本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係るシステムは、図1に例示するように、設定の対象となる設定対象機器1と、この設定対象機器の設定に用いられる端末2と、設定対象機器1の設定の状態に応じて出力されるべき提供対象情報を保持するサーバ3と、を含んで構成される。
ここで設定対象機器1は、例えば端末2との間でブルートゥース(登録商標)によって接続される機器であって、具体的には端末2が出力する音声信号を受信して、当該受信した音声信号に基づく音声を鳴動するイヤホン装置である。なお、本実施の形態において設定対象機器1は、この例に限られるものではなく、種々のウェアラブルデバイス等であってもよいし、さらにブルートゥース(登録商標)によって接続される機器でなくても、無線LAN等で接続される装置(例えば無線LANアクセスポイント)等であってもよい。
端末2は、図1に例示したように、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、通信部15とを含んで構成される。
ここで制御部11(本発明の制御部に相当する)は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態の制御部11は、設定対象機器1と通信して、設定対象機器1の設定処理を実行する。また、この制御部11は、設定対象機器1の設定の状態を表す設定状態情報を取得し、取得した設定状態情報をサーバ3へ送出して、提供対象情報を要求して、提供対象情報を受信し、当該提供対象情報を出力する。この制御部11の動作については、後に詳しく説明する。
なお、この設定状態情報としては、例えば設定対象機器1が他の機器との間で所定の情報(暗号鍵等)を交換したか否かを表す情報や、設定対象機器1自身が複数の互いに異なるモードで動作可能な機器であるときに、どの動作モードで動作しているかを表す情報等が含まれる。ここで動作モードは、例えば設定対象機器1が無線LANアクセスポイントであれば、ルータとして動作している(ルータ動作モード)か、否(ブリッジ動作モード)か等であってもよいし、設定対象機器1がNAS(Network Attached Storage)であれば、正常動作モードか、異常動作時の冗長系切替動作モード(主たる記憶装置を切り替えるフェイルオーバー動作モード)か、異常動作時の冗長系復帰動作モード(レプリケーション動作モード)か等であってもよい。また、設定対象機器1が省電力モードを備える機器であれば、省電力モードで動作中であるか否か等であってもよい。
さらにこの設定状態情報は、設定対象機器1がメーカー出荷時に備えている機能に係る設定の状態を表す情報に限られず、メーカー出荷後にソフトウエア的に追加された、あるいはハードウエア拡張によって追加された機能に係る設定の状態を表す情報を含んでもよい。
記憶部12は例えばメモリデバイスであり、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリを含んで構成される。本実施の形態において、この記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムを保持するとともに、制御部11のワークメモリとしても動作する。
操作部13は、例えば表示部14に重ね合わせて配置されたタッチパネルである。この操作部13は、利用者の指示操作を受け入れて、当該指示操作の内容を表す信号を制御部11に出力する。表示部14は、ディスプレイ装置であり、制御部11から入力される指示に従って情報を表示出力する。
通信部15は、IEEE802.11等の無線ネットワークインタフェース、有線のネットワークインタフェース、ブルートゥース(登録商標)、ZigBee、Z−Wave、ANT(https://www.thisisant.com/に掲載)等、過去に策定された移動体通信規格の少なくとも一つが含まれ、他の例として、3G/HSDPA(3rd Generation/High-Speed Downlink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)の少なくとも一つを含む種々の規格に基づく通信を行う通信インタフェースであり、またこの規格として、現在策定中及び将来策定されるであろう規格が用いられてもよい。制御部11から入力される指示に従って、データを送信する。またこの通信部15は、ネットワーク等を通じて、あるいはブルートゥース(登録商標)の規格に従ってデータを受信し、当該受信したデータを制御部11に出力する。
サーバ3は、設定対象機器1の設定の状態に応じて出力されるべき提供対象情報を保持しており、具体的には、図2(a)に例示するように、設定状態情報に対して、出力するべき提供対象情報を関連付けて保持している。またこのサーバ3は、端末2から提供対象情報の要求を、設定状態情報とともに受信し、当該受信した設定状態情報に関連付けて保持している提供対象情報を読み出して、要求元の端末2へ送出する。
具体的に設定対象機器1がブルートゥース(登録商標)によって親機となるべき端末2に接続される子機(例えばイヤホン装置)である場合、一般に、ユーザデータの通信前に、親機となる機器と子機となる機器との間で相互に暗号鍵を交換して登録する、ペアリングと呼ばれる設定が必要となる。そこで、この設定状態情報には、ペアリングがされているか否かを表す情報を含んでもよい。この例の場合、サーバ3では、「ペアリングがされている」ことを表す設定状態情報に対し、出力するべき提供対象情報として、ペアリング後の操作に関するマニュアル情報が保持される。また、この例の場合、サーバ3は、「ペアリングがされていない」ことを表す設定状態情報に対し、出力するべき提供対象情報として、ペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報が保持される。
本実施の形態において制御部11は、図3に例示するように、機能的に、設定処理実行部51と、設定状態情報取得部52と、提供対象情報要求部53と、提供対象情報管理部54と、出力部55とを含んで構成される。ここで設定処理実行部51は、利用者から入力される指示に従い、設定対象機器1と通信して、設定対象機器1の設定処理を実行する。具体的に、設定対象機器1がブルートゥース(登録商標)によって接続される機器(例えばイヤホン装置)である場合、上述のように、一般に、通信前のペアリングと呼ばれる設定が必要となる。そこで、この例では設定処理実行部51は、利用者によるペアリング開始の指示に従ってペアリングの設定を実行する。
設定状態情報取得部52は、設定対象機器1の設定の状態を表す設定状態情報を取得する。具体的にこの設定状態情報取得部52は、設定対象機器1と通信して、その設定の状態を表す設定状態情報を取得する。上記のように、設定対象機器1がブルートゥース(登録商標)によって接続される機器であれば、この設定状態情報は例えばペアリングがされているか否かを表す情報を含む。この例では、設定状態情報取得部52は、設定対象機器1と通信して、設定対象機器1がペアリングされた状態にあるか否かを調べることとなる。
提供対象情報要求部53は、設定状態情報取得部52が取得した設定状態情報をサーバ3へ送出して、提供対象情報を要求する。設定対象機器1がブルートゥース(登録商標)によって接続される機器である例の場合、設定状態情報取得部52が取得した、ペアリングがされているか否かを表す設定情報を、サーバ3へ送出して、提供対象情報を要求する。上述のサーバ3の例であれば、設定状態情報取得部52が取得した設定状態情報が「ペアリングがされている」ことを表す設定状態情報であった場合、この提供対象情報要求部53は、「ペアリングがされている」ことを表す設定状態情報を送出することとなり、サーバ3では「ペアリングがされている」ことを表す設定状態情報に関連付けて保持されている、ペアリング後の操作に関するマニュアル情報を、要求元の端末2に対して送出することとなる。
提供対象情報管理部54は、提供対象情報要求部53が送出した要求に応答してサーバ3から送出される情報を受信し、記憶部12に格納する。
出力部55は、提供対象情報管理部54が記憶部12に格納した、サーバ3から受信した情報を表示部14等に出力する。なお、この出力部55は、表示部14に出力するのではなく、受信した情報を音声に変換して図示しないスピーカ等に出力してもよい。
本実施の形態は、以上の構成を備えてなり、次の例のように動作する。以下では、設定対象機器1の種類ごとの動作について例示する。
[ブルートゥース(登録商標)接続機器の例]
まず、ブルートゥース(登録商標)接続機器の例について説明する。このブルートゥース(登録商標)接続機器の例では、既に述べたように、設定状態情報には、ペアリングがされているか否かを表す情報を含む。また、設定状態情報には、この設定状態情報には、設定対象機器1が使用中であるか否かを表す情報が含まれてもよい。具体的に、この設定対象機器1がブルートゥース(登録商標)によって接続されるイヤホン装置である場合、このイヤホン装置が端末2にペアリングされているか否か、及び、端末2から当該イヤホン装置に対して音声信号を出力しているか否か(使用中であるか否か)を表す情報が、設定状態情報として用いられる。
すなわち、図4に例示するように利用者がマニュアル情報を参照する操作を実行し、端末2が当該操作を受け入れると(S11)、端末2は、設定対象機器1の設定の状態を表す設定状態情報として、ペアリングがされているか否かを表す情報、及び使用中であるか否かを表す情報を取得する(S12)。
端末2は、ステップS12で取得した、ペアリングがされているか否かを表す情報、及び使用中であるか否かを表す情報を設定状態情報としてサーバ3へ送出して、提供対象情報を要求する(S13)。
サーバ3は、端末2から提供対象情報の要求を、設定状態情報とともに受信し、当該受信した設定状態情報の組み合わせに関連付けて保持している提供対象情報を読み出す(S14)。そして当該読み出した提供対象情報を要求元の端末2へ送出する(S15)。本実施の形態のここでの例では、設定対象機器1は端末2との間で(1)ペアリングがされていない、(2)ペアリングはされているが使用中ではない、(3)ペアリングされ、使用中である、のいずれかの状態にある(ペアリングされていないが使用中であるとの状態はあり得ないためここでは設定状態情報の組み合わせに含まれない)。
そこでこの例ではサーバ3には、(1)ペアリングがされていないことを表す設定状態情報に対してペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報が関連付けて保持され、(2)ペアリングはされているが使用中ではないことを表す設定状態情報に対して、使用開始方法と使用中の操作方法とに関するマニュアル情報が関連付けて保持され、(3)ペアリングされ、使用中であることを表す設定状態情報に対して、使用中の操作方法に関するマニュアル情報が関連付けて保持される。
そして、端末2から受信した設定状態情報が「ペアリングされている」ことを表す情報と、「使用中でない」ことを表す情報とである場合には、(2)ペアリングはされているが使用中ではないと判断して、使用開始方法と使用中の操作方法とに関するマニュアル情報を、提供対象情報として読み出して、端末2に対して送出することとなる。
端末2は、ステップS13にて行った要求に応答して、サーバ3から送出される情報を受信し、記憶部12に格納する(S16)。そして端末2は、当該記憶部12に格納した情報を表示出力する(S17)。これにより利用者は、設定対象機器1であるイヤホン装置の設定状態に応じたマニュアル情報を閲覧できるようになる。具体的に、ペアリングを行った後、使用前にマニュアル情報を参照する操作を実行し、端末2が当該操作を受け入れると、端末2が、(2)ペアリングはされているが使用中ではないことを表す設定状態情報に関連付けて、サーバ3において保持されている、使用開始方法と使用中の操作方法とに関するマニュアル情報を表示する。これにより利用者は使用開始方法を知ることができる。
またこの例において、設定対象機器1及び端末2が家族間で共有される装置であれば、家族の誰か一人がペアリングの設定を行った後は、ペアリングに関するマニュアル情報(初期設定後は必要のない情報)の提供が抑制される。
[無線LANアクセスポイントの例]
また本実施の形態の設定対象機器1は、無線LANアクセスポイントであってもよい。この例では、設定状態情報には、無線LANアクセスポイントが、ルータとして機能しているか、ルータとして機能していない(無線ブリッジとして機能している)かの別を表す情報を含む。また、この設定状態情報は、所定の設定が行われているか否かを表す情報、例えばペアレンタルコントロール機能等、コンテンツフィルタリングが行われているか否かを表す情報を含んでもよい。
この例では、サーバ3には、(1)ルータとして機能していることを表す設定状態情報に対してルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報とが関連付けて保持され、(2)ルータとして機能していないことを表す設定状態情報に対して無線ブリッジとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、ルータとして機能させる(ルータとしての機能をオンとする)ための操作に関するマニュアル情報とが関連付けて保持され、また、(3)ペアレンタルコントロール機能がオンとなっていることを表す設定状態情報に対して、ペアレンタルコントロール機能の設定に関するマニュアル情報と、ペアレンタルコントロール機能をオフとする操作に関するマニュアル情報とが関連付けて保持され、(4)ペアレンタルコントロール機能がオフとなっていることを表す設定状態情報に対して、ペアレンタルコントロール機能をオンとする操作に関するマニュアル情報が関連付けて保持される。
ここで図4に例示したフローチャートと同様に、利用者が設定対象機器1としての無線LANアクセスポイントとの接続中に、マニュアル情報を参照する操作を実行し、端末2が当該操作を受け入れると(S11)、端末2は、設定対象機器1の設定の状態を表す設定状態情報として、設定対象機器1がルータとして機能しているか、ルータとして機能していないかの別を表す情報、及びペアレンタルコントロール機能がオンとなっているか否かを表す情報を取得する(S12)。ここでペアレンタルコントロール機能がオンとなっているか否かは、設定に係るファイルを参照する方法のほか、ペアレンタルコントロール機能に係るプログラムが実行中であるか否かを参照してもよい。また、この方法はペアレンタルコントロール機能に係るものに限られない。実行中のプログラムの一覧情報を設定状態情報として用いることで、実行中のプログラムの機能に関するマニュアルを提供することが可能となる。
端末2は、ステップS12で取得した、ルータとして機能しているか、ルータとして機能していないかの別を表す情報、及びペアレンタルコントロール機能がオンとなっているか否かを表す情報を設定状態情報としてサーバ3へ送出して、提供対象情報を要求する(S13)。
サーバ3は、端末2から提供対象情報の要求を、設定状態情報とともに受信し、当該受信した設定状態情報に関連付けて保持している提供対象情報を読み出す(S14)。ここではルータとして機能しているか、ルータとして機能していないかの別を表す情報に応じて、(1)ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させるための操作に関するマニュアル情報、または(2)無線ブリッジとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、ルータとして機能させるための操作に関するマニュアル情報のいずれかが読み出され、ペアレンタルコントロール機能がオンとなっているか否かを表す情報に応じて、(3)ペアレンタルコントロール機能の設定に関するマニュアル情報と、ペアレンタルコントロール機能をオフとする操作に関するマニュアル情報、または(4)ペアレンタルコントロール機能をオンとする操作に関するマニュアル情報のいずれかが読み出される。つまり、サーバ3では端末2から受信した設定状態情報に関連付けられた提供対象情報が複数ある場合は、当該複数の提供対象情報を読み出す。
そしてサーバ3は、当該読み出した提供対象情報を要求元の端末2へ送出する(S15)。本実施の形態のここでの例で、設定対象機器1が(1)ルータとして機能し、かつ、(4)ペアレンタルコントロール機能がオフとなっている場合、サーバ3は、ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させるための操作に関するマニュアル情報と、ペアレンタルコントロール機能をオンとする操作に関するマニュアル情報とを送出することとなる。
端末2は、ステップS13にて行った要求に応答して、サーバ3から送出される情報を受信し、記憶部12に格納する(S16)。そして端末2は、当該記憶部12に格納した情報を表示出力する(S17)。これにより利用者は、設定対象機器1である無線LANアクセスポイントの設定状態に応じたマニュアル情報を閲覧できるようになる。上述のように、設定対象機器1である無線LANアクセスポイントが(1)ルータとして機能し、かつ、(4)ペアレンタルコントロール機能がオフとなっている場合には、ここでルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させるための操作に関するマニュアル情報と、ペアレンタルコントロール機能をオンとする操作に関するマニュアル情報とが提供される。
[ストレージ装置の例]
また本実施の形態の設定対象機器1は、NAS(Network Attached Storage)等のストレージ装置であってもよい。この例では、設定状態情報には、動作しているサーバプログラムに関する情報、例えばDLNA(登録商標)(Digital Living Network Alliance)サーバプログラムが実行されているか否か、CIFS(Common Internet File System)サーバプログラムが実行されているか否か…等が含まれる。
この例では、サーバ3には、サーバプログラムごとに、当該サーバプログラムが実行されているとの設定状態情報に対して当該サーバプログラムに関する設定方法を記述したマニュアル情報と、当該サーバプログラムの実行を停止するための操作に関するマニュアル情報とを関連付けて保持し、また、当該サーバプログラムが実行されていないことを表す設定状態情報に対して当該サーバプログラムを実行するための操作に関するマニュアル情報が関連付けて保持される。
ここで利用者が設定対象機器1としてのNASに関するマニュアル情報を参照する操作を実行し、端末2が当該操作を受け入れると、端末2は、設定対象機器1の設定の状態を表す設定状態情報として、設定対象機器1において実行されているサーバプログラムの一覧の情報を取得する。
端末2は、当該取得した、設定対象機器1において実行されているサーバプログラムの一覧の情報を、設定状態情報としてサーバ3へ送出して、提供対象情報を要求する。
サーバ3は、端末2から提供対象情報の要求を、設定状態情報とともに受信し、当該受信した設定状態情報に関連付けて保持している提供対象情報を読み出す。ここでは端末2から受信した設定状態情報に含まれるサーバプログラムごとに、サーバプログラムが動作しているか否かに応じて、対応して関連付けられているマニュアル情報が読み出される。一般に、サーバ3では端末2から受信した設定状態情報に含まれる、サーバプログラムの実行の有無に関する情報が複数あるので、それぞれに対応して複数の提供対象情報を読み出す。
そしてサーバ3は、当該読み出した提供対象情報を要求元の端末2へ送出する。本実施の形態のここでの例で、設定対象機器1がDLNAサーバプログラムを実行しており、CIFSサーバプログラムを実行していない場合、サーバ3は、DLNAサーバプログラムに関する設定方法を記述したマニュアル情報と、DLNAサーバプログラムの実行を停止するための操作に関するマニュアル情報と、CIFSサーバプログラムを実行するための操作に関するマニュアル情報とを送出することとなる。
端末2は、要求に応答して、サーバ3から送出される情報を受信し、記憶部12に格納する。そして端末2は、当該記憶部12に格納した情報を表示出力する。これにより利用者は、設定対象機器1であるNASの設定状態に応じたマニュアル情報を閲覧できるようになる。上述のように、設定対象機器1であるNASがDLNAサーバプログラムを実行しており、CIFSサーバプログラムを実行していない場合、利用者に対して、DLNAサーバプログラムに関する設定方法を記述したマニュアル情報と、DLNAサーバプログラムの実行を停止するための操作に関するマニュアル情報と、CIFSサーバプログラムを実行するための操作に関するマニュアル情報とが提供される。
[利用者によって提供対象情報を異ならせる例]
またここまでの説明で、サーバ3は、提供対象情報を特定する条件(対象特定条件)として設定状態情報に係る条件を用いていた。つまり、提供対象情報と、設定状態情報に係る条件とを関連付けて保持しており、提供対象情報の要求とともに端末2から受信した設定状態情報を参照し、当該受信した設定状態情報が満足する対象特定条件に関連付けられた提供対象情報を読み出して、当該読み出した提供対象情報を要求元の端末2へ送出することとしていた。
しかしながら、本実施の形態においてサーバ3は、対象特定条件として設定状態情報に係る条件だけでなく、端末2の利用者に係る条件を含んでもよい。ここで利用者に係る条件は、例えば、利用者が管理者(所定の権限を有する利用者)であるか否かや、利用者の年齢が所定の年齢を下回るか否か(ペアレンタルコントロール機能により送受信する情報が制限される利用者(以下、対象者と呼ぶ)であるか否か)など、利用者の属性に係る情報(利用者属性情報)に基づく条件とする。
この例では、設定対象機器1が端末2の利用者を認証する。この認証は利用者名とパスワードとを用いる認証など、一般的な認証方法によるものでよい。また設定対象機器1は、端末2から利用者属性情報の要求を受け入れ、当該要求に応答して、認証した利用者の利用者属性情報(管理者であるか否かや、ペアレンタルコントロール機能により送受信する情報が制限される利用者であるか否かを表す情報、一般に、利用者名に関連付けて設定対象機器1において管理されている)を送出する。
そしてこの例においては、端末2の制御部11は、提供対象情報要求部53としての動作において、設定対象機器1に対して利用者属性情報を要求する。そして当該要求に応じて設定対象機器1が送出した利用者属性情報を取得する。また、制御部11は、提供対象情報要求部53としての動作において、設定状態情報取得部52が取得した設定状態情報と、上記取得した利用者属性情報とをサーバ3へ送出して、提供対象情報を要求する。
サーバ3では、端末2から提供対象情報の要求を、設定状態情報と利用者属性情報とともに受信し、当該受信した設定状態情報及び利用者属性情報が満足する対象特定条件に関連付けて保持している提供対象情報を読み出し、要求元の端末2に対して送出する。
一例として、設定対象機器1が無線LANアクセスポイントである場合、サーバ3には、図5に例示するように、(1)ルータとして機能していることを表す設定状態情報に対してルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報とが、すべての利用者属性情報向けの情報として関連付けて保持され、(2)ルータとして機能していないことを表す設定状態情報に対して無線ブリッジとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、ルータとして機能させる(ルータとしての機能をオンとする)ための操作に関するマニュアル情報とが、すべての利用者属性情報向けの情報として関連付けて保持され、また、(3)ペアレンタルコントロール機能がオンとなっていることを表す設定状態情報に対して、(3a)利用者属性情報が「管理者」であるときに送出する情報としてペアレンタルコントロール機能の設定に関するマニュアル情報、及びペアレンタルコントロール機能をオフとする操作に関するマニュアル情報が関連付けて保持され、(3b)利用者属性情報が「対象者」であるときに送出する情報としてペアレンタルコントロール機能に関する一般的情報(ペアレンタルコントロール機能とは何かを説明する情報等)が関連付けて保持される。また、(4)ペアレンタルコントロール機能がオフとなっていることを表す設定状態情報に対して、利用者属性情報が「管理者」であるときに送出する情報としてペアレンタルコントロール機能をオンとする操作に関するマニュアル情報が関連付けて保持される。
従って、例えば対象者が操作する端末2がルータとして機能し、ペアレンタルコントロール機能がオンとなっている無線LANアクセスポイント(設定対象機器1)に接続されているとき、この対象者がマニュアル情報を参照する操作を実行し、端末2が当該操作を受け入れると、端末2は、設定対象機器1の設定の状態を表す設定状態情報として、設定対象機器1がルータとして機能しているか、ルータとして機能していないかの別を表す情報、及びペアレンタルコントロール機能がオンとなっているか否かを表す情報、並びに、設定対象機器1が管理する対象者についての利用者属性情報を取得する。この例では、端末2は、設定対象機器1から、利用者属性情報として「管理者でない」、かつ、「対象者である」旨の情報を取得する。
そして端末2は、当該取得した、ルータとして機能しているか、ルータとして機能していないかの別を表す情報、及びペアレンタルコントロール機能がオンとなっているか否かを表す情報、並びに利用者属性情報をサーバ3へ送出して、提供対象情報を要求する。
サーバ3は、端末2から提供対象情報の要求を、設定状態情報と利用者属性情報とともに受信し、当該受信した設定状態情報及び利用者属性情報が満足する対象特定条件に関連付けて保持している提供対象情報を読み出す。サーバ3が図5に例示したような提供対象情報を保持している場合、この例では、(1)ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報、並びに、(3b)ペアレンタルコントロール機能に関する一般的情報が読み出されて、要求元の端末2に対して送出される。
端末2は、要求に応答して、サーバ3から送出される情報を受信し、記憶部12に格納する。そして端末2は、当該記憶部12に格納した情報を表示出力する。これにより端末2の利用者(ここでの例では対象者)は、設定対象機器1である無線LANアクセスポイントの設定状態に応じたマニュアル情報等として、(1)ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報、並びに、(3b)ペアレンタルコントロール機能に関する一般的情報を閲覧できるようになる。
一方、ここでの例では端末2の利用者が管理者であった場合は、サーバ3から(1)ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報、並びに、(3a)ペアレンタルコントロール機能の設定に関するマニュアル情報、及びペアレンタルコントロール機能をオフとする操作に関するマニュアル情報が提供され、これらのマニュアル情報を閲覧可能となる。
本実施の形態のこの例によれば、ペアレンタルコントロール機能により通信の内容が制限されている利用者(対象者)がマニュアル情報等を要求したときには、ペアレンタルコントロール機能をオフにする方法等についてのマニュアル情報は提供されず、管理者がマニュアル情報等を要求したときには、ペアレンタルコントロール機能をオフにする方法等についてのマニュアル情報が提供されるようになる。
また、設定対象機器1がNAS等のストレージ装置である場合は、利用者属性情報として、利用者ごとのアクセス権限に関する情報を用いる。この例によると、具体的に閲覧のみが可能とされた利用者に対しては閲覧に関するマニュアル情報のみが提供され、管理者として設定された利用者に対しては、すべてのマニュアル情報が提供されるようにするなどの制御が可能となる。
[情報の一覧が提供される例]
またここまでの説明において、サーバ3が送出する提供対象情報は、マニュアル情報等の具体的な内容を含んだ情報(実体情報と呼ぶ)だけでなく、提供対象情報の一覧(付加情報と呼ぶ)を含んでもよい。例えば、サーバ3は、ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させるための操作に関するマニュアル情報とを実体情報として送出する場合には、「(1)ルータ設定マニュアル、(2)無線ブリッジ設定方法」というような見出し(実体情報を特定する情報)を含んだ一覧を付加情報として、併せて送信してもよい。
端末2は、提供対象情報として実体情報と付加情報とを受信し、まず付加情報を表示出力する。そして付加情報としての一覧から利用者の操作により、いずれかの見出しが選択されると、当該選択された見出しによって特定される実体情報を表示出力する。
この例において、サーバ3は、一覧に記載する順序を、設定状態情報や利用者属性情報、あるいは機器の動作履歴(エラー発生履歴等)に基づいて変更してもよい。例えば設定対象機器1が、無線LANアクセスポイントであり、当該無線LANアクセスポイントが、ルータとして機能しているとする。また、ここでは端末2が設定状態情報の一つとして、設定対象機器1である無線LANアクセスポイントに接続されているクライアントの数を取得し、サーバ3に送信しているものとする。
この場合、上述の例ではサーバ3はルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報とを送出する。このときサーバ3において、予め設定状態情報であるクライアントの数に応じて、クライアントの数が「1」(提供対象情報の要求元である端末2のみ)であれば、ルータとしての機能をオフとしても他のクライアントに影響がないものとして、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報を、より早い順で含む一覧を生成するよう設定しておく。また、クライアントの数が「2以上」であれば、ルータとしての機能をオフとすると他のクライアントに影響があるため、ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報を、より早い順で含む一覧を生成するよう設定しておく。
このように設定されたサーバ3は、提供対象情報を送出する際に、端末2から受信した設定状態情報のうちクライアントの数を参照し、クライアントの数が「1」であれば、「(1)無線ブリッジ設定方法、(2)ルータ設定マニュアル」というような順で見出し(実体情報を特定する情報)を含んだ一覧を付加情報として、各マニュアル情報とともに送出する。
またこの場合のサーバ3は、提供対象情報を送出する際に、端末2から受信した設定状態情報のうちクライアントの数を参照し、クライアントの数が「3」など2以上であれば、「(1)ルータ設定マニュアル、(2)無線ブリッジ設定方法」というような順で見出し(実体情報を特定する情報)を含んだ一覧を付加情報として、各マニュアル情報とともに送出する。
また、サーバ3が一覧に記載する順序を、設定対象機器1の動作履歴(エラー発生履歴等)に基づいて変更する場合、設定対象機器1は端末2に対して動作履歴の情報を送出しておく。そして端末2は設定対象機器1の動作履歴の情報を保持する。
端末2は、提供対象情報を要求する際に、当該設定対象機器1の動作履歴の情報の少なくとも一部(例えば直近の所定数個)を併せてサーバ3宛に送出する。
サーバ3では、提供対象情報を送出する際に、端末2から受信した、設定対象機器1の動作履歴の情報を参照し、当該動作履歴の情報において例えば過去に複数回に亘って誤った操作が行われた記録があれば、当該操作に関するマニュアル情報を先頭にした見出し(実体情報を特定する情報)を含んだ一覧を付加情報として、各マニュアル情報(上記操作に関するマニュアル情報を含む)とともに送出する。
また端末2から受信した、設定対象機器1の動作履歴において例えば過去に複数回に亘って不正な操作が行われたと判断される記録があれば、サーバ3は、当該操作を防止する方法に関するマニュアル情報を先頭にした見出し(実体情報を特定する情報)を含んだ一覧を付加情報として、各マニュアル情報(上記操作を防止する方法に関するマニュアル情報を含む)とともに送出する。
具体的に、設定対象機器1が無線LANアクセスポイントであるとき、正しい暗号化キーが受け入れられず、複数回に亘って接続が失敗となっていた動作履歴が、サーバ3が受信した動作履歴に含まれている場合、不正なアクセスが試みられた可能性があると判断できる。そこでこの場合、サーバ3は、当該不正操作を防止する方法、例えば、MACアドレス(Media Access Control アドレス)を用いた接続制限を行う方法等を記述したマニュアル情報を先頭にした見出し(実体情報を特定する情報)を含んだ一覧を付加情報として、各マニュアル情報(接続制限を行う方法等を記述したマニュアル情報を含む)とともに送出する。
[対となる提供対象情報の提供]
またサーバ3は、あるマニュアル情報(便宜的に注目提供対象情報と呼ぶ)について、当該注目提供対象情報に記述された情報に対応する他の情報を記述した別の提供対象情報(対応提供対象情報と呼ぶ)があれば、注目提供対象情報を端末2に提供する際に、当該対応提供対象情報を併せて提供することとしてもよい。
この場合、サーバ3は、提供可能なマニュアル情報ごとに、当該マニュアル情報に対応する対応提供情報であるマニュアル情報(対応マニュアル情報と呼ぶ)を識別する情報を関連付けて記録しておき、いずれかのマニュアル情報を提供する際に当該記録を参照して、提供の対象となるマニュアル情報に対して対応マニュアル情報があれば、提供の対象となるマニュアル情報とともに、その対応マニュアル情報を併せて端末2に対して提供する。
具体的に、MACアドレスを用いた接続制限を行う操作を記述したマニュアル情報に対しては、MACアドレスを用いた接続制限を解除する操作を記述したマニュアル情報を対応マニュアル情報として設定しておく。このようにすると、MACアドレスを用いた接続制限を行う操作が記述されたマニュアル情報が送出されるときに、その解除の方法を記述したマニュアル情報が併せて提供され、端末2における利用者の便に供することが可能となる。
また別の例によれば、サーバ3は、例えば設定対象機器1が無線LANアクセスポイントである場合に、SSID(Service Set IDentifier)や暗号化キーの設定変更など、通信ができなくなる可能性のある設定操作に係るマニュアル情報に対し、その対応マニュアル情報として初期化の操作を記述したマニュアル情報を設定しておき、暗号化キーの設定変更に係るマニュアル情報を提供する際には、併せて初期化の操作を記述したマニュアル情報を提供する。
さらにこの例において、サーバ3が提供対象情報としてのマニュアル情報(実態情報)のみならず、提供対象情報の一覧(付加情報)を提供する場合であって、その一覧の順序を決定するときに、各提供対象情報に対応する対応提供対象情報が互いに隣接して一覧に含まれるように順序を決定してもよい。
例えば上述のように、サーバ3が暗号化キーの設定変更に係るマニュアル情報に併せて初期化の操作を記述したマニュアル情報を提供するときに、サーバ3が当該暗号化キーの設定変更に係るマニュアル情報を一覧の先頭としたときは、その対応マニュアル情報である、初期化の操作を記述したマニュアル情報を一覧の二番目に配する(あるいは暗号化キーの設定変更に係るマニュアル情報に比較的近い位置に配することとなるよう、優先順位を補正する)こととしてもよい。
[端末側で提供対象情報を選択する例]
さらに本実施の形態のここまでの説明では、サーバ3において設定状態情報に応じた提供対象情報が選択されるものとしたが、本実施の形態はこの例だけに限られない。具体的には端末2において設定状態情報に応じた提供対象情報を選択してもよい。
本実施の形態のこの例では、端末2が、設定状態情報とサーバ3が保持する提供対象情報の種類とを関連付けて保持する。具体的に端末2は、図2(b)に例示するように、設定状態情報に対して、出力するべき提供対象情報の種類(提供対象情報を特定する情報)を関連付けて、記憶部12内に保持している。ここで提供対象情報の種類の情報は、例えば提供対象情報の見出し名(ファイル名)であってもよいし、提供対象情報を直接的に特定する情報、例えば提供対象情報の取得元のURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。
本実施の形態のこの例においても、端末2の制御部11は、図3に例示したと同様に、機能的に、設定処理実行部51と、設定状態情報取得部52と、提供対象情報要求部53と、提供対象情報管理部54と、出力部55とを含んで構成されるが、各部の動作が少々異なる。以下では、説明の繰り返しを避けるため、既に説明した構成と動作が異なるものについて説明する。本実施の形態のこの例では、提供対象情報要求部53は、設定状態情報取得部52が取得した設定状態情報に関連付けられて、記憶部12に格納されている提供対象情報の種類の情報を読み出す。そして提供対象情報要求部53は、当該読み出した情報をサーバ3へ送出して、当該読み出した情報で特定される提供対象情報を要求する。
また本実施の形態のこの例では、サーバ3は、端末2から提供対象情報の種類の情報とともに提供対象情報の要求を受信し、当該受信した情報で特定される提供対象情報を取得して、要求元の端末2に対して送出する。例えば、提供対象情報の種類の情報が提供対象情報の見出し名(ファイル名)であれば、当該ファイル名の提供対象情報を読み出して、要求元の端末2に対して送出する。ここで提供対象情報が設定対象機器1のマニュアル情報である場合、その見出し名は例えば、設定対象機器1の機種名とマニュアルの種類とを含むものとしておけばよい。
本実施の形態において、端末2側で提供対象情報を選択する場合、端末2及びサーバ3は以上の構成を備え、次のように動作する。
[ブルートゥース(登録商標)接続機器の例]
設定対象機器1がブルートゥース(登録商標)接続機器である場合、図6に例示するように利用者がマニュアル情報を参照する操作を実行し、端末2が当該操作を受け入れると(S21)、端末2は、設定対象機器1の設定の状態を表す設定状態情報として、ペアリングがされているか否かを表す情報、及び使用中であるか否かを表す情報を取得する(S22)。
端末2は、ステップS22で取得した、ペアリングがされているか否かを表す情報、及び使用中であるか否かを表す情報を設定状態情報として、当該設定状態情報の組み合わせに関連付けられている、提供対象情報の種類の情報を取得する(S23)。具体的に、本実施の形態のここでの例では、設定対象機器1は端末2との間で(1)ペアリングがされていない、(2)ペアリングはされているが使用中ではない、(3)ペアリングされ、使用中である、のいずれかの状態にある(ペアリングされていないが使用中であるとの状態はあり得ないためここでは設定状態情報の組み合わせに含まれない)。
そこでこの例では端末2において、(1)ペアリングがされていないことを表す設定状態情報に対してペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持され、(2)ペアリングはされているが使用中ではないことを表す設定状態情報に対して、使用開始方法と使用中の操作方法とに関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持され、(3)ペアリングされ、使用中であることを表す設定状態情報に対して、使用中の操作方法に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持される。
端末2は、ステップS22で取得した設定状態情報が「ペアリングされている」ことを表す情報と、「使用中でない」ことを表す情報とである場合には、(2)ペアリングはされているが使用中ではないと判断して、使用開始方法と使用中の操作方法とに関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報を読み出す。
そして端末2は、ステップS23で取得した、提供対象情報の種類の情報をサーバ3へ送出して、提供対象情報を要求する(S24)。
サーバ3は、端末2から提供対象情報の要求を、提供対象情報の種類の情報とともに受信し、当該受信した情報で特定される提供対象情報を読み出す(S25)。そして当該読み出した提供対象情報を要求元の端末2へ送出する(S26)。
端末2は、ステップS24にて行った要求に応答して、サーバ3から送出される情報を受信し、記憶部12に格納する(S27)。そして端末2は、当該記憶部12に格納した情報を表示出力する(S28)。これにより利用者は、設定対象機器1であるイヤホン装置の設定状態に応じたマニュアル情報を閲覧できるようになる。具体的に、ペアリングを行った後、使用前にマニュアル情報を参照する操作を実行し、端末2が当該操作を受け入れると、端末2が(2)ペアリングはされているが使用中ではないことを表す設定状態情報に関連付けて、サーバ3において保持されている、使用開始方法と使用中の操作方法とに関するマニュアル情報を表示する。これにより利用者は使用開始方法を知ることができる。
またこの例においても、設定対象機器1及び端末2が家族間で共有される装置であれば、家族の誰か一人がペアリングの設定を行った後は、ペアリングに関するマニュアル情報(初期設定後は必要のない情報)の提供が抑制される。
[無線LANアクセスポイントの例]
また本実施の形態の設定対象機器1が、無線LANアクセスポイントである場合について説明する。この例では、端末2には、(1)ルータとして機能していることを表す設定状態情報に対してルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報とが関連付けて保持され、(2)ルータとして機能していないことを表す設定状態情報に対して無線ブリッジとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報と、ルータとして機能させる(ルータとしての機能をオンとする)ための操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報とが関連付けて保持され、また、(3)ペアレンタルコントロール機能がオンとなっていることを表す設定状態情報に対して、ペアレンタルコントロール機能の設定に関するマニュアル情報を特定する提供対象情報の種類の情報と、ペアレンタルコントロール機能をオフとする操作に関するマニュアル情報を特定する提供対象情報の種類の情報とが関連付けて保持され、(4)ペアレンタルコントロール機能がオフとなっていることを表す設定状態情報に対して、ペアレンタルコントロール機能をオンとする操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持される。
ここで利用者が設定対象機器1としての無線LANアクセスポイントとの接続中に、マニュアル情報を参照する操作を実行し、端末2が当該操作を受け入れると、端末2は、設定対象機器1の設定の状態を表す設定状態情報として、設定対象機器1がルータとして機能しているか、ルータとして機能していないかの別を表す情報、及びペアレンタルコントロール機能がオンとなっているか否かを表す情報を取得する。
端末2は、ここで取得した、ルータとして機能しているか、ルータとして機能していないかの別を表す情報、及びペアレンタルコントロール機能がオンとなっているか否かを表す情報を設定状態情報として当該設定状態情報に関連付けられている、提供対象情報の種類の情報を取得する。
ここで例えば、設定対象機器1が(1)ルータとして機能し、かつ、(4)ペアレンタルコントロール機能がオフとなっている場合、端末2は、ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させるための操作に関するマニュアル情報と、ペアレンタルコントロール機能をオンとする操作に関するマニュアル情報とのそれぞれを特定する、提供対象情報の種類の情報を取得することとなる。
そして端末2は、取得した、提供対象情報の種類の情報をサーバ3へ送出して、提供対象情報を要求する。
サーバ3は、端末2から提供対象情報の要求を、提供対象情報の種類の情報とともに受信し、当該受信した情報で特定される提供対象情報を読み出す。そして当該読み出した提供対象情報を要求元の端末2へ送出する。
端末2は、要求に応答して、サーバ3から送出される情報を受信し、記憶部12に格納する。そして端末2は、当該記憶部12に格納した情報を表示出力する。
これにより利用者は、設定対象機器1である無線LANアクセスポイントの設定状態に応じたマニュアル情報を閲覧できるようになる。上述のように、設定対象機器1である無線LANアクセスポイントが(1)ルータとして機能し、かつ、(4)ペアレンタルコントロール機能がオフとなっている場合には、ここでルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させるための操作に関するマニュアル情報と、ペアレンタルコントロール機能をオンとする操作に関するマニュアル情報とが提供される。
[ストレージ装置の例]
また本実施の形態の設定対象機器1は、NAS(Network Attached Storage)等のストレージ装置であってもよい。この例では、設定状態情報には、動作しているサーバプログラムに関する情報、例えばDLNA(Digital Living Network Alliance)サーバプログラムが実行されているか否か、CIFS(Common Internet File System)サーバプログラムが実行されているか否か…等が含まれる。
この例では、端末2には、サーバプログラムごとに、当該サーバプログラムが実行されているとの設定状態情報に対して当該サーバプログラムに関する設定方法を記述したマニュアル情報と、当該サーバプログラムの実行を停止するための操作に関するマニュアル情報とをそれぞれ特定する、提供対象情報の種類の情報を関連付けて保持し、また、当該サーバプログラムが実行されていないことを表す設定状態情報に対して当該サーバプログラムを実行するための操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持される。
ここで利用者が設定対象機器1としてのNASに関するマニュアル情報を参照する操作を実行し、端末2が当該操作を受け入れると、端末2は、設定対象機器1の設定の状態を表す設定状態情報として、設定対象機器1において実行されているサーバプログラムの一覧の情報を取得する。
端末2は、当該取得した、設定対象機器1において実行されているサーバプログラムの一覧の情報を、設定状態情報として、当該設定状態情報に含まれるサーバプログラムごとに、サーバプログラムが動作しているか否かに応じて、対応して関連付けられているマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報が読み出される。一般に設定状態情報に含まれる、サーバプログラムの実行の有無に関する情報は複数あるので、端末2は、それぞれに対応して複数の提供対象情報の種類の情報を読み出す。
そして端末2は、ここで取得した、提供対象情報の種類の情報をすべてサーバ3へ送出し、提供対象情報を要求する。すると、サーバ3が、端末2から提供対象情報の要求を、提供対象情報の種類の情報とともに受信し、当該受信した情報で特定される提供対象情報を読み出す。そして当該読み出した提供対象情報を要求元の端末2へ送出する。
端末2は、要求に応答して、サーバ3から送出される情報を受信し、記憶部12に格納し、当該記憶部12に格納した情報を表示出力する。
ここでの例で、設定対象機器1がDLNAサーバプログラムを実行しており、CIFSサーバプログラムを実行していない場合、端末2は、DLNAサーバプログラムに関する設定方法を記述したマニュアル情報と、DLNAサーバプログラムの実行を停止するための操作に関するマニュアル情報と、CIFSサーバプログラムを実行するための操作に関するマニュアル情報とをそれぞれ特定する、提供対象情報の種類の情報を送信することとなる。
そしてサーバ3が当該情報で特定される、DLNAサーバプログラムに関する設定方法を記述したマニュアル情報と、DLNAサーバプログラムの実行を停止するための操作に関するマニュアル情報と、CIFSサーバプログラムを実行するための操作に関するマニュアル情報とを送出する。
これにより利用者に対して、DLNAサーバプログラムに関する設定方法を記述したマニュアル情報と、DLNAサーバプログラムの実行を停止するための操作に関するマニュアル情報と、CIFSサーバプログラムを実行するための操作に関するマニュアル情報とが提供される。
[利用者によって提供対象情報を異ならせる例]
またこの例においても、端末2が提供対象情報の種類を特定する条件(対象特定条件)として設定状態情報に係る条件だけでなく、端末2の利用者に係る条件を含んでもよい。ここでの利用者に係る条件もまた、例えば、利用者が管理者(所定の権限を有する利用者)であるか否かや、利用者の年齢が所定の年齢を下回るか否か(ペアレンタルコントロール機能により送受信する情報が制限される利用者(以下、対象者と呼ぶ)であるか否か)など、利用者の属性に係る情報(利用者属性情報)に基づく条件でよい。
この例でも、設定対象機器1が端末2の利用者を認証する。この認証は利用者名とパスワードとを用いる認証など、一般的な認証方法によるものでよい。また設定対象機器1は、端末2から利用者属性情報の要求を受け入れ、当該要求に応答して、認証した利用者の利用者属性情報(管理者であるか否かや、ペアレンタルコントロール機能により送受信する情報が制限される利用者であるか否かを表す情報、一般に、利用者名に関連付けて設定対象機器1において管理されている)を送出する。
そしてこの例においても、端末2の制御部11は、提供対象情報要求部53としての動作において、設定対象機器1に対して利用者属性情報を要求する。そして当該要求に応じて設定対象機器1が送出した利用者属性情報を取得する。また、制御部11は、提供対象情報要求部53としての動作において、設定状態情報取得部52が取得した設定状態情報と、上記取得した利用者属性情報とが満足する対象特定条件に関連付けられた提供対象情報の種類の情報を要求する。
一例として、設定対象機器1が無線LANアクセスポイントである場合に、端末2には、(1)ルータとして機能していることを表す設定状態情報に対してルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報とのそれぞれを特定する、提供対象情報の種類の情報が、すべての利用者属性情報向けの情報として関連付けて保持され、(2)ルータとして機能していないことを表す設定状態情報に対して無線ブリッジとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、ルータとして機能させる(ルータとしての機能をオンとする)ための操作に関するマニュアル情報とのそれぞれを特定する、提供対象情報の種類の情報が、すべての利用者属性情報向けの情報として関連付けて保持され、また、(3)ペアレンタルコントロール機能がオンとなっていることを表す設定状態情報に対して、(3a)利用者属性情報が「管理者」であるときに送出する情報としてペアレンタルコントロール機能の設定に関するマニュアル情報、及びペアレンタルコントロール機能をオフとする操作に関するマニュアル情報をそれぞれ特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持され、(3b)利用者属性情報が「対象者」であるときに送出する情報としてペアレンタルコントロール機能に関する一般的情報(ペアレンタルコントロール機能とは何かを説明する情報等)を特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持される。また、(4)ペアレンタルコントロール機能がオフとなっていることを表す設定状態情報に対して、利用者属性情報が「管理者」であるときに送出する情報としてペアレンタルコントロール機能をオンとする操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持される。
従って、例えば対象者が操作する端末2がルータとして機能し、ペアレンタルコントロール機能がオンとなっている無線LANアクセスポイント(設定対象機器1)に接続されているとき、この対象者がマニュアル情報を参照する操作を実行し、端末2が当該操作を受け入れると、端末2は、設定対象機器1の設定の状態を表す設定状態情報として、設定対象機器1がルータとして機能しているか、ルータとして機能していないかの別を表す情報、及びペアレンタルコントロール機能がオンとなっているか否かを表す情報、並びに、設定対象機器1が管理する対象者についての利用者属性情報を取得する。この例では、端末2は、設定対象機器1から、利用者属性情報として「管理者でない」、かつ、「対象者である」旨の情報を取得する。
そして端末2は、当該取得した、ルータとして機能しているか、ルータとして機能していないかの別を表す情報、及びペアレンタルコントロール機能がオンとなっているか否かを表す情報、並びに利用者属性情報に基づいて、提供対象情報の種類の情報を読み出す。この例では、(1)ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報、並びに、(3b)ペアレンタルコントロール機能に関する一般的情報のそれぞれを特定する、提供対象情報の種類の情報が読み出されて、サーバ3に提供対象情報の要求とともに送信される。
端末2は、当該要求に応答して、サーバ3から送出される情報を受信し、記憶部12に格納する。そして端末2は、当該記憶部12に格納した情報を表示出力する。これにより端末2の利用者(ここでの例では対象者)は、設定対象機器1である無線LANアクセスポイントの設定状態に応じたマニュアル情報等として、(1)ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報、並びに、(3b)ペアレンタルコントロール機能に関する一般的情報を閲覧できるようになる。
一方、ここでの例では端末2の利用者が管理者であった場合は、サーバ3から(1)ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させる(ルータとしての機能をオフとする)ための操作に関するマニュアル情報、並びに、(3a)ペアレンタルコントロール機能の設定に関するマニュアル情報、及びペアレンタルコントロール機能をオフとする操作に関するマニュアル情報が提供され、これらのマニュアル情報を閲覧可能となる。
本実施の形態のこの例によれば、ペアレンタルコントロール機能により通信の内容が制限されている利用者(対象者)がマニュアル情報等を要求したときには、ペアレンタルコントロール機能をオフにする方法等についてのマニュアル情報は提供されず、管理者がマニュアル情報等を要求したときには、ペアレンタルコントロール機能をオフにする方法等についてのマニュアル情報が提供されるようになる。
また、設定対象機器1がNAS等のストレージ装置である場合は、利用者属性情報として、利用者ごとのアクセス権限に関する情報を用いる。この例によると、具体的に閲覧のみが可能とされた利用者に対しては閲覧に関するマニュアル情報のみが提供され、管理者として設定された利用者に対しては、すべてのマニュアル情報が提供されるようにするなどの制御が可能となる。
[判断を端末とサーバとで行う例]
なお、本実施の形態の、端末2にて提供対象情報の種類を特定する例では、端末2にて設定状態情報に基づいて提供対象情報の種類の情報を特定しておき、サーバ3に対して当該特定した提供対象情報の種類の情報とともに、設定状態情報や利用者属性情報を送信して提供対象情報を要求してもよい。そしてサーバ3にて、提供対象情報の種類の情報で特定される提供対象情報のうち、利用者属性情報(や設定状態情報)に基づいて、実際に提供する提供対象情報を送出することとしてもよい。
[情報の一覧が提供される例]
またここでの例においても、サーバ3は、マニュアル情報等の具体的な内容を含んだ情報(実体情報と呼ぶ)だけでなく、提供対象情報の一覧(付加情報と呼ぶ)を含む提供対象情報を送出してもよい。例えば、サーバ3は、ルータとしての設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、無線ブリッジとして機能させるための操作に関するマニュアル情報とを実体情報として送出する場合には、「(1)ルータ設定マニュアル、(2)無線ブリッジ設定方法」というような見出し(実体情報を特定する情報)を含んだ一覧を付加情報として、併せて送信してもよい。
またここでもサーバ3は、一覧に記載する順序を、設定状態情報や利用者属性情報に基づいて変更してもよい。この場合、端末2は、提供対象情報の要求とともに、提供対象情報の種類の情報のほか、設定状態情報や、利用者属性情報を併せてサーバ3へ送信する。
[端末に関する情報の利用]
また本発明の実施の形態において、サーバ3は、端末2自体の情報(端末2の機種を特定する情報や端末2のオペレーティングシステムの種類、さらには端末2が備える機能に関する情報等)に応じて送出する提供対象情報を異ならせてもよい。例えば端末2が設定対象機器1との間でNFC(Near Field Communication)の機能を有していれば、サーバ3は、NFCを用いた設定対象機器1の設定に関するマニュアル情報を送出してもよい。
具体的に、端末2に関する情報を利用するときには、サーバ3側で提供対象情報を選択する場合、サーバ3は、提供対象情報の対象特定条件として、端末2に関する情報を含める。例えば設定対象機器1がブルートゥース(登録商標)接続されるイヤホン装置であるときには、サーバ3には、(1)ペアリングがされていないことを表す設定状態情報に対して、(1a)端末2がNFCの機能を有していないか、有しているかどうかが不明な場合、操作部13での操作によりペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報が関連付けて保持され、(1b)端末2がNFCの機能を有していれば、操作部13での操作によりペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報に加え、NFCを用いてペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報が関連付けて保持される。さらに、このときサーバ3には、(2)ペアリングはされているが使用中ではないことを表す設定状態情報に対して、使用開始方法と使用中の操作方法とに関するマニュアル情報が関連付けて保持され、(3)ペアリングされ、使用中であることを表す設定状態情報に対して、使用中の操作方法に関するマニュアル情報が関連付けて保持されてもよい。
この例の場合、端末2から受信した設定状態情報が「ペアリングされていない」ことを表すものであり、また端末2から受信した端末2自体の情報が「NFC機能を有する」ことを表すものであれば、サーバ3は、(1)ペアリングがされていないことを表す設定状態情報に関連付けられ、かつ、(1b)端末2がNFCの機能を有している旨の情報に関連付けられた、操作部13での操作によりペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、NFCを用いてペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報とを送出する。
これにより当該端末2の利用者は、操作部13での操作によりペアリングの設定を行うための操作と、NFCを用いてペアリングの設定を行うための操作とに関する情報を閲覧可能となる。
また、本実施の形態のこの例のように、端末2に関する情報を利用するときであって、端末2側で提供対象情報を選択する場合、端末2は、提供対象情報の対象特定条件として、端末2自身に関する情報を含める。例えば設定対象機器1がブルートゥース(登録商標)接続されるイヤホン装置であるときには、端末2には、(1)ペアリングがされていないことを表す設定状態情報に対して、(1a)端末2がNFCの機能を有していないか、有しているかどうかが不明な場合、操作部13での操作によりペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持され、(1b)端末2がNFCの機能を有していれば、操作部13での操作によりペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報に加え、NFCを用いてペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持される。さらに、このとき端末2には、(2)ペアリングはされているが使用中ではないことを表す設定状態情報に対して、使用開始方法と使用中の操作方法とに関するマニュアル情報のそれぞれを特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持され、(3)ペアリングされ、使用中であることを表す設定状態情報に対して、使用中の操作方法に関するマニュアル情報を特定する、提供対象情報の種類の情報が関連付けて保持されてもよい。
この例の場合、端末2は、取得した設定状態情報が「ペアリングされていない」ことを表すものであり、端末2自体の情報が「NFC機能を有する」ことを表すものであれば、端末2は、(1)ペアリングがされていないことを表す設定状態情報に関連付けられ、かつ、(1b)端末2がNFCの機能を有している旨の情報に関連付けられた、操作部13での操作によりペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、NFCを用いてペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報とをそれぞれ特定する、提供対象情報の種類の情報をサーバ3に対して送信する。
そしてサーバ3がこれに応答して、操作部13での操作によりペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報と、NFCを用いてペアリングの設定を行うための操作に関するマニュアル情報とを送出し、端末2がこれらのマニュアル情報を受信して表示出力する。これにより当該端末2の利用者は、操作部13での操作によりペアリングの設定を行うための操作と、NFCを用いてペアリングの設定を行うための操作とに関する情報を閲覧可能となる。
[提供対象情報の別の例]
またここまでの説明で、サーバ3から送出される提供対象情報は、マニュアル情報等の実体情報であるものとしていたが本実施の形態はこれに限られず、実体情報に代えて、マニュアル情報等の実体情報が格納されている場所を表す参照情報であってもよい。
この場合、端末2では、参照情報を表示出力し、利用者が参照情報を選択したときに、当該選択された参照情報によって特定される格納場所から実体情報をダウンロードして表示出力する。
また、提供対象情報は、設定対象機器1にて実行されるプログラム(ファームウェア等)であってもよい。この例では、端末2の制御部11が機能的に実現する出力部55は、提供対象情報管理部54が記憶部12に格納した、サーバ3から受信した情報(プログラム)を、通信部15を介して設定対象機器1に対して出力することとなる。
そして設定対象機器1では、当該端末2が送信した情報を受信して、所定のタイミングで実行する。例えば当該受信した情報がファームウェアであれば、ファームウェアの書き換え等の処理を実行することとなる。このようなアップデートの処理については、広く知られた方法を採用できるので、ここでの詳しい説明を省略する。
なお、このように提供対象情報が利用者に提示される情報でなく、設定対象機器1に一度送信すれば済む情報である場合、端末2は、設定対象機器1に対して当該情報を送信した後、記憶部12に格納されている当該情報を削除することとしてもよい。
[提供対象情報の管理]
また本実施の形態の一例において、提供対象情報管理部54は、提供対象情報要求部53が送出した要求に応答してサーバ3から送出される情報を受信し、記憶部12に格納する際に、設定対象機器1を特定する情報と、提供対象情報要求部53が要求とともに送出した設定状態情報(及び、利用者属性情報等、対象特定条件に係る情報)とを関連付けて格納してもよい。
この例では、提供対象情報要求部53が、設定状態情報等や、提供対象情報の種類の情報をサーバ3へ送出する前に、設定状態情報取得部52が取得した設定状態情報等に関連付けて記憶部12に格納された、過去にサーバ3から受信した提供対象情報があるか否かを調べる。そして、設定状態情報取得部52が取得した設定状態情報等に関連付けて記憶部12に格納された、過去にサーバ3から受信した提供対象情報があれば、出力部55に当該提供対象情報を出力して表示出力させる。このようにすると、同じ提供対象情報を繰り返し取得することを防止できる。
またこの例においては、提供対象情報に、そのバージョンを表す情報や更新日時の情報を含めておいてもよい。この場合端末2は、サーバ3に対して所定のタイミングごとに、記憶部12に格納された提供対象情報について、新たなバージョン、または更新日時の新しいバージョンがないかを確認し、記憶部12に格納された提供対象情報について、新たなバージョン、または更新日時の新しいバージョンがサーバ3に保持されていれば、当該新たなバージョン、または更新日時の新しいバージョンの提供対象情報をサーバ3から取得して、記憶部12に格納した提供対象情報を上書きすることとしてもよい。
[情報の削除]
さらに、このように提供対象情報を記憶部12に保持しておく場合、所定の条件が満足されたときには提供対象情報を記憶部12から削除してもよい。一例として、端末2は、設定対象機器1の利用状況の情報を記録し、当該利用状況の情報が所定の条件を満足するときに、当該設定対象機器1に関連付けられた提供対象情報を記憶部12から削除する。
具体的な一例として、端末2は、設定対象機器1ごとに、最後に通信を行った(あるいは情報の出力を行った)日時を記録しておく。そして端末2は、所定のタイミングごとに(例えば1日に一度)、現在日時(処理の時点)と、上記記録された日時とを比較し、その差が予め定めたしきい値を超えている日時に最後に通信を行った(あるいは情報の出力を行った)とされる設定対象機器1があれば、当該設定対象機器1を特定する情報に関連付けられた提供対象情報を記憶部12から削除する。
また端末2は、端末2の記憶部12の空き容量が予め定めたしきい値を下回る場合に、所定の順序で、例えば最後に通信を行った(あるいは情報の出力を行った)日時が最も古いものから順に、空き容量が予め定めたしきい値を上回るまで、当該日時に最後に通信を行った(あるいは情報の出力を行った)とされる設定対象機器1を特定する情報に関連付けられた提供対象情報を記憶部12から削除する。
あるいは、この削除順は、提供対象情報ごとに予め設定された(提供対象情報に含められて記録されていてもよい)優先順位の情報に基づいて定められてもよい。この優先順位は予め情報提供側(機器のメーカー側等)で定められる。具体的にメーカー側では、一度行われれば、その後行われる可能性の少ない操作(例えば初期設定操作や、動作モードの変更操作など)の方法を提示する提供対象情報の削除順がより早くなるような優先順位を設定しておくなどの設定を行うことができる。
また別の例では、端末2において利用者が行った操作の内容に基づいて、削除順を定めてもよい。例えば端末2は、利用者が行った操作の履歴を記録しておき、当該記録に、ある提供対象情報を参照した記録がないのに、当該提供対象情報内に記述されていた操作が行われた記録があった場合には、当該提供対象情報の削除順を繰り上げる(比較的早く削除される順とする)こととしてもよい。この場合、提供対象情報には、その内部に記述されている操作を特定する情報が含まれてもよい。このようにすると、端末2は当該操作を特定する情報と、記録した操作の履歴とを比較して削除順を繰り上げるか否かを判断することができる。
さらに端末2は、新たな設定対象機器1が接続されたときに、当該設定対象機器1の機種の情報を取得し、過去に接続していた設定対象機器1の後継機種であることが判断できる場合(例えばメーカーのウェブサーバにアクセスして後継機種であるか否かを判断するか、または設定対象機器1自身が従来機種名の一覧を提供して判断に供してもよい)、当該過去に接続していた設定対象機器1を特定する情報に関連付けられた提供対象情報を記憶部12から削除することとしてもよい。この場合は、削除するか否かを利用者に問い合わせ、利用者が削除することを明示する指示を行った場合に、削除することとしてもよい。
[サーバにおける提供対象情報の管理]
また本実施の形態の一例では、サーバ3は、図2(a)に示したように、設定状態情報ごとに提供対象情報を関連付けて保持しているものとしたが本実施の形態はこれに限られない。
例えばサーバ3は、各設定状態情報に対応する提供対象情報を、一つまたは受け入れる可能性のある設定状態情報の種類の数N(Nは2以上の自然数)よりも少ない数の提供対象情報ファイルとしてまとめて保持してもよい。
この例では、サーバ3は、設定状態情報ごとに対応する提供対象情報を関連付けて保持することに代えて、設定状態情報ごとに、提供対象情報ファイルのうち、対応する部分を特定する情報を関連付けて保持する。
具体的に本実施の形態の一例では、この提供対象情報ファイルは複数のパートを含む。そしてサーバ3は設定状態情報に対して、提供対象情報ファイルに含まれる一つ以上のパートを特定する情報(パート特定情報)を関連付けて保持している。そしてサーバ3は、端末2から提供対象情報の要求とともに設定状態情報を受信すると、当該受信した設定状態情報に関連付けて保持しているパート特定情報で特定されるパートを、提供対象情報ファイルから抽出して(抜き出して)、提供対象情報を生成する。サーバ3はそして、当該抜き出して生成した提供対象情報を、要求元の端末2へ送出する。
また、ここでの提供対象情報は文字や静止画像等を含んだ文書に限られない。例えば提供対象情報は動画像であってもよい。提供対象情報を動画像とする場合は、提供対象情報とする部分を含む提供対象情報ファイルを保持する。またサーバ3は設定状態情報に対して、提供対象情報ファイルに含まれる一つ以上のパートを特定する情報(パート特定情報)として、動画像のうち再生すべき範囲を特定する情報を関連付けて保持している。
ここで再生すべき範囲を特定する情報は、動画像の先頭からの再生時刻を用いて、再生開始時刻(TS)と、再生終了時刻(TE)との組を少なくとも一つ含む。一例としてある設定状態情報Xに対して、提供対象情報ファイルとしての動画像のデータを特定する情報と、再生開始時刻(例えば1分00秒)と、再生終了時刻(例えば1分25秒)とを関連付けて保持しておく。この例では、端末2から提供対象情報の要求とともに設定状態情報Xを受信すると、サーバ3は、当該受信した設定状態情報Xに関連付けて保持しているパート特定情報で特定されるパートとして、提供対象情報ファイルとしての動画像のデータのうち、先頭から1分00秒の位置から、1分25秒の位置までの25秒間の動画像を抽出し、提供対象情報として要求元の端末2へ送出する。
さらにサーバ3は、ここで抽出し(抜き出し)た情報に対して、予め定められた方法で加工処理を施して、端末2へ送出する提供対象情報を加工してもよい。
具体的にこの加工処理としては、上記の方法で複数の箇所から情報を抽出した(抜き出した)ときに、当該複数の箇所から抽出した部分的な情報を連結して一体の情報に加工する処理等がある。
例えば、ある設定状態情報Xに対して、提供対象情報ファイルとしての動画像のデータを特定する情報と、再生開始時刻(例えば1分00秒)と、再生終了時刻(例えば1分25秒)、及び、別の再生開始時刻(例えば2分00秒)と、再生終了時刻(例えば2分25秒)を関連付けて保持しておく。この例では、端末2から提供対象情報の要求とともに設定状態情報Xを受信すると、サーバ3は、当該受信した設定状態情報Xに関連付けて保持しているパート特定情報で特定されるパートとして、提供対象情報ファイルとしての動画像のデータのうち、先頭から1分00秒の位置から、1分25秒の位置までの25秒間の動画像MAと、先頭から2分00秒の位置から、2分25秒の位置までの25秒間の動画像MBとを抽出する。
そしてサーバ3は、加工処理として、これら動画像MAと動画像MBとを連結して、50秒の動画像Mを生成し、この生成した動画像を、提供対象情報として要求元の端末2へ送出する。
なお、加工処理としては、ここで説明したデータの連接処理に限られず、複数の文書の部分を連接して得た情報に表紙に相当する情報を付加する処理等、種々のものが考えられる。
[実施形態の効果]
本発明の実施の形態によれば、設定対象機器の設定の状態に応じた情報の提供を可能とし、利便性を向上できる。
また本実施の形態では、設定対象機器の設定の状態に応じて提供対象情報を取得するので、不要な情報を取得することがなく、端末の記憶容量を無駄に消費しない。さらに、端末が取得した情報についても不要になったと判断される時点など、所定の時点で削除する処理を行うので、端末の記憶容量を圧迫することがない。