JP2018115274A - 熱硬化性樹脂組成物及び複合構造物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物並びに/又はビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(化合物A)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用して硬化させる工程で使用される熱硬化性樹脂組成物であって、
さらに、光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用することができる熱硬化性樹脂組成物、及び、
〔2〕部材1及び部材2を熱硬化性薄膜を介して固定する工程を含む部材1及び/又は部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
前記部材1と前記部材2の対向する面内に前項〔1〕記載の熱硬化性樹脂組成物を配置する工程1と、
前記工程1の後、前記熱硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程2と、
前記工程2の後、前記熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させる工程3とを有する複合構造物の製造方法(以下、本発明2ともいう)である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、本発明ともいう)は、ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物並びに/又はビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(以下、まとめて化合物Aという)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用して硬化させる工程で使用される熱硬化性樹脂組成物であって、
さらに、光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用することができる熱硬化性樹脂組成物である。
さらに、光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用される熱硬化性樹脂組成物(以下、本発明1という)である。
なお、以下では、本発明を本発明1等という。
(化合物A)
本発明1等における化合物Aは、ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物並びに/又はビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であり、熱硬化性樹脂の高温安定性、部材密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、ビニル基及びヒドロシリル基以外の反応性基を有さないことが好ましい。
ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物との反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性、部材密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、ビニル基を有するシロキサン化合物として、好ましくは、例えば、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有する下記一般式(1);
R4−nSiOn/2 (1)
(式(1)中、Rは、ケイ素原子に結合した置換又は非置換の一価炭化水素基であり、好ましくは不飽和炭化水素基、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基;及びベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基及びヘプテニル基等のアルケニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の不飽和炭化水素基であり、更に好ましくは炭素原子数が1〜12、更に好ましくは炭素原子数が1〜8のもの不飽和炭化水素基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基、アリル基であり、nは1以上4以下の整数であり、好ましくはn=3である)で表される分岐構造を有するオルガノポリシロキサンである。
ビニル基を有するシロキサン化合物との反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性、部材密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物として、好ましくはヒドロシリル基を有する環状シロキサン及び/又は直鎖状ポリシロキサンである。
ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、メチルフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリメチルフェニルシロキサン等が挙げられ、より好ましくは、
ジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリシロキサン、さらにはジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリジメチルシロキサンを好適に用いることができ、具体的に例えば、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサンが挙げられる。
1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−1,3,5−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等が挙げられ、より好ましくは、
1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
化合物Aは、ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であってもよく、例えば、下記式(2):
X−40−2667A(ビニル基及びヒドロシリル基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)が挙げられる。
本発明1等は、化合物Aの有するビニル基の光ラジカル重合反応を利用して光硬化するが、光硬化反応をより円滑に進行させるためには、光ラジカル重合開始剤である化合物Bを含むことが好ましい。
紫外線重合開始剤としては、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、及びアセトフェノン系等が挙げられ、
可視光重合開始剤にはアシルホスフィンオキサイド系、チオキサントン系、メタロセン系、及びキノン系等が挙げられる。
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、及びビスジエチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系重合開始剤;
2,2−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン系重合開始剤;
ベンジル、ベンゾイン、及びベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン系重合開始剤;
ベンジルジメチルケタールなどのアルキルフェノン系重合開始剤;チオキサントンなどのチオキサントン系重合開始剤;
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1―プロパン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤が挙げられる。
カンファーキノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン−1などのケトン系重合開始剤等が挙げられる。
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(IRGACURE1173、BASF社製)、その2量体(IRGACURE127、BASF社製)及びその2量体超の多量体(ESACURE KIP 150、Lamberti社製)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184、BASF社製)並びにビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE819、BASF社製)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が更に好ましく、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(IRGACURE1173、BASF社製)、その2量体(IRGACURE127、BASF社製)及びその2量体超の多量体(ESACURE KIP 150、Lamberti社製)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が更に好ましい。
α−ヒドロキシケトン系光ラジカル重合開始剤がより好ましく(例えば実施例1〜9)、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン構造を分子中に1以上有するα−ヒドロキシケトン系光ラジカル重合開始剤が更に好ましく(例えば実施例1〜7)、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン構造を分子中に2以上有するα−ヒドロキシケトン系光ラジカル重合開始剤が更に好ましい(例えば実施例1〜3)。
本発明1等は、化合物Aの有するヒドロシリル基のヒドロシリル化反応を利用して熱硬化するが、ヒドロシリル化反応をより円滑に進行させるためには、ヒドロシリル化反応用触媒である化合物Cを含むことが好ましい。
遷移金属系では、白金系、パラジウム系、ロジウム系、ルテニウム系等が好ましく、
非遷移金属系では、C5H5−Fe−CH3(CO)2で示される鉄錯体化合物、鉄またはコバルトのカルボン酸塩とイソシアニドの混合物を挙げることができるが、
反応効率の観点から白金系触媒がより好ましい。
本発明1等は、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて、任意にその他の化合物、例えば、化合物A以外のシロキサン化合物、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、離型剤等の各化合物を含むことができる。
本発明1等は化合物A、好ましくは化合物A及びB又は化合物A、B及びCを含むが、熱硬化性樹脂の光硬化及び熱硬化の速さと強度を考慮すると、化合物A100質量部に対して、
化合物Bは好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.3〜10質量部、更に好ましくは0.5〜7質量部であり、
化合物Cは触媒としての有効量であればよいが、好ましくは白金族金属元素の質量換算で0.1〜1000ppm、好ましくは1〜200ppm、好ましくは3〜100ppmである。
本発明1等は、液状である本発明1等を一方の部材(以下、部材1ともいう)面と、他方の部材(以下、部材2ともいう)面とに接触して部材1及び部材2を硬化した本発明1等を介して固定するために使用され、部材1の面と部材2の面に液状の本発明1等を配置した後に本発明1等に光照射して本発明1等を光硬化させて部材1と部材2を仮固定し、さらに光硬化した本発明1等を加熱して熱硬化させて部材1と部材2を本固定する態様が想定されている。
(1)手順1:部材1(縦26mm、横76mm、厚み1mmの無色透明なスライドガラス基板)の面上に液状の本発明1等を0.2g滴下し、液滴状の本発明1等の上に部材2(3×10cmに切った厚み50μmのポリイミドフィルム又は厚み125μmのポリエチレンナフタレートフィルム)を貼り合せ、ゴムローラーで約1kgの力をかけながら部材2上を5往復して液状の本発明1等を部材1の面全体に伸ばして、部材1、熱硬化性薄膜及び部材2が積層された硬化前積層体を製造する。
(4−2)照射条件1では固化又はゲル化していないが増粘し、照射条件2では固化 又はゲル化している 〇
(4−3)照射条件1では固化又はゲル化も増粘もしておらず、照射条件2では固化 又はゲル化していないが増粘している △
(4−4)照射条件1及び2で固化又はゲル化も増粘もしていない ×
(1)手順3’:上記手順1及び2で得た光硬化後積層体をオーブンに入れ、150℃30分の熱養生を行ない、光硬化後積層体柱の熱硬化性薄膜が熱硬化した熱硬化後積層体を得る。
(2−1)部材1と部材2の全領域で密着固定している 〇
(2−2)部材1と部材2の一部に剥離が見出された △
(1)部材1:スライドガラス(S1127(松浪ガラス社))
(2)部材2
(2−1)ポリイミドフィルム:ユーピレックス50S(宇部興産社、厚さ50μm)
(2−2)ポリエチレンナフタレートフィルム:テオネックスQ65HA(帝人デュポン社、厚さ125μm)
(3)ゴムローラー:SN−版画ゴムローラー1号
(4)光照射装置:メタルハライドランプ(ECS−301(アイグラフィックス社))
(5)オーブン(LC113(ESPEC社))
フィルムを2mm×2mm程度の大きさに複数枚切りとり、それらをTGA測定専用のアルミパンの中に約10mgとなるように入れて蓋をする。これをTGA(METTLER TOLEDO社製、TGA/DSC1)に入れてから、10℃/minで昇温しT℃で1時間保持後の減量を測定、減量率を計算する。
部材1がガラス、部材2がポリエーテルイミド樹脂の場合、
部材1がガラス、部材2がポリベンゾオキサゾール樹脂の場合、
部材1がガラス、部材2がポリエーテルイミド樹脂の場合、
部材1がガラス、部材2がアルミやステンレスなどの金属の場合、
部材1がアルミやステンレスなどの金属、部材2がポリイミドフィルムの場合、
等が挙げられる。
本発明2は、部材1及び部材2を熱硬化性薄膜を介して固定する工程を含む部材1及び/又は部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
前記部材1と前記部材2の対向する面内に液状の本発明1等を配置する工程1と、
前記工程1の後、前記熱硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程2と、
前記工程2の後、前記熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させる工程3とを有する複合構造物の製造方法である。
工程1で、部材1又は部材2上に熱硬化性薄膜を形成する方法としては、手順1で挙げたような液状の本発明1等を滴下して好ましくは0.01〜5MPaの圧力下で圧延する方法の他に、液状の本発明1等をスピンコート法、スリットコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法等で塗工する方法が挙げられる。スピンコート法では、例えば、回転速度が5000〜7000rpm、好ましくは5000〜6000rpm、加速度が500〜15000rpm/秒、回転時間が30〜300秒という条件のもと、熱硬化性樹脂組成物層をスピンコーティングする方法が挙げられる。
工程2では、硬化前積層体中の熱硬化性薄膜の光ラジカル重合性を利用して熱硬化性薄膜を光照射して光硬化させて光硬化後積層体を得る。
工程3では、光硬化後積層体に形成されている熱硬化性薄膜を熱硬化させて部材1、熱硬化薄膜及び部材2で構成される硬化後積層体を得る。
本発明2は、硬化後積層体を構成する部材1又は部材2をさらに後加工する工程を含んでよい。
工程3で得られた硬化後積層体及び/又はその後加工体を使用してもよく、
硬化後積層体又はその後加工体から部材1又は部材2を熱硬化薄膜から剥離して、剥離された部材1及び/又は部材2を使用しても、熱硬化膜と部材1又は部材2との積層体又はこれらの後加工体を使用してもよい。
ル、シクロドデセン、1−tert−ブチル−3,5−ジメチルベンゼン、ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグライム等のアルコール/エーテル類、炭酸エチレン、酢酸エチル、酢酸N−ブチル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等のエステル/ラクトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド/ラクタム類が挙げられる。
(1)化合物A
(1−1)化合物a1:X−40−2667A(ビニル基及びヒドロシリル基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)
(2−1)化合物b1:ESACURE KIP 150(Lamberti社)(Oligo[2−hydroxy−2−methyl−1−[4−(1−methylvinyl)phenyl]propanone] オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン])
(2−2)化合物b2:IRGACURE127(BASF社)(2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン)
(2−3)化合物b3:IRGACURE1173(BASF社)(2−Hydroxy−2−methyl−1−phenyl−propan−1−one)
(2−4)化合物b4:IRGACURE184(BASF社)(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(2−5)化合物b5:IRGACURE TPO(BASF社)(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)
(2−6)化合物b6:IRGACURE819(BASF社)(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)
(2−7)化合物b7:IRGACURE369(BASF社)(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
(2−8)化合物b8:IRGACURE651(BASF社)(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)
(2−9)化合物b9:ESACURE TZT(Lamberti社)(2,4,6Trimethylbenzophenone−4Methylbenzophenone (2,4,6トリメチルベンゾフェノン−4メチルベンゾフェノン)
(3−1)化合物c1:X−40−2667B(CAT−PH)(ビニル基及びヒドロシリル基を有さず非反応性のメチル・フェニル置換型シロキサン化合物中に白金系触媒が添加されている)、信越化学工業社)
(1)各実施例及び比較例の熱硬化性樹脂組成物について、それぞれの化合物を、化合物Aを50gとして表1記載の質量部の割合で、まず化合物A及びBを、容器(容量200ml、材質SUS)に投入し、撹拌温度60〜80℃、大気圧下にてスリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で30分〜1時間攪拌した後室温(25℃)まで自然冷却し、さらに化合物Cを投入し、室温(25℃)、大気圧下にてスリーワンモーター(新東科学社製)を使用して30分〜1時間攪拌して実施例1〜14の熱硬化性樹脂組成物及び比較例1の比較熱硬化性樹脂組成物を製造した。
(1)基材及び器具
(1−1)部材1:スライドガラス(S1127(縦26mm、横76mm、厚み1mm;松浪ガラス社))
(1−2)部材2
(1-2-1)ポリイミドフィルム(PIフィルム):ユーピレックス50S(宇部興産社、厚さ50μm)
(1-2-2)ポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム):テオネックスQ65HA(帝人デュポン社、厚さ125μm)
(1−3)ゴムローラー:SN−版画ゴムローラー1号
(1−4)光照射装置:メタルハライドランプ(ECS−301(アイグラフィックス社))
(1−5)オーブン(LC113(ESPEC社))
実施例1の熱硬化性樹脂組成物を使用して、以下の条件で硬化後積層体(複合構造物)を製造した。
製造実施例1の熱硬化性樹脂組成物を、実施例2〜14の熱硬化性樹脂組成物に置き換えて同じ条件で工程1〜3を行って得られた硬化後積層体(複合構造物)をそれぞれを製造実施例2〜14とした。
製造実施例1の熱硬化性樹脂組成物を、比較例1の熱硬化性樹脂組成物に置き換え、同じ条件で工程1〜3を行い得られた硬化後積層体(複合構造物)を製造比較例1とした。
(1)光硬化性
工程2で得られた光硬化後積層体について手順3及び4に従い下記基準で評価した。
(1−2)照射条件1では固化又はゲル化していないが増粘しており、照射条件2では固化 又はゲル化している 〇
(1−3)照射条件1では固化又はゲル化も増粘もしていないが、照射条件2では固化又は ゲル化していないが増粘している △
(1−4)照射条件1及び2で固化又はゲル化も増粘もしていない ×
工程3で得られた硬化後積層体について手順4’に従い下記基準で評価した。
(2)G/PIF密着固定性
(2−1)ガラス部材面とPIフィルム部材面の全領域で密着固定している 〇
(2−2)ガラス部材面とPIフィルム部材面の一部に剥離が見出された △
(3−1)ガラス部材面とPENフィルム部材面の全領域で密着固定している 〇
(3−2)ガラス部材面とPENフィルム部材面の一部に剥離が見出された △
Claims (6)
- ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物並びに/又はビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(化合物A)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用して硬化させる工程で使用される熱硬化性樹脂組成物であって、
さらに、光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用することができる熱硬化性樹脂組成物。 - 光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用される請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに、光ラジカル重合開始剤(化合物B)を含む請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに、ヒドロシリル化反応用触媒(化合物C)を含む請求項1〜3のいずれか1記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 耐熱性フィルム上で熱硬化性薄膜を形成するために使用される請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 部材1及び部材2を熱硬化性薄膜を介して固定する工程を含む部材1及び/又は部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
前記部材1と前記部材2の対向する面内に請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物を配置する工程1と、
前記工程1の後、前記熱硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程2と、
前記工程2の後、前記熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させる工程3とを有する複合構造物の製造方法。
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