JP2018115348A - 粘着剤層及び粘着フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクリル系ポリマーが、(A)アルキル(メタ)アクリレートモノマーと、脂環族含有モノマーと、分岐構造アルキル基含有モノマーとからなるモノマー群の合計100重量部と、(B)水酸基含有共重合性ビニルモノマーの0.1〜3.5重量部を共重合して得られた共重合体で、(A)がブチル(メタ)アクリレートを30〜100重量部の割合で含有し、芳香族基を有する(メタ)アクリレートモノマー及びカルボキシル基含有共重合性ビニルモノマーを含有せず、アクリル系ポリマーの酸価が0.1以下であり、架橋剤としてイソシアネート化合物0.01〜1.5重量部と、シランカップリング剤0.01〜2.0重量部の割合で含有し、ゲル分率が40〜75%である。
【選択図】なし
Description
また、特許文献4、5には、静電容量式のタッチパネルの誤認識を防ぐために、その積層構造の中に低誘電率膜を積層することや、静電容量センサの配線ラインに低誘電率の部材を設けることが記載されているが、使用する低誘電率の部材の製造方法は、具体的に示されていない。
これらの、従来技術における要求事項および問題を克服した、光学部材の貼合に使用できる粘着剤層及び粘着フィルムが必要とされている。
本発明に係わる粘着剤層は、特に、上下2つの偏光板14,15を、液晶パネル20に貼り合わせるのに好適に使用される。具体的には、本発明に係わる粘着剤層は、偏光板14と、タッチセンサー10が付いたガラス基板11(ITOガラスとも呼ぶ)との貼り合わせ、及び偏光板15と、TFT電極17が付いたガラス基板12(TFTガラスとも呼ぶ)との貼り合わせに、特に好適に使用できる。
(メタ)アクリロキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシランなどが挙げられる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
また、前記有機官能基を含み、オリゴマー化したアルコキシオリゴマー(シリコーンアルコキシオリゴマー)なども、シランカップリング剤として用いることができる。
粘着剤層の形成に用いる基材フィルムや、粘着面を保護する離型フィルム(セパレーター)としては、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム等を用いることができる。
基材フィルムには、樹脂フィルムの粘着剤層が形成された側とは反対面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤やコート剤、シリカ微粒子等による防汚処理、帯電防止剤の塗布や練り込み等による帯電防止処理を施すことができる。
1つの粘着剤層の両面に、それぞれ離型フィルムの離型処理が施された面を合わせることで、「離型フィルム/粘着剤層/離型フィルム」の構成とすることもできる。この場合、両側の離型フィルムを、順次、あるいは同時に剥離して粘着面を表出することにより、光学フィルム等の光学部材と貼合可能になる。光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、防眩(アンチグレア)フィルム、紫外線吸収フィルム、赤外線吸収フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。
また、これらの光学フィルムの少なくとも一方の面に、前記粘着剤層が積層されている粘着剤層付き光学フィルムとすることができる。具体的には、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層」、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」、「離型フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」等の構成が挙げられる。
例えば、「光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」のように、離型フィルムで保護された粘着剤層を有する場合、離型フィルムを剥がして、「光学フィルム/粘着剤層」のように粘着剤層を表出させ、他の光学フィルムと貼合することにより、粘着剤層が層間の貼合に用いられた「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」のような構成が得られる。
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置にブチルアクリレート100重量部、8−ヒドロキシオクチルアクリレート0.2重量部とともに溶剤(酢酸エチル)を60重量部加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で6時間反応させ、実施例1に用いるアクリル系ポリマー溶液1を得た。アクリル系ポリマーの一部を採取し、後述する酸価の測定試料として用いた。
[実施例2〜4及び比較例1〜3]
モノマーの組成を各々、表1の(1)群及び(2)群の記載のようにする以外は、上記の実施例1に用いるアクリル系ポリマー溶液1と同様にして、実施例2〜4及び比較例1〜3に用いるアクリル系ポリマー溶液を得た。
[実施例1]
上記のとおり製造した実施例1のアクリル系ポリマー溶液1に対して、コロネートL(トリレンジイソシアネート(TDI)化合物のトリメチロールプロパン(TMP)アダクト体の75%酢酸エチル溶液)0.2重量部、KBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.05重量部を加えて撹拌混合して実施例1の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を、離型フィルム(シリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)の上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去した後、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングすることにより、粘着剤組成物を架橋してなる厚み25μmの粘着剤層を、離型フィルムの片面上に有する、実施例1の粘着フィルムを得た。
[実施例2〜4及び比較例1〜3]
添加剤の組成を各々、表1の(3)群及び(4)群の記載のようにする以外は、上記の実施例1の粘着フィルムと同様にして、実施例2〜4及び比較例1〜3の粘着フィルムを得た。
なお、(2)群は、水酸基含有共重合性ビニルモノマーであるが、比較例1,3においては、水酸基含有共重合性ビニルモノマーと、カルボキシル基含有共重合性ビニルモノマーとからなるモノマー群である。(3)群は、架橋剤である。(4)群は、シランカップリング剤である。
実施例1〜4及び比較例1〜3における粘着フィルムから、離型フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして、粘着剤層を表出させ、偏光板(フィルム)の片面に粘着剤層を転写した。
厚み180μmの偏光板(フィルム)の片面に、厚み25μmの粘着剤層を転写して、試料となる粘着フィルム(粘着剤層付き光学フィルム)を得た。
得られた粘着フィルムを、無アルカリガラスのアセトンで洗浄した非錫面に圧着ロールで貼り合わせ、50℃、0.5MPa×20分間の条件でオートクレーブ処理した後、23℃×50%RHの雰囲気下に戻し、1時間経過させた。その後の粘着フィルムの剥離強度を、引張試験機によって、JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定し、180°方向に300mm/minの速度で剥離した時の剥離強度を、粘着フィルムの粘着剤層の粘着力(N/25mm)とした。
アクリル系ポリマーの酸価は、試料を溶剤(ジエチルエーテルとエタノールを体積比2:1で混合したもの)に溶かし、電位差自動滴定装置(京都電子工業製、AT−610)を用いて、0.1上記電位差滴定装置を用い、濃度が約0.1mol/lの水酸化カリウムエタノール溶液で電位差滴定を行い、試料を中和するために必要な水酸化カリウムエタノール溶液の量を測定した。そして、下記式より、酸価を求めた。
酸価=(B×f×5.611)/S
B=滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f=0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S=試料の固形分の質量(g)
エージング終了後、偏光板に貼り合わせる前の測定試料の質量を正確に測定し、トルエン中に24時間浸漬後、200メッシュの金網で濾過する。その後、濾過物を100℃、1時間乾燥した後、残渣の質量を正確に測定して、以下の式から粘着剤層(架橋後の粘着剤)のゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=不溶部分質量(g)/粘着剤質量(g)×100
粘着力の測定と同様の方法で作成した10cm角の粘着フィルムを、同様の方法で無アルカリガラスの非錫面に貼り合わせて作成した試料を、所定の雰囲気(80℃dry雰囲気、または60℃×90%RHの雰囲気)下に250時間放置後、23℃×50%RH雰囲気下に取り出し、1時間後に粘着フィルムの状態を目視で観察して耐久性を判断した。
○・・粘着フィルムの剥がれ及び発泡が全くない。
△・・粘着フィルムの一部に剥がれ及び発泡が発生している。
×・・粘着フィルムの全体に剥がれ及び発泡が発生している。
厚みが1000μmの粘着剤層を、測定試料とした。LCRメーターを使用し、測定試料をLCRメーターの治具に挟み、100〜200kHzの周波数で比誘電率及び誘電損失を測定した。
厚みが20μmの粘着剤層が片面積層された偏光板を、オンセルパネル(TOD、Touch On Display)に貼り合わせた後、偏光板の表面からタッチ操作を行ない、タッチ操作する場所を変えて行った場合の応答反応性を調べ、次の基準で評価した。
○・・応答反応性が良好。
×・・応答反応性が不良。
粘着力の測定と同様の方法で作成した10cm角の粘着フィルムを、同様の方法で無アルカリガラスの非錫面に貼り合わせて作成した試料を、70℃の雰囲気下に10日間放置後、23℃の雰囲気下に取り出し、1時間放置後の粘着フィルムの粘着力を測定してリワーク性を判断した。
○・・70℃×10日後の粘着力が1.5〜10N/25mmである。
△・・70℃×10日後の粘着力が10N/25mmより大きいが、20N/25mm以下である。
×・・70℃×10日後の粘着力が20N/25mmより大きい(剥がすことができない)。
Claims (9)
- アクリル系ポリマーと、架橋剤と、シランカップリング剤とを含む粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層であり、
前記アクリル系ポリマーが、
(A)アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、脂環族含有モノマーと、分岐構造アルキル基含有モノマーとからなるモノマー群の少なくとも1種以上の合計100重量部と、
(B)水酸基含有共重合性ビニルモノマーの0.1〜3.5重量部を共重合して得られた共重合体であり、
前記(A)の合計100重量部が、ブチル(メタ)アクリレートを30〜100重量部の割合で含有し、
前記(B)水酸基含有共重合性ビニルモノマーが、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、からなる化合物群の中から選択された少なくとも一種以上であり、
前記アクリル系ポリマーが、芳香族基を有する(メタ)アクリレートモノマー及びカルボキシル基含有共重合性ビニルモノマーを含有せず、
前記アクリル系ポリマーの酸価が0.1以下であり、
前記(A)の合計100重量部に対して、前記架橋剤としてイソシアネート化合物0.01〜1.5重量部と、前記シランカップリング剤0.01〜2.0重量部の割合で含有し、
前記粘着剤層のゲル分率が40〜75%であることを特徴とする粘着剤層。 - 基材の片面上に、請求項1に記載の粘着剤層が積層されていることを特徴とする粘着フィルム。
- 偏光板と、液晶パネル又は有機ELパネルとの貼り合わせに用いられていることを特徴とする請求項2に記載の粘着フィルム。
- 離型フィルムの片面に、請求項1に記載の粘着剤層が、厚みが1μm〜25μmで形成されてなり、離型フィルム/粘着剤層/離型フィルムの構成であることを特徴とする粘着フィルム。
- 光学フィルムの少なくとも一方の面に、請求項1に記載の粘着剤層が積層されていることを特徴とする粘着剤層付き光学フィルム。
- 偏光板の片面に、請求項1に記載の粘着剤層が積層されていることを特徴とする粘着剤層付き偏光板。
- 前記粘着剤層が、λ/4又はλ/2の位相差を持つ位相差フィルムと、前記偏光板との貼り合わせに使用されていることを特徴とする請求項6に記載の粘着剤層付き偏光板。
- 請求項6に記載の粘着剤層付き偏光板が用いられていることを特徴とする液晶パネル。
- 請求項6に記載の粘着剤層付き偏光板が用いられていることを特徴とするオンセルパネル。
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