JP2018119467A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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島戸 孝明
Takaaki Shimado
孝明 島戸
知弘 足立
Tomohiro Adachi
知弘 足立
一樹 白田
Kazuki Shirata
一樹 白田
達郎 宮川
Tatsuro Miyagawa
達郎 宮川
珠里 向
Juri Mukai
珠里 向
亮介 澤
Ryosuke Sawa
亮介 澤
勤 古田
Tsutomu Furuta
勤 古田
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Abstract

【課題】アルカリ金属等からなる溶融塩型触媒でありながら、より低い温度でPMを燃焼させる排ガス浄化装置を提供することを目的とする。【解決手段】少なくとも内燃機関の排ガスに含まれるPMを捕集して浄化する排ガス浄化フィルタ2を配設し、排ガス浄化フィルタ2はセル壁で区画された複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材と、前記PMを燃焼して浄化するPM燃焼触媒とを備え、前記PM燃焼触媒は、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0≦Cs/V≦1.5である、セシウムとバナジウムの複合酸化物を含む溶融塩型触媒であり、排ガス浄化フィルタ2の排気上流側に加湿装置11を配設し、前記PMを前記PM燃焼触媒で酸化燃焼する工程の前に、加湿装置11により排ガス浄化フィルタ2上の前記PM燃焼触媒に水を吸着させる。【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関の排ガスの浄化に使用される排ガス浄化装置に関するものである。
従来、ディーゼルエンジン等の内燃機関は、固体状炭素微粒子や、液体又は固体状の高分子量炭化水素微粒子などの粒子状物質(以下、PM:Particulate Matterと記す。)が有害成分として排出される。
ところで、ディーゼルエンジンから排出されるPMは、その粒子径の殆どが1μm以下であり、大気中に浮遊しやすく、呼吸により人体に取り込まれやすい。しかも、PMにはベンゾピレン等の発癌性物質が含まれていることが明らかとなり、人体への影響が大きな問題となってきている。このため、ディーゼルエンジンから排出されるPMを効率よく除去する方法が種々検討されている。
近年、PMを除去する方法の一つとして、セラミックハニカム、セラミックフォーム、金属発泡体等の耐熱性の排ガス浄化フィルタを用いる方法が開発されている。この方法では、まず排ガス浄化フィルタで排ガス中のPMを捕集する。そして、PMの捕集により背圧が上昇した場合には、バーナー又はヒーターを用いたり、もしくは配管やエンジン内への燃料の噴射燃焼を行うことにより、排ガス温度を上昇させることで、排ガス浄化フィルタを加熱し、堆積したPMを燃焼させ、炭酸ガスに変えて外部に放出することで、フィルタを再生する。しかし、この方法では、捕集したPMを燃焼してフィルタを再生するために多量のエネルギーが必要となる。また、PMの燃焼温度が高温となるため、フィルタの融解や割れを生じる恐れがあった。
一方、触媒を排ガス浄化フィルタに担持し、PMを触媒作用により燃焼させることで、バーナー又はヒーターもしくは配管やエンジン内への燃料の噴射燃焼などによるPMの燃焼操作を軽減して、フィルタを再生する方法がある。例えば、耐熱性セラミックからなるフィルタ基材に予めPM燃焼触媒を担持させておき、PMの捕集と共に燃焼反応を行わせる方法が研究されている。
現在、PM燃焼触媒には白金、パラジウム等の白金族金属が広く使用されている。これは白金族金属を用いた触媒が、良好なPM燃焼性能と耐久性とを持つためである。しかし、白金族金属は希少、かつ高価である。そのためPM燃焼触媒においては省白金族使用、白金族代替に関する研究が世界中において行われている(非特許文献1参照)。
また、白金族金属不使用のPM燃焼触媒としては、アルカリ金属等からなる溶融塩型触媒(または溶融易動型触媒とも言う)がある。溶融塩型触媒は、PMとの反応温度近傍において溶融し、液相となる。そのため、触媒とPMとの接触は飛躍的に増大し、性能が良化すると考えられている。溶融塩型触媒としては、例えば、セシウム(Cs)とバナジウム(V)との複合酸化物(以下、CsV酸化物と記載)が知られている。CsV酸化物の触媒としては、例えばTiO2にCsV酸化物を担持してなる触媒が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2012/147333号
羽田政明他、「排出ガス浄化触媒の白金族金属使用量低減及び代替技術」、自動車技術 Vol.63、42−47頁、2009年
前記のような、PM燃焼触媒においても、バーナーまたはヒーターなどによる燃焼操作は必要であり、それには電気や燃料といったエネルギーを用い、また条件によってはその熱量によりフィルタの融解や割れが生じる可能性があるため、より低い温度でPMを燃焼させる技術が求められている。
本発明は、上記課題を解決するものであり、同じアルカリ金属等からなる溶融塩型触媒でありながら、より低い温度でPMを燃焼させる排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は、排気通路内において、排ガス中のPMを捕集する排ガス浄化フィルタと排ガス浄化フィルタに堆積したPMを燃焼させるフィルタ再生部とを備えた排ガス浄化装置において、前記排ガス浄化フィルタは、セル壁で区画された複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材と、前記PMを燃焼して浄化するPM燃焼触媒とを備え、前記PM燃焼触媒は、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0≦Cs/V≦1.5である、セシウムとバナジウムの複合酸化物を含む溶融塩型触媒であり、前記フィルタ再生部は、前記排ガス浄化フィルタの上流側に加湿手段、排ガス温度を上昇させるための加熱手段を配置し、前記PMを前記PM燃焼触媒で酸化燃焼する前に、前記加湿手段により前記排ガス浄化フィルタ上のPM燃焼触媒に水を吸着させることを特徴とするものであり、これにより、所定の目的を達成するものである。
本発明は、排気通路内において、排ガス中のPMを捕集する排ガス浄化フィルタと排ガス浄化フィルタに堆積したPMを燃焼させるフィルタ再生部とを備えた排ガス浄化装置において、前記排ガス浄化フィルタは、セル壁で区画された複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材と、前記PMを燃焼して浄化するPM燃焼触媒とを備え、前記PM燃焼触媒は、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0≦Cs/V≦1.5である、セシウムとバナジウムの複合酸化物を含む溶融塩型触媒であり、前記フィルタ再生部は、前記排ガス浄化フィルタの上流側に排ガス中に水分を含ませ、前記排ガス浄化フィルタを加湿するための加湿手段、排ガス温度を上昇させるための加熱手段を配置し、前記PMを前記PM燃焼触媒で酸化燃焼する前に、前記加湿手段により前記排ガス浄化フィルタ上のPM燃焼触媒に水を吸着させるするものである。
これにより、溶融塩型触媒を用いたPMの酸化燃焼において、より低温でのPMの酸化燃焼処理を行い、燃料や電気の使用を抑え、低エネルギーでフィルタの再生ができるという効果が得られる。
本発明の実施の形態1の排ガス浄化装置の概略図 本発明の実施の形態1の排ガス浄化フィルタの概略図 本発明の実施の形態1のPM燃焼時のプロセスフロー図 本発明の実施例および比較例のPM燃焼実験の結果を示す図 本発明の実施例の評価結果を示す図
本発明の請求項1に係わるPM燃焼装置は、排気通路内において、排ガス中のPMを捕集する排ガス浄化フィルタと排ガス浄化フィルタに堆積したPMを燃焼させるフィルタ再生部とを備えた排ガス浄化装置において、前記排ガス浄化フィルタは、セル壁で区画された複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材と、前記PMを燃焼して浄化するPM燃焼触媒とを備え、前記PM燃焼触媒は、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0≦Cs/V≦1.5である、セシウムとバナジウムの複合酸化物を含む溶融塩型触媒であり、前記フィルタ再生部は、前記排ガス浄化フィルタの上流側に加湿手段、排ガス温度を上昇させるための加熱手段を配置し、前記PMを前記PM燃焼触媒で酸化燃焼する前に、前記加湿手段により前記排ガス浄化フィルタ上のPM燃焼触媒に水を吸着させるものである。
これにより、セシウムとバナジウムの複合酸化物を含む溶融塩型触媒において、加湿手段により水を吸着させると、触媒膜の表層でのセシウムとバナジウムの金属濃度が上昇する。これはセシウムとバナジウムの複合酸化物からなる溶融塩型触媒が加湿によって水分に引き寄せられ、触媒膜の表面側に移動するためと考えられる。これにより加湿前と比べ、PMと溶融塩型触媒が接触することができるようになる。溶融塩型触媒は、接触している部分で酸化反応が起こる接触型触媒であるため、PMと触媒との接触効率が改善することによって、より効率的にPMを酸化燃焼させることができる。すなわち、PMをより低温で燃焼させることができるものである。
なお、前記加熱手段として、軽油等の燃料を噴霧する噴射装置、前記噴射装置から噴射された燃料を燃焼させる酸化フィルタを順に配置し、さらに必要であれば、排ガス通路内の前記排ガス浄化フィルタの排気上流に排ガスを加熱するヒーターやバーナーなどの加熱装置を配置するものである。
以下、本発明の実施形態について説明をする。
(実施の形態1)
図1に示すように、排ガス浄化装置1は、排ガス浄化フィルタ2をディーゼルエンジン等の内燃機関(図示せず)の排気通路3内に配設し、排ガス中のPMを排ガス浄化フィルタ2で捕集し、浄化した空気を排気通路3の後段に排出するものである。
そして、排ガス浄化装置1は、排気通路3内において、排ガス中のPMを捕集する排ガス浄化フィルタ2と排ガス浄化フィルタ2に堆積したPMを燃焼させるために、排ガスを加湿し、また排ガス温度を上昇させるための、フィルタ再生部13とを備えたものである。
フィルタ再生部13は、排ガス浄化フィルタ2の上流側から、排ガスの加湿手段として加湿装置11と、排ガスの加熱手段として軽油等の燃料を噴霧する噴射装置10および噴射装置10から噴射された燃料を酸化燃焼させる酸化フィルタ12とを順に配置したものである。
なお、前記酸化フィルタ12は、内燃機関より排出される一酸化炭素、一酸化窒素、炭化水素を酸化する特性も有する。
まず、排ガス浄化フィルタ2について図2を用いて説明する。
排ガス浄化フィルタ2は、図2に示すようにセル壁4で区画された複数のセル5を有する多孔質のフィルタ基材6と、PMを燃焼して浄化するPM燃焼触媒7の層とを備える。
フィルタ基材6は、ウォールフロー型の構造体である。この場合、セル壁4で区画された複数のセル5を備え、隣接するセルの端部が交互に目封じされている。これにより、排気通路3の上流側を開口し、下流側が閉塞した排ガス流入セル8と、排ガスの上流側が閉塞し、下流側が開口した排ガス流出セル9とが、セル壁4を介して隣接した構成となっている。
なお、フィルタ基材6の形状は上記のような形状に限定されるものではなく、ウォールスルー型、フロースルーハニカム型、金属あるいはセラミックスの発泡体型などでもよい。
フィルタ基材6の材質は、耐熱性セラミックスや金属材料等からなる多孔質材料であればよい。耐熱性セラミックスとしては、例えば炭化ケイ素(SiC)、コージェライト、窒化ケイ素、チタン酸アルミニウム等を用いることができる。金属材料としては、例えばステンレス合金、Fe−Cr−Al合金等を用いることができる。これらの中でも、耐熱性および触媒塗工性の観点から、炭化ケイ素が好ましい。
セル壁4に設けられた細孔の平均細孔径は、特に限定されないが、例えば5μm〜50μmとすることができる。平均細孔径が5μm以上の場合には、PMが堆積しても圧力損失の過度の上昇を抑制することができる。また、平均細孔径が50μm以下の場合には、PMの過度の素抜けを抑制することができる。
セル5の形状は、特に限定されないが、触媒とPMの接触面積を大きくできる観点から、4〜8角形のうちのいずれかであることが好ましい。また、セル5の形成密度は特に限定されないが、上記と同様、触媒とPMの接触面積を大きくするという観点から、セル5の数は1平方インチあたり200〜400セルであることが好ましい。セル数を200セル以上とすることで、触媒とPMの接触面積を十分に確保することができる。また、セル数を400セル以下とすることで、セル5へのPM堆積による目詰まりを生じにくくすることができる。
本実施の形態のPM燃焼触媒7は、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0≦Cs/V≦1.5である、セシウムとバナジウムの複合酸化物を含む溶融塩型触媒である。
溶融塩型触媒は、PMとの反応温度近傍において溶融し、液相となる。そのため、触媒とPMとの接触は飛躍的に増大し、性能が良化すると考えられている。中でも、優れたPM燃焼活性を示す触媒として、セシウムとバナジウムの複合酸化物(以下、Cs−V複合酸化物と記載)が知られている。
バナジウム化合物は、排ガス中の酸素を取り入れて活性酸素に変換する作用があるため、セシウムと複合酸化物を形成することで、活性酸素への変換作用が向上すると推測される。さらに、当該Cs−V複合酸化物は、後述するように、高熱安定性及び高比表面積を有するセリウム含有酸化物に担持されている。そのため、PMの燃焼熱や排ガスによるCs−V複合酸化物の凝集を抑制し、良好なPM燃焼活性を長期間維持することが可能となる。
上述のCs−V複合酸化物としては、例えば、CsVO3 (メタバナジン酸セシウム、Cs:V=1.0:1.0)、Cs5V3O10(Cs:V=1.7:1.0)、Cs32V18O61(Cs:V=1.8:1.0)、Cs4V2O7(Cs:V=2.0:1.0)、Cs3VO4(Cs:V=3.0:1.0)などを挙げることができる。この中でも、Cs−V複合酸化物としては、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)がCs/V=1.0であるメタバナジン酸セシウムを含むことが好ましい。メタバナジン酸セシウムは化学的安定性が高いため、長期間に亘り優れたPM燃焼活性を維持することが可能となる。
本実施の形態のPM燃焼触媒7は、セリウム含有酸化物を含んでいる。セリウム含有酸化物は、前記のCs−V複合酸化物をその表面に担持する担体として機能する。Cs−V複合酸化物は単独でも高いPM燃焼性を有しているが、触媒の比表面積が低いためにPMと触媒との接触率が低下し、燃焼反応が起こり難い恐れがある。
また、担体としてセリウム含有酸化物を用いない場合には、排ガスの温度及び組成変動により容易に凝集し、PM燃焼活性が低下する恐れがある。そのため、Cs−V複合酸化物を、セリウム含有酸化物の表面に接触して保持することにより、Cs−V複合酸化物の比表面積を増加させつつも、高温雰囲気下での凝集を抑制することができる。
上述のとおり、セリウム含有酸化物を含む担体を用いることで、Cs−V複合酸化物が有するPM燃焼活性を維持しつつも、比表面積の増加と凝集の抑制とを両立することが可能となる。また、セリウム含有酸化物は、排ガスの空気過剰率に対応した酸素吸蔵放出能を有している。
そして、バナジウム化合物は、排ガス中の酸素を取り入れて活性酸素に変換する作用を有している。そのため、バナジウム化合物により、排ガス中の酸素だけでなく、セリウム含有酸化物から放出される酸素が活性酸素に変換されるため、生成した活性酸素によりPM燃焼反応をさらに促進することが可能となる。
すなわち、Cs−V複合酸化物を担持する担体は、セリウム酸化物を主成分とすることが好ましい。
また、当該担体は、セリウム酸化物以外の元素を含有してもよく、例えばジルコニウム、チタン、ケイ素、ニオブ、ランタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、プラセオジム、イットリウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、およびスズからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有することができる。このような金属元素は、担体の耐熱性を向上させることができる。なお、担体の平均粒子径(メジアン径、D50)は、特に限定されないが、Cs−V複合酸化物とPMとの接触界面を増大させる観点から、10nm〜10μmとすることが好ましい。
また、排ガス浄化装置1には、排ガスの浄化を行なうPM捕集プロセスと捕集したPMを燃焼しガス化して排出するフィルタ再生プロセスを備えている。
フィルタ再生プロセスには、排気通路3内の排ガスを加湿装置11によって加湿する加湿プロセスと、噴射装置10から噴射した燃料を酸化フィルタ12を通過させることで燃焼し、排ガスの温度を高温にすることによって排ガス浄化フィルタ2の加熱を行なう燃焼プロセスを備えている。
前記加湿プロセスでは、加湿装置11より水を噴霧して、排ガスを加湿することで、下流側の排ガス浄化フィルタ2上のPM燃焼触媒7を加湿するものである。これにより、PM燃焼触媒7に水を吸着させることができる。
また、前記燃焼プロセスでは、排気通路3内には、噴射装置10を設け、噴射装置10より軽油等の燃料を噴霧して燃焼させ、排ガス温度を高温にするシステムが必要である。噴射装置10の下流側に配設した酸化フィルタ12上で白金などの触媒を用いて噴霧した燃料を酸化燃焼することができる。こうして排ガス温度を高温にして、酸化フィルタ12の下流側のPM燃焼触媒7(排ガス浄化フィルタ2に備えたPM燃焼触媒7の層)を活性化し、PMを酸化燃焼させるものである。
前記燃焼プロセスを実行する直前に前記加湿プロセスを実行することで、PM燃焼触媒7が水を吸着することとなり、PMの燃焼開始温度をより低温にすることができる。次に、PMを捕集し、その捕集したPMを除去し排ガス浄化フィルタ2を再生する。
以下その動作について説明する。
排ガス浄化フィルタ2は、フィルタ基材6のセル壁4に設けられた細孔を通じて排ガスを流通させることができる構成であり、内燃機関から排出されるPMは、排気通路3中の排ガス浄化フィルタ2に入り、セル壁4の細孔部分もしくはその表面において、捕集される。なお、セル壁4で区画された複数のセル5は、隣接するセルの端部が交互に目封じされているため、通気はすべてセル壁4を通過するため、セル壁4に設けられた細孔部分でPMが捕集させるものである。前記のように、排ガス浄化フィルタ2でPMを捕集すると、細孔部分の目づまりが進行し、徐々に排ガス浄化フィルタ2の圧力損失は上昇し、通気性能が悪化する。そのため捕集したPMを適切なタイミングで処理するフィルタ再生プロセスを実行させることとなる。フィルタ再生プロセスは、PM燃焼触媒7によってPMを酸化燃焼し、CO2などのガスとして排気通路3の後段に排出するものである。
フィルタ再生プロセスでは、まず、前記加湿プロセスにおいて、加湿装置11より、水を噴霧して排ガスを加湿する。排ガスを加湿することで、下流側の排ガス浄化フィルタ2上のPM燃焼触媒7を加湿することができる。これにより、PM燃焼触媒7に水を吸着させることができる。PM燃焼触媒7に水を吸着させると、触媒膜の表層でのセシウムとバナジウムの金属濃度が上昇する(これはセシウムとバナジウムの複合酸化物からなる溶融塩型触媒が加湿によって水分に引き寄せられ、触媒膜の表面側に移動するため)。これにより加湿前にセル壁4の表面に堆積していたより多くのPMが溶融塩型触媒または表層に引き寄せられた溶融塩型触媒と接触することができる。
次に、燃焼プロセスにおいて、噴射装置10より軽油燃料を噴霧して、酸化フィルタ12を通過させ、酸化フィルタ12上で酸化反応をおこし、その際発生する熱で排ガスを加熱する。これにより排ガス浄化フィルタ2を加熱することで、排ガス浄化フィルタ2上に担持したPM燃焼触媒7を活性化され、表面に付着したPMを燃焼させることができる。
このようにフィルタ再生プロセスにおいて、加湿プロセスを実行することで、セル壁4の表面でより多くのPMをPM燃焼触媒7に接触させて燃焼させることができるので、排ガス浄化フィルタ2の加熱温度をより低くしてPMの燃焼をさせることができることとなる。すなわち、噴射装置10から噴射する軽油燃料が少なくすることができる。つまり使用エネルギーを少なくすることができる。
なお、前記加湿プロセスは、前記のPMを燃焼させる燃焼プロセスの前段階において、加湿装置11より、水を噴霧して排ガスを加湿する。内燃機関からの排気ガスは不連続的に温度が変化し、条件によっては加湿後、PM燃焼触媒7に吸着した水が脱離する可能性があるため、PMを燃焼させるための排ガスを高温にする直前のタイミングで加湿装置11より水を噴霧し、加湿するのが望ましい。つまり、加湿プロセスは燃焼プロセスの直前が望ましい。
なお、本実施の形態1および図1では噴射装置10と加湿装置11を別々に記したが、燃料等を噴射する装置と加湿をタンクと流路を分けて設けることで共有して使用しても良い。
なお、排ガス浄化システムの一例として、尿素水を噴霧し、精製するアンモニアによってNOxガスを還元処理するSCR(選択触媒還元)システムがあるが、この尿素水を噴霧する装置を、排ガス通気のDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルタ)上段に設け、尿素水噴霧装置と共用して加湿装置11として用いても良い。
以下、本発明の形態を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施の形態はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)PM(粒子状物質)燃焼触媒の調製
まず、セシウムとバナジウムのモル比率が1.3:1.0となるように、炭酸セシウムと五酸化二バナジウムの混合水溶液を調製した。次に、その混合水溶液を、乳鉢内のセリウム酸化物(阿南化成株式会社製、85質量%)に加えた後に、乾燥炉を用いて110℃で3時間蒸発乾固させた。
次に、得られた固体を電気炉を用いて、大気中、昇温速度300℃/hとし、800℃で3時間焼成することにより、本実施例の触媒を得た。なお、バナジウム金属の担持量は、セリウム酸化物100gに対して9.4gとした。
得られた触媒を酸分解し、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)および誘導結合プラズマ質量分析法(ICPMS)で解析した結果、セシウムとバナジウムのモル比率が1.3:1.0であることが確認された。
(2)排ガス浄化フィルタの作製
上述のPM燃焼触媒と、分散溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとを、質量%比率が1:9となるよう混合し、ボールミルで湿式粉砕し、触媒スラリーを得た。得られた触媒スラリーに、増粘剤として変性ウレア溶液を添加し、攪拌することで触媒スラリーの粘度を調整した。粘度調整後の触媒スラリーを、フィルタ基材の排ガスが流入する側のセルに注入し、乾燥炉を用いて80℃で1.5時間、さらに110℃で1.5時間乾燥させた。次に、得られたフィルタを大気中、昇温速度300℃/hとし、700℃で2時間焼成することにより、本実施例の排ガス浄化フィルタを得た。触媒の担持量は、排ガス浄化フィルタの1リットルあたり46gであった。
得られた排ガス浄化フィルタを切断してサンプリングしたものを酸分解し、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)および誘導結合プラズマ質量分析法(ICPMS)で解析した結果、セシウムとバナジウムのモル比率が1.3:1.0であることが確認された。
(3)セル壁面の切り出し
前述の排ガス浄化フィルタをさらに触媒が塗布されたセル壁面を1辺が約25mmの正方形となるように切り出した。このとき、触媒が塗布されたセル壁面は塗布されていないセル壁面と隣り合うため、塗布されたセル壁面と塗布されていないセル壁面が交互に現れる。
(4)カーボンの堆積
これに、PMを模擬したカーボンとしてPrintexV(OrionCarbon社製)を分散媒に分散して塗布したのち110℃で乾燥し、模擬的に触媒上にカーボンが捕集され堆積した状態を作り出した。
(5)加湿処理
本実施例ではこれを85℃かつ相対湿度85%の環境下に静置して、触媒を加湿処理した。
(6)燃焼挙動の測定
その後に、管状の電気炉内に入れ、ヘリウムをキャリアガスとして、酸素5%として流通させ、徐々に昇温を行った。このときの温度に対してカーボンが酸化燃焼して発生したCO,CO2の濃度を質量分析計によって計測し、カーボンの燃焼挙動を測定した。
(比較例1)
「粒子状物質燃焼触媒の調製」、「排ガス浄化フィルタの作製」、「110℃での乾燥」、「セル壁面の切り出し」、および「カーポンの堆積」は実施例1と同様にし、その後の85℃相対湿度85%での加湿処理は行わず、「燃焼挙動の測定」を行った。
カーボンの塗布量は同じである。
(比較例2)
比較例1の「粒子状物質燃焼触媒の調製」、「排ガス浄化フィルタの作製」を省略、つまり触媒を塗布しない基材フィルタにおいて、「セル壁面の切り出し」および「カーポンの堆積」は実施例1と同様にし、その後の85℃相対湿度85%での加湿処理を実施せず、「燃焼挙動の測定」を行った。
カーボンの塗布量は同じである。
(評価結果)
評価結果を図4および図5に示す。図4では、(6)燃焼挙動の測定において、各温度を横軸とし、検出されたCOおよびCO2の濃度から塗布した全カーボン量に対して燃焼したカーボンの比率を縦軸としてプロットしたグラフを示している。この結果から実施例1では比較例1および2よりより低い温度で、CO,CO2が発生しておりより低い温度でPMを燃焼できていることがわかる。
さらに、これを図5に表としてまとめている。T10は塗布したカーボンのうち10%が燃焼したときの温度、T50は塗布したカーボンのうち50%が燃焼したときの温度を示しており、T10では20℃、T50では8℃低温で燃やすことができている。
以上の結果から、加湿による水の吸着を起こすことにより、本発明の触媒においてPMが燃焼する温度をより低温にすることができることが確認され、低温で燃焼することにより、より少ない燃料噴霧量、ひいてはより環境負荷の低い条件でPMを燃焼処理することができることが確認された。
本発明にかかる排ガス浄化フィルタでのPM燃焼手段は、効率的なPM燃焼性能を実現するPM燃焼触媒とPMを燃焼し排ガス浄化触媒を再生視するシステムを提供するものであり、ディーゼルエンジンの排ガスを浄化する触媒DPF等として有用である。
1 排ガス浄化装置
2 排ガス浄化フィルタ
3 排気通路
4 セル壁
5 セル
6 フィルタ基材
7 PM燃焼触媒
8 排ガス流入セル
9 排ガス流出セル
10 噴射装置
11 加湿装置
12 酸化フィルタ
13 フィルタ再生部

Claims (1)

  1. 排気通路内において、排ガス中のPMを捕集する排ガス浄化フィルタと排ガス浄化フィルタに堆積したPMを燃焼させるフィルタ再生部とを備えた排ガス浄化装置において、
    前記排ガス浄化フィルタは、セル壁で区画された複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材と、前記PMを燃焼して浄化するPM燃焼触媒とを備え、
    前記PM燃焼触媒は、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0≦Cs/V≦1.5である、セシウムとバナジウムの複合酸化物を含む溶融塩型触媒であり、
    フィルタ再生部は、前記排ガス浄化フィルタの上流側に加湿手段、排ガス温度を上昇させるための加熱手段を配置し、
    前記PMを前記PM燃焼触媒で酸化燃焼する前に、前記加湿手段により前記排ガス浄化フィルタ上のPM燃焼触媒に水を吸着させることを特徴とする排ガス浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11035268B2 (en) 2019-03-25 2021-06-15 Ngk Insulators, Ltd. Method for regenerating exhaust gas filter and exhaust gas filter impregnation system

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