以下、本発明に係る通信端末、経路探索システム及びコンピュータプログラムを具体化した実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る通信端末を含む経路探索システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る経路探索システム1を示した概略構成図である。図2は本実施形態に係る経路探索システム1の構成を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る経路探索システム1は、地図情報センタ2が備える案内情報配信サーバ装置3及び更新情報配信サーバ装置4と、ユーザ5が所持する通信端末6と、を基本的に有する。また、案内情報配信サーバ装置3及び更新情報配信サーバ装置4と通信端末6は通信ネットワーク網7を介して互いに電子データを送受信可能に構成されている。尚、通信端末6としては例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、ナビゲーション装置等がある。また、ユーザ5は車両に乗車している状態であっても良いし、車両に乗車していない状態であっても良い。また、案内情報配信サーバ装置3と更新情報配信サーバ装置4は同一のセンタが備えていても良しい、別々のセンタが備えていても良い。
ここで、案内情報配信サーバ装置3は、通信端末6の要求に応じて経路探索の実行を行う。具体的には、通信端末6において目的地が設定された場合に、通信端末6から案内情報配信サーバ装置3へと出発地や目的地等の経路探索に必要な情報が経路探索要求とともに送信される。そして経路探索要求を受信した案内情報配信サーバ装置3は、案内情報配信サーバ装置3の有する地図情報を用いて経路探索を行い、出発地から目的地までの推奨経路を特定する。その後、特定された推奨経路を要求元の通信端末6へと送信する。そして、通信端末6は受信した推奨経路を案内経路に設定し、案内経路に従って移動案内を行う。それによって、経路探索時点において通信端末6が有する地図情報が古いバージョンの地図情報であったとしても、案内情報配信サーバ装置3が有する最新バージョンの地図情報に基づいて適切な案内経路を設定することが可能となる。
但し、後述のように車両が案内経路から離脱して経路の再探索(リルート)を行う場合については、経路探索に係る時間を短縮する目的で、案内情報配信サーバ装置3側でなく通信端末6側で経路探索を行う場合がある。
また、案内情報配信サーバ装置3は、上記探索経路の配信に加えて、通信端末6においてユーザの移動案内を行う為の案内情報(以下、配信案内情報という)についても通信端末6の要求に応じて配信する。尚、配信案内情報は、最新バージョンの地図情報に基づいて作成され、後述のように最新バージョンの地図情報に対応して通信端末6における現在位置の特定、案内経路に沿った走行案内、画像の表示を行う為の情報である。また、配信案内情報には最新バージョンの地図情報に対応した経路探索を行う為の情報(リンクの繋がりや道路種別等に関する情報)も含まれている。そして、通信端末6は案内情報配信サーバ装置3から配信された配信案内情報を用いることによって、通信端末6が有する地図情報が古いバージョンの地図情報であったとしても、最新バージョンの地図情報に基づいて案内情報配信サーバ装置3において探索された案内経路に沿った移動案内を実施することが可能となる。また、後述するように案内情報配信サーバ装置3から通信端末6に配信された配信案内情報は、通信端末6において一定期間キャッシュされ、車両が案内経路から離脱して経路の再探索(リルート)を行う場合の経路探索にも用いられる。
一方、更新情報配信サーバ装置4は、通信端末6に記憶された古いバージョンの地図情報を新たに新設或いは撤廃された道路や施設等を反映した新たなバージョンの地図情報へと更新する為のデータ(以下、地図更新情報という)の生成、及び生成した地図更新情報の配信を行うサーバである。尚、地図情報の更新方法としては、通信端末6に記憶された地図情報を全て書き換えて更新する(以下、全更新という)方法と、特定のエリアのみを書き換えて更新する(以下、差分更新という)方法とがあるが、本実施形態は特に差分更新(MOD)により地図情報を更新する。また、差分更新により更新の対象となるエリアは、基本的には予め登録されたユーザ5の自宅周辺のエリアとする。但し、通信端末6において目的地が設定されている場合には目的地及び案内経路の周辺のエリアについても対象に含める。
また、通信端末6が有する地図情報の更新は、メモリーカードやDVD等のメディアを介して行っても良い。その場合には更新情報配信サーバ装置4は不要となる。
一方、通信端末6は、ユーザ5が所持し、ナビ機能を備えた情報端末が用いられ、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、ナビゲーション装置等が該当する。
ここで、ナビ機能は、ユーザが指定した条件に該当する経路を探索したり、ユーザ5の現在位置周辺の地図画像を表示したり、表示された地図画像中においてユーザ5の現在位置を表示したり、設定された案内経路に沿った移動案内を行う機能が該当する。尚、上記ナビ機能の全てを通信端末6が備えている必要はなく、少なくとも経路の探索を行う機能を有していれば本願発明を構成することが可能である。
また、通信ネットワーク網7は全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。ここで、基地局は通信端末6との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク網7の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にある通信端末6の通信を案内情報配信サーバ装置3及び更新情報配信サーバ装置4との間で中継する役割を持つ。
続いて、経路探索システム1における案内情報配信サーバ装置3の構成について図2を用いてより詳細に説明する。案内情報配信サーバ装置3は、図2に示すようにサーバ制御ECU11と、サーバ制御ECU11に接続された情報記録手段としての装置側地図DB12と、サーバ側通信装置13とを備える。
サーバ制御ECU11(エレクトロニック・コントロール・ユニット)は、案内情報配信サーバ装置3の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、後述の移動案内処理プログラム(図6、図7参照)等が記録されたROM23、ROM23から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ24等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ制御ECU11は、後述の通信端末6のECUとともに処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、案内情報配信手段は、通信端末6の要求に応じて、案内経路周辺のエリア内において車両の移動案内を行う為の配信案内情報を、出発地側から順に通信端末6へと配信する。
また、装置側地図DB12は、外部からの入力データや入力操作に基づいて登録された最新のバージョンの地図情報である装置側地図情報25が、エリア毎(例えば20km四方のメッシュ毎)に区分されて記憶される記憶手段である。ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期、最終的な更新が行われた時期、又は最終的な更新を行った際の地図更新情報(更新プログラム)が作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期等を特定することが可能となっている。
ここで、上記装置側地図情報25は、通信端末6に格納されている地図情報と基本的に同一の構成を有しており、道路網を始めとして経路探索、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されている。例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等からなる。
探索データとしては、後述のように出発地(例えば車両の現在位置)から設定された目的地までの経路を探索する経路探索処理に使用される各種データについて記録されている。例えば、交差点に対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、交差点コストという)や道路を構成するリンクに対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、リンクコストという)等の探索コストを算出する為に使用するコスト算出データが記憶されている。
また、装置側地図DB12には、最新バージョンの地図情報に対応して通信端末6において現在位置の特定や案内経路に沿った走行案内、並びに経路探索を行う為の情報である配信案内情報26についてもエリア毎(例えば2.5km四方のメッシュ毎)に区分されて記憶されている。
ここで、配信案内情報26は、ユーザの現在位置のマップマッチングを行うのに必要となるマッチングデータと、案内交差点での右左折案内等の案内経路に沿ってユーザに移動を行わせる為の案内に必要となる案内データと、地図画像や案内画面を表示する為の表示データと、経路探索に用いる経路探索データとを含む。尚、マッチングデータは例えば道路形状を特定する為のデータからなる。また、案内データは例えば交差点の形状や交差点と道路の接続関係を特定する為のデータからなる。また、表示データは、通信端末6のディスプレイに道路網を含む地図画像や移動案内を行う為の案内画面を表示する為のデータからなる。一方、経路探索データは例えばリンクの繋がりを特定するデータや、コスト付けを行う為の道路種別や道路形状を特定する情報を含む。ここで、装置側地図情報25は、道路網の情報量に応じて複数層のレイヤ(レベル)に階層化されている。配信案内情報26は基本的に最も低いレベル(道路網の情報量の最も多い)であるレベル0の階層の装置側地図情報25に含まれる情報である。従って、例えば配信案内情報26に基づいて経路探索を行う場合には、対応するレベル0の地図情報に基づいた経路探索を行うことが可能である。但し、配信案内情報26にはレベル0以外のレベルの階層に基づく情報を含めても良い。その場合には、他のレベルの地図情報に基づく経路探索を行うことも可能となる。また、尚、配信案内情報26は装置側地図情報25とは独立した情報としても良い。
そして、サーバ制御ECU11は、後述のように通信端末6から経路探索要求を受信した場合には、装置側地図情報25を用いて出発地から目的地までの経路探索を行う。そして、探索された経路を要求のあった通信端末6へと配信する。また、サーバ制御ECU11は、配信案内情報26についても必要に応じて通信端末6に対して配信を行う。具体的には、通信端末6で設定された案内経路の周辺のエリアを対象として、出発地側から順に配信案内情報26を通信端末6に対して配信するように構成する。但し、基本的には通信端末6が有する地図情報のバージョンが装置側地図情報25よりも古いエリアのみを対象とし、通信端末6が有する地図情報のバージョンが装置側地図情報25と同じバージョン(即ち最新のバージョンの地図情報となっている)エリアについては配信案内情報26の配信対象から除かれる。
一方、サーバ側通信装置13は通信端末6と通信ネットワーク網7を介して通信を行う為の通信装置である。また、通信端末6以外にインターネット網や、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報の受信についても可能である。
次に、通信端末6の概略構成について図3を用いて説明する。尚、以下の説明では通信端末6として車両に設置されたナビゲーション装置を用い、移動体として特に車両の走行案内を行う場合を例に挙げて説明する。但し、ナビゲーション装置の代わりに、携帯電話機、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等を用いても良い。また、携帯電話機、タブレット型端末を用いる場合には、車両以外の移動体(例えば、歩行者、自転車等)の移動案内を行うことも可能である。図3は本実施形態に係る通信端末6であるナビゲーション装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
図3に示すように本実施形態に係る通信端末6は、通信端末6であるナビゲーション装置が搭載された車両(移動体)の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU33と、ユーザからの操作を受け付ける操作部34と、ユーザに対して地図や目的地までの案内経路を表示する液晶ディスプレイ35と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ36と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37と、案内情報配信サーバ装置3やVICSセンタ等との間で通信を行う通信モジュール38と、を有する。
以下に、通信端末6を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ジャイロセンサ44等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ42は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサを通信端末6が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみを通信端末6が備える構成としても良い。
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された端末側地図DB45、バージョン管理DB46、キャッシュ47及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部32をハードディスクの代わりに不揮発性メモリ、メモリーカード、CDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
ここで、端末側地図DB45は、通信端末6における経路探索や走行案内に用いられる端末側地図情報48が記憶される記憶手段である。
端末側地図DB45に記憶される端末側地図情報48は、前記した装置側地図情報25と同様に道路網を始めとして経路探索、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等からなる。また、配信案内情報26に相当する情報についても含まれる。
また、端末側地図DB45に記憶される端末側地図情報48は、更新情報配信サーバ装置4から配信された地図更新情報や記録メディアから取得した地図更新情報に基づいて、該当箇所のデータを新たなデータに書き換えることによって新たなバージョンの地図情報に更新される。尚、端末側地図情報48の更新は車両のACC(accessory power supply)がオンされたタイミングや、ユーザが希望した任意のタイミングで行われる。また、更新の対象となるのは、基本は自宅周辺のエリアのみとなる。但し、通信端末6において目的地が設定されている場合には目的地周辺及び案内経路周辺のエリアも対象となる。また、地図更新情報を取得してから実際に端末側地図情報48の更新が行われるまでの間にある程度の期間が空くことがある。
従って、端末側地図情報48は必ずしも最新のバージョンの地図情報であるとは限らない。即ち、通信端末6が有する端末側地図情報48と案内情報配信サーバ装置3が有する最新の地図情報である端末側地図DB45とは、バージョンが異なる場合も多い。
そして、バージョン管理DB46は、現在、端末側地図DB45に記憶されている端末側地図情報48のバージョンを特定する情報(例えばバージョン番号、最終更新日時、最終的な更新を行った地図更新情報(更新プログラム)の作成日時等)を、地図情報の区画単位(例えばメッシュ単位)毎に記録する記憶手段である。尚、バージョン管理DB46は、端末側地図情報48が新たなバージョンの地図情報に更新されるのに伴って、その内容が更新される。
また、バージョン管理DB46には、通信端末6が有する端末側地図情報48が直近に行われた地図情報の更新処理によって更新対象となったエリア(以下、更新対象エリアという)を特定する情報として、エリア更新テーブル(エリア更新情報)50が記憶される。ここで、エリア更新テーブル50は、地図情報の区画単位(例えばメッシュ単位)毎に、更新対象エリアに該当する区画と、更新対象エリアに該当しない区画とを識別するフラグを対応付けたテーブルである。図4にエリア更新テーブル50の一例を示す。
図4では、道路の新設があり、案内情報配信サーバ装置3の有する装置側地図情報25を構成する各メッシュの内、該当するエリアの計9か所のメッシュが以前のバージョン“50”から新たなバージョン“60”へと更新された状態を示す。この状況において、例えば通信端末6のACCがオンされると、端末側地図情報48の更新処理が行われ、端末側地図情報48の内、更新対象エリアの該当するメッシュがバージョン“60”へと更新されることとなる。尚、更新対象エリアは例えばあらかじめ登録された自宅周辺に加えて、通信端末6において目的地が設定されている場合には目的地周辺、案内経路周辺も含まれる。但し、自宅周辺であれば必ずしも更新対象エリアとなるわけではなく、例えば、自宅周辺であっても更新時点で更に新しいバージョンの地図情報が存在するエリア(例えば図4に示す例ではバージョン“70”が存在するエリア)に関しては地図情報の更新をしない(即ち更新対象エリアから除かれる)場合もある。
図4に示すようにエリア更新テーブル50は、メッシュ単位で更新対象エリアに該当する区画と、更新対象エリアに該当しない区画とを識別するフラグを対応付ける。具体的には、更新対象エリアに該当するメッシュに対しては“1”を対応付け、更新対象エリアに該当しないメッシュに対しては“0”を対応付ける。尚、図4に示す例では、説明を簡略化する為に5×5のメッシュを対象としたエリア更新テーブル50を示しているが、実際のエリア更新テーブル50は全国エリアを構成する各メッシュ(メッシュが複数階層からなる場合にはエリア毎且つ階層毎)を対象としてフラグを対応付けたテーブルとなる。
その結果、ナビゲーションECU33はエリア更新テーブル50を参照することによって、直近に行われた端末側地図情報48の更新処理によって更新対象となったエリアを容易に特定することが可能となる。尚、エリア更新テーブル50は端末側地図情報48の更新処理が行われる度に適宜更新される。尚、エリア更新テーブル50におけるエリアの区画基準は、案内情報配信サーバ装置3と通信端末6とで共通する基準を用いる。
また、バージョン管理DB46には、案内情報配信サーバ装置3が有する装置側地図情報25に対して通信端末6が有する端末側地図情報48が古いバージョンの地図情報となるエリア(以下、旧情報エリアという)を特定する情報として、エリア識別テーブル(エリア識別情報)51が記憶される。ここで、エリア識別テーブル51は、地図情報の区画単位(例えばメッシュ単位)毎に、旧情報エリアに該当する区画と、旧情報エリアに該当しない区画とを識別するフラグを対応付けたテーブルである。図5にエリア識別テーブル51の一例を示す。
図5では、道路の新設があり、案内情報配信サーバ装置3の有する装置側地図情報25を構成する各メッシュの内、該当するエリアの計9か所のメッシュが以前のバージョン“50”から新たなバージョン“60”へと更新された状態を示す。この状況において、通信端末6の有する端末側地図情報48が現時点でバージョン“60”へと更新が行われる前である場合には、装置側地図情報25がバージョン“60”へと更新されたメッシュについても端末側地図情報48ではバージョン“50”の状態のままである。即ち、案内情報配信サーバ装置3が有する装置側地図情報25に対して通信端末6が有する端末側地図情報48が古いバージョンの地図情報となる旧情報エリアが存在する。図5に示すようにエリア識別テーブル51は、メッシュ単位で旧情報エリアに該当する区画と、旧情報エリアに該当しない区画とを識別するフラグを対応付ける。具体的には、旧情報エリアに該当するメッシュに対しては“0”を対応付け、旧情報エリアに該当しないメッシュに対しては“1”を対応付ける。尚、図5に示す例では、説明を簡略化する為に5×5のメッシュを対象としたエリア識別テーブル51を示しているが、実際のエリア識別テーブル51は全国エリアを構成する各メッシュ(メッシュが複数階層からなる場合にはエリア毎且つ階層毎)を対象としてフラグを対応付けたテーブルとなる。
その結果、ナビゲーションECU33はエリア識別テーブル51を参照することによって、旧情報エリア(即ち案内情報配信サーバ装置3が有する装置側地図情報25に対して通信端末6が有する端末側地図情報48が古いバージョンの地図情報となるエリア)を容易に特定することが可能となる。尚、エリア識別テーブル51は案内情報配信サーバ装置3から送信される情報に基づいて適宜更新される。例えば、装置側地図情報25が新しいバージョンの地図情報へと更新されると、エリア識別テーブル51についてもそれに応じて更新されることとなる。尚、エリア識別テーブル51におけるエリアの区画基準は、案内情報配信サーバ装置3と通信端末6とで共通する基準を用いる。
一方、キャッシュ47は、案内情報配信サーバ装置3から配信された配信案内情報26が一時的に保管される記憶手段である。本実施形態に係る経路探索システム1では、通信端末6で設定された案内経路の周辺であって、通信端末6が有する端末側地図情報48のバージョンが装置側地図情報25よりも古いエリアを対象として、出発地側から順に配信案内情報26が案内情報配信サーバ装置3から配信され、キャッシュ47に記憶される。ここで、配信案内情報26は前述したように最新の地図情報に対応して通信端末6において現在位置の特定、案内経路に沿った走行案内、画像の表示、経路の探索を行う為の情報である。
そして、ナビゲーションECU33は、通信端末6が有する端末側地図情報48のバージョンが装置側地図情報25よりも古いエリアに関しては、端末側地図DB45に格納する古いバージョンの地図情報ではなく、キャッシュ47に格納された新しいバージョンの配信案内情報26を用いて車両の現在位置の特定、案内経路に沿った走行案内、画像の表示等を行う。また、ナビゲーションECU33は、車両が案内経路から離脱して経路の再探索(リルート)を行う場合において、センタールートではなくキャッシュ47に格納された配信案内情報26を用いたローカルルートの探索を行う。
また、キャッシュ47に格納された配信案内情報26は、キャッシュ47の記憶領域が不足した場合には、キャッシュ47に格納された配信案内情報26の内、残存優先度の低いものから優先的に削除される。尚、残存優先度は、例えば車両の現在位置周辺に位置するエリアや、通信端末6で現在設定されている案内経路の周辺に位置するエリアの配信案内情報26が、それ以外のエリアの配信案内情報26よりも高く設定される。
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、通信端末6の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU61、並びにCPU61が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM62、制御用のプログラムのほか、後述の移動案内処理プログラム(図6、図7参照)及び再探索処理プログラム(図9参照)等が記録されたROM63、ROM63から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ64等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU33は、案内情報配信サーバ装置3のECUとともに処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、案内情報受信手段は、案内経路周辺のエリア内において車両の移動案内を行う為の配信案内情報26を、出発地側から順に案内情報配信サーバ装置3から受信する。情報記憶手段は、案内情報配信サーバ装置3から受信した配信案内情報26をキャッシュ47に記憶する。復帰経路探索手段は、車両が案内経路から離脱した場合に、配信案内情報がキャッシュ47に記憶されているエリア内で車両の現在位置から案内経路へと復帰する復帰経路を、配信案内情報に含まれる情報を用いて探索する。経路設定手段は、復帰経路を新たな案内経路に設定する。
操作部34は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)を有する。そして、ナビゲーションECU33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部34は液晶ディスプレイ35の前面に設けたタッチパネルを有しても良い。また、マイクと音声認識装置を有しても良い。
また、液晶ディスプレイ35には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、液晶ディスプレイ35の代わりに、HUDやHMDを用いても良い。
また、スピーカ36は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、端末側地図DB45の更新等が行われる。尚、DVDドライブ37に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
また、通信モジュール38は、例えば、案内情報配信サーバ装置3や更新情報配信サーバ装置4やVICS(登録商標)センタやプローブセンタ等から送信された地図更新情報、経路情報、配信案内情報、交通情報等の各情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
続いて、前記構成を有する経路探索システム1において、案内情報配信サーバ装置3及び通信端末6が実行する移動案内処理プログラムについて図6及び図7に基づき説明する。図6及び図7は本実施形態に係る移動案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、移動案内処理プログラムは、車両のACC電源(accessory power supply)がONされた後に実行され、出発地から目的地までの経路を探索するとともに案内経路に沿った走行案内を行うプログラムである。但し、通信端末6がナビゲーション装置以外である場合には、ACC電源ではなく通信端末6の本体電源が投入された後(起動後)に実行する。尚、以下の図6、図7にフローチャートで示されるプログラムは、案内情報配信サーバ装置3や通信端末6が備えているRAMやROMに記憶されており、CPU21或いはCPU61により実行される。
先ず、図6及び図7に基づいて通信端末6のCPU61が実行する移動案内処理プログラムについて説明する。ステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU61は、端末側地図DB45に格納された端末側地図情報48を新たなバージョンの地図情報へと更新する更新処理を行う。本実施形態は特に差分更新(MOD)により地図情報を更新する。尚、端末側地図情報48新たなバージョンの地図情報へと更新する為のデータ(地図更新情報)は、更新情報配信サーバ装置4において生成され、通信端末6へと配信される。但し、地図更新情報は、メモリーカードやDVD等のメディアを介して取得しても良い。
また、差分更新により更新の対象となるエリアは、基本的には予め登録されたユーザ5の自宅周辺のエリアとする。但し、通信端末6において目的地が設定されている場合には目的地及び案内経路の周辺のエリアについても対象に含める。但し、自宅周辺であれば必ずしも更新対象となるわけではなく、例えば、自宅周辺であっても更新時点で更に新しいバージョンの地図情報が存在するエリアに関しては地図情報の更新をしない(即ち更新対象エリアから除かれる)場合もある。また、処理時間の短縮の為に1回の車両のACCがオンされたタイミングで地図更新情報の取得から端末側地図情報48の更新までを行うのではなく、基本的に2回に分けて処理を行う。即ち、1回目のACCオンされたタイミングで地図更新情報を取得しておき、次回のACCオンされたタイミングで前回取得した地図更新情報を用いて端末側地図情報48の更新を行う。
次に、通信端末6が有するエリア更新テーブル50を更新する。ここで、エリア更新テーブル50は、前述したように地図情報の区画単位(例えばメッシュ単位)毎に、直近に行われた地図情報の更新処理によって更新対象となった更新対象エリアに該当する区画と、更新対象エリアに該当しない区画とを識別するフラグを対応付けたテーブルである(図4参照)。更新対象エリアに該当するメッシュに対してはフラグ“1”を対応付け、更新対象エリアに該当しないメッシュに対してはフラグ“0”を対応付ける。従って、S2においてCPU61は、前記S1によって更新対象となった(実際に新しいバージョンへと更新されたか否かは問わない)メッシュに対応付けたフラグを“1”に、それ以外のメッシュを“0”へと書き換える。
続いて、S3においてCPU61は、通信端末6において経路の目的地を設定する。尚、目的地は基本的に操作部34において受け付けたユーザの操作(例えば登録地点の読出操作、施設の検索や選択操作)に基づいて設定する。
その後、S4においてCPU61は、出発地から目的地への経路の探索を要求する為の経路探索要求を案内情報配信サーバ装置3へと送信する。ここで、経路探索要求には、経路探索要求の送信元の通信端末6を特定する端末IDと、経路探索の探索条件である出発地(例えば車両の現在位置)と前記S3で設定された目的地とを特定する情報とが含まれている。
また、通信端末6において目的地までの経路探索処理を行い、経路探索要求として通信端末6において探索された経路についても送信しても良い。その場合には、案内情報配信サーバ装置3において通信端末6で探索された経路を用いて推奨経路の探索を行うことが可能となる。
その後、S5においてCPU61は、経路探索要求に応じて案内情報配信サーバ装置3から送信された探索経路情報を受信する。ここで、前記S5で受信する探索経路情報は、前記S4で送信した経路探索要求に基づいて案内情報配信サーバ装置3が最新のバージョンの地図情報である装置側地図情報25を用いて探索した出発地から目的地までの推奨経路(以下、サーバ推奨経路という)に関する情報である。そして、CPU61は、基本的に前記S5で受信したサーバ推奨経路を、通信端末6において車両の走行案内を行う対象となる案内経路として設定する。但し、必ずしもサーバ推奨経路そのものを案内経路として設定する必要は無く、サーバ推奨経路の一部を変更した経路を案内経路としても良い。
次に、S6においてCPU61は、案内情報配信サーバ装置3から配信案内情報を要求するエリアである“配信案内情報の要求エリア”を特定する。具体的には、CPU61は、先ず車両の現在位置から目的地方向へ所定距離L以内の案内経路の少なくとも一部を含むメッシュを、“配信案内情報の要求エリア”として特定する。即ち、通信端末6において設定されている案内経路周辺のエリアの配信案内情報を、出発地側から順に要求することとなる。例えば、図8に示す例では車両の現在位置から目的地方向へ所定距離L以内の案内経路71の少なくとも一部を含むメッシュは、メッシュH、M、Q、Rとなる。従って、メッシュH、M、R、Qを“配信案内情報の要求エリア”に特定する。その後、車両の移動に伴ってメッシュC,D,Eも“配信案内情報の要求エリア”に特定されることとなる。尚、所定距離Lは適宜設定することが可能である。また、時間経過とともに所定距離Lを長くしても良い。
次に、S7においてCPU61は、バージョン管理DB46に記憶されたエリア識別テーブル51を取得し、前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”が、案内情報配信サーバ装置3が有する装置側地図情報25に対して通信端末6が有する端末側地図情報48が古いバージョンの地図情報となる旧情報エリアであるか否か判定する。尚、エリア識別テーブル51は、メッシュ単位で旧情報エリアに該当する区画と、旧情報エリアに該当しない区画とを識別したテーブルであり、旧情報エリアに該当するメッシュに対しては“0”が対応付けられ、旧情報エリアに該当しないメッシュに対しては“1”が対応付けられている。
そして、前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”が旧情報エリアでない(フラグ“1”)と判定された場合(S7:YES)、即ち“配信案内情報の要求エリア”について最新の地図情報を通信端末6が有している場合には、S8へと移行する。尚、“配信案内情報の要求エリア”に複数のメッシュを含む場合には、該当する全てのメッシュが旧情報エリアでないと判定された場合にのみS8へと移行する。
S8においてCPU61は、案内経路に基づいて車両の走行案内を行う。例えば、自車位置周辺の道路網を含む地図画像を表示したり、右左折の対象となる案内分岐点が車両の所定距離手前に接近した場合には、案内分岐点の拡大図を表示したり、案内分岐点での車両の進行方向を案内する。また、前記S8においてCPU61は、端末側地図DB45に格納された端末側地図情報48に基づいて上記走行案内を行う。端末側地図情報48は移動案内を行うエリアにおいて最新のバージョンの地図情報、即ち案内経路の探索を行った案内情報配信サーバ装置3と同じバージョンの地図情報を有しているので、端末側地図情報48を用いても、車両の現在位置を正しい位置に特定し、案内交差点では正しい車両の進行方向を案内することが可能となる。
その後、S9においてCPU61は、車両が目的地に到達したか否かを判定する。
そして、車両が目的地に到達したと判定された場合(S9:YES)には、当該移動案内処理プログラムを終了する。それに対して、車両が目的地に到達していないと判定された場合(S9:NO)にはS6へと戻り、新たな車両の現在位置に基づいて“配信案内情報の要求エリア”を特定する。
一方、前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”が旧情報エリアである(フラグ“0”)と判定された場合(S7:NO)、即ち“配信案内情報の要求エリア”について最新の地図情報を通信端末6が有していないと推定される場合には、S10へと移行する。
S10においてCPU61は、前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”の配信案内情報がキャッシュ47に格納されているか否か判定する。尚、本実施形態では案内情報配信サーバ装置3から通信端末6へと配信された配信案内情報は、通信端末6のキャッシュ47に一定期間格納される(S17)。
そして、前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”の配信案内情報がキャッシュ47に格納されていると判定された場合(S10:YES)には、S11へと移行する。尚、“配信案内情報の要求エリア”に複数のメッシュを含む場合には、該当する全てのメッシュの配信案内情報がキャッシュ47に格納されていると判定された場合にのみS11へと移行する。
S11においてCPU61は、案内経路に基づいて車両の走行案内を行う。例えば、自車位置周辺の道路網を含む地図画像を表示したり、右左折の対象となる案内分岐点が車両の所定距離手前に接近した場合には、案内分岐点の拡大図を表示したり、案内分岐点での車両の進行方向を案内する。また、前記S11においてCPU61は、キャッシュ47に格納された配信案内情報26に基づいて上記走行案内を行う。尚、配信案内情報26は、車両のマップマッチングを行うのに必要となるマッチングデータと、案内交差点での右左折案内等の案内経路に沿って車両に走行を行わせる為の案内に必要となる案内データと、地図画像や案内画面を表示する為の表示データとを含むので、端末側地図DB45に格納された端末側地図情報48が最新バージョンでなかったとしても、最新バージョンの地図情報に基づいて探索された案内経路に沿った走行案内を適切に実施することが可能となる。
一方、前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア” の配信案内情報がキャッシュ47に格納されていないと判定された場合(S10:NO)には、S12へと移行する。
S12においてCPU61は、前記S1で直近に行われた地図情報の更新処理において配信された地図更新情報が、端末側地図情報48のバージョンを、案内情報配信サーバ装置3が有する装置側地図情報25のバージョン(即ち最新のバージョン)へと更新する情報であるか否かを判定する。尚、装置側地図情報25のバージョンに関する情報については案内情報配信サーバ装置3から取得する。
そして、前記S1で直近に行われた地図情報の更新処理において配信された地図更新情報が、端末側地図情報48のバージョンを、案内情報配信サーバ装置3が有する装置側地図情報25のバージョン(即ち最新のバージョン)へと更新する情報であると判定された場合(S12:YES)には、S13へと移行する。
一方、前記S1で直近に行われた地図情報の更新処理において配信された地図更新情報が、端末側地図情報48のバージョンを、案内情報配信サーバ装置3が有する装置側地図情報25のバージョン(即ち最新のバージョン)へと更新する情報でないと判定された場合(S12:NO)、即ち“配信案内情報の要求エリア”の端末側地図情報48が直近の更新処理で更新されていたとしても、最新のバージョンとなり得ない場合には、S15へと移行する。尚、前述したように端末側地図情報48の更新は2回のACCがオンされたタイミングで跨って行われるので、端末側地図情報48を更新する為の地図更新情報を取得してから更新が実施されるまでの間に相当の期間が空く場合がある。例えば前回ACCをオンしてから相当期間経過した後に今回ACCをオンした場合がある。そのような場合において直近の更新処理において配信された地図更新情報が、最新のバージョン以外のバージョンへと更新する情報となる状況が生じ得る。
S13においてCPU61は、バージョン管理DB46に記憶されたエリア更新テーブル50を取得し、前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”が、前記S1で直近に行われた地図情報の更新処理において更新対象となった更新対象エリアであるか否か判定する。尚、エリア更新テーブル50は、メッシュ単位で更新対象エリアに該当する区画と、更新対象エリアに該当しない区画とを識別したテーブルであり、更新対象エリアに該当するメッシュに対しては“1”が対応付けられ、更新対象エリアに該当しないメッシュに対しては“0”が対応付けられている。
そして、前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”が更新対象エリアである(フラグ“1”)と判定された場合(S13:YES)、即ち“配信案内情報の要求エリア”の端末側地図情報48について直近の更新処理で最新のバージョンへと更新されている場合には、S14へと移行する。尚、“配信案内情報の要求エリア”に複数のメッシュを含む場合には、該当する全てのメッシュが更新対象エリアであると判定された場合にのみS14へと移行する。尚、エリア識別テーブル51はエリア更新テーブル50と異なり、端末側地図情報48の更新が行われる度に内容が更新されるわけではないので、エリア識別テーブル51では旧情報エリアに区分されている区画が最新バージョンの地図情報である場合が生じ得る。
S14においてCPU61は、案内経路に基づいて車両の走行案内を行う。例えば、自車位置周辺の道路網を含む地図画像を表示したり、右左折の対象となる案内分岐点が車両の所定距離手前に接近した場合には、案内分岐点の拡大図を表示したり、案内分岐点での車両の進行方向を案内する。また、前記S14においてCPU61は、端末側地図DB45に格納された端末側地図情報48に基づいて上記走行案内を行う。端末側地図情報48は移動案内を行うエリアにおいて最新のバージョンの地図情報、即ち案内経路の探索を行った案内情報配信サーバ装置3と同じバージョンの地図情報へと更新されているので、端末側地図情報48を用いても、車両の現在位置を正しい位置に特定し、案内交差点では正しい車両の進行方向を案内することが可能となる。その後、S19へと移行する。
一方、前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”が更新対象エリアでない(フラグ“0”)と判定された場合(S13:NO)、即ち“配信案内情報の要求エリア”の端末側地図情報48が、直近の更新処理で更新されておらず最新のバージョンでない場合には、S15へと移行する。尚、S12とS13の各ステップの判定順序は逆の順序としても良い。
S15においてCPU61は、前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”を対象とした配信案内情報26の要求を案内情報配信サーバ装置3へと送信する。尚、前記S15で配信案内情報26の要求されるエリアは、通信端末6に設定されている案内経路の周辺であって、案内情報配信サーバ装置3が有する装置側地図情報25に対して通信端末6が有する端末側地図情報48が古いバージョンの地図情報となるエリア(対象エリア)である。ここで、配信案内情報26は前述したように案内情報配信サーバ装置3の有する最新バージョンの地図情報に対応して、通信端末6において現在位置の特定、案内経路に沿った走行案内、画像の表示、経路の探索を行う為の情報である。尚、前記S15で送信される配信案内情報の要求には、配信案内情報の要求の送信元の通信端末6を特定する端末IDと、配信案内情報を要求する対象となるエリア(前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”)を特定する情報(例えばメッシュ識別番号)を含む。
その後、S16においてCPU61は、配信案内情報26の要求に応じて案内情報配信サーバ装置3から送信された配信案内情報26を受信する。尚、配信案内情報26は、車両のマップマッチングを行うのに必要となるマッチングデータと、案内交差点での右左折案内等の案内経路に沿って車両に走行を行わせる為の案内に必要となる案内データと、地図画像や案内画面を表示する為の表示データと、経路探索に用いる経路探索データとを含む。即ち、前記S16で受信する配信案内情報26は、車両の現在位置周辺の走行案内を行う対象となるエリアにおいて現在位置の特定、案内経路に沿った走行案内、画像の表示を行う為の情報であるとともに、経路探索についても行うことを可能とする情報である。そして、配信案内情報26は、通信端末6で設定されている案内経路の周辺のエリア(但し端末側地図情報48が最新バージョンの地図情報であるエリアは除かれる)を対象として、メッシュ単位で出発地側から順に案内情報配信サーバ装置3から受信することとなる。
その後、S17においてCPU61は、案内情報配信サーバ装置3から取得した配信案内情報26を通信端末6のキャッシュ47に保管する。尚、配信案内情報26はメッシュ単位で区分されてキャッシュ47に格納される。また、保管された配信案内情報26は、キャッシュ47の残容量が少なくなった場合に必要に応じて削除される。
次に、S18においてCPU61は、案内経路に基づいて車両の走行案内を行う。例えば、自車位置周辺の道路網を含む地図画像を表示したり、右左折の対象となる案内分岐点が車両の所定距離手前に接近した場合には、案内分岐点の拡大図を表示したり、案内分岐点での車両の進行方向を案内する。また、前記S18においてCPU61は、前記S16において案内情報配信サーバ装置3から配信された配信案内情報26に基づいて上記走行案内を行う。尚、配信案内情報26は、車両のマップマッチングを行うのに必要となるマッチングデータと、案内交差点での右左折案内等の案内経路に沿って車両に走行を行わせる為の案内に必要となる案内データと、地図画像や案内画面を表示する為の表示データとを含むので、端末側地図DB45に格納された端末側地図情報48が最新バージョンでなかったとしても、最新バージョンの地図情報に基づいて探索された案内経路に沿った走行案内を適切に実施することが可能となる。その後、S19へと移行する。
次に、案内情報配信サーバ装置3のCPU21が実行する移動案内処理プログラムについて説明する。
先ず、S21においてCPU21は、通信端末6から送信される経路探索要求を受信する。尚、経路探索要求には、経路探索要求の送信元の通信端末6を特定する端末IDと、経路探索の探索条件である出発地(例えば車両の現在位置)と前記S3で設定された目的地とを特定する情報とが含まれている。
次に、S22においてCPU21は、前記S21で受信した経路探索要求と、案内情報配信サーバ装置3が有する装置側地図情報25とを用いて、出発地から目的地までの経路探索処理を行い、出発地から目的地までの推奨経路(サーバ推奨経路)を特定する。経路探索要求としては、通信端末6において探索された経路(以下、端末推奨経路という)を含めても良い。尚、CPU21は、端末推奨経路を受信した場合においては、端末推奨経路の少なくとも一部を含む経路をサーバ推奨経路としても良い。例えば、出発地から所定距離以内の端末推奨経路に接続する目的地までの経路を探索し、出発地から所定距離以内の端末推奨経路と探索された経路とを組み合わせた経路をサーバ推奨経路としても良い。
続いて、S23においてCPU21は、前記S22で特定したサーバ推奨経路を特定する探索経路情報を、経路探索要求の送信元の通信端末6に対して送信する。その結果、サーバ推奨経路が通信端末6において案内経路に設定されることとなる。
その後、S24においてCPU21は、案内経路が設定された後の通信端末6から送信される配信案内情報26の要求を受信する。尚、配信案内情報26の要求には、配信案内情報の要求の送信元の通信端末6を特定する端末IDと、配信案内情報を要求する対象となるエリア(前記S6で特定された“配信案内情報の要求エリア”)を特定する情報(例えばメッシュ番号)とが含まれている。
続いて、S25においてCPU21は、前記S24で受信した配信案内情報26の要求に基づいて、装置側地図DB12から該当するエリアの配信案内情報26を抽出する。
その後、S26においてCPU21は、前記S25で抽出された配信案内情報26を要求のあった通信端末6へと送信する。その結果、通信端末6において案内情報配信サーバ装置3から配信された配信案内情報26に基づく走行案内が行われる(S18)。
続いて、経路探索システム1において通信端末6が実行する再探索処理プログラムについて図9に基づき説明する。図9は本実施形態に係る再探索処理プログラムのフローチャートである。ここで、再探索処理プログラムは、車両が案内経路から離脱した場合に通信端末6において実行され、出発地から目的地までの経路を再探索(リルート)するプログラムである。
先ず、図9に基づいて通信端末6のCPU61が実行する再探索処理プログラムについて説明する。S31においてCPU61は、キャッシュ47に記憶されている配信案内情報26を読み出し、配信案内情報26がキャッシュ47に記憶されているエリアを特定する。更に、現時点で通信端末6が有する端末側地図情報48が最新のバージョンの地図情報となっているエリア(即ち配信案内情報26の配信対象とならないエリア)についても特定する。尚、現時点で端末側地図情報48が最新のバージョンの地図情報となっているエリアについては、エリア更新テーブル50(図4)やエリア識別テーブル51(図5)に基づいて特定可能である。また、前記S31においてエリアはメッシュ単位で特定される。
次に、S32においてCPU61は、前記S31で特定されたエリアに含まれるメッシュ毎に、各メッシュ内に含まれる各リンクや交差点に対して、経路探索を行う為のコストを算出して付与する。具体的には、交差点に対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、交差点コストという)や道路を構成するリンクに対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、リンクコストという)等を算出して付与する。尚、リンクコストや交差点コストの算出方法については既に公知であるので説明は省略する。
続いて、S33においてCPU61は、前記S32でコストの付与されたリンクが、現在の通信端末6で設定された案内経路に含まれるか否かを判定する。
そして、前記S32でコストの付与されたリンクが現在の通信端末6で設定された案内経路に含まれると判定された場合(S33:YES)には、前記S31で特定されたエリア内で現在位置から案内経路へと復帰する経路が探索できると推定し、S34へと移行する。それに対して、前記S32でコストの付与されたリンクが現在の通信端末6で設定された案内経路に含まれていないと判定された場合(S33:NO)には、前記S31で特定されたエリア内で現在位置から案内経路へと復帰する経路が探索できないと推定し、S36へと移行する。
S34においてCPU61は、キャッシュ47に格納された配信案内情報26を用いて、前記S31で特定されたエリア内で車両の現在位置から案内経路へと復帰する経路(以下、復帰経路という)を探索する。ここで、配信案内情報26は前述したように経路探索に用いる経路探索データを含んでいる。また、配信案内情報26は基本的に最も低いレベル(道路網の情報量の最も多い)であるレベル0の階層の地図情報に含まれる情報である。従って、前記S34の経路探索処理についてもレベル0の地図情報に基づいた経路探索が行われることとなる。尚、端末側地図情報48が最新バージョンの地図情報であるエリアについては、端末側地図情報48を用いても良い。また、前記S34の復帰経路の探索は例えば公知のダイクストラ法を用いる。尚、ダイクストラ法を用いた経路探索処理は既に公知であるので詳細は省略する。
また、案内経路に復帰可能な経路が複数本ある場合には、各経路のコスト値及び案内経路の一部のコスト値を比較して、基本的にコスト値の合計が最小となる経路を復帰経路として選択するのが望ましい。例えば、図10に示すように案内経路71が通信端末6で設定されている状態において、前記S34において復帰経路の候補として経路72と経路73が探索された場合には、区間Aと区間Bのコスト値の合計と、区間Cのコスト値の合計を比較する。そして、区間Aと区間Bのコスト値の合計の方が小さければ、経路72を復帰経路として選択する。一方、区間Cのコスト値の方が小さければ、経路73を復帰経路として選択する。
その後、S35においてCPU61は、前記S34で探索された復帰経路を新たな案内経路として設定する。そして、設定された案内経路に基づいて車両の走行案内が実施される。例えば、図11に示す案内経路71が通信端末6で設定され、且つメッシュH、M、Q、Rの配信案内情報26がキャッシュ47に格納されている状態において、車両が案内経路71から外れた場合には、メッシュH、M、Q、R内で車両の現在位置から案内経路へと復帰する復帰経路74が探索される。そして、探索された復帰経路74と復帰経路74の接続点から目的地までの区間の案内経路71とを接続した経路が、通信端末6の新たな案内経路75として設定される。
尚、前記S34の処理の結果、前記S31で特定されたエリア内で案内経路へと復帰する復帰経路が探索できない場合(例えば図8ではメッシュH、M、Q、R内に収まる復帰経路が探索できない場合)、或いは探索できたとしても明らかに不適切な経路(例えば、著しくコストが高い、走行に必要な料金が高い、著しく経路が長い等)である場合については、S35ではなくS36へと移行するのが望ましい。
S36においてCPU61は、通信端末6が有する端末側地図情報48を用いて現在位置から目的地までの経路の探索を行う通常の再経路探索(リルート)処理を行う。
その後、S35においてCPU61は、前記S36で探索された経路を新たな案内経路として設定する。そして、設定された案内経路に基づいて車両の走行案内が実施される。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る経路探索システム1、通信端末6及び通信端末6で実行されるコンピュータプログラムでは、通信端末6において設定された案内経路の周辺のエリア内において車両の移動案内を行う為の配信案内情報26を、出発地側から順に案内情報配信サーバ装置3から受信して走行案内に用いる(S11、S18)とともに、受信した配信案内情報をキャッシュ47に記憶する(S17)。そして、車両が案内経路から離脱した場合には、配信案内情報26がキャッシュ47に記憶されているエリア内で車両の現在位置から案内経路へと復帰する復帰経路を、案内情報に含まれる情報を用いて探索し(S34)、探索された復帰経路を新たな案内経路に設定する(S35)ので、車両が案内経路から離脱した直後に案内経路に基づく走行案内が行われない事象が生じることをできる限り防止することが可能となる。また、過去に案内情報配信サーバ装置3から配信された配信案内情報を用いて経路探索を行うことによって、通信端末6が有する地図情報が古いバージョンの地図情報であった場合でも、新しい地図情報に基づく適切な案内経路を設定することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では案内経路周辺のエリアであって、且つ案内情報配信サーバ装置3が有する装置側地図情報25に対して通信端末6が有する端末側地図情報48が古いバージョンの地図情報となるエリアを対象として配信案内情報26を配信しているが、バージョンを問わず案内経路周辺の全てのエリアを配信案内情報26の配信対象としても良い。その場合には、前記S31ではCPU61は、配信案内情報26がキャッシュ47に記憶されているエリアのみを特定しても良い。また、S34においてCPU61は、端末側地図情報48を用いずに配信案内情報26のみを用いて復帰経路の探索を行うことも可能である。また、エリア更新テーブル50やエリア識別テーブル51は必ずしも必要でない。
また、本実施形態では、通信端末6の電源がオンされた直後に端末側地図情報48の差分更新(MOD)を行う(S1)こととしているが、差分更新については行わない構成としても良い。その場合には、更新情報配信サーバ装置4が不要となる。また、S1、S2、S12、S13、S14の処理について省略可能となる。
また、本実施形態では、復帰経路の探索を行う対象となるエリアを、配信案内情報26がキャッシュ47に記憶されているエリア、及び現時点で通信端末6が有する端末側地図情報48が最新のバージョンの地図情報となっているエリアとしているが、配信案内情報26がキャッシュ47に記憶されているエリアのみを対象としても良い。
また、本実施形態では、通信端末6は、案内経路周辺のエリアを対象として配信案内情報26を案内情報配信サーバ装置3から要求する構成としているが、その他のエリアも対象として配信案内情報26を案内情報配信サーバ装置3から要求しても良い。例えば、自宅周辺や特定の施設周辺などがある。
また、本実施形態では、経路探索処理を案内情報配信サーバ装置3が行う構成としているが、通信端末6が行っても良い。その場合には、S4及びS5の処理は不要となる。また、案内経路が設定されていない状態においてS6以降の処理を行うことも可能である。その場合には車両の現在位置周辺を配信案内情報26の要求エリアとする。
また、本実施形態では、エリア更新テーブル50やエリア識別テーブル51は地図情報のメッシュ単位で更新対象エリアや旧情報エリアに該当するメッシュと該当しないメッシュとを識別したテーブルである(図4、図5)が、メッシュ単位ではなく例えば市区町村等の行政区画単位で識別しても良い。
また、本実施形態では、配信案内情報26は地図情報のメッシュ単位で区分された情報であるが、配信案内情報26はメッシュ単位ではなく例えば市区町村等の行政区画単位で区分した情報であっても良い。
また、本発明に係る通信端末、経路探索システム及びコンピュータプログラムを具体化した実施例について上記に説明したが、通信端末は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
サーバ装置(3)と双方向通信可能に接続され、前記サーバ装置へと目的地への経路探索要求を送信するとともに、前記経路探索要求に応じて前記サーバ装置において探索及び配信された経路を取得して案内経路として設定する通信端末(6)において、前記案内経路周辺のエリア内において移動体の移動案内を行う為の案内情報(26)を、出発地側から順に前記サーバ装置から受信する案内情報受信手段(61)と、前記サーバ装置から受信した前記案内情報を記憶媒体(47)に記憶する情報記憶手段(61)と、移動体が前記案内経路から離脱した場合に、前記案内情報が前記記憶媒体に記憶されているエリア内で移動体の現在位置から前記案内経路へと復帰する復帰経路を、前記案内情報に含まれる情報を用いて探索する復帰経路探索手段(61)と、前記復帰経路を新たな案内経路に設定する経路設定手段(61)と、を有する。
上記構成を有する通信端末によれば、経路探索システム及びコンピュータプログラムによれば、移動体が案内経路から離脱した直後に案内経路に基づく移動案内が行われない事象が生じることをできる限り防止することが可能となる。また、過去にサーバ装置から配信された案内情報を用いて経路探索を行うことによって、通信端末が有する地図情報が古いバージョンの地図情報であった場合でも、新しい地図情報に基づく適切な案内経路を設定することが可能となる。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記サーバ装置(3)が有する装置側地図情報(25)に対して前記通信端末(6)が有する端末側地図情報(48)が古いバージョンの地図情報となるエリアである対象エリアを特定するエリア特定手段(61)を有し、前記案内情報受信手段(61)は、前記案内経路周辺のエリア内で且つ前記対象エリアを対象として、前記サーバ装置から前記案内情報(26)を受信し、前記復帰経路探索手段(61)は、前記案内情報が前記記憶媒体に記憶されているエリアに加えて前記対象エリアに該当しないエリアも対象として前記復帰経路を探索する。
上記構成を有する通信端末によれば、通信端末が有する地図情報のバージョンが古く、案内情報が必要とされるエリアのみを対象として案内情報をサーバ装置から取得することが可能となる。その結果、案内情報の通信に係る負担を軽減できる。そして、案内情報が記憶されたエリアに加えて通信端末が最新の地図情報を有するエリアも対象として復帰経路の探索を行うことによって、案内情報の通信の負担を軽減しつつ、より広いエリアを対象として新しい地図情報に基づく復帰経路の探索を行うことが可能である。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記案内情報(26)は、前記サーバ装置が有する装置側地図情報(25)に基づいて移動体の移動案内を行う為の情報である。
上記構成を有する通信端末によれば、通信端末の有する地図情報がサーバ装置の有する地図情報と比べて古いバージョンの地図情報であったとしても、サーバ装置が有する最新の地図情報に基づく移動体の移動案内や復帰経路の探索を行うことが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記案内情報受信手段(61)は、前記案内情報(26)を地図情報の区画単位で受信し、前記情報記憶手段は、前記サーバ装置から受信した前記案内情報を地図情報の区画単位で前記記憶媒体(47)に記憶する。
上記構成を有する通信端末によれば、案内情報の通信及び管理が容易となるとともに、必要な案内情報のみを記憶媒体から迅速に読み出すことが可能となる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記復帰経路探索手段(61)によって前記復帰経路を探索することができない場合には、移動体の現在位置から目的地までの経路を、前記通信端末(6)が有する端末側地図情報(48)を用いて探索し、探索された経路を新たな案内経路に設定する。
上記構成を有する通信端末によれば、移動体が案内経路から離脱した直後に新しい地図情報に基づく復帰経路が探索できない場合であっても、少なくとも案内経路に基づく移動案内が行われない事象が生じることについては防止することが可能となる。