JP6649117B2 - セルロース質部材および積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、セルロース質部材および積層体に関する。
従来、セルロースナノファイバーと、モンモリロナイト等のクレイ材料からなる板状ナノ粒子とを含むセルロースナノファイバー複合体が知られており、このような複合体では、強度を向上できることが記載されている(特許文献1参照)。
特開2013−10891号公報
しかしながら、特許文献1の複合体では、セルロースナノファイバーを用いる必要があり、セルロースナノファイバーの混合分散が困難であり、量産性に欠けるという課題があった。また、セルロースナノファイバーに添加されるクレイ材料からなる板状ナノ粒子は、強度が低いため、セルロースミクロフィブリルに適用した場合には、複合体の製造中に破損し易く、複合体の強度が未だ低いという課題があった。
本発明は、強度が高く、量産性を向上できるセルロース質部材および積層体を提供するものである。
本発明のセルロース質部材は、セルロース本体と、該セルロース本体の少なくとも一方の主面に配置された多孔質層部材とを有しており、前記セルロース本体は、セルロースミクロフィブリルを主成分とし、鱗片状のシリカおよび鱗片状のベーマイトのうち少なくとも1種からなる鱗片状セラミックスを含むことを特徴とする。
本発明の積層体は、上記のセルロース質部材に、接着層を介して表面部材を配置してなることを特徴とする。
本発明のセルロース質部材および積層体によれば、強度が高く、量産性を向上できる。
(a)は、セルロース質部材の実施形態を示す断面図、(b)はセルロース質部材の内側表面に表面部材を配置した積層体の断面図、(c)は(b)の一部を拡大して示す断面図である。 (a)〜(d)はセルロース質部材の製法を説明するための説明図である。 (a)〜(e)はセルロース質部材の他の製法を説明するための説明図である。 (a)は、外表面に多孔質層部材を有するセルロース質部材の他の実施形態を示した断面図、(b)はセルロース質部材の外側表面に表面部材を配置した積層体の断面図、(c)は(b)の一部を拡大して示す断面図である。
以下、セルロース質部材の実施形態について、図1を参照しつつ説明する。なお、本発
明は、以下の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
図1(a)は、セルロース質部材の断面図であり、このセルロース質部材は、断面が半円形のセルロース本体1の内側表面に、多孔質層部材3を有している。セルロース本体1は円筒を半割にした形状を有するとともに、セルロースを主成分とするもので、セルロースミクロフィブリルを主成分として含む。
セルロース本体1は、セルロースミクロフィブリル以外に、木材、竹などの植物からセルロースミクロフィブリルを製造する場合に原料の木材に含まれるヘミセルロース、リグニンを含むことができるが、ヘミセルロースは5%以下、特に2%以下、リグニンは5%以下、特に3%以下であることが望ましい。セルロース本体1中のセルロースミクロフィブリルは、全量中90質量%以上、特には95質量%以上含むことが望ましい。セルロース本体1に5質量%〜30質量%程度の熱硬化性樹脂を含浸させても良い。また、セルロース本体1の含水量は6質量%以下であることが望ましい。
セルロースミクロフィブリルとは、紙などの原料となるセルロース(パルプ)をボールミルやビーズミルなどメディアを用いた機械的な粉砕、あるいは高圧の水流を相互にあるいは個体に衝突させて機械的な粉砕を行い、ミクロフィブリル化したセルロース繊維である。ミクロフィブリル化とは、繊維の中のミクロフィブリル(微小繊維)が摩擦によって表面に現れて毛羽立ち、ささくれる現象である。
セルロース本体1は、セルロースミクロフィブリルを主成分とするものであるが、セルロースナノファイバーも含まれる場合がある。
セルロースミクロフィブリルの含有量は、レーザー光などを用いた粒度測定器で測定することができる。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)によりセルロース繊維の大きさを直接観察することができる。セルロースミクロフィブリルの直径は、1μm〜300μm程度である。
一方、セルロースナノファイバーとは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシルラジカル(TEMPO)などの薬品を用い、触媒反応などによりセルロースもしくはセルロースミクロフィブリルを構成する基本的な分子構造間の結合力を低下させ、セルロースもしくはセルロースミクロフィブリルを構成する基本分子が長さ方向に繋がった状態にまで最小化したものであり、直径が10nm〜100nmのものである。機械的な粉砕だけでは、この様な最小化は困難であり、紙などの原料となるセルロース(パル
プ)を機械的に粉砕したものが、セルロースミクロフィブリルである。
本発明において用いられるセルロースミクロフィブリルの原料セルロースの由来は限定されず、酢酸菌等の微生物、ホヤ等の動物、木材、竹等の植物由来のものが挙げられる。必要な量の確保が容易なことと地球環境保護の点から、植物由来のミクロフィブリルを用いるのが好ましい。
本発明におけるミクロフィブリルは、公知の方法で得ることができ、ミクロフィブリルの製造方法には限定されるものではない。例えば、セルロースミクロフィブリルはパルプを微細繊維化することにより得ることができる。ここでいうパルプは、クラフトパルプ、サルファイトパルプなど木材から化学処理して得られる化学パルプ、など種類は限定されない。
また、セルロース本体1には、鱗片状のシリカおよび鱗片状のベーマイトのうち少なくとも1種からなる鱗片状セラミックスを含んでいる。鱗片状のシリカとしては、例えば、面の最大幅が0.5〜5μmであり、粒子の最大厚みが50〜500nmのものを使用できる。鱗片状のベーマイトとしては、アスペクト比が40〜50であり、最大幅が3〜5μmのものを使用できる。
特に、鱗片状セラミックスの最大厚みが、50nm以上であることが望ましい。これによりセルロース本体1の強度を向上できる。
これらの鱗片状セラミックスの含有量は、セルロース本体1の全量中5質量%〜50質量%含有することができる。鱗片状セラミックスを全量中5質量%〜50質量%含有することにより、セルロース質部材の強度を向上できる。鱗片状のシリカの含有量は、例えば、セルロース本体1中のSi量を測定し、シリカ換算することにより測定することができる。一方、鱗片状のベーマイトの含有量は、セルロース本体1中のAl量を測定し、アルミナ換算することにより測定することができる。
本実施形態のセルロース質部材では、強度が高く、量産性を向上できる。すなわち、従来の特許文献1では、セルロースナノファイバーを用いるため、セルロースの含有量がわずかであっても粘度が高く取り扱いが困難であり、クレイ材料との混合後も、粘度が高く乾燥収縮量が大きいため量産性が低いためもっぱらフィルムとしての検討が行われているが、本実施形態では、セルロースナノファイバーよりも寸法が大きいセルロースミクロフィブリルを用いるため、取扱が容易であり、鱗片状セラミックスの混合も容易となり量産性を向上できる。
また、特許文献1では、セルロースナノファイバーにクレイ材料を添加しており、セルロースナノファイバーが微細であるため、強度が低いクレイ材料を添加しても、作製されたセルロース質部材の強度をある程度高く維持できるものの、上記したように量産性に欠ける。また、セルロースナノフアイバーは非常に微細で表面に水などの分子を多数吸着し膨張する性質があるため、肉厚形状や立体的な形状に加工することが困難である。
これに対して、本実施形態では、セルロースナノファイバーが集合一体化したセルロースミクロフィブリルを用い、セルロースミクロフィブリルの収縮時に破損しにくい、より強度の高い鱗片状セラミックスを用いている。これにより、特許文献1のようなクレイ材料では、セルロースミクロフィブリルの乾燥収縮時にクレイ材料が破損し、セルロース質部材の強度を高くできないが、本実施形態では、特許文献1よりも、肉厚形状や立体的な形状に加工し易く、セルロース質部材の量産性を向上できるとともに、強度を向上できる。
多孔質層部材3とは、耐熱性があり水分を透過できるものであれば良く、例えば、紙、織布、または不織布からなるものである。耐熱性は例えばガラス転移点が130℃以上あれば良い。紙パルプの他、アラミド等の樹脂繊維、ガラス繊維、炭素繊維等が用いられる。コストと環境保護の点からパルプ主体の材料を用いることが望ましい。多孔質層部材3は、セルロース本体1の少なくとも一方の主面の全面に配置されており、水分透過性を有する部分は、多孔質層部材3の全面に形成されていることが望ましい。また、水分透過性を有する部分は、多孔質層部材3に、放射状または格子状に形成されていてもよい。
この多孔質層部材3は、セルロース本体1内に少なくとも一部が埋設され、その表面の一部が、セルロース本体1の内側表面から突出し露出している。これにより、セルロース質部材の多孔質層部材3側の面は凹凸となっている。
多孔質層部材3は、厚みが50μm〜1mmで、開口部の径は5μm〜500μm、気孔率は20%〜50%であることが、水分の透過を制御できるという点から望ましい。
多孔質層部材3の厚みが50μm〜1mmであると、多孔質層部材3が適度な厚さであることに起因して水分の透過が容易となり、乾燥時間を短縮でき、生産性を向上できる。また、製品の厚み(丈)も増加せず、重量当たりの強度低下も低減できる。セルロース本体1の厚さに対する多孔質層部材3の厚さの比率は0.05〜0.5が望ましい。
多孔質層部材3の開口部の径が5μm〜500μmであると、開口部の径が小さすぎることによりセルロースミクロフィブリルが開口部を閉塞することを低減し、開口部の径が大きすぎることによるセルロースミクロフィブリルの開口部への浸入による閉塞を低減し、水分の透過を十分に行うことができる。
多孔質層部材3の気孔率は20%〜50%であると、プレスにより気孔がつぶれたとしても、水分の透過を十分に行うことができる。
多孔質層部材3を構成する材料も、吸水性があれば、水分の透過性は更によくなる。吸水性がある材料としてはアラミド、ポリイミド、セルロース(紙)、セロハンなどが好適に用いられる。環境保護の観点から紙類を用いることが望ましく、通気性と取扱いのしやすさ(破れにくさやしなやかさ)の観点から和紙が好適に用いられる。
ここでいうセルロース本体1とは、例えば、セルロースミクロフィブリルと、ヘミセルロース、リグニンおよび水分を含む。主成分はセルロースミクロフィブリルであり、機械的粉砕によりセルロースもしくはセルロースミクロフィブリルを構成する基本分子が長さ方向に繋がった状態にまで微細化されたセルロースナノフアイバーが含まれても良い。セルロースナノフアイバーはセルロース本体の3質量%以下含まれていても良い。生産性や硬化物の耐湿性を高くするためには1質量%以下であることが望ましい。
多孔質層部材3は、セルロース本体1の少なくとも一方の主面に膜状または層状に形成されており、セルロースナノフアイバーあるいはヘミセルロースやリグニンなどの効果により、セルロース本体1と接着している。接着力が必要な場合はセルロース本体1と多孔質層部材3の間に接着剤を塗布しても良い。また、多孔質層部材3を除去する場合はセルロースナノフアイバーあるいはヘミセルロースやリグニンの含有量を少なくして、セルロース本体1との接着力を弱くし、多孔質層部材3を除去しやすくすることもできる。
図1(b)は、セルロース質部材の多孔質層部材3側の面に、すなわち、セルロース質部材の内側表面に接着層5を介して表面部材7を接着してなる積層体を示すもので、図1(c)は、図1(b)の一部を拡大して示す断面図である。
接着層5を構成する接着剤は、多孔質層部材3の開口部に入り込み、セルロース質部材に表面部材7を接着している。これにより、セルロース質部材に表面部材7を強固に接着できる。
表面部材7は、樹脂製、金属製、セラミックス製の部材を用いることができる。この場合には、接着剤による接着力を高くする効果がある。多孔質層部材3を除去した場合でも、セルロース本体1に多孔質層部材3の一部が残存し、あるいは凹部として痕跡が残るので、表面部材7のセルロース質部材への接着力を向上できる。
また、表面部材7の形状や機能等も問わないものであり、表面部材7を適用する各種装置の形態に応じたものであればよいが、露出する表面は、自動車等の車両の車体表面部で
あるのが特に望ましい。本発明の積層体には、セルロース質部材が用いられているので、強度が高く軽量である。そのため、車体に要求される強度や重量の基準を満たすことができる。さらに、軽量であるため、燃費も向上できる。
本発明の積層体は、上記の車両用として用いるほか、冷蔵庫などの電化製品の外板や、建築用の舗装材や内装材、本棚などの事務用品、机などの家具など、高い意匠性が求められる部材として用いることができる。
積層体は、さらに、表面部材7の表面に塗装された表面塗装層を形成してもよい。積層体の形状は任意に選択できる。また、多孔質層部材3はセルロース本体1の少なくとも一方の主面に配置されていればよく、セルロース本体1のどちらの面に形成するかは任意に選択できる。また、多孔質層部材3はセルロース本体1の両主面に配置されていても良い。
次に、セルロース質部材の製法について、図2を用いて説明する。先ず、図2(a)に示すように、水とセルロース(セルロースミクロフィブリルを主成分とする)と鱗片状セラミックスとを含有する分散液11を容器に入れ、分散液11の表面に、紙、不織布、織布などの通気性(水分透過性)の多孔質層部材3を配置する。分散液11におけるセルロースの濃度は0.5質量%〜5質量%、特には1.5質量%〜2.5質量%程度が望ましい。
この後、図2(b)に示すように、30℃〜70℃に保持された乾燥機で所定の水分量以下、例えば、7%以下に乾燥させ、板状の固形体14を得る。水分量は、真空中で試料を120℃24時間加熱して処理前後の重量を測定することにより測定することができる。この時、分散液11の表面に多孔質層部材3を配置すると乾燥時の変形や割れを防止できる。
すなわち、分散液11中の水分は、先ず表面から蒸発していくため、分散液11の表面は水分量が少なくなり収縮するのに対して、底部は水分量が多く収縮量が少なくなる。この乾燥状態が異なることに起因して、セルロース本体1には変形やクラックが発生し易い。しかし、多孔質層部材3が表面の収縮を抑制することで、変形やクラックの発生を抑制できる。特に、セルロースミクロフィブリルを主成分とする場合には、乾燥時の収縮量が大きくなるが、強度の高い鱗片状セラミックスを添加することによって、収縮量が低減でき、乾燥工程での変形やクラックの発生を抑制できる。また、分散液11からの水分の蒸発量は場所により異なるが、多孔質層部材3で水分の蒸発量を均一化することでも、変形やクラックの発生を抑制できる。さらには、多孔質層部材3が補強層としての機能を有することでも、変形やクラックの発生を抑制できる。
これにより、セルロースの含有量が多く、強度が高い材料の場合でも加工時の変形を抑制できることで材料の加工性を確保し、このため高強度の部材の生産性を向上できる。
なお、容器に入れて乾燥する方法の代りに、フィルタープレスなどで水分量40%〜70%程度まで水分を減らしたセルロースの板を形成し、その後で、乾燥しても良い。
この後、図2(c)に示すように、下型13の上に、上面に多孔質層部材3を有する固形体14を配置し、上型15でプレスし、図2(d)に示すように、固形体14を加圧して所定形状に成形する。固形体14中の水分は、多孔質層部材3を通過して放出される。プレスは一回でも良いが、複数回に分けて行うとクラックを防止できる。プレス圧力は0.1MPa〜50MPaとすることができる。プレスの加圧状態での保持時間は1分〜5分程度である。
プレスは、80℃〜150℃の少なくとも一回のホットプレスを含む。この温度で固形体14中の水分が蒸発し、多孔質層部材3を通って外部に排出される。ホットプレスの加圧状態での保持時間は10分〜120分程度である。これにより、固形体14の水分量は6%以下まで低減でき、図2(d)に示すような所定の形状のプレス成形品を得ることができる。
下型13および上型15の少なくとも一方には、水蒸気を排出するための溝や孔を形成しても良い。この溝は放射状または格子状に形成できる。また、下型13および上型15の形状は任意に選択できる。
図3は、セルロース質部材の他の製法を説明したもので、図2の製法と異なる点は、一旦乾燥した固形体14に吸水させる点である。吸水させた時の固形体14中の水分量は、例えば、30%〜70%である。該吸水させた固形体14を下型13および上型15を用いて成形する。分散液11を一度乾燥させても、改めて吸水させることでプレスによる成形が容易な固形体14が得られる。
この方法は製造工程途中での材料の保管が容易になるという特長がある。吸水したセルロースミクロフィブリルはカビや雑菌の繁殖を防止するため冷蔵保管が必要な場合が多い。分散液11を一度乾燥させて乾燥した固形体14にすると、冷蔵保管が必要なくなり、かつ、水分を含まない分軽量なので保管が容易になる。
なお、図2、3では、セルロース質部材に多孔質層部材3を残存させた形態について説明したが、セルロース本体1から多孔質層部材3を除去しても良い。
図4(a)は、セルロース質部材の断面図であり、このセルロース質部材は、断面が半円形のセルロース本体1の外側表面に、多孔質層部材3を有している。さらに、図4(b)(c)は、積層体の断面図であり、セルロース質部材の多孔質層部材3側の面に、すなわち、外面に、接着層5を介して表面部材7が配置されている。このような積層体であってもよい。
なお、セルロース本体1の形状は半円筒状に限定されるものではなく、例えば、平板条、曲面状であっても良いことは勿論である。
水とセルロース(セルロースミクロフィブリルを主成分とする)と鱗片状セラミックスとを含有する分散液を作製した。分散液11におけるセルロースの濃度は2質量%であった。
セルロースは、広葉樹を原料とするパルプと水を混合し高圧で衝突させて微細化したものである。不純物としてのヘミセルロース、リグニンをそれぞれ1%以下含有しており、不可避の水分を含んでいるものを用いた。
鱗片状セラミックスとしては、表1に記載したものを用いた。鱗片状のシリカとしては、粒子の平面方向の平均直径2μmと平均厚み0.2μm、アスペクト比10を用い、鱗片状のベーマイトとしては、粒子の平面方向の平均直径4μmと平均厚み0.09μm、アスペクト比45、モンモリロナイトとしては、それぞれ粒子の平面方向の平均直径0.5μm、平均厚み1nm、アスペクト比500のものを用い、サポナイトとしては、粒子の平面方向の平均直径50nm、平均厚み1nm、アスペクト比50のものを用いた。平均
直径と平均厚みは、最大直径と最大厚みを測定し、平均値とした。
この分散液の表面に、紙製(障子紙)の多孔質層部材を配置した。この後、40℃に保持された乾燥機で水分量が20%以下になるまで乾燥させ、板状の固形体を得た。
この後、下型の上に、上面に多孔質層部材を有する固形体を配置し、上型でプレスし、固形体を加圧して所定形状に成形した。
この成形体の断面において、鱗片状セラミックスを顕微鏡にて観察し、測定したところ、添加したものと同じ、平均直径および平均厚みを有していた。
また、成形体中のシリカ、ベーマイトの含有量は、成形体中のSiまたはAl量を測定し、シリカ、アルミナに換算したところ、添加した量と同じであった。
得られたセルロース質部材について、引張強度を測定した。引張試験は、引張試験機(Shimadzu AG-IS)、引張速度:1.0mm/min、スパン長:30mm、試験片幅:5mmの条件で実施した。その結果を表1に記載した。
Figure 0006649117
この表1から、セルロースミクロフィブリルを主成分とし、鱗片状セラミックスを用いた試料No.2〜22は、鱗片状セラミックスを添加しなかった試料No.1、およびモンモリロナイト、サポナイトを用いた試料No.23、24と比較して、引張強度が大きいことがわかる。
1 セルロース本体
3 多孔質層部材
5 接着層
7 表面部材
11 分散液
14 固形体

Claims (6)

  1. セルロース本体と、該セルロース本体の少なくとも一方の主面に配置された多孔質層部材とを有しており、前記セルロース本体は、セルロースミクロフィブリルを主成分とし、鱗片状のシリカおよび鱗片状のベーマイトのうち少なくとも1種からなる鱗片状セラミックスを含むことを特徴とするセルロース質部材。
  2. 前記鱗片状セラミックスを、全量中5質量%〜50質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のセルロース質部材。
  3. 前記鱗片状セラミックスの厚みが50nm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロース質部材。
  4. 前記セルロース本体は、断面が半円形であり、前記多孔質層部材は前記セルロース本体の内側表面に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載のセルロース質部材。
  5. 前記多孔質層部材は、前記セルロース本体の前記内側表面から突出していることを特徴とする請求項4に記載のセルロース質部材。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれかに記載のセルロース質部材に、接着層を介して表面部材を配置してなることを特徴とする積層体。
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