JP2018119753A - 可搬式の送風装置 - Google Patents

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Hiroshi Hamada
浩 浜田
敬太 森本
Keita Morimoto
敬太 森本
淳 安部井
Atsushi Abei
淳 安部井
山本 敏博
Toshihiro Yamamoto
敏博 山本
壽久 内藤
Toshihisa Naito
壽久 内藤
章太 茶谷
Shota Chatani
章太 茶谷
邦枝 中江
Kunie Nakae
邦枝 中江
亜弥 飯村
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Abstract

【課題】快適性を向上させることの可能な可搬式の送風装置を提供する。
【解決手段】可搬式の送風装置10は、熱交換部100と、撹拌ケース200と、支持部材300とを備える。熱交換部100は、蓄熱材が充填された蓄熱容器を内部に収容する空間部を有する熱交換ケース110を有し、蓄熱容器の外周面と熱交換ケース110の内周面との間を流れる空気と蓄熱材との間で熱交換が行われるとともに、蓄熱材と熱交換の行われた空気を熱交換ケース110の外部に吹き出す。撹拌ケース200及び支持部材300は、蓄熱容器の内部の蓄熱材を撹拌する。
【選択図】図1

Description

本開示は、可搬式の送風装置に関する。
従来、特許文献1に記載の可搬式の送風装置がある。特許文献1に記載の送風装置は、断熱性を有する保冷容器と、保冷容器の内部に収容される蓄冷材と、保冷容器内の空気を外部に排出するファンとを備えている。蓄冷材は、飲料が入った飲料容器を冷凍したものである。保冷容器の下部には、保冷容器の内部に空気を吸入するための吸気口が形成されている。保冷容器の上部には、保冷容器の内部を通過した空気を外部に吹き出す吹出口が形成されている。ファンは、吹出口に配置されている。ファンは、保冷容器の内部の空気を吸い込むとともに、吸い込んだ空気を吹出口を介して保冷容器の外部に流す。このファンにより生成される空気流により、保冷容器の吸気口から空気が吸い込まれるとともに、この空気が蓄冷材を通過した後、吹出口から吹き出される。この送風装置では、ファンにより送風される空気が保冷容器の内壁面と蓄冷材の外周面との間の隙間を通過する際に、蓄冷材と空気との間で熱交換が行われることにより、空気が冷却される。
実用新案登録第3115995号公報
ところで、特許文献1に記載の送風装置では、ファンにより送風される空気が蓄冷材の外周面を流れるため、蓄冷材の外周面の部分が融解し易い。すなわち、蓄冷材の外周面は、内部と比較して、温度が上昇し易い。蓄冷材の外周面の部分が融解すると、融解した蓄冷材と空気との間で主に熱交換が行われるようになるため、空気の熱交換効率が低下する。結果的に、吹出口から吹き出される冷風の温度が上昇してしまうため、送風装置を使用するユーザの快適性が低下するおそれがある。
なお、このような課題は、冷却された蓄熱材を用いる送風装置に限らず、加熱された蓄熱材を用いて空気を加熱することにより吹出口から温風を吹き出す送風装置にも共通する課題である。
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、快適性を向上させることの可能な可搬式の送風装置を提供することにある。
上記課題を解決する可搬式の送風装置(10)は、熱交換部(100)と、撹拌部(200,300,800)と、を備える。熱交換部は、蓄熱材が充填された蓄熱容器を内部に収容する空間部(114)を有する熱交換ケース(110)を有し、蓄熱容器の外周面と熱交換ケースの内周面との間を流れる空気と蓄熱材との間で熱交換が行われるとともに、蓄熱材と熱交換の行われた空気を熱交換ケースの外部に吹き出す。撹拌部は、蓄熱容器の内部の蓄熱材(141,142)を撹拌する。
この構成によれば、撹拌部により蓄熱材が撹拌されることにより、蓄熱材の温度を均一化させることができるため、蓄熱材において蓄熱容器の外周部分に位置する部位の温度が局所的に空気の温度に近づくことを抑制することができる。これにより、蓄熱材と空気とに温度差の有る状態を長時間にわたって維持することが可能となるため、蓄熱材と空気との熱交換効率の低下を抑制することができる。結果的に、熱交換部から吹き出される空気の温度を維持することが可能となるため、快適性を向上させることができる。
なお、上記手段、及び特許請求の範囲に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本開示によれば、快適性を向上させることの可能な可搬式の送風装置を提供できる。
図1は、第1実施形態の可搬式の送風装置の断面構造を示す断面図である。 図2は、第1実施形態の熱交換部の断面構造を示す断面図である。 図3は、図2のII−II線に沿った断面構造を示す断面図である。 図4は、図1のIV−IV線に沿った断面構造を示す断面図である。 図5は、第1実施形態の可搬式の送風装置の使用例を示す断面図である。 図6は、第2実施形態の可搬式の送風装置の断面構造を示す断面図である。 図7は、第2実施形態の熱交換ケースの上蓋部の平面構造を示す平面図である。 図8は、第2実施形態の熱交換ケースの上蓋部の側面構造を示す側面図である。 図9は、第2実施形態の撹拌ケースの上蓋部の断面構造を示す断面図である。 図10は、図9のX−X線に沿った断面構造を示す断面図である。 図11は、第2実施形態の可搬式の送風装置の断面構造を示す断面図である。 図12は、第2実施形態の可搬式の送風装置の断面構造を示す断面図である。 図13は、第2実施形態の可搬式の送風装置の断面構造を示す断面図である。 図14は、第2実施形態の可搬式の送風装置の断面構造を示す断面図である。 図15は、第3実施形態の可搬式の送風装置の断面構造を示す断面図である。 図16は、第3実施形態の変形例の可搬式の送風装置の断面構造を示す断面図である。 図17は、第3実施形態の変形例の撹拌棒の断面構造を示す断面図である。
<第1実施形態>
以下、可搬式の送風装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、本実施形態の送風装置10は、持ち運びの可能な可搬式の送風装置である。送風装置10は、熱交換部100と、撹拌ケース200と、支持部材300と、ミスト発生器400とを備えている。
図2に示されるように、熱交換部100は、熱交換ケース110と、ファン装置120と、台座130と、支持部材150と、ホース160,161とを備えている。
熱交換ケース110は、本体部111と、上蓋部112と、底蓋部113とを有している。熱交換ケース110は、例えば合成樹脂により形成される。
本体部111は、軸線mを中心に筒状に形成されている。本体部111の内部は、後述する蓄熱容器140が収容される空間部114を有している。以下、軸線mに平行な方向を「熱交換ケース110の軸方向」とも称する。本体部111の内周面には、断熱材が被覆されている。なお、本体部111を含め、熱交換ケース110全体が断熱材により形成されていてもよい。
本体部111の上端部には、雄ねじからなるねじ山が外周面に形成された雄ねじ部111aが設けられている。また、本体部111には、雄ねじ部111aに対して本体部111の中央寄りに隣接して拡径部111bが形成されている。拡径部111bは、本体部111の中央部付近の部位よりも外径が大きく形成された部分である。本体部111には、その中央部から拡径部111bに至る部分に段差部111cが形成されている。送風装置10では、ユーザが段差部111cに指等を引っ掛けることにより、ユーザが送風装置10を持ち易くなっている。
本体部111の下端部にも、雄ねじからなるねじ山が外周面に形成された雄ねじ部111dが設けられている。また、本体部111における雄ねじ部111dよりも本体部111の中央寄りの部位には、吹出口111eが形成されている。吹出口111eは、本体部111の内周面から外周面に貫通するように形成されている。熱交換ケース110の内部の空気は、この吹出口111eから熱交換ケース110の外部に吹き出される。
上蓋部112は、軸線mを中心に筒状に形成されている。上蓋部112における下端部の内周面には、雌ねじからなるねじ山が形成された雌ねじ部112aが設けられている。この雌ねじ部112aが本体部111の雄ねじ部111aに対してねじ作用により嵌め込まれている。すなわち、上蓋部112は、本体部111の上端部に着脱可能に組み付けられている。
上蓋部112の外周面は、本体部111の拡径部111bの外周面と面一となっている。上蓋部112の上端部の開口部は、熱交換ケース110の外部の空気を熱交換ケース110の内部に吸入するための吸入口112bである。上蓋部112の吸入口112bには、その内部空間を格子状に区画するように網目部112cが配置されている。網目部112cは、上蓋部112の内壁面に一体的に形成されている。網目部112cは、熱交換ケース110の外部から内部への空気の吸入を可能としつつ、その外部から内部への異物の進入を防ぐ部分として機能する。
上蓋部112の吸入口112bの中央部には、ファン装置120が装着される装着部112dが形成されている。詳しくは、装着部112dは、有底筒状に形成されている。装着部112dの開口部の内周面には、その内部に突出する突出爪112eが形成されている。この突出爪112eにファン装置120の係合部121が係合することにより、ファン装置120が上蓋部112に一体的に組み付けられている。
上蓋部112の内周面には、スイッチ装置122が一体的に設けられている。スイッチ装置122は、ファン装置120の駆動及び停止を切り替えるためのものである。すなわち、ユーザは、網目部112cの隙間に指を差し込んでスイッチ装置122をオン/オフさせることにより、ファン装置120の駆動及び停止を切り替えることができる。
ファン装置120は、スイッチ装置122がオン操作された際に、図示しない電池から供給される電力に基づき回転することにより、熱交換ケース110の外部の空気を吸入口112bを介して熱交換ケース110の内部に吸入する。熱交換ケース110の内部に吸入された空気は、熱交換ケース110の吹出口111eから熱交換ケース110の外部に吹き出される。
底蓋部113は、軸線mを中心に有底筒状に形成されている。底蓋部113の上端部における開口部の内周面には、雌ねじからなるねじ山が形成された雌ねじ部113aが設けられている。この雌ねじ部113aが本体部111の雄ねじ部111dに対してねじ作用により嵌め込まれている。すなわち、底蓋部113は、本体部111の下端部に着脱可能に組み付けられている。
底蓋部113の内周面には、本体部111の径方向内側に突出する突出部113bが一体的に形成されている。突出部113bは、円環状に形成されている。突出部113bには、台座130が着座している。突出部113bの基端部には、軸線mに平行な方向に突出部113bを貫通する複数の貫通孔113cが形成されている。底蓋部113の側壁部には、底蓋部113の内周面から外周面に貫通する排水口113dが形成されている。底蓋部113には、蓄熱容器140の蓄熱材と空気との熱交換により蓄熱容器140の外周面に生成される凝縮水が貯留される。排水口113dは、この底蓋部113に貯留される凝縮水を熱交換ケース110の外部に排出する部分である。
台座130は、その下端部から上端部に向かって先細りとなるように筒状に形成されている。台座130の底面は、突出部113bに着座している。台座130の上面は、蓄熱容器140を載せるための載置面となっている。台座130の下端部には、突出部113bの貫通孔113cに連通される貫通孔131が形成されている。
蓄熱容器140は、例えば飲料水が内部に充填された飲料容器である。蓄熱容器140は、ファン装置120により熱交換ケース110の内部に吸入される空気と熱交換することにより、空気を冷却する。熱交換ケース110の本体部111から上蓋部112が取り外されることにより、蓄熱容器140を本体部111の内部に収容すること、及び蓄熱容器140を本体部111の内部から取り出すことが可能となる。本実施形態では、熱交換ケース110の吹出口111eから冷風を吹き出すために、蓄熱容器140として、例えば内部に充填されている飲料水等が凍った状態となっている飲料容器が用いられる。この場合、蓄熱容器140の内部に充填されている飲料水が、冷熱を蓄える蓄熱材となる。
支持部材150は、熱交換ケース110の内部に収容された蓄熱容器140を弾性支持する。図3に示されるように、支持部材150は、軸材151a〜151cと、板材152a〜152cとを有している。支持部材150は、弾性変形可能であって、且つ伝熱性を有するステンレス鋼等の金属材料により形成されている。
軸材151a〜151cは、軸線mに平行な方向に延びるように棒状に形成されるとともに、軸線mを中心とする周方向に等角度に配置されている。軸材151a〜151cは熱交換ケース110の本体部111の内周面に固定されている。
板材152aは、軸材151aと軸材151bとの間に配置されるとともに、それらに一体的に接合されている。板材152bは、軸材151bと軸材151cとの間に配置されるとともに、それらに一体的に接合されている。板材152cは、軸材151cと軸材151aとの間に配置されるとともに、それらに一体的に接合されている。
支持部材150は、蓄熱容器140が取り出されている状態において、熱交換ケース110の軸方向に直交する断面形状が三角筒状となるように形成されている。蓄熱容器140が支持部材150の内部に収容された場合には、支持部材150は、図3に示されるように弾性変形する。すなわち、板材152a〜152cのそれぞれの内周面が蓄熱容器140の外周面に接触することにより、板材152a〜152cが、軸線mを中心とする径方向外側、すなわち熱交換ケース110の径方向外側に弾性変形する。これにより、板材152a〜152cから蓄熱容器140に弾性力が付与されるため、この弾性力により蓄熱容器140が支持される。
図2に示されるように、ホース160は、熱交換ケース110の外周面における吹出口111eの開口部分に固定して設けられている。すなわち、ホース160には、蓄熱容器140の蓄熱材と空気との熱交換により生成される冷風が流れ込む。ホース160に流れ込んだ冷風は、ホース160の内部を通過してホース160の先端部から吹き出される。ホース160は蛇腹状に形成されている。すなわち、ホース160は変形可能である。
ホース161は、熱交換ケース110の外周面における排水口113dの開口部分に固定して設けられている。すなわち、ホース161には、底蓋部113に貯留される凝縮水が排水口113dを介して流れ込む。ホース161に流れ込んだ凝縮水は、ホース161の内部を通過してホース161の先端部から排出される。ホース161は蛇腹状に形成されている。すなわち、ホース161は変形可能である。
図1に示されるように、撹拌ケース200は、熱交換ケース110の外周面との間に隙間が形成されるように熱交換部100を内部に収容している。撹拌ケース200は、本体部210と、上蓋部220とを備えている。
本体部210は、軸線mを中心に有底筒状に形成されている。本体部210の内周面と熱交換ケース110の外周面との間には隙間が形成されている。したがって、熱交換部100は、本体部210の内部において本体部210に対して相対移動可能である。熱交換部100は、本体部210の上端部の開口部分から本体部210の内部に挿入される。本体部210の側壁部には、その内周面から外周面に貫通する貫通孔211,212が形成されている。貫通孔211には、本体部210の内部から外部に向かって延びるようにホース160が挿し通されている。貫通孔212には、本体部210の内部から外部に向かって延びるようにホース161が挿し通されている。本体部210の内周面には、断熱材が被覆されている。なお、本体部210を含め、撹拌ケース200全体が断熱材により形成されていてもよい。
上蓋部220は、本体部210の上部の開口部分を閉塞するように設けられている。上蓋部220は、軸線mを中心に筒状に形成されている。上蓋部220は、クリップ230により本体部210に一体的に組み付けられている。上蓋部220の上端部の開口部分は、撹拌ケース200の外部の空気を熱交換部100に吸入するための吸入口221である。上蓋部220の吸入口221には、その内部空間を格子状に区画する網目部222が配置されている。網目部222は、上蓋部220の内壁面に一体的に形成されている。網目部222は、撹拌ケース200の外部から内部への空気の吸入を可能としつつ、その外部から内部への進入を防ぐ部分として機能する。
図1及び図4に示されるように、支持部材300は、熱交換ケース110と撹拌ケース200との間に配置されている。支持部材300は、軸線mを中心とする周方向に等角度間隔で4つ設けられている。支持部材300は、スプリングや板バネ、ゴム等の弾性部材からなる。支持部材300は、熱交換ケース110及び撹拌ケース200の少なくとも一方に固定されている。支持部材300は、熱交換ケース110を撹拌ケース200に対して相対移動可能に四方から弾性支持している。
図1に示されるように、ミスト発生器400は、撹拌ケース200の側面に取り付けられている。ミスト発生器400は、熱交換部100のホース161に接続されている。ミスト発生器400は、ホース161から排出される凝縮水を利用してミストを生成するとともに、生成されたミストを外部に放出する。
次に、本実施形態の送風装置10の動作例について説明する。
送風装置10をユーザが使用する前の時点では、熱交換ケース110の内部に蓄熱容器140が収容されていない。そのため、送風装置10を使用するための準備として、ユーザは熱交換ケース110の内部に蓄熱容器140を収容する必要がある。すなわち、ユーザは、熱交換ケース110の本体部111から上蓋部112を取り外した後、本体部111の内部に、より詳しくは支持部材150の内部に蓄熱容器140を収容する。この際、支持部材150が図2に示されるように弾性変形することにより、蓄熱容器140が支持部材150により弾性支持される。その後、ユーザが熱交換ケース110の本体部111に上蓋部112を組み付けることにより、熱交換部100の使用準備が完了する。
その後、撹拌ケース200の本体部210から上蓋部220を取り外した後、撹拌ケース200の本体部210の内部に熱交換部100を挿入する。続いて、ユーザが撹拌ケース200の本体部210に上蓋部220を取り付けた後、クリップ230により上蓋部220を本体部210に一体的に組み付けることにより、送風装置10の使用準備が完了する。
ユーザは、送風装置10から冷風を吹き出す際には、スイッチ装置122をオン操作すればよい。スイッチ装置122がオン操作されると、ファン装置120により撹拌ケース200の吸入口221及び熱交換ケース110の吸入口112bから熱交換ケース110の内部に空気が吸入される。この空気は、図2に示される蓄熱容器140の外周面と支持部材150の内周面との間の隙間、及び支持部材150の外周面と熱交換ケース110の内周面との間の隙間を通過する。
ファン装置120から送風される空気が蓄熱容器140の外周面を通過する際、蓄熱容器140に充填される蓄熱材と空気との間で熱交換が行われることにより空気が冷却され、冷風が生成される。また、支持部材150が蓄熱容器140に接触しているため、蓄熱容器140から支持部材150に冷熱が伝達される。よって、ファン装置120から送風される空気が支持部材150の内周面及び外周面を通過する際、空気と支持部材150との間で熱交換が行われることにより、空気が更に冷却される。このようにして生成された冷風は、熱交換ケース110の吹出口111eからホース160を通じて撹拌ケース200の外部に吹き出される。
一方、蓄熱材と空気との熱交換により蓄熱容器140の外周面には凝縮水が生成される。この凝縮水は、蓄熱容器140の外周面を下方に向かって流れるとともに、台座130の貫通孔131及び突出部113bの貫通孔113cを通過して熱交換ケース110の底部113eに貯留される。この凝縮水がホース161を通じてミスト発生器400に供給されることにより、ミスト発生器400からミストが放出される。
また、図5に示されるように、本実施形態の送風装置10を例えばベビーカーの支柱500に取り付けた場合、ベビーカーを動かす際にベビーカーに発生する振動が支柱500を介して送風装置10に伝達される。これにより、撹拌ケース200が振動するため、撹拌ケース200の内部に支持された熱交換部100も振動する。よって、蓄熱容器140の内部に充填された蓄熱材が撹拌される。この際、支持部材300から熱交換部100に付与される弾性力により、熱交換部100が撹拌ケース200に対して弾性振動するため、蓄熱容器140の内部に充填された蓄熱材が撹拌され易い。
以上説明した本実施形態の可搬式の送風装置10によれば、以下の(1)〜(3)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)蓄熱容器140の内部の蓄熱材が撹拌されることにより、蓄熱材の温度を均一化させることができるため、蓄熱材において蓄熱容器140の外周部分に位置する部位の温度が局所的に空気の温度に近づくことを抑制することができる。これにより、蓄熱材と空気とに温度差のある状態を長時間にわたって維持することが可能となるため、蓄熱材と空気との熱交換効率の低下を抑制することができる。結果的に、熱交換部100から吹き出される空気の温度を維持することが可能となるため、快適性を向上させることができる。
(2)蓄熱容器140の内部の蓄熱材を撹拌する撹拌部が、撹拌ケース200及び支持部材300により構成されている。これにより、蓄熱材を容易に撹拌させることができる。
(3)支持部材300は、熱交換ケース110を撹拌ケース200に対して弾性支持する弾性部材からなる。これにより、熱交換ケース110が撹拌ケース200に対して弾性振動するようになるため、蓄熱材を更に撹拌させることができる。
<第2実施形態>
次に、可搬式の送風装置10の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態の送風装置10との相違点を中心に説明する。
図6に示されるように、本実施形態の送風装置10は、撹拌ケース200に対する熱交換ケース110の相対移動をガイドする上側ガイド部600及び下側ガイド部700を備えている。上側ガイド部600は、撹拌ケース200に対する熱交換ケース110の上端部の相対移動をガイドする。下側ガイド部700は、撹拌ケース200に対する熱交換ケース110の下端部の相対移動をガイドする。
上側ガイド部600は、熱交換ケース110の上蓋部112に形成される突出部112fと、撹拌ケース200の上蓋部220に形成されるガイド溝223とにより構成されている。
図7及び図8に示されるように、突出部112fは、熱交換ケース110の上蓋部112の外周面から熱交換ケース110の径方向外側に延びるように2つ形成されている。2つの突出部112fは、軸線mを中心に点対称となる位置に配置されている。
図9及び図10に示されるように、ガイド溝223は、撹拌ケース200の上蓋部220の内周面に形成されている。ガイド溝223は、軸線mに直交する方向に平行に延びるように2つ形成されている。2つのガイド溝223は、軸線mを中心に点対称となる位置に配置されている。ガイド溝223には、熱交換ケース110の上蓋部112の突出部112fが嵌め込まれる。
図6に示されるように、下側ガイド部700も、熱交換ケース110の底蓋部113に形成される突出部113fと、撹拌ケース200の本体部210の底部に形成されるガイド溝213とにより構成されている。なお、突出部113f及びガイド溝213の構造は、上側ガイド部600の突出部112f及びガイド溝223と同一であるため、それらの詳細な説明は割愛する。
次に、撹拌ケース200に対する熱交換部100の装着方法について説明する。
撹拌ケース200に熱交換部100を装着する際には、まずは、撹拌ケース200の本体部210の内部に熱交換部100を収容する。続いて、図11に示されるように、熱交換ケース110の突出部112fの位置とガイド溝223の位置とが軸線mを中心とする周方向に90度だけずれるように、撹拌ケース200の本体部210に上蓋部220を取り付ける。その後、上蓋部220を回転させることにより、図12に示されるように、熱交換ケース110の上端部に設けられた突出部112fを撹拌ケース200のガイド溝223に嵌め込む。この際、熱交換ケースの下端部に設けられた突出部113fも撹拌ケース200のガイド溝213に同様に嵌め込む。続いて、図13に示されるように、クリップ230により上蓋部220を本体部210に一体的に組み付けることにより、撹拌ケース200に対する熱交換部100の装着が完了する。
以上説明した本実施形態の可搬式の送風装置10によれば、以下の(4)に示される作用及び効果を得ることができる。
(4)図14に示されるように、撹拌ケース200に対して熱交換部100が相対移動する際に、熱交換部100の相対移動が上側ガイド部600によりガイドされる。また、撹拌ケース200に対する熱交換部100の相対移動は下側ガイド部700によってもガイドされる。これにより、図14に実線及び二点鎖線で示されるように、熱交換部100が撹拌ケース200に対して安定的に往復動することが可能となる。
<第3実施形態>
次に、可搬式の送風装置10の第3実施形態について説明する。以下、第1実施形態の送風装置10との相違点を中心に説明する。
図15に示されるように、本実施形態の送風装置10は、撹拌ケース200及び支持部材300に代えて、撹拌棒800を有している。撹拌棒800の一端部は、ファン装置120の回転軸に連結されている。すなわち、撹拌棒800は、ファン装置120の回転に伴って軸線mを中心に回転する。撹拌棒800は、軸部810と、屈曲部820と、撹拌部830とを有している。
軸部810は、撹拌棒800においてファン装置120に連結されている部分から軸線mに沿って下方に向かって蓄熱容器140の内部まで延びる部分である。屈曲部820は、軸部810の下端部から軸線mを中心とする径方向に折り曲げられた部分である。撹拌部830は、屈曲部820の先端部から軸線mに対して平行に下方に向かって延びる部分である。
次に、本実施形態の送風装置10の動作例について説明する。
本実施形態の送風装置10では、ファン装置120が回転すると、撹拌棒800も軸線mを中心に回転する。これにより、撹拌棒800の撹拌部830が軸線mを中心に回転するため、蓄熱容器140の内部に存在する液体状の蓄熱材141及び固体状の蓄熱材142が撹拌される。
以上説明した本実施形態の可搬式の送風装置10によれば、上記の(1)に示される作用及び効果に加え、以下の(5)に示される作用及び効果を得ることができる。
(5)蓄熱容器140の内部の蓄熱材141,142を撹拌する撹拌部が、撹拌棒800により構成されている。これにより、蓄熱材141,142を容易に撹拌させることができる。
(変形例)
次に、第3実施形態の可搬式の送風装置10の変形例について説明する。
図16及び図17に示されるように、本変形例の撹拌棒800は、筒状部840と、噛み込み部850と、スプリング860とを備えている。
筒状部840の一端部は、ファン装置120の回転軸に連結されている。すなわち、筒状部840は、ファン装置120の回転に伴って軸線mを中心に回転する。
噛み込み部850の一端部は、筒状部840の内部に挿入されている。噛み込み部850の他端部は、蓄熱容器140の内部に存在する固体状の蓄熱材142に噛み込まれている。
スプリング860は、筒状部840の内部に収容されている。スプリング860は、噛み込み部850を蓄熱材142に向かって付勢することにより、より確実に噛み込み部850を蓄熱材142に噛み込ませている。
この変形例の送風装置10では、ファン装置120が回転すると、撹拌棒800も軸線mを中心に回転する。これにより、蓄熱材142が軸線mを中心に回転するため、蓄熱容器140の内部に存在する液体状の蓄熱材141が撹拌される。
このような構成であっても、第3実施形態の送風装置10と同様に、蓄熱材141,142を容易に撹拌させることができる。
<他の実施形態>
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第3実施形態の送風装置10は、蓄熱容器140全体を回転させることにより蓄熱容器140の内部を撹拌させてもよい。例えば、ファン装置120の回転軸と蓄熱容器140とを連結させた上で、ファン装置120の回転に伴って蓄熱容器140全体を回転させることにより、蓄熱容器140の内部を撹拌させてもよい。また、例えば、蓄熱容器140を手動で回転させるレバー等を送風装置10に設けた上で、このレバーの操作を通じて蓄熱容器140を回転させることにより、蓄熱容器140の内部を撹拌させてもよい。
・蓄熱容器140の内部には、例えば加熱された飲料水等が充填されていてもよい。これにより、ホース160から冷風に代えて温風を吹き出すことが可能となる。なお、この場合には、蓄熱容器140の内部に充填された飲料水等が、温熱を蓄える蓄熱材となる。
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:可搬式の送風装置
100:熱交換部
110:熱交換ケース
114:空間部
140:蓄熱容器
200:撹拌ケース(撹拌部)
300:支持部材(撹拌部)
600,700:ガイド部
800:撹拌棒(撹拌部)

Claims (5)

  1. 蓄熱材が充填された蓄熱容器を内部に収容する空間部(114)を有する熱交換ケース(110)を有し、前記蓄熱容器の外周面と前記熱交換ケースの内周面との間を流れる空気と前記蓄熱材との間で熱交換が行われるとともに、前記蓄熱材と熱交換の行われた空気を前記熱交換ケースの外部に吹き出す熱交換部(100)と、
    前記蓄熱容器の内部の前記蓄熱材(141,142)を撹拌する撹拌部(200,300,800)と、を備える
    可搬式の送風装置。
  2. 前記撹拌部は、
    前記熱交換ケースの外周面との間に隙間が形成されるように前記熱交換部を内部に収容する撹拌ケース(200)と、
    前記熱交換ケースを前記撹拌ケースに対して相対移動可能に支持する支持部材(300)と、を有する
    請求項1に記載の可搬式の送風装置。
  3. 前記支持部材は、前記熱交換ケースを前記撹拌ケースに対して弾性支持する弾性部材からなる
    請求項2に記載の可搬式の送風装置。
  4. 前記撹拌ケースに対する前記熱交換ケースの相対移動をガイドするガイド部(600,700)を更に備える
    請求項2又は3に記載の可搬式の送風装置。
  5. 前記撹拌部は、
    前記蓄熱容器の内部に挿入され、前記蓄熱容器の内部を撹拌する撹拌棒(800)を有する
    請求項1に記載の可搬式の送風装置。
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