JP6569499B2 - 回転電機子、回転電機、回転電機子の製造方法 - Google Patents

回転電機子、回転電機、回転電機子の製造方法 Download PDF

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本発明は、回転電機子、回転電機、回転電機子の製造方法に関する。
従来、複数のティースを等角度間隔に有する電機子コアと、電機子コアと同軸上に配置され、周方向に配列された複数のセグメントを有する整流子と、それぞれ複数のティースのうち複数本のティースに跨って複数回巻回されると共に、電機子コアの周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされた複数のコイル部とを備える回転電機子がある(例えば、特許文献1参照)。
特許第4987628号公報
上記回転電機子では、整流子に設けられた複数のセグメントに複数のブラシが摺接されて電流が整流される。この複数のブラシ間で整流のタイミングにずれが生じると、複数のコイル部に磁界のアンバランスが発生する虞がある。この磁界のアンバランスは、回転電機子の回転時の振動や騒音の原因になる。
そこで、複数のコイル部に磁界のアンバランスが発生することを抑制するために、複数のセグメントのうち一のセグメントと、該一のセグメントと同位相となる他のセグメントとを均圧線や均圧部材等で接続する手法が採用されることがある。
しかしながら、この手法では、部材点数が増加してコストアップになることに加え、先に切り替わるブラシに過電流が生じる。このブラシへの過電流は、ブラシの短寿命化の原因になる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、コストアップを抑制しつつ、磁界のアンバランス及びブラシへの過電流を抑制することができる回転電機子、回転電機、及び、回転電機子の製造方法を提供することにある。
本発明の回転電機子は、複数のティースを等角度間隔に有する電機子コアと、前記電機子コアと同軸上に配置され、周方向に配列された複数のセグメントを有する整流子と、それぞれ前記複数のティースのうち複数本のティースに跨って複数回巻回されると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされた複数のコイル部と、を備え、前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極の数をm、自然数をnとした場合に、前記複数のティース間のスロットの数は、m×nであり、前記複数のコイル部の各々が跨ぐティースの本数は、同じとされ、前記複数のコイル部を形成する複数の巻線の各々には、前記複数のコイル部のうち前記電機子コアの周方向に等間隔で配置され直列に接続された複数個のコイル部が形成され、前記複数個のコイル部を有する各前記巻線は、前記複数のセグメントのうち一のセグメントと、該一のセグメントと同位相となる他のセグメントとに結線され、各前記コイル部がそれぞれ巻回される各前記複数本のティースには、前記コイル部が複数層巻回され、各層を構成する前記複数のコイル部は、第一の巻線に形成された複数の第一のコイル部と、第二の巻線に形成された複数の第二のコイル部とによって構成され、前記第一のコイル部と前記第二のコイル部とは、前記電機子コアの周方向に交互に配置され、前記第一のコイル部の一方の端部と前記第二のコイル部の他方の端部とは、前記複数のティース間における同一のスロットに挿入されている。
また、本発明の回転電機は、本発明の回転電機子と、前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極と、前記複数のセグメントと摺接される複数のブラシと、を備える。
また、本発明の回転電機子の製造方法は、複数のティースを等角度間隔に有する電機子コアと、前記電機子コアと同軸上に配置され、周方向に配列された複数のセグメントを有する整流子と、それぞれ前記複数のティースのうち複数本のティースに跨って複数回巻回されると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされた複数のコイル部と、を備え、前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極の数をm、自然数をnとした場合に、前記複数のティース間のスロットの数が、m×nである回転電機子の製造方法であって、前記複数のコイル部の各々が跨ぐティースの本数を同じとして、前記複数のコイル部を形成する複数の巻線の各々に、前記複数のコイル部のうち前記電機子コアの周方向に等間隔で配置され直列に接続された複数個のコイル部を形成すると共に、前記複数個のコイル部を有する各前記巻線を、前記複数のセグメントのうち一のセグメントと、該一のセグメントと同位相となる他のセグメントとに結線することと、各前記コイル部がそれぞれ巻回される各前記複数本のティースに、前記コイル部を複数層巻回することと、各層を構成する前記複数のコイル部を、第一の巻線に形成された複数の第一のコイル部と、第二の巻線に形成された複数の第二のコイル部とによって構成すると共に、前記第一のコイル部と前記第二のコイル部とを、前記電機子コアの周方向に交互に配置し、且つ、前記第一のコイル部の一方の端部と前記第二のコイル部の他方の端部とを、前記複数のティース間における同一のスロットに挿入することを含む。
以上の本発明の回転電機子、回転電機、及び、回転電機子の製造方法によれば、コストアップを抑制しつつ、磁界のアンバランス及びブラシへの過電流を抑制することができる。
本実施形態の回転電機の構成図である。 本実施形態の回転電機子を軸方向から見た図である。 本実施形態の回転電機子の製造方法(ダブル巻き)の説明図である。 本実施形態の回転電機子の製造方法(ダブル巻き)の説明図である。 本実施形態の回転電機子の製造方法(ダブル巻き)の説明図である。 本実施形態の回転電機子の製造方法(シングル巻き)の説明図である。 本実施形態の回転電機子の製造方法(シングル巻き)の説明図である。 本実施形態の回転電機子の製造方法(シングル巻き)の説明図である。 本実施形態の回転電機子の製造方法(シングル巻き)の説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 本実施形態の回転電機子の動作説明図である。 第一比較例の回転電機の構成図である。 第一比較例の回転電機子を軸方向から見た図である。 第一比較例の回転電機子の製造方法(ダブル巻き)の説明図である。 第一比較例の回転電機子の製造方法(ダブル巻き)の説明図である。 第一比較例の回転電機子の製造方法(ダブル巻き)の説明図である。 第一比較例の回転電機子の動作説明図である。 第一比較例の回転電機子の動作説明図である。 第二比較例の回転電機の構成図である。 第二比較例の回転電機子の製造方法の説明図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1では、本実施形態の回転電機Mの構成要素が直線状に並べられて示されている。この図1に示されるように、本実施形態の回転電機Mは、電機子コア12と、整流子14と、複数の巻線16と、複数の磁極18と、複数のブラシ20とを備える。電機子コア12、整流子14、及び、複数の巻線16は、回転電機子10を構成している。複数の磁極18は、電機子コア12の周囲に設けられている。
電機子コア12は、複数のティース22を有する。この複数のティース22は、図2に示されるように、電機子コア12の軸芯部を中心にして放射状に形成されており、等角度間隔で並んでいる。整流子14は、シャフト23に電機子コア12と共に固定されており、電機子コア12と同軸上に配置されている。この整流子14は、周方向に配列された複数のセグメント24を有する。複数の巻線16の構成については、後述する巻線方法(回転電機子の製造方法)と併せて説明する。
図1に示される本実施形態の回転電機Mは、一例として、6極18スロットとされており、磁極18は6極、ティース22は18本設けられている。各ティース22間は、スロットとされている。複数の磁極18は、「S極」又は「N極」であり、「S極」、「N極」は、周方向に交互に配列されている。セグメント24は、ティース22と同数の18個設けられており、複数のブラシ20は、磁極18と同数の6個設けられている。複数のセグメント24には、複数のブラシ20が摺接される。複数のブラシ20は、正極のブラシと負極のブラシに分類される。図1,図2において、複数のティース22、及び、複数のセグメント24には、識別番号「1」〜「18」がそれぞれ付されている。
次に、本実施形態の回転電機の製造方法について説明する。
本実施形態の回転電機Mの製造方法において、巻線16の巻回には、ダブルフライヤが用いられる。図1には、ダブルフライヤを用いた場合の一方側のダイヤグラムが示されている。また、図1は、ダブルフライヤの一方側において巻線16の巻回をセグメント「1」から開始するダイヤグラムである。ダブルフライヤの他方側において巻線の巻回はセグメント「10」(180°対向する位置)から開始される。
先ず、図1に示されるように、巻線16の一端をセグメント「1」に結線し、この巻線16を3本のティース「18,1,2」に跨って複数回巻回し、1番目のコイル部26を形成する。その後、巻線16の他端をセグメントに結線せず、3本のティース「6,7,8」に跨って複数回巻回し、2番目のコイル部26を形成する。また同様に、巻線16の他端をセグメントに結線せず、3本のティース「12,13,14」に跨って複数回巻回し、3番目のコイル部26を形成する。このように、本実施形態では、1本の巻線16に直列に接続された3個のコイル部26が形成される。そして、セグメント「2」と同位相となるセグメント「14」に巻線16の他端を結線する。
続いて、上述の1番目の巻線16の他端が結線されたセグメント24を開始点として、次の巻線を上記1番目の巻線16と同様の要領で巻回する。ダブルフライヤを用いる場合には、以上の作業を9回繰り返して行う。図1には、上記要領で上述の1番目の巻線から3番目の巻線が巻回された状態が示されている。また、図2には、直列に接続された3個のコイル部26を有する1番目の巻線16が巻回された状態が示されている。
また、図3〜図5には、ダブルフライヤを用い、上記要領で18本の巻線が順に巻回される様子が示されている。図3〜図5において、濃い色で表示されたコイル部26は、ダブルフライヤの一方側で形成されたものであり、薄い色で表示されたコイル部26は、ダブルフライヤの他方側で形成されたものである。以下、複数のティース22、及び、複数のセグメント24の各々を識別する場合には、図面に記された識別番号「1」〜「18」を用いて説明する。
図3(A)には1セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「18,1,2」に跨るコイル部26、ティース「6,7,8」に跨るコイル部26、ティース「12,13,14」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「9,10,11」に跨るコイル部26、ティース「15,16,17」に跨るコイル部26、ティース「3,4,5」に跨るコイル部26が形成される。
また、図3(B)には2セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「13,14,15」に跨るコイル部26、ティース「1,2,3」に跨るコイル部26、ティース「7,8,9」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「4,5,6」に跨るコイル部26、ティース「10,11,12」に跨るコイル部26、ティース「16,17,18」に跨るコイル部26が形成される。
また、図3(C)には3セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「8,9,10」に跨るコイル部26、ティース「14,15,16」に跨るコイル部26、ティース「2,3,4」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「17,18,1」に跨るコイル部26、ティース「5,6,7」に跨るコイル部26、ティース「11,12,13」に跨るコイル部26が形成される。
また、図4(A)には4セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「3,4,5」に跨るコイル部26、ティース「9,10,11」に跨るコイル部26、ティース「15,16,17」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「12,13,14」に跨るコイル部26、ティース「18,1,2」に跨るコイル部26、ティース「6,7,8」に跨るコイル部26が形成される。
また、図4(B)には5セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「16,17,18」に跨るコイル部26、ティース「4,5,6」に跨るコイル部26、ティース「10,11,12」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「7,8,9」に跨るコイル部26、ティース「13,14,15」に跨るコイル部26、ティース「1,2,3」に跨るコイル部26が形成される。
また、図4(C)には6セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「11,12,13」に跨るコイル部26、ティース「17,18,1」に跨るコイル部26、ティース「5,6,7」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「2,3,4」に跨るコイル部26、ティース「8,9,10」に跨るコイル部26、ティース「14,15,16」に跨るコイル部26が形成される。
また、図5(A)には7セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「6,7,8」に跨るコイル部26、ティース「12,13,14」に跨るコイル部26、ティース「18,1,2」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「15,16,17」に跨るコイル部26、ティース「3,4,5」に跨るコイル部26、ティース「9,10,11」に跨るコイル部26が形成される。
また、図5(B)には8セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「1,2,3」に跨るコイル部26、ティース「7,8,9」に跨るコイル部26、ティース「13,14,15」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「10,11,12」に跨るコイル部26、ティース「16,17,18」に跨るコイル部26、ティース「4,5,6」に跨るコイル部26が形成される。
また、図5(C)には9セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「14,15,16」に跨るコイル部26、ティース「2,3,4」に跨るコイル部26、ティース「8,9,10」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「5,6,7」に跨るコイル部26、ティース「11,12,13」に跨るコイル部26、ティース「17,18,1」に跨るコイル部26が形成される。
以上のようにして製造された回転電機子では、それぞれ3本のティース22に跨って複数回巻回された複数のコイル部26が、電機子コア12の周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされる。この複数のコイル部26の総数は、3個×2×9セット分=54個である(図5の(C)参照)。
また、図3〜図5に示されるように、複数のコイル部26の各々が跨ぐティース22の本数は、3本で同じとされ、複数のコイル部26を形成する複数の巻線16の各々には、電機子コア12の周方向に等間隔で配置された3個のコイル部26が形成される。さらに、図1に示されるように、複数の巻線16の各々において、3個のコイル部26は、直列に接続されており、且つ、この3個のコイル部26を有する各巻線16は、複数のセグメント24のうち一のセグメント24と、該一のセグメント24と同位相となる他のセグメント24とに結線される。
また、図1に示されるように、複数の巻線16の各々において、複数個のコイル部26を連結する連結線28は、複数個のコイル部26の巻回方向とは逆向きに配線されており(渡らせており)、連結線28が最短距離で配線されている。つまり、コイル部26の巻回方向は、矢印P方向であり、連結線28の配線方向は、矢印P方向とは逆方向とされている。
また、図3(A)〜(C)に示される1セット目から3セット目までに形成されたコイル部26は、1層目を構成し、図4(A)〜(C)に示される4セット目から6セット目までに形成されたコイル部26は、2層目を構成し、図5(A)〜(C)に示される7セット目から9セット目までに形成されたコイル部26は、3層目を構成する。従って、各コイル部26がそれぞれ巻回される各3本のティース22(各ティース群)には、コイル部26が複数層(本実施形態では3層)巻回される。
この各層を構成する複数のコイル部26は、第一の巻線16(濃い色)に形成された複数の第一のコイル部26と、第二の巻線16(薄い色)に形成された複数の第二のコイル部26とによって構成されており、第一のコイル部26と第二のコイル部26とは、電機子コア12の周方向に交互に配置される。また、第一のコイル部26の一方の端部(第二のコイル部26側の端部)と第二のコイル部26の他方の端部(第一のコイル部26側の端部)とは、複数のティース22間における同一のスロットに挿入される。
また、1層目のターン数、2層目のターン数、3層目のターン数の合計は、各3本のティース22(各ティース群)に巻回された3層のコイル部26の総ターン数となる。各層が同一ターンの場合、例えば、6+6+6で従来の18ターンの回転電機に相当する。各層のターン数は同一に限らなくても良く、例えば、6+6+5ならば17ターンの回転電機に相当する。巻線の線径は従来の回転電機と同じであれば同じ出力特性の回転電機となる。本実施形態では、120°間隔に均等配置された同位相の3個のコイル部を1/3ターンで直列に接続し且つ3層巻きする。3層巻きの各ターンは1/3に限らず、各3本のティース(各ティース群)に巻回された3層のコイル部26の総ターン数(和)が一致すれば良い。
なお、以上は、ダブルフライヤを用いた場合であるが、本実施形態では、シングルフライヤを用いることも可能である。
図6〜図9には、シングルフライヤを用い、18本の巻線16が順に巻回される様子が示されている。すなわち、図6(A)には1セット目が示されており、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「18,1,2」に跨るコイル部26、ティース「6,7,8」に跨るコイル部26、ティース「12,13,14」に跨るコイル部26が形成される。
また、図6(B)には2セット目が示されており、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「13,14,15」に跨るコイル部26、ティース「1,2,3」に跨るコイル部26、ティース「7,8,9」に跨るコイル部26が形成される。
また、図6(C)には3セット目が示されており、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「8,9,10」に跨るコイル部26、ティース「14,15,16」に跨るコイル部26、ティース「2,3,4」に跨るコイル部26が形成される。
また、図7(A)には4セット目が示されており、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「3,4,5」に跨るコイル部26、ティース「9,10,11」に跨るコイル部26、ティース「15,16,17」に跨るコイル部26が形成される。
また、図7(B)には5セット目が示されており、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「16,17,18」に跨るコイル部26、ティース「4,5,6」に跨るコイル部26、ティース「10,11,12」に跨るコイル部26が形成される。
また、図7(C)には6セット目が示されており、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「11,12,13」に跨るコイル部26、ティース「17,18,1」に跨るコイル部26、ティース「5,6,7」に跨るコイル部26が形成される。
また、図8(A)には7セット目が示されており、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「6,7,8」に跨るコイル部26、ティース「12,13,14」に跨るコイル部26、ティース「18,1,2」に跨るコイル部26が形成される。
また、図8(B)には8セット目が示されており、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「1,2,3」に跨るコイル部26、ティース「7,8,9」に跨るコイル部26、ティース「13,14,15」に跨るコイル部26が形成される。
また、図8(C)には9セット目が示されており、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「14,15,16」に跨るコイル部26、ティース「2,3,4」に跨るコイル部26、ティース「8,9,10」に跨るコイル部26が形成される。
また、図9には10セット目が示されており、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「9,10,11」に跨るコイル部26、ティース「15,16,17」に跨るコイル部26、ティース「3,4,5」に跨るコイル部26が形成される。
また、以降図示しないが、11セット目では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「4,5,6」に跨るコイル部26、ティース「10,11,12」に跨るコイル部26、ティース「16,17,18」に跨るコイル部26が形成される。
また、12セット目では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「17,18,1」に跨るコイル部26、ティース「5,6,7」に跨るコイル部26、ティース「11,12,13」に跨るコイル部26が形成される。
また、13セット目では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「12,13,14」に跨るコイル部26、ティース「18,1,2」に跨るコイル部26、ティース「6,7,8」に跨るコイル部26が形成される。
また、14セット目では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「7,8,9」に跨るコイル部26、ティース「13,14,15」に跨るコイル部26、ティース「1,2,3」に跨るコイル部26が形成される。
また、15セット目では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「2,3,4」に跨るコイル部26、ティース「8,9,10」に跨るコイル部26、ティース「14,15,16」に跨るコイル部26が形成される。
また、16セット目では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「15,16,17」に跨るコイル部26、ティース「3,4,5」に跨るコイル部26、ティース「9,10,11」に跨るコイル部26が形成される。
また、17セット目では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「10,11,12」に跨るコイル部26、ティース「16,17,18」に跨るコイル部26、ティース「4,5,6」に跨るコイル部26が形成される。
また、18セット目では、直列に接続される3個のコイル部として、ティース「5,6,7」に跨るコイル部26、ティース「11,12,13」に跨るコイル部26、ティース「17,18,1」に跨るコイル部26が形成される。
このようにシングルフライヤを用いた場合にも、ダブルフライヤを用いた場合と同様に、各巻線16において同電位の3個のコイル部26が直列に接続された回転電機子が製造される。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
先ず、本実施形態の作用及び効果を明確にするために、第一及び第二比較例について説明する。
<第一比較例>
図26,図27に示される第一比較例では、同電位の3個のセグメント24間を均圧線30で短絡する方法が採用されている。図26には、ダブルフライヤを用いた場合のダイヤグラムが示されている。また、図26は、ダブルフライヤの一方側において巻線16の巻回をセグメント「1」から開始し、ダブルフライヤの他方側において巻線16の巻回をセグメント「10」(180°対向する位置)から同時に開始するダイヤグラムである。
巻線16は、上述の本実施形態と同じ線径、同じターン数であり、巻線16の加工前に均圧線30がセグメント24間に追加されている。均圧線30については、コイル部26(主巻線)の前に単独で加工を行う(例えば、セグメント「1」→「7」→「13」を結ぶ)。図27には、1番目の巻線16が巻回された状態が示されている。各巻線16は、3本のティース22に跨って巻回される。
図28〜図30には、ダブルフライヤを用い、18本の巻線が順に巻回される様子が示されている。すなわち、図28(A)には1セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、ティース「18,1,2」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、ティース「9,10,11」に跨るコイル部26が形成される。
また、図28(B)には2セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、ティース「1,2,3」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、ティース「10,11,12」に跨るコイル部26が形成される。
また、図28(C)には3セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、ティース「2,3,4」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、ティース「11,12,13」に跨るコイル部26が形成される。
また、図29(A)には4セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、ティース「3,4,5」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、ティース「12,13,14」に跨るコイル部26が形成される。
また、図29(B)には5セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、ティース「4,5,6」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、ティース「13,14,15」に跨るコイル部26が形成される。
また、図29(C)には6セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、ティース「5,6,7」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、ティース「14,15,16」に跨るコイル部26が形成される。
また、図30(A)には7セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、ティース「6,7,8」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、ティース「15,16,17」に跨るコイル部26が形成される。
また、図30(B)には8セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、ティース「7,8,9」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、ティース「16,17,18」に跨るコイル部26が形成される。
また、図30(C)には9セット目が示されており、ダブルフライヤの一方側では、ティース「8,9,10」に跨るコイル部26が形成され、ダブルフライヤの他方側では、ティース「17,18,1」に跨るコイル部26が形成される。
しかしながら、この第一比較例では、次の問題がある。図31には、第一比較例における、ブラシ20、セグメント24、コイル部26、及び、均圧線30の配線接続図が示されており、図32には、第一比較例における、コイル部26の通電励磁状態が示されている。
図31,図32において、複数のコイル部26には、識別番号「1」〜「18」が付されている。複数のコイル部26のうち識別番号にアンダーバーが付されたコイル部は、逆向きに電流が流れるコイル部(逆励磁のコイル部)を示している。また、複数のセグメント24のうち識別番号にアンダーバーが付されたセグメントは、負極のブラシ20と接するセグメントを示している。
図31に示されるように、第一比較例では、複数のコイル部26に磁界のアンバランスが発生することを抑制するために、同位相のセグメント24間に巻線16の一部で均圧線30が形成されている。又は、均圧線30の代わりに、均圧部材を用いる場合もある。しかしながら、このような均圧線や均圧部材等を用いた場合、部材点数が増加してコストアップになったり、構造が複雑大型化したりする虞がある。
また、図32に示されるように、第一比較例では、6つ目のブラシに摺接するセグメントにおいて通電が切り替わるまで、励磁不釣合いの状態となる。つまり、第一比較例では、図32(A)に示されるように、先ず、セグメント「1」(+)〜「4」(−)間の通電が切り替わり、その後、図示しないが、セグメント「4」(−)〜「7」(+)間が次に切り替わる。
次いで、図32(B)に示されるように、セグメント「7」(+)〜「10」(−)間の通電が切り替わり、その後、図示しないが、セグメント「10」(−)〜「13」(+)間が次に切り替わる。そして、最後に、図32(C)に示されるように、セグメント「13」(+)〜「16」(−)間の通電が切り替わる。
このように、第一比較例では、6つ目のブラシに摺接するセグメントにおいて通電が切り替わるまで、励磁不釣合いの状態となる。このため、複数のコイル部26に磁界のアンバランスが発生する。この磁界のアンバランスは、回転電機子の回転時の振動や騒音の原因になる。さらに、先に切り替わるブラシへの過電流によるブラシ短寿命化を招く虞がある。
また、均圧線30を用いる場合、セグメントの係止爪に絡げる線の本数が増加するためセグメントの間隔、及び、整流子の外径を大きくする必要があり、ヒュージング加工の難易度が高くなると共に、整流子が大型化する。また、主巻線であるコイル部26と別の均圧線30を付与する専用巻線設備が必要となり、コストアップになる。さらに、均圧線30の端末も主巻線が終了するまで不安定な状態となり、均圧線30の端末に線抜けなどの不良が発生する虞がある。
<第二比較例>
図33,図34に示される第二比較例では、3個のコイル部26を同電位のセグメント24に接続すると共に各巻線16を細線で形成し、且つ、コイル部26を3層とし独立してクロス巻きにする方法が採用されている。図33には、ダブルフライヤを用いた場合の一方側のダイヤグラムが示されている。また、図33は、ダブルフライヤの一方側において巻線16の巻回をセグメント「1」から開始し、ダブルフライヤの他方側において巻線16の巻回をセグメント「10」(180°対向する位置)から同時に開始するダイヤグラムである。第二比較例の巻線16は、本実施形態の巻線16の1/3の断面積の線径とされ、ターン数は第一比較例と同じである。
図34には、1層目から3層目の巻線16が巻回される様子が示され、特に各層の1コイル目の巻線16のみが示されている。すなわち、図34(A)には1層目の1コイル目が示されており、セグメント「1」からティース「12,13,14」に跨るコイル部26が形成されセグメント「2」に結線される。続けてセグメント「2」からティース「13,14,15」に跨るコイル部26が形成されセグメント「3」に結線される。これをもう一方のフライヤと共に各9回、計18コイルを繰り返し巻線し1層目が完了する。図34(B)には2層目の1コイル目が示されており、セグメント「1」からティース「6,7,8」に跨るコイル部26が形成されセグメント「2」に結線される。1層目と同様に計18コイルを繰り返し巻線し2層目が完了する。図34(C)には3層目の1コイル目が示されており、セグメント「1」からティース「18,1,2」に跨るコイル部26が形成されセグメント「2」に結線される。1層目同様に計18コイルを繰り返し巻線し3層目が完了する。
しかしながら、この第二比較例では、次の問題がある。つまり、総ターン数、結線回数が3倍となるため、巻線加工時間が掛り、コストアップになる。また、セグメントの係止爪に絡げる線の本数が増加する。また、1、2層目は、コイル部26と巻線16の端末との間の渡り線が整流子の首下に巻かれて線長が長くなるため、整流子と電機子コアの間が長くなり、その結果、回転電機子、ひいては、回転電機が大型化する。
<本実施形態>
これに対し、本実施形態によれば、上述の第一及び第二比較例に対し、次の有利な作用効果を奏することができる。
すなわち、図1に示されるように、本実施形態では、複数の巻線16の各々において、複数個(本実施形態では、3個)のコイル部26は、直列に接続され、この複数個のコイル部26を有する各巻線16は、複数のセグメント24のうち一のセグメント24と、該一のセグメント24と同位相となる他のセグメント24とに結線されている。また、この各巻線16において直列に接続された複数個のコイル部26は、電機子コア12の周方向に等間隔で配置されている。従って、同位相となるセグメント24に直列に接続された複数個のコイル部26が電機子コア12の周方向に均等に分散されているため、均圧線や均圧部材を用いた場合と同様に、整流のタイミングにずれがあっても磁界のアンバランスが発生することを抑制することができる。
ここで、図10A〜図25Bを用いて本実施形態の回転電機子の動作を説明する。図10A〜図25Bには、各位相における、ブラシ20とセグメント24との接触状態、及び、コイル部26の通電励磁状態が示されている。
図10A〜図25Bにおいて、複数のセグメント24、及び、複数のコイル部26には、識別番号「1」〜「18」がそれぞれ付されており、複数のブラシ20には、識別番号「1」〜「6」が付されている。識別番号「1」、「3」、「5」のブラシ20は、正極のブラシであり、識別番号「2」、「4」、「6」のブラシ20は、負極のブラシである。複数のセグメント24のうち識別番号にアンダーバーが付されたセグメントは、負極のブラシ20と接するセグメントを示している。また、複数のコイル部26のうち識別番号にアンダーバーが付されたコイル部は、逆向きに電流が流れるコイル部(逆励磁のコイル部)を示している。
以下、複数のブラシ20の各々を識別する場合には、図面に記された識別番号「1」〜「6」を用いて説明する。同様に、複数のセグメント24、及び、複数のコイル部26の各々を識別する場合には、図面に記された識別番号「1」〜「18」を用いて説明する。複数のコイル部26は、回転電機子10のティース22に径方向内側から外側へ順に3層に積層されている。
(位相:0°)
図10A,図10Bの段階では、計6個のブラシ「1」〜「6」が、計18個のセグメント「1」〜「18」のうち向かい合う各1対のセグメントとそれぞれ接している。また、正極のブラシ「1」は、セグメント「1」と接し、正極のブラシ「3」は、セグメント「7」と接し、正極のブラシ「5」は、セグメント「13」と接している。
さらに、負極のブラシ「2」は、セグメント「4」と接し、負極のブラシ「4」は、セグメント「10」と接し、負極のブラシ「6」は、セグメント「16」と接している。
この状態では、各セグメント24に結線された「1」〜「18」×3層=計54個全てのコイル部26が回転バランス良く励磁されている。6個のブラシ20の切り替わりタイミングにズレがあっても励磁バランスが崩れる事なく、次のセグメント24へシフトする状態を以下に示す。
(位相:0°→20°)[ステップ1]
回転電機子10が回転し、図11A,図11Bの段階では、ブラシ「1」がセグメント「1」とセグメント「2」を跨いだ状態となっている。この状態では、セグメント「2」が正極となり、3層目のコイル部「1」、「7」、「13」が同極のセグメント24に挟まれてオフとなるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:0°→20°)[ステップ2]
回転電機子10が回転し、図12A,図12Bの段階では、ブラシ「2」がセグメント「4」とセグメント「5」を跨いだ状態となっている。この状態では、セグメント「5」が負極となり、1層目のコイル部「4」、「10」、「16」が同極のセグメント24に挟まれてオフとなるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:0°→20°)[ステップ3]
回転電機子10が回転し、図13A,図13Bの段階では、ブラシ「3」がセグメント「7」とセグメント「8」を跨いだ状態となっている。この状態では、セグメント「8」が正極となり、2層目のコイル部「1」、「7」、「13」が同極のセグメント24に挟まれてオフとなるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:0°→20°)[ステップ4]
回転電機子10が回転し、図14A,図14Bの段階では、ブラシ「4」がセグメント「10」とセグメント「11」を跨いだ状態となっている。この状態では、セグメント「11」が負極となり、3層目のコイル部「4」、「10」、「16」が同極のセグメント24に挟まれてオフとなるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:0°→20°)[ステップ5]
回転電機子10が回転し、図15A,図15Bの段階では、ブラシ「5」がセグメント「13」とセグメント「14」を跨いだ状態となっている。この状態では、セグメント「14」が正極となり、1層目のコイル部「1」、「7」、「13」が同極のセグメント24に挟まれてオフとなるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:0°→20°)[ステップ6]
回転電機子10が回転し、図16A,図16Bの段階では、ブラシ「6」がセグメント「16」とセグメント「17」を跨いだ状態となっている。この状態では、セグメント「17」が負極となり、2層目のコイル部「4」、「10」、「16」が同極のセグメント24に挟まれてオフとなるが、励磁バランスは保たれる。この状態では、ブラシ「1」〜「6」の全てが2つのセグメント24を跨いだ状態となり、計18個のコイル部26がオフとなるが、オンの状態にあるコイル部26の励磁バランスは崩れていない。
(位相:0°→20°)[ステップ7]
回転電機子10が更に回転し、図17A,図17Bの段階では、ブラシ「1」がセグメント「1」から離れてセグメント「2」と単独で接した状態となっている。この状態では、セグメント「1」からの通電が無くなり、1層目のコイル部「1」、「7」、「13」が逆励磁でオンになるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:0°→20°)[ステップ8]
回転電機子10が更に回転し、図18A,図18Bの段階では、ブラシ「2」がセグメント「4」から離れてセグメント「5」と単独で接した状態となっている。この状態では、セグメント「4」からの通電が無くなり、2層目のコイル部「4」、「10」、「16」が逆励磁でオンになるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:0°→20°)[ステップ9]
回転電機子10が更に回転し、図19A,図19Bの段階では、ブラシ「3」がセグメント「7」から離れてセグメント「8」と単独で接した状態となっている。この状態では、セグメント「7」からの通電が無くなり、3層目のコイル部「1」、「7」、「13」が逆励磁でオンになるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:0°→20°)[ステップ10]
回転電機子10が更に回転し、図20A,図20Bの段階では、ブラシ「4」がセグメント「10」から離れてセグメント「11」と単独で接した状態となっている。この状態では、セグメント「10」からの通電が無くなり、1層目のコイル部「4」、「10」、「16」が逆励磁でオンになるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:0°→20°)[ステップ11]
回転電機子10が更に回転し、図21A,図21Bの段階では、ブラシ「5」がセグメント「13」から離れてセグメント「14」と単独で接した状態となっている。この状態では、セグメント「13」からの通電が無くなり、2層目のコイル部「1」、「7」、「13」が逆励磁でオンになるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:0°→20°)[ステップ12]
回転電機子10が更に回転し、図22A,図22Bの段階では、ブラシ「6」がセグメント「16」から離れてセグメント「17」と単独で接した状態となっている。この状態では、セグメント「16」からの通電が無くなり、3層目のコイル部「4」、「10」、「16」が逆励磁でオンになるが、励磁バランスは保たれる。
(位相:20°)
回転電機子10が更に回転し、図23A,図23Bの段階では、ブラシ「1」〜「6」の全てが隣のセグメント24に切り替わった状態となり、計54個全てのコイル部26がオンとなるが、励磁バランスは崩れていない。
(位相:40°)
同様に、回転電機子10が更に回転し、図24A,図24Bの段階では、ブラシ「1」〜「6」の全てが隣のセグメント24に切り替わった状態となり、計54個全てのコイル部26がオンとなるが、励磁バランスは崩れていない。
(位相:60°)
同様に、回転電機子10が更に回転し、図25A,図25Bの段階では、ブラシ「1」〜「6」の全てが隣のセグメント24に切り替わった状態となり、計54個全てのコイル部26がオンとなるが、励磁バランスは崩れていない。
このように、本実施形態では、各巻線16において複数個のコイル部26は直列に接続されているので、整流のタイミングにずれがあっても、各層において周方向の全てのコイル部26が同時に励磁されるので、磁界のアンバランスが発生することを抑制することができる。
また、均圧線や均圧部材を用いなくても、磁界のアンバランスが発生することを抑制することができるので、主巻線であるコイル部26と別の均圧線を付与する専用巻線設備が不要となると共に、部材点数の増加を抑制することができる。これにより、第一比較例に比して、コストダウンすることができる。また、ブラシへの過電流も抑制することができるので、ブラシの寿命を伸長化させることができる。さらに、磁界のアンバランスが発生することを抑制することにより、コギングトルクを低減できる。
また、複数のコイル部26が直列に接続されることで、均圧線や均圧部材が無いため、第一比較例に比して、セグメント24の係止爪への絡げ本数を削減できる。また、セグメント24のピッチの拡大のために整流子の外径を大きくする必要が無いので、整流子、ひいては、回転電機子を小型化することができる。また、均圧線や均圧部材が無いため、セグメント24の係止爪への絡げ作業(巻線16、接合加工)が容易となり、回転電機の信頼性を向上させることができる。
また、図3〜図5に示されるように、コイル部26がそれぞれ巻回される各複数本のティース22(3本のティースからなる各ティース群)には、コイル部26が複数層(本実施形態では、3層)巻回されている。つまり、図3に示される複数のコイル部26は1層目を構成し、図4に示される複数のコイル部26は2層目を構成し、図5に示される複数のコイル部26は3層目を構成する。従って、同じターン数のコイル部26をいっぺんに巻回する場合に比して、コイル部26を複数層に分割した分、スロット内部に発生するデッドスペースが小さくなり高占積率化が可能になるか、又は、低コイルエンド化が可能となる。
特に、ダブルフライヤで巻線16することで更に高密度でデッドスペースが少なく高占積な巻線16を形成することが可能であり、回転電機の小型高出力化が可能となる。
また、各層を構成する複数のコイル部26は、第一の巻線16(濃い色)に形成された複数の第一のコイル部26と、第二の巻線16(薄い色)に形成された複数の第二のコイル部26とによって構成され、第一のコイル部26と第二のコイル部26とは、電機子コア12の周方向に交互に配置されている。また、第一のコイル部26の一方の端部(第二のコイル部26側の端部)と第二のコイル部26の他方の端部(第一のコイル部26側の端部)とは、複数のティース22間における同一のスロットに挿入されている。これにより、より一層、スロット内部に発生するデッドスペースが小さくなり高占積率化が可能になるか、又は、低コイルエンド化が可能となる。
また、図1に示されるように、複数の巻線16の各々において、複数個のコイル部26を連結する連結線28(図2も参照)は、複数個のコイル部26の巻回方向(矢印P方向)とは逆向きに配線されている。従って、連結線28が最短距離で配線されているため、第二比較例に比して、コイルエンドを低くすることができ、ひいては、回転電機子10を小型化することができる。
また、ダブルフライヤによるダブル巻であっても同一パックからの巻線16により形成されるコイル部26が円周3等分方向に均等配置され連続巻線されるため、左右の巻線材重量差、巻線装置でテンションや経路抵抗で発生する伸長差等による重量アンバランスがあっても打ち消される(均圧線やクロス巻きの効果だけでなく千鳥巻きの効果が得られる)。
このように、本実施形態によれば、巻線16の巻回パターンを工夫することで、従来必要とされた均圧線や整流子14に複雑な構造を付加することなく、例えば車載回転電機に要求される小型高出力、低騒音、低振動化を低コストで実現できる。
なお、本実施形態によれば、直列に接続された複数のコイル部26のターン数を同一にすれば励磁バランスは崩れることがなく、同じスロットに重ねて巻く各層のコイル部26のターン数を任意に設定することで様々なターン数の仕様に対応できる。つまり、例えば、1層目を6ターン、2層目を6ターン、3層目を5ターンにして従来の17ターンに相当させることができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態において、回転電機Mは、一例として、6極18スロットとされているが、電機子コア12の周囲に設けられた複数の磁極18の数をm、自然数をnとした場合に、複数のティース22間のスロットの数がm×nを満たせば、複数の磁極18の数、及び、スロットの数は、上記以外でも良い。
また、上記実施形態において、各巻線16には、3個のコイル部26が直列に接続されているが、各巻線16において直列に接続されるコイル部26の数は、3個以外でも良い。
また、上記実施形態において、複数のコイル部26は、3層に構成されているが、3層以外でも良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10…回転電機子、12…電機子コア、14…整流子、16…巻線、18…磁極、20…ブラシ、22…ティース、24…セグメント、26…コイル部、28…連結線、M…回転電機

Claims (5)

  1. 複数のティースを等角度間隔に有する電機子コアと、
    前記電機子コアと同軸上に配置され、周方向に配列された複数のセグメントを有する整流子と、
    それぞれ前記複数のティースのうち複数本のティースに跨って複数回巻回されると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされた複数のコイル部と、
    を備え、
    前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極の数をm、自然数をnとした場合に、前記複数のティース間のスロットの数は、m×nであり、
    前記複数のコイル部の各々が跨ぐティースの本数は、同じとされ、
    前記複数のコイル部を形成する複数の巻線の各々には、前記複数のコイル部のうち前記電機子コアの周方向に等間隔で配置され直列に接続された複数個のコイル部が形成され、
    前記複数個のコイル部を有する各前記巻線は、前記複数のセグメントのうち一のセグメントと、該一のセグメントと同位相となる他のセグメントとに結線され
    各前記コイル部がそれぞれ巻回される各前記複数本のティースには、前記コイル部が複数層巻回され、
    各層を構成する前記複数のコイル部は、第一の巻線に形成された複数の第一のコイル部と、第二の巻線に形成された複数の第二のコイル部とによって構成され、
    前記第一のコイル部と前記第二のコイル部とは、前記電機子コアの周方向に交互に配置され、
    前記第一のコイル部の一方の端部と前記第二のコイル部の他方の端部とは、前記複数のティース間における同一のスロットに挿入されている、
    回転電機子。
  2. 前記複数の巻線の各々において、前記複数個のコイル部を連結する連結線は、前記複数個のコイル部の巻回方向とは逆向きに配線されている、
    請求項1に記載の回転電機子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の回転電機子と、
    前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極と、
    前記複数のセグメントと摺接される複数のブラシと、
    を備える回転電機
  4. 複数のティースを等角度間隔に有する電機子コアと、
    前記電機子コアと同軸上に配置され、周方向に配列された複数のセグメントを有する整流子と、
    それぞれ前記複数のティースのうち複数本のティースに跨って複数回巻回されると共に、前記電機子コアの周方向に隣り合う同士で一部重なる重ね巻とされた複数のコイル部と、を備え、
    前記電機子コアの周囲に設けられた複数の磁極の数をm、自然数をnとした場合に、前記複数のティース間のスロットの数が、m×nである回転電機子の製造方法であって、
    前記複数のコイル部の各々が跨ぐティースの本数を同じとして、前記複数のコイル部を形成する複数の巻線の各々に、前記複数のコイル部のうち前記電機子コアの周方向に等間隔で配置され直列に接続された複数個のコイル部を形成すると共に、前記複数個のコイル部を有する各前記巻線を、前記複数のセグメントのうち一のセグメントと、該一のセグメントと同位相となる他のセグメントとに結線することと、
    各前記コイル部がそれぞれ巻回される各前記複数本のティースに、前記コイル部を複数層巻回することと、
    各層を構成する前記複数のコイル部を、第一の巻線に形成された複数の第一のコイル部と、第二の巻線に形成された複数の第二のコイル部とによって構成すると共に、前記第一のコイル部と前記第二のコイル部とを、前記電機子コアの周方向に交互に配置し、且つ、前記第一のコイル部の一方の端部と前記第二のコイル部の他方の端部とを、前記複数のティース間における同一のスロットに挿入することを含む、
    回転電機子の製造方法
  5. 前記複数の巻線の各々において、前記複数個のコイル部を連結する連結線を、前記複数個のコイル部の巻回方向とは逆向きに配線することを含む、
    請求項4に記載の回転電機子の製造方法
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