JP2018121382A - 回転電機子、回転電機、回転電機子の製造方法 - Google Patents

回転電機子、回転電機、回転電機子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】巻線を流れる循環電流の電流値を低減する。【解決手段】回転電機Mでは、複数のコイル部26の各々が跨ぐティース22の本数は、3本で同じとされている。複数のコイル部26を形成する複数の巻線16の各々には、複数のコイル部26のうち電機子コア12の周方向に等間隔で配置され直列に接続された3個のコイル部26が形成されている。この3個のコイル部26を有する各巻線16は、複数のセグメント24のうち一のセグメント24と、該一のセグメント24と同位相となる他のセグメント24とに結線されている。各複数本のティース22には、コイル部26が複数層巻回されており、複数層のコイル部26のうち少なくとも一の層のコイル部26は、他の層のコイル部26とターン数が異なっていると共に、電機子コア12の周方向に隣り合う同じ層のコイル部26とターン数が異なっている。【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機子、回転電機、回転電機子の製造方法に関する。
下記特許文献1には、複数のティースを等角度間隔に有する電機子コアと、電機子コアと同軸上に配置され、周方向に配列された複数のセグメントを有する整流子と、それぞれ複数のティースのうち複数本のティースに跨って巻線が複数回巻回されると共に、電機子コアの周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされた複数のコイル部と、を備えた回転電機子が開示されている。
特許第4987628号公報
ところで、上記のように、複数本のティースに跨って巻線が複数回巻回されることで複数のコイルが形成される回転電機子では、当該回転電機子を含んで構成された回転電機の作動中に巻線を流れる循環電流の電流値を低減できることが望ましい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、巻線を流れる循環電流の電流値を低減できる回転電機子、回転電機、及び、回転電機子の製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の回転電機子は、複数のティースを等角度間隔に有する電機子コアと、
前記電機子コアと同軸上に配置され、周方向に配列された複数のセグメントを有する整流子と、それぞれ前記複数のティースのうち複数本のティースに跨って複数回巻回されると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされた複数のコイル部と、を備え、前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極の数をm、自然数をnとした場合に、前記複数のティース間のスロットの数は、m×nであり、前記複数のコイル部の各々が跨ぐティースの本数は、同じであり、前記複数のコイル部を形成する複数の巻線の各々には、前記複数のコイル部のうち前記電機子コアの周方向に等間隔で配置され直列に接続された複数個のコイル部が形成され、前記複数個のコイル部を有する各前記巻線は、前記複数のセグメントのうち一のセグメントと、該一のセグメントと同位相となる他のセグメントとに結線され、各前記複数本のティースには、前記コイル部が前記電機子コアの径方向に複数層巻回され、複数層の前記コイル部のうち少なくとも一の層のコイル部は、他の層のコイル部とターン数が異なっていると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同じ層のコイル部とターン数が異なっている。
請求項2に記載の回転電機は、請求項1に記載の回転電機子と、前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極と、前記複数のセグメントと摺接される複数のブラシと、を備えている。
請求項3に記載の回転電機子の製造方法は、複数のティースを等角度間隔に有する電機子コアと、前記電機子コアと同軸上に配置され、周方向に配列された複数のセグメントを有する整流子と、それぞれ前記複数のティースのうち複数本のティースに跨って複数回巻回されると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされた複数のコイル部と、を備え、前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極の数をm、自然数をnとした場合に、前記複数のティース間のスロットの数が、m×nである回転電機子の製造方法であって、前記複数のコイル部の各々が跨ぐティースの本数を同じとして、前記複数のコイル部を形成する複数の巻線の各々に、前記複数のコイル部のうち前記電機子コアの周方向に等間隔で配置され直列に接続された複数個のコイル部を形成すると共に、前記複数個のコイル部を有する各前記巻線を、前記複数のセグメントのうち一のセグメントと、該一のセグメントと同位相となる他のセグメントとに結線し、各前記複数本のティースに、前記コイル部を複数層巻回すると共に、複数層の前記コイル部のうち少なくとも一の層のコイル部を、他の層のコイル部とターン数を異ならせると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同じ層のコイル部とターン数を異ならせることを含む。
以上の本発明の回転電機子、回転電機、及び、回転電機子の製造方法によれば、巻線を流れる循環電流の電流値を低減できる。
本実施形態の回転電機の構成図である。 本実施形態の回転電機子を軸方向から見た図である。 本実施形態の回転電機子の製造方法(ダブル巻き)の説明図である。 本実施形態の回転電機子の製造方法(ダブル巻き)の説明図である。 本実施形態の回転電機子の製造方法(ダブル巻き)の説明図である。 本実施形態の回転電機子の配線図である。 本実施形態の回転電機子において右フライヤ及び左フライヤによって形成されるコイル部のターン数を説明するための表である。 本実施形態の回転電機子において3本のティースに巻回された3つの層のコイル部の総ターン数を説明するための表である。 比較例の回転電機子の配線図である。 比較例の回転電機子において右フライヤ及び左フライヤによって形成されるコイル部のターン数を説明するための表である。 比較例の回転電機子において3本のティースに巻回された3つの層のコイル部の総ターン数を説明するための表である。 比較例の回転電機子の動作説明図である。 比較例の回転電機子の動作説明図である。 比較例の回転電機子の動作説明図である。 比較例の回転電機子の動作説明図である。 比較例の回転電機子の動作説明図である。 比較例の回転電機子の動作説明図である。 比較例の回転電機子の動作説明図である。 比較例の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 第2実施形態の回転電機子の配線図である。 第2実施形態の回転電機子において右フライヤ及び左フライヤによって形成されるコイル部のターン数を説明するための表である。 第2実施形態の回転電機子において3本のティースに巻回された3つの層のコイル部の総ターン数を説明するための表である。 第2実施形態の回転電機子の動作説明図である。 第2実施形態の回転電機子の動作説明図である。 第2実施形態の回転電機子の動作説明図である。 第2実施形態の回転電機子の動作説明図である。 第2実施形態の回転電機子の動作説明図である。 第2実施形態の回転電機子の動作説明図である。 第2実施形態の回転電機子の動作説明図である。 第2実施形態の回転電機子の動作説明図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1では、本実施形態の回転電機Mの構成要素が直線状に並べられて示されている。この図1に示されるように、本実施形態の回転電機Mは、電機子コア12と、整流子14と、複数の巻線16と、複数の磁極18と、複数のブラシ20とを備える。電機子コア12、整流子14、及び、複数の巻線16は、回転電機子10を構成している。複数の磁極18は、電機子コア12の周囲に設けられている。
電機子コア12は、複数のティース22を有する。この複数のティース22は、図2に示されるように、電機子コア12の軸芯部を中心にして放射状に形成されており、等角度間隔で並んでいる。整流子14は、シャフト23に電機子コア12と共に固定されており、電機子コア12と同軸上に配置されている。この整流子14は、周方向に配列された複数のセグメント24を有する。複数の巻線16の構成については、後述する巻線方法(回転電機子の製造方法)と併せて説明する。
図1に示される本実施形態の回転電機Mは、一例として、6極18スロットとされており、磁極18は6極、ティース22は18本設けられている。各ティース22間は、スロットとされている。複数の磁極18は、「S極」又は「N極」であり、「S極」、「N極」は、周方向に交互に配列されている。セグメント24は、ティース22と同数の18個設けられており、複数のブラシ20は、磁極18と同数の6個設けられている。複数のセグメント24には、複数のブラシ20が摺接される。複数のブラシ20は、正極のブラシと負極のブラシに分類される。複数のブラシ20、及び、複数のセグメント24は、組付誤差及び製造誤差の範囲内においてそれぞれ均等な間隔で配置されている。
図1、図2において、複数のティース22、及び、複数のセグメント24には、識別番号「1」〜「18」がそれぞれ付されている。以下、図1、図2を用いた説明において、複数のティース22、及び、複数のセグメント24の各々を識別する場合には、図面に記された識別番号「1」〜「18」を用いる。
次に、本実施形態の回転電機の製造方法について説明する。
本実施形態の回転電機Mの製造方法において、巻線16の巻回には、ダブルフライヤが用いられる。図1には、ダブルフライヤを用いた場合の一方側のダイヤグラムが示されている。また、図1は、ダブルフライヤの一方側において巻線16の巻回をセグメント「1」から開始するダイヤグラムである。ダブルフライヤの他方側において巻線の巻回はセグメント「10」(180°対向する位置)から開始される。
先ず、図1に示されるように、巻線16の一端をセグメント「1」に結線し、この巻線16を3本のティース「18、1、2」に跨って複数回巻回し、1番目のコイル部26を形成する。その後、巻線16の他端をセグメントに結線せず、3本のティース「6、7、8」に跨って複数回巻回し、2番目のコイル部26を形成する。また同様に、巻線16の他端をセグメントに結線せず、3本のティース「12、13、14」に跨って複数回巻回し、3番目のコイル部26を形成する。このように、本実施形態では、1本の巻線16に直列に接続された3個のコイル部26が形成される。そして、セグメント「2」と同位相となるセグメント「14」に巻線16の他端を結線する。
続いて、上述の1番目の巻線16の他端が結線されたセグメント14を開始点として、次の巻線を上記1番目の巻線16と同様の要領で巻回する。ダブルフライヤを用いる場合には、以上の作業を9回繰り返して行う。図1には、上記要領で上述の1番目の巻線から3番目の巻線が巻回された状態が示されている。また、図2には、直列に接続された3個のコイル部26を有する1番目の巻線16が巻回された状態が示されている。
また、図3〜図5には、ダブルフライヤを用い、上記要領で18本の巻線が順に巻回される様子が示されている。図3〜図5において、濃い色で表示されたコイル部26は、ダブルフライヤの一方側で形成されたものであり、薄い色で表示されたコイル部26は、ダブルフライヤの他方側で形成されたものである。以下、図3〜図5を用いた説明において、複数のティース22、及び、複数のセグメント24の各々を識別する場合には、図面に記された識別番号「1」〜「18」を用いる。
図3(A)には1セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「18、1、2」に跨るコイル部26、ティース「6、7、8」に跨るコイル部26、ティース「12、13、14」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「9、10、11」に跨るコイル部26、ティース「15、16、17」に跨るコイル部26、ティース「3、4、5」に跨るコイル部26が形成される。
また、図3(B)には2セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「13、14、15」に跨るコイル部26、ティース「1、2、3」に跨るコイル部26、ティース「7、8、9」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「4、5、6」に跨るコイル部26、ティース「10、11、12」に跨るコイル部26、ティース「16、17、18」に跨るコイル部26が形成される。
また、図3(C)には3セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「8、9、10」に跨るコイル部26、ティース「14、15、16」に跨るコイル部26、ティース「2、3、4」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「17、18、1」に跨るコイル部26、ティース「5、6、7」に跨るコイル部26、ティース「11、12、13」に跨るコイル部26が形成される。
また、図4(A)には4セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「3、4、5」に跨るコイル部26、ティース「9、10、11」に跨るコイル部26、ティース「15、16、17」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「12、13、14」に跨るコイル部26、ティース「18、1、2」に跨るコイル部26、ティース「6、7、8」に跨るコイル部26が形成される。
また、図4(B)には5セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「16、17、18」に跨るコイル部26、ティース「4、5、6」に跨るコイル部26、ティース「10、11、12」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「7、8、9」に跨るコイル部26、ティース「13、14、15」に跨るコイル部26、ティース「1、2、3」に跨るコイル部26が形成される。
また、図4(C)には6セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「11、12、13」に跨るコイル部26、ティース「17、18、1」に跨るコイル部26、ティース「5、6、7」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「2、3、4」に跨るコイル部26、ティース「8、9、10」に跨るコイル部26、ティース「14、15、16」に跨るコイル部26が形成される。
また、図5(A)には7セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「6、7、8」に跨るコイル部26、ティース「12、13、14」に跨るコイル部26、ティース「18、1、2」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「15、16、17」に跨るコイル部26、ティース「3、4、5」に跨るコイル部26、ティース「9、10、11」に跨るコイル部26が形成される。
また、図5(B)には8セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「1、2、3」に跨るコイル部26、ティース「7、8、9」に跨るコイル部26、ティース「13、14、15」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「10、11、12」に跨るコイル部26、ティース「16、17、18」に跨るコイル部26、ティース「4、5、6」に跨るコイル部26が形成される。
また、図5(C)には9セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「14、15、16」に跨るコイル部26、ティース「2、3、4」に跨るコイル部26、ティース「8、9、10」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「5、6、7」に跨るコイル部26、ティース「11、12、13」に跨るコイル部26、ティース「17、18、1」に跨るコイル部26が形成される。
以上のようにして製造された回転電機子では、それぞれ3本のティース22に跨って複数回巻回された複数のコイル部26が、電機子コア12の周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされる。この複数のコイル部26の総数は、3個×2×9セット分=54個である(図5の(C)参照)。
また、図3〜図5に示されるように、複数のコイル部26の各々が跨ぐティース22の本数は、3本で同じとされ、複数のコイル部26を形成する複数の巻線16の各々には、電機子コア12の周方向に等間隔で配置された3個のコイル部26が形成される。さらに、図1に示されるように、複数の巻線16の各々において、3個のコイル部26は、直列に接続されており、且つ、この3個のコイル部26を有する各巻線16は、複数のセグメント24のうち一のセグメント24と、該一のセグメント24と同位相となる他のセグメント24とに結線される。
また、図1に示されるように、複数の巻線16の各々において、複数個のコイル部26を連結する連結線28は、複数個のコイル部26の巻回方向とは逆向きに配線されており(渡らせており)、連結線28が最短距離で配線されている。つまり、コイル部26の巻回方向は、矢印P方向であり、連結線28の配線方向は、矢印P方向とは逆方向とされている。
また、図3(A)〜(C)に示される1セット目から3セット目までに形成されたコイル部26は、1層目を構成し、図4(A)〜(C)に示される4セット目から6セット目までに形成されたコイル部26は、2層目を構成し、図5(A)〜(C)に示される7セット目から9セット目までに形成されたコイル部26は、3層目を構成する。従って、各コイル部26がそれぞれ巻回される各3本のティース22(各ティース群)には、コイル部26が複数層(本実施形態では3層)巻回される。
この各層を構成する複数のコイル部26は、第一の巻線16(濃い色)に形成された複数の第一のコイル部26と、第二の巻線16(薄い色)に形成された複数の第二のコイル部26とによって構成されており、第一のコイル部26と第二のコイル部26とは、電機子コア12の周方向に交互に配置される。また、第一のコイル部26の一方の端部(第二のコイル部26側の端部)と第二のコイル部26の他方の端部(第一のコイル部26側の端部)とは、複数のティース22間における同一のスロットに挿入される。
このように、本実施形態では、1本の巻線16に直列に接続された3個のコイル部26が形成されると共に、複数のコイル部26が3層に巻回されるので、このような特徴的な巻き方を「3直列3層巻き」と称することができる。
図6には、本実施形態の回転電機子10の配線図が示されている。図6において、識別番号「1」、「4」、「7」、「10」、「13」、「16」が付されたセグメント24は、図1、図2において、識別番号「1」、「4」、「7」、「10」、「13」、「16」が付されたセグメント24と同一のものである。
また、図6において、複数のコイル部26には、識別番号「1」〜「18」が付されており、この識別番号「1」〜「18」は、コイル部26の中心に配置されたティース22(コイル部26が3跨ぎする中心のティース22)の識別番号と一致している。また、複数のブラシ20には、識別番号「1」〜「6」が付されている。識別番号「1」、「3」、「5」のブラシ20は、正極のブラシであり、識別番号「2」、「4」、「6」のブラシ20は、負極のブラシである。複数のセグメント24のうち識別番号にアンダーバーが付されたセグメントは、負極のブラシ20と接するセグメントを示している。また、複数のコイル部26のうち識別番号にアンダーバーが付されたコイル部は、逆向きに電流が流れるコイル部(逆励磁のコイル部)を示している。
以下、図6を用いた説明において、複数のセグメント24、複数のコイル部26、及び、複数のブラシ20の各々を識別する場合には、図面に記された識別番号をそれぞれ用いる。
図6に示されるコイル群26R−1は、上述のダブルフライヤの一方側(右フライヤ)で1セット目から3セット目までに巻回されたものであり、コイル部「1」、「7」、「13」、「14」、「2」、「8」、「9」、「15」、「3」によって構成されている。また、コイル群26L−1は、上述のダブルフライヤの他方側(左フライヤ)で1セット目から3セット目までに巻回されたものであり、コイル部「10」、「16」、「4」、「5」、「11」、「17」、「18」、「6」、「12」によって構成されている。このコイル群26R−1及びコイル群26L−1によって、1層目のコイル部26が構成されている。
また、図6に示されるコイル群26R−2は、上述のダブルフライヤの一方側(右フライヤ)で4セット目から6セット目までに巻回されたものであり、コイル部「4」、「10」、「16」、「17」、「5」、「11」、「12」、「18」、「6」によって構成されている。また、コイル群26L−2は、上述のダブルフライヤの他方側(左フライヤ)で4セット目から6セット目までに巻回されたものであり、コイル部「13」、「1」、「7」、「8」、「14」、「2」、「3」、「9」、「15」によって構成されている。このコイル群26R−2及びコイル群26L−2によって、2層目のコイル部26が構成されている。
また、図6に示されるコイル群26R−3は、上述のダブルフライヤの一方側(右フライヤ)で7セット目から9セット目までに巻回されたものであり、コイル部「7」、「13」、「1」、「2」、「8」、「14」、「15」、「3」、「9」によって構成されている。また、コイル群26L−3は、上述のダブルフライヤの他方側(左フライヤ)で7セット目から9セット目までに巻回されたものであり、コイル部「16」、「4」、「10」、「11」、「17」、「5」、「6」、「12」、「18」によって構成されている。このコイル群26R−3及びコイル群26L−3によって、3層目のコイル部26が構成されている。なお、本実施形態では、図7に示されるように、右フライヤ及び左フライヤによって同時に形成される(各セットで形成される)2つのコイル部26のターン数は、同一の場合もあり、異なる場合もある。なお、図7に示された「1周目」は1層目を構成する1セット目、2層目を構成する4セット目、3層目を構成する7セット目に対応し、「2周目」は1層目を構成する2セット目、2層目を構成する5セット目、3層目を構成する8セット目に対応し、「3周目」は1層目を構成する3セット目、2層目を構成する6セット目、3層目を構成する9セット目に対応している。
詳述すると、図6に示されるように、コイル群26R−1を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「1」、「7」、「13」のターン数が5ターンとされ、コイル部「14」、「2」、「8」、「9」、「15」、「3」のターン数が6ターンとされている。また、コイル群26L−1を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「10」、「16」、「4」、「5」、「11」、「17」のターン数が6ターンとされ、コイル部「18」、「6」、「12」のターン数が5ターンとされている。なお、図6において6ターンとされたコイル部26には、符号6Tを付していると共に、5ターンとされたコイル部26には、符号5Tを付している。
また、コイル群26R−2を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「4」、「10」、「16」のターン数は6ターンとされ、コイル部「17」、「5」、「11」のターン数は5ターンとされ、コイル部「12」、「18」、「6」のターン数が6ターンとされている。また、コイル群26L−2を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「13」、「1」、「7」のターン数は6ターンとされ、コイル部「8」、「14」、「2」のターン数は5ターンとされ、コイル部「3」、「9」、「15」のターン数が6ターンとされている。
さらに、コイル群26R−3を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「7」、「13」、「1」、「2」、「8」、「14」のターン数が6ターンとされ、コイル部「15」、「3」、「9」のターン数が5ターンとされている。また、コイル群26L−3を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「16」、「4」、「10」のターン数が5ターンとされ、コイル部「11」、「17」、「5」、「6」、「12」、「18」のターン数が6ターンとされている。
以上説明したように、本実施形態の回転電機子10では、電機子コア12の径方向に隣り合う3つのコイル部26(1層目から3層目のコイル部26)のうちいずれか1つのコイル部26のターン数が5ターンとなり、残り2つのコイル部26のターン数が6ターンとなっている。また、ターン数が5ターンとされたコイル部26に対して電機子コア12の周方向一方側に配置されたコイル部26及び周方向他方側に配置されたコイル部26のターン数が6ターンとなっている。そして、本実施形態では、図8に示されるように、3本のティース22に巻回された3つの層のコイル部26の総ターン数(和)が17ターンとなっている。
なお、各々のコイル部26のターン数は上記に限られない。各ティース群(本実施形態では各3本のティース)に巻回された複数層のコイル部26の総ターン数(和)が回転電機全体で統一されていれば良い。また、電機子コア12の径方向に隣り合う複数のコイル部26の少なくともいずれか1つのコイル部26のターン数を所定のターン数と異ならせると共に、当該所定のターン数と異なるターン数とされたコイル部26に対して電機子コア12の周方向一方側に配置されたコイル部26及び周方向他方側に配置されたコイル部26のターン数が所定のターン数となっていればよい。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
先ず、本実施形態の作用及び効果を明確にするために、比較例について説明する。
(比較例に係る回転電機子30の構成及びその動作)
図9〜図11には、比較例に係る回転電機子30を説明するための図6〜図8にそれぞれ対応する図が示されている。図9に示されるように、比較例に係る回転電機子30では、コイル群26R−1、コイル群26L−1、コイル群26R−2及びコイル群26L−2を構成する複数のコイル部26のターン数が6ターンとされ、コイル群26R−3及びコイル群26L−3を構成する複数のコイル部26のターン数が5ターンとされている。また、図10に示されるように、この回転電機子30では、右フライヤ及び左フライヤによって同時に形成される(各セットで形成される)2つのコイル部26のターン数は同一である。さらに、図11に示されるように、この回転電機子30では、前述の本実施形態の回転電機子10と同様に、3本のティース22に巻回された3つの層のコイル部26の総ターン数(和)が17ターンとなっている。
ここで、図12A〜図15Bを用いて、以上説明した比較例に係る回転電機子30の動作を説明する。図12A〜図15Bには、各位相における、ブラシ20とセグメント24との接触状態、及び、コイル部26の通電励磁状態が示されている。 図12A〜図15Bにおいて、複数のセグメント24、及び、複数のコイル部26には、識別番号「1」〜「18」がそれぞれ付されており、複数のブラシ20には、識別番号「1」〜「6」が付されている。識別番号「1」、「3」、「5」のブラシ20は、正極のブラシであり、識別番号「2」、「4」、「6」のブラシ20は、負極のブラシである。複数のセグメント24のうち識別番号にアンダーバーが付されたセグメントは、負極のブラシ20と接するセグメントを示している。また、複数のコイル部26のうち識別番号にアンダーバーが付されたコイル部は、逆向きに電流が流れるコイル部(逆励磁のコイル部)を示している。また、複数のブラシ20の各々を識別する場合には、図面に記された識別番号「1」〜「6」を用いて説明する。同様に、複数のセグメント24、及び、複数のコイル部26の各々を識別する場合には、図面に記された識別番号「1」〜「18」を用いて説明する。
(位相:0°)
図12A、図12Bの段階では、計6個のブラシ「1」〜「6」が、計18個のセグメント「1」〜「18」のうち向かい合う各1対のセグメントとそれぞれ接している。また、正極のブラシ「1」は、セグメント「1」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「7」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「13」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「4」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「10」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「16」と接している。なお、各々のコイル部26のターン数が5ターンとされた3直列コイル部が、矩形状の枠で囲まれており、この枠で囲まれた部分を、5ターン3直列コイル部Zというものとする。ここで、図12Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、1列目L1、2列目L2、4列目L4及び5列目L5には、5ターン3直列コイル部Zが存在しない。また、3列目L3及び6列目L6は、5ターン3直列コイル部Zのみによって構成されている。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRb0である。
この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。6個のブラシ20の切り替わりタイミングにズレがあっても励磁バランスが崩れる事なく、次のセグメント24へシフトする状態を以下に示す。なお、回転電機子30は、図12Aにおいて反時計回り方向へ回転するが、図示の便宜上、ブラシ20が時計回り方向に回転したものとして、以下の説明を行う。
(位相:20°)
回転電機子30が、図12A、図12Bに示された状態から20°回転した図13A、図13Bの段階では、正極のブラシ「1」は、セグメント「2」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「8」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「14」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「5」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「11」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「17」と接している。この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。ここで、図13Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、2列目L2及び5列目L5には、5ターン3直列コイル部Zが存在しない。また、3列目L3及び6列目L6には、1つの5ターン3直列コイル部Zが存在し、1列目L1及び4列目L4には、2つの5ターン3直列コイル部Zが存在している。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRb1である。
(位相:40°)
回転電機子30が、図13A、図13Bに示された状態から20°回転した図14A、図14Bの段階では、正極のブラシ「1」は、セグメント「3」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「9」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「15」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「6」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「12」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「18」と接している。この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。ここで、図14Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、3列目L3及び6列目L6には、5ターン3直列コイル部Zが存在しない。また、2列目L2及び5列目L5には、1つの5ターン3直列コイル部Zが存在し、1列目L1及び4列目L4には、2つの5ターン3直列コイル部Zが存在している。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRb1である。
(位相:60°)
回転電機子30が、図14A、図14Bに示された状態から20°回転した図15A、図15Bの段階では、正極のブラシ「1」は、セグメント「4」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「10」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「16」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「7」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「13」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「1」と接している。この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。ここで、図15Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、1列目L1、3列目L3、4列目L4及び6列目L6には、5ターン3直列コイル部Zが存在しない。また、2列目L2及び5列目L5は、5ターン3直列コイル部Zのみによって構成されている。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRb0である。
(本実施形態に係る回転電機子10の動作)
次に、比較例に係る回転電機子30の動作の説明で用いた図12A〜図15Bにそれぞれ対応する図16A〜図19Bを用いて、前述の本実施形態に係る回転電機子10の動作を説明する。
(位相:0°)
図16A、図16Bの段階では、計6個のブラシ「1」〜「6」が、計18個のセグメント「1」〜「18」のうち向かい合う各1対のセグメントとそれぞれ接している。また、正極のブラシ「1」は、セグメント「1」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「7」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「13」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「4」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「10」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「16」と接している。ここで、図16Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、1列目L1〜6列目L6には、それぞれ5ターン3直列コイル部Zが1つのみ存在している。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRc0である。
この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。6個のブラシ20の切り替わりタイミングにズレがあっても励磁バランスが崩れる事なく、次のセグメント24へシフトする状態を以下に示す。なお、回転電機子10は、図16Aにおいて反時計回り方向へ回転するが、図示の便宜上、ブラシ20が時計回り方向に回転したものとして、以下の説明を行う。
(位相:20°)
回転電機子10が、図16A、図16Bに示された状態から20°回転した図17A、図17Bの段階では、正極のブラシ「1」は、セグメント「2」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「8」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「14」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「5」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「11」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「17」と接している。この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。ここで、図17Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、5列目L5には、5ターン3直列コイル部Zが存在しない。また、1列目L1、2列目L2、4列目L4及び6列目L6には、1つの5ターン3直列コイル部Zが存在し、3列目L3には、2つの5ターン3直列コイル部Zが存在している。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRc1である。
(位相:40°)
回転電機子10が、図17A、図17Bに示された状態から20°回転した図18A、図18Bの段階では、正極のブラシ「1」は、セグメント「3」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「9」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「15」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「6」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「12」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「18」と接している。この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。ここで、図18Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、4列目L4には、5ターン3直列コイル部Zが存在しない。また、1列目L1、2列目L2、3列目L3及び6列目L6には、1つの5ターン3直列コイル部Zが存在し、5列目L5には、2つの5ターン3直列コイル部Zが存在している。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRc1である。
(位相:60°)
回転電機子10が、図18A、図18Bに示された状態から20°回転した図19A、図19Bの段階では、正極のブラシ「1」は、セグメント「4」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「10」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「16」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「7」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「13」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「1」と接している。この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。ここで、図19Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、1列目L1〜6列目L6には、それぞれ5ターン3直列コイル部Zが1つのみ存在している。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRc0である。
そして、以上説明した比較例に係る回転電機子30の回転中の各位相において正負ブラシ間の合成抵抗の差(Rb1−Rb0)と、本実施形態の回転電機子10の回転中の各位相において正負ブラシ間の合成抵抗の差(Rc1−Rc0)と、を比較すると、(Rc1−Rc0)が(Rb1−Rb0)よりも小さな値となっている。これにより、本実施形態の回転電機子10では、比較例に係る回転電機子30と比べて、各々のコイル部26を構成する巻線を流れる循環電流(上記抵抗差によって回路内に発生する無駄な循環電流)の電流値を低減することができる。すなわち、並列回路間の(コイル部26の)抵抗差によって発生する循環電流を低減することができる。ここで、3周巻きにターン数を分割した際に、3で割り切れないターン数が異なるコイル部26の配置を工夫する事で、並列回路間の抵抗差を小さくして循環電流を減らすことにより、無駄な電流値を低減することができる。
(第2実施形態に係る回転電機子の構成及びその動作)
図20〜図22には、第2実施形態に係る回転電機子40を説明するための図6〜図8にそれぞれ対応する図が示されている。
図20に示されるように、第2実施形態に係る回転電機子40では、コイル群26R−1を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「1」、「7」、「13」のターン数が5ターンとされ、コイル部「14」、「2」、「8」、「9」、「15」、「3」のターン数が6ターンとされている。また、コイル群26L−1を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「10」、「16」、「4」のターン数が5ターンとされ、コイル部「5」、「11」、「17」、「18」、「6」、「12」のターン数が6ターンとされている。
また、コイル群26R−2を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「4」、「10」、「16」のターン数は6ターンとされ、コイル部「17」、「5」、「11」のターン数は5ターンとされ、コイル部「12」、「18」、「6」のターン数が6ターンとされている。また、コイル群26L−2を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「13」、「1」、「7」のターン数は6ターンとされ、コイル部「8」、「14」、「2」のターン数は5ターンとされ、コイル部「3」、「9」、「15」のターン数が6ターンとされている。
さらに、コイル群26R−3を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「7」、「13」、「1」、「2」、「8」、「14」のターン数が6ターンとされ、コイル部「15」、「3」、「9」のターン数が5ターンとされている。また、コイル群26L−3を構成する複数のコイル部26のうち、コイル部「16」、「4」、「10」、「11」、「17」、「5」のターン数が6ターンとされ、コイル部「6」、「12」、「18」のターン数が5ターンとされている。
また、図21に示されるように、この回転電機子40では、右フライヤ及び左フライヤによって同時に形成される(各セットで形成される)2つのコイル部26のターン数は同一である。さらに、図22に示されるように、この回転電機子40では、前述の本実施形態の回転電機子10と同様に、3本のティース22に巻回された3つの層のコイル部26の総ターン数(和)が17ターンとなっている。
次に、前述の回転電機子10の動作の説明で用いた図16A〜図19Bにそれぞれ対応する図23A〜図26Bを用いて、第2実施形態に係る回転電機子40の動作を説明する。
(位相:0°)
図23A、図23Bの段階では、計6個のブラシ「1」〜「6」が、計18個のセグメント「1」〜「18」のうち向かい合う各1対のセグメントとそれぞれ接している。また、正極のブラシ「1」は、セグメント「1」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「7」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「13」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「4」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「10」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「16」と接している。ここで、図23Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、1列目L1〜6列目L6には、それぞれ5ターン3直列コイル部Zが1つのみ存在している。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRd0である。
この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。6個のブラシ20の切り替わりタイミングにズレがあっても励磁バランスが崩れる事なく、次のセグメント24へシフトする状態を以下に示す。
(位相:20°)
回転電機子40が、図23A、図23Bに示された状態から20°回転した図24A、図24Bの段階では、正極のブラシ「1」は、セグメント「2」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「8」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「14」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「5」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「11」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「17」と接している。この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。ここで、図24Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、2列目L2及び5列目L5には、5ターン3直列コイル部Zが存在しない。また、3列目L3及び6列目L6には、1つの5ターン3直列コイル部Zが存在し、1列目L1及び4列目L4には、2つの5ターン3直列コイル部Zが存在している。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRd1である。
(位相:40°)
回転電機子40が、図24A、図24Bに示された状態から20°回転した図25A、図25Bの段階では、正極のブラシ「1」は、セグメント「3」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「9」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「15」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「6」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「12」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「18」と接している。この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。ここで、図25Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、1列目L1及び4列目L4には、5ターン3直列コイル部Zが存在しない。また、3列目L3及び6列目L6には、1つの5ターン3直列コイル部Zが存在し、2列目L2及び5列目L5には、2つの5ターン3直列コイル部Zが存在している。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRd1である。
(位相:60°)
回転電機子40が、図25A、図25Bに示された状態から20°回転した図26A、図26Bの段階では、正極のブラシ「1」は、セグメント「4」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「10」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「16」と接している。さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「7」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「13」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「1」と接している。この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。ここで、図26Bに示された正極のブラシ「1」「3」「5」と負極のブラシ「2」「4」「6」との間の6並列回路を見ると、1列目L1〜6列目L6には、それぞれ5ターン3直列コイル部Zが1つのみ存在している。この状態の正負ブラシ間の合成抵抗値はRd0である。
そして、以上説明した比較例に係る回転電機子30の回転中の各位相において正負ブラシ間の合成抵抗の差(Rb1−Rb0)と、第2実施形態の回転電機子40の回転中の各位相において正負ブラシ間の合成抵抗の差(Rd1−Rd0)と、を比較すると、(Rd1−Rd0)が(Rb1−Rb0)よりも小さな値となっている。これにより、第2実施形態の回転電機子40では、比較例に係る回転電機子30と比べて、各々のコイル部26を構成する巻線を流れる循環電流の電流値を低減することができる。なお、第2実施形態の回転電機子40の回転中の各位相において正負ブラシ間の合成抵抗の差(Rd1−Rd0)は、前述の本実施形態の回転電機子10の回転中の各位相において正負ブラシ間の合成抵抗の差(Rc1−Rc0)よりは大きな値となっている。
<その他の変形例>
上記実施形態において、回転電機M(図1参照)は、一例として、6極18スロットとされているが、電機子コア12の周囲に設けられた複数の磁極18の数をm、自然数をnとした場合に、複数のティース22間のスロットの数がm×nを満たせば、複数の磁極18の数、及び、スロットの数は、上記以外でも良い。
また、上記実施形態において、各巻線16には、3個のコイル部26が直列に接続されているが、各巻線16において直列に接続されるコイル部26の数は、3個以外でも良い。
また、上記実施形態において、複数のコイル部26は、3層に構成されているが、3層以外でも良い。
また、上記実施形態では、ダブルフライヤを用いたが、シングルフライヤを用いることも可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10…回転電機子、12…電機子コア、14…整流子、18…磁極、20…ブラシ、22…ティース、26…コイル部、M…回転電機、40…回転電機子

Claims (3)

  1. 複数のティースを等角度間隔に有する電機子コアと、
    前記電機子コアと同軸上に配置され、周方向に配列された複数のセグメントを有する整流子と、
    それぞれ前記複数のティースのうち複数本のティースに跨って複数回巻回されると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされた複数のコイル部と、
    を備え、
    前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極の数をm、自然数をnとした場合に、前記複数のティース間のスロットの数は、m×nであり、
    前記複数のコイル部の各々が跨ぐティースの本数は、同じであり、
    前記複数のコイル部を形成する複数の巻線の各々には、前記複数のコイル部のうち前記電機子コアの周方向に等間隔で配置され直列に接続された複数個のコイル部が形成され、
    前記複数個のコイル部を有する各前記巻線は、前記複数のセグメントのうち一のセグメントと、該一のセグメントと同位相となる他のセグメントとに結線され、
    各前記複数本のティースには、前記コイル部が前記電機子コアの径方向に複数層巻回され、
    複数層の前記コイル部のうち少なくとも一の層のコイル部は、他の層のコイル部とターン数が異なっていると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同じ層のコイル部とターン数が異なっている回転電機子。
  2. 請求項1に記載の回転電機子と、
    前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極と、
    前記複数のセグメントと摺接される複数のブラシと、
    を備えた回転電機。
  3. 複数のティースを等角度間隔に有する電機子コアと、
    前記電機子コアと同軸上に配置され、周方向に配列された複数のセグメントを有する整流子と、
    それぞれ前記複数のティースのうち複数本のティースに跨って複数回巻回されると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされた複数のコイル部と、を備え、
    前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極の数をm、自然数をnとした場合に、前記複数のティース間のスロットの数が、m×nである回転電機子の製造方法であって、
    前記複数のコイル部の各々が跨ぐティースの本数を同じとして、前記複数のコイル部を形成する複数の巻線の各々に、前記複数のコイル部のうち前記電機子コアの周方向に等間隔で配置され直列に接続された複数個のコイル部を形成すると共に、前記複数個のコイル部を有する各前記巻線を、前記複数のセグメントのうち一のセグメントと、該一のセグメントと同位相となる他のセグメントとに結線し、各前記複数本のティースに、前記コイル部を複数層巻回すると共に、複数層の前記コイル部のうち少なくとも一の層のコイル部を、他の層のコイル部とターン数を異ならせると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同じ層のコイル部とターン数を異ならせることを含む、回転電機子の製造方法。
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