JP2018116323A - 処理装置、干渉管理システム及び干渉管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 対象物の動きに応じた干渉判定を行う処理装置、干渉管理システム及び干渉管理方法等の提供。【解決手段】 処理装置100は、対象物200に設けられる位置検出部210の出力、及び動き検出部220の出力に基づいて、対象物200の位置情報及び動き情報を取得する情報取得部110と、位置情報及び動き情報に基づいて、対象物200に対応するエリア情報を設定し、エリア情報に基づいて対象物200についての干渉状態判定処理を行う判定部120を含み、判定部120は、複数の対象物200に設定されたエリア情報に基づいて、複数の対象物200の間の干渉状態判定処理を行う。【選択図】 図1
Description
本発明は、処理装置、干渉管理システム及び干渉管理方法等に関する。
対象物同士の干渉(狭義には接触、衝突)により事故等の重大な問題が発生する場合がある。例えば、建設機械(以下、建機と記載)や農業機械(以下、農機と記載)を用いる現場では、作業の性質上、作業者(人)が建機等のすぐそばで作業をすることが多い。そのため、作業者と建機等の衝突により、作業者が負傷する事故が起こりうる。また、作業者がシャベルやツルハシのような用具、或いは重量のある建材等を把持して作業を行う場合もあり、作業者同士の衝突も事故につながる。当然、建機同士の衝突も大きな事故となる。
これに対して特許文献1では、電波、超音波、赤外線などの電磁波を用いて建機(フォークリフト)と作業者の接近を検知する安全装置が開示されている。
特許文献1のように電波、超音波、赤外線などの電磁波を用いて建機と作業者の接近を検知する手法では、所定の方向又は所定の領域での接近の検知を行う。建機や作業者が動いている状態と静止している状態とでは危険な領域は異なると考えられるが、特許文献1の手法では建機等の動きに対応することができない。また、予め建機等の動きを想定して危険領域を設定した場合、実際には危険でない領域においても警報等が出力されるおそれがあり、作業効率の低下につながる。
本発明の幾つかの態様によれば、対象物の動きに応じた干渉判定を行う処理装置、干渉管理システム及び干渉管理方法等を提供できる。
本発明の一態様は、対象物に設けられる位置検出部の出力、及び前記対象物に設けられる動き検出部の出力に基づいて、前記対象物の位置情報及び動き情報を取得する情報取得部と、取得された前記位置情報及び前記動き情報に基づいて、前記対象物に対応するエリア情報を設定し、設定された前記エリア情報に基づいて、前記対象物についての干渉状態判定処理を行う判定部と、を含み、前記判定部は、複数の前記対象物に設定された前記エリア情報に基づいて、複数の前記対象物の間の前記干渉状態判定処理を行う処理装置に関係する。
本発明の一態様では、対象物の位置情報及び動き情報を取得し、位置情報及び動き情報に基づくエリア情報を用いて、対象物の干渉状態判定処理を行う。このようにすれば、対象物の位置だけでなく、動きに応じた適切な干渉状態判定を行うことが可能になる。例えば、干渉の危険性の見逃し抑止、或いは、過剰な警告を行うことによる作業の停滞の抑止等が可能になる。
また本発明の一態様では、前記対象物は、2以上の建機又は農機である車両、又は、2以上の作業者、又は、1以上の前記車両及び1以上の前記作業者、を含み、前記判定部は、前記車両間の前記干渉状態判定処理、又は、前記作業者間の前記干渉状態判定処理、又は、前記車両と前記作業者間の前記干渉状態判定処理を行ってもよい。
このようにすれば、作業者や車両を対象とした干渉状態判定を適切に行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記位置情報に基づいて、前記エリア情報の位置を設定し、前記動き情報に基づいて、前記エリア情報の形状及びサイズの少なくとも一方を設定してもよい。
このようにすれば、位置情報及び動き情報に応じたエリア情報の設定が可能になる。
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記動き情報に対応する方向での重みが大きくなる重み付けを行って、前記干渉状態判定処理を行ってもよい。
このようにすれば、動き情報を用いた重み付けにより、対象物の動きに応じた干渉状態判定処理を行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記位置からの距離に応じて変化する第1の関数値に基づいて、前記干渉状態判定処理を行ってもよい。
このようにすれば、所与の関数値に基づいて干渉状態判定処理を行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記第1の関数値に対して、前記動き情報に応じて変化する第2の関数値による重み付けを行って、前記干渉状態判定処理を行ってもよい。
このようにすれば、第2の関数値を用いた重み付けにより、対象物の動きに応じた干渉状態判定処理を行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、前記第2の関数値は、移動速度及び動き量に応じて変化してもよい。
このようにすれば、動き情報として、移動速度及び動き量を考慮した干渉状態判定処理を行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、前記判定部は、複数の前記対象物のうちの第1の対象物に対応する第1のエリア情報と、複数の前記対象物のうちの前記第1の対象物とは異なる第2の対象物に対応する第2のエリア情報を設定し、前記第1のエリア情報と前記第2のエリア情報の相対関係に基づいて、前記第1の対象物と前記第2の対象物の間の前記干渉状態判定処理を行ってもよい。
このようにすれば、2つの対象物のエリア情報の相対関係により、当該2つの対象物の間の干渉状態判定処理を行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記第1のエリア情報について第1の干渉レベル情報を求め、前記第2のエリア情報について第2の干渉レベル情報を求め、前記第1の干渉レベル情報及び前記第2の干渉レベル情報に基づいて、前記第1の対象物と前記第2の対象物の間の前記干渉状態判定処理を行ってもよい。
このようにすれば、干渉レベル情報を用いた干渉状態判定処理を行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、回避情報を出力する出力部を含み、前記判定部は、前記第1の対象物の前記動き情報、及び前記第2の対象物の前記動き情報の少なくとも一方に基づいて、前記第1の対象物に対して出力される前記回避情報を求めてもよい。
このようにすれば、干渉を回避するための回避情報を出力すること、及び、回避情報の演算に対象物の動き情報を用いることが可能になる。
また本発明の一態様では、前記対象物は、作業者を含み、前記情報取得部は、前記作業者により装着された前記位置検出部、及び前記動き検出部の少なくとも一方に基づく情報を取得してもよい。
このようにすれば、位置検出部を備える装置を装着する作業者を対象とした、干渉状態判定処理を行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、前記作業者により装着される表示装置に対して、前記干渉状態判定処理の結果を出力する出力部をさらに含んでもよい。
このようにすれば、表示装置を用いることで、作業中でも閲覧が容易な態様で情報を出力することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記対象物は、建機又は農機である車両を含み、前記情報取得部は、前記車両の可動部に設けられる前記動き検出部に基づく前記動き情報を取得してもよい。
このようにすれば、干渉の危険性が大きい可動部の状態を考慮して、車両の干渉状態判定処理を行うことが可能になる。
また本発明の他の態様は、複数の対象物の各対象物に設けられる位置検出部と、前記各対象物に設けられる動き検出部と、前記各対象物の前記位置検出部の出力、及び前記各対象物の前記動き検出部の出力に基づいて、前記各対象物の位置情報及び動き情報を取得する情報取得部と、取得された前記位置情報及び前記動き情報に基づいて、前記各対象物に対応するエリア情報を設定し、設定された複数の前記エリア情報に基づいて、前記複数の対象物の間の干渉状態判定処理を行う判定部と、を含む干渉管理システムに関係する。
また本発明の他の態様は、対象物に設けられる位置検出部の出力、及び前記対象物に設けられる動き検出部の出力に基づいて、前記対象物の位置情報及び動き情報を取得し、取得した前記位置情報及び前記動き情報に基づいて、前記対象物に対応するエリア情報を設定し、複数の前記対象物に設定された前記エリア情報に基づいて、複数の前記対象物の間の干渉状態判定処理を行う干渉管理方法に関係する。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
まず本実施形態の手法について説明する。上述したように、建設現場等では建機のすぐそばで作業者(作業員)が作業を行うことも多く、建機と作業者の衝突は重大な事故となる可能性がある。
まず本実施形態の手法について説明する。上述したように、建設現場等では建機のすぐそばで作業者(作業員)が作業を行うことも多く、建機と作業者の衝突は重大な事故となる可能性がある。
具体的な事例としては、以下の第1〜第3事例等が考えられる。第1事例としては、シャベルカー等の建機(車両)の移動方向に作業者がいる場合が考えられる。作業者が車両の後ろで作業している状態で車両がバックしても、車両の操作者(操縦者)が気づかず、そのまま衝突してしまうことがある。また、作業者も自身の作業を行っているため、車両の移動に気づきにくいことがあり、衝突の危険性が高い。また、車両が前進する場合であっても、互いに気付かずに事故が起こる場合もある。
第2事例としては、シャベルカーのシャベル(広義には建機の可動部)が動く範囲に作業者がいる場合に、シャベルカーの操作者が作業者に気付かず、シャベルと作業者が接触する場合が考えられる。これは、作業者が操作者の死角に入っていること等により発生する事故である。
第3事例としては、シャベルにより部材(例えば管)を吊っている状態において、シャベルが動きを変えたため、吊っている管が揺れて管を支えていた人が転倒するといった事故が考えられる。
これに対して、特許文献1等の手法が提案されており、既に建機や作業者にセンサー等を取り付けるシステムも市販されている。しかし特許文献1等の従来手法では、電波、超音波、赤外線などの電磁波を用いて建機と作業者の接近を検知する。そのため、シャベル、アームなどの建機の可動部付近や、建機の前面や側面付近は、電磁波の遮蔽、干渉により作業者の接近の検知は難しい。
従って、従来手法では電磁波の遮蔽、干渉が少ない建機後方や側面の一部への接近検知を行うことがほとんどである。そのため、上述した第2事例や第3事例のように、建機のそばで作業する作業者の危険回避は困難である。
そこで、検出する範囲を広げて、建機の前面や側面も検出範囲とすることも考えられる。しかし検出範囲を広くした場合、確かに危険は回避できるかもしれないが、作業者が少しでも建機に近づくと警告が出力され、作業が止まってしまう。結果として、建機と作業者がある程度近い距離で安全に作業する状態を妨げてしまう。
また、クレーン同士の衝突回避、或いはクレーンの既存建物への衝突回避では、互いの位置をGNSS(Global Navigation Satellite System)やGPS(Global Positioning System)等で検出し、施工領域に入った時に警告を行う手法も知られている。このような手法であれば、上記第2事例のような状態は回避できる可能性がある。しかし、クレーンに比べ、一般的な建機は動きや移動が多く、その上、作業者も移動や動きがある。そのため、建機や作業者の位置だけを捕捉しても、上記第3事例のような不測の動作に対応しきれないおそれがある。また、近年では位置情報の検出精度は非常に高くなっているが、誤差もあるし、時間分解能などの制約もある。そのため、位置のみで施工領域を設定しても、建機と作業者の衝突を回避するのは難しい。
本実施形態に係る処理装置100は、図1に示すように、対象物200に設けられる位置検出部210の出力、及び対象物200に設けられる動き検出部220の出力に基づいて、対象物200の位置情報及び動き情報を取得する情報取得部110と、取得された位置情報及び動き情報に基づいて、対象物200に対応するエリア情報を設定し、設定されたエリア情報に基づいて、対象物200についての干渉状態判定処理を行う判定部120と、を含む。そして判定部120は、複数の対象物200に設定されたエリア情報に基づいて、複数の対象物の間の干渉状態判定処理を行う。
ここで位置検出部210は、対象物200の位置を検出する処理を行い、位置情報、或いは当該位置情報の算出に用いられる情報を出力する。位置検出部210は、例えば位置センサーを含む。位置センサーとは、対象物200の位置を測定するためのセンサーであり、例えばGNSSレシーバー、GPSレシーバー、地磁気センサー(方位センサー)により実現できる。以下では、位置センサーのアナログ出力を位置センサー信号と表記し、位置センサー信号をA/D変換した結果であるデジタルデータを位置センサーデータと表記する。
位置情報とは、対象物200の位置を表す情報である。位置情報は例えば対象物200の緯度及び経度により表され、上記位置センサーデータに基づき求めることが可能である。例えば、位置センサーデータのうちの、緯度及び経度に関する情報を抽出して位置情報としてもよいし、当該緯度及び経度に時刻情報(UTC時刻や日本標準時)を対応付けた情報を位置情報としてもよい。
また動き検出部220は、対象物200の動きを検出する処理を行い、動き情報、或いは当該動き情報の算出に用いられる情報を出力する。動き検出部220は、例えば動きセンサーを含む。動きセンサーとは、対象物200の動きを測定するためのセンサーであり、例えば加速度センサー、角速度センサー(ジャイロセンサー)、地磁気センサー、気圧センサー、方位センサー等により実現できる。本実施形態での動きセンサーは、これらのセンサーのうちのいずれか1つであってもよいし、複数の組み合わせであってもよい。以下では、動きセンサーのアナログ出力を動きセンサー信号と表記し、動きセンサー信号をA/D変換した結果であるデジタルデータを動きセンサーデータと表記する。
動き情報とは、対象物200の動きを表す情報である。動き情報は、対象物200の移動速度(移動の方向及び速さ)であってもよいし、動き量であってもよいし、その両方であってもよい。動き情報は、上記動きセンサーデータに基づき求めることが可能である。また、位置の変位により移動速度を求めることが可能であるように、動き情報の算出において、位置センサーデータを用いることは妨げられない。
また干渉状態判定処理とは、所与の対象物と、他の対象物との干渉の状態を判定する処理である。ここでの干渉とは、具体的には対象物同士の接触や衝突を表す。なお、干渉状態判定処理とは、干渉するか否かの判定だけでなく、干渉(衝突)の危険度、可能性を求める処理を含む。
本実施形態の手法によれば、処理装置100(判定部120)は、位置情報だけでなく対象物200の動き情報も用いて、対象物200に対応するエリア情報を設定し、複数の対象物の間での干渉状態判定処理(狭義には衝突判定処理)を行う。このようにすれば、対象物200(作業者、建機等の車両)の動きが激しく、干渉のおそれが大きい場合に、エリア情報を大きくするといった処理が可能であり、干渉による問題発生を抑止可能となる。具体的には、建機と作業者が接近しての作業でも安全性を確保することが可能になる。
さらに、干渉状態判定処理にエリア情報を用いるため、位置検出に誤差があったとしても、当該誤差を吸収可能である。また、対象物200の動き情報を取得しているため、図11や図15等を用いて後述するように、安全に逃げるための方向を教示することも可能になる。
以下、本実施形態の処理装置100、及び干渉管理システム500の具体例を説明し、その後、干渉状態判定処理の詳細について説明する。
2.システム構成例
処理装置100の構成例は図1に示したとおりである。処理装置100は、情報取得部110(通信インターフェース、プロセッサー)と、判定部120(プロセッサー)と、出力部130(通信インターフェース)と、記憶部140(メモリー)とを含む。ただし処理装置100は図1の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
処理装置100の構成例は図1に示したとおりである。処理装置100は、情報取得部110(通信インターフェース、プロセッサー)と、判定部120(プロセッサー)と、出力部130(通信インターフェース)と、記憶部140(メモリー)とを含む。ただし処理装置100は図1の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
情報取得部110は、位置情報及び動き情報を取得する。なお、位置情報及び動き情報は、対象物200側で求められてもよい。この場合、情報取得部110は、対象物200側(狭義には対象物200に設けられるコントローラー80−1)で求められた位置情報及び動き情報を通信により受信する通信インターフェースとして実現される。或いは、情報取得部110が、位置情報及び動き情報を求めてもよい。この場合、情報取得部110は、位置検出部210及び動き検出部220からの位置センサーデータ及び動きセンサーデータに基づいて位置情報及び動き情報を求めるプロセッサーにより実現できる。
以下では、対象物200側で位置情報及び動き情報が求められ、処理装置100の情報取得部110は、当該位置情報及び動き情報を取得する例について説明する。
判定部120は、位置情報及び動き情報に基づく判定処理を行う。具体的には、判定部120は、位置情報及び動き情報に基づいて対象物200のエリア情報(危険エリア)を設定する。さらに、第1の対象物のエリア情報と、第2の対象物のエリア情報とに基づいて、第1の対象物と第2の対象物との間の干渉状態判定処理を行う。なお、システム(干渉管理システム500)に含まれる対象物200が3以上である場合、どの対象物間で干渉状態判定処理を行うかは種々の変形実施が可能である。例えば、システムがn個の対象物200を含む場合に、判定部120はnC2通りの全ての組み合わせを対象として干渉状態判定処理を行ってもよい。或いは、判定部120はnC2通りのうちの一部の組み合わせを対象として干渉状態判定処理を行ってもよい。
出力部130は、判定部120での干渉状態判定処理の結果に基づいて、対象物200に設けられる報知部230に対して、情報を出力する。例えば出力部130は、干渉(衝突)のおそれがあることを警告する警告情報や、干渉を回避するために有効な方向等を指示する回避情報等を出力する。対象物200が建機等の車両(機器)である場合、当該車両のエンジン制御に直接働きかけ、動作を安全に停止させるための制御情報を出力してもよい。
記憶部140は、判定部120(プロセッサー)等のワーク領域となるもので、その機能はRAM(Random Access Memory)等のメモリーやHDD(Hard Disk Drive)などにより実現できる。記憶部140は、各対象物の位置情報、動き情報、エリア情報、及び干渉状態判定処理の結果等を記憶する。
図2は、本実施形態の処理装置100を含む干渉管理システム500の構成を示す図である。ここでは、対象物200として、作業者300及び建機(シャベルカー)400を例にとって説明する。
図2に示したように、作業者300の腕には、手の動きなど作業時の体の動きを検出する動きセンサー20−1を備えたリストウォッチ10が装着される。また作業者300の頭部には、作業者300の位置を測定する位置センサー30−1(位置検出部210)と、測定結果を送受信する通信部40−1(アンテナ)を備えたヘルメット50が装着される。また作業者300の頭部には、出力部130から出力される情報(測定結果や危険回避行動の指示等)の報知を行うHMD60(Head Mounted Display)やスピーカー70が装着される。HMD60やスピーカー70は、図1の報知部230に対応する。また、ユーザーの任意の位置(図2の例では腰)には、上記の各装置を制御する回路(プロセッサー)や電源を備えたコントローラー80−1が装着される。
例えば、動きセンサー20−1、位置センサー30−1で検出された情報(動きセンサーデータ、位置センサーデータ)は、コントローラー80−1に集約される。コントローラー80−1は、動きセンサーデータ及び位置センサーデータに基づいて動き情報及び位置情報を求め、求めた動き情報及び位置情報を通信部40−1を介して通信する。また、通信部40−1が受信した情報(出力部130からの警告情報等)は、コントローラー80−1に集約され、コントローラー80−1からHMD60やスピーカー70に出力される。
作業者300に設けられる各機器間の通信は、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により実現できる。また、通信部40−1による通信は、WiFi(登録商標)等の無線通信により実現できる。ただし、これらの通信方式は種々の変形実施が可能である。例えば、作業者300に設けられる各機器間の通信と、通信部40−1による通信を共通の無線通信方式により実現してもよい。或いは、一部の通信を有線により実現したり、作業者300に装着されるリストウォッチ10等の機器が直接処理装置100等の外部機器と通信を行うといった変形実施も可能である。
このように、本実施形態に係る対象物200は、作業者300を含んでもよい。そして処理装置100の情報取得部110は、作業者300に装着される位置検出部210、及び動き検出部220の少なくとも一方に基づく情報を取得する。狭義には、位置検出部210及び動き検出部220の少なくとも一方は、作業者300に装着されるウェアラブル機器に設けられてもよい。作業者300に位置検出部210等(ウェアラブル機器)を装着させることで、作業者300と他の対象物200との干渉状態判定を行うことができ、作業者300の安全性を高めることが可能になる。
図2の例であれば、ウェアラブル機器とは、腕に装着されるリストウォッチ10や、頭部に装着されるヘルメット50に対応し、リストウォッチ10に動き検出部220(動きセンサー20−1)が設けられ、ヘルメット50に位置検出部210(位置センサー30−1)が設けられる。ただし、ウェアラブル機器はこれに限定されない。例えば、HMD60に位置センサーや動きセンサーを設けることで、HMD60をここでのウェアラブル機器として用いてもよい。或いは、作業用ベスト(チョッキ)にセンサー類を装着したものをウェアラブル機器としてもよい。
また建機400の車体上部には、建機400の位置を測定する位置センサー30−2(位置検出部210)と、測定結果を送受信する通信部40−2(アンテナ)が設けられる。建機400のアームには、シャベルの動きを検出する動きセンサー20−2(動き検出部220)が設けられる。また建機400は、コントローラー80−2を内蔵する。ここでのコントローラー80−2は、建機400の動作制御(エンジン制御、アーム制御)を行う制御用コントローラーを用いてもよいし、制御用コントローラーとは異なるコントローラーを用いてもよい。建機400に設けられる各機器間の通信、及び、通信部40−2による通信は、作業者300の例と同様に、種々の形態による実現が可能である。
このように、対象物200は、建機400(広義には建機400又は農機である車両)を含んでもよい。そして処理装置100の情報取得部110は、車両の可動部に設けられる動き検出部220(動きセンサー20−2)からの動き情報を取得する。図2の例であれば、可動部とはシャベルのアームに対応する。なお、可動部の形態(形状、可動範囲等)が、対象の車両に応じて異なることは当業者であれば容易に理解できるであろう。
このようにすれば、建機400と他の対象物200との干渉状態判定を行うことができ、建機400による作業者300の怪我や、建機400の損傷等を抑止することが可能になる。特に、可動部(図2の例ではアーム、シャベル)に動き検出部220を設けることで、上記の第2事例や第3事例のような可動部の動きに起因する事故の発生を抑止可能となる。
図2に示したように、干渉管理システム500に含まれる処理装置100は、対象物200に設けられる機器とは異なる機器として実現されてもよい。図2の例では、処理装置100は、PC(Personal Computer)やサーバーシステムにより実現され、ネットワークNEを介して、作業者300に設けられる機器(狭義にはコントローラー80−1)、及び建機400に設けられる機器(コントローラー80−2)と接続される。ここでのネットワークNEは、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)などにより実現することができ、有線・無線を問わない。ただし、作業の安全性を考慮すれば、ネットワークNEは、無線により実現することが望ましい。
ただし、処理装置100は、対象物200に設けられる機器として実現されることも妨げられない。例えば、処理装置100は、作業者300に設けられるコントローラー80−1であってもよいし、建機400に設けられるコントローラー80−2であってもよいし、それらの分散処理により実現されてもよい。
図3は、図2に対応するブロック図である。図1では便宜上、位置検出部210及び動き検出部220を1つだけ示したが、実際には位置検出部210及び動き検出部220は、干渉状態判定処理の対象となりうる対象物200の各対象物に設けられる。また、対象物200の数は2つに限定されず、3以上の任意の数に拡張可能である。また、報知部230についても各対象物200に設けられることが想定されるが、一部の対象物200で省略する等の変形実施が可能である。なお、ここでの複数の対象物の各対象物の全てについて、本願発明の構成が適用される必要はない。即ち、判定部120が、一部の対象物200を対象として干渉状態判定処理を行うことは妨げられない。
なお、本実施形態の対象物200は、必ずしも作業者300と建機400の両方を含むものには限定されない。本実施形態の複数の対象物200は、2以上の車両、又は、2以上の作業者300、又は、1以上の車両及び1以上の作業者300、であってもよい。ここでの車両とは、建機400若しくは農機である。そして判定部120は、車両間の干渉状態判定処理、又は、作業者間の干渉状態判定処理、又は、車両と作業者間の干渉状態判定処理を行う。
作業者300と建機400(車両)が干渉した場合、作業者300に対する危険が大きく、当該干渉を抑止することは重要である。また、車両は重量が重く、大きなエネルギーを持って運動する物体であるため、車両同士が干渉(衝突)した場合にも、大きな被害が出るおそれがある。具体的には、車両が故障したり、操作者が負傷するおそれがある。
また、作業者300は、建機400等の車両に比べれば運動によるエネルギーは小さいものの、スコップやツルハシ等の硬質の器具を用いることが想定されるし、電動化された工具を用いることも多い。そのため、作業者300同士の干渉でも重大な事故の可能性は否定できず、当該干渉を抑止する利点が大きい。本実施形態の手法では、対象物200の組み合わせを柔軟に設定できるため、動きを持つ種々の対象物200の干渉を抑止することが可能である。
また本実施形態の手法は処理装置100に限定されず、図2に示した干渉管理システム500に適用できる。即ち、本実施形態の手法は、複数の対象物200の各対象物に設けられる位置検出部210と、各対象物に設けられる動き検出部220と、各対象物の位置検出部210の出力、及び各対象物の動き検出部220の出力に基づいて、各対象物の位置情報及び動き情報を取得する情報取得部110と、取得された位置情報及び動き情報に基づいて、各対象物に対応するエリア情報を設定し、設定された複数のエリア情報に基づいて、複数の対象物の間の干渉状態判定処理を行う判定部120と、を含む干渉管理システム500に適用できる。
なお、干渉管理システム500の具体的な構成に種々の変形実施が可能である点は上述したとおりであり、例えば対象物200の組み合わせや、各対象物200に設けられる機器の構成を図2とは異なるものにしてもよい。また、対象物200が建機400や農機等の車両である場合、干渉管理システム500は当該車両自体を含んでもよい。
以下では、車両として建機400を用いる例について説明する。ただし、本実施形態の対象物200(車両)は、建機400以外に拡張して考えることが可能である。例えば、車両は上述したように農機であってもよいし、他の車両であってもよい。例えば本実施形態の手法は、除雪、清掃、修理、保守などの作業にも適応でき、対象物200としてそれらの作業に用いられる車両(機器)を適用することが可能である。
3.処理の詳細
次に、処理装置100で行われる干渉状態判定処理を含めた処理の詳細について説明する。まず、位置情報と動き情報の詳細について説明した後、エリア情報の設定処理、干渉状態判定処理について説明する。さらに、干渉状態判定処理の結果を、各対象物200に設けられる機器で報知する具体例について説明し、最後に処理の流れをフローチャートを用いて説明する。
次に、処理装置100で行われる干渉状態判定処理を含めた処理の詳細について説明する。まず、位置情報と動き情報の詳細について説明した後、エリア情報の設定処理、干渉状態判定処理について説明する。さらに、干渉状態判定処理の結果を、各対象物200に設けられる機器で報知する具体例について説明し、最後に処理の流れをフローチャートを用いて説明する。
3.1 位置情報及び動き情報
上述したように、本実施形態における位置情報とは、対象物200の位置を表す情報であり、動き情報とは対象物200の動きを表す情報である。
上述したように、本実施形態における位置情報とは、対象物200の位置を表す情報であり、動き情報とは対象物200の動きを表す情報である。
位置情報は、対象物200の水平方向での位置を表す情報であってもよく、狭義には緯度及び経度により表される絶対位置や、所与の基準点に対する相対位置の情報である。なお、対象物200は大きさを有する物体であるが、当該対象物200の位置は所与の代表点の位置を用いて表現すればよい。ここでの代表点とは、中心位置でもよいし、重心位置でもよいし、その他の任意の位置であってもよい。また、処理が煩雑になるが、位置情報に高度(標高)の情報を含めることで、位置情報を3次元に拡張することも可能である。
位置センサーがGPSレシーバー(GPSユニット)である場合、位置センサーデータであるGPS信号に緯度及び経度の情報が含まれるため、当該情報を抽出する処理により位置情報が求められる。
動き情報は、対象物200の動きを表す情報であればよく、種々の形式の情報を適用できる。ただし、干渉の危険性という観点からすれば、対象物200の動く方向や、動きの大きさを処理に用いることが好ましい。
よって本実施形態では、動き情報として移動速度、及び動き量の2つの情報を用いる。移動速度とは、対象物200の位置の変位を表す情報であり、方向及び速さを有するベクトルにより表すことができる。移動速度は、動きセンサーからの動きセンサーデータに基づく慣性航法により求めてもよい。慣性航法では、対象物200の変位が求められるため、当該変位を時間で除算することで移動速度が演算される。慣性航法では、動きセンサーとして慣性センサーが用いられる。慣性センサーとは、狭義には加速度センサーやジャイロセンサーである。或いは、移動速度は位置情報の差分から求められてもよい。また、位置センサーの出力と慣性センサーの出力の両方を用いて、対象物200の変位や移動速度を求めてもよい。
また動き量とは、対象物200の動きの大きさを表す情報である。本実施形態では、上記の移動速度と区別するため、対象物200の位置(代表位置)の変位を伴わない動きの大きさを動き量と考えてもよい。或いは、移動速度を移動方向(狭義には単位ベクトル)と、速さ(大きさ、スカラー)に分解した場合に、速さを動き量に含めて考えることも可能である。即ち、動き量とは、対象物200の動きの大きさを表す情報であれば、その動きの種類は問わない。
動き量は、例えば動きセンサーデータの大きさに基づく情報であり、所与のタイミングでの動きセンサーデータの値そのものであってもよいし、所定期間での最大値、平均値、積算値等であってもよい。或いは、可動部の動いた軌跡の積分値を動き量としてもよい。なお、本実施形態の動き量はスカラー量であってもよいが、動きの方向(例えば振動的な運動をするのであればその振動方向であるし、回転運動であれば回転方向)の情報を含むベクトル量であってもよい。
上述したように、以上の位置情報及び動き情報を求める処理は、対象物200側で行ってもよいし、処理装置100の情報取得部110(プロセッサー)で行ってもよい。また、位置情報及び動き情報として上記以外の情報を用いることは妨げられない。
3.2 エリア情報の設定
3.2.1 作業者のエリア情報
次に判定部120で行われる処理のうち、エリア情報の設定処理について説明する。対象物200が静止している場合、当該対象物200による干渉の可能性は、特定の方向に偏ることはないと考えられる。よって対象物200が静止している場合には、判定部120は、等方的な(方向に依存しない)エリア情報を設定するとよい。
3.2.1 作業者のエリア情報
次に判定部120で行われる処理のうち、エリア情報の設定処理について説明する。対象物200が静止している場合、当該対象物200による干渉の可能性は、特定の方向に偏ることはないと考えられる。よって対象物200が静止している場合には、判定部120は、等方的な(方向に依存しない)エリア情報を設定するとよい。
ただし当然ではあるが、対象物200の存在する位置と無関係に、当該対象物200のエリア情報を設定するのでは意味がないため、エリア情報の位置は、対象物200の位置情報を用いて設定される必要がある。よって判定部120は、位置情報に基づいて、エリア情報の位置(代表位置)を設定する。ここでの代表位置は、エリア情報の中心位置や重心位置等、種々の位置を用いることができる。このようにすれば、対象物200の存在する位置に応じた適切なエリア情報の設定が可能になる。
また、対象物200に近づくほど干渉の可能性が高いことに鑑みれば、エリア情報は、対象物200の代表位置からの距離に応じて設定されるとよい。
図4は対象物200が作業者300である場合であって、作業者300が静止している場合のエリア情報の設定例でである。具体的には、判定部120は、作業者300が立っている位置を中心に、円状のエリア情報を設定すればよい。最も単純には、位置情報から求められる代表位置を中心とし、半径が所定の値となる円形領域を、作業者300のエリア情報とすればよい。この場合、干渉の可能性(危険度)は、円形領域の内部で高く、外部で低いことになる。
或いは判定部120は、エリア情報の設定にポテンシャル(狭義にはスカラーポテンシャル)を用いてもよい。例えば、エリア情報の代表位置(中心)を原点とする極座標系を設定し、所与の点(r,θ)での危険度を表す関数(ポテンシャル)であるP0を下式(1)のように表現する。
上式(1)からわかるように、この場合、所与の点での危険度は、エリア情報の代表位置から遠ざかるほど小さくなる関数により定義される。判定部120は、例えば上式(1)によるポテンシャルを定義した上で、ポテンシャルの値が所与の閾値以上の領域を危険エリアとするエリア情報を設定してもよい。この場合、図4の例のように、エリア情報は所与の半径の円を境界とする領域により表される。
以上で説明したように、判定部120は、位置(代表位置)からの距離に応じて変化する第1の関数値に基づいて、干渉状態判定処理を行う。より具体的にいえば、第1の関数値に基づいて、対象物200のエリア情報を設定すればよい。ここでの第1の関数値は、具体的には上式(1)のP0の値であるが、距離に応じた他の関数に拡張可能であることは当業者であれば容易に理解できるであろう。このようにすれば、対象物200の位置情報に基づいて、当該対象物200との干渉の可能性を適切に表す情報を、エリア情報として設定することが可能になる。
ただし、以上の例では作業者300の動きがエリア情報の設定処理、及び後述する干渉状態判定処理に反映されない。作業者300が静止している時は、作業者の前後左右どこでも危険の確率が同じため、上述したように等方的なエリア情報を設定すればよい。しかし、例えば作業者300が所定方向に移動(前進)した場合、今の位置から進行方向に移動して作業する確率が上がるため、その方向の危険性が増す。一方、進行方向以外の方向は、作業者が急にバックする、或いは、横に動く可能性は低いため、危険度が大きくなるとは考えにくい。
このようなユーザーの移動による影響を考慮しなければ、危険度が増している領域で適切な干渉判定ができず、干渉が発生してしまうおそれがある。或いは、危険度が増していない領域において危険度を過剰に見積もってしまい、円滑な作業を妨げるおそれがある。
よって本実施形態の判定部120は、動き情報に基づいて、エリア情報の形状及びサイズの少なくとも一方を設定する。
図5は、作業者300がA1に示す方向に移動している場合の、エリア情報の例である。図5に示すように、作業者300の進行方向にエリア情報が広がって、楕円状の領域になる。なお、図5のA2は、図4に示した静止時の作業者300のエリア情報を表す。
即ち、判定部120は、動き情報に対応する方向での重みが大きくなる重み付けを行って、干渉状態判定処理を行う。狭義には、動き情報に対応する方向での重みが大きくなる重み付けを行って、エリア情報を設定する。このように、進行方向にエリア情報を広げ、干渉の危険度が高いエリアとすることで、作業者300の進行方向での干渉を適切に抑止することが可能になる。
例えば、所与の関数f1として下式(2)を用いればよい。下式(2)において、θvは移動速度ベクトルVの方向(進行方向)を表す。移動速度ベクトルVは、進行方向θvと、大きさ(速さ)vにより定義されるベクトルである。下式(2)の例では、関数f1はガウス関数であり、進行方向において最も大きく、θvからのずれが大きくなるほど減少していく。ただし関数f1は、θvに応じて値が変化する他の関数を用いてもよい。
そして判定部120は、例えば上式(1)のポテンシャルP0と、上式(2)の関数f1の積であるP1=P0×f1に基づきエリア情報を設定する。P1の値は、進行方向側では大きく(危険エリアの広がりが大きく)、側面側から進行方向反対側では小さい(危険エリアの広がりが小さい)。P1が求められた後は、判定部120は、例えばP1と所与の閾値を用いて、エリア情報の境界を設定する。
また、同じ方向の移動であっても、速い移動とゆっくりな移動とでは干渉の危険度は異なる。よって判定部120は、移動速度の大きさ(速さ)vに応じてエリア情報を設定してもよい。具体的には、速さが速い場合は、遅い場合に比べてエリア情報のサイズが大きくなるような設定が行われる。例えば、上式(2)の係数aとして、速度の大きさvが大きくなるにつれて増加する関数a(v)を用いればよい。なお、関数a(v)の具体的な形式については、静止時にP1=P0となることに鑑み、a(0)=0等を条件として設定すればよい。また、a(v)に所与の上限値を設けてもよい。なお、移動の速さvを動き量と考えることも可能であり、その場合、上式(2)のaを定数とし、速さvによるポテンシャルの補正を後述する下式(3)により行ってもよい。
図6は、作業者300の位置は変化しない(移動速度が0又は充分小さい)が、何らかの動きがある場合の、エリア情報の例である。図6の例では、作業者300は左右に手を広げて動かしている。そのため、単に静止しているよりも、手が動く分だけ、干渉して事故の起きる確率が高まると考えられる。
よって判定部120は、動き量の大小に応じて、エリア情報の形状やサイズを設定するとよい。具体的には、動き量が大きいほどエリア情報を大きくすればよいため、所与の関数f2として下式(3)を用いればよい。下式(3)において、mは動き量の大きさを表す。
ここでc(m)は、動き量の大きさmが大きくなるにつれて増加する関数を用いればよい。判定部120は、上式(1)のポテンシャルP0と、上式(3)の関数f2の積であるP2=P0×f2に基づきエリア情報を設定する。動き量が0の場合にP2=P0となることに鑑み、c(0)=1等を条件として関数cを設定すればよい。
また、図6のように手を左右に広げて動かしている場合、干渉の可能性が高いのは手を広げている方向、即ち作業者300の正面方向に直交する方向であると考えられる。よって、関数f2として、動きの方向の情報を引数とする関数を用いてもよい。或いは、可動部の相対的な位置に基づいて処理を行ってもよい。例えばスコップを体の右側に来るようにして作業を行っている場合、干渉の可能性は作業者300の左側面に比べて右側面の方が高くなる。よって判定部120は、関数f2として、可動部が稼動している位置(狭義には対象物200の代表点の位置に対する相対位置)を引数とする関数を用いてもよい。その他、動き量を用いた処理については種々の変形実施が可能である。
また、作業者300が手を動かしながら移動する(図5と図6の動きを同時に行う)可能性があることに鑑みれば、本実施形態の判定部120は、対象物200の移動速度と動き量の両方を考慮して、エリア情報を設定してもよい。この場合、判定部120は、上記の関数f1、f2の両方を用いてエリア情報を設定する。例えば関数fとして、f1及びf2の両方に基づく関数を用いればよく、単純にはf=f1×f2とすればよい。即ち、判定部120は、移動速度ベクトルVと、動き量mを引数とする関数f(V,m)を設定し、P3=P0×f(V,m)に基づいてエリア情報を設定する。
以上をまとめると、判定部120は、第1の関数値(P0)に対して、動き情報に応じて変化する第2の関数値(f)による重み付けを行って、干渉状態判定処理を行う。具体的には、判定部120は、第1の関数値(P0)に対して、動き情報に応じて変化する第2の関数値(f)による重み付けを行ってエリア情報を設定する。ここで、第2の関数値は、移動速度(V)及び動き量(m)に応じて変化する関数である。ただし、本実施形態の第2の関数値は、fに限定されず、f1或いはf2を用いてもよい。そして、各関数の具体的な形式に種々の変形実施が可能であることは上述したとおりである。
このようにすれば、2つの関数値を用いて、図5や図6に示したように、対象物200の動きを考慮したエリア情報を適切に設定することが可能になる。
3.2.2 車両(建機)のエリア情報
図7は、建機400である車両が静止している場合に設定されるエリア情報の例である。静止している場合には、判定部120は、建機400に対しても等方的なエリア情報を設定すればよい。図4の例と同様に、円形状のエリア領域を設定してもよいが、図7では車両の形状、即ち車体とアーム、シャベルなどの設備を含めた形状を囲むように、楕円形のエリア情報を設定する。なお、詳細については省略するが、建機400のエリア情報についても、上式(1)と同様のポテンシャルを用いてもよい。
図7は、建機400である車両が静止している場合に設定されるエリア情報の例である。静止している場合には、判定部120は、建機400に対しても等方的なエリア情報を設定すればよい。図4の例と同様に、円形状のエリア領域を設定してもよいが、図7では車両の形状、即ち車体とアーム、シャベルなどの設備を含めた形状を囲むように、楕円形のエリア情報を設定する。なお、詳細については省略するが、建機400のエリア情報についても、上式(1)と同様のポテンシャルを用いてもよい。
図8は、建機400が所与の方向に移動している場合に設定されるエリア情報の例である。図5と同様に、建機400に対しても進行方向に広がるようなエリア情報が設定される。ここでの進行方向は、建機400の動き情報のうち、移動速度の方向を用いればよい。また移動速度の大きさ(速さ)を処理に用いてもよい点も、図5と同様である。
図9は、建機400がアームを左右に動かしている場合に設定されるエリア情報の例である。図6と同様に、建機400に動きがある場合には、判定部120は、静止している場合に比べて危険エリアを広げるように、エリア情報を設定する。なお、図9ではエリア情報を等方的に広げる例を示したが、動きの方向や、可動部の位置(車両前方から側方)での重みを、他の方向、位置での重みに比べて大きくしてもよく、その点も図6と同様である。
3.2.3 干渉レベル
図4〜図9では、エリア情報として円や楕円、或いはそれらに重み付けをした形状を境界とする単純な閉領域を用いる例について説明した。ただし対象物200に近づくほど干渉の可能性が高いと考えられるため、エリア情報の内部、外部の2段階で危険度を設定するのではなく、距離に応じて多段階で危険度が変更されるようにしてもよい。
図4〜図9では、エリア情報として円や楕円、或いはそれらに重み付けをした形状を境界とする単純な閉領域を用いる例について説明した。ただし対象物200に近づくほど干渉の可能性が高いと考えられるため、エリア情報の内部、外部の2段階で危険度を設定するのではなく、距離に応じて多段階で危険度が変更されるようにしてもよい。
例えば上式(1)に示したポテンシャルの強さは、重心(エリア情報の代表位置)から遠くなるに伴いゼロになる。重心付近つまり作業者300や建機400のすぐそばはポテンシャルが強く、少し離れると弱くなり、ある程度離れるとかなり弱くなる。ポテンシャルの強さは干渉(接触、衝突)の危険性を表すため、ポテンシャルが弱いところは接触する危険性も低い。移動速度や動き量により重み付けが行われたポテンシャル(P1〜P3)についても同様である。
そこで判定部120は、ポテンシャルの強さを重心に近いほうから、「強」「中」「弱」と3段階に分類する。図10は所与の方向に移動している場合のエリア情報(作業者300と建機400のいずれでもよい)の例である。図10のB1に示した領域が「強」、B2が「中」、B3が「弱」に対応する。なお、図10では、作業者300、建機400の正面の位置と前進する方向の軸を一点鎖線(B4)で示し、この軸方向を基準としてポテンシャル(第1の関数値、P0)の重み付けを行っている。なお、B5がエリア情報の代表位置(中心位置)であり、作業者300或いは建機400等の重心位置である。また、本明細書では、図10のように作業者300や建機400等を質点と仮定し、作業者300等の存在領域もポテンシャルが分布している図で説明する。ただし処理上は、作業者300、建機400等の車両の存在領域にはポテンシャルは分布しないものとしてもよい。
このように判定部120は、所与の対象物のエリア情報について干渉レベル情報を求めてもよい。干渉レベル情報とは、干渉の可能性(危険度)を表す情報であり、例えば図10に示したように複数の段階のいずれの段階に属するかを、各位置について規定する情報である。干渉レベル情報を用いることで、より細かい単位で干渉の危険度を判定することが可能になり、作業者300等に対する警告、指示を柔軟に切り替えること等も可能になる。
なお、以下では図10のようなエリア情報を用いた干渉状態判定処理を説明するが、本実施形態のエリア情報は、P3等で表されるポテンシャルそのものであってもよい。即ち、本実施形態のエリア情報は、位置に応じて干渉の可能性を規定可能な情報を広く適用可能であり、図4の例のように明確な境界を有する閉領域には限定されない。ポテンシャルを用いた場合、各位置での干渉の可能性が連続的に表現される。そのため、計算量が増大するが、より詳細な干渉状態判定処理が可能になる。
3.3 干渉状態判定
以上のように生成したエリア情報(ポテンシャル)から、干渉状態を判定する手法について説明する。判定部120は、複数の対象物200の各対象物に設定されたエリア情報の相対関係(重畳状態)に基づいて、対象物間の干渉状態判定処理を行う。
以上のように生成したエリア情報(ポテンシャル)から、干渉状態を判定する手法について説明する。判定部120は、複数の対象物200の各対象物に設定されたエリア情報の相対関係(重畳状態)に基づいて、対象物間の干渉状態判定処理を行う。
2つの対象物に着目して考えれば、判定部120は、複数の対象物200のうちの第1の対象物に対応する第1のエリア情報と、複数の対象物200のうちの第1の対象物とは異なる第2の対象物に対応する第2のエリア情報を設定し、第1のエリア情報と第2のエリア情報の相対関係に基づいて、第1の対象物と第2の対象物の間の干渉状態判定処理を行う。
図10のように干渉レベルを設定する例であれば、判定部120は、第1のエリア情報について第1の干渉レベル情報を求め、第2のエリア情報について第2の干渉レベル情報を求め、第1の干渉レベル情報及び第2の干渉レベル情報に基づいて、第1の対象物と第2の対象物の間の干渉状態判定処理を行えばよい。このようにすれば、エリア情報、狭義には干渉レベル情報に基づいて、干渉状態判定処理を行うことが可能になる。以下、具体的な処理について説明する。
図11〜図13は、図10のように、対象物ごとにある時点の進行方向、移動速度、動き量を考慮してエリア情報(ポテンシャル、干渉レベル情報)を形成し、当該エリア情報を対象物200の位置情報に応じて配置した例である。なお、図11〜図13では、対象物200が、作業者300と建機400等である例を示しており、小さいエリア情報が作業者300に対応し、大きいエリア情報が建機400に対応する。なお、作業者300のポテンシャルの形成は、空間上に作業者300しかいないものとして計算する。同様に建機400のポテンシャルは、空間上に建機400しかいないものとして計算する。また、対象物200以外の影響は考えないものとする。
図11の例では、作業者300の「弱」の領域が、車両(建機400)の「中」の領域と重なっている(C1)。C1では、建機400の干渉レベルが「中」と少し危険があるものの、作業者300の干渉レベルは「弱」と危険性が低い。よってこの場合、判定部120は、干渉状態(干渉状態判定処理の結果)が「注意」状態であると判定する。
図12の例では、作業者300の「中」の領域が、車両の「中」の領域と重なっているため(C2)、図11の場合より危険性が高い。よって判定部120は、干渉状態が、上記「注意」状態よりも危険度の高い状態である「警告」状態であると判定する。
図13の例では、作業者300の「強」の領域が、車両の「中」の領域と重なっている(C3)ため、図12よりもさらに危険度が高く、このままでは事故が起こる可能性が高い。よって判定部120は、干渉状態が、上記「警告」状態よりも危険度の高い状態である「停止(緊急停止)」状態であると判定する。
このように判定部120は、作業者300、建機400等の車両のエリア情報(ポテンシャル分布、干渉レベル情報)を逐次求め、両者の位置関係から、重なり合う領域の強さの関係に基づいて、干渉状態を判定する。
図14は、エリア情報(干渉レベル情報)の重なりと、干渉状態との関係例を示す図である。判定部120は、例えば図14のような組み合わせで、「安全」「注意」「警告」「停止」などの段階で干渉状態を判定すればよい。なお、「安全」状態とは、干渉の危険性が充分低い状態に対応する。
また図14の例のように、作業者300と車両とで、干渉状態の判定に差を設けてもよい。例えば図14では、同じ「弱」と「強」の重なりであっても、作業者300が「強」で車両が「弱」の場合は「注意」と判定されるが、作業者300が「弱」で車両が「強」の場合は、より危険度の高い「警告」と判定される。つまり、図14では同じ干渉レベルであっても、車両の方がより危険度が高いものとして扱っている。
また干渉レベルの強さは以上で説明した「弱」「中」「強」の3段階以外でもよく、状況、精度、計算時間などに応じて変更してもよい。例えば、図4等のようにエリア内での干渉レベルを均等(1段階)にしてもよい。或いは、干渉レベルを2段階としたり、4段階以上としてもよい。或いは、上述したP1〜P3等のポテンシャルをそのまま用いるように、無段階の(連続的な)値を干渉状態判定に利用することも可能である。
また判定部120での干渉状態の判定(危険回避の判定)も、図14に限定されず、種々の変形実施が可能である。安全重視の場合は、干渉レベルが低い場合でも、判定結果である干渉状態として、「警告」「停止」等の危険度の高い状態が選択されるようにする。一方、多少危ないかもしれないが、できるだけ接近して作業効率を上げたい場合は、危険度の高い状態が選択されるための干渉レベルとして、「強」等の高いレベルが要求されるようにする。
また、以上の説明では、作業者300と建機400等の車両の位置が正確である前提だが、実際には測定誤差がある。従って、判定部120の干渉状態判定では、位置の誤差があることを考慮し、低めの干渉レベル(ポテンシャル)でも危険と判定されるように設定するとよい。このようにすれば、位置に誤差があっても余裕を持たせた判定(安全性を考慮した判定)が可能になる。また、対象物200に動きや移動がある場合、それらによる不確定要素を回避するため、動きや移動によるエリア情報の拡大幅をやや多めにとっておくことで誤差による危険性を低減することが可能である。また、位置情報や動き情報の検出精度が推定できる場合、判定部120は、精度が高い場合はエリア情報の拡大幅を小さくし、精度が低い場合は拡大幅を大きくするといった変形実施も可能である。
3.4 作業者及び車両への出力例
次に、判定部120での干渉状態判定処理の結果に基づいて、出力部130で出力される情報の例、及び当該情報に基づいて対象物200側の車両の報知部230で行われる報知の例について説明する。なお、以下では判定部120において「安全」「注意」「警告」「停止」の各状態と判定された場合について説明する。
次に、判定部120での干渉状態判定処理の結果に基づいて、出力部130で出力される情報の例、及び当該情報に基づいて対象物200側の車両の報知部230で行われる報知の例について説明する。なお、以下では判定部120において「安全」「注意」「警告」「停止」の各状態と判定された場合について説明する。
判定部120で「安全」と判定された場合、干渉の危険性は低い。よって、作業者300や、建機400(操作者)に対する警告等は不要であるため、出力部130からの出力、及び報知部230での報知を行わなくてよい。ただし、安全である旨の情報の出力及び報知を行うことは妨げられない。
判定部120で「注意」と判定された場合、例えば出力部130は、干渉(衝突)を回避するための回避情報を出力してもよい。判定部120は、第1の対象物の動き情報、及び第2の対象物の動き情報の少なくとも一方に基づいて、第1の対象物に対して出力される回避情報を求め、出力部130は当該回避情報を出力する。
図11に示した例であれば、判定部120は、作業者300の進行方向(C4)や車両の進行方向(C5)を考慮し、作業者300に対して向かって左(C6)に回避するように促すための回避情報を生成する。接近して危険な場合、車両や作業者300の進行方向(運動方向)と垂直に回避するのが一般的に安全とされている。進行方向だと、その車両や部材などが飛んで来て危険なためである。よって判定部120は、C6の方向への回避を指示する情報を回避情報として生成する。
図15、図16は、作業者300に対する回避情報の報知例を示す図である。図15では、HMD60に回避情報を表示する例であり、図16は、リストウォッチ10に回避情報を表示する例である。図11の例では、判定部120において、回避方向(C6)が作業者300の進行方向(正面方向、C4)に対して左方向であることがわかっている。よって、報知部230であるHMD60やリストウォッチ10では、左方向を示す情報を表示する。なお、出力部130では表示画面を表す情報を出力し、HMD60やリストウォッチ10では当該表示画面を表示してもよい。或いは、出力部130は回避方向を示す情報を出力し、表示画面についてはHMD60やリストウォッチ10、或いはコントローラー80−1において生成してもよい。
判定部120で「警告」と判定された場合、例えば出力部130は、大きな音や光などで警告を発するための警告情報を出力する。警告情報に基づいて、例えば作業者300に装着されるスピーカー70では、大きな音を出力したり、「シャベルカーが近づいています。左に逃げてください」といった音声を出力する。また、警告情報は上記の回避情報を含んでもよく、上述したHMD60やリストウォッチ10での表示を合わせて行ってもよい。
このように、出力部130は、作業者300に装着される表示装置に対して、干渉状態判定処理の結果を出力してもよい。ここでの表示装置は、狭義には頭部装着型表示装置(HMD60)であるが、ウェアラブル型の他の表示装置を用いることは妨げられない。HMD60は、作業者300の視界に固定可能な機器であるため、作業者300が特定の操作、動作を行わなくても、表示される情報を閲覧可能である。建設現場等では工具、器具の操作等で作業者300の手がふさがっている場合も多いため、緊急性の高い回避情報等を容易に閲覧可能なHMD60を用いる利点は大きい。
また、警告情報(回避情報)の報知は作業者300側の機器で行われるものには限定されず、建機400等の車両側で行われてもよい。
図17は、建機400の操作者の視界を示す図である。近年の建機400等は、高度な電子制御が行われるものも多く、情報の表示等を行う表示部(ディスプレイ、D1)や、不図示のスピーカーを備えた建機400等も広く用いられている。よって出力部130は、警告情報(回避情報)を建機400に対して出力してもよい。そして、建機400では、表示部に作業者300のイラスト等を表示することで作業者300の接近を報知したり、スピーカーで大きな音を出力したり、「右手に人がいます。注意してください」といった音声を出力する。このようにすれば、建機400等の操作者に対して、適切な情報の報知が可能になる。なお、建機400での報知は、計器パネル等で行うことも可能である。
判定部120で「停止」と判定された場合、作業者300と建機400が非常に近く、干渉の危険性が高い。そこで、出力部130は、直ちに車両を安全に停止するように、車両のエンジン制御に働きかける。例えば出力部130は、操作レバーをロックするなど、車両そのものを停止する制御を行うための制御情報を、車両に対して出力する。それとともに、出力部130は、車両の操作者、作業者300にも上記警告情報(回避情報)を出力し、危険を知らせるとよい。
なお、以上は干渉状態の判定結果と、出力される情報の関係の一例であり、種々の変形実施が可能であることは言うまでもない。
3.5 処理例
図18は以上の処理を説明するフローチャートである。処理装置100では、図18に示す処理を所定間隔で(例えば数秒ごとに)行って、その都度、干渉状態判定処理、及び必要に応じた出力処理を行う。
図18は以上の処理を説明するフローチャートである。処理装置100では、図18に示す処理を所定間隔で(例えば数秒ごとに)行って、その都度、干渉状態判定処理、及び必要に応じた出力処理を行う。
図18の処理が開始されると、情報取得部110は、作業者300の位置情報及び動き情報を取得し(ステップS101,S102)、判定部120は、取得した位置情報及び動き情報に基づいて作業者300のエリア情報を設定する(ステップS103)。同様に情報取得部110は、建機400の位置情報及び動き情報を取得し(ステップS104,S105)、判定部120は、取得した位置情報及び動き情報に基づいて建機400のエリア情報を設定する(ステップS106)。なお、ステップS103の処理をステップS101及びS102の後に行う、及び、ステップS106の処理をステップS104及びS105の後に行うという条件が満たされれば、ステップS101〜S106の処理は任意の順序で行うことが可能である。また、複数の処理を並列に実行してもよい。
作業者300と建機400のエリア情報が設定されたら、判定部120は、作業者300と建機400の間の干渉状態判定処理を行う(ステップS107)。具体的には、判定部120は、図11〜図14を用いて上述した処理を行えばよい。
次に、判定部120は、ステップS107での判定結果が「停止」であるか否かを判定し(ステップS108)、Yesの場合には、出力部130は「停止」用の出力を行う。具体的には、出力部130は、作業者300側の機器に対して、警告音の出力(ステップS109)と、回避情報の出力(ステップS110)を行う。また出力部130は、建機400に対して、建機400を安全停止させるための停止指示(制御信号)を出力する(ステップS111)。また、出力部130は、建機400に対して、警告音や作業者300の位置に関する出力を行う(ステップS112)。ステップS110,S112の処理後は、それぞれステップS101,S104に戻り、次のサイクルでの干渉状態判定を継続する。
ステップS108でNoの場合には、判定部120は、ステップS107での判定結果が「警告」であるか否かを判定する(ステップS113)。ステップS113でYesの場合には、出力部130はステップS109,S110の処理を行い、ステップS101に戻る。即ち、出力部130は、作業者300側の機器に対して警告情報(回避情報)を出力する。また、ステップS113でYesの場合には、出力部130はステップS112の処理を行い、ステップS104に戻る。即ち、出力部130は、建機400側に対して警告音や作業者300の位置に関する出力を行う。
ステップS113でNoの場合には、判定部120は、ステップS107での判定結果が「注意」であるか否かを判定する(ステップS114)。ステップS114でYesの場合には、出力部130はステップS110の処理を行い、ステップS101に戻る。即ち、出力部130は、作業者300側の機器に対して回避情報を出力する。また、ステップS114でYesの場合には、出力部130はステップS112の処理を行い、ステップS104に戻る。即ち、出力部130は、建機400側に対して警告音や作業者300の位置に関する出力を行う。
ステップS114でNoの場合には、ステップS107での判定結果が「安全」であると考えられるため、ステップS109〜S112の処理をスキップして、ステップS101,S104に戻る。
なお、図18には不図示であるが、判定部120は干渉状態判定処理を終了するか否かの判定を行い、Yesの場合には図18に示した処理を終了する。
以上、本発明を適用した実施形態およびその変形例について説明したが、本発明は、各実施形態やその変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記した各実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施形態や変形例に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態や変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
NE…ネットワーク、10…リストウォッチ、20−1,20−2…動きセンサー、
30−1,30−2…位置センサー、40−1,40−2…通信部、50…ヘルメット、
60…HMD、70…スピーカー、80−1,80−2…コントローラー、
100…処理装置、110…情報取得部、120…判定部、130…出力部、
140…記憶部、200…対象物、210…位置検出部、220…動き検出部、
230…報知部、300…作業者、400…建機、500…干渉管理システム、
30−1,30−2…位置センサー、40−1,40−2…通信部、50…ヘルメット、
60…HMD、70…スピーカー、80−1,80−2…コントローラー、
100…処理装置、110…情報取得部、120…判定部、130…出力部、
140…記憶部、200…対象物、210…位置検出部、220…動き検出部、
230…報知部、300…作業者、400…建機、500…干渉管理システム、
Claims (15)
- 対象物に設けられる位置検出部の出力、及び前記対象物に設けられる動き検出部の出力に基づいて、前記対象物の位置情報及び動き情報を取得する情報取得部と、
取得された前記位置情報及び前記動き情報に基づいて、前記対象物に対応するエリア情報を設定し、設定された前記エリア情報に基づいて、前記対象物についての干渉状態判定処理を行う判定部と、
を含み、
前記判定部は、
複数の前記対象物に設定された前記エリア情報に基づいて、複数の前記対象物の間の前記干渉状態判定処理を行うことを特徴とする処理装置。 - 請求項1において、
複数の前記対象物は、
2以上の建機若しくは農機である車両、又は、2以上の作業者、又は、1以上の前記車両及び1以上の前記作業者であり、
前記判定部は、
前記車両間の前記干渉状態判定処理、又は、前記作業者間の前記干渉状態判定処理、又は、前記車両と前記作業者間の前記干渉状態判定処理を行うことを特徴とする処理装置。 - 請求項1又は2において、
前記判定部は、
前記位置情報に基づいて、前記エリア情報の位置を設定し、
前記動き情報に基づいて、前記エリア情報の形状及びサイズの少なくとも一方を設定することを特徴とする処理装置。 - 請求項3において、
前記判定部は、
前記動き情報に対応する方向での重みが大きくなる重み付けを行って、前記干渉状態判定処理を行うことを特徴とする処理装置。 - 請求項3において、
前記判定部は、
前記位置からの距離に応じて変化する第1の関数値に基づいて、前記干渉状態判定処理を行うことを特徴とする処理装置。 - 請求項5において、
前記判定部は、
前記第1の関数値に対して、前記動き情報に応じて変化する第2の関数値による重み付けを行って、前記干渉状態判定処理を行うことを特徴とする処理装置。 - 請求項6において、
前記第2の関数値は、移動速度及び動き量に応じて変化することを特徴とする処理装置。 - 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記判定部は、
複数の前記対象物のうちの第1の対象物に対応する第1のエリア情報と、複数の前記対象物のうちの前記第1の対象物とは異なる第2の対象物に対応する第2のエリア情報を設定し、
前記第1のエリア情報と前記第2のエリア情報の相対関係に基づいて、前記第1の対象物と前記第2の対象物の間の前記干渉状態判定処理を行うことを特徴とする処理装置。 - 請求項8において、
前記判定部は、
前記第1のエリア情報について第1の干渉レベル情報を求め、前記第2のエリア情報について第2の干渉レベル情報を求め、
前記第1の干渉レベル情報及び前記第2の干渉レベル情報に基づいて、前記第1の対象物と前記第2の対象物の間の前記干渉状態判定処理を行うことを特徴とする処理装置。 - 請求項8又は9において、
回避情報を出力する出力部を含み、
前記判定部は、
前記第1の対象物の前記動き情報、及び前記第2の対象物の前記動き情報の少なくとも一方に基づいて、前記第1の対象物に対して出力される前記回避情報を求めることを特徴とする処理装置。 - 請求項1において、
前記対象物は、作業者を含み、
前記情報取得部は、
前記作業者に装着された前記位置検出部、及び前記動き検出部の少なくとも一方に基づく情報を取得することを特徴とする処理装置。 - 請求項11において、
前記作業者に装着される表示装置に対して、前記干渉状態判定処理の結果を出力する出力部をさらに含むことを特徴とする処理装置。 - 請求項1において、
前記対象物は、建機又は農機である車両を含み、
前記情報取得部は、
前記車両の可動部に設けられる前記動き検出部に基づく前記動き情報を取得することを特徴とする処理装置。 - 複数の対象物の各対象物に設けられる位置検出部と、
前記各対象物に設けられる動き検出部と、
前記各対象物の前記位置検出部の出力、及び前記各対象物の前記動き検出部の出力に基づいて、前記各対象物の位置情報及び動き情報を取得する情報取得部と、
取得された前記位置情報及び前記動き情報に基づいて、前記各対象物に対応するエリア情報を設定し、設定された複数の前記エリア情報に基づいて、前記複数の対象物の間の干渉状態判定処理を行う判定部と、
を含むことを特徴とする干渉管理システム。 - 対象物に設けられる位置検出部の出力、及び前記対象物に設けられる動き検出部の出力に基づいて、前記対象物の位置情報及び動き情報を取得し、
取得した前記位置情報及び前記動き情報に基づいて、前記対象物に対応するエリア情報を設定し、
複数の前記対象物に設定された前記エリア情報に基づいて、複数の前記対象物の間の干渉状態判定処理を行うことを特徴とする干渉管理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017004789A JP2018116323A (ja) | 2017-01-16 | 2017-01-16 | 処理装置、干渉管理システム及び干渉管理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7143479B1 (ja) | 2021-06-04 | 2022-09-28 | 日立建機株式会社 | 作業管理システムおよび作業機械 |
JP7390977B2 (ja) | 2020-05-26 | 2023-12-04 | 清水建設株式会社 | 安全管理システム、及び、安全管理方法 |
JP7473496B2 (ja) | 2021-03-03 | 2024-04-23 | 日立建機株式会社 | 作業現場管理システム |
-
2017
- 2017-01-16 JP JP2017004789A patent/JP2018116323A/ja active Pending
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WO2022254922A1 (ja) * | 2021-06-04 | 2022-12-08 | 日立建機株式会社 | 作業管理システムおよび作業機械 |
JP2022186217A (ja) * | 2021-06-04 | 2022-12-15 | 日立建機株式会社 | 作業管理システムおよび作業機械 |
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