JP2018115274A - 熱硬化性樹脂組成物及び複合構造物の製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及び複合構造物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】部材同士を熱硬化性薄膜を介して固定するに際して、熱硬化性薄膜が熱硬化する過程で粘度が低下しないように、熱硬化前に光硬化することができる熱硬化性薄膜を構成するための熱硬化性樹脂組成物及び当該熱硬化性樹脂組成物を使用した複合構造物の製造方法を提供する。【解決手段】 ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物並びに/又はビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(化合物A)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用して硬化させる工程で使用される熱硬化性樹脂組成物であって、さらに、光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用することができる熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物及び当該熱硬化性樹脂組成物を使用した複合構造物の製造方法に関する。
光学部品を使用する製品の薄型化、フレキシブル化に伴い、光学部品の薄型化、小型化が検討されている。例えば、複合構造物である液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード等は、軽さやフレキシブルなどの観点から、有機樹脂の積層構造であったり、ポリイミドフィルムのような耐熱性樹脂からなるプラスチック基板部材上に表示素子等の回路素子部材を配置する構造であったりする場合がある。
この場合、有機樹脂の積層作業やプラスチック基板部材上への配置作業を円滑に行うために、有機樹脂層が熱硬化性薄膜を介して積層して固定されたり、プラスチック基板部材が熱硬化性薄膜を介して硬質の基台部材に固定されたりする場合がある。
このように、二つの部材を、熱硬化性薄膜を介して固定する場合に、例えば、低温熱硬化型のビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(X−40−2667A/B)が使用されている(例えば、特許文献1)。
特開2007−128693号公報
特許文献1に記載された熱硬化性薄膜を介して、例えば、プラスチック基板部材を硬質の基台部材に固定する場合、熱硬化性薄膜を熱硬化させるために加熱すると、熱硬化する過程で粘度が低下して熱硬化性薄膜の厚みが低減したり、部材が互いにずれたり、部材が反ってしまったり、熱硬化性薄膜が収縮等して部材から剥離してしまうことがある。
本発明は、部材同士を熱硬化性薄膜を介して固定するに際して、熱硬化性薄膜が熱硬化する過程で粘度が低下しないように、熱硬化前に光硬化して熱硬化性薄膜を構成できる熱硬化性樹脂組成物及び当該熱硬化性樹脂組成物を使用した複合構造物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、
〔1〕ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物並びに/又はビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(化合物A)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用して硬化させる工程で使用される熱硬化性樹脂組成物であって、
さらに、光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用することができる熱硬化性樹脂組成物、及び、
〔2〕部材1及び部材2を熱硬化性薄膜を介して固定する工程を含む部材1及び/又は部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
前記部材1と前記部材2の対向する面内に前項〔1〕記載の熱硬化性樹脂組成物を配置する工程1と、
前記工程1の後、前記熱硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程2と、
前記工程2の後、前記熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させる工程3とを有する複合構造物の製造方法(以下、本発明2ともいう)である。
本発明によれば、部材同士を熱硬化性薄膜を介して固定するに際して、熱硬化性薄膜が熱硬化する過程で粘度が低下しないように、熱硬化前に光硬化して熱硬化性薄膜を構成できる熱硬化性樹脂組成物及び当該熱硬化性樹脂組成物を使用した複合構造物の製造方法を提供することができる。
〔本発明1等〕
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、本発明ともいう)は、ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物並びに/又はビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(以下、まとめて化合物Aという)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用して硬化させる工程で使用される熱硬化性樹脂組成物であって、
さらに、光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用することができる熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の一つの態様は、化合物Aを含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用して硬化させる工程で使用される熱硬化性樹脂組成物であって、
さらに、光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用される熱硬化性樹脂組成物(以下、本発明1という)である。
なお、以下では、本発明を本発明1等という。
(化合物A)
本発明1等における化合物Aは、ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物並びに/又はビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であり、熱硬化性樹脂の高温安定性、部材密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、ビニル基及びヒドロシリル基以外の反応性基を有さないことが好ましい。
(1)ビニル基を有するシロキサン化合物
ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物との反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性、部材密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、ビニル基を有するシロキサン化合物として、好ましくは、例えば、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有する下記一般式(1);
4−nSiOn/2 (1)
(式(1)中、Rは、ケイ素原子に結合した置換又は非置換の一価炭化水素基であり、好ましくは不飽和炭化水素基、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基;及びベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基及びヘプテニル基等のアルケニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の不飽和炭化水素基であり、更に好ましくは炭素原子数が1〜12、更に好ましくは炭素原子数が1〜8のもの不飽和炭化水素基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基、アリル基であり、nは1以上4以下の整数であり、好ましくはn=3である)で表される分岐構造を有するオルガノポリシロキサンである。
(2)ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物
ビニル基を有するシロキサン化合物との反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性、部材密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物として、好ましくはヒドロシリル基を有する環状シロキサン及び/又は直鎖状ポリシロキサンである。
同様の観点から、ヒドロシリル基を有する直鎖状ポリシロキサンとして、好ましくは、
ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、メチルフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリメチルフェニルシロキサン等が挙げられ、より好ましくは、
ジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリシロキサン、さらにはジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリジメチルシロキサンを好適に用いることができ、具体的に例えば、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサンが挙げられる。
同様の観点から、ヒドロシリル基を含有する環状シロキサンとして、好ましくは、
1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−1,3,5−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等が挙げられ、より好ましくは、
1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
(3)ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物
化合物Aは、ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であってもよく、例えば、下記式(2):
(式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ビニル基、アルケニル基、フェニル基、メチル基であり、少なくとも水素原子及びビニル基(好ましくは、さらにアルケニル基)が含まれ、好ましくは、R〜Rの合計中、2モル%が水素原子及びビニル基(好ましくは、水素原子、ビニル基及びアルケニル基)であり、nは好ましくは1〜400、より好ましくは1〜200、更に好ましくは1〜100、更に好ましくは1〜50の数である)で表されるシロキサン化合物が好ましい。
化合物Aは、市販品を使用することができ、市販品として、例えば、
X−40−2667A(ビニル基及びヒドロシリル基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)が挙げられる。
本発明1等は、後述するように、本発明1等のビニル基及びヒドロシリル基が加熱によりヒドロシリル化反応して本発明1等が熱硬化しうる特性とを利用する用途に使用することができ、好ましくは、本発明1等のビニル基が光照射により光ラジカル重合して本発明1等が光硬化しうる特性と、本発明1等のビニル基及びヒドロシリル基が加熱によりヒドロシリル化反応して本発明1等が熱硬化しうる特性とを利用する用途に使用することができる。
(化合物B)
本発明1等は、化合物Aの有するビニル基の光ラジカル重合反応を利用して光硬化するが、光硬化反応をより円滑に進行させるためには、光ラジカル重合開始剤である化合物Bを含むことが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、光励起によってラジカル重合を開始できる機能を有するものであり、例えばモノカルボニル化合物、ジカルボニル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アシルフォスフィンオキシド化合物、アミノカルボニル化合物などが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、紫外線重合開始剤や可視光重合開始剤等が挙げられ、
紫外線重合開始剤としては、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、及びアセトフェノン系等が挙げられ、
可視光重合開始剤にはアシルホスフィンオキサイド系、チオキサントン系、メタロセン系、及びキノン系等が挙げられる。
紫外線重合開始剤としては、具体的には、
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、及びビスジエチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系重合開始剤;
2,2−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン系重合開始剤;
ベンジル、ベンゾイン、及びベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン系重合開始剤;
ベンジルジメチルケタールなどのアルキルフェノン系重合開始剤;チオキサントンなどのチオキサントン系重合開始剤;
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1―プロパン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤が挙げられる。
可視光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド光重合開始剤;
カンファーキノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン−1などのケトン系重合開始剤等が挙げられる。
化合物Bとして、上記例示の中でも、常態強度及び耐久強度に加えて硬化性の観点から、ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤及び/又はアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤がより好ましく、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(IRGACURE1173、BASF社製)、その2量体(IRGACURE127、BASF社製)及びその2量体超の多量体(ESACURE KIP 150、Lamberti社製)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184、BASF社製)並びにビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE819、BASF社製)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が更に好ましく、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(IRGACURE1173、BASF社製)、その2量体(IRGACURE127、BASF社製)及びその2量体超の多量体(ESACURE KIP 150、Lamberti社製)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が更に好ましい。
化合物Bとしては、光硬化性と部材間の密着固定性の観点から、
α−ヒドロキシケトン系光ラジカル重合開始剤がより好ましく(例えば実施例1〜9)、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン構造を分子中に1以上有するα−ヒドロキシケトン系光ラジカル重合開始剤が更に好ましく(例えば実施例1〜7)、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン構造を分子中に2以上有するα−ヒドロキシケトン系光ラジカル重合開始剤が更に好ましい(例えば実施例1〜3)。
(化合物C)
本発明1等は、化合物Aの有するヒドロシリル基のヒドロシリル化反応を利用して熱硬化するが、ヒドロシリル化反応をより円滑に進行させるためには、ヒドロシリル化反応用触媒である化合物Cを含むことが好ましい。
化合物Cは、化合物A(又は化合物A及びB)を含有する本発明1等に別途添加して、本発明1等と化合物Cの混合物を熱硬化させてもよいし、本発明1等の成分として予め化合物A(又は化合物A及びB)と共に又はその他のシロキサン化合物と共に配合させる等して、本発明1等を化合物A(又は化合物A及びB)及びCの混合物としておいてこれを熱硬化させてもよいが、ハンドリング性の観点から、本発明1等を化合物A(又は化合物A及びB)及びCの混合物としておくことが好ましい。
本発明1等のフィルム剥離性の観点から、化合物Cとしては、
遷移金属系では、白金系、パラジウム系、ロジウム系、ルテニウム系等が好ましく、
非遷移金属系では、C−Fe−CH(CO)で示される鉄錯体化合物、鉄またはコバルトのカルボン酸塩とイソシアニドの混合物を挙げることができるが、
反応効率の観点から白金系触媒がより好ましい。
(その他の任意化合物)
本発明1等は、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて、任意にその他の化合物、例えば、化合物A以外のシロキサン化合物、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、離型剤等の各化合物を含むことができる。
例えば、フィラーは、熱硬化性樹脂組成物の粘度制御や硬化性組成物を硬化させた硬化物の強度向上、または線膨張性を抑えることによって硬化性脂組組成物の接着信頼性を向上させる等の観点から添加される。フィラーは、公知の無機フィラーが使用できる。無機フィラーとして、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、及び窒化ケイ素が挙げられる。
(熱硬化性樹脂組成物)
本発明1等は化合物A、好ましくは化合物A及びB又は化合物A、B及びCを含むが、熱硬化性樹脂の光硬化及び熱硬化の速さと強度を考慮すると、化合物A100質量部に対して、
化合物Bは好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.3〜10質量部、更に好ましくは0.5〜7質量部であり、
化合物Cは触媒としての有効量であればよいが、好ましくは白金族金属元素の質量換算で0.1〜1000ppm、好ましくは1〜200ppm、好ましくは3〜100ppmである。
化合物Aの反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性及び部材密着固定性の観点から、熱硬化性樹脂組成物中の化合物A、B又は化合物A、B及びCを含む場合、これらの合計質量%は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%である。
(熱硬化性樹脂組成物の光硬化性と部材密着固定性)
本発明1等は、液状である本発明1等を一方の部材(以下、部材1ともいう)面と、他方の部材(以下、部材2ともいう)面とに接触して部材1及び部材2を硬化した本発明1等を介して固定するために使用され、部材1の面と部材2の面に液状の本発明1等を配置した後に本発明1等に光照射して本発明1等を光硬化させて部材1と部材2を仮固定し、さらに光硬化した本発明1等を加熱して熱硬化させて部材1と部材2を本固定する態様が想定されている。
部材1と部材2の間に配置される液状の本発明1等は点状で配置されてもよく、面状で配置されてもよく、点状の場合は複数の点状の本発明1等が複数分布して配置されてもよく、面状の場合は薄膜状でも一定の厚みを有する層状であってもよい(本明細書では、点状及び面状をまとめて薄膜という)。
部材1が例えばガラスプレート部材で、部材2が例えばフィルム部材である場合、液状の本発明1等で構成された熱硬化性薄膜(以下、熱硬化性薄膜という)を、フィルム部材とガラス部材の対向する表面間に配置して、適切な強度の光を照射すると熱硬化性薄膜が瞬時に硬化して両部材が光硬化した熱硬化性薄膜を介して固定されるため、その後の加熱による熱硬化過程で粘度が低下して熱硬化性薄膜の厚みが低減したり、部材が互いにずれたり、部材が反ってしまったり、熱硬化性薄膜が収縮等して部材から剥離してしまうことを抑制できる。
本発明1等の光硬化性は以下の手順で評価できる。
(1)手順1:部材1(縦26mm、横76mm、厚み1mmの無色透明なスライドガラス基板)の面上に液状の本発明1等を0.2g滴下し、液滴状の本発明1等の上に部材2(3×10cmに切った厚み50μmのポリイミドフィルム又は厚み125μmのポリエチレンナフタレートフィルム)を貼り合せ、ゴムローラーで約1kgの力をかけながら部材2上を5往復して液状の本発明1等を部材1の面全体に伸ばして、部材1、熱硬化性薄膜及び部材2が積層された硬化前積層体を製造する。
(2)手順2:硬化前積層体の部材1側から、照射条件1(6000mJ/cm)又は照射条件2(15000mJ/cm)で光照射して光硬化後積層体を得る。
(3)手順3:照射条件1で光照射して得た光硬化後積層体の部材2の長さ方向の一端のエッジを指で摘み、部材1の面方向に対して90°方向に、面の長さ方向に1cmだけ部材2を剥がし、光照射された熱硬化性薄膜の状態を目視観察する。
(4)手順4:照射条件2で光照射して得た光硬化後積層体の部材2の長さ方向の一端のエッジを指で摘み、部材1の面方向に対して90°方向に、面の長さ方向に1cmだけ部材2を剥がし、光照射された熱硬化性薄膜の状態を目視観察して、例えば以下の基準で評価する。
(4−1)照射条件1及び2で固化又はゲル化している ◎
(4−2)照射条件1では固化又はゲル化していないが増粘し、照射条件2では固化 又はゲル化している 〇
(4−3)照射条件1では固化又はゲル化も増粘もしておらず、照射条件2では固化 又はゲル化していないが増粘している △
(4−4)照射条件1及び2で固化又はゲル化も増粘もしていない ×
本発明1等の部材密着固定性は以下の手順で評価できる。
(1)手順3’:上記手順1及び2で得た光硬化後積層体をオーブンに入れ、150℃30分の熱養生を行ない、光硬化後積層体柱の熱硬化性薄膜が熱硬化した熱硬化後積層体を得る。
(2)手順4’:熱硬化後積層体の部材1及び部材2の剥がれ状態を目視観察して、例えば以下の基準で評価する。
(2−1)部材1と部材2の全領域で密着固定している 〇
(2−2)部材1と部材2の一部に剥離が見出された △
なお、上記手順1、2、3及び4、又は手順1、2、3’及び4’には以下を使用できる:
(1)部材1:スライドガラス(S1127(松浪ガラス社))
(2)部材2
(2−1)ポリイミドフィルム:ユーピレックス50S(宇部興産社、厚さ50μm)
(2−2)ポリエチレンナフタレートフィルム:テオネックスQ65HA(帝人デュポン社、厚さ125μm)
(3)ゴムローラー:SN−版画ゴムローラー1号
(4)光照射装置:メタルハライドランプ(ECS−301(アイグラフィックス社))
(5)オーブン(LC113(ESPEC社))
部材2がフィルムのような樹脂である場合、光硬化後積層体が100℃以上の高温で加熱される場合も考慮して、耐熱性の高い素材であることが好ましい。
耐熱性の高さの指標として、フィルムのアウトガス量が、少なくとも250℃1時間で、好ましくは300℃で、より好ましくは350℃で、更に好ましくは400℃で、更に好ましくは450℃で、更に好ましくは500℃で、フィルム質量に対して、好ましくは、1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下であることが挙げられる。
フィルムの温度T℃でのアウトガス量は以下の条件で測定する。
フィルムを2mm×2mm程度の大きさに複数枚切りとり、それらをTGA測定専用のアルミパンの中に約10mgとなるように入れて蓋をする。これをTGA(METTLER TOLEDO社製、TGA/DSC1)に入れてから、10℃/minで昇温しT℃で1時間保持後の減量を測定、減量率を計算する。
耐熱性の高さの指標として、フィルム素材のガラス転移点が150℃以上、好ましくは250°以上であることが挙げられる。
フィルムのアウトガス量が、少なくとも250℃で、フィルム質量に対して1質量%以下である素材としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が挙げられる。
ガラス転移点が150℃以上である素材としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が挙げられる。
以上のような耐熱性の高い素材で部材2を構成すると、本発明1等を使用した光硬化後積層体は、好ましくは200〜500℃、より好ましくは250〜450℃、更に好ましくは300〜450℃の高温下でのフィルム加工をすることが可能となる。
部材1を部材2がフィルムである場合の基台とする場合は、ガラス以外のセラミックス、金属(例えば、Siを含む合金、Siを含むセラミックス粒子)等が挙げられ、これらは、上述した高温での加熱環境に対しても好適な部材2のための支持基板となる。
部材1と部材2の組合せとしては、ガラスとポリイミド樹脂又はポリエチレンナフタレート樹脂の組合せ以外に、
部材1がガラス、部材2がポリエーテルイミド樹脂の場合、
部材1がガラス、部材2がポリベンゾオキサゾール樹脂の場合、
部材1がガラス、部材2がポリエーテルイミド樹脂の場合、
部材1がガラス、部材2がアルミやステンレスなどの金属の場合、
部材1がアルミやステンレスなどの金属、部材2がポリイミドフィルムの場合、
等が挙げられる。
本発明1等は、本発明1等が使用される光硬化後積層体が高温加熱下においても部材密着固定性を維持できるので、25℃近辺で行われる基材の薄膜化、フォトファブリケーション、例えば25〜500℃、好ましくは200〜500℃以上、より好ましくは250〜450℃、更に好ましくは300〜450℃の高温下で行われるエッチング加工、スパッタ膜の形成、微細精密素子の形成・配置、メッキ処理やメッキリフロー処理、半導体ウエハや半導体素子の運搬等において、精密素子配置用基板である被加工フィルムを支持体上に保持するために、更には精密素子が配置されて精密素子配置基板となった被加工フィルムを支持体上に保持するために使用することができる。
本発明1等は、上記以外にも、ウエハなどの様々な加工処理、例えば各種材料表面の微細化加工処理、各種表面実装の際に、キャリア用の部材や基材の仮固定用樹脂又は基材の表面被覆樹脂として好適に用いられ、本発明2の好適材料として使用することができる。
〔本発明2〕
本発明2は、部材1及び部材2を熱硬化性薄膜を介して固定する工程を含む部材1及び/又は部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
前記部材1と前記部材2の対向する面内に液状の本発明1等を配置する工程1と、
前記工程1の後、前記熱硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程2と、
前記工程2の後、前記熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させる工程3とを有する複合構造物の製造方法である。
本発明2は、例えば、本発明1等で説明した好適な部材1及び部材2を使用して、工程1、2及び3を、それぞれ手順1、2及び3’に対応させて実施することができる。
(工程1)
工程1で、部材1又は部材2上に熱硬化性薄膜を形成する方法としては、手順1で挙げたような液状の本発明1等を滴下して好ましくは0.01〜5MPaの圧力下で圧延する方法の他に、液状の本発明1等をスピンコート法、スリットコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法等で塗工する方法が挙げられる。スピンコート法では、例えば、回転速度が5000〜7000rpm、好ましくは5000〜6000rpm、加速度が500〜15000rpm/秒、回転時間が30〜300秒という条件のもと、熱硬化性樹脂組成物層をスピンコーティングする方法が挙げられる。
なお、例えば部材1上に液状の本発明1等を滴下して部材1上にそのまま付着している状態であっても、工程2以降で圧延等されて熱硬化性薄膜が形成されるのであれば、熱硬化性薄膜が形成されているとみなす。
これらの滴下又は塗工は、操作の容易性と安定性の観点から相対的に剛性の高い部材の表面にした方が好ましい。
本発明1等に溶剤が含まれる場合は、熱硬化性薄膜を基材上に形成した後に、例えば、ホットプレート等で加熱して溶剤を蒸発させることができる。加熱の条件は、例えば、温度が通常50〜200℃、好ましくは60〜150℃であり、時間が通常2〜15分、より好ましくは3〜10分である。
溶剤の除去が熱硬化による熱硬化性樹脂組成物の架橋により影響されないという観点から、まず溶剤が揮発するくらいの低温で加熱してから、熱硬化に必要な強熱を加えることが好ましい。
熱硬化性薄膜を形成するに際して、熱硬化性薄膜の面内への広がりを均一にするため、部材1及び部材2を予め表面処理することもできる。表面処理の方法としては、予め表面処理剤を塗布する方法等が挙げられる。
表面処理剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のカップリング剤が挙げられる。
工程1において、部材1、熱硬化性薄膜及び部材2で構成される硬化前積層体を製造するには、例えば、液状の本発明1等の滴下又は塗工後に、部材1と部材2とが熱硬化性薄膜と接触して積層体を形成するように部材1及び部材2を貼り合せればよい。
本発明1等の滴下した場合は、部材1及び部材2を貼り合せた後に、部材1又は部材1上から圧力を加え、0.01〜5MPaの圧力化で滴下された本発明1等を圧延して硬化前積層体を形成できる。
形成された熱硬化性薄膜の厚みは、熱硬化性薄膜の光硬化性及び部材密着固定性の観点から、光硬化後の乾熱硬化薄膜の厚みが、好ましくは0.5〜300μm、より好ましくは1〜100μm、更に好ましくは1〜20μmとなるように調整することが好ましい。
(工程2)
工程2では、硬化前積層体中の熱硬化性薄膜の光ラジカル重合性を利用して熱硬化性薄膜を光照射して光硬化させて光硬化後積層体を得る。
光照射は、メタルハライドランプ、高圧水ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、LED照射機、LD照射機等により、光ラジカル重合開始剤が本発明1等の課題を達成できる程度の照射条件を選択すればよく、好ましくは200〜450nm、より好ましくは300〜400nmの範囲の波長の光を、好ましくは1000〜100000mJ/cm、より好ましくは2000〜50000mJ/cm、更に好ましくは4000〜30000mJ/cm照射することで、硬化させることができるとよい。
光照射を効果的に行う観点から、部材1及び/又は部材2は照射する光透過する材質であることが好ましい。
(工程3)
工程3では、光硬化後積層体に形成されている熱硬化性薄膜を熱硬化させて部材1、熱硬化薄膜及び部材2で構成される硬化後積層体を得る。
熱硬化は、硬化前積層体を、例えば、オーブン中で、好ましくは100〜250℃で15〜120分、より好ましくは120〜200℃で15〜100分、更に好ましくは150〜200℃で15〜60分の熱養生を行う。
光硬化後積層体は、熱硬化の処理を行う間、硬化前積層体の形態を安定に維持しておく観点から、光硬化後積層体を型枠で固定したり、プレートで挟みこんで適度に加圧したりしておいてもよい。
(任意の工程)
本発明2は、硬化後積層体を構成する部材1又は部材2をさらに後加工する工程を含んでよい。
例えば部材2が耐熱性であれば、耐熱性の程度に応じた高温下での後加工も可能であり、例えば、裏面研削による部材2の薄膜化;エッチング加工、フォトリソ加工、スピンコートやスパッタ、CVDなどの膜形成;メッキ処理;インクジェット印刷;及びメッキリフローなどの加熱処理から選ばれる少なくとも1以上の処理を含むフォトファブリケーション;ならびにダイシング等が挙げられ、これらの作業の結果、部材2の表面に精密素子が配置される場合もある。
硬化後積層体を、所望の温度で(例えば高温で)加熱することも硬化後積層体の後加工に含まれる。
部材1及び/又は部材2が耐熱性及び気体透過性を有している場合であれば、部材1及び/又は部材2中の水分や未硬化物を事前に除去してアウトガスを低減して気泡の発生や積層体の剥がれを抑制する観点から、硬化後積層体に対して、例えば、300〜400℃1時間程度の予備加熱を行ってもよい。
本発明2では、複合構造体又は複合構造体の構成要素として、
工程3で得られた硬化後積層体及び/又はその後加工体を使用してもよく、
硬化後積層体又はその後加工体から部材1又は部材2を熱硬化薄膜から剥離して、剥離された部材1及び/又は部材2を使用しても、熱硬化膜と部材1又は部材2との積層体又はこれらの後加工体を使用してもよい。
部材1が基台で部材2がフィルムである場合を例にして説明すると、部材2を部材1に固定された熱硬化薄膜から剥離する場合、部材2の折れ曲がりにより部材2上に配置された例えば精密素子等に負荷が加わることを抑制する観点から、部材2の表面に平行な軸に対して、好ましくは0°超60°以下、より好ましくは5°〜45°、更に好ましくは5°〜30°、更に好ましくは5°〜15°に、部材1又は部材2、好ましくは部材2に力を付加することで、部材2を熱硬化薄膜から剥離することが好ましい。
部材1又は部材2、好ましくは部材2に付加する力は、剥離を円滑に行い部材2に過剰の負荷を加えない観点から、好ましく0.001〜1000N/mm、好ましくは0.01〜300N/mm、更に好ましくは0.05〜50N/mmである。
剥離は、例えば、部材1又は部材2、好ましくは部材2の周縁を持ち上げ(当該周縁の一部または全部を熱硬化性樹脂組成物の硬化体層から剥離し)、部材2の表面に対してほぼ垂直方向に力を加えながら、部材1又は部材2、好ましくは部材2の周縁から中心に向けて順に剥離する方法(フックプル方式)で行うことができる。
剥離をする際、部材2の破損を防ぐため、部材1の熱硬化性薄膜と反対の面にダイシングテープ等の補強テープを貼って、剥離してもよい。
硬化後積層体の温度が好ましくは5〜100℃、より好ましくは10〜45℃、更に好ましくは15〜30℃で上記の剥離が行うことができることが好ましい。
上記は剥離は、硬化後積層体を15〜30℃の環境温度に、好ましくは0.5〜5時間、より好ましくは0.5〜3時間、更に好ましくは1〜2時間置いたのちに剥離することができることが好ましい。
部材2が剥離された部材1と熱硬化薄膜の積層体を、溶剤等の洗浄剤に浸漬したり(さらに超音波を加えたり)スプレーしたりして、熱硬化薄膜を部材1から除去して、部材1を上記工程1で再利用できる状態にしてもよい。
洗浄液の温度は、洗浄性と部材1のダメージを抑制する観点から、好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜50℃である。
溶剤としては、例えば、リモネン、メシチレン、ジペンテン、ピネン、ビシクロヘキシ
ル、シクロドデセン、1−tert−ブチル−3,5−ジメチルベンゼン、ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグライム等のアルコール/エーテル類、炭酸エチレン、酢酸エチル、酢酸N−ブチル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等のエステル/ラクトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド/ラクタム類が挙げられる。
〔化合物〕
(1)化合物A
(1−1)化合物a1:X−40−2667A(ビニル基及びヒドロシリル基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)
(2)化合物B
(2−1)化合物b1:ESACURE KIP 150(Lamberti社)(Oligo[2−hydroxy−2−methyl−1−[4−(1−methylvinyl)phenyl]propanone] オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン])
(2−2)化合物b2:IRGACURE127(BASF社)(2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン)
(2−3)化合物b3:IRGACURE1173(BASF社)(2−Hydroxy−2−methyl−1−phenyl−propan−1−one)
(2−4)化合物b4:IRGACURE184(BASF社)(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(2−5)化合物b5:IRGACURE TPO(BASF社)(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)
(2−6)化合物b6:IRGACURE819(BASF社)(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)
(2−7)化合物b7:IRGACURE369(BASF社)(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
(2−8)化合物b8:IRGACURE651(BASF社)(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)
(2−9)化合物b9:ESACURE TZT(Lamberti社)(2,4,6Trimethylbenzophenone−4Methylbenzophenone (2,4,6トリメチルベンゾフェノン−4メチルベンゾフェノン)
(3)化合物C
(3−1)化合物c1:X−40−2667B(CAT−PH)(ビニル基及びヒドロシリル基を有さず非反応性のメチル・フェニル置換型シロキサン化合物中に白金系触媒が添加されている)、信越化学工業社)
〔熱硬化性樹脂組成物(実施例1〜14)及び比較熱硬化性樹脂組成物(比較例1)〕
(1)各実施例及び比較例の熱硬化性樹脂組成物について、それぞれの化合物を、化合物Aを50gとして表1記載の質量部の割合で、まず化合物A及びBを、容器(容量200ml、材質SUS)に投入し、撹拌温度60〜80℃、大気圧下にてスリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で30分〜1時間攪拌した後室温(25℃)まで自然冷却し、さらに化合物Cを投入し、室温(25℃)、大気圧下にてスリーワンモーター(新東科学社製)を使用して30分〜1時間攪拌して実施例1〜14の熱硬化性樹脂組成物及び比較例1の比較熱硬化性樹脂組成物を製造した。
〔製造実施例1〜14及び製造比較例1〕
(1)基材及び器具
(1−1)部材1:スライドガラス(S1127(縦26mm、横76mm、厚み1mm;松浪ガラス社))
(1−2)部材2
(1-2-1)ポリイミドフィルム(PIフィルム):ユーピレックス50S(宇部興産社、厚さ50μm)
(1-2-2)ポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム):テオネックスQ65HA(帝人デュポン社、厚さ125μm)
(1−3)ゴムローラー:SN−版画ゴムローラー1号
(1−4)光照射装置:メタルハライドランプ(ECS−301(アイグラフィックス社))
(1−5)オーブン(LC113(ESPEC社))
(2)製造実施例1
実施例1の熱硬化性樹脂組成物を使用して、以下の条件で硬化後積層体(複合構造物)を製造した。
(2−1)工程1:部材1の面上に液状の本発明1等を0.2g滴下し、液滴状の本発明1等の上に部材2を貼り合せ、ゴムローラーで約1kgの力をかけながら部材2上を5往復して液状の本発明1等を部材1の面全体に伸ばして、部材1、熱硬化性薄膜及び部材2が積層された硬化前積層体を製造する。
(2−2)工程2:硬化前積層体の部材1側から、照射条件1(6000mJ/cm)又は照射条件2(15000mJ/cm)で光照射して光硬化後積層体を得る。
(2−3)工程3:工程2で得た光硬化後積層体をオーブンに入れ、150℃30分の熱養生を行ない、光硬化後積層体柱の熱硬化性薄膜が熱硬化した硬化後積層体(複合構造物)を得る。
(3)製造実施例2〜14
製造実施例1の熱硬化性樹脂組成物を、実施例2〜14の熱硬化性樹脂組成物に置き換えて同じ条件で工程1〜3を行って得られた硬化後積層体(複合構造物)をそれぞれを製造実施例2〜14とした。
(4)製造比較例1
製造実施例1の熱硬化性樹脂組成物を、比較例1の熱硬化性樹脂組成物に置き換え、同じ条件で工程1〜3を行い得られた硬化後積層体(複合構造物)を製造比較例1とした。
〔評価条件〕
(1)光硬化性
工程2で得られた光硬化後積層体について手順3及び4に従い下記基準で評価した。
(1−1)照射条件1及び2で固化又はゲル化している ◎
(1−2)照射条件1では固化又はゲル化していないが増粘しており、照射条件2では固化 又はゲル化している 〇
(1−3)照射条件1では固化又はゲル化も増粘もしていないが、照射条件2では固化又は ゲル化していないが増粘している △
(1−4)照射条件1及び2で固化又はゲル化も増粘もしていない ×
(2)部材密着固定性
工程3で得られた硬化後積層体について手順4’に従い下記基準で評価した。
(2)G/PIF密着固定性
(2−1)ガラス部材面とPIフィルム部材面の全領域で密着固定している 〇
(2−2)ガラス部材面とPIフィルム部材面の一部に剥離が見出された △
(3)G/PENF密着固定性
(3−1)ガラス部材面とPENフィルム部材面の全領域で密着固定している 〇
(3−2)ガラス部材面とPENフィルム部材面の一部に剥離が見出された △
表1に結果を示す。

Claims (6)

  1. ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物並びに/又はビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(化合物A)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用して硬化させる工程で使用される熱硬化性樹脂組成物であって、
    さらに、光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用することができる熱硬化性樹脂組成物。
  2. 光ラジカル重合反応を利用して硬化させる工程で使用される請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. さらに、光ラジカル重合開始剤(化合物B)を含む請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. さらに、ヒドロシリル化反応用触媒(化合物C)を含む請求項1〜3のいずれか1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 耐熱性フィルム上で熱硬化性薄膜を形成するために使用される請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 部材1及び部材2を熱硬化性薄膜を介して固定する工程を含む部材1及び/又は部材2を含む複合構造物の製造方法であって、
    前記部材1と前記部材2の対向する面内に請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物を配置する工程1と、
    前記工程1の後、前記熱硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程2と、
    前記工程2の後、前記熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させる工程3とを有する複合構造物の製造方法。

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