JP2018115416A - セルロースナノファイバー成形体 - Google Patents

セルロースナノファイバー成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】セルロース繊維を主成分とし、優れた強度を有し、かつその強度の温度依存性が低い成形体を提供する。【解決手段】本発明は、セルロースナノファイバーを含むセルロース繊維を主成分とし、上記セルロース繊維が、パルプをさらに含み、上記セルロース繊維に占めるパルプの含有量が、0.1質量%以上70質量%以下であり、ナノインデンテーション法により算出された25℃における弾性率(E25)が3,000MPa以上20,000MPa以下であり、上記25℃における弾性率(E25)に対するナノインデンテーション法により算出された90℃における弾性率(E90)の比(E90/E25)が0.5以上であるセルロースナノファイバー成形体である。上記パルプが叩解パルプであることが好ましい。上記セルロース繊維に占めるセルロースナノファイバーの含有量が、50質量%以上であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、セルロースナノファイバー成形体に関する。
近年、物質をナノメートルレベルまで微細化し、物質が持つ従来の性状とは異なる新たな物性を得ることを目的としたナノテクノロジーが注目されている。化学処理、粉砕処理等によりセルロース系原料であるパルプから製造されるセルロースナノファイバー(以下、「CNF」と略記することもある)は、強度、弾性、熱安定性等に優れている。このCNFの成形体は、バイオマス由来の高強度材料として、各種用途への活用が期待されている。
このような中、CNFの強度を活かした複合材料として、CNFにマトリクス材料としての有機高分子等を混合させた繊維強化複合材料などが提案されている(特開2005−60680号公報参照)。しかし、このような複合材料は、主成分であるマトリクスに有機高分子等を用いるため、高温環境下で軟化するなどといった不都合を有する。従ってこの場合、高温環境下で十分な強度を発揮できない場合がある。
特開2005−60680号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、セルロース繊維を主成分とし、優れた強度を有し、かつその強度の温度依存性が低い成形体を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、セルロースナノファイバーを含むセルロース繊維を主成分とし、ナノインデンテーション法により算出された25℃における弾性率(E25)が3,000MPa以上20,000MPa以下であり、上記25℃における弾性率(E25)に対するナノインデンテーション法により算出された90℃における弾性率(E90)の比(E90/E25)が0.5以上であるセルロースナノファイバー成形体である。
当該CNF成形体は、ナノインデンテーション法により算出された25℃における弾性率(E25)が高い上に、この弾性率(E25)とナノインデンテーション法により算出された90℃における弾性率(E90)との比が1に近く、強度の低温度依存性を有する。従って、当該CNF成形体は、幅広い温度範囲で高い強度を発揮することができる。
上記セルロース繊維が、パルプをさらに含むことが好ましい。CNFと共にパルプを含有させることで、十分な強度を維持しつつ、生産コストを抑えることができる。また、パルプを添加することで、効率的な脱水が可能となるため、生産性を高めることなどもできる。
上記パルプが叩解パルプであることが好ましい。パルプとして叩解パルプを用いることで、CNFとパルプとの間の水素結合点の数が増加し、パルプを用いながら強度を比較的高くすることができる。
上記セルロース繊維に占めるパルプの含有量が、0.1質量%以上70質量%以下であることが好ましい。パルプの含有量を上記範囲とすることで、十分な強度を維持しつつ、より十分に生産コストを抑え、生産性もより十分に高めることができる。
上記セルロース繊維に占めるセルロースナノファイバーの含有量が、50質量%以上であることも好ましい。CNFは、1本1本が高強度、高弾性であり、かつナノサイズであることから、このようなCNFの含有量を高くすることで単位体積あたりの水素結合点が多くなり、強度をさらに高めることができる。
当該CNF成形体の密度は0.95g/cm以上1.5g/cm以下であることが好ましい。このように高密度であることで当該CNF成形体の強度をより高めることができる。
ここで、「セルロースナノファイバー」とは、パルプ等の植物原料を解繊して得られる微細なセルロース繊維であって、繊維幅がナノサイズ(1nm以上1000nm以下)のものをいう。「主成分」とは、質量基準で最も含有量の多い成分をいう。また、ナノインデンテーション法により算出された25℃又は90℃における弾性率とは、ISO14577に準拠して測定及び算出した値をいい、具体的には実施例に記載の方法にて求めた値をいう。
本発明によれば、セルロース繊維を主成分とし、優れた強度を有し、かつその強度の温度依存性が低い成形体を提供することができる。
図1は、本発明のセルロースナノファイバー成形体を製造する一例としての方法を示すフロー図である。 図2は、図1の方法の予備脱水工程に用いる装置等を示す説明図である。 図3は、図1の方法における加圧工程を示す説明図である。
以下、適宜図面を参照にしつつ、本発明の一実施形態に係るCNF成形体について詳説する。
<CNF成形体>
当該CNF成形体は、CNFを含むセルロース繊維を主成分とする成形体である。
(CNF)
CNFは、通常、植物原料(繊維原料)を公知の方法により解繊することにより得ることができる。このCNFの原料は、植物原料であれば特に限定されないが、パルプが好ましい。
CNFの原料となるパルプとしては、例えば
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)等の針葉樹クラフトパルプ(NKP)等の化学パルプ;
ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、晒サーモメカニカルパルプ(BTMP)等の機械パルプ;
茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される古紙パルプ;
古紙パルプを脱墨処理した脱墨パルプ(DIP)などが挙げられる。これらは、本発明の効果を損なわない限り、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
CNFの原料となるパルプとしては、これらの中で、高強度成形体を得ることができるなどの点などから、化学パルプが好ましく、LKP及びNKPがより好ましい。
CNFの製造方法としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば水分散状態のパルプを機械的処理による解繊に付してよく、酵素処理、酸処理、TEMPO触媒酸化、リン酸エステル化等の化学的処理を施した後に解繊に付してもよい。
機械的処理による解繊方法としては、例えばパルプを回転する砥石間で磨砕するグラインダー法、高圧ホモジナイザーを用いた対向衝突法、ボールミル、ロールミル、カッターミル等を用いる粉砕法などが挙げられる。
なお、CNFの原料となるパルプは解繊の前に予備叩解に付してもよい。予備叩解(機械的前処理)は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的な方法の例としては、例えば、リファイナーを用いる方法を挙げることができる。
また、CNFの原料となるパルプには、解繊の前に化学的な前処理を施してもよい。この化学的な前処理としては、硫酸等の酸や、酵素などを用いた加水分解処理、オゾンなどの酸化剤を用いた酸化処理などを挙げることができる。このように化学的な前処理を施した後に解繊処理することにより、効率的にCNFを得ることができる。また、前処理として、TEMPO触媒等を用いた酸化や、リン酸エステル化などの処理を行ってもよい。
CNFの保水度は、例えば250%以上500%以下である。このように保水度が高いCNFは脱水が非効率的ため、効果的に脱水を行うことができる後述する予備脱水工程を使用する利点が大きい。CNFの保水度(%)はJAPAN TAPPI No.26に準拠して測定される。
CNFは、水分散状態でレーザー回折法により測定される擬似粒度分布曲線において単一のピークを有することが好ましい。このように、一つのピークを有するCNFは、十分な微細化が進行しており、CNFとしての良好な物性を発揮することができ、得られる成形体の強度をより高めることなどができる。なお、上記単一のピークとなるCNFの粒径(最頻値)としては、例えば5μm以上25μm以下が好ましい。CNFが上記サイズであることで、CNF特有の諸特性をより良好に発揮することができる。「擬似粒度分布曲線」とは、粒度分布測定装置(例えば堀場製作所の粒度分布測定装置「LA−960S」)を用いて測定される体積基準粒度分布を示す曲線を意味する。
当該CNF成形体中のセルロース繊維に占めるCNFの含有量の下限としては例えば30質量%であってもよいが、50質量%が好ましく、70質量%であってもよく、90質量%であってもよく、95質量%であってもよく、99質量%であってもよい。セルロース繊維に占めるCNFの含有量を上記下限以上とすることで、単位体積当たりの水素結合点の増加等により強度等を高めることができる。一方、このCNFの含有量の上限は、99.9質量%であってよく、90質量%であってよく、70質量%であってもよく、50質量%であってもよい。
(パルプ)
当該CNF成形体中のセルロース繊維としては、パルプをさらに含むことが好ましい。パルプは、CNFと比べて製造コストが低い一方、CNFと混合して用いても強度を大きく低下させない。そのため、CNFと共にパルプを含有させることで、十分な強度を維持しつつ、生産コストを抑えることができる。また、パルプを添加することで、効率的な脱水が可能となるため、生産性を高めることなどもできる。なお、パルプの繊維径は通常、1μm超であり、好ましくは10μm以上である。
上記パルプとしては、LKP及びNKPが好ましい。なお、CNFの原料となっているパルプを上記繊維として用いることも好ましい。例えば、LKPを原料としたCNFとLKPとを組み合わせて用いること、あるいはNKPを原料としたCNFとNKPとを組み合わせて用いることが出発原料を同じにすることで両者の親和性が高まり、脱水の際の加圧時にCNF流出を抑え、全脱水時間の短縮に繋がるとともに、所望の形状を有する成形体を得るに好ましい。このようにCNFの原料となっているパルプを用いることで、CNFとパルプとの親和性がより高まり、CNFの流出をより抑制することができる。但し、CNFの原料パルプと、CNFに混合するパルプとが異なる種類であってもよい。
上記パルプは叩解パルプであってもよいし、未叩解パルプであってもよい。叩解パルプを用いることで、CNFが絡まりやすくなりCNFの流出をより抑制することができ、かつ、水素結合点の増加により得られる成形体の高強度化を図ることができる。一方、未叩解パルプを用いることで、脱水効率を高めることができる。叩解パルプのフリーネスとしては、例えば700mL以下とすることができ、650mL以下であってよく、600mL以下であってよく、500mL以下であってもよい。この叩解パルプのフリーネスの下限は特に限定されないが例えば200mLとすることができる。一方、未叩解パルプのフリーネスとしては、例えば550mL以上とすることができ、700mL以上であってもよい。この未叩解パルプのフリーネスの上限は特に限定されないが、例えば800mLとすることができ、750mLとすることもできる。
当該CNF成形体中のセルロース繊維に占めるパルプの含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、3質量%であってもよく、5質量%であってもよく、10質量%であってもよく、20質量%であってもよい。パルプの含有量を上記下限以上とすることで、生産コストを抑え、生産性も十分に高めることができる。一方、このパルプの含有量の上限としては、70質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましく、10質量%であってもよい。パルプの含有量を上記上限以下とすることで、成形体の強度等をより高めることができる。
(他の成分等)
当該CNF成形体は、CNF及びパルプ以外の他のセルロース繊維や、セルロース繊維以外の他の成分が含有されていてもよい。但し、当該CNF成形体の固形分中のセルロース繊維の含有量の下限は、90質量%が好ましく、99質量%がより好ましく、99.9質量%がさらに好ましい。また、セルロース繊維中のCNF及びパルプの合計含有量の下限は、90質量%が好ましく、99質量%がより好ましく、99.9質量%がさらに好ましい。このように、当該CNF成形体が、実質的にCNFのみ、あるいはCNFとパルプとのみから形成されていることで、セルロース繊維間の強い水素結合などにより、強度をより高めることができる。また、実質的にCNFのみ、あるいはCNFとパルプとのみから形成されていることで、熱安定性も高く、環境への負荷の低減等も図ることができる。
(物性等)
当該CNF成形体は、ナノインデンテーション法により算出された25℃における弾性率(E25)が3,000MPa以上20,000MPa以下であり、上記25℃における弾性率(E25)に対するナノインデンテーション法により算出された90℃における弾性率(E90)の比(E90/E25)が0.5以上である。
上記弾性率(E25)の下限は、5,000MPaが好ましく、7,000MPaがより好ましく、9,000MPaがさらに好ましい。一方、この上限は、15,000MPaであってもよく、12,000MPaであってもよい。上記弾性率(E25)が上記下限未満の場合は、弾性率が不十分で、高強度材料として使用が制限される恐れがある。一方、より高密度で均質なCNF成形体となるような製造条件もあり、上記上限を超える弾性率も達成できる可能性はあるが、生産性が低下する等の問題が生じる場合があるため好ましくない。
上記比(E90/E25)の下限は、0.6が好ましく、0.7がより好ましく、0.8がさらに好ましい。比(E90/E25)が上記下限以上であることにより、強度の温度依存性をより小さくすることができる。一方、この比(E90/E25)の上限は、例えば1であってよく、0.9であってもよい。
当該CNF成形体の硬度の下限は、80MPaが好ましく、100MPaがより好ましく、150MPaがさらに好ましく、200MPaがよりさらに好ましく、300MPaがよりさらに好ましく、400MPaが特に好ましい。一方、この上限は、1,000MPaであってもよく、500MPaであってもよい。上記硬度は、ISO14577に準拠して測定及び算出した25℃におけるナノインデンテーション硬度をいい、具体的には実施例に記載の方法にて求めた値をいう。
当該CNF成形体の23℃における引張弾性率(T23)の下限は、5,000MPaが好ましく、7,000MPaがより好ましく、9,000MPaがさらに好ましく、10,000MPaがよりさらに好ましく、12,000MPaがよりさらに好ましく、15,000MPaが特に好ましい。一方、この上限は、20,000MPaであってよく、18,000MPaであってよい。上記引張弾性率(T23)が、上記下限未満の場合は、引張弾性率が不十分で、高強度材料として使用できない場合がある。一方、より高密度で均質なCNF成形体となるような製造条件もあり、上記上限を超える引張弾性率も達成できる可能性はあるが、生産性が低下する等の問題が生じる場合があるため好ましくない。
当該CNF成形体の上記23℃における引張弾性率(T23)に対する90℃における引張弾性率(T90)の比(T90/T23)の下限としては、0.5が好ましく、0.6が好ましく、0.65がより好ましく、0.7がさらに好ましい。比(T90/T23)が上記下限以上であることにより、強度の温度依存性をより小さくすることができる。一方、この比(T90/T23)の上限は、例えば1であってよく、0.9であってもよく、0.8であってもよい。
上記引張弾性率(T23)及び引張弾性率(T90)は、それぞれJIS K7127:1999に準拠し、温度23℃又は90℃の環境下、試験片をJIS−K6251で定める引張2号型ダンベル状とし、試験速度を10mm/分として測定した値をいう。
当該CNF成形体の引張強さの下限は、70MPaが好ましく、100MPaがより好ましく、110MPaがさらに好ましい。一方、この上限は、250MPaであってよく、220MPaであってもよく、用途等によっては200MPaであってもよい。上記下限未満の場合は、引張強さが不十分で、高強度材料として使用できない場合がある。一方、より高密度で均質なCNF成形体となるような製造条件もあり、上記上限を超える引張強さも達成できる可能性はあるが、生産性が低下する等の問題が生じる場合があるため好ましくない。
当該CNF成形体における引張破壊ひずみの上限としては、10%が好ましく、5%がより好ましく、4%がさらに好ましく、3%がよりさらに好ましい。一方、この下限としては、0%がよいが、1%であってもよい。
上記「引張強さ」及び「引張破壊ひずみ」は、それぞれJIS K7127:1999に準拠し、温度23℃の環境下、試験片をJIS−K6251で定める引張2号型ダンベル状とし、試験速度を10mm/分として測定した値をいう。
当該CNF成形体の密度の下限としては、0.95g/cmが好ましく、1g/cmがより好ましく、1.15g/cmがさらに好ましい。一方、この密度の上限としては、1.5g/cmが好ましく、1.4g/cmであってもよく、1.3g/cmであってもよい。CNF成形体の密度が上記下限未満の場合は、水素結合点の数が減少し、十分な強度が得られない場合がある。一方、密度が上記上限を超えるときは、上記と同様の理由から生産性が低下する等の問題が生じる場合があるため好ましくない。
当該CNF成形体は、このように高い強度及び密度を有し、かつ強度の温度依存性が低く、金属成形体、樹脂成形体、木材等に替わる材料等として用いることができる。当該CNF成形体の形状は特に限定されず、棒状、板状、その他任意の形状であってよい。
<CNF成形体の製造方法>
当該CNF成形体の製造方法は特に限定されるものではないが、以下の方法により好適に製造することができる。
当該CNF成形体の製造方法の一例は、CNF及び水を含む板状体を、加熱しながら厚さ方向に加圧する工程(加圧工程)を備える。当該CNF成形体の製造方法は、この加圧工程の前に、上記板状体を得るための予備脱水工程を備えることが好ましい。予備脱水工程は、メッシュ状部材を介してCNFを含むスラリーを脱水する工程を採用することができる。すなわち、図1に示すように、CNFスラリーを予備脱水工程によりCNF板状体とし、この板状体を加圧工程によりCNF成形体とすることが好ましい。なお、当該製造方法は、これらの工程以外の他の工程をさらに備えていてもよい。以下、上記工程順に当該製造方法について詳説する。
(予備脱水工程における装置、原料等)
図2は、上記予備脱水工程の一例の状態を示す模式的な説明図である。まず、予備脱水工程で用いられる装置、原料等について、図2を参照しつつ説明する。
図2の型枠11は、直方体状の内面形状を有する。また、型枠11は、底の無い枠体である。型枠11の材質は特に限定されるものではなく、金属、樹脂、木材等を挙げることができるが、高い圧力に対する耐久性等の観点からは金属が好ましい。
型枠11は、例えば上面が平面である水平な台(図示しない)の上に載置されている。なお、型枠11が置かれた台は、脱水工程の際の加圧に耐えられる強度のものであれば特に限定されず、一般的な金属製、木製、樹脂製等のものを用いることができる。また、この台の少なくとも上面側は、効率的に排水がされるように、網状、メッシュ状、多孔質状などであってよい。
型枠11の底(すなわち、型枠11内における図示しない台の上面)には、紙13が敷かれている。このように紙13を積層することで、クッション性が高まり、急激な圧力変化が緩和され、徐々に圧力を高めることができるため、脱水の際のCNFの流出を抑制することなどができる。この紙13は、和紙、洋紙、板紙等特に限定されるものではなく、公知の透水性を有するものを用いることができる。また、紙13は、1枚であってもよく、2枚以上を積層してもよい。
紙13の厚さの下限としては、例えば0.05mmであり、0.1mmが好ましい。紙13の厚さを上記下限以上とすることで、より十分なクッション性が確保でき、予備脱水工程における急激な圧力上昇を緩和することによるCNFの流出抑制機能を高めることができる。一方、この厚さの上限としては、例えば2mmである。なお、この紙13の厚さは、複数枚の紙を積層して用いる場合は、積層状態の複数枚の紙全体の厚さをいう。
また、この紙13が敷かれていることで、後述する充填されたスラリー15中の水分がメッシュ状シート14を介して紙13へ移行するため、脱水効率を高めることもできる。なお、紙13の厚さが上記上限以上である場合、紙13に移行した水分が圧力解放後に成形体(板状体)に戻る量が多くなるため、脱水の効率性が低下することとなる。なお、クッション性及び脱水性のいずれの観点からも、紙13は低密度であることが好ましい。また、脱水性の観点からは、紙13はサイズ性が低いことが好ましい。このような観点からは、紙13としては、ろ紙を好適に用いることができる。
紙13の上面には、メッシュ状部材の一例であるメッシュ状シート14が積層されている。このメッシュ状シート14の材質としては特に限定されず、金属、樹脂、その他繊維状材料などであってよい。すなわち、メッシュ状シート14は、金網、プラスチックワイヤー、ろ布(織布、不織布等)などであってよい。メッシュ状シート14のメッシュの形状は特に限定されず、平織、綾織、畳織、綾畳織等のいずれであってもよい。
メッシュ状シート14の目数の下限としては、100メッシュが好ましく、200メッシュがより好ましい。上記下限以上とすることで、加圧以前に充填した時点でCNFが流出することを抑制することができる。また、上記下限以上でも目数が大きいと段階的に加圧する速度が遅くなるので、効率的には200メッシュ以上がよりよい。一方、この目数の上限としては、500メッシュが好ましく、400メッシュがより好ましい。上記上限以下とすることで、十分な目開きが確保でき、脱水の効率性を高めることができる。但し、上限以下でも脱水が遅くなったり、段階的な加圧制御がし難くなるため、400メッシュ以下がより好ましい。
メッシュ状シート14の線径の下限としては、25μmが好ましく、30μmがより好ましい。一方、この線径の上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましい。メッシュ状シート14の線径を上記下限以上とすることで、適度な小ささの目開き寸法を確保でき、予備脱水工程におけるCNFの流出をより抑制することができる。一方、メッシュ状シート14の線径を上記上限以下とすることで、目開き寸法が小さくなりすぎることを抑え、より効率的な脱水を行うことができる。
このように、底に紙13及びメッシュ状シート14が順に積層された型枠11内に、CNFのスラリー15が充填されている。スラリー15は、CNF及び分散媒としての水を含み、さらにその他の成分が含有されていてもよい。
予備脱水工程に供せられるスラリー15におけるCNFの含有量としては、0.8質量%超が好ましく、1質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がさらに好ましい。スラリー中のCNF含有量を0.8質量%超とすることで、予備脱水工程におけるCNFの流出をより十分に抑制することができる。また、予備脱水工程に係る時間の短縮化を図ることもできる。また、CNF含有量が0.8質量%以下の場合、無加圧でも流動性が高く、充填時にメッシュ状シートからCNFが流出する場合があるが、含有量を0.8質量%超とすることで、このような不都合を解消することができる。一方、このCNFの含有量の上限としては、例えば10質量%であり、5質量%であってもよく、4質量%であってもよく、3質量%であってもよい。スラリー15におけるCNFの含有量を上記上限以下とすることで、良好な流動性を確保でき、型枠11への充填性等を高めることができる。また、CNFの含有量を上記上限以下とすることで、厚さや密度のムラを抑制でき、均一性の高い成形体を得ることができる。
型枠11内に充填されたスラリー15には、板状の蓋体16が積層されている。蓋体16の長さ及び幅は、型枠11の内寸と略同一、あるいは一回り小さい大きさとなっている。この蓋体16、型枠11及び型枠11を置いた図示しない台から構成される空間内に、スラリー15は実質的に密閉されることとなる。すなわち、台の上面並びに型枠11及び蓋体16の内面形状が得られる成形体(板状体)の外面形状となる。
この蓋体16の材質は特に限定されるものではなく、金属、樹脂、木材等を挙げることができるが、高い圧力に対する耐久性等の観点からは金属が好ましい。なお、蓋体16の材質は、型枠11の材質と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
(準備工程)
当該製造方法は、予備脱水工程を行う前に、図2の状態を用意する準備工程を有していてもよい。この準備工程は、図2の状態となるように、台の上に置かれた型枠11の底に紙13及びメッシュ状シート14を順に積層し、その上にスラリー15を充填する工程である。さらに、充填後のスラリー15上に蓋体16が配置される。なお、後述するように、スラリー15を充填した段階で脱水が始まった場合は、蓋体16はこのタイミングではスラリー15上に載せなくてよい。
また、当該製造方法は、準備工程として、CNFを含むスラリーの調製工程を有していてもよく、CNFと上記繊維との混合工程を有していてもよい。
(予備脱水工程)
以下、予備脱水工程の手順を具体的に詳説する。この予備脱水工程においては、スラリー15に対する加圧力を段階的又は連続的に高めることが好ましい。この脱水工程において、スラリー15中の水分は、メッシュ状シート14及び紙13を介して、型枠11の底(図2における下側)から流出していく。このようにした場合、当初の圧力は非常に弱いため、スラリー15は高粘度に保たれ、CNFの流出を抑えることができる。一方、脱水が進むとスラリー15の濃度が上昇し、流動性は低下するため、ある程度圧力を高めてもCNFは流出し難くなる。そこで、次第に圧力を高めていくことで、CNFの流出を抑えながら、効率的に脱水を行うことができる。
予備脱水工程は、まず、2.5kPa以下で加圧を行う初期工程を有することが好ましい。初期に2.5kPaを超える圧力をかけると、CNFがメッシュ状シート14を介して流出しやすくなる。なお、目開きの細かいメッシュ状シート14を用いれば、初期に2.5kPaを超える圧力をかけてもCNFの流出が抑制できるが、この場合、全体的な脱水効率が低下し得る。この初期工程における加圧は実質的に0kPa、あるいは大気圧であってよい。また、蓋体16の自重のみによる加圧であってもよい。例えば、CNF15を紙13及びメッシュ状シート14を介して型枠11内に投入(充填)した時点で、メッシュ状シート14を介して水が流出した場合(脱水が開始した場合)はこの状態で暫く放置し、水の流出が収まった時点で蓋体16をスラリー15上に載せることができる。
上記初期工程の加圧で脱水がある程度進んだ後、加圧力を高めていくことが好ましい。この加圧力の制御方法は特に限定されず、公知のプレス機で制御してもよいし、蓋体16に重しを載せていくことによって行うなどしてもよい。また、脱水の進行度(脱水量)に応じて加圧力を高めていってもよいし、スラリー15の組成と加圧力との関係等をデータベース化しておき、時間によって加圧力を制御してもよい。
上記予備脱水工程においては、このように加圧力を高めていき、最終工程として、20MPa以上で加圧を行うことが好ましく、30MPa以上がより好ましく、40MPa以上がさらに好ましい。この最終工程を経ることで、十分に脱水がなされた板状体を得ることができる。なお、この最終工程の加圧力の上限としては、例えば200MPaとすることができ、100MPaであってもよい。
なお、図2とは異なり、スラリー15の上面に第2のメッシュ状シートを積層し、この第2のメッシュ状シートの上面に第2の紙を積層し、この第2の紙の上面に蓋体16を置いてもよい。このように、スラリー15に対して上面側にも紙を積層する(スラリー15に対して、一対の紙で挟んだ状態とする)ことで、クッション性がより高まり、加圧に伴うCNFの流出をより抑制することができる。また、スラリー15に対して、上面側のみに紙を積層してもよい。なお、上側に積層させた第2のメッシュ状シートは、スラリー15と第2の紙とが直接接することを防ぐ役割などを担う。すなわち、CNFの板状体と紙とは親和性が高いため、スラリーと紙とが直接接した状態で加圧し、脱水させると、得られたCNFの板状体に紙が貼り付き、この紙を剥がすことが困難になる。そこで、スラリーと紙との間にメッシュ状シートを積層しておくことにより、得られたCNFの板状体から紙等を容易に剥がすことができる。また、スラリー中の水分がメッシュ状シートを介して紙へ移行するため、脱水効率を高めることもできる。
また、図2の予備脱水工程においては、加熱を伴わずに、加圧のみによる脱水を行っているが、予備脱水工程を加熱しながら行ってもよい。
(加圧工程)
加圧工程においては、上記予備脱水工程により得られたCNF及び水を含む板状体を、加熱しながら厚さ方向に加圧する。この加圧工程は、板状体が厚さ方向に対して垂直な方向(上下方向に加圧する場合、水平方向)に変形しない範囲で加圧する第1加圧工程、及び上記第1加圧工程よりも高い圧力により、板状体を厚さ方向に圧縮させる第2加圧工程をこの順に備える。加圧工程は少なくとも2段階の工程を有し、段階的に加圧の程度が大きくなるように、第1加圧工程を複数段にすることも、第2加圧工程を複数段にすることも可能である。また、第3の加圧工程を行ってもよい。以下に2段階(1段階の第1加圧工程及び1段階の第2加圧工程)で行う好ましい実施形態を述べる。
加圧工程においては、図3に示すように、上下一対の加熱板21、22間にCNF及び水を含む板状体27を配置する。なお、板状体27の両面にはメッシュ状シート25、26が積層され、このメッシュ状シート25、26の各外面には多孔質シート23、24が積層されている。すなわち、水平に配置された一対の加熱板21、22間には、下側から順に第1の多孔質シート23、第1のメッシュ状シート25、板状体27、第2のメッシュ状シート26及び第2の多孔質シート24が積層されている。また、板状体27の全側面は露出した状態となっている。
加熱板21、22は、水平かつ互いに平行に配置されている。加熱板21、22は、一般的な熱プレス機(加熱プレス機)に備わる加熱板(熱板)である。すなわち、この加熱工程は、従来公知の熱プレス機を用いて行うことができる。加熱板21、22が加熱されながら、この一対の加熱板21、22の間の間隔が狭まる方向に力が働くことにより、板状体27が加熱されながら厚さ方向(図3における上下方向)に加圧される。熱プレス機は、上記加熱の温度及び加圧の圧力を制御することができる。熱プレス機による温度制御及び圧力制御は、自動制御であってもよく、手動制御であってもよい。また、この熱プレス機は、油圧式熱プレス機、空圧式熱プレス機、万力熱プレス機等、特に限定されるものではない。
一対の多孔質シート23、24は、それぞれメッシュ状シート25、26を介して板状体27を挟持した状態で配置される。
メッシュ状シート25、26は、予備脱水工程で用いたメッシュ状シート14と同種、同形状のものを用いることができる。予備脱水工程で用いたメッシュ状シートをそのまま用いてもよいし、別のものに取り替えてもよいが、作業性の点などからは、予備脱水工程で用いたメッシュ状シートをそのまま用いることが好ましい。
多孔質シート23、24は、多孔質状のシートである限り特に限定されるものではなく、ゼオライト等の無機粒子からなる無機製の多孔質シート、繊維製の多孔質シート、スポンジ製の多孔質シート等の各種多孔質シートを用いることができる。これらの中でも、繊維製の多孔質シートが、クッション性等の点から好ましい。繊維製の多孔質シートを構成する繊維としては、パルプ、綿繊維、絹繊維、麻等の植物繊維;羊毛、獣毛等の動物繊維;ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の合成繊維;ガラス繊維;炭素繊維等を挙げることができる。また、繊維製の多孔質シートとしては、織布、不織布等であってよい。
これらの中でも、多孔質シート23、24としては、耐熱性等の点から、植物繊維から形成される不織布が好ましく、パルプから形成される不織布、具体的には紙がより好ましい。多孔質シート23、24として紙を用いる場合、予備脱水工程で使用した紙と同種、同形状のものを用いることができる。但し、板状体27の脱水を進めるために、予備脱水工程で使用した紙を取り替え、乾燥した新たな紙を多孔質シート23、24として用いることが好ましい。
多孔質シート23及び多孔質シート24のそれぞれの厚さの下限としては、例えば0.05mmであり、0.1mmが好ましい。多孔質シート23、24の厚さを上記下限以上とすることで、加熱の際の水蒸気の排出ルートを特に十分に確保でき、効果的な乾燥を行うことができる。一方、この厚さの上限としては、例えば2mmである。なお、この多孔質シート23及び多孔質シート24のそれぞれの厚さは、多孔質シート23又は多孔質シート24として複数枚の多孔質シートを積層して用いる場合は、積層状態の複数枚の多孔質シート23又は多孔質シート24全体の厚さをいう。
また、この多孔質シート23、24を積層しておくことで、板状体27中の水分が多孔質シート23、24へ移行するため、脱水効率を高めることもできる。なお、多孔質シート23、24の厚さが上記上限以上である場合、多孔質シート23、24に移行した水分が圧力解放後に板状体27に戻る量が多くなるため、脱水の効率性が低下することとなる。なお、透気性、クッション性及び脱水性のいずれの観点からも、多孔質シート23、24は低密度であることが好ましい。また、脱水性の観点からは、多孔質シート23、24はサイズ性が低いことが好ましい。このような観点からは、多孔質シート23、24としては、ろ紙を好適に用いることができる。
(第1加圧工程)
第1加圧工程は、板状体27が厚さ方向に対して垂直な方向(図3における左右方向、通常、水平方向)に変形しない範囲で加圧する工程である。
第1加圧工程に供せられる板状体27の板状体の含水率の上限としては、90質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、70質量%であってもよく、60質量%であってもよい。第1加圧工程に供せられる、すなわち加圧工程前の板状体27の含水率を上記上限以下とすることで、加圧の際の板状体27の面方向への広がりをより確実性高く抑えることができる。一方、この含水率の下限としては、40質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。第1加圧工程に供せられる板状体27の含水率が上記下限を下回る場合、予備脱水工程での脱水を特に十分に行うこととなる。予備脱水工程は加熱しながら行ってもよいが、加熱は型枠の熱伝導に要する時間及びエネルギーロスのため非経済的となる場合がある。そこで、加熱を伴わずに加圧のみで機械的に比較的容易に脱水できる上記下限以上に脱水しておくことが好ましい。
第1加圧工程における加圧力の下限としては、1MPaが好ましく、3MPaがより好ましい。第1加圧工程における加圧力を上記下限以上とすることで、板状体27の平滑性や均質性を保ちつつ脱水を進めることができ、CNFの凝集に伴う厚さ方向への変形も抑制できる。一方、第1加圧工程における加圧力は、10MPa未満とすることが好ましく、5MPa以下がより好ましい。第1加圧工程における加圧力を上記上限以下とすることで、加圧の際の板状体27の面方向への広がりをより確実性高く抑えることができる。また、第1加圧工程における加圧力を上記上限以下とすることで、第1加圧工程後にある程度の水分を残しておくことができる。このような状態で後工程である第2加圧工程を行うことで、第2加圧工程で効果的な圧縮が生じ、より高密度な成形体を得ることができる。すなわち、換言すれば、第1加圧工程の加圧力が高すぎる場合、残存する水分が少なくなりすぎ、第2加圧工程において十分な圧縮が生じなくなる場合がある。
第1加圧工程における処理温度の下限としては、100℃が好ましく、110℃がより好ましい。一方、この処理温度の上限としては、150℃が好ましく、140℃がより好ましく、130℃が更に好ましい。また、第1加圧工程における処理時間の下限としては、10分が好ましい。一方、この処理時間の上限としては、30分が好ましく、20分がより好ましい。第1加圧工程を上記処理温度及び処理時間で行うことで、後工程である第2加圧工程において加圧力を強めた際も面方向への広がりが生じ難い程度の十分な乾燥を行うことができる。また、このような処理温度及び処理時間とすることで、板状体27内にある程度の水分を残存させておくことができる。この残存した水分の存在により、第2加圧工程において、水分の存在によるCNF間の水素結合が効果的に生じ、単位体積当たりの水素結合点が多くなり、得られるCNF成形体をより高密度化及び高強度化することができる。
(第2加圧工程)
第2加圧工程は、第1加圧工程よりも高い圧力により、板状体27を厚さ方向に圧縮させる工程である。この第2加圧工程における板状体27の面方向への広がりは十分に抑制される。第1加圧工程と第2加圧工程は連続的に行うことができるが、第1加圧工程と第2加圧工程とは、段階的な圧力差を設けることが好ましい。圧力差を設けながら、連続的に段階的に行うことで、加熱された状態を保ったまま例えば第2加圧工程を行うことができ、乾燥効率が高いと共により高密度化を図ることができる。
第2加圧工程における加圧力の下限としては、10MPaが好ましく、12MPaがより好ましい。第2加圧工程における加圧力を上記下限以上とすることで、板状体27の厚さ方向への圧縮が十分に生じ、強度に特に優れるCNF成形体を得ることができる。一方、第2加圧工程における加圧力の上限としては、例えば50MPaであってよく、30MPaであってよく、20MPaであってもよい。第2加圧工程における加圧力を上記上限以下とすることで、加圧の際の板状体27の面方向への広がりをより確実性高く抑えることができる。
第2加圧工程における処理温度は、第1加圧工程と同様であってよい。また、第2加圧工程における処理時間は特に限定されず、これ以上の圧縮が進まない、あるいはこれ以上の乾燥が進まない状態となった時点で終了すればよい。
(後工程)
上記加圧工程を経ることで、CNF成形体を得ることができる。なお、加圧工程の後に、冷却工程や調湿工程等の更なる工程を設けてもよい。
(当該製造方法の利点等)
当該製造方法においては、加圧工程の際、板状体27の側面から板状体27内の水分が水又は水蒸気として放出していく。また、板状体27は、メッシュ状シート25、26及び多孔質シート23、24に挟まれた状態であるので、板状体27の上面及び下面からも、水分は放出される。当該製造方法によれば、第1加圧工程において、加熱しながら板状体27が厚さ方向に対して垂直な方向(面方向)に変形しない程度に弱く加圧することで、板状体27の変形を抑えつつ、乾燥を進めることができる。また、この第1加圧工程である程度の乾燥を進めた後、第2加圧工程で高い圧力により厚さ方向に圧縮することで、厚さ方向に対して垂直な方向(面方向)向への広がりが最小限に抑えられ、高密度化された高強度なCNF成形体を得ることができる。
また、加圧工程を板状体27を一対の多孔質シート23、24で挟持した状態で行うことで、加熱の際に発生する水蒸気が多孔質シート23、24を通じて排出され、効果的に乾燥を行うことができる。さらに、板状体27にパルプが含有されている場合、CNFのみの場合と比べて凝集性が低下するため、2段階で加圧することで高強度の成形体を得ることができるという当該製造方法の利点がより有効に享受できる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
以下の各種物性は、以下の評価方法に準じて測定した。
(擬似粒度分布曲線)
ISO−13320(2009)に準拠して、粒度分布測定装置(堀場製作所の粒度分布測定装置「LA−960S」)を用いて体積基準粒度分布を示す曲線を測定した。
(保水度(%))
セルロースナノファイバーの保水度(%)は、JAPAN TAPPI No.26:2000に準拠して測定した。
(弾性率(MPa))
CNF成形体の弾性率は、ISO14577に準拠したナノインデンテーション法により、以下の条件(25℃又は90℃)で測定し、算出した。
(硬度(MPa))
CNF成形体の硬度は、ISO14577に準拠したナノインデンテーション法により、以下の条件(25℃)で測定し、算出した。
[ナノインデンテーション法測定条件]
装置:Hysitron Inc.Triboindenter
圧子:Berkovich(三角錐型)
温度:25℃又は90℃
押し込み荷重:100mN(実施例及び参考例)
押し込み深さ:500nm(比較例)
押し込み速度: 20mN/sec.(実施例及び参考例)
押し込み速度:100nm/sec.(比較例)
(引張弾性率(MPa))
CNF成形体の引張弾性率は、JIS K7127:1999に準拠して測定した。試験片は、JIS−K6251で定める引張2号型ダンベル状とした。試験速度は、10mm/分とした。また、温度23℃又は90℃の環境下で測定した。
(引張強さ(MPa))
CNF成形体の引張強さは、JIS K7127:1999に準拠して測定した。試験片は、JIS−K6251で定める引張2号型ダンベル状とした。試験速度は、10mm/分とした。また、温度23℃の環境下で測定した。
(引張破壊ひずみ(MPa))
CNF成形体の引張破壊ひずみは、JIS K7127:1999に準拠して測定した。試験片は、JIS−K6251で定める引張2号型ダンベル状とした。試験速度は、10mm/分とした。また、温度23℃の環境下で測定した。
(密度)
CNF成形体の密度は、JIS−P−8118(1998年)に準拠して測定した。
[製造例]
原料パルプ(LBKP)に対し、予備叩解としてリファイナー処理し、次いで高圧ホモジナイザーで解繊(微細化)処理し、CNFのスラリー(水分散液:濃度2.2質量%)を得た。なお、リファイナー処理及び高圧ホモジナイザー処理は、いずれも複数回の循環処理を行った。得られたスラリーに含まれるCNFは、レーザー回折を用いた粒度分布測定の疑似粒度分布において1つのピークを有し(最頻値45μm)、保水度は343%であった。
[実施例1]
(準備工程)
製造例で得られたLBKPを原料とするCNFとパルプ(LBKP:未叩解パルプ)とを80:20の質量比で混合した固形分濃度2.3質量%のスラリーを調製した。なお、パルプは、濃度21.6質量%、フリーネス580mLの未叩解パルプ(LBKP)を使用した。
図2に示した直方形状の金属製の型枠11の底に紙13を敷き、次いでメッシュ状シート14を敷いた。紙13とメッシュ状シート14とは、共に型枠11の底面と同じ大きさにして用いた。紙13は、厚さ0.28mmのろ紙を用いた。メッシュ状シートは、目数300メッシュ、線径40μmのSUS316製のものを用いた。次いで、得られた上記CNFとパルプとの混合スラリーを型枠11内に充填し、その上に、メッシュ状シート、紙及び金属製の板状の蓋体16(底面積0.067m、質量8.0kg)をこの順に置いた。スラリーの上に重ねたメッシュ状シート及び紙は、先に敷いたメッシュ状シート及び紙と同じものである。
(予備脱水工程)
置いた蓋体16の重さにより、スラリー15は1.2kPaで加圧され、水が底から流出し始めた(脱水が開始された)。なお、この水は透明であり、CNFが流出していないことを目視にて確認した。この蓋体16の自重による加圧を初期工程とした。
その後、水の流出が弱まってきたタイミングで、蓋体16の上に重しを載せていき加圧力を高めていった。最終的にスラリー15に対して50.0MPaで加圧し、最終工程とした。初期工程から最終工程までの全脱水時間は60分であった。これにより、含水率54.2%に脱水された板状体が得られた。なお、初期工程から最終工程まで、CNFは流出していないことを目視にて確認した。
(加圧工程)
得られた上記板状体及び汎用の熱プレス機を用い、図3の状態にセットした。多孔質シート23、24としては、上記予備脱水工程で用いた紙と同様の新たな乾燥した紙を用いた。メッシュ状シート25、26は、上記予備脱水工程で用いたものをそのまま用いた。
第1加圧工程として、50kgf/cm(4.9MPa)の圧力、及び120℃の温度で15分加圧した。次いで、第2加圧工程として、150kgf/cm(14.7MPa)の圧力、及び120℃の温度で加圧した。これにより、板状体を厚さ方向に圧縮させ、実施例1のCNF成形体を得た。得られたCNF成形体は、面方向には広がっておらず、平面視で長方形状を維持していた。
得られたCNF成形体のナノインデンテーション法により算出された25℃における弾性率(E25)は9.0×10MPaであり、ナノインデンテーション法により算出された90℃における弾性率(E90)は7.6×10MPaであり、ナノインデンテーション硬度は4.6×10MPaであった。比(E90/E25)は0.84であった。また、得られたCNF成形体の密度は1.29g/cmであった。
[実施例2]
実施例1と同様の方法により、CNF成形体を得て、引張試験を行った。得られたCNF成形体の23℃における引張弾性率(T23)は16.3×10MPaであり、90℃における引張弾性率(T90)は12.0×10MPaであり、引張強さは1.1×10MPaであり、引張破壊ひずみは1.8%であった。比(T90/T23)は、0.74であった。また、得られたCNF成形体の密度は1.19g/cmであった。
[参考例1]
製造例で得られたLBKPを原料とするCNFのみを使用し、実施例1と同様の方法により、CNF成形体を得た。得られたCNF成形体のナノインデンテーション法により算出された25℃における弾性率(E25)は9.4×10MPaであり、ナノインデンテーション法により算出された90℃における弾性率(E90)は8.4×10MPaであり、ナノインデンテーション硬度は3.7×10MPaであった。比(E90/E25)は0.90であった。また、得られたCNF成形体の23℃における引張弾性率(T23)は18.4×10MPaであり、90℃における引張弾性率(T90)は12.6×10MPaであり、引張強さは1.5×10MPaであり、引張破壊ひずみは1.9%であった。比(T90/T23)は、0.68であった。また、得られたCNF成形体の密度は1.33g/cmであった。
[実施例4]
製造例で得られたLBKPを原料とするCNFとパルプ(LBKP:叩解パルプ)とを30:70の質量比で混合したこと以外は実施例1と同様の方法により、CNF成形体を得た。得られたCNF成形体のナノインデンテーション法により算出された25℃における弾性率(E25)は3.3×10MPaであり、ナノインデンテーション法により算出された90℃における弾性率(E90)は2.3×10MPaであり、ナノインデンテーション硬度は0.9×10MPaであった。比(E90/E25)は0.70であった。また、得られたCNF成形体の23℃における引張弾性率(T23)は9.6×10MPaであり、90℃における引張弾性率(T90)は7.8×10MPaであり、引張強さは0.7×10MPaであり、引張破壊ひずみは1.0%であった。比(T90/T23)は、0.81であった。また、得られたCNF成形体の密度は1.07g/cmであった。
[実施例5]
製造例で得られたLBKPを原料とするCNFとパルプ(LBKP:未叩解パルプ)とを80:20の質量比で混合し、実施例1から製造条件を変えて、密度の異なる成形体を得た。得られたCNF成形体のナノインデンテーション法により算出された25℃における弾性率(E25)は4.2×10MPaであり、ナノインデンテーション法により算出された90℃における弾性率(E90)は3.8×10MPaであり、ナノインデンテーション硬度は1.7×10MPaであった。比(E90/E25)は0.92であった。また、得られたCNF成形体の23℃における引張弾性率(T23)は14.5×10MPaであり、90℃における引張弾性率(T90)は10.6×10MPaであり、引張強さは1.0×10MPaであり、引張破壊ひずみは1.1%であった。比(T90/T23)は、0.73であった。また、得られたCNF成形体の密度は0.95g/cmであった。
[比較例1〜3]
ポリプロピレン(PP)フィルム(比較例1)、PPダンベル試験片(比較例2)及びアルミ箔(比較例3)についても同様にナノインデンテーション法により算出された弾性率(E25)等を測定した。測定値を表1に示す。表中の「−」は測定を行っていないことを示す。
Figure 2018115416
表1に示されるように、実施例1のCNF成形体は、高い弾性率を有し、この温度依存性が小さいことがわかる。さらにこれらのCNF成形体は、高い硬度、引張弾性率及び引張強さを有し、引張破壊ひずみも小さいことがわかる。
本発明のCNF成形体は、強度、熱安定性等に優れ、金属成形体、樹脂成形体、木材等に替わる材料等として用いることができる。
11 型枠
13 紙
14 メッシュ状シート
15 スラリー
16 蓋体
21、22 加熱板
23、24 多孔質シート
25、26 メッシュ状シート
27 板状体

Claims (4)

  1. セルロースナノファイバーを含むセルロース繊維を主成分とし、
    上記セルロース繊維が、パルプをさらに含み、
    上記セルロース繊維に占めるパルプの含有量が、0.1質量%以上70質量%以下であり、
    ナノインデンテーション法により算出された25℃における弾性率(E25)が3,000MPa以上20,000MPa以下であり、
    上記25℃における弾性率(E25)に対するナノインデンテーション法により算出された90℃における弾性率(E90)の比(E90/E25)が0.5以上であるセルロースナノファイバー成形体。
  2. 上記パルプが叩解パルプである請求項1に記載のセルロースナノファイバー成形体。
  3. 上記セルロース繊維に占めるセルロースナノファイバーの含有量が、50質量%以上である請求項1又は請求項2に記載のセルロースナノファイバー成形体。
  4. 密度が0.95g/cm以上1.5g/cm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のセルロースナノファイバー成形体。
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