JP6658176B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の典型的な遊技機において、遊技球の進入を許容する進入許容配置と遊技球の進入を阻止する進入阻止配置とをとる入賞装置が備えられており、当該許容状態の変化は入賞装置の内部に設けられた進入規制部材の配置変化によって実現されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−319361号公報
ところで、かかる進入規制部材を用いた場合、進入許容姿勢から進入阻止配置へ移行する際に進入規制部材に遊技球が挟まれ、その遊技球が挟まれた状態が維持される、いわゆる球噛みによって、進入規制部材の一部又は全部が閉まらなくなることに起因する不具合が発生してしまう可能性があるという問題があった。
そこで、本発明に係る遊技機では、球噛みに起因する不具合を低減できる遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
駆動部によって開閉部材を前後方向に駆動することにより前記開閉部材を開閉して開状態と閉状態とに遷移する進入規制機構と、
前記開閉部材が閉状態にあるときに、当該開閉部材の上を遊技球が通過することにより遊技球を誘導する第1の誘導路と、
前記第1の誘導路と前記開閉部材で隔たり、前記開閉部材が開状態にあるときに、前記開状態によって形成された開口部から遊技球を流下させることにより遊技球を誘導する第2の誘導路とを有し、
前記開閉部材は、
前方向に位置する前方部と後方向に位置し前記駆動部と接続する後方部とを有し、前記開状態から前記閉状態へ移行する場合に前記前方部と前記後方部とにおける前後方向の長さが短縮可能に構成されていることを特徴とする。
本発明に係る遊技機であれば、球噛みに起因する不具合を低減できる遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 視点と投影画像の説明に供する略線図 遊技者の姿勢の説明に供する略線図 前後方向の目の位置と視点角度との関係の説明に供する略線図 目の位置の検出の説明に供する略線図 蓋の閉まった容器の画像を示す略線図 内容物を見せない状態の画像を示す略線図 容器内の内容物を見せたときの画像を示す略線図(1) 容器内の内容物を見せたときの画像を示す略線図(2) 容器内の内容物を見せたときの画像を示す略線図(3) 装飾図柄表示処理の一例を示すフローチャート 視点角度算出処理の一例を示すフローチャート 遊技者の視線の説明に供する略線図 カメラと帽子をかぶった遊技者の位置関係を示す略線図 通常状態におけるカメラ装置の配置を示す略線図 リーチ状態におけるカメラ装置の配置を示す略線図 抽選結果の画像を示す略線図(1) 抽選結果の画像を示す略線図(2) カメラ装置と帽子を被った遊技者を示す略線図(1) カメラ装置と帽子を被った遊技者を示す略線図(2) 2つのカメラ装置の配置を示す略線図(1) 顔検出処理の一例を示すフローチャート 2つのカメラ装置の配置を示す略線図(2) 顔検出処理の一例を示すフローチャート 上大入賞装置の説明に供する略線図(1) 上大入賞装置の説明に供する略線図(2) 閉状態における開閉部材の説明に供する略線図 開状態における開閉部材の説明に供する略線図 誘導路へ進入する遊技球の説明に供する略線図 球噛みしたときにおける遊技球の進入の説明に供する略線図(1) 球噛みしたときにおける遊技球の進入の説明に供する略線図(2) 閉状態における進入規制機構の説明に供する略線図(1) 閉状態における進入規制機構の説明に供する略線図(2) 移行時における進入規制機構の説明に供する略線図(1) 開閉部材の構成を示す略線図(1) 閉状態における進入規制機構の説明に供する略線図(3) 移行時における進入規制機構の説明に供する略線図(2) 開閉部材の構成を示す略線図(2) 開閉部材の構成を示す略線図(3) 開閉部材の構成を示す略線図(4) 閉状態における進入規制機構の説明に供する略線図(4) 閉状態における進入規制機構の説明に供する略線図(5) 移行時における進入規制機構の説明に供する略線図(3)
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径(例えば、11mm)より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下側(下流側)に配置された大入賞装置433(具体的には、下大入賞装置433)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された大入賞装置700(具体的には、上大入賞装置700)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,700の間に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置700に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、上大入賞装置700及び下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、上大入賞装置700及び下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置700及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置700には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構710と、上進入規制機構710の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド713(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構710が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構710が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置700に進入できないが、上進入規制機構710が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構710が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置700に進入できるようになる。また、下大入賞装置433と同様に、上大入賞装置700にも振分機構、特定通路及び非特定通路が設けられ、上大入賞装置700に進入した遊技球は、振分機構が非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置700には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド713の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構710の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置700が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置700のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置700のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置700のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構710が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、5ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置700の上進入規制機構710が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構710における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8球)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構710は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構710のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構710は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10球)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置700が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れ検出スイッチ539が取着されている。球切れ検出スイッチ539は、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド713、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置700の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置700の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置700への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置700の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置700の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<装飾図柄表示処理>
次に、図13以降を参照して、装飾図柄表示処理について説明する。図13〜図16は、装飾図柄表示処理の原理の説明に供する図、図17〜図21は、装飾図柄の一例を示す図、図22〜図23は、装飾図柄表示処理手順を示すフローチャートである。
前述したように、主制御基板920(図10)は、第1特別図柄及び第2特別図柄の表示を制御すると共に、第1特別図柄及び第2特別図柄と同期させるためのタイミング信号を副制御基板940に供給する。副制御基板940は、タイミング信号に基づいて、装飾図柄表示処理(詳しくは後述する)を実行することにより、表示すべき画像データを生成し、装飾図柄表示装置479へ送信する。この結果、装飾図柄表示装置479には、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する装飾図柄が表示される。
副制御基板940は、3D(3Dimension)を用いた表示を行うようになされている。具体的に、副制御基板940の画像データ記憶部941(図10)には、装飾図柄に使用される移動体や背景などの3Dモデルデータと、3Dモデルデータの動きを表す動きデータが記憶されている。動きデータは、タイミング信号が表すタイミングに対応付けられて記憶されている。従って、副制御基板940の表示データ生成部942は、装飾図柄表示処理として、タイミング信号に応じて3Dモデルデータ及び動きデータを画像データ記憶部941から読み出すと共に、遊技者の顔の位置に応じた画像データを生成(詳細は後述する)し、当該画像データを装飾図柄表示装置479に供給する。この結果、装飾図柄表示装置479には、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する画像が表示される。
次に、表示データ生成部942による画像データの生成処理について具体的に説明する。パチンコ機100では、カメラ装置600によって遊技者がどの方向から装飾図柄表示装置479を視認しているかを表す視点角度を算出し、当該視点角度に応じた画像データを生成する。
図13(A)に示すように、3DモデルDDは3次元のモデルであり、装飾図柄表示装置479には、2次元に投影された状態に変換された画像として表示される。このとき、画像が投影される視点を投影視点と呼ぶ。遊技者が3DモデルDDをZ軸に平行な正面から視認している視点角度V1の場合、表示データ生成部942は、図13(B)に示すように、3DモデルDDをZ軸に平行な投影視点から投影した画像データを生成する。また、遊技者が3DモデルDDを左斜め上方向から視認している視点角度V2の場合、表示データ生成部942は、図13(C)に示すように、左斜め上方向の投影視点から投影した画像データを生成する。これにより、パチンコ機100は、ユーザに対してあたかも装飾図柄表示装置479の内部に3DモデルDDが存在するかのように感じさせることができ、ユーザを楽しませることができる。
ここで、図14(A)に示すように、通常、パチンコ機100を用いて遊技を行う場合、遊技者は椅子に座った状態で、装飾図柄表示装置479を視認する。このときの遊技者の視点角度が遊技者の標準的な視点角度であり、これを視点角度Vsとする。遊技者が上方向からのぞき込むように上方向へ視点角度Vu1を移動させる場合、図14(B)に示すように、遊技者はおしりを少しだけ浮かすようにして前につんのめることが多い。これは、図15に示すように、目の位置を前方に移動させた視点角度Vu1の方が、標準的な視点角度Vsからそのまま上方向に同じ高さだけ目の位置を移動させた視点角度Vu2よりも視点角度Vが急峻となるからである。
そこで、パチンコ機100には、カメラ装置600(図10)が設置されている。カメラ装置600は、遊技者の顔が撮影できるよう、例えば、外枠101、前ブロック102又は中間ブロック103(図1)などに設置され、具体的には、遊技盤400などに設置されており、有線又は無線によって副制御基板940に接続されている。カメラ装置600は、撮影された撮影データ(静止画データ又は動画データ)を副制御基板940に供給する。副制御基板940の顔検出部943は、カメラ装置600から供給される撮影データから遊技者の顔を検出し、当該顔から目の位置を検出すると共に、眼間距離DEとして顔のサイズを検出することにより、パチンコ機100と遊技者の目までの距離を推測し、視点角度Vを算出するようになされている。例えば、顔検出部943は、椅子に座って遊技する通常の状態における遊技者の顔(図16(A))を基準顔サイズとして登録(具体的には、副制御基板940のRAMに記憶保持)しておき、当該基準顔サイズを基準とした眼間距離DEの変化量Δde(図16(B))に基づいて、前後方向における遊技者の顔及び装飾図柄表示装置479間の距離を推測する。そして顔検出部943は、目の高さ位置PH及び眼の左右方向の位置(図示せず)に基づき、視点角度Vを算出し、表示データ生成部942に供給する。表示データ生成部942は、視点角度Vに応じた投影視点からの画像データを生成する。このとき、表示データ生成部942は、視点角度Vを視点とした画像データを生成することにより、ユーザに3Dモデルがあたかも装飾図柄表示装置479の内部に入ってるかのような感覚を抱かせることができる。一方、表示データ生成部942は、視点角度Vに対して重み付けを行うことにより、遊技者の実際の視点角度Vよりも投影角度を変化させることが可能である。例えば、視点角度Vを所定の係数を一律に乗算したり、視点角度Vの範囲を複数段階に分割し、当該範囲に応じた係数などを乗算したり加算したりすることにより重み付けを行う事ができる。
例えば、表示データ生成部942は、通常の画像データを表示している際には、視点角度Vを投影視点として画像データを生成する。一方、抽選結果のように、敢えて遊技者に覗き込ませることを意図した画像のとき、表示データ生成部942は、投影角度を視点角度Vよりも急峻にし、遊技者に少しだけ視点角度Vを変化させるだけで画像を大きく変化させることができる。
例えば、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選が開始されると、装飾図柄表示装置479に、図17のような蓋の閉じた状態の宝箱TBの画像が第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する装飾図柄として表示される。そして抽選の終了と共に、図18に示すように、画像には蓋の開いているものの内容物CNが見えない状態の宝箱TBの画像が装飾図柄として表示される。このとき遊技者が、あたかも宝箱TBを上からのぞき込むように視点角度Vを上方向に移動させることにより、内容物CNが視認できる画像が表示される。例えば、図19及び図20のように、当選を表す画像や、図21に示すようにハズレを表す画像が装飾図柄として表示される。このとき、上述したように、投影角度を視点角度Vよりも大きく設定することにより、遊技者に簡易な動作によって内容物CNを視認させることが可能である。このように、抽選結果を敢えて遊技者に見えないように表示し、遊技者に宝箱TBの画像をのぞき込ませることにより、遊技に対する単調さを低減して遊技者の興味を増大させ、遊技者を楽しませることができる。なお、一定時間が経過しても遊技者が宝箱TBを覗き込まない場合には、宝箱TBから内容物CNを飛び出させたり、内容物CNが見える状態の画像を装飾図柄表示装置479に表示させても良い。これにより、内容物を早く確認したい遊技者には、覗きこんで遊技を一層楽しませることができると共に、覗き込む動作を行いたくない遊技者に対しても内容物を確実に視認させることができる。
次に、図22を参照して、副制御基板940によって実行される装飾図柄表示処理について説明する。図22は、副制御基板940によって実行される装飾図柄表示処理を示したフローチャートである。この装飾図柄表示処理は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理と並行して実行される。
副制御基板940の装飾図柄表示処理では、まず、S100において、カメラ装置600から供給される撮影データから、人物の顔の検出が行われる顔検出処理が実行される。次いで、S101において、撮影データから、人物の顔が検出されたか否かについて判別される。顔の検出は、黒眼、肌色、唇などの検出又はこれらの組み合わせにより実行される。
ここで、遊技者が椅子に座って遊技を行っている場合であっても、例えば横を向いたり下を向いたりすることにより、一時的に遊技者の顔が検出されなくなる場合がある。このため、副制御基板940では、人物の顔が検出されるとトラッキングモードに遷移し、人物の顔が検出されなくても一定の解除時間に亘って人物の顔が検出されなくなるまで遊技者が存在するものとして処理を実行する。これにより、視点角度Vがむやみに変更されることを防止し、装飾図柄表示装置479に表示される画像が乱れることを防止することができる。
S102においては、現在のモードがトラッキングモードか否かが判別される。トラッキングモードでない場合には、S103へ移って現在のモードがトラッキングモードに遷移される。現在のモードがトラッキングモードである場合には、何もせずS104の処理が実行される。
S104においては、撮影データに基づき、遊技者の視点角度Vを算出する視点角度算出処理が実行され、視点角度Vが決定される。なお、視点角度算出処理については後述する。
S101において撮影データから人物の顔が検出されなかった場合、S107において、現在トラッキングモードであるか否かが判別される。現在トラッキングモードでないと判別された場合には、何ら処理が行われずにS110へ移る。現在トラッキングモードである場合には、S108において、解除時間以上であるか否かが判別される。すなわち、S108において、顔検出部943は、トラッキングモードにおいて、人物の顔が検出されない非検出時間をカウントするカウンタを有している。S108においては、人物の顔が検出されなかった場合にカウンタの値が1ずつ加算されると共に、当該カウンタの値が解除時間以上になったか否かが判別される。S108において否定結果がえられた場合には、何ら処理がなされることなくS111へ移る。
S109においては、解除時間に亘って人物の顔が検出されなかったため、遊技者が席を立った可能性が高いと判断され、トラッキングモードが解除される。このとき、S204(図23)において登録された基準顔サイズ(詳細は後述する)も併せて消去される。
S110においては、遊技者が席に存在しないため、画像データの生成に使用される視点角度Vとして、デフォルトで準備された初期視点角度が使用されることが決定される。
S111においては、何らかの理由により人物の顔が検出できなかったものの、遊技者がまだ遊技中である可能性があるため、前回使用した視点角度Vが使用されることが決定される。これにより、遊技者が遊技を行っているにも拘わらず、急激な視点角度Vの変化により画像が大きく変化して画像が乱れたという印象を遊技者に与えてしまうことを防止することができる。
S112においては、主制御基板920より供給されたタイミング信号から、使用する動きデータ及び3Dモデルが特定され、3次元の空間モデルが生成されると共に、S104,S110,S111において決定された視点角度Vから投影された画像が2次元の画像データとして生成される。
S113においては、生成された画像データが装飾図柄表示装置479に供給されることにより、装飾図柄表示装置479に装飾図柄が表示される。
次に、S104において実行される視点角度算出処理について説明する。
S201においては、撮影データから遊技者の高さ方向及び水平方向における目の位置が検出される。目の位置は、例えば遊技者における黒眼の位置によって検出されるが、遊技者がサングラスを掛けていた場合には、サングラスの中心位置を黒眼の位置として検出される。
S202においては、遊技者の眼間距離DEが顔のサイズとして検出される。顔のサイズとしては、眼間距離DE以外にも、眼と唇との距離を用いたり、これらを組み合わせるようにしても良い。
S203においては、基準となる基準顔サイズが登録されているか否かについて判別される。なお、基準顔サイズは、トラッキングモードが解除される(S109)度にリセットされ、遊技者ごとに登録される。S203において否定結果が得られた場合には、何ら処理がなされることなくS205へ移る。
S204においては、基準顔サイズが登録される。ここで、遊技者の性別や個性に応じて、顔のサイズは相違する。従って、眼間距離DEの値を一律に判断すると、視点角度Vの算出における誤差が大きくなってしまうおそれがある。遊技者ごとに基準顔サイズが登録されることにより、より正確な視点角度Vの推測が可能となる。なお、基準顔サイズは、遊技者が座って普通に遊技する状態の顔のサイズが登録されることが好ましい。この普通に遊技する状態としては、遊技者が着座して装飾図柄表示装置479を視認している状態であることが好ましく、装飾図柄の変動表示として複数の図柄が停止表示された状態において大当り当選に対応した一部の図柄が構成され、残りの一部の図柄が変動表示された状態(リーチ状態)や、遊技者が入力操作装置260を操作している状況であって装飾図柄表示装置479に当該操作に関する情報が表示された状態(例えば、パチンコ機100の設定操作を実行している場合において装飾図柄表示装置479に設定操作により選択された情報がハイライト表示された状態)などが例示される。
S205においては、S201において検出された目の位置と、S202において算出された眼間距離DEと、基準顔サイズとに基づいて、視点角度Vが算出される。すなわち、基準顔サイズに基づいて、遊技者の顔と装飾図柄表示装置479との距離が推測されると共に、当該推測された距離と目の位置とから、視点角度Vが算出される。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、遊技者の目の位置を検出すると共に、遊技者の目の位置に応じた画像を装飾図柄表示装置479に表示することにより、遊技者に対し、あたかも装飾図柄表示装置479の内部に3Dモデルが存在するかのように感じさせることができ、パチンコ機100としての娯楽性を向上させることができる。
<カメラ装置の設置(1)>
次に、カメラ装置600の設置について説明する。図24に示すように、遊技者が帽子などを被っている場合がある。図25に示すように、仮にパチンコ機100の上端に近い位置にカメラ装置600を設置した場合、帽子のつばが邪魔となり、遊技者の顔が撮影できない可能性が生じてしまう。また、図24に示すように、パチンコ機100において、装飾図柄表示装置479は、遊技者の視線が中心にくるように配置されることが多く、遊技者の顔の正面近傍にカメラ装置600を設置することは、物理的に困難である。
図26に示すように、パチンコ機100では、装飾図柄表示装置479の上部に造形物491が設置されている。この造形物491は、機械仕掛けにより装飾図柄表示装置479の前面中心付近に移動可能に構成されている。パチンコ機100では、この造形物491の内部に、カメラ装置600としての第1カメラ装置600Aが設置されており、レンズ部601Aが造形物491のほぼ中心(鼻部分)から露出している。
通常時において、造形物491は、装飾図柄表示装置479の上部に位置し、遊技者を撮影する。図26では、装飾図柄表示装置479において抽選の度に抽選結果が表示される表示部として、複数の数字が周方向に並んで表示された円筒状の数字盤が回転する回転画像の様子を示している。
副制御基板940は、変動パターンとしてリーチ状態を発生させる変動パターンの一部において、以下に説明するように、造形物491を動作させる。図27に示すように、抽選結果に応じて回転画像があと一つで当選となるリーチ状態となると、造形物491は装飾図柄表示装置479の前面ほぼ中央に移動し(図27の状態)、最後の数字を一旦覆い隠す。リーチ状態において変動中の最後の数字は、一般的に遊技者が装飾図柄表示装置479を注目し易いので、この状況を利用して第1カメラ装置600Aによって遊技者の顔を正面側から撮影するものであり、しかも、遊技者の顔がより正面側から撮影しやすい位置まで造形物491(第1カメラ装置600A)が下に下がるのである。
そして、遊技者の顔が第1カメラ装置600Aによって撮影された後には、造形物491(第1カメラ装置600A)は上昇して元の位置(通常状態)に戻る。これにより、変動中の最後の数字を遊技者が視認し易い状態に復帰し、遊技者に抽選結果を視認する遊技を楽しませることができる。
その後、図28に示すように抽選結果が表示され、大当りに当選している場合には、画像データに宝箱TBが出現し、図29に示すように数字盤の前に大きく表示される。その後、図18に示したように宝箱TBの蓋が開き、図19〜図21に示したように抽選結果が表示される。この宝箱TBを用いた抽選結果の表示としては、大当りか否かの抽選結果ではなく、大当りの種類の抽選結果に対応している。すなわち、図26から図28の変動表示を経由した後、大当りの発生による特別遊技状態の後に移行する遊技状態として、確変遊技状態へ移行するか、それとも確変遊技状態よりも遊技者にとって価値の低い時短遊技状態へ移行するかが宝箱TBを用いて表示され、その移行する遊技状態が宝箱TBの内容物CNに対応している。
なお、宝箱TBを用いた抽選結果の表示として、大当りの種類の抽選結果ではなく大当りの抽選結果を表示する場合には、図27に示すリーチ状態の後において、造形物491(第1カメラ装置600A)が元の位置(通常状態)に戻った後であって中央の図柄の変動継続中に、宝箱TBを数字盤の前に大きく表示して内容物CNを視認させる演出を実行し、その後に大当りか否かの抽選結果を表示すれば良い。
既述の通り、パチンコ機100では、カメラ装置600で撮影された撮影データに基づき、遊技者の目の位置を遊技者の顔の一部として検出する。図30に示すように、通常状態において、第1カメラ装置600A(図では600A(n)と記載)は、斜め上から遊技者の顔を撮影する。一方、リーチ状態において、造形物491は装飾図柄表示装置479のほぼ中央に移動する。このとき、第1カメラ装置600Aは、遊技者の顔のほぼ正面に位置することになる(図では600A(r)と記載し、下側移動状態という)。
そこで、パチンコ機100では、リーチ状態中における第1カメラ装置600Aの下側移動状態において撮影された撮影データに基づいて、基準顔サイズを修正(更新)するようになされている。すなわち、副制御基板940の顔検出部943は、下側移動状態において撮影された撮影データから顔サイズを検出し、基準顔サイズとして登録する。例えば、顔検出部943は、下側移動状態に遷移するごとに1回、基準顔サイズを登録(記憶)する。これにより、顔検出部943は、遊技者のほぼ正面から撮影された撮影データを基準顔サイズにすることができるため、基準顔サイズの精度を向上させることができる。
また、図31に示すように、通常状態においては、第1カメラ装置600A(図では600A(n)と記載)が下側移動状態よりも上側に位置し、遊技者よりも上に位置する場合が生じ得る。このため、帽子を被った遊技者が下を向いたり、パチンコ機100に近づいたりした場合、第1カメラ装置600Aが遊技者を撮影できない場合が生じ易くなってしまう。
そこで、パチンコ機100では、図32に示すように、カメラ装置600として、第2カメラ装置600Bを設置している。第2カメラ装置600Bは、上方向から遊技者の顔が撮影できない場合であっても遊技者の顔が確実に撮影できるよう、下側移動状態における第1カメラ装置600Aより下に設置され、遊技者の顔よりも下に設置される。すなわち、副制御基板940の顔検出部943は、常に第1カメラ装置600A及び第2カメラ装置600Bによって遊技者を撮影しており、第1カメラ装置600Aの撮影データ(以下、これを第1撮影データと呼ぶ)から顔が検出された場合には、第1撮影データを使用して視点角度Vを算出する。一方、第1撮影データから顔が検出されない場合には、第2カメラ装置600Bの撮影データ(以下、これを第2撮影データと呼ぶ)を使用して視点角度Vを算出する。これにより、顔検出部943は、第1カメラ装置600Aで遊技者の顔が撮影できない場合であっても、第2カメラ装置600Bで撮影した第2撮影データから遊技者の顔を検出することができ、撮影できないケースを著しく減少することができる。
次に、図33を参照して、副制御基板940の顔検出部943によって実行される顔検出処理について説明する。図33は、顔検出部943によって実行される顔検出処理を示したフローチャートである。この顔検出処理は、副制御基板940の装飾図柄表示処理(図22)のうち、S100において実行される。
まず、S301において、第1カメラ装置600A(図では第1カメラと記載)によって撮影された第1撮影データから顔が検出されたか否かについて判別される。第1撮影データから顔が検出されなかった場合には、何ら処理が実行されることなく、S309へ移る。第1撮影データから顔が検出された場合には、S302へ移り、現在の状態がリーチ状態中であって第1カメラ装置600Aの下側移動状態中であるか否かについて判別される。第1カメラ装置600Aの下側移動状態中である場合には、S303〜S309の処理が実行され、第1カメラ装置600Aの下側移動状態中でない、すなわち通常状態であった場合には、何ら処理が実行されることなく、S310へ移る。
S303においては、今回のリーチ状態において、第1撮影データに基づく基準顔サイズが既に登録されたか否かについて判別される。既に登録されていた場合には、何ら処理が実行されることなく、S310へ移る。未だ登録されていなかった場合には、S304において、撮影データから顔サイズが検出される。S305においては、基準顔サイズが登録される。これにより、第1カメラ装置600Aが下がって遊技者の正面に位置するリーチ状態の一部における、遊技者の顔サイズが基準顔サイズとして登録され得る。
また、第1カメラ装置600Aが下がって基準顔サイズが登録された場合に、そのタイミングにおいて第2カメラ装置600Bによって基準顔サイズが登録され得る。S306〜S309では、第2撮影データに基づく基準顔サイズが登録される。S306においては、第2カメラ装置600Bに基づく第2撮影データから顔が検出されたか否かが判別される。顔が検出されなかった場合には、何ら処理が実行されることなく、S310へ移る。S307においては、今回のリーチ状態において、第2撮像データに基づく基準顔サイズが既に登録されたか否かについて判別される。既に登録されていた場合には、何ら処理が実行されることなく、S310へ移る。未だ登録されていなかった場合には、S307において、撮影データから顔サイズが検出される。S305においては、基準顔サイズが登録される。これにより、リーチ状態にあり、注目度が高く、装飾図柄表示装置479を真っ直ぐ凝視している可能性が高い状態の遊技者の顔が第2カメラ装置600Bに対しての基準顔サイズとして登録され得る。
S310においては、第1カメラ装置600Aによって撮影された撮影データを使用して遊技者の視点を検出することが決定され、S101(図22)へ移って処理が実行される。
S311においては、第2カメラ装置600B(図では第2カメラと記載)によって撮影された第2撮影データから顔が検出されたか否かについて判別される。第2撮影データから顔が検出された場合には、S312において、第2撮影データを使用して遊技者の視点を検出することが決定され、S101(図22)へ移って処理が実行される。顔が検出されなかった場合には、S313において遊技者の顔が検出されなかったと判断され、S101(図22)の処理が実行される。
このように、図33に示す顔検出処理においては、第1カメラ装置600Aが下がって基準顔サイズが登録(記憶)されたタイミングにおいて第2カメラ装置600Bによって基準顔サイズを登録(記憶)することができるため、第2カメラ装置600Bによって遊技者の目など顔の一部が直接撮影できなくても、遊技者が装飾図柄表示装置479を正面視した状況における目以外の耳、鼻、あご又は顔の外形等の他の部位の配置位置を撮影した撮影データを基準顔サイズとして登録することができる。このため、第1カメラ装置600Aが通常状態として上側に戻り、遊技者の顔(目)が第1カメラ装置600Aによって検出できない状況であっても遊技者が正面視した状況に対しての視点角度Vの変化を第2カメラ装置600Bによる撮影データを利用して推測することができ、視点角度Vの変化に対応した画像データを生成し易く、遊技者の顔(目)の状態変化に対応した画像データを装飾図柄表示装置479によって、より正確に表示することができる。
なお、図33におけるS310及びS312の処理において、第1カメラ装置600Aと第2カメラ装置600Bとの両方の撮影データを使用して遊技者の視点を検出する場合があるものとしても良い。第1カメラ装置600Aが通常状態として上側に戻った状況において、遊技者の顔が第1カメラ装置600A又は第2カメラ装置600Bのいずれか単体のみによっては検出できない状況であっても、遊技者が装飾図柄表示装置479を正面視した状況に対しての視点角度Vの変化を、第1カメラ装置600Aと第2カメラ装置600Bとの両方の撮影データを利用して推測することができる。これにより、視点角度Vの変化に対応した画像を装飾図柄表示装置479によって、一層正確に表示することができる。
また、図33におけるS307の処理を省略し、第1カメラ装置600Aによって基準顔サイズを登録した場合には、第2カメラ装置600Bによって基準顔サイズの登録があってもその登録データを更新することとしても良い。これにより、遊技者が装飾図柄表示装置479を正面視した状況に対しての第2カメラ装置600Bから見た遊技者の状態を、第2カメラ装置600B用の基準顔サイズとして正確に登録することができる。
<カメラ装置の設置(2)>
また、図34には、カメラ装置600としての第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600Dを、前ブロック102(図1〜図4)に設置した例を示している。前ブロック102にカメラ装置600を設置する場合、遊技者の顔の正面にカメラ装置600を設置することは物理的に困難である。仮に、1つのカメラ装置600を外枠101又は前ブロック102に1つだけ設置した場合、遊技者が設置されたカメラ装置600と逆方向を向いた場合に、遊技者の顔を検出できない可能性が生じる。
そこで、遊技者に対して左右2方向に、2つのカメラ装置600(第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600D)を設置している。第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600Dは、平均的な遊技者の視点よりも若干下に設けられており、背の低い遊技者や帽子を被った遊技者であっても、確実に顔を撮影できるようになされている。また、機種の変更に伴って遊技盤400を交換した場合であっても、外枠101及び前ブロック102は継続して使用されることから、機種変更に伴い新たなカメラ装置600を準備せずに済み、経済性に優れている。
副制御基板940の顔検出部943は、第1カメラ装置600Cによって撮影された第1撮影データ及び第2カメラ装置600Dによって撮影された第2撮影データのうち、少なくとも一つ以上の撮影データを使用して遊技者の顔を検出する。第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600Dの一方のみから遊技者の顔が検出された場合には、顔が検出された一方の撮影データを使用して、遊技者の視点を算出する。また、第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600Dの両方から遊技者の顔が検出された場合には、例えば2つの撮影データから視点角度をそれぞれ算出し、平均値を視点角度Vとする。また、2つの撮影データを合成して一つの合成画像データを生成し、合成画像データから遊技者の視点を算出することもできる。このように、2つのカメラ装置600を使用することにより、2つの撮影データから遊技者の顔を検出できた場合には、2つの撮影データを使用して視点角度Vの精度を高めることができる。また、2つのカメラ装置600を補完的に使用することにより、撮影データから遊技者の顔を検出する確率を上昇させ得る。
また、視点角度Vの精度が高まるため、遊技者の視点角度Vの小さな動きを検出し、当該小さな動きに応じて投影画像を大きく動かすといった動作を行うことができる。遊技者の遊技時間は様々であるが、遊技時間が長くなると、覗き込む動作をするのがおっくうになる場合が生じる。例えば、遊技者の視点角度Vが僅かに上方向へ移動したのを検出すると、表示データ生成部942は、投影画像における視点を視点角度Vの移動分に所定の係数を乗算した値分だけ変化させた位置に設定する。これにより、遊技者に飽きさせることなく装飾図柄表示装置479の画像に対する動作を行わせることができる。また、あたかも3Dモデルが装飾図柄表示装置479に存在するように見せるためには、遊技者の前後方向の動きに対して、投影画像を変化させる必要はない。しかし、遊技者が前方向に顔を近づける場合には、遊技者が3Dモデルの少なくとも一部を凝視したいと思っている可能性が高い。そこで、表示データ生成部942は、遊技者が前方向に顔を近づけたことを検出すると、予め予測された遊技者が凝視したい部分を拡大表示する。
このように、複数のカメラ装置600を使用して視点角度Vの算出精度を向上させることにより、遊技者の視点に応じて遊技者の望む投影画像を表示することができる。
次に、図35を参照して、副制御基板940の顔検出部943によって実行される顔検出処理について説明する。図35は、顔検出部943によって実行される顔検出処理を示したフローチャートである。この顔検出処理は、副制御基板940の装飾図柄表示処理(図22)のうち、S100において実行される。
S401において、第1カメラ装置600C(図では第1カメラと記載)によって撮影された第1撮影データから顔が検出されたか否かについて判別される。顔が検出された場合、S406〜S408の処理が実行される。一方、S401において第1撮影データから顔が検出されなかった場合、S402〜S404の処理が実行される。
S402においては、第2カメラ装置600D(図では第2カメラと記載)によって撮影された第2撮影データから顔が検出されたか否かについて判別される。第2撮影データから顔が検出されなかった場合には、S403において、2つのカメラ装置600の両方から遊技者の顔が検出されなかったと判断され、S101(図22)以降の処理が実行される。一方、第2撮影データから顔が検出された場合には、S404において、顔が検出された第2撮影データのみが使用することが決定され、当該第2撮影データを使用してS101(図22)以降の処理が実行される。
S406においては、第2撮影データから顔が検出されたか否かについて判別される。第2撮影データから顔が検出されなかった場合には、S407において、顔が検出された第1撮影データのみが使用することが決定され、当該第1撮影データを使用してS101(図22)以降の処理が実行される。一方、S406において第2撮影データから顔が検出された場合、顔の検出された第1及び第2撮影データの2つの撮影データが使用されることが決定され、当該2つの撮影データを使用してS101(図22)以降の処理が実行される。
<上大入賞装置の構成>
次に、上大入賞装置700の構成について説明する。遊技盤400の前面に位置するカバー部709を透過した状態で示す図36及び図37に示すように、パチンコ機100では、発射装置330(図6)から遊技球が発射されると、外レール402及び内レール403に挟まれた発射通路401Bを経由して発射誘導路50を進行し、遊技盤400の上部へと誘導される。このとき、左打ち遊技手法によって遊技が行われて遊技球が分岐部691を超えなかった場合、遊技球は左方向の下側誘導路51へ誘導され、遊技盤400の左側を進行する。一方、右打ち遊技手法によって遊技が行われて遊技球が分岐部691を超えた場合、遊技球は誘導板692に衝突して上大入賞装置700内の上側誘導路52へと誘導される。上側誘導路52は、遊技球が1列に並んで進行可能な幅及び高さに通路が設定されている。上側誘導路52では、遊技球が左方向へ進行する上部左進行部701と、遊技球の進行方向を右方向へ変換させる方向変換部702と、右方向へ遊技球を進行させる右進行部703と、急角度で遊技球を流下させる急峻部704とを有している。上側誘導路52の下流側には、上大入賞装置700へ進入しないで下流側に遊技球が流下する誘導路53と、上大入賞装置700へ遊技球が進入する誘導路55とが分岐して連続している。誘導路53は、遊技球が1列に並んで進行可能な幅及び高さに通路が設定されている。
上大入賞装置700は、開閉部材711を駆動する上進入規制機構710を有しており、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、上進入規制機構710(開閉部材711)の上側に形成される誘導路(誘導路53)から下側に形成された誘導路(誘導路55)への遊技球の進入確率を変化可能とされている。
具体的に、上進入規制機構710が閉状態(進入禁止姿勢)のとき、遊技球は、誘導路53へ進入して上側進行部705の内部を右方向へ進行する。このとき、遊技球は開閉部材711の上を通過した後、底面705Dを通過し、そのまま遊技盤400の右側を流下する誘導路54へと誘導される。誘導路53は、開閉部材711によって底面の一部が形成され、遊技球の進行方向に沿って遊技球の直径の5倍以上(例えば、略65mm)の長さを有し、閉状態とされた開閉部材711の上を通過中の複数の遊技球が開状態になると複数並んで上大入賞装置700に進入して入賞が発生可能とされている。また、誘導路53は、水平方向よりわずかに下向きに傾斜が設けられており、この傾斜により遊技球が右方向へと進行する。
一方、上進入規制機構710が開状態(進入許容姿勢)のとき、開閉部材711が後側へ移動することにより開口部712(図39)が形成される。この開口部712は、上大入賞装置700の入口部分としての入賞口を構成する。開口部712に進入した遊技球は、この開口部712から誘導路53の下側に沿って右方向へ進行する誘導路55へ進入し、下向きの傾斜に沿って右方向へ進行した後、誘導路55の折れ曲がりに沿って下方向に流下し、下方向に形成され、分岐する2つの入賞誘導路57,58へと誘導される。誘導路55には、上大入賞スイッチ444(図10参照)が設けられ、一方の入賞誘導路57には特定通路スイッチ448(図10参照)が、他方の入賞誘導路58には非特定通路スイッチ447(図10参照)がそれぞれ設けられている。上大入賞装置700に入賞した遊技球は、上大入賞スイッチ444によって検出された後、特定通路スイッチ448又は非特定通路スイッチ447のいずれかに検出されてから、遊技盤400の後側へと誘導される。
なお、右進行部703及び上側進行部705における前後の通路壁面を構成する側壁703A,703B,705A,705Bには、内側に突出する突出部703E,705Eがそれぞれ設けられている。この突出部703E,705Eは、上下方向に長く連続し、断面が略半円でなる棒形状(半円柱形状)を有しており、遊技球の直径より小さい間隔(一つの側壁における突出部703E,705Eの間隔は遊技球の直径の1.5倍程度)で前側及び後側の側壁間で互い違いになるように設けられている。これにより、遊技球が右進行部703及び上側進行部705を右方向に進行する際、突出部703E,705Eにぶつかりながら蛇行することになり、遊技球の進行速度を低下させることができる。
図38及び図39に示すように、上進入規制機構710は、上進入規制ソレノイド713が駆動することにより、開閉部材711を前後方向に変位させる構成でなる。上進入規制ソレノイド713が、右方向に突出するソレノイドバー714を左右方向に駆動してソレノイドバー714を本体に出し入れする。例えば上進入規制ソレノイド713が通電状態(オン状態)になるとソレノイドバー714を左方向に駆動し、ソレノイドバー714の右側先端近傍に取り付けられたソレノイドアーム715の右端が左方向に変位する。ソレノイドアーム715の左先端部には、シャッターアーム716が回転可能に取り付けられている。シャッターアーム716は、上方向に突出する突出部716Aを有しており、開閉部材711に設けられた孔部711Aにはめ込まれることにより、開閉部材711とシャッターアーム716が接続されている。すなわち、ソレノイドアーム715の右端が左方向に変位すると、シャッターアーム716は、屈曲した形状であって略ハート形状を有する孔部711Aに沿って変位することにより、シャッターアーム716の回転動作を吸収して開閉部材711を後方向に変位させる。
上進入規制ソレノイド713が非通電状態(オフ状態)になると、ソレノイドバー714への電磁力がオフとなって、圧縮コイルバネ714Aの作用によってソレノイドバー714が右方向に移動し、ソレノイドバー714の右側先端近傍に取り付けられたソレノイドアーム715の右端が右方向に変位する。これにより、シャッターアーム716が逆方向に動作し、開閉部材711を前方向に変位させる。この結果、上進入規制ソレノイド713は、開閉部材711をほぼ前後方向に変位させることができる。
また、開閉部材711の上面には前後方向に長い突出部であり、当接面積を低減させて開閉部材711の摩擦力を低下させるガイド部711Bが設けられている。また、開閉部材711は、平面視において開閉部材711の先端部分が左右方向に対して一定範囲(例えば、5°の角度)内で時計回り方向及び反時計回り方向へ回動する構成とされ、開閉部材711の左右幅が開閉部材711の収納空間の左右幅より短く形成されている。
図40に示すように、上側進行部705及び下側進行部706は上下方向に隣接して設けられており、開閉部材711によって隔てられている。この結果、開閉部材711は、開状態において開口部712を露出させ、遊技球を誘導路55へと誘導することができる。一方、開閉部材711は、閉状態において開口部712を塞いで誘導路53の底面721(上側進行部705の底面705D)とほぼ接続することにより、遊技球を誘導路53へと誘導することができる。
さらに、上大入賞装置700は、図40に示すように、急峻部704を流下して勢いがついた遊技球が開閉部材711に衝突する位置に設けられている。具体的に、開閉部材711が出入りする開閉出入口722は、上側進行部705の上流端に相当する左端であって、急峻部704に隣接するようにして設けられている。このため、遊技球が急峻部704を流下する進行方向上に閉状態の開閉部材711が位置し、流下する遊技球が開閉部材711に衝突して流下方向を大きく、略60度以上に変化可能とされている。なお、開閉部材711の下流側端部に相当する右側の前端部には、平面視で斜めに傾斜した形状部を有し、開閉部材711の下流側端部で開口部712との間に挟まった遊技球を誘導路53の底面721側へ押し出し易い構成とされている。
ここで、例えば図41に示すように、上進入規制機構710が開状態から閉状態へ移行するとき、遊技球が偶然、閉じかけた開口部712を流下しようとした場合、開閉部材711と側壁705A,706Aとの間で遊技球が挟まれて、その遊技球が挟まれた状態が維持される、いわゆる球噛みが生じることがある。このような場合であっても、急峻部704を経由して勢い良く流下する後続の遊技球が開閉部材711に衝突することによる衝撃によって、球噛みを生じた遊技球を下側進行部706へ落下させることができる。上述したように、開閉部材711とシャッターアーム716とは、突出部716Aと孔部711Aとがはめ合わされているだけで固着されておらず、振動(前後方向の移動による振動や、平面視における一定範囲内での回動による振動等)が生じる構成とされている。従って、遊技球が開閉部材711に衝突することにより開閉部材711は大きく振動し、振動により間隙が生じた瞬間に遊技球を落下させることができる。また、図42に示すように、開閉部材における右側において球噛みが発生したことにより、次の遊技球が開閉部材711に衝突しても衝撃が十分に伝わらず、複数の遊技球が溜ってしまったような場合であっても、急峻部704を流下する遊技球が末端の遊技球に直接衝突することにより、衝撃が遊技球同士で伝達されることにより、開閉部材711に引っかかっている遊技球に対して直接衝撃を加えることにより、球噛みを解消することができる。
また、上大入賞装置700は、中央構造体420の右側から遊技球を流下させる右打ち遊技手法によって発射された遊技球の全てが誘導され得る上側誘導路52に設けられている。このため、上大入賞装置700において球噛みが発生すると、上側誘導路52には多数の遊技球が短時間で大量に長く連なってしまい、これにより、多大な不具合を生じるおそれがある。例えば、球噛みがなければ、上大入賞装置700における1回の進入許容姿勢によって進入可能な所定の個数に達するまでの時間が短くなるので、短時間で多量に遊技球を獲得し得る爽快感を遊技者に付与することができるものの、球噛みによってかかる爽快感を付与できなくなる。また、上大入賞装置700が設けられる位置に対して上側誘導路52に沿った下流側には、右始動入賞装置432や下大入賞装置433といった進入規制機構が設けられる装置があり、その装置側への遊技球の進行ができなくなってしまうと、その装置が進入許容姿勢をとった場合に本来遊技者が得られるはずの利益を享受できなくなってしまう。さらに、上大入賞装置700が設けられる位置に対して上側誘導路52に沿った下流側には、進入規制機構を有しない入賞装置(一般入賞装置439B)が設けられているものの、一旦球噛みが生じた場合には多数の遊技球が連なった状態となってから、その状態のままで当該入賞装置側へ多数の遊技球が進行すると、予め設定した入賞確率とは異なる確率(例えば、数倍以上の高確率または数分の1以下の低確率)で遊技球が入賞装置へ進入してしまう可能性もあり、遊技者又は遊技場側のいずれかが多大な不利益を被る可能性もある。
パチンコ機100によれば、上記した少なくともいずれかの不具合が発生し得る構成を有するものの、上大入賞装置700が球噛みが解消し易い構成とされているので、かかる球噛みによって発生し得る不具合を低減可能にすることができて好ましい。
このように、導入誘導路としての急峻部704は、斜め上方向から、第1の誘導路53(上側進行部705)及び第2の誘導路55(下側進行部706)と接続される誘導路であって、開閉部材711が閉状態の場合に、遊技球が開閉部材711に衝突するように設けられている。このため、速度が大きい状態で開閉部材711によって開閉される開口部712を通過させることができるので、球噛みを生じ難くして球噛みに起因する不具合を低減できる。また、球噛みが発生した場合には、球噛みした遊技球に後続の遊技球を直接衝突させ、或いは、後続の遊技球を開閉部材711に衝突させることによって開閉部材711を振動させることができる。これにより、開閉部材711によって挟まれた遊技球を第2の誘導路55内へ落下させるか、又は第1の誘導路53へ復帰させることができるので、球噛みを解消させて球噛みに起因する不具合を低減できる。
また、急峻部704は、第1の誘導路53(上側進行部705)と同一の方向側に下降傾斜した誘導路であって、略70度の角度で下降傾斜して第1の誘導路53と接続されている。このため、第1の誘導路53における遊技球の進行方向へ向けて遊技球を流下させつつ開閉部材711に遊技球を衝突させることができるため、第1の誘導路53における遊技球の進行をスムーズにすることができる。例えば、第1の誘導路53における下流側部分で遊技球の球噛みが発生し、その位置を最下流部分として第1の誘導路53に沿って遊技球が並んで滞留した状況において、球噛みの起因となった遊技球に強い衝撃力を伝達し易くして球噛みを解消し易くすることができる。なお、急峻部704は、略40°以上略80°未満の角度で第1の誘導路53と同一の方向側に下降傾斜して第1の誘導路53と接続されていることが好ましい。
また、急峻部704は、第2の誘導路55(下側進行部706)と同一の方向側に下降傾斜した誘導路であり、これにより、開口部712を通過して上大入賞装置700へ進入した後の第2の誘導路55における遊技球の進行についてもスムーズにすることができる。
また、主制御基板920は、大当りの当選又は大当り抽選とは別の当選(例えば、小当り)によって、遊技球が上大入賞装置700へほとんど進入不能な短時間(例えば、0.05秒)で開閉部材711の開状態を形成する制御を有してもよく、この場合、開閉部材711によって支持された状態の遊技球は、開閉部材711の開放によって遊技球の自重により上大入賞装置700側へ進行し、その速度は略一定であるので、開口部712へ進入する前に再び開閉部材711が閉状態とする設定を容易に実現できる。しかしながら、急峻部704を進行することで勢いのある遊技球が偶発的に短時間の開状態で開放した開口部712へ進行すると、開口部712内へ遊技球が進入して球噛みが発生してしまう可能性はある。
これに対して、パチンコ機100によれば、開閉部材711は、平面視における一定範囲内で回動可能に構成され、急峻部704は、斜め上方向から、開閉部材711によって底面が構成される第1の誘導路53(上側進行部705)の上流端に接続されている。このため、開閉部材711の上流端で球噛みが発生しても下流側では開閉部材711を閉鎖方向へ進行させることができ、短時間の開放によって余分に遊技球が上大入賞装置700へ進入してしまう状況を抑制することができる。また、第1の誘導路53に対しては、急峻部704とは別の位置から遊技球が進入する誘導路が設けられず、これによっても、短時間の開放によって球噛みが発生する位置を第1の誘導路53の上流端に限定することができるし、遊技球が複数進入可能なように開閉部材711が長時間の開状態となっても最後に遊技球が進入する位置は第1の誘導路53の上流端に限定され、この位置は遊技球が1個ずつ勢いよく進行するので、球噛みを生じ難くすることができる。
<進入規制機構による球噛みの防止(1)>
次に、上進入規制機構730の構成について説明する。上進入規制機構730では、構成を工夫することにより、開閉部材711の先端を上下方向に変位可能になされている点が上進入規制機構710とは相違している。なお、上進入規制機構710と同一部分については説明を省略する。
図43及び図44に示すように、開閉部材711は、側壁705B,706Bの間に設けられた開閉出入口722から出し入れされることにより、閉状態と開状態とに遷移される。開閉出入口722から後方向には、開閉部材711を収納する収納空間739が設けられている。開閉出入口722において側壁705Bから接続される天井面としての天井部732A〜732Cは、低い位置にある天井前部732A、高い位置にある天井後部732B、及びこれらを中継する天井傾斜部732Cを有しており、前方向では空間が狭く、後方向では空間が広く形成されている。このとき、開閉部材711の上端(すなわちガイド部711B)と天井前部732Aとの隙間は殆どない。上述したように、シャッターアーム716と開閉部材711とは、孔部711Aに突出部716Aがはめ込まれることによって固定されており、上端はフリーになっており、突出部716Aが孔部711Aから外れることも可能である。そこで、開閉部材711の上面と天井前部732Aとの距離Lupが、開閉部材711の厚みより小さく設定されることにより、突出部716Aが孔部711Aから外れてしまうことを防止している。天井傾斜部732Cには、天井前部732Aを延長するように前方向を根元にして水平方向にほぼ平行に板バネ731が設置されている。なお、底面733の位置は、シャッターアーム716の駆動範囲内においてはシャッターアーム716の駆動の邪魔にならないよう、より低い位置に設定される。
図44に示すように、閉状態において開閉部材711は、その位置が前方向に移動してその後端が板バネ731の根元の位置にあり、上面の大部分が天井前部732Aに対向している。このため、先端に遊技球が載って遊技球の重力が加えられても、天井前部732Aと板バネ731の根元部分にしっかりと指示され、変位することができない。この結果、閉状態において、開閉部材711は、開口部712をしっかりと塞ぎ、遊技球を誘導路53から誘導路54へと導くことができる。
図45に示すように、開状態において、開閉部材711は、その位置が後方向に移動しており、後端が天井後部732Bで作られる広い空間(移動空間739A)に位置している。このため、開閉部材711の後端は板バネ731を跳ね上げて上方向に変位することができ、突出部716Aを視点として開閉部材711を回転させることにより、開閉部材711の先端の位置を下方向へと変位させることができる。すなわち、上進入規制機構730では、開状態から閉状態に移行する際に開閉部材711の先端に遊技球が挟まれたとき、遊技球の重力によって開閉部材711の先端の位置を下方向にずらすことにより、遊技球を落下させ、球噛みを生じにくくすることができる。
このように、上進入規制機構730を有したパチンコ機100は、閉状態において開閉部材711の上下方向の位置が天井前部732Aによって固定され、開状態から閉状態へと移行する途中である移行状態において開閉部材711の前側先端が変位するための移動空間としての収納空間739とを有する。このため、閉状態においては開閉部材711の上下方向の位置が固定される一方、開状態から閉状態への移行状態において開閉部材711の前側先端が変位可能であるため、移行状態において遊技球の開閉部材71に対する衝撃や荷重を利用して、球噛みを低減することができる。
<進入規制機構による球噛みの防止(2)>
次に、上進入規制機構750の構成について説明する。上進入規制機構750では、弾性変形可能な弾性部材を使用することにより前後方向にも開閉部材751の先端を変位させる点が、上述した上進入規制機構730とは相違している。なお、上進入規制機構730と同一部分については説明を省略する。
図46に示すように、開閉部材751は、前方板部752と、支持部755と、弾性部753と、後方板部754とを有している。前方板部752は、開口部712を塞いで蓋をしその上面に遊技球を通過させる。支持部755は、前方板部752と弾性部753との間に設けられ、支持部755が鉛直方向に直立したときに、前方板部752の長手方向がほぼ水平になるように当該前方板部752を支持している。弾性部753は、例えば波型形状を有する金属板で構成されており、荷重に応じて前後方向に縮んだり、左右方向に変位できると共に、荷重がなくなると元の形状に戻ることができる一時変形が可能な構成でなる。なお、弾性部753としては、材質や構成に制限はなく、コイルバネやプラスチックなどを用いてもよい。この弾性部753は、上進入規制ソレノイド713(圧縮コイルバネ714A)による開閉部材751の閉鎖方向への駆動力よりも小さな力で短縮するようにバネ定数が設定され、開閉部材751の先端部分に遊技球が挟まった場合には、弾性部753が短縮している過程では弾性部753のバネ定数に従って遊技球に小さな力が作用し、弾性部753が短縮可能な最大量まで縮んだ後には、その前よりも大きな力として圧縮コイルバネ714Aによる力が遊技球に作用する。
図47に示すように、開閉出入口722において側壁706Bから接続される底面は、入口底面761Aと、後方向へ向かって下る傾斜底面761Bと、後方向の後側底面761Cとを有している。この底面761A〜761Cと天井面762とで挟まれた空間が収納空間759となる。入口底面761Aと天井面762との距離Lmは、支持部755の前後方向の高さよりわずかに(例えば0.1〜0.5mm程度)大きく設定されており、閉状態において、支持部755が入口底面761Aと天井面762とによって挟まれて固定されることにより、前方板部752がほぼ水平に保たれる。具体的には、支持部755が回転しないように距離Lmと支持部755の高さとの差分が設定される(すなわち、支持部755を前後方向及び上下方向を含む平面にて切断したときの断面図において、支持部755の対角線と高さとの差分より小さく設定する)ことにより、支持部755が倒れることを防止することが可能である。傾斜底面761Bは、後側底面761Cから入口底面761Aまでをその高さが徐々に狭まるように滑らかに接続することにより、開状態から閉状態へ移行する際、支持部755を滑らかに入口底面761Aへ誘導する。
一方、開状態や開状態及び閉状態の移行中の場合には、支持部755が空間の広がる傾斜底面761B上にあることから、上下方向の空間に余裕(移動空間739A)が形成されており、前方板部752が前後方向に変位することが可能である。図48に示すように、開状態から閉状態へ移行する際、前方板部752に遊技球が挟まって荷重が加わると、弾性部753の前後方向又は上下方向の変位により、遊技球を誘導路55へ落下させることができる。このように、上進入規制機構750では、弾性部753の弾性を利用して前方板部752の先端を後や下方向へ変位させることにより、球噛みが生じる確率を低減することができる。
このように、上進入規制機構750を有したパチンコ機100は、閉状態において開閉部材751の前方板部752の上下方向の位置が入口底面761Aと天井面762とによって固定され、開状態から閉状態へと移行する途中である移行状態において開閉部材751(前方板部752)の前側先端が変位するための移動空間759Aを含む収納空間759を有する。このため、閉状態においては開閉部材751(前方板部752)の上下方向の位置が固定される一方、開状態から閉状態への移行状態において開閉部材751の前側部分(前方板部752)が変位可能であるため、移行状態において遊技球の開閉部材751に対する衝撃や荷重を利用して、球噛みを低減することができる。
また、上進入規制機構750を有したパチンコ機100によれば、開閉部材751の前方板部752は、弾性部753の左右方向における一方側が他方側より大きく変形することで平面視における一定範囲内で回動可能に構成され、急峻部704は、斜め上方向から、開閉部材711によって底面が構成される第1の誘導路53(上側進行部705)の上流端に接続されている。このため、開閉部材751の上流端で球噛みが発生しても下流側では、開閉部材711の前方板部752を閉鎖方向へ進行させることができ、短時間の開放によって余分に遊技球が上大入賞装置700へ進入してしまう状況を抑制することができる。
なお、上進入規制機構750を有したパチンコ機100の開閉部材751に代えて、以下のように開閉部材を構成してもよい。例えば、図49に示す開閉部材771のように、上進入規制ソレノイド713に接続される後方板部754Xに対して、弾性部753及び前方板部752を、複数の弾性部753Xa,753Xb及び前方板部752Xa,752Xbに分離して設け、それぞれに対応して支持部755Xa,755Xbを設けてもよい。この場合には、前方板部752Xa,752Xbは、遊技球と接触可能な前端の一部を有する一方の前方板部を、他の前方板部とは独立して変位可能とすることができるので、一方が球噛みした場合であっても他方を閉じることができ、予め設定した数より多くの遊技球が誘導路55へ誘導されてしまう事態をより確実に抑制することができる。
また、図50に示す開閉部材775のように、上進入規制ソレノイド713に接続される後方板部754Yに対し、複数の前方板部752Ya,752Ybのうち一部の前方板部752Yaのみ弾性部753Yaを設けて変位可能とし、残りの前方板部752Ybを一体的に設けてもよく、この場合には、球噛みが生じやすい上流側(左方向)のみに弾性部753Yaを設けることが好ましい。これにより、前方板部752Ya,752Ybは、遊技球と接触可能な前端の一部を有する前方板部752Yaを、他の前方板部752Ybとは独立して変位可能とすることができ、低コストで球噛みを解消し易い上進入規制機構を実現することができる。
<進入規制機構による球噛みの防止(3)>
次に、上進入規制機構780の構成について説明する。上進入規制機構780では、開閉部材781の先端が後側部分に対して前後方向(後方側)にのみ変位(短縮)する点が上述した上進入規制機構750と相違している。なお、上進入規制機構750と同一部分については説明を省略する。
図51に示すように、開閉部材781は、前方板部782と、弾性部783と、後方板部784を有している。弾性部783は、前端を前方板部782に固着されると共に、後端を後方板部784に固着され一体化されている。開閉部材781は、前方板部782と後方板部784とをつなぐ補強部785を有している。
補強部785は、弾性部783の全部と、前方板部782の後方向の一部、後方板部784の前方向の一部の上下左右方向を囲む筒形状を有しており、前方板部782と後方板部784とが上下左右方向にずれないように補強している。また、前方板部782の上面には、左右方向に長い棒状のストッパ786が固着して設けられており、補強部785が前方向に行くのを防止している。さらに、補強部785は、前方板部782に対して後方に相対移動しないように、接着等によって固着されて一体化されている。これに対して、後方板部784にはストッパが設けられておらず、弾性部783が前後方向において縮むことに伴って、補強部785の後端は後方向へ変位する。
また、弾性部783は、短縮量Srだけ縮むが、それ以上は縮まない。図51及び図54には、弾性部783が短縮量Srだけ縮んで前方板部782及び後方板部784の前後長さが最小となった状態を示し、図53には、短縮前の長さが最大となった初期状態を示しており、弾性部783の短縮量Srを、弾性部783の初期状態における後端位置を基準として参考のために図示している。開閉部材781は、弾性部783の短縮により前方板部782及び後方板部784間を前後方向に短縮量Srだけ短縮可能に変位させ得る一方、上下左右方向には殆ど変位させないようになされている。また、弾性部783は、上進入規制ソレノイド713(圧縮コイルバネ714A)による開閉部材781の閉鎖方向への駆動力よりも小さな力で短縮するようにバネ定数が設定され、開閉部材781の先端部分に遊技球が挟まった場合には、弾性部783が短縮している過程では遊技球に小さな力が作用し、短縮量Srまで縮んだ後には、その前よりも大きな力が遊技球に作用する。
ここで、閉状態において弾性部783は、最大となった初期状態と比べて短縮された状態となっていてもよいし、初期状態に復帰するようにしてもよい。側壁705Aに接触した遊技球の下側に開閉部材781の前方板部782が入り込んだ後、すなわち、側壁705Aから遊技球の半径よりも近い位置(以下、球噛み回避位置ともいう。)まで開閉部材781の前方板部782が進行した後には球噛みが発生することがないので、その球噛み回避位置まで前方板部782が進行した後、更に後方板部784が前側へ進行して弾性部783が短縮量Srかそれよりも少ない長さ分縮んでもよいし、その球噛み回避位置より前側へは、弾性部783が完全に復元した状態となって前方板部782が前側へ進行する構成としてもよい。
開閉部材781は、設置部791上に設置されている。図52は、補強部785及び設置部791の中心近傍を左右方向に切断したときの断面図を示している。設置部791は、前後方向に長手方向を有する溝部791Aを有している。開閉部材781は、補強部785の下面に前後方向に長手方向を有する突出部785Aを有しており、溝部791Aに突出部716Aをはめ込むことにより、前後方向へ安定的にスライドすることができる。ここで、補強部785の下面に設けられた前後方向に長い3本の突起785Bは、設置部791と補強部785との接触面積を小さくして摩擦力を低減するために設けられている。また、シャッターアーム716における突出部716Aの上端部分716Axが孔部811Aより大きく形成されることにより、開閉部材781の上方向の位置が固定されている。
図53に示すように、閉状態において、遊技球が前方板部782の上に載って荷重が加えられた場合であっても、補強部785が前方板部782の位置をしっかりと固定しているため、開口部712を適切に塞ぎ、遊技球を誘導路53,54へと誘導することができる。この閉状態において、弾性部783は、最大に伸びた状態となっており、前方板部782及び後方板部784は、前後長さが最大となっている。
図54に示すように、開状態から閉状態へ移行する際、遊技球が前方板部782の先端に挟まったことにより、前方板部782に対して後方向へ荷重が加えられると、弾性部783が短縮して前方板部782の先端を後方向へ一時的に変位させ、遊技球を誘導路55へ落下させ易くすることができる。また、開閉部材781は、弾性部783によって力を逃がす(すなわち弱い力で閉鎖する)ことにより球噛みが発生する場合に遊技球を挟む位置(すなわち、弾性部783の力で遊技球が前方板部782に接触して球噛みが発生する位置)を遊技球の中心よりも下側に大きくずらして位置させることができる。このため、上進入規制ソレノイド713の進入規制機構780は、短縮量Srだけ弾性部783を短縮させた後、開閉部材781の先端を前方向へ強い力で押し出すことができ、挟まった遊技球を上方向へ押し出し易くすることができる。すなわち、上進入規制機構780では、荷重に応じて開閉部材781の先端の位置を変位させることにより、遊技球の球噛みを生じる時間を低減させることができる。すなわち、上進入規制機構780では、弾性部783の弾性を利用して前方板部782の先端を前後方向へ変位させることにより、球噛みが生じる時間を短くして球噛みによる不具合を低減することができる。
このように、上進入規制機構780を有したパチンコ機100は、前方向に位置する前方板部782と、前方板部782に対して後方向に位置し、上進入規制ソレノイド713と接続する後方板部784とを有し、開状態から閉状態へ移行する場合に前方板部782(詳細には、遊技球と接触する前端部分)と後方板部784とにおける前後方向の長さが短縮可能に構成されている。このため、移行状態において開閉部材781の先端に遊技球が挟まった場合でも、開閉部材781が縮むことによって遊技球を落下させることができ、球噛みに起因する不具合を低減できる。
<他の実施の形態>
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記実施形態においては、急峻部704から進行方向へ向けて斜めに遊技球を流下させるようにしたが、本発明はこれに限らず、遊技球を真上(90°の角度)から流下させたり、進行方向とは逆方向から遊技球を流下させても良い。要は、閉状態において開閉部材711に対して遊技球が衝突するように流下させれば良い。また、上記実施形態においては、上側進行部705の左端(すなわち急峻部704との境目)近傍に開閉部材711の左端が位置するようにしたが、上側進行部705の左端から遊技球の半径(0.55cm)以内に開閉部材711の左端が位置するようにすれば、急峻部704から流下する遊技球を開閉部材711に衝突させることができ、好ましい。
また、上記実施形態において、開閉部材の前側先端が開閉方向に相当する前後方向と交差する上下方向の少なくとも一方に移動可能な上進入規制機構730,750や、開閉部材が前後の複数の部材(例えば、前方板部752と後方板部753)とに分離された構造で駆動部(上進入規制ソレノイド713)によって駆動される後方側の板部に対して前方側の板部が変位可能な上進入規制機構750,780については、急峻部704を必ずしも設ける必要はなく、例えば、開閉部材751の上面によって形成される誘導路に対して更に上流側に誘導路が直線的に連続する構成としてもよい。また、上記実施形態のように上大入賞装置700の入賞口(開口部712)に対して必ずしも1つの通路が上流側に連続するものとする必要はなく、該入賞口に対して複数の通路が上流側に連続する構成としてもよい。かかる構成であっても、開閉部材の前側前端が、駆動部(上進入規制ソレノイド713)の駆動による閉鎖方向への移動動作に対して交差する方向又は逆方向へ変位することができるので、球噛みによる不具合を低減することができる。
また、上記実施形態においては、上大入賞装置700を構成する樹脂部材によって誘導路51〜55を構成したが、これらの一部を、釘や風車などの他の通路形成部材により構成してもよい。
上記実施形態においては、側壁705A,705Bの内側(遊技球が通る側)面に突出部705Eが設けられたが、本発明はこれに限らず、必ずしも設ける必要は無い。また、例えば前方向の側壁706Aにおいて上側進行部705の最上流部分(左端近傍)に突出部705Eを設けたり、急峻部704の最下流部分(右端近傍)の前方向の側壁に突出部(図示せず)を設ける(すなわち、急峻部704と上側進行部705との境界近傍に突出部を設ける)ことにより、遊技球を上側進行部705の後側に向けてガイドして進行方向をコントロールすることができる。例えば、図41に示したように、球噛みに起因して開閉部材711が閉まりきらず、開閉部材711の一部分のみが開閉出入口722から突出している場合であっても、開閉部材711に対して遊技球を確実に衝突させることができる。なお、この突出部は、ガイドしたい進行方向などに応じて種々の形状や高さを任意に選択することができる。また、急峻部704に突出部を設けて遊技球の速度を調節することも可能である。また、突出部705Eは、鉛直方向に連続する縦長の突起としてもよいし、斜め方向に連続する傾斜した突起としてもよく、斜め方向に連続する突起とする場合には、上側進行部705(誘導路53)における下降傾斜方向に一致し、上側進行部705(誘導路53)より急な角度で下降傾斜した方向に連続する接触面を少なくとも上流側に有する突起とすることが、球噛みした遊技球を後続の遊技球によって第2の誘導路内へ進入し易くすることができて好ましい。
また上記実施形態においては、駆動部として上進入規制ソレノイド713を用い、突出部716Aに貫通される孔部711Aの形状によって開閉部材711を前後方向に駆動したが、駆動部の構成に制限はなく、その他種々の構成を用いることができる。
さらに上記実施形態においては、板バネ731を用いたが、必須ではない。また、必ずしも開閉部材711を下方向に回転させる必要は無く、上方向に回転させても良い。
また上記実施形態においては、入口底面761Aと天井面762とが平行であったが、例えば開閉出入口722に向かってわずかに狭まるようにいずれか一方、又は双方に傾斜を設けると共に、支持部755の形状を前方向へ向けて狭まるようにしても良い。これにより、入口底面761Aと天井面762との間に支持部755がしっかりと挟まりやすくなり、前後方向の位置固定を安定化させることができる。
さらに上記実施形態においては、弾性部783の全部と、前方板部782及び後方板部784の一部との上下左右を覆う筒状の補強部785を使用したが、その他種々の構成の補強部785を使用できる。例えば上下方向の2枚の板状部材を部分的に繋いでも良い。また、前方板部に対して固い板状部材を固着させ、後方板部の内部の空洞に差し込む構成とし、空洞の奥にバネなどの弾性部材を入れるようにしても、開閉部材が前後方向にのみ変位するようにできる。
また上記実施形態においては、ストッパ786及び前方板部782への接着によって補強部785の一方の位置を位置決めしたが、補強部785を前方板部782に対して相対移動可能としつつ後方板部784に固着して位置決めするようにしても良い。また、設置部791は必ずしも必要ではなく、設置部791とは別の部位によって補強部785を有する開閉部材781を支持してもよい。
さらに上記実施形態においては、弾性部783によって開閉部材781を前後方向に短縮可能に構成したが、開閉部材を前後方向に伸長させた状態にして短縮する方向側へ付勢力を生じるように弾性部材を設けても良い。例えば弾性部材を伸びた状態でロックする機構を設けて、このロック機構として重りなどを設けて、通常の状態では重りの荷重により弾性部材を伸びた状態でロックしてもよい。開閉部材に遊技球が挟まったことにより一定以上の荷重がかかるとロックが解除されて開閉部材が短縮する(すなわち、開閉部材の先端部分が後方板部の進行方向とは逆方向に変位する)ことにより、遊技球を落下させることができる。この場合、開閉部材が一定量だけ短縮したことに応じてロックが解除され、開閉部材を再び伸長させる機構を設け、開閉部材が短縮してから伸長するまでのわずかな間に遊技球を落下させるようにしてもよい。このように、荷重に応じて開閉部材の先端の位置を開閉方向に沿った前後方向であって閉鎖方向とは逆の後方に一時的に変位させることにより、遊技球の球噛みを生じる時間を低減させることができる。また、弾性部を設けることなく摩擦力を利用する構成としても良い。例えば、補強部785と後方板部784との間に前後方向への移動を制限する摩擦力を生じるように圧入固定する構成とし、静摩擦力と動摩擦力の差異を利用し、大きな荷重がかかったときのみ開閉部材を短縮させることもでき、この場合においても開閉部材が開放する場合に前方板部782と後方板部784との間を再び伸長させる機構を設ける構成としても良い。
また、上記実施形態においては、上大入賞装置700に対して球噛みによる不具合を低減できる球噛み解消機能を付加した構成について説明したが、他の入賞装置に付加してもよく、例えば、下大入賞装置433に付加するようにしても良い。これにより、下大入賞装置433の内部に設けられる特定通路へ遊技球が進入して遊技者に特典が付与される機会を球噛みの発生によって失われてしまう事態を回避することができる。すなわち、入賞装置に進入した遊技球が特定通路と非特定通路に振り分けられ、特定通路に進入した場合に遊技者に特典(例えば、一定の上限回数に達する変動表示の実行回数まで確変遊技状態が維持する特典)が付与されることとなる入賞装置に球噛み解消機能を付加することは好ましい。
また、上記実施形態においては、遊技球と接触可能な前端の一部を有する一方の前方板部を、他の前方板部とは独立して変位可能とする開閉部材として、前後方向(詳細には、閉状態への移行動作とは逆方向)と上下方向とに変位可能な弾性部753Xa,753Xb,753Yaを有する開閉部材771,775について説明したが、必ずしも前後方向と上下方向との全てに変位可能な弾性部を有する構成とする必要はなく、上下方向のみとするなど一部の方向に変位可能とするように変位方向を制限してもよい。例えば、上進入規制機構780の前方板部782、弾性部783、後方板部784及び補強部785の組合せを前方板部の一部として有する開閉部材とし、一部分が後方板部に対して独立して前後方向に変位可能な前方板部を有する構成としてもよいし、前方板部の変位方向として一部は前後方向のみとし、一部が上下方向にも変位可能とするなど、異なる弾性部によって前方板部が後方板部に接続される構成としてもよい。
また、上記実施形態において、上進入規制機構780は、前方板部782が後方板部784に近づく方向側に変位可能な開閉部材781を有する構成としたが、開閉部材781の前側先端が、上進入規制機構730の開閉部材711と同様に下方に変位可能にしてもよいし、これに代えて、又はこれに加えて上方に変位可能にしてもよい。
(2)上記実施形態においては、人物の顔を検出するとトラッキングモードに遷移する構成としたが、必ずしもトラッキングモードを有する必要はない。例えば、常に検出された人物の顔から視点角度Vを算出するようにしても良い。
上記実施形態においては、水平2方向(前後及び左右)と鉛直方向の3次元における遊技者の眼の位置に基づいて視点角度Vを算出する構成としたが、必ずしも3次元の検出を行う必要はない。例えば、左右方向及び鉛直方向のみに基づいて視点角度Vを算出するようにしても良い。この場合、鉛直方向の眼の位置に基づいて、遊技者が目の位置を前後方向に移動させた場合には顔を前後方向に移動させたものと仮定して視点角度Vを算出するようにすることにより、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。もちろん、左右方向及び鉛直方向のみを検出し、遊技者が目の位置を前後方向には移動させないという仮定で2次元的に視点角度Vを算出しても良い。
上記実施形態においては、遊技者の目の位置が前後方向の移動を視点角度Vにのみ反映させる構成とした。本発明はこれに限らず、例えば、遊技者が装飾図柄表示装置479に対して顔を近づけると、眼に近い位置に存在する3Dモデルを拡大表示するようにしてもよい。これにより、遊技者がじっくりと見たいと思った3Dモデルを拡大して視認させる事ができ、娯楽性を向上させることができる。
上記実施形態においては、遊技者の顔サイズを登録して座っているときの基準とする構成としたが、必ずしも顔サイズを登録する必要はない。例えば、単純に眼間距離DEから装飾図柄表示装置479と遊技者との距離を推定するようにしても良い。
上記実施形態においては、顔の一部の状態として目の位置を検出する構成としたが、必ずしも目の位置を検出する必要はない。例えば、目の位置に代えて、又は、目の位置に加えて、口や耳、あごなど、他の位置を検出しても良いし、顔の向きを検出しても良いし、頭部全体の位置を検出してもよい。また、通常時には目の位置を検出し、遊技者がサングラスなどをかけていたことによって目の位置を検出できなかった場合に、口や耳などの位置から目の位置を推測するようにしても良い。
上記実施形態においては、顔の一部の状態として目の位置に応じた視点からの画像を画像データとして生成する構成について説明したが、当該構成に代えて、又は当該構成に加えて、顔の一部の向きに応じた視点からの画像を画像データとして生成しても良い。例えば、同一の目の高さ位置であっても、視線の向きの変化に応じて視点角度Vを変化させる構成としても良く、頭部全体としては一定の位置にあっても、顔を斜め上向きにしつつ視線を斜め下向きにして装飾図柄表示装置479を視認した場合に視点を上昇させて上から覗き込んだ状態の画像データを生成し、顔を斜め下向きにしつつ視線を斜め上向きにした場合に視点を下降させて下から見上げた状態の画像データを生成したりしても良い。左右方向に対しても、顔の向きを変化させつつ視線を顔の向きとは逆向きに変化させて装飾図柄表示装置479を視認した場合には、顔の向きを変化させた側へ視点を移動させた状態の画像データを生成しても良い。椅子に座った状態から視点を移動させるために、おしりを浮かせたり、逆にかがんだりする動作を煩わしく思ったり、左右に頭部を移動することで隣の遊技者への邪魔を心配したりする遊技者であっても、視点角度を変化させた画像による演出効果を楽しむことができる。また、視線の向きの変化に対応して視点角度を変化させた場合に、視点角度の変化を一般的な視線の向きの変化と一致させることができるので、視点の位置変化と視点角度の変化とが一致しなくても遊技者にとっては違和感の少ないものとすることができる。
上記実施の形態においては、装飾図柄表示装置479に抽選結果として複数の数字の組合せを表示するようにした。本発明はこれに限らず、例えば、数字に代えて、又は、数字に加えて、図柄や文字などの組み合わせによって抽選結果を表示しても良く、又は、装飾図柄表示装置479に表示した特定の文字やキャラクタ(例えば、魚群)を抽選結果に対応する構成とし、大当りの場合に限って特定の態様(例えば、確定の文字や、金色の魚群)によって抽選結果を表示しても良い。
上記実施の形態においては、第1カメラ装置600Cによって撮影された第1撮影データと第2カメラ装置600Dによって撮影された第2撮影データとの両方において顔が検出された場合には、2つの撮影データを使用して視点角度Vを算出するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばそれぞれの撮影データを解析し、遊技者の顔が向いている方向がより近く、信頼性が高いと判断された一の撮影データを使用して視点角度Vを算出するようにしても良い。
上記実施の形態の1つにおいては、第1カメラ装置600Aの下側移動状態において、基準顔サイズを更新する構成について説明したが、必ずしも下側移動状態において基準顔サイズを更新する必要はない。上記実施の形態のいずれかにおいて、遊技者が変更となったタイミングを検出した場合に基準顔サイズを更新するものとしても良く、例えば、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)において非接触の状態が一定時間(例えば、1分)以上継続した場合に基準顔サイズを消去し、その後に、遊技者が接触していることを検出する接触センサ254がオンとなった場合に基準顔サイズを新たに登録するようにしても良い。
上記実施の形態の1つにおいては、リーチ状態中における数字の変動表示部に重なるように第1カメラ装置600Aを移動させて基準顔サイズを登録(記憶)する構成について説明したが、必ずしもリーチ状態中に基準顔サイズを登録する必要はなく、前回以前の変動表示において登録した基準顔サイズを次回以降の変動表示における画像データの生成に使用しても良い。この場合には、基準顔サイズの登録がすでになされているか否かに応じて、第1カメラ装置600Aを下側移動状態にして基準顔サイズを登録する処理を実行するか否かを決定しても良い。すなわち、基準顔サイズの登録がすでになされている場合には、登録のない場合に比べて、第1カメラ装置600Aを下側移動状態にして基準顔サイズを登録する処理を実行する比率を低くして装飾図柄表示装置479の前に造形物491が重なる頻度を少なくし、一方、基準顔サイズの登録のない場合には第1カメラ装置600Aを下側移動状態にして基準顔サイズを登録する処理を実行する比率を高めて基準顔サイズを登録し易くしても良い。
上記実施の形態の1つにおいては、造形物491と一体化された第1カメラ装置600Aの下側移動状態において基準顔サイズを登録する構成について説明したが、造形物491が下側に移動する場合には、移動しない場合に比べて大当りの当選といった遊技者に有利な状況を遊技者が期待できる構成とすることが好ましく、例えば、低確率状態において造形物491が下側に移動しないリーチ状態においては略5%の確率で大当りの抽選結果が表示される一方、造形物491がリーチ状態において下側に移動した場合には移動しない場合の数倍以上の確率(例えば、30%以上の確率)で大当りの抽選結果が表示されるようにすることが好ましい。また、造形物491の移動動作を稀に発生させて遊技者が造形物491の移動動作を注目する構成とすることが好ましく、第1カメラ装置600Aの下側移動状態は、大当りの抽選確率(例えば、300分の1)に対して略5倍以下の動作確率(例えば、60分の1以下)に設定することが好ましく、略2倍以下の動作確率(例えば、150分の1以下)とすることが好適である。
上記実施の形態の1つにおいて、第1カメラ装置600Aの下側移動状態にて、基準顔サイズを検出できたか否かに応じて、装飾図柄表示装置479に表示される画像として視点角度Vの変化を利用した画像を表示するか否かを決定するものとしても良い。例えば、造形物491が下に下がった状態において、遊技者の顔サイズが第1カメラ装置600Aによって撮影された撮影データから検出できなかった場合には、図28に示すように大当りの抽選結果が表示された状態において、装飾図柄表示装置479に宝箱TBは表示せず、その後に視点角度Vの変化を用いない他の演出(例えば、複数のキャラクタが戦闘する演出)の画像を装飾図柄表示装置479に表示して、大当りの種類の抽選結果を表示するものとしても良い。
上記実施の形態においては、副制御基板940の表示データ生成部942は、3Dモデルデータを利用して視点からの投影画像を生成する構成について説明したが、必ずしも表示データ生成部942によって3Dモデルデータを利用して視点からの投影画像を生成する必要はない。画像データ記憶部941には、3Dモデルデータを利用した投影画像を2次元データに予め変換して画像データとして記憶し、その画像データとしては、複数の視点からの投影画像を記憶しておく。そして、表示データ生成部942によって、カメラ装置600によって検出された遊技者の状態に対応した視点からの投影画像を選択し、その投影画像を画像表示用のRAMに書き込むことによって視点からの投影画像を生成しても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
従来の遊技機においては、例えば液晶パネルからなる装飾図柄表示装置を備えており、当該装飾図柄表示装置に様々な画像を表示することが一般的である。上記従来の遊技機においては、これまでにない新しいタイプの画像を表示したいという要望があった。そこで、本発明に係る遊技機では、例えば、新しいタイプの画像を表示可能な遊技機を提供するという観点から、発明A群〜C群を抽出することができる。
また、既述のように、従来の典型的な遊技機において、遊技球の進入を許容する進入許容配置と遊技球の進入を阻止する進入阻止配置とをとる可変入賞装置が備えられており、当該許容状態の変化は可変入賞装置の内部に設けられた進入規制部材の配置変化によって実現されている。
このような遊技機としては、平板状の進入規制部材を遊技盤に平行に配置させて入賞口を進入規制部材によって塞ぐ進入阻止配置と進入規制部材を進入阻止配置から水平回転軸に対して回転させてその上端を前方に突出させた進入許容配置とを取り、上方から流下してくる遊技球を進入規制部材で受け止めて入賞口に誘導する構成や、前後方向に伸びる舌片と当該舌片の前端に垂設された前板とを有する進入規制部材を遊技盤の奥方に配置させて入賞口を前板によって塞ぐ進入阻止配置と進入阻止配置から開閉部材を前方に移動させた進入許容配置とを取り、上方から流下してくる遊技球を進入規制部材で受け止めて入賞口に誘導したり引き込んだりする構成(例えば、特許文献1参照)、進入規制部材を左右方向に駆動して入賞口を塞ぐ構成などが挙げられる。
ところで、かかる進入規制部材を用いた場合、進入許容姿勢から進入阻止配置へ移行する際に進入規制部材に遊技球が挟まれ、その遊技球が挟まれた状態が維持される、いわゆる球噛みによって、進入規制部材の一部又は全部が閉まらなくなることに起因する不具合が発生してしまう可能性があるという問題があった。
そこで、本発明に係る遊技機では、球噛みによる不具合を低減できる遊技機を提供するという観点からは、以下の発明D群〜発明F群を抽出できる。
<発明A群>
特徴A1:本発明の遊技機(パチンコ機100)は、
画像データを生成する画像データ生成手段(表示データ生成部942)と、
前記画像データを画像として表示する表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
前記表示手段を視認する人物の顔を撮影する撮影手段(カメラ装置600)と、
前記撮影手段によって撮影された撮影データから、前記人物の顔の少なくとも一部を検出する顔検出手段(顔検出部943)とを備え、
前記画像データ生成手段は、
前記人物の顔の少なくとも一部(目、口、耳、及び、頭部全体のいずれか又は組合せ)の状態(位置及び向きの少なくとも一方)に応じた視点からの投影画像を前記画像データとして生成することを特徴とする。
特徴A1に記載の遊技機であれば、人物の顔の少なくとも一部(例えば、目)の位置に応じた画像を装飾図柄表示手段に表示させることができるため、新しいタイプの画像を表示できると共に、遊技者の画像に対する興味を惹くことができ、遊技者を一層楽しませることができる。
なお、特徴A1に記載の遊技機において、画像データ生成手段は、人物の顔の少なくとも一部の変化に応じた視点からの投影画像を画像データとして生成するとしても良いし、人物の顔の少なくとも一部の変化に応じて、その変化した状況(位置、向き又は量)とは異なる状況に対応した視点からの投影画像を画像データとして生成するとしても良いし、人物の顔の向きの変化に応じた視点角度による視点からの投影画像を画像データとして生成するとしても良い。
特徴A2:特徴A1に記載の遊技機において、前記顔検出手段は、
前記人物の顔の一部の位置として、水平2方向及び鉛直方向の3次元を検出することを特徴とする。
特徴A2に記載の遊技機であれば、人物の顔の一部の位置を3次元的に把握することができるため、正確な視点角度Vを算出して画像に反映させることができる。
なお、人物の顔の一部としては、目の位置であることが好ましい。遊技者の視点が明確となると共に、周囲との輝度差が大きく、検出が容易だからである。また、人物の顔の一部に応じた画像として、人物の視点角度(視点角度V)を算出し、当該視点角度からの投影画像として画像データを生成しても良く、また、例えば視点角度に重み付けを行うことにより敢えて視点角度と相違する角度からの投影画像を画像データとしても良い。
特徴A3:特徴A1又は11に記載の遊技機において、前記画像データ生成手段は、
前記表示手段の正面側(又は正面に近い側)に前記人物の視点があるときは、容器内(宝箱TB)の内容物が見えないように前記画像データを生成し、
前記表示手段の正面側(又は正面に近い側)よりも上方向に前記人物の視点があるときは、前記容器内の内容物が見えるように前記画像データを生成することを特徴とする。
特徴A3に記載の遊技機であれば、敢えて遊技者に容器内の内容物を見えない状態の画像を表示手段に表示させることにより、遊技者の興味を惹き付け、遊技者に上方向から覗き込ませて内容物を確認させることにより、遊技者のわくわく感を高め、遊技機としての娯楽性を向上させることができる。
特徴A4:特徴A1〜特徴A3のいずれかに記載の遊技機において、前記顔検出手段は、
前記人物の目の位置として、前記表示手段に対して上下方向及び左右方向の2次元を検出し、前記上下方向における前記人物の目の位置に基づいて、前記表示手段に対して前後方向の前記人物の目の位置を推測することを特徴とする。
特徴A4に記載の遊技機であれば、単一の方向側から撮影した画像から距離の変化を推測することができるので、撮影手段を低コストで構成しつつ前後の視点変化に応じた画像データを生成することができる。
特徴A5:特徴A1〜特徴A4のいずれかに記載の遊技機において、前記顔検出手段は、
前記人物が座った状態の顔を基準として、前記表示手段に対して前後方向の前記人物の目の位置を検出することを特徴とする。
特徴A5に記載の遊技機であれば、人物の顔のサイズや顔の特徴に拘わらず、本人の顔を基準として前後方向の目の位置を検出できるため、前後方向の目の位置の検出精度を向上させ得る。
<発明B群>
特徴B1:本発明の遊技機は、
人物の顔を撮影する撮影手段(第1カメラ装置600A)と、
前記撮影手段によって撮影された撮影データから、前記人物の顔の少なくとも一部を検出する顔検出手段と、
前記人物の顔の少なくとも一部の状態に応じた視点からの投影画像を画像データとして生成する画像データ生成手段と、
前記画像データを画像として表示する表示手段と、
を備え、
前記撮影手段は、
前記表示手段に対して前後方向に重なる位置に配置可能に設置されていることを特徴とする。
特徴B1に記載の遊技機であれば、遊技者の顔の正面に配置される表示手段に対して前後方向に重なる位置に撮影手段を配置できるため、遊技者の顔を正面に近い位置から撮影することができる。
なお、表示手段に対して前後方向に重なる位置に配置可能に設置されているとは、少なくとも一時的に表示手段の前後方向に重なる位置に配置可能に設置されていることを意味する。一般的に遊技機は縦長であり、表示手段は横長であるため、左右方向に撮影手段を設置するスペースがない場合が多いため、撮影手段を移動させる場合には、遊技機正面視において表示手段の表示部に対して上下方向に隣接又は近傍に位置するように、撮影手段が設置された撮影装置(造形物491)を移動させることがより好ましい。また、撮影手段を移動させる必要はなく、撮影手段と表示手段との間に、前後方向に間隔を設ける(例えば10〜30cm程度)ことにより、撮影手段と表示手段とが前後方向に重なっていても遊技者に表示手段を視認させることが可能となる。さらに、表示手段の後側に撮影手段を配置しておき、例えば光の作用やマジックミラーなどを利用して撮影を行う事も可能である。例えば、通常1秒に60枚画像が表示される場合、画像を1枚抜くと同時にシャッタースピードを1/60秒未満にして撮影手段によって撮影を行うことにより、遊技者に殆ど気づかれることなく撮影を行う事が可能になる。
特徴B2:特徴B1に記載の遊技機において、前記撮影手段は、特定の状態になったときに、前記表示手段の前面側に重なる所定位置に移動することを特徴とする。
特徴B2に記載の遊技機であれば、表示手段の前面、すなわち遊技者の顔のほぼ正面に撮影手段を配置させることができ、遊技者の顔をほぼ正面から撮影して遊技者の顔の少なくとも一部の位置を正確に把握することができる。
特徴B3:特徴B2に記載の遊技機において、画像データ生成手段は、
複数の数字や図柄などの抽選柄(又は識別情報)の組み合わせにより抽選結果を表す抽選盤(又は結果表示部)を表示し、
前記撮影手段は、
前記抽選盤(又は結果表示部)に表示された前記抽選柄(又は識別情報の組合せ)があと一つで当選を示すリーチ状態の際、前記表示手段(又は、その結果表示部)の前面側に重なる位置に移動することを特徴とする。
特徴B3に記載の遊技機であれば、遊技者が真剣に表示手段を凝視することが多いリーチ状態において、遊技者をほぼ正面から撮影できるため、遊技者の顔の少なくとも一部の位置を正確に把握することができる。
特徴B4:特徴B1〜特徴B3のいずれかに記載の遊技機において、
前記撮影手段によって遊技者の顔が撮影できない場合であっても、遊技者の顔が撮影できるように設置された補助撮影手段(第2カメラ装置600B)を有することを特徴とする。
特徴B4に記載の遊技機であれば、遊技者の服装など種々の要因に起因して遊技者の顔の少なくとも一部が撮影できない場合であっても、相違する角度から遊技者を撮影できるため、撮影の成功確率を向上させ得る。
特徴B5:特徴B1〜特徴B4のいずれかに記載の遊技機において、前記顔検出手段は、
前記人物が座った状態の顔を基準として、前記表示手段に対して前後方向の前記人物の目の位置を検出することを特徴とする。
特徴B5に記載の遊技機であれば、遊技者の正面に近い位置から撮影された画像に基づいて、基準からの拡大・縮小率によって人物の前後方向の位置を推測できるため、推測精度を向上させ得る。
特徴B6:特徴B5に記載の遊技機において、前記撮影手段が前記表示手段の前面側に重なる位置に移動したときの、前記人物が座った状態の顔を基準とすることを特徴とする。
特徴B6に記載の遊技機であれば、遊技者のほぼ正面の位置から撮影された画像に基づいて、人物の前後方向の位置を推測できるため、推測精度を一段と向上させ得る。
なお、特徴B6に記載の遊技機において、撮影手段は、人物の顔以外の体の一部を撮影するものであり、その顔以外の体の一部(例えば、肩)と顔との相対位置(例えば、高さ位置)によって人物が座った状態であるか否かを判定する着座判定手段を有し、着座判定手段の判定結果によって人物が座った状態であるか否かを検出するものとしても良い。
<発明C群>
特徴C1:本発明の遊技機は、
人物の顔を撮影する複数の撮影手段(第1カメラ装置600A及び第2カメラ装置600B、第1カメラ装置600C及び第2カメラ装置600D)と、
前記複数の撮影手段によって撮影された複数の撮影データのうち、少なくとも一以上の撮影データから、前記人物の顔の少なくとも一部を検出する顔検出手段と、
前記人物の顔の少なくとも一部の状態に応じた視点からの投影画像を画像データとして生成する画像データ生成手段と、
前記画像データを画像として表示する表示手段とを有することを特徴とする。
特徴C1に記載の遊技機であれば、相違する角度から撮影された複数の撮影データに基づいて人物の顔の少なくとも一部を撮影できるため、撮影の成功確率を向上させ得る。
特徴C2:特徴C1に記載の遊技機において、
前記画像データ生成手段は、
前記複数の撮影データのうち、前記複数の撮影手段によって撮影された2以上の撮影データから前記人物の顔の少なくとも一部が前記顔検出手段によって検出された場合には、当該2以上の撮影データを用いて前記画像データを生成することを特徴とする。
特徴C2に記載の遊技機であれば、2以上の撮影データを用いて遊技者の顔の少なくとも一部を検出できるため、検出精度を向上させ得る。
特徴C3:特徴C2に記載の遊技機において、
前記画像データ生成手段は、
前記複数の撮影データのうち、前記顔検出手段によって2以上の撮影データから前記人物の顔の少なくとも一部が検出された場合には、2以上の撮影データからそれぞれ算出された視点の平均値に基づいて前記投影画像を生成することすることを特徴とする。
特徴C3に記載の遊技機によれば、相違する角度から撮影された2以上の撮影データから算出された視点の平均値に基づいて投影画像の視点を決定できるため、視点の算出精度を向上させ得る。
特徴C4:特徴C3に記載の遊技機において、
前記複数の撮影データのうち、前記顔検出手段によって2以上の撮影データから前記人物の顔の少なくとも一部が検出された場合には、信頼性の高い撮影データから算出された視点を、前記投影画像を生成する際の視点とすることを特徴とする。
特徴C4に記載の遊技機によれば、信頼性の高い撮影データから算出された精度の高い視点を用いて、設計通りの投影画像を生成できる。
特徴C5:特徴C1〜特徴C4のいずれかに記載の遊技機において、画像データ生成手段は、人物の顔の少なくとも一部の変化に応じて、その変化した状況(位置、向き又は量)とは異なる状況に対応した視点からの投影画像を画像データとして生成することを特徴とする。
特徴C5に記載の遊技機によれば、視点の検出精度を向上させ得るため、例えば、遊技者の小さな動きに正確に反応して投影画像を大きく動かしたり、拡大させたりしても、違和感のない投影画像を生成できる。
特徴C6:特徴C1〜特徴C5のいずれかに記載の遊技機において、
前記複数の撮影手段として、
前記表示手段に対して前後方向に重なる位置に配置可能に設置された第1撮影手段(第1カメラ装置600A)と、
前記表示手段に対して前後方向に重ならない位置に配置された第2撮影手段(第2カメラ装置600B)とを備え、
前記顔検出手段は、前記第1撮影手段によって前記人物の顔の少なくとも一部を検出した場合に、前記第2撮影手段によって撮影された前記人物の顔の少なくとも一部を記憶する顔記憶手段(図33のS309の処理)を備え、
前記画像データ生成手段は、
前記顔記憶手段によって記憶された前記人物の顔の少なくとも一部と、その記憶後において前記第2撮影手段によって撮影された前記人物の顔の少なくとも一部との状態に応じた視点からの投影画像を前記画像データとして生成することを特徴とする。
特徴C6に記載の遊技機によれば、第1撮影手段によって表示手段に対して前後方向に重なる位置から人物の顔の少なくとも一部を検出したタイミングにおける第2撮影手段によって撮影された人物の顔の少なくとも一部を記憶手段によって記憶しておくことができる。このため、第2撮影手段のみによっては、遊技者が表示手段に対して正面側に位置するか否かの判定が困難な場合であっても、第1撮影手段を利用して遊技者の状況を判定し、その状況として好適なタイミングを第1撮影手段による撮影データによって正確に判定することができる。そして、その好適なタイミングにおける遊技者の状況を顔記憶手段によって第2撮影手段による撮影データとして記憶し、画像データ生成手段による画像の生成に利用することができるので、第1撮影手段による撮影データが利用不能な状況が後に発生しても、第2撮影手段による撮影データを利用して視点からの投影画像を生成することができる。よって、第1撮影手段を遊技者から邪魔にならない位置に移動(退避)させるなど第1撮影手段の配置位置を変化させても、人物の顔の少なくとも一部の状態変化に対応した投影画像を好適に生成することができ、表示手段と撮影手段とを利用した演出設定の自由度を高めることができる。
<発明D群>
特徴D1:本発明の遊技機は、
開閉可能な開閉部材(開閉部材711)を駆動して開状態と閉状態とに遷移する進入規制機構(上進入規制機構710,730)と、
前記開閉部材が閉状態にあるときに、当該開閉部材の上を遊技球が通過することにより遊技球を誘導する第1の誘導路(上側進行部705)と、
前記第1の誘導路と前記開閉部材で隔たり、前記開閉部材が開状態にあるときに、前記開状態によって形成された開口部から遊技球を流下させることにより遊技球を誘導する第2の誘導路(下側進行部706)と、
前記第1の誘導路及び前記第2の誘導路に対して上流側に設けられて遊技球を進入させる導入誘導路(急峻部704)と
を有し、
前記導入誘導路は、
上方向又は斜め上方向から、前記第1の誘導路及び前記第2の誘導路と接続される誘導路であって、前記開閉部材が閉状態の場合に、遊技球が前記開閉部材に衝突するように設けられていることを特徴とする。
特徴D1に記載の遊技機によれば、遊技球を開閉部材に衝突させるように流下させるため、速度が大きい状態で開口部を通過させることができるので、球噛みを生じ難くして球噛みに起因する不具合を低減できる。また、球噛みが発生した場合には、球噛みした遊技球に後続の遊技球を直接衝突させ、或いは、後続の遊技球を開閉部材に衝突させることによって開閉部材を振動させることができる。これにより、開閉部材によって挟まれた遊技球を第2の誘導路内へ落下させるか、又は第1の誘導路へ復帰させることができるので、球噛みを解消させて球噛みに起因する不具合を低減できる。
なお、特徴D1における開状態は、遊技球が開口部(又は進入部)へ進入可能な状態(又は進入許容状態)としてもよく、閉状態としては、開状態(又は進入許容状態)より開口部へ遊技球が進入し難い状態(又は進入困難状態)としてもよく、開閉可能な開閉部材に代えて開状態と閉状態とを移行可能な開閉部材(又は動作部材)としてもよい。
また、開閉部材の開状態によって形成される開口部は、遊技球が複数並んで進入可能な遊技球の直径の2倍以上の長さを有する開口部としてもよく、遊技球の直径の5倍以上の長さを有する開口部としてもよい。また、導入誘導路は、開閉部材に遊技球が衝突する位置として第1の誘導路の上流部に遊技球を進入させる誘導路としてもよい。また、導入誘導路は、開閉部材に対して第1の誘導路と同一の方向側に下降傾斜した誘導路であって第1の誘導路より傾斜角度が急な斜め上方向から第1の誘導路及び第2の誘導路と接続される誘導路としてもよい。
また、特徴D1における遊技球が開閉部材に衝突するとは、衝突前の進行方向に対して衝突後に遊技球の進行方向を所定の角度以上に変化させる角度で遊技球が開閉部材に接触するとしてもよく、その遊技球の進行方向を変化させる角度としては、略30度〜略85度の範囲内としてもよく、略45度〜略80度の範囲内とすることが好ましく、略55度〜略75度の範囲内とすることが好適である。
特徴D2:特徴D1に記載の遊技機において、
前記導入誘導路は、前記第1の誘導路と同一の方向側に下降傾斜した誘導路であって、略40°以上略80°未満の角度で下降傾斜して前記第1の誘導路と接続されていることを特徴とする。
特徴D2に記載の遊技機によれば、第1の誘導路における遊技球の進行方向へ向けて遊技球を流下させつつ開閉部材に遊技球を衝突させることができるため、第1の誘導路における遊技球の進行をスムーズにすることができる。例えば、第1の誘導路における下流側部分で遊技球の球噛みが発生し、その位置を最下流部分として第1の誘導路に沿って遊技球が並んで滞留した状況において、球噛みの起因となった遊技球に強い衝撃力を伝達し易くして球噛みを解消し易くすることができる。
なお、特徴D2における導入誘導路は、遊技球の直径以上の長さを有する誘導路とすることが好ましく、略2倍以上の長さを有する誘導路とすることが好適であり、誘導路の長さは、遊技球が導入誘導路として下降傾斜して形成された通路部分における遊技球の中心が経由する軌跡の長さとしてもよい。また、導入誘導路は、第2の誘導路と同一の方向側に下降傾斜した誘導路であるとしてもよく、これにより、第2の誘導路における遊技球の進行についてもスムーズにすることができる。
特徴D3:特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機において、
前記第1の誘導路は、側壁(側壁705A,705B)に交互に設けられた突起(突出部705E)を有することを特徴とする。
特徴D3に記載の遊技機によれば、遊技球の進行速度を調整するために側壁に突起を設けることが好ましいが、この突起に起因して球噛みが生じやすくなる。本発明をこのような構成の第1の誘導路を有するパチンコ機に導入することにより、遊技球の進行速度の調整と球噛みの低減を両立させることができる。
特徴D4:特徴D1〜特徴D3のいずれかに記載の遊技機において、
前記導入誘導路は、遊技球が蛇行することなく直線的に進行可能な通路によって構成されている(例えば、側壁に前記突起を有さない通路によって構成されている)ことを特徴とする。
特徴D4に記載の遊技機によれば、導入誘導路において遊技球の速度を増大させることができるため、開閉部材に衝突したときの衝撃を大きくして球噛み解消の効果を増大させることができる。
特徴D5:特徴D1〜特徴D4のいずれかに記載の遊技機において、
前記進入規制機構は、
前記開閉部材の中心近傍に設けられた孔部にシャッターアーム(シャッターアーム716)の突起部(突出部716A)をはめ込んでなり、シャッターアームの回転の動きを前記孔部に沿って前後方向に変換することにより、前記開閉部材を前後方向に駆動することを特徴とする。
特徴D5に記載の遊技機によれば、簡易な構成で、開閉部材を前後方向に駆動することができる。
なお、特徴D5に記載の遊技機において、突起部のはめ込み位置は、遊技機正面視において導入誘導路が第1の誘導路に接続される位置より下流側に設けられ、開閉部材が平面視で所定の範囲内で回動可能に構成されていることが好ましい。これにより、第1の誘導路の上流側で球噛みが発生した場合であっても下流側については開閉部材を閉状態に移行し易くすることができる。例えば、短時間の開状態であって、開閉部材に支持された状態で第1の誘導路を進行中の遊技球が第2の誘導路へ進入し得ない動作を開閉部材に実行させる制御を行う場合に、導入誘導路から勢いよく第2の誘導路側へ進行した遊技球が球噛みした場合であっても下流側については閉状態に近い状態に開閉部材を移行可能にすることができ、余分な遊技球の進入を抑制して第2の誘導路への遊技球の進入によって入賞が発生する遊技球の数を設定し易くすることができる。
特徴D6:特徴D1〜特徴D5のいずれかに記載の遊技機において、
前記開閉部材は、遊技球の進行方向である左右方向に長く形成されていることを特徴とする。
なお、長いとは、遊技球の直径の略2倍以上の長さを有することとしてもよく、略5倍以上の長さを有することとしてもよい。
特徴D6に記載の遊技機によれば、開閉部材が左右方向に長いと、遊技球が第2の誘導路へ進入するタイミングと開閉部材が閉まるタイミングが合致する確率が高まるため、球噛みが発生しやすい。また、第2の誘導路へ進入する箇所が長い分、球噛みが発生し得る箇所も分散し、遊技球が進入し得ない場合が生じる短時間の開放動作をした場合に球噛みが発生する可能性が高くなる。このため、導入誘導路を設けることによって球噛みを解消するという本発明の効果を一段と活かすことができる。
特徴D7:特徴D1〜特徴D6のいずれかに記載の遊技機において、
前記導入誘導路と前記第1の誘導路との接続箇所に対して、流下する遊技球の前後方向の位置を調整するガイド部が設けられていることを特徴とする。
特徴D7に記載の遊技機によれば、遊技球の落下する前後位置をコントロールできるため、開閉部材への衝突に対して効果の大きい位置に遊技球を進行し易くして球噛み解消の効果を安定させることができる。
特徴D8:特徴D1〜特徴D7のいずれかに記載の遊技機において、
前記閉状態においては遊技球に起因する荷重に応じて開閉部材の先端が変位しない一方、前記開状態から前記閉状態に遷移する途中の移行状態においては、遊技球の接触に起因する荷重によって前記開閉部材の前側先端を変位可能とする移動空間(収納空間739,759,789)を有することを特徴とする。
特徴D8に記載の遊技機によれば、移行状態において球噛みが生じそうになった場合でも、開閉部材の先端が変位可能であるため、当該球噛みが生じそうな遊技球又は後続の遊技球の流下の衝撃を活用して球噛みを効果的に解消することができる。
<発明E群>
特徴E1:本発明の遊技機は、
駆動部(上進入規制ソレノイド713)によって開閉部材を前後方向に駆動することにより前記開閉部材を開閉して開状態と閉状態とに遷移する進入規制機構(上進入規制機構730,750,780)と、
前記開閉部材が閉状態にあるときに、当該開閉部材の上を遊技球が通過することにより遊技球を誘導する第1の誘導路(上側進行部705)と、
前記第1の誘導路と前記開閉部材で隔たり、前記開閉部材が開状態にあるときに、前記開状態によって形成された開口部から遊技球を流下させることにより遊技球を誘導する第2の誘導路(下側進行部706)と、
前記閉状態において、前記開閉部材の上下方向の位置を固定する位置固定部(天井前部732A,入口底面761A及び天井面762)と、
前記開状態から閉状態へと移行する途中である移行状態において、前記開閉部材の前側先端が変位するための移動空間(収納空間739,759,789)とを有することを特徴とする。
特徴E1に記載の遊技機によれば、閉状態においては開閉部材の上下方向の位置が固定される一方、移行状態において開閉部材が変位可能であるため、移行状態において遊技球の開閉部材に対する衝撃や荷重を利用して、球噛みを低減することができる。
なお、特徴E1における開閉部材の前側先端が変位するための移動空間は、開閉部材が開状態と閉状態との移行において動作する方向(例えば、前後方向)に交差する方向(例えば、上下方向)に開閉部材の前側先端が変位するための空間としてもよい。
特徴E2:特徴E1に記載の遊技機において、
前記進入規制機構は、
上下方向のうち、少なくともいずれか一方向に開閉部材を変位可能に構成されていることを特徴とする。
特徴E2に記載の遊技機によれば、開閉部材の位置に関し上下方向に自由度を持たせる簡易な構成により、球噛みに起因する不具合を低減できる。
特徴E3:特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機において、
前記位置固定部は、前記開閉部材が収納される収納空間(収納空間739)の前方に位置し、前記開閉部材の上方向の位置を制限することを特徴とする。
特徴E3に記載の遊技機によれば、開閉部材に対向する面を使って開閉部材を固定することができるため、閉状態における開閉部材の上下方向の位置を安定させることができる。
特徴E4:特徴E1〜特徴E3のいずれかに記載の遊技機において、
前記移動空間は、前記収納空間の後方に設けられた空間であり、前記位置固定部から上方向へ向けて広がっていることを特徴とする。
特徴E4に記載の遊技機によれば、前方において開閉部材の前後方向の変位を抑制しつつ後方に移動空間を設けることにより、回転部材が下方向へ向けて回転するように変位することが可能となる。
特徴E5:特徴E1〜特徴E4のいずれかに記載の遊技機において、
前記移動空間は、前記開状態にある前記開放部材と対向し、前方向を固定された板バネを有することを特徴とする。
特徴E5に記載の遊技機によれば、移行状態においてはバネの効果により開閉部材の変位を許容できる一方、閉状態における開閉部材の位置固定を補助することができ、閉状態における開閉部材の位置を安定させることができる。
特徴E6:特徴E1〜E5のいずれかに記載の遊技機において、
前記開閉部材(開閉部材751)は、
前側に位置する前方部(前方板部752)と、
前方部に対して後側に位置し前記駆動部と接続される後方部(後方板部754)と、
前記前方部に対して後側に連続して設けられ、当該前方部よりも上下方向の厚みが大きい固定支持部(支持部755)とを有し、
前記位置固定部(入口底面761A及び天井面762)は、前記開閉部材が出入する開閉出入口(開閉出入口722)の近傍に設けられ、前記固定支持部の上下方向を支持することを特徴とする。
特徴E6に記載の遊技機によれば、開状態から閉状態への移行途中には、前方部の上下方向における移動空間を広くして開閉部材の前側先端が上下方向へ変位し易く構成する一方、閉状態となった場合には、広い移動空間に厚みが大きい固定支持部が進入することで上下方向への変位を制限して閉状態では開閉部材の前側先端が変位しなくなる。このため、閉状態において前方先端の上下方向の変位を制限するようなロック機構やバネなどの付勢部材を別途設ける必要がなく、移動空間によって開閉部材の前側先端が一時的に変位可能な構成を低コストで実現することができる。
特徴E7:特徴E1〜E6のいずれかに記載の遊技機において、
前記開閉部材(開閉部材751)は、
前側に位置する前方部(前方板部752)と、
前方部に対して後側に位置し前記駆動部と接続される後方部(後方板部754)と、
前記前方部と前記後方部との間に設けられ、前後・上下方向のうち少なくもいずれか一方向に前記前方部の少なくとも一部を変位可能にする弾性部(弾性部753)とを有することを特徴とする。
特徴E7に記載の遊技機によれば、弾性部材の活用により、遊技球に起因する衝撃や荷重に対して開閉部材の変位量を大きくすることができ、球噛みの抑制や解消の効果を高めることができる。
特徴E8:特徴E7に記載の遊技機において、
前記開閉部材は、遊技球の進行方向である左右方向に長く形成されており、左右方向に分離して相対移動が可能な複数の前方部を有し、当該前方部の少なくとも一部が前記弾性部によって変位可能に構成されていることを特徴とする。
なお、長いとは、遊技球の直径の2倍以上、より好ましくは5倍以上の長さを有することとしてもよい。
特徴E8に記載の遊技機によれば、複数に分離された前方部の一部における球噛みの影響が他の前方部に及ばないようにできるため、球噛みが生じても開閉部材の少なくとも一部を閉状態へと迅速に移行することができ、球噛みによって第2の誘導路へ誘導される遊技球の数を低減できる。
特徴E9:特徴E7又はE8に記載の遊技機において、
前記開閉部材は、遊技球の進行方向である左右方向に長く形成されており、左右方向に分離して相対移動が可能な複数の前方部を有し、当該前方部の一部が前記弾性部によって変位可能に構成されていることを特徴とする。
特徴E9に記載の遊技機によれば、球噛みが生じやすい箇所に限定して前方部を変位可能とすることができ、開閉部材の先端が変位する構成に必要なコストを限定することができる。
特徴E10:特徴E6〜特徴E9のいずれかに記載の遊技機において、
前記固定支持部は、上下方向の厚さが、前記位置固定部の上下方向の開口高さよりわずかに小さく、又はほぼ同一に形成されていることを特徴とする。
特徴E10に記載の遊技機によれば、位置固定部による固定支持部の位置固定が安定化するため、閉状態において遊技球の荷重を開閉部材にしっかりと受け止めさせることができる。
特徴E11:特徴E7〜特徴E10のいずれかに記載の遊技機において、
前記弾性部は、波型形状の金属板により構成されていることを特徴とする。
特徴E11に記載の遊技機によれば、適度な弾性を有する弾性部材の弾性部を利用して必要な方向に変位可能な前方部を備えた遊技機を簡易に製造することができる。
<発明F群>
特徴F1:本発明の遊技機は、
駆動部(上進入規制ソレノイド713)によって開閉部材(開閉部材781)を前後方向に駆動することにより前記開閉部材を開閉して開状態と閉状態とに遷移する進入規制機構(上進入規制機構750,780)と、
前記開閉部材が閉状態にあるときに、当該開閉部材の上を遊技球が通過することにより遊技球を誘導する第1の誘導路(上側進行部705)と、
前記第1の誘導路と前記開閉部材で隔たり、前記開閉部材が開状態にあるときに、前記開状態によって形成された開口部から遊技球を流下させることにより遊技球を誘導する第2の誘導路(下側進行部706)とを有し、
前記開閉部材は、
前方向に位置する前方部(前方板部752,782)と後方向に位置し前記駆動部と接続する後方部(後方板部754,784)とを有し、前記開状態から前記閉状態へ移行する場合に前記前方部と前記後方部とにおける前後方向の長さが短縮可能に構成されていることを特徴とする。
特徴F1に記載の遊技機によれば、移行状態において開閉部材の先端に遊技球が挟まった場合でも、開閉部材が縮むことによって遊技球を落下させることができ、球噛みに起因する不具合を低減できる。
なお、特徴F1に記載の遊技機において、前方部と後方部とにおける少なくとも上下方向が一体的に動くようにしてもよい。また、特徴F1に記載の遊技機において、開閉部材は、遊技球と接触可能な前端の一部を、他の部位とは独立して変位可能に構成してもよい。また、特徴F1における前方部は、開口部の全体を閉鎖する部位であってもよいし、開口部を閉鎖するために複数の前方部が設けられ、その複数の前方部のうちの一部であってもよい。
特徴F2:特徴F1に記載の遊技機において、
前記開閉部材は、前記前方部と前記後方部との間に設けられる弾性部(弾性部783)と、前記前方部と前記後方部との上下方向の位置関係を固定する位置決め部(補強部785)とを有することを特徴とする。
特徴F2に記載の遊技機によれば、弾性部材を使用した弾性部により開閉部材の前方部と後方部とにおける前後方向の長さを簡易な構成にて短縮可能にすることができる。
特徴F3:特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機において、
前記位置決め部は、前記前方部と前記後方部との一方に一体化され、他方を、相対移動可能に筒状に覆う形状とされていることを特徴とする。
特徴F3に記載の遊技機によれば、位置決め部が前方部又は後方部を筒状に覆うことにより、4方向から一体化されていない前方部又は後方部をしっかりと保持できるため、閉状態において遊技球の荷重を開閉部材にしっかりと受け止めさせることができる。
特徴F4:特徴F3に記載の遊技機において、
前記開閉部材は、前記前方部又は前記後方部に、前記位置決め部の位置を固定するストッパ部を有することを特徴とする。
特徴F4に記載の遊技機によれば、前方部及び後方部とは別の部材によって一体化された位置決め部を簡易な構成で確実に位置決め固定することができる。
特徴F5:特徴F3に記載の遊技機において、
前記位置決め部は、前記前方部又は前記後方部に固着されることにより、前後のいずれか一方向における前記前方部又は前記後方部に対する位置が固定されていることを特徴とする。
特徴F5に記載の遊技機によれば、簡易な構成で位置決め部の一方の位置を固定することができる。
ここで、特徴A1〜A5、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D8、E1〜E11、F1〜F5に記載の遊技機において、人物の顔を撮影する撮影手段の表現に代えて、人物の顔の少なくとも一部を含む顔情報を入力する入力手段としても良い。また、撮影手段によって撮影された撮影データとしては、静止画のデータとしても良いし、撮影手段によって撮影された複数の静止画データの組合せによって構成される動画データの少なくとも一部のデータに相当する撮影データとしても良い。
また、特徴A1〜A5、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D8、E1〜E11、F1〜F5に記載の遊技機において、表示手段と他の手段との配置位置を特定する場合には、表示手段の表現に代えて、表示手段の結果表示部としても良く、結果表示部としては、遊技機において実行される抽選に対しての抽選結果が表示される表示領域に相当し、例えば、液晶表示装置の表示画面内において、図柄の組合せが停止表示される領域が例示され、又は、抽選結果に対応するキャラクタの動作や文字の表示される領域が例示される。
また、特徴A1〜A5、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D8、E1〜E11、F1〜F5に記載の遊技機において、画像データ生成手段は、人物の顔の少なくとも一部の状態に応じた視点からの投影画像を画像データとして生成するとは、3Dモデルデータと動きデータとを記憶する3次元データ記憶部を遊技機が備え、その記憶部に記憶されたデータを利用して視点からの投影画像を生成する構成としても良いし、3Dモデルデータを利用した投影画像を2次元データに予め変換した画像データであって複数の視点からの投影画像に対応した画像データを記憶する2次元データ記憶部を遊技機が備え、2次元データ記憶部に記憶された画像データから、遊技者の状態に対応した視点からの投影画像を選択し、その選択した投影画像を、表示手段に画像を表示するためのRAMに書き込むことにより画像データを生成する構成としても良い。
なお、特徴A1〜A5、B1〜B6、C1〜C6、D1〜D8、E1〜E11、F1〜F5に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
51 :下側誘導路
52 :上側誘導路
53〜55 :誘導路
57,58 :入賞誘導路
100 :パチンコ機
700 :上大入賞装置
701 :上部左進行部
702 :方向変換部
703 :右進行部
703A,703B:側壁
703E :突出部
704 :急峻部
705 :上側進行部
705A,705B,706A,706B:側壁
705E :突出部
706 :下側進行部
709 :カバー部
710,730,750,780:上進入規制機構
711,751,771,775,781:開閉部材
711A :孔部
712 :開口部
713 :上進入規制ソレノイド
716A :突出部
721,761A〜761C:底面
722 :開閉出入口
731 :板バネ
732A〜732C:天井部
733 :底面
739,759:収納空間
739A,759A:移動空間
752,752Xa,752Xb,752Ya,752Yb,782:前方板部
753,753Xa,753Xb,753Ya,783:弾性部
754,754X,754Y,784:後方板部
755 :支持部
761A :入口底面
762 :天井面
785 :補強部
785A :突出部
785B :突起

Claims (2)

  1. 駆動部によって開閉部材を前後方向に駆動することにより前記開閉部材を開閉して開状態と閉状態とに遷移する進入規制機構と、
    前記開閉部材が閉状態にあるときに、当該開閉部材の上を遊技球が通過することにより遊技球を誘導する第1の誘導路と、
    前記第1の誘導路と前記開閉部材で隔たり、前記開閉部材が開状態にあるときに、前記開状態によって形成された開口部から遊技球を流下させることにより遊技球を誘導する第2の誘導路とを有し、
    前記開閉部材は、
    前方向に位置する前方部と後方向に位置し前記駆動部と接続する後方部とを有し、前記開状態から前記閉状態へ移行する場合に前記前方部と前記後方部とにおける前後方向の長さが短縮可能に構成されている
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記開閉部材は、前記前方部と前記後方部との間に設けられる弾性部と、前記前方部と前記後方部との上下方向の位置関係を固定する位置決め部とを有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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