すると共に、該通過時刻に基づいて遊技球の発射時刻を推定する。
具体的に、図89に示すように、パチンコ機2100は、その上端部分において光透過性の前方板222よりも前方向に突出する突出部を有し、当該突出部にカメラ装置610と数値表示部802とが設けられている。この突出部は、上記した実施形態に係るパチンコ機100の前ブロック102における上側中央縁部211Aを含む上端部分に設けられるものであるが、図89においては、理解の容易のために、パチンコ機2100の上側中央縁部を含む上端部分の形状を模式的に示している。
パチンコ機2100の上端部分の内側には、カメラ装置610が内蔵され、パチンコ機2100の上端部分における突出部の前方向下面には、カメラ装置610のレンズ部分が設置されている。カメラ装置610は、鉛直下方向からわずかに後方向に傾斜してレンズが設けられており、当該突出部の前方側における先端近傍にて下側わずかに後方向を撮影することにより、遊技盤400の正面側に可能な限り近い方向側から遊技盤400の全体を撮影する。カメラ装置610によって撮影された画像データ(以下、遊技盤画像データという)は、副制御基板1940の画像データ記憶部1941に記憶される。
また、パチンコ機2100の上端部分の前面側には、数値表示部802が設けられている。
入賞口へ進入した遊技球は、入賞口の内側に設けられた検出センサとしての入賞スイッチ(具体的には、一般入賞スイッチ1449A〜1449D、始動入賞スイッチ1441及び大入賞スイッチ1443(図88参照)であり、上記した一般入賞スイッチ449A,449B、始動入賞スイッチ441及び大入賞スイッチ443と同一構造のスイッチ)によってそれぞれ検出される。
入賞スイッチによって遊技球が検出されると、入賞口への遊技球の進入が検出されたことを示す検出信号が入賞スイッチから主制御基板920に供給される。主制御基板920は、検出信号が供給された入賞装置を表す入賞装置情報及び入賞時刻に対応した入賞特定情報を、副制御基板1940(図88参照)へ供給する。副制御基板1940の数値算出部1981は、入賞特定情報から、入賞した遊技球が撮影されている画像を特定し、例えばリバース再生によるトレースにより、当該入賞した遊技球が戻り球防止機構404近傍の特定位置(例えば戻り球防止機構404の先端)に到達したときの時刻である通過時刻を特定する。
ここで、遊技者の発射操作装置250,850に対する操作に対しては、その操作に応じた強度の電圧が、所定間隔で発射制御部1902から発射装置330の発射ソレノイド334に供給され、遊技球が発射される。このとき、発射制御部1902は、電圧を印加すると同時に、電圧を印加したことを表す印加タイミング信号に対応した印加タイミング信号情報を副制御基板1940に供給する。副制御基板1940は、印加タイミング信号情報が供給されたときの時刻を発射時刻として操作データ記憶部1982に記憶する。
上述したように、発射装置330から発射された遊技球は、蛇行することなく内レール403及び外レール402の間を進行し、勢いのあるまま戻り球防止機構404近傍を通過する。このため、遊技球の発射速度に拘わらず、遊技球が発射装置330から戻り球防止機構404近傍に到達する戻り到達時間に生じる差はわずかである。そこで、数値算出部1981は、入賞した遊技球の通過時刻から戻り到達時間を差分すると共に、操作データ記憶部1982に記憶された発射時刻のうち、最も近い発射時刻を入賞した遊技球の発射時刻とする。これにより、数値算出部1981は、入賞した遊技球の発射時刻を高い精度で推定することができる。このように、数値算出部1981は、遊技球が入賞するごとに遊技球の発射時刻を特定する。さらに、数値算出部1981は、予め定められた設定条件ごとに入賞数を集計し、発射時刻に基づく入賞確率を設定条件ごとに算出する。
すなわち、複数の入賞装置によって付与される特典に差違がある場合、遊技者は、複数の入賞装置のいずれかに入賞するトータル的な入賞確率よりも、特定の入賞装置に入賞する入賞確率を知りたいと考える可能性がある。また、入賞確率は遊技状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)によって大きく変化し、通常遊技状態より遊技球が入賞し易い特別遊技状態においては、大入賞装置1434への入賞確率が特異的に大きくなると共に、他の入賞装置への入賞が減少する可能性がある。通常遊技状態においては大入賞装置1434への入賞確率が低下してほぼゼロになり、他の入賞装置への入賞は増大する。このため、特別遊技状態と通常遊技状態とでは、遊技者が入賞確率を知りたいターゲットとなる入賞装置及び入賞確率が変化する可能性がある。そこで、パチンコ機2100では、数値算出部1981は、設定条件として、入賞装置及び遊技状態ごとに入賞確率を算出する。
また、遊技球を発射する発射ソレノイド334(図88参照)は、遊技開始から稼動により暖まって略一定の動作温度に達するまでの間(例えば10分間程度)では、発射ソレノイド334の温度が動作温度に比べて低く、同一の操作程度で発射操作装置250,850を操作した場合であっても、発射強度が低下するなど、不安定な状態が発生してしまう可能性がある。そこで、数値算出部1981は、現在の発射強度状態として、遊技開始直後で発射ソレノイド334の温度が低く発射強度が不安定な不安定状態(不安定強度状態)と、発射ソレノイド334が十分に暖まり発射強度が安定した安定状態(安定強度状態)とに分けて入賞確率を算出する。
具体的に、数値算出部1981は、主制御基板920から供給される入賞装置情報を、入賞した遊技球の発射時刻と、現在の遊技状態とに関連付けて記憶する。そして、数値算出部1981は、入賞装置情報及び遊技状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)ごとに分けて入賞確率を算出する。
また、数値算出部1981は、遊技開始からの遊技実行時間を監視し、遊技実行時間を積算する。この遊技実行時間は、所定の安定時間(例えば10分間)を最大値とし、最大値に到達した以降は数値が増大しない。そして、数値算出部1981は、遊技が停止されると、発射ソレノイド334が冷却されていくものとして停止時間に基づいた停止値だけ遊技実行時間を差分し、発射ソレノイド334の温度を予測する。例えば、数値算出部1981は、1分間に亘って遊技が停止された場合、停止時間に所定の停止係数(例えば1/2)を乗算した30秒分だけ遊技実行時間を減算する。従って、遊技実行時間が最大値に到達した状態において、遊技者が1分間の遊技停止の後、遊技を再開すると、最初の30秒間のみ不安定状態と判断され、その後は安定状態と判断される。これにより、発射ソレノイド334の温度を推測して安定状態と不安定状態とを判別できるため、遊技者がトイレなどにより一時離席した場合や、短時間だけ発射操作装置250,850から手が離れた場合などであったも、実際の発射ソレノイド334の暖まり具合(温度)を高い精度で推測することができる。
ところで、図66を用いて上述したように、発射操作装置250の操作程度を表す表示用数値は、遊技者パラメータで装飾されて算出された操作数値(装飾数値)であり、操作数値を含む入賞情報の集計結果(以下、これを集計結果データと呼ぶ)は、操作データ記憶部1982に記憶されると共に、遊技者が離席してから所定の離席時間が経過するなどの所定の消去条件が成立した場合には、操作データ記憶部1982に保持しておいた集計結果データや、設定した遊技者パラメータが消去される。すなわち、集計結果データは、遊技者本人がその日に遊技を行ったものに限られる。ここで、不安定状態は、遊技者が遊技を開始した後の一定期間に限られると共に、時間の経過によって徐々に発射強度が変化するため、遊技者ごとに集計してしまうと、その日の遊技の参考にすることが可能なデータを蓄積することが困難である。そこで、パチンコ機2100では、不安定状態において集計されたデータについては、遊技者ごとに消去することなく蓄積し、他の遊技者が遊技をする際に使用可能としている。
すなわち、パチンコ機2100は、入賞確率を表示する旨の要求が遊技者によってなされると、まず現在の発射強度状態を判別する。入賞確率を表示する旨の要求は、表示ボタン983(図59参照)を操作することによって行われる。
現在が安定状態であると判別された場合、パチンコ機2100は、現在遊技中の遊技者に対応する安定状態で集計された集計結果に基づいて入賞確率の表示を行う。一方、現在が不安定状態であると判別された場合、パチンコ機2100は、操作データ記憶部1982に記憶された集計データを用いて、入賞確率が高くなるよう遊技者を誘導する不安定時誘導表示を行う。上述したように、不安定状態では、遊技開始からの時間を追って操作数値(表示用数値)と発射強度との関係が変化する。そこで、パチンコ機2100では、所定の更新時間ごとに集計された集計結果を用いて不安定時誘導表示を実行する。すなわち、数値算出部1981は、現在の遊技実行時間に紐付けて入賞の集計を行い、所定の更新時間ごと(例えば10〜30秒ごと)に、遊技実行時間に対応する操作数値(θ換算値)ごとの入賞確率の平均値を集計結果として算出し、これを操作データ記憶部1982に記憶させて集計結果を逐次更新する。同時に、数値算出部1981は、現在の遊技実行時間に対応する集計結果(操作数値ごとの入賞確率の平均値)を読み出し、操作数値ごとの入賞確率の平均値を表示する。従って、表示される操作数値ごとの入賞確率の平均値は、更新時間ごとに相違する値が用いられる。
具体的に、数値算出部1981は、遊技者のボタン862(図73参照)に対しての操作がなされたことを副制御基板1940が認識すると、現在の発射強度状態を判別する。現在が安定状態であると判別された場合、表示データ生成部1942は、例えば、図92に示すように、設定条件選択画面2031をサブ表示部1860に表示させる画像データを生成する。
設定条件選択画面2031では、例えば、左側に、遊技盤400上に配置された入賞装置(一般入賞装置1439A〜1439D、始動入賞装置1431及び大入賞装置1434)に対応する配置(具体的には、複数の入賞装置の上下方向の並び順及び左右方向の並び順)で、各入賞装置の形状に対応した画像(写真又は絵)によって構成される入賞装置図柄1896A〜1896Fが表示されている。また、設定条件選択画面2031の右側の右表示欄2031Aには、現在の表示用数値を示す現在値表示欄2034と、「入賞装置を選んでね!」という選択入力を促す選択入力待ち情報としての文字がキャラクターと共に表示されている。
具体的に、操作データ記憶部1982には、実際に遊技が行われたときの表示用数値が遊技時刻に関連付けて記憶されている。遊技者の要求に応じて、数値算出部1981は、遊技時刻と発射時刻とを照会することにより、予め定められた設定条件である入賞装置ごとの入賞確率を表示用数値と併せて使用し、集計結果を表示データ生成部1942に供給する。表示データ生成部1942は、集計結果を用いて画像データを生成し、サブ表示部1860に供給する。この結果、サブ表示部1860に入賞装置ごとの入賞確率が表示される。
例えば、遊技者が入賞装置図柄1896Dに触れると、図93に示すように、入賞装置図柄1896Dが選択された状況を示す入賞確率表示画面2038が表示される。入賞確率表示画面2038では、入賞装置図柄1896Dの色が、元の色とは変化して、他の入賞装置図柄1896A〜1896C,1896E,1896Fとは異なる色で表示される。そして、右表示欄2031Bには、入賞装置図柄1896Dに対応した始動入賞装置1431の入賞確率が表示され、具体的には、上述した入賞確率表示画面2001(図64参照)と同様、現在値表示欄2044、入賞確率グラフ2033、時刻ごとに表された表示用数値グラフ2032が時刻と共に表示され、また、切換ボタン2035が表示される。遊技者が切換ボタン2035に触れると、表示されていた入賞確率表示画面2038とは別の入賞確率表示画面2039が表示される。別の入賞確率表示画面2039では、右表示欄2031Cとして、入賞確率表示画面2011(図65参照)と同様、現在値表示欄2044と、表示用数値ごとに表された入賞確率グラフ2037と、期待入賞ラインBL及び切換ボタン2035が表示される。
ここで上述したように、数値算出部1981は、遊技状態及び発射強度状態ごとに分けて入賞確率を算出している。一般的に遊技者は、特別遊技状態においては大入賞装置1434をターゲットとし、通常遊技状態においては大入賞装置1434以外の入賞装置をターゲットにして遊技球を発射する。そこで数値算出部1981は、一般入賞装置1439A〜1439D及び始動入賞装置1431に対応する入賞装置図柄1896A,1896B,1896D〜1896Fが選択された場合には、通常遊技状態であって安定状態において集計された集計結果を表示データ生成部1942に供給する一方、大入賞装置1434に対応する入賞装置図柄1896Cが選択された場合には、特別遊技状態であって安定状態において集計された集計結果を表示データ生成部1942に供給する。
ここで、現在が安定状態であると判別された場合に、図95に示すように表示データ生成部1942は、誘導表示画面2041をサブ表示部1860に表示させる画像データを生成してもよい。誘導表示画面2041では、上述した右表示欄2031C(図94参照)と同様、表示用数値ごとに表された入賞確率グラフ2042と、現在値表示欄2044が表示される。さらに、誘導表示画面2041では、現在の操作程度に対応する表示用数値と、目標とすべき表示用数値の色が他の表示用数値とは異なる態様に変化されて表示されると共に、現在値表示欄2044と並んで目標となる表示用数値が表示された目標値表示欄2045が設けられ、「もっと強く!」「UP!」といったように遊技者の操作に対する指示が表示された指示表示欄2046が設けられている。
数値算出部1981は、現在の遊技実行時間に対応する集計結果から入賞確率が最も高くなる操作数値を選択し、これに遊技者パラメータPMを用いて装飾することにより、目標値を表示用数値として表示する。また、入賞確率グラフ2042についても同様に、表示用数値として表示する。この入賞確率グラフ2042及び目標値は、所定の更新時間ごとに集計された集計結果を用いて更新時間ごとに更新設定される。これにより、不安定状態のためコントロールが難しい遊技開始直後においても、遊技者に発射操作装置250,850を適切に操作させて遊技者に遊技を楽しませることが可能となる。なお、誘導表示画面2041は、1の入賞装置に対して数値算出部1981によって算出された入賞確率を表示してもよく、例えば、通常遊技状態においては、始動入賞装置1431に対する入賞確率を表示し、特別遊技状態においては、大入賞装置1434に対応する入賞確率を表示してもよいし、遊技者が選択した入賞装置に対応する入賞確率を表示してもよい。
さらにパチンコ機2100では、遊技者自身による遊技の集計結果を携帯通信端末880によって読み取らせることができる機能を備えている。パチンコ機2100では、遊技者の要求に応じて、集計結果を2次元バーコードなどからなる読取情報としてサブ表示部1860に表示させる。これにより、パチンコ機2100では、携帯通信端末880との通信機能を用いることなく、携帯通信端末880に遊技者自身の遊技に関する集計結果を蓄積することができ、携帯通信端末880を参照して遊技者に効率良く遊技を行わせることができる。この読取情報には、集計結果の他に、遊技者IDや遊技機IDが含まれる。また、操作数値として、遊技者パラメータで装飾された装飾数値が用いられ、遊技者パラメータは含まれない。これにより、遊技者ごとに操作数値が相違するため、ハッキングなどにより携帯通信端末880から集計結果が抜き取られた場合であっても、一律のデータとして取り扱うことができず、集計結果を不正行為に利用されることを未然に防止することができる。
具体的に、図96に示すように、数値算出部1981は、遊技者ID、遊技日及び遊技機ID等の状況情報並びに入賞装置、設定条件、装飾数値及び入賞確率などの集計結果を数字のみで表した数字列を算出し、表示データ生成部1942は、これらの集計結果の数字列を2次元バーコードとして画像データを生成することにより読取情報を生成する。これらの情報の並び順及び桁数は予め定められていて、携帯通信端末880によって読み取らせることで数字列を復元して表示することができる。復元して表示した数字列の例として、例えば図96の1段目において、遊技日は西暦日時の8桁で表され、遊技者IDは4桁、遊技機IDは7桁、装飾数値の桁は3桁、入賞装置及び設定条件は3桁で表される。なお、装飾数値の桁として、「031」は、全体として3桁、小数点位置が下一桁であることを示している。入賞装置及び設定条件の「300」は、入賞装置の番号、遊技状態、発射強度状態の順に数字で表されている。2段目以降は、装飾数値、入賞確率及び遊技時間が順番に繰り返されて示されている。
携帯通信端末880においては、読取情報によって読み取られた入賞確率などの集計結果は、携帯通信端末880に対する遊技者の操作によって携帯通信端末880に表示される。例えば、上記したメニュー画面895(図80参照)において撮影登録ボタン895Cをタッチすると、制御部881がカメラ887を起動し(図79参照)、図83〜図85に示す撮影中の撮影画像897を表示することによって行われる構成としてもよい。この場合に、選択された入賞装置の装飾数値及び入賞確率の集計結果を表示するようにすることが好ましい。パチンコ機2100の一部の画像と共に、携帯通信端末880によって入賞情報に対応した画像が表示されるので、遊技者は、自身の遊技に関する入賞情報を自身の携帯通信端末880の表示画面に表示して認識することができる。また、携帯通信端末880には、自身の遊技に関する入賞情報を蓄積することができるので、蓄積された集計結果を統計したり、遊技日ごとに表示させるプログラムを携帯通信端末880に予め記憶させておくことで、遊技者に集計結果を次回以降の遊技の参考にさせたり、集計結果を日記のようにして楽しませたりすることができる。
<入賞特定情報記憶処理の手順>
次に、副制御基板940の数値算出部1981(図88参照)の一部として実行される入賞特定情報記憶処理S920について、図97のフローチャートを用いて説明する。パチンコ機2100は、遊技球を、発射ハンドル252の回転操作量に相当する操作程度に応じた強度で遊技領域に発射する発射装置330(図88参照)と、操作程度として遊技者が操作した操作程度に対応した操作数値情報を記憶する操作数値記憶手段としての副制御基板940のRAMと、副制御基板940に記憶された操作数値情報に基づいて、操作程度として遊技者にとって有利な選択数値に対応する所定の操作程度に近づくよう、遊技者を誘導する遊技者誘導手段とを有し、この遊技者誘導手段の一部が数値算出部1981の入賞特定情報記憶処理S920によって構成される。また、副制御基板940におけるROMに記憶されるプログラムの一部として数値算出部981の入賞特定情報記憶処理S920が構成され、入賞特定情報記憶処理S920は、副制御基板940のCPUによって実行されるメイン処理において定期的(例えば、10ミリ秒毎)に繰り返し実行されている。
数値算出部1981は、入賞特定情報記憶処理S920を開始すると、ステップS921へ移る。ステップS921においては、主制御基板920から入賞した遊技球についての入賞時刻と入賞装置情報が入賞特定情報として供給された場合に、入賞特定情報をRAMの予め定めた領域に記憶する。
ステップS922においては、入賞特定情報に基づいて発射時刻が特定される。例えばカメラ装置610によって撮影された画像データから戻り球防止機構404近傍における通過時刻が特定された後、通過時刻から平均到達時間を差分した時刻に最も近い発射時刻を入賞した遊技球の発射時刻として推定される。
ステップS923においては、発射時刻における設定条件(対象となる入賞装置、遊技状態及び発射安定状態)が特定される。例えば、入賞特定情報から入賞装置を特定し、現在の遊技状態を確認し、遊技実行時間を確認することにより設定条件が特定される。
ステップS924においては、ステップS921〜S923の処理によって特定された遊技球の入賞に対しての発射時刻と設定条件とが紐付けて記憶される。
<入賞特定情報集計処理の手順>
次に、副制御基板940の数値算出部1981(図88参照)の一部として実行される入賞特定情報集計処理S930について、図98のフローチャートを用いて説明する。パチンコ機2100は、遊技球を、発射ハンドル252の回転操作量に相当する操作程度に応じた強度で遊技領域に発射する発射装置330(図88参照)と、操作程度として遊技者が操作した操作程度に対応した操作数値情報を記憶する操作数値記憶手段としての副制御基板940のRAMと、副制御基板940に記憶された操作数値情報に基づいて、操作程度として遊技者にとって有利な選択数値に対応する所定の操作程度に近づくよう、遊技者を誘導する遊技者誘導手段とを有し、この遊技者誘導手段の一部が数値算出部1981の入賞特定情報集計処理S930によって構成される。また、副制御基板940におけるROMに記憶されるプログラムの一部として数値算出部981の入賞特定情報集計処理S930が構成され、入賞特定情報集計処理S930は、副制御基板940のCPUによって実行されるメイン処理において定期的(例えば、10ミリ秒毎)に繰り返し実行されている。
数値算出部1981は、入賞特定情報集計処理S930を開始すると、ステップS931へ移る。ステップS931においては、入賞情報である入賞確率の表示要求がなされたか否かを確認し、表示要求がされていれば表示要求の発生に対応したフラグ(RAMの記憶領域の一部)をオンしてS932〜S934の処理を実行し、表示要求が発生していなければ、フラグのオフ状態を維持して入賞情報集計処理を終了する。
ステップS932においては、表示対象となる設定条件(入賞装置、遊技状態、発射強度状態)の確認が実行される。ステップS933においては、表示対象となる設定条件についてのデータのみを選択し、該データについて表示用数値ごとの入賞確率が算出される。ステップS934においては、算出された入賞確率が表示データ生成部1942に供給されて画像データが生成され、該画像データがサブ表示部1860に供給されることにより、算出された入賞確率を含む入賞確率画面が表示される。S934の処理が行われた後には、表示要求の発生に対応したフラグがオフされる。
このように、パチンコ機2100の操作データ記憶部1982には、始動入賞スイッチ1441等によって始動入賞装置1431の進入口等へ遊技球が入賞した入賞時刻(入賞時期)より前であって、当該入賞時刻に比べて入賞した遊技球が発射装置330によって発射されたタイミングに近い発射時刻(発射時期)における数値算出部1981に記憶された操作数値(装飾数値)を少なくとも含む遊技球の入賞に関する入賞情報が記憶される。このため、入賞情報を、遊技球が発射された発射時刻に対応させて正確に遊技者に提供し易くすることができる。例えば、必要に応じて操作数値に基づいた操作程度に対応する情報をパチンコ機2100の数値表示部802に表示することによって遊技者に好適な操作程度を認識させることができる。このため、遊技者が過去の遊技時において入賞が発生したときの操作程度を参考にして発射操作装置250を操作することができ、入賞が発生したときの状態に操作程度を容易に近づけることができる。
また、パチンコ機2100の操作データ記憶部1982には、始動入賞スイッチ1441等によって検出される始動入賞装置1431の進入口等への遊技球の進入に関する入賞情報であって、遊技状態等の設定条件に基づいて分類可能な複数の入賞情報が記憶され、遊技状態等の設定条件に基づいて複数の入賞情報を分類した入賞情報であって操作数値(装飾数値)を含む情報が、遊技者が認識可能にサブ表示部1860を通じて出力される。このため、設定条件ごとに入賞情報を集計できるため、入賞情報の精度を高めることができ、遊技者が知りたがっている入賞情報を適切に遊技者に提供することができる。
また、操作データ記憶部1982によって記憶された入賞情報は、遊技領域の少なくとも一部を遊技者が位置する正面側から撮影可能な携帯通信端末880によって認識可能に、サブ表示部1860に表示される2次元バーコードによって出力され、サブ表示部1860によって出力された入賞情報に対応した画像がパチンコ機2100の一部の画像と共に携帯通信端末880の表示画面に表示可能に構成されている。このため、遊技者は、自身の遊技に関する入賞情報を自身の携帯通信端末880の表示部884に表示して認識することができる。これにより、遊技者は、入賞情報を次回以降の遊技の参考にしたり、日記帳のようにして後から入賞情報を楽しむことが可能となる。
<他の実施の形態>
(1)上記実施形態では、動画像データから戻り球防止機構404近傍の通過時刻を特定したが、その特定位置に制限はなく、例えば発射装置330の出口近傍の通過時刻を特定しても良い。
上記実施形態では、動画像データを記憶しておき、入賞した遊技球をリバース再生により追尾することにより通過時刻を特定したが、例えば予め動画像データから遊技球の動きだけを特徴量(例えば動きベクトルなど)として抽出して記憶しておき、特徴量から通過時刻を特定しても良い。これにより、動画像データを記憶する場合と比較して、必要となる記憶容量を低減させることができる。また、戻り球防止機構404に接触センサを設置しておき、接触センサに対する遊技球の接触時刻を特定することにより、通過時刻を特定しても良い。これにより、通過時刻を一層正確に特定することが可能となる。
上記実施形態では、発射制御部1902から印加タイミング信号が供給されたときの時刻を発射時刻として操作データ記憶部1982に記憶しておき、入賞した遊技球の通過時刻に基づき推定された時刻から最も近い発射時刻を入賞した遊技球の発射時刻として特定したが、発射装置から特定位置までに要する平均所用時間を入賞した遊技球の通過時刻から減算することにより発射時刻を推定しても良い。これにより、印加タイミング信号の供給や全遊技球の発射時刻の記憶などの処理が不要となり、遊技機の構成を簡易にすることができる。また、必ずしも発射時刻を入賞情報の一部として記憶する構成とする必要はなく、パチンコ機が電源をオンしてからの経過時間や、遊技者が遊技を開始してからの経過時間を入賞情報の一部として記憶し、当該経過時間についても特定位置までに要する所要時間を減算した経過時間を記憶してもよい。
上記実施形態では、発射ソレノイドの温度を予測することにより、発射強度状態を判別したが、例えば発射ソレノイドの近傍に温度計を設置して直接的に発射装置330内の温度を測定することも可能である。これにより、実際の温度を測定できるため、発射強度状態の判別の精度を向上できる。
上記実施形態では、遊技が停止された場合には遊技実行時間から所定の係数を乗算した値を減算するようにしたが、必ずしも減算は必要ではなく、例えば遊技が停止されると遊技実行時間をリセットするようにしても良い。この場合、不安定状態において入賞確率を算出せず、安定状態における入賞確率のみを算出して表示する。このとき、不安定状態においては、不安定誘導表示は行われず不安定状態である旨を遊技者に表示しても良い。また、安定状態までに必要な遊技実行時間や、遊技停止に伴う減算に使用される係数を、蓄積された入賞確率と操作数値とから計算により算出することも可能である。これにより、現在の発射装置330の状態に合わせて発射装置330内の温度を推測できるため、温度推測の精度を向上することができる。
上記実施形態では、大入賞装置1434については特別遊技状態のときの入賞確率を、それ以外の入賞装置については通常遊技状態のときの入賞確率を表示するようにしたが、遊技者によって遊技状態と入賞装置とをそれぞれ選択させることもできる。
上記実施形態では、入賞に関する入賞情報として、入賞確率と表示用数値(操作数値)との関係を表示したが、上記した入賞情報に限らず、以下の情報を入賞情報の一部として表示してもよい。例えば、入賞球数又は払出球数などを表示してもよく、この場合に、必ずしも表示用数値を含む入賞情報を表示する必要はなく、表示用数値(操作数値)を表示する機能に関する構成を備えないパチンコ機とし、表示用数値(操作数値)は表示することなく、所定の期間中(例えば、単一の遊技者によって遊技が実行されている期間中)における入賞確率、入賞球数、払出球数などを表示可能に構成してもよい。例えば、入賞に関する入賞情報として、通常遊技状態から特別遊技状態へ遷移した後に遊技者が獲得した球数を表示してもよく、例えば、「獲得球数10000発」と表示してもよい。
また、入賞に関する入賞情報として、一定個数の遊技球の発射数(例えば、250球)又は当該発射数に相当する金額(例えば、1000円)と、その発射数又は金額に対しての所定の入賞口(例えば、始動入賞装置1431)への入賞回数又は入賞確率を表示してもよく、例えば、「23回転」とか、「1/100発」と表示してもよく、その場合に、遊技中のパチンコ機における設計値に対する入賞回数の状態に対応した情報を表示してもよく、例えば、設計値より入賞回数が多い場合には「調子いいかも」と表示し、設計値より入賞回数が少なければ操作数値に基づいて「もう少し強くするといいかも」など入賞回数が高くなるように遊技者にとって有利な操作程度に近づくように遊技者を誘導してもよい。また、入賞に関する入賞情報として、始動入賞に基づいて実行される演出の回数を表示してもよく、例えば、装飾図柄表示装置1479が上方に又は下方に動作した回数を表示してもよいし、又は、装飾表示部1479Aにおいて所定の演出(例えば、変動表示中に表示された場合に特別遊技状態への遷移が確定する金色の猫が出現する演出)が実行された回数を表示してもよい。
また、上記実施形態では、2次元バーコードの画像データによる読取情報を携帯通信端末880に読み取らせることによって携帯通信端末880に入賞情報を表示する構成としたが、入賞情報を直接2次元バーコードに変換する構成とはしないで、パチンコ機に予め暗号キー(例えば、4桁の数字)を入力し、暗号キーによって入賞情報を暗号化した情報(入賞対応情報)をパチンコ機に表示し、携帯通信端末880によって読み取った読取情報に対して携帯通信端末880に暗号キーを入力することで入賞情報が表示される構成としてもよい。
また、上記実施形態では、サブ表示部1860に複数の入賞口に対しての入賞情報に対応した読取情報をまとめて表示する場合について説明したが、これに限らず、別の箇所にも入賞情報(読取情報)を表示可能に構成してもよく、例えば、正面視で遊技領域の内側に入賞情報の少なくとも一部を表示してもよい。例えば、始動入賞装置1431、大入賞装置1434、及び一般入賞装置1439A〜1439Dのそれぞれに複数の色で発光可能なLEDをそれぞれ設けて、その発光色と点灯パターンの組合せによって入賞情報を表示してもよく、携帯通信端末880によって入賞情報を確認したい入賞装置をカメラ887によって撮影した場合(図83参照)、確認したい対象の入賞装置に対して吹き出しが付加され(図82参照)、当該吹き出しの中に入賞情報が携帯通信端末880の表示部884に当該入賞装置と共に同時に表示されるようにしてもよい。これにより、各入賞装置の付近に表示される入賞情報は少ない情報で構成可能とすることができ、小型の表示装置を用いて遊技中の遊技者に違和感を抱かせることなく、入賞情報に対応した読取情報を携帯通信端末880によって簡単に読み取って、その情報を遊技者の所持する携帯通信端末880によって確認可能にすることができる。
また、入賞に関する入賞情報として、始動入賞に基づいて実行される演出の回数を表示する場合についても、例えば、装飾図柄表示装置1479の装飾表示部1479Aの一部(例えば、右上の隅部)に演出の回数に対応した読取情報を定期的に(例えば、2秒に1回、遊技者が確認しにくい0.1秒程度の短時間だけ)表示し、装飾図柄表示装置1479をカメラ887によって装飾図柄表示装置1479を撮影した場合に装飾図柄表示装置1479の動作回数が携帯通信端末880の表示部884に表示され、表示部884に表示された装飾表示部1479Aをタッチすると、装飾表示部1479Aにおいて実行された複数種類の演出と各演出の実行回数が並んで文字表示される構成としてもよく、この場合に、複数種類の演出が文字表示された中で、遊技者が詳細を確認した対象を選ぶと、その選択された演出が、カメラ887によって撮影された装飾表示部1479Aにおいて実行される画像を、携帯通信端末880の制御によって表示部884に表示してもよく、すなわち、予め演出の内容を含むプログラムを携帯通信端末880にインストールしておくことによって遊技者が再確認したい演出を遊技中のパチンコ機が撮影された画像を用いて表示可能としてもよく、これにより、遊技者が遊技を多様に楽しむことができる。
(2)上記実施形態では、載置部851は、上面が曲面状に凹む凹部855を有するようにしたが、載置部としての形状に制限はなく、その配置箇所に応じて遊技者が手首又は手の甲を載置し易い形状にすることが好ましく、例えば、仮想的な凹状の曲線に沿って断続的に内面が形成された載置部によって遊技者の手又は手の甲を支持してもよく、この場合には、遊技者の手首又は手の甲の下側を支持可能に上方側を向く上面によって構成された下側支持部分と、下側支持部分より上方側であってスライド機構によってスライド移動が可能な方向側に位置して下側支持部分側を向く側面によって構成されて遊技者の手又は手の甲に接触してスライド操作を可能とする操作側支持部分とを少なくとも有する構成とすることが好ましい。
上記実施形態では、バネなどの弾性機構により、遊技者が載置部851から手を離すと初期状態に戻るようにしたが、本発明はこれに限らず、弾性機構は必ずしも必要ではない。弾性機構に代えて初期状態に電気的な駆動力によって復帰させるモータを含む復帰駆動機構を設けてもよく、初期状態へ復帰させる機構を有さず、自由な位置に移動可能にし、遊技者が常に同じ位置を維持しなくても載置部851の位置が固定されるようにして、発射操作装置の操作性を向上してもよい。
上記実施形態では、パチンコ機1100の水平方向における中央付近であって、主貯留機構230の一部であって奥側に位置する部分より高い位置に発射操作装置850を配置したが、発射操作装置850は他の位置に配置してもよく、例えば、主貯留機構230の一部に対して上側に重なる位置に発射操作装置850の少なくとも一部が位置し、主貯留機構230に貯留された遊技球のうち一部の遊技球に対して上側に重なるように発射操作装置850を配置してもよい。
上記実施形態では、2つの発射操作装置250,850に対しての遊技者の操作を接触式のセンサによって検出する構成について説明したが、必ずしも接触式のセンサによって構成する必要はなく、少なくとも一方のセンサとして、遊技者の手又は手の甲を非接触に検出可能な反射型のセンサなど他の検出方法によるセンサを用いて構成してもよい。
上記実施形態では、ボタン862を押下された際にペアリング処理を実行するようにしたが、ペアリング処理としては既知の技術を適宜使用することができる。例えばサブ表示部860にパチンコ機1100に対して固有に設定された固有識別情報を含む二次元バーコードを表示し、携帯通信端末880と相互認証を行うことによりペアリング処理をしても良い。
上記実施形態では、ロック回転発射処理の際、遊技者が最後に接触センサ254に接触したときの回転操作量に固定するように制御したが、例えば、遊技者が最後に接触センサ254に接触したときより所定時間(例えば0.5秒間)の間に検出された回転操作量の最大値に固定するように制御を行うこともできる。これにより、遊技者の発射操作装置250に対する手の離し方によって遊技者の意図と違う回転操作量に固定されてしまうことを防止することができる。
上記実施形態では、ロック回転発射処理の際、発射操作装置250が初期状態に戻るものの、最後の回転操作量に応じた発射強度が維持されたが、物理的なロック機構を設け、発射操作装置250を、載置部851が遊技者の手首又は手の甲が載置された場合に物理的に固定するようにしても良い。すなわち、遊技者が右手で行った発射操作装置250に対する回転操作を左手でブレーキを掛けて維持する構成とし、ソレノイド等の駆動手段によって動作するブレーキ機構を発射操作装置250に設けて、遊技者が接触センサ854に接触している場合には発射ハンドル252の回転操作位置を固定する構成としてもよい。これにより、発射操作装置250に対しての制御によって発射制御を実行可能な状況を多くして発射制御を簡易化することができる。
上記実施形態では、接触センサ854に対する遊技者の接触がない場合には、即座にロック回転発射処理を解除するようにしたが、所定の非接触期間(例えば0.5秒)を経過してからロック回転発射処理を解除するようにしても良い。これにより、一瞬だけ遊技者の手が誤って浮いてしまったような場合であっても、ロック回転発射処理を継続することができ、遊技者が意図的に望んだ場合のみロック回転発射処理を解除することができる。
上記実施形態では、通信設定発射処理において、遊技者が接触センサ854に接触しているときのみ遊技球の発射が行われたが、遊技者の有無を検出する別の遊技者検出手段によって遊技者の有無を検出するようにできる。例えば、カメラ装置600を用いて撮影された画像データから遊技者の有無を検出することができる。
上記実施形態では、携帯通信端末880の操作に応じて通信設定発射処理におけるターゲット強度を解除するようにしたが、例えば所定の非接触期間(例えば3〜10分間)に亘って接触センサ854に接触がない場合に、ターゲット強度の設定を解除するようにしても良い。これにより、特別遊技状態のときはターゲット強度の設定を保存したままにできると共に、操作方法を変更したいときには遊技者に対してわざわざ解除の操作をさせずに済む。また、カメラ装置600を用いて撮影された画像データから遊技者の特定動作を検出した場合にターゲット強度の設定を解除するようにしても良い。
上記実施形態では、予め設定された複数のポイント位置(ターゲット部品)から一のポイント位置を選択することにより、ポイント位置に対応するターゲット強度を設定するようにしたが、例えば任意の場所を撮影することにより、ポイント位置として選択することも可能である。また、撮影以外にも、赤外線や超音波等を用いた近距離無線通信方式によってポイント位置を決定することができる。この場合、遊技盤400における任意の箇所に近距離無線通信の受信装置を取り付けると共に、携帯通信端末880が有する無線通信機能を用いて通信を行うことにより、ポイント位置を決定し、ポイント位置に対応するターゲット強度を読み出し又は計算によって算出し設定する。
上記実施形態では、遊技者が所持する携帯通信端末880の画面操作によって設定されたターゲット強度によって遊技球の発射強度を設定する構成について説明したが、この構成に代えて、携帯通信端末880によって遊技球の発射強度を他の方法により設定してもよく、例えば、携帯通信端末880の変位量を検出可能な検出手段を設けて、制御手段は、携帯通信端末の変位操作(例えば、初期位置からの移動量若しくは回動量、又はこれらの組合せ)に対応して設定された強度で発射装置330によって遊技媒体が発射されるよう制御を行ってもよく、携帯通信端末の変位操作は、携帯通信端末の変位を直接的に検出してもよいし、携帯通信端末を移動可能に固定する携帯支持部材を設けて携帯通信端末を変位した場合に連動して変位する携帯支持部材の変位を検出するものであってもよい。
(3)上記実施形態では、装飾数値の表示や入賞確率表示画面2001,2011(図64,65参照)の表示により、自身の過去の遊技に基づいた装飾数値になるよう発射ハンドル252を操作する遊技者を誘導したが、例えば図68に示すように、過去の入賞確率に基づいて、入賞確率が高くなるように上ボタン2021や下ボタン2022を点灯させることにより、発射ハンドル252を操作する遊技者を誘導しても良い。この場合、誘導処理S800におけるステップS813〜S815の代わりに、入賞確率が高いθ換算値を選定し、当該選定されたθ換算値に近づくように遊技者を誘導する。すなわち、例えば図68に示すように現在のθ換算値が96.3であり、入賞確率が大きいθ換算値が101.6であった場合、θ換算値がより大きくなるように、上ボタン2021を点灯させる。なお、装飾図柄表示装置479(図7参照)に「もっと強く」「もっと弱く」などのように遊技者を誘導する言葉を表示したり、音響装置281,282(図59参照)から音声出力を行ったりすることにより、遊技者を誘導することもできる。また、上ボタン2021及び下ボタン2022に下に設置された表示ボタン2023が押下されると、装飾図柄表示装置479にθ換算値と入賞確率との関係を示すグラフが表示されるようにしても良い。このとき、遊技者のみにグラフが視認できやすく、遊技者以外のユーザに対して視認性が低下するよう、遊技者が位置する正面側のみに数値が視認可能に表示されるように視認可能方向を限定して表示したり、時間を限定(例えば10秒間など)して表示したり、設定時間を超えると遊技者の目線に近い位置から遊技者胴体の正面位置へと表示場所を変更したり、大きなサイズから小さなサイズへとサイズを変更したりするようにできる。このとき、θ換算値ではなく装飾数値や丸め装飾数値を表示しても良い。また、特定の記憶ボタン(図示せず)を遊技者が押下したときのθ換算値を記憶しておき、当該任意に記憶されたθ換算値になるように誘導することにより、自身の過去の遊技に基づいたθ換算値になるよう発射ハンドル252を操作する遊技者を誘導することもできる。
上記実施形態では、遊技者ごとに相違する遊技者パラメータを用いてθ換算値を装飾して装飾数値を算出し、さらに時間の経過に応じて装飾数値の末尾を丸めたものを表示用数値として表示するようにした。本発明はこれに限らず、装飾数値を丸めることなくそのまま表示用数値として表示するようにしてもよい。なお、予め桁数を揃えたものを装飾数値とし、丸め装飾数値として末尾を丸めることもできる。また、時間の経過に応じてθ換算値の末尾を丸めた物を表示用数値として表示したり、時間の経過に応じて表示用数値として表示しているθ換算値や装飾数値の表示を停止するようにしても良い。
上記実施形態では、自身が発射操作した場合の発射操作に対応する装飾数値のみを表示する構成について説明したが、これに限らず、所定の遊技継続条件が成立した場合には、他人の発射操作に基づく装飾数値も表示可能にしてもよく、例えば、2時間以上の遊技の継続によって他人の発射操作に基づく装飾数値と入賞確率との関係をグラフ表示可能にしてもよい。
上記実施形態では、誘導処理S800を実行するパチンコ機100は、所持品載置部710,750,760を全て有する構成について説明したが、これらのいずれかを有するようにしても良いし、所持品載置部710,750,760を有しない構成としてもよい。また、誘導処理S800を実行するパチンコ機100は、載置制御部720及び動作検出部721(図10参照)を有し、カメラ装置600で撮影した画像データからユーザの動作を検出することにより、カメラ装置600を共用する構成について説明したが、複数の撮影装置を設けて、誘導処理S800に使用する撮影装置と、載置制御部720及び動作検出部721に使用する撮影装置とを一致させず、少なくとも一部の撮影装置を異ならせてもよい。
上記実施形態では、棒グラフ2012(図65)の表示により、遊技者に操作の程度を表す表示用数値と入賞確率との関係を表示するようにしたが、種々のグラフ、グラフ以外の一覧表、アニメーションなど種々の表示態様を用いて関係を表示してもよい。この場合に、遊技者によって操作されている現在の操作の程度は、種々のグラフ、グラフ以外の一覧表、アニメーションなど種々の表示態様において遊技者が識別可能に、色を異ならせたり、強調するように輝度を異ならせたり、枠線で囲むなどして表示することが好ましい。
上記実施形態では、遊技者が所定の離席時間に亘って離席すると、θ換算値と入賞確率との関係を含む記憶データを削除したが、必ずしも削除する必要はない。例えば遊技者IDに紐付けてθ換算値と入賞確率との関係を記憶しておき、遊技者の要望に応じて履歴を表示できるようにすることも可能である。また、選択数値として、過去の履歴から最も良い条件のものを自動的に選択するようにしても良い。これにより、リピート率の高い遊技者に対して遊技を有利に行わせることができ、パチンコ機100に対するリピート率を向上させることができる。
上記実施形態では、顔の特徴量を識別情報として検出して遊技者を識別する場合について説明したが、識別情報としては、カメラ装置等による画像の取得に限らず、遊技機に設置されて遊技者が接触する部位に設けられた血管の配置などを識別情報として取得する方法であってもよいし、個人を特定する生年月日などの番号に対応する遊技者情報を入力する方法としてもよいし、遊技者が有するスマートフォンなどの携帯通信端末に専用のアプリケーションを用いてバーコード等によって遊技者情報を表示可能にし、その遊技者情報をパチンコ機100のカメラ装置で読み取ることで識別情報を取得してもよい。
上記実施形態では、発射ハンドル252に対する回転操作量に応じた値を装飾数値として算出する構成について説明したが、装飾数値として算出する基礎とするデータは、発射ハンドル252に対する回転操作量に限らず、遊技球が遊技領域に進入する位置を検出するセンサを遊技領域の上部に左右方向に複数並べて設け、遊技球の落下開始位置に対応した値を装飾数値としてもよいし、遊技球が遊技領域に進入する速度を計測可能な速度計測装置を設けて、その速度に対応した値を装飾数値とするなど、他の値に基づいて装飾数値を算出してもよい。また、装飾数値は、必ずしも回転操作量から算出するものとする必要はなく、予め操作データ記憶部に、装飾数値と、発射ハンドル252の回転操作量と、遊技者パラメータとに対応した装飾数値を記憶し、その記憶された値から装飾数値を抽出するようにしてもよい。
上記実施形態では、操作数値と入賞確率との関係を遊技者が認識可能に表示する構成について説明したが、必ずしも入賞確率に対応するデータのみを表示する必要はなく、これに代えて、又は、これに加えて、操作数値と賞球数との関係を表示可能に賞球数を計数する構成を備えてもよく、この場合にも、パチンコ機100の設計値としての期待賞球数についても遊技者が認識可能に表示画面に併せて表示可能に構成することが好ましい。また、入賞確率および賞球数に限らず、始動入賞装置431Aへ遊技球が入賞し易い通路(例えば、中央構造体420に設けられて、始動入賞装置431Aから離間した入口から始動入賞装置431Aの上部へ遊技球を誘導するワープ通路)を遊技球が通過したり、始動装置436を遊技球が通過するなど、1又は複数の予め定めた領域を通過した遊技球の数と、操作数値との関係を表示可能に構成してもよい。
上記実施形態では、副制御基板940により操作数値と入賞確率とを計測する構成について説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、他の制御基板によって操作数値と入賞確率との少なくとも一方を計測してもよく、例えば、主制御基板920により所定の期間(例えば、通常遊技状態)における入賞確率又は入賞数を計測してもよい。
上記実施形態では、操作数値と入賞確率との関係を遊技者が認識可能に表示する構成について説明したが、操作数値と入賞確率とのデータの少なくとも一方に関するデータを遊技者以外にも認識可能に出力する出力手段を有する構成としてもよく、例えば、出力手段としてパチンコ機100の遊技状態や始動入賞の発生に対応する情報を出力する外部出力端子の一部として、操作数値と入賞確率とを遊技場にそれぞれ定期的に(例えば、1秒毎に)出力する端子を備え、その出力される情報を遊技場側で監視して不正な操作によって入賞確率が高められている状況を検出可能にしてもよく、又は、パチンコ機100に無線で情報を出力可能な情報出力部を設け、専用の読み取り装置をパチンコ機100に近づけることで操作数値と入賞確率との少なくともいずれかに関するデータを出力可能にしてもよい。また、例えば、パチンコ機100によって、入賞確率と期待入賞確率とを比較し、期待入賞確率に対して計測した入賞確率に一定以上の差がある場合などの所定の異常発生条件が成立している場合に、異常発生に対応するLEDを主制御基板920に設けて点灯させたり、外部出力端子の一部として異常信号を出力したり、無線で情報出力したりして、不正や故障の発生を遊技場の管理者が認識し易くしてもよい。
(4)上記実施形態では、大当りに当選したか否かに対応して所持品載置部1710,1760を動作させる制御を実行する場合について説明したが、所持品載置部1710,1760の少なくとも一方を、必ずしも大当りの当選に対応させて動作させる必要はない。例えば、大当り当選を予告させる予告演出の1つとして動作させてもよいし、また、大当りに限らず、普通図柄に係る抽選や小当りなど、別の抽選結果に対応して動作させてもよいし、パチンコ機100において遊技が実行されていない客待ち状態や特別遊技状態中において装飾図柄表示装置479に変動表示に関連しないゲーム(例えば、占いゲーム)を実行可能としてカバー部1711を動作させてゲームを演出してもよい。
上記実施形態では、所持品が載置されていない場合にはカバー部1711が収納領域に収納され、上面1702から退避した開状態にある場合について述べた。本発明はこれに限らず、所持品が載置されていない場合にも閉状態となり、大当り当選時にのみ一部開口と閉口とを繰り返す往復運動を大当り特別演出動作として行うようにしても良い。この場合も、所持品が載置されている場合には、カバー部1711が閉口した閉状態を維持することにより、抽選結果に応じて演出を変化させる。この場合には、カバー部1711の全てを収納領域に収納させる必要はなく、所持品が載置可能な程度(例えば45°)までカバー部1711が開口できれば良い。
また、上記実施形態では、抽選結果が当選であった場合、上面1702より副装飾部材1730がせり出して演出を行うようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、副装飾部材1730は必ずしも必要ではない。また、副装飾部材の構成に制限はなく、常時上面1702より上側に突出して存在する副装飾部材が何らかの動き・発音・発光などの動作を大当り特別演出動作として行うようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、所持品載置部1760における穴部1763が、傾斜した縦穴である場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば鉛直の縦穴であったり、横穴であっても良い。前後方向に空洞を有する横穴の場合、正方向が後方向、逆方向が前方向となり、この場合には、所持品の下側を支持する面を上下に動作させる構成としてもよい。また、収納領域の大きさを異ならせる移動板1764は、必ずしも収納領域の奥面のみに設ける必要はなく、これに代えて、又はこれに加えて、上側、下側、左側、右側のいずれか又は複数の面など、別の側の面に対して、各面の向く方向側に移動可能に移動板を設け、その移動可能な方向側に遊技者の入力操作を可能にしてもよい。
また、上記実施形態では、リーチ状態となった場合に、副制御基板940の制御によって所持品載置部1760における移動板1764が動作し、遊技者の入力操作を促す構成について説明したが、これに代えて、又はこれに加えて、大当り回数、入賞回数、発射球数、度数表示装置291における数値情報、貸出操作装置292の操作情報のいずれか又は複数を組み合わせた情報に基づいて移動板1764が動作するものとしてもよい。例えば、顔検出部943によって単一の遊技者が遊技を継続している状況において、消費した球数を、入賞回数と、発射球数(パチンコ機100から排出される遊技球数を検出して計数)とから算出し、その球数が一定以上(例えば、5千個)となった場合に移動板1764を動作させて所持品が飛び出すようにし、遊技に熱中し過ぎた遊技者の意識を、遊技者にとって大事な所持品の意外な動作によって落ち着かせるようにしてもよい。
また、所持品載置部1760の収納領域は、財布に対応した大きさに限らず、携帯電話やスマートフォンに適合した大きさにしたり、ICチップが搭載されたICカードやクレジットカードに対応した大きさにしたりしてもよいし、さらには、その収納領域に収納された遊技者の所持品の情報を読み取る読み取り装置をパチンコ機100に設けて、遊技者の所持品の情報を利用してカードユニットCUへ遊技球を貸し出し可能とするなど、パチンコ機100の動作を制御してもよい。
また、上記実施形態では、主貯留機構230を撮影した画像データがそのまま表示されるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば画像データから遊技球の数量を算出し、画像データに加えてグラフ化した画像を追加して表示したり、数量が減少したことを文字で表示したり、数量に対応した数量情報を数字で表示しても良い。また、装飾図柄表示装置479の一部の領域に貯留領域表示部1770を設ける必要はなく、遊技盤400内の領域や、主貯留機構230の前側部分や上側など主貯留機構230に対して遊技者に近い側に位置する部位など、遊技者に対して主貯留機構230が設けられる側に別途貯留領域表示部を設けることが好ましい。この場合、貯留領域表示部には、遊技媒体の数量(残量)に基づく数量情報、撮影された画像データ、又は、グラフ化などにより遊技媒体の数量を模式化した情報のいずれか又は複数の組み合わせ表示しても良い。また、主貯留機構230を撮影した画像データに代えて、または、これに加えて、補助貯留機構240における遊技球の貯留領域を撮影し、その撮影した画像データを装飾図柄表示装置479の一部の領域に表示して貯留領域表示部を構成してもよい。
また、上記実施形態では、遊技球の数量が減少したときのみ貯留領域表示部1770を表示する場合について述べた。本発明はこれに限らず、常時表示するようにしても良い。この場合、通常時には貯留領域表示部1770を小さく表示する一方、遊技球の数量が減少したときに貯留領域表示部1770を大きく表示することができる。
また、貯留領域表示部1770への表示として、必ずしも撮影した画像データをそのまま画像として表示する必要はなく、他の視点から見た画像データに対応するように変更した画像データを表示してもよい。例えば、撮影した画像データから一部の情報(例えば、遊技球の位置データ)を抽出し、他の画像データ(例えば、主貯留機構230を遊技者側から見た画像データ)と組み合わせる制御をし、遊技者側から主貯留機構230を見た画像データ、又は、上側から主貯留機構230を見た画像データを生成して貯留領域表示部1770へ表示してもよく、これにより、遊技者が遊技球の数量を違和感なく容易に把握することができる。
さらに、貯留領域表示部としては、遊技者の特定動作などに応じて表示方法を変更することが可能である。例えば、遊技者が手を挙げたり離席使用とするなどの特定動作に応じて貯留領域表示部1770を表示したりできる。
また、上記実施形態では、遊技者から視点角度又は特定動作を検出するカメラ装置600を使用して主貯留機構230の遊技球の貯留領域を撮影するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、単体のカメラ装置を設置し、主貯留機構230の遊技球の貯留領域を撮影しても良い。この場合、カメラ装置は、例えばフロントガラス199を挟んで主貯留機構230の後側に設置されたり、所持品載置部780の下側に設置されることにより、遊技球の貯留領域を確実に撮影することができる。
さらに、上記実施形態では、主貯留機構230の遊技球の数量を確認する数量確認手段として、カメラ装置600を用いて撮影する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば主貯留機構230の下側に重量センサを設置することも可能である。この場合、遊技球が通過する部分(底面部分)のみ検出するように重量センサを配置することにより、所持品の重量が加算されることによる貯留領域表示部の誤表示を防止できる。一方、所持品も含めて重量測定を行い、所持品が載置されている場合にのみ貯留領域表示部1770を表示させることも可能である。この場合、重量の上昇パターンを解析することにより、遊技球の数量を計算することができる。例えば遊技者が手で遊技球を補充する場合には、複数の遊技球が時間差でずれて段々と(線グラフで見ると階段状に)重量が大きくなっていく場合には、遊技球の重量が大きくなったと認識できる。また、なめらかに重量が上昇する場合には、所持品が載置されたと認識できる。
(5)上記した実施の形態においては、カメラ装置600によって撮影された画像から特定動作を検出するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば赤外線センサなどにより手をかざすなどの特定動作を検出することもできる。また、指紋認証などを組み合わることも可能である。この場合、所持品MMを載置したときに指紋を登録しておき、所持品MMを取り出したいときに特定動作として指紋を読み取らせる動作を検出する。そして登録された指紋と動作中に検出された指紋とを照合し、一致した場合にのみ動作対応処理としてカバー部711を開放するようにできる。また、特定動作としてパチンコ機100の前面に設けられた開閉ボタン(図示せず)を操作したり、カバー部711の前側に設けられたセンサーを触るようにしても良い。要は、パチンコ機100の前側における遊技者の特定動作に応じてカバー部711が開閉すれば良い。
なお、上記実施形態では、カバー部711が左右方向に開くようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、前後方向に開くようにしても良い。この場合、後側は固定とし、前側のカバー部のみが収納されるようにすることができる。これにより、パチンコ機100の前側以外からは所持品MMを取り出すことができないため、左右後側から第3者が所持品を盗むことを効果的に防止することができる。また、収納領域712は必ずしも必須ではない。例えば、一方の1/4球形状のカバー部を他方の1/4球形状のカバー部よりもわずかに小さく形成し、一方のカバー部を他方のカバー部に重ねて収納するようにしても良い。
さらに、カバー部711に施す装飾として、上述した形態とは異なる装飾として、キャラクタを模した装飾を表面に立体的に施した所持品載置部710を装飾部材701の内部に収容可能に構成しても良く、その装飾の一部は、カバー部711の動作に対応して変形動作可能に構成しても良い。例えば、載置制御部720は、所持品検出部713によって所持品が載置されていない状態において、カバー部711を開状態とする。載置制御部720は、大当りなどに当選すると、カバー部711を一時的に閉状態に移行させて大当り用の動作を行わせる。このとき、カバー部711以外の動作部材を併せて動作させるようにしても良い。当選に応じた動作が終了すると、カバー部711は閉状態へ移行する。一方、所持品検出部713によって所持品が載置されている状態において、載置制御部720は、カバー部711を閉状態とする。載置制御部720は、大当りに当選すると、カバー部711を閉状態に保ったまま、動作部材のみを動作させる。このように、所持品載置部710を所持品を護るだけでなく、大当り時などの際に演出として使用することも可能である。
また、上記実施形態では、カバー部711が自動駆動するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、遊技者が手動で操作することにより開閉しても良い。例えば、施錠のみ自動機能を設け、遊技者の特定動作を検出して自動的に施錠・解錠するようにしたり、逆に自動開閉と手動での施錠・解錠とを組み合わせることも可能である。
また、上記実施形態では、カバー部711が半球形状を有するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、所持品の前側以外(左右上下及び後側の5方)の少なくとも一部を覆う形状とすることにより、所持品を遊技者のいる前側以外から取りづらいようにすれば良い。
さらに、上記実施形態では、所持品載置部710,750,760が動作対応処理を実行するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、必ずしも動作対応処理を実行する必要はない。
また、上記実施形態では、所持品載置部760において収納箱764がロック機構を有するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、種々の構成のロック機構を設けることが可能である。例えば穴部763における面積の大きい対向する2面において、開口部から底部へ向けて距離が狭くなるような2枚の板バネをそれぞれ設け、所持品MMを挿入するときは簡単に挿入でき、取り出すときには力が必要となるようなロック機構を設ける。ロック解除ボタン769が押下されると、2枚の板バネの距離が大きくなり、簡単に取り出すようにすることができる。
また、所持品載置部760を遊技者によって操作可能な入力操作装置260の1つとして利用しても良い。例えば、収納箱764の底面を深さ方向に動作可能とし、その底面を常に入口側にバネ等の付勢手段によって付勢された状態とし、所持品を収納箱764に収納した状態で所持品を押し込む操作をした場合に収納箱764の底面が下方に進行する構成とする。そして、収納箱764の底面の進行操作は、副制御基板940に電気的に接続したセンサで検出し、その進行操作があった場合に、所定の演出を実行しても良い。所定の演出としては、例えば、カードユニットCUの残額が一定以下の場合における大当りを期待させる演出として、演出を実行する変動表示中に、収納箱764の上端が上面761とほぼ同じ高さまで持ち上げられて所持品を上方へ移動した状態とし、大当り抽選に当選している場合には、所持品を押し込むことで再度収納箱764が内部に押し込まれた状態で固定される一方、大当り抽選に当選していない場合には収納箱764を内部に押し込むことができないようにして所持品の取り出しを促すようにしても良い。これにより、所持品載置部760を利用した場合に限った演出によって所持品載置部760の利用を遊技者に促すことができ、また、遊技者が所持品に触れる機会を多くして所持品の使用頻度を高め、しかも、所持品の移動動作によっても定期的に所持品を注目させることができるので、所持品の置き忘れを効率良く防止することができる。
また、上記実施形態では、所持品載置部760は、下側に凹んだ箱状に構成されて、所持品が落下しないようにする構成について説明したが、所持品載置部710,750,760,780に対して所持品が落下しないようにする落下防止機能として他の構成を備えるものとしても良い。例えば、硬質の樹脂に比べて摩擦抵抗が高いゴム等の軟質の樹脂により表面を形成したり、所持品載置部の周縁に突出した環状の突出部を設けたり、表面の空気を吸引する吸引機構を設けて所持品を吸着させたりしても良く、かかる構成のいずれか又は複数を、所持品載置部710,750,760,780のいずれか又は複数に対して適用しても良い。
さらに、上記実施形態では、所持品載置部760が主貯留機構230の壁面の上側とほぼ同じ高さにその上面761を有するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば発射操作装置250のすぐ上部分において、パチンコ機100における遊技者の正面に位置する壁面に直接的に穴部763が設けられるようにしても良い。また、穴部763からはみ出る所持品を支持するために、所持品の少なくとも下側を支える受け口状の支持部が垂直の壁面から突出するように設けられても良い。この支持部は、例えば所持品の上下左右を囲むようリング状に設けられても良い。これにより、(接続する支持部の容積と併せて)穴部763の容積を実質的に大きくすることができ、より大きい所持品を収納することが可能となる。
また、上記実施形態では、通過孔783aは、前後方向に縦長形状を有する構成としたが、その縦長の通過孔783aの横幅は、前後方向において幅が異なるように構成しても良く、左右方向における一方側が前側に膨出する形状の貯留部231に対してはその膨出する先端側(遊技者に近い手前側)の方が幅広く、奥側(遊技者から遠い側)の方が幅狭となるように通過孔783aを構成しても良い。遊技球が進行する下流側から少しでも遠く離れた側に優先的に遊技球が進入し易くなるので、貯留部231における球詰まりを発生し難くすることができる。
また、上述した顔検出と動作対応処理とを結びつけて実行することも可能である。例えば、載置制御部720は、動作検出部721によって例えば遊技者が所定のボタンやセンサを操作するなどの予め定められた特定の離席前動作を検出すると、動作対応処理として、離席前動作を行ったときに検出された遊技者の顔情報を記憶すると共に、前記所持品を取れなくする所持品留保状態に遷移する。この後第3者が席に着席した場合、顔検出処理を行い、記憶された顔情報と一致しない場合には、当該第3者が特定動作を行っても、所持品留保状態は解除されず、第3者が所持品MMを盗難することができない。これにより、トイレや電話など、遊技者が短時間だけ離席する際に、所持品を載置したままにしても盗難を防止できる。
載置制御部720は、所持品留保状態において、前記離席前動作を行った遊技者の顔が再度検出されると、前記所持品留保状態を解除し、通常状態へ遷移する。これにより、所持品を載置した遊技者のみが所持品載置部710に載置された所持品を取ることができ、安全性を高めることができる。なお、遊技者として記憶される顔情報を取得するタイミングに制限はなく、例えば所持品載置部710に所持品を載置した前後であったり、遊技中であったりしても良い。要は、トラッキングなどにより遊技者が変わっていないことを確認できる範囲内であれば良い。
さらに、上述した実施の形態では、所持品載置部710,750,760,780がそれぞれ別個のパチンコ機100に搭載されるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、複数の所持品載置部710,750,760,780を一つのパチンコ機100に設置することができる。例えば、1台のパチンコ機100に対し、所持品載置部10,750の2つを設置したり、所持品載置部710,750,780や、所持品載置部710,760,780の3つを設置することもできる。
(5)上記実施形態においては、人物の顔を検出するとトラッキングモードに遷移する構成としたが、必ずしもトラッキングモードを有する必要はない。例えば、常に検出された人物の顔から視点角度Vを算出するようにしても良い。
上記実施形態においては、水平2方向(前後及び左右)と鉛直方向の3次元における遊技者の眼の位置に基づいて視点角度Vを算出する構成としたが、必ずしも3次元の検出を行う必要はない。例えば、左右方向及び鉛直方向のみに基づいて視点角度Vを算出するようにしても良い。この場合、鉛直方向の眼の位置に基づいて、遊技者が目の位置を前後方向に移動させた場合には顔を前後方向に移動させたものと仮定して視点角度Vを算出するようにすることにより、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。もちろん、左右方向及び鉛直方向のみを検出し、遊技者が目の位置を前後方向には移動させないという仮定で2次元敵に視点角度Vを算出しても良い。
上記実施形態においては、遊技者の目の位置が前後方向の移動を視点角度Vにのみ反映させる構成とした。本発明はこれに限らず、例えば、遊技者が装飾図柄表示装置479に対して顔を近づけると、眼に近い位置に存在する3Dモデルを拡大表示するようにしてもよい。これにより、遊技者がじっくりと見たいと思った3Dモデルを拡大して視認させる事ができ、娯楽性を向上させることができる。
上記実施形態においては、遊技者の顔サイズを登録して座っているときの基準とする構成としたが、必ずしも顔サイズを登録する必要はない。例えば、単純に眼間距離DEから装飾図柄表示装置479と遊技者との距離を推定するようにしても良い。
上記実施形態においては、顔の一部の状態として目の位置を検出する構成としたが、必ずしも目の位置を検出する必要はない。例えば、目の位置に代えて、又は、目の位置に加えて、口や耳、あごなど、他の位置を検出しても良いし、顔の向きを検出しても良いし、頭部全体の位置を検出してもよい。また、通常時には目の位置を検出し、遊技者がサングラスなどをかけていたことによって目の位置を検出できなかった場合に、口や耳などの位置から目の位置を推測するようにしても良い。
上記実施形態においては、顔の一部の状態として目の位置に応じた視点からの画像を画像データとして生成する構成について説明したが、当該構成に代えて、又は当該構成に加えて、顔の一部の向きに応じた視点からの画像を画像データとして生成しても良い。例えば、同一の目の高さ位置であっても、視線の向きの変化に応じて視点角度Vを変化させる構成としても良く、頭部全体としては一定の位置にあっても、顔を斜め上向きにしつつ視線を斜め下向きにして装飾図柄表示装置479を視認した場合に視点を上昇させて上から覗き込んだ状態の画像データを生成し、顔を斜め下向きにしつつ視線を斜め上向きにした場合に視点を下降させて下から見上げた状態の画像データを生成したりしても良い。左右方向に対しても、顔の向きを変化させつつ視線を顔の向きとは逆向きに変化させて装飾図柄表示装置479を視認した場合には、顔の向きを変化させた側へ視点を移動させた状態の画像データを生成しても良い。椅子に座った状態から視点を移動させるために、おしりを浮かせたり、逆にかがんだりする動作を煩わしく思ったり、左右に頭部を移動することで隣の遊技者への邪魔を心配したりする遊技者であっても、視点角度を変化させた画像による演出効果を楽しむことができる。また、視線の向きの変化に対応して視点角度を変化させた場合に、視点角度の変化を一般的な視線の向きの変化と一致させることができるので、視点の位置変化と視点角度の変化とが一致しなくても遊技者にとっては違和感の少ないものとすることができる。
上記実施の形態においては、装飾図柄表示装置479に抽選結果として複数の数字の組合せを表示するようにした。本発明はこれに限らず、例えば、数字に代えて、又は、数字に加えて、図柄や文字などの組み合わせによって抽選結果を表示しても良く、又は、装飾図柄表示装置479に表示した特定の文字やキャラクタ(例えば、魚群)を抽選結果に対応する構成とし、大当りの場合に限って特定の態様(例えば、確定の文字や、金色の魚群)によって抽選結果を表示しても良い。
上記実施の形態においては、第1カメラ装置600Cによって撮影された第1撮影データと第2カメラ装置600Dによって撮影された第2撮影データとの両方において顔が検出された場合には、2つの撮影データを使用して視点角度Vを算出するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばそれぞれの撮影データを解析し、遊技者の顔が向いている方向がより近く、信頼性が高いと判断された一の撮影データを使用して視点角度Vを算出するようにしても良い。
上記実施の形態の1つにおいては、第1カメラ装置600Aの下側移動状態において、基準顔サイズを更新する構成について説明したが、必ずしも下側移動状態において基準顔サイズを更新する必要はない。上記実施の形態のいずれかにおいて、遊技者が変更となったタイミングを検出した場合に基準顔サイズを更新するものとしても良く、例えば、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)において非接触の状態が一定時間(例えば、1分)以上継続した場合に基準顔サイズを消去し、その後に、遊技者が接触していることを検出する接触センサ254がオンとなった場合に基準顔サイズを新たに登録するようにしても良い。
上記実施の形態の1つにおいては、リーチ状態中における数字の変動表示部に重なるように第1カメラ装置600Aを移動させて基準顔サイズを登録(記憶)する構成について説明したが、必ずしもリーチ状態中に基準顔サイズを登録する必要はなく、前回以前の変動表示において登録した基準顔サイズを次回以降の変動表示における画像データの生成に使用しても良い。この場合には、基準顔サイズの登録がすでになされているか否かに応じて、第1カメラ装置600Aを下側移動状態にして基準顔サイズを登録する処理を実行するか否かを決定しても良い。すなわち、基準顔サイズの登録がすでになされている場合には、登録のない場合に比べて、第1カメラ装置600Aを下側移動状態にして基準顔サイズを登録する処理を実行する比率を低くして装飾図柄表示装置479の前に造形物491が重なる頻度を少なくし、一方、基準顔サイズの登録のない場合には第1カメラ装置600Aを下側移動状態にして基準顔サイズを登録する処理を実行する比率を高めて基準顔サイズを登録し易くしても良い。
上記実施の形態の1つにおいては、造形物491と一体化された第1カメラ装置600Aの下側移動状態において基準顔サイズを登録する構成について説明したが、造形物491が下側に移動する場合には、移動しない場合に比べて大当りの当選といった遊技者に有利な状況を遊技者が期待できる構成とすることが好ましく、例えば、低確率状態において造形物491が下側に移動しないリーチ状態においては略5%の確率で大当りの抽選結果が表示される一方、造形物491がリーチ状態において下側に移動した場合には移動しない場合の数倍以上の確率(例えば、30%以上の確率)で大当りの抽選結果が表示されるようにすることが好ましい。また、造形物491の移動動作を稀に発生させて遊技者が造形物491の移動動作を注目する構成とすることが好ましく、第1カメラ装置600Aの下側移動状態は、大当りの抽選確率(例えば、300分の1)に対して略5倍以下の動作確率(例えば、60分の1以下)に設定することが好ましく、略2倍以下の動作確率(例えば、150分の1以下)とすることが好適である。
上記実施の形態の1つにおいて、第1カメラ装置600Aの下側移動状態にて、基準顔サイズを検出できたか否かに応じて、装飾図柄表示装置479に表示される画像として視点角度Vの変化を利用した画像を表示するか否かを決定するものとしても良い。例えば、造形物491が下に下がった状態において、遊技者の顔サイズが第1カメラ装置600Aによって撮影された撮影データから検出できなかった場合には、図28に示すように大当りの抽選結果が表示された状態において、装飾図柄表示装置479に宝箱TBは表示せず、その後に視点角度Vの変化を用いない他の演出(例えば、複数のキャラクタが戦闘する演出)の画像を装飾図柄表示装置479に表示して、大当りの種類の抽選結果を表示するものとしても良い。
上記実施の形態においては、副制御基板940の表示データ生成部942は、3Dモデルデータを利用して視点からの投影画像を生成する構成について説明したが、必ずしも表示データ生成部942によって3Dモデルデータを利用して視点からの投影画像を生成する必要はない。画像データ記憶部941には、3Dモデルデータを利用した投影画像を2次元データに予め変換して画像データとして記憶し、その画像データとしては、複数の視点からの投影画像を記憶しておく。そして、表示データ生成部942によって、カメラ装置600によって検出された遊技者の状態に対応した視点からの投影画像を選択し、その投影画像を画像表示用のRAMに書き込むことによって視点からの投影画像を生成しても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
従来の遊技機においては、例えば液晶パネルからなる装飾図柄表示装置を備えており、当該装飾図柄表示装置に様々な画像を表示することが一般的である。上記従来の遊技機においては、これまでにない新しいタイプの画像を表示したいという要望があった。そこで、本発明に係る遊技機では、例えば、新しいタイプの画像を表示可能な遊技機を提供するという観点から、発明A群〜C群を抽出することができる。
<発明A群>
特徴A1:本発明の遊技機(パチンコ機100)は、
画像データを生成する画像データ生成手段(表示データ生成部942)と、
前記画像データを画像として表示する表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
前記表示手段を視認する人物の顔を撮影する撮影手段(カメラ装置600)と、
前記撮影手段によって撮影された撮影データから、前記人物の顔の少なくとも一部を検出する顔検出手段(顔検出部943)とを備え、
前記画像データ生成手段は、
前記人物の顔の少なくとも一部(目、口、耳、及び、頭部全体のいずれか又は組合せ)の状態(位置及び向きの少なくとも一方)に応じた視点からの投影画像を前記画像データとして生成することを特徴とする。
特徴A1に記載の遊技機であれば、人物の顔の少なくとも一部(例えば、目)の位置に応じた画像を装飾図柄表示手段に表示させることができるため、新しいタイプの画像を表示できると共に、遊技者の画像に対する興味を惹くことができ、遊技者を一層楽しませることができる。
なお、特徴A1に記載の遊技機において、画像データ生成手段は、人物の顔の少なくとも一部の変化に応じた視点からの投影画像を画像データとして生成するとしても良いし、人物の顔の少なくとも一部の変化に応じて、その変化した状況(位置、向き又は量)とは異なる状況に対応した視点からの投影画像を画像データとして生成するとしても良いし、人物の顔の向きの変化に応じた視点角度による視点からの投影画像を画像データとして生成するとしても良い。
特徴A2:特徴A1に記載の遊技機において、前記顔検出手段は、
前記人物の顔の一部の位置として、水平2方向及び鉛直方向の3次元を検出することを特徴とする。
特徴A2に記載の遊技機であれば、人物の顔の一部の位置を3次元的に把握することができるため、正確な視点角度Vを算出して画像に反映させることができる。
なお、人物の顔の一部としては、目の位置であることが好ましい。遊技者の視点が明確となると共に、周囲との輝度差が大きく、検出が容易だからである。また、人物の顔の一部に応じた画像として、人物の視点角度(視点角度V)を算出し、当該視点角度からの投影画像として画像データを生成しても良く、また、例えば視点角度に重み付けを行うことにより敢えて視点角度と相違する角度からの投影画像を画像データとしても良い。
特徴A3:特徴A1又は11に記載の遊技機において、前記画像データ生成手段は、
前記表示手段の正面側(又は正面に近い側)に前記人物の視点があるときは、容器内(宝箱TB)の内容物が見えないように前記画像データを生成し、
前記表示手段の正面側(又は正面に近い側)よりも上方向に前記人物の視点があるときは、前記容器内の内容物が見えるように前記画像データを生成することを特徴とする。
特徴A3に記載の遊技機であれば、敢えて遊技者に容器内の内容物を見えない状態の画像を表示手段に表示させることにより、遊技者の興味を惹き付け、遊技者に上方向から覗き込ませて内容物を確認させることにより、遊技者のわくわく感を高め、遊技機としての娯楽性を向上させることができる。
特徴A4:特徴A1〜特徴A3のいずれかに記載の遊技機において、前記顔検出手段は、
前記人物の目の位置として、前記表示手段に対して上下方向及び左右方向の2次元を検出し、前記上下方向における前記人物の目の位置に基づいて、前記表示手段に対して前後方向の前記人物の目の位置を推測することを特徴とする。
特徴A4に記載の遊技機であれば、単一の方向側から撮影した画像から距離の変化を推測することができるので、撮影手段を低コストで構成しつつ前後の視点変化に応じた画像データを生成することができる。
特徴A5:特徴A1〜特徴A4のいずれかに記載の遊技機において、前記顔検出手段は、
前記人物が座った状態の顔を基準として、前記表示手段に対して前後方向の前記人物の目の位置を検出することを特徴とする。
特徴A5に記載の遊技機であれば、人物の顔のサイズや顔の特徴に拘わらず、本人の顔を基準として前後方向の目の位置を検出できるため、前後方向の目の位置の検出精度を向上させ得る。
<発明B群>
特徴B1:本発明の遊技機は、
人物の顔を撮影する撮影手段(第1カメラ装置600A)と、
前記撮影手段によって撮影された撮影データから、前記人物の顔の少なくとも一部を検出する顔検出手段と、
前記人物の顔の少なくとも一部の状態に応じた視点からの投影画像を画像データとして生成する画像データ生成手段と、
前記画像データを画像として表示する表示手段と、
を備え、
前記撮影手段は、
前記表示手段に対して前後方向に重なる位置に配置可能に設置されていることを特徴とする。
特徴B1に記載の遊技機であれば、遊技者の顔の正面に配置される表示手段に対して前後方向に重なる位置に撮影手段を配置できるため、遊技者の顔を正面に近い位置から撮影することができる。
なお、表示手段に対して前後方向に重なる位置に配置可能に設置されているとは、少なくとも一時的に表示手段の前後方向に重なる位置に配置可能に設置されていることを意味する。一般的に遊技機は縦長であり、表示手段は横長であるため、左右方向に撮影手段を設置するスペースがない場合が多いため、撮影手段を移動させる場合には、遊技機正面視において表示手段の表示部に対して上下方向に隣接又は近傍に位置するように、撮影手段が設置された撮影装置(造形物491)を移動させることがより好ましい。また、撮影手段を移動させる必要はなく、撮影手段と表示手段との間に、前後方向に間隔を設ける(例えば10〜30cm程度)ことにより、撮影手段と表示手段とが前後方向に重なっていても遊技者に表示手段を視認させることが可能となる。さらに、表示手段の後側に撮影手段を配置しておき、例えば光の作用やマジックミラーなどを利用して撮影を行う事も可能である。例えば、通常1秒に60枚画像が表示される場合、画像を1枚抜くと同時にシャッタースピードを1/60秒未満にして撮影手段によって撮影を行うことにより、遊技者に殆ど気づかれることなく撮影を行う事が可能になる。
特徴B2:特徴B1に記載の遊技機において、前記撮影手段は、特定の状態になったときに、前記表示手段の前面側に重なる所定位置に移動することを特徴とする。
特徴B2に記載の遊技機であれば、表示手段の前面、すなわち遊技者の顔のほぼ正面に撮影手段を配置させることができ、遊技者の顔をほぼ正面から撮影して遊技者の顔の少なくとも一部の位置を正確に把握することができる。
特徴B3:特徴B2に記載の遊技機において、画像データ生成手段は、
複数の数字や図柄などの抽選柄(又は識別情報)の組み合わせにより抽選結果を表す抽選盤(又は結果表示部)を表示し、
前記撮影手段は、
前記抽選盤(又は結果表示部)に表示された前記抽選柄(又は識別情報の組合せ)があと一つで当選を示すリーチ状態の際、前記表示手段(又は、その結果表示部)の前面側に重なる位置に移動することを特徴とする。
特徴B3に記載の遊技機であれば、遊技者が真剣に表示手段を凝視することが多いリーチ状態において、遊技者をほぼ正面から撮影できるため、遊技者の顔の少なくとも一部の位置を正確に把握することができる。
特徴B4:特徴B1〜特徴B3のいずれかに記載の遊技機において、
前記撮影手段によって遊技者の顔が撮影できない場合であっても、遊技者の顔が撮影できるように設置された補助撮影手段(第2カメラ装置600B)を有することを特徴とする。
特徴B4に記載の遊技機であれば、遊技者の服装など種々の要因に起因して遊技者の顔の少なくとも一部が撮影できない場合であっても、相違する角度から遊技者を撮影できるため、撮影の成功確率を向上させ得る。
特徴B5:特徴B1〜特徴B4のいずれかに記載の遊技機において、前記顔検出手段は、
前記人物が座った状態の顔を基準として、前記表示手段に対して前後方向の前記人物の目の位置を検出することを特徴とする。
特徴B5に記載の遊技機であれば、遊技者の正面に近い位置から撮影された画像に基づいて、基準からの拡大・縮小率によって人物の前後方向の位置を推測できるため、推測精度を向上させ得る。
特徴B6:特徴B5に記載の遊技機において、前記撮影手段が前記表示手段の前面側に重なる位置に移動したときの、前記人物が座った状態の顔を基準とすることを特徴とする。
特徴B6に記載の遊技機であれば、遊技者のほぼ正面の位置から撮影された画像に基づいて、人物の前後方向の位置を推測できるため、推測精度を一段と向上させ得る。
なお、特徴B6に記載の遊技機において、撮影手段は、人物の顔以外の体の一部を撮影するものであり、その顔以外の体の一部(例えば、肩)と顔との相対位置(例えば、高さ位置)によって人物が座った状態であるか否かを判定する着座判定手段を有し、着座判定手段の判定結果によって人物が座った状態であるか否かを検出するものとしても良い。
<発明C群>
特徴C1:本発明の遊技機は、
人物の顔を撮影する複数の撮影手段(第1カメラ装置600A及び第2カメラ装置600B、第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600D)と、
前記複数の撮影手段によって撮影された複数の撮影データのうち、少なくとも一以上の撮影データから、前記人物の顔の少なくとも一部を検出する顔検出手段と、
前記人物の顔の少なくとも一部の状態に応じた視点からの投影画像を画像データとして生成する画像データ生成手段と、
前記画像データを画像として表示する表示手段とを有することを特徴とする。
特徴C1に記載の遊技機であれば、相違する角度から撮影された複数の撮影データに基づいて人物の顔の少なくとも一部を撮影できるため、撮影の成功確率を向上させ得る。
特徴C2:特徴C1に記載の遊技機において、
前記画像データ生成手段は、
前記複数の撮影データのうち、前記複数の撮影手段によって撮影された2以上の撮影データから前記人物の顔の少なくとも一部が前記顔検出手段によって検出された場合には、当該2以上の撮影データを用いて前記画像データを生成することを特徴とする。
特徴C2に記載の遊技機であれば、2以上の撮影データを用いて遊技者の顔の少なくとも一部を検出できるため、検出精度を向上させ得る。
特徴C3:特徴C2に記載の遊技機において、
前記画像データ生成手段は、
前記複数の撮影データのうち、前記顔検出手段によって2以上の撮影データから前記人物の顔の少なくとも一部が検出された場合には、2以上の撮影データからそれぞれ算出された視点の平均値に基づいて前記投影画像を生成することすることを特徴とする。
特徴C3に記載の遊技機によれば、相違する角度から撮影された2以上の撮影データから算出された視点の平均値に基づいて投影画像の視点を決定できるため、視点の算出精度を向上させ得る。
特徴C4:特徴C3に記載の遊技機において、
前記複数の撮影データのうち、前記顔検出手段によって2以上の撮影データから前記人物の顔の少なくとも一部が検出された場合には、信頼性の高い撮影データから算出された視点を、前記投影画像を生成する際の視点とすることを特徴とする。
特徴C4に記載の遊技機によれば、信頼性の高い撮影データから算出された精度の高い視点を用いて、設計通りの投影画像を生成できる。
特徴C5:特徴C1〜特徴C4のいずれかに記載の遊技機において、画像データ生成手段は、人物の顔の少なくとも一部の変化に応じて、その変化した状況(位置、向き又は量)とは異なる状況に対応した視点からの投影画像を画像データとして生成することを特徴とする。
特徴C5に記載の遊技機によれば、視点の検出精度を向上させ得るため、例えば、遊技者の小さな動きに正確に反応して投影画像を大きく動かしたり、拡大させたりしても、違和感のない投影画像を生成できる。
特徴C6:特徴C1〜特徴C5のいずれかに記載の遊技機において、
前記複数の撮影手段として、
前記表示手段に対して前後方向に重なる位置に配置可能に設置された第1撮影手段(第1カメラ装置600A)と、
前記表示手段に対して前後方向に重ならない位置に配置された第2撮影手段(第2カメラ装置600B)とを備え、
前記顔検出手段は、前記第1撮影手段によって前記人物の顔の少なくとも一部を検出した場合に、前記第2撮影手段によって撮影された前記人物の顔の少なくとも一部を記憶する顔記憶手段(図33のS309の処理)を備え、
前記画像データ生成手段は、
前記顔記憶手段によって記憶された前記人物の顔の少なくとも一部と、その記憶後において前記第2撮影手段によって撮影された前記人物の顔の少なくとも一部との状態に応じた視点からの投影画像を前記画像データとして生成することを特徴とする。
特徴C6に記載の遊技機によれば、第1撮影手段によって表示手段に対して前後方向に重なる位置から人物の顔の少なくとも一部を検出したタイミングにおける第2撮影手段によって撮影された人物の顔の少なくとも一部を記憶手段によって記憶しておくことができる。このため、第2撮影手段のみによっては、遊技者が表示手段に対して正面側に位置するか否かの判定が困難な場合であっても、第1撮影手段を利用して遊技者の状況を判定し、その状況として好適なタイミングを第1撮影手段による撮影データによって正確に判定することができる。そして、その好適なタイミングにおける遊技者の状況を顔記憶手段によって第2撮影手段による撮影データとして記憶し、画像データ生成手段による画像の生成に利用することができるので、第1撮影手段による撮影データが利用不能な状況が後に発生しても、第2撮影手段による撮影データを利用して視点からの投影画像を生成することができる。よって、第1撮影手段を遊技者から邪魔にならない位置に移動(退避)させるなど第1撮影手段の配置位置を変化させても、人物の顔の少なくとも一部の状態変化に対応した投影画像を好適に生成することができ、表示手段と撮影手段とを利用した演出設定の自由度を高めることができる。
<発明D群>
特徴D1:本発明の遊技機は、
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技球の流下領域)と、
該遊技領域の下側に設けられ、遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に使用される遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
遊技機の上面より突出した第1状態と、当該上面から退避した第2状態とに変位可能に設けられ、前記第1状態において、前記遊技機の上面に載置された遊技者の所持品の後面、左右側面の少なくとも一部を覆う所定の収容空間を内側に形成可能なカバー手段(カバー部711)とを有し、
該カバー手段は、遊技者によって視認可能な所定の装飾が付された装飾部を有し、遊技の状況に応じた複数種類の態様に前記装飾部が変化可能な構成とされていることを特徴とする。
従来の遊技機には、図柄を表示する表示装置が設けられ、当該表示装置に抽選結果を含む様々な画像を表示して遊技者に遊技の状況を認識させる。また、遊技者に抽選の当選を期待させる演出として、表示装置とは別に、発光体を内蔵した装飾部を固定的に、または動作可能に配置し、この装飾部の発光態様を変化させる等の演出が行われている(例えば、特開2012−223388号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、演出装置の他にも、遊技者によって操作される操作装置や、遊技媒体を貯留するための貯留装置など、種々の機能を有する装置に対応したスペースが必要であり、従来の機能に対して他の機能を付加するスペースを確保することが難しい場合がある。
特徴D1に記載の遊技機によれば、遊技機の上面より上方に、遊技者の所持品を載置し、この所持品を、カバー手段によって形成される収容空間内に収容可能に構成することができる。このため、遊技機正面視の外形より内側には従来と同様の部品スペースを確保することが可能となり、遊技者が利用可能なスペースであって遊技者の所持品を収容可能な新たな機能を付加するスペースを好適に設定することができる。
また、カバー手段に装飾部が設けられ、遊技の状況に応じた複数種類の態様に変化可能に構成されているので、カバー手段を装飾部品として利用することができる。よって、所持品を遊技機の上面に載置しない遊技者に対しても、遊技機の上面より突出するカバー手段を利用した演出を提供することができる。
また、遊技者の所持品の裏面、左右側面及び上面と、載置された下面の少なくとも一部が覆われているため、遊技者がいる前面側とは別の方向からは、所持品を取り出し難くすることができる。このため、遊技者が遊技に夢中になっていても、第3者によって当該所持品が盗まれてしまうリスクを低減できる。
なお、覆うとは、カバー手段と所持品とが接触する必要はなく、要は、所持品に対して後方及び左右方向から所持品を取り難くできればよく、所持品と離隔した壁のようなものを含んでいる。
また、複数種類の態様に装飾部が変化するとは、遊技者が視認したカバー手段の態様が変化するものであれば良く、例えば、カバー手段の第1状態と第2状態との変位によって態様が変化するものであっても良いし、カバー手段に設けられて複数の色で発光可能な発光体の発光色の違いによって態様が変化するものでも良いし、カバー手段に画像を表示可能な画像表示部を設けて画像表示部に表示される画像の変化によって態様が変化するものであっても良いし、上記した態様変化の複数の構成を組み合わせたものであっても良い。
特徴D2:特徴D1に記載の遊技機において、
前記カバー手段は、
開閉可能な開閉機構を有しており、
閉状態において、前記所持品の全面を覆い隠し、
前記遊技機の前側からの操作によって前記カバー手段を前記開状態に移行させることを特徴とする。
特徴D2に記載の遊技機によれば、閉状態のカバー手段が遊技機の前側からしか開状態に移行させることができないため、遊技中の遊技者に気づかれることなく第3者が所持品を持ち出すことを困難にできる。
特徴D3:特徴D2に記載の遊技機において、
前記開閉機構を駆動し、開状態と閉状態と切り替える駆動手段(駆動装置703)と、
前記駆動手段を制御する載置制御部(載置制御部720)と
を有することを特徴とする。
特徴D3に記載の遊技機によれば、自動で開閉機構が駆動するため、遊技者の所持品を取り出す操作を容易にできる。
特徴D4:特徴D3に記載の遊技機において、
遊技機の上面に前記所持品が載置されたことを検出する載置検出手段(所持品検出部713)をさらに有し、
前記載置制御部は、
前記載置検出手段によって前記所持品が載置されたことが検出された場合に、
前記カバー手段を閉状態に遷移させることを特徴とする。
特徴D4に記載の遊技機によれば、所持品を載置するだけで、カバー手段が閉状態に移行するため、遊技者の操作を簡易にすることができる。
特徴D5:特徴D3又は特徴D4に記載の遊技機において、
遊技者を撮影可能な撮影手段(カメラ装置600)と、
前記撮影手段によって撮影された画像から、遊技者及び遊技者の動作を検出する動作検出手段(動作検出部721)と、
前記閉状態において前記カバー手段の鍵手段(施錠装置717)の施錠を行う施錠手段(駆動装置704)を有し、
前記施錠手段は、
前記動作検出手段によって所持品を載置した遊技者が所定の特定動作を行ったことが検出されると、前記鍵手段を解錠させることを特徴とする。
特徴D5に記載の遊技機によれば、施錠により、閉状態における所持品の安全性を一層高めることができる。
特徴D6:特徴D5に記載の遊技機において、
前記載置制御手段は、
前記施錠手段による解錠の後、前記駆動手段によって前記カバー手段を開状態へ遷移させることを特徴とする。
特徴D6に記載の遊技機によれば、カバー手段の解錠・開放を自動的に行うことができるため、遊技者の所持品を取り出す操作を容易にできる。
特徴D7:特徴D5又は特徴D6記載の遊技機において、
前記載置検出手段によって前記所持品が載置されていることが検出されている状態において、前記所持品を載置した遊技者が所定の特定動作を行ったことが前記動作検出手段によって検出された場合に、当該遊技者に対して所定の情報を出力する情報出力手段を有することを特徴とする。
特徴D7に記載の遊技機によれば、特定動作に対応するアナウンスや警告音などを遊技者に供給することができるため、例えば所持品を置いたまま離席しようとした場合などに警告を発することができる。
特徴D8:特徴D1〜特徴D7のいずれかに記載の遊技機において、
遊技媒体としての遊技球が進入した場合に所定の抽選が実行される始動部(始動入賞装置431)と、
前記遊技球の進入確率が変化する複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の特典が遊技者に付与される可変入賞部(中大入賞装置434)と、
前記始動部への遊技球の進入によって所定の抽選に当選した場合に、前記可変入賞部における遊技球の進入確率を制御して所定の特別遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(主制御基板920)とを有し、
前記始動部と前記可変入賞部との少なくとも一方が、前記所持品が載置される上面に近い位置に設けられていることを特徴とする。
なお、近い位置とは、遊技領域を上中下の3ゾーンに3分割したときに、遊技領域の上ゾーン内に位置することをいう。
特徴D8に記載の遊技機によれば、遊技者の注目度の高い前記始動部や前記可変入賞部の近くに所持品を載置するため、所持品に何かトラブルが発生した場合に、遊技者に気づかせやすくすることができる。
<発明E群>
特徴E0:本発明の遊技機は、
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技球の流下領域)と、
該遊技領域の下側に設けられ、遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に使用される遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
前記遊技者の所持品の少なくとも下側を支持可能な所持品支持手段(所持品載置部710,750,760)と、
該所持品支持手段に前記遊技者の所持品が支持された状態において遊技者による特定動作が実行された場合に、所定の動作対応処理を実行する動作対応実行手段(載置制御部720)とを有することを特徴とする。
従来の遊技機には、図柄を表示する表示装置が設けられ、当該表示装置に抽選結果を含む様々な画像を表示して遊技者に遊技の状況を認識させる。また、遊技者に抽選の当選を期待させる演出として、表示装置とは別に、発光体を内蔵した装飾部を固定的に、または動作可能に配置し、この装飾部の発光態様を変化させる等の演出が行われている。この種の遊技機は、一般的に、多数の遊技機が横並びで設置可能な島設備に設置され、遊技者は、財布や携帯電話などの所持品を持参している場合、遊技機の前側下部にて遊技者側に突出して球箱を載置する球箱載置台に所持品を載置して遊技を行う場合がある(例えば、特開2006−034353号公報参照)。
しかしながら、遊技に集中しすぎてしまったり、長時間にわたって所持品を使用しない状況が継続すると、遊技者が所持品を忘れて移動してしまう可能性があるという問題点があった。
特徴E0に記載の遊技機によれば、遊技者による所持品の置き忘れを防止することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者の特定動作に対して、例えば所持品忘れを警告したり、所持品を載置し易く若しくは取りやすくしたり、所持品を押し込むなどの操作によって遊技者の入力操作を実行可能としたりするなど、所持品が支持された状態における特定動作に応じた動作対応処理を実行できる。このため、所持品支持手段による所持品載置箇所の利便性によってその利用を促し、長時間にわたって所持品を使用しない状況が継続しても警告が発生し易くなって所持品の置き忘れを防止し、また、所持品の使用頻度を高めることによっても所持品の置き忘れを防止することができる。
特徴E1:特徴E0に記載の遊技機において、
前記所持品支持手段における前記所持品の有無を検出可能な所持品検出手段(所持品検出部713)と、
前記遊技者による所定の特定動作を検出する動作検出手段(動作検出部721)と、
前記特定動作が検出された場合に、所定の動作対応処理を実行する動作対応実行手段(載置制御部720)とを有することを特徴とする。
特徴E1に記載の遊技機によれば、遊技者による所定の特定動作を検出した場合に、その特定動作に対応した動作対応処理を動作対応実行手段によって実行することができるので、動作対応処理によって所持品忘れを警告したり、所持品を載置し易く若しくは取りやすくしたりすることができる。
特徴E2:特徴E1に記載の遊技機において、
前記動作検出手段は、
前記遊技者が前記遊技機から離れようとしていることを検出し、
前記動作対応実行手段は、
前記遊技者に対して所定の音声を出力することを特徴とする。
特徴E2に記載の遊技機によれば、遊技者が離席する際に、所持品を載置したままにすることを防止することができる。
特徴E3:特徴E1又は特徴E2のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者の顔を検出する顔検出手段(顔検出部943)を有し、
前記動作対応実行手段は、
前記動作検出手段によって所定の離席前動作を検出すると、前記動作対応処理として、離席前動作を行ったときに検出された遊技者の顔情報を記憶し、前記所持品を取れなくする所持品留保状態に遷移する。
特徴E3に記載の遊技機によれば、トイレや電話など、遊技者が短時間だけ離席する際に、所持品を載置したままにしても盗難を防止できる。
特徴E4:特徴E3に記載の遊技機において、
前記動作対応実行手段は、
当該所持品留保状態において、前記離席前動作を行った遊技者の顔が再度検出されると、前記所持品留保状態を解除し、所持品が取れる通常状態へ遷移する
ことを特徴とする。
特徴E4に記載の遊技機によれば、所持品を載置した遊技者の顔が再度検出されたときに所持品を取れるようにしたため、遊技者が何ら操作しなくても所持品が取れる通常状態に遷移することが可能となる。
特徴E5:特徴E1〜特徴E4のいずれかに記載の遊技機において、
前記動作検出手段は、
前記遊技者が前記所持品を取ろうとしていることを検出し、
前記動作対応実行手段は、
前記遊技者が前記所持品を取りやすくなるよう取得容易化処理を実行する。
特徴E5に記載の遊技機によれば、遊技者が所持品を取ろうとしているときにのみ所持品を取りやすくできるため、所持品を取る必要のないときには盗難の危険を低下させつつ、必要なときだけ所持品を取りやすくできる。
特徴E6:特徴E5に記載の遊技機において、
前記所持品の少なくとも一部を収納する収納部と、
前記収納部を可動させることにより、前記所持品における前記収納部に収納された収納領域が増大した収納状態と前記所持品における前記収納部に収納されていない開放領域が増大した開放状態とに遷移させる可動部とを有し、
前記動作対応実行手段は、
取得容易化処理として、前記可動部を制御することにより、前記収納部を開放状態に遷移させることを特徴とする。
特徴E6に記載の遊技機によれば、所持品を取る必要のないときには所持品の開放領域を小さくして盗難の危険を小さくする一方、必要なときには開放領域を増大させて所持品を取りやすくできる。
特徴E7:特徴E5又はE6に記載の遊技機において、
前記所持品を覆うカバー手段と、
前記カバー手段を開閉させて開状態及び閉状態に遷移させる開閉手段とを有しており、
前記動作対応実行手段は、
取得容易化処理として、前記開閉手段を制御することにより、前記カバー手段を開状態に遷移させることを特徴とする。
特徴E7に記載の遊技機によれば、所持品を取る必要のないときにはカバー手段を閉状態にして所持品の盗難の危険を小さくする一方、必要なときにはカバー手段を開状態にして所持品を取りやすくできる。
特徴E8:特徴E6又はE7のいずれかに記載の遊技機において、
前記所持品を取り出せないロック状態及び所持品を取出可能なロック解除状態へと遷移させるロック手段を有しており、
前記動作対応実行手段は、
取得容易化処理として、前記ロック手段を前記ロック解除状態へと遷移させることを特徴とする。
特徴E8に記載の遊技機によれば、所持品を取る必要のないときにはロック状態にして所持品の盗難の危険を小さくする一方、必要なときにはロック解除状態にして所持品を取りやすくできる。
特徴E9:特徴E6又は特徴E8のいずれかに記載の遊技機において、
前記所持品検出手段は、
前記遊技者によって前記収納部に前記所持品が収納されたことに伴って前記収納部が動くことにより、前記可動部が前記収納状態に遷移することを特徴とする。
特徴E9に記載の遊技機によれば、機械的な構造で収納状態への遷移を可能とするため、構成を簡易にできる。
特徴E10:特徴E9に記載の遊技機において、
前記所持品検出手段は、
前記可動部が収納状態か開放状態かによって、前記所持品の有無を検出することを特徴とする。
特徴E10に記載の遊技機によれば、可動部の位置によって所持品の有無を検出することができるため、重量センサなどのセンサ装置を用いる必要がなく、所持品検出のための構成を簡易にできる。
<発明F群>
特徴F1:本発明の遊技機は、
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技球の流下領域)と、
該遊技領域の下側に設けられ、遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に使用される遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
前記貯留手段の少なくとも一部の上側に重なり、遊技者の所持品の下側を支持可能な所持品支持手段(所持品載置部780)を有し、
該所持品支持手段は、外形の内側にて前記貯留手段に貯留された前記遊技媒体を視認可能であって、外形の内側を通じて前記貯留手段へ遊技球を補充可能に構成されていることを特徴とする。
従来の遊技機には、図柄を表示する表示装置が設けられ、当該表示装置に抽選結果を含む様々な画像を表示して遊技者に遊技の状況を認識させる。また、遊技者に抽選の当選を期待させる演出として、表示装置とは別に、発光体を内蔵した装飾部を固定的に、または動作可能に配置し、この装飾部の発光態様を変化させる等の演出が行われている。この種の遊技機は、一般的に、多数の遊技機が横並びで設置可能な島設備に設置され、遊技者は、財布や携帯電話などの所持品を持参している場合、遊技機の前側下部にて遊技者側に突出して球箱を載置する球箱載置台に所持品を載置して遊技を行う場合がある(例えば、特開2006−034353号公報参照)。
従来の遊技機において、球箱載置台に所持品を載置した場合には遊技者の視界に所持品が入りにくく所持品の置き忘れや盗難の危険性があり、また、遊技者が視認し易い場所に所持品を置くスペースもなく、所持品の置き場所を確保し難いという問題点があった。
特徴F1に記載の遊技機によれば、貯留手段に貯留されている遊技媒体への視界を確保しつつ、遊技者の正面に所持品を載置する場所を確保できるため、所持品の盗難や置き忘れの危険を著しく低下させることができる。また、貯留手段は、遊技者が遊技媒体の残り量を確認したり、遊技媒体を追加投入したりして注意を向ける箇所であって、遊技者の視界に入り易い箇所でもあるので、その上側に重なるように所持品が置かれることによって、遊技者が所持品に注意を向け易く、所持品の置き忘れや盗難の危険性を低下させることができる。
特徴F2:特徴F1に記載の遊技機において、
前記所持品支持手段には、
前記遊技媒体を前記貯留手段へ複数個並んで通過可能な通過孔が1又は複数設けられていることを特徴とする。
特徴F2に記載の遊技機によれば、所持品支持手段の上から貯留手段へそのまま遊技媒体を補充することができるため、遊技媒体の補充のために所持品支持手段を取り除くなどの行為が不要となる。
特徴F3:特徴F2に記載の遊技機において、
前記通過孔は、前後方向に連続する縦長形状に形成されており、横方向に複数並んで形成されていることを特徴とする。
特徴F3に記載の遊技機によれば、短手方向に対して通過孔の周囲(接続部分)を渡すことができるため、通過孔を大きく形成しつつ物理的強度を確保できる。
特徴F4:特徴F2〜特徴F3のいずれかに記載の遊技機において、
前記所持品支持手段は、
少なくともその一部が棒状部材を前後及び左右方向に格子状に並べる、又は棒状部材を前後方向に並べることにより、前記通過孔を形成していることを特徴とする。
特徴F4に記載の遊技機によれば、通過孔の面積を大きくして貯留手段への遊技媒体の補充に与える影響を小さくすることができる。
特徴F5:特徴F1〜特徴F4のいずれかに記載の遊技機において、
前記所持品支持手段は、
少なくともその一部が透明の板状部材で形成されていることを特徴とする。
特徴F5に記載の遊技機によれば、貯留手段における遊技媒体の数量を遊技者に確認させつつ貯留手段への埃の侵入を防止できる。
特徴F6:特徴F1〜特徴F5のいずれかに記載の遊技機において、
前記所持品支持手段は、
前記遊技機の外側に向けて面積を拡大可能な拡大機構を有していることを特徴とする。
特徴F6に記載の遊技機によれば、貯留手段以外の領域に所持品を載置可能な領域をつくることができ、所持品が貯留手段の内部の視認性を低下させることを防止することができる。
特徴F7:特徴F6に記載の遊技機において、
前記所持品支持手段は、
回転部を中心として前記貯留部の上側に折り畳まれた拡大部を前記遊技機の外側に向けて広げることにより、面積を拡大させることを特徴とする。
特徴F7に記載の遊技機によれば、簡易な構成で拡大機構を設けることができる。
特徴F8:特徴F6に記載の遊技機において、
前記所持品支持手段は、
拡大部をスライドさせて前記遊技機の外側に向けて広げることにより、面積を拡大させることを特徴とする。
特徴F8に記載の遊技機によれば、簡易な構成で拡大機構を設けることができる。
特徴F9:特徴F1〜特徴F8のいずれかに記載の遊技機において、
遊技媒体としての遊技球が進入した場合に所定の抽選が実行される始動部と、
前記遊技球の進入確率が変化する複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の特典が遊技者に付与される可変入賞部と、
前記始動部への遊技球の進入によって所定の抽選に当選した場合に、前記可変入賞部における遊技球の進入確率を制御して所定の特別遊技状態を発生させる遊技状態制御手段とを有し、
前記始動部と前記可変入賞部との少なくとも一方が、前記所持品支持手段に近い位置に設けられていることを特徴とする。
特徴F9に記載の遊技機によれば、遊技者の注目度の高い前記始動部や前記可変入賞部の近くに所持品を載置するため、所持品に何かトラブルが発生した場合に、遊技者に気づかせやすくすることができる。
<発明G群>
特徴G1:本発明の遊技機は、
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技球の流下領域)と、
該遊技領域の下側に設けられ、遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に使用される遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
所定の抽選条件が成立した場合に所定の抽選確率で成立する抽選を実行する抽選手段(主制御基板920)と、
前記遊技者の所持品の少なくとも下側を支持し、少なくとも一部が可動可能な所持品支持手段(所持品載置部1710)と、
前記所持品支持手段に前記所持品が支持されているか否かを検出する所持品検出手段(所持品検出部713)と、
前記所定の抽選条件が成立して前記抽選手段による前記抽選が実行された抽選実行状態において、前記所持品の支持の有無に応じて、前記所持品支持手段に対して相違する制御を実行させる演出実行手段(副制御基板940)とを有することを特徴とする。
従来の遊技機には、図柄を表示する表示装置が設けられ、当該表示装置に抽選結果を含む様々な画像を表示して遊技者に遊技の状況を認識させる。また、遊技者に抽選の当選を期待させる演出として、表示装置とは別に、発光体を内蔵した装飾部を固定的に、または動作可能に配置し、この装飾部の発光態様を変化させる等の演出が行われている(例えば、特開2012−223388号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、演出装置の他にも、遊技者によって操作される操作装置や、遊技媒体を貯留するための貯留装置など、種々の機能を有する装置に対応したスペースが必要であり、従来の機能に対して他の機能を付加するスペースを確保することが難しい場合がある。
特徴G1に記載の遊技機によれば、抽選実行状態において所持品の支持の有無に応じて演出実行手段によって所持品支持手段に対して相違する制御を実行させるので、所持品支持手段に当該所持品支持手段以外の機能として抽選結果に対応した演出機能を持たせることができる。よって、所持品を支持するための用途に所持品支持手段のスペースを利用するだけではなくその他の用途に利用可能なスペースとして活用することができる。
なお、抽選実行状態とは、抽選が行われてから当該抽選結果に応じて行われるイベント期間中のことをいう。例えば、抽選結果が当選の場合には、抽選が実行されてから当選の結果行われる特別遊技状態までを指す。
また、特徴G1に記載の遊技機において、始動入賞手段(第1始動入賞装置431)を備え、始動入賞手段へ遊技球が進入することを条件として所定の抽選条件が成立するものとしても良い。
特徴G2:特徴G1に記載の遊技機において、
前記所持品支持手段は、
遊技機の上面より突出した第1状態と、当該上面から退避した第2状態とに変位可能に設けられ、前記第1状態において、前記遊技機の上面に支持された遊技者の所持品の後面、左右側面の少なくとも一部を覆う所定の収容空間を内側に形成可能なカバー手段(カバー部711)を有し、
前記演出実行手段は、前記抽選実行状態において、
前記所持品支持手段に前記所持品が支持されている場合には、前記カバー手段を第1状態のまま維持する一方、前記所持品が支持されていない場合には、前記カバー手段を駆動させるカバー演出部を有することを特徴とする。
特徴G2に記載の遊技機によれば、所持品が支持されている場合には、カバー手段を第1状態に維持して所持品を護ることを優先する一方、所持品が支持されていない場合には、カバー手段を駆動して装飾部材として使用することができる。
特徴G3:特徴G2に記載の遊技機において、
前記演出実行手段は、前記所持品が支持されていない場合には前記第2状態を維持し、前記抽選実行状態において、所定の条件を満たした場合に前記第1状態へと遷移する状態制御部を有することを特徴とする。
特徴G3に記載の遊技機によれば、抽選実行状態のときに通常のときとは大きく相違する形態をとることができるため、装飾部材としてのインパクトを大きくすることができる。
特徴G4:特徴G2に記載の遊技機において、
前記演出実行手段は、は、前記所持品が支持されていない場合には第1状態を維持し、前記抽選実行状態に移行すると、反復運動するように駆動する反復制御部を有することを特徴とする。
特徴G4に記載の遊技機によれば、所持品支持手段の存在を常にアピールできると共に、所持品支持手段を装飾部材として活用できる。
特徴G5:特徴G2〜特徴G4のいずれかに記載の遊技機において、
前記カバー手段とは別構成でなり、前記上面から退避可能であり、前記抽選実行状態において前記上面より突出する動作が可能な装飾手段を有することを特徴とする。
特徴G5に記載の遊技機によれば、前記カバー手段の装飾機能を補助し、抽選実行状態における装飾機能を強化することができる。
特徴G6:特徴G1〜特徴G5のいずれかに記載の遊技機において、
前記抽選実行状態において、前記所持品支持手段に前記所持品が支持されている場合には、前記所持品に対して遊技者に操作を行わせるよう遊技者に対して通知する通知手段を有することを特徴とする。
特徴G6に記載の遊技機によれば、所持品支持手段を利用して、遊技者に所持品を介した操作を行わせるといった新しい遊技機を提供できる。
特徴G7:特徴G1〜特徴G6のいずれかに記載の遊技機において、
前記所持品支持手段は、
前記所持品の少なくとも一部を収納する収納部(穴部1763)と、
前記収納部における開口部を入口側としたときに奥側に位置する奥側面(移動板1764)を、入口側から奥側へ向かう正方向に変位させることにより、前記所持品における前記収納部に収納された収納領域が増大した収納状態へ遷移させる一方、前記収納部を前記正方向とは反対の逆方向に変位させることにより前記所持品における前記収納領域が縮小した開放状態とに遷移させる可動制御部とを有し、
前記可動制御部は、前記抽選実行状態において、前記所持品支持手段に前記所持品が支持されている場合に、前記奥側面を前記逆方向へ変位させることにより、前記所持品を前記正方向へ押す押操作を行わせるように前記遊技者に対して促すことを特徴とする。
特徴G7に記載の遊技機によれば、所持品が支持された所持品支持手段をボタンのように操作させることができる。
特徴G8:特徴G7に記載の遊技機において、
前記可動制御部は、前記抽選結果が所定の特典を付与する所定の抽選結果でなかった場合に、前記遊技者の前記押操作の後に再度対向面を前記逆方向へ変位させることを特徴とする。
特徴G8に記載の遊技機によれば、抽選結果に応じて所持品支持手段の演出を変化させるため、所持品支持手段の役割を増大させると共に、抽選結果が所定の特典を付与する所定の抽選結果でなかった場合に遊技者に所持品を取り出しやすくできる。
<発明H群>
特徴H0:本発明の遊技機は、
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技球の流下領域)と、
該遊技領域の下側に設けられ、遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に使用される遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
前記貯留手段における遊技媒体の貯留領域を表示可能な貯留領域表示手段(貯留領域表示部1770)とを有することを特徴とする。
従来の遊技機には、図柄を表示する表示装置が設けられ、当該表示装置に抽選結果を含む様々な画像を表示して遊技者に遊技の状況を認識させる。また、遊技者に抽選の当選を期待させる演出として、表示装置とは別に、発光体を内蔵した装飾部を固定的に、または動作可能に配置し、この装飾部の発光態様を変化させる等の演出が行われている(例えば、特開2012−223388号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、演出装置の他にも、遊技者によって操作される操作装置や、遊技媒体を貯留するための貯留装置など、種々の機能を有する装置に対応したスペースが必要であり、このようなスペースを設定したことによって遊技媒体の残量確認がしづらくなる場合もある。
そこで、本発明に係る遊技機では、例えば、遊技媒体の貯留領域を直視し難い視点位置から貯留領域の内部状態を簡単に確認可能な遊技機を提供することを目的としている。
特徴H0に記載の遊技機であれば、貯留領域表示手段を見れば貯留領域の内部状態を把握できるため、遊技者がわざわざ貯留手段を直接見る必要がない。よって、遊技媒体の貯留領域を直視し難い視点位置から貯留領域の内部状態(例えば、遊技媒体の有無や概ねの数量)を簡単に確認可能とすることができる。
なお、特徴H0に記載の遊技機において、前記貯留手段の少なくとも一部の上側に重なり、遊技者の所持品の下側を支持可能な所持品支持手段(所持品載置部780)を有することとしてもよく、これにより、所持品支持手段の上に所持品を支持させたことによって貯留手段の中が直接視認しづらくても、貯留領域の内部状態を簡単に確認することができる。また、貯留手段における遊技媒体の貯留領域を表示可能な貯留領域表示手段は、遊技媒体の貯留領域の少なくとも一部を表示可能な表示手段であればよい。
特徴H1:特徴H0に記載の遊技機において、
前記貯留手段における遊技媒体の貯留領域を撮影する貯留領域撮影手段(カメラ装置600)を備え、
前記貯留領域表示手段は、前記貯留領域撮影手段によって撮影された撮影データを用いて遊技媒体の貯留領域を表示することを特徴とする。
特徴H1に記載の遊技機によれば、貯留手段における貯留領域の内部状態を遊技者が撮影データを用いて表示される貯留領域表示手段によって確認できる。このため、貯留手段の中が直接視認しづらくても、貯留領域の内部状態を簡単かつ判り易い態様で確認することができる。
特徴H2:特徴H1に記載の遊技機において、
前記貯留領域撮影手段は、前記貯留手段における遊技媒体の貯留領域と遊技者とを撮影可能な撮影手段であり、
前記貯留領域撮影手段によって撮影された撮影データから遊技者の動作や位置などの遊技者情報を検出する遊技者情報検出手段(顔検出部943,動作検出部721)が設けられることを特徴とする。
特徴H2に記載の遊技機によれば、遊技者情報を検出するために使用される撮影手段をそのまま貯留領域撮影手段として使用することができるため、構成を簡易にすることができる。
特徴H3:特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機において、画像データを生成する画像データ生成手段(表示データ生成部942)と、
前記画像データを画像として表示する表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
前記撮影手段によって撮影された撮影データから、前記人物の顔の少なくとも一部を検出する顔検出手段(顔検出部943)とを備え、
前記画像データ生成手段は、
前記人物の顔の少なくとも一部(目、口、耳、及び、頭部全体のいずれか又は組合せ)の状態(位置及び向きの少なくとも一方)に応じた視点からの投影画像を前記画像データとして生成することを特徴とする
特徴H3に記載の遊技機によれば、遊技者の視点角度に基づいた投影画像を表示するために設置された撮影手段を用いて貯留手段における遊技媒体を撮影できるため、構成を簡易にすることができる。
特徴H4:特徴H1〜特徴H3のいずれかに記載の遊技機において、
前記撮影手段によって撮影された撮影データから、前記遊技媒体の数量を推測する推測手段を有し、
前記貯留領域表示手段は、前記推測された遊技媒体の数量に対応した数量情報を表示することを特徴とする。
特徴H4に記載の遊技機によれば、遊技媒体の数量を視覚的にわかりやすい状態にして表示することができるため、遊技者に一瞬で数量を認識させ得る。
特徴H5:特徴H1〜特徴H4のいずれかに記載の遊技機において、
前記貯留領域表示手段は、前記撮影手段によって撮影された撮影データの少なくとも一部を表示することを特徴とする。
特徴H5に記載の遊技機によれば、撮影された遊技媒体の画像データをそのまま表示するため、遊技者に対し、あたかも貯留手段を実際に見ているかのような感覚にさせることができる。
特徴H6:特徴H1〜H5に記載の遊技機において、
前記貯留手段の少なくとも一部の上側に重なり、遊技者の所持品の下側を支持可能な所持品支持手段(所持品載置部780)を有し、
前記貯留領域撮影手段は、
前記所持品支持手段における前記貯留手段と対向する面に設けられ、前記貯留手段における遊技媒体を撮影可能な撮影手段であることを特徴とする。
特徴H6に記載の遊技機によれば、貯留手段における遊技媒体を確実に撮影できるため、正確な貯留領域表示が可能となる。
特徴H7:特徴H1〜特徴H6のいずれかに記載の遊技機において、
前記貯留手段の撮影位置を変化させる撮影補助手段を有することを特徴とする。
特徴H7に記載の遊技機によれば、撮影手段の設置場所の可能性を広げることができるため、より良い位置に撮影手段を設置することができる。
特徴H8:特徴H0〜特徴H7のいずれかに記載の遊技機において、
前記貯留手段の少なくとも一部の上側に重なり、遊技者の所持品の下側を支持可能な所持品支持手段(所持品載置部780)を有し、
該所持品支持手段は、外形の内側にて前記貯留手段に貯留された遊技媒体を視認可能であって、外形の内側を通じて前記貯留手段へ遊技球を補充可能に構成されていることを特徴とする。
特徴H8に記載の遊技機によれば、遊技媒体の補充をするに当たって、所持品支持手段を取り除く必要がなく、簡易な操作で貯留手段への遊技媒体の補充をさせることができる。
特徴H9:特徴H0〜H8のいずれかに記載の遊技機において、
前記貯留手段の下側に設けられる重量検出手段(重量センサ)と、
該重量検出手段によって検出された重量情報に基づいて前記貯留手段の内部に貯留された遊技媒体の数量に対応する数量情報を表示する数量情報表示手段とを備えていることを特徴とする。
特徴H9に記載の遊技機によれば、貯留領域表示手段による貯留領域の表示に加えて、遊技媒体の重量を用いて貯留手段の内部における遊技媒体の数量を正確に検出することができる。
特徴H10:特徴H9に記載の遊技機において、
前記重量検出手段によって検出された重量情報に基づいて、前記貯留手段の上側に所持品が載置されているか否かを検出する所持品検出手段を有することを特徴とする。
特徴H10に記載の遊技機によれば、所持品の有無に応じて貯留領域表示手段の大きさを変化させたりする等、相違する演出をすることができる。
<特徴10〜37>
従来の遊技機では、発射ハンドル252に対する遊技者の回転操作量に応じた強度で遊技媒体が発射させるように構成されている(例えば、特開2006−345989号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機において、遊技者による発射操作を容易にするための構成について改良の余地がある可能性がある。
そこで、例えば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することを目的とする観点から、以下の特徴10〜37に記載された発明を抽出することができる。
<特徴10>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技媒体の流下領域)と、
遊技者による操作程度を検出する操作手段(発射操作装置250)と、
所定の遊技媒体を前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
前記操作手段によって検出される操作程度に応じた装飾数値を表示する数値表示手段(数値表示部802)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴10に記載の遊技機によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者が操作した操作程度を装飾数値として表示できるため、遊技者が過去の遊技時における装飾数値を参考にして操作手段を操作することができ、遊技状態を安定した状態にすることを容易にできる。
なお、特徴10及び後述する特徴11,12,20,30,40,50,60として記載の操作程度に関する構成は、以下のように構成してもよい。操作程度は、所定の操作手段(又は操作部)に対する操作程度としてもよく、操作程度に代えて、操作量、操作内容、操作方法、又は、選択内容としてもよい。また、遊技者による操作としては、回転操作に限らず、スライド操作、押下操作などの他の形態による操作であってもよい。また、発射手段は、所定の遊技媒体を操作程度に応じた強度で遊技領域に発射する構成に限らず、所定の遊技媒体を操作程度に応じた速度で遊技領域に発射するとしてもよく、操作程度に応じた初期位置(落下開始位置、又は、流下開始位置)より所定の遊技媒体が遊技領域を流下するように遊技球を発射するとしてもよく、発射手段に代えて、遊技領域内へ遊技媒体を供給する供給手段としてもよい。
<特徴11>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技媒体の流下領域)と、
遊技者による操作程度を検出する操作手段(発射操作装置250)と、
所定の遊技媒体を前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
複数の遊技者に対して異なる情報が設定される遊技者情報を記憶する遊技者情報記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部982)と、
該遊技者情報記憶手段に記憶された遊技者情報と前記操作程度とに基づいて装飾数値を算出する装飾数値算出手段(数値算出部891)と、
該装飾数値算出手段により算出された装飾数値を表示する数値表示手段(数値表示部802)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者が操作した操作程度を装飾数値として表示できるため、遊技者が過去の遊技時における装飾数値を参考にして操作手段を操作することができ、遊技状態を安定した状態にすることを容易にできる。また、複数の遊技者に対して異なる情報が設定される遊技者情報と操作程度とに基づいて装飾数値が算出されるので、遊技者ごとに相違するパラメータ値が設定されることとなる。よって、他人の装飾数値を参考にすることを困難にし、遊技者が自身の遊技に集中して楽しむことができる遊技機を提供することができる。
<特徴12>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技媒体の流下領域)と、
遊技者による操作程度を検出する操作手段(発射操作装置250)と、
所定の遊技媒体を前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
遊技者から取得された遊技者を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段(顔検出部943)と、
前記識別情報を遊技者ごとに附される遊技者IDに関連付けて記憶する識別情報記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部982)と、
前記遊技者IDに対してパラメータ値を設定するパラメータ設定手段(数値算出部891)と、
前記操作程度と、前記遊技者IDに対応するパラメータ値とに基づいて装飾数値を算出する装飾数値算出手段(数値算出部891)と、
前記装飾数値を表示する数値表示手段(数値表示部802)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者が操作した操作程度を装飾数値として表示できるため、遊技者が過去の遊技時における装飾数値を参考にして操作手段を操作することができ、遊技状態を安定した状態にすることを容易にできる。また、遊技者ごとに相違する識別情報が識別情報取得手段によって取得され、その識別情報ごとに附された遊技者IDに対して設定されたパラメータ値を算入して装飾数値が算出される。よって、他人の装飾数値を参考にすることはできず、遊技者が自身の遊技に集中して楽しむことができる。
<特徴13>
特徴12に記載の遊技機において、
前記識別情報取得手段は、
遊技者の生体特徴情報を前記識別情報として取得することを特徴とする。
特徴13に記載の遊技機によれば、遊技者の生体特徴情報を用いて遊技者を識別するため、遊技者に指定IDを入力させて遊技者IDを設定するなどの手間を取らせずに済み、遊技者の操作を簡易にできる。
なお、生体特徴情報としては、遊技者の体の一部の特徴に対応した情報としてもよく、指紋や血管の位置などを読み取る読み取り手段によって読み取られた特徴に対応する情報としてもよいし、遊技者の顔などの一部の特徴として、例えば、皮膚の色や顔の形状やサイズの一部又は組み合わせの特徴に対応した情報であってもよい。
<特徴14>
特徴12又は13に記載の遊技機において、
前記数値表示手段を視認する人物の顔を撮影する撮影手段(カメラ装置600)を備え、
前記識別情報取得手段は、前記撮影手段によって撮影された撮影データから検出された遊技者の顔に基づく生体特徴を取得することを特徴とする。
特徴14に記載の遊技機によれば、カメラ装置を用いて遊技者の顔を撮影した撮影データから遊技者を識別するため、遊技者に何の操作も要求しなくて済み、またカメラ装置を例えば視点角度を算出するときにも使用するなど、別の用途と共用することもできる。
<特徴15>
特徴12〜14のいずれかに記載の遊技機において、
前記識別情報取得手段は、
指紋情報、静脈情報、虹彩などの遊技者固有の固有識別情報を前記生体特徴として取得することを特徴とする。
特徴15に記載の遊技機によれば、固有識別情報によって遊技者を識別するため、遊技者を高い精度で識別することができる。
<特徴16>
特徴12〜15のいずれかに記載の遊技機において、
前記識別情報取得手段は、
遊技者によって指定された指定IDを前記識別情報として取得することを特徴とする。
特徴16に記載の遊技機によれば、遊技者に指定IDを指定させる構成としているので、遊技者から固有識別情報を取得する場合と比較して、遊技機としての構成を簡略化させることができる。
<特徴17>
特徴10〜16のいずれかに記載の遊技機において、
前記数値表示手段は、
遊技中の遊技者以外のユーザに対して視認性が低下するように前記装飾数値を表示することを特徴とする。
特徴17に記載の遊技機によれば、例えば隣の遊技機の装飾数値が視認しにくいため、遊技者が両隣の遊技機の装飾数値を気にすることなく、かつ周囲から装飾数値を見られることを低減できるため、遊技者が周囲の視線を気にすることなく、遊技に集中することができる。
<特徴18>
特徴10〜17のいずれかに記載の遊技機において、
画像データを生成する画像データ生成手段(表示データ生成部942)を備え、
前記画像データ生成手段は、
前記人物の顔の少なくとも一部(目、口、耳、及び、頭部全体のいずれか又は組合せ)の状態(位置及び向きの少なくとも一方)に応じた視点からの投影画像を前記画像データとして生成することを特徴とする。
特徴18に記載の遊技機によれば、人物の顔の少なくとも一部の状態を検出する検出装置を共用し、検出装置によって検出された検出データから遊技者に対応した識別情報の検出と視点の検出の両方を行うことができ、検出装置を低コストで構成することができる。
<特徴19>
特徴10〜18のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者の所持品の少なくとも下側を支持可能な所持品支持手段(所持品載置部710,750,760)と、
該所持品支持手段に遊技者の所持品が支持された状態において遊技者による特定動作が実行された場合に、所定の動作対応処理を実行する動作対応実行手段(載置制御部720)とを有することを特徴とする。
特徴19に記載の遊技機によれば、遊技者による特定動作を検出する検出装置を共用して、検出装置によって検出された検出データから遊技者の識別と動作検出の両方を行うことができ、検出装置を低コストで構成することができる。
<特徴20>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技媒体の流下領域)と、
遊技者による操作程度を検出する操作手段(発射操作装置250)と、
所定の遊技媒体を前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
前記操作程度に対応した表示用数値を算出する表示用数値算出手段と、
前記表示用数値を表示する数値表示手段と、
前記操作手段に対して同一の操作を連続している場合に、前記数値表示手段に表示される表示用数値の表示態様を変更する表示態様変更手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴20に記載の遊技機によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作時間に応じた遊技者の心理状態に合わせて、表示内容を変更することができるため、遊技に支障がない状態で操作程度を遊技者に表示することができる。
なお、表示態様変更手段は、表示用数値の有効桁数または小数点以下の桁数を変更することで表示用数値の表示態様を変更してもよいし、表示用数値の表示サイズ、表示位置の少なくともいずれかを変更して表示用数値の表示態様を変更してもよい。また、表示態様変更手段は、表示画面の表示内容を変更して表示用数値の表示態様を変更する電気的な制御による構成を含むものとしてもよいし、表示画面に対して遊技者の位置する側に重複可能に配置されて遊技者が視認可能な表示可能領域を限定して表示用数値の表示態様を変更する機械的な動作体を含む構成としてもよい。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記操作時間が所定の丸め設定時間を超えると、操作程度を表す操作数値の端数を丸めた数値を前記表示用数値として表示することを特徴とする。
特徴21に記載の遊技機によれば、遊技開始から遊技が安定するまでの間は詳細が分かる表示用数値を表示する一方、遊技の安定後は概ねを表す表示用数値を表示することができるため、遊技の状況に応じた適切な数値を表示することができる。
<特徴22>
特徴20又は21に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記操作時間が所定の停止設定時間を超えると、前記表示用数値の表示を停止する
ことを特徴とする。
特徴22に記載の遊技機によれば、遊技の安定後には表示用数値を表示しないことにより、遊技者が表示用数値に囚われず遊技に集中でき、遊技者に遊技を楽しませることができる。
<特徴23>
特徴20〜22のいずれかに記載の遊技機において、
前記数値表示手段は、
遊技中の遊技者以外のユーザに対して視認性が低下するように前記表示用数値を表示することを特徴とする。
特徴23に記載の遊技機によれば、遊技者が周囲の視線を気にすることなく、遊技に集中することができると共に、他の遊技者の表示用数値に惑わされることなく自己の表示用数値のみを参照して遊技ができる。
<特徴24>
特徴20〜特徴23のいずれかに記載の遊技機において、
前記数値表示手段は、複数の位置に表示用数値を表示可能に構成され、
前記表示制御手段は、
前記操作時間が所定の位置設定時間を超えると、前記表示用数値の表示位置を変更して表示することを特徴とする。
<特徴25>
特徴20〜24のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記操作時間が所定の初期時間を経過するまでは、遊技者から視認可能な所定の態様で前記表示用数値を表示し、前記所定の初期時間を経過後は、遊技者が選択的に視認できるように前記表示用数値を表示可能であって、前記操作時間に応じて前記数値表示手段における表示内容を変更して表示することを特徴とする。
<特徴26>
特徴20〜25のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記操作時間が所定の初期時間を経過するまでは、遊技者から視認しやすい遊技機の正面側を向いた位置に前記表示用数値を表示し、前記所定の初期時間を経過後は、前記正面側とは異なる方向を遊技者が選択的に視認した場合に視認可能な選択位置に前記表示用数値を変更して表示することを特徴とする。
なお、正面側を向いた位置とは、遊技者が常に注視する例えば始動入賞装置や装飾図柄表示装置の内部又はその近傍をいい、選択位置とは、正面側とは異なる方向側に遊技者が視線を異ならせることによって視認可能な位置であって、遊技者が遊技中にほとんど注視しない位置としてもよく、遊技盤400における、上下左右の端部や、遊技盤400より外側の領域をいう。
特徴24〜26に記載の遊技機によれば、遊技が安定するまでの初期時間には表示用数値を積極的に参照させ、遊技が安定した後は必要に応じて視認することにより表示用数値を参照させて、表示用数値の表示によって表示できない画像が生じてしまったり、表示用数値が気になって遊技の邪魔になることを極力低減できる等、遊技者によって利用し易い形式で表示用数値を表示し易くすることができる。
<特徴27>
特徴20〜26のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記操作時間が所定の初期時間を経過するまでは、所定のサイズで前記表示用数値を表示し、前記所定の初期時間を経過後は、経過前より小さいサイズに前記表示用数値を変更して表示することを特徴とする。
特徴27に記載の遊技機によれば、表示用数値を必要とする初期時間には大きく、それ以外には小さく表示するため、表示用数値が遊技の邪魔になることを低減できると共に、例えば高齢者であっても大きいサイズの表示用数値を一時的に視認させその存在に気づかせることができるため、表示用数値を活用することができる。
<特徴30>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技媒体の流下領域)と、
遊技者による操作程度を検出する操作手段(発射操作装置250)と、
所定の遊技媒体を前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
前記操作程度として遊技者が操作した操作程度に対応した操作数値情報を記憶する操作数値記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部982)と、
前記操作数値記憶手段に記憶された操作数値情報に基づいて、前記操作程度として遊技者にとって有利な選択数値に対応する所定の操作程度に近づくよう、遊技者を誘導する遊技者誘導手段とを備えていることを特徴とする。
特徴30に記載の遊技機によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者誘導手段の誘導により、選択数値に近くなるよう遊技者に操作程度を調整させることができ、遊技者の遊技を助けることができる。
<特徴31>
特徴30に記載の遊技機において、
前記遊技者誘導手段は、
遊技媒体の入賞確率が高い選択数値に近づくよう、遊技者を誘導することを特徴とする。
特徴31に記載の遊技機によれば、入賞確率が高くなるように遊技者を誘導することができるため、初心者など遊技に不慣れな遊技者に対しても遊技を楽しませることができる。
<特徴32>
特徴30又は特徴31に記載の遊技機において、
前記遊技者誘導手段は、
前記操作数値と入賞確率との関係を表示することにより、遊技者を誘導することを特徴とする。
特徴32に記載の遊技機によれば、遊技者に操作数値と入賞確率との関係を認識させることができるため、遊技者に操作程度の選択の幅を広げさせることができ、一層遊技を楽しませることができる。
<特徴33>
特徴30〜特徴32のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技者誘導手段は、
前記操作数値と入賞確率との関係をグラフで表示することにより、遊技者を誘導することを特徴とする。
特徴33に記載の遊技機によれば、操作数値と入賞確率との関係を視覚的に分かりやすく表示させることができる。
<特徴34>
特徴30〜33のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技者誘導手段は、
遊技者によって選択された選択数値に近づくよう、遊技者を誘導する誘導情報を表示することを特徴とする。
特徴34に記載の遊技機によれば、操作程度が遊技者の気に入った選択数値になるよう遊技者を誘導することができるため、一時離席の後でも元の遊技状態に戻りやすくでき、遊技者に一時離席を気楽にさせることができる。
<特徴35>
特徴30〜34のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技者誘導手段は、
前記操作手段に対する操作程度の変更を指示する変更指示情報を表示することにより、遊技媒体の入賞確率が高い選択数値に近づくよう、遊技者を誘導することを特徴とする。
特徴35に記載の遊技機によれば、例えば上下を表す点灯表示や画像表示、音声出力によって操作程度の強弱を指示することにより、遊技者に分かりやすく指示することができる。
<特徴36>
特徴30〜35のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者を識別する遊技者識別手段を有し、
前記遊技者誘導手段は、
同一遊技者に対して記憶された前記選択数値に基づいて、遊技者を誘導することを特徴とする。
特徴36に記載の遊技機によれば、遊技者ごとに選択数値を記憶することができるため、例えば遊技者が最後に選択した選択数値に誘導することができ、定期的(毎日又は毎週など)に遊技を行う遊技者に前回と同じ遊技状態にすることを容易にさせることができる。
<特徴37>
特徴31〜36のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技者誘導手段は、
複数の選択数値から遊技状態に応じて選択された選択数値に近づくよう、遊技者を誘導することを特徴とする。
特徴37に記載の遊技機によれば、例えば大当り時に遊技盤の右側へ向けて遊技媒体を発射させたり、通常時に始動入賞装置に入りやすい位置へ向けて遊技媒体を発射させる状況において、遊技者を誘導することが可能となる。
<特徴40〜特徴65>
従来の遊技機では、発射ハンドルに対する遊技者の回転操作量に応じた強度で遊技媒体が発射されるようになされており、右手で発射ハンドルを操作する必要がある。ところで、スマートフォンやタブレット端末などの携帯通信端末の普及に伴い、携帯通信端末を操作しながら遊技を行いたいという要望がある。一般的に、携帯通信端末は、左手で把持した状態で右手の指を用いて操作されることが多く、両手が使用される。従来の遊技機のように、常に右手で発射ハンドルを操作すると、携帯通信端末の操作をすることは困難である。すなわち、従来の遊技機において、遊技者による発射操作を容易にするための構成について改良の余地がある可能性がある。
そこで、スマートフォンなどの携帯通信端末を操作しながら遊技を行いやすくすることによって遊技者による発射操作を容易にすることが可能な遊技機を提供するという観点から、以下の特徴40〜特徴66を抽出することができる。
<特徴40>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤1400の前側における遊技球の流下領域)と、
遊技に使用される遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
前記貯留手段に貯留された遊技媒体を前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
遊技者の手首又は手の甲を載置可能な載置部(載置部851)と、前記載置部を、遊技者の手首又は手の甲の移動によって変位させる変位機構(スライド機構)と、前記載置部の変位量に対応した操作程度を検出する操作量検出手段(可変抵抗器853)とを有する変位操作手段(発射操作装置850)と、
前記貯留手段に貯留された遊技媒体を、前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射するよう前記発射手段を制御する制御手段(発射制御部1902)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴40に記載の遊技機によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者が載置部に手首又は手の甲を載置しながら載置部の変位操作を行うことによって遊技媒体を遊技領域に発射することができる。このため、携帯通信端末を把持した手とは別の手によって携帯通信端末を操作しながら発射操作をすることができ、携帯通信端末の操作と遊技とを容易に同時進行することができる。
<特徴41>
特徴40に記載の遊技機において、
前記載置部は、前記貯留手段の一部よりも高い位置に設けられていることを特徴とする。
特徴41に記載の遊技機によれば、遊技者は、体の正面側にある主貯留機構230の貯留部231の上に手を載置させておくことができ、貯留手段に貯留された遊技球によって携帯通信端末の視認性と操作性とを低下させることが少なく、又、携帯通信端末と遊技領域とを切り替えて視認する場合における視線の移動量を少なくして、携帯通信端末の操作と遊技とを一層容易に同時進行することができる。
<特徴42>
特徴40又は特徴41に記載の遊技機において、
前記載置部は、前記貯留手段の一部に対して遊技者に近い前側に設けられていることを特徴とする。
特徴42に記載の遊技機によれば、遊技者の体の正面にある貯留手段の近傍で、かつ、より遊技者側に載置部が設けられることとなるため、載置部と遊技者との間に障害物が存在せず、遊技者が手を載置し易く、また、遊技媒体の残量も携帯通信端末に視線を向けるだけで同時に確認し易く、しかも、貯留手段への遊技者の操作も容易な位置に載置部を配置できる。
<特徴43>
特徴40〜特徴42のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者の操作に応じて回動する回動操作部と、該回動操作部を所定の初期位置に戻す復帰機構と、前記回動操作部の回動量に対応した操作程度を検出する回動量検出手段とを有する回動操作手段(発射操作装置250)と、
前記制御手段は、遊技者の操作に応じて、前記変位操作手段と前記回動操作手段とのいずれかに対する遊技者の操作に対応した操作程度を選択して遊技媒体を発射するよう前記発射手段を制御することを特徴とする。
特徴43に記載の遊技機によれば、一般的に使用され、遊技者が慣れ親しんでいる回動式の操作手段と、載置部を用いた変位操作手段とを併用でき、遊技者の選択によっていずれかを使用可能にして発射操作を一層容易にすることができる。
<特徴44>
特徴43のいずれかに記載の遊技機において、
前記回動操作部は、前記載置部及び前記貯留手段より低い位置に設けられていることを特徴とする。
特徴44に記載の遊技機によれば、遊技者が手を上げる量を少なくした位置に回動操作手段を配置できるので、遊技者が回動操作部を用いた発射操作をし易くすることができる。
<特徴45>
特徴40〜特徴44のいずれかに記載の遊技機において、
前記変位操作手段は、遊技者の接触を検出する第1接触検出手段(接触センサ854)を有し、
前記制御手段は、前記第1接触検出手段に遊技者が接触している場合に、前記載置部の変位量に応じて遊技媒体を発射するよう前記発射手段を制御することを特徴とする。
特徴45に記載の遊技機によれば、遊技者が接触しているときに遊技媒体を発射するため、載置部に携帯通信端末を単に置くだけといった遊技者が積極的に操作をしていない状況によって遊技球が発射される事態を未然に防止できる。
<特徴46>
特徴40〜特徴45のいずれかに記載の遊技機において、
所定の抽選条件が成立した場合に所定の抽選確率で成立する抽選を実行する抽選手段(主制御基板920)と、
前記遊技領域の前側を覆うカバー部(中央パネル220)の後側に設けられて前記抽選手段による抽選結果を表示可能な第1表示手段と、
前記第1表示手段より前記載置部に近い位置であって前記カバー部より前側に設けられ、前記抽選手段による抽選結果を表示可能な第2表示手段(サブ表示部860)とを備えていることを特徴とする。
特徴46に記載の遊技機によれば、載置部の近傍で遊技者に近い位置に第2表示手段が配置されるため、手に持っている携帯通信端末を視認している遊技者が少しだけ視線を移すだけで抽選手段の抽選結果を容易に確認することができ、遊技者に対して遊技の状況を確認し易くできる。
<特徴47>
特徴40〜特徴46のいずれかに記載の遊技機において、
前記制御手段は、前記変位操作手段に対する操作が行われている期間中に前記回動操作手段が操作された場合には、当該回動操作手段が操作された期間中は前記回動操作手段における操作程度に応じた強度で遊技媒体を発射し、前記回動操作手段が操作されていない期間中に前記変位操作手段における操作程度に応じた強度で遊技媒体を発射するよう前記発射手段を制御することを特徴とする。
特徴47に記載の遊技機によれば、変位操作手段に手を載置したままで回動操作手段を操作することにより、回動操作手段による発射操作を行うことができる。このため、従来の遊技機に加えて、変位操作手段を単なる携帯通信端末を把持した手の載置部として使用することができる。また、例えば、変位操作手段で遊技領域の左右方向における一方側を経由して遊技球が流下する発射操作を行って所定の抽選に当選し、他の方向側を遊技球が流下するように流下経路を変更する必要がある場合に、変位操作手段をそのまま保持した状態で、回動操作手段によって別の経路への発射操作を行うことで容易に他の流下経路を流下するようにし、通常遊技状態に戻った際には回動操作手段を離すだけで発射強度に戻すことができるなど、流下経路の変更を伴う発射操作の操作性を向上できる。
<特徴48>
特徴40〜特徴47のいずれかに記載の遊技機において、
遊技媒体が進入可能な所定の入球部(始動入賞装置431の進入口)と、
遊技媒体が前記入球部へ進入した場合に所定の抽選確率で成立する抽選を実行する抽選手段(主制御基板920)と、
前記抽選結果を表示する表示部(装飾図柄表示装置1479)とを備え、
前記入球部及び前記表示部は、少なくとも所定の遊技状態(例えば、通常遊技状態)において、いずれも前記遊技領域の上下方向における下半分の領域内に設けられていることを特徴とする。
特徴48に記載の遊技機によれば、手が載置される載置部の近傍に遊技の抽選状況を左右する入球部と、抽選結果を表示する表示手段とが配置されるため、手に持っている携帯通信端末を視認している遊技者が少しだけ視線を移すだけの簡易な動作で現在の遊技の状況を視認可能とすることができる。
<特徴49>
特徴40〜特徴48に記載の遊技機において、
変位操作手段は、前記載置部を所定の初期位置に戻す復帰機構を有することを特徴とする。
特徴49に記載の遊技機によれば、従来の回動式の発射操作と似た感覚で、載置部の変位による発射操作を容易に行うことができ、発射制御についても従来の発射制御と同様にして簡易に行うことができる。
<特徴50>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤1400前面側の遊技媒体の流下領域)と、
遊技に使用される遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
遊技者の操作に応じて回動する回動操作部(発射ハンドル252)と、該回動操作部を所定の初期位置に戻す復帰機構と、前記回動操作部の回動量に対応した操作程度を検出する回動量検出手段(接触センサ254)とを有する回動操作手段(発射操作装置250)と、
前記貯留手段に貯留された遊技媒体を、前記回動操作部の操作角度に対応した操作程度に応じた所定の強度で前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
前記貯留手段の一部よりも高い位置に設けられ、遊技者の接触を検出する第1接触検出手段(接触センサ854)と、
前記回動操作手段に対する遊技者の発射操作が行われなくなった場合であって、前記第1接触検出手段に遊技者が接触している場合に、前記回動操作手段に対して行われていた操作程度に応じた強度で遊技媒体を発射するよう前記発射手段を制御する制御手段(発射制御部1902によるロック回転発射処理)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴50に記載の遊技機によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、第1接触検出手段に接触することを発射継続の条件にして回動操作手段に対して行われていた操作程度に応じた強度で遊技媒体を発射する制御(ロック制御)が行われるので、回動操作手段に対する操作を発射継続に必要な操作から除外することができる。このため、回動操作手段を物理的に固定させるなどの遊技者の不正行為を防止して遊技機の破損を防止し易くすることができる。また、第1接触検出手段に接触する操作によって、回動操作手段に対しての操作程度と略同一の強さで遊技媒体の発射を継続することができるので、遊技者の操作負担を軽減することができる。
なお、回動操作手段に対する遊技者の発射操作が行われなくなった場合とは、回動操作手段から遊技者が手を離すことによって遊技者の発射操作が行われなくなった場合であってもよく、回動操作手段とは別に設けられる停止操作手段に対しての停止操作が行われることによって回動操作手段に対する遊技者の発射操作が無効とされて遊技者の発射操作が行われなくなった場合であってもよい。
<特徴51>
特徴50に記載の遊技機において、
前記回動操作手段に対する遊技者の接触を検出可能な第2接触検出手段(接触センサ254)を備え、
前記制御手段は、前記第2接触検出手段に遊技者が接触していない場合であって、前記第1接触検出手段に遊技者が接触している場合に、前記第2接触検出手段への遊技者の接触が検出されていた最後の操作程度に応じた強度で遊技媒体を発射するよう前記発射手段を制御することを特徴とする。
特徴51に記載の遊技機によれば、遊技者が回動操作手段に最後に接触していたときの操作程度に発射強度を固定するだけの簡易な処理で、遊技者の操作負担を軽減可能なロック制御を実現することができる。
<特徴52>
特徴50に記載の遊技機において、
前記制御手段は、前記回動操作手段に対する操作が行われなくなる前の所定期間内における操作角度のうち最大の操作角度に対応した強度で遊技媒体を発射するよう前記発射手段を制御することを特徴とする。
特徴52に記載の遊技機によれば、遊技者が回動操作手段に対する発射操作が行われなくなる直前の所定期間内における操作角度のうち最大の操作角度に対応した強度に発射強度をロックすることができる。このため、遊技者が回動操作手段を離すときに復帰機構によって初期位置に戻る途中の回動操作部に遊技者が誤って接触してしまった場合などの遊技者の意図しない接触状況を除外し、遊技者が意図した発射強度でロック制御を行わせ易くすることができる。
<特徴53>
特徴50〜特徴53のいずれかに記載の遊技機において、
前記制御手段は、
遊技者によって操作された前記回動操作手段の操作角度を、遊技者の発射操作が行われなくなった状況においても保持する回動操作角度保持手段を備えていることを特徴とする。
特徴53に記載の遊技機によれば、物理的に回動操作手段を固定するため、遊技者にロックした位置(操作角度)を理解させやすくできると共に、ロックされた回動操作手段に対する操作角度と発射手段によって遊技媒体が発射される強度とが対応するので、回動操作手段に対する操作角度に応じた遊技媒体の発射制御を実行するだけでよく、簡易な制御によってロック制御を実現することができる。
<特徴54>
特徴50〜特徴53のいずれかに記載の遊技機において、
前記制御手段は、
前記第1接触検出手段に対する遊技者の接触がなくなった場合には、前記回動操作手段に対して行われていた操作程度に応じた強度で実行されていた遊技媒体の発射制御を解除することを特徴とする。
特徴54に記載の遊技機によれば、遊技者が離席したまま遊技媒体が発射される事態を未然に防止できると共に、簡易な操作で遊技者にロック発射制御を解除させることができる。
<特徴55>
特徴50〜特徴54のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者の手首又は手の甲を載置可能な載置部を有し、
前記第1接触検出手段は、
前記載置部に載置した遊技者の手又は手首の接触を検出可能に設けられていることを特徴とする。
特徴55に記載の遊技機によれば、遊技者の手の甲を載置する載置部の上面に第1接触検出手段を配置できるため、遊技者が携帯通信端末の操作をしながら簡単に遊技を行うことができ、遊技者の利便性を向上させ得る。
<特徴56>
特徴50〜特徴55のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者の手首又は手の甲を載置可能な載置部と、前記載置部を、遊技者の手首又は手の甲の移動によって変位させる変位機構と、前記載置部の変位量に対応した操作程度を検出する操作量検出手段とを有する変位操作手段を備え、前記貯留手段に貯留された遊技媒体を、前記操作量検出手段によって検出された操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射可能に構成され、
前記第1接触検出手段は、
前記載置部に載置した遊技者の手又は手首の接触を検出可能に設けられていることを特徴とする。
特徴56に記載の遊技機によれば、第1接触検出手段への接触操作を、変位操作手段に対してのとを兼ねさせることができ、回動操作手段と変位操作手段との2つの手段によって発射操作を行うことができ、発射操作のバリエーションを増大させて遊技者の利便性を向上させることができる。
<特徴57>
特徴50〜特徴56のいずれかに記載の遊技機において、
前記制御手段は、
前記第1接触検出手段に対する遊技者の接触がない場合に、当該遊技者の接触がない状態が所定の非接触監視期間に亘って継続されるまで、前記遊技者の接触がなくなる前における遊技者の操作程度に対応した操作情報を記憶する操作情報記憶手段を備えていることを特徴とする。
特徴57に記載の遊技機によれば、遊技者がうっかり第1接触検出手段から手を離してしまった場合であっても、すぐに第1接触検出手段に接触し直せばロック制御を継続することができるため、間違ってロック制御が解除されてしまうことを防止することができる。
<特徴60>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤1400前面側の遊技媒体の流下領域)と、
遊技に使用される遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
前記貯留手段に貯留された遊技媒体を前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
遊技者の存在を検出可能な遊技者検出手段と、
該遊技者検出手段によって遊技者の存在が検出された場合に、遊技者が所持する携帯通信端末の操作によって設定された所定の強度(ターゲット強度)で前記発射手段によって遊技媒体が発射されるよう制御を行う制御手段(発射制御部1902)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴60に記載の遊技機によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者が発射操作手段を直接操作しなくても、遊技者が好みの所定の強度を設定できるため、遊技に慣れていない遊技者など、誰でも簡単に遊技を楽しむことができる。
なお、特徴60に記載の遊技機において、携帯通信端末と無線で通信可能な通信手段(外部通信部879)を備え、制御手段は、携帯通信端末を介して遊技者の指示に基づき設定された所定の強度で前記発射手段によって遊技媒体が発射されるよう制御を行うとしてもよい。
また、特徴60に記載の遊技機において、遊技者が所持する携帯通信端末の操作によって設定された所定の強度として、携帯通信端末の変位操作を検出可能な検出手段を備え、制御手段は、携帯通信端末の変位操作に対応して設定された所定の強度で前記発射手段によって遊技媒体が発射されるよう制御を行うとしてもよく、携帯通信端末の変位操作は、携帯通信端末の変位を直接的に検出してもよいし、携帯通信端末を変位操作した場合に同期して又は連動して変位する所定の部位の変位を検出するものであってもよい。
また、特徴60に記載の遊技機における、遊技者の存在を検出可能な遊技者検出手段は、所定の位置への遊技者の接触を検出可能な手段としてもよい。
<特徴61>
特徴60に記載の遊技機において、
前記遊技者検出手段は、遊技者の存在を非接触で検出可能な非接触検出手段(カメラ装置600)を備えていることを特徴とする。
特徴61に記載の遊技機によれば、遊技者が必ずしも遊技機に固定的に設置された接触検出手段に触れる行為を不要にすることができ、遊技者の動作に制限をかけずに、例えば、携帯通信端末を容易に操作し易くしつつ、遊技者に発射手段によって遊技媒体を発射して行われる遊技を楽しませることができる。
なお、特徴61に記載の遊技機において、遊技者検出手段としては、撮影された画像から遊技者の存在の有無を検出する撮影手段としてもよい。
<特徴62>
特徴60に記載の遊技機において、
前記遊技者検出手段は、前記貯留手段の一部に対して前側であって高い位置に設けられ、遊技者による所定の位置への接触を検出する第1接触検出手段(接触センサ854)を備えていることを特徴とする。
特徴62に記載の遊技機によれば、遊技者が接触しやすい位置に第1接触検出手段を配置できるため、遊技者は、重みのある携帯通信端末を把持する片手の甲を貯留手段の上に置き、貯留手段に手の甲を支持させておくことで必要に応じて携帯通信端末を簡易に視認しながら遊技を楽しませることができる。
<特徴63>
特徴60〜特徴62のいずれかに記載の遊技機において、
前記制御手段は、予め設定された複数のポイント位置(ターゲット部品)のうち、一のポイント位置がターゲット位置として指定された場合に、当該ターゲット位置に対応する所定の発射強度で遊技媒体を発射することを特徴とする。
特徴63に記載の遊技機によれば、予めポイント位置が複数定められているため、遊技に不慣れな遊技者であっても、自らが望む発射強度に対応した1のポイント位置を指定し易く、ターゲット位置を簡単に選択可能な遊技機とすることができる。
<特徴64>
特徴63に記載の遊技機において、
前記制御手段は、携帯通信端末を介して前記所定の強度の変更が指定された場合に、指定された量に応じて増減した発射強度とする誘導発射制御を行う誘導発射制御手段を備えていることを特徴とする。
特徴64に記載の遊技機によれば、携帯通信端末をあたかもリモートコントローラのように使用可能とすることができる。
<特徴65>
特徴60〜特徴64のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者を撮影する撮影手段(カメラ装置600)と、
前記撮影された画像から遊技者による所定の動作を検出する動作検出手段を有し、
前記制御手段は、
前記動作検出手段によって所定の動作が検出された場合には、前記所定の強度による発射制御を解除することを特徴とする。
特徴65に記載の遊技機によれば、撮影された画像から所定の動作を検出することで、遊技者が接触検出手段などに接触することなく、また、いちいち携帯通信端末を操作しなくても、迅速に発射制御を解除できる。
なお、特徴65に記載の遊技機において、発射制御の解除とは、発射を停止することとしてもよく、携帯通信端末を介した発射制御を停止して、他の方法による発射操作に応じた強度で遊技球を発射することとしてもよい。
<特徴66>
特徴60〜特徴65のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技者検出手段は、遊技者による所定の位置への接触を検出する第1接触検出手段(接触センサ854)を備え、
前記制御手段は、
前記第1接触検出手段に対する遊技者の接触がない場合に、遊技媒体の発射を停止する発射停止制御手段と、
前記第1接触検出手段に対する遊技者の接触がない場合に、当該遊技者の接触がない状態が所定の非接触監視期間に亘って継続されるまで、前記遊技者の接触がなくなる前における遊技者の操作程度に対応した操作情報を記憶する操作情報記憶手段を備えていることを特徴とする。
特徴66に記載の遊技機によれば、第1接触検出手段に対する接触・非接触で誘導発射制御を解除し、その後に、元の状態に復帰し易くすることができるため、迅速に誘導発射制御の一時停止操作を実行可能とすることができる。
<特徴70>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技媒体の流下領域)と、
遊技者による操作程度を検出する操作手段(発射操作装置250)と、
所定の遊技媒体を前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
前記操作程度として遊技者が操作した操作程度に対応した操作数値情報を記憶する操作数値記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部1982)と、
遊技媒体が進入して入賞した場合に所定の特典が付与される所定の入賞口(始動入賞装置1431の進入口)と、
前記所定の入賞口への遊技媒体の進入を検出する進入検出手段(始動入賞スイッチ1441)と、
該進入検出手段によって前記所定の入賞口へ遊技媒体が入賞した入賞時期より前であって、当該入賞時期に比べて入賞した遊技媒体が前記発射手段によって発射されたタイミングに近い発射時期における前記数値記憶手段に記憶された操作数値情報を少なくとも含む前記遊技媒体の入賞に関する入賞情報を記憶する入賞情報記憶手段(操作データ記憶部1982)とを備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機では、遊技者が発射ハンドルを回転操作した回転操作量に応じた強さで、発射装置から遊技球が発射されるように構成されている(例えば、特開2006−345989号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機において、遊技者による発射操作を容易にするための構成について改良の余地がある可能性がある。
特徴70に記載の遊技機によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、入賞時期よりも、入賞した遊技媒体が発射された発射時期に近い操作数値情報を入賞情報の一部として記憶することができるため、入賞情報を、遊技媒体が発射された発射時期に対応させて正確に遊技者に提供し易くすることができる。例えば、必要に応じて操作数値情報に基づいた操作程度に対応する情報(操作数値)を遊技機に表示することによって遊技者に好適な操作程度を認識させることができる。このため、遊技者が過去の遊技時において入賞が発生したときの操作程度を参考にして操作手段を操作することができ、入賞が発生したときの状態に操作程度を容易に近づけることができる。
なお、特徴70に記載の遊技機において、入賞情報記憶手段に記憶された入賞情報又は入賞情報に対応した入賞対応情報を表示する入賞情報表示手段を備えてもよいし、これに代えて、又はこれに加えて、入賞記憶手段によって記憶された入賞情報または入賞情報に対応した入賞対応情報を、遊技機とは別の携帯通信端末によって認識可能に出力する出力手段を備えてもよい。
<特徴71>
特徴70に記載の遊技機において、
複数の遊技者に対して異なる情報が設定される遊技者情報を記憶する遊技者情報記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部1982)と、
該遊技者情報記憶手段に記憶された遊技者情報と前記操作程度とに基づいて装飾数値を算出する装飾数値算出手段(数値算出部891)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴71に記載の遊技機によれば、複数の遊技者に対して異なる情報が設定される遊技者情報と操作程度とに基づいて装飾された操作数値(装飾数値)が算出されるので、遊技者ごとに相違するパラメータ値が設定されることとなる。よって、他人の操作数値を参考にすることを困難にし、遊技者が自身の技量を用いた遊技を楽しむことができる遊技機を提供することができる。
<特徴72>
特徴70又は特徴71に記載の遊技機において、
前記遊技領域を撮影する遊技領域撮影手段(カメラ装置610)を有し、
前記入賞情報記憶手段は、前記遊技領域撮影手段によって撮影された画像データを用いて決定した前記発射時期における操作数値情報を少なくとも含む前記入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴72に記載の遊技機によれば、画像データにおける遊技球を逆追尾することにより、所定位置における遊技球の通過時刻を高い精度で特定することができるため、当該所定位置における通過時刻から高い精度で発射時期を推定することが可能となる。
<特徴73>
特徴72に記載の遊技機において、
前記進入検出手段は、前記所定の入賞口に進入した遊技媒体を検出するセンサ(始動入賞スイッチ1441)であり、
前記入賞情報記憶手段は、前記センサによる遊技媒体の検出に基づいて、前記遊技領域撮影手段によって撮影された画像データから前記所定の入賞口へ進入した遊技媒体を特定し、当該特定した遊技媒体が所定の測定位置を通過した通過時期に基づいて決定した前記発射時期における操作数値情報を少なくとも含む前記入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴73に記載の遊技機によれば、センサを用いて所定の入賞口へ遊技媒体が進入したタイミングに基づいて発射時期を推定することができるため、入賞の検出誤差を著しく低減して入賞情報の精度を向上させることができる。
<特徴74>
特徴70又は特徴71に記載の遊技機において、
前記入賞情報記憶手段は、前記入賞時期から、前記所定の入賞口に対して予め設定された減算時間を減算することにより決定した発射時期における操作数値情報を少なくとも含む前記入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴74に記載の遊技機によれば、カメラ装置などを必要としないで発射時期を決定することができるため構成を簡易にできると共に、入賞時期から単純に減算時間を減算するだけの簡易な処理で発射時期を推定することができる。なお、例えば、予めの試射試験によって取得された発射時期から所定の入賞口に遊技媒体が進入するまでの平均到達時間を減算時間として用いることができる。
<特徴75>
特徴75:特徴74に記載の遊技機において、
前記所定の入賞口として、配置位置の異なる複数の所定の入賞口が設けられており、
前記入賞情報記憶手段は、複数の減算時間のうち遊技媒体が進入した所定の入賞口に対応した減算時間を用いて決定した前記発射時期における操作数値情報を少なくとも含む前記入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴75に記載の遊技機によれば、配置位置の異なる所定の入賞口ごとに異なる減算時間を用いて発射時期が決定されるため、発射時期の推定の精度を向上させることができる。
<特徴76>
特徴70〜特徴75のいずれかに記載の遊技機において、
複数の遊技者に対して異なる情報が設定される遊技者情報を記憶する遊技者情報記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部1982)と、
該遊技者情報記憶手段に記憶された遊技者情報と前記操作程度とに基づいて装飾数値を算出する装飾数値算出手段(数値算出部891)と、
該装飾数値算出手段により算出された装飾数値を所定の期間中に連続して表示可能な数値連続表示手段(数値表示部802)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴76に記載の遊技機によれば、所定の期間中に常に操作数値を表示することができ、入賞情報を視認する遊技者は、所定の期間中に常に該操作数値を遊技の参考にすることができる。なお、所定の期間中としては、遊技機の電源がオンされてから電源がオフされるまでの期間中であってもよいし、通常遊技状態などの所定の遊技状態中であってもよく、遊技者による操作数値を表示するための所定の操作の実行によって所定の期間中に操作数値が連続して表示可能であってもよいし、遊技者の操作によることなく所定の期間中に操作数値が連続して表示可能であってもよい。
<特徴77>
特徴76に記載の遊技機において、
前記数値連続表示手段は、前記操作手段に対して同一の操作を連続している場合であって、前記同一の操作の時間が所定の設定時間を超えた場合に、前記装飾数値の有効桁数または小数点以下の桁数を少なくした数値を表示可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴77に記載の遊技機によれば、遊技開始から遊技が安定するまでの間は詳細が分かる装飾数値を表示する一方、遊技の安定後は概ねを表す装飾数値を表示することができるため、遊技の状況における必要性に応じて適切に装飾数値を表示することができる。
<特徴78>
特徴78:特徴77に記載の遊技機において、
前記数値連続表示手段は、前記同一の操作の時間が前記所定の設定時間を超えて前記装飾数値の有効桁数または小数点以下の桁数を少なくした数値が表示されている場合において、遊技者の要求に応じて当該装飾数値の有効桁数または小数点以下の桁数を多くした数値を表示可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴78に記載の遊技機によれば、遊技者が詳細な数値を知りたいという要求に対応した遊技機を提供することができる。
<特徴80>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技媒体の流下領域)と、
遊技者による操作程度を検出する操作手段(発射操作装置250)と、
所定の遊技媒体を前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
前記操作程度として遊技者が操作した操作程度に対応した操作数値情報を記憶する操作数値記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部1982)と、
遊技媒体が進入した場合に所定の特典が付与される所定の入賞口(始動入賞装置431の進入口)と、
前記所定の入賞口への遊技媒体の進入を検出する進入検出手段(始動入賞スイッチ1441)と、
該進入検出手段によって検出される前記所定の入賞口への遊技媒体の進入に関する入賞情報であって予め定められた設定条件に基づいて分類可能な複数の入賞情報を記憶する入賞情報記憶手段(操作データ記憶部1982)と、
前記予め定められた設定条件に基づいて前記複数の入賞情報を分類した入賞情報であって前記操作数値情報を含む情報を、遊技者が認識可能に出力する入賞情報出力手段(サブ表示部1860)とを備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機では、遊技者が発射ハンドルを回転操作した回転操作量に応じた強さで、発射装置から遊技球が発射されるように構成されている(例えば、特開2006−345989号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機において、遊技者による発射操作を容易にするための構成について改良の余地がある可能性がある。
特徴80に記載の遊技機によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、設定条件ごとに入賞情報を集計できるため、入賞情報の精度を高めることができ、遊技者が知りたがっている入賞情報を適切に遊技者に提供することができる。
なお、特徴80の記載の遊技機における分類可能な複数の入賞情報に代えて、仕分け可能、区分可能、又は、一部を抽出可能な複数の入賞情報としてもよい。
また、特徴80に記載の遊技機において、入賞情報出力手段は、入賞情報と操作数値情報とを表示する表示手段を備えてもよいし、遊技者の要求に応じて、該遊技者の要求した設定条件における入賞情報を表示するとしてもよい。また、これに代えて、又はこれに加えて、入賞情報出力手段は、入賞情報と操作数値情報とを、遊技機とは別の携帯通信端末によって認識可能に出力する出力手段を備えてもよい。
<特徴81>
特徴80に記載の遊技機において、
遊技者から取得された遊技者を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段(顔検出部943)と、
前記識別情報を遊技者ごとに附される遊技者IDに関連付けて記憶する識別情報記憶手段(副制御基板1940の操作データ記憶部1982)と、
前記遊技者IDに対してパラメータ値を設定するパラメータ設定手段(数値算出部1891)と、
該パラメータ値と前記操作程度とに基づいて装飾数値を算出する装飾数値算出手段(数値算出部891)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴81に記載の発明によれば、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者が操作した操作程度を装飾数値として表示できるため、遊技者が過去の遊技時における装飾数値を参考にして操作手段を操作することができ、遊技状態を安定した状態にすることを容易にできる。また、遊技者ごとに相違する識別情報が識別情報取得手段によって取得され、その識別情報ごとに附された遊技者IDに対して設定されたパラメータ値を算入して装飾数値が算出される。よって、他人の操作数値を参考にすることはできず、遊技者が自身の遊技に集中して楽しむことができる。
<特徴82>
特徴80又は特徴81に記載の遊技機において、
遊技媒体としての遊技球が進入した場合に所定の抽選が実行される始動部(始動入賞装置431)と、
前記遊技球の進入確率が変化する複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の特典が遊技者に付与される可変入賞部(中大入賞装置434)と、
前記始動部への遊技媒体の進入によって所定の抽選に当選した場合に、前記可変入賞部における遊技媒体の進入確率を制御して所定の特別遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(主制御基板920)とを備え、
前記入賞情報記憶手段は、前記入賞情報として、前記特別遊技状態中における前記所定の入賞口への遊技媒体の進入であるか否かを判別可能な入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴82に記載の遊技機によれば、可変入賞部をターゲットとする特別遊技状態と、可変入賞部以外の始動部等をターゲットとする遊技状態とに分けて入賞情報を算出できるため、可変入賞部がターゲットとされる遊技状態での入賞情報を高い精度で算出して、遊技者に対して表示することができる。
なお、特徴82に記載の遊技機において、特別遊技状態中における所定の入賞口への遊技媒体の進入であるか否かを判別可能とは、必ずしも、特別遊技状態中における所定の入賞口への遊技媒体の進入であるか否かを完全に判別可能である必要はなく、特別遊技状態の開始時又は終了時の前後において、特別遊技状態中における遊技媒体の進入であるか否かを判別不能な一部の遊技媒体の進入があっても特別遊技状態中における大部分(例えば、少なくとも半数以上)の遊技媒体について特別遊技状態中における進入であるか否かを判別可能である場合を含む。
<特徴83>
特徴80〜特徴82に記載の遊技機において、
前記入賞情報記憶手段は、前記入賞情報として、前記発射手段の温度変化が少なく前記操作程度に対する発射強度が安定する安定状態における発射と、前記操作程度に対する発射強度が前記安定状態より変動する不安定状態における発射とを判別可能な入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴83に記載の遊技機によれば、不安定状態における入賞情報を除いて安定状態における入賞情報を抽出できるため、安定状態における入賞情報の精度を向上させることができる。
<特徴84>
特徴83に記載の遊技機において、
前記入賞情報記憶手段は、前記発射手段の稼働状況に基づいて前記発射強度状態を判別した入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴84に記載の遊技機によれば、発射手段の稼動時間に応じて発射手段の温度が上昇するため、温度計をわざわざ設置しなくても稼働状況に基づいて発射手段の温度を高い精度で推測でき、その温度に対応した強度状態を入賞情報の一部とすることができる。
なお、特徴84に記載の遊技機において、入賞情報記憶手段は、安定状態中に遊技者の発射操作が行われなくなった場合であって、当該発射操作が行われなくなった後に一定の時間以上が経過した場合に不安定状態における発射と判別可能に前記入賞情報を記憶する。これにより、遊技が行われなくなった後の冷却状況に応じて安定状態と不安定状態とを区分することができ、一時の離席や別の遊技者がすぐに遊技を開始したときなどの一時的な遊技停止が生じた場合にも発射手段の温度に対応した入賞情報を適切に記憶することができる。
<特徴85>
特徴83又は特徴84に記載の遊技機において、
前記発射手段又は当該発射手段周辺の温度によって異なる情報(又は信号)を出力可能な温度情報出力手段を備え、
前記入賞情報記憶手段は、前記温度情報出力手段によって出力された情報(又は信号)に基づいて、前記発射強度状態を判別した入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴84に記載の遊技機によれば、直接的に計測された発射手段の温度に基づいて発射強度状態を判別できるため、温度と発射強度状態の関係を適切に認識して入賞情報の精度を向上させることができる。
<特徴85>
特徴80〜特徴84のいずれかに記載の遊技機において、
前記入賞情報記憶手段は、遊技媒体が入賞した入賞時期に基づいて、該入賞時期に比べて入賞した遊技媒体が前記発射手段によって発射されたタイミングに近い発射時期における前記数値記憶手段に記憶された操作数値情報を少なくとも含む前記遊技媒体の入賞に関する入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴85に記載の遊技機によれば、発射時期に基づく入賞情報を記憶することができるため、入賞情報と操作程度との関係を発射時期に基づいてより正確に記憶することができ、遊技者による発射操作を好適に容易にすることが可能な遊技機を提供することができる。
<特徴86>
特徴80〜特徴85のいずれかに記載の遊技機において、
前記入賞情報記憶手段は、前記所定の入賞口に対する所定期間(所定時間)毎の入賞確率と前記操作数値情報とを含む入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴86に記載の遊技機によれば、操作数値情報に基づいた操作程度と入賞確率との関係を表示できるため、遊技者が操作程度と入賞のし易さを容易に理解でき、遊技者の遊技を一層容易にさせ得る。
<特徴87>
特徴80〜特徴86のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者の離席状態に対応する所定の離席条件を満たした後の遊技開始直後に遊技中の遊技者から前記入賞情報の表示が要求された場合に、遊技中の遊技者以外の遊技者が遊技したときの入賞情報を含む前記入賞情報を表示する別遊技者入賞情報表示手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴87に記載の遊技機によれば、他の遊技者の入賞情報を使用できるので、自身の遊技の入賞情報として情報の少ない又は情報のない状態における遊技であっても入賞情報を利用した遊技を容易にし、遊技者を一層楽しませることが可能となる。
なお、特徴87に記載の遊技機において、別遊技者入賞情報表示手段は、発射手段の温度変化が少なく操作程度に対する発射強度が安定状態より変動する不安定状態における発射に対する入賞情報を表示するとしてもよい。発射手段の温度上昇段階となる不安定状態は、遊技開始直後に出現するため、遊技者が自身の遊技の入賞情報を参考にすることが困難であり、また、温度上昇に伴い刻々と発射強度が変化する可能性がある不安定状態における遊技は安定状態と比して難易度が高いものの、その遊技開始直後における入賞情報については複数の遊技者の入賞情報を参照可能とすることで、遊技開始状況においても一定の指標を遊技者に提示して遊技をし易くすることができる。
<特徴88>
特徴80〜特徴87のいずれかに記載の遊技機において、
前記入賞情報算出手段は、
遊技者の離席状態に対応する所定の離席条件を満たした後の遊技開始直後に遊技中の遊技者以外の遊技者が遊技したときの入賞情報であって前記操作数値情報を含む前記入賞情報を用いて、遊技における入賞確率が高くなるように遊技者を誘導する遊技者誘導手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴88に記載の遊技機によれば、遊技の難易度が高い不安定状態において、遊技における入賞確率が高くなるように遊技者を誘導することにより、遊技開始直後であっても遊技者に遊技を容易に楽しませることができる。
<特徴89>
特徴80〜特徴88のいずれかに記載の遊技機において、
前記入賞情報記憶手段は、所定の更新時期毎に区分して集計可能に入賞情報を記憶することを特徴とする遊技機。
特徴89に記載の遊技機によれば、遊技の実行時間に応じた入賞情報を集計して表示できるため、遊技の実行時間に応じて刻々と変化する入賞情報と操作程度との関係を表示することができ、遊技者に対して遊技を容易に楽しませることができる。
なお、特徴89に記載の遊技機において、入賞情報記憶手段は、所定の遊技開始時期からの遊技実行時間を算出可能な入賞情報を記憶するとしてもよい。
<特徴90>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技盤400前面側の遊技媒体の流下領域)と、
遊技者による操作程度を検出する操作手段(発射操作装置250)と、
所定の遊技媒体を前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
遊技媒体が進入した場合に所定の特典が付与される所定の入賞口(始動入賞装置431の進入口)と、
前記所定の入賞口への遊技媒体の進入を検出する進入検出手段と、
該進入検出手段によって検出される前記所定の入賞口への遊技媒体の進入に関する入賞情報を記憶する入賞情報記憶手段(操作データ記憶部1982)と、
該入賞記憶手段によって記憶された入賞情報または該入賞情報に対応した入賞対応情報を、遊技領域の少なくとも一部を遊技者が位置する正面側から撮影可能な携帯通信端末によって認識可能に出力する出力手段(サブ表示部1860)とを備え、
前記出力手段によって出力された前記入賞情報または前記入賞対応情報に対応した所定の画像が遊技機の一部の画像と共に携帯通信端末の表示画面に表示可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴90に記載の遊技機によれば、携帯通信端末を利用して遊技に関する情報を遊技者が好適に認識可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技機の一部の画像と共に、携帯通信端末によって入賞情報に対応した所定の画像が表示されるので、遊技者は、自身の遊技に関する入賞情報又は入賞対応情報を自身の携帯通信端末の表示画面に表示して認識することができる。このため、入賞情報を次回以降の遊技の参考にしたり、日記帳のようにして後から入賞情報を楽しむことが可能となる。
通信機能を介さず携帯通信端末の撮影機能を利用して遊技者自身の遊技に関する入賞情報を取り込むことができるため、遊技機に通信機能を構成を設ける必要がなく、構成を簡易にできる。また、遊技機に通信機能を設けずに済むため、遊技機に対するハッキングなどの不正行為を未然に防止できる。遊技者は、自身の遊技に関する入賞情報を次回以降の遊技の参考にしたり、日記帳のようにして後から入賞情報を楽しむことが可能となる。
なお、特徴90に記載の出力手段は、携帯通信端末の撮影機能を用いて読取可能な読取情報を表示するとしてもよく、これにより、遊技機と通信することなく携帯通信端末の撮影機能を利用して遊技者自身の遊技に関する入賞情報を遊技者の所持する携帯通信端末に取り込むことができるため、遊技機に通信機能を構成を設ける必要がなく、低コストで入賞情報を認識可能な遊技機を提供することができる。また、遊技機に携帯通信端末との通信機能を設けずに済むため、遊技機と携帯通信端末との通信による不正行為を未然に防止できる。
また、特徴90に記載の入賞情報は、入賞に基づいて実行される所定の演出であってもよく、入賞に基づいて実行される所定の演出としては、表示画面に表示される演出であってもよいし、立体的な装飾部材がモータやソレノイド等の駆動手段によって動作することによって実行される演出であってもよい。
また、特徴90に記載の遊技機において、操作程度として遊技者が操作した操作程度に対応した操作数値情報を記憶する操作数値記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部1982)を備え、出力手段は、操作数値情報を含む入賞情報又は入賞対応情報を出力するものとしてもよい。
<特徴91>
特徴90に記載の遊技機において、
前記出力手段は、二次元バーコードを表示して携帯通信端末によって前記入賞情報または前記入賞対応情報を認識可能に出力することを特徴とする遊技機。
特徴91に記載の遊技機によれば、一般に広く普及して二次元バーコードを用いるため、遊技者が抵抗なくかつ直感的に読取情報を読み取る作業を行うことができる。また、二次元バーコードはデータ容量を大きく構成し易く、種々のデータを織り込むことができ、入賞情報を後から見返す遊技者の楽しみを増大させることができる。
<特徴92>
特徴91又は特徴92に記載の遊技機において、
前記操作程度として遊技者が操作した操作程度に対応した操作数値情報を記憶する操作数値記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部1982)と、
複数の遊技者に対して異なる情報が設定される遊技者情報を記憶する遊技者情報記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部1982)と、
該遊技者情報記憶手段に記憶された遊技者情報と前記操作程度とに基づいて装飾数値を算出する装飾数値算出手段(数値算出部891)とを備え、
出力手段は、前記操作数値に対応した情報を含む入賞情報又は入賞対応情報を出力することを特徴とする遊技機。
特徴92に記載の遊技機によれば、遊技者情報を用いて操作数値を算出できるため、携帯端末に取り込まれた入賞情報を他の遊技者が使用することを困難にでき、遊技者の技量に対応した遊技を実行可能な遊技機を提供し易くすることができる。
<特徴93>
特徴90〜特徴92のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者を識別する遊技者識別手段を備え、
前記出力手段は、前記入賞情報又は入賞対応情報と共に、前記遊技者識別手段によって識別された遊技者の識別情報を、携帯通信端末によって認識可能に出力することを特徴とする遊技機。
特徴93に記載の遊技機によれば、一つの携帯通信端末に対し、複数人の入賞情報又は入賞対応情報が読み込まれた場合であっても、遊技者を区別できるため、遊技者ごとに入賞情報又は入賞対応情報を管理することができる。すなわち、相違する遊技者の情報を用いて生成された入賞情報又は入賞対応情報を混同させずに済み、入賞情報又は入賞対応情報を遊技者毎に正確に集計可能とすることができる。
<特徴94>
特徴91〜特徴93のいずれかに記載の遊技機において、
前記出力手段は、前記入賞情報又は入賞対応情報と共に、遊技機を識別する遊技機識別情報を、携帯通信端末によって認識可能に出力することを特徴とする遊技機。
特徴94に記載の遊技機によれば、遊技機ごとに入賞情報又は入賞対応情報を管理できるため、遊技者は、同一の機種であっても複数の遊技機毎の設置状態等といった個々の特性を考慮して入賞情報又は入賞対応情報を区分して集計することができ、より正確に入賞情報又は入賞対応情報を管理可能にして入賞情報又は入賞対応情報の管理の自由度を高めることができる。
<特徴95>
特徴90〜特徴94のいずれかに記載の遊技機において、
複数の遊技者に対して異なる情報が設定される遊技者情報を記憶する遊技者情報記憶手段(副制御基板940の操作データ記憶部1982)と、
前記遊技者IDに対してパラメータ値を設定するパラメータ設定手段(数値算出部891)と、
前記操作程度と、前記遊技者IDに対応するパラメータ値とに基づいて装飾数値を算出する装飾数値算出手段(数値算出部891)とを備え、
前記出力手段は、前記パラメータ値を含めずに前記入賞情報又は前記入賞対応情報を出力することを特徴とする遊技機。
特徴95に記載の遊技機によれば、遊技者ごとに設定される遊技者パラメータを判別し難くすることができるため、複数の遊技者から得られた入賞情報を統合することを困難にして、遊技者の技量に対応した遊技を実行可能な遊技機を提供し易くすることができる。
ここで、特徴A1〜A5、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D8、E0〜E10、F1〜F9、G1〜G8、H0〜H10、10〜95に記載の遊技機において、人物の顔を撮影する撮影手段の表現に代えて、人物の顔の少なくとも一部を含む顔情報を入力する入力手段としても良い。また、撮影手段によって撮影された撮影データとしては、静止画のデータとしても良いし、撮影手段によって撮影された複数の静止画データの組合せによって構成される動画データの少なくとも一部のデータに相当する撮影データとしても良い。
また、特徴A1〜A5、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D8、E0〜E10、F1〜F9、G1〜G8、H0〜H10、10〜95に記載の遊技機において、表示手段と他の手段との配置位置を特定する場合には、表示手段の表現に代えて、表示手段の結果表示部としても良く、結果表示部としては、遊技機において実行される抽選に対しての抽選結果が表示される表示領域に相当し、例えば、液晶表示装置の表示画面内において、図柄の組合せが停止表示される領域が例示され、又は、抽選結果に対応するキャラクタの動作や文字の表示される領域が例示される。
ここで、特徴A1〜A5、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D8、E0〜E10、F1〜F9、G1〜G8、H0〜H10、10〜95に記載の遊技機において、人物の顔を撮影する撮影手段の表現に代えて、人物の顔の少なくとも一部を含む顔情報を入力する入力手段としても良い。また、撮影手段によって撮影された撮影データとしては、静止画のデータとしても良いし、撮影手段によって撮影された複数の静止画データの組合せによって構成される動画データの少なくとも一部のデータに相当する撮影データとしても良い。
また、特徴A1〜A5、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D8、E0〜E10、F1〜F9、G1〜G8、H0〜H10、10〜95に記載の遊技機において、表示手段と他の手段との配置位置を特定する場合には、表示手段の表現に代えて、表示手段の結果表示部としても良く、結果表示部としては、遊技機において実行される抽選に対しての抽選結果が表示される表示領域に相当し、例えば、液晶表示装置の表示画面内において、図柄の組合せが停止表示される領域が例示され、又は、抽選結果に対応するキャラクタの動作や文字の表示される領域が例示される。
また、特徴A1〜A5、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D8、E0〜E10、F1〜F9、G1〜G8、H0〜H10、10〜95に記載の遊技機において、画像データ生成手段は、人物の顔の少なくとも一部の状態に応じた視点からの投影画像を画像データとして生成するとは、3Dモデルデータと動きデータとを記憶する3次元データ記憶部を遊技機が備え、その記憶部に記憶されたデータを利用して視点からの投影画像を生成する構成としても良いし、3Dモデルデータを利用した投影画像を2次元データに予め変換した画像データであって複数の視点からの投影画像に対応した画像データを記憶する2次元データ記憶部を遊技機が備え、2次元データ記憶部に記憶された画像データから、遊技者の状態に対応した視点からの投影画像を選択し、その選択した投影画像を、表示手段に画像を表示するためのRAMに書き込むことにより画像データを生成する構成としても良い。
なお、特徴A1〜A5、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D8、E0〜E10、F1〜F9、G1〜G8、H0〜H10、10〜95に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100,1100:パチンコ機、230:主貯留機構、250:発射操作装置、251:台座、252:発射ハンドル、253:可変抵抗器、254:接触センサ、330:発射装置、400,1400:遊技盤、431,1431:始動入賞装置、433,434,1434:大入賞装置、439,1439:一般入賞装置、441,1441:始動入賞スイッチ、479,1479:装飾図柄表示装置、600:カメラ装置、850:発射操作装置、860,1860:サブ表示部、880:携帯通信端末、881:制御部、882:通話部、883:900,1900:発射制御基板、902,1902:発射制御部、940,1940:副制御基板、941,1941:画像データ記憶部、981,1981:数値算出部、982,1982:操作データ記憶部

Claims (2)

  1. 遊技者が視認可能な遊技領域と、
    遊技者による操作程度を検出する操作手段と、
    所定の遊技媒体を前記操作程度に応じた強度で前記遊技領域に発射する発射手段と、
    前記操作程度として遊技者が操作した操作程度に対応した操作数値情報を記憶する操作数値記憶手段と、
    遊技媒体が進入した場合に所定の特典が付与される所定の入賞口と、
    前記所定の入賞口への遊技媒体の進入を検出する進入検出手段と、
    該進入検出手段によって検出される前記所定の入賞口への遊技媒体の進入に関する入賞情報であって予め定められた設定条件に基づいて分類可能な複数の入賞情報を記憶する入賞情報記憶手段と、
    前記予め定められた設定条件に基づいて前記複数の入賞情報を分類した入賞情報であって前記操作数値情報を含む情報を、遊技者が認識可能に出力する入賞情報出力手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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