(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10の遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって形成することも可能である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が設けられており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。因みに、図3では、図2と同様に、パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース28を主体として構成されている。樹脂ベース28の中央部には略楕円形状の窓孔29が形成されている。樹脂ベース28にはその後方から遊技盤ユニット100が着脱可能に取り付けられており、遊技盤ユニット100の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース28の窓孔29を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
遊技盤ユニット100の前面には、内レール101と外レール102とが取り付けられている。当該遊技盤ユニット100の前面は、これら内外のレール101,102により区画され、略円形状に区画された内側領域に遊技領域が形成されている。そして、これら内レール101と外レール102とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、同図3に示すように、樹脂ベース28における窓孔29の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
ここで、図3〜図5に基づき遊技盤ユニット100について詳細に説明する。図4は遊技盤ユニット100の斜視図、図5は遊技盤ユニット230の正面図である。なお、図4では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を一部省略している。
図3に示すように、遊技盤ユニット100は、樹脂ベース28の窓孔29を塞ぐ略矩形状の遊技盤103を有している。遊技盤103は合板からなり、その前面には上述した遊技領域104が形成されている。
図3及び図4に示すように、遊技盤103の略中央には、自身の板厚方向(前後方向)に貫通する開口部105が設けられており、この開口部105を塞ぐようにして可変表示ユニット110が配置されている。また、開口部105(可変表示ユニット110)の周辺には大小複数の貫通孔が形成されており、それら各貫通孔には一般入賞口111,可変入賞装置112,作動口113及びスルーゲート114がそれぞれ配設されている(図5参照)。図5に基づき各部材の配置について詳細に説明すれば、可変表示ユニット110の下方に作動口113が配置され、さらにその下方に可変入賞装置112が配置されている。また、可変表示ユニット110の側方にはスルーゲート114が配置され、遊技領域104の下部両側には一般入賞口111が複数配置されている。一般入賞口111、可変入賞装置112及び作動口113に遊技球が入ると、同遊技球が検出スイッチ(図示略)により検出され、その検出結果に基づいて所定数の賞品球が払い出される。
遊技領域104には、上述した各種構成に加えて第1特定ランプ部及び第2特定ランプ部が設けられている。
第1特定ランプ部には、その内側に赤、緑、青の3色発光タイプのLEDランプが配設されている。そして、作動口113への入賞をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、作動口113への入賞をトリガとして、赤色光が点灯され、その状態で所定期間が経過すると緑色光に発光色が切り替えられる。そして、緑色光が点灯された状態で前記所定期間が経過すると青色光に発光色が切り替えられる。その後、発光色の切り替え停止時期がくるまで、赤色、緑色、青色という順序で発光色の切り替えが繰り返し行われる。これにより、第1特定ランプ部には、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には大当たりが発生し、青色が停止表示された場合には大当たりが発生しない。また、最終的に赤色で停止表示された場合と、最終的に緑色で停止表示された場合とで、大当たりの種類が異なり、前者の方が遊技者に有利な大当たりが発生することとなる。
一方、第2特定ランプ部には、その内側に赤、緑の2色発光タイプのLEDランプが配設されている。この第2特定ランプ部は、スルーゲート114における遊技球の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、遊技球がスルーゲート114を通過すると、赤色光の点灯と緑色光の点灯とが交互に行われる。これにより、第2特定ランプ部には、赤色、緑色が交互に表示されることとなる。そして、赤色が停止表示された場合には、作動口113に付随する電動役物が所定期間だけ開放状態となるよう構成されている。
その他に、遊技領域104の下部、詳しくは可変入賞装置112の下方にはアウト口115が形成されている。各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口115を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技領域104には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘116が植設されているとともに、風車(役物)117等が配設されている。
可変入賞装置112は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り替えられるようになっている。より詳しくは、大当たりが発生すると、可変入賞装置112が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態となる。可変入賞装置112の開放態様としては、所定期間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置112内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置112が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置112の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変表示ユニット110は、作動口への入賞をトリガとして図柄を変動表示する図柄表示装置120を備えている。図柄表示装置120は横長矩形状をなす液晶ディスプレイ(表示画面121)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によって表示画面121に表示される内容が制御される。
表示画面121には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
また、可変表示ユニット110には、図柄表示装置120を囲むようにしてフレームユニット131及びステージユニット132を備えたセンターフレーム130が設けられている。センターフレーム130は、それら各ユニット131,132が連結されることにより全体として略枠状をなすように構成されている。
フレームユニット131は、センターフレーム130の上部及び左右両側部を構成しており、遊技盤103に対して固定されている。また、フレームユニット131は、遊技盤103の前面よりもパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置120の表示画面121の前方を遊技球が流下することを回避しており、流下する遊技球と表示画面121とが重なることによって表示画面121の視認性が低下するといった不都合が生じにくい構成となっている。
フレームユニット131には、当該フレームユニット131に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れる入口135と、その入口135に入った遊技球をステージユニット132へと案内する案内通路136と、ステージユニット132側に開放された出口137とが設けられている。これら入口135,案内通路136及び出口137によって、いわゆるワープ通路が構成されており、入口135に入った遊技球は、案内通路136内を移動し出口137から排出される。ワープ通路から排出された遊技球は、ステージユニット132に到達することとなる。
ステージユニット132は、センターフレーム130の下部を構成しており、フレームユニット131と同様に遊技盤103に固定されている。ステージユニット132は、遊技盤103に対し後方にオフセットして配置された図柄表示装置120の表示画面121との隙間を埋めるように、遊技盤103から表示画面121に向けて張り出しており、遊技球1個のみが左右方向に転動できる程度の幅を有してなる奥側ステージ面138及び手前側ステージ面139を備えている。両ステージ面138,139は、中央に向けて緩やかに下り傾斜した曲面状をなしているとともに、奥側ステージ面138が手前側ステージ面139よりも上位となる段差状をなすように形成されている。奥側ステージ面138は、その一側部が前記出口137と連なるようにして配置されており、出口137から排出された遊技球は奥側ステージ面138上を転動する構成となっている。また、奥側ステージ面138の中央部分には、手前側ステージ面139側に下る傾斜部が形成されており、この傾斜部に到達した遊技球が手前側ステージ面139に向けて流下しやすくなっている。
奥側ステージ面138と手前側ステージ面139とを繋ぐ縦壁141の中央、詳しくは作動口113の上方には、手前側ステージ面139上を転動する遊技球の一部を作動口113に導く案内通路142が形成されており、この案内通路142を通過した遊技球は、高い確率で作動口113に導かれることとなる。
以上詳述したステージユニット132は、図柄表示装置120の表示画面121よりも下側に位置しており、ステージ面138,139上を流下する遊技球と表示画面121との重なりが抑えられている。これにより、ステージユニット132上を転動する遊技球によって表示画面121の視認が妨げられるといった不都合を生じにくくしている。
以上詳述した内枠13の前面側全域を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部54が形成されている。窓部54は、略楕円形状をなし、透明性を有する窓パネル55が嵌め込まれている。窓部54の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ56が設けられている。
前扉枠14における窓部54の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、図6に基づき遊技機本体12の背面側の構成、すなわち裏パックユニット15について説明する。図6は裏パックユニット15の正面図である。
図6に示すように、裏パックユニット15は、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
本実施の形態においては、遊技機本体12が遊技に関する各種演出を行う可変表示機構150を備えている。そこで以下、図4及び図5に基づきこの可変表示機構150及びそれに関連する構成について詳細に説明する。
可変表示機構150は、図柄表示装置120の前方に配置された表示部材151と、その表示部材151が回動可能な状態で取り付けられているベース部材152と、そのベース部材152をスライド移動可能に支持する支持部材153とを有している。ベース部材152が支持部材153に支持された状態にて同支持部材153に沿ってスライド移動することにより、表示部材151の位置が変更される。
表示部材151の回動中心軸線X1は前後方向に延びるように設定されている。この回動中心軸線X1を中心として表示部材151が回転した場合には、同表示部材151と図柄表示装置120の表示画面121との隙間が一定に保たれたまま同表示画面121に沿うように表示部材151が移動することとなる。
図4及び図5に示すように、表示部材151は、全体としてギターを模すように形成されており、ベース部材152に対する取付部としての本体部155(ボディに相当)と、本体部155から回動中心軸線X1の放射方向に延びる延出部156(ネックやヘッドに相当)とを有している。それら本体部155及び延出部156は、回動中心軸線X1から本体部155の外端までの距離寸法と、同回動中心軸線X1から延出部156の外端までの距離寸法とが相違するように形成されている。詳しくは延出部156の先端部は、表示部材151において回動中心軸線X1からの距離が最も大きくなる最外部位OMを構成しており、表示部材151が回動中心軸線X1を中心に回動した場合、その最外部位OMが同回動中心軸線X1から最も離れた位置を移動する構成となっている。
表示部材151は、上述したステージユニット132における奥側ステージ面138の上方に配置されており、前記回動中心軸線X1を中心として回動した場合には、延出部156(詳しくは最外部位OM)が奥側ステージ面138に対して所定の間隔を隔てた上方、具体的には少なくとも遊技球の直径の2倍程度離れた位置を移動することとなる。
ベース部材152は、表示部材151の本体部155に固定された軸体158や、その軸体158を回動させることにより表示部材151の向きを変更する動力源としての回動用モータ159等を搭載してなる台座部160と、その台座部160から支持部材153に延び、同支持部材153に連なる連結部161とを有している。
支持部材153は、ベース部材152の両側、詳しくは遊技盤103の開口部105を挟んだ左右両側に配置された1組のレール部材によって構成されている。それら各支持部材153は上下に延びるとともに、互いに平行となるように配置されている。それら各支持部材153には互いに向き合う側に開放された溝部が設けられており、それら溝部に対してベース部材152の連結部161が嵌まる構成となっている。それら溝部は、支持部材153と同様に上下方向に延びており、これら支持部材153の溝部内を連結部161が摺動することにより、表示部材151及びベース部材152が上下方向にスライド移動する構成となっている。なお、両支持部材153は、パチンコ機10の正面視において遊技盤103の背面に重なる位置に配置されており、パチンコ機10の前方から視認されにくくなっている。
各支持部材153には、ベース部材152をスライド移動させる動力源としてのスライド用モータ163やそれらスライド用モータ163に発生する駆動力をベース部材152に伝える駆動力伝達部材164等の各種構成が搭載されている。スライド用モータ163の駆動に基づいて駆動力伝達部材164が押し引きされることによりベース部材152がスライド移動し、表示部材151の上下位置が変更されることとなる。
本実施の形態においては特に、回動用モータ159及びスライド用モータ163としてステッピングモータを用いる構成とした。ステッピングモータは、入力されるパルス数に依存してその回転角度が決定される。このため、スライド用モータ163においては支持部材153に沿ったスライド量を当該パルス数によって規定することができ、回動用モータ159においては表示部材151の回転状態(すなわち表示部材151の向き)をパルス数によって規定することができる。これにより、表示部材151の位置決め制御を好適に実現可能となっている。
上述したセンターフレーム130におけるフレームユニット131の上部、すなわち開口部105の上方に位置している部分には、表示部材151及びベース部材152を収容する収容部168が形成されている。収容部168は、表示画面121の上端縁に沿って左右に延びており、表示部材151及びベース部材152のほぼ全域を同表示部材151の延出部156が水平に保たれた状態にて収容可能な収容領域HEを有している。また、収容部168の下部は表示画面121側(具体的には下方)に開放されており、その開放部位を介して表示部材151及びベース部材152が出入可能となっている。表示部材151及びベース部材152が同収容部168に収容された状態においては、それら表示部材151等と図柄表示装置120の表示画面121との重なりが回避されるとともに、表示部材151等のパチンコ機10前方からの視認が妨げられる構成となっている。このように、表示部材151等を遮蔽する機能に着目すれば、「収容部168」を「遮蔽部168」と称することも可能である。
ここで、図5に基づき表示部材151とその動作領域について詳細に説明する。表示部材151は表示画面121の前方に形成された空間を利用して動作する構成となっている。具体的には、表示画面121は、ステージユニット132の設置スペースの確保、仮に遊技球が開口部105付近で暴れた場合に同表示画面121に対して遊技球が衝突することの回避等を目的として、遊技盤103よりも奥まった位置に配置されている。このように表示画面121を奥側にずらして配置することによって生じた空間に表示部材151の動作領域MEが設けられている。
この動作領域MEは、収容部168及びステージユニット132(詳しくは奥側ステージ面138)によって上下方向への広がりが規制されている。詳しくは、表示部材151の動作領域MEは、収容部168との重なりを回避するように同収容部168の下端縁(第1境界BL1)よりも下方に設定されており、奥側ステージ面138によって規定された遊技球の流下経路との干渉を回避するように流下経路の上限部分(第2境界BL2)よりも上方に設定されている。すなわち、表示部材151の動作領域MEは、それら第1境界BL1及び第2境界BL2によって挟まれた領域に配されている。
表示部材151は、その最大外形寸法MLが第1境界BL1及び第2境界BL2の距離寸法DT1よりも大きく、且つ表示部材151において回動中心軸線X1を中心として最外部位OMを通過する仮想円CL1が第1境界BL1及び第2境界BL2に挟まれた領域内に収まらない大きさを有するように形成されている。すなわち、表示部材151は、仮想円CL1の直径が距離寸法DT1よりも大きくなるように形成されている。
本実施の形態において、回動中心軸線X1の位置を上下に移動させることにより、第1境界BL1及び第2境界BL2によって挟まれた領域内を表示部材151が回動可能な構成となっている。以下、図7に基づき可変表示機構150の基本動作について詳細に説明する。図7(a)は表示部材151が収容部168内にて待機されている状態を示す概略図、図7(b)は表示部材151が演出初期位置に配置された状態を示す概略図である。
図7(a)に示すように、表示部材151は、収容部168内(収容領域HE)に収容されている状態においては、延出部156が遊技機本体12の回動先端側を向き、且つ同延出部156が水平となるように配置されており、パチンコ機10前方からの表示部材151の視認が妨げられた状態となっている。なお、図7では便宜上遊技領域内の構成を一部省略して示している。
表示部材151を用いた演出が行われる際には、先ず表示部材151が収容部168外、すなわち図柄表示装置120の表示画面121と前後に重なる演出位置(回動初期位置)に移動する(図7(b)参照)。具体的には、スライド用モータ163が駆動することによりベース部材152の連結部161が下方に押され、表示部材151及びベース部材152が支持部材153に沿って、ステージユニット132側に移動する。これにより、表示画面121の前方に形成された空間を利用した表示部材151による演出の準備が完了する。
より詳しくは、表示部材151は動作領域MEの中央に位置するように配置される。このように配置された状態では、回動中心軸線X1及び第1境界BL1の距離LN1と、回動中心軸線X1及び第2境界BL2の距離LN2とは、回動中心軸線X1から表示部材151の最外部位OMまでの距離LN3よりも小さくなっている。つまり、回動中心軸線X1を中心として最外部位OMを通過する仮想円CL1は、パチンコ機10の正面視において両境界BL1,BL2と重なっている。
このように演出位置に配置された状態から、表示部材151が正逆両方向のうち一方に回動することにより当該表示部材151を用いた演出が実行される。なお、可変表示機構150には、表示部材151が収容位置及び演出位置のいずれに存在しているかを検知するセンサが設けられており、このセンサにより検出された位置情報に基づいて、表示部材151の位置を把握可能し、同表示部材151の位置を補正することにより、当該表示部材151の位置ずれの発生が抑制されている。
以下、図8及び図9に基づき表示部材151が正方向に回転した場合の同表示部材151の動作について詳細に説明し、その後、表示部材151が逆方向に回転した場合の動作について説明する。図8及び図9は表示部材151の動作を示す動作説明図である。なお、表示部材151が正方向に回転する場合には、同表示部材151は図8(a)→図8(b)→図8(c)→図8(d),図9(a)→図9(b)→図9(c)→図9(d)の順に動作する。因みに、図8では便宜上遊技領域内の構成を一部省略して示している。
図8(a),(b)に示すように、表示部材151が正方向(具体的には時計回り)に回動すると、延出部156の最外部位OMがステージユニット132の奥側ステージ面138に対して近づく側に移動する。これと同期して表示部材151全体がステージユニット132から離れる側、すなわち上方にスライド移動する。表示部材151の回転角度が予め定められた第1規定角度ANG1(本実施の形態においては45°)に達すると、それに同期して表示部材151のスライド移動が完了する。かかる状態においては、本体部155の移動経路と収容部168との重なりが回避されているとともに、延出部156の最外部位OMの移動経路と奥側ステージ面138によって規定された遊技球の流下経路との干渉が回避されている。
延出部156と奥側ステージ面138との関係について詳細に説明すれば、回動中心軸線X1が上方にずれることにより、最外部位OMが奥側ステージ面138に対して最も接近した状態であっても、同最外部位OMと奥側ステージ面138との間には所定の間隔(遊技球の直径の2倍程度)が維持されることとなる。これにより、ステージユニット132上を流下する遊技球と表示部材151とのつかえが回避される。換言すれば、演出初期位置からの表示部材151の上方へのスライド量SL1は、表示部材151の最外部位OMが奥側ステージ面138に対して最も近づいた状態であっても、遊技球の流下及び表示部材の回動が担保されるように規定されている。なお、最外部位OMと奥側ステージ面138との隙間は遊技球の直径の2倍程度に限定されるものではない。少なくとも遊技球の転動を阻害しない程度であればよく、例えば、遊技球の直径よりも若干大きい程度に設定することも可能である。
また、最外部位OMが奥側ステージ面138側に近づくことに伴って、回動中心軸線X1を挟んだ反対側の端部、すなわち本体部155の端部が収容部168に接近することとなる。このように本体部155が収容部168に接近した状態であっても、本体部155が収容部168に隠れないように、すなわち本体部155の動作軌道と収容領域HEとの重なりが回避されるように上述したスライド量SL1が規定されている。
図8(c)に示すように表示部材151が更に回転し、その回動角度が予め定められた第2規定角度ANG2(本実施の形態においては135°)に達すると、それに同期して表示部材151が回動初期位置に向けてスライド移動し始める。そして、その回動量が予め定められた第3規定角度ANG3(本実施の形態においては180°)に達することに同期して、表示部材151の回動中心軸線X1が回動初期位置に復帰することとなる(図8(d)参照)。
図9(a),(b)に示すように、表示部材151が第3規定角度ANG3を超えて回動すると、表示部材151全体が収容部168から離れる側、すなわち下方にスライド移動する。表示部材151の回転角度が予め定められた第4規定角度ANG4(本実施の形態においては225°)に達すると、それに同期して表示部材151のスライド移動が完了し、表示部材151の回転中心軸線X1と収容部168との距離が最大となる。このように回動中心軸線X1を移動させることにより、収容部168の開口縁168aに対する重なりを回避した位置を最外部位OMが移動することとなる。換言すれば、下方へのスライド量SL2は、表示部材151の最外部位OMが収容部168に対して最も近づいた状態であっても、最外部位OMの動作軌跡と収容領域HEとの間に所定の隙間が維持されるように規定されている。
また、最外部位OMが収容部168側に近づくことに伴って、回動中心軸線X1を挟んだ反対側の端部、すなわち本体部155の端部が奥側ステージ面138に接近することとなる。このように本体部155が奥側ステージ面138に接近した状態であっても、本体部155と奥側ステージ面138とが干渉しないように、すなわち本体部155の動作軌道と第2境界BL2との重なりが回避されるように上述したスライド量SL2が規定されている。
図9(c)に示すように、表示部材151の回転角度が第5規定角度ANG5(本実施の形態においては315°)に達すると、表示部材151が初期位置に向けてスライド移動し始める。そして、その回動量が予め定められた第6規定角度ANG6(本実施の形態においては360°)に達すると、これに同期して、表示部材151の回動中心軸線X1が初期位置に復帰することとなる(図9(d)参照)。
一方、表示部材151が逆方向に回転する場合には、同表示部材151は図9(d)→図9(c)→図9(b)→図9(a),図8(d)→図8(c)→図8(b)→図8(a)の順に動作する。
詳しくは、表示部材151が逆方向(具体的には時計回り)に回動すると、延出部156の最外部位OMが収容部168の収容領域HE(すなわち第1境界BL1)に対して近づく側に移動する。これと同期して表示部材151全体が収容部168から離れる側、すなわち下方にスライド移動する。
図9(c)に示すように、表示部材151の回転角度が予め定められた第11規定角度ANG11(本実施の形態においては45°)に達すると、これに同期して表示部材151のスライド移動が完了することとなる。かかる状態においては、延出部156の最外部位OMの移動経路と第1境界BL1との干渉が回避されている。
また、最外部位OMが収容部168側に近づくことに伴って、回動中心軸線X1を挟んだ反対側の端部、すなわち本体部155の端部が奥側ステージ面138に接近することとなる。表示部材151のスライド量は上記スライド量SL2と同等となるように設定されている。このため、本体部155が奥側ステージ面138に接近した状態であっても、本体部155と奥側ステージ面138との干渉が回避される。すなわち、本体部155の動作軌道と第2境界BL2との重なりが回避される。
図9(b)に示すように表示部材151が更に回転し、その回動角度が予め定められた第12規定角度ANG12(本実施の形態においては135°)に達すると、それに同期して表示部材151が回動初期位置に向けてスライド移動し始める。そして、その回動量が予め定められた第13規定角度ANG13(本実施の形態においては180°)に達すると、それに同期して表示部材151の回動中心軸線X1が回動初期位置に復帰することとなる(図9(a)参照)。
図8(d),(c)に示すように、表示部材151が第13規定角度ANG13を超えて回動すると、表示部材151全体が奥側ステージ面138(すなわち第2境界BL2)から離れる側、すなわち上方にスライド移動する。表示部材151の回転角度が予め定められた第14規定角度ANG14(本実施の形態においては225°)に達すると、それに同期して表示部材151のスライド移動が完了し、表示部材151の回転中心軸線X1と奥側ステージ面138との距離が最大となる(図8(c)参照)。このように回動中心軸線X1を移動させることにより、第2境界BL2に対する重なりを回避した位置を最外部位OMが移動することとなる。
また、最外部位OMが奥側ステージ面138側に近づくことに伴って、回動中心軸線X1を挟んだ反対側の端部、すなわち本体部155の端部が収容部168に接近することとなる。表示部材151のスライド量は上記スライド量SL1と同等となるように設定されている。このため、本体部155が収容部168に接近した状態であっても、本体部155が収容部168に隠れることが回避される。すなわち、本体部155の動作軌道と収容領域HEとの重なりが回避される。
図8(b)に示すように、表示部材151の回転角度が第15規定角度ANG15(本実施の形態においては315°)に達すると、表示部材151が初期位置に向けてスライド移動し始める。そして、その回動量が予め定められた第16規定角度ANG16(本実施の形態においては360°)に達することに同期して、表示部材151の回動中心軸線X1が初期位置に復帰することとなる(図8(a)参照)。
以上詳述したように表示部材151の回動に合わせて表示部材151(詳しくは回動中心軸線X1)の位置を上下に移動させることにより、同表示部材151による演出が行われる際に当該表示部材151の最外部位OMが通過する通過軌道PS1が上述した仮想円CL1の外側への張り出すことを回避している(図7(b)参照)。同図7(b)に示すように、通過軌道PS1は長軸が左右に延びるとともに短軸が上下に延びる略楕円状をなしており、その左右の大きさは仮想円CL1の左右の大きさと同等となっている一方で、表示部材151のスライド方向(上下方向)における同通過軌道PS1の大きさは同方向における仮想円CL1の大きさよりも小さくなっている。つまり、最外部位OMの左右への移動範囲は仮想円CL1と同等であるものの、同最外部位OMの上下の移動範囲は仮想円CL1よりも小さくなるように規定されている。
なお、可変表示機構150には、表示部材151の回転の初期位置に存在していることを検知するセンサが設けられている。このセンサにより検出された情報に基づいて、表示部材151が初期位置に存在しているか否かを把握し、同表示部材151の回転位置を補正することにより、当該表示部材151の位置ずれの発生が抑制されている。
以上説明したパチンコ機10には、遊技機本体12の背面側に、遊技を統括管理する主制御装置90、スピーカ56等を制御する音声ランプ制御装置91、図柄表示装置120を制御する表示制御装置92等が設けられている。そこで、以下にこれらパチンコ機10の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。図10では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置90に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。当該MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置90に設けられた停電監視基板205、払出制御装置82及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、スイッチ群の一部として、作動口113及び可変入賞装置112などといった入球部に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置90のMPU202において入球部への入球判定が行われる。また、MPU202では、入球部のうち作動口113への入球に基づいて大当たり発生抽選等を実行する。
ここで、MPU202にて大当たり発生抽選等を行う上での電気的な構成について図11を用いて説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選,第1特定ランプ部の発光色の設定,図柄表示装置120の図柄表示の設定等を行う。具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり状態や通常大当たり状態等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置120が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置120の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置120における図柄の変動表示時間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、外れ図柄の組み合わせの設定に使用する外れ図柄カウンタC4と、を用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタC4は、MPU202内のレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM204には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とからなる保留球格納バッファが設けられており、これら各エリアには、作動口107への遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1,大当たり種別カウンタC2,リーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻るループカウンタにより構成されている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納バッファに格納される。つまり、本パチンコ機10(具体的にはMPU202)は大当たり状態の発生の有無を抽選する大当たり発生抽選手段を備えている。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たり状態が終了した後に、確変状態(高確率状態)とするか通常状態(低確率状態)とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口113に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納バッファに格納される。つまり、本パチンコ機10(具体的にはMPU202)は大当たりの種別を抽選する大当たり種別抽選手段を備えている。
ここで、確変状態とは、大当たり状態の終了後において予め定められた終了条件が成立するまで、大当たり状態の発生確率が通常状態よりも高くなる遊技状態のことをいう。具体的には、通常状態では、大当たり状態が発生することとなる乱数の値は2個で、その値は「337、673」であり、高確率状態時に大当たりとなる乱数の値の数は10個で、その値は「67、131、199、269、337、401、463、523、601、661」である。
また、本パチンコ機10では、大当たり状態の終了後に通常状態となる通常大当たり状態(第1特別遊技状態)と、大当たり状態の終了後に確変状態となる確変大当たり状態(第2特別遊技状態)とで、図柄表示装置120に停止表示される図柄の態様が異なっている。具体的には、通常大当たり状態が発生する場合には第1特別表示結果としての通常大当たり図柄の組み合わせ(より具体的には、同一の偶数が付された図柄の組み合わせ)が停止表示され、確変大当たり状態が発生する場合には第2特別表示結果としての確変大当たり図柄の組み合わせ(より具体的には、同一の奇数が付された図柄の組み合わせ)が停止表示される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口113に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納バッファに格納される。つまり、本パチンコ機10(具体的にはMPU202)はリーチ表示の発生の有無を抽選するリーチ発生抽選手段を備えている。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。
第1変動種別カウンタCS1によってリーチ表示に際して発生するリーチ演出の種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置120の表示態様が決定される。つまり、本パチンコ機10(具体的にはMPU202)はリーチ演出の種別を抽選する演出種別抽選手段を備えている。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置120を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態となる遊技機において、図柄表示装置120における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となりやすい変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置120の表示画面121に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置120の表示画面121内の予め設定された有効ライン上に、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることにより、リーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどの動画を表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
本パチンコ機10においては、各種リーチ演出の一部として、上述した表示モードの切り替えが行われる構成となっている。これらの詳細について、後に詳細に説明する。
第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部に表示される色の切り替えを行う時間として表示切替時間が決定される。この切り替え表示時間は、図柄表示装置120の図柄変動表示時間に相当する。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置120による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
外れ図柄カウンタC4は、大当たり抽選が外れとなった時に左列図柄,中列図柄,右列図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、所定範囲のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタC4は通常処内で更新され、外れ図柄カウンタC4の値が、RAM204の前後外れリーチ図柄バッファ,前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ,前後外れ以外リーチ図柄バッファ,完全外れ図柄バッファのいずれかのバッファ値が取得される。
図10の説明に戻り、MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置82及び音声ランプ制御装置91が接続されている。払出制御装置82には、例えば、上記入球部への入球判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置91には、変動用コマンド,種別コマンド,停止表示コマンド,大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。ここで、変動用コマンド及び種別コマンドは、第1特定ランプ部における切替表示を開始する場合に、音声ランプ制御装置91に出力される。この場合、変動用コマンドには、図柄の変動表示時間,大当たり発生の有無の情報,リーチ表示の有無の情報,リーチ種別の情報などが含まれており、種別コマンドには、停止表示させる図柄の種類の情報が含まれている。また、停止表示コマンドは、第1特定ランプ部における切替表示を終了する場合に、音声ランプ制御装置91に出力される。また、大当たり開始コマンドは、大当たり状態に移行する場合に、音声ランプ制御装置91に出力される。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置112に設けられた駆動部などが接続されており、大当たり状態においては当該駆動部の駆動制御が実行され、可変入賞装置112の開閉が実行される。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。また、払出制御装置82は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御基板215は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置82等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御基板215は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置91は、主制御基板201から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたスピーカ56やランプ部等を駆動制御するとともに、表示制御装置92を制御するものである。
表示制御装置92に設けられた表示制御基板211には、MPU212が搭載されている。MPU212には、当該MPU212により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM213と、そのROM213内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM214と、割込み回路,タイマ回路,データ出力回路等の各種回路とが内蔵されている。
MPU212には入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU212の入力ポートには、音声ランプ制御装置91が接続されている。また、MPU212の出力ポートには、図柄表示装置120が接続されているとともに、中継基板を介して可変表示機構150が接続されている。
MPU212では、主制御装置90から出力され音声ランプ制御装置91を経由して出力されてくる演出用コマンド(変動用コマンド,種別コマンド,停止表示コマンド,大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンド等)を取得するとともに、入力コマンドを解析し又は入力コマンドに基づき所定の演算処理を行って図柄表示装置120の表示制御を実行する。また、MPU212では、上記演出用コマンドに基づいて可変表示機構150の表示モード(駆動モード)の設定を行う。
ROM213には、表示部材151の回動位置の情報及びスライド位置の情報が記憶されているとともに、それら各情報に1対1で対応させて表示領域の切り替えに関する情報が記憶されている。これら各種情報は、上述した演出用コマンドに対応付けがなされており、遊技状況に応じてそれら各種情報に基づいた演出モードの切り替えを行うことにより、多様な演出を実現可能となっている。
MPU212において、図柄表示装置120の表示制御が実行される際、及び可変表示機構150の表示モードの設定を行う際には、上述した各種情報に加え表示制御装置92のRAM214に設けられた各種エリアが用いられる。
RAM214に設けられた各種エリアとしては、各種駆動フラグ格納エリア221,タイミング用カウンタエリア222,その他フラグ格納エリア223が設定されている。各駆動フラグ格納エリア221は、音声ランプ制御装置91から入力された変動用コマンドに基づいて図柄の変動表示を開始する場合に、その変動表示回において各種駆動モードの設定を行うことを特定するための情報を記憶するためのエリアである。タイミング用カウンタエリア222は、各種駆動モードの設定の開始タイミングを特定するためのカウンタエリアである。また、その他フラグ格納エリア223は、上記以外の各種情報を記憶するためのエリアである。
ここで、上述した可変表示機構150を演出として用いるために設定された各種駆動モードについて説明する。可変表示機構150の駆動モードとしては、表示部材151の配置を切り替える第1種駆動モードと、表示部材151の回転動作を行う第2種駆動モードとが設定されている。
図5を用いて既に説明したように、表示部材151は、収容部168内に設定された待機位置と、表示画面121の前方に設定された演出位置との両位置間で移動可能となっている。第1種駆動モードは、図5(a)に示す待機位置から図5(b)に示す演出位置に表示部材151を移動させる第1位置切替モードと、図5(b)に示す演出位置から図5(a)に示す待機位置に表示部材151を移動させる第2位置切替モードとからなる。
第2種駆動モードは、表示部材151の回転方向及び回転速度の組み合わせが異なる第1表示切替モード〜第5表示切替モードによって構成されている。具体的には、回転方向としては、「正回転」及び「逆回転」の2種類が設定されており、回転速度としては、「低速」及び「高速」の2種類が設定されている。
第1表示切替モードは、表示部材151の回転方向が正方向且つ回転速度が低くなるように設定されている。第2表示切替モードは、回転方向が正方向且つ回転速度が高くなるように設定されている。第3表示切替モードは、回転方向が逆方向且つ回転速度が低くなるように設定されている。第4表示切替モードは、回転方向が逆方向且つ回転速度が高くなるように設定されている。
これら各表示切替モードに個々に対応して各モータ159,163の動作態様を定めたプログラム、すなわち表示部材151の回転速度,回転開始及び終了タイミングと、表示部材151のスライド移動の移動速度,移動開始及び終了タイミングとを規定したプログラムが表示制御装置92のROM213に記憶されている。そのプログラムに従って回動用モータ159及びスライド用モータ163を駆動させるように表示制御装置92から駆動信号が出力される。これら各駆動信号に基づいて、表示部材151が動作領域ME内を移動することとなる。
次に、表示制御装置92のMPU212における可変表示機構150の駆動モードの設定に関する各種処理を説明する。
MPU212では、動作電力が供給されている間、予め定められた複数種の処理を所定の順序で繰り返し実行するための通常処理が実行される。当該通常処理における駆動モードの設定に関する処理として、音声ランプ制御装置91から入力したコマンドの種類を特定し、その特定したコマンドに対応した処理を実行するコマンド判定処理と、上記可変表示機構150を伴った演出を行うための特別演出用処理とが少なくとも設定されている。以下、これら各処理について説明する。
先ず、コマンド判定処理について図12のフローチャートを参照しながら説明する。
コマンド判定処理では、始めにステップS101にて、変動用コマンドを入力しているか否かを判定する。なお、音声ランプ制御装置91から入力した各種コマンドは、RAM214に設けられたコマンド格納エリアに格納され、次回用の変動用コマンドが入力されることに基づいて消去される。
変動用コマンドを入力している場合には、ステップS102にて、変動用コマンドに駆動モードの特定を行うべき情報、すなわち前記第1種駆動モード及び前記第2種駆動モードの特定を行うべき情報が含まれているか否かを判定する。具体的には、変動用コマンドに含まれる第1変動種別カウンタCS1の値の情報が、ROM213に記憶された駆動モード用の値群の情報に含まれているか否かを判定する。駆動モードの特定を行うべき情報が含まれている場合には、ステップS103〜ステップS111の駆動モードの特定用処理を実行し、駆動モードの特定を行うべき情報が含まれていない場合にはそのままステップS113に進む。
駆動モードの特定用処理では、先ずステップS103にて第1位置切替モード用の特定処理を実行する。第1位置切替モード用特定処理では、RAM214の各種駆動フラグ格納エリア221のうち第1位置切替フラグ格納エリア(第1位置切替状態情報記憶手段)に第1位置切替フラグ(第1位置切替状態情報)を格納し、ステップS104に進む。第1位置切替フラグは、スライド用モータ163に対して駆動信号を出力し、表示部材151を待機位置から演出位置に移動させるフラグであり、表示部材151を用いた演出が終了した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS104では、第1表示切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第1表示切替モードの情報が含まれている場合には、ステップS105にて第1表示切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS112に進む。第1表示切替モード用の特定処理では、RAM214の各駆動フラグ格納エリア221のうち、第1表示切替フラグ格納エリア(第1表示切替状態情報記憶手段)に第1表示切替フラグ(第1表示切替状態情報)を格納する。第1表示切替フラグは、回動用モータ159及びスライド用モータ163に対して駆動信号を出力し、各境界BL1,BL2との干渉を回避しつつ表示部材151を正方向に低速で回転させるフラグであり、表示部材151の回転が停止した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS104において、第1表示切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、ステップS106にて、第2表示切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第2表示切替モードの情報が含まれている場合には、ステップS107にて第2表示切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS112に進む。第2表示切替モード用の特定処理では、RAM214の各種駆動フラグ格納エリア221のうち、第2表示切替フラグ格納エリア(第2表示切替状態情報記憶手段)に第2表示切替フラグ(第2表示切替状態情報)を格納する。第2表示切替フラグは、回動用モータ159及びスライド用モータ163に対して駆動信号を出力し、各境界BL1,BL2との干渉を回避しつつ表示部材151を正方向に高速で回転させるフラグであり、表示部材151の回転が停止した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS106において、第2表示切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、ステップS108にて、第3表示切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第3表示切替モードの情報が含まれている場合には、ステップS109にて第3表示切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS112に進む。第3表示切替モード用の特定処理では、RAM214の各種駆動フラグ格納エリア221のうち、第3表示切替フラグ格納エリア(第3表示切替状態情報記憶手段)に第3表示切替フラグ(第3表示切替状態情報)を格納する。第3表示切替フラグは、回動用モータ159及びスライド用モータ163に対して駆動信号を出力し、各境界BL1,BL2との干渉を回避しつつ表示部材151を逆方向に低速で回転させるフラグであり、表示部材151の回転が停止した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS108において、第3表示切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、ステップS110にて、第4表示切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第4表示切替モードの情報が含まれている場合には、ステップS111にて第4表示切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS112に進む。第4表示切替モード用の特定処理では、RAM214の各種駆動フラグ格納エリア221のうち、第4表示切替フラグ格納エリア(第4表示切替状態情報記憶手段)に第4表示切替フラグ(第4表示切替状態情報)を格納する。第4表示切替フラグは、回動用モータ159及びスライド用モータ163に対して駆動信号を出力し、各境界BL1,BL2との干渉を回避しつつ表示部材151を逆方向に高速で回転させるフラグであり、表示部材151の回転が停止した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS110において、第4表示切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、そのままステップS112に進む。
ステップS112では、変動表示用の特定処理を実行する。当該特定処理では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、図柄表示装置120における図柄の変動表示時間や、図柄の表示位置(画面表示範囲)、リーチ表示やリーチ演出を含めた図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の種類を特定し、それら特定した情報をRAM214に記憶させる。その後、本コマンド判定処理を終了する。
一方、ステップS101において、変動用コマンドを入力していないと判定した場合には、ステップS113に進み、その他の特定処理を実行した後に、本コマンド判定処理を終了する。その他の特定処理では、入力しているコマンドが停止表示コマンド,大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンドである場合には、それぞれに対応した処理を実行する。また、その他の特定処理では、コマンドを入力していないと判定した場合には、そのまま処理を終了するとともに、入力したコマンドが解析できない場合にもそのまま処理を終了する。
次に特別演出用処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
特別演出用処理では、先ずステップS201にて、特別演出が発生する変動表示回中であるか否かを判定する。当該変動表示回中で無い場合には、そのまま特別演出処理を終了し、当該変動表示回中である場合には、ステップS202に進む。
ステップS202では、RAM214の各種駆動フラグ格納エリア221に位置切替モード用フラグが格納されているか否かを判定する。位置切替モード用フラグが格納されていると判定された場合、ステップS203に進む。
ステップS203では、可変表示機構150を駆動させる(詳しくは表示部材151を支持部材153に沿ってスライド移動させる)タイミングか否かを判定する。当該タイミングは、図柄の変動表示の開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、図柄の変動表示の開始後においてステップS201にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS203にて肯定判定をする。そして、ステップS204に進み第1位置切替モード用処理を実行する。第1位置切替モード用処理では、可変表示機構150のスライド用モータ163に対して駆動信号を出力する。この駆動信号に基づいてスライド用モータ163が所定回数回転し、既に説明したように、表示部材151が支持部材153に沿って下方にスライド移動する。これにより、表示部材151の位置が変化し、当該表示部材151が図柄表示装置120の表示画面121に対して重なる前記演出位置に配置されることとなる(図7(b)参照)。
ステップS202又はステップS203にて否定判定がなされた場合には、本特別演出処理を終了する。
ステップS204の処理を実行した後には、ステップS205に進み、今回の変動表示回において可変表示機構150の表示モードを切り替えるか否か、すなわち表示部材151を回転させる演出を行うか否かを判定する。具体的には、表示切替モード用フラグがRAM214の各種駆動フラグ格納エリア221に格納されているか否かを判定する。
表示切替モード用フラグが格納されている場合には、ステップS206に進み、ステップS206において表示部材151を回動させるタイミングか否かを判定する。当該タイミングは、図柄の変動表示の開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、上述の如く図柄の変動表示の開始後においてステップS201にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS206にて肯定判定をする。そして、ステップS207に進み表示切替モード用処理を実行する。以下、図14(表示切替モード用処理を示すフローチャート)に基づき表示切替モード用処理の一連の流れについて説明する。
表示切替モード用処理では、先ずステップS301にて、回動用モータ159が駆動中であるか否かを判定する。すなわち、回動用モータ159に対して駆動信号が出力されているか否かを判定する。回動用モータ159に対して駆動信号が出力されていない場合には、ステップS302にて回動用モータ159の駆動処理、すなわち回動用モータ159への駆動信号の出力処理を行った後、ステップS303に進む。一方、ステップS301にて肯定判定をした場合には、すなわち回動用モータ159に対して駆動信号が出力されていると判断した場合には、そのままステップS303に進む。
ステップS303では、スライド用モータ163が駆動中であるか否かを判定する。すなわち、スライド用モータ163に対して駆動信号が出力されているか否かを判定する。ステップS303にて、スライド用モータ163に対して駆動信号が出力されておらず、スライド用モータ163が停止中であると判定した場合には、ステップS304に進み、スライド用モータ163を駆動させるタイミングであるか否かを判定する。具体的には、スライド用モータ163に対して、当該スライド用モータ163を逆回転させることにより、表示部材151の回動中心軸線X1を上昇させる駆動信号(以下、上方スライド用動作指示信号と称する)を出力するタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、回動用モータ159の回動開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、上述の如く回動用モータ159の回動開始後において前記ステップS201にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS304にて肯定判定をする。ステップS304にてスライド用モータ163に対して上方スライド用動作指示信号を出力するタイミングであると判定(肯定判定)した場合にはステップS305に進む。ステップS305では、スライド用モータ163の駆動処理を、すなわちスライド用モータ163に対して上方スライド用動作指示信号の出力を開始する。
ステップS305にて上方スライド用動作指示信号の出力を停止した後、又はステップS304にて上方スライド用動作信号を出力するタイミングでないと判定された後は、ステップS306に進む。ステップS306では、スライド用モータ163を駆動させるタイミングであるか否かを判定する。具体的には、スライド用モータ163に対して当該スライド用モータ163を正回転させることにより、表示部材151の回動中心軸線X1を降下させる駆動信号(以下、下方スライド用動作指示信号と称する)を出力するタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、回動用モータ159の回動開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、上述の如く回動用モータ159の回動開始後において前記ステップS201にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS306にて肯定判定をする。ステップS306にてスライド用モータ163に対して下方スライド用動作指示信号を出力するタイミングであると判定(肯定判定)した場合にはステップS307に進む。ステップS307では、スライド用モータ163の駆動処理を、すなわちスライド用モータ163に対して下方スライド用動作指示信号の出力を開始する。
一方、ステップS303にて肯定判定をし、スライド用モータ163が駆動中であると判定した場合には、ステップS308に進み上方スライド用動作指示信号の出力を停止するタイミングであるか否かを判定する。当該停止タイミングは、回動用モータ159の回動開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、上述の如く回動用モータ159の回動開始後において前記ステップS201にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS308にて肯定判定をする。ステップS308にて上方スライド用動作指示信号を停止するタイミングであると判定(肯定判定)した場合にはステップS309に進む。ステップS309では、スライド用モータ163の駆動停止処理、すなわち上方スライド用動作指示信号の出力を停止する処理を実行する。
ステップS309にて上方スライド用動作指示信号の出力を停止した後、又はステップS308にて上方スライド用動作信号の出力を停止するタイミングでないと判定された後は、ステップS310に進む。ステップS310においては、下方スライド用動作指示信号の出力を停止するタイミングであるか否かを判定する。当該停止タイミングは、回動用モータ159の回動開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、上述の如く回動用モータ159の回動開始後において前記ステップS201にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS310にて肯定判定をする。ステップS310にて下方スライド用動作指示信号を停止するタイミングであると判定(肯定判定)した場合にはステップS311に進む。ステップS311では、スライド用モータ163の駆動停止処理、すなわち下方スライド用動作指示信号の出力を停止する処理を実行する。
ステップS311にて下方スライド用動作指示信号の出力を停止した後、ステップS307にて下方スライド用動作指示信号の出力処理を行った後、又はステップS306,S310にて否定判定をした場合には、ステップS312に進む。ステップS312では、回動用モータ159の回転を停止させるタイミングであるか否かを判定する。当該停止タイミングは、回動用モータ159の回動開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、上述の如く回動用モータ159の回動開始後において前記ステップS201にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS312にて肯定判定をする。ステップS312にて回動用モータ159を停止させるタイミングであると判定(肯定判定)した場合にはステップS313に進み、回動用モータ159の停止処理を実行する。詳しくは、回動用モータ159への駆動信号の出力を停止する。その後、ステップS314に進み、RAM214の各種駆動フラグ格納エリア221に格納された表示切替モード用フラグを消去する。
ステップS314にて表示切替モード用フラグを消去した後は、本表示切替モード用処理を終了する。
なお、既に説明したように本実施の形態においては表示切替モードを複数パターン有しており、それら各モード毎に両モータ159,163の回転方向,回転開始・終了タイミング及び回転速度は異なっている。具体的には、回動用モータ159の回転方向,回転開始・終了タイミング及び回転速度と、スライド用モータ163の回転方向,回転開始・終了タイミング及び回転速度とが、上述した第1表示切替モード〜第4表示切替モードに対して個々に対応づけられている。このため、ステップS302において回動用モータ159に出力される駆動信号や、ステップS305,307においてスライド用モータ163に出力される駆動信号は各モード毎に異なるものとなっている。
以下、表示切替モード用処理における各種処理が行われるタイミングの一例について図15のタイミングチャートに基づき詳細に説明する。図15は、第1表示切替モード(表示部材151の回転方向が正方向且つ回転速度が低くなるように設定されているモード)において、表示制御装置92から各モータ159,163に出力される信号の切り替え態様を示している。なお、同図15においては、理解を容易なものとするため、各タイミングにおける表示部材151の状態を簡略化して示している。
図15に示すように、第1表示切替モードにおいては、特別演出が発生してから所定の期間が経過したt1のタイミングにて、表示制御装置92から回動用モータ159に正回転用動作指示信号が出力される。この正回転用動作指示信号は、表示部材151を1回転させるのに要するパルス数を有しており、この正回転用動作指示信号に基づいて回動用モータ159が回動することにより表示部材151が正回転することとなる。
同じくt1のタイミングでは、表示制御装置92からスライド用モータ163に対して当該スライド用モータ163を逆回転させる上方スライド用動作指示信号が出力される。この上方スライド用動作指示信号は、表示部材151の回動中心軸線X1を所定量上昇させるように規定されたパルス数を有している。このパルス数に基づいてスライド用モータ163が逆回転することにより、表示部材151の回動中心軸線X1が表示部材151を用いた回転演出を行う際の上限位置まで移動する。
両モータ159,163が回転を開始した後、t2のタイミングでは、表示部材151の回転角度が上述した第1角度ANG1(45°)に達する。このt2のタイミングにて上方スライド用動作指示信号を出力を停止することにより、スライド用モータ163の回転が止まる。つまり表示部材151の回動中心軸線X1が上述した上限位置に配置され、それ以上の上方への移動が回避される。
次に、t3のタイミングでは、表示部材151の回転角度が第2角度ANG2(135°)に達する。このt3のタイミングにおいては、表示制御装置92からスライド用モータ163に対して当該スライド用モータ163を正回転させる下方スライド用動作指示信号が出力される。この下方スライド用動作指示信号は、表示部材151の回動中心軸線X1を所定量降下させるように規定されたパルス数を有している。このパルス数に基づいてスライド用モータ163が正回転することにより、回動中心軸線X1が表示部材151回転時の下限位置まで移動する。
その後、t4のタイミングでは、表示部材151の回転角度が上述した第4角度ANG4(225°)に達する。このt4のタイミングにて下方スライド用動作指示信号の出力を停止する。これに基づきスライド用モータ163の回転、すなわち表示部材151の回動中心軸線X1の降下が終了する。つまり表示部材151の回動中心軸線X1が上述した下限位置に配置され、更なる下方への移動が回避される。
更に、t5のタイミングでは、表示部材151の回転角度が第5角度ANG5(315°)に達する。このt5のタイミングにおいて、表示制御装置92からスライド用モータ163に対して当該スライド用モータ163を逆回転させる上方スライド用動作指示信号を出力する。この上方スライド用動作指示信号は、表示部材151の回動中心軸線X1を所定量上昇させるように規定されたパルス数を有している。このパルス数に基づいてスライド用モータ163が正回転することにより、回動中心軸線X1が演出初期位置まで移動する。
続くt6のタイミングでは、表示部材151の回転角度が上述した第6角度ANG6(360°)に達する。このt6のタイミングにて上方スライド用動作指示信号の出力を停止する。これに基づきスライド用モータ163の回転、すなわち表示部材151の回動中心軸線X1の上昇が終了する。つまり表示部材151の回動中心軸線X1が上述した演出初期位置に配置される。これと同時に、正回転用動作支持信号の出力を停止する。これに基づき回動用モータ159の回転、すなわち表示部材151の回転が止まる。
なお、表示部材151の回転回数は1回に限定されるものではない。以上詳述した一連の動作(制御)を繰り返すことにより、表示部材151の回転回数を任意に変更することが可能である。
次に、第2表示切替モード(回転方向が正方向且つ回転速度が高くなるように設定されているモード),第3表示切替モード(回転方向が逆方向且つ回転速度が低くなるように設定されているモード),第4表示切替モード(回転方向が逆方向且つ回転速度が高くなるように設定されているモード)における制御タイミングについて、第1表示切替モードとの相違点を中心に適宜図15を参照しながら説明する。
第2表示切替モードにおいては、各モータ159,163の回転スピードが倍になるように、つまり各駆動信号の周波数が2倍になるように設定されており、それら各モータ159,163の動作が第1表示切替モードが適用されている場合の半分の期間で完了する構成となっている。
第3表示切替モードにおいては、表示部材151が逆方向に回転する。つまり、回動用モータ159には、表示制御装置92から逆回転用動作指示信号が出力される。このような相違点に基づいて、スライド用モータ163に対して出力されるスライド用駆動信号も第1表示切替モードとは異なるものとなっている。因みに、表示部材151が1回転するのに要する期間は第1表示切替モードと同等となるように設定されており、以下の説明で使用するt1〜t6のタイミングは上述した第1表示切替モードの説明に用いたt1〜t6のタイミングと同様となるように構成されている。
第4表示切替モードについては、第2表示切替モードと同様に、第1表示切替モードに対して各モータ159,163の回転スピードが倍になるように、つまり各駆動信号の周波数が2倍になるように設定されており、それら各モータ159,163の動作が、第1表示切替モード適用時の半分の期間で完了する構成となっている。更には、第3表示切替モードと同様に、回動用モータ159に対して当該回動用モータ159を逆回転させる逆回転用動作指示信号を出力する構成となっている。つまり、第1表示切替モードに対して、第2表示切替モード及び第3表示切替モードにおける同第1表示切替モードとの相違点を併せて適用している。
以上詳述したように各タイミングにて動作指示信号を切り替えることにより、回動用モータ159の動きとスライド用モータ163の動きとに相関を持たせることが可能となっている。
再び図13に戻り、ステップS205又はステップS206において否定判定がなされた場合、又はステップS207において表示切替モード用処理が行われた後には、ステップS208以降に進む。
先ずステップS208においては、変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングでない場合には、そのまま本特別演出用処理を終了する。変動表示処理の終了タイミングである場合には、ステップS209以降に進み、可変表示機構150を用いた特別演出の終了に関する処理を実施する。
ステップS209では、第2位置切替モード用処理(復帰処理)を実行する。これにより、表示部材151を収容部168内の待機位置に復帰させる。具体的には、第2位置切替モード用処理では、可変表示機構150のスライド用モータ163に対する駆動信号(詳しくは上方スライド用動作指示信号)を出力する。これにより、スライド用モータ163が所定量回転し、表示部材151が支持部材153に沿って上方に移動する。このように表示部材151をスライド移動させることにより、同表示部材151と図柄表示装置120の表示画面121との重なりが回避される(図7(b)参照)。すなわち、表示部材151が収容部168に格納されることにより、パチンコ機10前方からの当該表示部材151の視認が不可となる。ステップS209にて表示部材151を待機位置に復帰させた後は、ステップS210に進む。ステップS210では、RAM214の各種駆動フラグ格納エリア221に格納された位置切替モード用フラグを消去する。ステップS210にて位置切替モード用フラグを消去した後、又はステップS208にて否定判定をした場合には、表示部材151を用いた本特別演出処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
可変表示機構150の表示部材151を有する構成とすることで、演出の多様化に貢献している。また、その表示部材151を図柄表示装置120(詳しくは表示画面121)の前方に配置することにより、表示画面121を用いた演出と表示部材151を用いた演出を関連させることができ、表示画面121及び表示部材151による一体的な演出を実現可能としている。
表示部材151の回動に基づく最外部位OMの移動に合わせて、表示部材151(詳しくは回動中心軸線X1)がスライド移動する構成とした。詳しくは、最外部位OMが回動中心軸線X1を越えて上昇し第1境界BL1に近づく場合には、回動中心軸線X1(表示部材151全体)が同第1境界BL1から離れる側にスライド移動し、最外部位OMが回動中心軸線X1を越えて下降し第2境界BL1に近づく場合には、回動中心軸線X1(表示部材151全体)が同第2境界BL2から離れる側にスライド移動する構成とした。例えば、各境界BL1,BL2によって挟まれた範囲内で表示部材を回転させる場合には、回動中心軸線X1から最外部位OMまでの距離寸法を両境界BL1,BL2の間隔寸法の半分以下に抑えることで、同表示部材を各境界BL1,BL2との干渉を回避しつつ回動させることが可能である。しかしながら、このような構成においては、表示部材における回動中心軸線X1の位置が限定されやすくなり、ひいては表示部材の形状(例えばデザイン)が制限を受けやすくなると想定される。更には、スライド方向と直交する方向(例えば左右方向)における演出範囲を広げることが困難となり得る。
この点、本実施の形態においては上述の如く、表示部材151の回動に合わせて同表示部材151がスライド移動する構成とすることにより、前記各種不都合の発生を抑えることが可能となっている。すなわち、限られら範囲内での表示部材151の大型化を図りつつ演出範囲の拡張を実現し、更には表示部材の形状に対する制限を弱めることを可能としている。これにより、表示部材151を用いた表示演出によって遊技者に対し多大なインパクトを与えることが可能となっている。
表示部材151が回動する場合に、収容部168との重なりが回避されているため、表示部材151の回動に基づいてその一部が収容部168に隠れて視認しにくくなるといった不都合が生じにくくなっている。
また、ステージユニット132上を流下する遊技球との干渉が回避されやすくなっており、表示部材151を用いた演出を行った場合であっても、遊技球の流下は阻害されない。特にステージユニット132上を流下する遊技球は、作動口237に導かれやすくなっている。このような遊技者にとって有利となり得る遊技球の流れを妨げない構成とすることにより、表示部材151を用いた演出を好適なものとすることができる。更には、表示部材151を用いた演出が行われる場合に、遊技球の発射操作を停止する必要も無いため、遊技進行の円滑化に貢献可能となっている。
パチンコ機10においては、遊技者から視認可能となる領域が限られている。遊技球が流下する遊技領域234と表示部材151とを近づけて配置することにより、その限られた領域にて両者を共存させやすくなる。この場合、表示部材151の動作範囲は遊技領域234を狭めることの無いように設定されることが好ましい。しかしながら、このように動作範囲が規制されている場合に、その規制に準じて表示部材を小型化したり、演出範囲全体を縮小したりすることは、表示部材151の存在意義を弱める要因となり得るため好ましくない。この点、本実施の形態によれば、上述の如く遊技領域234(詳しくはステージユニット132)に接近する際に回動中心軸線X1を移動させることにより、その動作範囲の広がりを部分的に抑えている。これにより、演出範囲全体を上述した規制に応じて縮小する必要が無くなり、限られたスペース内で表示部材151の演出範囲を拡大することができる。
表示部材151のスライド方向への移動によって、当該表示部材151が収容部168に格納される構成とした。すなわち、表示部材151が回動する際の位置調整のためのスライド方向と、表示部材151を演出位置へ移動させる場合のスライド方向とを揃える構成とした。これにより、表示部材151のスライド移動に関する構成を併用することができ、構成の簡略化に貢献できる。特に、表示部材151を表示画面121の前方に配する構成においては、表示画面121が表示部材151の動作領域確保に起因して後退することは同表示画面121の視認性向上の点から見て好ましくない。すなわち、限られたスペースに表示部材151を設置する必要があるため、同表示部材151を動作させるための構成が大型化することは好ましくない。この点、本実施の形態においては上述の如くスライド移動に関する構成を併用したことにより、同構成を小型化している。これにより、表示部材151を有する構成とすることにより演出の多様化を図りつつ、表示画面121の視認性を担保することが可能となっている。
表示部材151をステージユニット132(詳しくは奥側ステージ面138)の上方に配置することにより、表示画面121前方のスペースを好適に利用している。ステージユニット132と表示部材151とを前後に並べて配置する構成と比較して、遊技領域104からの表示画面121の離れを好適に抑制できる。
例えば、1のモータを有する構成とし、動力伝達機構を介してそのモータの駆動力を表示部材151及び回動中心軸線X1に伝えることにより上述した2つの異なる動作に用いることも可能である。しかしながら、このような変更を行った場合には、構造の複雑化及び大型化を招くだけでなく、各動作の相関が強まりすぎて両動作の自由度が損なわれやすくなると懸念される。この点、上述の如く、個別に設けられたモータ159,163からの駆動力を用いることにより、表示部材151を回転移動させるとともに、回動中心軸線X1をスライド移動させる構成とし、表示制御装置92によってそれら各モータ159,163を制御することにより、表示部材151の回転移動のタイミングと回動中心軸線X1のスライド移動のタイミングとに相関を持たせる構成とすることにより、前記各不都合の発生を抑えることができる。これにより、演出に関わる構成の省スペース化を図りつつ、表示部材151を用いた演出の多様化を促進でき、実用上好ましい構成を実現可能となっている。
表示部材151の回動が行われている最中に回動中心軸線X1のスライド移動を行う構成とした。これにより、表示部材151を用いた演出の迅速化に貢献することが可能となっている。また、それら2つの動作を段階的に行う場合と比較して、表示部材151を用いた演出の流麗さを向上することができる。これにより、表示部材151を用いた演出の興趣向上に貢献している。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、演出に関する構成、詳しくは表示領域可変機構250及びそれに関連する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで以下、表示領域可変機構250及びそれに関連する構成について詳細に説明する。
先ず、図16〜図18に基づき遊技盤ユニット230について詳細に説明する。図16は遊技盤ユニット230の正面図、図17は遊技盤ユニット230の一部を分解して示す分解斜視図、図18は図16のA−A線部分断面図である。
図16に示すように、遊技盤ユニット230は、内枠13の窓孔29を塞ぐ略矩形状の遊技領域形成板233を有している。遊技領域形成板233は、無色透明のポリカーボネート樹脂からなり、その前面には内レール231及び外レール232が取り付けられている。当該遊技領域形成板233の前面は、これら内外のレール231,232により略円形状に区画された遊技領域234が形成されている。
遊技領域形成板233には、自身の板厚方向(前後方向)に貫通する大小複数の貫通孔が形成されており、各貫通孔には一般入賞口235,可変入賞装置236,作動口237,スルーゲート238及びセンターフレーム239がそれぞれ配設されている。一般入賞口235〜センターフレーム239に関しては上記第1の実施の形態と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
その他に、遊技領域234の上部右側には第1特定ランプ部240及び第2特定ランプ部241が設けられており、遊技領域234の下部、詳しくは可変入賞装置236の下方にはアウト口242が形成されている。各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口242を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技領域234には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘243が植設されているとともに、風車(役物)244等が配設されている。図18に示すように、可変入賞装置236や作動口237などを遊技領域形成板233に固定するためのネジの長さ寸法や、釘243における遊技領域形成板233内に打ち込まれている部位の長さ寸法は遊技領域形成板233の厚み寸法よりも十分に小さくなっており、これらネジ及び釘243は遊技領域形成板233の背面にまでは達していない。なお、第1特定ランプ部240及び第2特定ランプ部241については、上記第1の実施の形態と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
また、図17等に示すように、遊技領域形成板233の背側の一部には絵柄等の装飾が付与されてなる第1シート材245及び第2シート材246(いわゆるセルシート)が取り付けられている。詳しくは、各シート材245,246は遊技領域形成板233の背面に対して貼り付けられている。これら各シート材245,246によって遊技領域形成板233の意匠性の向上が図られているとともに、当該遊技領域形成板233の背面の一部が後方から覆われた状態となっている。なお、シート材245,246をネジ等の固定手段によって固定することも可能である。
第1シート材245は、遊技領域形成板233におけるセンターフレーム239によって囲われた領域よりも上側の領域、詳しくはセンターフレーム239の上部及び側部を構成する屋根フレーム239aよりも上側の領域を覆っている。また、第2シート材246は、遊技領域形成板233におけるセンターフレーム239によって囲われた領域よりも下側の領域、詳しくはセンターフレーム239の下部を構成するステージフレーム239bよりも下側の領域を覆っている。両シート材245,246は遮光性を有しているため、遊技領域形成板233における中央領域においては遊技領域形成板233の後方の視認が許容されるとともに、中央領域を挟んだ両側(詳しくは上下両側)においては遊技領域形成板233の後方の視認が不可となっている。以下便宜上、後方の視認が許容されている領域を透過領域E1と称する。
図17等に示すように、遊技領域形成板233の背面には、両シート材245,246に対応して段差状に凹んだ収容段差部233a,233bが形成されている。これら収容段差部233a,233bに各シート材245,246が収容されることで、遊技領域形成板233の後方への両シート材245,246の突出が抑えられている。なお、第1シート材245に関しては、遊技領域形成板233の貫通孔に連通する開口が複数形成されており、上述した可変入賞装置236やセンターフレーム239等との干渉が回避されている。
以上詳述した遊技盤ユニット230の後方には、作動口237への入賞等をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置247が設けられている(図18等参照)。以下、図18及び図19を用いて図柄表示装置247について説明する。図19は、遊技盤ユニット230及び図柄表示装置247の構成を示す斜視図である。
図19に示すように、図柄表示装置247は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されている。より具体的には、図柄の変動表示や各種演出を表示する表示画面(液晶ディスプレイ)248と、その表示画面248を囲う枠部249とを備えており、後述する表示制御装置によって表示画面248に表示される内容が制御される。
また、表示画面248はその面積が遊技領域234よりも広くなっており、前方から見て遊技領域234の全体が表示画面248に含まれるように図柄表示装置247が配置されている。
表示画面248には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
図柄表示装置247は、遊技盤ユニット230の奥側に、当該遊技盤ユニット230に対して所定の間隔を隔てて配置されており、枠部249が樹脂ベース28に対してネジ止めされることにより、内枠13に対して一体化されている。このため、内枠13が回動等した場合であっても、遊技盤ユニット230と図柄表示装置247とが相対位置の関係を維持したまま内枠13に追従して移動する。すなわち、上記所定の間隔が維持される構成となっている。このように図柄表示装置247と遊技盤ユニット230との間に所定の間隔を確保することにより、可変入賞装置236や作動口237等の遊技領域形成板233の背面からの突出を許容しつつ、それら可変入賞装置236等と図柄表示装置247との干渉が回避されている(図18参照)。
また、遊技領域234に打ち出され、一般入賞口235、可変入賞装置236及び作動口237等に入った遊技球は、遊技領域形成板233に形成された貫通孔を通って遊技盤ユニット230の奥側(すなわち図柄表示装置247側)へと導かれる。この場合に、図16等に示すように、遊技領域形成板233と図柄表示装置247との間に形成された空間には排出通路形成部材が設けられており、奥側へと導かれた遊技球はこの排出通路形成部材に形成された排出通路を通過してパチンコ機10の外部へ排出される。
以上詳述したように遊技領域形成板233と図柄表示装置247との間に所定の空間を設けることにより、同空間への各種部材の配置を可能としている。
本実施の形態においては、遊技盤ユニット230を介して視認される表示領域の位置及びその範囲を変化させる表示領域可変機構250を備えている。そこで以下、その表示領域可変機構250及びそれに関連する構成について図20及び図21に基づき詳細に説明する。図20は遊技盤ユニット230及び表示領域可変機構250を示す分解斜視図、図21は図20の部分断面図である。
図20等に示すように、表示領域可変機構250は、遊技盤ユニット230の背面側、詳しくは遊技盤ユニット230と図柄表示装置247とによって挟まれた前記空間内に配置されている。表示領域可変機構250は、表示画面248に対して重なる複数(本実施の形態におていは6つ)の遮蔽ユニット251と、それら遮蔽ユニット251の移動方向を規定する一対のレール部材270,290(詳しくは下側レール部材270及び上側レール部材290)とによって構成されている。
遮蔽ユニット251は主として、表示領域の一部を遮蔽する遮蔽体252と、当該遮蔽体252を支持する支持部253とからなる。遮蔽体252は、遮光性を有する有色の合成樹脂材料によって形成されており、遊技領域形成板233の背面に沿って上下方向に延びる角柱状をなしている。遮蔽体252の長さ寸法は透過領域E1における上下方向の長さ寸法よりも大きく設定されており、同遮蔽体252の各端部が前後方向にて各シート材245,246と重なるように配置されている。なお、遮蔽体252を構成し、当該遮蔽体252の長手方向に延びる各周面には所定の絵柄等の各種装飾が付与(詳しくは印刷)されているが、これら各絵柄についての詳細は後述する。
遮蔽体252には、当該遮蔽体252の長手方向と同一方向(上下方向)に延びる貫通孔260が形成されており、当該貫通孔260にアルミニウム等の軽金属によって形成された円柱状の軸体261が挿通されている。この軸体261は貫通孔260に挿通された状態で遮蔽体252に接着されており、それら遮蔽体252及び軸体261が一体化されている。軸体261の中心軸線X2は、貫通孔260と同様に遮蔽体252の長手方向(上下方向)に延びており、遊技領域形成板233の背面に対して平行となっている。そして、この中心軸線X2を中心として遮蔽体252が回動可能となっている。軸体261における支持部253側の端部は当該支持部253に連結されている。支持部253が下側レール部材270に移動可能に支持されている。
下側レール部材270は、排出通路形成部材の後方に配置されている。すなわち、下側レール部材270は排出通路形成部材と図柄表示装置247との間に挟まれた位置に配されている。下側レール部材270は左右方向(水平方向)に延びており、その全長は遊技領域形成板233の幅寸法(左右方向における長さ寸法)とほぼ同等となるように形成されている。更に詳しくは、下側レール部材270は遊技領域形成板233の背面と平行となるように形成されている。
また、下側レール部材270は、遊技領域形成板233の背面に固定された1組の下側支持部材300を介することで遊技領域形成板233の背面に対して所定の間隔を隔てた状態で固定されている(下側支持部材300に関しては図20等参照)。つまり、下側支持部材300によって遊技領域形成板233の背面から離間した状態で固定されている。なお、下側支持部材300は取付部材305によって遊技領域形成板233の背面に固定されている。
下側支持部材300による遊技領域形成板233からのオフセット量は、上述した排出通路形成部材等の遊技領域形成板233からの突出量よりも大きく設定されており、それら排出通路形成部材等と下側レール部材270(表示領域可変機構250)との干渉が回避されている。なお、下側レール部材270は、第2シート材246の後方に配置されており、その全域において同第2シート材246と重なっている。これにより、パチンコ機10の正面側からは、下側レール部材270を視認しにくくなっている。
ここで、図21に基づき下側レール部材270と支持部253との相互の関係について詳細に説明する。下側レール部材270は、遊技領域形成板233の背面と平行な前側板部275と、当該前側板部275に対し所定の間隔を隔てて対峙する後側板部276と、それら両板部275,276を繋ぐ底板部277とによって構成されており、これら各板部275,276,277の内面によって当該下側レール部材270の長手方向と同一方向に延びる溝部278が形成されている。溝部278は左方,右方及び上方に向けて開放されており、この溝部278に遮蔽ユニット251の支持部253が嵌まっている、詳しくは、支持部253は、その上部が溝部278から突出した状態で嵌まっている。
支持部253はその外殻を構成する本体254を備えている。本体254は全体として略直方体状をなしており、前側板部275に対向する前側壁部255と、後側板部276に対向する後側壁部256と、底板部277に対向する下側壁部257とを有している。
下側レール部材270の前側板部275及び後側板部276には、遮蔽ユニット251の移動方向を規制する規制部280が形成されている。規制部280は、前側板部275から溝部278内方(すなわち前側壁部255)側に起立するとともに相互に対向する2つの板状部281と、後側板部276から溝部278内方(すなわち後側壁部256)側に起立するとともに相互に対向する2つの板状部282とからなり、それら各板状部281,282の先端が支持部253の前側壁部255及び後側壁部256にそれぞれ接触している。これにより、遮蔽ユニット251の前後方向への位置ずれが抑えられている。より詳しくは、板状部281,282は、下側レール部材270の両端部に渡って形成されている。このため支持部253が移動した場合であっても板状部281,282と壁部255,256の接触が維持され、支持部253の移動方向が規制されることとなる。
また、規制部280は、相対向する前側の板状部281によって挟まれてなる前側ガイド溝283と、相対向する後側の板状部282によって挟まれてなる後側ガイド溝284とを有している。支持部253の壁部255,256には、ガイド溝283,284と同一方向に延びているとともに、それらガイド溝283,284に嵌まる突条部255a,256aが一体成形されており、それら突条部255a,256aの上下両面がガイド溝283,284に対して接触していることで、遮蔽ユニット251の浮き上がり等が抑えられている。これにより、支持部253の下側壁部257と、下側レール部材270の底板部277との位置関係が一定に保たれている。以上詳述した規制部280及び突条部255a,256aによって支持部253の移動方向が一の方向に規定されている。
すなわち、遮蔽ユニット251は、支持部253が溝部278の規制部280に沿って摺動することにより、左右方向へスライド移動可能となっている。換言すれば、遮蔽ユニット251は下側レール部材270によって規定された所定の方向への移動を許容された状態で支持されている。このように遮蔽ユニット251のスライド移動方向を規制する点に着目すれば、下側レール部材を「規制手段」又は「案内手段」と称することも可能である。
軸体261における支持部253側と反対の端部は遮蔽体252から上方に向けて延出しており(以下、この延出した部分を延出部262と称する)、この延出部262に対応して上述した上側レール部材290が設けられている。
上側レール部材290は、下側レール部材270の長手方向と同一の方向(水平方向)に延びており、その全長は下側レール部材270の全長と同等となっている。更には、下側レール部材270と同様に遊技領域形成板233の背面と平行となるように形成されている。また、下側レール部材270と同様に1組みの上側支持部材310を介して遊技領域形成板233に固定されていることにより、遊技領域形成板233に対して所定の隙間が確保されている。そして、上側レール部材290は第1シート材245の背面側に配置されており、その全体が第1シート材245と前後に重なっている。このため、上側レール部材290パチンコ機10前方から視認しづらくなっている。なお、上側支持部材310についても下側支持部材300と同様に、取付部材315によって遊技領域形成板233に固定されている。
上側レール部材290には、前記延出部262に対応するとともに、下側レール部材270側に開放され、当該下側レール部材270の溝部278に対向する陥欠部293が形成されている。換言すれば、陥欠部293は、パチンコ機10における前後位置(遊技領域形成板233に対する前後位置)が下側レール部材270の溝部278と同一且つ当該溝部278と平行となるように形成されている。
陥欠部293は、相互に対向するとともに軸体261の中心軸線方向と同一方向に延びる一対の対向板部294,295によって構成されており、それら両対向板部294,295の間に軸体261の延出部262が挟まれている。これにより、軸体261の先端側における位置ずれ(詳しくは前後方向への位置ずれ)が抑えられている。更に、両対向板部294,295は、上側レール部材290の両端部に渡って形成されており、遮蔽ユニット251が移動する際には、延出部262が陥欠部293内を摺動する。これにより上側レール部材290と遮蔽ユニット251との引っ掛かり状態が維持される。
また、軸体261の延出部262は陥欠部293よりも上方、すなわち上側レール部材290の内部空間側に突出しており、その先端には当該軸体261の放射方向に延びる円板状のストッパ263が一体成形されている。ストッパ263においては、自身の板面が対向板部294,295の先端に所定の間隔を隔てて対峙している。これにより、遮蔽ユニット251と上側レール部材290とを組み合わせる際に遮蔽ユニット251が上側レール部材290から抜け落ちるといった不都合が生じにくくなっている。また、対向板部294,295との間に所定の間隔が確保されていることで、遮蔽ユニット251が移動した際のストッパ263と対向板部294,295との支えが回避されている。
なお、上述の如く下側レール部材270及び上側レール部材290の両側の端部には、左右両側への開放部位が形成されており、これら開放部位を通じて支持部253を挿入することで、遮蔽ユニット251の組み付けがなされる。すなわち、前記開放部位は遮蔽ユニット251を挿入する挿入部286,296を構成している。
以上詳述したように遮蔽ユニット251の上下に配された下側レール部材270及び上側レール部材290によって同遮蔽ユニット251の移動方向が規定されることで、遮蔽ユニット251の倒れや位置ずれ等が好適に抑えられている。
ここで、図21に基づき遮蔽ユニット251の駆動に関する構成について詳細に説明する。
支持部253の本体254内には、下側レール部材270により規定された所定方向へのスライド移動を実現する動力源として第1ステッピングモータ265が収容されている。より詳しくは、第1ステッピングモータ265に対応して本体254に形成された第1収容部254a内に当該第1ステッピングモータ265が嵌まった状態で固定されている。
第1ステッピングモータ265における回転軸としての鉄心265aは遊技領域形成板233に対して直交する方向(すなわち前後方向)に延びており、その先端部には円板状をなすとともにその外周に複数の歯が形成されたピニオン(歯車)265bが装着されている。ピニオン265bの外周部(詳しくは歯の部分)は、下側壁部257に形成された開口257aを介して底板部277側に突出しており、下側レール部材270側に設けられた長尺状のラック266に対して噛み合っている。より詳細には、ラック266は、下側レール部材270の長手方向寸法とほぼ同一の長さ寸法を有しており、その長手方向にピニオン265bに対応する複数の歯が配列されてなる。下側レール部材270の底板部277にはラック266を設置する設置部279が形成されており、ラック266は設置部279に嵌まった状態で接着材により固定されている。
第1ステッピングモータ265が動作し鉄心265aが回動することにより、ピニオン265bとラック266とが噛み合う。これにより、下側レール部材270に対して遮蔽ユニット251がスライド移動することとなる。すなわち、上述したピニオン265b及びラック266によって第1ステッピングモータ265に発生する動力を伝える動力伝達手段が構成されている。
また、本体254の後側壁部256には、第1収容部254aに連なる開口部256bが形成されており、当該開口部256bを介して図示せぬ配線が第1ステッピングモータ265に接続されている。更に、下側レール部材270の後側板部276には上記配線が通る長孔276aが形成されており、この配線を介して、第1ステッピングモータ265と下側レール部材270の外部に配置された図示せぬ中継基板とが電気的に接続されている。
同図21に示すように、本体254内には、遮蔽体252の回転移動を実現する動力源として第2ステッピングモータ267が収容されている。より詳しくは、第2ステッピングモータ267に対応して本体254に形成された第2収容部254b内に当該第2ステッピングモータ267が嵌まった状態で固定されている。
第2ステッピングモータ267における回転軸としての鉄心267aは前記軸体261の中心軸線方向と同一の方向(すなわち上下方向)に延びており、その先端部が本体254の上側壁部258に形成された貫通孔258aから突出している。軸体261には鉄心267aに対応する穴状の嵌合部264が形成されており、この嵌合部264に対して鉄心267aが嵌まることで、それら鉄心267aと軸体261とが連結されている。つまり、第2ステッピングモータ267の動作に伴って鉄心267aが回動することで軸体261が回動する。これにより、遮蔽体252が回動することとなる。
なお、本体254の後側壁部256には第2収容部254bに連通する連通孔256cが形成されている。この連通孔256cを介して図示せぬ配線が第2ステッピングモータ267に連なっている。この配線は前記長孔276aを介して前記中継基板に繋がっており、当該配線によって第2ステッピングモータ267と中継基板とが電気的に接続されている。
本実施の形態においては特に、駆動源としてステッピングモータ265,267を用いる構成とした。ステッピングモータ265,267においては、前記中継基板を介して入力されるパルス数に依存してその回転角度が決定される。このため、第1ステッピングモータ265においては下側レール部材270上でのスライド量を当該パルス数によって規定することができ、第2ステッピングモータ267においては遮蔽体252の回転状態(すなわち遮蔽体252の向き)を当該パルス数によって規定することができる。これにより、遮蔽ユニット251の位置決め制御を好適に実現可能となっている。
次に、遮蔽ユニット251の前後位置を変更する構成、詳しくはレール部材270,290をスライド移動させる構成について説明する。
既に説明したように、下側レール部材270は、下側支持部材300によって支持されている。下側支持部材300は、下側レール部材270の左右両端に配置されており、遊技領域形成板233の背面と直交する方向に延びるレール状をなしている。なお、下側支持部材300がレール状をなす点に着目すれば、「下側支持部材300」を「下側支持レール300」と称することも可能である。
下側支持部材300には、下側レール部材270が搭載される搭載部301が形成されている。搭載部301は、下側支持部材300の長手方向と同一方向に延びるとともに、下側レール部材270の底板部277と平行な平面状をなしている。底板部277において搭載部301と対向している部位には、それら搭載部301に当接する合成樹脂製の当接部材287が装着されており、これら当接部材287が搭載部301上を摺動可能となっている。
また、下側支持部材300には、搭載部301に対して下側レール部材270を挟んで対向し、同下側レール部材270の浮き上がりを規制する規制部302が形成されている。下側レール部材270の板状部281,282が規制部302に当たることで、当接部材287の搭載部301からの離れが規制される。
下側レール部材270における溝部278の両端側には、当該下側レール部材270を下側支持部材300に沿って移動させる動力源としての第3ステッピングモータ288が設けられている。第3ステッピングモータ288は上述した第1ステッピングモータ265と同様の構成、すなわち鉄心及びピニオンを備えている。下側支持部材300には第3ステッピングモータ288のピニオンに対応する(噛み合う)ラック303が固着されている。ラック303は下側支持部材300の長手方向に複数の歯が配列されてなる帯状をなしており、第3ステッピングモータ288が回転することによって、下側レール部材270が下側支持部材300の長手方向(すなわち前後方向)にスライド移動する。
また、上述の如く上側レール部材290は、上側支持部材310によって支持されている。上側支持部材310は、上側レール部材290の左右両端に配置されており、遊技領域形成板233の背面と直交する方向、すなわち下側支持部材300と同一の方向に延びるレール状をなしている。なお、上側支持部材310がレール状をなす点に着目すれば、「上側支持部材310」を「上側支持レール310」と称することも可能である。
上側支持部材310には、下側支持部材300と同様に、上側レール部材290が搭載される搭載部311が形成されている。搭載部311は、上側支持部材310の長手方向と同一方向に延びるとともに、上側レール部材290において下側レール部材270と対向している部位(以下、下側板部291と称する)と平行な平面状をなしている。下側板部291において搭載部311と対向している部位には、それら搭載部311に当接する合成樹脂製の当接部材297が装着されており、これら当接部材297が搭載部311上を摺動可能となっている。
また、上側支持部材310には、搭載部311に対して上側レール部材290を挟んで対向し、同上側レール部材290の浮き上がりを規制する規制部312が形成されている。上側レール部材290の上側板部292が規制部312に当たることで、当接部材297の搭載部311からの離れが規制される。
上側レール部材290の両端側には、当該上側レール部材290を上側支持部材310に沿って移動させる動力源としての第4ステッピングモータ298が設けられている。第4ステッピングモータ298は上述した第3ステッピングモータ288と同様の構成、すなわち鉄心及びピニオンを備えている。上側支持部材310には第4ステッピングモータ298のピニオンに対応する(噛み合う)ラック313が固着されている。ラック313は上側支持部材310の長手方向に複数の歯が配列されてなる帯状をなしており、第4ステッピングモータ298が回転することによって、上側レール部材290が上側支持部材310の長手方向(すなわち前後方向)にスライド移動する。より具体的には、遮蔽ユニット251と上側レール部材290とが一体となって前後方向にスライド移動する。
各ステッピングモータ288,298が駆動することにより、下側レール部材270,上側レール部材290及び遮蔽ユニット251が支持部材300,310に沿ってスライド移動する。特に、それらステッピングモータ288,298においては、後述する表示制御装置によってその回転開始・終了タイミング及び回転速度が同一となるように制御されている。このため、両ステッピングモータ288,298が駆動することにより、下側レール部材270,上側レール部材290及び遮蔽ユニット251は一体的に移動することとなる。このように、レール部材270,290をスライド移動させることにより、遮蔽ユニット251と遊技領域形成板233との間隔を変化させることが可能となっている。
次に、図20〜図22に基づき上述した遮蔽体252について詳細に説明する。図22(a)は遮蔽体252をその軸線方向から見た概略図、図22(b)は遮蔽体252の回動状態を示す概略図、図22(c)は遮蔽体252と遊技領域形成板233及び図柄表示装置247との関係を示す概略図である。
図20等に示すように、遮蔽体252は軸線方向に延びる複数の外周面を備えている。より詳しくは、遮蔽体252は三角柱状をなすとともに、3つの異なる外周面252a〜252cを備えている。すなわち、中心軸線と直交する断面がいずれの位置においても同様の三角形状をなしている。それら各外周面252a〜252cは、略長方形状をなすとともに、それぞれ異なる幅寸法(すなわち、外周面252a〜252c自身の短手方向における長さ寸法)を有している。換言すれば、回動方向(各外周面252a〜252cの並設方向)における長さ寸法が異なっている。更に言い換えれば、隣り合う外周面252a〜252cとの境界間の間隔寸法、すなわちそれら外周面252a〜252cに沿った長さ寸法が異なっている。以下説明の便宜上、幅寸法の小さな順に第1外周面252a,第2外周面252b,第3外周面252cと称する。
図20〜図22に示すように各外周面252a〜252cはそれぞれ平面状をなしている。そして、軸体261の中心軸線X2(すなわち回転中心)からの第1外周面252aまでの最短距離寸法L1と、中心軸線X2からの第2外周面252bまでの最短距離寸法L2と、中心軸線X2から第3外周面252cまでの最短距離寸法L3とが同一となっている。このため、図22(b)に示すように各外周面252a〜252cが遊技領域形成板233(詳しくはその背面)に対して平行となった状態、すなわち所定の表示位置に配置された状態においては、それら各外周面252a〜252cが同一の仮想平面P上に位置することとなる。すなわち、各外周面252a〜252cが仮想平面P上に位置している状態においては、各外周面252a〜252cと遊技領域形成板233との間隔寸法D1は同一又は略同一となる。
仮想平面Pは、遊技領域形成板233の背面と平行となるように構成されており、各外周面252a〜252cが上述した回動中心軸線X2を中心として所定の表示位置に配置された場合には、それら各外周面252a〜252cの少なくとも一部が仮想平面P上で互いに重なり合う構成となっている。言い換えれば、回動中心軸線X2を中心に外周面252a〜252cの切り替えが行われた場合には、それら各外周面252a〜252cの少なくとも一部が上述した仮想平面Pの一部にそれぞれ重なるように、各外周面252a〜252cは形成されている。第1外周面252a及び第3外周面252cについては特に、回動中心軸線X2を中心に切り替えが行われた場合には、第1外周面252aは仮想平面Pにおける第3外周面252cの配置される領域にその全体が含まれる。なお、第2外周面252bについても同様に、回動中心軸線X2を中心に切り替えが行われた場合には、第1外周面252aは仮想平面Pにおける第2外周面252bの配置される領域にその全体が含まれる構成としてもよい。
また、間隔寸法D1は、遮蔽体252が回転した場合の第1外周面252aの移動範囲E2と遊技領域形成板233とが重ならないように設定されている。このため、遮蔽体252が回転した場合に第1外周面252aと遊技領域形成板233との干渉が好適に回避される。なお、図22(b)には移動範囲E2の一部のみを示す。
ここで、図22(b)に基づいて遮蔽体252の状態切替及びそれに関連する構成について詳細に説明する。遮蔽体252は上述した第2ステッピングモータ267によって3つの異なる状態に切替可能となっている。具体的には、第1外周面252aが遊技領域形成板233に対向する(平行となる)第1の状態を基準として、第2外周面252bが遊技領域形成板233に対向する(平行となる)第2の状態と、第3外周面252cが遊技領域形成板233に対向する(平行となる)第3の状態とに切替可能となっている。
また、これら外周面252a〜252c同士の内角は全て鋭角となっている。より詳しく説明すれば、第1外周面252a及び第2外周面252bの内角A1と、第2外周面252b及び第3外周面252cの内角A2と、第3外周面252c及び第1外周面252aの内角A3とはそれぞれ90°よりも小さく設定されている(図22(a)参照)。換言すれば、図22(b)に示すように、第1外周面252aが仮想平面P上に配置されている場合、当該第1外周面252aの面方向(すなわち前後方向)において第2外周面252b全体及び第3外周面252c全体がそれぞれ第1外周面252aに重なり、第2外周面252bが仮想平面P上に配置されている場合、当該第2外周面252bの面方向(すなわち前後方向)において第1外周面252a全体及び第3外周面252c全体がそれぞれ第2外周面252bに重なり、第3外周面252cが仮想平面P上に配置されている場合、当該第3外周面252cの面方向(すなわち前後方向)において第1外周面252a全体及び第2外周面252b全体がそれぞれ第3外周面252cに重なっている。
言い換えれば、第1外周面252aが仮想平面P上に配置されている場合、当該第1外周面252aのパチンコ機10の後方への投影範囲内に第2外周面252b及び第3外周面252cが含まれることとなり、第2外周面252bが仮想平面P上に配置されている場合、当該第2外周面252bのパチンコ機10の後方への投影範囲内に第1外周面252a及び第3外周面252cが含まれることとなり、第3外周面252cが仮想平面P上に配置されている場合、当該第3外周面252cのパチンコ機10の後方への投影範囲内に第1外周面252a及び第2外周面252bが含まれることとなる。
遮蔽体252の第1の状態から第2の状態への切り替えに際して、第2外周面252bは、自身の正面側(図22(b)における反時計回り方向)に向けて回転する。第2の状態から第1の状態に復帰する際には、上記回転方向と逆側(図22(b)における時計回り方向)に回転する。以下、前者の回転を正回転、そして前者の回転方向を正回転方向と称するとともに、後者の回転を逆回転、そして後者の回転方向を逆回転方向と称する。
第1の状態から第3の状態に切り替えられる際には、第3外周面252cの正面側(図22(b)における時計回り方向)に向けて回転する。すなわち逆回転する。第3の状態から第1の状態に復帰する際には、上記回転方向と逆側(図22(b)における反時計回り方向)に回転する。すなわち正回転する。
第1の状態から第2の状態又は第3の状態に切り替えがなされる場合には、遮蔽体252の回動に基づいて、当該遮蔽体252における同遮蔽体252の回動中心軸線X2から最も離れた部位、すなわち第2外周面252bと第3外周面252cとの境界部位B1(以下、第1境界部位B1と称する)は仮想平面Pよりも後側(図柄表示装置247側)にて移動することとなる。すなわち、第1境界部位B1が通過する軌道Tは仮想平面Pよりも前側に張り出すことが回避されている。
回動中心軸線X2と第1境界部位B1との距離寸法L4は間隔寸法D1よりも大きく設定されている。より詳しくは、回動中心軸線X2及び遊技領域形成板233の間隔寸法D2は、距離寸法L4よりも小さく設定されているとともに、回動中心軸線X2及び表示画面121の間隔寸法D3は距離寸法L4よりも大きく設定されている。これにより、遮蔽体252の動作スペースを確保しつつ、遮蔽体252を遊技領域形成板233に対して近づけることが可能となっている。つまり、第1境界部位B1が仮想平面Pよりも後側を移動する構成とすることにより、回動中心軸線X2よりも前側における動作スペースを減縮している。
より詳しく説明すれば、図22(b)に示すように、遮蔽体252は、第1の状態において回動中心軸線X2と第1境界部位B1との距離寸法L4が回動中心軸線X2と遊技領域形成板233との間隔寸法D2よりも大きくなり、且つ回動中心軸線X2と図柄表示装置247の表示画面248との間隔寸法D3よりも距離寸法L4が小さくなるように配置されている。これにより、回動中心軸線X2よりも前側の領域を減縮しつつ、回動中心軸線X2よりも後側の領域を拡大し、遮蔽体252(詳しくは第1境界部位B1)の動作領域を好適に確保している。つまり、回動中心軸線X2と遊技領域形成板233及び表示画面248の一方とによって挟まれた領域のうち第1境界部位B1が通過する側を積極的に広げ、第1境界部位B1が通過しない側を積極的に狭めることにより、遊技領域形成板233及び表示画面248によって挟まれた空間を好適に利用している。
また、回動中心軸線X2と第1境界部位B1との距離寸法L4は、当該距離寸法L4を2倍した値が遊技領域形成板233及び表示画面248の間隔寸法D4よりも大きくなるように形成されている。言い換えれば、遮蔽体252は、回動中心軸線X2を固定したまま当該遮蔽体252を1回転させることは不可となるような大きさを有している。
図22(c)に示すように、第2の状態及び第3の状態間での切り替えに関しては、第2の状態からの逆回転及び第3の状態からの正回転により状態の切り替えが行われる。つまり、第1の状態を経由することなく第2の状態及び第3の状態間での直接の切り替えが可能となっている。言い換えれば、上述した第1境界部位B1が回動中心軸線X2と遊技領域形成板233との間を通過することにより第2の状態及び第3の状態間の切り替えが行われる。本実施の形態においては特に、第2の状態及び第3の状態の切り替えに関して特徴的な構成を有している。以下、その切り替えに関する構成について説明する。
第1の状態を経由することなく第2の状態及び第3の状態間の切り替えがなされる場合には、当該遮蔽体252における第1境界部位B1が遮蔽体252の回動に基づいて仮想平面Pよりも前側(図柄表示装置247側)の領域を通過する。このような切り替え動作がなされる場合には、上述した支持部材300,210及び第3ステッピングモータ288によって遮蔽ユニット251が後方へ(すなわち図柄表示装置120の表示画面121側へ)スライド移動される。つまり、回動中心軸線X2の位置が図柄表示装置120の表示画面121側に移ることとなる。特に、第1境界部位B1が可動中心軸線X2と遊技領域形成板233との間を通過する際にはその移動量が最大となる。詳しくは、遮蔽体252が回動中心軸線X2及び遊技領域形成板233の間隔寸法D2が距離寸法L4よりも大きくなる位置に配置されることとなる。かかる位置の変更によって、回動中心軸線X2と遊技領域形成板233及び表示画面248の一方とによって挟まれた領域のうち第1境界部位B1が通過する側を積極的に広げるとともに、第1境界部位B1が通過しない側を積極的に狭めることが可能となり、遊技領域形成板233及び表示画面248によって挟まれた空間における動作領域の確保を可能としている。
遮蔽体252の回動に合わせて回動中心軸線X2の位置を前後に移動させることにより同遮蔽体252の第1境界B1が通過する通過軌道PS2は、遮蔽体252の回動中心軸線X2の位置が遊技領域形成板233側に固定された状態にて同遮蔽体252が回動した場合に第1境界B1を通過する仮想円CL2の内側に位置している。通過軌道PS2は前後に圧縮された略楕円状をなしており、その左右の大きさは仮想円CL2における左右の大きさと同等であるものの、同通過軌道PS2の前後の大きさは仮想円CL2における前後の大きさよりも小さくなっている。
なお、遮蔽体252における最大幅は第3外周面252cの幅寸法であり、遮蔽体252はその幅寸法が間隔寸法D4よりも小さくなるように形成されている。そして、上述した間隔寸法D3は、第3外周面252cにおける第1境界部位B1と反対側の境界部位(以下、第2境界部位B2と称する)と表示画面248との干渉を回避可能な程度の大きさを確保されていることにより、上述した第2の状態及び第3の状態の切替が可能となっている。
次に、図23に基づき複数の遮蔽ユニット251の相互関係について説明する。図23(a)は第1の状態を示す概略図、図23(b)は第2の状態を示す概略図、図23(c)は第3の状態を示す概略図である。なお、図23(a)〜(c)においては、3つの遮蔽ユニット251を用いて動作を簡略化して示すが、遮蔽ユニット251の個数は3つに限定されるものではない。
図23(a)に示すように、第1外周面252aが仮想平面P上に位置している状態では、各遮蔽ユニット251の第1外周面252aが、隣り合う遮蔽ユニット251の第1外周面252aと接触している(隙間無く連続している)。具体的には、各第1外周面252aの縁部同士が接触した状態となっている。換言すれば、各第1外周面252aが連なることで、一つの連続した遮蔽面が形成されている。このように各遮蔽ユニット251が隣接している場合であっても、第1外周面252a及び第2外周面152bの内角A1と、第1外周面252a及び第3外周面252cの内角A3とはそれぞれ90°よりも小さいため、遮蔽体252同士が縁部以外の部位で接触することを回避し、第1外周面252aの連続性が担保されている。すなわち各第1外周面252a間に隙間が生じにくくなっている。
図23(b)に示すように、第2外周面252bが仮想平面P上に位置している状態では、各遮蔽ユニット251の第2外周面252bが、隣り合う遮蔽ユニット251の第2外周面252bと接触している。具体的には、上述した第1外周面252aの場合と同様に、各第2外周面252bの縁部同士が接触した状態となっている。換言すれば、各第2外周面252bが連なることで、一つの連続した遮蔽面が形成されている。このように各遮蔽ユニット251が隣接している場合であっても、第2外周面252b及び第1外周面252aの内角A1と、第2外周面252b及び第3外周面252cの内角A2とはそれぞれ90°よりも小さいため、遮蔽体252同士が縁部以外の部位で接触することを回避し、第2外周面252bの連続性が担保されている。すなわち各第2外周面252b間に隙間が生じにくくなっている。
図23(c)に示すように、第3外周面252cが仮想平面P上に位置している状態では、各遮蔽ユニット251の第3外周面252cが、隣り合う遮蔽ユニット251の第3外周面252cと接触している。具体的には、上述した第1外周面252aの場合と同様に、各第3外周面252cの縁部同士が接触した状態となっている。換言すれば、各第3外周面252cが連なることで、一つの連続した遮蔽面が形成されている。このように各遮蔽ユニット251が隣接している場合であっても、第3外周面252c及び第1外周面252aの内角A3と、第3外周面252c及び第2外周面252bの内角A2とはそれぞれ90°よりも小さいため、遮蔽体252同士が縁部以外の部位で接触することを回避し、第3外周面252cの連続性が担保されている。すなわち各第3外周面252c間に隙間が生じにくくなっている。
以上詳述した、各遮蔽面は、遊技領域形成板233の背面に平行な平面状をなしており、その左右方向(すなわち各レール部材270,290の長手方向)の幅寸法がそれぞれ異なっている。具体的には、第1の状態における遮蔽面の幅寸法<第2の状態における遮蔽面の幅寸法<第3の状態における遮蔽面の幅寸法となっている。これにより、遊技領域形成板233に対する間隔を一定に保ちながら、遮蔽ユニット251の配列方向(左右方向)における遮蔽範囲を好適に変化させることが可能となっている。
ここで、図24及び図25に基づき表示領域可変機構250の動作について説明する。図24(a)〜(d)は第1の状態と第2の状態との切替動作を示す動作説明図であり、図24(e)〜(g)は第1の状態と第3の状態との切替動作を示す動作説明図であり、図25(a)〜(f)は第2の状態と第3の状態との切替動作を示す動作説明図である。
先ず、第1の状態と第2の状態との切替動作について説明する。第1の状態から第2の状態への切り替えに際しては、表示領域可変機構250は(a)→(b)→(c)→(d)の順に動作する。
図24(a)に示すように、第1外周面252aが仮想平面P上に位置している状態では、各遮蔽ユニット251(詳しくは第1外周面252a)が相互に連なっている。ここで、第2の状態への移行を促がす信号が中継基板を介して各遮蔽ユニットに伝わると、それら遮蔽ユニット251は下側レール部材270に沿ってスライド移動し、図24(b)に示す相互に離間した状態となる。このように遮蔽ユニット251が離間した状態にてそれぞれ正回転することにより、第1外周面252aが仮想平面Pから離れるとともに第2外周面252bが同仮想平面P上に配置される(図24(c)参照)。
図24(b)に示したスライド量は各遮蔽ユニット251が回転した際に相互干渉を回避できる程度に設定されている。これにより、図24(b)から図24(c)への移行が円滑に行われるため、切り替えに要する期間の短縮が可能となる。
図24(c)に示すように、各遮蔽ユニット251の回転が完了すると、第2外周面252b間の隙間を詰めるように遮蔽ユニット251が下側レール部材270に沿って再びスライド移動する。そして、第2外周面252bが集ることで一連の遮蔽面が形成され、第2の状態への切り替えが完了する(図24(d)参照)。
一方、第2の状態から第1の状態への切り替えに際しては、表示領域可変機構250は(d)→(c)→(b)→(a)の順に動作する。
具体的には、図24(d)に示すように各第2外周面252bが連なっている状態から、それら各第2外周面252bが分離するように、各遮蔽ユニット251がスライド移動する(図24(c)参照)。これにより、第2外周面252bから第1外周面252aへの切り替えが可能な作動隙が確保される。各遮蔽ユニット251が回転移動し、図24(b)に示す状態となった後には、遮蔽ユニット251が再びスライド移動する。そして、図24(a)に示すように、各第1外周面252aが集ることで一連の遮蔽面を形成され、第1の状態への切り替えが完了する。
次に、第1の状態と第3の状態との切替動作について説明する。第1の状態から第3の状態への切り替えに際しては、表示領域可変機構250は(e)→(f)→(g)の順に動作する。
第1の状態から第3の状態に移行する際には、図24(f)に示すように、遮蔽ユニット251が下側レール部材270に沿ってスライド移動する。これにより、各遮蔽ユニット251間に所定の隙間が確保され、それら遮蔽ユニット251の回転移動が可能となる。各遮蔽ユニット251が逆回転することにより第1外周面252aが仮想平面Pから離れるとともに、第3外周面252cが仮想平面Pと重なる位置に移動する。かかる場合、回転の終了とともに第3外周面252c同士が連なり、一連の遮蔽面が形成される。これにより第3状態への切り替えが完了する。すなわち、上述した第1状態から第2状態への切り替えよりも少ない期間で切り替えが完了することとなる。
一方、第3の状態から第1の状態への切り替えに際しては、表示領域可変機構250は(g)→(f)→(e)の順に動作する。
具体的には、図24(g)に示すように各第3外周面252cが連なっている状態から、各遮蔽ユニット251が回転移動する。これにより、第3外周面252cと第1外周面252aとが入れ替わり、図24(f)に示すように第1外周面252aが仮想平面P上に配置された状態となる。かかる状態においては、各第1外周面252a間に所定の隙間が形成されている。ここで、各遮蔽ユニット251はそれら隙が詰まるようにスライド移動を行い、図24(e)に示す状態へと移行される。すなわち、第1外周面252a同士が接触し、一連の遮蔽面が形成される。これにより、第3の状態から第1の状態への切り替えが完了する。
それら各第2外周面252bが分離するように、各遮蔽ユニット251がスライド移動する(図24(c)参照)。これにより、第2外周面252bから第1外周面252aへの切り替えが可能な作動隙が確保される。各遮蔽ユニット251が回転移動し、図24(b)に示す状態となった後には、遮蔽ユニット251が再びスライド移動する。そして、図24(a)に示すように、各第1外周面252aが集ることで一連の遮蔽面が形成され、第1の状態への切り替えが完了する。
以上詳述したスライド移動の際には、上記所定の表示位置に配置されている各外周面252a〜252cが遊技領域形成板233の背面に対して平行な状態で維持される。すなわち、外周面252a〜252cと遊技領域形成板233との間隔が一定に保たれることとなる。これにより、スライド移動に伴って遮蔽体252と遊技領域形成板233とが近づくことが回避されている。
次に、図25に基づき第2の状態と第3の状態との切替動作について説明する。第2の状態から第3の状態への切り替えに際しては、表示領域可変機構250は(a)→(b)→(c)→(d)→(e)→(f)の順に動作する。
図25(a)に示すように、第2外周面252bが仮想平面P上に位置している状態では、各遮蔽ユニット251(詳しくは第2外周面252b)が相互に連なっている。ここで、第3の状態への移行を促がす信号が中継基板を介して各遮蔽ユニット251に伝わると、それら遮蔽ユニット251は下側レール部材270に沿ってスライド移動し、図25(b)に示すように相互に離間した状態となる。このように各遮蔽ユニット251が離間することにより、各遮蔽ユニット251における外周面の切り替えが許容された状態となる。このように第2外周面252bが仮想平面P上に位置している状態では、各遮蔽ユニット251の回動中心軸線X2と遊技領域形成板233との間隔寸法D2は、回動中心軸線X2と図柄表示装置247の表示画面248との間隔寸法D3よりも小さく設定されている。より詳細には、間隔寸法D2は回動中心軸線X2と第1境界部位B1との距離寸法L4よりも小さくなるように設定されており、間隔寸法D3は同距離寸法L4よりも大きくなるように設定されている。
以上詳述したように各遮蔽ユニット251が離間した状態にて、各遮蔽ユニット251は同タイミング且つ同速度で回動を開始し、回動が終了するまでそれら各遮蔽ユニット251の回転速度が一定に保たれたまま移動する。
各遮蔽ユニット251が正方向(具体的には時計回り)に回動すると、第1境界部位B1が遊技領域形成板233に対して近づく側に移動する。これと同期して遮蔽ユニット251(詳しくは両レール部材270,290)は、同遮蔽ユニット251の回動中心軸線が遊技領域形成板233から離れる側、すなわち図柄表示装置120の表示画面121側に一定の速度でスライド移動する。また、遮蔽ユニット251の第2境界部位B2及び第3境界部位B3と図柄表示装置247との間には両者の干渉を回避可能な程度の隙間が確保されている。このため、それら境界部位B2,B3と図柄表示装置247とが支えて上述した遮蔽ユニット251の動作が妨げられることはない。
各遮蔽ユニット251の回転角度が予め定められた第1規定角度ANG1(本実施の形態においては73°)に達することに同期して、すなわち第1境界部位B1が回動中心軸線X2と遊技領域形成板233とによって挟まれた領域に到達することに同期して、各遮蔽ユニット251の表示画面121側へのスライド移動が完了する(図25(d)参照)。かかる状態においては、各遮蔽ユニット251のスライド量が最大となり、上述した間隔寸法D2よりも間隔寸法D3の方が小さくなっている。より詳細には、間隔寸法D2は、距離寸法L4よりも大きくなり、間隔寸法D3は距離寸法L4よりも小さくなっている。すなわち、回動中心軸線X2よりも前側での第1境界部位B1の動作領域を拡大することにより同第1境界部位B1の移動を許容しつつ、回動中心軸線X2よりも後側での動作領域を減縮することによりスペースの有効利用が図られている。
なお、第1境界部位B1が遊技領域形成板233側に近づくことに伴って、他の境界部位B2,B3が表示画面248に接近することとなる。上述した間隔寸法D3は、このように境界部位B2,B3が表示画面248に接近した状態であっても、それら境界部位B2,B3と表示画面248と干渉を回避可能な動作領域が確保されるように設定されている。
各遮蔽ユニット251が更に回動し、前記第1規定角度ANG1を超えると、遮蔽ユニット251(詳しくは両レール部材270,290)は、同遮蔽ユニット251の回動中心軸線が遊技領域形成板233に対して近づく側、すなわち図柄表示装置120の表示画面121から離れる側に一定の速度でスライド移動する(図25(e)参照)。つまり、遮蔽ユニット251はその回動に合わせて徐々に前方へ移動する。これにより、上述した間隔寸法D2が徐々に減少するとともに、それに合わせて間隔寸法D3が徐々に増加する。
各遮蔽ユニット251の回転角度が予め定められた第2規定角度ANG2(本実施の形態においては146°)に達することに同期して、すなわち第3外周面252cが遊技領域形成板233の背面と平行となる位置に配置されることに同期して、各遮蔽ユニット251の遊技領域形成板233側へのスライド移動が完了する(図25(f)参照)。これにより、各間隔寸法D2,D3の関係は、第2外周面252bが仮想平面P上に配置されている状態と同様の関係に戻ることとなる。かかる状態においては、第3外周面252cが仮想平面P上に配置されているとともに、それら第3外周面252cによって連続面が形成され、第3の状態への切り替えが完了する。すなわち、図25(b)に示した、各遮蔽ユニット251の離間量(スライド量)は、第3外周面252cが仮想平面P上に配置された状態にて連続するように設定されている。
一方、第3の状態から第2の状態への切り替えに際しては、以上詳述した順序と逆の順序で表示領域可変機構250が動作する。つまり、表示領域可変機構250が(f)→(e)→(d)→(c)→(b)→(a)の順に動作することにより、状態の切り替えが完了することとなる。以下、一連の動作について簡単に説明する。
図25(f)に示すように、第3外周面252cが仮想平面P上に位置している状態では、各遮蔽ユニット251(詳しくは第3外周面252c)が相互に連なっている。ここで、第2の状態への移行を促がす信号が中継基板を介して各遮蔽ユニット251に伝わると、それら遮蔽ユニット251は正方向(具体的には時計回り)に回動する。なお、各遮蔽ユニット251は同タイミング且つ同速度で回動を開始し、回動が終了するまでそれら各遮蔽ユニット251の回転速度が一定に保たれたまま移動する。
このような遮蔽ユニット251の回動に基づき第1境界部位B1は遊技領域形成板233に対して近づく側に移動する。これと同期して遮蔽ユニット251(詳しくは両レール部材270,290)は、同遮蔽ユニット251の回動中心軸線が遊技領域形成板233から離れる側、すなわち図柄表示装置120の表示画面121側に一定の速度でスライド移動する。
各遮蔽ユニット251の回転角度が予め定められた第3規定角度ANG3(本実施の形態においては73°)に達することに同期して、すなわち第1境界部位B1が回動中心軸線X2と遊技領域形成板233とによって挟まれた領域に到達することに同期して、各遮蔽ユニット251の表示画面121側へのスライド移動が完了する(図25(d)参照)。かかる状態においては、各遮蔽ユニット251のスライド量が最大となり、上述した間隔寸法D2よりも間隔寸法D3の方が小さくなっている。より詳細には、間隔寸法D2は、距離寸法L4よりも大きくなり、間隔寸法D3は距離寸法L4よりも小さくなっている。
各遮蔽ユニット251が更に回動し、前記第3規定角度ANG3を超えると、遮蔽ユニット251(詳しくは両レール部材270,290)は、同遮蔽ユニット251の回動中心軸線が遊技領域形成板233に対して近づく側、すなわち図柄表示装置120の表示画面121から離れる側に一定の速度でスライド移動する(図25(c)参照)。つまり、遮蔽ユニット251はその回動に合わせて徐々に前方へ移動する。これにより、上述した間隔寸法D2が徐々に減少するとともに、それに合わせて間隔寸法D3が徐々に増加する。
各遮蔽ユニット251の回転角度が予め定められた第4規定角度ANG4(本実施の形態においては146°)に達することに同期して、すなわち第3外周面252cが遊技領域形成板233の背面と平行となる位置に配置されることに同期して、各遮蔽ユニット251の遊技領域形成板233側へのスライド移動が完了する(図25(d)参照)。これにより、各間隔寸法D2,D3の関係は、第2外周面252bが仮想平面P上に配置されている状態と同様の関係に戻ることとなる。
かかる状態においては、各遮蔽ユニット251(詳しくは各第2外周面252b)の間に所定の隙間が形成されている。ここで、それら遮蔽ユニット251はレール部材270,290に沿ってスライド移動し、図25(a)に示すように相互に接した状態となる。これにより、第2外周面252bによる連続面が形成され、第2の状態への切り替えが完了する。なお、上述した第2規定角度ANG2と第4規定角度ANG4とは同一となるように設定されている。
次に、以上詳述した表示領域可変機構250を演出として用いるために設定された各種駆動モードと、表示領域可変機構250及び図柄表示装置247の相互の関係とについて図24に基づき説明する。図26はパチンコ機10の正面からみた表示領域可変機構250と図柄表示装置247との関係を示す概略図である。図26(a)群は遮蔽ユニット251が左右両側に二分された状態、図26(b)群は遮蔽ユニット251が右側に偏倚された状態、図26(c)群は遮蔽ユニット251が左側に偏倚された状態、図26(d)群は遮蔽ユニット251が中央に集められた状態を示し、図26(1)群は第1外周面252aによる遮蔽状態、図26(2)群は第2外周面252bによる遮蔽状態、図26(3)群は第3外周面252cによる遮蔽状態を示す。
表示領域可変機構250の駆動モードとしては、標準モード(標準状態)に対して遮蔽位置を変更する第1種駆動モードと、標準モードに対して遮蔽量を変更する第2種駆動モードとが設定されている。すなわち、標準モードは各種駆動モードが実行される際の起点となっている。
標準モードにおいては、図26(a1)に示すように、遮蔽ユニット251が左右両側に二分して(それぞれ3つづつに分けて)配置されており、両シート材245,246及び遮蔽ユニット251(詳しくは遮蔽体252)によって区画された透過領域E1の一部(中央部分)を介して、図柄表示装置247の表示画面248が視認可能となっている。より具体的には、隣接する遮蔽体252同士が相互に接触し、それら遮蔽体252によって連続する二つの遮蔽面が形成されることとなる。この遮蔽面により透過領域E1を左右に6分割したうちの凡そ右側1/6の領域と左側1/6の領域とが覆われ、透過領域E1の凡そ中央4/6の領域を介して、図柄表示装置247の表示画面248が視認可能となる。この場合、表示画面248においてキャラクタや文字(例えば数字)等の所定の図柄が表示される表示領域E3は、遮蔽ユニット251との重なりを回避するように設定されており、具体的には、略長方形状をなす所定の領域に図柄が表示される。表示領域E3において上記図柄が変動表示され、予め定められた図柄が停止した場合や、予め定められた図柄の組合せが停止した場合に、遊技者に有利な大当たり状態に移行される。なお、標準モードにおける遮蔽ユニット251の位置を標準位置と称する。
以下、始めに第1種駆動モードについて説明し、後に第2種駆動モードについて説明する。
第1種駆動モードは、第1位置切替モードと、第2位置切替モードと、第3位置切替モードと、第4位置切替モードとからなる。
第1位置切替モードは、各遮蔽ユニット251を図26(a)に示す標準位置から図26(b)に示す所定位置にスライド移動させるモードである。具体的には、標準モードにて左側に配置されている遮蔽ユニット251を右方に移動させ、全ての遮蔽ユニット251を右側に集約するモードである。このように遮蔽ユニット251が右側に偏倚し、整列された状態においては、隣接する遮蔽体252同士が接触し、それら遮蔽体252によって連続する一の遮蔽面が形成されることとなる。この遮蔽面により透過領域E1を左右に3分割したうちの凡そ右側1/3の領域が覆われ、透過領域E1の左側2/3の領域を介してのみ、図柄表示装置247の表示画面248が視認可能となる。このように遮蔽される範囲が変更されることに伴って、図柄表示装置247の表示画面248において所定の図柄が表示される表示領域E3は、遮蔽ユニット251との重なりを回避するように変更される。詳しくは、略長方形状をなす所定の領域が表示領域E3として設定される。
第2位置切替モードは、各遮蔽ユニット251を図26(a)に示す標準位置から図26(c)に示す所定位置にスライド移動させるモードである。具体的には、標準モードにて右側に配置されている遮蔽ユニット251を左方に移動させ、全ての遮蔽ユニット251を左側に集約するモードである。このように遮蔽ユニット251が左側に偏倚し、整列された状態においては、隣接する遮蔽体252同士が接触し、それら遮蔽体252によって連続する一の遮蔽面が形成されることとなる。この遮蔽面により透過領域E1を左右に3分割したうちの凡そ左側1/3の領域が覆われ、透過領域E1の右側2/3の領域を介してのみ、図柄表示装置247の表示画面248が視認可能となる。このように遮蔽される範囲が変更されることに伴って、図柄表示装置247の表示画面248において所定の図柄が表示される表示領域E3は、遮蔽ユニット251との重なりを回避するように変更される。詳しくは、略長方形状をなす所定の領域が表示領域E3として設定される。
第3位置切替モードは、図26(a)から図26(d)に示す位置に、各遮蔽ユニット251をスライド移動させるモードである。具体的には、標準モードにて左右両側に配置されている各遮蔽ユニット251を中央に移動させ、全ての遮蔽ユニット251を中央に集約するモードである。このように遮蔽ユニット251が中央に集約されるとともに整列された状態においては、隣接する遮蔽体252同士が接触し、それら遮蔽体252によって連続する一の遮蔽面が形成されることとなる。この遮蔽面により透過領域E1を左右に3分割したうちの中央1/3の領域が覆われ、透過領域E1の左側1/3の領域及び右側1/3の領域を介して、図柄表示装置247の表示画面248が視認可能となる。すなわち、透過領域E1が遮蔽面によって左右に2分された状態となる。このように遮蔽される範囲が変更されることに伴って、図柄表示装置247の表示画面248において所定の図柄が表示される表示領域E3は、遮蔽ユニット251との重なりを回避するように変更される。すなわち、複数の遮蔽ユニット251によって形成された遮蔽面を挟んだ両側に表示領域E3が配置されることとなる。詳しくは、上述した左側1/3の領域及び右側1/3の領域にそれぞれ略長方形状をなす所定の領域が表示領域E3として設定される。
第4位置切替モードは、第1位置切替モード〜第3位置切替モードによって変更された遮蔽ユニット251の位置と表示領域E3とを、上記標準モード(標準状態)に復帰させるモードである。具体的には、図26(a1)に示すように、表示領域E3を挟んだ左右両側に遮蔽ユニット251をそれぞれ3つづつ配置させるモードである。換言すれば、遮蔽ユニット251によって形成された複数の遮蔽面の間に表示領域E3を配置させるモードである。
遊技状況に応じて、上述した各種モードの切替を行うことにより、表示領域E3と遮蔽領域との位置を変更し、多様な演出を行うことが可能となっている。
次に、第2種駆動モードについて説明する。第2種駆動モードは、第1表示切替モード〜第5表示切替モードとからなる。
先ず上述した標準モード(標準状態)についてより詳しく説明する。標準モードにおいては、図26(a1)に示すように、各遮蔽体252の第1外周面252aがパチンコ機10の正面側を向いた状態となっている。すなわち、上述した各遮蔽面は複数の第1外周面252aによって構成されている。
第1表示切替モードは、図26(1)に示す第1外周面152aによる遮蔽状態から図26(2)に示す第2外周面252bに示す遮蔽状態に移行するモードである。具体的には、各遮蔽ユニット251の遮蔽体252を回転させることで、第2外周面252bがパチンコ機10の正面側を向く状態(上記第2の状態)に切り替えるモードである。第2外周面252bによって一連の遮蔽面が構成されることで、その遮蔽される領域は通常状態よりも大きくなる。このように遮蔽される範囲が変更(拡大)されることに伴って、図柄表示装置247の表示画面248において所定の図柄が表示される表示領域E3は、遮蔽面との重なりを回避するように縮小される。第2外周面252bには上述したように所定の絵柄(具体的には「chance」の文字)が付与されている。第1外周面252aから第2外周面252bへの切り替えによって、上記絵柄がパチンコ機10前方から視認可能となり、遊技者に対して大当たり抽選に当選する可能性が高いことを示唆することができる。
第2表示切替モードは、図26(1)に示す第1外周面252aによる遮蔽状態から図26(3)に示す第3外周面252cによる遮蔽状態に移行するモードである。具体的には、各遮蔽ユニット251の遮蔽体252を回転させることで、第3外周面252cがパチンコ機10の正面側を向く状態(上記第3の状態)に切り替えるモードである。第3外周面252cによって一連の遮蔽面が構成されることで、その遮蔽される領域は通常状態よりも大きくなる。このように遮蔽される範囲が変更(拡大)されることに伴って、図柄表示装置247の表示画面248において所定の図柄が表示される表示領域E3は、遮蔽面との重なりを回避するように縮小される。第3外周面252cには上述したように所定の絵柄(具体的には「big chance」の文字)が付与されている。第1外周面252aから第3外周面252cへの切り替えによって、上記絵柄がパチンコ機10前方から視認可能となり、遊技者に対して大当たり抽選に当選する可能性が上述した「chance」が表示される場合よりも更に高いことを示唆することができる。
なお、第1外周面252aには複数の絵柄(詳しくは星をモチーフとした絵柄)が付与されており、第1外周面252aがパチンコ機10の正面に向いた状態においては、それら星がパチンコ機10前方から視認可能となっている。
第3表示切替モードは、第1外周面252aによる遮蔽状態から図26(3)に示す第2外周面252bによる遮蔽状態に移行するモードである。具体的には、各遮蔽ユニット251の遮蔽体252を回転させることで、第3外周面252cがパチンコ機10の正面側を向く状態を経由し、第2外周面252bがパチンコ機10の正面側を向く状態(上記第2の状態)に切り替えるモードである。より詳しくは、各遮蔽体252が逆回転することにより第3外周面252cによって遮蔽面が構成された状態へ移行し、所定の期間(0.5秒程度)経由した後、更に逆回転することにより第2外周面252bによって一連の遮蔽面が構成された状態へ移行するモードである。第2外周面252bが形成された後、図柄表示装置247の表示画面248において所定の図柄が表示される表示領域E3は、遮蔽面との重なりを回避するように縮小される。
第4表示切替モードは、第1外周面252aによる遮蔽状態から図26(2)に示す第3外周面252cによる遮蔽状態に移行するモードである。具体的には、各遮蔽ユニット251の遮蔽体252を回転させることで、第2外周面252bがパチンコ機10の正面側を向く状態を経由し、第3外周面252cがパチンコ機10の正面側を向く状態(上記第3の状態)に切り替えるモードである。より詳しくは、各遮蔽体252が正回転することにより第2外周面252bによって遮蔽面が構成された状態へ移行し、所定の期間(0.5秒程度)経由した後、更に正回転することにより第3外周面252cによって一連の遮蔽面が構成された状態へ移行するモードである。第3外周面252cが形成された後、図柄表示装置247の表示画面248において所定の図柄が表示される表示領域E3は、遮蔽面との重なりを回避するように縮小される。
第5表示切替モードは、遮蔽体252を、第1外周面252aによって遮蔽面が形成されている状態に復帰させるモードである。すなわち、第2の状態又は第3の状態から第1の状態に切り替えるモードである。
以上詳述した第1種駆動モード及び第2種駆動モードを複合して適用することで、図26(a1)〜(d3)に示す多様な演出が可能となっている。また、図柄表示装置247における表示領域E3の位置及び大きさは、上述した各駆動モードに対応して変化する構成となっているため、遊技者に対して注目すべき対象を明確に示すことができる。
本実施の形態における電気的構成は、前記第1の実施の形態における電気的構成とほぼ同じである。故に、以下、電気的構成に関する詳細な説明を省略し、第1の実施の形態に置ける相違点について説明する。
表示制御装置320に設けられた表示制御基板321には、MPU322が搭載されている。MPU322には、当該MPU322により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM323と、そのROM323内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM324と、割込み回路,タイマ回路,データ出力回路等の各種回路とが内蔵されている。
MPU212には入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU322の入力ポートには、音声ランプ制御装置91が接続されている。また、MPU322の出力ポートには、図柄表示装置247が接続されているとともに、中継基板を介して表示領域可変機構250(詳しくは各ステッピングモータ265,267,288)が接続されている。
MPU322では、主制御装置90から出力され音声ランプ制御装置91を経由して出力されてくる演出用コマンド(変動用コマンド,種別コマンド,停止表示コマンド,大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンド等)を取得するとともに、入力コマンドを解析し又は入力コマンドに基づき所定の演算処理を行って図柄表示装置247の表示制御を実行する。また、MPU322では、上記演出用コマンドに基づいて表示領域可変機構
250の表示モード(駆動モード)の設定を行う。
ROM323には、遮蔽ユニット251の回動位置の情報及びスライド位置の情報が記憶されているとともに、それら各情報に1対1で対応させて表示領域の切り替えに関する情報が記憶されている。これら各種情報は、上述した演出用コマンドに対応付けがなされており、遊技状況に応じてそれら各種情報に基づいた演出モードの切り替えを行うことにより、多様な演出を実現可能となっている。
また、ROM323には、各表示切替モードに対応して個々に対応して各モータ265,267,288の動作態様を定めたプログラム、すなわち遮蔽体252の回転速度,回転開始及び終了タイミングと、遮蔽ユニット251のスライド移動の移動速度,移動開始及び終了タイミングと、レール部材270,290のスライド移動の移動速度,移動開始及び終了タイミングとを規定したプログラムが表示制御装置320のROM323に記憶されている。
例えば、上述した第2種駆動モードの第1表示切替モードにおいて、各遮蔽体252の回転速度を統一するとともに、各遮蔽体252の回動開始タイミングと回動終了タイミングとを統一するように規定されたプログラムや、各遮蔽体252の回転移動及び各遮蔽ユニット251のスライド移動のタイミングが規定されたプログラムが記憶されており、このプログラムに基づいて各ステッピングモータ265,267の駆動制御がなされることで、第1表示切替モードが実行される際の各遮蔽ユニット251の干渉が回避されつつ、それら各遮蔽ユニット251の回転動作が同期される構成となっている。同様に、第2表示切替モードにおいて、各遮蔽体252の回転速度を統一するとともに、各遮蔽体252の回動開始タイミングと回動終了タイミングとを統一するように規定されたプログラムや、各遮蔽体252の回転動作及び各遮蔽ユニット251のスライド移動のタイミングが規定されたプログラムが記憶されている。
また、第3表示切替モードにおいて、各遮蔽体252の回転速度を統一するとともに、各遮蔽体252の回動開始タイミングと回動終了タイミングとを統一するように規定されたプログラムや、各遮蔽体252の回転移動,各遮蔽ユニット251のスライド移動及び各レール部材270,290のスライド移動のタイミングが規定されたプログラムが記憶されており、このプログラムに基づいて各ステッピングモータ265,267,288の駆動制御がなされることで、第3表示切替モードが実行される際の遮蔽ユニット251と遊技領域形成板233及び図柄表示装置247の干渉が回避されつつ、それら各遮蔽ユニット251の回転動作が同期される構成となっている。同様に、第4表示切替モードにおいて、各遮蔽体252の回転速度を統一するとともに、各遮蔽体252の回動開始タイミングと回動終了タイミングとを統一するように規定されたプログラムや、各遮蔽体252の回転移動,各遮蔽ユニット251のスライド移動及び各レール部材270,290のスライド移動のタイミングが規定されたプログラムが記憶されている。
次に、表示制御装置320のMPU322における表示領域可変機構250の駆動モードの設定に関する各種処理を説明する。
MPU322では、動作電力が供給されている間、予め定められた複数種の処理を所定の順序で繰り返し実行するための通常処理が実行される。当該通常処理における駆動モードの設定に関する処理として、音声ランプ制御装置91から入力したコマンドの種類を特定し、その特定したコマンドに対応した処理を実行するコマンド判定処理と、上記表示領域可変機構250を伴った演出を行うための特別演出用処理とが少なくとも設定されている。以下、これら各処理について説明する。
先ず、コマンド判定処理について図27のフローチャートを参照しながら説明する。
コマンド判定処理では、始めにステップS401にて、変動用コマンドが入力しているか否かを判定する。なお、音声ランプ制御装置91から入力した各種コマンドは、RAM214に設けられたコマンド格納エリアに格納され、次回用の変動用コマンドが入力されることに基づいて消去される。
変動用コマンドを入力している場合には、ステップS402にて、変動用コマンドに駆動モードの特定を行うべき情報、すなわち前記位置切替モード及び前記表示切替モードの特定を行うべき情報が含まれているか否かを判定する。具体的には、変動用コマンドに含まれる第1変動種別カウンタCS1の値の情報が、ROM323に記憶された駆動モード用の値群の情報に含まれているか否かを判定する。駆動モードの特定を行うべき情報が含まれている場合には、ステップS403〜ステップS412の駆動モードの特定用処理を実行し、駆動モードの特定を行うべき情報が含まれていない場合にはそのままステップS413に進む。
駆動モードの特定用処理では、先ずステップS403にて、第1位置切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第1位置切替モードの情報が含まれている場合にはステップS404にて第1位置切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS409に進む。第1位置切替モード用特定処理では、RAM324の各種駆動フラグ格納エリアのうち第1位置切替フラグ格納エリア(第1位置切替状態情報記憶手段)に第1位置切替フラグ(第1位置切替状態情報)を格納する。第1位置切替モード用フラグは、第1ステッピングモータ265に対して駆動信号を出力し、全ての遮蔽ユニット251を表示領域E1の右側に偏倚させるフラグであり、遮蔽ユニット251を用いた演出が完了した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS403において、第1位置切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、ステップS405にて、第2位置切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第2位置切替モードの情報が含まれている場合には、ステップS406にて第2位置切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS409に進む。第2位置切替モード用の特定処理では、RAM324の各駆動フラグ格納エリアのうち、第2位置切替フラグ格納エリア(第2位置切替状態情報記憶手段)に第2位置切替フラグ(第2位置切替状態情報)を格納する。第2位置切替モード用フラグは、第1ステッピングモータ265に対して駆動信号を出力し、全ての遮蔽ユニット251を表示領域E1の左側に偏倚させるフラグであり、遮蔽ユニット251を用いた演出が完了した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS405において、第2位置切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、ステップS407にて、第3位置切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第3位置切替モードの情報が含まれている場合には、ステップS408にて第3位置切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS409に進む。第3位置切替モード用の特定処理では、RAM324の各駆動フラグ格納エリアのうち、第3位置切替フラグ格納エリア(第3位置切替状態情報記憶手段)に第3位置切替フラグ(第3位置切替状態情報)を格納する。第3位置切替モード用フラグは、第1ステッピングモータ265に対して駆動信号を出力し、全ての遮蔽ユニット251を表示領域E1の中央に集約させるフラグであり、遮蔽ユニット251を用いた演出が完了した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
一方、ステップS408にて第3位置切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、そのままステップS409に進む。
ステップS409では、第1表示切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第1表示切替モードの情報が含まれている場合には、ステップS410にて第1表示切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS417に進む。第1表示切替モード用の特定処理では、RAM324の各駆動フラグ格納エリアのうち、第1表示切替フラグ格納エリア(第1表示切替状態情報記憶手段)に第1表示切替フラグ(第1表示切替状態情報)を格納する。第1表示切替モード用フラグは、各ステッピングモータ265,267に対して駆動信号を出力し、第1外周面152aによって一連の遮蔽面が形成された状態から、第2外周面152bによって一連の遮蔽面が形成された状態に切り替えるように各ステッピングモータ265,267を動作させるフラグであり、遮蔽ユニット251を用いた演出が完了した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS409において、第1表示切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、ステップS411にて、第2表示切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第2表示切替モードの情報が含まれている場合には、ステップS412にて第2表示切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS417に進む。第2表示切替モード用の特定処理では、RAM324の各種駆動フラグ格納エリアのうち、第2表示切替フラグ格納エリア(第2表示切替状態情報記憶手段)に第2表示切替フラグ(第2表示切替状態情報)を格納する。第2表示切替モード用フラグは、各ステッピングモータ265,267に対して駆動信号を出力し、第1外周面152aによって一連の遮蔽面が形成された状態から、第3外周面152cによって一連の遮蔽面が形成された状態に切り替えるように各ステッピングモータ265,267を動作させるフラグであり、遮蔽ユニット251を用いた演出が完了した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS411において、第2表示切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、ステップS413にて第3表示切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第3表示切替モードの情報が含まれている場合には、ステップS414にて第3表示切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS417に進む。第3表示切替モード用の特定処理では、RAM324の各駆動フラグ格納エリアのうち、第3表示切替フラグ格納エリア(第3表示切替状態情報記憶手段)に第3表示切替フラグ(第3表示切替状態情報)を格納する。第3表示切替モード用フラグは、各ステッピングモータ265,267,288に対して駆動信号を出力し、第1外周面152aによって一連の遮蔽面が形成された状態から、第3外周面152cによって一連の遮蔽面が形成された状態を経由して第2外周面152bによって一連の遮蔽面が形成された状態に切り替えるように各ステッピングモータ265,267,288,298を動作させるフラグであり、遮蔽ユニット251を用いた演出が完了した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS413において、第3表示切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、ステップS415にて、第4表示切替モードの情報が含まれているか否かを判定する。第4表示切替モードの情報が含まれている場合には、ステップS416にて第4表示切替モード用の特定処理を実行した後に、ステップS417に進む。第4表示切替モード用の特定処理では、RAM324の各種駆動フラグ格納エリアのうち、第4表示切替フラグ格納エリア(第4表示切替状態情報記憶手段)に第4表示切替フラグ(第4表示切替状態情報)を格納する。第4表示切替モード用フラグは、各ステッピングモータ265,267,288に対して駆動信号を出力し、第1外周面152aによって一連の遮蔽面が形成された状態から、第2外周面152bによって一連の遮蔽面が形成された状態を経由して第3外周面152cによって一連の遮蔽面が形成された状態に切り替えるように各ステッピングモータ265,267,288,298を動作させるフラグであり、遮蔽ユニット251を用いた演出が完了した後、詳しくは特別演出が発生してから予め定められた期間が経過した後、消去される。
ステップS415において、第4表示切替モードの情報が含まれていないと判定した場合には、そのままステップS417に進む。
ステップS417では、変動表示用の特定処理を実行する。当該特定処理では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、図柄表示装置247における図柄の変動表示時間や、図柄の表示位置(画面表示範囲)、リーチ表示やリーチ演出を含めた図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の種類を特定し、それら特定した情報をRAM324に記憶させる。その後、本コマンド判定処理を終了する。
一方、ステップS401において、変動用コマンドを入力していないと判定した場合には、ステップS418に進み、その他の特定処理を実行した後に、本コマンド判定処理を終了する。その他の特定処理では、入力しているコマンドが停止表示コマンド,大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンドである場合には、それぞれに対応した処理を実行する。また、その他の特定処理では、コマンドを入力していないと判定した場合には、そのまま処理を終了するとともに、入力したコマンドが解析できない場合にもそのまま処理を終了する。
次に特別演出用処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
特別演出用処理では、先ずステップS501にて、特別演出が発生する変動表示回中であるか否かを判定する。当該変動表示回中で無い場合には、そのまま特別演出処理を終了し、当該変動表示回中である場合には、ステップS502に進む。
ステップS502では、RAM324の各種駆動フラグ格納エリアに位置切替モード用フラグが格納されているか否かを判定する。位置切替モード用フラグが格納されていると判定された場合、ステップS503に進む。ステップS503では、表示領域可変機構250を駆動させる(詳しくは遮蔽ユニット251をレール部材270,290に沿って左右にスライド移動させる)タイミングか否かを判定する。当該タイミングは、図柄の変動表示の開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置320のROM323に予め記憶されている。そして、図柄の変動表示の開始後においてステップS501にて肯定判定される度にRAM324のタイミング用カウンタエリアが更新され、当該タイミング用カウンタエリアの値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS503にて肯定判定をする。そして、ステップS504に進み位置切替モード用処理を実行する。位置切替モード用処理では、表示領域可変機構250の第1ステッピングモータ265に対して駆動信号を出力する。この駆動信号に基づいて第1ステッピングモータ265が所定量回転し、既に説明したように、レール部材270,290に沿って左右方向にスライド移動する。これにより、遮蔽体252の位置が変化し、遮蔽される領域が変更される(図26参照)。
ステップS504の処理を実行した後、又はステップS503にて否定判定がなされた場合には、ステップS505において図柄表示装置247の表示画面248(表示領域)の切り替えタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、図柄の変動表示の開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置320のROM323に予め記憶されている。そして、上述の如く図柄の変動表示の開始後においてステップS501にて肯定判定される度にRAM324のタイミング用カウンタエリアが更新され、当該タイミング用カウンタエリアの値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS505にて肯定判定をする。そして、ステップS506に進み表示画面切替処理を実行する。具体的には、上述した表示領域可変機構250(詳しくは遮蔽体252)に対して重ならない位置に図柄表示装置247の表示範囲(表示領域)E3を移動させる(図26参照)。
ステップS506にて表示画面の切り替えを行った後は、ステップS507に進み、今回の変動表示回において表示領域可変機構250の表示モードを切り替えるか否か、すなわち遮蔽体252を回転させ外周面252a〜252cの位置を変更するか否かを判定する。具体的には、表示切替モード用フラグがRAM324の各種駆動フラグ格納エリアに格納されているか否かを判定する。
表示切替モード用フラグが格納されている場合には、ステップS508に進み、ステップS508において表示モード切替用処理の開始タイミングであるか否かを判定する。当該開始タイミングは、図柄の変動表示の開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置320のROM323に予め記憶されている。そして、上述の如く図柄の変動表示の開始後においてステップS501にて肯定判定される度にRAM324のタイミング用カウンタエリアが更新され、当該タイミング用カウンタエリアの値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS508にて肯定判定をする。そして、ステップS509に進み表示切替モード処理を実行する。
ここで、表示切替モード用処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
表示切替モード用処理では、先ずステップS601にて、第1ステッピングモータ265が駆動中であるか否かを判定する。すなわち、第1ステッピングモータ265に対して駆動信号が出力され、遮蔽ユニット251がレール部材270,290に沿ってスライド移動しているかどうかを判定する。第1ステッピングモータ265に対して駆動信号が出力されておらず、同第1ステッピングモータ265が駆動していない場合には、ステップS602に進み、第1ステッピングモータ265に対して駆動信号を出力するタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、特別演出処理開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、特別演出処理開始後、前記ステップS501にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS602にて肯定判定をする。ステップS602にて第1ステッピングモータ265に駆動信号を出力するタイミングであると判定(肯定判定)した場合にはステップS603に進み、第1ステッピングモータ駆動信号出力処理を実行する。すなわち、第1ステッピングモータ265への駆動信号の出力を開始する。
ステップS601にて肯定判定をした後、又はステップS603にて第1ステッピングモータ駆動信号の出力処理を行った後は、ステップS604に進み第1ステッピングモータ265に対する駆動信号の出力を停止し、第1ステッピングモータ265の回動を停止するタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、特別演出処理開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、特別演出処理開始後、前記ステップS501にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS604にて肯定判定をする。ステップS604にて第1ステッピングモータ駆動信号を停止させるタイミングであると判定(肯定判定)した場合にはステップS605に進み、第1ステッピングモータ駆動信号の停止処理を実行する。
ステップS605にて第1ステッピングモータ駆動信号の出力を停止した後、又はステップS602にて否定判定がなされた後は、ステップS606に進む。ステップS606では第2ステッピングモータ267が駆動中であるか否かを判定する。すなわち、第2ステッピングモータ267に対して駆動信号が出力され、遮蔽体252が回動中心軸線X2を中心に回動しているかどうかを判定する。第2ステッピングモータ267に対して駆動信号が出力されていない場合には、ステップS607に進み、第2ステッピングモータに対して駆動信号を出力するタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、第2ステッピングモータ267の回動開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、特別演出処理開始後、前記ステップS501にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS607にて肯定判定をする。ステップS607にて第2ステッピングモータ267に対して駆動信号を出力するタイミングであると判定(肯定判定)した場合にはステップS608に進み、第2ステッピングモータ267に対して駆動信号の出力を開始する。
ステップS608にて第2ステッピングモータ駆動信号の出力を開始した後は、ステップS609に進む。ステップS609では、第3・第4ステッピングモータ288,298が駆動中であるか否かを判定する。すなわち、第3・第4ステッピングモータ288,298に対して駆動信号が出力され、遮蔽ユニット251(詳しくはレール部材270,290)が支持部材300,310に沿ってスライド移動しているかどうかを判定する。第3・第4ステッピングモータ288,298が駆動していない場合には、ステップS610に進み、第3・第4ステッピングモータ288,298に対して遮蔽ユニット251(詳しくはレール部材270,290)を後方へスライド移動させるように規定された駆動信号(以下、後方スライド用動作指示信号と称する)を出力するタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、特別演出処理開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、特別演出処理開始後、前記ステップS501にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS610にて肯定判定をする。ステップS610にて第3・第4ステッピングモータ288,298に後方スライド用動作指示信号を出力するタイミングであると判定(肯定判定)した場合にはステップS611に進む。ステップS611では、第3・第4ステッピングモータ288,298に対して後方スライド用動作指示信号を出力する処理を実行する。
ステップS611にて後方スライド用動作指示信号の出力を停止した後、又はステップS610にて否定判定をした後は、ステップS612に進む。ステップS612では、第3・第4ステッピングモータ288,298に対して遮蔽ユニット251(詳しくはレール部材270,290)を前方へスライド移動させるように規定された駆動信号(以下、前方スライド用動作指示信号と称する)を出力するタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、特別演出処理開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、特別演出処理開始後、前記ステップS501にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS612にて肯定判定をする。ステップS612にて第3・第4ステッピングモータ288,298に対して前方スライド用動作指示信号を出力するタイミングであると判定(肯定判定)した場合にはステップS613に進む。ステップS613では、第3・第4ステッピングモータ288,298に対して前方スライド用動作指示信号を出力する処理を実行する。
一方、ステップS609にて肯定判定をした場合、すなわち第3・第4ステッピングモータ288,298が駆動中であると判定した場合には、ステップS614に進む。ステップS614では、後方スライド用動作指示信号の出力を停止し、第3・第4ステッピングモータ288,298の回動を止めるタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、特別演出処理開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、特別演出処理開始後、前記ステップS501にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS614にて肯定判定をする。ステップS614にて第3・第4ステッピングモータ288,298に対する後方スライド用動作指示信号の出力を停止するタイミングであると判定(肯定判定)した場合には、ステップS615に進む。ステップS615では、後方スライド用動作指示信号の出力停止処理を実行する。
ステップS615にて後方スライド用動作指示信号の出力を停止した後、又はステップS614にて否定判定をした後は、ステップS616に進む。ステップS616では、前方スライド用動作指示信号の出力を停止し、第3・第4ステッピングモータ288,298の回動を止めるタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、特別演出処理開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、特別演出処理開始後、前記ステップS501にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS616にて肯定判定をする。ステップS616にて第3・第4ステッピングモータ288,298に対する前方スライド用動作指示信号の出力を停止するタイミングであると判定(肯定判定)した場合には、ステップS617に進む。ステップS617では、前方スライド用動作指示信号の出力停止処理を実行する。
ステップS617にて前方スライド用動作指示信号の出力を停止した後、ステップS613にて前方スライド用動作指示信号の出力を開始した後、又はステップS612,S616にて否定判定をした後は、ステップS618に進む。ステップS618では、第2ステッピングモータ267に対する駆動信号の出力を停止するタイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、特別演出処理開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置92のROM213に予め記憶されている。そして、特別演出処理開始後、前記ステップS501にて肯定判定される度にRAM214のタイミング用カウンタエリア222が更新され、当該タイミング用カウンタエリア222の値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS618にて肯定判定をする。ステップS618にて第2ステッピングモータ267に対する駆動信号の出力を停止するタイミングであると判定(肯定判定)した場合には、ステップS619に進む。ステップS619では、第2ステッピングモータ267に対する駆動信号の出力を停止する処理を実行する。
ステップS619にて第2ステッピングモータ267に対する駆動信号停止処理を行った後、又はステップS604,S607,S618にて否定判定をした後は、本表示切替モード用処理を終了する。
なお、既に説明したように本実施の形態においては表示切替モードを複数パターン有しており、それら各モード毎に各モータ265,267,288の回転方向,回転開始・終了タイミング及び回転速度は異なっている。具体的には、第1ステッピングモータ265の回転方向,回転開始・終了タイミング及び回転速度と、第2ステッピングモータ267の回転方向,回転開始・終了タイミング及び回転速度と、第3・第4ステッピングモータ288,298の回転方向,回転開始・終了タイミング及び回転速度とが、上述した第1表示切替モード〜第4表示切替モードによって個々に対応づけられている。このため、ステップS603において第1ステッピングモータ265に出力される信号や、ステップS608において第2ステッピングモータ267に出力される信号や、ステップS611,S615において第3・第4ステッピングモータ288,298に出力される信号は各モード毎に相違する。
以下、表示切替モード用処理の一例(具体的には第3表示切替モードにおける各種処理)について図30のタイミングチャートに基づき詳細に説明する。図30は、第3表示切替モード(遮蔽ユニット251が第1の状態から第2の状態に第3の状態を経由して切り替えられるモード)において、表示制御装置320から各ステッピングモータ265,267,288,298に出力される信号の切り替え態様を示す概略図である。なお、同図30においては、理解を容易なものとするため、各タイミングにおける遮蔽ユニット251の状態を簡略化して示している。
第3表示切替モードにおいては、特別演出が発生してから所定の期間が経過したT1のタイミングで、表示制御装置320から各第1ステッピングモータ265に対して遮蔽ユニット251における回動中心軸線X2間の距離を拡大するようにそれら各第1ステッピングモータ265の回転方向が規定された駆動信号(以下、拡大用動作指示信号と称する)を同第1ステッピングモータ265に対して出力する。この拡大用動作指示信号は、第1の状態から第2の状態への遮蔽ユニット251の切り替えを許容する程度の隙間が各遮蔽ユニット251間に形成されるように規定されたパルスの数を有しており、当該拡大用動作指示信号に基づいて第1ステッピングモータ265が所定量回動することにより、各遮蔽ユニット251がレール部材270,290に沿って左右に展開(スライド移動)する。
第1ステッピングモータ265の回動開始後、所定の期間が経過しT2のタイミングに達すると、第1ステッピングモータ265に対する拡大用動作信号の出力を停止するとともに、第2ステッピングモータ267に対してそれら第2ステッピングモータ267を逆回転させる駆動信号(以下、逆回転用動作指示信号と称する)の出力を開始する。この逆回転用動作指示信号は、遮蔽体252を回動中心軸線X2を中心として回動させることにより、第1の状態から第3の状態への切り替え、すなわち第1外周面252aが仮想平面P上に位置している状態から第3外周面252cが仮想平面P上に位置している状態への切り替えを行うための所定のパルス数を有している。すなわち、このパルス数に基づいて第2ステッピングモータ267が逆回転することにより、遮蔽ユニット251が第1の状態から第2の状態に切り替えられ、それら遮蔽ユニット251の第3外周面252cによる連続面が形成される。
遮蔽ユニット251の第1の状態から第3の状態への切り替えが完了したタイミング、すなわち特別演出開始から所定の期間が経過したT3のタイミングにて、第2ステッピングモータ267への逆回転用動作指示信号の出力を停止する。つまり、一時的に遮蔽ユニット251の回動を停止させ、あたかも第3の状態にて停止したかのように見せる演出を行う。その後、若干の期間を経過した後、すなわちT4のタイミングにて再び第2ステッピングモータ267に対して逆回転用動作指示信号を出力する。この逆回転用動作指示信号は、遮蔽体252を回動中心軸線X2を中心として回動させることにより、第3の状態から第2の状態への切り替え、すなわち第3外周面252cが仮想平面P上に位置している状態から第2外周面252bが仮想平面P上に位置している状態への切り替えを行うための所定のパルス数を有している。すなわち、このパルス数に基づいて第2ステッピングモータ267が逆回転することにより、遮蔽ユニット251が第3の状態から第2の状態に切り替えられ、第2外周面252bによる連続面が形成される。以下、その第3の状態から第2の状態への切り替えについて詳細に説明する。
T4のタイミングにおいては、遮蔽ユニット251(詳しくは両レール部材270,290)を後方へスライド移動させるように規定された駆動信号(以下、後方スライド用動作指示信号と称する)を第3ステッピングモータ288に対して出力する。この後方スライド用動作指示信号に基づいて第3ステッピングモータ288が回動することにより、遮蔽ユニット251の回動中心軸線X2が遊技領域形成板233から離れる側にスライド移動することとなる。詳しくは、図25(f)→図25(e)→図25(d)に示したように、遮蔽体252の第1境界B1が回動中心軸線X2よりも前方へ同回動中心軸線X2から離れるように変位しつつ、回動中心軸線X2が後方にスライド移動することにより、回動中心軸線X2よりも前側での第1境界部位B1の動作スペースが確保されることとなる。
次に、T4のタイミングから更に所定の期間が経過し、T5のタイミングに達すると、遮蔽ユニット251の第1境界部位B1が回動中心軸線X2と前後に並んだ状態となる(図25(d)参照)。このT5のタイミングにて、第3ステッピングモータ288に対する後方スライド用動作指示信号の出力を停止するとともに、前方スライド用動作指示信号の出力を開始する。この前方スライド用動作指示信号に基づいて第3ステッピングモータ288が回動することにより、遮蔽ユニット251の回動中心軸線X2が遊技領域形成板233に近づく側にスライド移動することとなる。詳しくは、図25(d)→図25(b)に示したように、遮蔽体252の第1境界B1が回動中心軸線X2よりも前方へ同回動中心軸線X2から離れるように変位する。これにより、遮蔽ユニット251と遊技領域形成板233との離れが抑えられることとなる。
その後、T6のタイミングでは、遮蔽ユニット251の第2外周面252bが仮想平面Pと重なるとともに、第2ステッピングモータ267及び第3ステッピングモータ288への動作指示信号の出力を停止する。この状態では、各遮蔽ユニット251の回動中心軸線X2間の距離が、それら遮蔽ユニット251の間に隙間が形成される程度に保たれている。そこで、同T6のタイミングにおいて、遮蔽ユニット251における回動中心軸線X2間の距離を縮小するようにそれら各第1ステッピングモータ265の回転方向が規定された駆動信号(以下、縮小用動作指示信号と称する)を第1ステッピングモータ265に対して出力する。この縮小用動作指示信号は、第2外周面252bが連続し、それら第2外周面252b間の隙間が0となるように規定されたパルスの数を有している。つまり、この縮小用動作指示信号に基づいて第1ステッピングモータ265が所定量回動することにより各遮蔽ユニット251がレール部材270,290に沿って左右にスライド移動し、T7のタイミングにて第2外周面252bによる連続面が形成された状態、すなわち第2の状態への切り替えが完了することとなる。このT7のタイミングにて、第1ステッピングモータ265への縮小用動作指示信号の出力を停止し、表示切替モード用処理が終了する。
以上詳述したように各T1〜T7のタイミングにて各ステッピングモータ267,288に出力する動作指示信号を切り替えることにより、回動用の第2ステッピングモータ267の動きとスライド用の第3ステッピングモータ288の動きとに相関を持たせることが可能となっている。
再び図28に戻り、ステップS509にて表示モードの切り替え処理を行った後、又はステップS508にて否定判定がなされた場合には、ステップS510に進む。このステップS510において表示画面の切り替え処理の開始タイミングであるか否かを判定する。当該タイミングは、図柄の変動表示の開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置320のROM323に予め記憶されている。そして、上述の如く図柄の変動表示の開始後においてステップS501にて肯定判定される度にRAM324のタイミング用カウンタエリアが更新され、当該タイミング用カウンタエリアの値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS510にて肯定判定をする。そして、ステップS511に進み表示画面切替処理を実行する。表示画面切替処理においては、上述した表示領域可変機構250(詳しくは遮蔽体252)に対して重なりを回避するようにして表示領域E3を縮小する(図26参照)。表示領域可変機構250の状態に対応する表示画面248における表示領域E3のサイズ及びその位置に関する情報は、予め所定の情報として表示制御装置320のROM323に記憶されている。
ステップS507,S510において否定判定がなされた場合、又はステップS511において表示画切替処理が行われた場合には、ステップS512以降に進み、表示領域可変機構250を用いてた特別演出の終了に関する処理を実施する。
先ずステップS512においては、変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングでない場合には、そのまま本特別演出用処理を終了する。変動表示処理の終了タイミングである場合には、ステップS513に進み、遮蔽ユニット251の復帰処理を実行する。具体的には、復帰処理では第5表示切替モード用処理と第4位置切替モード用処理を実行する。第5表示切替モード用処理では、表示領域可変機構250の第1ステッピングモータ265及び第2ステッピングモータ267に対して所定の順序で駆動信号を出力する。これにより、各ステッピングモータ265,267が所定量回転し、既に説明したように、遮蔽体252が軸体261を中心として回転、更に遮蔽ユニット251がスライド移動する。このように遮蔽体252を回転させることで遮蔽体252の第1外周面252aがパチンコ機10の正面側を向き、遮蔽体252によって遮蔽される領域が変更されるとともに、それら第1外周面252aによって連続面が形成された状態、すなわち通常状態(第1の状態)となる(図26参照)。第4位置切替モード用処理では、表示領域可変機構250の第1ステッピングモータ265に対して駆動信号を出力する。これにより、第1ステッピングモータ265が所定量回転し、既に説明したように、下側レール部材270に沿って左右方向にスライド移動する。このように遮蔽体252の位置を変化させることにより、遮蔽される領域が変更される。詳しくは、図26(a1)に示すように遮蔽ユニット251が左右両側に偏倚した通常状態となる。
そして、ステップS513の復帰処理を実行した後は、ステップS514に進み、表示画面切替処理を実行する。具体的には、表示領域可変機構250の通常状態への復帰に基づいて、表示画面248における表示領域E3の大きさ及び位置を通常状態へと復帰させる。
ステップS513,S514の各処理に基づいて表示領域可変機構250及び表示画面248の表示領域E3を通常状態に復帰させた後は、ステップS515にて表示切替モード用フラグ及び位置切替モード用フラグを消去する。ステップS515にて各フラグを消去した後、又はステップS510,S512にて否定判定した場合には、本特別演出用処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遮蔽ユニット251が回動することにより、所定の絵柄が付与された外周面252a〜252cが切り替る構成とした。これにより、パチンコ機10の正面側から視認される絵柄を各種演出に応じて変更することができ、演出の多様化を実現することができる。
また、これら外周面252a〜252cは正面側を向いた状態での遊技領域形成板233との間隔が統一されている。具体的には、外周面252a〜252cのうちいずれかが正面を向いた場合に、その外周面がパチンコ機10の奥側に移動することにより見づらくなるといった不都合の発生が回避されている。このため、各外周面252a〜252cの見やすさを担保し、演出の迫力が損なわれることを抑制している。
遮蔽体252を介してその後方が視認されることが回避されている。詳しくは、遮蔽体252が透明性を有さない構成となっている。これにより、図柄表示装置247における視認可能な範囲と視認不可な範囲を明確に差別化でき、演出時の表示領域の変化を明確なものとすることができる。故に、大型の表示画面248を有する構成であっても、遊技者に注目すべき部位を明確に示すことができ実用上好ましい構成を実現できる。
第1外周面252aと各外周面252b,252cの内角はそれぞれ鋭角となるように形成されており、第1外周面252aがパチンコ機10の正面側を向いた場合(第1の状態)、他の2つの外周面252b〜252cは、第1外周面252aの背後に隠れることとなる。故に、第1外周面252aが正面を向いた状態では、他の外周面252b,252cがパチンコ機10の正面側から視認されにくくなっている。これにより、第1外周面252aを用いた演出を明確なものとすることができ、複数の外周面を有する構成を採用したことに起因する演出の紛らわしさを低減することができる。なお、第2外周面252bがパチンコ機10の正面側を向いた場合(第2の状態)においても同様に、他の外周面252a,252cが第2外周面252bの背後に隠れることとなる。また、第3外周面252cがパチンコ機10の正面側を向いた場合(第3の状態)においても同様に、他の外周面252a,252bが第3外周面252cの背後に隠れることとなる。これにより、各外周面252a〜252cを用いた演出を明確に差別化することができる。
各外周面252a〜252cの幅寸法がそれぞれ異なるものとなっている。このため、それら各外周面252a〜252cによって遮蔽される範囲、すなわち図柄表示装置247の覆われる範囲が異なるものとなる。このように、遮蔽される範囲を変化させることで、斬新な演出の実現に貢献することができる。本実施の形態においては特に、遮蔽される範囲が変更されることに伴って、図柄表示装置247の表示範囲が変化する構成となっている。これにより、多様な表示形態を実現することができ、演出の多様化に貢献している。
表示領域可変機構250が遊技領域形成板233と図柄表示装置247との間に配置されているため、それら遊技領域形成板233と図柄表示装置247とに挟まれた領域を利用して、立体的な演出を可能としている。
遮蔽体252(詳しくその回動中心軸線X2)が上下方向に延びる構成とした。このため、遮蔽体252を回動させる際の重力による影響を抑えることができ、円滑な回転操作を可能としている。また、第1の状態〜第3の状態のいずれの状態においても、遮蔽体252が自重により回転し、位置ずれが生じるといった不都合を生じにくくなっている。このため、第2ステッピングモータ267の駆動力を小さくし、当該第2ステッピングモータ267の小型化を促進できる。
また、複数の遮蔽ユニット251(詳しくは遮蔽体252)を用いることで、遮蔽の態様を多様化している。かかる場合、各遮蔽ユニット251間に隙間がされると、その隙間から図柄表示装置247が視認されることとなり、遮蔽機能が十分に発揮されなくなることが懸念される。この点、本実施の形態においては、複数の遮蔽体252の各外周面252a〜252cによって連続する遮蔽面が形成されるため、遮蔽機能が損なわれるといった不都合が生じにくくなっている。
更には、遮蔽体252が第1ステッピングモータ265によって正逆の両方向に回動する構成とした。これにより、遮蔽体252の回動中心軸線X2から最も遠い部位(詳しくは第2外周面252b及び第3外周面252cの第1境界部位B1)が回動中心軸線X2と遊技領域形成板233との間(詳しくは、仮想平面Pよりも前方の領域)を移動することなく、各外周面252a〜252cの切替表示を可能としている。これにより、遊技領域形成板233と遮蔽体252(詳しくは回動中心軸線X)との間に境界部位B1の通過隙を必ずしも設定する必要がなくなり、それら遊技領域形成板233と遮蔽体252との間隔を狭めることができる。故に、より遊技者に近い位置での演出が実現可能となり、演出の迫力向上を期待することができる。
各外周面252a〜252cを切り替える際には、第1外周面252aを基準として正逆回転するため、第1外周面252aにおける第2外周面252b及び第3外周面252cとの境界(端部)は仮想平面Pよりも前側の領域を移動することとなる。かかる場合、各外周面252a〜252cのうち第1外周面252aの幅寸法が他の外周面252b,252よりも小さくなるように遮蔽体252を形成したことで、すなわち、回動中心軸線X2から第1外周面252a及び第2外周面252bの境界部位までの距離寸法と、回動中心軸線X2から第1外周面252a及び第3外周面252cの境界部位までの距離寸法とが、回動中心軸線Xから第2外周面252b及び第3外周面252cの境界部位B1までの距離寸法よりも小さくなるように設定したことで、仮想平面Pよりも前側の領域における前記境界(端部)の動作スペースを小さくすることができる。これにより、外周面252a〜252cすなわち仮想平面Pを遊技領域形成板233の背面に近づけて配置することが可能となる。故に、遊技者に対して、より近い位置での演出(遮蔽体252を用いた演出)を実現でき、それら演出の迫力を向上することができる。
遮蔽体252の回動に基づく第1境界部位B1の移動に合わせて、遮蔽体252(詳しくは回動中心軸線X2)がスライド移動する構成とした。具体的に説明すれば、第1境界部位が回動中心軸線X2を越えて遊技領域形成板233に近づく場合には、遮蔽ユニット251及びレール部材270,290が同遊技領域形成板233から離れる側にスライド移動し、第1境界部位B1が回動中心軸線X2を越えて図柄表示装置247の表示画面248に近づく場合には、遮蔽ユニット251及びレール部材270,290が表示画面248から離れる側に移動する構成とした。例えば、遊技領域形成板233及び図柄表示装置247によって挟まれた空間内で遮蔽体252を回動させる場合には、回動中心軸線X2から最外部位としての第1境界部位B1までの距離寸法を遊技領域形成板233及び図柄表示装置247の間隔寸法D4の半分以下に抑えることで、同遮蔽体をそれら遊技領域形成板233及び図柄表示装置247との干渉を回避しつつ回動させることが可能である。より詳しくは、回動中心軸線X2及び遊技領域形成板233の間隔寸法D2と、回動中心軸線X2及び図柄表示装置247の間隔寸法D3とのうち小さいほうよりも、回動中心軸線X2と第1境界部位B1までの距離寸法のほうが小さくなるように遮蔽体252を形成することで、同遮蔽体をそれら遊技領域形成板233等との干渉を回避しつつ回動させることが可能となる。しかしながら、このような構成においては、遮蔽体における回動中心軸線X1の位置や、各外周面の大きさが限定されやすくなり、ひいては表示部材の形状(例えばデザイン)が制限を受けやすくなると想定される。更には、スライド方向と直交する方向(例えば左右方向)における演出範囲を広げることが困難となり得る。
この点、本実施の形態においては上述の如く、遮蔽体252の回動に合わせて遮蔽ユニット251(詳しくはレール部材270,290)がスライド移動する構成とすることにより、前記各種不都合の発生を抑えることが可能となっている。すなわち、限られら範囲内での遮蔽体252の大型化を図りつつ演出範囲の拡張を実現し、更には表示部材の形状に対する制限を弱めることを可能としている。これにより、遮蔽体252を用いた表示演出によって遊技者に対し多大なインパクトを与えることが可能となっている。
特に、遮蔽体252の前後方向での動作領域を小さくすることができるため、遊技領域形成板233と図柄表示装置247との間隔を狭めることが可能となる。これにより、図柄表示装置247を遊技者に対して近づけやすくでき、視認性を確保しやすくすることができる。また、遮蔽体252の回動中心軸線X2が移動する構成としたため、遮蔽体252の遊技領域形成板233に対する動作隙を常時確保する必要がない。これにより、遮蔽体252の回動時以外は当該遮蔽体252を遊技領域形成板233に対して近づけて配置することが可能となっており、遮蔽体252の視認性の向上に貢献している。
更には、レール部材270,290に沿って遮蔽ユニット251がスライド移動する構成となっており、このスライド方向が遊技領域形成板233の背面と平行になっている。このため、遮蔽ユニット251と遊技領域形成板233との間隔の広がりを抑制することが可能となっている。
表示領域可変機構250は、遊技領域形成板233に取り付けられている。これら表示領域可変機構250及び遊技領域形成板233は共に遊技機固有となる構成である。このように遊技機固有となる構成を一にまとめることにより、パチンコ機10のリユース性の向上、具体的にはリユース時の交換作業の容易化に貢献している。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、遊技盤ユニット230を介して視認される表示領域の位置及びその範囲を変化させる構成、すなわち表示領域可変機構400に関する構成が上記第2の実施の形態と異なっている。そこで以下、表示領域可変機構400及びそれに付随する構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、図31〜図33に基づいて上記第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図31は本実施の形態における表示領域可変機構400を正面から見た概略図、図32は図31のC−C線部分断面図、図33(a)及び図33(b)は図31の部分拡大図である。因みに、図31及び図32においては、表示領域可変機構400に関連する構成、例えば遊技盤ユニット230や図柄表示装置247等を二点鎖線で示している。
図31に示すように、本実施の形態における表示領域可変機構400は、上記第2の実施の形態と同様に、複数(本実施の形態におていは6つ)の遮蔽ユニット410と、それら遮蔽ユニット410の移動方向を規定する一対のレール部材460,480(詳しくは下側レール部材460及び上側レール部材480)とを備えている。表示領域可変機構250は、図32に示すように遊技盤ユニット230の背面側、詳しくは遊技盤ユニット230と図柄表示装置247とによって挟まれた空間内に配置されているが、同表示領域可変機構250の配置に関しては第2の実施の形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
またそれら各レール部材460,480は、上記第2の実施の形態と同様に、複数の支持レールを介して遊技領域形成板233に取り付けられている。そして、それら支持レール405,406は前後方向に延びており、これら支持レール405,406によって各レール部材460,480が前後方向に移動可能な状態で支持された状態となっている。レール部材460,480には、支持レール405,406に設けられたラックに対応するピニオンが装着された駆動モータが取り付けられており、同駆動モータが駆動することによって、レール部材460,480、すなわち遮蔽ユニット410がスライド移動される。なお、これらスライド移動に関する構成については、第2の実施の形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
遮蔽ユニット410は、遮蔽体411と、その遮蔽体411を下側から支持する下側支持部材420と、同遮蔽体411を上側から支持する上側支持部材440とによって構成されている。これら各支持部材420,440がレール部材460,480によって支持されることで、遮蔽ユニット410が組み付けられた状態となっている。上記第2の実施の形態では遮蔽体を片側の端部にて支持する構成(片持ち支持する構成)としたのに対して、本実施の形態では遮蔽体を両側の端部にて支持する構成(両持ち支持する構成)とした点が相違している。先ず、各レール部材460,480及び各支持部材420,440について説明する。なお、「支持部材420,440」によってレール部材460,480と遮蔽体411とが連結される点に着目すれば、それら「支持部材420,440」を「連結部材420,440」と称することも可能である。
図32及び図33(b)に示すように、下側支持部材420は遮蔽体411の下側の端部に設けられている。下側レール部材460は上記第2の実施の形態と同様に、前側板部461,後側板部462及び底板部463によって構成されており、それら各板部461,462,463の内面によって当該下側レール部材460の長手方向(すなわちレール方向)に延びる溝部464が形成されている。溝部464は、左方,右方及び上側レール部材480と対向する側に開放されており、その内部に遮蔽ユニット410の下側支持部材420が嵌まった状態となっている。
下側レール部材460の前側板部461及び後側板部462には、下側支持部材420の上下方向への移動を規制する第1規制部465が形成されている。第1規制部465は、前側板部461から溝部464の内側へ起立するとともに、所定の間隔を隔てて対向する一対の前側板状部466と、後側板部462から溝部464の内側へ起立するとともに、所定の間隔を隔てて対向する一対の後側板状部467とによって構成されている。より具体的には、これら各板状部466,467は下側レール部材460の長手方向(すなわちレール方向)に延びており、前側板状部466によって前側ガイド溝468が形成され、後側板状部467によって後側ガイド溝469が形成されている。
下側支持部材420は、第2の実施の形態と同様に本体421を有している。本体421の前側壁部422及び後側壁部423には、下側レール部材460の各ガイド溝468,469に嵌まる突条部424,425が形成されている。これら突条部424,425及びガイド溝468,469が当接した状態にて下側支持部材420が移動することにより(摺動することにより)、同下側支持部材420の上下方向への移動(例えば浮き上がり等)が規制されることとなる。これら突条部424,425におけるレール方向の長さ、すなわち突条部424,425における左右両端の距離(スパン)によって、レール部材460による下側支持部材420の支持長さHL1が規定されており、この支持長さHL1が所定の長さとなるように設定されていることで、下側支持部材420の左右への回動や倒れが回避されている。
これら各突条部424,425の長さは、遮蔽体411の外周面411a〜411cのうち最も幅寸法の小さい第1外周面411aによって連続面が形成された場合に、隣接する遮蔽体411の各突条部424,425と干渉しないように設定されている。詳しくは、第1外周面411aの幅よりも小さくなるように設定されている。
下側レール部材460の底板部463には、下側支持部材420の前後方向への移動を規制する第2規制部470が形成されている。第2規制部470は、底板部463から溝部464の内側へ起立するとともに、下側レール部材460の長手方向(すなわちレール方向)に延びる突条部471を有している。
下側支持部材420における本体421の底側壁部426には、下側レール部材460の突条部471が嵌まる嵌合溝427が形成されている。嵌合溝427の内壁面427a,427bと突条部471の板面471a,471bとが当接した状態にて下側支持部材420が移動することにより(摺動することにより)、下側支持部材420の前後方向への移動が規制されることとなる。
以上詳述した、第1規制部465及び第2規制部470によって下側支持部材420の移動方向が一の方向に規定されている。
次に、図32及び図33(a)に基づいて、上側支持部材440及び上側レール部材480について説明する。上側支持部材440は、遮蔽体411において下側支持部材420と反対側の端部(すなわち上側の端部)に設けられており、下側支持部材420とほぼ同様の構成を有している。具体的には、上側支持部材440の外殻を構成するとともに、遮蔽体411を回動可能に支持する本体441を有している。本体441には、遮蔽体411の軸体415が挿入される挿入部441aが形成されており、この挿入部441aに対して軸体415が回動可能な状態で嵌合されている。これにより、遮蔽体411及び上側支持部材440が、遮蔽体411の回動を許容した状態で一体化されている。
上側レール部材480は、下側レール部材460とほぼ同様の構成を有している。具体的には、前側板部481,後側板部482及び底板部483を有してなり、それら各板部481,482,483の内面によって当該下側レール部材460の長手方向(すなわちレール方向)に延びる溝部484が形成されている。つまり、上側レール部材480には、下側レール部材460の溝部464と同一方向に延びる溝部484が形成されている。この溝部484に対して上側支持部材440の本体441が嵌まっている。
上側レール部材480の前側板部481及び後側板部482には、下側レール部材460と同様に、上側支持部材440の上下方向への移動を規制する第1規制部485が形成されている。第1規制部485は、前側板部481から溝部484の内側へ起立するとともに、所定の間隔を隔てて対向する一対の前側板状部486と、後側板部482から溝部484の内側へ起立するとともに、所定の間隔を隔てて対向する一対の後側板状部487とによって構成されている。前側板状部486によって前側ガイド溝488が形成され、後側板状部487によって後側ガイド溝489が形成されている。
上側支持部材440の前側壁部442及び後側壁部443には、下側支持部材420と同様に、上側レール部材480の各ガイド溝488,489に嵌まる突条部444,445が形成されている。これら突条部444,445及びガイド溝488,489が当接した状態にて上側支持部材440が移動することにより、すなわち摺動することにより、同上側支持部材440の上下方向への移動(例えば浮き上がり等)が規制されることとなる。これら突条部444,445におけるレール方向の長さ、すなわち突条部444,445における左右両端の距離(スパン)によって、レール部材480による上側支持部材440の支持長さHL2を規定されており、この支持長さHL2が所定の長さとなるように設定されていることで、上側支持部材440の左右への回動や倒れが回避されている。
これら各突条部444,445の長さは、遮蔽体411の外周面411a〜411cのうち最も幅寸法の小さい第1外周面411aによって前記連続面が形成された場合に、隣接する遮蔽体411の各突条部444,445と干渉しないように設定されている。詳しくは、第1外周面411aの幅よりも小さくなるように設定されている。
上側レール部材480の底板部483には、下側レール部材460と同様に、上側支持部材440の前後方向への移動を規制する第2規制部490が形成されている。第2規制部490は、底板部483から溝部484の内側へ起立するとともに、上側レール部材480の長手方向(すなわちレール方向)に延びる突条部491を有している。
上側支持部材440における本体441の底側壁部446には、上側レール部材480の突条部491が嵌まる嵌合溝447が形成されている。嵌合溝447の内壁面447a,447b及び突条部491の板面491a,491bが当接した状態にて上側支持部材440が移動することにより、すなわち摺動することにより、上側支持部材440の前後方向への移動が規制されることとなる。
以上詳述した上側レール部材480の第1規制部485及び第2規制部490によって、上側支持部材440の移動方向が、下側レール部材460の第1規制部465及び第2規制部47によって規定された方向と同一となるように規定されている。
<駆動機構500の説明>
ここで、遮蔽ユニット410の駆動に関する構成について説明する。なお、遮蔽体411を回動させる構成(例えば回動用ステッピングモータ555)については、第2の実施の形態と同様の構成(例えば第1ステッピングモータ165)であるため詳細な説明は省略し、遮蔽ユニット410をスライド移動させる構成、具体的には駆動機構500について詳細に説明する。
駆動機構500は、遮蔽ユニット410に連結された連結手段510と、遮蔽ユニット410に対して別個独立して設けられた駆動源を有し、連結手段510を介して遮蔽ユニット410を移動させる駆動ユニット550とによって構成されている。
<連結手段510の構成>
連結手段510は、駆動ユニット550における一の駆動源に発生した駆動力を各支持部材420,440にそれぞれ伝達する動力伝達部材としてのベルト部材511,521と、それら支持部材420,440及びベルト部材511,521を連結する連結部材531,541とを備えている。上述した遮蔽ユニット410は、レール部材460,480の両端に配置されている。各ベルト部材511,521は、レール部材460,480(詳しくは支持部材420,440)と駆動ユニット550とに跨って設けられており、その長さ寸法が相違しているものの、基本的な構成は同様となっている。以下便宜上、下側支持部材420に取り付けられた「ベルト部材511」を「下側ベルト部材511」、上側支持部材440に取り付けられた「ベルト部材521」を「上側ベルト部材521」と称し、先ず下側ベルト部材511及びそれに付随する構成について図31〜図34に基づき説明する。その後、配置等に関する相違点を踏まえて上側ベルト部材521について詳細に説明する。なお、図34は連結手段に関する構成を分解して示す一部破断斜視図である。
図34等に示すように、下側ベルト部材511は、帯状をなすベース部512を有している。ベース部512の一側面には多数の歯部513が一体成形されている。歯部513は、下側ベルト部材511の長手方向に並ぶようにして等間隔で配置されている。下側ベルト部材511は、それら歯部513が上側レール部材480側を向くようにして、下側レール部材460に組み付けられている。
下側レール部材460には、下側ベルト部材511を収容するベルト収容溝472が形成されている。ベルト収容溝472は、駆動ユニット550側の端部(詳しくは動力源が配置されている側の端部)が開放されており、この開放された部分を介して下側ベルト部材511が駆動ユニット550側に延びている。ベルト収容溝472の溝幅(幅寸法)及び溝深さ(深さ寸法)は、下側ベルト部材511の幅寸法及び厚さ寸法と同等となるように設定されている(図33(b)参照)。これにより、ベルト収容溝472内での下側ベルト部材511の撓み変形が発生しにくくなっている。
また、ベルト収容溝472は、下側レール部材460における溝部464側に開放されており、この開放された部分(開放部473)を介して下側ベルト部材511の一部、具体的には歯部513が溝部464内に露出する構成となっている。言い換えれば、開放部473は、下側ベルト部材511の溝部464内への飛び出しを規制しつつ、歯部513を露出可能となるように形成されている。この開放部473を介して、下側ベルト部材511に取り付けられた前記連結部材541が溝部464の内側、すなわち下側支持部材420側に突出している。
図34に示すように、連結部材531は、下側ベルト部材511における駆動ユニット550側と反対の端部に取り付けられており、下側ベルト部材511の歯部513に係合する係合部532と、下側支持部材420に嵌合する嵌合部533とを有してなる。係合部532は、下側ベルト部材511の歯部513に対応して形成された複数の突起532aを有してなり、全体として櫛状をなしている。各突起532aが歯部513同士の隙間部分に挟まることにより、下側ベルト部材511と連結部材531とが連結されている。
嵌合部533は、係合部532が歯部513と係合している状態にて、ベルト収容溝472の開放部473を介して溝部464の内側に突出するように形成されている。下側支持部材420の前側壁部422には嵌合部533に対応する嵌合穴428が形成されている。嵌合穴428に対して嵌合部533が嵌まることにより、下側ベルト部材511と下側支持部材420とが連結部材531を介して一体化されている。このように下側ベルト部材511及び下側支持部材420が一体化されていることにより、下側ベルト部材511のベルト収容溝472に沿った移動に追従して下側支持部材420がスライド移動することとなる。
次に、図33(a)に基づき、上側ベルト部材521及びそれに付随する構成について説明する。上側ベルト部材521は、下側ベルト部材511と同様に、ベース部522及び歯部523によって構成されており、それら歯部523が下側レール部材460と反対側を向くようにして、すなわち下側ベルト部材511の歯部513と同一側を向くようにして上側レール部材480に組み付けられている。
上側レール部材480には、上側ベルト部材521を収容するベルト収容溝492が形成されている。ベルト収容溝492についても下側レール部材460のベルト収容溝472と同様に、駆動ユニット550側の端部(詳しくは動力源側の端部)に開放されており、その開放された部分を介して上側ベルト部材521が駆動ユニット550側に延びている。また、ベルト収容溝492は、溝部484の内側に開放されており、この開放された部分(開放部493)を介して連結部材541が取り付けられている。
連結部材541は、上述した連結部材531と同様に上側ベルト部材521の歯部513に係合する係合部542(詳しくは突起542a)と、上側支持部材440の嵌合穴448に嵌合する嵌合部とを備えている。上側ベルト部材521及び上側支持部材440が連結部材531を介して一体化されていることにより、上側ベルト部材521のベルト収容溝492に沿った移動に追従して上側支持部材440がスライド移動することとなる。
なお、各ベルト部材511,521と連結部材531,541とを別体で設ける必要は必ずしもなく、それらベルト部材及び連結部材を一体成形することも可能である。
因みに、ベルト部材511,521は、耐熱性を有する合成樹脂材料によって形成されている。詳しくは、ベルト部材511,521を形成している材料には、ガラス繊維等の補強材は混入されておらず、その代わりに、それらベルト部材511,521の内部に同ベルト部材511,521と同等の長さを有する複数のワイヤがそれらベルト部材511,521に沿って埋設されている。これらワイヤによって、ベルト部材511,521の強度の向上と、ベルト部材511,521の大きさが熱によって変化するといった不都合の回避がなされている。また、ガラス繊維等を用いない構成とすることでレール部材460,480に対する攻撃性を低下させ、ベルト収容溝472,492内を移動する際のレール部材460,480との摺動音の低減を図っている。特に、表示領域可変機構400は遊技領域形成板233及び図柄表示装置247によって挟まれた領域に配置されており、熱がこもりやすくなると想定される。この点、上述の如くベルト部材511,521の変形を抑えることにより実用上好ましい構成を実現できる。
<駆動ユニット550の構成>
次に、図31及び図35を参照し、駆動ユニット550について詳細に説明する。図35は図31の部分拡大図である。
駆動ユニット550は、前記動力源としてのスライド用ステッピングモータ560と、前記各ベルト部材511,521をスライド用ステッピングモータ560に導く案内手段570と、それらスライド用ステッピングモータ560及び案内手段570が設けられたハウジング580とによって構成されている。
ハウジング580は、上述したようにレール部材460,480の一側に配置されており、それら各レール部材460,480の端部に跨るように形成されている。より具体的には、ハウジング580はレール部材460,480の並設方向に延びる長板状をなしており、その両側の端部に各レール部材460,480に連結する連結部(図示略)が設けられている。ハウジング580は、それら連結部とレール部材460,480とが連結された状態にてネジ等の固定具を用いてそれら各レール部材460,480に対して固定され、両レール部材460,480と一体化されている。このようにハウジング580によって両レール部材460,480を繋ぐことにより、それらレール部材460,480の相対位置の変化を生じにくくしている。
ハウジング580において下側レール部材460よりも上側且つ上側レール部材480よりも下側となる位置に、前記スライド用ステッピングモータ560が配置されている。スライド用ステッピングモータ560は、ハウジング580の背面側に取り付けられており、その軸部561がハウジング580に形成された孔部を介して同ハウジング580の前面側に突出している。より詳しくは、スライド用ステッピングモータ560は、軸部561の回動中心軸線が前後方向を向いた状態で固定されている。軸部561の先端、すなわち前記孔部を介して突出している部分には、両ベルト部材511,521の歯部513,523に係合する歯車562が取り付けられている。
図35等に示すように、ハウジング580には、歯車562を収容する凹状の歯車収容部581が形成されており、この収容部581をレール方向両側(左右両側)から挟むようにして下側ベルト部材511と上側ベルト部材521とが配置されている。すなわち、下側ベルト部材511及び上側ベルト部材521は、各歯部513,523が歯車562を挟んで対向するように配置されている。
より具体的に説明すれば、下側ベルト部材511は、その歯部513が表示領域可変機構400の内側(レール部材460,480側)を向くように配されており、上側ベルト部材521は、その歯部523が表側領域可変機構の外側(レール部材460,480と反対側)を向くように配されている。つまり、両ベルト部材511,521は、下側ベルト部材511が歯車562よりも外側、且つ上側ベルト部材521が歯車562よりも内側となるように配置されている。
図31に示すように、各ベルト部材511,521においてレール部材460,480から延出している部位は、歯車562と係合している部位を除いた他の部位が包被部材によって覆われている。具体的には、下側ベルト部材511において歯車562と下側レール部材460との間に位置する部位を収容するインナーケーシング571と、下側ベルト部材511において歯車562を挟んで下側レール部材460と反対側となる部位を収容するアウターケーシング572とを備えている。
インナーケーシング571は中空状をなしており、その片側の端部が下側レール部材460のベルト収容溝472の端部(開放部分)に連なっている。インナーケーシング571の他方の端部は、スライド用ステッピングモータ560の歯車562側に開放されている。アウターケーシング572についてもインナーケーシング571と同様に中空状をなしており、その片側の端部がインナーケーシング571と所定の間隔を隔てて対峙している。詳しくは、歯車562と下側ベルト部材511との噛み合い部分を隔ててインナーケーシング571と対峙している。
これら各ケーシング571,572は、その内周面が下側ベルト部材511の外周に当接するように形成されている。これにより、ケーシング571,572内での下側ベルト部材511の移動経路のばらつき(すなわち位置ばらつき)が抑えられている。ハウジング580には、これらケーシング571,572を収容する凹状のケーシング収容部582,583が形成されている。
ケーシング収容部582,583は、ケーシング571,572を挟む一対の対向壁部582a,582b,583a,583bによって構成されている(図31参照)。対向壁部582a,582bの間隔寸法は、ケーシング571の厚み寸法(詳しくはベルト部材511が挿入された状態での同ベルト部材511の厚み方向と同じ方向における大きさ)と同等となるように形成されており、対向壁部583a,583bの間隔寸法は、ケーシング572の厚み寸法と同等となるように形成されている。これによりケーシング571,572の変位(移動や変形)を抑え、下側ベルト部材511の移動経路のばらつきを抑制することが可能となっている。なお、ケーシング収容部582,583を形成することによって、ハウジング580の剛性の向上が図られている。つまり、それらケーシング収容部582,582(詳しくは対向壁部582a,582b,583a,583b)は、ハウジング580の補強部としての機能を有している。
上側ベルト部材521についても同様に、インナーケーシング573及びアウターケーシング574によって上側レール部材480からの延出部分が覆われており、歯車562に係合していない部分の露出が抑えられる構成となっている。また、ハウジング580には、これら両ケーシング573,574に対応してケーシング収容部584,585(詳しくは対向壁部584a,584b,585a,585b)が形成されている。ケーシング573,574がケーシング収容部584,585に収容されることにより、上側ベルト部材521及びケーシング573,574の変形が抑えられている。これにより、上側ベルト部材521の移動経路のばらつきが抑制されている。
ケーシング収容部582〜585は歯車収容部581に連なっており、それらケーシング収容部582〜585と歯車収容部581との境界部位には、ケーシング571〜574の端部に形成された膨出部575〜578が嵌まる凹部586〜589が設けられている。凹部586〜589に対して膨出部575〜578が嵌まることにより、ケーシング571〜574の位置決めがなされ、ケーシング571〜574とベルト部材511,521との摩擦等により、ケーシング571〜574の位置がずれるといった不都合を生じにくくしている。なお、ケーシング571〜574の他方の端部においても同様に膨出部575〜578が形成されており、それら膨出部575〜578が凹部に嵌まることによって、上述した不都合を更に生じにくくしている。
また、図35等に示すように、ハウジング580において歯車562を挟んだ両側には、各ベルト部材511,521のベース部512,522に対して当接する当接部591,592が形成されている。このように、ベルト部材511,521に対して裏側から当接することにより、歯車562と歯部513,523との逃げを規制し、両者の噛み合いを担保しやすくしている。
以上詳述した、ケーシング571〜574及びケーシング収容部582〜585によって上述した案内手段570が構成されている。
なお、本実施の形態においては特に、ケーシング571〜574とハウジング580(詳しくはケーシング収容部582〜585)とを別体で設けることにより、それら各構成に対して異なる材料を適用することが可能となっている。詳しくは、ハウジング580に対しては、ガラス繊維等を含有する高強度の合成樹脂材料等を適用し、ベルト部材511,521と接触するケーシング571〜574に関しては、ガラス繊維等を含まない合成樹脂材料を適用している。ハウジング580はレール部材460,480を繋いでおり、このような構成に対して高強度の材料を適用することにより、表示領域可変機構400剛性向上を実現している。一方、ケーシング571〜574に対して、ガラス繊維等を含まない材料を適用することによって摩擦抵抗の低減を図り、ベルト部材511,521への攻撃性の低下や、摺動音(擦れ音)の低減を図ること可能となっている。
<遮蔽ユニット410の動作説明>
ここで、図36に基づき遮蔽ユニット410の動作について説明する。図36は遮蔽ユニット410の動作を示す概略図である。
スライド用ステッピングモータ560が所定の方向(例えばパチンコ機10の正面視にて時計回り)に回転することにより、遮蔽ユニット410は図36(a)→図36(b)→図36(c)の順にスライド移動することとなる。詳しくは、スライド用ステッピングモータ560の所定方向への回転に基づいて、下側ベルト部材511が下側レール部材460と反対側に押される。これと同期して、上側ベルト部材521が上側レール部材480と反対側に押される。このようにベルト部材511,521がレール部材460,480と反対側、すなわちアウターケーシング572,574側に押されることによって、駆動ユニット550に近づく側に両支持部材420,440が同期して移動する。これにより、遮蔽ユニット410は、レール部材460,480に沿って駆動ユニット550に近づく側にスライド移動することとなる。なお、アウターケーシング572,574の全長は、遮蔽ユニット410のスライド移動量Sを踏まえて設定されている。このため、図36(c)に示すように遮蔽ユニット410が駆動ユニット550側に最も近づいた状態であっても、アウターケーシングからベルト部材511,521が飛び出すことはない。
スライド用ステッピングモータ560が前記所定方向と反対(例えばパチンコ機10の正面視にて反時計回り)に回転することにより、遮蔽ユニット410は図36(c)→図36(b)→図36(a)の順にスライド移動することとなる。詳しくは、スライド用ステッピングモータ560の所定方向への回転に基づいて、下側ベルト部材511が下側レール部材460側に押される。これと同期して、上側ベルト部材521が上側レール部材480側に押される。このようにベルト部材511,521がレール部材460,480側、すなわちインナーケーシング571,573側に押されることによって、駆動ユニット550から離れる側に両支持部材420,440が同期して移動する。これにより、遮蔽ユニット410は、レール部材460,480に沿って駆動ユニット550と離れる側にスライド移動することとなる。
以上詳述したように、一のスライド用ステッピングモータ560の回動に基づいて、両支持部材420,460を駆動することにより、構成の簡素化を図りつつ、遮蔽ユニット410のスライド移動を好適なものとすることができる。つまり、駆動力の供給源を1に定め、その駆動力を複数のベルト部材511,521を用いて遮蔽体411の両端部に伝えることにより、遮蔽ユニット410のスライド移動に際して、遮蔽体411における一方の端部の移動が他方の端部の移動に対して遅れるといった不都合を生じにくくすることが可能となっている。
<複数の遮蔽ユニット410を駆動する構成の集約>
本実施の形態においては、遮蔽ユニット410を複数(詳しくは6つ)備えている。以下、図31,図33及び図37に基づきこれら各遮蔽ユニット410を個々に独立して駆動する構成について説明する。図37(a)は表示領域可変機構400の主要な構成を示す概略図、図37(b)は上側レール部材480の構成を示す概略図、図37(c)は下側レール部材460の構成を示す概略図である。
図31に示すように、前記駆動ユニット550は、レール部材460,480を挟んだ両側(詳しくは左右両側)に配置されており、それら各駆動ユニット550によって遮蔽ユニット410を2組に分けて駆動する構成となっている。詳しくは左側の駆動ユニット550によって左側の3つの遮蔽ユニットを駆動し、右側の駆動ユニット550によって右側の3つの遮蔽ユニットを駆動する構成となっている。以下便宜上、左側の「駆動ユニット550」を「左側駆動ユニット550L」と称し、右側の「駆動ユニット550」を「右側駆動ユニット550R」と称する。これら左側駆動ユニット550L及び右側駆動ユニット550Rは同様の構成を有するため、先ず、左側駆動ユニット550L及びそれに付随する構成について説明する。
左側駆動ユニット550Lは、当該左側駆動ユニット550L側に偏倚して配置された第1左側遮蔽ユニット410aを駆動する第1スライド用ステッピングモータ560aと、第1左側遮蔽ユニット410aよりも右側駆動ユニット550R側に偏倚して配置された第2左側遮蔽ユニット410bを駆動する第2スライド用ステッピングモータ560bと、第2左側遮蔽ユニット410bよりも右側駆動ユニット550R側に偏倚して配置された第3左側遮蔽ユニット410cを駆動する第3スライド用ステッピングモータ560cとを有している。
第1スライド用ステッピングモータ560aに対応する第1下側ベルト部材511aと、第2スライド用ステッピングモータ560bに対応する第2下側ベルト部材511bと、第3スライド用ステッピングモータ560cに対応する第3下側ベルト部材511cとは、下側ベルト部材511の厚み方向に並べて配置されている。遮蔽ユニット410が設置されている領域に対して近い側の第1スライド用ステッピングモータ560aから延びる第1下側ベルト部材511aは、それよりも遠い側のステッピングモータ560b,560cから延びる下側ベルト部材511b,511cに対して内側を通るように配されており、第1スライド用ステッピングモータ560aよりも外側に配置された第2ステッピングモータ560bから延びる第2下側ベルト部材511bは、それよりも遠い側の第3ステッピングモータ560cから延びる第3下側ベルト部材511cよりも内側を通るように配されている。すなわち、第1下側ベルト部材511a→第2下側ベルト部材511b→第3下側ベルト部材511cの順に内側から外側に並設されている。
ここで、図37(b)に基づき各ベルト部材511a〜511cを下側レール部材460に収容する構成について詳細に説明する。下側レール部材460(詳しくは前側板部461)には、複数のベルト収容溝472が上下に並設されている。具体的には、前側板部461の前側板状部466よりも下側には、同前側板状部466に対して所定の間隔を隔てて対向する第1区画壁部474が形成されている。これら前側板状部466及び第1区画壁部474によって第1下側ベルト部材511aを収容する第1ベルト収容溝472aが構成されている。また、第1区画壁部474よりも下側(第1下側ベルト部材511aのベース部512側)には、同第1区画壁部474に対して所定の間隔を隔てて対向する第2区画壁部475が形成されている。これら両区画壁部474,475によって第2下側ベルト部材511bを収容する第2ベルト収容溝472bが構成されている。そして、第2区画壁部475及び底板部463によって第3下側ベルト部材511cを収容する第3ベルト収容溝472cが構成されている。これら各ベルト収容溝472a〜472cに収容された下側ベルト部材511a〜511cは、下側レール部材460の前側板部461と平行な仮想平面上、すなわち遊技領域形成板233と平行な仮想平面上に配置された状態となっている。
この仮想平面上には、下側ベルト部材511a〜511cに加え、前記ハウジング580のケーシング収容部582,583や各ステッピングモータ560a〜560cの歯車562も配置されている。このように、各種構成を同一の仮想平面上に集約することにより、駆動ユニット550の薄型化を促進している。
上側ベルト部材521についても同様に、第1スライド用ステッピングモータ560aに対応する第1上側ベルト部材521aと、第2スライド用ステッピングモータ560bに対応する第2上側ベルト部材521bと、第3スライド用ステッピングモータ560cに対応する第3上側ベルト部材521cとは、上側ベルト部材521の厚み方向に並べて配置されている。遮蔽ユニット410が設置されている領域に対して近い側の第1スライド用ステッピングモータ560aから延びる第1上側ベルト部材521aは、それよりも遠い側のステッピングモータ560b,560cから延びる上側ベルト部材521b,521cに対して内側を通るように配されており、第1スライド用ステッピングモータ560aよりも外側に配置された第2ステッピングモータ560bから延びる第2上側ベルト部材521bは、それよりも遠い側の第3ステッピングモータ560cから延びる第3上側ベルト部材521cよりも内側を通るように配されている。すなわち、第1上側ベルト部材521a→第2上側ベルト部材521b→第3上側ベルト部材521cの順に内側から外側に並設されている。
ここで、図37(a)に基づき、各ベルト部材521a〜521cを上側レール部材480に収容する構成について詳細に説明する。上側レール部材480(詳しくは前側板部481)には、複数のベルト収容溝492が上下に並設されている。具体的には、前側板部481の前側板状部486よりも上側には、同前側板状部486に対して所定の間隔を隔てて対向する第1区画壁部494が形成されている。これら前側板状部486及び第1区画壁部494によって第1上側ベルト部材521aを収容する第1ベルト収容溝492aが構成されている。また、第1区画壁部494よりも上側(第1上側ベルト部材521aの歯部523a側)には、同第1区画壁部494に対して所定の間隔を隔てて対向する第2区画壁部495が形成されている。これら両区画壁部494,495によって第2上側ベルト部材521bを収容する第2ベルト収容溝492bが構成されている。そして、第2区画壁部495及び底板部483によって第3上側ベルト部材521cを収容する第3ベルト収容溝492cが構成されている。
また、上述した各スライド用ステッピングモータ560は、第1スライド用ステッピングモータ560a→第2スライド用ステッピングモータ560b→第3スライド用ステッピングモータ560cの順に内側から外側に並べて配置されている。
各下側ベルト部材511a〜511c,各上側ベルト部材521a〜521c及び各ステッピングモータ560a〜560cを上述したような配置とすることにより、それら各種構成を同一仮想平面上に配置しつつ、パチンコ機10の正面視において各下側ベルト部材511a〜511cや各上側ベルト部材521a〜521cが交差することを好適に回避している。これにより、下側ベルト部材511a〜511cや上側ベルト部材521a〜522aの捻れを回避することが可能となっている。
右側駆動ユニット550Rは、左側駆動ユニット550Lと対称となるように設けられている。以下、右側駆動ユニット550Rに関する構成について説明する。
右側駆動ユニット550Rは、当該右側駆動ユニット550R側に偏倚して配置された第1右側遮蔽ユニット410dを駆動する第4スライド用ステッピングモータ560dと、第1右側遮蔽ユニット410dよりも左側駆動ユニット550L側に偏倚して配置された第2右側遮蔽ユニット410eを駆動する第5スライド用ステッピングモータ560eと、第2右側遮蔽ユニット410eよりも左側駆動ユニット550L側に偏倚して配置された第3右側遮蔽ユニット410fを駆動する第6スライド用ステッピングモータ560fとを有している。
第4スライド用ステッピングモータ560dに対応する第4下側ベルト部材511dと、第5スライド用ステッピングモータ560eに対応する第5下側ベルト部材511eと、第6スライド用ステッピングモータ560fに対応する第6下側ベルト部材511fとは、第4下側ベルト部材511d→第5下側ベルト部材511e→第6下側ベルト部材511fの順に上側レール部材480から遠ざかるようにして配置されている。
ここで、図37(b)に基づき、下側レール部材460について説明する。下側レール部材460において前記ベルト収容溝472a〜472c群が形成されている側に対して下側支持部材420を挟んだ反対側には(詳しくは後側板部482)には、複数のベルト収容溝472が上下に並設されている。具体的には、前側板部461と同様に第3区画壁部476及び第4区画壁部477が形成されており、後側板状部467及び第3区画壁部476によって第4下側ベルト部材511dを収容する第4ベルト収容溝472dが構成され、両区画壁部476,477によって第5下側ベルト部材511eを収容する第5ベルト収容溝472eが構成され、第4区画壁部477及び底板部463によって第6下側ベルト部材511fを収容する第6ベルト収容溝472fが構成されている。
また、上述した各スライド用ステッピングモータ560d〜560fは、第4スライド用ステッピングモータ560d→第5スライド用ステッピングモータ560e→第6スライド用ステッピングモータ560fの順に内側から外側に並べて配置されている。
上側ベルト部材521についても同様に、第4スライド用ステッピングモータ560dに対応する第4上側ベルト部材521dと、第5スライド用ステッピングモータ560eに対応する第5上側ベルト部材521eと、第6スライド用ステッピングモータ560fに対応する第6上側ベルト部材521fとは、上側ベルト部材521の厚み方向に並べて配置されている。詳しくは、第4上側ベルト部材521d→第5上側ベルト部材521e→第6上側ベルト部材521fの順に下側レール部材460から遠ざかるようにして配置されている。
ここで、図37(a)に基づき、上側レール部材480について説明する。上側レール部材480において前記ベルト収容溝492a〜492c群が形成されている側に対して上側支持部材440を挟んだ反対側には(詳しくは後側板部482)には、複数のベルト収容溝492が上下に並設されている。具体的には、後側板部482には前側板部481と同様に第3区画壁部496及び第4区画壁部497が形成されており、後側板状部487及び第3区画壁部496によって第4上側ベルト部材521dを収容する第1ベルト収容溝492dが構成され、両区画壁部496,497によって第5上側ベルト部材521eを収容する第5ベルト収容溝492eが構成され、第4区画壁部497及び底板部483によって第6上側ベルト部材521fを収容する第6ベルト収容溝492fが構成されている。
これら各ステッピングモータ560d〜560f、各ベルト部材511d〜511f,521d〜521f等を下側レール部材460の後側板部462と平行な仮想平面上に配置することにより左側駆動ユニット550と同様に右側駆動ユニット550の薄型化を実現している。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遮蔽体411を両支持部材420,440によって支持し、それら両支持部材420,440が移動することに基づいて、遮蔽ユニット410がスライド移動する構成とした。これにより、遮蔽ユニット410のスライド移動の円滑化に貢献している。
1のスライド用ステッピングモータ560によって、両支持部材420,440を駆動することにより、両支持部材420,440の移動を同期しやすくしている。これにより、支持部材420,440のうちいずれか一方の動作に対して他方の動作が遅れるといった不都合が生じにくくなっている。
また、仮に両支持部材420,440の一方に駆動力を伝達し、他方がそれに追従して移動する構成とした場合、少なくとも他方の支持部材のレール部材による支持長さ(支持スパン)、詳しくはレール方向における支持長さを長くする等の対策を講じ、上述したような動作の遅れを抑える必要が生じる。しかしながら、このように支持長さを長くすることは、複数の遮蔽ユニットを有する構成においては、隣接する遮蔽ユニットの存在により制限される。確かに、各遮蔽ユニットの支持部分を前後にオフセットして配置することにより、支持長さを担保することは可能であるが、このような対策は表示領域可変機構の厚みを増加させる要因となり、限られたスペースへの配置を妨げることとなる。つまり、遊技領域形成板233と図柄表示装置247との離れが促進されやすくなる。これは、表示画面248の視認性を悪化させる要因となり得るため好ましくない。
この点、上述の如く下側支持部材420及び上側支持部材440の両者に駆動力を伝える構成とし、両支持部材420,440の動作にずれが生じることを抑制することにより、前記支持長さを短くすることが可能となる。これにより、複数の遮蔽ユニットを有する構成を採用したとしても、表示領域可変機構の厚みを増加させることなく、すなわち表示領域可変機構400の薄型化を図りつつ、演出の多様化を促進することができる。
特に、複数の遮蔽体411の外周面を組み合わせることにより、連続面を形成する構成としたことにより、各遮蔽ユニット410を近づける必要がある。この点、上述の如く支持長さを短くすることが可能であるため、遮蔽ユニット410を十分に近づけて配置することが可能となっている。
なお、上述の如く支持長さを長くすることにより、遮蔽ユニットの傾きを抑制したとしても、他の支持部材側に発生するモーメントを払拭することは困難であると考えられ、そのようなモーメントは遮蔽ユニットの動作を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、本実施の形態においては、遮蔽ユニット410の両支持部材420,440に駆動力を伝える構成とすることにより、上述したモーメントの発生を抑えることができ、遮蔽ユニット410の円滑な移動を実現できる
更に、上述の如く支持長さを短くすることにより、遮蔽ユニットの移動範囲が支持長さの確保のために減縮されるといった不都合の発生を抑えることができる。これにより、遮蔽ユニットを用いた演出をより広範囲で行うことが可能となり、演出をよりダイナミックなものとすることができる。
各遮蔽体411は複数の外周面を有しており、これら各外周面を切り替えることにより多様な演出を可能とし、各外周面の幅寸法に差違を設けることにより演出の差別化を図っている。これら外周面の幅寸法のうち最小となるものは、上述の如くこれら外周面を組み合わせることにより連続面を形成する構成を採用したことに起因して、前記支持長さによる影響を受けやすくなっている。つまり、外周面の幅寸法は支持長さによって左右され易くなっている。これは、外周面の幅寸法の差を大きくすることを妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、本実施の形態においては、支持長さによる影響を抑えることが可能となっており、各外周面の差別化、すなわちそれら外周面を用いた演出の差別化に貢献している。
駆動ユニット550(詳しくはハウジング580)をレール部材460,480の左右両側に配置し、表示領域可変機構400が環状をなす構成とした。これにより、表示領域可変機構400の剛性向上に貢献している。特に、ハウジング580によって両レール部材460,480を繋ぐことにより、下側レール部材460と上側レール部材480との相対位置のずれを生じにくくしている。ケーシング収容部582〜585を複数形成することにより、ハウジング580の剛性向上に貢献している。これにより、可変機構400の剛性を一層好適に向上することができる。
一の駆動ユニット550により、全ての遮蔽ユニット410を駆動する構成とした場合、ベルト部材511,521の全長が長くなりやすくなる。ベルト部材511,521の全長が長くなることは、ベルト部材511,521の伸縮による影響が大きくなると想定される。これは、スライド用ステッピングモータ560の回転に対する遮蔽ユニット410の追従性(応答性)を低下させる要因となり得るため好ましくない。この点、本実施の形態に示したように、左側駆動ユニット550L及び右側駆動ユニット550Rによって遮蔽ユニット410を2組に分けて駆動する構成とすることにより、ベルト部材511,521の全長を短くすることができ、上述したような不都合を生じにくくすることができる。これにより、スライド用ステッピングモータ560の回転に対する遮蔽ユニット410の追従性(応答性)を担保し、支持部材420,440のずれを抑制することが可能となる。
下側ベルト部材511の歯部513と上側ベルト部材521の歯部523とが、歯車562を挟んで対峙する構成とした。これにより、駆動ユニット550の薄型化に貢献している。特に、本実施の形態に示すように、遊技盤ユニット230と図柄表示装置247との間に表示領域可変機構400を配置する構成においては、同表示領域可変機構400の厚みが大きくなることに起因して、図柄表示装置247の視認性が低下し得るため好ましくない。この点、上述の如く駆動ユニット550(すなわち表示領域可変機構400)を薄型化に貢献することにより、図柄表示装置247の視認性を担保しやすくでき、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、両ベルト部材511,521の歯部513,523が、歯車562を挟んで対峙する構成としたことにより、歯部513,523と歯車562との掛かり代が、スライド用ステッピングモータ560の軸部に発生する応力によって小さくなることを抑制している。詳しくは、スライド用ステッピングモータ560の軸部561と歯車562の歯部とが離れていることに起因して、歯車とベルト部材との噛み合い基づく応力が発生しやすくなると想定される。この応力によって軸部がベルト部材から離れる側に傾くと、歯部513,523と歯車562との掛かり代が小さくなり得る。この点、両ベルト部材511,521の歯部513,523が歯車562に対して同歯車562を挟んだ両側から噛み合う構成とすることにより、下側ベルト部材511との噛み合いに起因して発生する応力と、上側ベルト部材521との噛み合いに起因して発生する応力とが互いに打ち消しあうように作用することととなる。これにより、軸部561が一方のベルト部材から離れることを抑制でき、歯部513,523と歯車562との掛かり代の減少を抑えることが可能となっている。
下側ベルト部材511a〜511c及び上側ベルト部材521a〜521cを同一仮想平面上に配置し、互いに交差しない構成とした。これにより、駆動ユニット550の薄型化に貢献している。
一のスライド用ステッピングモータ560を用いて両支持部材420,440を駆動する構成とした。これにより、両支持部材420,440の移動を同期させやすくしている。例えば、各支持部材420,440をそれぞれ個別のモータによって駆動する構成とした場合には、それら各モータの動作を同期させる必要が生じる。これは、モータの回転制御を複雑化させる要因になると懸念される。また、複数のモータを必要とすることにより、表示領域可変機構400の大型化や重量の増加を招来し得るため好ましくない。この点、一のスライド用ステッピングモータ560によって遮蔽ユニット410のスライド移動を可能とすれば、上述した不都合を好適に回避することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
また、複数の実施の形態にて共通で使用している部分名称や部材名称等に関しては、1つの実施の形態で用いられている部分番号や部材番号のみを付した状態で記載するが、これに限定されるものではない。すなわち、予め指定した他の実施の形態に用いられている部分番号や部材番号を適応することも可能である。
(1)上記第1の実施の形態では、表示部材151を駆動させる駆動部を複数種有する構成とした。詳しくは、表示部材151を回動させる回動用モータ159と、同表示部材151をスライド移動させるスライド用モータ163との異なる2つの駆動部を有する構成とした。これを変更し、1の駆動部によって表示部材を回転移動及びスライド移動させる構成としてもよい。以下、図38に基づきその具体例について説明する。図38(a)は、可変表示機構700を簡略化して示す概略図、図38(b)群は表示部材の位置と回動の様子を示す概略図、図38(c)群は駆動機構の動作態様を簡略化して示す概略図である。
図38(a)に示すように、可変表示機構700は、表示部材701,ベース部材702及び支持部材704を備えている。ベース部材702には、表示部材701を回転移動させるとともに、それら表示部材701及びベース部材702をスライド移動させる駆動モータ705が設けられている。駆動モータ705における軸部706は左右方向に延びており、その先端にはピニオン707が固定されている。また可変表示機構700は、ピニオン707に対応する回動用ラック710及びスライド用ラック720を備えている。
回動用ラック710はピニオン707に係合しているとともに、回動用軸体711を介して表示部材701に連結されており、駆動モータ705に生じる駆動力が当該回動用ラック710を介して表示部材701に伝わる構成となっている。詳しくは、回動用軸体711の先端には当該回動用軸体711の軸線方向と同一方向に突出する複数の歯部が形成されたベース部材側歯車712が取り付けられており、このベース部材側歯車712に対して表示部材701に固定された表示部材側歯車715が係合している。表示部材側歯車715の回動中心軸線は回動用軸体711の回動中心軸線と直交する方向、詳しくは前後方向にのびており、これら両歯車712,715によって駆動モータ705から伝わる駆動力の向きが変更される。
スライド用ラック720についても同様に、ピニオン707に係合しているとともに、スライド用軸体721を介してスライド機構730に連結されている。スライド機構730は、スライド用軸体721を介して伝わる動力を受けるベルト部材731を有している。スライド用軸体721のベルト部材731側の先端部にはベルト部材731の歯部に係合する歯車722が装着されており、スライド用軸体721の回動に基づいて、ベルト部材731と歯車との噛み合いが変化することとなる。ベルト部材731は支持部材703に固定されている。このため、スライド用軸体721が回動することによりベース部材702及び表示部材701が支持部材703(詳しくはベルト部材731)に沿ってスライド移動することとなる。
以上詳述した構成により、駆動モータ705の動力に基づいて発生する力の加わる方向を相違させ、1の駆動モータ705によって回転移動及びスライド移動の二つの異なる動作を可能としている。
また、本変形例における可変表示機構700についても上記第1の実施の形態と同様に、表示制御装置92によって駆動モータ705の回転方向が制御される。この回転制御に基づいて、表示部材701のスライド移動と回転移動とが規定されている。以下、図38(b)群及び図38(c)群に基づき、本変形例における可変表示機構700の動作について説明する。
図38(b1)に示す状態から駆動モータ705が正方向に回動すると、回動用軸体711及びスライド用軸体721がともに正回転する(図38(c2)参照)。これにより、表示部材701の最外部位OMが第2境界BL2側に回動するとともに、表示部材701及びベース部材702が第1境界BL1側に移動する(図38(b2)参照)。駆動モータ705の回転角度が第1角度(例えば90°)に到することで、最外部位OMは第2境界BL2と回動中心軸線X3との間によって挟まれた領域に達するとともに、表示部材701及びベース部材702の第1境界BL1側へのスライド量が最大となる。言い換えれば、上述したピニオン707及びラック710,720等の各ギア比は、駆動モータ705が予め定められた量だけ正回転することにより、最外部位OMが前記挟まれた領域に達するとともに、表示部材701及びベース部材702の第1境界BL1側へのスライド量が最大となるように設定されている。
図38(b2)に示す状態から、駆動モータ705が逆方向に回動すると、回動用軸体711及びスライド用軸体721がともに逆回転する(図38(c3)参照)。これにより、表示部材701の最外部位OMが第1境界BL1側に回動するとともに、表示部材701及びベース部材702が第2境界BL2側に移動する(図38(c3)参照)。駆動モータ705の回転角度が第2角度(例えば180°)に到することで、最外部位OMは第1境界BL1と回動中心軸線X3との間によって挟まれた領域に達するとともに、表示部材701及びベース部材702の第2境界BL2側へのスライド量が最大となる。言い換えれば、上述したピニオン707及びラック710,720等の各ギア比は、駆動モータ705が予め定められた量だけ逆回転することにより、最外部位OMが前記挟まれた領域に達するとともに、表示部材701及びベース部材702の第2境界BL2側へのスライド量が最大となるように設定されている。
但し、以上詳述した変形例を採用した場合、駆動モータ705に生じる動力を常に両ラック710,720に伝える構成であることで、以下の不都合を生じ得る。すなわち駆動源を統一することで、表示部材の回転方向と同表示部材のスライド方向とが相関が強まることとなる。例えば、表示部材701を用いた演出を開始する際に収容部168に格納された状態から表示画面121に重なる演出位置に移動する際、また演出位置から収容部168内にスライド移動する際にも回動が継続されることとなり、演出の開始と終りの区別がつきにくくなると想定される。これは、演出のメリハリが弱まる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは上記第1の実施の形態に示すように駆動部を回動用及びスライド用で区別して設け、それら各モータ159,163の動作(例えば開始・終了タイミング)を表示制御装置92によって制御することにより、表示部材151の動作領域を減ずる構成とするとよい。
なお、以上詳述した変更と同様の変更を第2の実施の形態及び第3の実施の形態に適用することも可能である。
(2)上記各実施の形態では、回動中心軸線X1と表示部材151との相対位置が変化しない構成としたがこれを変更し、回動中心軸線と表示部材との相対位置が変化する構成とすることも可能である。つまり、回動中心軸線と表示部材との相対位置を変化させることにより、表示部材の動作領域を部分的に小さくする構成としてもよい。以下、図39に基づきその具体例について説明する。図39は第1の実施の形態における表示部材の変形例を示す概略図である。
図39(a)に示すように、表示部材740には、ベース部材741の軸体742が嵌まる軸受け孔743が設けられている。軸受け孔743は延出部740aと同一方向に延びる長孔状をなしており、その内部を軸体742が移動可能となっている。言い換えれば、軸体742と軸受け孔743とが軸受け孔743の長手方向に相対移動可能となっている。
可変表示機構739には、表示部材740をスライド移動させることにより、それら軸体742と軸受け孔743との相対位置を変更する相対位置変更用モータ744が設けられている。この相対位置変更用モータ744に対して表示制御装置92から駆動信号が出力されることにより、表示部材740とベース部材741との相対位置が変更される。
同図39(a)に示すように、表示部材740が演出初期位置に配置されている場合には、軸体742は軸受け孔743における長手方向の中央に位置している。この状態から表示部材740が回動し、その最外部位OMがステージユニット132(詳しくは第2境界BL2)側に移動する場合には、図39(b)に示すように、相対位置変更用モータ744が駆動し、表示部材740が上昇する。これにより、最外部位OMと第2境界BL2との干渉が回避される。
また、表示部材740が演出初期位置に配置されている状態から、表示部材740が回動し、その最外部位OMが収容部168(詳しくは第1境界BL1)側に移動する場合には、図39(c)に示すように、相対位置変更用モータ744が駆動し、表示部材740が下降する。これにより、最外部位OMと第1境界BL1との干渉が回避される。
次に、図40に基づき他の変形例について説明する。図40は第1の実施の形態における表示部材の変形例を示す概略図である。
図40(a)に示すように、表示部材746の回動中心軸線X4は、表示部材746から離れた位置に存在している。表示部材746と回動中心軸線X4(詳しくは軸体747)は、伸縮可能に設けられた連結機構748を介して連結されている。連結機構748は、軸体747に固定された軸側連結部材748aと表示部材746に固定された表示側連結部材748bとを有してなる。軸側連結部材748aは中空状をなしており、表示側連結部材748bの一部が当該軸側連結部材748a内に挿通されている。そして、表示側連結部材748bが軸側連結部材748aに沿ってスライドすることにより、表示部材746と軸体747との相対位置が変化する構成となっている。
可変表示機構749には、連結機構748を駆動する連結機構駆動用モータ750が設けられており、この連結機構駆動用モータ750に対して表示制御装置92から駆動信号が出力されることにより、表示部材746と軸体747との相対位置が変更される。
同図40(a)に示すように、表示部材746が演出初期位置に配置されている場合には、連結機構748の表示側連結部材748bが最大に伸張した状態となっている。この状態から表示部材746が回動し、その最外部位OMがステージユニット132(詳しくは第2境界BL2)側に移動する場合には、連結機構駆動用モータ750が駆動し、表示側連結部材749bが軸体747側にスライド移動する(図40(b)参照)。この連結機構748の動作に基づいて表示部材746と軸体747との距離が小さくなり、最外部位OMと第2境界BL2との干渉が回避される。
また、表示部材746が演出初期位置に配置されている状態から、同表示部材746が回動し、その最外部位OMが収容部168(詳しくは第1境界BL1)側に移動する場合には、連結機構駆動用モータ750が駆動し、表示側連結部材749bが軸体747側にスライド移動する(図40(c)参照)。この連結機構748の動作に基づいて表示部材746と軸体747との距離が小さくなり、最外部位OMと第1境界BL1との干渉が回避される。
以上詳述したように、回動中心軸線そのものを移動させるのではなく、表示部材における回動中心となる位置を変更することにより、表示部材の動作領域を部分的に狭めることが可能である。但し、かかる構成の変更を採用した場合には、各種モータからの駆動力を伝達するための構成が煩雑化すると想定される。故に、上記各実施の形態に示したように、回動中心軸線の位置を変更する構成を採用することが好ましい。
(3)上記第1の実施の形態では、表示部材151を収容する収容部168を有する構成としたが、この収容部168を省略することも可能である。例えば、表示部材151を用いた演出が行われる場合には、表示部材151を表示画面121の中央に配置するとともに、表示部材151を用いた演出が行われない場合には、表示部材151を表示画面121の端に寄せて配置する構成としてもよい。
また、上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遮蔽体252を常時視認可能な構成としたがこれを以下のように変更してもよい。すなわち、第1の実施の形態と同様に、遮蔽体252を用いた演出を行わない場合に、それら遮蔽体252を収容する収容部を設け、同収容部内に遮蔽体252が収容されることにより、それら遮蔽体252の視認が不可となる構成としてもよい。
(4)上記第1の実施の形態では、表示部材151を収容する収容部168を表示画面121よりも上方に配置したが、これを変更し、収容部を表示画面121の下方に配置することも可能である。但し、かかる変更を行う場合には、ステージユニット132との干渉を回避する必要が生じる。例えば、ステージユニット132の後方に収容部を形成することも可能である。しかしながら、かかる変更を行うと、表示画面121を更に後方へ移設する必要が生じ好ましくない。また、ステージユニット132を省略することも可能であるが、かかる変更により遊技球の流下経路の多様化が妨げられることは好ましくない。故に、望ましくは収容部を表示画面121の上方に配置するとよい。
(5)上記第1の実施の形態では、表示部材151が上下方向にスライド移動する構成としたが、これに限定されるものではない、例えば、表示部材151が左右方向にスライド移動する構成とすることも可能である。かかる変更を適用する場合には、表示部材151の収容部を表示画面121の左方又は右方に設けるとよい。
(6)上記第1の実施の形態では、表示部材151の回動中心軸線X1が前後方向に延びる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第2の実施の形態や第3の実施の形態と同様に、回動中心軸線が上下方向に延びる構成とすることも可能である。
(7)上記第1の実施の形態では、表示部材151の回転移動とスライド移動とが並行して行われる構成としたが、これを変更し、回転移動とスライド移動とが段階的に行われる構成とすることも可能である。
また、上記第2の実施の形態及び上記第3の実施の形態においても同様に、第2の状態と第3の状態との切り替えの際に、回転移動とスライド移動とが段階的に行われる構成とすることも可能である。
(8)上記第1の実施の形態では、表示部材151が360°以上回転する構成としたが、これに限定されるものではない。表示部材151の回転角度は任意である。例えば、表示部材151の回転角度を360°以下としてもよい。
(9)上記第1の実施の形態では、表示部材151の上方へのスライド量が最大となっている状態にて、表示部材151の最外部位OMが回動中心軸線X1と第2境界BL2との間に挟まれた領域を通過する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、スライド量が最大ではない状態にて外部位OMが回動中心軸線X1と第2境界BL2との間に挟まれた領域を通過する構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合、表示部材の動作領域が広がりやすくなると懸念される。故に、望ましくは、第1の実施の形態に示した構成を採用するとよい。
(10)上記第1の実施の形態では、「表示部材」における「特定部位」として、表示部材151の最外部位OMを有する構成としたが、「特定部位」は必ずしも最外部位である必要はない。例えば、表示部材の動作範囲と近接している部材等が存在する場合には、それら部材に対して最も近づく部位を「特定部位」とすることも可能である。
(11)上記第1の実施の形態では、表示部材151がギターを模す構成としたが、これに限定されるものではない。表示部材151の形状は任意である。
(12)上記第2の実施の形態及び上記第3の実施の形態では、遮蔽ユニット251を構成する軸体261の回動中心軸線X3から遮蔽体252の各外周面252a〜252cまでの距離寸法が同一となる構成としたが、これら各距離寸法がそれぞれ異なる構成としてもよい。
以下、図41に基づきその変形例について説明する。図41(a)は遮蔽体の変形例を示す概略図、図41(b)は第1の状態から第2の状態への切り替えを示す動作説明図でである。
図41(a)に示すように、遮蔽体760を構成する各外周面760a,760b,760cと、軸体761の中心軸線X3との距離寸法L7,L8,L9はそれぞれ異なっている。具体的にはL7>L8>L9となっている。
図41(b)に示すように、遮蔽体760が回動することによって、遊技領域形成板233に対して第1外周面760aが対峙している状態から(第1の状態)から、遊技領域形成板233に対して第2外周面760bが対峙している状態(第2の状態)に移行された場合、遊技領域形成板233と遮蔽体760との距離が一時的に広がることとなる。すなわち、第2外周面760bが仮想平面Pから後退することとなる。このように第2外周面760bが仮想平面Pから離れた後、上述の如く支持部材310,320に沿って遮蔽ユニット751の前後位置を変更することにより、具体的には遮蔽ユニット751を前方に移動させることにより、第2外周面760bが再び仮想平面Pに重なる位置に復帰することとなる。これにより、第2外周面760bが後退することで視認性が悪化するといった不都合の発生を抑制することができる。
なお、第3外周面760cが遊技領域形成板233と対峙する場合においても、同様の位置合わせが行われる。これにより、第3外周面760cの視認性の担保が図られている。
以上、詳述したように、回動中心軸線X3から各外周面までの距離寸法がそれぞれ異なる構成とした場合であっても、回転後の外周面と仮想平面Pとの距離に応じて回動中心軸線X3(詳しくは遮蔽ユニット751及びレール部材270,290)が前後にスライド移動する構成とすることにより、各外周面760a〜760cと遊技領域形成板233とが対峙した状態でのそれらの距離を一定に保つことが可能となる。
因みに、以上詳述した変形例を第3の実施の形態に適用することも可能である。このような変更を行う場合には、例えば表示領域可変機構400全体が前後にスライドする構成とすればよい。
(13)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遮蔽体252の回動中心軸線Xが上下に延びる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、図42(a)に示すように遮蔽体770の回動中心軸線Yが左右に延びる構成とすることも可能である。但し、かかる構成を採用した場合、重力に抗して遮蔽体770を回動させる必要が生じる。これにより各外周面の切り替え操作を機敏に行うことが困難となり得る。故に、望ましくは、回動中心軸線Yは上下に延びる構成とするとよい。なお、回動中心軸線が左右に延びる構成とした場合、シート材771,772を遊技領域形成板233の右部及び左部に配し、それらシート材771,772の後方にレール部材773,774を配置するとよい。
(14)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遮蔽体252の回動方向に並設された外周面全てを「表示面」として利用したが、これに限定されるものではない。回動方向に並設された複数の外周面を有する構成にあっては、それら外周面のうち隣り合う2つの外周面を「表示面」として用いればよい。すなわち、外周面252a〜252cのうち2つのみを「表示面」として利用することも可能である。
また、遮蔽体が四角柱状をなす構成とし、回動方向に4つの異なる外周面が並設される構成とした場合、これら外周面のうち隣り合う2つの外周面を「表示面」として利用することも可能であるし、隣接する3つの外周面を「表示面」として利用することも可能である。特に図42(b)に示すように遮蔽体780の外周面780a〜780dを備え、回動中心軸線からの距離寸法が外周面780a,780c,780dで同一である場合には、これら3つの異なる外周面780a,780c,780dを表示面として利用することで実用上好ましい構成を実現できる。すなわち、上記実施の形態と同様に、回動中心軸線を前後方向に移動させることなく、同一の仮想平面P上に重なる構成とすることができる。更には、遮蔽体780の正逆回転により各外周面780a,780c,780dの切り替えを円滑に行うことができる。
なお、同図42(b)に示すように遮蔽体780を隣り合う外周面780a〜780d同士の内角が90°となる直方体状とした場合、いずれの外周面780a,780c,780dがパチンコ機10の正面側を向いた場合であっても残り全ての外周面全域がその後方投影領域内に含まれることとなる。これにより、複数の遮蔽体780を有する構成としても、隣り合う遮蔽体780同士を近づけやすくでき、連続面の形成を容易なものとすることができる。
また、図42(b)に示す遮蔽体780においては、外周面780dを挟んだ両側の外周面780a,780cのそれぞれの長さ寸法が同一となるように形成した。すなわち、回動中心軸線から外周面780aにおける外周面780b側の端部の距離寸法と、回動中心軸線から外周面780cにおける外周面780b側の端部までの距離寸法とが同一となるように遮蔽体780を形成した。これを以下のように変更することも可能である。外周面780aと外周面780cの長さ寸法を異なるものとし、上述した各端部までの距離寸法が異なるように遮蔽体780を形成することも可能である。かかる場合、回動中心軸線と遊技領域形成板233との距離寸法が、各外周面780a,780cのうち長さ寸法が短い側の外周面における外周面780b側の端部と回動中心軸線との距離寸法よりも小さくなるように遮蔽体780を形成することが望ましい。このように遮蔽体780を形成することにより、遊技領域形成板233に対して、仮想平面P(すなわち演出位置)を近づけつつ、演出範囲を広げることができる。すなわち、遊技者に対して近い位置での演出を可能としつつ、演出範囲を広げることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
因みに、遮蔽体が五角柱以上の多角柱状をなす構成とすることも可能である。但し、遮蔽体が五角以上の多角柱状をなす構成とした場合、外周面同士の内角が90°よりも大きな部分が存在することとなる。かかる場合、一部の外周面は「表示面」として利用することが困難となり得る。故に、遮蔽体の外周面によって「表示面」を効率的に構成するには、三角柱状又は四角柱状とすることが好ましい。これにより、遮蔽体の外周面を無駄なく利用でき、実用上好ましい構成を実現できる。
更には、遮蔽体252が柱状をなす構成としたが、これを変更し、遮蔽体が板状をなす構成としたり、筒状をなす構成としたりすることも可能である。
(15)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、各外周面252a〜252c間の内角A1,A2,A3を全て鋭角としたが、これら各内角A1,A2,A3のうちいずれか1つを直角とすることも可能である。また、それら各内角A1,A2,A3のうちいずれか1つを鈍角とすることも可能である。但し、内角を鈍角とした場合、仮想平面P上に配置されていない他の外周面同士が干渉しやすくなることに起因して、隣り合う遮蔽体252同士を近づけにくくなると想定される。故に、好ましくは、角内角A1,A2,A3は、鋭角又は直角とするとよい。
(16)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、各外周面252a〜252cが平面状をなす構成としたが、これを変更し、各外周面252a〜252cが一定の曲率を有する曲面状をなす構成とすることも可能である。例えば、各外周面252a〜252cを回動中心軸線Xの放射方向外側に向けて凸となる湾曲状としてもよいし、放射方向内側に向けて凸となる湾曲状としてもよい。かかる場合、各外周面252a〜252cの曲率は、少なくともそれら各外周面252a〜252cにおける回動方向両側の縁部間で同一となるように形成することが望ましい。これにより、第1〜第3の状態において、各外周面252a〜252cを仮想曲面上に重ねることが可能となる。
また、各外周面252a〜252c間の境界部位を角状としが、これを変更し、各外周面252a〜252c間の境界部位にコーナーRを形成してもよい。
(17)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、演出の切り替えに伴って複数の遮蔽体252における同じ外周面252a〜252cを遊技領域形成板233側に向ける構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、各遮蔽体252が演出の切り替えに伴ってそれぞれ異なる外周面252a〜252cを遊技領域形成板233側に向ける構成としてもよい。例えば、図42(c)に示すように、中央の遮蔽体252の第1外周面252aが仮想平面P上に配置された状態で、左側の遮蔽体252の第2外周面252b及び右側の遮蔽体252の第3外周面252cも仮想平面P上に配置される構成とすることも可能である。上記実施の形態に示したように、個々の遮蔽体252は第1の状態〜第3の状態のいずれの状態であっても、その外周面252a〜252cは仮想平面P上に位置する(図22(b)参照)。このため、遮蔽体252間の外周面252a〜252cの繋りを維持しつつ、それら外周面252a〜252cによって形成される遮蔽面の幅、すなわち遮蔽領域の大きさを様々に変化させることが可能となる。すなわち、複数の遮蔽体252の異なる外周面252a〜252cの組み合わせによって遮蔽面を形成することで、上述したような遮蔽パターンの多様化を図ることができる。
(18)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、各遮蔽体252が同一の構成を有する構成としたが、これら各遮蔽体がそれぞれ異なる構成を有する構成とすることも可能である。例えば、図42(d)に示すように、三角柱状の遮蔽体790と直方体状の遮蔽体791とを組み合わせて(混在させて)用いることも可能である。
また、同図42(d)に示すように、それぞれの軸体792,793(詳しくは回動中心軸線)は、遊技領域形成板233の背面と平行な同一の仮想平面上に配置する必要は無く、前後方向にずらして配置することも可能である。但し、このように回動中心軸線を前後方向にずらす構成を採用した場合、表示領域可変機構の大型化や、保持部材の構造の複雑化を招来しやすくなると想定され好ましくない。故に、望ましくは、各遮蔽体の回動中心軸線は同一平面状に配置するとよい。
(19)上記第1の実施の形態では、遊技領域形成板233の上部、詳しくは第1シート材245の後方に上側レール部材290を配置し、遊技領域形成板233の下部、詳しくは第2シート材246の後方に下側レール部材270を配置したが、これら両レール部材270,290を相互に入れ替えることも可能である。
また、上側レール部材290に関しては、省略することも可能である。更には、上側レール部材290に代えて、下側レール部材270を配置し、遊技領域形成板233の上部及び下部にて、遮蔽ユニット251を駆動させる構成としてもよい。
上記実施の形態においては、下側レール部材270側に動力部としての第1ステッピングモータ265を設けたが、これと同様の構成を上側レール部材290側にも追加し、両レール部材270,290側の各ステッピングモータを同期して駆動することにより、各遮蔽体252をスライド移動させる構成としてもよい。
(20)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、ステッピングモータ265,267を用いる構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。例えば、ステッピングモータ265,267に代えてDCモータ等の他のモータを用いることも可能である。但し、この場合、遮蔽体252の位置や向きを検出するセンサ等の検出手段を設け、これら検出手段を介して得られる遮蔽体252の位置情報及び向き情報を表示制御装置320(詳しくは表示制御基板321)に入力し、これら各情報に基づいて、遮蔽ユニット251の位置及び向きを制御するフィードバック制御を行うことが望ましい。
なお、下側レール部材270の長手方向への遮蔽ユニット251のスライド移動(直線移動)に関しては、第1ステッピングモータ265に代えてリニアモータを用いる構成とすることで、位置制御を容易化しつつ、より機敏な動作の実現に貢献できる。
(21)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、表示領域可変機構250(詳しくは下側レール部材270)を排出通路形成部材の後方に配置したが、これに限定されるものではなく、排出通路形成部材と並設することも可能である。例えば、排出通路形成部材と下側レール部材270とを上下に並設するとよい。これにより、遊技領域形成板233と図柄表示装置247との間隔寸法を更に小さくすることが可能となるとともに、遮蔽体252の大型化に貢献できる。
(22)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、シート材245,246によって、下側レール部材270及び上側レール部材290を遮蔽する構成とし、パチンコ機10の前方からの下側レール部材270及び上側レール部材290の視認を困難なものとしたが、これらシート材245,246を省略することも可能である。
また、遊技領域形成板233と同等の大きさを有する図柄表示装置247(詳しくは表示画面248)を有する構成としたが、これを変更し、図柄表示装置247(詳しくは表示画面248)をシート材245,246間の透過領域E1に対応する大きさとしてもよい。但し、リユースを考慮すると、図柄表示装置247(詳しくは表示画面248)は上記実施の形態に示すように全面液晶とすることが好ましい。
なお、シート材245,246は遊技領域形成板233の背面側でなく正面側に配することも可能である。
(23)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遮蔽体252が自身の後方の図柄表示装置247を遮蔽する構成としたが、遮蔽しない構成とすることも可能である。例えば、遮蔽体252を有色透明な合成樹脂材料によって形成し、後方の図柄表示装置247の視認が可能となる程度の透明性を付与してもよい。また、外周面252a〜252cに付与された各種絵柄についても同様に、それら絵柄を通して後方の図柄表示装置247の視認が可能となるように透明性を付与してもよい。
更には、各遮蔽体252を図柄表示装置247の前方以外の部分に配置することも可能である。すなわち、遮蔽体252は必ずしも図柄表示装置247の前側に重なるように配置する必要はない。例えば、図柄表示装置が遊技領域形成板233における中央に配置される構成においては、その図柄表示装置との重なりを回避した位置に配置することも可能である。より具体的には、図柄表示装置との重なりを回避し、且つ遊技領域形成板の遊技領域に対して重なる位置に遮蔽体252を配置してもよい。かかる構成においては、遮蔽体252の前方を遊技球が流下することとなるが、これら遊技球の流下経路に対する遮蔽体252の距離は、いずれの外周面252a〜252cが正面側を向いた場合であっても一定に保たれる。遊技領域を流下する遊技球の動きを見ながら、遮蔽体252を用いた演出を見た場合であっても、遮蔽体252の見え方に距離的な違和感が生じることを抑制できる。
(24)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遮蔽ユニット251を構成する軸体261の先端部にストッパ263を形成したが、これを省略することも可能である。
また、ストッパ263を上側レール部材290の断面に対応させることで、レール方向以外の方向への移動を規制する構成としてもよい。なお、このような構成の変更を行った場合には、軸体261の成形が困難になると想定される。ストッパ部を軸体261に対して別体で形成することによりそのような不都合を好適に回避できる。
更には、ストッパ263に代えて上側レール部材290の溝部内をそのレール方向に転がる回転体(例えばローラ)を設けることも可能である。
(25)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遮蔽体252が正回転及び逆回転の2つの方向に回転することで、各外周面252a〜252cの切り替えを行ったが、これに限定されるものではない。例えば、遮蔽体252の回転方向を1の方向に限定することも可能である。これにより、回転制御の簡略化を図ることができる。
(26)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、各遮蔽体252の外周面252aが個々に独立した絵柄を有する構成としたが、複数の遮蔽体252の外周面252aによって1つの連続した絵柄が形成される構成としてもよい。また、外周面252b,252cについても同様に、複数の外周面252bによって「chance」の文字を構成してもよいし、複数の外周面252cによって「big chance」の文字を構成してもよい。
(27)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、各遮蔽体252の端部同士(各外周面252a〜252c同士の境界部位)が接触する構成としたが、これを変更し、各遮蔽体252の端部同士が前後に重なる構成とすることも可能である。これにより、遮蔽体252間の隙間を介して図柄表示装置247が視認可能となることを回避し遮蔽機能を好適なものとすることができる。
(28)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、表示領域可変機構250を用いた演出により、表示画面248において遮蔽される領域が大きくなる構成としたが、これを変更し、表示領域可変機構250を用いた演出により、表示画面248において遮蔽される領域が小さくなる構成とすることも可能である。
具体的には、通常状態においては第3外周面252cがパチンコ機10の正面側を向く構成とし、演出によって、第1外周面252a,252bと切り替わる構成とすればよい。
(29)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遮蔽体252と軸体261とを別体で設けたが、これらを一体で設けてもよい。
また、軸体261を遮蔽体252内に配置したが、これに代えて軸体261を遮蔽体252の外部に配置することも可能である。但しかかる変更を行った場合、遮蔽体252の各外周面252a〜252cの大型化と、遮蔽体252の動作隙の確保とを両立することは困難となり得る。更には、「表示面」の数を増やすことも困難となり得る。故に、望ましくは、軸体261を遮蔽体252内、例えば「表示面」によって挟まれた領域に配置するとよい。
(30)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、複数の遮蔽体252(具体的には3つ又は6つの遮蔽体252)によって連続面を形成する構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。連続面を形成する以外に、個々の遮蔽体252によって複数の異なる位置にて個別に遮蔽を行う構成としてもよい。かかる場合、各遮蔽体を挟んだ両側に表示領域を設定することにより、表示領域を複数に分けて設定することができ、更なる演出の多様化に貢献することができる。遮蔽体を少なくとも2つ有していれば、2つの遮蔽体を離間して配置することにより、複数の異なる部位での遮蔽を可能とし表示領域の分化を好適に促進できる。例えば、遮蔽体を4つ有する構成とした場合、それら遮蔽体をそれぞれ離間して配置し、各遮蔽体の両側に表示領域(5つに分化された表示領域)を設定するとよい。
また、連続面を形成する際には、隣接する遮蔽体が少なくとも2つあればよい。更には、複数の遮蔽体によって形成される連続面が複数設定され、それら各連続面が互いに離間して配置される構成とすることも可能である。かかる場合、それら各連続面を挟んだ両側に表示領域を設定することで、更なる演出の多様化に貢献することができる。例えば、6つの遮蔽体を有する構成とした場合、2つの遮蔽体によって形成される連続面(3つの連続面)を互いに離間して配置し、それら連続面の両側に表示領域(計4つ)を設定するとよい。
(31)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遮蔽ユニット251の駆動モードとして、位置切り替えモードと表示切替モードとを個別に設定する構成としたが、これら各位置切り替えモードと表示切替モードとを統合する構成としてもよい。例えば、第1位置切替モードを第1駆動モード,第1位置切替モードと第1表示切替モードとの組み合わせを第2駆動モード,第1位置切替モードと第2表示切替モードとの組み合わせを第3駆動モード等とするとよい。これにより、複数の切替動作をまとめることができモード切替に要する動作の簡略化及び時間の短縮を実現することができる。
また、表示領域可変機構250を用いた演出終了後には必ず標準状態に復帰させる構成としたが、表示領域可変機構250を用いた演出が連続する場合には、駆動状態を維持する構成とすることも可能である。これにより、表示領域可変機構の動作が多発し表示領域が過度に切り替わることにより視認性が悪化することを抑制できる。
(32)上記各実施の形態では、音声ランプ制御装置91から出力されるコマンドに基づいて表示制御装置92が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置90から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置92が音声ランプ制御装置91を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置91と表示制御装置92とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置91,92が一の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、主制御装置90から音声ランプ制御装置91に出力されるコマンドの構成も任意である。
また、音声ランプ制御装置91は、主制御装置90からのコマンドを入力した場合に、当該コマンドをそのまま表示制御装置92に出力するのではなく、音声ランプ制御装置91において図柄の変動表示パターンなどを特定するとともに、その特定結果を含めた情報を表示制御装置92に出力する構成としてもよい。
更には、表示領域可変機構250と表示制御装置92とは図示せぬ中継基板を介して電気的に接続される構成としたが、この中継基板を省略することも可能である。
(33)上記各実施の形態では、リーチ演出に伴って可変表示機構150を駆動させる構成としたが、可変表示機構150を用いた演出をリーチ演出以外の場面で用いることも可能である。例えば、大当たり状態に移行された場合の演出等の他の演出に適用することも可能である。
(34)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、表示領域E3において図柄の変動表示を行う構成とし、表示画面248における上記表示領域E3以外の領域においては、画像の表示を行わない構成としたが、これを変更し、表示領域E3以外の領域にて背景等の画像の表示を行うことも可能である。但し、かかる場合には、遮蔽体252を透明又は半透明な材料により形成し、それら遮蔽体252を介してその背後に表示される画像が視認可能となるようにこうせいすることが望ましい。
また、表示領域E3においては、図柄等の表示を行う構成としたが、図柄以外の背景等の絵柄を表示することも可能である。更には、図柄の変動表示を行う構成に代えて、図柄等の静止表示を行う構成とすることも可能である。
(35)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、遮蔽体252の各外周面252a〜252cの幅寸法(隣接する外周面との境界部位間の長さ寸法)がそれぞれ異なる構成としたが、複数の「表示面」の切り替えを良好に行うことに着眼すれば、これら各外周面252a〜252cの幅寸法を同一とすることも可能である。すなわち、252a〜252cの幅寸法を同一とした場合であっても、演出の切り替え(具体的には遮蔽体の回転動作)の円滑化を図ることができる。かかる場合、各外周面252a〜252cに異なる装飾を付与することで、演出の多様化が達成される。
(36)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、各外周面252a〜252cを平面状としたが、これら各外周面に凸状又は凹状のデザイン(例えば文字,数字,絵柄等)を付与することも可能である。この場合、ベースとなる平面部分又は隣合う外周面との境界部位が仮想平面P上に重なる構成とするとよい。
(37)上記第3の実施の形態では、駆動ユニット550をレール部材460,480の左右両側に配置する構成とした。すなわち、左側駆動ユニット550L及び右側駆動ユニット550Rを有する構成としたが、これに限定されるものではない。両駆動ユニット550L,550Rのうちいずれか一方を省略することも可能である。このような変更を行った場合には、遮蔽ユニット410a〜410fを駆動する構成を一の駆動ユニットにまとめるとよい。
(38)上記第3の実施の形態においては、駆動ユニット550をレール部材460,480の左右両側に配置する構成としが、各駆動ユニット550の配置は任意である。但し、駆動ユニット550はパチンコ機10の正面視において、表示領域E3との重なりを回避する位置に配置することが好ましい。例えば、駆動ユニット550をレール部材460の下方及びレール部材480の上方にそれぞれ配置し、それら各駆動ユニット550が各シート材128,129によって覆われる構成とするとよい。
(39)上記第3の実施の形態においては、スライド用ステッピングモータ560の歯車562よりも外側に下側ベルト部材511を配し、同歯車562よりも内側に上側ベルト部材521を配する構成としたが、この配置が逆となるようにベルト部材511,521を入れ替えてもよい。すなわち、歯車562よりも内側に下側ベルト部材511を配し、同歯車562よりも外側に上側ベルト部材521を配する構成としてもよい。
(40)上記第3の実施の形態においては、動力伝達部材としてベルト部材511,521を用いる構成とした。詳しくは、ベルト部材511,521を湾曲させることにより、同ベルト部材511,521とスライド用ステッピングモータ560とを直接繋ぐ構成とした。これを変更し、他のギア部材等を介してベルト部材511,521とスライド用ステッピングモータ560とを繋ぐ構成としてもよい。このようにギア部材等を中継させることにより、ベルト部材を湾曲させる必要が無くなる。これにより、ベルト部材の強度向上を図り、ベルト部材の撓み等の変形を抑えやすい構成を実現できる。
(41)上記第3の実施の形態においては、スライド用ステッピングモータ560を両レール部材460,480の中間位置に配置して、下側ベルト部材511の全長と上側ベルト部材521の全長との寸法差を生じにくくしたが、これに限定されるものではない、ステッピングモータ560の位置は任意である。例えば、ステッピングモータ560を両レール部材460,480の一方側に偏倚して配置することも可能である。但し、ベルト部材の全長が長くなると、支持部材の移動に関する応答性が低下しやすくなる。これは、両支持部材420,440を同期して移動させることを困難なものとする要因になり得るため好ましくない。故に、望ましくは、ステッピングモータは両レール部材の中間位置に偏倚して配置するとよい。
(42)上記第3の実施の形態においては、スライド用ステッピングモータ560を、軸部561の中心軸線が前後方向に延びるように配置したが、これに限定されるものではない。例えばスライド用ステッピングモータを、軸部の中心軸線が上下方向に延びるように配置してもよいし、軸部の中心軸線が左右方向に延びるように配置してもよい。但し、このような変更を行った場合には、併せてベルト部材の配置を変更する必要が生じる。これは駆動ユニット550の厚みを増加する要因となり得るため好ましくない。
(43)上記第3の実施の形態においては、ベルト部材511a〜511cをベルト部材511の厚み方向に並設する構成としたが、各ベルト部材511a〜511cの配置は任意である。例えば、ベルト部材511a〜511bをベルト部材511の幅方向に並設することも可能である。
また、ベルト部材511を歯部513が上方を向くように配置したが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、ベルト部材511を歯部513が下方を向くように配置することも可能であるし、ベルト部材511を歯部513が前方又は後方を向くように配置することも可能である。
なお、以上詳述した変更をベルト部材511d〜511f,521a〜521c,521d〜521fの各組みに適用してもよい。
(44)上記第3の実施の形態においては、ベルト収容溝472a〜472cを下側レール部材460の前側板部461に形成し、ベルト収容溝472d〜472fを下側レール部材460の後側板部462に形成した。すなわち、下側支持部材420を挟んでベルト部材511a〜511c及びベルト部材511d〜511fを配置した。これを変更し、ベルト部材511a〜511fを下側支持部材420の一側に、すなわち下側レール部材460の板部461〜463の何れかにまとめて配置することも可能である。
(45)上記第3の実施の形態においては、ベルト部材511,521をスライド用ステッピングモータ560の歯車562を挟んだ両側に配置したが、これに限定されるものではない。ベルト部材511,521を同一側に配置することも可能である。すなわち、下側ベルト部材511の歯部513と、上側ベルト部材521の歯部523とは必ずしも対峙している必要はなく、下側ベルト部材511の歯部513と、上側ベルト部材521の歯部523とが同一側を向くように各ベルト部材511,521を配置することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、両ベルト部材511,521による各支持部材420,440の動作方向を統一するため、駆動力の伝達方向を反転させる構成を併用することが好ましい。例えば、ベルト部材511,521をそれぞれ環状とするとよい。
(46)上記第3の実施の形態においては、下側支持部材420及び上側支持部材440を一つのスライド用ステッピングモータ560によって駆動する構成としたが、これを変更し、下側支持部材420を駆動するステッピングモータと、上側支持部材440を駆動するステッピングモータとを個別に設けてもよい。但し、このような変更を行う場合には、各支持部材420,440の位置を検知する検知手段を個別に設け、それら検知手段からの位置情報に基づいてそれら各支持部材420,440の移動が同期するようにフィードバック制御を行うことが好ましい。
(47)上記第3の実施の形態においては、「駆動力伝達部」として、ベルト部材511,521を有する構成としたが、ベルト部材511,521に代えてチェーン部材やケーブル部材を有する構成としてもよい。なお、ケーブル部材を有する構成とした場合には、ケーブルに段差等の引っ掛かりを設け、ステッピングモータ(詳しくは歯車)との噛み合いを可能とするとともに、噛み合いのずれを生じにくくするとよい。
なお、例えば遮蔽ユニットの移動方向を上下方向とした場合には、駆動力伝達部を紐等によって構成し、それら紐を巻き上げることにより、遮蔽ユニットを上昇させ、自重落下させることによって同遮蔽ユニットを下降させることも可能である。但し、このような構成を採用した場合には、遮蔽ユニットの自重に依存して移動するため、機敏な動きを実現することは困難になると考えられる。更には、遮蔽ユニットの移動方向が、自重による移動が困難な方向(例えば左右方向)に設定された場合、1のスライド用ステッピングモータによって遮蔽ユニットの往復移動をさせることが困難となる。例えば、往用のスライド用ステッピングモータと復用のスライド用ステッピングモータを設けることにより、これに対処することが可能ではあるが、構成が煩雑化すると考えられ、好ましくない。以上の理由から、スライド用ステッピングモータによる押し引きに対応できるもの(例えば上述したベルト等)を「駆動力伝達部」として用いることが好ましい。
(48)上記第3の実施の形態では、「規定手段」としてケーシング571〜574を有する構成としたが、これら各ケーシング571〜574を省略することも可能である。これらケーシング571〜574を省略する場合には、ハウジング580のケーシング収容部の溝幅や溝深さをベルト部材511,521に合わせて変更しケーシング収容部の内周面でベルト部材511,521を挟むことによって、それらベルト部材511,521の撓みや捻れを抑制するとよい。
(49)上記第3の実施の形態では、左側駆動ユニット550Lと右側駆動ユニット550Rとを対称となるように構成した。これにより、各駆動ユニット550L,550Rのスライド用ステッピングモータ555a〜555fの取付方向を揃えたり、ケーシング571〜574の取付方向を揃えたりすることが可能となり、メンテナンス等の容易化を図ったが、これを以下のように変更することも可能である。つまり、左側駆動ユニット550L及び右側駆動ユニット550Rを完全に同一のものを用いてもよい。言い換えれば、左側駆動ユニット550Lを反転して用いてもよい。この場合、部品点数の削減を図ることができるだけでなく、駆動ユニット550の更なる薄型化に貢献することが可能となる。具体的には、ハウジング580においては、スライド用ステッピングモータを装着することにより、同スライド用ステッピングモータのハウジングからの突出量に依存して、ハウジングの厚み寸法が決定されやすいと想定される。左側駆動ユニットをレール部材の前板部側に偏倚して配置し、ステッピングモータをハウジングの後側に配置することにより、ステッピングモータの突出量に依存して駆動ユニット550の厚み寸法が大きくなることを抑制できる。つまり、ステッピングモータを前側に配置する場合と比較して、レールの幅寸法と同程度のステッピングモータの突出量にいては駆動ユニットの実質的な厚み寸法としてカウントされることがなく、駆動ユニットの厚み寸法への影響を抑えることが可能となる。同様に、右側駆動ユニットをレール部材の後板部側に偏倚して配置し、ステッピングモータをハウジングの前側に配置することにより、ステッピングモータの突出量に依存して駆動ユニットの厚み寸法が大きくなることを抑制できる。これにより、駆動ユニットの薄型化を促進でき、実用上好ましい構成を実現できる。
(50)上記第3の実施の形態に示すように、遮蔽体411の両側の端部に支持部材420,440を有する構成においては、回動用ステッピングモータ555を上側支持部材440に設けることも可能である。
(51)上記第3の実施の形態では、下側ベルト部材511a〜511cの長さ、詳しくは各ステッピングモータ560a〜560cと各遮蔽ユニット410a〜410cとのを伝達経路の長さ(距離)を積極的に相違させることにより、それらベルト部材511a〜511cの誤組み付けを抑制したが、これを変更し、各ベルト部材511a〜511cの長さが同等となるように構成してもよい。これにより、各遮蔽ユニット410a〜410cにおける駆動力の伝達に伴うタイムラグを同等とすることができ、各遮蔽ユニット410a〜410cの動作を揃えることが可能となる。
例えば、ステッピングモータ560a〜560cの配列を逆とし、第1ステッピングモータ560aと第3ステッピングモータ560cとの位置を入れ替えるとよい。
なお、同様の変更を下側ベルト部材511d〜511f,上側ベルト部材521a〜521f及びステッピングモータ560d〜560fに対して適用することも可能である。
(52)上記第3の実施の形態では、各レール部材460,480の第1規制部465,485によって、全ての遮蔽ユニット410の移動を規制する構成とした。これを変更し、各遮蔽ユニット410の移動を個別に規制する第1規制部を、それら各遮蔽ユニット410に個々に対応して設けてもよい。
(53)上記第3の実施の形態においては、各ベルト部材511a〜511fに対して、個々に対応するベルト収容溝472a〜472fを形成した。これを変更し、複数のベルト部材が同一のベルト収容溝に収容される構成としてもよい。例えば、ベルト部材511aとベルト部材511fとがベルト収容溝472a内に収容される構成とすることも可能である。しかしながら、このように、複数のベルト部材が一のベルト収容溝内で並存する構成とした場合、既に説明した支持長さを確保することが難しくなりえる。故に、好ましくは、各ベルト部材に対応するベルト収容溝を個別に設ける構成とするとよい。
(54)上記第2及び第3の実施の形態では、遮蔽体252が回動する際に、その軸位置を前後方向、すなわち遊技領域形成板233及び図柄表示装置247の並設方向に移動させることにより、それら遮蔽体252の遊技領域形成板233及び図柄表示装置247に対する動作隙を確保する構成とした。これを変更し、遮蔽体252が回動する際に、隣り合う他の遮蔽体252との軸間距離を変更するように回動中心軸線の位置を左右方向に、すなわち遮蔽体252の並設方向に移動させ、それら各遮蔽体252の動作隙を確保する構成としてもよい。これにより、遮蔽体252同士を近づけつつ動作隙を確保することができ、限られたスペースに複数の遮蔽体252を配する構成を好適に実現できる。なお、遮蔽体252の左右両側に固定された遮蔽役物等を配し、それら遮蔽役物の間を遮蔽体252が移動する構成に対して、上記思想を適用することも可能である。つまり、遮蔽体252が一方の遮蔽役物に近づく側に回動する際に、同遮蔽体252の回動中心軸線を他方の遮蔽役物側に移動させるとよい。これにより、遮蔽体252の動作スペースの広がりを抑え、限られたスペース内で遮蔽役物との共存を好適に実現できる。
(55)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.回動可能に設けられた表示部材(表示部材151や遮蔽体252)と、
前記表示部材を回動させるとともに、当該表示部材の回動位置(例えば回動中心軸線X1,X2)を移動させる駆動手段(モータ159,163等)と
を備え、
前記回動位置の移動範囲には、第1位置及び第2位置が設けられており、
前記表示部材において特定の回動動作が行われる過程で前記回動位置が前記第1位置から前記第2位置に変更されることによって、当該特定の回動動作において前記表示部材の外周面における特定部位(例えば最外部位OMや第1境界B1)が通過する軌道(例えば通過軌道PS1,PS2)の少なくとも一部が、前記回動位置が前記第1位置に固定された状態で前記表示部材の回動動作が行われた場合における前記特定部位の軌道(例えば仮想円CL1,CL2)の内側を通るように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、表示部材の回動位置は、第1位置から第2位置へ移動可能な構成となっている。駆動手段により特定の回動動作が行われる過程において当該表示部材の回動位置を第1位置から第2位置へ移動させることにより、表示部材の特定部位が通過する軌道(通過軌道)を変化させることができる。つまり、表示部材の特定部位が通過する軌道の広がりを部分的に抑えることが可能となっている。通過軌道の広がりを部分的に抑制可能であるため、仮に通過軌道の一部を減縮する必要がある場合であっても、その影響が演出範囲全体に及び同演出範囲全体を減縮する必要が生じることを回避しやすくできる。故に、表示部材の動作領域を狭めつつ、演出範囲の拡大を図ることが可能となる。
例えば表示部材を大型化すれば、同表示部材を用いた演出の迫力向上に貢献することができる。しかしながら、遊技機においては遊技者から視認可能となる部分が限定されているため、周辺部品等との共存を考慮しつつ表示部材の動作領域を確保することは難しいと想定される。特に、表示部材を回動可能とした構成においては、回動位置を中心として、例えばその放射方向全域に同等の動作領域を確保する必要が生じ得る。本特徴においては特に、表示部材の回動位置を表示部材の回転動作に応じて移動させることにより、部分的に動作領域を狭めることができる。これにより、表示部材を大型化することにより演出範囲を広げつつ、周辺部品等との干渉を回避しやすくできる。故に、限られたスペースにおいて表示部材による演出を実行可能な範囲を好適に広げることができる。
なお、「回動位置を移動させる」は、例えば回動中心軸線と表示部材との相対位置が一定に保たれる構成においてはそれら回動中心軸線及び表示部材を移動させたり、回動中心軸線と表示部材との相対位置を変更可能な構成においてはそれら回動中心軸線及び表示部材の少なくとも一方を移動させたりすることを含む。
特徴A2.前記駆動手段を制御することにより前記表示部材を回動させる回動制御と前記駆動手段を制御することにより前記回動位置を移動させる位置移動制御とを実行することにより、前記表示部材の表示態様を変化させる駆動制御手段(表示制御装置92,320)を備え、
前記駆動制御手段は、前記特定の回動動作を行わせる場合に、前記表示部材の前記回動位置が前記第1位置から前記第2位置に移動するように前記位置移動制御を実行するとともに、前記回動位置が移動する側とは反対側に前記表示部材の前記特定部位が変位するように前記回動制御を実行する駆動制御モードを有していることを特徴とするA1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、駆動制御手段(詳しくは駆動制御モード)によって表示部材の回動と回動位置の移動とを制御することにより、表示部材の表示態様を変化させることができる。
例えば、表示部材及びその回動位置に関する各動作を連動させる機構等を用いて、上述した表示部材の動作態様(特定の回動動作等)を実現することも可能であると考えられる。しかしながら、かかる対応を行った場合には、構造の複雑化が顕著なものとなり得る。これは、特徴A1にて説明したように限られたスペースに表示部材等を配置することを想定すれば、好ましいものではない。更には、機構的側面からの対応では上記各動作が制約を受けやすくなり、動作態様の多様化が困難なものとなり得る。この点、本特徴においては、それら不都合の発生を抑制し、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A3.前記駆動手段は、
前記表示部材を回動させる回動用駆動部(回動用モータ159や第2ステッピングモータ267)と、
前記表示部材の回動位置を前記第1位置から前記第2位置に移動させる位置移動用駆動部(スライド用モータ163や第1ステッピングモータ265)と
を有してなり、
前記回動用駆動部を駆動制御する回動制御と、前記位置移動用駆動部を駆動制御する位置移動制御とを実行することにより、前記表示部材の表示態様を切り替える駆動制御手段(例えば表示制御装置92,320)を備え、
前記駆動制御手段は、前記特定の回動動作を行わせる場合に、前記表示部材の前記回動位置が前記第1位置から前記第2位置に移動するように前記位置移動制御を実行するとともに、前記回動位置が移動する側とは反対側に前記表示部材の前記特定部位が変位するように前記回動制御を実行する駆動制御モードを有していることを特徴とするA1に記載の遊技機。
特徴A3によれば、回動用駆動部と位置移動用駆動部の動作を駆動制御手段によって制御する構成とした。これにより、特徴A1に示した構成を実現することができる。
仮に、表示部材の回転移動及び回動位置の移動を実現するための駆動力を1の駆動部から供給される駆動力によって賄う構成とした場合、その駆動力を表示部材の回動用及び回動位置の移動用に分化する機構等を採用することにより特徴A1に示した構成を実現することが可能である。しかしながら、このような対応を講じた場合には、表示部材の回転移動と回動位置の移動とに相関が生じやすくなるばかりでなく、駆動力の伝達経路が複雑化したり、表示部材の動作パターンに対する制約が強まったりしやすくなると想定される。この点、本特徴に示すように、それぞれの動作に対応する駆動部を別途設けることにより、動作パターンの陳腐化を抑制でき、表示部材を用いた演出を好適なものとすることができる。
特徴A4.前記駆動制御モードは、前記回動制御と前記位置移動制御とが並行して行われるように設定されていることを特徴とするA2又はA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、回動制御及び位置移動制御を並行して行う構成としたことにより、それら各制御を段階的に行う構成と比較して表示部材を用いた演出の迅速化及び円滑化に貢献できる。なお、段階的に制御を行う場合と比較して、表示部材を用いた演出の流麗さを向上することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
因みに、本特徴を「前記駆動制御モードは、前記回動制御を実行している最中に、前記位置移動制御を実行するように設定されていることを特徴とするA2又はA3に記載の遊技機」と置き換えてもよい。
特徴A5.前記表示部材は、遊技機構成体(例えばステージユニット132や遊技領域形成板233)と対向する位置に配置されており、
前記特定の回動動作が行われる場合に前記特定部位が通過する軌道において少なくとも前記遊技機構成体側となる部分は、前記回動位置が前記第1位置に固定された状態で前記表示部材の回動動作が行われた場合における前記特定部位の軌道の内側に位置していることを特徴とするA1乃至A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に本特徴に示す構成を適用することにより、実用上好ましい構成を実現できる。すなわち、本特徴によれば、特定の回動動作が行われる場合に特定部位が通過する軌道(便宜上、第1通過軌道と称する)において少なくとも遊技機構成体側となる部分は、回動位置が第1位置に固定された状態で表示部材の回動動作が行われた場合における特定部位の軌道(便宜上、第2通過軌道と称する)の内側に位置している。遊技機構成体側にて第1通過軌道が第2通過軌道よりも外側に張り出すことを回避することで、表示部材の特定部位が遊技機構成体側を通過する場合にそれら特定部位及び遊技機構成体が干渉することを回避しやすくできる。このように演出範囲を部分的に狭めることにより、表示部材の演出範囲全体が遊技機構成体との干渉を回避すべく減縮されることを抑制できる。
なお、本特徴を「前記特定の回動動作が行われる場合に前記特定部位が通過する軌道は、少なくとも予め定められた方向においては、前記回動位置が前記第1位置に固定された状態で前記表示部材の回動動作が行われた場合における前記特定部位の軌道からの突出が回避されるように当該軌道の内側に位置されていることを特徴とするA1乃至A4のいずれか1つに記載の遊技機」と置き換えてもよい。
特徴A6.前記特定の回動動作が行われる場合、前記回動位置が前記第1位置と前記第2位置との間で往復動されることにより、当該特定の回動動作において前記特定部位が通過する特定軌道はその少なくとも一部が、前記回動位置が前記第1位置に固定された状態で前記表示部材の回動動作が行われた場合における前記特定部位の仮想軌道の内側を通るとともに、前記特定軌道の全体が前記仮想軌道の外側とならないように構成されていることを特徴とするA1乃至A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6によれば、特定軌道の仮想軌道からの張り出しが回避されている。このように特定軌道全体を仮想軌道内に収めることにより、特徴A1に示した効果を一層顕著なものとすることができる。
特徴A7.遊技機構成体(例えばステージユニット132や遊技領域形成板233)と対向する位置において回動可能となるように設けられた表示部材(表示部材151や遮蔽体252)と、
前記表示部材を回動させるとともに、同表示部材の回動位置を移動させる駆動手段(モータ159,163等)と
を備え、
前記表示部材の回動に基づいて前記表示部材の外周部における特定部位が前記遊技機構成体に対して近づく側に変位する過程で、前記表示部材の前記回動位置を前記遊技機構成体側とは反対側に移動させることにより前記特定部位が通過する通過軌道と前記遊技機構成体との重なりを回避することを特徴とする遊技機。
特徴A7によれば、表示部材が回動し同表示部材の特定部位が遊技機構成体に対して近づく側に変位する過程で、表示部材の回動位置が遊技機構成体から離れる側に移動する。これにより、特定部位の通過軌道と遊技機構成体と重なりが回避される。このように表示部材の回動に応じて同表示部材の回動位置を変更可能とすることにより、遊技機構成体と表示部材との距離(間隔)を小さくすることができる。
一般的に遊技機においては、遊技者から視認可能となる領域は限られており、この限られた範囲内で各種構成を配置する必要があるため、各種構成間の距離、特に動作スペース等を大きくすることは好ましくない。この点、本特徴に示すように表示部材の回転移動に対応して同表示部材の回動位置と遊技機構成体との間隔を変更する構成とすれば、表示部材を遊技機構成体に対して近づけて配置することが可能となる。これにより、表示部材及び遊技機構成体を限られたスペース内で好適に共存させることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、例えば「遊技機構成体」を、透明性を有し遊技機構成体を通じ遊技機前方から表示部材が視認可能となるように形成されたパネル部材によって構成するとよい。上述の如く遊技機構成体に対して表示部材を近づけて配置することが可能であれば、同表示部材の視認性を向上させることが可能となり、表示部材を用いた演出を好適なものとすることができる。
特徴A8.前記駆動手段を制御することにより前記表示部材を回動させる回動制御と前記駆動手段を制御することにより前記回動位置を移動させる位置移動制御とを実行することにより、前記表示部材の表示態様を変化させる駆動制御手段(表示制御装置92,320)を備え、
前記駆動制御手段は、前記表示部材の前記回動位置が前記遊技機構成体から離れる側に変位するように前記回動制御を実行するとともに、前記表示部材の前記特定部位が変位する側とは反対側に前記表示部材の前記回動位置が移動するように前記位置移動制御を実行する駆動制御モードを有していることを特徴とするA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、特徴A2に示した効果と同様の効果を奏する。すなわち、表示部材に付随する構成の複雑化を抑制し、それら各種構成の省スペース化を図ることができる。これにより、限られたスペースにおける周辺部品等との共存を好適なものとすることができる。また、表示部材に関する各動作同士の制約を低減し、動作態様の多様化に貢献することができる。
なお、本特徴に「前記遊技機構成体(ステージユニット132)は、遊技球の流下経路を規定する流下経路規定部(奥側ステージ面138)を有し、前記駆動手段は、前記流下経路規定部に沿って流下する遊技球の流下経路と前記表示部材の前記特定部位との干渉を回避するように前記表示部材を移動させる」構成を適用することにより、以下の優れた効果を奏する。表示部材を用いた演出を行う場合には、同表示部材を遊技者に対してなるべく近づけて配置することが好ましい。これにより、表示部材の見やすさの向上と、同表示部材を用いた演出の迫力向上に貢献できる。しかしながら、一般的に、遊技機の前面部分には遊技球が流下する遊技領域が設けられており、表示部材をなるべく前側に配置するにはその遊技領域を流下する遊技球との干渉を回避する必要がある。この点、遊技機構成体が遊技球の流下経路を規定する流下経路規定部を有することにより、その流下経路規定部に沿って流下する遊技球の流下経路のばらつきを抑えることが可能である。このようにばらつきが抑えられた流下経路との干渉を回避するようにして表示部材における特定部位の通過軌道を設定することにより、遊技球の流下を担保しつつ、表示部材を遊技者に対して近づけて配置することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
また、本特徴に「前記遊技機構成体は、絵柄を表示する表示画面の外側に配置されているとともに、前記表示部材を収容する収容部(収容部168)を構成し、前記表示部材は、前記表示画面に対して遊技機前方から重なる演出位置と、前記収容部に収容され、遊技機前方から視認不可となる待機位置との両位置に移動可能に設けられている」構成を適用することにより、以下の優れた効果を奏する。表示画面の前方スペースにて表示部材による演出を行うことにより、表示画面に表示される絵柄との相関をもたせた一体的な演出を行いやすくことができる。これにより、演出の多様化を図りつつ遊技機における演出の統一感の向上に貢献できる。また、表示部材による演出を行わない場合には、当該表示部材を収容部の待機位置に移動させることにより、表示画面に表示される絵柄を視認しやすくでき、同表示画面を用いた演出を好適に実行できる。このように、収容部を有する構成とした場合には、表示部材の回動に基づいて当該表示部材の一部が収容部内を通過して視認しにくくなると想定される。このような不都合は、表示部材の大型化によって演出範囲を広げようとした場合には一層顕著なものとになり得る。この点、上述した構成を適用することにより、表示部材の回動に基づいて当該表示部材の少なくとも一部が収容部に隠れて見えにくくなるといった不都合を回避しやすくできる。具体的には、表示部材の回動に基づいて特定部位が収容部に近づく側に変位する場合には、回動位置が収容部から離れる側に移動することにより、収容部側での通過軌道の膨らみを抑えることが可能となる。これにより、表示部材が収容部に隠れてみえにくくなることを抑制できる。つまり、通過軌道の広がりを部分的に抑えることにより、収容部と通過軌道との重なりの回避を考慮して表示部材の演出範囲全体を小さくする必要がなくなる。故に、表示部材を用いた演出範囲の広域化を図りつつ、それに伴って発生し得る収容部との重なりを回避しやすくできる。
特徴A9.前記駆動手段は、
前記表示部材を回動させる回動用駆動部(回動用モータ159や第2ステッピングモータ267)と、
前記表示部材の前記回動位置を前記遊技機構成体に対して近づく側及び離れる側に移動させる位置移動用駆動部(スライド用モータ163や第1ステッピングモータ265)とを有してなり、
前記回動用駆動部を駆動制御する回動制御と前記位置移動用駆動部を駆動制御する位置移動制御とを実行することにより、前記表示部材の表示態様を変化させる駆動制御手段(表示制御装置92)を備え、
前記駆動制御手段は、
前記表示部材の前記特定部位が前記遊技機構成体に対して近づく側に変位すように前記回動制御を実行する場合に前記表示部材の前記回動位置が前記遊技機構成体に対して離れる側に移動するように前記位置移動制御を実行する第1駆動制御モードと、
前記表示部材の前記特定部位が前記遊技機構成体に対して離れる側に変位すように前記回動制御を実行する場合に前記表示部材の前記回動位置が前記遊技機構成体に対して近づく側に移動するように前記位置移動制御を実行する第2駆動制御モードと
を有していることを特徴とするA7に記載の遊技機。
特徴A9によれば、回動用駆動部及び位置移動用駆動部の動作を駆動制御手段によって制御する構成とした。これにより、特徴A7に示した構成を実現することができる。
仮に、表示部材の回転移動及び回動位置の移動を実現するための駆動力を1の駆動部から供給される駆動力によって賄う構成とした場合、駆動力を表示部材の回転移動用及び回動位置の移動用に分化する機構等を採用することにより、特徴A7に示した構成を実現することが可能である。しかしながら、このような対応を講じた場合には、表示部材の回転移動と回動位置の移動とに相関が生じやすくなるばかりでなく、動力の伝達経路が煩雑化したり、表示部材の動作パターンに対する制約が強まったりすると想定される。この点、本特徴に示すように、それぞれの動作に対応する駆動部を別途設けることにより、動作パターンの陳腐化を抑制でき、表示部材を用いた演出を好適なものとすることができる。
また、第1駆動制御モード及び第2駆動制御モードを有する構成とすることにより、表示部材の動作スペースの広がりを好適に抑えつつ、遊技機構成体と表示部材とを近づけて配置することが可能となる。例えば、遊技機構成体によって挟まれた空間に表示部材を配置する構成を採用した場合、表示部材の動作スペースの広がりを抑えることによりそれら遊技機構成体同士の間隔を狭めやすくできる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A10.前記遊技機構成体は、所定の間隔を隔てて設けられた第1遊技機構成体(例えばステージユニット132や遊技領域形成板233)及び第2遊技機構成体(例えば収容部168や図柄表示装置247)によって構成されており、
前記表示部材は、それら第1遊技機構成体及び第2遊技機構成体の間に挟まれた空間に配置されており、
前記第1駆動制御モードは、前記表示部材の前記特定部位が前記第1遊技機構成体に対して近づく側に移動するように前記回動制御を実行する場合に前記表示部材の前記回動位置が前記第2遊技機構成体に対して近づく側に移動するように前記位置移動制御を実行する駆動制御モードであり、
前記第2駆動制御モードは、前記表示部材の前記特定部位が前記第2遊技機構成体に対して近づく側に移動するように前記回動制御を実行する場合に前記表示部材の前記回動位置が前記第1遊技機構成体に対して近づく側に移動するように前記位置移動制御を実行する駆動制御モードであることを特徴とするA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、表示部材は、2つの遊技機構成体によって挟まれた空間に配置されている。このように区画された空間に表示部材が配置されている構成においては、特徴A9等に示した効果を一層顕著なものとすることができる。
具体的には、表示部材の特定部位が第1遊技機構成体側に変位する場合には回動位置が第2遊技機構成体側に移動し、表示部材の特定部位が第2遊技機構成体側に変位する場合には回動位置が第1遊技機構成体側に移動する。このように特定部位の変位に応じて回動位置を移動させることにより、第1遊技機構成体及び第2遊技機構成体によって挟まれた空間を表示部材の動作領域として好適に利用し、両遊技機構成体との干渉を回避しやすくしつつ、表示部材の大型化すなわち演出範囲の拡大に貢献することができる。故に、遊技機構成体及び表示部材を一層好適に共存させることが可能となる。
特徴A11.前記第1遊技機構成体(ステージユニット132)は、遊技球の流下経路を規定する流下経路規定部(奥側ステージ面138)を有し、
前記駆動手段は、前記流下経路規定部に沿って流下する遊技球の流下経路と前記表示部材の前記特定部位との干渉を回避するように前記表示部材を移動させることを特徴とするA10に記載の遊技機。
表示部材を用いた演出を行う場合には、同表示部材を遊技者に対してなるべく近づけて配置することが好ましい。これにより、表示部材の見やすさの向上と、同表示部材を用いた演出の迫力向上に貢献できる。しかしながら、一般的に、遊技機の前面部分には遊技球が流下する遊技領域が設けられており、表示部材をなるべく前側に配置するにはその遊技領域を流下する遊技球との干渉を回避する必要がある。この点、本特徴によれば、第1遊技機構成体が遊技球の流下経路を規定する流下経路規定部を有することにより、その流下経路規定部に沿って流下する遊技球の流下経路のばらつきを抑えている。このようにばらつきが抑えられた流下経路との干渉を回避するようにして表示部材における特定部位の通過軌道を設定することにより、遊技球の流下を担保しつつ、表示部材を遊技者に対して近づけて配置することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A12.前記第2遊技機構成体は、絵柄を表示する表示画面の外側に配置されているとともに、前記表示部材を収容する収容部(収容部168)を構成し、
前記表示部材は、前記表示画面に対して遊技機前方から重なる演出位置と、前記収容部に収容され、遊技機前方から視認不可となる待機位置との両位置に移動可能に設けられていることを特徴とするA9又はA10に記載の遊技機。
特徴A12によれば、表示画面の前方スペースにて表示部材による演出を行うことにより、表示画面に表示される絵柄との相関をもたせた一体的な演出を行いやすくことができる。これにより、演出の多様化を図りつつ遊技機における演出の統一感の向上に貢献できる。また、表示部材による演出を行わない場合には、当該表示部材を収容部の待機位置に移動させることにより、表示画面に表示される絵柄を視認しやすくでき、同表示画面を用いた演出を好適に実行できる。
このように、収容部を有する構成とした場合には、表示部材の回動に基づいて当該表示部材の一部が収容部内を通過して視認しにくくなると想定される。このような不都合は、表示部材の大型化によって演出範囲を広げようとした場合には一層顕著なものとになり得る。この点、特徴A10等に示す構成を適用することにより、表示部材の回動に基づいて当該表示部材の少なくとも一部が収容部に隠れて見えにくくなるといった不都合を回避しやすくできる。具体的には、表示部材の回動に基づいて特定部位が収容部に近づく側に変位する場合には、回動位置が収容部から離れる側に移動することにより、収容部側での通過軌道の膨らみを抑えることが可能となる。これにより、表示部材が収容部に隠れてみえにくくなることを抑制できる。つまり、通過軌道の広がりを部分的に抑えることにより、収容部と通過軌道との重なりの回避を考慮して表示部材の演出範囲全体を小さくする必要がなくなる。故に、表示部材を用いた演出範囲の広域化を図りつつ、それに伴って発生し得る収容部との重なりを回避しやすくできる。
なお、本特徴を特徴A11と組み合せることも可能であるが、この場合「前記第2遊技機構成体は、絵柄を表示する表示画面の外側に配置されているとともに、前記表示部材を収容する収容部を構成し、前記表示部材は、前記表示画面に対して遊技機前方から重なる演出位置と、前記収容部に収容され、遊技機前方から視認不可となる待機位置との両位置に移動可能に設けられており、それら両位置間での移動方向は、前記駆動制御モードによって規定され前記回動位置の移動方向と同一となるように構成されていることを特徴とするA9又はA10に記載の遊技機」とするとよい。
特徴A13.前記第1遊技機構成体は、透明性を有し当該第1遊技機構成体を通じて遊技機前方から前記表示部材が視認可能となるように形成されたパネル部材であり、
前記第2遊技機構成体は、同第1遊技機構成体に対して対向するように配置された表示部(図柄表示装置247の表示画面248)であることを特徴とするA10に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第1遊技機構成体を介して表示部材が視認される構成となっており、表示部材の視認性を担保しつつ、同表示部材が露出される機会を減じることが可能となっている。これにより、表示部材に触れる等して同表示部材に位置ずれ等の不都合が生じることを好適に回避している。
上述した構成においては、第1遊技機構成体に対する動作隙を確保等を目的として、表示部材が同第1遊技機構成体に対して離して配置されると想定される。しかしながら、これは遊技者から表示部材までの距離を広げ、表示部材を用いた演出の迫力の低下等を招来する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴においては、第1遊技機構成体に対して表示部材をなるべく近づけて配置することが可能となり、上述した不都合の発生を好適に抑制できる。これにより、表示部材の視認性の向上を図り、同表示部材を用いた演出の迫力を向上することができる。
また、第1遊技機構成体は透明性を有するパネル部材によって構成されている。これにより、第1遊技機構成体を介して第2遊技機構成体(表示部)を視認可能としつつ、第2遊技機構成体の露出を減らし、同第2遊技機構成体の保護を図ることができる。また、表示部材を第1遊技機構成体及び第2遊技機構成体の間に配置することで、表示部材及び表示部による演出に相関を持たせ、演出の多様化を図ることができる。
このような構成においては、第2遊技機構成体の視認性向上の観点から、第1遊技機構成体と第2遊技機構成体とをなるべく近づけて配置することが好ましい。この点、特徴A9に示す構成により、表示部材の演出範囲を広げつつ、両遊技機構成体の間隔を狭めることができる。これにより、表示部材及び遊技機構成体を好適に共存させることが可能となる。
特徴A14.前記表示部材は遊技機前方から視認可能となる演出位置及び遊技機前方から視認不可となる待機位置の両位置に移動可能に設けられており、それら両位置間での移動方向は、前記駆動制御モードによって規定され前記回動位置の移動方向と同一となるように構成されていることを特徴とするA8乃至A13のいずれか1つに記載の遊技機。
限られた範囲に表示部材を配置する場合には、表示部材と他の部材等とが前後に重なるように配置するといった対策が講じられると想定される。しかしながら、表示部材を用いた演出が行われていない場合に同表示部材が演出位置に留まると、他の部材の視認を阻害する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、表示部材を演出位置と待機位置とに移動可能とすれば、他の部材等との共存を好適なものとすることができる。特に、演出位置及び待機位置への移動方向が駆動制御モードによって規定された回動位置の移動方向と同一とすることにより、構成の簡略化を図ることが可能となる。これにより、表示部材の動作に関する構成の設置スペースを減縮でき、他の部材との共存の容易化に貢献できる。
特徴A15.前記駆動制御モードは、前記回動制御と前記位置移動制御とが並行して行われるように設定されていることを特徴とするA8乃至A14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A15によれば、回動制御及び位置移動制御を並行して行う構成としたことにより、それら各制御を段階的に行う構成と比較して表示部材を用いた演出の迅速化及び円滑化に貢献できる。なお、段階的に制御を行う場合と比較して、表示部材を用いた演出の流麗さを向上することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
因みに、本特徴を「前記駆動制御モードは、前記回動制御を実行している最中に、前記位置移動制御を実行するように設定されていることを特徴とするA8乃至A14のいずれか1つに記載の遊技機」と置き換えてもよい。
特徴A16.前記駆動制御モードにおける前記回動制御は、前記位置移動制御により前記回動位置が前記遊技機構成体から最も離れた位置に配置された状態にて、前記表示部材の前記特定部位が前記通過経路における前記遊技機構成体に最も近い位置に達するように設定されていることを特徴とするA8乃至A15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16によれば、回動位置の移動量が大きくなることを抑制しやすくでき、表示部材の動作の迅速化に貢献できる。故に、表示部材を用いた演出範囲を広げつつ、それ起因して表示部材の動作が緩慢になることを抑制できる。
特徴A17.前記回動位置は、前記表示部材の回動中心軸線であり、
前記表示部材における前記特定部位は、当該表示部材において前記回動中心軸線からの距離が最も大きくなる最外部位(例えば最外部位OMや第1境界B1)であることを特徴とするA1乃至A16のいずれか1つに記載の遊技機。
表示部材を回動させる構成においては、当該表示部材の回動中心軸線からの距離が最大となる部位の通過軌道が表示部材の動作領域の外縁を規定し得る。そこで、本特徴に示す構成を特徴A1〜A16に適用すれば、特徴A1〜A16に示した効果を一層好適なものとすることができる。
特徴A18.前記回動位置は、前記表示部材の回動中心軸線であり、
前記表示部材の回動中心軸線は、同表示部材内を通過して延びていることを特徴とするA1乃至A17のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1〜A17に示した構成に対して本特徴を適用することにより、上述した各効果を一層顕著なものとすることができる。
また、仮に回動中心軸線が表示部材の外部に設けられている場合には、表示部材を大型化しにくくなると想定される。これは、演出の迫力向上を妨げる要因となり得るため好ましくない。更に、表示部材を1回転させる場合には、特定部位の移動距離と比較して回動中心軸線の移動距離が大きくなりやすい。これは、演出の迅速化を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、表示部材内を通過するように回動中心軸線を設けることにより、これら各種不都合を払拭でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B1.回動可能に設けられた表示部材(遮蔽体252)を備え、
前記表示部材の外周部には、当該表示部材の回動方向に並設され、境界にてコーナー部分が生じるようにして連続する複数の周面(例えば外周面252a〜252c)が形成されており、
前記複数の周面のうち隣り合う1組の周面はそれぞれ、少なくとも所定の表示位置に配置された場合に遊技機前方から視認可能となる第1表示面(例えば第1外周面252a)及び第2表示面(例えば第2外周面252b)を構成し、
前記第1表示面及び前記第2表示面は、隣り合う周面との境界間の長さ寸法が相互に異なるように形成されており、
さらに、前記表示部材は、前記所定の表示位置に配置された場合の前記第2表示面が、前記第1表示面が前記所定の表示位置に配置された場合の前記第1表示面を含む仮想面(仮想平面P)に重なるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、表示部材が回動することにより、遊技機前方から視認可能となる表示面(第1表示面及び第2表示面)が切り替えられる。このように一の表示部材の表示面を切り替えることにより、異なる複数種の演出を行うことができる。また、それら各表示面の長さ寸法(詳しくは隣り合う周面との境界間の長さ寸法)が異なるため、その演出範囲に差違を生じさせることができ、演出の多様化に貢献できる。
また、各表示面は隣接して設けられているため、所定の表示位置に配置される第1表示面と第2表示面とを切り替える際に、表示部材の回転量を小さくすることができ、円滑な切り替えの実現に貢献することができる。
表示部材が複数の表示面を有する構成とすれば、多様な演出を実現できる反面、それぞれの演出の見やすさに差違が生じることが懸念される。特に、表示面に対する遊技者からの距離が変化すると、表示面を用いた演出に対して違和感が生じやすくなると想定される。この点、本特徴においては、第1表示面と第2表示面とは、所定の表示位置に配置された状態にて仮想面と重なる構成となっている。これにより、第1表示面及び第2表示面との表示位置を揃えることができ、第1表示面を用いた演出及び第2表示面を用いた演出の切り替えに伴って発生する違和感を好適に抑えることができる。
なお、上述した「仮想面」は、例えば平面や一定の曲率の曲面によって構成するとよい。
また、「コーナー部分」は、周面間における折れ曲がり部分(角部分)や、両側の周面のいずれとも曲率の連続していない部分(すなわち曲率の異なる部分)等を示す。
本特徴に示す「さらに、前記表示部材は、前記所定の表示位置に配置された場合の前記第2表示面が、前記第1表示面が前記所定の表示位置に配置された場合の前記第1表示面を含む仮想面(仮想平面P)に重なるように形成されていることを特徴とする遊技機」を「さらに、前記表示部材は、前記所定の表示位置に配置された場合の前記第2表示面の少なくとも一部が、前記所定の表示位置に配置された場合の前記第1表示面と一致する仮想面に重なるように形成されていることを特徴とする遊技機」と置き換えることも可能である。
また、「さらに、前記表示部材は、前記所定の表示位置に配置された場合の前記第2表示面が、前記第1表示面が前記所定の表示位置に配置された場合の前記第1表示面を含む仮想面(仮想平面P)に重なるように形成されていることを特徴とする遊技機」を「さらに、前記表示部材は、前記所定の表示位置に前記第2表示面が配置された場合の当該第2表示面と隣り合う2つの周面との境界が、前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面と隣り合う2つの周面との各境界を含む仮想平面上に位置するように形成されていることを特徴とする遊技機」と置き換えてもよい。因みに、本構成における「仮想平面」は、上述した「仮想面」が第1表示面を含んでなる構成であるのに対して、第1表示面における隣り合う2つの周面との各境界を含んでなる構成である点で相違している。
特徴B2.前記第1表示面が前記所定の表示位置に配置され前記仮想面に重なっている状態にて、前記表示部材の回動中心軸線を中心として回動することにより、前記第2表示面が前記所定の表示位置に配置されて前記仮想面に重なった状態となることを特徴とするB1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、表示部材を回動させることにより、第1表示面と第2表示面とが所定の表示位置、すなわち仮想面に重なる位置に配置される。詳しくは、回動中心軸線(表示部材)を仮想面に対して近づけたり遠ざけたりするといった別動作を必要とすることなく、表示面の切り替えを実現することができる。これにより、各表示面の切り替え操作に関する構成の煩雑化を抑えつつ、演出の多様化を実現することができる。
特徴B3.前記表示部材の回動中心軸線(中心軸線X2)は、前記周面によって囲まれた領域の範囲内に設定されており、
前記第1表示面における隣り合う周面との境界間の所定の領域と、前記第2表示面における隣り合う周面との境界間の所定の領域とが、これら第1表示面と第2表示面とがそれぞれ前記所定の表示位置に配置された場合に前記仮想面上における同一の領域に重なるように、前記第1表示面及び前記第2表示面が形成されていることを特徴とするB1又はB2に記載の遊技機。
仮に中心軸線が表示部材の外部に配されている場合、表示部材を回動させた際の最大回転半径が大きくなり、表示部材の動作スペースを大きく設定する必要が生じる。また、表示部材における中心軸線側の周面(例えば中心軸線側を向いた周面)を表示面として活用することは困難になると想定される。この点、本特徴に示すように、回動中心軸線を前記周面によって囲まれた領域の範囲内に設定すれば、上述したような不都合を好適に回避し得る。詳しくは、表示部材の動作スペースを小さくすることができるとともに、表示部材における周面の利用を促進することができる。これにより、表示部材の動作スペースをコンパクトなものとし実用上好ましい構成を実現することができる。
特徴B4.前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面及び前記第2表示面は、パネル部材(遊技領域形成板233)と対向するとともに、当該パネル部材を通じて遊技機前方から視認可能となるものであり、
前記第1表示面は、前記所定の表示位置に配置された状態において前記パネル部材に対して平行と認識される第1平行領域を有し、
前記第2表示面は、前記所定の表示位置に配置された状態において前記パネル部材に対して平行と認識される第2平行領域を有し、
前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面の前記第1平行領域及び前記パネル部材の距離寸法と、前記所定の表示位置に配置された前記第2表示面の前記第2平行領域及び前記パネル部材の距離寸法と、が同一であると認識されるように前記表示部材が形成されていることを特徴とするB1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、所定の表示位置に配置された表示面の平行領域とパネル部材との間隔が一定に保たれる。すなわち、パネル部材に対する各表示面の平行領域の位置ばらつきが抑えられる。これにより、パネル部材を介して視認される演出(各表示面を用いた演出)の切り替えに起因して違和感が発生することを好適に抑制できる。
なお、表示面の一部に凸状や凹状のデザイン(文字等を含む)が付与されている場合であっても、これらデザインのベースとなる部分、例えば一の表示面において隣り合う周面との境界部位同士を繋ぐ平面を有するのであれば、このベース部分によって「平行領域」を構成するとよい。また、「平行領域」は必ずしも面状をなす必要は無い。例えば表示面における隣り合う周面との境界部位によって「平行領域」を構成してもよい。
因みに「パネル部材」としては、例えば透明材料からなる遊技盤が挙げられる。遊技盤の前面側には遊技球が流下する遊技領域が形成されている。このようにパネル部材を遊技盤によって構成した場合には、本特徴に示した構成を「前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面及び前記第2表示面は、遊技盤と対向するとともに、当該遊技盤を通じて遊技機前方から視認可能となるものであり、前記第1表示面は、前記所定の表示位置に配置された状態において前記遊技盤の前面に対して平行と認識される第1平行領域を有し、前記第2表示面は、前記所定の表示位置に配置された状態において前記遊技盤の前面に対して平行と認識される第2平行領域を有し、前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面の前記第1平行領域及び前記遊技盤の前面の距離寸法と、前記所定の表示位置に配置された前記第2表示面の前記第2平行領域及び前記遊技盤の前面の距離寸法と、が同一であると認識されるように前記表示部材が形成されていることを特徴とするB1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機」に置き換えてもよい。
特徴B5.前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面及び前記第2表示面は、パネル部材(遊技領域形成板233)と対向するとともに、当該パネル部材を通じて遊技機前方から視認可能となるものであり、
前記第1表示面及び前記第2表示面のそれぞれが前記所定の表示位置に配置された状態にて前記パネル部材と平行と認識されるとともに、前記パネル部材からの距離寸法が同一であると認識されるように前記表示部材が形成されていることを特徴とするB1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、所定の表示位置に配置された表示面とパネル部材との間隔が一定に保たれる。すなわち、パネル部材に対する各表示面の位置のばらつきが抑えられる。これにより、パネル部材を介して視認される演出(各表示面を用いた演出)の切り替えに起因して違和感が発生することを好適に抑制できる。
特徴B6.前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面及び前記第2表示面は、画像を表示する表示画面(図柄表示装置247の表示画面248)の少なくとも一部を遮蔽するものであり、
前記第1表示面は、前記所定の表示位置に配置された状態において前記表示画面に対して平行と認識される第1平行領域を有し、
前記第2表示面は、前記所定の表示位置に配置された状態において前記表示画面に対して平行と認識される第2平行領域を有し、
前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面の前記第1平行領域及び前記表示画面の距離寸法と、前記所定の表示位置に配置された前記第2表示面の前記第2平行領域及び前記表示画面の距離寸法と、が同一であると認識されるように前記表示部材が形成されていることを特徴とするB1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、所定の表示位置に配置された表示面の平行領域と表示画面との間隔が一定に保たれる。すなわち、表示画面に対する各表示面の平行領域の位置のばらつきが抑えられる。これにより、各表示面による遮蔽状態の切り替えに起因して違和感が発生することを好適に抑制できる。
なお、表示面の一部に凸状や凹状のデザイン(文字等を含む)が付与されている場合であっても、これらデザインのベースとなる部分、例えば一の表示面において隣り合う周面との境界部位同士を繋ぐ平面を有するのであれば、このベース部分によって「平行領域」を構成するとよい。また、「平行領域」は必ずしも面状をなす必要は無い。例えば表示面における隣り合う周面との境界部位によって「平行領域」を構成してもよい。
特徴B7.前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面及び前記第2表示面は、画像を表示する表示画面(図柄表示装置247の表示画面248)の少なくとも一部を遮蔽するものであり、
前記第1表示面及び前記第2表示面のそれぞれが前記所定の表示位置に配置された状態にて前記表示画面と平行と認識されるとともに、前記表示画面からの距離寸法が同一であると認識されるように前記表示部材が形成されていることを特徴とするB1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、所定の表示位置に配置された表示面と表示画面との間隔が一定に保たれる。すなわち、表示画面に対する各表示面の位置のばらつきが抑えられる。これにより、各表示面による遮蔽状態の切り替えに起因して違和感が発生することを好適に抑制できる。
特徴B8.前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面及び前記第2表示面は、パネル部材(遊技領域形成板233)と対向するとともに、当該パネル部材を通じて遊技機前方から視認可能となるものであり、
前記第1表示面及び前記第2表示面が前記所定の表示位置に配置されている状態では、前記パネル部材の正面側から前記表示部材を見た場合に前記所定の表示位置に配置されていない側の表示面が視認不可となるように、前記第1表示面及び前記第2表示面の位置関係が設定されていることを特徴とするB1乃至B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、一方の表示面を用いて演出を行っている際には、演出に用いられている表示面についてはパネル部材を介しての視認が許容され、演出に用いられていない他方の表示面についてはパネル部材を介しての視認が不可とされる。これにより、各表示面が所定の表示位置に配置されている状態を明確に異なったものとすることができ、それら表示面を用いた演出の差違を認識しやすくすることができる。
また、特徴B7との組み合わせにおいては特に、表示画面の遮蔽範囲が所定の表示位置に配置された表示面に依存することとなり、他の表示面による遮蔽が回避される。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B9.前記表示部材は、前記パネル部材の後方に配置されており、
更に、前記表示部材は、前記第1表示面が前記所定の表示位置に配置されている状態における前記パネル部材の正面側から遊技機後方への当該第1表示面の投影範囲内に前記第2表示面が含まれるとともに、前記第2表示面が前記所定の表示位置に配置されている状態における前記パネル部材の正面側から遊技機後方への当該第2表示面の投影範囲内に前記第1表示面が含まれるように形成されていることを特徴とするB8に記載の遊技機。
個々の表示面による演出を差別化するには、本特徴に示すように一方の表示面の後方への投影範囲内に他方の表示面が含まれるように、表示部材を形成するとよい。これにより、演出に用いられている表示面の背後に他方の表示面が隠れることとなり、パネル部材を介して視認される表示面を一方に限定しやすくできる。
特徴B10.前記回動中心軸線は、上下に延びるように配置されていることを特徴とするB1乃至B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B10によれば、軸部が上下に延びるように配置されているため、表示部材は水平に回動する(左右方向に回動する)こととなる。これにより、表示部材を回動させる際に生じる負荷を低減することができる。より具体的に説明すれば、表示部材を縦(詳しくは上下)に回動させる構成とした場合、重力に抗して表示部材を動作させる必要があり、負荷が比較的大きくなりやすい。このため、所定の表示位置への配置精度を担保することが困難となったり、表示部材を駆動させるための構成が大型化したりするといった不都合が生じ得る。この点、表示部材が水平に回動する構成とすれば、上述した不都合の発生を抑えることができる。
特徴B11.前記回動中心軸線は、前記両表示面の境界から前記回動中心軸線までの距離寸法が、前記第1表示面における前記両表示面の境界に対して反対側の端部及び前記回動中心軸線の距離寸法と、前記第2表示面における前記境界に対して反対側の端部及び前記回動中心軸線の距離寸法との両距離寸法のうち大きいほうの距離寸法よりも、小さくなるように配置されているとともに、前記仮想面を挟んで二分された領域のうち片側の領域に配置されており、
前記仮想面を挟んで二分された各領域のうち前記回動中心軸線が配置された側と反対側の領域内で前記両表示面の境界が移動するように規定された方向へ前記表示部材が回動することにより、前記所定の表示位置に前記第1表示面が配置された状態から前記所定の表示位置に前記第2表示面が配置された状態への切り替えがなされるとともに、
前記規定された方向と反対に前記表示部材が回動することにより、前記所定の表示位置に前記第2表示面が配置された状態から、前記所定の表示位置に前記第1表示面が配置された状態への切り替えがなされることを特徴とするB1乃至B10のいずれか1つに記載の遊技機。
表示部材を用いた演出を行うには、表示部材の動作スペースの確保が必要となる。本特徴に示す構成を適用することで、表示部材が一の方向にのみ回動する場合と比較して、表示部材の動作スペースを小さくすることができる。
より具体的に説明すると、表示部材が一の方向にのみ回動する構成とし、この一の方向の回動により、第1表示面と第2表示面とが切り替えられる構成を採用した場合を想定すれば、それら各表示面の境界とは逆側の端部は、仮想面を挟んだ両側の領域にて移動することとなる。すなわち、仮想面を跨いで移動することとなる。かかる場合、表示面の動作スペースは、仮想面を挟んだ両側の領域において前記端部の移動経路に基づいて確保されることとなる。
この点、本特徴に示すように、相反する方向への回動に基づき、仮想面によって二分された各領域を前記端部が通過することを回避するように各表示面の切り替えを行えば、仮想面を挟んだ両側の領域うち片側の領域における表示部材の動作スペースを小さく抑えることができる。これにより、動作スペースが大きくなることを抑えつつ、多様な演出の実現に貢献することができる。
また、両表示面の境界から回動中心軸線までの距離寸法が、前記逆側の端部のうち距離寸法が大きい側の端部から回動中心軸線までの距離寸法よりも小さく設定されている。これにより、表示面による演出範囲を拡張しつつ、これに起因して仮想面によって二分された領域のうち両表示面の境界が移動する側での動作スペースの広がりを抑えることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
特に特徴B4等に示すように、パネル部材が存在している場合には、パネル部材に近い側の領域における前記端部の移動を回避することにより、パネル部材に近い位置、すなわち遊技者に近い位置での演出を実現することができる。これにより、演出の迫力向上を期待することができる。
特徴B12.前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面及び前記第2表示面は、パネル部材(遊技領域形成板233)と対向するとともに、当該パネル部材を通じて遊技機前方から視認可能となるものであり、
前記仮想面を挟んで二分された領域のうち片側の領域内に前記パネル部材が配置されているとともに、当該パネル部材が配置されている側と反対側の領域内に前記回動中心軸線が配置されていることを特徴とするB11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、仮想面を挟んで二分された領域のうちパネル部材に近い側の領域における前記端部の移動を回避することで、パネル部材に対してより近い位置へ表示部材を近づけることができる。これにより、表示部材を用いた演出を遊技者に対してより近い位置で行うことが可能となり、パネル部材を介して視認される表示部材を用いた演出の迫力向上に貢献することができる。
特徴B13.前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面及び前記第2表示面は、パネル部材(遊技領域形成板233)と対向するとともに、当該パネル部材を通じて遊技機前方から視認可能となるものであり、
前記表示部材は、前記第1表示面における前記両表示面の境界に対して反対側の端部及び前記回動中心軸線の距離寸法と、前記第2表示面における前記境界に対して反対側の端部及び前記回動中心軸線の距離寸法との両距離寸法のうち大きいほうの距離寸法よりも、前記回動中心軸線と前記パネル部材との距離寸法が小さくなるように形成されていることを特徴とするB11又はB12に記載の遊技機。
特徴B13によれば、パネル部材との干渉を回避しつつ、広範囲での演出を可能とすることができる。具体的には、第1表示面及び第2表示面の切り替えを行う場合に、両表示面との境界と逆側の端部のうち回動中心軸線からの距離寸法が大きい側の端部が、仮想面を超えてパネル部材に近づくことが回避される。これにより、パネル部材に対する動作隙の拡大を抑制しつつ各表示面の大型化を実現することができる。故に、遊技者と演出位置の離れを抑えつつ、広範囲での演出を可能とすることができる。
特徴B14.前記表示部材は、前記第1表示面における前記両表示面の境界に対して反対側の端部及び前記回動中心軸線の距離寸法と、前記第2表示面における前記境界に対して反対側の端部及び前記回動中心軸線の距離寸法との両距離寸法のうち小さいほうの距離寸法よりも、前記回動中心軸線と前記パネル部材との距離寸法が小さくなるように形成されていることを特徴とするB13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、特徴B13に示した効果を一層顕著なものとすることができる。すなわち、パネル部材に対する動作隙の拡大を抑制しつつ第1表示面及び第2表示面の大型化を実現することができる。故に、遊技者と演出位置の離れを抑えつつ、更に広範囲での演出を可能とすることができる。
なお、特徴B13又は特徴B14においては、表示部材が前記周面を4つ以上有する構成である場合、その効果を顕著なものとすることができる。
特徴B15.前記表示部材は、前記パネル部材と前記回動中心軸線との距離寸法が、前記第1表示面及び前記第2表示面の境界と前記回動中心軸線との距離寸法よりも大きく、前記第1表示面及び前記第2表示面における前記境界とは逆側の端部であって前記回動中心軸線からの距離寸法が大きい側の端部から前記回動中心軸線までの距離寸法よりも小さくなるように形成されていることを特徴とするB11乃至B14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B15によれば、パネル部材に対して表示面(仮想面)を近づけつつ、広範囲での演出を可能とすることができる。具体的には、回動中心軸線と境界との距離寸法を、回動中心軸線と仮想面との距離寸法よりも小さくすることで、パネル部材との間を境界が移動すること、すなわち表示部材の切替機能を担保しつつ、両表示面の長さ寸法を大きくすることができる。これにより、遊技者に対して演出が行われる位置を近づけ、更には演出の規模を拡大でき、演出の迫力向上に貢献できる。
特徴B16.前記表示部材の各周面のうち前記第1表示面に対して隣り合うとともに当該第1表示面を挟んで前記第2表示面の反対側に形成された周面は、所定の表示位置に配置されることで遊技機前方から視認可能となる第3表示面(例えば第3外周面252c)を構成し、
前記表示部材は、前記所定の表示位置に配置された場合の前記第3表示面が、前記第1表示面が前記所定の表示位置に配置された場合の前記第1表示面を含む仮想面(仮想平面P)に重なるように形成されており、
前記所定の表示位置に配置された前記第1表示面,前記第2表示面及び前記第3表示面は、パネル部材(遊技領域形成板233)と対向するとともに、当該パネル部材を通じて遊技機前方から視認可能となるものであり、
前記第1表示面は、当該第1表示面における前記長さ寸法が前記第2表示面における前記長さ寸法及び前記第3表示面における前記長さ寸法よりも小さくなるように形成され、
前記規定された方向と反対に前記表示部材が回動することにより、前記第1表示面が前記所定の表示位置に配置された状態から前記第3表示面が前記所定の表示位置に配置された状態への切り替えがなされるとともに、
前記規定された方向に前記表示部材が回動することにより、前記第3表示面が前記所定の表示位置に配置された状態から、前記第1表示面が前記所定の表示位置に配置された状態への切り替えがなされることを特徴とするB11乃至B15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B16によれば、第1表示面(第2表示面と第3表示面に挟まれた表示面)の長さ寸法が他の表示面の長さ寸法よりも小さく設定されている。このように第1表示面の長さ寸法を小さくすれば、回動中心軸線をパネル部材に対して近づけることが可能となる。詳しくは、第1表示面における第2表示面及び第3表示面側の両端部は、それら表示面の切り替えに際して仮想面によって二分された領域のうちパネル部材側の領域を通過することとなる。かかる場合、回動中心軸線からの前記両端部までの距離寸法が大きくなると、表示部材のパネル部材に対する動作スペースを大きくする必要が生じ、仮想面をパネル部材に近づけることが困難となりやすい。この点、本特徴においては、第1表示面の長さ寸法が最も小さくなる構成としたことにより、第1表示面における両端部の回転半径を小さくし、ひいてはパネル部材の動作スペースを小さくすることができる。これにより、仮想面をパネル部材に近づけることが可能となり、より迫力のある演出の実現に貢献することができる。
特徴B17.前記表示部材として、個別に動作する第1表示部材及び第2表示部材が設けられており、
前記第1表示部材と前記第2表示部材とが隣り合うことにより、前記第1表示部材において当該第1表示部材の所定の表示位置に配置された前記表示面と前記第2表示部材において当該第2表示部材の所定の表示位置に配置された前記表示面とにより連続面が形成され、
前記連続面は、前記第1表示部材の前記各表示面と前記第2表示部材の前記各表示面との組み合わせによって、同連続面を形成する各表示面の隣り合う方向における当該連続面の長さ寸法が変更されるものであり、
前記第1表示部材の前記各表示面及び前記第2表示部材の各表示面の組み合わせのうち一の組み合わせにより形成される連続面を含む仮想面に、他の組み合わせにより形成される連続面が重なるように、前記第1表示部材及び前記第2表示部材が形成されていることを特徴とするB1乃至B16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B17によれば、複数の表示部材によって連続する面が形成されることで、表示態様を多様化することができる。具体的には、各表示部材がそれぞれ異なる幅の表示面を有しているため、各表示面の組み合わせによって連続面の幅のバリエーションを増やすことができる。これにより、表示面を用いた演出の多様化を図ることができる。
また、複数の表示部材によって一の連続面、すなわち一の大きな表示面を形成する構成とすれば、単体の表示部材において表示面を拡大することにより演出範囲を拡張する場合と比較して、表示部材の動作スペースを小さくすることができる。これにより、省スペース化を図りつつ、演出範囲の拡張を実現することができる。
なお、「連続面」は、所定の表示位置に配置された第1表示部材の表示面と所定の表示位置に配置された第2表示部材の表示面とが隙間無く連続しているものを含む他、所定の表示位置に配置された連続面を遊技機前方より見た場合に、第1表示部材の各表示面と第2表示部材の各表示面との間に隙間が無いと認識されるように形成されているものを含む。例えば、前記所定の表示位置に配置された前記第1表示部材の前記表示面と、前記所定の表示位置に配置された前記第2表示部材の前記表示面とがそれら表示面の境界部位において段差なく連続するように構成するとよい。すなわち、第1表示部材の表示面の縁部と第2表示部材の表示面の縁部とが接する構成とすればよい。
因みに、第1表示部材における第1表示面と第2表示部材における第1表示面とは同一の形状を有していてもよいし、異なる形状を有していてもよい。同様に、第1表示部材における第2表示面と第2表示部材における第2表示面とは同一の形状を有していてもよいし、異なる形状を有していてもよい。
特徴B18.前記第1表示部材及び前記第2表示部材の回動中心軸線間の距離を変化させるべくそれら第1表示部材及び第2表示部材を移動させる可変機構(一対のレール部材270,290や遮蔽ユニット251の支持部253等)を有することを特徴とするB17に記載の遊技機。
特徴B1等に示すように各表示面が異なる長さ寸法(詳しくは回動方向における仮想面に沿った長さ寸法)を有する構成においては、表示部材の回動に伴って各表示面が所定の表示位置に配置された場合、各表示面の縁部の位置が異なることとなる。かかる場合、特徴B17に示した連続面を形成することは困難となり得る。そこで本特徴に示すように、各表示部材の相対距離を可変機構によって変化させる構成とすれば、上述したような不都合を好適に解消することができる。すなわち、表示面の間の隙間や重なり等を解消し上記連続面を好適に形成することが可能となる。特に、表示面の数の増加や表示部材の数の増加によって更なる演出の多様化を図る場合、回動中心軸線の位置を固定したまま各表示面の縁部を合わせることは困難である。この点、回動中心軸線間の距離を変化させる構成とすれば、上述したような演出の多様化を好適に促進することができる。
また、可変機構を備える構成とすることで、連続面を形成するだけでなく、連続面が形成されない状態、すなわち所定の表示位置に配置された第1表示部材の表示面と所定の表示位置に配置された第2表示部材の表示面とが分離した状態とすることもでき、表示面を用いた演出の多様化に貢献し得る。
特徴B19.前記所定の表示位置に配置された前記第1表示部材の前記各表示面と、前記所定の表示位置に配置された前記第2表示部材の前記各表示面とに対向するとともに、前記第1表示部材及び前記第2表示部材が視認可能となるように形成されたパネル部材(遊技領域形成板233)と、
前記第1表示部材及び前記第2表示部材を、前記パネル部材と平行な所定の方向に移動可能な状態で支持するレール部材(例えば下側レール部材270)と、
前記第1表示部材及び前記第2表示部材を前記所定の方向に個別に移動させる駆動部(第1ステッピングモータ265)と、
前記駆動部を制御する制御手段(表示制御装置320のMPU322)と
を備えていることを特徴とするB17に記載の遊技機。
特徴B19によれば、各表示部材をレール部材に沿ってスライド移動させることで、表示面とパネル部材との間隔寸法を保ったまま、回動中心軸線間の距離を変更することができる。これにより、表示面の切り替え操作に合わせて、連続面の態様を変化させた場合であっても、連続面の構成パターンによって表示画面と連続面との隙間が広がるといった不都合の発生を好適に回避することができる。
また、各表示部材をレール部材に沿ってスライド移動させることで、連続面の形態を維持しつつ、連続面の位置を変更することができるし、連続面だけでなく各表示面が分離した状態にすることもできる。これにより、演出の多様化を促進することができる。
特徴B20.前記両表示部材は、画像を表示する表示画面(図柄表示装置247の表示画面248)の前方に配置されているとともに、同表示画面の少なくとも一部を遮蔽し、
前記第1表示部材及び前記第2表示部材を、前記表示画面と平行な所定の方向に移動可能な状態で支持するレール部材(例えば下側レール部材270)と、
前記第1表示部材及び前記第2表示部材を前記所定の方向に個別に移動させる駆動部(第1ステッピングモータ265)と、
前記駆動部を制御する制御手段(表示制御装置320のMPU322)と
を備えていることを特徴とするB17に記載の遊技機。
特徴B20によれば、各表示部材をレール部材に沿ってスライド移動させることで、表示面と仮想面との重なりを担保したまま、回動中心軸線間の距離を変更することができる。これにより、表示面の切り替え操作に合わせて、連続面の態様を好適に変化させることができる。
両表示部材によって、表示画面の少なくとも一部が遮蔽される構成にあっては、所定の表示位置に配置された両表示部材の各表示面(詳しくは連続面)と表示画面との間隔寸法が一定に保たれる。このため、連続面の構成パターンによって表示画面と連続面との隙間が広がり遮蔽機能が低下するといった不都合の発生を好適に回避することができる。
また、各表示部材をレール部材に沿ってスライド移動させることで、連続面の形態を維持しつつ、連続面の位置を変更することができるし、連続面だけでなく各表示面が分離した状態にすることもできる。これにより、表示画面の遮蔽のバリエーションを増やすことができる。
特徴B21.前記第1表示部材を回動させる第1駆動部(例えば第2ステッピングモータ267)と、
前記第2表示部材を回動させる第2駆動部(例えば第2ステッピングモータ267)と、
前記連続面を形成する各表示面の組み合わせを変更させる変更手段(表示制御装置320のMPU322におけるステップS509の処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とするB17乃至B20のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B21によれば、各駆動部及び変更手段によって連続面の長さ寸法が変更される。連続面による演出が行われる範囲を変化させることによって当該演出の多様化に貢献することが可能となり、演出の単調化抑制に貢献することができる。
特徴B22.前記変更手段によって前記連続面における各表示面の組み合わせが変更され、当該連続面の前記長さ寸法が変更された場合に、その長さ寸法の変更に応じて前記表示画面における画像の表示領域(表示領域E3)を変更する表示領域可変手段(表示制御装置320のMPU322におけるステップS511の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とするB21に記載の遊技機。
特徴B22によれば、表示部材(表示面)が遮蔽機能を有しているため、連続面を表示画面の仕切りとして活用することができる。
連続面の長さ寸法が変更されることに伴って、表示画面における表示領域を変更することにより、表示部材と表示画面とを用いた演出を一体的なものとすることができる。
なお、「長さ寸法の変更に応じて前記表示画面における画像の表示領域を変更する」とは、連続面の長さ寸法が小さくなった場合、表示領域における長さ寸法(連続面を形成する各表示面の隣り合う方向における長さ寸法)が大きくなり、連続面の長さ寸法が大きくなった場合、表示領域における長さ寸法が小さくなることを示す。例えば、表示画面において連続面により遮蔽される範囲との重なりを回避するように前記表示領域の長さ寸法を変更するとよい。
特徴B23.前記各表示部材を前記レール部材に沿って移動させ、それら表示部材の位置を変更することにより、前記第1表示部材及び前記第2表示部材が離間されていて前記連続面が形成されていない離間状態と、前記第1表示部材及び前記第2表示部材によって連続面が形成されている連続状態との異なる二つの状態で前記表示画面の区画態様を切り替える表示画面区画切替手段(表示制御装置320のMPU322におけるステップS504の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とするB17乃至B22のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B23によれば、表示部材がレール部材に沿って移動することによりその位置を変えることで、表示画面が複数又は一の領域に区画される。このような表示画面の区画態様の切り替えに合わせて表示画面に画像を表示すれば、表示部材と表示画面とを用いた演出を好適なものとすることができる。
特徴B24.前記離間状態においては、前記両表示部材の間に当該表示画面における画像の表示領域(表示領域E3)を設定するとともに、前記連続状態においては、前記レール部材のレール方向における前記連続面を挟んだ両側のうち少なくとも一方の側に前記表示領域(表示領域E3)を設定する表示領域可変手段(表示制御装置320のMPU322におけるステップS506の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とするB23に記載の遊技機。
特徴B24によれば、表示画面が複数又は一の領域に区画され、これら区画された領域に対応して表示領域が設定される。これにより、表示態様の多様化を図ることができる。本特徴においては特に、表示部材が遮蔽機能を有しているため、表示画面の仕切りとして活用することができる。
複数の表示領域が設定された場合においては特に、それら表示領域の区別がしにくくなったり、表示領域間の境を認識しにくくなったりすると想定される。仮に、表示画面に区画線等を表す構成とした場合であっても、表示用域に表示された画像等と区画線との発光具合が同程度となることで、上述したような境の認識がしにくくなると想定される。この点、上述の如く表示部材を仕切りとして活用すれば、表示態様の多様化を実現しつつ、表示領域の視認性を担保しやすくすることができる。
特徴B25.前記第1表示面及び前記第2表示面は、前記回動中心軸線(中心軸線X2)と平行な平面状をなし、
前記回動中心軸線は、当該回動中心軸線及び前記第1表示面間の間隔(例えば最短距離寸法L1)と、当該回動中心軸線及び前記第2表示面間の間隔(例えば最短距離寸法L2)とが同一となるように配置されていることを特徴とするB1乃至B24のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B25によれば、回動中心軸線と各表示面との間隔が同等であるため、表示部材を回転させた後に、回動中心軸線(すなわち表示部材)を遊技盤に近づけたり遠ざけたりすること無く、すなわち前後方向に移動させること無く、前記所定の表示位置における両表示面の重なりを実現することができる。これにより実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B26.前記第1表示面及び前記第2表示面は、前記所定の表示位置に配置された状態にて遊技機正面側を向くように形成されており、
前記第1表示面と前記第2表示面との内角(例えば内角A1)が直角又は鋭角であることを特徴とするB25に記載の遊技機。
特徴B26によれば、第1表示面と第2表示面との内角が直角又は鋭角となっている。このため、一方の表示面が所定の表示位置に配置され、遊技盤と対向している状態においては、遊技機前方からの他方の表示面の視認が困難なものとなる。これにより、特徴B2に示す効果と同様の効果を奏することとなる。すなわち、各表示面が所定の表示位置に存在している状態を明確に異なったものとすることができ、各表示面を用いた演出の差違を認識しやすくすることができる。
また、特徴B17等(第1表示部材及び第2表示部材により連続面が形成される構成)との組み合わせにおいては、第1表示面と第2表示面との内角を直角又は鋭角とすることで、各表示部材の回転動作を許容しつつ、各表示面の縁部同士が当接した状態を実現しやすくできる。これにより実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B27.前記表示部材は、当該表示部材の回動中心軸線と同一の方向に延びる多角柱状をなしていることを特徴とするB1乃至B26のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B27によれば、表示部材が多角柱状をなしている。この外周面を表示面として利用することで、簡易な構成によって複数の表示面を形成することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特に特徴B15(複数の表示部材を有する構成)等との組み合わせにおいては、外周面を構成する各構成面同士(詳しくは隣接する構成面同士)の内角を全て90°以下とすることで、連続面を形成しやすくすることができる。
なお例えば、表示部材を、軸線方向が前記表示部材の回動中心軸線の方向と同一の方向となるように形成された三角柱状、又は軸線方向が前記表示部材の回動中心軸線の方向と同一方向となるように形成された四角柱状とするとよい。これにより、回動中心軸線と平行な各外周面を表示面として利用でき、表示部材における構成の煩雑化を抑えつつ、複数の表示面を有する構成を好適に実現できる。
特徴B28.前記表示部材の後方に設けられ、画像を表示するとともに、前記表示部材によって少なくとも一部が遮蔽される表示画面(図柄表示装置247の表示画面248)と、
前記所定の表示位置に前記第1表示面が配置される場合に、前記表示部材によって遮蔽される遮蔽領域との重なりを回避するように表示画面に表示される画像の表示領域(表示領域E3)を変更し、前記所定の表示位置に前記第2表示面が配置される場合に、前記表示部材によって遮蔽される遮蔽領域との重なりを回避するように表示画面に表示される画像の表示領域(表示領域E3)を変更する表示領域可変手段(表示制御装置320のMPU322におけるステップS511の処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とするB1乃至B27のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B28によれば、表示部材(詳しくは表示面)によって、同表示部材の後方に設けられた表示画面が遮蔽される。すなわち、表示部材は、自身の表示面を用いた演出機能に加え、表示画面を遮蔽する遮蔽機能を併せ有している。
各表示面の切り替え操作によって、表示画面における遮蔽される領域が変化することで、更なる演出の多様化に貢献することができる。
具体的には、所定の表示位置に第1表示面及び第2表示面の少なくともいずれかが配置されることに基づき、表示画面に表示される画像の表示領域が変更される。これにより、表示部材と表示画面との両者を合わせた演出を行うことが可能となり、演出の多様化を一層好適に促進することができる。
上述したように表示部材の各表示面においてはそれらの長さ寸法が異なっている。これら各表示面によって表示画面の一部が遮蔽される構成とすれば、表示画面における視認可能な範囲が変化することとなる。これに基づき表示領域が変化することで、表示部材と表示画面とを用いた演出の一体感を一層向上することができる。
例えば、表示面によって表示画面における視認可能な範囲を狭めることで、遊技者に対して注目すべき部位を示唆しやすくすることができる。特に表示画面の大型化により、演出規模を広げている場合には、注目すべき部位を限定することにより、遊技者の注意を所定の領域に向けやすくし、演出効果の向上に貢献することができる。
特徴B29.前記表示部材の後方に設けられ、画像を表示する表示画面(図柄表示装置247の表示画面248)と、
前記表示部材を回動させる駆動手段(第2ステッピングモータ267等)と、
遊技状況に応じて前記第1表示面又は前記第2表示面を前記所定の表示位置に配置するように前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(表示制御装置320のMPU322におけるステップS509の処理を実行する機能)と、
前記駆動制御手段による表示面の切替に基づいて、前記表示画面における前記表示領域を変更する表示領域可変手段(表示制御装置320のMPU322におけるステップS511の処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とするB1乃至B28のいずれか1つに記載の遊技機。
表示部材における各表示面の長さ寸法(回動方向における仮想面に沿った長さ寸法)が異なっており、所定の表示位置に配置された際の表示画面との重なり具合が異なることとなる。遊技状態に応じて各表示面が所定の表示位置に配置された際に、表示画面における画像の表示領域をそれら表示面の配置に合わせて変化させることにより、前後に並設された表示部材と表示画面とによる一体的な演出を実現できる。
特徴B30.遊技領域(遊技領域234)を形成するとともに、透明性を有する遊技盤(遊技領域形成板233)を備え、
前記表示部材は、前記遊技盤の背面側に配置されているとともに、同遊技盤に対して装着されていることを特徴とするB1乃至B29のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技盤はメンテナンス等の目的で露出される機会が多いと想定される。仮に遊技盤の前面側すなわち遊技領域側に表示部材を配置した場合、メンテナンス等の度に表示部材が露出しやすくなり得る。仮に作業者が表示部材に当る等することに起因して表示部材に位置ずれが生じると、演出が不完全な状態で行われることとなり好ましくない。そこで、本特徴においては、表示部材を遊技盤の背面側に配置することで、上述したメンテナンス等の際に表示部材が露出される機会を減らしている。これにより、表示部材の視認性を担保しつつ、表示部材に位置ずれ等の不都合が生じることを好適に回避している。
また、一般的に遊技盤は遊技機固有となる構成であり、機種変更等の際には交換の対象となりやすい。同様に、演出に係わる構成である表示部材についても遊技機固有の構成となりやすいと想定される。これら遊技機固有となり得る構成をまとめることで、機種変更時の部品交換作業の容易化に貢献できる。これにより、リユースの促進に貢献できる。
特徴C1.所定の間隔を隔てて対峙する第1レール部材(下側レール部材460)及び第2レール部材(上側レール部材480)を有する支持レールと、
前記第1レール部材及び前記第2レール部材の間に設けられ、それら第1レール部材及び第2レール部材によって定められた所定の方向に移動可能な状態で支持されている表示部材(遮蔽体411)と、
前記表示部材を前記所定の方向に移動させる駆動機構(駆動機構500)と
を備え、
前記第1レール部材は、前記所定の方向に延びるとともに、前記表示部材の一端部を支持するように形成されており、
前記第2レール部材は、前記第1レール部材と並行となるように延びるとともに、前記表示部材の他端部を支持するように形成されており、
前記駆動機構は、
駆動力を発生する駆動部(スライド用ステッピングモータ560)と、
前記駆動部及び前記表示部材の前記一端部を繋ぐとともに、前記駆動部に発生した駆動力を同表示部材の一端部に伝える第1駆動力伝達部(下側ベルト部材511)と、
前記駆動部及び前記表示部材の前記他端部を繋ぐとともに、前記駆動部に発生した駆動力を同表示部材の他端部に伝える第2駆動力伝達部(上側ベルト部材521)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、表示部材を支持レールに沿って移動させることにより演出を行うことができる。表示部材の両端部にはレール部材が配されており、これらレール部材によってそれら両端部が支持されている。1の駆動部に発生した駆動力は第1駆動力伝達部及び第2駆動力伝達部を介して表示部材の両端部、すなわち上述の如く各レール部材によって支持されている部分に伝えられることとなる。このように表示部材の両端部に駆動力が伝わることにより、表示部材が両レール部材に沿って所定の方向に移動する。
例えば表示部材の一端部にのみ動力を伝え、他端部がその一端部の移動に対して従属的に移動する構成を想定した場合、他端部の動作が一端部の動作に対して遅れやすくなると考えられる。このような他端部における動作の遅れは、表示部材に揺れや傾き等が生じる要因となり得る。このような揺れ等の発生を回避しようとすれば、表示部材を機敏に動かすことが難しくなると懸念される。更には、他端部における動作の遅れ(両端部における動作の不一致)は、表示部材が大きくなるに従って顕著なものとなり得る。表示部材を演出に用いることを想定すれば、表示部材の大型化によって迫力のある演出を実現したとしても、演出の流麗さ等が損なわれることは好ましくないと考えられる。この点、本特徴に示すように1の駆動部に発生する駆動力を表示部材の両端部に伝える構成とすれば、表示部材の両端部の動きがばらつくことを抑制でき、上述した不都合の発生を好適に抑制することができる。すなわち、1の動力部を用いることにより、構成の簡略化を図りつつ、両端部の動きを同期させることが可能となる。これにより、上述した揺れ等の発生を好適に回避でき、表示部材の機敏で細やかな動きの実現に貢献することができる。また、表示部材の両端部に駆動力を伝える構成とすることにより、両レール部材の間隔に基づく動作ばらつきを抑えることが可能となり、表示部材の大型化を促進することが可能となる。故に、表示部材を用いた演出を好適なものとすることができる。
特徴C2.前記表示部材は複数設けられていることを特徴とするC1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、表示部材を複数設けることにより、表示演出の多様化を図ることができる。しかしながら、表示部材を複数有する構成を採用した場合には、レール部材の大型化を回避しつつ、各表示部材において上述した支持長さを確保することが困難となり得る。つまり、表示部材以外の演出に関する構成をコンパクトなものとしつつ、演出の多様化及び円滑化を図ることは困難であると想定される。この点、特徴C1に示す構成を適用することにより、支持長さを短くすることができ、表示部材以外の演出に関する構成をコンパクトなものとすることができる。これにより、複数の表示部材を有する構成とすることにより演出の多様化を図りつつ、それに起因して演出の円滑さが損なわれたり、表示部材以外の演出に関わる構成の設置スペースが嵩んだりすることを好適に抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
また、上述の如く表示部材の一端部にのみ動力を伝える構成とし、他端部がその一端部の移動に対して従属的に移動する構成を想定した場合、一端部を基端として表示部材が傾きやすくなると想定される。これを抑制するには、第1レール部材における所定の方向での支持長さ(支持スパン)を長くする等の対策が必要となり得る。しかしながら、このように支持長さが長くなることは、表示部材の移動範囲を狭める要因となるため好ましくない。更には、支持スパンを長くすることによって表示部材の傾きを抑制したとしても、他端部に発生するモーメントを払拭することは困難であると考えられ、そのようなモーメントは表示部材の動作を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴においては、表示部材の両端部に駆動力を伝える構成とすることにより、支持長さを短くすることができ、表示部材の移動範囲の拡張に貢献できる。また、上述したモーメントの発生を抑えることにより、表示部材の円滑な移動を実現できる。
特徴C3.パネル部(遊技領域形成板233)と、
前記パネル部の後方に所定の間隔を隔てて配置され、当該パネル部を通じて遊技機前方から視認可能となる表示部(図柄表示装置247の表示画面248)と
を備え、
前記表示部材,前記第1レール部材,前記第2レール部材及び前記駆動機構は、前記パネル部及び前記表示部によって挟まれた領域に配されており、
前記各表示部材は、前記パネル部を通じて遊技機前方から視認可能となるものであり、
前記第1レール部材及び前記第2レール部材は、前記パネル部に沿って配置されていることを特徴とするC1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、パネル部を介して表示部が視認可能となっており、この表示部を用いた演出が可能となっている。これら表示部とパネル部との間に、表示部材等を配することで、表示部及び表示部材を組み合わせた多様な演出を実現することができる。また、表示部材の前方にパネル部を設けることによって、表示部材へのアクセスを回避することが可能となっている。これにより、遊技者等によって可動物たる表示部材が触られることを抑制している。
このようにパネル部を有する構成を採用する場合には、表示部をパネル部に対して近づけて配置することにより表示部の見やすくすることが好ましい。つまり、表示部とパネル部との間に形成される隙間はできる限り小さくすることが好ましい。この点、本特徴においては、レール部材をパネル部に沿って配置しており、表示部材の動作領域がパネル部及び表示部の並設方向に大きくなることを抑制している。つまり、パネル部と表示部との隙間は、表示部材や駆動機構等の表示演出に関する構成の厚みに依存しやすくなっている。そこで、特徴C1等に示した構成を適用することにより、演出に関する構成の薄型化に貢献でき、表示部材や駆動機構等の演出に関する構成の設置スペース(厚み)を縮小している。故に、表示部材のパネル部からの離れを抑えることで表示部の見やすくしつつ、演出の多様化を促進することが可能となっている。
なお「パネル部」としては、例えば透明材料からなる遊技盤が挙げられる。遊技盤の前面側には遊技球が流下する遊技領域が形成されている。このようにパネル部を遊技盤によって構成した場合には、本特徴に示した構成を「遊技盤と、前記遊技盤の後方に所定の間隔を隔てて配置され、当該遊技盤を通じて遊技機前方から視認可能となる表示部とを備え、前記表示部材と前記第1レール部材と前記第2レール部材と前記駆動機構とは、前記パネル部及び前記表示部によって挟まれた領域に配されており、前記表示部材は前記遊技盤を通じて遊技機前方から視認可能となるものであり、前記第1レール部材及び前記第2レール部材は前記パネル部に沿って配置されていることを特徴とするC1又はC2に記載の遊技機。」に置き換えてもよい。
特徴C4.前記表示部材は、前記第1レール部材及び前記第2レール部材の並設方向に延びる軸線を中心として回動可能に支持されており、
前記表示部材の外周部には、当該表示部材の回動方向に並設され、境界にてコーナー部分が生じるようにして連続する複数の周面(例えば外周面252a〜252c)が形成されており、
前記複数の周面のうち隣り合う1組の周面はそれぞれ、少なくとも前記所定の表示位置に配置された場合に遊技機前方から視認可能となる第1表示面(例えば第1外周面252a)及び第2表示面(例えば第2外周面252b)を構成し、
前記第1表示面及び前記第2表示面は、隣り合う周面との境界間の長さ寸法が相互に異なるように形成されており、
前記表示部材として、個別に動作する第1表示部材及び第2表示部材が設けられており、
前記第1表示部材と前記第2表示部材とが隣り合うことにより、前記第1表示部材において当該第1表示部材の所定の表示位置に配置された前記表示面と前記第2表示部材において当該第2表示部材の所定の表示位置に配置された前記表示面とにより連続面が形成され、
前記連続面は、前記第1表示部材の前記各表示面と前記第2表示部材の前記各表示面との組み合わせによって、同連続面を形成する各表示面の隣り合う方向における当該連続面の長さ寸法が変更されるものであることを特徴とするC1乃至C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、連続面を形成するには、第1表示面及び第2表示面の前記長さ寸法の小さい方に合わせて支持長さが決定されやすくなる。言い換えれば、表示面の長さ寸法が制限を受けやすくなり上述した長さ寸法の差違を大きくすることが難しくなる。これは、各連続面を用いた演出の差別化を困難なものとする要因となり得るため好ましくない。確かに、各表示部材においてレール部材により支持されている部分をパネル部と表示部との並設方向にオフセットすることも可能であり、表示部材の支持長さと表示面の長さ寸法との相関を弱め、支持長さを大きくしつつ表示面を小さくすることも可能である。しかしながら、このような対応は、上述の如くパネル部及び表示部の離れを大きくする要因となり得るため好ましくない。
以上詳述したように、限られたスペースの中で多様な演出を実現するには、表示部材の支持長さによる表示部材の移動の安定化ではなく、すなわちそのような支持長さに依存する安定化手法ではなく、支持長さに依存しない安定化手法を採用することが好ましいと考えられる。この点、特徴C1等に示した構成を適用することにより、支持長さに対する依存を抑えることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。すなわち、連続面を形成する各表示面の長さ寸法に対する制限を弱め、各表示面を用いた演出の差違を明確なものとしつつ、それに起因してパネル部と表示部との隙間が広がることを抑制できる。
特徴C5.前記駆動部は、前記第1レール部材及び前記第2レール部材の離間方向における中間位置又は中間位置付近に配置されていることを特徴とするC1乃至C4のいずれか1つに記載の遊技機。
駆動部に発生する駆動力を第1駆動力伝達部及び第2駆動力伝達部によって表示部材の両端部に伝える構成においては、一端部での移動と他端部での移動とを同期しやすくできる反面、動力をダイレクトに伝える構成ではないことに起因して動力の伝達タイミングに遅れ(タイムラグ)が発生することが懸念される。具体的には、伝達経路の長さ(距離)によって動力の伝達タイミングに差が生じるおそれがある。この点、駆動部を両レール部材の離間方向における中間位置又は中間位置付近に配置することにより、第1駆動力伝達部における伝経経路の長さと、第2駆動力伝達部における伝達経路の長さとの差違を小さくすることができる。これにより、一端部及び他端部のうち一方での動作の遅れを好適に抑制することができる。例えば、第1駆動力伝達部の伝達経路の長さ及び第2駆動力伝達部の伝達経路の長さが同等となるように構成するとよい。
特徴C6.前記表示部材として個別に動作する第1表示部材及び第2表示部材が設けられているとともに、前記駆動部として前記第1表示部材に対応する第1駆動部及び前記第2表示部材に対応する第2駆動部が設けられており、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部は、前記第1レール部材及び前記第2レール部材と同一面上に前記所定の方向にずらして配置されていることを特徴とするC1乃至C5のいずれか1つに記載の遊技機。
複数の表示部材を有する構成とすることにより演出の多様化を促進できる反面、そのように表示部材を複数設けることに起因して演出に関する構成の厚みが増加しやすくなることが懸念される。そこで、本特徴に示すように各駆動部と両レール部材とを同一面上に配置するとよい。これにより、上述した厚みの増加を抑制することが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
各駆動部を同一面上に配置した場合、各駆動部に連なる駆動力伝達部の伝達経路が交差しやすくなると想定される。これを回避すべく駆動力伝達部を例えば前記同一面からオフセットして配置することは、演出に関する構成の厚みが増加する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、第1駆動部及び前記第2駆動部を所定の方向にずらして配置することにより、駆動力伝達部同士の干渉を同一面上にて回避しやすくでき、上述したような不都合を好適に解消することができる。
特徴C7.前記駆動部は、前記支持レールが配置されている領域の外側に配されているとともに、前記所定の方向に同支持レールと並べて配置されており、
前記表示部材として個別に動作する第1表示部材及び第2表示部材が設けられているとともに、前記駆動部として前記第1表示部材に対応する第1駆動部及び前記第2表示部材に対応する第2駆動部が設けられており、
それら各駆動部及び各表示部材は、前記所定の方向に沿って、前記第1駆動部、前記第2駆動部、前記第1表示部材、前記第2表示部材の順に並べられていることを特徴とするC1乃至C6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7によれば、複数の駆動部を集約して配置することにより、駆動力伝達部の伝達経路に関する構成を簡素化しやすくなっている。これにより駆動力の伝達効率を向上することが可能となり、更には演出に関する構成の煩雑化を好適に抑制することが可能となる。
また、第1駆動部及び第1表示部材を繋ぐ駆動力伝達部の伝達経路の長さと、第2駆動部及び第2表示部材を繋ぐ駆動力伝達部の伝達経路の長さとのうち一方が他方に対して極端に長くなることを回避しやすくできる。これにより、各表示部材をそれぞれ動作させる構成とした場合に、1の表示部材の動作が他の表示部材の動作に対して遅れるといった不都合を生じにくくすることができる。例えば、各表示部材に対応する駆動力伝達部の伝達経路の長さが同等となるように、各駆動部及び各表示部材を配置するとよい。
特徴C8.前記駆動部は、周方向に複数の歯部が形成された歯車(歯車562)を備え、
前記第1駆動力伝達部及び前記第2駆動力伝達部は、帯状をなす本体部(ベース部512,522)と、前記本体部の長手方向に配列され、前記歯部に係合する係合部(歯部513,523)とを有してなり、
更に、それら第1駆動力伝達部及び第2駆動力伝達部は、前記第1駆動力伝達部の係合部と前記第2駆動力伝達部の係合部とが前記歯車を挟んで対峙するように配置されていることを特徴とするC1乃至C7のいずれか1つに記載の遊技機。
表示部材を用いて表示演出を行う構成においては、表示部材の移動パターンを細かく設定したり、表示部材の移動速度を変化させたりすることにより、演出の多様化を図ることができる。しかしながらその反面、動きを細やかなものとしたり移動速度を高くしたりすることにより駆動部と駆動力伝達部との間に発生する負荷がおおきくなり、同駆動力伝達部の位置ずれ(滑り等)が生じやすくなると懸念される。仮にこのような位置ずれが生じると、演出が正常に行われなくなり、ひいては遊技意欲の減退を招くと想定される。この点、上述の如く歯部と係合部とを有する構成とすれば、上述した位置ずれを好適に抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
また、両駆動力伝達部が歯車を挟んで対峙するように配置されている。これにより、構成の簡素化を図りつつ、表示部材における一端部の移動と他端部の移動とを同期しやすくできる。更には、両駆動力伝達部に伝わる駆動力に差が生じるといった不都合を好適に抑制できる。
特徴C9.前記第1駆動力伝達部及び前記第2駆動力伝達部は、それら両駆動力伝達部が前記駆動部によって移動されることによって前記表示部材を前記所定の方向に移動させるものであり、
前記第1駆動力伝達部の移動経路を規定する第1規定部(ベルト収容溝472、ケーシング571,572及びケーシング収容部582,583)と、
前記第2駆動力伝達部の移動経路を規定する第2規定部(ベルト収容溝492、ケーシング573,574及びケーシング収容部584,585)と
を備え、
前記駆動機構は、前記駆動部が搭載されているとともに前記両レール部材に跨って設けられたベース部(ハウジング580)を有し、
前記第1規定部及び前記第2規定部は、前記レール部材に設けられたレール側規定部(ベルト収容溝472,492)と、前記ベース部に設けられたベース側規定部(ケーシング571〜574及びケーシング収容部582〜585)とをそれぞれ有し、
少なくとも前記ベース側規定部は、前記ベルトが嵌まる溝状又は孔状をなすことを特徴とするC1乃至C8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C9では、駆動力伝達経路を規定する規定部を設けることによって、駆動力伝達部に意図せぬ変位(移動や変形)が生じることを抑制することができる。これにより、駆動力の伝達経路が変化することを回避することができる。
また、例えばベース部によって両レール部材を繋ぐことにより、両レール部材の相対位置のずれを生じにくくすることができる。特に、ベース部にベース側規定部を設け、同ベース側規定部を溝状又は孔状をなす構成とすることにより、ベース部自身の剛性の向上を図ることが可能であるため、ベース部による補強機能を好適なものとすることができる。
特徴C10.前記表示部材として個別に動作する第1表示部材及び第2表示部材が前記所定の方向に並べて設けられているとともに、前記駆動部として前記第1表示部材に対応する第1駆動部及び前記第2表示部材に対応する第2駆動部が設けられており、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部は、前記支持レールが配置されている領域の外側であって前記所定の方向に前記支持レールと並ぶ領域において前記所定の方向に並べて配置されており、
それら両駆動部のうち前記支持レールの配置領域に近い側の一方に繋がる前記第1駆動力伝達部及び前記第2駆動力伝達部は、前記両駆動部のうち他方に繋がる前記第1駆動力伝達部及び前記第2駆動力伝達部よりも前記支持レールの配置領域側に配置されていることを特徴とするC1乃至C9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C10によれば、演出に関する構成の薄型化を図りつつ、駆動力伝達部の伝達経路が入り組むことを回避することができる。例えば、各駆動部を所定方向及び離間方向の両方向に直交する方向にずらして配置すれば、駆動力伝達部の伝達経路が交差することを回避し、伝達経路を簡素化することができる。これは駆動力の伝達効率の向上を図るという点から見れば好ましいと想定される反面、それら駆動部が前記直交する方向にずれていることに起因して演出に関する構成の薄型化が妨げられることが懸念される。一方、各駆動部を所定の方向に並設すれば、演出に関する構成の薄型化に貢献できる反面、各駆動部に連なる駆動力伝達部の伝達経路が交差しやすくなると想定される。これは、駆動力の伝達効率、ひいては駆動タイミングのずれを大きくする要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴に示すように、内側の駆動部に繋がる駆動力伝達部と、外側の駆動部に繋がる駆動力伝達部とを、前者が内側且つ後者が外側となるように配置することにより、演出に関する構成の薄型化と伝達経路の簡素化とを好適に両立することが可能となる。例えば各駆動部及び各駆動力伝達部を同一平面上に配置するとよい。
特徴C11.前記第1駆動力伝達部及び前記第2駆動力伝達部は、それら両駆動力伝達部が前記駆動部によって移動されることによって前記表示部材を前記所定の方向に移動させるものであり、
前記第1レール部材は、前記各表示部材が移動する第1通路部(溝部464)と、前記各表示部材に繋ながれている各第1駆動力伝達部に個々に対応しそれら各第1駆動力伝達部の移動経路を規定する複数の第1規定部(ベルト収容溝472)とを備え、
前記第2レール部材は、前記各表示部材が移動する第2通路部(溝部484)と、前記各表示部材に繋ながれている各第2駆動力伝達部に個々に対応しそれら各第2駆動力伝達部の移動経路を規定する複数の第2規定部(ベルト収容溝492)とを備え、
前記各第1規定部は、前記第1レール部材及び前記第2レール部材の離間方向に並べて配置されているとともに、前記各第2規定部は、同離間方向に並べて配置されており、
更に、前記第1通路部及び前記各第1規定部は前記第1レール部材の幅方向に並べて設けられているとともに、前記第2通路部及び前記各第2規定部は前記第2レール部材の幅方向に並べて設けられていることを特徴とするC10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、上記特徴C10に示した構成を好適に実現できる。複数の表示部材が所定の方向に並設されている構成においては、それら各表示部材が同一の通路部を通過する構成とすることにより、演出に関する構成の薄型化を図りつつ、演出の多様化に貢献できる。また、各駆動力伝達部に対応する規定部を設けることにより、駆動力伝達部に意図せぬ変位(移動や変形)が生じることを抑制することができる。これにより、駆動力の伝達経路が変化することを回避することができる。
複数の表示部材が同一の通路部を通過する構成においては、上述したような薄型化に貢献できる反面、表示部材の動作領域と駆動力伝達部の移動経路とが離れやすくなる。これは駆動力が表示部材に伝わる際に同表示部材に対してモーメントが生じる要因となり、このモーメントが大きくなることによって表示部材の円滑な移動が妨げられやすくなると懸念される。この点、本特徴に示すように通路部及び規定部をレール部材の幅方向に並べて設けることにより、特徴C10に示した構成を実現しつつ、複数の表示部材を有する構成においても表示部材の動作領域と駆動力伝達部の移動経路との離れを抑えることができる。これにより、上述したようなモーメントが大きくなることを抑制でき、表示部材の円滑な移動の実現に貢献できる。
また、各第1規定部を両レール部材の離間方向に並べて配置するとともに各第2規定部を同離間方向に並べて配置することにより、各駆動力伝達部を内外にずらして配置することで演出に関する構成の薄型化を実現することができる。また、表示部材は両レール部材に跨って設けられているため、上述した離間方向に規定部を並設することで、表示部材(詳しくは表示部材の動作領域)と駆動力伝達部(詳しくは駆動力伝達部の移動経路)との距離を同等にしやすくできる。これにより、各表示部材のうち1の表示部材に対して大きなモーメントが生じることを好適に抑制できる。
例えば、レール部材が、前記表示部材を挟んで対向する1組みの対向部と、それら対向部を繋ぐ連結部とを有する構成とし、それら両対向部の一方に各規定部を並べて形成するとよい。
なお、「第1レール部材の幅方向」及び「第2レール部材の幅方向」は、例えば第1レール部材及び第2レール部材の離間方向と前記所定の方向との両方向に直交する方向を示している。
因みに、特徴B1乃至特徴B30のいずれか1つを、上記特徴A1乃至特徴A20に適用してもよい。また、特徴C1乃至特徴C11のいずれか1つを、上記特徴A1乃至特徴A20及び上記特徴B1乃至特徴B30に適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(ハンドル装置59)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構50)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内レール101及び外レール102に挟まれた領域)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘116等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(作動口113等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。