以下に、本願に係る算出装置、算出方法及び算出プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と表記する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る算出装置、算出方法及び算出プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.算出処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る算出処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る算出処理の一例を示す図である。図1では、実施形態に係る算出装置100による算出処理について説明する。具体的には、図1では、算出装置100によって、ネットワーク上の所定の商取引サイトに出店する事業者の融資に対する関心を示す度合いである融資需要度を算出する算出処理が行われる例について説明する。
図1に示す例において、算出装置100と、ユーザ端末10と、ウェブサーバ30とは、図示しない通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信可能に接続される。
図1に示す算出装置100は、事業者に対する融資需要度を算出する算出処理を行うサーバ装置である。実施形態では、算出装置100は、ウェブサーバ30が提供するネットワーク上の所定の商取引サイトであるショッピングモールに出店する事業者に対する融資需要度を算出する。また、実施形態では、算出装置100は、算出した融資需要度を種々の処理に利用する。例えば、算出装置100は、算出した融資需要度に基づいて、事業者に対する融資行動(積極的に当該事業者に対して営業活動を行うか否か等)を判定する処理を行う。
なお、実施形態では、ショッピングモールに出店する出店者であって、実施形態に係る算出処理において融資需要度を算出するためのモデルの正解データとなりうる事業者を「第1事業者」と表記する。また、実施形態では、ショッピングモールに出店する出店者であって、実施形態に係る算出処理によって融資需要度が算出される対象となる事業者を「第2事業者」と表記する。また、第1事業者と第2事業者とを特に区別しない場合には、単に「事業者」と表記する。
図1に示すユーザ端末10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。具体的には、ユーザ端末10は、ユーザがウェブページを閲覧するためや、ウェブサイト(例えばネットワーク上のショッピングモール)において商品を購入したり、商品情報の評価(いわゆるレビュー)を投稿したりするために利用される。図1の例では、ユーザ端末10は、例えばスマートフォンやタブレット端末である。
図1に示すウェブサーバ30は、ユーザ端末10からアクセスされた場合に、各種ウェブページを提供するサーバ装置である。図1に示す例では、ウェブサーバ30は、ネットワーク上のショッピングモールサイトを提供するものとする。ウェブサーバ30が提供するショッピングモールでは、各事業者が種々のカテゴリの商品を扱う店舗(ストア)を出店する。
また、ウェブサーバ30は、提供するウェブサイトを介して、ネットワーク上におけるユーザ行動に関する情報を取得してもよい。ユーザ行動に関する情報は、例えば、ウェブサーバ30が備える記憶部や、所定の外部ストレージ装置に格納される。ネットワーク上におけるユーザ行動に関する情報とは、ウェブサーバ30から提供されるサービス(図1の例ではショッピングモール)の利用に際して、ユーザの操作に従いユーザ端末10から発信される情報を意味する。例えば、ネットワーク上におけるユーザ行動は、ショッピングモールにおける購買行動や、ショッピングモールの各店舗に対するユーザからのレビューの投稿等である。なお、ウェブサーバ30は、ユーザ行動のみならず、ユーザからのレビューに対して事業者が返信したコメント等のデータを取得してもよい。
ところで、ウェブサーバ30が提供するショッピングモールのようなネットワーク上の商取引サイトに出店する事業者は、事業構成が小規模であったり、設立が比較的新しかったり、非上場であったり、法人格が個人事業主であったりして、充分な資金を保持していない場合がある。このため、これらの事業者には融資を得たいとする需要があり、また、金融機関等の融資元には、これらの事業者に対して融資を行う機会を得たいという要望がある。
しかしながら、事業者の全てが融資を所望しているわけではなく、金融機関が、全ての事業者に対して融資に関する営業活動(例えば、事業者への訪問活動や電話やメールによる融資の勧め等)を行うことは効率が良いとはいえない。しかしながら、小規模の事業者は、四半期や半期ごとの財務情報や資本関係等を公表しない場合も多いため、金融機関は、営業活動を常に行っていなければ、融資の機会を逃してしまうこともありうる。このように、金融機関は、営業活動にかけるコストと、事業者に対して融資を行う機会を得るための営業活動とのバランスをとることが難しい。
また、これらの比較的小規模な事業者は、為替の変動や世間の興味関心の動向等によって、突発的にヒット商品が生まれたり、短期間に事業の拡大を図ったりする場合もある。このため、事業者には、商品の生産を行うための融資を受ける必要性が急に生じたり、短期的に資金を調達したりする必要性が生じることもある。金融機関は、極力このような機会を逃さず、かつ、営業活動にかけるコストを抑えることが望ましい。
そこで、実施形態に係る算出装置100は、ショッピングモール等の所定の商取引サイトにおける実情に即したデータに基づいて融資需要度の算出処理を行うことにより、ベンチャー企業や比較的小規模な事業者の融資に対する関心を示す指標値を算出する。
具体的には、算出装置100は、過去の所定期間内に融資を受けた(もしくは、融資の申し入れを行った)事業者である第1事業者に関する情報と、現時点では融資の申し入れを行っていない事業者である第2事業者に関する情報との相関性に基づいて、第2事業者の融資需要度を算出する。これにより、算出装置100は、第2事業者が融資を所望しているか否かを示す指標値を算出できる。例えば、算出装置100は、融資需要度に基づいて金融機関が行うべき融資行動(融資に関する営業活動)を判定することで、金融機関の無駄な営業コストを抑えることができる。すなわち、金融機関は、融資需要度を利用することにより、融資を望むと想定される事業者に対しては積極的な営業活動を行う一方で、現時点では融資を望んでいないと想定される事業者に対しては営業活動に掛けるコストを抑えるといった融資行動を採りうる。また、算出装置100は、融資需要度を算出することで、潜在的に融資を望んでいる第2事業者や、融資を受けた方が望ましいと想定される第2事業者を的確に抽出することができる。以下、図1を用いて、実施形態に係る算出処理について流れに沿って説明する。
図1に示す例において、ウェブサーバ30が提供するショッピングモールには、過去に融資を受けた第1事業者60が運営するショップAAAのウェブページである店舗ページ61が存在する。また、ショッピングモールには、処理対象となる事業者である第2事業者70が運営するショップBBBのウェブページである店舗ページ71が存在する。なお、図1では図示を省略しているが、ウェブサーバ30が提供するショッピングモールには、実施形態に係る算出処理を行うための充分な量の情報が得られるほどの相当数の第1事業者60や第2事業者70が存在するものとする。
ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従い、ウェブサーバ30が提供するショッピングモールにアクセスするものとする。なお、図1の例では図示を省略しているが、ユーザ端末10は複数存在し、第1事業者60が融資を受けた時期から現時点までを含めて、実施形態に係る算出処理を行うのに充分な量の情報が得られるほどの相当数のアクセスを行っているものとする。ショッピングモールにアクセスしたユーザは、購買行動やレビュー送信等の行動を通じて、ショッピングモールを利用する(ステップS11)。
ウェブサーバ30は、ユーザ端末10から送信される各種情報を取得する。例えば、ウェブサーバ30は、第1事業者60が運営するショップAAAにおいて、ショップAAAに対するユーザからの評価に関する情報を取得する。ユーザからの評価に関する情報とは、例えば、レビューとともに送信されるショップAAAに対する評点であったり、レビューに含まれる単語であったり、ショップAAAで提供される商品に対するレビューの評点や単語等の情報である。なお、ウェブサーバ30は、同様に、第2事業者70が運営するショップBBBに対するユーザからの評価に関する情報も取得する。
また、ウェブサーバ30は、ショッピングモールにおける、第1事業者60や第2事業者70の事業者としての属性情報等も有しているものとする。例えば、ウェブサーバ30は、属性情報として、第1事業者60や第2事業者70の法人格(例えば、株式会社、有限会社、合資会社、個人事業主、財団法人、社団法人などの種別)や、業種(輸入、輸出、電気、通信、製造、食料品小売、衣料品小売などの種別)に関する情報を有する。例えば、ウェブサーバ30は、事業者が出店を行う際の受け付け手続きに際して、このような属性情報を取得し、事業者の識別情報と対応付けてデータベースに格納する。
また、ウェブサーバ30は、第1事業者60や第2事業者70の行動に関する情報を取得してもよい。例えば、ウェブサーバ30は、第1事業者60や第2事業者70によって利用される端末(図1での図示は省略する)から、ウェブサーバ30にアクセスした情報を取得する。具体的には、ウェブサーバ30は、第1事業者60や第2事業者70が、融資を行う金融機関のサイトへアクセスした回数や、金融機関のサイトを閲覧した閲覧時間や、金融機関のサイトへアクセスを行う頻度や、実際に融資の申し入れを行った回数等を取得する。
そして、算出装置100は、ウェブサーバ30から第1事業者60及び第2事業者70に関する情報を取得する(ステップS12)。例えば、算出装置100は、ショッピングモールにおける第1事業者60及び第2事業者70の売上や商品の売行き情報や、ショッピングモールを利用したユーザによる第1事業者60及び第2事業者70に対する評価に関する情報等を取得する。また、算出装置100は、第1事業者60や第2事業者70に関する情報として、第1事業者60や第2事業者70のネットワーク上の行動情報を取得してもよい。例えば、算出装置100は、第1事業者60や第2事業者70が金融機関のサイトへアクセスした回数等を取得してもよい。
そして、算出装置100は、取得した情報に基づいて、所定の指標値(スコア)を出力するモデルを生成する(ステップS13)。具体的には、算出装置100は、第1事業者60に関する情報に基づいて生成されるモデルであって、第2事業者70に関する情報が入力された場合に、第1事業者60と第2事業者70との相関性を示すスコアを出力するモデルを生成する。生成処理の詳細は後述するが、算出装置100は、例えば第1事業者60を正解データ(教師データ、目的変数)とし、第1事業者60に対するユーザからの評価に関する情報や第1事業者60の属性情報等を素性(説明変数)とするサポートベクターマシン(Support Vector Machine)等の回帰学習モデルを生成する。そして、算出装置100は、処理対象とする第2事業者70に関する情報を生成したモデルに入力することにより、正解データである第1事業者60との相関性を示すスコアを出力する。
具体的には、算出装置100は、生成したモデルを利用し、第2事業者70に対する融資需要度を算出する(ステップS14)。例えば、算出装置100は、第1事業者60と第2事業者70との相関性が高い、すなわちモデルから出力されたスコアが高いほど、第2事業者70が融資を望む度合いが高いものとして、第2事業者70の融資需要度を高く算出する。一方、算出装置100は、モデルから出力されたスコアが低いほど、第2事業者70が融資を望む度合いが低いと想定されることから、第2事業者70の融資需要度を低く算出する。
そして、算出装置100は、算出した融資需要度に基づいて、第2事業者70への融資行動を判定する(ステップS15)。具体的には、算出装置100は、算出した融資需要度が所定値より高い場合には、融資需要度が所定値より低い場合と比較して、第2事業者70に対して積極的な営業活動(例えば、第2事業者70への訪問など)を行うべきと判定する。一方、算出装置100は、算出した融資需要度が所定値より低い場合には、融資需要度が所定値より高い場合と比較して、現時点での営業活動を休止するなど、営業コストを抑えるための融資行動を採るべきと判定する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、ネットワーク上の所定の商取引サイトにおいて商取引を行う事業者のうち、過去に融資の申し込みを行った事業者である第1事業者60と、処理対象となる事業者である第2事業者70とに関する情報を取得する。そして、算出装置100は、取得された第1事業者60に関する情報と第2事業者70に関する情報との相関性に基づいて、第2事業者70の融資に対する関心を示す度合いである融資需要度を算出する。
すなわち、実施形態に係る算出装置100は、事業者の融資需要度を計るために一般的に用いられる企業の財務情報のみならず、ショッピングモール等の商取引サイトに出店している事業者であって、実際に融資を受けた(融資の申し入れをした)第1事業者60に関する情報に基づいて、第2事業者70の融資需要度を算出する。例えば、第1事業者60が、商品の売行きが好調であったことや、ユーザから商品の入荷を求めるレビューが多く届いていたことから融資を受ける必要性があったと想定した場合、第1事業者60と第2事業者70とに関する情報が相関性を示すのであれば、第2事業者70についても同様に融資を求める必要性が生じている可能性が高い。また、例えば、第1事業者60と同じく、第2事業者70が金融機関のサイトへ頻繁にアクセスを行っているようであれば、第2事業者70は、融資に対する関心を示す度合いが高いことが想定される。
実施形態に係る算出装置100は、既に過去に融資を受けた第1事業者60に関する情報をいわゆる正解データとして扱い、正解データとの相関性を参照することで、現時点における第2事業者70の融資需要度を算出する。これにより、算出装置100は、第2事業者70に対して、所定の商取引サイトにおける実情等、現時点の事業活動に即した情報に基づいて、融資需要度を精度よく算出することができる。
また、算出装置100は、ネットワークを介してショッピングモールを利用するユーザからの反応をリアルタイムに取得して算出処理に利用することができる。このため、算出装置100は、鮮度の高いデータを用いて第2事業者70の融資需要度を算出することができる。すなわち、算出装置100は、現時点で融資を求める需要が特に高まっている第2事業者70を抽出することができるため、この点においても、融資先となる第2事業者70を適切に抽出することができる。以下、上記の処理を行う算出装置100、及び、算出装置100を含む算出システム1の構成等について詳細に説明する。
〔2.算出システムの構成〕
図2を用いて、実施形態に係る算出装置100が含まれる算出システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る算出システム1の構成例を示す図である。図2に例示するように、実施形態に係る算出システム1には、ユーザ端末10と、事業者端末20と、ウェブサーバ30と、算出装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークN(例えば、インターネット)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図2に示した算出システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台の事業者端末20や、複数台のウェブサーバ30が含まれてもよい。
ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)等の情報処理装置である。ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従って、ウェブサーバ30にアクセスすることで、ウェブサーバ30から提供されるウェブサイトからウェブページ(例えば、図1に示したショップAAAの店舗ページ61やショップBBBの店舗ページ71)を取得する。そして、ユーザ端末10は、取得したウェブページを表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。なお、本明細書中においては、ユーザとユーザ端末10とを同一視する場合がある。例えば、「ユーザに情報コンテンツを提供する」とは、実際には、「ユーザが利用するユーザ端末10に情報コンテンツを提供する」ことを意味する場合がある。
事業者端末20は、事業者によって利用される情報処理装置である。具体的には、事業者端末20は、金融機関から融資を受ける事業者の操作に従い、金融機関等の融資元が運営するウェブサイトにアクセスしたり、金融機関に融資の申し入れをしたり、融資の申し入れの結果を受け付けたりする。なお、実施形態において事業者とは、事業を実施する者を広く含む概念であり、株式会社等に限られず、個人事業主や法人格を有する団体などであってもよい。
ウェブサーバ30は、ユーザ端末10からアクセスされた場合に、各種ウェブページを提供するサーバ装置である。図1の例では、ウェブサーバ30がショッピングモールに対応するウェブサイトを提供し、当該ショッピングモールに出店している第1事業者60及び第2事業者70のウェブページを提供する例を示した。しかし、ウェブサーバ30が提供するウェブページはこれに限られず、ウェブサーバ30は、例えば、ニュースサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各種ウェブページを提供してもよい。
また、ウェブサーバ30は、各ウェブサイトにおける情報であって、ネットワーク上における情報を取得してもよい。ネットワーク上における情報とは、例えば、各種ウェブサイトから提供されるサービスの利用に際して、ユーザの操作に従いユーザ端末10から発信される情報である。例えば、ネットワーク上における情報は、検索サイトにおける検索クエリに関する情報や、ショッピングサイトにおける購買行動やユーザからのレビューに関する情報や、ユーザが投稿するSNS(Social Networking Service)サイトにおけるメッセージに関する情報等を含む。
また、ウェブサーバ30は、各ウェブサイトにおける情報であって、事業者の行動に関する行動を取得してもよい。例えば、ウェブサーバ30は、ユーザレビューに対して返答した事業者のコメントや、入荷を希望するユーザに対して回答した事業者のコメント等を取得してもよい。また、ウェブサーバ30は、金融機関のサイトに事業者がアクセスした情報等を取得してもよい。
算出装置100は、過去に融資を受けた第1事業者60に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、第2事業者70の融資需要度を算出するサーバ装置である。なお、算出装置100は、上記のウェブサーバ30としての構成を兼ねてもよい。すなわち、算出装置100自身がショッピングモールを提供し、算出装置100自身がショッピングモールにアクセスしたユーザ端末10から情報を取得してもよい。
また、算出装置100は、実際に事業者に融資を行う金融機関に設置された情報処理端末や、事業者に関する財務情報の調査、取得、管理及び提供等を行う所定の財務管理企業に設置された情報処理端末等と相互に通信を行ってもよい。例えば、算出装置100は、金融機関等に設置される情報処理端末から、融資行動の判定に関する情報を取得してもよい。また、算出装置100は、第1事業者60や第2事業者70の財務情報が公表されている場合には、財務管理企業等に設置される情報処理端末から、財務情報を適宜取得してもよい。また、算出装置100は、第1事業者60や第2事業者70に関する財務情報が公的機関等から取得可能な場合には、適宜、公的機関等にアクセスして情報を取得してもよい。これらの処理は、例えば、ネットワーク上をクロール(crawl)して情報を取得する所定のプログラム等を利用して行われてもよい。
〔3.算出装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る算出装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る算出装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、算出装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、算出装置100は、算出装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、通信ネットワークと有線又は無線で接続され、通信ネットワークを介して、ユーザ端末10等との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、事業者情報記憶部121と、素性情報記憶部122と、モデル記憶部127と、融資行動記憶部128とを有する。以下、各記憶部について順に説明する。
(事業者情報記憶部121について)
事業者情報記憶部121は、所定の商取引サイトに出店する事業者に関する情報を記憶する。例えば、事業者情報記憶部121に記憶される情報は、通信ネットワークを介して、ウェブサーバ30から取得される。ここで、図4に、実施形態に係る事業者情報記憶部121の一例を示す。図4に示すように、事業者情報記憶部121は、「事業者」、「事業開始日」、「素性情報」、「融資需要度」といった項目を有する。また、「素性情報」の項目は、「事業情報」、「ストア情報」、「商品情報」、「単語情報」、「財務情報」といった小項目を含む。
「事業者」は、所定の商取引サイトに出店している事業者の名称を示す。「事業開始日」は、所定の商取引サイトにおいて事業者が事業を開始した日を示す。
「素性情報」は、算出装置100によるモデル生成処理(モデリング)における素性となりうる情報を示す。「事業情報」は、例えば、事業者が行っている事業に関する情報を示す。「ストア情報」は、例えば、事業者が運営するストアへのユーザからの評点等を示す。「商品情報」は、例えば、事業者が運営するストアで取り扱う商品のユーザからの評点等を示す。「単語情報」は、ユーザからストアに対して投稿されるレビューに含まれる単語に関する情報を示す。「財務情報」は、事業者が公表していたり、上記の財務管理企業等によって調査されたりした事業者の財務情報を示す。
なお、図4で示した例では、「事業情報」等の素性情報は、「aaa」などの概念で示しているが、実際には、事業情報として含まれる事業者の属性情報や、モデル生成処理において算出された各属性情報の重み値などの情報が記憶されているものとする。なお、各素性情報の詳細については、図5乃至図8を用いて説明する。
「融資需要度」は、事業者に対する融資需要度を示す。なお、融資需要度は、後述する算出部134により融資需要度が算出された後に事業者情報記憶部121に記憶される。なお、図4に示すように、例えば既に融資を受けた第1事業者60の融資需要度については、融資需要度の項目は空欄(図4の例では、「−」と示す)が記憶されてもよい。
すなわち、図4では、事業者情報記憶部121に記憶されるデータの一例として、「第1事業者60」が「2014年7月1日」に事業を開始したことを示している。そして、第1事業者60の素性情報のうち、事業情報が「aaa」であり、ストア情報が「bbb」であり、商品情報が「ccc」であり、単語情報が「ddd」であり、財務情報が「eee」であることを示している。また、第2事業者70に対して算出された融資需要度は、「85」であることを示している。
(素性情報記憶部122について)
素性情報記憶部122は、モデル生成処理に用いられる素性に関する情報を記憶する。具体的には、素性情報記憶部122は、商取引サイトにおける事業者(出店者)に対するユーザからの評価に関する情報や、事業者の属性情報等を記憶する。図3に示すように、素性情報記憶部122は、事業情報テーブル123と、ストア情報テーブル124と、商品情報テーブル125と、単語情報テーブル126といったデータテーブルを有する。以下、各データテーブルについて順に説明する。
(事業情報テーブル123について)
事業情報テーブル123は、事業者の事業者としての属性情報や、事業に関する情報等を記憶する。ここで、図5に、実施形態に係る事業情報テーブル123の一例を示す。図5に示すように、事業情報テーブル123は、「事業者」、「ストアアカウント」、「法人格」、「業種」、「継続年数」、「融資情報」といった項目を有する。また、「融資情報」の項目は、「前回の融資日」、「融資先へのアクセス情報」といった小項目を含む。
「事業者」は、図4で示した同一の項目に対応する。「ストアアカウント」は、事業者が商取引サイトにおいて出店する際にウェブサーバ30側から発行されたアカウントを示す。なお、事業者は、複数のストアアカウントを有していてもよい。例えば、事業者は、取り扱う商品のカテゴリや、事業形態に応じて、ストアアカウントを使い分けることができる。また、ウェブサーバ30は、事業者が有するストアアカウントのうち、一つのストアアカウントに関して退店等の処分を下した場合には、同一事業者が有する他のストアアカウントについても退店させる(出店の権利を失わせる)処理を行ってもよい。また、算出装置100は、事業者ごとにではなく、ストアアカウントごとに事業情報等を取得してもよい。
「法人格」は、出店者の法人格を示す。「業種」は、ストアの業種を示す。なお、業種は、例えば、ストアで取り扱う商品のカテゴリに対応するものであってもよい。また、業種は、1のストアに1の業種が設定されるのではなく、複数の業種が設定されてもよい。「継続年数」は、ストアが継続している年数を示す。
「融資情報」は、事業者が受けている融資に関する情報を示す。「前回の融資日」は、直前に事業者が融資を受けた際の日付を示す。「融資元へのアクセス情報」は、事業者が融資元のウェブサイト(融資に関する情報を提供したり、融資の相談や融資の申し入れを受け付けたりするサイト)へのアクセスに関する情報を示す。なお、図5で示した例では、「融資元へのアクセス情報」を「G01」等の概念で示しているが、実際には、「融資元へのアクセス情報」の項目には、事業者が融資を行う金融機関のサイトへアクセスした回数や、金融機関のサイトを閲覧した閲覧時間や、金融機関のサイトへアクセスを行う頻度や、実際に融資の申し入れを行った回数等の情報が記憶されるものとする。また、図5での図示は省略するが、融資情報には、事業者が過去に融資を受けた回数や、事業者が融資を受けた金額や、融資に対する返済情報(完済に関する履歴や、返済の延滞の履歴の有無等)が記憶されてもよい。
すなわち、図5では、事業情報テーブル123に記憶されるデータの一例として、第1事業者60のストアアカウントは「A01」であり、法人格は「個人事業主」であり、業種は「輸入業」であり、継続年数は「2年6ヶ月」であることを示している。また、第1事業者60の融資情報は、前回の融資日が「2016年8月1日」であり、融資元へのアクセス情報が「G01」であるといったことを示している。なお、実施形態では、前回の融資日に所定期間内(例えば、半年間や1年間)の日付が記憶された事業者を「第1事業者」として取り扱い、前回の融資日に情報が記憶されていなかったり、融資を受けた日付が所定期間より前であったりする事業者を「第2事業者」として取り扱う。
なお、図5での図示は省略するが、事業情報テーブル123には、上述した情報の他に、事業者に関する種々の情報が記憶されてもよい。例えば、事業情報テーブル123には、各ストアアカウントに対応する事業情報が記憶されてもよい。具体的には、事業情報テーブル123には、商取引サイトで事業者が運営する店舗に関する情報が記憶されてもよい。例えば、事業者が運営する店舗に関する情報とは、店舗における財務情報(売上高や取引高等)や、店舗における決算に関する情報等が含まれてもよい。
(ストア情報テーブル124について)
ストア情報テーブル124は、事業者が運営しているストア(店舗)に関する情報を記憶する。ここで、図6に、実施形態に係るストア情報テーブル124の一例を示す。図6に示すように、ストア情報テーブル124は、「事業者」、「ストアアカウント」、「売上件数」、「売上金額」、「PV(1日)」、「レビュー数」、「ストア評点」といった項目を有する。
「事業者」及び「ストアアカウント」は、図4又は図5の同一の項目に対応する。「売上件数」は、ストアにおける商品の売上件数を示す。「売上金額」は、ストアにおける商品の売上金額を示す。なお、図6で示した例では、「売上件数」や「売上金額」に記憶される情報を「B01」や「C01」等の概念で示しているが、実際には、「売上件数」や「売上金額」の項目には、具体的な商品の売上件数や売上金額の値や、取り扱う商品数に対する売上件数の割合や、件数や金額の集計期間等、売上件数や売上金額に関する種々の情報が記憶される。
「PV(1日)」は、商取引サイトにおいて、ストアアカウントに対応するストアのショップページにユーザがアクセスした一日のアクセス数(Page View)を示す。例えば、PVの項目には、日々集計されるPVの数が随時記憶されてもよいし、所定期間におけるアクセス数の合計数を平均した場合の1日のPVの数が記憶されてもよい。
「レビュー数」は、ストアに対してユーザが投稿したレビューの数を示す。図6に示した例では、レビュー数として、ストアにおける1日の平均のレビュー数が記憶される例を示している。「ストア評点」は、ユーザが投稿したレビューにおいてストアを評価する指標値を示す。例えば、ストア評点は、1から5までの5段階の数値により示され、5が最も評価が高く、1が最も評価が低いものとする。図6に示した例では、ストア評点として、ユーザから投稿されたレビューにおける評点の平均点が記憶される例を示している。なお、レビュー数やストア評点は、所定期間(例えば1週間など)において集計した数や評点の平均が記憶されてもよいし、現時点までの累積数が記憶されてもよいし、現時点までの累積数をストアの継続年数で割った数など、様々な態様で集計された情報が記憶されてもよい。
すなわち、図6では、ストア情報テーブル124に記憶されるデータの一例として、第1事業者60が有するストアアカウントA01における売上件数は「B01」であり、売上金額は「C01」であり、ストアのPV(1日)は「350」回であり、1日の平均のレビュー数は「20」であり、ストア評点は「3.4」であることを示している。
なお、図6での図示は省略するが、ストア情報テーブル124には、上述した情報の他に、ストアに関する種々の情報が記憶されてもよい。例えば、ストア情報テーブル124には、継続してストアを利用するユーザ(例えば、1週間以内に再びアクセスを行うなどの行動を行うユーザ)の数や、ユーザの顧客単価(例えば、所定期間における1ユーザあたりの購買額)や、所定期間においてストアや事業者名や商品が検索された回数や、検索回数の増加率等の情報が記憶されてもよい。また、ストア情報テーブル124には、ストアにおける決済情報等が記憶されてもよい。ここで、決済情報とは、例えば、各ストアを管理する商取引サイト側からの入金回数や、あるいは、ユーザの決済手段の種類等が含まれる。例えば、あるストアにおいて、ユーザの決済手段としてクレジットカード使用が主流である場合、ストア(事業者)へ実際に入金が行われるタイミング(入金サイクル)の間隔が長くなると想定される。この場合、第2事業者70は、例えば、すぐに利用するための当座の資金を手に入れる手段として、融資を求める場合がある。すなわち、ストアの決済情報も、第2事業者70の融資需要度を算出するための要素となる可能性がある。このように、ストア情報テーブル124は、図5に図示した例に限らず、種々のストアに関する情報を取得するようにしてもよい。
(商品情報テーブル125について)
商品情報テーブル125は、事業者がストアにおいて提供する商品に関する情報を記憶する。ここで、図7に、実施形態に係る商品情報テーブル125の一例を示す。図7に示すように、商品情報テーブル125は、「事業者」、「ストアアカウント」、「商品ID」、「商品評点」、「レビュー総数」といった項目を有する。
「事業者」及び「ストアアカウント」は、図4又は図5の同一の項目に対応する。「商品ID」は、ストアで取り扱う商品を識別する識別情報を示す。なお、本明細書中では、識別情報を説明に用いる参照符号として用いる場合がある。例えば、商品IDが、「P01」である商品を「商品P01」と表記する場合がある。
「商品評点」は、商品に対してユーザが投稿したレビューにおける評点を示す。例えば、商品評点は、図6で示したストア評点と同様、1から5までの5段階の数値により示され、5が最も評価が高く、1が最も評価が低いものとする。図7に示した例では、商品評点として、ユーザから投稿されたレビューにおける評点の平均点が記憶される例を示している。「レビュー総数」は、商品に対して投稿されたレビューの総数を示している。
すなわち、図7では、商品情報テーブル125に記憶されるデータの一例として、第1事業者60が有するストアアカウントA01で取り扱う商品ID「P01」で識別される商品P01は、商品評点が「3.2」であり、レビュー総数が「125」であることを示している。
なお、図7での図示は省略するが、商品情報テーブル125には、レビューが集計された期間に関する情報や、PVに対して投稿されたレビュー数の割合や、商品ごとの売上件数や売上金額等の情報が記憶されてもよい。また、商品情報テーブル125には、各ストアアカウントに対応する店舗で取り扱う商品の商品情報が記憶されてもよい。具体的には、商品情報は、事業者が運営する店舗で取り扱われる商品のカテゴリ(ジャンル)や、各商品の売上高や取引高や、取り扱われる商品の総数や、取り扱われる商品の種別の数等を含む。
(単語情報テーブル126について)
単語情報テーブル126は、事業者(ストア)に対してレビューとしてユーザから投稿されたテキストデータや、ユーザレビューに対して事業者側が回答したコメントに含まれるテキストデータ等に含まれる単語に関する情報を記憶する。ここで、図8に、実施形態に係る単語情報テーブル126の一例を示す。図8に示すように、単語情報テーブル126は、「事業者」、「ストアアカウント」、「出現単語」、「単語出現数」といった項目を有する。
「事業者」及び「ストアアカウント」は、図4又は図5の同一の項目に対応する。「出現単語」は、ストアや商品に対してユーザから投稿されたレビューや事業者のコメントにおいて出現した単語を示す。「単語出現数」は、集計されたテキストデータのうち、各単語が出現した回数を示す。
すなわち、図8では、単語情報テーブル126に記憶されるデータの一例として、第1事業者60が有するストアアカウントA01に対応するストアに対して投稿されたレビューでは、「入荷」が「80」回、「仕入」が「51」回、「在庫」が「26」回、「発送」が「16」回、「売り切れ」が「12」回出現したことを示している。また、第2事業者70が有するストアアカウントA11に対応するストアに対して投稿されたレビューでは、「在庫」が「57」回、「配達」が「50」回、「迅速」が「46」回、「仕入」が「31」回、「翌日」が「25」回出現したことを示している。
なお、図8では、単語出現数を回数として示したが、単語出現数に対応する情報は、例えば、テキストデータに含まれる全単語の数のうちに占める割合等の情報であってもよい。また、単語情報テーブル126に記憶される情報は、所定期間ごとに集計された情報が記憶されてもよい。例えば、ユーザからのレビューは、季節ごとに投稿される内容が異なることも予測される。このため、単語情報テーブル126には、例えば、同一の時期に集計されたテキストデータにおいて出現する単語や出現数などを比較した情報等が記憶されてもよい。
なお、算出装置100は、単語に関する情報を集計するにあたり、例えば、ユーザから投稿されるテキストデータに対して形態素解析を行ってもよい。さらに、算出装置100は、1のレビューにおける単語の重みに基づいて、集計する単語を予め取捨選択してもよい。例えば、算出装置100は、tf−idf(Term Frequency−Inverse Document Frequency)など、レビューに出現する各単語をスコアリングするアルゴリズムを利用し、重みの高い単語のみを記憶するようにしてもよい。また、算出装置100は、出現数や重み等にかかわらず、レビューに出現した全ての単語を記憶するようにしてもよい。
(モデル記憶部127について)
モデル記憶部127は、算出装置100によって生成されたモデルに関する情報を記憶する。ここで、図9に、実施形態に係るモデル記憶部127の一例を示す。図9に示すように、モデル記憶部127は、「モデルID」、「情報更新日」、「正解データ」といった項目を有する。
「モデルID」は、モデルを識別するための識別情報を示す。「情報更新日」は、モデルが更新された日付を示す。「正解データ」は、生成されたモデルが正解データとした事例を示す。例えば、正解データの項目が「1カ月以内に融資を受けた事業者」であるモデルは、事業者のうち、1カ月以内に融資を受けた事業者(すなわち、この事業者は第1事業者60に含まれる)に関する情報を正解データとして学習されたモデルであることを示す。
すなわち、図9では、モデル記憶部127に記憶されるデータの一例として、モデルID「M01」で識別されるモデルM01は、「2017年1月1日」に情報が更新されており、モデルM01が正解データとした事例は、「1カ月以内に融資を受けた事業者」であることを示している。
(融資行動記憶部128について)
融資行動記憶部128は、算出された融資需要度に基づき判定される融資行動に関する情報を記憶する。ここで、図10に、実施形態に係る融資行動記憶部128の一例を示す。図10に示すように、融資行動記憶部128は、「条件ID」、「融資需要度」、「融資行動」といった項目を有する。
「条件ID」は、融資行動を判定するための条件を識別するための識別情報を示す。「融資需要度」は、算出装置100によって算出された融資需要度を示す。「融資行動」は、算出装置100が判定する融資行動の内容を示す。融資行動は、例えば、算出装置100が金融機関に対して推奨する行動(例えば、営業活動の内容)を示す。融資行動は、例えば、事業者を訪問する行動や、事業者に対して電話による営業活動を行うという行動や、メールによる営業活動を行うという行動等である。また、融資行動には、融資需要度に鑑みて営業活動を停止したり休止したりといった行動も含まれる。
すなわち、図10では、融資行動記憶部128に記憶されるデータの一例として、条件ID「G01」で識別される条件は、融資需要度が「100−81」の値をとることであり、その条件に該当する場合に金融機関が採るべき融資行動として判定される行動は、「訪問+電話」という行動であることを示している。
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、算出装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(算出プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
実施形態に係る制御部130は、図3に示すように、取得部131と、生成部132と、受付部133と、算出部134と、判定部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、事業者に関する情報を取得する。具体的には、取得部131は、ネットワーク上の所定の商取引サイトにおいて商取引を行う事業者のうち、過去に融資の申し込みを行った事業者である第1事業者60と、処理対象となる事業者である第2事業者70とに関する情報を取得する。
取得部131は、事業者に関する情報として、所定の商取引サイトにおける事業者に対するユーザからの評価に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、事業者に対するユーザからの評価に関する情報として、事業者が出店したストア(店舗)もしくは商品に対するユーザからの反応の数、又は、事業者が出店したストアもしくは商品に対してユーザが評点した評価値に関する情報を取得する。具体的には、取得部131は、素性情報記憶部122内に記憶される、ユーザからのレビューに関する情報を取得する。
また、取得部131は、事業者が出店したストアもしくは商品に対するユーザからの反応の数の推移、又は、事業者が出店したストアもしくは商品に対してユーザが評点した評価値の推移に関する情報を取得してもよい。すなわち、取得部131は、所定期間におけるレビューが投稿された数の増減や、評点の増減の推移を取得する。これにより、取得部131は、かつてユーザから低い評価を得ていたストアが、近年では高い評価を受けるようになった等の傾向に関する情報を取得することができる。例えば、ストア評点が急激に上昇した場合やレビューが急激に増加した場合は、例えば事業者が扱う商品が流行している状況等が想定される。この場合、事業者は、商品の仕入れを増やしたり、商品を増産したりするため、融資への需要が高まることが考えられる。すなわち、取得部131は、評価に関する情報の推移を取得することで、近いうちに融資を受ける機会が発生すると想定される事業者を抽出するための情報を取得することができる。
また、取得部131は、事業者に対するユーザからの評価に関する情報として、事業者が出店したストアもしくは商品に対するユーザからのレビューに含まれる単語を取得する。例えば、取得部131は、ユーザからのレビューを形態素解析し、レビューに含まれる単語を抽出し、抽出された単語に関する情報を取得する。また、取得部131は、tf−idfなど、レビューに出現する各単語をスコアリングするアルゴリズムを利用し、重みの高い単語のみを取得するようにしてもよい。なお、取得部131は、事業者が出店した店舗もしくは商品に対するユーザからのレビューに対して事業者が返信したコメント(すなわち、コメントに含まれる単語)を取得してもよい。
また、取得部131は、事業者に関する情報として、所定の商取引サイトにおける事業者の事業者としての属性情報を取得する。具体的には、取得部131は、属性情報として、事業者の事業者としての法人格、又は、事業者の事業者としての業種を取得する。なお、この場合の業種とは、製造業や通信業などの狭義の意味の業種ではなく、例えば、出店したストアで取り扱う商品のカテゴリ等により示されるような、ストアの特徴を示す広義の業種の意味を含んでもよい。
また、取得部131は、事業者が過去に融資の申し込みを行った回数、又は事業者が融資に関連するサイトにアクセスした回数を取得する。例えば、第2事業者70は、融資を受けたり、融資の申し入れを行ったりせずとも、金融機関のサイトを頻繁に訪れ、融資に関する情報を取得している場合がありうる。かかる第2事業者70は、他の事業者と比較して、融資に関心を示す度合いが高いと想定される。取得部131は、このような事業者の融資に対する行動情報を取得することにより、後述する算出処理に活用させることができる。
また、取得部131は、融資需要度に基づいて採るべき融資行動の種別を取得してもよい。例えば、取得部131は、算出装置100の管理者や金融機関等から、融資行動や、融資行動を採る場合の条件(例えば、融資需要度の値に応じた条件)等の情報を取得する。
取得部131は、取得した情報を適宜記憶部120に記憶する。例えば、取得部131は、取得した事業者の事業情報等を事業情報テーブル123に記憶する。また、取得部131は、取得したユーザからの評価に関する情報をストア情報テーブル124や、商品情報テーブル125や、単語情報テーブル126に記憶する。また、取得部131は、例えば算出装置100の管理者や金融機関等により設定される融資行動を取得した場合には、融資行動に関する情報を融資行動記憶部128に記憶する。
なお、取得部131は、情報を取得する第1事業者60及び第2事業者70を特定せずに、種々の第1事業者60及び第2事業者70の情報を無作為に取得してもよい。例えば、取得部131は、検索エンジン等に用いられる探索ロボットなどのプログラムを利用して、インターネット上をクロールさせることにより、第1事業者60及び第2事業者70に関する情報を随時取得したり、取得した情報を更新したりしてもよい。
また、取得部131は、例えば金融機関や財務管理企業等から第1事業者60及び第2事業者70の財務情報が取得可能な場合には、かかる情報を取得してもよい。後述する算出部134は、取得部131によって財務情報が取得された場合には、財務情報を加味して第2事業者70に対する融資需要度を算出してもよい。
(生成部132について)
生成部132は、第1事業者60に関する情報に基づいて生成されるモデルであって、第2事業者70に関する情報が入力された場合に、第1事業者60と第2事業者70との相関性を示すスコアを出力するモデルを生成する。
例えば、生成部132は、所定の商取引サイトにおける第1事業者60に対するユーザからの評価に関する情報に基づいてモデルを生成する。例えば、生成部132は、第1事業者60が出店したストアもしくは商品に対するユーザからのレビューに含まれる単語と、第2事業者70が出店したストアもしくは商品に対するユーザからのレビューに含まれる単語との相関性に基づいてスコアを出力するモデルを生成してもよい。
また、生成部132は、所定の商取引サイトにおける第1事業者60の事業者としての属性情報に基づいてモデルを生成してもよい。例えば、生成部132は、第1事業者60の事業者としての法人格と第2事業者70の事業者としての法人格、又は、第1事業者60の事業者としての業種と第2事業者70の事業者としての業種との相関性に基づいてスコアを出力するモデルを生成してもよい。
すなわち、生成部132は、取得部131によって取得された第1事業者60に関する各情報を素性とし、正解データである第1事業者60を当てるためのモデルを生成する。具体的には、生成部132は、素性となる第1事業者60に関する各情報のうち、どのような情報にどのような重みが与えられるかを回帰的に学習させたモデルを生成する。言い換えれば、生成部132は、正解データとして取得された第1事業者60に関する各情報のうち、いずれの情報が「融資を受ける(融資を申し込む)という行動」に影響を与えるか、といったことを示すモデルを生成する。
以下に、生成部132が生成するモデルの一例を示す。なお、生成部132が生成するモデルは以下のものに限られず、第1事業者60に関する情報に基づいて生成されるモデルであって、第2事業者70に関する情報が入力された場合に、第1事業者60と第2事業者70との相関性を示すスコアを出力するモデルであれば、どのようなモデルであってもよい。
例えば、生成部132は、第1事業者60が融資を受けたこと(もしくは、融資を申し込んだこと)を示した結果情報を機械学習における目的変数とする。そして、生成部132は、取得部131によって取得された第1事業者60に関する各情報を説明変数(素性)とする。そして、生成部132は、目的変数と説明変数とを用いて、第1事業者60に関するモデルを生成する。この際、生成部132は、種々の説明変数を用いてモデルを生成する。例えば、生成部132は、素性情報記憶部122に記憶されているあらゆる情報を説明変数として用いることができる。
例えば、生成部132は、第1事業者60が融資を受けたという結果情報と、第1事業者60に関する情報との関係を示す式を生成する。さらに、生成部132は、第1事業者60に関する個々の情報が、第1事業者60が融資を受けたという結果の事象に対して、どのような重みを有するかを学習して算出する。これにより、生成部132は、第1事業者60が融資を受けたという事象に対して、個々の情報がどのくらい寄与するのかといった情報を得ることができる。例えば、生成部132は、下記式(1)を作成する。
y = ω1・x1 + ω2・x2 + ω3・x3 ・・・+ ωN・xN ・・・(1)(Nは任意の数)
上記式(1)は、例えば、個々の第1事業者60ごとに作成される。上記式(1)において、「y」は、「第1事業者60が金融機関から(所定期間内に)融資を受けたか否か」という事象を示す。学習において、第1事業者60を正解データとするのであれば、「y」は「1」の値を取る。また、学習において、仮に、現時点では融資を受けていない第2事業者70を正解データとするのであれば、「y」は「0」の値を取る。
また、上記式(1)において、「x」は、第1事業者60に関する情報(素性)である各説明変数に対応する。また、上記式(1)において、「ω」は、「x」の係数であり、所定の重み値を示す。具体的には、「ω1」は、「x1」の重み値であり、「ω2」は、「x2」の重み値であり、「ω3」は、「x3」の重み値である。このように、上記式(1)は、第1事業者60に関する情報から抽出された特徴情報に対応する説明変数「x」と、所定の重み値「ω」とを含む変数(例えば、「ω1・x1」)を組合せることにより作成される。なお、上記式(1)は、第1事業者60ごとで生成されてもよいし、第1事業者60が有するストアアカウントごと(例えば、第1事業者60が運営する店舗ごと)に生成されてもよい。
例えば、上記式(1)において、仮に、「x1」は、「第1事業者60が運営する店舗におけるストア評点」であるとする。また、「x2」は、「第1事業者60の法人格」であるとする。また、「x3」は、「第1事業者60が運営する店舗におけるストアへのレビュー数」であるとする。この場合、第1事業者60に対応する上記式(1)は、以下の式(2)のように表すことができる。
y(第1事業者60)(=1) = ω1・(第1事業者60が運営する店舗におけるストア評点(=3.4)) + ω2・(法人格(=個人事業主)) + ω3・(第1事業者60が運営する店舗におけるストアへのレビュー数(=20))・・・+ ωN・xN ・・・(2)(Nは任意の数)
生成部132は、上記式(2)のように、第1事業者60ごと、または第1事業者60が有するストアアカウントごとに式を生成する。そして、生成部132は、生成した式を機械学習のサンプルとする。そして、生成部132は、サンプルとなる式の演算処理(回帰学習)を行うことにより、所定の重み値「ω」に対応する値を導出する。すなわち、生成部132は、上記式(2)を満たすような所定の重み値「ω」を決定する。言い換えれば、生成部132は、所定の説明変数が目的変数「y」に与える影響を示す重み値「ω」を決定することができる。例えば、「融資を受けた」という事象に対して、「ストアのレビュー数」が他の変数と比較して大きく寄与しているのであれば、「ストアのレビュー数」に対応する重み値「ω3」の値は、他の変数と比較して大きな値が算出される。
例えば、「ストアのレビュー数」が他の変数と比較して大きく事象に寄与しているのであれば、例えば、ストアのレビュー数が高いストアは商品の売上が比較的良いことから、第1事業者60が、事業の拡大等のために融資を受けようとしたこと等が考えられる。このように、生成部132が各素性情報を組み込んだモデルを生成することで、「融資を受けた」という事象を発生させる要因となった情報を高い精度で推定することができる。
なお、上記の例では、ストア評点やレビュー数を数値として示したが、これらの数値は、所定の処理により、説明変数として用いられるように変換されてもよい。例えば、生成部132は、既知の手法により、これらの数値を正規化して用いてもよい。あるいは、生成部132は、例えば、ストア評点を「高」「中」「低」と三段階に分け、それぞれを説明変数として用いてもよい。この場合、例えば、生成部132は、ストア評点が「高」であるという説明変数が、目的変数(=融資を受けた)に与える重み値を算出することができる。具体的には、生成部132は、学習処理の結果として、ストア評点が高い出店者ほど、融資を受ける至った可能性が高くなること等を導出することができる。
上記のようにして、生成部132は、ある事業者が「融資を受けた」という事象に至る傾向と、その事業者に関する情報(素性)との関連性を求めるためのモデルを生成する。すなわち、生成部132は、生成したモデルに、処理対象とする第2事業者70の情報を入力した場合に、それらの情報が「融資を受けた」という事象、言い換えれば、第2事業者70が第1事業者60にどのくらい類似した傾向を有するか、といった関連性を示すスコアを出力することができる。なお、上記式(2)を用いた算出処理では、左辺を「1」や「0」そのものとするのではなく、所定の誤差を想定し、かかる誤差との差異を2乗した値が最小値となるよう近似する最小二乗法などの手法を用いて、「ω」の最適解を算出してもよい。また、生成部132は、「実際に融資を受けた」第1事業者60に対応する左辺を「1」とし、「融資の申し入れを行ったが、実際には融資を受けていない」第1事業者60に対応する左辺を「0.5」とするなどの調整を行ってもよい。
なお、上記の例では表記を省略したが、生成部132は、第1事業者60に関するあらゆる素性を用いてモデルを生成してもよい。例えば、生成部132は、商取引サイトにおいて第1事業者60が運営する店舗に関する情報に基づいてモデルを生成してもよい。第1事業者60が運営する店舗に関する情報とは、例えば、第1事業者60が運営する店舗における財務情報、又は、店舗が扱う商品に関する情報等を含む。具体的には、第1事業者60が運営する店舗における財務情報とは、店舗の売上高や取引額、また、店舗の決済の種別(決済情報)等を含む。また、第1事業者60が運営する店舗が商品に関する情報等とは、店舗が取り扱う商品の売上高や取引額、店舗が取り扱う商品のカテゴリやジャンル、店舗が取り扱う商品の総数、あるいは、店舗が取り扱う商品の種別の数等を含む。また、例えば、生成部132は、第1事業者60に対してユーザから投稿されたあらゆる単語を説明変数としてモデルを生成してもよい。これにより、生成部132は、例えば、レビューに「仕入」や「在庫」や「迅速」が比較的多く含まれているストアは融資を受ける傾向が高いといったような傾向を見出すことのできるモデルを生成できる。具体的には、第2事業者70に対するユーザからのレビューに「在庫」という単語が含まれている場合、ユーザは商品の在庫情報等を尋ねていることが想定される。この場合、当該商品を手に入れたいと所望するユーザが多く存在する可能性があり、かかる状況が、第2事業者70が融資を受けるための契機となりうる可能性がある。これは、例えば、ユーザレビューに対して第2事業者70が回答したコメントに「在庫」という単語が多く含まれている場合であっても、同様の状況が予測される。すなわち、実施形態における情報に基づくと、「在庫」という単語は、「融資を受けた」という結果に対して(第1事業者60との相関性を求める素性として)重みが重い要素であるといえる。
なお、生成部132は、単語を素性として用いる場合には、単語の出現数を加味してもよい。例えば、生成部132は、所定の単語に対して算出した重みについて、単語が出現する回数に応じて、さらに所定の割合を乗じるような調整を行ってもよい。これにより、生成部132は、第1事業者60との相関性を強く示す単語が頻繁に出現する第2事業者70については、より第1事業者60との相関性を強く示すスコアを出力するようなモデルを生成することができる。また、生成部132は、所定のドキュメント(ユーザから投稿された1つのレビューや、商品に対する一つのレビューなど)におけるtf−idf等の重みを利用して、所定の単語に対して算出した重みについて、さらに所定の割合を乗じるような調整を行ってもよい。
また、かかる学習を経て、生成部132は、例えば、「個人事業主」や「財団法人」といった法人格は融資を受ける可能性が低く、「株式会社」は融資を受ける可能性が高い、といった傾向(相関性)を導出することができる場合がある。この場合には、株式会社や個人事業主といった「属性」が、融資を受けるという事象に対して重みを持つことになる。なお、学習の結果によっては、事業者の属性が「融資を受ける」という事象に対してほとんど影響を及ぼさないという結果が出る場合もある。この場合、上記式(2)のうち、属性に対応する重みは「0」に近付くことになると想定される。
なお、例示したモデルは一例であり、生成部132が生成するモデルは上記の例に限られない。すなわち、生成部132は、第1事業者60に関する情報に基づいて生成されるモデルであって、第2事業者70に関する情報が入力された場合に、第1事業者60と第2事業者70との相関性を示すスコアを出力するモデルであれば、既知の手法を組み合わせることによって、上記例とは異なるモデルを適宜生成してもよい。例えば、上記の例では、回帰分析によってモデルを生成する例を示したが、生成部132は、他の統計的処理によりモデルを生成してもよいし、また、ニューラルネットワークを利用したモデル等を生成してもよい。また、学習処理(機械学習)においては、線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクタ―マシン、決定木、ハザード分析等の種々の手法が利用されてもよい。
上述のように、生成部132は、融資を受けた第1事業者60に関する情報に対して、第2事業者70に関する情報がどのくらい類似しているか、すなわち、相関性が見出せるかを示すモデルを生成する。すなわち、生成部132は、第1事業者60の属性情報や、第1事業者60が採った行動や、第1事業者60の店舗の売り上げやレビュー情報等に類似した情報を有する第2事業者70ほど、同じように融資を受けたい事業者であると推定するためのモデルを生成する。生成部132は、生成したモデルをモデル記憶部127に記憶する。
(受付部133について)
受付部133は、第2事業者70の融資需要度に関する要求を受け付ける。具体的には、実施形態に係る受付部133は、融資を行う事業者を選択したい要望を有する金融機関等から、第2事業者70の融資需要度を算出する旨の要求を受け付ける。
例えば、受付部133は、要求を受け付けたことを契機として、処理対象となる第2事業者70に関する情報を取得部131に取得させてもよい。すなわち、受付部133は、第2事業者70のストアに対するユーザからの評価や、第2事業者70の属性情報等を取得させる。そして、受付部133は、受け付けた情報を生成部132や算出部134に送る。
(算出部134について)
算出部134は、取得部131によって取得された第1事業者60に関する情報に基づいて、所定の商取引サイトに出店する第2事業者70に対する融資需要度を算出する。例えば、算出部134は、生成部132によって生成されたモデルから出力されたスコアに基づいて、第2事業者70の融資需要度を算出する。
具体的には、算出部134は、生成部132が生成したモデルに、処理対象とする第2事業者70に関する情報を入力することにより、第2事業者70のスコアを出力させる。出力されたスコアは、処理対象である第2事業者70と、既に融資を受けた第1事業者60との相関性を示す。例えば、第2事業者70と第1事業者60との相関性が高いという事象は、当該第2事業者70が、融資を受ける必要性を有していたり、融資を受けたいと所望していたり、融資に対する関心が高かったりすることを示している。
算出部134は、出力されたスコアに基づいて、第2事業者70の融資需要度を算出する。算出部134は、出力されたスコアそのものを第2事業者70の融資需要度としてもよいし、出力されたスコアを正規化する等の処理を行い、処理後に算出された値を第2事業者70の融資需要度としてもよい。例えば、算出部134は、モデルから出力されたスコアを100段階の数値に正規化する処理を行い、処理後に算出された1から100までの値を第2事業者70の融資需要度としてもよい。また、算出部134は、モデルから出力されたスコアをシグモイドフィッティング(Sigmoid fitting)等を用いて確率値に変換してもよい。
なお、算出部134は、必ずしも生成部132が生成したモデルを用いて第2事業者70の融資需要度を算出しなくてもよい。例えば、算出部134は、第2事業者70に対するユーザからの評価に関する情報と、第1事業者60に対するユーザからの評価に関する情報とを統計的に比較し、比較した情報に基づいて第2事業者70の融資需要度を算出してもよい。
(判定部135について)
判定部135は、算出部134によって算出された融資需要度に基づいて、第2事業者70に対する融資行動を判定する。例えば、判定部135は、算出部134によって算出された融資需要度が、融資行動記憶部128に保持された条件のいずれに該当するかを判定し、第2事業者70に対する融資行動を判定する。例えば、判定部135は、判定した融資行動を金融機関等の融資元に通知する。例えば、金融機関は、判定部135によって判定された融資行動に基づいて、第2事業者70に対して採るべき融資行動(営業活動の種別や、頻度、コスト等)を検討することができる。
〔4.処理手順〕
次に、図11を用いて、実施形態に係る算出装置100による生成処理の手順について説明する。図11は、実施形態に係る算出装置100による生成処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、取得部131は、モデルの生成のために、ウェブサーバ30から第1事業者60に関する情報を取得する(ステップS101)。そして、生成部132は、取得部131によって取得された情報に基づいて、第2事業者70に関する情報が入力された場合に、第1事業者60と第2事業者70との相関性を示すスコアを出力するモデルを生成する(ステップS102)。生成部132は、生成したモデルをモデル記憶部127に格納する(ステップS103)。
次に、図12を用いて、実施形態に係る算出装置100による算出処理の手順について説明する。図12は、実施形態に係る算出装置100による算出処理手順を示すフローチャートである。
図12に示すように、受付部133によって、融資需要度を算出するための要求が受け付けられた場合に、取得部131は、処理対象とする第2事業者70に関する情報を取得したか否かを判定する(ステップS201)。取得部131は、情報を取得していない場合には、取得するまで待機する(ステップS201;No)。
一方、第2事業者70に関する情報を取得した場合には(ステップS201;Yes)、算出部134は、取得した第2事業者70に関する情報を生成部132が生成したモデルに入力する(ステップS202)。
そして、算出部134は、処理対象とする第2事業者70と、第1事業者60との相関性を示すスコアを出力させる(ステップS203)。さらに、算出部134は、出力させたスコアに基づいて第2事業者70の融資需要度を算出する(ステップS204)。判定部135は、算出された融資需要度に基づいて第2事業者70に対する融資行動を判定する(ステップS205)。
〔5.変形例〕
上述した実施形態に係る算出装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の算出装置100の他の実施形態について説明する。
〔5−1.信用度〕
算出装置100は、融資需要度のみならず、第2事業者70の財務上の信用度(与信)を加味して、融資行動を判定してもよい。例えば、算出装置100は、融資需要度とともに、第2事業者70の信用度に基づいて融資行動を判定するための基準となる情報を記憶し、かかる情報に基づいて融資行動を判定する。
この点について、図13を用いて説明する。図13は、変形例に係る融資行動記憶部228の一例を示す図(1)である。図13に示すように、変形例に係る融資行動記憶部228は、図10で示した例に加え、「信用度」という項目を有する。
「信用度」は、第2事業者70の事業者としての信用度を示す数値である。例えば、算出装置100は、信用度として、上記した所定の財務管理企業等の第三者機関によって公表される事業者の信用度を利用してもよい。
また、算出装置100は、既知のモデルを利用して、第2事業者70の信用度を算出してもよい。一例として、算出装置100は、既知の任意の企業評価モデルを用いてもよい。例えば、財務情報に基づいて事業者の倒産確率を示すスコアを求める企業評価モデルとして、アルトマン(Edward Altman)のZ値等が広く知られている。算出装置100は、このような既存モデルを用いて、事業者の倒産確率を示すスコアを信用度の1つとして採用してもよい。
図13に示す例では、算出装置100が、融資需要度と信用度との組合せを条件として、融資行動を判定する例を示している。例えば、図13では、条件G11において、融資需要度が「100−81」であり、信用度が「100−81」である第2事業者70に対して、融資行動として「融資額の増額」と「積極的な営業活動」が示されている。これは、融資に対する必要性があり、かつ、信用度が高い第2事業者70に対しては、本来融資される額よりも増額して優遇するとともに、積極的に営業を行う(例えば、訪問や電話による営業活動を行う)といった融資行動を採るべきことを示している。
また、算出装置100は、融資需要度が「100−81」と、比較的高い数値を示していたとしても、信用度によっては、第2事業者70に対する融資行動を積極的に行わないよう判定する場合もある。例えば、図13では、条件G13において、融資需要度が「100−81」であり、信用度が「60−41」である第2事業者70に対して、融資行動として「高金利による融資を検討」が示されている。これは、融資に対する必要性があったとしても、信用度が低い第2事業者70に対しては、本来の金利よりも高い金利を設定して、貸し倒れのリスクに備える融資行動を採るべきことを示している。
このように、算出装置100は、第2事業者70に関する財務上の信用度を取得するとともに、算出された融資需要度と、取得された信用度とに基づいて、第2事業者70に対して採用する融資行動を判定してもよい。
すなわち、算出装置100は、融資需要度と信用度とを組み合わせて、第2事業者70に対して採用すべき融資行動を判定する。かかる処理によれば、金融機関は、与信に基づいてより安全な融資を行うことができるとともに、より少ない営業経費で融資を行うことができるため、融資に関する収益を最適化することができる。
〔5−2.広告配信〕
上記実施形態では、算出装置100は、第1事業者60や第2事業者70の属性情報や、出店した店舗の情報に基づいて融資需要度を算出する処理を説明した。ここで、算出装置100は、第1事業者60や第2事業者70の広告に関する情報を用いて、融資需要度を算出してもよい。
すなわち、第1事業者60や第2事業者70は、商取引サイトに出品した店舗において、ネットワーク情報の広告を用いた宣伝を行う場合がある。この場合、第1事業者60や第2事業者70は、広告サーバ(この例では、算出装置100が広告サーバの機能を兼ねるものとする)に広告を入稿し、広告の配信を行わせる。
ここで、広告には、広告配信の実績の測定に用いられる種々の指標値が存在する。これらの指標値は、広告の評価に関する情報と言い換えてもよい。例えば、広告に対する評価が高い事業者は、宣伝活動が上手く行っていることから、事業の調子が良いことが想定さえる。このため、広告に対する評価が高い事業者は、融資を受けて事業を拡大する可能性が高い事業者である場合がある。
そこで、算出装置100は、広告の評価に関する情報に基づいて、事業者の融資需要度を判定してもよい。例えば、算出装置100は、第1事業者60の広告の評価に関する情報と、第2事業者70の広告の評価に関する情報とを比較対照することにより、第2事業者70の融資需要度を算出してもよい。また、算出装置100は、広告の評価に関する情報を素性(説明変数)の1つとして用いてモデルを生成してもよい。
例えば、算出装置100は、広告の評価に関する情報として、広告がユーザから選択された数もしくは率、又は、当該広告を契機としてコンバージョンに至った数もしくは率を取得する。すなわち、算出装置100は、広告のCTR(Click Through Rate)やCVR(Conversion Rate)等の指標値を取得する。
また、算出装置100は、広告の評価に関する情報として、広告がユーザから選択された数もしくは率の推移、又は、当該広告を契機としてコンバージョンに至った数もしくは率の推移を取得してもよい。
また、算出装置100は、広告の評価に関する情報として、ユーザが利用するユーザ端末10において広告が表示された回数、広告が表示された時間もしくは広告が再生された時間、広告の再生が完遂した回数もしくは完遂した率、又は、広告を介して広告に対応付けられたランディングページに遷移した回数もしくは遷移した率を取得してもよい。
このように、算出装置100は、広告の評価に関する情報に基づくことで、より多角的な観点から、第2事業者70の融資需要度を算出することができる。
さらに、算出装置100は、融資需要度に基づいて、融資行動を判定するのみならず、第2事業者70が配信させている広告に関する制御を行ってもよい。
この点について、図14を用いて説明する。図14は、変形例に係る融資行動記憶部328の一例を示す図(2)である。図14に示すように、変形例に係る融資行動記憶部328は、図14で示した例に加え、「広告配信率」という項目を有する。
図14に示す例では、算出装置100が、融資需要度と信用度との組合せを条件として、広告配信率を判定する例を示している。ここで、広告配信率とは、事業者から入稿された広告の配信され易さを示す値である。一般に、広告配信率は、広告の入札額や、CTRやCPC(Cost Per Click)の値を考慮して設定される。図14に示す例では、算出装置100が、一般に求められる広告配信率に対して、融資需要度と信用度を加味して、所定の調整処理を行うことを示している。
例えば、図14では、条件G21において、融資需要度が「100−81」であり、信用度が「100−81」という条件を満たした第2事業者70に対して、広告配信率を「増加」させることが示されている。これは、融資需要度が高いことや信用度が高い事業者については、積極的に広告配信を行わせることで、さらに売上を拡大させたり、事業を拡大させたりといった、良い影響を及ぼすことが想定されることによる。また、融資需要度が高く、信用度が高い事業者に対しては、金融機関から積極的な融資が行われることが想定される。このため、広告を配信する側にとっても、配信に掛かった広告料金を回収できる見込みが高いことや、より広告料を増加させることができる見込みが高いため、利点がある。
一方、図14に示すように、条件G23において、融資需要度が「100−81」であり、信用度が「60−41」という条件を満たした事業者に対しては、広告配信率を「減少」させることが示されている。例えば、融資需要度が高く信用度が低い事業者は、融資に対する関心が高いにもかかわらず、事業の調子(財務上のデータ等)が良くない事業者であると可能性がある。このため、このような事業者について過度に広告配信を行うと、配信に掛かった広告料金を回収できなくなったりする可能性がある。このため、算出装置100は、このような事業者の配信率を下げ、通常よりも広告が配信されにくくするなどの処理を行う。
このように、算出装置100は、融資需要度や信用度に基づいて、第2事業者70が入稿した広告の配信され易さを判定してもよい。これにより、算出装置100は、融資需要度が高く信用もある事業者については、事業の拡大や売上の増加を後押しすることができる。また、算出装置100は、融資需要度が高く信用がない事業者については、広告配信量を抑えることで、広告料金の枯渇を防止したり、(広告料金が売掛の場合には)広告料金の貸し倒れを防止したりすることができる。
〔5−3.共起する単語〕
上記実施形態では、算出装置100は、素性として単語を用いる例を示した。かかる例において、算出装置100は、1つの単語を素性とするのではなく、ある単語と、当該単語と共起する単語とのペアを素性として用いてもよい。
例えば、事業者からのコメントにおいて、「入荷」という単語が出現する場合に、「入荷」と「迅速に」という単語が共起して用いられる場合と、「入荷」と「予定なし」という単語が共起して用いられる場合とでは、事業者が融資を所望する度合いに隔たりがあると想定される。このため、算出装置100は、所定の単語に関して共起する組み合わせを予め設定し、設定した単語の組合せを素性として用いるようにしてもよい。
なお、算出装置100は、共起する単語の組み合わせについて、予め設定されたデータを記憶してもよいし、学習処理によって組み合わせとする単語のペアを抽出するようにしてもよい。これにより、算出装置100は、取得された単語の影響をより強く反映させた融資需要度の算出処理を行うことができる。
〔5−4.モデルに入力するデータ〕
上述した実施形態において、算出装置100は、第2事業者70に関する情報を入力して、第1事業者60との相関性を示すスコアを算出する例を示した。ここで、算出装置100は、モデルを生成するために用いられた第1事業者60の情報と、モデルに入力される第2事業者70の情報との取得時期を対応させるようにしてもよい。
算出装置100が取得する情報は、ショッピングモール等の商取引サイトにおける情報であるため、時期的影響を受けた情報となる可能性がある。例えば、年末など取引が盛んに行われる時期と、それ以外の時期とでは、ストアごとの売上件数や売上金額に差が生じる可能性がある。このため、算出装置100は、モデルを生成するために情報を取得した時期を記憶しておく。そして、算出装置100は、処理対象となる第2事業者70の情報を入力する場合には、モデルの生成に用いられた情報が取得された時期と類似する時期に取得された情報を入力する。これにより、算出装置100は、出力されるスコアの時期的影響を加味した算出処理を行うことができる。
また、算出装置100は、算出する融資需要度に対して、時期的要因を加味させてもよい。例えば、第1事業者60が融資を受けた時期は、年末年始やセール時期の前などの特定の時期に集中する場合がある。すなわち、過去に事業者が多く融資を受けた時期は、第2事業者70についても、融資を受けたいと所望する度合いが高まることが想定される。このため、算出装置100は、このような時期を想定して算出された融資需要度については、例えば、所定の係数を融資需要度に乗じるなどの調整処理を行ってもよい。この場合、算出装置100は、一年を通した融資の数や時期等を学習し、上記所定の係数を求めるようにしてもよい。
〔5−5.情報量〕
上記実施形態において、算出装置100は、ネットワーク上で取得可能な種々の情報に基づいて、モデルを生成する例を示した。ここで、算出装置100は、各種ウェブサイトを利用する一般ユーザから取得される情報が一定の閾値を超えたもののみを用いて処理を行うようにしてもよい。
例えば、あるストアにおける商品に関するレビューや、ユーザの評価等は、一定数以上のデータに基づかない場合、偏った傾向を示すことがありうる。この場合、回帰式に偏った傾向のデータの影響が及ぶため、算出装置100は、第2事業者70の融資需要度を精度よく算出することができないモデルを生成する場合がある。このため、算出装置100は、所定のストアアカウントに対して、ユーザから送信された評点やレビューの総数が一定数を超えたもののみを、モデルの算出処理で扱うデータとすることができる。これにより、算出装置100は、信頼性の高いスコアを出力するモデルを生成することができる。
〔5−6.補正〕
算出装置100は、現実の経済状態によって、出力されるスコアに補正をかけることのできるモデルを生成してもよい。例えば、算出装置100は、円高傾向のときに経営状態が良くなる第2事業者70と、影響のない第2事業者70と、経営状態が悪化する第2事業者70とを分類する。そして、算出装置100は、モデルを生成する際には、所定期間における円の価値の動向についても素性とすることにより、円の価値の動向が加味されて補正されたスコアを出力させるモデルを生成する。算出装置100は、例えば、長期的に第1事業者60及び第2事業者70の情報を取得し、円の価値の動向などとの連動性に関する情報を蓄積することにより、このような補正情報をモデルに反映させる。
なお、上記のような補正は、例えば、モデルに入力する第1事業者60の業種を輸入業に限定したり、輸出業に限定したりすること等によって行われてもよい。
〔5−7.情報のバリエーション〕
上記実施形態において、算出装置100は、素性情報記憶部122に記憶される各種情報を用いて処理を行う例を示した。ここで、算出装置100が扱う情報のバリエーションに関して、より詳細に説明する。
例えば、算出装置100は、単語情報テーブル126に記憶される単語に関して、さらに詳細な情報を取得してもよい。例えば、算出装置100は、取得された単語を形態素解析し、品詞ごとに集計された情報を取得してもよい。具体的には、算出装置100は、名詞のカテゴリを人、物、場所等へ分類した集計結果を取得する。また、算出装置100は、各単語がポジティブ属性を有するか、ネガティブ属性を有するかといった分類結果や、メッセージが対話形式である場合、かかる対話の意図判定などの判定結果を取得することができる。
また、算出装置100は、ユーザから送信される音声情報を、メッセージとして取得してもよい。すなわち、算出装置100は、音声検索や音声入力などを利用するユーザから送信される音声を音声認識することにより、単語を含むテキスト情報として取得してもよい。
また、算出装置100は、取得された単語に関して、特定の品詞のみを抽出してもよい。例えば、算出装置100は、名詞や形容詞など、第1事業者60及び第2事業者70の状況を端的に表すことのできる品詞を処理に用いてもよい。これにより、算出装置100は、スコア算出の精度を低下させずに、処理負担を軽減させることができる。
また、算出装置100は、予め登録された単語のみをスコア算出の処理に用いてもよい。例えば、算出装置100は、「良い」や、「悪い」等といった、第1事業者60及び第2事業者70への評価を端的に表すことのできる単語を処理に用いてもよい。かかる登録は、例えば、算出装置100の管理者により行われる。
また、算出装置100は、単語を品詞として分類する他に、所定のカテゴリ毎に分類してもよい。例えば、算出装置100は、「人名」や、「場所」や、「金額」といったカテゴリを予め登録し、かかるカテゴリに該当する単語に関する情報を処理に用いてもよい。
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、図3に示した記憶部120内の情報は、算出装置100が保持せずに、外部のストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、算出装置100は、ストレージサーバにアクセスすることで、格納されている各種情報を取得する。
また、例えば、上述してきた算出装置100は、各種情報を取得したり、事業者の融資需要度の算出要求を受け付けたりといった、外部装置とのやりとりを主に実行するフロントエンドサーバ側と、生成処理や算出処理などを実行するバックエンドサーバ側とに分散されてもよい。この場合、例えば、フロントエンドサーバは、少なくとも、取得部131を有する。また、バックエンドサーバは、少なくとも、算出部134を有する。
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る算出装置100やユーザ端末10や事業者端末20やウェブサーバ30は、例えば図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、算出装置100を例に挙げて説明する。図15は、算出装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(図2に示すネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が算出装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る算出装置100は、取得部131と、算出部134とを有する。取得部131は、ネットワーク上の所定の商取引サイトにおいて商取引を行う事業者のうち、過去に融資の申し込みを行った事業者である第1事業者60と、処理対象となる事業者である第2事業者70とに関する情報を取得する。算出部134は、取得部131によって取得された第1事業者60に関する情報と第2事業者70に関する情報との相関性に基づいて、第2事業者70の融資に対する関心を示す度合いである融資需要度を算出する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、事業者の融資需要度を計るために一般的に用いられる企業の財務情報のみならず、ショッピングモール等の商取引サイトに出店している事業者であって、実際に融資を受けた(融資の申し入れをした)第1事業者60に関する情報に基づいて、第2事業者70の融資需要度を算出する。これにより、第2事業者70に対して、所定の商取引サイトにおける実情等、現時点の事業活動に即した情報に基づいて、融資需要度を精度よく算出することができる。結果として、算出装置100は、融資先となる第2事業者70を適切に抽出することができる。
また、実施形態に係る算出装置100は、第1事業者60に関する情報に基づいて生成されるモデルであって、第2事業者70に関する情報が入力された場合に、第1事業者60と第2事業者70との相関性を示す指標値を出力するモデルを生成する生成部132をさらに備える。算出部134は、生成部132によって生成されたモデルから出力された指標値に基づいて、第2事業者70の融資需要度を算出する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、モデルを利用して第1事業者60と第2事業者70との相関性を求めることによって、算出処理の精度を高めることができる。
また、取得部131は、第1事業者60に関する情報として、所定の商取引サイトにおける第1事業者60に対するユーザからの評価に関する情報を取得する。生成部132は、所定の商取引サイトにおける第1事業者60に対するユーザからの評価に関する情報に基づいて、モデルを生成する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、ネットワークを介してショッピングモールを利用するユーザからの反応をリアルタイムに取得して算出処理に利用することができる。このため、算出装置100は、鮮度の高いデータを用いて、実情に即した第2事業者70の融資需要度を算出することができる。
また、取得部131は、第1事業者60に対するユーザからの評価に関する情報として、第1事業者60が出店した店舗もしくは商品に対するユーザからの反応の数、又は、第1事業者60が出店した店舗もしくは商品に対してユーザが評点した評価値に関する情報を取得する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、ユーザからの評価値に基づいて融資需要度を算出することで、単に売上や業績等の数値からは得られにくい観点から、第2事業者70の融資への関心の度合いを見出すことができる。
また、取得部131は、第1事業者60が出店した店舗もしくは商品に対するユーザからの反応の数の推移、又は、第1事業者60が出店した店舗もしくは商品に対してユーザが評点した評価値の推移に関する情報を取得する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、ユーザからの評価が急に向上したり、商品に対するレビューが急増したりするなど、店舗における傾向に基づいて融資需要度を算出してもよい。これにより、算出装置100は、より実情に即した融資需要度を算出することができる。
また、取得部131は、第1事業者60に対するユーザからの評価に関する情報として、第1事業者60が出店した店舗もしくは商品に対するユーザからのレビューに含まれる単語を取得する。生成部132は、第1事業者60が出店した店舗もしくは商品に対するユーザからのレビューに含まれる単語と、第2事業者70が出店した店舗もしくは商品に対するユーザからのレビューに含まれる単語との相関性に基づいて指標値を出力するモデルを生成する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、ユーザが示す反応を単語という情報で捉える。これにより、算出装置100は、ユーザがどのように第2事業者70に対して期待しているか、また、ユーザの反応に応じてどのように売上や業績が変化していくかなどといった、数値化しにくい情報を包括的に反映させた融資需要度を算出することができる。
また、取得部131は、第1事業者60が出店した店舗もしくは商品に対するユーザからのレビューに対して第1事業者60が返信したコメントを取得する。生成部132は、第1事業者60が出店した店舗もしくは商品に対するユーザからのレビューに対して第1事業者60が返信したコメントに含まれる単語と、第2事業者70が出店した店舗もしくは商品に対するユーザからのレビューに対して第2事業者70が返信したコメントに含まれる単語との相関性に基づいて指標値を出力するモデルを生成する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、事業者自身が記載する単語を取得してもよい。かかる処理によって、算出装置100は、事業者がどのくらいのタイミングで商品を入荷する予定か、あるいは、事業者がどのように事業を拡大していくつもりか、といった情報を得ることができる。そして、算出装置100は、かかる情報を反映させて算出処理を行うことで、より実情に即した融資需要度を算出することができる。
また、取得部131は、第1事業者60が過去に融資の申し込みを行った回数、又は、第1事業者60が融資に関連するサイトにアクセスした回数を取得する。生成部132は、第1事業者60が過去に融資の申し込みを行った回数、又は、第1事業者60が融資に関連するサイトにアクセスした回数に基づいて、第1事業者60について正解データとしての重みが付与されたモデルを生成する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、事業者自身の融資に関する直接的な行動を取得してもよい。これにより、算出装置100は、より精度高く融資需要度を算出することができる。
また、取得部131は、第1事業者60に関する情報として、所定の商取引サイトにおいて第1事業者60が運営する店舗に関する情報を取得する。生成部132は、所定の商取引サイトにおいて第1事業者60が運営する店舗に関する情報に基づいてモデルを生成する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、第1事業者60が運営する店舗に関する情報に基づいてモデルを生成してもよい。ある商取引サイトにおいて運営する店舗に関する情報に相関性がある場合、第1事業者60と第2事業者70の融資需要度にも相関性があることが想定される。このため、算出装置100は、運営する店舗に関する情報を素性とすることにより、融資需要度を精度良く算出することができる。
また、取得部131は、第1事業者60が運営する店舗に関する情報として、当該店舗における財務情報、又は、当該店舗が扱う商品に関する情報を取得する。生成部132は、第1事業者60が運営する店舗における財務情報、又は、当該店舗が扱う商品に関する情報に基づいてモデルを生成する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、店舗における財務情報(例えば、店舗の売上高や取引額)又は当該店舗が扱う商品に関する情報(例えば、商品ごとの売上高や取引額、店舗が扱う商品のカテゴリやジャンル、商品の総数、商品の種別の総数等)に基づいて、事業者間の相関性を求めてもよい。算出装置100は、このような店舗に関する情報の具体的な情報を素性とすることで、より精度の高い算出処理を実行することができる。
また、実施形態に係る算出装置100は、算出部134によって算出された融資需要度に基づいて、第2事業者70に対して採用する融資行動を判定する判定部135をさらに備える。
このように、実施形態に係る算出装置100は、融資需要度に基づく融資行動を判定する。これにより、算出装置100は、融資需要度に見合った適切な行動を金融機関等に提案することができる。
また、取得部131は、第2事業者70に関する財務上の信用度を取得する。判定部135は、算出部134によって算出された融資需要度と、取得部131によって取得された信用度とに基づいて、第2事業者70に対して採用する融資行動を判定する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、信用度を含めて融資行動を判定することで、より実情に即した、適切な融資行動の提案を行うことができる。
また、算出装置100は、ネットワーク上で配信される広告であって、第2事業者70から入稿された広告の評価に関する情報を取得する取得部131と、取得部131によって取得された広告の評価に関する情報に基づいて、第2事業者70が融資を所望する度合いである融資需要度を算出する算出部134とを備える構成であってもよい。
このように、実施形態に係る算出装置100は、広告に関する情報に基づいて、融資需要度を求めてもよい。すなわち、算出装置100は、種々の観点から融資需要度を求めることができる。これにより、算出装置100は、財務情報などの通常の観点とは異なる観点から、融資に関心の高い第2事業者70を見出すことができるので、融資先となる第2事業者70を適切に抽出することができる。
また、取得部131は、ネットワーク上の所定の商取引サイトにおいて商取引を行う事業者のうち、過去に融資の申し込みを行った事業者である第1事業者60から入稿された広告の評価に関する情報を取得する。算出部134は、第1事業者60から入稿された広告の評価に関する情報と、第2事業者70から入稿された広告の評価に関する情報との相関性に基づいて、融資需要度を算出する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、第1事業者60の広告の評価に関する情報との相関性に基づいて、融資需要度を算出してもよい。これにより、算出装置100は、融資需要度の算出の精度を向上させることができる。
また、取得部131は、広告の評価に関する情報として、広告がユーザから選択された数もしくは率、又は、広告を契機としてコンバージョンに至った数もしくは率を取得する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、ネットワークを介して広告を閲覧したユーザからの反応を取得し、取得した情報を用いて処理を行うことで、鮮度の高いデータを用いて融資需要度を算出することができる。
また、取得部131は、広告の評価に関する情報として、広告がユーザから選択された数もしくは率の推移、又は、広告を契機としてコンバージョンに至った数もしくは率の推移を取得する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、ユーザの反応の推移を処理に利用することで、これから第2事業者70が商品の入荷量を拡大する可能性の高さなど、ある種の傾向情報を捉えることができる。これにより、算出装置100は、融資需要度の算出の精度を向上させることができる。
また、取得部131は、広告の評価に関する情報として、ユーザが利用するユーザ端末10において広告が表示された回数、広告が表示された時間もしくは広告が再生された時間、広告の再生が完遂した回数もしくは完遂した率、又は、広告を介して広告に対応付けられたランディングページに遷移した回数もしくは遷移した率を取得する。
このように、実施形態に係る算出装置100は、広告が選択された数のみならず、広告の視聴時間や完遂率など、広告が視聴された際の評価値に基づいて処理を行ってもよい。これにより、算出装置100は、例えば動画広告など、クリック等を目的としないブランディング広告等に関する評価に関する情報も利用するので、より多角的な観点から融資需要度を算出することができる。
また、実施形態に係る算出装置100は、算出部134によって算出された融資需要度に基づいて、第2事業者70が入稿した広告の配信され易さを判定する判定部135をさらに備えてもよい。
このように、実施形態に係る算出装置100は、事業者の融資需要度に応じて広告配信を行ってもよい。これにより、算出装置100は、広告料金の後課金の担保や、広告料金の枯渇を防止すること等が可能になる。
以上、本願の実施形態及び実施形態の変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述した算出装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
また、特許請求の範囲に記載した「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、生成部は、生成手段や生成回路に読み替えることができる。