JP2018116166A - レーザー走査型表示装置 - Google Patents

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耕平 森山
Kohei Moriyama
耕平 森山
一樹 本間
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一樹 本間
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Abstract

【課題】液晶セル及び偏光板を備える透過光調整部の透過率を制御して表示画像の輝度を調整できるレーザー走査型表示装置において、透過率の変動幅が小さい場合でも、ユーザーの違和感が少ない画像表示を可能とする。【解決手段】制御部は、第1フレームにおける透過光調整部23の透過率と、第1フレームに続く第2フレームにおける透過光調整部23の透過率との差が所定の透過率差閾値未満である場合には、第1フレームの画像表示期間の終了から第2フレームの画像表示期間の開始までのブランキング期間内での透過光調整部23の透過率の変動幅を透過率差閾値以上に設定し、これに応じて液晶駆動部200を制御して液晶セル21を、第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧よりも高い、あるいは低い駆動電圧でオーバードライブさせ、又は、第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて液晶セル21を駆動させる。【選択図】図4

Description

本発明は、レーザー走査型表示装置に関する。
レーザー走査型表示装置は、例えば、レーザー光を出射する光源と、液晶セル及び偏光板からなる透過光調整部を備える調光部と、透過光調整部を通過したレーザー光を走査する走査部と、走査部によって走査されたレーザー光を裏面で受光し、表面に画像を表示する光透過性のスクリーンと、スクリーン上の画像を拡大して投射する光学系と、を有している。
レーザー走査型表示装置は、レーザー光源を表示画像の階調データに基づいて駆動し、その一方で、例えば、外部環境の変化(外光強度の変化や、ユーザーによる画像の輝度調整のための機器操作等)に応じて、液晶セル及び偏光板を備える透過光調整部の透過率を制御することで、レーザー光源の発振状態とは独立に表示画像の輝度を調整することができる。これによって、レーザー光源の直接の制御のみの場合において、レーザー発振が停止してしまうほどに低輝度な画像であっても確実に表示することが可能となる。
レーザー走査型表示装置は、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置として利用することができる。例えば、やや薄暗い中で車両を運転している際に、周囲がさらに暗くなった場合において、その外光強度の変化を検出して、HUD装置が表示しているARコンテンツの虚像(例えば注意喚起マーク)の輝度を自動的に低下させて眩しさを軽減することで、ユーザー(車両の運転者等)の目に優しい輝度による表示を自動的に実現することが可能である。
なお、HUD装置としてのレーザー走査型表示装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2015−184435号公報
レーザー走査型表示装置は、液晶セル及び偏光板からなる透過光調整部を透過するレーザー光の割合を、液晶セルの駆動制御により調整する。例えば、液晶セルとして、VA(Vertical Alignment)型のネマティック液晶(例えばTN液晶)を用い、この液晶セルに与える駆動電圧を調整することで、液晶分子の配光角を制御して液晶セルを通過するレーザー光の偏光方向を制御する。レーザー光の偏光方向の変化に伴って偏光板を通過する光の光量が変化し、透過光の強度が調整される。
しかし、駆動信号に対する液晶セルの応答性は、駆動信号の変動幅(これは、透過光調整部における透過率の変動幅と言い換えることができる)が小さくなるほど遅くなってしまう。ここで図16を参照する。図16は、透過光調整部における透過率の変動幅(ΔT)と、液晶セルの応答性との関係を示す図である。図16から明らかなように、透過率の変動幅ΔTが小さくなるほど、液晶セルの応答性が低下している。液晶セルの応答性が低いということは、つまり、液晶セルを所定の駆動値で駆動した後、表示画像が所望の輝度に到達するまでの時間が長くなるということである。
新しいフレームが開始されて画像の描画が開始された後も、液晶セルの応答の遅延に起因して、ある程度の期間にわたって透過光調整部における透過率が変動し続けると、その透過率の変化が表示画像の輝度の変動としてユーザーの目に把握されてしまうことがあり、この場合、ユーザーに違和感を生じさせることになる。
このような不都合が生じ易い状況の一例としては、低輝度の画像を表示中に外光強度が微妙に変動し、その変動に合わせて画像の輝度を微調整する場合や、HUD装置を起動したときに、周囲が薄暗いために、初期表示するべき画像の輝度が低輝度である場合(つまり、透過率ゼロの状態から、透過率がわずかに上昇した状態への変化が必要な場合)があげられる。HUD装置は、車両運行の安全を確保する表示を行うことが多く、どのような環境下であっても、できるだけ正確な画像表示を行うことが好ましい。
したがって、液晶セルの応答性を早めて、透過光調整部における透過率を、できるだけ早くそのフレーム用の透過率に到達させることが望まれる。
本発明の1つの目的は、透過光調整部の透過率の変動幅が小さい場合でも、画像を描画中において輝度が変化する時間を短縮して、違和感の少ない画像を表示できるレーザー走査型表示装置を提供することにある。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び好ましい実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
第1の態様において、レーザー走査型表示装置は、
レーザー光を出射する光源と、表示画像の階調データに基づいて前記光源を駆動する光源駆動部と、を備える光源部と、
偏光制御素子としての液晶セル及び偏光板を備える透過光調整部と、前記液晶セルを駆動する液晶駆動部と、を備え、前記液晶駆動部が前記液晶セルを駆動することで、前記液晶セルを通過する前記光源からのレーザー光の偏光方向を変化させて前記透過光調整部の透過率を制御し、これによって前記透過光調整部から出射されるレーザー光の光強度を調整する調光部と、
外部環境の変化に基づいて前記調光部を制御し、かつフレームレートに基づいて前記調光部、前記光源部及び前記走査部を制御する制御部と、
前記調光部によって光強度が調整されたレーザー光を走査する走査部と、
前記走査部によって走査されたレーザー光を受け、表面に前記表示画像を表示する光透過性のスクリーンと、
を有し、
前記制御部は、第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第1フレームに続く第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が、所定の透過率差閾値未満である場合には、
前記第1フレームの画像表示期間の終了から前記第2フレームの画像表示期間の開始までのブランキング期間内における前記透過光調整部の透過率の変動幅が前記透過率差閾値以上となるように設定し、前記ブランキング期間において、設定された透過率の変動幅に応じて前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧よりも高い、あるいは低い駆動電圧でオーバードライブさせ、
又は、
前記ブランキング期間において、前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させる。
第1の態様では、制御部は、第1フレームの画像表示期間の終了から第2フレームの画像表示期間の開始までのブランキング期間内における透過光調整部の透過率の変動幅が透過率差閾値以上となるように設定し、設定された透過率の変動幅に応じて、液晶セルを、第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧よりも高い、あるいは低い駆動電圧でオーバードライブさせ、又は、ブランキング期間において、液晶セルを、第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させる。なお、オーバードライブの駆動値は、実際の透過率が目標とする透過率を超えるオーバーシュート(あるいは下回るアンダーシュート)が生じないように適切な値に設定される。ブランキング期間内で、透過率差閾値を超える透過率差に相当する大きな駆動電圧差(駆動信号差)による液晶セルのオーバードライブがなされると、ブランキング期間内において、透過光調整部の透過率が目標とする値に急速に近づく。言い換えれば、第2フレームが開始された後、短い期間内に透過率を目標値に到達させることが可能であり、これによって画像の輝度変動が抑制され、ユーザーの違和感が少ない画像表示が実現される。また、オーバードライブではなく、第2フレームの表示画像期間用の駆動電圧を液晶セルに印加することによっても、ブランキング期間内で、透過光調整部の透過率を目標値に近づけることができ、液晶セルの応答を早める効果が得られる。この場合、オーバードライブしないことから、液晶セルへの負担が軽減されるという効果も得られる。
第1の態様に従属する第2の態様において、
前記スクリーンに設けられ、前記走査部によって走査されたレーザー光の光強度を検出する光強度検出部を有し、前記光強度検出部は、前記スクリーンの、前記走査部による走査エリア内で、かつ画像表示エリアの外側に配置されており、
前記光強度検出部が、前記走査されたレーザー光を受光して受光強度を検出している期間を光強度検出期間とする場合に、
前記制御部は、前記ブランキング期間の内の、前記光強度検出期間を除く期間内で、前記液晶セルをオーバードライブさせ、又は、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させてもよい。
第2の態様では、オーバードライブや第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧による駆動は、ブランキング期間の内の、光強度検出期間を除く期間において行う。言い換えれば、光強度検出期間においてレーザー光の強度が変動して、光強度検出部による受光強度の検出精度が低下する事態が生じない。
第2の態様に従属する第3の態様において、
前記光源として、R(赤),G(緑),B(青)の各色に対応する光源が設けられ、前記制御部は、前記光強度検出期間内において、前記光強度検出部からの受光強度情報に基づいて前記光源駆動部を制御し、前記各光源の発光強度を増減させてホワイトバランスを調整させてもよい。
第3の態様では、光強度検出期間においてホワイトバランス調整処理が実行される。言い換えれば、ホワイトバランスがより向上したレーザー光を用いて、より高品質な表示を実現することができる。
第1乃至第3の何れか1つの態様に従属する第4の態様において、
外光の強度を検出する外光強度検出部を有し、
前記制御部は、外光強度の変化に応じて前記透過光調整部の透過率を制御させてもよい。
第4の態様では、外光強度の変化に応じて透過光調整部の透過率が制御される。言い換えれば、例えば、低輝度の画像を表示中に外光強度が微妙に変動した場合に、その変動に合わせて画像の輝度を自動的に微調整することができ、そして、上述のとおり、その際に、ブランキング期間において、所定の閾値を超える変動幅による液晶セルのオーバードライブ等がなされることから、違和感の少ない高品質の画像の表示が可能である。
第5の態様において、レーザー走査型表示装置は、
レーザー光を出射する光源と、表示画像の階調データに基づいて前記光源を駆動する光源駆動部と、を備える光源部と、
偏光制御素子としての液晶セル及び偏光板を備える透過光調整部と、前記液晶セルを駆動する液晶駆動部と、を備え、前記液晶駆動部が前記液晶セルを駆動することで、前記液晶セルを通過する前記光源からのレーザー光の偏光方向を変化させて前記透過光調整部の透過率を制御し、これによって前記透過光調整部から出射されるレーザー光の光強度を調整する調光部と、
外部環境の変化に基づいて前記調光部における前記液晶駆動部を制御し、かつフレームレートに基づいて、前記調光部、前記光源部及び前記走査部を制御する制御部と、
前記調光部によって光強度が調整されたレーザー光を走査する走査部と、
前記走査部によって走査されたレーザー光を受け、表面に前記表示画像を表示するスクリーンと、
を有し、
前記制御部は、
第1フレーム及び前記第1フレームに続く第2フレームの各々を、前半のサブフレームと後半のサブフレームとに分割してサブフレーム単位で画像表示を制御し、
前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が、所定の透過率差閾値未満である場合には、前記第2フレームの前半のサブフレームの全期間において前記光源をオフさせて非表示期間とすることで、前記第1フレームの後半のサブフレームにおける画像表示期間の終了から、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間の開始までの期間をブランキング期間とすると共に、
前記ブランキング期間内における前記透過光調整部の透過率の変動幅が前記透過率差閾値以上となるように設定し、設定された透過率の変動幅に応じて、前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧よりも高い、あるいは低い駆動電圧でオーバードライブさせ、かつ、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間において、前記光源部を制御して前記光源の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させ、
又は、
前記ブランキング期間内において、前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させ、かつ、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間において、前記光源部を制御して前記光源の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させる。
第5の態様では、フレームレートを上昇させて、第1フレーム及び第2のフレームの各々を前半のサブフレームと後半のサブフレームに分割し、第2フレームの前半のサブフレームにおいて光源をオフすることで、第2フレームの前半のサブフレームの全期間をブランキング期間に含ませる。言い換えれば、第1フレームの後半のサブフレームの画像表示期間が終了してから、第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間が開始されるまでの期間がブランキング期間となり、ブランキング期間を十分に確保することが可能となる。言い換えれば、例えば、透過光調整部の透過率の変動幅がかなり小さい場合でも、液晶セルのオーバードライブ(又は、第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧による駆動)によって、ブランキング期間内で透過率を目標値に十分に近づけることができ、また、ブランキング期間が延長されていることから、その分、液晶セルの駆動電圧を低下させることができ、液晶セルの負担軽減及び消費電力の削減が可能であり、また、1つのフレームに属する2つのサブフレームの一方を非表示としても、他方のサブフレームにおいて、光源の発光強度を2倍にして画像を表示することにより、そのフレームにおける画像の輝度は通常の画像表示の輝度と同じとなり、ユーザーには違和感が生じない。
第6の態様において、レーザー走査型表示装置は、
レーザー光を出射する光源と、表示画像の階調データに基づいて前記光源を駆動する光源駆動部と、を備える光源部と、
偏光制御素子としての液晶セル及び偏光板を備える透過光調整部と、前記液晶セルを駆動する液晶駆動部と、を備え、前記液晶駆動部が前記液晶セルを駆動することで、前記液晶セルを通過する前記光源からのレーザー光の偏光方向を変化させて前記透過光調整部の透過率を制御し、これによって前記透過光調整部から出射されるレーザー光の光強度を調整する調光部と、
外部環境の変化に基づいて前記調光部における前記液晶駆動部を制御し、かつフレームレートに基づいて、前記調光部、前記光源部及び前記走査部を制御する制御部と、
前記調光部によって光強度が調整されたレーザー光を走査する走査部と、
前記走査部によって走査されたレーザー光を受け、表面に前記表示画像を表示するスクリーンと、
を有し、
前記制御部は、
第1フレーム及び前記第1フレームに続く第2フレームの各々を、前半のサブフレームと後半のサブフレームとに分割してサブフレーム単位で画像表示を制御し、
前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が、所定の透過率差閾値未満である場合において、
前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間において、前記光源部を制御して前記光源の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させ、前記第1フレームの後半のサブフレームの全期間において前記光源をオフさせて非表示期間とすることで、前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の終了から、前記第2フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の開始までの期間をブランキング期間とすると共に、前記ブランキング期間内における前記透過光調整部の透過率の変動幅が前記透過率差閾値以上となるように設定し、設定された透過率の変動幅に応じて、前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧よりも高い、あるいは低い駆動電圧でオーバードライブさせ、
又は、
前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間において、前記光源部を制御して前記光源の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させると共に、前記第1フレームの後半のサブフレームの全期間、及び前記第2フレームの前半のサブフレームの全期間において前記光源をオフさせて非表示期間とすることで、前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の終了から、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間の開始までの期間をブランキング期間とすると共に、前記ブランキング期間内において前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させ、かつ、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間において、前記光源部を制御して前記光源の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させる。
第6の態様では、液晶セルをオーバードライブする場合において、第5の態様とは逆に、第1フレームの前半のサブフレーム期間において光源の光強度を2倍として画像を表示し、第1フレームの後半のサブフレームにおいて光源をオフして非表示期間(つまり、ブランキング期間の一部)とし、第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間が終了してブランキング期間が開始されると、この期間で液晶セルのオーバードライブを行い、この結果として、透過光調整部の透過率は、第1フレームの後半のサブフレーム期間が終了する前に、目標値(つまり、第2フレームの画像表示期間用の透過率)に到達する。また、ブランキング期間において、液晶セルをオーバードライブせず、その代わりに第2フレームの画像表示期間用の電圧を印加する場合においても、上記と同様に、まず、第1フレームの前半のサブフレームにて通常の2倍の発光強度での画像表示を行い、第1フレームの後半のサブフレームを非表示としてブランキング期間に組み込むが、オーバードライブしていないことから液晶の応答は遅れ、従って、第2フレームの前半のサブフレームも非表示としてブランキング期間を延長する。このブランキング期間内で、透過光調整部の透過率は、目標値(つまり、第2フレームの画像表示期間(この場合は、第2フレームの後半のサブフレームにおける画像表示期間である)用の透過率に到達し、これによって第2フレームにおける画像表示期間用の適正な透過率が実現され、続いて、第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間において、光源の発光強度を通常の2倍として画像を表示させる。
第6の態様に従属する第7の態様において、
前記光源の発光強度を通常の2倍にしたときの発光強度が前記光源の限界を超える場合において、
前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の終了から、前記第2フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の開始までの期間内において前記液晶セルをオーバードライブさせる場合には、
前記制御部は、前記第1フレームの後半のサブフレームの全期間を非表示期間とせず、前記第1フレームの前半のサブフレーム及び後半のサブフレームの各々において、前記光源を制御して通常出力で画像を表示させ、
又は、
前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の終了から、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間の開始までの期間内で、前記液晶セルを前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させる場合には、
前記制御部は、前記第1フレームの後半のサブフレームの全期間、及び前記第2フレームの前半のサブフレームの全期間を非表示期間とせず、前記第1フレームの前半のサブフレーム、前記第1フレームの後半のサブフレーム、前記第2フレームの前半のサブフレーム前記第2フレームの後半のサブフレームの連続する4つのサブフレームの各々において、前記光源を制御して通常出力で画像を表示させてもよい。
第7の態様では、第6の態様において、光源の発光強度を通常の2倍にして画像表示を行おうとしても光源の限界を超えてしまって実現ができない場合(例えば、周囲が明るいことから光源がかなり高い輝度で発光している場合等にこのような事態が生じ得る)、各フレームの各サブフレームにて、光源の発光強度を一倍出力(つまり通常出力)にして画像を表示し、同時に、液晶セルには、第6の態様と同じ期間においてオーバードライブ電圧、又は第2フレームの画像表示期間用の電圧を印加して液晶セルの応答を早くする処理を行う。言い換えれば、画像を表示中の一部の期間において、透過光調整部の透過率が変動することで、透過率変動の影響を受けたサブフレームの画像の品質が低下することはやむを得ないが、しかし、1フレームで見れば、透過率変動の影響を受けないサブフレームの画像(正常な画像)との加法混色にて一枚の画像が形成されることから、透過率変動の影響は軽減される。
第5乃至7のいずれか1つの態様に従属する第8の態様において、
前記制御部は、前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が前記透過率閾値以上である場合には、前記第2フレームの前半のサブフレーム及び後半のサブフレームの各々の画像表示期間において画像を表示させてもよい。
第8の態様では、透過率差が透過率差閾値以上である場合、液晶セルの応答性は高いことから、制御部は、通常どおり、第2フレームの前半、後半の各サブフレームにおいて画像を表示させる。なお、当然のことながら、この画像表示は、光源の通常出力での表示である。
第5乃至7のいずれか1つの態様に従属する第9の態様において、
前記液晶セルの温度を検出する温度検出部を有し、
前記制御部は、
前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が前記透過率閾値以上であり、かつ前記温度検出部によって検出された温度が、所定の温度閾値以上の場合には、前記第2フレームの前半のサブフレーム及び後半のサブフレームの各々の画像表示期間において画像を表示させ、
前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が前記透過率閾値以上であり、かつ前記温度検出部によって検出された温度が、所定の温度閾値未満の場合には、前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が前記透過率閾値未満である場合と同じ制御を実行するようにしてもよい。
第9の態様では、制御部は、透過率差が透過率差閾値以上であり、かつ液晶セルの温度が所定の温度閾値よりも高い場合において、第2フレームの前半、後半の各サブフレームにおいて画像を表示させる。なお、当然のことながら、この画像表示は、光源の通常出力での表示である。一方、透過率差が透過率差閾値以上であり、かつ液晶セルの温度が所定の温度閾値よりも低い場合には、透過率差が透過率差閾値未満である場合と同じ制御を実行する。液晶セルの温度が低いと、液晶セルの応答性が低下して、透過率差が透過率差閾値以上であったとしても、液晶セルの応答遅延による画像品質の低下が問題となることもあり得ることから、この場合には、透過率差が透過率閾値未満である場合と同様の制御を行うこととしたものである。
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
本発明の一実施形態に係るレーザー走査型表示装置の搭載態様(HUD装置)を説明するための図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係るレーザー走査型表示装置(HUD装置)の全体構成例を示す図、(b)は、レーザー光出力部(光源部及び透過光調整部を含む)の構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るレーザー走査型表示装置(HUD装置)のシステム構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るレーザー走査型表示装置(HUD装置)の主要な構成を示す機能ブロック図である。 ルックアップテーブル(液晶セル駆動用テーブル)の構成例を示す図である。 ルックアップテーブル(補正用テーブル)の構成例を示す図である。 (a)、(b)は、線形補間による、任意温度における透過率の算出方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るレーザー走査型表示装置(HUD装置)におけるオーバードライブ電圧の設定範囲を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るレーザー走査型表示装置における、オーバードライブ電圧(及び、オーバードライブの際の透過率変動幅)と透過光調整部の透過率との関係を示す図である。 (a)は、1フレーム期間において光透過性のスクリーン上に画像が描画される様子を示す図、(b)は、R、G、Bの各色に対応する光源がPWM駆動される様子を示すタイミング図である。 ブランキング期間において液晶セルをオーバードライブする場合における、レーザー走査型表示装置の主要な動作手順を示すフロー図である。 ブランキング期間において液晶セルに、ブランキング期間終了後の画像表示期間において印加するべき電圧(つまり、画像表示用の駆動電圧)を印加する場合における、レーザー走査型表示装置の主要な動作手順を示すフロー図である。 (a)は、1フレームを2つのサブフレームに分割して表示する場合において、光透過性のスクリーン上に画像が描画される様子を示す図、(b)は、R、G、Bの各色に対応する光源がPWM駆動される様子を示すタイミング図である。 (a)は、第1フレーム及び第2フレームを各々2つのサブフレームに分割し、第1フレームの前半のサブフレームで光源の発光強度を2倍にして画像を表示した後、第1フレームの後半のサブフレームをブランキング期間に組み込み、このブランキング期間内で液晶セルをオーバードライブする例を説明するための図であり、(b)は、光源の限界によって光源の発光強度を2倍にできない場合の画像表示の例を示す図である。 (a)は、第1フレーム及び第2フレームを各々2つのサブフレームに分割し、第1フレームの前半のサブフレームで光源の発光強度を2倍にして画像を表示した後、第1フレームの後半のサブフレーム及び第2フレームの前半のサブフレームをブランキング期間に組み込み、このブランキング期間内で液晶セルに、第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧(言い換えれば、第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間に印加する電圧)を印加する例を説明するための図であり、(b)は、光源の限界によって光源の発光強度を2倍にできない場合の画像表示の例を示す図である。 透過光調整部の透過率差(透過率の変動幅)と、透過光調整部を構成する液晶セルの応答性との関係を示す図である。
以下に説明する好ましい実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
まず、本発明の概要を説明する。本発明は、表示画像データに応じて光強度が変調されるレーザー光源と、レーザー光源に対して前置される透過光調整部(液晶セル、偏光板を含む)とを備え、かつ透過光調整部の透過率が、画像表示データとは無関係に、外部環境の変化(周囲の明るさの変化、ユーザーの機器操作による表示画像の輝度調整等)に応じて、例えばフレーム毎に更新されるレーザー走査型表示装置において、液晶セルの応答遅延に起因する透過光調整部の透過率変動が画像表示に与える影響を軽減するべく、ブランキング期間において、透過率差が所定閾値を超えるように設定して、これに応じて液晶セルをオーバードライブすることを基本とする。例えば、前フレームの透過率が10%、次フレームの透過率が30%であるとき、透過率差が20%しかないため(ここで、透過率差閾値ΔTthを30%すると、透過率の変動幅がΔTthに満たない)、そこで、ブランキング期間において、透過率差が例えば90%(≧ΔTth)になるように設定して、その設定に対応する駆動電圧で液晶セルをオーバードライブし、ブランキング期間が終わると、透過率を30%に戻す。これにより、透過光調整部の透過率は、次のフレームの描画が開始されてから早期の期間に目標値に到達し、よって表示画像の品質の低下は最小限にとどめられる(実施形態1)。なお、光強度を検出してフィードバック処理等を行っている場合には、光強度検出の信頼性を確保する観点から、オーバードライブ電圧を印加する期間から、光強度検出期間を除外してもよい。なお、オーバードライブとは、画像表示期間用の駆動電圧よりも高い、あるいは低い駆動電圧で液晶セルを駆動することであり、言い換えれば、液晶セルの駆動値として、本来の目標値を通過して、より高い値、あるいは、より低い値を設定し、その設定に応じて液晶セルを駆動することであり、これによって、駆動電圧の差(差分)がより拡大される態様にて液晶セルが駆動されることになる。
但し、液晶セルのオーバードライブは、液晶セルにかなりの負担を与えるものであるため、液晶セルの負担軽減のために、ブランキング期間において、液晶セルに、オーバードライブ電圧の代わりに、次のフレームの画像表示期間用の駆動電圧を与えることも選択肢として加える(実施形態1)。
なお、あるフレームにおける「画像表示期間用の駆動電圧」とは、「そのフレームが開始されてから最初に到来する画像表示期間において液晶セルに印加する駆動電圧」ということができ、例えば、フレーム期間が、2つのサブフレームに分割され、前半のサブフレームは非表示期間とされてブランキング期間に組み込まれる場合には、後半のサブフレームの画像表示期間が、そのフレームにおいて最初に到来する画像表示期間であり、このときに液晶セルに印加すべき電圧が、そのフレームについての「画像表示期間用の駆動電圧」である。
また、フレームレートを変更して、1つのサブフレームを2つのサブフレームに分割して、いずれか一方のサブフレームにおいて光源をオフして非表示とすることで、そのサブフレーム期間をブランキング期間に組み込むことができ、これによってブランキング期間を延長することができ、また、この場合には、1フレームにおける画像の輝度低下を防ぐために、いずれか他方のサブフレームで画像を表示する際に、光源の発光強度を通常の2倍とする(実施形態2、3)。
サブフレームを利用してブランキング期間を延長する態様としては、1つのフレームにおける前半のサブフレームをブランキング期間に組み込む例、あるいは、後半のサブフレームをブランキング期間に組み込む例があり、これらを適宜、使い分けして、必要なブランキング期間を確保しつつ、オーバードライブ電圧又は画像期間用の駆動電圧による液晶セルの駆動を実行し、併せて、光源の発光強度を変化させて1フレームとしての輝度を通常と同じに保ち(実施形態2、3)、また、光源の限界から、光源の発光輝度を倍増できない場合には、各サブフレームで画像を表示するといった次善の措置を採る(図14(b)、図15(b)の例)。
また、サブフレーム単位で画像を表示する例において、第1フレームの透過光調整部の透過率と第2フレームの透過光調整部の透過率との差が所定の透過率差閾値以上であったときは、第2フレームの各サブフレームで画像を表示させてもよい。但し、液晶セルの温度が所定の温度閾値よりも低い場合には、透過率差が大きくても液晶セルの応答性が低下する場合があるため、この場合には、透過率差が透過率差閾値未満の場合と同様の制御を行い、透過率差が透過率差閾値以上で、かつ液晶セルの温度が温度閾値以上である場合において、第2フレームの各サブフレームで画像を表示するようにしてもよい。このような変形は適宜、なし得る。このような変形例も、本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、順を追って説明する。なお、以下の例では、主として、液晶セルをオーバードライブする場合について説明する。上述のとおり、液晶セルの負担軽減を重視する場合には、液晶セルにオーバードライブ電圧を印加する代わりに、次のフレームの画像表示期間用の駆動電圧を印加してもよい(この点は、各実施形態に共通である)。
(実施形態1)
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係るレーザー走査型表示装置は、一例として、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置として構成することができる。以下、本発明を適用したHUD装置について説明する。
図1に示されるように、HUD装置1は、車両2のダッシュボードに配設することができる。HUD装置1は、表示画像を表す光(表示光)をウインドウシールド3に向けて出射し、例えば車両2の運転者であるユーザー4に、表示画像(ARコンテンツ)を虚像Vとして視認させる。表示画像は、例えば、車両2の運行に関する情報(運転速度等)や安全運転のための報知情報(例えば注意喚起マーク等)である。
図2(a)、(b)を参照する。図2(a)はHUD装置の全体構成例を示す図、図2(b)はレーザー光出力部(光源部及び透過光調整部を含む)の構成例を示す図である。
図2(a)に示すように、HUD装置1は、レーザー光出力部(合成レーザー光生成部ということもできる)10と、液晶セルと偏光板を利用した透過光調整部20と、液晶セルの温度を検出する温度検出部30と、走査部(例えばMEMSミラー)40と、画像Mが表面に形成される光透過性のスクリーン(透過スクリーンと称する場合がある)50と、光透過性のスクリーン50の裏面に設けられ、走査されたレーザー光の強度を検出する光強度検出部60と、光を反射する反射部材71、72(共に、光を拡大して投射する光学系を構成する)と、筐体80(レーザー光の出射窓81を含む)と、外光強度検出部90と、を備える。
レーザー光出力部10は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色のレーザー光を合成して合成レーザー光Cを生成し、走査部40に向けて出射する。光源(レーザー光源)の光強度は表示画像データ(階調データ)に応じて変調されるが、これとは独立に、透過光調整部20による透過率制御によって、合成レーザー光の強度を増減する、つまり調整することが可能である。これによって、光源を直接的に制御するだけでは実現できないような低輝度の表示が可能である。
合成レーザー光Cは走査部40で走査され、これによって、レーザー光が光透過性のスクリーン50の裏面上で主走査方向及び副走査方向に走査され、これに応じて光透過性のスクリーン50の表面(前面)に表示画像Mが表示される。なお、光透過のスクリーン50は、走査部40からの合成レーザー光Cを背面で受光して透過拡散させることで、表面(前面)に表示画像Mを表示するものであり、例えば、ホログラフィックディフューザ、マイクロレンズアレイ、拡散板などで構成される。表示画像Mを表す光(表示光)Kは、反射部材71、72を介してレーザー出射窓81からウインドウシールド3に向けて出射される。なお、スクリーン50は、光反射性のスクリーンに変更されてもよい。
次に、図2(b)を参照する。レーザー光出力部10は、光源部14と、透過光調整部20と、合波ユニット13(13r、13g、13b)と、を有する。光源部14は、光源駆動部100と、R,G,Bの各色に対応した光源11r、11g、11b(これらをまとめて光源11と称する)と、各色の光源に対応して設けられる集光レンズ12r、12g、12b(これらをまとめて集光レンズと称する)と、各色のレーザー光源11r、11g、11b毎に設けられる温度センサ260r、260g、260bと、を備える。光源11としては、例えば、レーザーダイオード(LD)を用いることができる。
透過光調整部20は、光源部14に対して前置される。言い換えれば、透過光調整部20は、光源部14と合波ユニット13との間に位置し、各色のレーザー光源11r、11g、11bから出射されたレーザー光が透過される際の透過率を制御することで、透過光の強度を適宜、調整する。透過光調整部20は、液晶セル21と、偏光板22と、を有し、例えばノーマリーブラック型の一つの液晶表示装置(液晶パネル)とみなすことができる。
液晶セル21は、図示はしないが、一対の透明基板と、基板間に封入された液晶層とを有し、液晶セル21の各透明基板の液晶層側には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極が形成されている。液晶セル21は、R、G、Bの各色に対応させて個別に設けられている。つまり、液晶セル21は、R,G,Bに対応した3つの液晶セル21r、21g、21bからなる(この点は、図3に明記されている)。各色に対応した各液晶セル21r、21g、21bには、後述する制御部の制御の下で液晶駆動部を介して、個別に駆動電圧が印加される。液晶セル21(21r,21g,21b)は、各セルに共用の一対の透明基板に、セル毎に駆動電圧を印加可能な透明電極が設けられることで構成されていてもよいし、各々別体の液晶セルとして構成されていてもよい。なお、液晶セル21としては、VA(Vertical Alignment)型のネマティック液晶(例えばTN液晶)を用いることができるが、これは一例であり、液晶の種類は、特に問わない。
液晶セル21は、レーザー光の偏光方向を制御する偏光制御素子として機能し、偏光板22と組み合わせることで、透過光の光量(つまり、透過光の強度)を増減させることができる。
偏光板22は、ワイヤグリッド偏光板、ヨウ素系や色素系の偏光板、ガラス偏光子などから構成されている。偏光板22は、透過軸を有し、入射した光のうち、透過軸と平行な偏光角度の光を透過させ、それ以外の偏光角度の光を透過させない。なお、各レーザー光源11r,11g,11bは、出射する光の偏光角度が偏光板22の透過軸と直交するように配置されている。また、偏光板22の透過軸の向きは、ウインドウシールド3の反射率の偏光依存性を考慮して決定される。
液晶セル21に加える印加電圧の大きさを制御することで、レーザー光の偏光角を0°〜90°の範囲で任意に制御でき、これによって、偏光板22を透過する透過光の光量を制御することができる。つまり、液晶セル21の印加電圧に応じて、透過光調整部20におけるレーザー光の透過率を連続的に変化させることができる。また、液晶セル21として、R、G、Bの各色に対応する3つの液晶セル21r、21g、21bを用意しておき、個別に印加電圧を制御することで、R、G、Bの各色のレーザー光の透過率を、各々独立に制御することができる。
透過光調整部20は、例えば、1つのノーマリーブラック型の液晶表示装置(液晶パネル)とみることができ、液晶セル21の駆動電圧を変化させることで、透過光の光量(透過光の強度)を、例えば1フレーム毎に微調整することができる。
合波ユニット13は、R、G、Bの各色に対応する各レーザー光を合波して、合成レーザー光Cを生成する。合波ユニット13は、平面鏡等からなる反射部13rと、それぞれが特定の波長の光を反射するがその他の波長の光は透過するダイクロイックミラー等からなる合波部13g及び合波部13bと、で構成される。
このように、各色に対応した各レーザー光は、透過光調整部20で透過率が調整されると共に、偏光板22を透過した後に、合成されてレーザー光出力部10から出射される。したがって、合成レーザー光Cに含まれる各色のレーザー光の偏光角度は一致している。レーザー光出力部10から出射された合成レーザー光Cは、走査部40に向かう。
走査部40は、例えばMEMSミラー等で構成され、走査駆動部(図2には記載されないが、図3、図4にて符号400と表記される)によって駆動されてレーザー光Cを走査する。
次に、図3を参照してシステム構成について説明する。HUD装置1は、制御部300を備える。制御部300は、マイクロコントローラ等からなり、CPU310と、記憶部320と、を備える。記憶部320は、ROM、RAM、フラッシュメモリ等からなり、HUD装置1の動作に必要なプログラムや、各種データを記憶している。記憶部320には、後述する各処理の動作プログラムのデータや、各種のルックアップテーブルLUTが記憶されている。LUTとしては、例えば、液晶駆動用テーブルTA1(図5)、補正用テーブルTA2(図6)等がある。
CPU310は、記憶部320からプログラムを読み出し、実行することで各部を制御する。CPU310には、車両2のECU(Electronic Control Unit)5から、表示画像Mを表示するための画像データが供給される。なお、画像データの少なくとも一部は、記憶部320に予め記憶されていてもよい。CPU310は、この画像データに従って光源駆動100を制御する。光源駆動部100は光源11を駆動し、これによって、光源11の発光強度が制御される。この結果、表示画像Mが光透過性のスクリーン50上に形成される。
また、CPU310は、走査部400を走査する走査駆動部400から供給されるフィードバックデータに基づいて、透過スクリーン50上における現在の合成レーザー光Cの走査位置を特定する。
また、制御部300には、温度検出部30、発光強度検出部60、外光強度検出部90から検出情報(測定データ)が入力される。各検出部は、各種のセンサで構成することができる。また、CPU310は、液晶駆動部400を制御して、R、G、Bの各色に対応した液晶セル21r、21g、21bの駆動電圧値を、1フレームを単位として更新させる。
なお、以下の説明では、透過光調整部20及び液晶駆動部200を含む機能ブロックを調光部23と称する。
次に、本実施形態における主要な機能ブロックについて説明する。先に図16を用いて説明したように、駆動信号に対する液晶セルの応答性は、駆動信号の変動幅(これは、透過光調整部における透過率の変動幅と言い換えることができる)が小さくなるほど遅くなってしまい、例えば、新しいフレームが開始されて画像の描画が開始された後も、液晶セルの応答の遅延に起因して、ある程度の期間にわたって透過光調整部における透過率が変動し続けると、その透過率の変化が表示画像の輝度の変動としてユーザーの目に把握されてしまうことがあり、ユーザーに違和感を生じさせることになる。
この不都合を軽減するために、本実施形態では、ブランキング期間において、液晶セルを所定の閾値を超えてオーバードライブすることで液晶の応答を早め、透過光調整部20における透過率が、できるだけ早くそのフレーム用の透過率に到達するように制御する。したがって、本実施形態では、この処理に必要な機能ブロックが設けられる。
図4に示されるように、制御部300に関係する機能ブロックとして、液晶駆動制御値(PWM値)算出部302と、透過率算出部304と、記憶部306と、透過率差判定部308と、タイミング制御部311と、バイアス設定部312と、が設けられている。また、図4では、画像処理部102と、ホワイトバランス調整処理部104と、動作クロック発生部92と、を明記している。
画像処理部102は、表示画像データを加工する等の処理が必要な場合に備えて設けられている。また、ホワイトバランス調整処理部104は、光強度検出部60からの受光強度情報(フィードバック情報)に基づいて、例えば、R、G、Bの各色に対応したレーザー光源11r、11g、11bの発光強度を個別に制御し、これによって合成レーザー光Cのホワイトバランスを向上させる処理を行う。なお、ホワイトバランス調整処理は、例えばブランキング期間に行われる。また、動作クロック発生部92は、例えば60Hzに対応した動作クロックCL1と、120Hzに対応した動作クロックCL2と、を選択的に、又は同時に、制御部300に供給することができる。これによって、HUD装置1の動作中に、フレームレートを適宜、変更して、1フレームを複数のサブフレームに分割して画像表示を行うことが可能である。
次に、図4に示される構成の主要な動作を説明する。制御部300の液晶駆動制御値(PWM値)算出部302は、表示画像M用の輝度が決定されると、R、G、Bの各色に対応した液晶セル21r、21g、21bの各駆動制御値(PWM値)を算出する。駆動制御値(PWM値)の算出は、外光強度検出部90によって検出される外光強度情報と、温度検出部30によって検出される各液晶セル21r、21g、21bの温度情報と、に基づいて行われる。
まず、液晶駆動制御値(PWM値)算出部302は、外光強度検出部90から取得した外光強度情報に基づいて、図5に記載されるルックアップテーブルを参照する。図5に示されるように、ルックアップテーブルTA1には、ある温度(基準温度とする)における外光強度P(P0〜Pk)に対応付けされて、各色の液晶セル21r、21g、21b毎の液晶駆動制御値(PWM値)(Dr_0〜Dr_k、Dg_0〜Dg_k、Db_0〜Db_k)と、各色に対応したレーザー光の、透過光調整部20における透過率Tr(Tr_0〜Tr_k、Tg_0〜Tg_k、Tb_0〜Tb_k)と、が記憶されている。
なお、図5において、P0は外光強度Pの最小値を表し、Pk(kは正の整数)は外光強度Pの最大値を表す。また、jは、0以上k−1以下(0≦j≦k−1)の整数であり、Pj+1はPjよりも大きい(Pj+1>Pj)。また、各PWM値Dr,Dg,Dbと各液晶セルの透過率Tr、Tg、Tbのインデックスは、外光強度Pのインデックスに対応する。このルックアップテーブルTA1を参照すれば、ある温度(基準温度)における液晶駆動値(PWM値)と透過率とが求まる。
但し、ルックアップテーブルTA1を参照して得られるのは、ある温度(基準温度)における液晶駆動値(PWM値)であるため、温度検出部30で検出された現実の温度に対応する液晶駆動値に補正して使用する。この補正に必要な補正係数は、図6に示されるルックアップテーブルTA2に記載されている。図6に示されるように、ルックアップテーブルTA2には、温度検出部30による検出温度(T0〜tn)に対応付けされて、各色の液晶セル21r、21g、21b毎の、液晶駆動制御値を補正するための補正係数(Cr_0〜Cr_n、Cg_0〜Cg_n、Cb_0〜Cb_n)が記憶されている。この補正係数を用いて、ルックアップテーブルTA1を参照して取得された、ある温度(基準温度)における液晶駆動値(PWM値)が、現実の液晶セルの温度に応じた液晶駆動制御値(PWM値)に補正される。液晶駆動制御値(PWM値)算出部302は、得られた液晶駆動値(PWM値)を、液駆動部200に与える。
また、透過率については、液晶セルの応答速度を上げるために加えるバイアス電圧(オーバードライブ電圧)を決定するために必要であり、正確に算出する必要があることから、外光強度検出部90によって検出された現実の外光強度Pにおける透過率を補間演算により求める。ここで、図7(a)、(b)を参照する。
赤色用液晶セル21rを例に説明すると、外光強度検出部90で検出された現実の外光強度Pが、Pj以上でPj+1以下(つまり、Pj≦P≦Pj+1)の値であった場合、制御部300の透過率算出部304(図4)は、液晶駆動用テーブルTA1(図5)を参照して、外光強度pj、pj+1の各々に対応する、透過光調整部20の透過率Tr_j、Tr_j+1を取得する。次に、図7(a)に示すように、線形補間を行って、現実の外光強度Pに対応する透過率Trを算出する。具体的には、図7(b)の(1)式の演算が行われてR(赤)に対応するレーザー光の、透過光調整部20における透過率Tr(これを便宜上、赤色用液晶セル21rの透過率Trと称する場合がある。他の色についても同様である)が算出される。同様に、図7(b)の(2)式によって、G(緑)に対応するレーザー光の、透過光調整部20における透過率Tgが算出され、(3)式によって、G(緑)に対応するレーザー光の、透過光調整部20における透過率Tgが算出される。
図4に戻って説明を続ける。上記の線形補間によって算出された各色のレーザー光の透過率Tr、Tg、Tbは、フレームF(a−1)における透過率T(F(a−1))として、記憶部306に一時的に記憶される。透過率算出部304は、次のフレームF(a)についても、同様にして上記の線形補間を行って各色のレーザー光の透過率Tr、Tg、Tbを算出する。
透過率差判定部308は、フレームF(a−1)の画像表示が終了するまでの期間において、次のフレームF(a)における透過率T(F(a))と、直前のフレームであるフレームF(a-1)における透過率T(F(a-1))との差分を求める。差分は、各色毎に求められる。各色についての透過率の差分をΔTr、ΔTg、ΔTbとすると、各々は以下のようにして求まる。
ΔTr=Tr(F(a))−Tr(F(a−1))
ΔTg=Tg(F(a))−Tg(F(a−1))
ΔTb=Tb(F(a))−Tb(F(a−1))。
透過率差判定部308は、続いて、求められた各差分を、予め用意されている透過率差閾値ΔTthと比較し、ΔTth以上であるか、Tth未満であるかを判定する。Tth以上であれば、液晶セル21r、21g、21bの応答性は高いために、ブランキング期間において液晶セル(21r、21g、21b)にバイアス電圧を印加する必要がないが、Tth未満の場合には、液晶セル(21r、21g、21b)の応答が遅れてしまうため、バイアス電圧を印加して液晶セル(21r、21g、21b)の応答を早める必要がある。なお、透過率差閾値ΔTthの値は、液晶セルの温度に応じて変化させることができ、また、各色毎に異なる値を用いることもできる。
バイアス設定部312は、透過率差判定部308の判定結果に基づいて、ブランキング期間にバイアス電圧を印加するか否かを決定し、バイアス電圧を印加する場合には、バイアス電圧の値を決定する。一例として、一律に最大のバイアス電圧値とすることができる。例えば、各色についての透過率差が最大となるように(つまり、ΔTr、ΔTg、ΔTb=100となるように)、バイアス電圧を各液晶セル(21r、21g、21b)に印加することができる。
但し、消費電力の抑制、液晶セルの負担軽減の観点から、バイアス電圧は、透過率の差分の値(必要なら、さらに液晶セルの温度の値)に応じて、適宜、決定する、つまり、ΔTr、ΔTg、ΔTbが100未満で、かつ、ΔTr、ΔTg、ΔTbが、必要最小限度の透過率変動幅ΔTminを超えるように、状況に応じて適応的に設定するのが、より好ましい。
バイアス設定部312は設定したバイアス電圧値を液晶駆動部200に与える。液晶駆動部200は、タイミング制御部311によるタイミング制御の下で、フレームF(a−1)の画像表示期間が終了してブランキング期間が開始されると、バイアス設定部312が設定したバイアス電圧を液晶セル(21r、21g、21b)に印加する。バイアス電圧の印加は、ブランキング期間が終了するまでの期間内、又はブランキング期間における光強度検出期間を除く期間内において行われる(この点については後述する)。
次に、バイアス電圧設定部312が、バイアス電圧を状況に応じて適応的に設定する場合における、バイアス電圧として設定できる範囲の一例について説明する。ここでは、図8を参照する。
上述のとおり、バイアス設定部312は、フレーム間における透過率差ΔT(ΔTr、ΔTg、ΔTb)が100未満で、かつ、ΔT(ΔTr、ΔTg、ΔTb)が、必要最小限度の透過率変動幅ΔTminを超えるように、状況に応じて適応的に設定する。図8の特性線CHRは、液晶セル21(21r、21g、21b)に印加する電圧と透過光調整部20の透過率との関係を示している。
図8において、フレームF(a−1)における透過率、液晶セル21への印加電圧を各々T(F(a−1))、V(F(a−1))とし、フレームF(a)における透過率、液晶セル21への印加電圧を各々T(F(a))、V(F(a))とし、フレーム間の透過率差をΔTとし、液晶セル21の応答性を許容範囲にするために必要な、必要最小限の透過率変動幅をΔTminとする。図8では、T(F(a)<T(F(a−1))であり、透過率差ΔTを拡大させるためには、透過率T(F(a)に、さらにTminを上乗せした透過率T2以上とする必要があり、よって、バイアス電圧として印加可能なオーバードライブ電圧(バイアス電圧)の範囲は、電圧V2(透過率T2に対応する電圧)以上のOVD(p)の範囲となる。
仮に、図8において、T(F(a)とT(F(a−1))が逆になって、T(F(a)>T(F(a−1))である場合には、オーバードライブ電圧として印加可能な電圧範囲は、電圧V1以下のOVD(u)以下の範囲となる。
次に、ブランキング期間において、バイアス電圧としてのオーバードライブ電圧を液晶セル21に印加した場合の効果について説明する。ここでは、図9を参照する。図9の横軸には時間が示され、縦軸には、液晶セルへの印加電圧と透過光調整部20の透過率とが同時に示されている。
ここでは、一例として、HUD装置1を起動したときに、周囲が薄暗いために、初期表示するべき画像の輝度が低輝度である場合(つまり、ノーマリーブラックの透過光調整部20を透過率ゼロの状態から、透過率がわずかに上昇した状態へと変化させる場合)を想定する。図8では、透過率TP1(=0%)から、TP2(=20%)へと変化させるものとする。
この場合、透過率差ΔT(20%)は、上述の透過率差閾値ΔTth(例えば、ΔTth=30%)より小さいことから、液晶セル21の応答性を高めるためにバイアス電圧としてのオーバードライブ電圧を液晶セル21に印加する必要がある。そこで、バイアス設定部312(図4参照)は、ブランキング期間(B)における目標とする透過率をTP3(=90%)に高める。透過率TP3は、TP2(=20%)に、ΔTz(=70%)を上乗せして得られる。ΔTz(=70%)は、そのブランキング期間(B)において最小限必要な透過率の変動幅であるTmin(例えば30%)を超えるように設定される。この設定によって、そのブランキング期間(B)における透過率差ΔTは、TP3−TP1≧ΔTthであることから、透過率差閾値ΔTthを超える透過率差となる。なお、上記の例では、透過率差閾値ΔTthと、透過率変動幅の最小値ΔTminとを異なる値としているが、ΔTmin=ΔTthとすることもできる。
液晶駆動部200は、このような透過率差の設定に応じて、ブランキング期間(時刻t1〜t2)において、バイアス電圧としてのオーバードライブ電圧OVDを液晶セル21に印加する。液晶セル21に印加される電圧は、時刻t1以前はVP1であり、時刻t1においてVP2に上昇し、ブランキング期間が終了する時刻t2において、VP3(次のフレームにおける画像表示用の電圧値である)に戻される。これに伴って透過光制御部20における透過率は、特性線Q1(破線で示される)のように、短期間で急速に目標値である透過率TP2(=20%)に近づき、次フレームの画像表示期間が開始されてから間もない早期のタイミングである時刻t3にて、目標とする透過率TP2(=20%)に到達する。この場合、次フレームの画像表示期間の開始タイミングt2を基準とした遅延時間はTd1である。
仮に、液晶セル21を、上記のバイアス電圧の設定に基づいてオーバードライブしない場合には、透過光調整部20の透過率は、特性線Q2(一点鎖線)に示すように時刻t4にならないと目標値であるTP2(=20%)に到達しない。この場合の遅延時間はTd2(>Td1)となり、次フレームの画像表示が開始された後、かなり長い時間にわたって透過光調整部20の透過率が徐々に変動することになる。液晶セル21をオーバードライブをすることによって、その透過率の変動期間が短縮されることから、ユーザーに違和感の少ない画像を提示することが可能である。
次に、図10を参照する。図10(a)は、1フレーム期間において光透過性のスクリーン上に画像が描画される様子を示す図、図10(b)は、R、G、Bの各色に対応する光源がPWM駆動される様子を示すタイミング図である。ここでは、フレームレートを60Hzとする。この場合、1フレーム期間は16.7msecであり、ブランキング期間は、例えば1.7msecである。
図10(a)に示されるように、光透過性のスクリーン50の表面には、走査部40による走査エリア50aと、表示画像Mの描画可能エリア(以下、画像表示エリアと称する)50bと、画像表示エリア50bの上側に位置する上側ブランキングエリア50c1と、画像表示エリア50bの下側に位置する下側ブランキングエリア50c2と、を有する。ここで、画像表示エリア50bの面積は、走査エリア50aの面積よりも小さく設定される。誤差の少ない画像描画を実現するために、このように設定される。よって、画像表示エリア50bは、走査エリア50aの内側に位置することになる。
光透過性のスクリーン50を表面から見た平面視で、走査エリア50aにおいてレーザー光が走査される。図10(a)において、走査されるレーザー光の軌跡Rxが、点線によって描かれている。なお、図10(a)の例では、表示画像Mとして、右に折れる道路地点が近づいていることを示す太い矢印の図形、注意喚起マークおよび走行速度の情報等が表示されている。
図10(b)を参照する。以下の説明では、フレームF(a−1)を「第1フレーム」と称し、この第1フレームに続くフレームF(a)を「第2フレーム」と称する。各フレームにおける画像表示期間(画像描画期間:時刻t11〜t12、時刻t14〜t15)では、各色に対応した光源(LD)11が、液晶駆動部200によりPWM駆動される。また、例えば、第1フレームF(a−1)と第2フレームF(a)とにまたがるブランキング期間B内において、図9で説明したように、液晶セル21(各液晶セル21r、21g、21b)に、バイアス電圧としてのオーバードライブ電圧OVDが印加される。
図10(b)に示されるように、時刻t12〜t14までがブランキング期間Bであり、このブランキング期間Bは、第1フレームF(a−1)における、下側ブランキングエリア50c2に対応するブランキング期間(B(a−1)(50c2))と、第2フレームF(a)における、上側ブランキングエリア50c1に対応するブランキング期間(B(a)(50c1))とを合計した期間である。
ここで、ブランキングBの全期間を用いてオーバードライブ電圧OVDを印加する場合は、ブランキング期間Bのすべてをオーバードライブ電圧の印加期間としての利用できるという利点がある(ブランキング期間の利用態様1)。
但し、光強度検出部60による光源(LD)11の発光強度のフィードバック制御等を行う場合、例えば、ホワイトバランス調整処理を行う場合、光強度検出期間(つまり、光強度検出部60がレーザー光を受光して受光強度を検出している期間)においてもオーバードライブ電圧OVDを印加していると、光強度検出開始時点から光強度検出終了時点に至るまでに、レーザー光強度が常に変動することになり(つまり、一定せず)、このことは、受光強度の測定精度を低下させる原因となる。この不都合は、光強度検出期間において、オーバードライブ電圧OVDの印加を一時的に停止することで回避可能である。つまり、ブランキング期間Bの内の、光強度検出期間を除く期間をオーバードライブ電圧OVDを印加する期間とする(ブランキング期間の利用態様2)。したがって、制御部300のバイアス設定部312(図4)は、ブランキング期間Bの内の、光強度検出期間を除く期間内で、液晶駆動部200を制御して液晶セル21をオーバードライブさせることになる。
本実施形態における、液晶セルをオーバードライブする場合の制御部300の制御手順をまとめると、図11の手順となる。すなわち、HUD装置1の起動スイッチがオンされると、まず、外光強度情報を取得し(ステップS1)、続いて、液晶セル21(つまり各液晶セル21r、21g、21b)の表示画像用の駆動制御値を算出する(ステップS2)。次に、各液晶セル21r、21g、21bの透過率を算出し((ステップS3)、次に、各液晶セル21r、21g、21bの、バイアス電圧(オーバードライブ電圧)用の液晶の駆動制御値を算出する(ステップS4)。次に、ブランキング期間が開始されると(ステップS5)、各液晶セル21r、21g、21bの、バイアス電圧(オーバードライブ電圧)用の駆動制御値を出力し(ステップS6)、ブランキング期間が終了すると(ステップS7)、各液晶セル21r、21g、21bの、表示画像用の駆動値を出力する(ステップS8)。HUD装置1がオフされるまで、上記の動作が繰り返される。
また、本実施形態における、液晶セルに画像表示期間用の駆動電圧を印加する場合の制御部300の制御手順をまとめると、図12の手順となる。すなわち、HUD装置1の起動スイッチがオンされると、まず、外光強度情報を取得し(ステップS10)、続いて、液晶セル21(つまり各液晶セル21r、21g、21b)の表示画像用の駆動制御値を算出する(ステップS12)。次に、ブランキング期間が開始されると(ステップS13)、各液晶セル21r、21g、21bの、表示画像用の駆動制御値を出力し(ステップS14)、ブランキング期間が終了すると(ステップS15)、液晶セルの応答を早めるための処理が終了する。そして、その液晶セルの駆動電圧はそのままに維持され、次のフレームにおける画像描画が開始される。HUD装置1がオフされるまで、上記の動作が繰り返される。
(実施形態2)
ここでは、図13(a)、(b)を参照する。図13(a)は、1フレームを2つのサブフレームに分割して表示する場合において、光透過性のスクリーン上に画像が描画される様子を示す図、(b)は、R、G、Bの各色に対応する光源がPWM駆動される様子を示すタイミング図である。ここでは、フレームレートを120Hzとする。この場合、1つのサブフレーム期間は8.3msecであり、1つのサブフレームの画像表示期間が終了してから次のサブフレームの画像表示期間が開始されるまでの期間は、例えば、0.8msecである。
図13(a)に示されるように、あるフレームF(x)における前半のサブフレームをF(x)s1とし、後半のサブフレームをF(x)s2とする場合に、本実施形態では、前半のサブフレームでは光源部14の光源11(11r、11g、11b)をオフさせて非表示期間を作成し(よって、この期間はブランキング期間Bbに組み込まれる)、後半のサブフレームにおいて、光源部14の光源11(11r、11g、11b)を通常の2倍の輝度で発光させて画像を表示する。以下の説明では、F(a−1)を第1フレームとし、これに続くF(a)を第2フレームとする。
制御部300は、第1フレームF(a−1)及び第1フレームに続く第2フレームF(a)の各々を、前半のサブフレーム(F(a−1)s1、F(a)s1)と、後半のサブフレーム(F(a−1)s2、F(a)s2)とに分割してサブフレーム単位で画像表示を制御する。
そして、第1フレームF(a−1)における透過光調整部20の透過率と、第2フレームF(a)における透過光調整部20の透過率との差が、所定の透過率差閾値(ΔTth)未満である場合には、第2フレームF(a)の前半のサブフレームF(a)s1の全期間において光源11(11r、11g、11b)をオフさせて非表示期間とすることで、第1フレームF(a−1)の後半のサブフレームF(a−1)s1における画像表示期間の終了時点(図13(b)の時刻t14)から、第2フレームF(a)の後半のサブフレームF(a)s2の画像表示期間の開始時点(図13(b)の時刻t16)までの期間をブランキング期間Bbとする。このブランキング期間Bbは、サブフレームF(a)s1の全期間を非表示としていることによって、サブフレーム分割しない場合のブランキング期間(図10(b)のブランキング期間B)よりも延長されており、よって、十分なブランキング期間を確保することができる。よって、オーバードライブ電圧を低下させることができ、液晶セルへの負担軽減、装置の消費電力の削減等を図ることも可能である。
また、第1フレームF(a−1)における透過光調整部20の透過率と、第2フレームF(a)における透過光調整部20の透過率の差(ΔT)が、透過率差閾値ΔTth未満である場合には、制御部300は、前掲の実施形態と同様に、ブランキング期間Bb内における透過光調整部20の透過率の変動幅(ΔT)が透過率差閾値(ΔTth)以上となるように設定し、設定された透過率の変動幅に応じて、調光部23における液晶駆動部200を制御して液晶セル21(21r、21g、21b)を、第2フレームF(a)の画像表示期間用の駆動電圧(ここでは、第2フレームの後半のサブフレームF(a)s2における画像表示期間に液晶セルに印加すべき駆動電圧である)を超えてオーバードライブさせ、かつ、第2フレームF(a)の後半のサブフレーム(F(a)S2の画像表示期間(図13(b)の時刻t16〜t18)において、光源部14を制御して、光源部14における光源11(11r、11g、11b)の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させる。
又は、オーバードライブする代わりに、ブランキング期間Bb内において、調光部23における液晶駆動部200を制御して液晶セル21(21r、21g、21b)を、第2フレームF(a)の画像表示期間用の駆動電圧(つまり、第2フレームF)(a)の後半のサブフレームF(a)s2の画像表示期間用の駆動電圧)にて駆動させ、かつ、第2フレームF(a)の後半のサブフレームF(a)s2の画像表示期間(図13(b)の時刻t16〜t18)において、光源部14を制御して光源11(11r、11g、11b)の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させる。
このように、本実施形態では、十分なブランキング期間Bbを確保することができることから、例えば、透過光調整部20の透過率の変動幅ΔTがかなり小さい場合でも、液晶セル21のオーバードライブ(又は、第2フレームF(a)の画像表示期間用の駆動電圧による駆動)によって、ブランキング期間Bb内で透過率を目標値に十分に近づけることができ、また、ブランキング期間Bbが延長されていることから、その分、液晶セル21の駆動電圧を低下させることができ、液晶セル21の負担軽減及び消費電力の削減が可能であり、また、1つのフレームに属する2つのサブフレームの一方を非表示としても、他方のサブフレームにおいて、光源の発光強度を2倍にして画像を表示することにより、そのフレームにおける画像の輝度は通常の画像表示の輝度と同じとなり、ユーザーには違和感が生じない。
また、第1フレームF(a−1)における透過光調整部20の透過率と、第2フレームF(a)における透過光調整部20の透過率の差ΔTが、透過率差閾値ΔTth以上である場合には、制御部300は、第2フレームF(a)における前半、後半の各サブフレーム(F(a)s1、F(a)s2)の双方において画像を表示させる(表示態様1)。但し、透過率差ΔTが透過率差閾値ΔTth未満であった場合と同様に、制御部300は、第2フレームF(a)における前半のサブフレームF(a)s1を非表示とし、後半のサブフレームF(a)s2にて、光源11の発光強度を2倍にして画像を表示させてもよい(表示態様2)。
また、制御部300は、上記の表示態様1、2の内のどちらを選択するかを、液晶セル21の温度情報も考慮して決定することも可能である。つまり、液晶セル21の温度Sが所定の温度閾値Sthよりも低い場合には、液晶セル21の応答性が低下し、ΔT>ΔTthであったとしても、液晶セル21の応答遅延による画像品質の低下が問題となることもあり得る。この場合には、上記の表示態様2を採用するのが好ましい。
すなわち、制御部300は、ΔT>ΔTth、かつS>Sthである場合に、上記の表示態様1(つまり、第2フレームF(a)における前半、後半の各サブフレーム(F(a)s1、F(a)s2)の双方において画像を表示させる態様)にて画像を表示し、ΔT<ΔTthである場合、又はΔT>ΔTth、かつS<Sthである場合には、表示態様2(つまり、第2フレームF(a)における前半のサブフレームF(a)s1を非表示とし、後半のサブフレームF(a)s2にて、光源11の発光強度を2倍にして画像を表示させる態様)にて画像を表示させる。この場合、液晶セル21の温度も考慮して画像表示方式を切り替えるため、環境温度の低下に起因して生じる画像品質の低下に対しても対策することが可能である。
(実施形態3)
次に、図14(a)、(b)及び図15(a)、(b)を参照して、実施形態3について説明する。まず、図14(a)、(b)を参照する。図14(a)は、第1フレーム及び第2フレームを各々2つのサブフレームに分割し、第1フレームの前半のサブフレームで光源の発光強度を2倍にして画像を表示した後、第1フレームの後半のサブフレームをブランキング期間に組み込み、このブランキング期間内で液晶セルにオーバードライブ電圧を印加する例を説明するための図であり、(b)は、光源の限界によって光源の発光強度を2倍にできない場合の画像表示の例を示す図である。
実施形態2と同様に、第1フレームをF(a−1)とし、第2フレームをF(a)とする。また、各フレームにおける前半のサブフレームをF(a−1)s1、F(a)s1とし、後半のサブフレームをF(a−1)s2、F(a)s2とする。
本実施形態では、制御部300は、図14(a)に示すように、第1フレームF(a−1)及び第1フレームに続く第2フレームF(a)の各々を、前半のサブフレーム(F(a−1)s1、F(a)s1と、後半のサブフレームF(a−1)s2、F(a)s2に分割して、サブフレーム単位で画像表示を制御する。
ここで、第1フレームF(a−1)における透過光調整部20の透過率と、第2フレームF(a)における透過光調整部20の透過率との差(ΔT)が、所定の透過率差閾値(ΔTth)未満である場合において、第1フレームの前半のサブフレームF(a−1)s1の画像表示期間(図14(a)の時刻t40〜t50)において、光源部14を制御して光源11(11r、11g、11b)の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させ、続いて、第1フレームの後半のサブフレームF(a−1)s2の全期間において光源11(11r、11g、11b)をオフさせて非表示期間とすることで、第1フレームの前半のサブフレームF(a−1)s1の画像表示期間の終了時点(図14(a)の時刻t50)から、第2フレームの前半のサブフレームF(a)s1の画像表示期間の開始時点(図14(a)の時刻t53)までの期間をブランキング期間B1とする。
そして、制御部300は、ブランキング期間B1内における透過光調整部20の透過率の変動幅(ΔT)が透過率差閾値(ΔTth)以上となるように設定し、設定された透過率の変動幅に応じて、調光部23における液晶駆動部200を制御して液晶セル21(21r、21g、21b)を、第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧(図14(a)の時刻t53〜t54の、サブフレームF(a)s1における画像表示期間において液晶セルに印加するべき駆動電圧)を超えてオーバードライブさせる。
ここで、図10(a)に示されるように、時刻t50から液晶セル21へのオーバードライブ電圧の印加が開始されると、ブランキング期間B1内の、比較的早いタイミング(時刻t52)において、透過光調整部20の透過率は、目標値(つまり、第2フレームの画像表示期間用の透過率:具体的には、第2フレームの前半のサブフレームF(a)s1の画像表示期間における透過率)に到達する。つまり、液晶セル21をオーバードライブした結果として、透過光調整部20の透過率は、第1フレームの後半のサブフレームF(a−1)s2の期間が終了する前に、目標値(第2フレームの画像表示期間用の透過率)に到達する。
時刻t50〜t52に至る期間XL1(例えば、最長で5msec程度である)においては、透過光調整部20の透過率が変化し続けるため、仮に、サブフレームF(a−1)s2において画像を表示するとしたときには、グラデーション(中間調)表示となってしまうが、図14(b)の例では、非表示期間(ブランキング期間B1内)であるため、上記のような不都合は生じない。そして、時刻t53において、第2フレームの前半のサブフレームF(a)s1の画像表示期間が開始されると、光源11の発光強度を2倍として画像が表示されることから、フレーム単位での表示画像の輝度は低下しない。
但し、現実には、光源11(例えば、レーザーダイオード)の発光強度の限界から、光源の発光強度を2倍にしようとしても、できない場合があり得る。例えば、外光強度に応じて光源11の強度を適応的に自動調整しており、すでにかなり高い輝度での発光を行っている場合には、その発光輝度をさらに倍増させるのは難しいといえる。
このような場合には、図14(b)に示されるように、図14(a)の場合と同様に、時刻t50から液晶セル21のオーバードライブを開始し、一方、各サブフレームF(a−1)s1、F(a−1)s2、F(a)s1、F(a)s2において、光源11の発光強度を一倍出力(つまり通常出力)にして画像を表示する。これによって、各フレームでの画像表示が可能である。
但し、この場合には、サブフレームF(a−1)s1の期間のうちの、図14(a)における期間XL1においてグラデーション(中間調)の表示となってしまい、これがユーザーに視認される。透過光調整部20の透過率が変動することで、透過率変動の影響を受けたサブフレームF(a−1)s2の画像の品質が一部で低下することはやむを得ないが、しかし、第1フレームF(a−1)の全体で見れば、品質がやや低下した画像(F(a−1)s2の画像)は、透過率変動の影響を受けないサブフレームF(a−1)s1の画像(正常な画像)と加法混色されて一枚の画像が形成されることから、透過率変動の影響は抑制され、ユーザーにとっての違和感は軽減される。
次に、図15(a)、(b)を参照する。図15(a)は、第1フレーム及び第2フレームを各々2つのサブフレームに分割し、第1フレームの前半のサブフレームで光源の発光強度を2倍にして画像を表示した後、第1フレームの後半のサブフレーム及び第2フレームの前半のサブフレームをブランキング期間に組み込み、このブランキング期間内で液晶セルに、第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧(言い換えれば、第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間に印加される電圧)を印加する例を説明するための図であり、(b)は、光源の限界によって光源の発光強度を2倍にできない場合の画像表示の例を示す図である。
図15(a)の例では、液晶セルをオーバードライブせずに、画像表示期間用の駆動電圧にて液晶を駆動することから、透過光調整部20の透過率が目標値に到達するまでに要する時間は、図14(a)の例に比べて長くなる。つまり、液晶セル21の調光を開始してから、透過光調整部20の透過率が目標値に到達するまでの期間は、図14(a)の例ではXL1であったが、図15(a)の例では、XL2(>XL1)となる。期間XL2は、例えば、最長で15msecである。よって、これに合わせて、ブランキング期間を延長する必要がある。図14(a)の例では、ブランキング期間B1であったが、図15(a)の例では、ブランキング期間B2(>B1)となる。
つまり、図15(a)の例では、制御部300は、第1フレームの前半のサブフレームF(a−1)s1の画像表示期間(図15(a)の時刻t40〜t50)において、光源部14を制御して光源11(11r、11g、1b)の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させると共に、第1フレームの後半のサブフレームF(a−1)s2の全期間、及び第2フレームの前半のサブフレームF(a)s1の全期間において光源11(11r、11g、11b)をオフさせて非表示期間とすることで、第1フレームの前半のサブフレームF(a−1)s1の画像表示期間の終了時点(時刻t50)から、第2フレームの後半のサブフレームF(a)s2の画像表示期間の開始時点(時刻t56)までの期間をブランキング期間B2とすると共に、ブランキング期間B2内において、調光部23における液晶駆動部200を制御して、液晶セル21(21r、21g、21b)を、第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧(つまり、サブフレームF(a)s2の画像表示期間において液晶セル21に印加する駆動電圧)にて駆動させる。
また、制御部300は、時刻t56以降、サブフレームF(a)s2の画像表示期間が開始されると、ブランキング期間B2における液晶セル21の駆動電圧の状態を維持させる。また、第2フレームの後半のサブフレームF(a)s2の画像表示期間(時刻t56〜t57)において、光源部14を制御して光源11(11r、11g、11b)の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させる。以降、同様の動作が繰り返される。
図15(a)の例では、時刻t50〜t55に至る期間XL2においては、透過光調整部20の透過率が変化し続けるため、仮に、サブフレームF(a−1)s2及びF(a)s1において画像を表示するとしたときには、グラデーション(中間調)表示となってしまうが、図15(b)の例では、非表示期間(ブランキング期間B2内)であるため、上記のような不都合は生じない。
また、図14(b)で説明したように、光源11の発光強度の限界から、光源の発光強度を2倍にすることができない場合があり得る。この場合には、図15(b)に示されるように、図15(a)の場合と同様に、時刻t50から液晶セル21に画像表示期間用の駆動電圧を印加して調光を開始すると共に、一方、各サブフレームF(a−1)s1、F(a−1)s2、F(a)s1、F(a)s2において、光源11の発光強度を一倍出力(つまり通常出力)にして画像を表示する。これによって、各フレームでの画像表示が可能である。
但し、この場合には、サブフレームF(a−1)s2の全期間及びF(a)s1の一部の期間(図15(a)における期間XL2の期間)においてグラデーション(中間調)の表示となってしまい、これがユーザーに視認される。
透過光調整部20の透過率が変動することで、透過率変動の影響を受けたサブフレームF(a−1)s2、F(a)s1の画像の品質がやや低下することはやむを得ないが、しかし、第1フレームF(a−1)の全体で見れば、品質がやや低下した画像(F(a−1)s2の画像)は、透過率変動の影響を受けないサブフレームF(a−1)s1の画像(正常な画像)と加法混色されて一枚の画像が形成されることから、透過率変動の影響は抑制され、同様に、第2フレームF(a)の全体で見れば、品質がやや低下した画像(F(a)s1の画像)は、透過率変動の影響を受けないサブフレームF(a)s2の画像(正常な画像)と加法混色されて一枚の画像が形成されることから、透過率変動の影響は抑制される。よって、ユーザーの違和感は低減される。
以上、レーザー走査型表示装置がHUD装置として構成された例を説明したが、これに限定されるものではない。その他の装置、例えばカーナビゲーション装置として構成されてもよい。但し、HUD装置は、車両運行の安全性を確保するために、どのような環境下でも適正な輝度での画像表示をできるだけ正確に行うことが望まれる点を踏まえると、上記のように各処理を実行するレーザー走査型表示装置は、特に、HUD装置として構成されることが好適である。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、レーザー走査型表示装置において、外部環境の変化(周辺の照度の変化、ユーザーによる表示画像の輝度調整のための機器操作等)に合わせて、透過光調整部の透過率を変化させて表示画像の輝度レベルを調整する場合に、透過率の変動幅が小さい場合であっても、透過率を目標値に到達させるまでの期間を短縮でき、よって、ユーザーに対して違和感の少ない画像を提示することが可能となる。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
1・・・HUD装置、2・・・車両、3・・・ウインドウシールド、4・・・ユーザー、5・・・ECU、10・・・レーザー光出射部、11・・・光源(レーザーダイオード)、14・・・光源部、20・・・透過光調整部、21・・・液晶セル、22・・・偏光板、23・・・調光部、30・・・温度検出部、40・・・走査部(MEMSミラー等)、50・・・光透過性のスクリーン、60・・・光強度検出部、M・・・表示画像、71、72・・・反射部材、81・・・レーザー出射窓、80・・・筐体、90・・・外光強度検出部、200・・・液晶駆動部、300・・・制御部、302・・・液晶駆動制御値(PWM値算出部)、304・・・透過率算出部、306・・・記憶部、308・・・透過率差判定部、311・・・タイミング制御部、312・・・バイアス設定部、310・・・CPU、320・・・記憶部、400・・・走査駆動部。

Claims (9)

  1. レーザー光を出射する光源と、表示画像の階調データに基づいて前記光源を駆動する光源駆動部と、を備える光源部と、
    偏光制御素子としての液晶セル及び偏光板を備える透過光調整部と、前記液晶セルを駆動する液晶駆動部と、を備え、前記液晶駆動部が前記液晶セルを駆動することで、前記液晶セルを通過する前記光源からのレーザー光の偏光方向を変化させて前記透過光調整部の透過率を制御し、これによって前記透過光調整部から出射されるレーザー光の光強度を調整する調光部と、
    外部環境の変化に基づいて前記調光部を制御し、かつフレームレートに基づいて前記調光部、前記光源部及び前記走査部を制御する制御部と、
    前記調光部によって光強度が調整されたレーザー光を走査する走査部と、
    前記走査部によって走査されたレーザー光を受け、表面に前記表示画像を表示するスクリーンと、
    を有し、
    前記制御部は、第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第1フレームに続く第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が、所定の透過率差閾値未満である場合には、
    前記第1フレームの画像表示期間の終了から前記第2フレームの画像表示期間の開始までのブランキング期間内における前記透過光調整部の透過率の変動幅が前記透過率差閾値以上となるように設定し、前記ブランキング期間において、設定された透過率の変動幅に応じて前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧よりも高い、あるいは低い駆動電圧でオーバードライブさせ、
    又は、
    前記ブランキング期間において、前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させることを特徴とするレーザー走査型表示装置。
  2. 前記スクリーンに設けられ、前記走査部によって走査されたレーザー光の光強度を検出する光強度検出部を有し、前記光強度検出部は、前記スクリーンの、前記走査部による走査エリア内で、かつ画像表示エリアの外側に配置されており、
    前記光強度検出部が、前記走査されたレーザー光を受光して受光強度を検出している期間を光強度検出期間とする場合に、
    前記制御部は、前記ブランキング期間の内の、前記光強度検出期間を除く期間内で、前記液晶セルをオーバードライブさせ、又は、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させることを特徴とする請求項1に記載のレーザー走査型表示装置。
  3. 前記光源として、R(赤),G(緑),B(青)の各色に対応する光源が設けられ、前記制御部は、前記光強度検出期間内において、前記光強度検出部からの受光強度情報に基づいて前記光源駆動部を制御し、前記各光源の発光強度を増減させてホワイトバランスを調整させることを特徴とする請求項2に記載のレーザー走査型表示装置。
  4. 外光の強度を検出する外光強度検出部を有し、
    前記制御部は、外光強度の変化に応じて前記透過光調整部の透過率を制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のレーザー走査型表示装置。
  5. レーザー光を出射する光源と、表示画像の階調データに基づいて前記光源を駆動する光源駆動部と、を備える光源部と、
    偏光制御素子としての液晶セル及び偏光板を備える透過光調整部と、前記液晶セルを駆動する液晶駆動部と、を備え、前記液晶駆動部が前記液晶セルを駆動することで、前記液晶セルを通過する前記光源からのレーザー光の偏光方向を変化させて前記透過光調整部の透過率を制御し、これによって前記透過光調整部から出射されるレーザー光の光強度を調整する調光部と、
    外部環境の変化に基づいて前記調光部における前記液晶駆動部を制御し、かつフレームレートに基づいて、前記調光部、前記光源部及び前記走査部を制御する制御部と、
    前記調光部によって光強度が調整されたレーザー光を走査する走査部と、
    前記走査部によって走査されたレーザー光を受け、表面に前記表示画像を表示するスクリーンと、
    を有し、
    前記制御部は、
    第1フレーム及び前記第1フレームに続く第2フレームの各々を、前半のサブフレームと後半のサブフレームとに分割してサブフレーム単位で画像表示を制御し、
    前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が、所定の透過率差閾値未満である場合には、前記第2フレームの前半のサブフレームの全期間において前記光源をオフさせて非表示期間とすることで、前記第1フレームの後半のサブフレームにおける画像表示期間の終了から、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間の開始までの期間をブランキング期間とすると共に、
    前記ブランキング期間内における前記透過光調整部の透過率の変動幅が前記透過率差閾値以上となるように設定し、設定された透過率の変動幅に応じて、前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の画像表示期間用の駆動電圧よりも高い、あるいは低い駆動電圧でオーバードライブさせ、かつ、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間において、前記光源部を制御して前記光源の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させ、
    又は、
    前記ブランキング期間内において、前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させ、かつ、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間において、前記光源部を制御して前記光源の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させることを特徴とするレーザー走査型表示装置。
  6. レーザー光を出射する光源と、表示画像の階調データに基づいて前記光源を駆動する光源駆動部と、を備える光源部と、
    偏光制御素子としての液晶セル及び偏光板を備える透過光調整部と、前記液晶セルを駆動する液晶駆動部と、を備え、前記液晶駆動部が前記液晶セルを駆動することで、前記液晶セルを通過する前記光源からのレーザー光の偏光方向を変化させて前記透過光調整部の透過率を制御し、これによって前記透過光調整部から出射されるレーザー光の光強度を調整する調光部と、
    外部環境の変化に基づいて前記調光部における前記液晶駆動部を制御し、かつフレームレートに基づいて、前記調光部、前記光源部及び前記走査部を制御する制御部と、
    前記調光部によって光強度が調整されたレーザー光を走査する走査部と、
    前記走査部によって走査されたレーザー光を受け、表面に前記表示画像を表示するスクリーンと、
    を有し、
    前記制御部は、
    第1フレーム及び前記第1フレームに続く第2フレームの各々を、前半のサブフレームと後半のサブフレームとに分割してサブフレーム単位で画像表示を制御し、
    前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が、所定の透過率差閾値未満である場合において、
    前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間において、前記光源部を制御して前記光源の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させ、前記第1フレームの後半のサブフレームの全期間において前記光源をオフさせて非表示期間とすることで、前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の終了から、前記第2フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の開始までの期間をブランキング期間とすると共に、前記ブランキング期間内における前記透過光調整部の透過率の変動幅が前記透過率差閾値以上となるように設定し、設定された透過率の変動幅に応じて、前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の画像表示期間用の駆動電圧よりも高い、あるいは低い駆動電圧でオーバードライブさせ、
    又は、
    前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間において、前記光源部を制御して前記光源の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させると共に、前記第1フレームの後半のサブフレームの全期間、及び前記第2フレームの前半のサブフレームの全期間において前記光源をオフさせて非表示期間とすることで、前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の終了から、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間の開始までの期間をブランキング期間とすると共に、前記ブランキング期間内において前記調光部における前記液晶駆動部を制御して前記液晶セルを、前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させ、かつ、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間において、前記光源部を制御して前記光源の発光強度を通常の2倍にさせて画像を表示させることを特徴とするレーザー走査型表示装置。
  7. 前記光源の発光強度を通常の2倍にしたときの発光強度が前記光源の限界を超える場合において、
    前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の終了から、前記第2フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の開始までの期間内において前記液晶セルをオーバードライブさせる場合には、
    前記制御部は、前記第1フレームの後半のサブフレームの全期間を非表示期間とせず、前記第1フレームの前半のサブフレーム及び後半のサブフレームの各々において、前記光源を制御して通常出力で画像を表示させ、
    又は、
    前記第1フレームの前半のサブフレームの画像表示期間の終了から、前記第2フレームの後半のサブフレームの画像表示期間の開始までの期間内で、前記液晶セルを前記第2フレームの画像表示期間用の駆動電圧にて駆動させる場合には、
    前記制御部は、前記第1フレームの後半のサブフレームの全期間、及び前記第2フレームの前半のサブフレームの全期間を非表示期間とせず、前記第1フレームの前半のサブフレーム、前記第1フレームの後半のサブフレーム、前記第2フレームの前半のサブフレーム、前記第2フレームの後半のサブフレームの連続する4つのサブフレームの各々において、前記光源を制御して通常出力で画像を表示させることを特徴とする請求項6に記載のレーザー走査型表示装置。
  8. 前記制御部は、前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が前記透過率閾値以上である場合には、前記第2フレームの前半のサブフレーム及び後半のサブフレームの各々の画像表示期間において画像を表示させることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のレーザー走査型表示装置。
  9. 前記液晶セルの温度を検出する温度検出部を有し、
    前記制御部は、
    前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が前記透過率閾値以上であり、かつ前記温度検出部によって検出された温度が、所定の温度閾値以上の場合には、前記第2フレームの前半のサブフレーム及び後半のサブフレームの各々の画像表示期間において画像を表示させ、
    前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と、前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が前記透過率閾値以上であり、かつ前記温度検出部によって検出された温度が、所定の温度閾値未満の場合には、前記第1フレームにおける前記透過光調整部の透過率と前記第2フレームにおける前記透過光調整部の透過率との差が前記透過率閾値未満である場合と同じ制御を実行することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のレーザー走査型表示装置。
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