JP2018115993A - 3次元形状測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コヒーレンス干渉を基礎とする3次元形状測定装置において、機械的な掃引機構を必要とせずに3次元形状測定を可能とする。
【解決手段】白色光源と、前記白色光源からの白色光を任意のスペクトル形状にスペクトル整形可能なスペクトル整形器と、前記スペクトル整形器のスペクトル形状を時間的に変化させる制御機構と、前記スペクトル整形器からの光信号を測定サンプルと参照ミラーへ分波するビームスプリッタ部と、前記測定サンプルと前記参照ミラーからの戻り光を干渉させる光カプラ部と、干渉光の像を測定するカメラ部とを有し、
前記スペクトル形状を時間的に変化させることで白色干渉可能な前記測定サンプルの断面位置を走査し、得られた干渉光強度と前記断面位置の関係から、前記測定サンプルの断面方向の形状を測定する3次元形状測定装置とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、低コヒーレンス干渉型の光干渉法による3次元形状測定装置に関する。
近年のナノテクノロジーの進展により、ナノメートルからマイクロメートルオーダの微細な構造を有する薄膜構造やMEMSデバイス、高さが数μm のマイクロバンプ、深さが数μm の半導体トレンチ、微細な組織を有する細胞など、微細な表面形状を計測するニーズはますます高まっている。このような微細表面形状を広視野で一括計測可能な光干渉法は、非接触、超高精度、高速という特徴から、産業界において最も注目すべき計測手法の一つである。
光干渉を利用した三次元計測は,ニュートンリングやマイケルソン干渉計に代表されるように、測定面からの反射光と参照面からの反射光を干渉させた時に、半波長の光路差ごとに明暗の縞が観測されることを利用している。本手法は位相を求めることにより,波長分解能を超えるサブナノメートルの高さ測定精度が得られ,面形状計測法としては最も高精度である。
干渉させる光としては、レーザ光のようなコヒーレンス長の長い光でも良いが、干渉させる光の自己相関関数が原点においてピークを有することを利用すれば、白色光のような低コヒーレンス光を用いることもでき、近年はそのような低コヒーレンス干渉法(白色干渉法)も利用されている。
図1に、従来利用されている低コヒーレンス干渉法による3次元形状測定装置の光学系を示す(下記非特許文献1参照)。図1の従来の3次元形状測定装置では、白色光源111から導入した低コヒーレンス光を、レンズ112、113、ハーフミラー116を介して対物レンズ115に導く。
対物レンズ115からの集光ビームを、ビームスプリッタとなるハーフミラー117 で参照ミラー118が配置されるアームへ分波した後、サンプル120上に集光する。その後、逆経路で、サンプル120からの戻り光(反射光または透過光でもよい)と、参照ミラー118のアームからの反射光を、光カプラとなるハーフミラー117上で干渉させ、その干渉光の像をカメラ119で取得する。ここで、干渉する光の両方の光路長が等しくなるように参照ミラー118の位置は調整されている。
低コヒーレンス光による白色干渉は、両アームの光路長が完全に一致したときのみ生じるので、図2に示すように、参照ミラーの位置に応じてサンプル面と参照面の高さが完全に一致したときにのみ干渉縞を発生する。(下記非特許文献4、図9より引用)
参照ミラー118の位置を機械的に掃引することで、白色干渉が得られるサンプル面が変化するため、参照ミラーのどの位置で干渉縞が発生するかを調べることでサンプル断面垂直方向の位置情報を取得して3次元形状を測定することが出来る。
"Surface profiling by analysis of white-light interferograms in the spatial frequency domain", P de Groot, L Deck, JOURNAL OF MODERN OPTICS, 1995, VOL.42, NO.2, p.389-401 "Flexible and Grid-less Wavelength Selective Switch using LOCOS Techinology", S. Frisken et al., OFC/OFC/NFOEC 2011, Optical Society of America, OTuM3.pdf "Spatially Multiplexed Photonic Spectral Processors Using Spatial and Planar Optical Circuit", M. Nakajima et al, IEEE Photonics Conference 2016, TuB2.3. 「光干渉法による三次元計測」、北川克一、計測と制御 第50巻第2号、2011年2月号、97−104頁
上記従来の手法では参照ミラー118の機械的な掃引機構が必要となるため、掃引速度の限界や振動ノイズに弱いなどの課題がある。また、参照ミラー118は1/4波長程度の分解能のステップで駆動する必要があるため、超高精度な位置決めが要求される点も制約となる。加えて、ミラーの機械的な掃引範囲が測定可能なダイナミックレンジの制限になるため、測定範囲を広げるのが困難になるという課題もある。
本発明では、低コヒーレンス干渉を基礎とする3次元形状測定装置において、機械的な掃引機構を必要とせずに3次元形状測定を可能とすることを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、以下のような構成を備えることを特徴とする。
(発明の構成1)
白色光源と、
前記白色光源からの白色光を任意のスペクトル形状にスペクトル整形可能なスペクトル整形器と、
前記スペクトル整形器のスペクトル形状を時間的に変化させる制御機構と、
前記スペクトル整形器からの光信号を測定サンプルと参照ミラーへ分波するビームスプリッタ部と、
前記測定サンプルと前記参照ミラーからの戻り光を干渉させる光カプラ部と、
干渉光の像を測定するカメラ部とを有し、
前記スペクトル形状を時間的に変化させることで白色干渉可能な前記測定サンプルの断面位置を走査し、
得られた干渉光強度と前記断面位置の関係から、前記測定サンプルの断面方向の形状を測定する3次元形状測定装置。
(発明の構成2)
発明の構成1記載の3次元形状測定装置において、
前記スペクトル形状が周波数空間上で周期性を有するスペクトル形状である
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
(発明の構成3)
発明の構成2記載の3次元形状測定装置において、
前記周期性を有するスペクトル形状に対してガウス分布やローレンツ分布をはじめとするなだらかなプロファイルを有する窓関数がかかるように更にスペクトル整形する
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
(発明の構成4)
発明の構成2または3に記載の3次元形状測定装置において、
前記周期性を有するスペクトル形状を構成する1周期中の周波数波形の形状及び帯域幅を変化させることで、干渉縞の発生する断面方向の位置を制限する
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
(発明の構成5)
発明の構成4に記載の3次元形状測定装置において、
前記周期性を有するスペクトル形状を構成する1周期中の周波数波形をガウス型にし、その帯域幅を前記周期性を有するスペクトル形状の周期の1/2にする
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
(発明の構成6)
発明の構成1ないし5のいずれか1項に記載のに記載の3次元形状測定装置において、
前記スペクトル整形器は入射光を波長に応じて分散する回折格子と、
前記回折格子によって波長に応じて分散された光を表示位相パタンに応じて異なる角度で偏向する空間光変調素子を含む
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
以上記載したように、本発明によれば、低コヒーレンス干渉を用いた3次元形状測定装置において、機械的な掃引機構を必要とせずに3次元形状測定が可能となる。
従来利用されている3次元形状測定装置の光学系を示す図である。 参照ミラーの位置に応じ発生する干渉縞を示す図である。 本発明の3次元形状測定装置の実施形態の構成を示す図である。 本発明の3次元形状測定装置に用いられる光スペクトル整形器の構造を示す側面図(A)、上面図(B)である。 本発明に用いられる光スペクトル整形器の空間光変調素子(SLM)の動作を説明する図である。 白色光の周波数スペクトル形状と自己相関関数(インターフェログラム)の関係を説明する図である。 スペクトル整形された白色光の周波数スペクトル形状と自己相関関数(インターフェログラム)の関係を説明する図である。 別のスペクトル整形された白色光の周波数スペクトル形状と自己相関関数(インターフェログラム)の関係を説明する図である。 本発明のスペクトル整形とインターフェログラムの関係についての実験結果を示す図である。
(本発明の3次元形状測定装置)
本発明の3次元形状測定装置は、低コヒーレンス干渉に用いる白色光源からの白色光の周波数スペクトルを、周波数空間上で任意のスペクトル形状に整形可能なスペクトル整形器(可変波長フィルタ)を有する。このようにスペクトル整形された白色光は、スペクトル形状に相関する位置で干渉縞を生じるので、周波数スペクトル形状を経時的に変化させて掃引することで3次元形状の測定が可能である。
これにより、現在広く用いられている低コヒーレンス干渉型の3次元形状測定装置に必要であったメカニカルスキャナ(機械的掃引機構)が不要となり、振動ノイズの低減・測定装置の高速化・測定レンジ拡大などの優れた効果が得られる。
具体的には、白色光源の後段にスペクトル整形器を導入し、参照ミラーは任意の位置で固定とする。その他の構成は、従来構成(例えば図1)が適用できる。スペクトル整形器は、周波数空間上で例えば周波数グリッド間隔fgの周期を持つ周期的なスペクトル形状で、白色光源からの白色光をフィルタリングする。このように周期的なスペクトル形状でスペクトル整形された白色光は、干渉の際に参照ミラーと一致した位置の他にfgに逆比例する周期の位置で周期的に複数の干渉縞を発生する。これは整形された白色光の自己相関関数が変化するためである。
詳細は実施の形態にて説明するが、周波数グリッド間隔fgを制御して掃引することで干渉縞が発生する位置を掃引可能である。このため、参照ミラーを機械的に掃引する場合と同様に断面方向のプロファイルを取得可能である。
ただし、整形するスペクトル形状を特に考えない場合、周期的スペクトル整形による干渉は、周波数グリッド間隔fgに逆比例する間隔で何度か発生するため、どの位置で発生している干渉縞なのか判別するのが困難である。ここで、例えば整形された周期的周波数スペクトルの1周期中の周波数波形をガウス型にし、その帯域の全値幅fwをfg/2程度にすると干渉縞の発生を一度に制限することができる。以上から本発明により、機械的な掃引を必要とせずに光干渉法によって3次元形状を取得可能である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(本発明の実施形態)
本発明にかかる3次元形状測定装置の実施形態について説明する。図3は本発明の実施形態の構成を示すものである。以下では説明のために、一般的な干渉系の構成についてのみ言及するが、小型化等のために光学系にミラーやレンズの光学部材を付与する場合も本発明の請求の範囲である。
図3の本発明の実施形態においては、白色光源211で発生した白色光は、制御機構230で制御されるスペクトル整形器221によりスペクトル整形され、干渉光学系225に入る。それぞれの光接続は例えば光ファイバ222、223によってなされる。
光スペクトル整形器221は、制御機構230の制御により入力する白色光を任意のスペクトル形状にスペクトル整形することができ、スペクトル形状を時間的に変化させて制御することにより参照ミラーは固定としたまま機械的な掃引をせずに白色干渉可能な測定サンプルの断面位置を走査し、得られた干渉光強度と断面位置の関係から測定サンプルの3次元形状測定を可能とする。
スペクトル整形された光は、光ファイバ223から空間光学系である干渉光学系225へ入力され、ファイバフロントエンド224から光ビームが出射される。干渉光学系225の構成は、参照ミラー218が固定である以外は従来の干渉型の顕微鏡と同一で構わない。本実施の形態では、その一例としてマイケルソン干渉型の構成を示している。干渉系の構成方法は本発明の範囲を狭めるものではなく、マイケルソン型以外でもミラウ型などを用いても同様の効果が得られる。
光スペクトル整形器221により光スペクトル整形された低コヒーレンス光の光ビームは、レンズ212、213、ハーフミラー216を介して対物レンズ215に導かれる。
対物レンズ215からの集光ビームは、ビームスプリッタとなるハーフミラー227 で参照ミラー218が配置されるアームへ分波された後、サンプル220上に集光する。その後、逆経路で、サンプル220からの戻り光(反射光または透過光でもよい)と、参照ミラー218からの反射光が、光カプラとなるハーフミラー227上で干渉し、その干渉光の像をカメラ219で取得する。ここで、サンプル220の基準面において、干渉する光の両方の光路長が等しくなるように参照ミラー118の位置は固定されている。
周期的スペクトル形状で光スペクトル整形された低コヒーレンス光による白色干渉は、基準面以外にも複数の位置で生じるので、制御機構230により周期的スペクトル形状の周波数グリッド間隔fgを時間的に変化させるよう制御して掃引することで、サンプル断面垂直方向の位置情報を取得して3次元形状を測定することが出来る。
(光スペクトル整形器の構成)
図3の光スペクトル整形器221には、例えば回折格子のような波長分散型の空間光学系と、空間光変調素子(SLM:Spatial Light Modulator)を用いた構成が利用できる(非特許文献2,3を参照)。
以下では空間光変調素子(SLM)にLCOS (Liquid Crystal on Silicon)をはじめとする位相変調型を使用する場合について述べる。LCOSは、一種の2次元液晶表示デバイスであって、2次元配列された各画素におのおの設定された位相で入射光を変調することができ、設定された位相パタンと波長に応じて、合成された出射光のビームを偏向することができる。反射型と透過型があるが、ここでは反射型を用いた例を示す。
SLMとしては他に、DMD(Digital Mirror Device )などを利用した強度変調型やMEMSミラーによる偏向角変換を用いても同様の機能を発現できる。
図4に、このような光スペクトル整形器の一実施例の構造を示す。図4(A)は光スペクトル整形器のY-Z平面の側面図、図4(B)はX-Z平面の上面図である。
図4の光スペクトル整形器において、Z軸方向に入力ファイバ311から入射された光は、回折格子317によって図4(B)のx軸方向にλ1、λn、λNのように波長に応じて分散され、レンズ群(それぞれ、y方向、x方向に曲率を有するシリンドリカルレンズを含む、レンズ315,316を代表して示す)によって波長ごとにSLM318上の異なるx位置へ集光される。
図5(A)には、SLM318上での光ビーム319のビームプロファイルを示す。図4(B)に対応して図5(A)のSLM318上には、回折格子317によって波長に応じ横軸(x軸)方向に分散された各波長の光が到来している。集光されたビームは、SLM318の縦軸(y軸)方向の表示位相パタン(図5(B))に応じて、図4(A)のθa、θbのように、y軸方向へ異なる角度で偏向されて反射する。
この偏向角度は、図5(B)に示すSLM318の画素に設定された、のこぎり型の位相パタンの、波長に対するy軸方向の周期で決まる。このy軸方向の位相パタンの周期を、SLM318上のx軸の位置に応じて変えるように、制御機構230によりSLM318上の各画素の表示位相を設定・制御する。
偏向された光は再びレンズ群を通り、出力ファイバ312に結合する。この際の結合効率は、偏向角によって調整できる。例えば、図4(A)中の角度θaで偏向した場合は高い効率で結合するが、θbで偏向した場合は結合しない。θaとθbの中間の偏向角を設定することで、所望の強度で出力ファイバ312へ結合できる。
この結果、偏向角を波長(x軸の位置)に応じて変化させることで、スペクトル強度を制御可能となる。すなわちSLM318上のy方向の表示位相パタン(図5(B))を、x方向の位置に応じて任意に変化させることで、所望のスペクトル形状を整形可能な光スペクトル整形器を構成できる。
上記では、光スペクトル整形器として空間光学系を用いる場合について述べたが、その他の手法でスペクトルを整形しても構わない。例えば周回性のAWG(Arrayed Waveguide Grating)の光路差を可変とすることでスペクトルを整形してもよい。また、入力白色光の波長範囲はいずれでも構わない。
(本発明における3次元形状測定手法)
本発明の3次元形状測定装置においては、測定対象サンプル220の形状の面内プロファイルは、カメラ219で受光する二次元画像情報から容易に取得可能であるため、サンプルの断面方向(深さまたは高さ方向)の形状測定手法について記述する。
前述の光学系で得られる干渉像の二次元画像の各画素の干渉光強度は、2光束干渉で表現できる。以下では測定するサンプルの高さ方向の距離Zの代わりに、干渉する2つの光ビームの遅延時間差τを用いて表現する。この遅延時間差τの値は、光速cとZ=cτの関係を用いて容易にZ方向の位置へ変換可能である。
2光束干渉系では、参照ミラー218の面とサンプル220の面の遅延時間差をτ、干渉系の各アームの光ビームの電界をE(t)、E(t-τ)としたときに、干渉光強度Iは以下の式(1)で表される。
ただしγ(τ)は自己相関関数であり、以下の式(2)で表される。
式(2)から分かるように、γ(τ)の実部Reの軌跡が所謂インターフェログラムを形成する。ここで、E(t)のフーリエ変換であるF(w)を鑑みて式(2)を変換すると、式(3)
のように変換できる。以上から、自己相関関数(すなわちインターフェログラム波形)は入力光のパワースペクトラムのフーリエ変換で表される。
例えば、図6(A)のように完全な白色光は周波数空間上で一定の強度を有するため、インターフェログラムは図6(B)のように、τ=0の原点のみにおいてデルタ関数状の急峻なピークを持つ特性が得られる。低コヒーレンス干渉はこの特性を利用したものであり、遅延時間差τを光路長に変換することで、参照面までの距離を基準としたサンプル面までの距離Zを決定できる。
実際の白色光は図6(C)のように有限の周波数帯域幅Δfを有するので、インターフェログラムも図6(D)のように有限のピーク時間幅δを持つ。このピーク時間幅δは、概ね
で表されるため、白色光の周波数帯域幅Δfが広い程、距離分解能は向上する。
次に、図7(A)のように、白色光の入力スペクトルを周波数グリッド間隔fgで周期的なデルタ関数(スペクトル線)状にスペクトル整形(フィルタリング)する場合を考えると、そのインターフェログラムの包絡線は図7(B)のように周期的なピーク形状を持つ。このインターフェログラムのピークの時間周期Δτは
で表現される。また、1つのピークの全値幅δは式(4)で記述される。すなわち、遅延差がΔτの整数倍になるごとに低コヒーレンス干渉のような急峻な干渉特性が得られるため、従来の白色干渉法と同精度での位置測定が可能である。
ここで、図3の制御機構230により光スペクトル整形器221のスペクトル整形特性を制御して、fgを時間的に変化させて掃引することでΔτを掃引できるため、参照ミラーを機械的に掃引することなく固定したままでサンプル断面方向の位置を求めることが可能である。
ただし、図7(B)から分かるように、本手法ではΔτの整数倍の位置でピークが複数生じているため、どの位置で生じている干渉であるかは判別できない。また、図7(A)のような有限の周波数帯域幅Δfの矩形の窓関数のかかった周期的デルタ関数のフーリエ変換の場合、インターフェログラムのピーク波形が拡がるため、干渉光のS/N比が劣化するといった課題が残る。
ここで、例えば図7(C)のように、スペクトル波形全域の強度分布の包絡線(窓関数)が、なだらかなプロファイルを有するガウス分布型になるようにスペクトル整形する場合を考える。この場合は、図7(D)のように、インターフェログラムのγ(τ)の各ピークの形状がより鋭くなるため、S/Nが向上するといった優れた効果が得られる。ガウス分布型に限らずローレンツ分布型の形状などでも、なだらかなプロファイルを有する窓関数形状であれば同様の効果が得られる。
さらに、図8(A)のように、整形する周期的スペクトル形状を構成する各周期のピークのスペクトル線を、有限の帯域幅fwを持つ周波数波形とした場合を考える。この場合は、図8(B)のように、インターフェログラムの各ピークを結ぶ包絡線にスペクトル線の周波数波形の帯域幅fwと形状に応じた窓関数がかかることとなり、インターフェログラムのピーク強度が異なるため観測される干渉位置を制限することが可能である。この帯域幅fwを調整することで、原点とΔτ以外の位置の干渉を消すこともできるため、干渉波形から位置を一意に決定することができる。
図8(A)では矩形パルス型の周波数波形にする場合を示しており、インターフェログラムの窓関数は図8(B)のようにSinc状の関数となるため、Δτの2倍の位置でも僅かにサイドローブ起因の干渉縞が発生する。
さらに、例えば図8(C)のように周期性を有するスペクトル形状の1周期中の周波数波形をガウス分布型のスペクトル線波形にする場合を考える。この場合は、インターフェログラムの包絡線にかかる窓関数も図8(D)のようにガウス分布型となり、サイドローブが発生しないため、原点とΔτ以外の位置の干渉縞をさらに抑制可能である。例えば1周期中の周波数波形をガウス型にし、その帯域幅をスペクトル形状の周期の1/2(fg/2)程度にすると原点以外の干渉縞の発生を一度に制限することができる。
(実験結果)
図9には、このようなスペクトル整形とインターフェログラムの関係についての実験結果を示す。
図9(A)には、この実験で使用したスペクトル整形器の周波数スペクトル特性を示す。周期性を有するスペクトル形状の周期(周波数グリッド間隔fg)に対して、1周期中の周波数波形を帯域幅fw=fg/2の矩形パルス型として、全体のスペクトル形状の包絡線をガウス型としている。
図9(B)には、実験結果の光路差と干渉光強度の関係(インターフェログラム)を示している。周波数グリッド間隔fgを25、50、100GHzの3通りに変えた場合を示しており、横軸の光路差ΔLは単位mmで表示して、干渉光強度はmWの単位で規格化して表示している。
前述のように、このような条件とすると、原点以外のインターフェログラムのピークをほぼ1つに絞ることが可能となり、不確定性なくサンプル面の位置決定を行うことが可能となる。
以上のように本願発明により、スペクトル整形器を用いて白色光を任意にスペクトル整形し、そのスペクトル形状を時間掃引することで、低コヒーレンス干渉型の光干渉法によりサンプルの3次元形状を測定可能である。本発明は機械掃引を用いることがないため、高精度位置決めを必要としない、振動ノイズ耐性が高いなどといった優れた効果を発現する3次元形状測定装置を実現可能である。
111、211 白色光源
112〜114、212〜214、313〜316 レンズ
116、216 ハーフミラー
117、227 ハーフミラー(ビームスプリッタ、光カプラ)
115、215 対物レンズ
118,218 参照ミラー
120,220 サンプル
119、219 カメラ
221 スペクトル整形器
225 干渉光学系
222、223 光ファイバ
224 ファイバフロントエンド
230 制御機構
311 入力ファイバ
312 出力ファイバ
317 回折格子
318 空間光変調素子(SLM)
319 光ビーム

Claims (6)

  1. 白色光源と、
    前記白色光源からの白色光を任意のスペクトル形状にスペクトル整形可能なスペクトル整形器と、
    前記スペクトル整形器のスペクトル形状を時間的に変化させる制御機構と、
    前記スペクトル整形器からの光信号を測定サンプルと参照ミラーへ分波するビームスプリッタ部と、
    前記測定サンプルと前記参照ミラーからの戻り光を干渉させる光カプラ部と、
    干渉光の像を測定するカメラ部とを有し、
    前記スペクトル形状を時間的に変化させることで白色干渉可能な前記測定サンプルの断面位置を走査し、
    得られた干渉光強度と前記断面位置の関係から、前記測定サンプルの断面方向の形状を測定する3次元形状測定装置。
  2. 請求項1記載の3次元形状測定装置において、
    前記スペクトル形状が周波数空間上で周期性を有するスペクトル形状である
    ことを特徴とする3次元形状測定装置。
  3. 請求項2記載の3次元形状測定装置において、
    前記周期性を有するスペクトル形状に対してガウス分布やローレンツ分布をはじめとするなだらかなプロファイルを有する窓関数がかかるように更にスペクトル整形する
    ことを特徴とする3次元形状測定装置。
  4. 請求項2または3に記載の3次元形状測定装置において、
    前記周期性を有するスペクトル形状を構成する1周期中の周波数波形の形状及び帯域幅を変化させることで、干渉縞の発生する断面方向の位置を制限する
    ことを特徴とする3次元形状測定装置。
  5. 請求項4に記載の3次元形状測定装置において、
    前記周期性を有するスペクトル形状を構成する1周期中の周波数波形をガウス型にし、その帯域幅を前記周期性を有するスペクトル形状の周期の1/2にする
    ことを特徴とする3次元形状測定装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のに記載の3次元形状測定装置において、
    前記スペクトル整形器は入射光を波長に応じて分散する回折格子と、
    前記回折格子によって波長に応じて分散された光を表示位相パタンに応じて異なる角度で偏向する空間光変調素子を含む
    ことを特徴とする3次元形状測定装置。
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