以下、上記図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の説明における「役決定処理」とは予め設定された複数の役決定結果番号(1つまたは複数の遊技役またはハズレ(ハズレを設定しない場合は除く)により構成される)の中から、1つまたは複数の役決定結果番号を無作為に選択するために、電子機器等を用いて実行される抽選等の選択行為(以下「役決定」とも称する)を意味している。ここで、役決定結果番号とは、当該役決定結果番号が決定(選出)された遊技において成立することが許容される1つもしくは複数の遊技役(以下「成立許容役」、「当選役」等と称する)またはハズレを規定するものである。
また、「遊技役が成立する」及び「遊技役の成立」等と記載する場合の「成立」とは、決定された役決定結果番号に対応する遊技役(遊技メダルの払出しがある遊技役(小役)か、払出しのない遊技役(再遊技役や特別役)かは問わない)を構成する図柄組合せ(対応図柄)が、所定の停止態様(例えば、後述の有効ライン上に並ぶ態様)で表示されたことを示す概念として用いている。ただし、成立のタイミングについては、例えば、遊技役の対応図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能なタイミングでリール停止操作が行われた時点や、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示された時点、スロットマシンが、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示されたことを識別した時点や、識別した結果を記憶領域に格納した時点等、適宜のタイミングとすることができる。
また、以下の説明において、遊技者による、後述のメダル投入口21への遊技メダルの投入操作(手入れする操作)と、クレジット(貯留)された遊技メダルのうち、遊技を行うために必要な規定数の遊技メダルを遊技の用に供するための、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作を総称してベット操作と称する。また、このベット操作と、遊技者による、後述の清算スイッチ24の押圧操作、スタートレバー(「スタートスイッチ」ともいう)25の傾動操作、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作を総称して遊技操作と称する。なお、一般的に、スロットマシンにおける「投入」とは、遊技メダルを「スロットマシン内に入れる」という意味で用いられる場合と、遊技メダルを「遊技の用に供する」という意味で用いられる場合とがある。以下の説明では、基本的に、前者の意味において「投入」という語を用い、後者の意味においては「ベット」という語を用いることとする。
また、以下の説明において、遊技メダルの「払出数」とは、1回の遊技において払い出される予定(遊技者が獲得する予定)の遊技メダル数を意味する。また、遊技メダルを払い出すという行為には、遊技メダルを実際にスロットマシンから外部に払い出すという行為(以下、適宜「実払出し」と称する)と、スロットマシン内に貯留される遊技メダルとして、電磁気的に記憶される数値を増加させるという行為(以下、適宜「貯留加算払出し」と称する)とがある。なお、本明細書においては、遊技メダルの「払出数」を、遊技メダルの「獲得数」と同義で用いる。
また、以下の説明において、遊技メダルの「総差数」とは、所定期間(任意に設定可)における、払い出された遊技メダルの総数と、ベットされた遊技メダルの総数との差数を意味する。
また、以下の説明において「フリーズ」とは、遊技の進行に係る所定の制御処理の実行が一定の時間遅延されることをいう。以下の実施形態では、スタートレバー25の操作が受け付けられたときにセットされるフリーズ(以下「リール回転開始時フリーズ」とも称する)と、全リールの回転停止後にセットされるフリーズ(以下「リール回転停止時フリーズ」とも称する)とを適宜設けることができる。フリーズしている間は、遊技者による遊技操作が有効に受け付けられない状態となる。
また、以下の説明及び図面においては、数値を、十進数の他に、二進数または十六進数で表記することがある。そこで、これらを区別するため、二進数で表記する場合は数値の末尾に「B」を付記し、十六進数で表記する場合は数値の末尾に「H」を付記することとする。また、十進数で表記する場合は数値の末尾には特に何も付記しないこととする。
以下、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの基本的な構成について、図1〜12を参照しながら説明する。
<スロットマシンの外観>
本実施形態に係るスロットマシン1は、図1に示すように、本体筐体の前面に開閉可能に取り付けられた前扉2を備えており、この前扉2の前面には、上部から順に、上パネルアセンブリ10、中パネルアセンブリ20、下パネルアセンブリ30及び受け皿アセンブリ40が取り付けられている。
上パネルアセンブリ10の中央部には、その裏面側に配された画像表示装置(「液晶表示装置」とも称する)11(図2参照)の表示画面11aが前方を臨むように配置されており、その周辺部には、第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13b、第3演出ランプ14a,14bが配置されている。また、表示画面11aの下方左右には、一対の上部スピーカ15a,15bが配置されている。
中パネルアセンブリ20の中央部には、本体筐体内に横並びに配設された3個のリール3a,3b,3cの表面が臨む表示窓Wが設けられており、この表示窓Wの下方には、遊技メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口21、クレジットされた範囲内で1枚の遊技メダルをベットするための1−BETスイッチ22、最大ベット許容数(例えば3枚)の遊技メダルを一度にベットするためのMAX−BETスイッチ23、ベットされた遊技メダル、および/または、クレジットされた遊技メダルを払い出すための清算スイッチ24、全リール3a,3b,3c(リールのことを「回胴」とも称する)を回転開始させる際に操作されるスタートレバー(スタートスイッチ)25、各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26c(図中左側のストップスイッチ26aはリール3aに対応し、中央のストップスイッチ26bはリール3bに対応し、右側のストップスイッチ26cはリール3cに対応する)、及びメダル投入口21から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ27等が設けられている。
メダル投入口21の内部は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路(後述のホッパー50に通ずる)と、投入された遊技メダルが受け入れられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路(後述の遊技メダル払出口41に通ずる)とに分岐しており、その分岐部には、ブロッカ48(図2参照)が設けられている。このブロッカ48は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路に導き、それ以外の期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを返却通路に導くように、受入通路と返却通路を選択的に、一方を開状態に他方を閉状態にできるように構成されている。以下の説明において、ブロッカ48がON状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれる状態(遊技メダル受入可能状態)を示し、ブロッカ48がOFF状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが返却通路に導かれる状態(遊技メダル受入不可状態)を示すものとする。
また、メダル投入口21の内部には、遊技メダルを検知するための3つの投入メダルセンサ28a,28b,28c(図2参照)が設けられている。投入メダルセンサ28aは、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたことを検出するものであり、投入された遊技メダルが流下する通路上において、ブロッカ48が設置された位置よりも上流側の位置に設置されている。投入メダルセンサ28bは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれ有効に受け入れられたことを検出するものであり、ブロッカ48が設置された位置よりも下流側(後述のホッパー50寄り)の位置に配置されている。投入メダルセンサ28cは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが、受入通路と返却通路との分岐部を通過したことを検出するものであり、当該分岐部近傍(ブロッカ48が設置された位置よりも少し投入メダルセンサ28b寄りの位置)に配置されている。
投入メダルセンサ28a及び投入メダルセンサ28bが共に遊技メダルを検出した場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入され、かつ投入された遊技メダルが有効に受け入れられたことを意味する。一方、投入メダルセンサ28aは遊技メダルを検出したが、投入メダルセンサ28bは遊技メダルを検出しない場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたが、投入された遊技メダルが有効に受け入れられずに返却されたことを意味する。また、3つの投入メダルセンサ28a,28b,28cが所定の順序(28a,28c,28bの順序)とは異なる順序で遊技メダルの通過を検出した場合や一部の投入メダルセンサで遊技メダルの通過が検出されない場合は、遊技メダルが逆流するなどの異常通過が起きたことを意味する。
表示窓Wは、3個のリール3a〜3cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。リール3aの下段、リール3bの中段、及びリール3cの上段の各図柄表示領域を斜めに結ぶ右上がりの入賞ライン29は、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効化される入賞ラインであり、有効化された入賞ライン29上に停止表示された図柄組合せにより遊技役の成立の有無が判定されるように構成されている。以下、有効化された入賞ライン29のことを、適宜「有効ライン29」と称する。
また、スロットマシン1には、LEDランプ等により構成される各種の表示用ランプが配置されている。本実施形態では、表示用ランプとして、MAX−BETスイッチ表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、及び払出数表示ランプ46jを備えている。これらの表示用ランプは、後述の主制御基板60(主制御手段100)により制御されるように構成されている。
MAX−BETスイッチ表示ランプ46aは、遊技メダルをベットすることができる状況下で点灯されるものであり、MAX−BETスイッチ23の内部に配置され、点灯時にはMAX−BETスイッチ23を部分的または全体的に光らせるようになっている。その他の表示用ランプは、中パネルアセンブリ20において表示窓Wの側部または下部に配置されている。
BET数表示ランプ46b(以下「BETランプ46b」とも称する)は、ベットされた遊技メダルの枚数を表示するもので、ベットされた遊技メダルが、1枚の場合に点灯される1−BET表示ランプ46bCと、2枚の場合に点灯される2−BET表示ランプ46bBと、3枚の場合に点灯されるMAX−BET表示ランプ46bAとから構成されている。投入可能表示ランプ46cは、遊技メダルを投入することができる状況下で点灯されるものであり、遊技開始表示ランプ46dは、スタートレバー25を操作して遊技を開始させることができる状況下で点灯されるものである。再遊技表示ランプ46eは、任意の遊技において後述の再遊技役が成立し、後述の自動ベット処理により遊技メダルが自動的にベットされた際に点灯されるものである。
状態表示ランプ46fは、貯留(クレジット)されている遊技メダルを清算するときに点灯されるものであり、回数表示ランプ46gは、ARTモードが設定されたときに、後述のARTゲーム数の初期値(例えば「50」)を表示するとともに、その後毎遊技、ARTゲーム数の表示値を1ずつ減算し(後述のRB作動中やBB作動中は除く)、ARTゲーム数の上乗せ数が決定されたときにはその上乗せ数を加算して表示するものである。貯留枚数表示ランプ46h(以下「CREランプ46h」とも称する)は、貯留された遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものであり、払出数表示ランプ46jは、後述の小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものである。貯留枚数表示ランプ46hや払出数表示ランプ46jは、上位桁の数字及び下位桁の数字を表示するため、各々2つの8セグメント表示器(7つのセグメントランプ、小数点を表すセグメントランプから成る)で構成されている。
また、この払出数表示ランプ46jは、スロットマシン1に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示す文字(アルファベット)や数字を表示するようにも構成されている。本実施形態において設定されるエラーとしては、HPエラー、HEエラー、H0エラー、CEエラー、CPエラー、CHエラー、C0エラー、C1エラー、FEエラー、E1エラー、E5エラー、E6エラー、E7エラー等がある。HPエラーは、後述するホッパー50のメダル払出口で遊技メダルが滞留したと判断した場合エラーであり、HEエラーは、ホッパー50の中の遊技メダルが空と判断した場合のエラー(ホッパーエンプティエラー)であり、H0エラーは、遊技メダルが払出センサを異常通過したと判断したときのエラーである。また、CEエラーは、投入メダルセンサにより遊技メダルが滞留したと判断した場合のエラー(遊技メダル滞留エラー)であり、CPエラーは、投入された遊技メダルが不正通過したと判断した場合のエラーであり、C0エラーは、投入メダルセンサに異常入力があったと判断したときのエラーであり、C1エラーは投入メダルセンサの通過に異常があったと判断した場合のエラーである。また、FEエラーは、後述の補助収納庫85が満杯と判断した場合のエラー(補助収納庫満杯エラー)であり、E1エラーは、電源投入時に記憶装置(RAM)の内容が正常でない場合のエラー(RAMエラー)であり、E5エラーは、全回胴停止時の図柄の組合せが異常(成立許容役以外の役を構成する対応図柄が停止表示)となる場合のエラー(回胴停止エラー)であり、E6エラーは、役決定確率を定めるための後述の設定ランクの値(設定値)が範囲外となる場合のエラー(設定値エラー)であり、E7エラーは、各抽選等において用いる内蔵乱数の更新状態の異常を検知した場合のエラー(内蔵乱数エラー)である。E1、E5、E6、E7の各エラー(これらを総称して「E系エラー」とも称する)は、後述の設定変更により解除され、その他のエラーは、後述のリセットスイッチ82の操作により解除されるようになっている。
さらに、この払出数表示ランプ46jは、ストップスイッチ26a〜26cの操作順(押し順)を示す、後述のナビ番号を表示する機能も有している。以下、ナビ番号を表示する際の払出数表示ランプ46jのことを、適宜「メイン側押し順表示器」と称する。また、この払出数表示ランプ46jは、後述する設定確認時及び設定変更時において、後述の設定ランクを表示する機能も有している。以下、設定ランクを表示する際の払出数表示ランプ46jのことを、適宜「設定ランク表示器」と称する。
下パネルアセンブリ30の中央部には、透明な下パネルカバー31が取り付けられており、その左右両端部には、飾りランプ32a,32bが配置されている。なお、下パネルカバー31の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベース及び下パネル照明灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
受け皿アセンブリ40には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口41が開設されているとともに、遊技メダル払出口41に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿42が設けられており、この遊技メダル貯留皿42の左には、灰皿43が設けられている。また、遊技メダル払出口41の左右には、受け皿アセンブリ40の背面側に配置された一対の下部スピーカ44a,44b(図2参照)の前面に対向して、多数の小孔からなるスピーカ口45a,45bが形成されている。
さらに、本体筐体内には、遊技の結果、所定の入賞態様が構成された場合に獲得される遊技メダルを払い出すためのホッパー50(図2参照)が設けられており、このホッパー50には遊技メダルを検出するためのメダル検出部51(図2参照)が設けられている。また、このホッパー50は、投入されて有効に受け入れられた遊技メダルを物理的に収容する機能を有している。さらに、ホッパー50の近傍位置には、ホッパー50から溢れた遊技メダルを収納するための補助収納庫85(図2参照)が設けられるとともに、この補助収納庫85が満杯状態(補助収納庫85から遊技メダルが溢れる可能性のある状態)であるか否かを検出する満杯検出部86(図2参照)が設けられている。
<リール>
各リール3a,3b,3cはそれぞれステッピングモータ35a,35b,35c(図2参照)の駆動により回転するように構成されている。また、各リール3a,3b,3cは透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄(図3参照)が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、各リール3a,3b,3cの内面側には、バックランプ38a,38b,38c(図2参照)が配設されており、このバックランプ38a,38b,38cを点灯させることにより、表示窓W内に臨む各リール3a,3b,3cの領域を内面側から全体的に照明したり、各リール3a,3b,3c上に停止表示された所定の図柄組合せ(例えば、有効ライン29上や、有効ライン29上とは異なる位置に並んだ遊技役の対応図柄等)を目立たせるように各リール3a,3b,3cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。
<遊技を行うための基本操作>
スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口21に遊技メダルを投入することによりベットするか、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の何れかを操作してクレジットの範囲内で規定数の遊技メダルをベットすることにより、入賞ライン29を有効化する。本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する非RT、RT1〜RT4の各RT状態や、BB-A、BB-B〜E、RB-A〜Bの各ボーナス状態の何れにおいても3枚に設定される。ただし、規定数についてはこれに限定されるものではなく、RT状態等に応じて規定数を異なる値に設定するなど、適宜変更することが可能である。また、複数の入賞ラインを設け、遊技メダルのベット数に応じて、有効化される入賞ラインの数等を変更するようにしてもよい。
次に、遊技者がスタートレバー25を操作すると、ベット数が確定する(ベットされた遊技メダルが遊技の用に供される)とともに、後述する役決定処理が行われ、その後、最小遊技時間(1つの遊技において全リールが回転開始してから、次の遊技において全リールを回転開始させるまでに最低限確保しなければならないとされる時間(例えば、4.1秒間)のこと)が経過したことを確認した後、各リール3a〜3cが回転を開始し、リール3a〜3cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上下に(通常、上から下に)移動表示される。そして、リール3a〜3cの回転が所定の速度に達して定速回転となると各ストップスイッチ26a〜26cが有効化され(ストップスイッチの操作が有効に受付け可能とされ)、遊技者がストップスイッチ26aを操作するとリール3aの回転が停止し、ストップスイッチ26bを操作するとリール3bの回転が停止し、ストップスイッチ26cを操作するとリール3cの回転が停止するように構成されている。
ここで、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパー50により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
<制御基板と各機器との接続>
本実施形態では、スロットマシン1を制御する主な制御基板として図2に示すように、主制御基板60、サブメイン制御基板70A、及びサブサブ制御基板70Bの3つの制御基板を備えている(サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bを総称して副制御基板70と称する)。遊技の進行に係る主たる制御(リール3a〜3cの駆動制御や役決定処理等を含む)が主制御基板60上に配設された制御回路により行われ、バックランプ38a〜38c等のランプによる照明制御等は、サブメイン制御基板70A上に配設された制御回路により行われるように構成されている。また、画像表示装置11による演出画像表示制御、上部スピーカ15a,15b等のスピーカからの音声発生制御は、主に、サブサブ制御基板70B上に配設された制御回路により行われるように構成されている。さらに、主制御基板60と副制御基板70との間の情報伝達は、主制御基板60からサブメイン制御基板70Aへの一方向のみ行うことが可能となっており、サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bとの間の情報伝達は、双方向で行うことが可能となっている。
主制御基板60には、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU61と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM62と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM63(「RAM」のことを「RWM」とも称する)とが配設されており、ROM62に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における遊技の進行に係る制御が行われるようになっている。なお、ROM62及びRAM63は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
メインCPU61には、クロックパルス(クロック信号)を発生するためのクロックパルス発生器64、クロックパルス発生器64で発生したクロックパルスを分周するための分周器65、クロックパルス(または分周されたクロックパルス)に基づいて、役決定等に用いる乱数を発生するための乱数発生器66、及び乱数発生器66で発生した乱数を取り込むための乱数取込回路67が接続されている。クロックパルス発生器64は、2つの発振器(図示略)から構成され、それぞれの発振器から、互いに非同期のクロック信号が出力されている。以下、一方の発振器から出力される所定周波数のクロック信号のことを内部クロックと称し、他方の発振器から出力される所定周波数(内部クロックとは異なる周波数とするが同じでもよい)のクロック信号のことを外部クロックと称する。例えば、内部クロックは、メインCPU61の動作クロックや役決定以外の所定の抽選に用いられる乱数の更新クロックとして利用され、外部クロックは、役決定で用いられる乱数の更新クロックとして利用される。なお、メインCPU61、ROM62、RAM63、分周器65、乱数発生器66、乱数取込回路67、インターフェイス回路68等を1つのICチップ上に搭載し、ワンチップマイクロコンピュータとして構成してもよい。また、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、モータ駆動回路36a、表示用ランプ制御回路47、ホッパー駆動回路52及び副制御基板70に対して信号を送信するとともに、リール位置検出回路37a,37b,37c、払出検出信号回路53及び収納状態信号回路87からの信号を受信するように構成されている。
ここで、モータ駆動回路36aは、リール3a,3b,3cをそれぞれ回転駆動するステッピングモータ35a,35b,35cの回転・停止制御を行うための回路であり、表示用ランプ制御回路47は、上述した各種の表示用ランプの制御を行うための回路である。また、リール位置検出回路37a,37b,37cは、リール3a,3b,3cの各々に設置されたリールセンサ(図示せず)からの各検出信号を主制御基板60に送信する回路である(検出回路37aはリール3aに対応し、検出回路37bはリール3b、検出回路37cはリール3cに対応する)。また、ホッパー駆動回路52は、小役が成立した際に、ホッパー50を駆動して遊技メダルの払出しを行わせる回路であり、払出検出信号回路53は、ホッパー50から遊技メダルが払い出されたことがメダル検出部51により検出された際に、主制御基板60に払出検出信号を送信する回路である。さらに、収納状態信号回路87は、補助収納庫85が満杯状態であるか否かを示す収納状態信号を、満杯検出部86の検出結果に応じて、主制御基板60に送信する回路である。
また、スロットマシン1には、電源装置80からの電力が主制御基板60を介して供給されるようになっている。この電源装置80には、電源スイッチ81、リセットスイッチ82及び設定鍵型スイッチ83が接続されており、これら各スイッチからの信号がインターフェイス回路68を介して、メインCPU61に送信されるように構成されている。さらに、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、設定変更スイッチ84からの信号を受信するように構成されている。
電源スイッチ81は、電源装置80からスロットマシン1への電源投入及び電源断の操作を受け付けるスイッチであり、リセットスイッチ82は、スロットマシン1において所定のエラー(上述のE系エラーを除くエラー)が発生した場合に、エラーの原因が取り除かれてエラーが解消された際に遊技店員等により操作されるスイッチである。このリセットスイッチ82が操作されることにより、主制御基板60及び副制御基板70において記憶されたエラー発生の情報がクリアされ、それに伴いエラー解消時の処理が主制御基板60及び副制御基板70において実行される。また、設定鍵型スイッチ83は、役決定確率を定める設定ランクの設定確認及び設定変更を行う場合に操作されるスイッチであり、設定変更スイッチ84は、役決定確率の高低の程度(ランク)を定める設定ランクを、複数段階(本実施形態では6段階)で変更するためのスイッチである。
前扉2が開いた状態(以下「ドア開状態」と称する)で、かつスロットマシン1に電源が供給されている状態(電源スイッチ81がON状態)において設定鍵型スイッチ83がON状態に操作されることにより、設定確認が可能となる。また、ドア開状態であり、かつスロットマシン1に電源が供給されていない状態(電源スイッチ81がOFF状態)において設定鍵型スイッチ83がON状態に操作され、その状態のまま電源スイッチ81がON状態に操作される(スロットマシン1に電源が投入される)ことにより、設定変更が可能となり、その状態で設定変更スイッチ84を操作するごとに、設定ランクを1段階ずつ更新することができる。なお、設定鍵型スイッチ83は、所定の鍵部材(設定キー)を、本体側に設けられた所定の錠部材に差し込んで回動させることにより、ON状態とOFF状態が切り替えられるようになっている。また、設定確認及び設定変更は、遊技実行中の状態(遊技メダルがベットされている状態(自動ベットされた場合を含む)や、リールが回転している状態)では実行することができず、遊技待機中の状態でのみ実行することが可能となっている。なお、設定確認時及び設定変更時において、設定ランクは「1〜6」の6個の整数値を用いて、払出数表示ランプ46jに表示されるようになっている。
電源装置80からの電力は、主制御基板60を介してサブメイン制御基板70Aに供給され、さらにサブメイン制御基板70Aを介してサブサブ制御基板70Bに供給されるようになっている(電源装置80から直接、サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bに電力を供給するようにしてもよい)。電源装置80から主制御基板60に電力を供給する回路上と、主制御基板60を介してサブメイン制御基板70Aに電力を供給する回路上には、電圧の供給状態を監視する供給電圧監視回路(図示略)がそれぞれ設けられている。各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値まで低下したときに電源断と判定し電源断検出信号をメインCPU61、後述のサブメインCPU71に出力するようになっている。また、各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値(電源断判定のための電圧値とは異なる値(例えば、高い値)とするが、同じ値としてもよい)まで復帰したときに電源投入と判定し電源投入検出信号をメインCPU61、サブメインCPU71に出力するようになっている。なお、主制御基板60の電源断を検出するときの電圧値は、サブメイン制御基板70Aの電源断を検出するときの電圧値よりも高い値に設定され、サブメイン制御基板70Aよりも先に主制御基板60が、電源断時に実行するようにプログラムされた処理(電源断処理)を行うように構成されている(電源投入に関しても同様としてもよい)。
また、メインCPU61には、スイッチ基板90に接続されているかまたはスイッチ基板90上に搭載されている、リール停止信号回路91、スタートレバー25、投入メダルセンサ28a,28b,28c、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23及び清算スイッチ24からの各信号が、インターフェイス回路68を介して入力されるようになっている。
また、メインCPU61には、インターフェイス回路68を介してブロッカ48が接続されており、このブロッカ48をON・OFF制御するように構成されている。なお、以下の説明において、ブロッカ48をON・OFF制御するための信号を、適宜「ブロッカ信号」と称する。さらに、図示は省略しているが、スロットマシン1には、前扉2の開閉状態を検出するドアセンサが設けられており、このドアセンサからの信号が、インターフェイス回路68を介してメインCPU61に入力されるようになっている。メインCPU61は、ドアセンサからの信号により、前扉2が閉じた状態(以下「ドア閉状態」と称する)であるか開いた状態(ドア開状態)であるかを判断するようになっている。
また、図示は省略しているが、メインCPU61は、所定の遊技状態(例えば、ART状態やボーナス状態)となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外部接続用端子基板等を介して所定の信号(以下、適宜「外端信号」と称する)を出力し、この外端信号により、所定の遊技状態に設定された回数等を管理したり遊技者に提示したりできるように構成されている。
一方、サブメイン制御基板70Aには、主に演出の管理に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU71と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM72と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM73とが配設されており、ROM72に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における画像演出や音声演出の管理に関する制御、ランプ演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、ROM72及びRAM73は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。また、サブメインCPU71には、不図示のクロックパルス発生器及び分周器が接続されており、このクロックパルス発生器及び分周器により生成したクロック信号に応じて、所定の処理を実行するようになっている。
サブメインCPU71は、インターフェイス回路74を介して、主制御基板60からの各種信号を受信し、ランプ制御回路18に対し信号を送信するように構成されている。ここで、ランプ制御回路18は、バックランプ38a〜38c等のランプの点灯を制御する回路である。
また、サブメインCPU71は、インターフェイス回路74を介して、サブサブ制御基板70Bに各種信号を送信するとともに、サブサブ制御基板70Bから各種信号を受信するように構成されている。以下、主制御基板60からサブメイン制御基板70Aに送信される信号(制御信号)を「制御コマンド」と称し、サブメイン制御基板70Aからサブサブ制御基板70Bに送信される信号(報知信号や演出信号)を「演出コマンド」と称する。また、サブサブ制御基板70Bからサブメイン制御基板70Aに送信される信号(状態信号)を「状態コマンド」と称する。
サブサブ制御基板70Bには、主に画像演出及び音声演出の制御に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU75と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM76と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM77とが配設されており、ROM76に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、画像演出や音声演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、ROM76及びRAM77は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
サブサブCPU75は、インターフェイス回路78を介して、サブメイン制御基板70Aからの報知信号または演出信号を受信し、表示装置制御回路16、スピーカ制御回路17に対し信号を送信するとともに、サブメイン制御基板70Aに状態信号を送信するように構成されている。表示装置制御回路16は、画像表示装置11を制御して所定の演出画像を表示させる回路であり、スピーカ制御回路17は、上部スピーカ15a,15b等のスピーカから発生させる音声等の種類や音量を制御する回路である。なお、画像表示装置11は、ストップスイッチ26a〜26cの操作順(押し順)を表示する押し表示器(以下、適宜「サブ側押し順表示器」と称する)としても機能するように構成されている。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a〜3cが表示する図柄が、図3に示すように配置されている(図3中の「左リール」、「中リール」及び「右リール」は、リール3a,3b及び3cをそれぞれ表す)。すなわち、各リール3a〜3cには、「キャラクタA」、「キャラクタB」、「キャラクタC」、「チェリーA」、「チェリーB」、「ブランクA」、「ブランクB」、「ブランクC」、「リプレイA」及び「リプレイB」の10種類の図柄が所定数ずつ配置されている。なお、「ブランク」とは、遊技役を構成しない任意の図柄であることを示すことがあるが、本実施形態ではこれらを、遊技役を構成する図柄として設定している。以下、リール3a,3b及び3cのことを、それぞれ、左リール、中リール及び右リールと称することがある。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、各リール3a〜3cにおいて停止表示される図柄組合せが、図4〜11に示すように設定されており、その多くが遊技役を構成する図柄組合せ(対応図柄)となっている。本実施形態における遊技役としては、BB役A〜E及びRB役A,Bの7個の特別役(ボーナス役)と、再遊技役1〜11の11個の再遊技役と、小役1〜31の31個の小役との計49個が設定され、それぞれの遊技役が成立するための図柄組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出数等は、図4〜11に示すように設定されている。
BB役A〜E及びRB役A,B(BBは「ビッグボーナス」、RBは「レギュラーボーナス」の略)は、ボーナス状態(役決定における所定の小役の当選確率が通常よりも高くなる遊技状態)を設定する契機となる特別役(ボーナス役)であり、その対応図柄(例えば、BB役Aの場合は「キャラクタB・キャラクタB・キャラクタB」、以下「作動図柄」とも称する)が有効ライン29上に停止表示されると、次の遊技からボーナス状態が設定される。本実施形態ではボーナス状態として、図15に示すように、BB役Aの成立により設定されるBB-Aと、BB役B〜Eのいずれかの成立により設定されるBB-B〜Eと、RB役AまたはRB役Bの成立により設定されるRB-A,Bとが設けられている(それらの詳細については後述する)。
特別役は、図4に示すように、状態β,γ,δのときは成立することはなく(図中の「―」は成立しないことを示す)、状態αのときのみ成立することがあるが、成立しても遊技メダルの払出しはない(払出数0)。図11(B)に示すように、状態αとはボーナス非作動時の状態(ボーナス状態に設定されていない状態)であり、状態βとはRB-A,B作動時の状態である。また、状態γとはBB-B〜E作動中のRB-C作動時の状態であり、状態δとはBB-A作動中のRB-D作動時の状態である。
再遊技役1〜11は、成立した場合に遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく(新たに遊技媒体を投入することなく)次の遊技を行うことが許可される遊技役(再遊技役)として設けられている。それらのうち再遊技役1〜3は、成立することが、後述のRT2状態からRT1状態への移行条件とされており、再遊技役4はその成立が後述のRT1状態からRT2状態への移行条件とされている。このことから、再遊技役1〜3のことを適宜「RT1移行RP」と称し、再遊技役4のことを適宜「RT2移行RP」(RPは「リプレイ」の略)と称する。なお、再遊技役1〜11は、いずれも、状態β,γ,δのときは成立することはなく、状態αのときのみ成立可能となっている。
図3(リール図柄)に示すように、再遊技役1を構成する、左リール上の図柄「リプレイA/リプレイB」(「/」は「または」の意)と、中リール上の図柄「キャラクタA/キャラクタB/ブランクC」及び右リール上の図柄「ブランクA/ブランクB」は、各リール上において5図柄以内毎に配置されている。これにより、再遊技役1が当選した場合、その対応図柄「リプレイA/B・キャラクタA/B/ブランクC・ブランクA/B」は、各リール回転停止操作(ストップスイッチ26a,26b,26cの各操作)の実行タイミング(有効に受付けられたタイミング。以下「押し位置」とも称する)に拘わらず、有効ライン29上に停止表示させる(以下「引き込む」とも称する)ことが可能となっている。この再遊技役1のように、各ストップスイッチの操作タイミングに拘わらず、その対応図柄(複数組ある場合にはそのうちの何れか)を有効ライン29上に引き込むことが可能な役を、以下、便宜的に「100%引込み可能な遊技役」と称する。なお、他の再遊技役2〜11も、再遊技役1と同様、100%引込み可能な遊技役とすることができる。
小役1〜31は、成立時に所定数の遊技メダルが払い出されるように構成された遊技役(入賞役)である。小役1〜15は成立時の遊技メダルの払出数が9枚に設定されており、小役16〜21は成立時の遊技メダルの払出数が1枚に設定されている。このことから適宜、小役1〜15のことを「9枚役」、小役16〜21のことを「1枚役」と称する。
小役22〜27は、少なくとも成立時に左リールにおいてチェリー図柄(チェリーAまたはチェリーB)が表示窓W内に停止表示される小役となっている。このことから、これらの小役22〜27を総称してチェリー役と称する。それらのうち、小役22は、成立時の押し位置によって、2個のチェリー図柄が並んで停止表示される場合があることから、適宜「2連チェリー役」と称する。同様に小役24は、3個のチェリー図柄が表示窓W内において右上りに並んで停止表示される場合があることから、適宜「右上り3連チェリー役」と称し、小役25は、3個のチェリー図柄が表示窓W内において右下りに並んで停止表示される場合があることから、適宜「右下り3連チェリー役」と称し、小役27は、3個のチェリー図柄が表示窓W内の中段に並んで停止表示される場合があることから、適宜「中段3連チェリー役」と称する。また、小役23,26は、チェリー図柄が並んで停止表示される場合がないことから、適宜「単チェリー役」と称する。なお、小役22〜27の成立時の遊技メダルの払出数は、いずれも2枚に設定されている。
小役28〜30は、成立時の払出数が1枚とされているが、主に、複数の小役が重複当選するように構成された役決定結果の構成役の1つとして設定され、押し順や押し位置によっては成立する、あるいは、当選はするが成立することはない、制御上必要な役として設定されている。このことから、小役28〜30のことを、適宜「制御用小役」と称する。小役31は、成立時の払出数が9枚に設定されているが、状態αのときは成立することはなく、状態β,γ,δ(ボーナス状態)のときのみ成立可能に設定されている(他の小役は状態α〜δのいずれでも成立可能に設定されている)。このことから、小役31のことを、適宜「ボーナス中9枚役」と称する。なお、小役1,16〜21,28,31等は、100%引込み可能な遊技役である。
また、本実施形態では、図11に示すように、特定図柄01から特定図柄04までの4個の特定図柄が設定されている。これらは、遊技役の対応図柄ではなく、後述の6択押し順小役(入賞A1〜A4,B1〜B4,C1〜C4,D1〜D4,E1〜E4,F1〜F4のいずれか)が選出された際に、ストップスイッチの押し順と押し位置によって9枚役または1枚役を成立させることができなかった場合に、その取りこぼし目として有効ライン29上に停止表示されるようになっている。また、これらの特定図柄01〜04は、有効ライン29上に停止表示されることが、後述のRT3からRT1への移行条件とされている。これらの特定図柄01〜04は、状態β,γ,δ(ボーナス状態)のときは停止表示されることはなく、状態αのときのみ停止表示可能に設定されている。また、役の対応図柄ではなくハズレの対応図柄に相当するものであるので、当然に、停止表示された場合でも遊技メダルの払出しはない。
<役決定結果番号>
本実施形態における役決定処理(役決定)は、1回の遊技において1回行われ、そこで1つまたは複数の役決定結果番号(役決定結果)が選出されるようになっている。図12,13には、役決定処理により選出される役決定結果番号の種類と、それに対応する当選役を示している。なお、図12,13に示す「当選名称」とは、各役決定結果番号を区別し易くするために便宜的に付したものである。本実施形態では、図12(A)に示すように、「1」から「7」までの7個の特別役用の役決定結果番号と、図12(B)及び図13に示すように、「1」から「52」までの52個の再遊技役・入賞役用の役決定結果番号が設定されている。以下、前者の役決定結果番号を「役物の役決定結果番号」または「YYK番号」と称し、後者の役決定結果番号を「入賞・RPの役決定結果番号」または「YK番号」と称する。
各役決定結果番号には、図示するように、各々の遊技役が当選役として対応付けられている。例えば、YYK番号1(BB1)にはBB役Aが単独当選役として対応付けられ、YYK番号6(RB1)にはRB役Aが単独当選役として対応付けられている。同様に、YK番号2(再遊技A2)には再遊技役1,4,7が重複当選役として対応付けられ、YK番号36(入賞E4)には小役1,8,9,13,20,21が重複当選役として対応付けられ、YK番号52(入賞N)には小役1〜31が重複当選役として対応付けられている。役決定の結果がハズレ(何れの遊技役も非当選)の場合は、図示していないが、YK番号0が対応付けられる。また、図12(A)の表中の備考欄には、各YYK番号に対応した当選役が成立した場合の内容について記しており、図12(B)及び図13の表中の備考欄には、各YK番号に対応した当選役がどのような場合に成立するのかや、当選役が成立した場合の内容等を記している。以下、具体的にいくつかのYYK番号、YK番号について説明する。
役物の役決定結果番号は、図12(A)に示すように、YYK番号1〜7(BB1〜5、RB1,2)が設定されている。YYK番号1〜5は、BB役A、BB役B、BB役C、BB役D、BB役Eをそれぞれ当選役とするものであり、YYK番号6はRB役Aを当選役とするものであり、YYK番号7はRB役Bを当選役とするものである。YYK番号1〜7の何れかが選出された場合には、各ストップスイッチの押し順には関係なく、各ストップスイッチの操作タイミングが、当選役である特別役(BB役A〜E、RB役A,Bのいずれか)の対応図柄を有効ライン29上に引き込めるタイミングである場合に、特別役を成立させるリール制御が行われる。なお、YYK番号1〜7が一旦選出されると、対応する特別役が成立するまで、特別役の当選(選出されたYYK番号)が次遊技に持ち越されるようになっている。また、特別役と再遊技役または小役が重複当選した場合、または特別役の当選が持ち越されている状態において、再遊技役または小役が当選役に選出された場合には、再遊技役または小役の対応図柄を優先して有効ライン29上に引き込むリール制御が行われるようになっている(特別役の成立を優先するようにしてもよい)。また図12(A)の「重複」欄は、各YYK番号がYK番号と同時に選出されるか否かを示している(「○」は同時選出される場合があることを示し、「?」は同時選出されることがないことを示す)。
図12(B)に示すYK番号1〜6(再遊技A1〜A6)は、RT2移行RPである再遊技役4を含む複数の再遊技役が重複当選として対応付けられており、そのいずれかが選出された場合には、次のようなリール停止制御が行われる。すなわち、各ストップスイッチが所定の押し順(「正解押し順」とも称する)に従って操作されたとき(「押し順正解時」とも称する)には、RT2移行RPである再遊技役4が必ず成立し、各ストップスイッチが正解押し順に従わずに操作されたとき(「押し順不正解時」とも称する)には、重複当選している他の再遊技役(例えば、RT1移行RPである再遊技役1)が必ず成立するようになっている。YK番号1〜6(再遊技A1〜A6)は、後述のRT1,RT2及びRT4の各RT状態において選出可能に設定されており(図中の「○」は選出可能であることを示し、「?」は選出されないことを示す)、押し順正解により再遊技役4が成立したときはRT2に移行され、押し順不正解により他の再遊技役が成立したときはRT1に移行または維持されるようになっている。なお、図12(B)及び図13の表中の備考欄に記載している「左」、「中」、「右」は、ストップスイッチ26a,26b,26cを意味しており、その並び順は各ストップスイッチの操作順(押し順)を意味している。例えば、「左右中」はストップスイッチを26a,26c,26bの順序で操作する押し順を表し、「中第一」はストップスイッチ26bを1番目に操作する押し順(2番目以降の押し順は不問)を表すという具合である。
YK番号7(再遊技B)は、非RT及びRT3において選出可能に設定されている。YK番号7には、再遊技役7が単独当選役として対応付けられており、これが選出された場合には、押し順や押し位置に拘らず再遊技役7が必ず成立するよう制御される。YK番号8(再遊技C)は、RT2及びRT4において可能に設定されている。YK番号8には、RT2移行RPである再遊技役4が単独当選役として対応付けられており、これが選出された場合には、押し順や押し位置に拘らず再遊技役4が必ず成立するよう制御され、RT2に移行または維持されるようになっている。
YK番号9(再遊技D)、YK番号10(再遊技E)、YK番号13(再遊技H)及びYK番号14(再遊技I)は、非RT,RT1〜4において選出可能に設定されており、YYK番号(特別役)と同時に選出される可能性がある役決定結果として設定されている(図12(B)の「重複」欄の「○」は同時選出される場合があることを示し、「?」は同時選出されることがないことを示す)。このことから、YK番号10,11,15,16のことを、それぞれ適宜「チャンスリプレイA」、「チャンスリプレイB」、「強チャンスリプレイA」、「強チャンスリプレイB」と称する。YK番号15(再遊技J)及びYK番号16(再遊技K)は、非RT,RT1〜4においては選出されず、RB-D作動中のときのみ選出可能となっている。
図13に示すYK番号17〜40(入賞A1〜A4,B1〜B4,C1〜C4,D1〜D4,E1〜E4,F1〜F4)は、100%引込み可能な遊技役である9枚役と、同じく100%引込み可能な遊技役である1枚役と、押し位置によっては引き込み可能な9枚役とが重複当選役として対応付けられ、ストップスイッチの押し順と押し位置によって成立する入賞役が異なるようにリール停止制御が行われる役決定結果(「6択押し順入賞」とも称する)として設定されている。具体的には、これらのいずれかが選出された場合、ストップスイッチが正解押し順(図中備考欄の上段に記載の押し順)で操作されたときは必ず9枚役が成立し、別の所定の押し順(同備考欄の中段に記載の押し順)で操作されたときは必ず1枚役が成立し、それ以外の押し順で操作されたときは押し位置によっては9枚役が成立可能となっている。また、9枚役も1枚役も成立させることができなかった場合には、その取りこぼし目として有効ライン29上に、特定図柄01〜04のいずれかが停止表示されるようになっている。
YK番号41〜43(入賞G1〜G3)は、100%引込み可能な遊技役である9枚役と、同じく100%引込み可能な遊技役である1枚役とが重複当選役として対応付けられ、ストップスイッチの押し順によって成立する入賞役が異なるようにリール停止制御が行われる役決定結果(「3択押し順入賞」とも称する)として設定されている。具体的には、これらのいずれかが選出された場合、ストップスイッチが正解押し順(図中備考欄の左側に記載の押し順)で操作されたときは必ず9枚役が成立し、それ以外の押し順で操作されたときは必ず1枚役が成立するようになっている。YK番号44(入賞H)は、9枚役である小役1〜15が重複当選役として対応付けら、これが選出された場合、押し順や押し位置に拘らず、必ず9枚役を成立させるリール停止制御が行われる役決定結果(「共通9枚入賞」とも称する)として設定されている。なお、6択押し順入賞、3択押し順入賞及び共通9枚入賞(YK番号17〜44)は、非RT,RT1〜4において選出可能に設定されており、YYK番号(特別役)と同時に選出されることはない。
YK番号45(入賞I)は、2連チェリー役である小役22と単チェリー役である小役23が他の小役と共に重複当選役として対応付けられており、これが選出された場合、押し位置によっては小役22または小役23を成立させるリール停止制御が行われる役決定結果(「弱チェリー」とも称する)として設定されている。YK番号46(入賞J)は、右上り3連チェリー役である小役24と右下り3連チェリー役である小役25と単チェリー役である小役26が他の小役と共に重複当選役として対応付けられており、これが選出された場合、押し位置によっては小役24、小役25または小役26を成立させるリール停止制御が行われる役決定結果(「強チェリー」とも称する)として設定されている。YK番号47(入賞K)は、2連チェリー役である小役22と単チェリー役である小役23と中段3連チェリー役である小役27が他の小役と共に重複当選役として対応付けられており、これが選出された場合、押し位置によっては小役22、小役23または小役27のいずれかを成立させるリール停止制御が行われる役決定結果(「中段チェリー」とも称する)として設定されている。なお、弱チェリー、強チェリー及び中段チェリー(YK番号45〜47)は、非RT,RT1〜4において選出可能に設定され、かつYYK番号(特別役)と同時に選出される可能性がある役決定結果としても設定されている。また、YK番号45〜47は、役決定における選出確率が低く設定されており、これらを「レア役当選」とも称する。
YK番号49〜52(入賞L,M1〜M3,N)は、それぞれ多数の小役が重複当選役として対応付けられ、ボーナス作動中(入賞LはRB-C作動中、入賞M1〜M3はRB-A〜C作動中、入賞NはRB-A,B,D作動中)でのみ選出される役決定結果(「ボーナス中入賞」とも称する)として構成されている。これらのいずれかが選出された場合、押し順や押し位置に拘わらず、必ず9枚役を成立させるリール停止制御が行われる。
本実施形態では、上述のように、所定のYK番号(再遊技役または入賞役)と所定のYYK番号(特別役)が同時に選出可能となっており、その種類は、図14の各行に示すように設定されている。例えば、YK番号9(チャンスリプレイAである再遊技D)は、YYK番号2(BB役Bが当選役となるBB2)と同時選出される場合、YYK番号6(RB役Aが当選役となるRB1)と同時選出される場合があり、YK番号13(強チャンスリプレイである再遊技H)は、YYK番号1(BB役Bが当選役となるBB1)と同時選出される場合、YYK番号4(BB役Dが当選役となるBB4)と同時選出される場合があるという具合である。
<役決定確率と設定差>
役決定処理において、各々のYK番号及びYYK番号が選出される確率(役決定確率)は、任意に設定することが可能であるが、本実施形態では例えば次のように設定することができる。再遊技役が当選役に含まれるYK番号(YK番号1〜16)は、RT状態(非RT,RT1〜4)やボーナス状態(RB-A,B,RB-C(BB-B〜E),RB-D(BB-A))によって異なる役決定確率を設定することができる。例えば、YK番号1〜6(再遊技A1〜A6)は、非RT中及びRT3中では役決定確率を0に設定する(当選しないようにする)一方で、RT1,2,4中においては当選可能に設定するが、RT1中やRT4中よりもRT2中の方が、役決定確率を高めに設定することが挙げられる。再遊技役が当選役に含まれるYK番号であっても、各RT状態(非RT,RT1〜4)における役決定確率を同一に設定したものを設けてもよい。例えば、YK番号10(再遊技E,チャンスリプレイB)やYK番号13(再遊技H,強チャンスリプレイA)については、RT状態が移行しても役決定確率は変わらないように設定することなどが挙げられる。
入賞役(小役)が当選役に含まれるYK番号(YK番号17〜52)については、RT状態(非RT,RT1〜4)が移行しても役決定確率は変わらないように設定する一方、ボーナス状態(BB-A,BB-B〜E,RB-A,B)ではRT中とは異なる役決定確率を設定することができる。例えば、YK番号17〜41(入賞A1〜K)は、非RT,RT1〜4の各RT状態において選出可能とし、RT状態が移行しても役決定確率は変わらないように設定する一方、ボーナス中では役決定確率を0に設定する(当選しないようにする)ことが挙げられる。また、YK番号48〜52(入賞L〜N)は、RT中は役決定確率を0に設定する一方、ボーナス状態に応じて異なる役決定確率を設定する(例えば、入賞M1〜M3では、RB-A,B作動中とRB-C作動中とで異なる役決定確率を設定する)ことも一例として挙げられる。YK番号が異なれば異なる役決定確率を設定することができるが、異なるYK番号同士の役決定確率を同一に設定してもよい。例えば、6択押し順入賞であるYK番号17〜40のそれぞれの役決定確率を同一に設定したり、3択押し順入賞であるYK番号41〜43のそれぞれの役決定確率を同一に設定したりすることが挙げられる。YYK番号1〜7については、RT状態(非RT,RT1〜3)が移行しても役決定確率は変わらないように設定するが、RT状態に応じて役決定確率を変えるようにしてもよい。
YK番号及びYYK番号の役決定確率は、遊技店員等により設定される上述の設定ランクに応じて変更できるように構成することが可能である。本実施形態では、設定1〜6の6段階構成の設定ランクとなっており、その設定ランクに応じて役決定確率が変更されるYK番号と、設定ランクが変わっても役決定確率は不変であるYK番号とを設けることができる。以下、設定ランクに応じて役決定確率が変更されるように設定することを「設定差を設ける」と称する。設定差を設けるYK番号(「設定差有りのYK番号」とも称する)と、設定差を設けないYK番号(「設定差無しのYK番号」とも称する)をどのように振り分けるのかについては、任意に定めることが可能であるが、本実施形態では、後述のART関連抽選の抽選契機となるYK番号については必ず設定差無しのYK番号とするが、抽選契機とはならないYK番号については設定差を設けても設けなくてもよいとしている。例えば、本実施形態では、レア役当選であるYK番号45〜47(弱チェリー、強チェリー及び中段チェリー)を、ART関連抽選の抽選契機となるYK番号としており、そのため、これらのYK番号については設定差を設けていない。YK番号45〜47は、YYK番号1〜7のいずれかと同時に選出される場合があるが、そのときのYK番号45〜47についても設定差を設けていないし、同時に選出されない場合のYK番号45〜47についても設定差を設けていない。同時に選出される場合は、ART関連抽選の抽選契機としないならば、同時に選出される場合のYK番号45〜47については設定差を設けてもよい。
ART関連抽選の抽選契機となるYK番号については必ず設定差無しのYK番号とすることにより、ART関連抽選に設定差の影響が及ばないようにすることができる。すなわち、設定差有りのYK番号をART関連抽選の抽選契機とすると、設定ランクが高い場合(例えば、設定6のとき)には、後述の通常区間から有利区間に移行し易くなったり、有利区間内にずっと滞在し続けたりする可能性が高まるのに対し、設定ランクが低い場合(例えば、設定1のとき)には、通常区間から有利区間に移行するのが困難となって、通常区間内にずっと滞在し続けたりするといった虞があるが、本実施形態ではそのような事態が生じないように、ART関連抽選の抽選契機となるYK番号については必ず設定差無しのYK番号としている。また、RT状態の移行契機となる役決定結果、例えば、RT移行の条件とされるRT1移行RP、RT2移行RPや、特定図柄01〜04が停止表示し得る押し順RPや6択押し順小役(「押し順入賞」とも称する)については設定差を設けないようにしてもよい。こうすることにより、RT状態の移行のし易さ等にも設定ランクの影響が及ばないようにすることができる。
YYK番号(YYK番号1〜7)についても、設定差を設けるYYK番号(「設定差有りYYK番号」とも称する)と、設定差を設けないYYK番号(「設定差無しYYK番号」とも称する)とを設けることができる。YK番号の場合と同様に、ART関連抽選の抽選契機となるYYK番号については必ず設定差無しのYYK番号とするが、抽選契機とはならないYYK番号については設定差を設けても設けなくてもよいとしている。設定差を設ける場合、YYK番号が単独で選出されるときの役決定確率と、YYK番号がYK番号と同時選出されるときの役決定確率とのうち、いずれか一方のみに設定差を設けてもよいし、両方に設定差を設けてもよい。
次に、図15〜20を追加参照しながら、本実施形態に係るスロットマシンの主な特徴構成について説明する。
<機能ブロック>
図15に示すように、本実施形態に係るスロットマシンは、機能的な観点から説明すれば主に、遊技メダルをベットするためのベット操作(例えば、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作)や、停止中の各リール3a〜3cを回転させるためのリール回転開始操作(例えば、スタートレバー25の傾動操作)、複数種類の図柄を可変表示する3個のリール3a,3b,3cの回転を停止させるための各リール回転停止操作(例えば、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作)、ベットまたは貯留(クレジット)された遊技メダルを払い出すための清算操作(例えば、清算スイッチ24の押圧操作)等の、遊技者によりなされる各遊技操作に対応した信号(以下、適宜「遊技操作信号」と称する)を出力する操作信号出力手段95と、遊技の進行に係る主要な制御を行う主制御手段100(主制御基板60に対応する)と、遊技の状況に応じて所定の演出制御を行う副制御手段200(副制御基板70に対応する)とを備えてなる。
主制御手段100は、大別すると、主に遊技状態を管理する遊技状態管理手段110と、主に遊技進行を管理する遊技進行管理手段130と、主制御手段100における通信を制御するメイン通信制御手段150を備えてなる。このうち、遊技状態管理手段110は、設定ランク制御手段111、RT・ボーナス状態制御手段112、再遊技作動制御手段113、ボーナス遊技制御手段114、フリーズ制御手段115、遊技モード制御手段116、ART制御手段117、及び乱数発生・取込手段118を備えている。
また、遊技進行管理手段130は、受容メダル管理手段131、役決定手段132、演出グループ番号決定手段133、リール制御手段134、停止表示図柄判定手段135、払出メダル管理手段136、ブロッカ制御手段137、表示用ランプ制御手段138、押し順管理手段139、抽選グループ番号決定手段140及びART関連抽選実行手段141を備えており、メイン通信制御手段150は制御コマンド送信手段151及び外端信号送信手段152を備えている。なお、主制御手段100における上述の各手段は、図2に示す主制御基板60上に配されたメインCPU61、ROM62、RAM63、電子回路等のハードウエア及びROM62等に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(遊技状態管理手段110を構成する各手段)
設定ランク制御手段111は、役決定確率の設定ランク(設定1〜設定6の6段階構成)を内部的に管理するための数値(以下「管理用設定値」とも称する)を制御するように構成されている。本実施形態では、管理用設定値として1から6までの連続する整数値(1〜6の整数値は設定1〜設定6にそれぞれ対応する)を用いている。管理用設定値のデータは、RAM63の所定の記憶領域に記憶されるようになっており、役決定処理において設定ランクを確認する際に参照されるとともに、設定確認時または設定変更時において、設定ランク表示器(払出数表示ランプ46j)に設定ランクを表示する際に参照されるようになっている。また、管理用設定値は、遊技店員による設定変更操作に応じて変更される。すなわち、設定鍵型スイッチ83がON状態に操作され、その状態で設定変更スイッチ84をするごとに、1ずつ更新されるようになっている。なお、管理用設定値として0〜5までの連続する整数値(0〜5の整数値は設定1〜設定6にそれぞれ対応する)を用いてもよい。この場合は、設定確認時または設定変更時において、設定ランク表示器(払出数表示ランプ46j)に設定ランクを表示する際に、管理用設定値に1を加算する必要がある。
RT・ボーナス状態制御手段112は、図16に示すように、非RT、RT1、RT2、RT3、RT4の4個のRT状態と、BB-A、BB-B〜E、RB-A,Bの3個のボーナス状態との計7個の遊技状態の設定を制御するように構成されている。非RTは、本実施形態において標準となるRT状態であり、役決定において再遊技役(再遊技B,D,E,H,I)が決定される確率が標準的な値(例えば、略「1/7.3」)に設定される。また、RAM(RAM63)が初期化された場合は、この非RTに設定されるようになっている。この非RT中において、条件P1が充足されたことを契機としてRT1に移行されるようになっている。条件P1とは、上述の入賞A1〜F4(YK番号17〜40)のいずれかが役決定で決定された際に入賞役が成立せず、上述の特定図柄01〜04のいずれかが有効ライン29上に停止表示されることである。
RT1は、再遊技役(再遊技A1〜A6,D,E,H,I)が当選する確率が非RTと同じ程度か若干高めに設定されるRT状態である。このRT1中において、条件P3が充足されたことを契機としてRT2に移行されるようになっている。条件P3とは、上述した再遊技役4(RT2移行RP)の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されることである。
RT2は、非RTやRT1に比べて、再遊技役が当選する確率が高い値(例えば、設定1の場合で略「1/1.4」)に設定されるRT状態である。このRT2中において、条件P1または条件P2が充足されたことを契機としてRT1に移行されるようになっている。条件P2とは、上述した再遊技役1〜3(RT1移行RP)の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されることである。
RT3は、再遊技役が当選する確率がRT1と同程度に設定されるRT状態である。また、ボーナス状態の終了後に移行されるボーナス後RTとしても設定されている。このRT3中において、条件P1が充足されたことを契機としてRT1に移行され、条件P4が充足されたことを契機として非RTに移行されるようになっている。条件P4とは、所定数の遊技(例えば、20ゲーム)を消化することである。
RT4は、特別役(本実施形態ではBB役A〜E、RB役AまたはBのいずれか)が当選しかつ未成立(対応図柄が未表示)という条件P5が充足された場合に、非RT、RT1、RT2、RT3の各RT状態から移行する、いわゆるボーナス内部中(ボーナス内部当選中)のRT状態である。このRT4では、再遊技役が当選する確率が非RT、RT1及びRT3よりは高く、RT2よりは低い値(例えば、略「1/4.4」)に設定される。また、このRT4中において、条件P6が充足されたことを契機としてボーナス状態に移行されるようになっている。条件P6とは、特別役(BB役A〜E、RB役A,B)が成立することである。
本実施形態では、BB-A、BB-B〜E、RB-A,Bの3つのボーナス状態が設けられている。BB-Aは、BB役Aが成立したときに移行されるボーナス状態である。このBB-A中では、後述のRB-Dが連続作動するように制御され、そのRB-D作動中において、入賞N(YK番号52)が頻繁に選出されるように設定されている。BB-B〜Eは、BB役B〜Eのいずれかが成立したときに移行されるボーナス状態である。このBB-B〜E中では、後述のRB-Cが連続作動するように制御され、そのRB-C作動中において、入賞L、入賞M1〜M3(YK番号48〜51)のいずれかが必ず選出されるように設定されている(ハズレを設けてもよい)。RB-A,Bは、RB役AまたはRB役Bが成立したときに移行されるボーナス状態である。このRB-A,B中では、RB役Aの成立により移行された場合は後述のRB-Aが単発で作動するように制御され、RB役Bの成立により移行された場合は後述のRB-Bが単発で作動するように制御され、そのRB-AまたはRB-Bの作動中において、入賞M1〜M3、入賞N(YK番号49〜52)のいずれかが必ず選出されるように設定されている(ハズレを設けてもよい)。これらのボーナス状態において、条件P7が充足されたことを契機としてRT3に移行されるようになっている。条件P7とは、ボーナス終了条件の成立、具体的には、BB-Aの終了条件は18枚超の遊技メダルの払出しであり、BB-B〜Eの終了条件は297枚超の遊技メダルの払出しであり、RB-A,Bの終了条件はRB-AまたはRB-Bが終了することである。
再遊技作動制御手段113は、再遊技役が成立したことを契機として、遊技者が保有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される状態(適宜「再遊技作動状態」と称する)に設定するように構成されている。なお、再遊技作動状態に設定されると、RAM63の所定の記憶領域に再遊技作動状態であることを示す情報(適宜「再遊技作動状態情報」と称する)が記憶されるようになっている。以下、再遊技作動状態情報を記憶することを、再遊技作動状態フラグをセットするとかONにする等とも称し、記憶した再遊技作動状態情報をクリア(消去)することを、再遊技作動状態フラグをクリアするとかOFFにする等とも称する。
ボーナス遊技制御手段114は、RB役Aが成立した場合にはそのことを契機として、次遊技から設定されるRB-A,B中において、レギュラーボーナスとしてのRB-Aを単発で作動させる。このRB-Aは、RB-A,Bに移行されるとその1ゲーム目から作動し、8回の遊技を消化するかまたは8回の入賞がある(小役が8回成立する)と終了するように制御される。同様に、ボーナス遊技制御手段114は、RB役Bが成立した場合にはそのことを契機として、RB-A,B中においてレギュラーボーナスとしてのRB-Bを単発で作動させる。このRB-Bは、RB-A,Bに移行されるとその1ゲーム目から作動し、8回の遊技を消化するかまたは8回の入賞がある(小役が8回成立する)と終了するように制御される。
また、ボーナス遊技制御手段114は、BB-A中において、レギュラーボーナスとしてのRB-Dを連続的に作動させるように構成されている。このRB-Dは、作動図柄は設定されておらず、BB-Aに移行されるとその1ゲーム目から作動し、2回の遊技を消化するごとまたは2回の入賞がある(小役が2回成立する)ごと(すなわち2ゲームごと)に一旦終了し(遊技回数や入賞回数は適宜変更可)、直後に再開されるように制御される。また、BB-Aが終了するときはRB-Dも(小役の成立回数や何ゲーム目かということには関係なく)終了するように制御される。同様に、ボーナス遊技制御手段114は、BB-B〜E中において、レギュラーボーナスとしてのRB-Cを連続的に作動させるように構成されている。このRB-Cは、作動図柄は設定されておらず、BB-B〜Eに移行されるとその1ゲーム目から作動し、2回の遊技を消化するごとまたは2回の入賞がある(小役が2回成立する)ごと(すなわち2ゲームごと)に一旦終了し(遊技回数や入賞回数は適宜変更可)、直後に再開されるように制御される。また、BB-B〜Eが終了するときはRB-Cも(小役の成立回数や何ゲーム目かということには関係なく)終了するように制御される。
図17は、各々のボーナス状態及びレギュラーボーナスの性能と終了条件をまとめて示すものである。この図にも示すように、RB‐A,B中に単発で作動するRB‐AとRB‐Bは、終了条件が共通しており、8回の遊技消化または8回の入賞により終了するが、BB‐A中に連続作動するRB‐Dは、2回の遊技消化または2回の入賞により終了するように構成されている。制御上の処理負荷を考慮するならば、RB‐Dの終了条件をRB‐AまたはRB‐Bと共通に設定した方が、処理負荷が軽減されて好ましい。しかし、BB‐Aは18枚超の遊技メダルの払出しにより終了するので、最短で3回の遊技が行われた時点でBB‐Aが終了する可能性があり、そのため、RB‐Dの終了条件を8回の遊技消化または8回の入賞とすると、BB‐A開始時に作動した1回目のRB‐Dが、その終了条件を満たす前に(1回目の作動途中で)、BB‐Aが終了してしまうことになる。一般にBBとはRBを連続作動させるボーナス状態であるため、RBが1回しか作動しない場合があると一般的なBBとは整合しなくなってしまう。本実施形態では、このような事態が生じることを回避するため、BB‐A中に少なくとも1回はRB‐Dの作動が完了するように、その終了条件を定めている。
また、BB‐B〜E中に連続作動するRB‐Cは、RB‐Dと同じく、2回の遊技消化または2回の入賞により終了するように構成されている。RB−Cの終了条件は、297枚超の遊技メダルの払出しであるので、RB‐Cの終了条件を、RB‐A(RB−B)と同じく、8回の遊技消化または8回の入賞とした場合でも、BB‐B〜E開始時に作動した1回目のRB‐Cが、その終了条件を満たす前に(1回目の作動途中で)、BB‐B〜Eが終了してしまうことはない。しかし、本実施形態では、RB−Cの終了条件を、RB‐A(RB−B)と共通化するよりも、RB‐Dと共通化した方が制御上の処理負荷を軽減する効果が高い(RB−CとRB‐Dは、BB中に連続作動するという点で類似している)ことに着目し、RB−Cの終了条件をRB‐Dと共通化している。
フリーズ制御手段115は、所定の条件成立(条件充足)を契機として、遊技の進行に係る制御処理(例えば、ベット操作やリール回転開始操作、リール回転停止操作等を受け付ける処理等)の実行を所定時間遅延させるフリーズを設定するように構成されている。
遊技モード制御手段116は、図18に示すように、通常、通常中ボーナス、CZ前兆(CZは「チャンスゾーン」の略)、CZ中、CZ中ボーナス、ART準備(ARTは「アシストリプレイタイム」の略)、ART開始、ART中、ART終了、ART中ボーナス、ART上乗せ、及びART復帰の12個の遊技モードの設定を制御するように構成されている。以下、これらの遊技モードについて個別に言及するときは「通常モード」、「CZ中モード」というように、適宜「モード」という語を付けて記載する。
本実施形態では、12個の遊技モードを、通常区間に属する遊技モードと、有利区間に属する遊技モードとに大別している。通常区間は、主制御手段側では後述の押し順ナビ(押し順入賞ナビ及び押し順RPナビ)を行わない期間とするとともに、副制御手段側では後述の押し順ナビ演出を行わない期間としている。また、押し順を判別できる情報(YK番号やナビ番号等の情報)を主制御手段側から副制御手段側に送信しない期間ともしている。本実施形態では、YK番号の情報は送信せずに演出グループ番号を送信しているので、YK番号の情報から押し順が判別されることはない。さらに、通常区間は、有利区間への移行の可否を決定するための移行抽選(後述のCZ抽選)を行うことができる期間(ただし、ボーナス内部中やボーナス中は除く)でもある。ボーナス内部中やボーナス中は移行抽選を行わないようにしたのは、これらの状態が、遊技メダルを多く獲得できるボーナスが確定している有利な状態なので、それ以上有利になる状況が生じないようにすることを意図したものである。すなわち、本実施形態では、遊技者にとって有利とはいえない状態において、有利区間への移行抽選を行うようにしている。また、本実施形態では有利区間への移行抽選は、必ず役決定結果(ただし設定差のないものに限る)に基づいて行うようにしている。これは、例えば、通常区間に所定期間連続して滞在していれば有利区間に移行できるような設定とすると、そのことを知っている遊技者が、知らない遊技者よりも有利となる事態が生じてしまうことがあるので、そのような事態が生じないように配慮したものである。
有利区間は、主制御手段側では押し順ナビを行うことができる期間とするとともに、副制御手段側では押し順ナビ演出を行うことができる期間としている。また、押し順を判別できる情報を主制御手段側から副制御手段側に送信してもよい期間でもあるとしている。さらに、有利区間は、有利区間の性能等を変更する抽選(例えば、後述のCZ中ART抽選)や有利区間中のゲーム数を上乗せする抽選(例えば、後述のART上乗せ抽選)等の有利区間内抽選を行うことができる期間(ただし、ボーナス内部中やボーナス中は除く)でもある。ボーナス中に有利区間内抽選を行わないようにしたのは、少なくとも一部のボーナス役は設定差を設けているため、ボーナス中に有利区間内抽選を行うようにしていると、有利区間内抽選が設定差の影響を受ける虞があるからである。ボーナス内部中も有利区間内抽選を行わないようにしたのは、ボーナス役に当選してもそのことを直ちに遊技者に報知しないことが多く、その代わりボーナス内部中は、所定のゲーム数(例えば、後述の前兆ゲーム数、CZ中モードに滞在可能なゲーム数や、ARTゲーム数)のカウントを停止する場合があり(この場合も、副制御手段側で表示しているゲーム数のカウントは停止していない)、その場合に、有利区間内抽選(例えば、後述の敵カウンタ減算抽選)を行うと遊技者にとって著しく有利になる虞があるからである。遊技者は、ボーナス内部中であることを知っても(遊技者への報知後も)ボーナス役を敢えて成立させないこともできるので、遊技者が意図してそのような有利な状況を維持することが可能となるので、特にそのような事態が生じないように配慮したものである。また、有利区間内に連続して滞在できる期間(後述する1500ゲーム)を計数するカウンタについては、有利区間に滞在している限り例外なくカウントを継続するようにしている。また、有利区間内抽選は、役決定結果に基づいて行う場合は、設定差の無い役決定結果に限って行うようにしているし、役決定結果に基づいて行わない場合は、設定ランクを参照することなく行うようにしている。
また、有利区間では、有利区間中であることを遊技者に報知するための区間表示器を点灯するようにしている。この区間表示器は、そのための専用の表示器を設けることも可能であるが、本実施形態では、CREランプ46hを区間表示器として用いている。具体的には、CREランプ46hにおいて下位桁の小数点を表す8番目のセグメントランプを、区間表示器として利用している(別の態様とすることも可能であり、例えば、払出数表示ランプ46jにおいて下位桁の小数点を表す8番目のセグメントランプを、区間表示器として利用してもよい)。この区間表示器は、通常区間において有利区間への移行抽選に当選した時点から、次遊技において遊技メダルのベットが可能となる時点(再遊技作動状態のときはスタートレバーの操作が可能となる時点)までの期間内の任意の時点で点灯を開始し、有利区間が終了したことにより消灯するようにしている。次遊技において遊技メダルのベットが可能となる時点までに区間表示器を点灯するのは、遊技メダルの清算が可能となるまでに、有利区間に移行することを遊技者に報知することにより、遊技者が、有利区間に移行することに気付かずに遊技メダルを清算して遊技を終了してしまうことを防止するためである。遊技メダルのベットが可能となると、遊技メダルの清算も可能となるからである。なお、遊技者が清算するときは、その時点でのクレジット数を確認するために、CREランプ46hを見る可能性が高くなるので、本実施形態のように、CREランプ46hを区間表示器として用いることにより、遊技者が清算する前に、有利区間に移行することに気付く可能性が高くなるという効果も得られる。払出数表示ランプ46jを区間表示器として用いる場合であっても、CREランプ46hの近傍に払出数表示ランプ46jが設けられている場合は、同様の効果が得られる。例えば、払出数表示ランプ46jとCREランプ46hが横並びで設けられている場合や上下で設けられている場合である。
上述のように有利区間では、押し順ナビ及び押し順ナビ演出を行うことができるが、本実施形態では、有利区間に滞在中は、少なくとも1回は押し順入賞ナビを行うようにしている。すなわち、押し順入賞ナビを1回も行わない状態では有利区間を終了しないようにしている(例えば、後述するCZ中に16ゲーム滞在し、かつART非当選であれば、通常へ移行するはずであるが、有利区間中に押し順入賞ナビを1回も行っていなければ、CZ中に滞在し続ける)。これは、区間表示器を点灯してまでして有利区間であることを遊技者に報知しているのであるから(遊技を終了させないようにしているのであるから)、少なくとも1回は押し順入賞ナビを行うことによって、遊技者にメリットがあるようにしたものである。また、押し順入賞ナビを行うために有利区間を延長しているときに、ボーナス役に当選したら、終了するはずだった有利区間を終了させないようにする仕様であれば、さらにメリットがあるといえる。ただし、有利区間中に1度でもボーナス役に当選してボーナス遊技を終了している場合は、有利区間中に多くの遊技メダルを獲得するという利益を受けているので、1回も押し順入賞ナビを行っていなくても有利区間を終了できるようにしている。また、有利区間に連続滞在できる上限(後述の1500ゲーム)に達したときは、押し順入賞ナビを1回だけ行うためだけに有利区間を延長しても遊技者にとって大したメッリトが無い(延長しているときに、ボーナス役に当選しても、終了するはずだった有利区間を終了させないようにすることはできない)ので、1回も押し順入賞ナビを行っていなくても有利区間を終了するようにしている。なお、有利区間を終了するときは、有利区間に関連する情報(例えば、前兆ゲーム数、敵カウンタの値、ART貯留カウンタの値、ARTゲーム数、獲得した宝玉の数や種類に関する情報等)は、全てクリアされる。
通常モードは、特別役が未成立の状態で設定される通常区間の遊技モードであり、遊技中に最も滞在する期間が長くなると予想される遊技モードである。通常中ボーナスモードは、通常モード滞在中に特別役が成立することにより通常モードから移行される通常区間の遊技モードであり、移行後にボーナスが終了することにより、通常モードに移行されるようになっている。
CZ前兆モードは、通常モード滞在中に、所定の条件成立、例えば、設定差のない役決定結果が決定されたこと等を契機として行われる所定の抽選(「CZ抽選」とも称する)で当選すること(「CZ当選」とも称する)により、通常モードから移行される有利区間の遊技モード(特別役は未成立状態)である。CZ前兆モード滞在中に、所定数の遊技(「前兆ゲーム数」とも称する)を消化することにより、CZ中モードに移行される。前兆ゲーム数の値は、CZ当選時に抽選等により決定してもよいし、予め定められた固定値としてもよい。なお、CZ抽選を、役決定結果に基づくことなく行うように設定することもできるが、その場合は、設定ランクを参照せずに当否を決定することが好ましい。
CZ中モードは、ART当選を目指す有利区間の遊技モード(特別役は未成立状態)であり、所定期間(例えば16ゲームとするが適宜変更可能。設定差のない役決定結果が決定されたこと等を契機として行われる抽選等によりゲーム数を決定してもよい)設定される。CZ中モード滞在中は、最終ゲーム以外の遊技においては、設定差の無い役決定結果(抽選グループ番号)に応じて、所定のカウンタ(「敵カウンタ」と称する)の数値(初期値が例えば「20」に設定される)を減算させるための敵カウンタ減算抽選が行われることがあり、その結果、敵カウンタの値が「0」となるとART当選となる。なお、ART当選が得られるとART当選の回数を管理するためのカウンタ(「ART貯留カウンタ」とも称する)の値が「1」加算される(他の状況でART当選が得られた場合も同様)。CZ中モードの最終ゲームまでに敵カウンタ値が「0」とならなかった場合には、最終ゲームにおいて、その時点での敵カウンタ値に基づき所定の抽選(「CZ中ART抽選」とも称する)が行われ、その結果が当りであればART当選となる(CZ中モード滞在中の処理内容の詳細については後述する)。なお、敵カウンタ減算抽選を、役決定結果に基づくことなく行うように設定することもできるが、その場合は、設定ランクを参照せずに抽選を行うことが好ましい。
CZ中ボーナスモードは、CZ前兆モードまたはCZ中モード滞在中に特別役が成立することにより移行される有利区間の遊技モードであり、CZ中ボーナスモード移行後にボーナスが終了することにより、ART当選とされてART準備モードに移行される。このように、本実施形態ではCZ中ボーナスモード移行後にボーナスが終了することにより、ART準備モードに移行するようにしているが、その際に、役決定結果や設定ランクは参照していない。
ART準備モードは、ART開始モードの準備期間となる有利区間の遊技モード(特別役は未成立状態)である。ART準備モード滞在中に、RT2移行RPである再遊技役4が役決定で決定された場合(YK番号1〜6,8のいずれかが決定された場合)には、再遊技役4の成立の有無に拘らず、ART開始モードに移行されるようになっている。ART準備モードでは、YK番号1〜6のいずれかが選出された場合、押し順RPナビも行われて正解押し順が報知されるので、遊技者がそれに従うことにより再遊技役4が成立してRT2に移行またはRT2が維持される可能性は高い。なお、再遊技役4が成立した場合にART開始モードに移行されるように構成することも可能であるが、ART準備モードにおいて押し順入賞ナビを行うように設定している場合には、再遊技役4の成立の有無に拘らずART開始モードに移行されるように構成することが好ましい。遊技者が、再遊技役4を意図的に成立しないようにして、押し順入賞ナビが行われる期間を延ばすことを防止できるからである。
ART開始モードは、ART中モードで実行可能な遊技回数(「ARTゲーム数」とも称する)を決定するための有利区間の遊技モード(特別役は未成立状態)であり、1ゲーム限定で設定される(ゲーム数は適宜変更可)。ARTゲーム数は、ART開始モードに設定される1ゲーム中で行われる所定の抽選(「ループ加算抽選」とも称する)により決定される(ART開始モード滞在中の処理内容の詳細については後述する)。
ART中モードは、押し順入賞ナビが頻繁に実行されることにより多くの遊技メダルを獲得することが期待される有利区間の遊技モード(特別役は未成立状態)であり、ループ加算抽選により決定されたARTゲーム数が消化されるまで設定される。また、YK番号1〜6のいずれかが選出された場合、押し順RPナビが行われて正解押し順が報知される。ART中モード滞在中には、所定の条件成立、例えば、設定差のない役決定結果が決定されたこと等を契機として宝玉(後述のART再設定抽選が実行される権利を示すものであり、宝玉A、宝玉B、宝玉Cの3種類がある)の獲得を目指す所定の抽選(「宝玉獲得抽選」とも称する)が行われることがある(ART中モード滞在中の処理内容の詳細については後述する)。なお、ART開始モードからART中モードに移行されたことを契機として、ART貯留カウンタの値が「1」減算される。なお、宝玉獲得抽選を、役決定結果に基づくことなく行うように設定することもできるが、その場合は、設定ランクを参照せずに当否を決定することが好ましい。
ART終了モードは、ARTゲーム数の消化によりART中モードが終了すると設定される有利区間の遊技モード(特別役は未成立状態)である。ART終了モードでは、ARTモード中に獲得された宝玉の権利を使って(権利行使して)所定の抽選(「ART再設定抽選」とも称する)が毎遊技行われ、その結果が当りであればART当選となる。また、6個目以降の宝玉をどのような順番で権利行使するのかを決めるための抽選(「宝玉取出し抽選とも称する」)も毎遊技行われる(6個以上の宝玉を獲得している場合のみ行うようにしてもよい)。獲得された宝玉に基づいて実行可能な全てのART再設定抽選が終了した時点(全ての宝玉が権利行使されて無くなった時点)で、ART当選が得られている場合(ART貯留カウンタの値が1以上の場合)には、次遊技からART開始モードに移行される。一方、全ての宝玉が権利行使されて無くなり、かつART当選が得られなかった場合(ART貯留カウンタの値が0の場合)には、ART終了モード中の最後の遊技において特別役が当選して成立したときは次遊技から通常中ボーナスモードに移行され、それ以外のときは次遊技から通常モードに移行される(ART終了モード滞在中の処理内容の詳細については後述する)。なお、ART再設定抽選でART当選が得られたらART終了モードを終了させて次遊技からART開始モードに移行し、その時点で残っている宝玉があるときは、そのまま持ち越すようにしてもよい。
ART中ボーナスモードは、ART区間に属するART準備、ART開始、ART中、ART終了、ART上乗せ、及びART復帰の5個の遊技モードのいずれかに滞在中に、特別役が成立した場合(当選した場合とすることも可能)に、次遊技から設定される有利区間の遊技モードである。ART中ボーナスモードに移行された後、ボーナスが終了するとART上乗せモードに移行される。なお、ART中ボーナスモードに移行される前の時点でRAM(RAM63)の所定の記憶領域に記憶されていたARTに関連する情報(例えば、ARTゲーム数や、獲得した宝玉の数や種類に関する情報等)は、クリアされずに維持されてART上乗せモードに持ち越される(クリアするようにしてもよい)。
ART上乗せモードは、ART中ボーナスモードの終了後に、ARTゲーム数の上乗せを目指す有利区間の遊技モードである。先述したようにボーナス終了後は、RT状態がRT3に設定されるが(図16を参照)、ART上乗せモードは、このRT3に滞在している期間に合わせて設定される。ART上乗せモードでは、所定の条件成立、例えば、設定差のない役決定結果が決定されたこと等を契機としてARTゲーム数の上乗せを目指す所定の抽選(「ART上乗せ抽選」とも称する)が行われることがあり、それにより獲得された上乗せ数が、ARTゲーム数に加算されて更新されるようになっている。ART上乗せモード滞在中に、RT3から転落して非RTまたはRT1に移行すると、次遊技からART復帰モードに移行される。なお、ART上乗せ抽選を、役決定結果に基づくことなく行うように設定することもできるが、その場合は、設定ランクを参照せずに当否を決定することが好ましい。
ART復帰モードは、ART中モードへの復帰を目指す有利区間の遊技モードである。ART復帰モード滞在中に、RT2移行RPである再遊技役4が役決定で決定(YK番号1〜6のいずれかが決定(非RT中は選出されないのでRT1中のこととなる)された場合には、再遊技役4の成立の有無に拘らず、ART中モードに移行されるようになっている。ART復帰モードでは、YK番号1〜6のいずれかが選出された場合、押し順RPナビが行われて正解押し順が報知されるので、遊技者がそれに従うことにより再遊技役4が成立してRT2に移行される可能性は高い。なお、再遊技役4が成立した場合にART中モードに移行されるように構成することも可能であるが、ART復帰モードにおいて押し順入賞ナビを行うように設定している場合には、再遊技役4の成立の有無に拘らずART中モードに移行されるように構成することが好ましい。遊技者が、再遊技役4を意図的に成立しないようにして、押し順入賞ナビが行われる期間を延ばすことを防止できるからである。
本実施形態では、有利区間に連続滞在可能な期間を1500ゲーム(数値は適宜変更可)に限定している。具体的には、通常モードからCZ前兆モードに移行したときに、有利区間の滞在期間を管理するためのカウンタ(「有利区間カウンタ」とも称する)による計数を開始し、有利区間に属する遊技モードに滞在している間は毎遊技、有利区間カウンタの値を1ずつ加算し、その値が上限値(1500)に達すると次遊技から通常区間の遊技モード(CZボーナスモードまたはARTボーナスモードに滞在していた場合は通常中ボーナスモード、それ以外は通常モード)に移行させる。有利区間カウンタは、一旦計数開始されると、有利区間内において遊技モードが移行しても継続してカウントアップされるが、上限値に達する前に有利区間の遊技モードから通常区間の遊技モードに移行した場合には、それまでのカウント値はクリアされて「0」にリセットされる。また、移行する場合には、その時点でRAM(RAM63)の所定の記憶領域に記憶されていた有利区間に関連する情報(例えば、前兆ゲーム数、敵カウンタの値、ART貯留カウンタの値、ARTゲーム数、獲得した宝玉の数や種類に関する情報等)は、一切持ち越されることなく全てクリアされる(持ち越すように構成することも可能)。有利区間に連続滞在可能な期間に上限を設定したのは、このような上限を設定しないと有利区間が非常に長く継続してしまい遊技者の射幸心をいたずらに煽る虞があることに配慮したものである。
図15に戻り、ART制御手段117は、ART当選が得られるとART貯留カウンタの値を「1」加算するとともに、ART開始モードからART中モードに移行されるとART貯留カウンタの値を「1」減算する。また、ART開始モードにおいて、ARTゲーム数が決定されると、ARTゲーム数を管理するためのカウンタ(適宜「ARTゲーム数カウンタ」と称する)にその値をセットするとともに、ART中モードにおいて遊技が行われる毎にARTゲーム数カウンタの値を「1」減算する。さらに、ART上乗せモードにおいて、ARTゲーム数の上乗せが得られたときは、その値をARTゲーム数カウンタに加算する。なお、ARTゲーム数カウンタは、ART中モードにおいて毎遊技減算するのではなく、押し順入賞ナビを実行したときに減算するようにしてもよい。また、ART制御手段117は、ART中モードにおける宝玉の獲得、及びART終了モードにおける宝玉の権利行使を制御するように構成されている。
乱数発生・取込手段118は、上述のCPU61、クロックパルス発生器64、分周器65、乱数発生器66、乱数取込回路67で構成され、各種抽選に用いられる乱数を発生させ、取り込む。本実施形態では、最大で「0〜65535」までの数値範囲の乱数列を発生可能な4個(4ch;chは「チャンネル」の略)の16ビット乱数RL0〜RL3と、最大で「0〜255」までの数値範囲の乱数列を発生可能な4個(4ch)の8ビット乱数RS0〜RS3を有しており、それぞれが独立して乱数列を発生させることが可能となっている。これら乱数RL0〜RL3,RS0〜RS3が発生する乱数は、クロックパルス発生器64が発生するクロック信号に基づいて更新されるため、ハードウエア乱数(ハード乱数)と称されることもある。なお、図示はしていないが本実施形態では、乱数発生・取込手段118とは別の乱数発生手段を備えている。この乱数発生手段は、上述のCPU61、RAM63で構成され、役決定等に用いられる乱数として、所定の数値範囲の乱数列を発生可能な乱数を有している。この乱数は、プログラムに基づいて更新されるため、ソフトウエア乱数(ソフト乱数)と称されることもある。
16ビット乱数RL0〜RL3及び8ビット乱数RS0〜RS3は、更新クロック、起動方法、スタート値、乱数列変更方法、及び取込方法を、予め設定することが可能となっている。更新クロックは、各チャンネルで発生する乱数を更新するためのクロックであり、上述の内部クロックと外部クロック(適宜、分周や逓倍が可能)のいずれかから、チャンネル別に選択可能である。本実施形態では、例えば、16ビット乱数RL0の更新クロックを外部クロックとし、他の16ビット乱数RL1〜RL3と、4個の8ビット乱数RS0〜RS3の更新クロックを内部クロックとする。なお、後述するように、役決定に用いる乱数は、16ビット乱数RL0が発生した乱数にソフト乱数を加算したものを用いることが可能であるが、この場合、16ビット乱数RL0は外部クロックに基づく乱数とし、ソフト乱数は内部クロックに基づく乱数とすることが好ましい。両方とも外部クロックまたは内部クロックに基づく乱数とするとそのクロックが得られなくなると、乱数が更新されなくなってしまうなどの不具合が生じる虞があるからである。
起動方法は、スロットマシン1に電源が投入されたときに、各乱数をどのように起動させるかを決めるものであり、乱数列の最大値(乱数列の数値範囲の上限値)を初期設定値(16ビット乱数の場合は「65535」、8ビット乱数の場合は「255」)とは異なる値に設定して起動させる方法(「最大値設定起動」とも称する)と、乱数列の最大値を設定せず初期設定値のまま自動的に起動させる方法(「自動起動」とも称する)とのいずれかから、チャンネル別に選択可能である。本実施形態では、例えば、3個の16ビット乱数RL1〜RL3と2個の8ビット乱数RS0,RS1は最大値設定起動とし、残りの16ビット乱数RL0と8ビット乱数RS2,RS3は自動起動とする。設定する最大値は、16ビット乱数RL1〜RL3についてはいずれも「9999」とし、8ビット乱数RS0の最大値は「99」、8ビット乱数RS1の最大値は「199」とする(数値は適宜変更可能)。最大値を設定しない16ビット乱数RL0の最大値は初期設定値「65535」に自動的に設定され、同じく最大値を設定しない8ビット乱数RS2,3の最大値は、初期設定値「255」に自動的に設定される。
スタート値は、スロットマシン1に電源が投入されて起動される各乱数の一周目の乱数列をどの値から開始させるのかを決めるものであり、「1」、IDナンバー(遊技機ごとに付けられる固有の番号)に基づく所定値、固定の値ではなく電源投入される毎に変更される値のいずれかから(選択肢の内容は適宜変更可能)、チャンネル別に選択可能である。なお、スタート値の選択は16ビット乱数RL0〜RL3のみについて行うことが可能である(8ビット乱数RS0〜RS3についてもスタート値を選択可能に設定することも可能)。乱数列変更方法は、各乱数が発生する乱数列の並び方を決めるものであり、一定の規則に従う乱数列の並びとするのか、それとは異なる乱数列の並びに変更するのかを、チャンネル別に選択可能である。
取込方法は、発生した乱数(乱数値)を取り込む(ラッチする)手順を決めるものであり、更新クロックとして外部クロックを選択したか内部クロックを選択したかによって異なる方法が自動的に設定される。外部クロックを選択した場合は、プログラムにおいて乱数値を取り込むという処理命令がなされ、その処理命令に基づきRAM63の所定の記憶領域に乱数値が取り込まれ(ラッチされ)る。そして、抽選等に用いる際に、その取り込まれた乱数値(ラッチした乱数)を読み出す(リードする)。この場合、ノイズ対策のため、取り込まれた乱数値がリードされていないのに乱数値を取り込むという処理命令がなされても(プログラムにおいて処理命令がなされたのではなく、ノイズや不正行為により処理命令がなされても)、新たに乱数値を取り込まないように構成されている。一方、内部クロックを選択した場合は、プログラムにおいて乱数値を取り込むという処理命令はなされず、RAM63の所定の記憶領域に順次更新されながら取り込まれる。そして、抽選等に用いる際に、その取り込まれた乱数値を読み出す(リードする)。リードする場合、16ビット乱数では、下位バイトの値からリードが行われ、同時に上位バイトの値もリードされるようになっている。乱数値が取り込まれる記憶領域は、各チャンネルに1つ設けられている。
(遊技進行管理手段130を構成する各手段)
受容メダル管理手段131は、メダル投入口21から投入された遊技メダル(以下、適宜「投入遊技メダル」と称する)のうち実際に受け入れられた遊技メダル(本実施形態では、受入通路に導かれて投入メダルセンサ28bにより検出された遊技メダルをいう。以下、適宜「受容遊技メダル」と称する)を、直接ベットされる遊技メダルとするのか、クレジットされる遊技メダルとするのかを制御するように構成されている。本実施形態では、ベット数が最大ベット許容数(実施形態では、遊技を実行するのに必要となるベット数(規定数「3」)に達していない場合には、受容遊技メダルを直接ベットされる遊技メダルとし、ベット数が最大ベット許容数に達しており、クレジット数が最大クレジット許容数(本実施形態では「50」)に達していない場合には、受容遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとするように構成されている。
また、受容メダル管理手段131は、再遊技作動状態に設定された遊技において、自動ベット処理(遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく、前回の遊技におけるベット数と同数の遊技メダルがベットされた状態を設定する処理)を行うように構成されているが、クレジット数が最大クレジット許容数(本実施形態では「50」)に達していない場合には、受容遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとする。なお、ベット数が最大ベット許容数に達しており、かつクレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、投入された遊技メダルは受け入れられずに返却されるようになっている。
役決定手段132は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、予め設定された役決定確率(選出確率、当選確率)に基づき複数の役決定結果番号(YK番号、YYK番号)の中から少なくとも1つの役決定結果番号を選出するための役決定処理(役決定)を行うように構成されている。この役決定処理は、上述の16ビット乱数RL0が発生する乱数を用いて行われる。具体的には、スタートレバー25が操作されたことを契機として、16ビット乱数RL0が発生した乱数を取り込む。そして、役決定処理を行う際に、取り込んだ乱数を読み出しし、その読み出した乱数に所定のソフト乱数を加算し、加算後の乱数を用いて、役決定結果番号を選出するように構成されている。所定のソフト乱数を加算せず、読み出した乱数を用いて、役決定結果番号を選出するようにしてもよい。
役決定処理は、予め設定された所定の役決定テーブル(図示略)を参照して行われる。役決定テーブルは、各当選項目に対応した置数データが設定ランク別に、ROM62内の所定の記憶領域(複数のアドレス)に記憶された構成のものとなっている。役決定処理において、1つまたは複数の役決定結果番号(YK番号、YYK番号)が選出されると、選出された役決定結果番号に対応した遊技役が当該遊技における成立許容役となる。選出された役決定結果番号の情報はRAM63の所定の記憶領域に記憶されるが、YYK番号の情報が記憶される領域とYK番号の情報が記憶される領域は別に設定されている。1つの遊技において記憶されたYK番号の情報は、小役や再遊技役の成立の有無に拘わらず、当該遊技の終了後にクリア(「0」にリセット)される。クリアせず、次の遊技で上書きされるようにしてもよい。これに対し、YYK番号の情報は、一旦記憶されると、特別役が成立するまでは、記憶されたまま次遊技に持ち越される。本明細書では、YYK番号の情報が記憶されたまま持ち越されている状態を、特別役の当選持越し中と称したりボーナス内部中と称したりする。
演出グループ番号決定手段133は、役決定処理により選出されたYK番号の情報から演出グループ番号の情報を生成する処理を行うように構成されている。この演出グループ番号は、役決定処理により選出される各YK番号に対応付けられるものであり、特に、押し順の違いによって遊技上の有利、不利(出玉への影響)が生じたり、遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じたりする所定の数値範囲内のYK番号に対しては、1つの演出グループ番号が対応付けられるようになっている。例えば、YK番号の値が「1〜6」の範囲内に属する各YK番号に対しては値「1」の演出グループ番号が対応付けられ、YK番号の値が「17〜40」の範囲内に属する各YK番号に対しては値「9」の演出グループ番号が対応付けられ、YK番号の値が「41〜43」の範囲内に属する各YK番号に対しては値「10」の演出グループ番号を対応付けられる。
演出グループ番号1が対応付けられるYK番号1〜6(再遊技A1〜A6)は、RT2移行RPである再遊技役4を含む複数の再遊技役が重複当選として対応付けられており、押し順によって成立する再遊技役が異なり、その結果によりRT状態が決定されるものである。また、演出グループ番号9が対応付けられるYK番号17〜40(入賞A1〜F4)と、演出グループ番号10が対応付けられるYK番号41〜42(入賞G1〜G3)は、9枚役と1枚役を重複当選として対応付けられており、押し順によって成立する入賞役が異なり、その結果により遊技メダルの払出数が決定されるものである。このように、これらのYK番号は、押し順の違いによって遊技上の有利、不利(出玉への影響)が生じたり、遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じたりするものとなっている。これに対し、押し順の違いによって遊技上の有利、不利に影響しない(出玉への影響がない)再遊技役のYK番号、押し順の違いによって遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じない小役(入賞役)のYK番号、獲得し得る遊技メダル数自体が少ない(例えば、ベットの規定数以下)の小役(入賞役)のYK番号等については、複数のYK番号に対し1つの演出グループ番号を対応付けなくてもよい。例えば、YK番号の値と同じ値の演出グループ番号を対応付けるようにしてもよい。
本実施形態では、YK番号の情報は副制御手段には送信されず、代わりに演出グループ番号の情報が送信されるようになっており、これにより、以下の効果が得られる。すなわち、演出グループ番号は、押し順によって遊技者にとって有利、不利が生じるYK番号については、複数のYK番号に対して1つの演出グループ番号が対応付けされている。そのため、演出グループ番号の情報だけでは、押し順によって成立役が異なる役決定結果が得られたという概略的な内容は特定できても、何れの正解押し順に対応するYK番号に当選したのかまでは特定できない。したがって、主制御手段から副制御手段への情報伝達路に不正にアクセスして演出グループ番号の情報を不正に取得しても、そこから有益な情報(正解押し順等の情報)を得ることができなくなるので、このような不正行為を抑止できるという効果が得られる。また、副制御手段では、役決定処理により当選役となった遊技役の種類に応じて、画像演出の背景の色彩や内容を変更する場合がある。このため、同じカテゴリに属する複数のYK番号に対して共通の演出グループ番号を対応付けしておくことにより、その演出グループ番号の情報を受信した副制御手段は、その情報に応じて、そのカテゴリに応じた画像演出を行うことも可能となるという効果も得られる。
本実施形態では、押し順を報知する必要があるかないかに拘わらず演出グループ番号を決定してその情報を副制御手段に送信するようにしている(これにより、制御プログラムを簡略化し得る)が、押し順を報知する必要がない状況でのみ演出グループ番号を決定し、押し順を報知する必要がある状況では演出グループ番号を決定することなく、YK番号の情報をそのまま副制御手段に送信するようにしてもよい。もちろん、押し順を報知する必要があるかないかに拘わらず演出グループ番号を決定するが、押し順を報知する必要がある状況では、YK番号が所定の範囲内に属する場合であっても、YK番号の値をそのまま演出グループ番号の値として決定するようにしてもよい。このようにした場合は、後述のナビ番号を設けないことも可能となる。
リール制御手段134は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、最小遊技時間が経過していることを確認した後、リール3a〜3cを回転開始させ、回転開始させた全リールが定速回転状態となった後、ストップスイッチ26a,26b,26cが順次操作されたこと(ストップスイッチ26a〜26cの各操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、対応する各リール3a〜3cを順次回転停止させるように構成されている。
各リール3a〜3cの回転停止制御は、役決定処理により選出された役決定結果番号に応じて設定(セット)される各停止テーブル(図示略)に基づき、ストップスイッチ26a〜26cの操作態様(押し順や操作タイミング等)に応じて行われる。各リール3a〜3cは、ストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたタイミングから、各リール3a〜3cが所定の停止許容時間(例えば190ミリ秒)以内に停止するように(本実施形態では、最大滑りコマ数5コマの範囲内で)行われる。
すなわち、役決定処理の結果、所定の遊技役が成立許容役として選出されている場合、停止許容時間の範囲内において可能な限り、その選出された遊技役の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されるように、ハズレの場合には、いずれの遊技役の対応図柄も有効ライン29上に停止表示されないように、リール3a〜3cの停止制御がなされるようになっている。なお、本実施形態では、特別役の当選持越し中に再遊技役または小役が当選した場合、再遊技役、小役の方を優先して(優先順位は再遊技役の方が高いが変更可)成立させる再遊技役優先または小役優先のリール回転停止制御が行われるようになっている。
停止表示図柄判定手段135は、リール3a〜3cにより停止表示された図柄がどの図柄であるかを判定するとともに、有効ライン29上に停止表示された図柄の組合せから、遊技役が成立しているかどうかを判定するように構成されている。
再遊技役が立した場合には、再遊技役の対応図柄(「再遊技作動図柄」とも称する)が有効ライン上に停止表示されたことを示す情報(「再遊技作動図柄表示情報」とも称する)が、RAM63の所定の記憶領域に記憶されるようになっている。また、特別役が成立した場合には、特別役の対応図柄(「ボーナス作動図柄」とも称する)が有効ライン上に停止表示されたことを示す情報(「ボーナス作動図柄表示情報」とも称する)が、RAM63の所定の記憶領域に記憶されるように構成されている。本明細書では、再遊技作動図柄表示情報を記憶することを、再遊技作動図柄表示フラグをセットするとかONにする等と称し、記憶した再遊技作動図柄表示情報情報をクリアすることを、再遊技作動図柄表示フラグをクリアするとかOFFにする等と称する。同様に、ボーナス作動図柄表示情報を記憶することを、ボーナス作動図柄表示フラグをセットするとかONにする等と称し、記憶したボーナス作動図柄表示情報をクリアすることを、ボーナス作動図柄表示フラグをクリアするとかOFFにする等と称する。また、再遊技作動図柄表示フラグとボーナス作動図柄表示フラグのことを総称して「作動図柄表示フラグ」とも称する。
払出メダル管理手段136は、小役が成立した場合に成立した小役に応じた数の遊技メダルを、クレジット数が最大クレジット許容数に達していない場合には、クレジット数に加算する貯留加算払出しにより、クレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、ホッパー駆動回路52を介してホッパー50を駆動させる実払出しにより、払い出すようになっている。また、払出メダル管理手段136は、清算操作(清算スイッチ24の押圧操作)が有効に受け付けられた場合に、ベットされていた数の遊技メダルまたはクレジットされていた数の遊技メダルを、ホッパー50を駆動させて払い戻すようになっている。
ブロッカ制御手段137は、上述のブロッカ48を制御するためのブロッカ信号を出力して、ブロッカ48をON状態(遊技メダル受入可能状態)とOFF状態(遊技メダル受入不可状態)との間で切り替えるように構成されている。なお、ブロッカ48がOFF状態とされた場合、メダル投入口21に投入された遊技メダルは、返却通路に導かれ返却される。ただし、遊技メダルが投入されたことは、投入メダルセンサ28aにより検出されるようになっている。
表示用ランプ制御手段138は、上述の各種表示用ランプ(MAX−BET表示ランプ46a、BETランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、CREランプ46h、払出数表示ランプ46j)の点灯や消灯等に関する制御を、表示用ランプ制御回路47を介して行うように構成されている。なお、払出数表示ランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させる場合は、押し順管理手段139により払出数表示ランプ46jの制御が行われる。
押し順管理手段139は、役決定処理により選出された役決定結果番号(YK番号)に応じて、報知する押し順に対応したナビ番号(「0〜6」の何れか)を選出するようになっている。本実施形態では、図19のナビ番号‐対応押し順‐表示内容対応表に示すように、各ナビ番号が設定されている。ナビ番号0は、押し順を報知しないときに選出されるもので、対応押し順は「不明」とされる。ナビ番号1〜6は、第一押し順から第三押し順までを報知したいときに選出されるもので、対応押し順は図19の対応表に示すように設定されている。例えば、ナビ番号2の対応押し順は「左右中」であり、ナビ番号5の対応押し順は「右左中」といった具合である。
また、押し順管理手段139は、払出数表示ランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させ、選出したナビ番号を報知させるようにも構成されている。以下、主制御手段100が行うナビ番号の報知のことを「押し順ナビ」または「メイン側押し順ナビ」と称する。押し順ナビとは、YK番号1〜6,17〜43いずれかが選出されたときに、その正解押し順に対応したナビ番号を報知する処理の総称である。また、押し順ナビのうち、YK番号1〜6のいずれかが選出されたときに、その正解押し順に対応したナビ番号を報知するものを「押し順RPナビ」または「メイン側押し順RPナビ」と称し、YK番号17〜43のいずれかが選出されたときに、その正解押し順に対応したナビ番号を報知するものを「押し順入賞ナビ」または「メイン側押し順入賞ナビ」と称する。この押し順ナビは、具体的には払出数表示ランプ46jに設けられた2つの7セグメントランプ(以下「7セグ」と略記することがある)を用いて、ナビ番号を報知する。図20にその報知態様の一例を示す。図20(A)は、ナビ番号2を表示する場合の態様であり、左の7セグに「=」を右の7セグに「2」を表示している。図20(C)は、ナビ番号4を表示する場合の態様であり、左の7セグに「=」を右の7セグに「4」を表示している。左の7セグに表示する「=」は、払出数表示ランプ46jにおいて払出数を表示しているときと区別するためのものである。なお、ナビ番号0が選出された場合には払出数表示ランプ46jによる表示は行われない(各ナビ番号と払出数表示ランプ46jによる表示内容との対応関係は図19を参照)。もちろん、左の7セグに「=」を右の7セグに「0」を表示してもよいし、左の7セグに「0」を右の7セグに「0」を表示してもよいし、右の7セグのみに「0」を表示してもよい。
本実施形態では、払出数表示ランプ46jをメイン側押し順報知器として使用するときと、遊技メダルの払出数の表示器として使用するときとの切替えを次のタイミングで行う。すなわち、1つの遊技において払出数を表示した後、次遊技でベット操作が行われたときに、払出数表示ランプ46jの表示を「00」に切り替える。そして、スタートレバー25が操作された時から各リールが定速回転状態になるまでの間の所定のタイミングにおいて、ナビ番号を表示する。また、最後のストップスイッチが離されたこと、または全てのリールが停止したことを契機として、ナビ番号を表示した払出数表示ランプ46jの表示を「00」に切り替える。その後、遊技メダルの払出処理に応じて、払出数を表示する。もちろん、ナビ番号を表示していた払出数表示ランプ46jの表示を「00」に切り替えることなく、遊技メダルの払出処理に応じて、払出数を表示するようにしてもよい。なお、ベット操作が行われたときに払出数表示ランプ46jの表示を「00」ではなく、一旦消灯するようにしてもよい。同様に、ナビ番号の表示から払出数の表示に切り替えるときも、払出数表示ランプ46jを一旦消灯するようにしてもよい。
上記抽選グループ番号決定手段140は、役決定処理により選出されたYK番号及びYYK番号に応じて、ART関連抽選において当選値を選出するために用いられる抽選グループ番号を決定するように構成されている。本実施形態では、抽選グループ番号として、抽選グループ番号0から抽選グループ番号9までの10個の番号を設けるとともに、役決定において決定されるYK番号及びYKK番号を10個のグループに分け(いずれのグループにも含まれないYK番号やYYK番号を設けてもよい)、その各々のグループに対して、いずれかの抽選グループ番号を対応付けている。その対応付けの仕方は任意に決めることができるが、例えば、抽選グループ番号を、設定差の無い抽選グループ番号(例えば、抽選グループ番号1〜8)と、設定差のある抽選グループ番号(例えば、抽選グループ番号0,9)とに大別して、設定差の無い抽選グループ番号は、設定差の無いYK番号及びYYK番号のみで構成されるグループに対応付け、設定差のある抽選グループ番号は、設定差のあるYK番号及びYYK番号を含むグループに対応付けしてもよい。そして、ART関連抽選(例えば、敵カウンタ減算抽選)の抽選契機として抽選グループ番号を用いる場合は、必ず設定差の無い抽選グループ番号を用い、設定差のある抽選グループ番号は、ART関連抽選の抽選契機としては用いないようにしてもよい(用いることも可能)。このように、抽選グループ番号の値の数は「0〜9」の10個であり、YK番号及びYYK番号の数よりも大幅に少なくなっている。このため、ART関連抽選等において、YK番号及びYYK番号を参照して当選値を選出するように構成した場合よりも、当選値選出のために必要となるルックアップテーブル等のデータ量を少なくすることが可能となるとともに、抽選を行うための処理負荷も軽減することが可能となる。
上記ART関連抽選実行手段141は、遊技モードの移行契機となったり、有利度が変わる契機となったりする抽選結果を選出可能な、スロットマシン1における出玉率(遊技の用に供された遊技メダル数に対する払出数の割合)に影響を及ぼす一群の抽選(「ART関連抽選」とも称する)を実行するように構成されている。本実施形態では、このようなART関連抽選として、通常モード滞在中にCZモードへの移行契機となるCZ当選を目指して行われるCZ抽選、CZ中モード滞在中にART準備モードへの移行条件となるART当選を目指して行われる敵カウンタ減算抽選や最終ゲームで行われるCZ中ART抽選、ART開始モード滞在中にARTゲーム数を決定するために行われるループ加算抽選、ART中モード滞在中に宝玉の獲得を目指して行われる宝玉獲得抽選、ART終了モード滞在中に行われる、獲得された6個目以降の宝玉の権利行使の順番を決める宝玉取出し抽選や、ART当選を目指して行われるART再設定抽選などが設けられている。
ART関連抽選に属する各抽選を行う際の抽選契機としては適宜設定することが可能である。例えば、役決定が行われたことを契機としてをART関連抽選を行い、その当選確率等が役決定の結果(役決定結果番号や抽選グループ番号)に応じて変わるように設定してもよい。ただし、本実施形態では、役決定結果をART関連抽選の抽選契機とする場合には、設定差の無いYK番号及びYYK番号、抽選グループ番号が選出された場合のみに限定し、設定差のあるYK番号、YYK番号及び抽選グループ番号が選出された場合には、それを契機としてART関連抽選は行わないようにしている。これは、設定差のあるYK番号等をART関連抽選の抽選契機として用いると、設定ランクに応じてART関連抽選における当選確率が大きく変動し、極端な場合、設定ランクが低いとき(例えば設定ランク1の場合)には通常区間から有利区間へ移行することさえできないのに対し、設定ランクが高いとき(例えば設定ランク6の場合)には有利区間での滞在期間が長くなって非常に多数の遊技メダルを獲得することができるなど、設定差に応じて遊技結果に大きな差が生じる虞があることを考慮したものである。ART関連抽選の抽選契機としては、役決定結果以外でも適宜設定することができる。例えば、毎遊技で役決定結果とは無関係にART関連抽選を行うことや、所定数の遊技を消化する毎に役決定結果とは無関係にART関連抽選を行うことなどが挙げられる。ただし、通常区間から有利区間への移行抽選(上述のCZ抽選)に関しては、設定差の無い役決定結果に基づいて行うことが好ましい。
(メイン通信制御手段150を構成する各手段)
制御コマンド送信手段151は、遊技に関する各種の情報を含む制御コマンドを、所定のタイミングで送信するように構成されている。例えば、スタートレバーが操作される前に送信する制御コマンドとしては、どの遊技モードに設定されているかのかを示す情報を含む制御コマンド(適宜「遊技モードコマンド」と称する)、どのRT状態に設定されているかのかを示す情報を含む制御コマンド(適宜「RTコマンド」と称する)、ボーナスや再遊技の作動状態を示す情報を含む制御コマンド(適宜「作動状態コマンド」と称する)がある。また、スタートレバーが操作されたことを契機として送信する制御コマンドとしては、例えば、ナビ番号の情報を含む制御コマンド(適宜「ナビ番号コマンド」と称する)、演出グループ番号の情報を含む制御コマンド(適宜「演出グループ番号コマンド」と称する)、役物の役決定結果番号(YYK番号)の情報を含む制御コマンド(適宜「YYK番号コマンド」と称する)がある。この他に、設定ランクの情報を含む制御コマンド、ARTゲーム数カウンタなど各種カウンタの値の情報を含む制御コマンド、副制御手段において実行する演出内容を指示する情報を含む制御コマンド等を、スタートレバーが操作される前、スタートレバーが操作されたことを契機、またはその他を契機として送信するようにしてもよい。
また、制御コマンド送信手段151は、最小遊技時間の経過が確認されたことを契機として、全リールが回転開始するよりも前に、全リールが回転開始することを示す情報を含む制御コマンド(適宜「全回胴回転開始コマンド」と称する)を送信する。さらに、第一停止操作(1番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第一停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(適宜「第一停止受付コマンド」と称する)を送信するとともに、第一回胴停止(第一停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第一回胴停止の情報を含む制御コマンド(適宜「第一停止コマンド」と称する)を送信する。同様に、第二停止操作(2番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第二停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(適宜「第二停止受付コマンド」と称する)を送信するとともに、第二回胴停止(第二停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第二回胴停止の情報を含む制御コマンド(適宜「第二停止コマンド」と称する)を送信する。同じく、第三停止操作(3番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第三停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(適宜「第三停止受付コマンド」と称する)を送信するとともに、第三回胴停止(第三停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第三回胴停止の情報を含む制御コマンド(適宜「第三停止コマンド」と称する)を送信する。さらに、停止図柄判定する前に、全回胴停止の情報を含む制御コマンド(適宜「全停止コマンド」と称する)、停止図柄判定した後に、遊技メダルの払出数の情報を含む制御コマンド(適宜「払出数コマンド」と称する)を送信する。
また、本実施形態では、YYK番号コマンドを、スタートレバーが操作されたことを示すコマンドとして利用し、副制御手段が、このYYK番号コマンドを受信したことを契機として、スタートレバーが操作された際に実行する演出(以下「レバー操作受付時の演出」とも称する)を開始するようになっている。これにより、スタートレバーが操作されたことを示すコマンドを別コマンドとして送信する必要がないので、主制御手段における処理負荷を低減することが可能となっている。レバー操作受付時の演出は、演出グループ番号コマンドを受信したことを契機として、開始するようにしてもよい。このようにした場合には、ナビ番号コマンドを演出グループ番号コマンドより先に送信することにより、この順序で制御コマンドを受信する副制御手段では、レバー操作受付時の演出の一例としての後述の押し順ナビ演出を実行する際の報知態様を、ナビ番号コマンドと演出グループ番号コマンドとに基づき決定して、押し順ナビ演出を開始することが可能となる。なお、主制御手段100と副制御手段200(サブメイン制御手段200A)との間の通信は、前者から後者への一方向のみ可能となっている。
上記外端信号送信手段152は、所定の遊技状態となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外端信号を送信するように構成されている。本実施形態では、外端信号として、BB信号とRB信号を送信するようになっている。BB信号は、通常区間から有利区間へ移行するとき(通常モードからCZ前兆モードに移行するとき)、CZ中モードからART準備モードに移行するとき、ART準備モードからART開始モードに移行するときや、ART開始モードまたはART復帰モードからART中モードに移行するときなどにONにされ、BB役が成立した場合や、有利区間から通常区間に移行するときにOFFにされる。一方、RB信号は、BB役が成立したときにONにされ、BB役の成立により作動するボーナスが終了したときにOFFにされる。なお、BB信号及びRB信号のON・OFF状態を所定の表示ランプ等に表示してもよい。BB信号がONであるときには、BB役が当選してもBB信号をOFFにせず、BB役が成立した場合はBB信号をOFFにするとともに、RB信号をONにするようにしている。これは、BB役の当選によりBB信号をOFFにしてしまうと、有利区間が終了していないのにBB信号がOFFになることで、BB役が当選したことが遊技者に分かってしまうからである。なお、主制御手段が管理する、BB役が当選していることを報知するための表示ランプ(「ボーナスランプ」と称する)を設け、既に報知が行われている場合は、BB役が成立する前であってもBB信号をOFFにしてもよい。ただし、このようなボーナスランプではなく、副制御手段が管理する画像表示装置によりBB役が当選していることが報知された場合には、BB信号をOFFにしない。
一方、副制御手段200は、主にランプ演出、画像演出及び音声演出の管理(指示)を行うサブメイン制御手段(「第1副制御手段」とも称する)200Aと、主に画像演出及び音声演出を制御(実行)するサブサブ制御手段(「第2副制御手段」とも称する)200Bを備えてなる。
サブメイン制御手段200Aは、大別すると、演出管理手段210とサブメイン通信制御手段230とを備えている。演出管理手段210は、ゲーム演出管理手段211、報知演出管理手段212及びランプ演出制御手段213を備えており、サブメイン通信制御手段230は、制御コマンド受信手段231、演出コマンド送信手段232及び状態コマンド受信手段233を備えている。なお、サブメイン制御手段200Aにおける上述の各手段は、図2に示すサブメイン制御基板70A上に配されたサブメインCPU71、ROM72、RAM73、電子回路等のハードウエア及びROM72に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出管理手段210を構成する各手段)
ゲーム演出管理手段211は、主に遊技の興趣向上や遊技性を高める目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「ゲーム演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。ゲーム演出としては、例えば、連続演出や単発演出、アシスト演出等がある。
連続演出とは、複数の遊技期間に亘って連続する演出であり、主に画像表示装置11を用いて、一続きの物語となるような画像を複数の遊技期間に亘って表示するものや、ボーナス中であることや、所定の遊技モード(例えば、CZ中やART中)に滞在中であることを象徴するような演出画像等を表示するものなどが挙げられる。なお、連続演出や次述する単発演出を行う際に、演出ランプ12,13a,13b,14a,14bや飾りランプ32a,32bを用いた演出を行ったり、スピーカ15a,15b,44a,44bを用いた演出を組み合わせて行ったりしてもよい。
単発演出とは、遊技の進行過程において特定の状況が生じた場合等に単発的に実行される演出である。例えば、各リールの回転時に、遊技役の当選期待度を暗示するような画像を、画像表示装置11により表示する演出などが挙げられる。また、主制御手段100においてARTゲーム数が加算されたことを契機として、加算されたARTゲーム数の値(例えば「+30」等の文字)を、画像表示装置11の表示画面11a上に表示する演出も単発演出の例として挙げられる。
アシスト演出は、遊技者を支援するための演出で、本実施形態では、主に、主制御手段100からのナビ番号コマンドにより伝達されるナビ番号の情報に応じて、押し順ナビ演出(副制御手段側で行われるものをいう)が行われる。この押し順ナビ演出(「サブ側押し順ナビ」ともいう)は、画像表示装置11をサブ側押し順表示器として利用して、遊技者に対し、ナビ番号に応じた押し順(正解押し順)を表示画面11a上に表示する単発の演出である。本実施形態では、上述の押し順RPナビに対応する押し順RPナビ演出(「サブ側押し順RPナビ」ともいう)と、押し順入賞ナビに対応する押し順入賞ナビ演出(「サブ側押し順入賞ナビ」ともいう)とを実行するようになっている。
押し順ナビ演出の具体的態様としては、例えば、ナビ番号2(対応押し順「左右中」)の情報を含むナビ番号コマンドを受信した場合には、図20(B)に示すように、対応する押し順を示す数字を「1、3、2」の順番で左側から並べて表示し、ナビ番号3(対応押し順「中左右」)の情報を含むナビ番号コマンドを受信した場合には、図20(D)に示すように、対応する押し順を示す数字を「2、1、3」の順番で左側から並べて報知する態様が例として挙げられる(その他のナビ番号に対応する表示態様例については図19を参照)。
また、第一押し順から第三押し順までを表示する場合には図20(E)に示すように、表示した第一押し順に従って遊技者が1番目のストップスイッチを操作した時点で第一押し順の表示を消し、表示した第二押し順に従って遊技者が2番目のストップスイッチを操作した時点で第二押し順の表示を消し、表示した第三押し順に従って遊技者が3番目のストップスイッチを操作した時点で第三押し順の表示を消すようにしてもよい。また、表示した押し順とは異なる順番で遊技者がストップスイッチを操作した場合には、押し順ナビ演出を直ちに終了するようにしてもよい。さらに、押し順を表示する際には、「なか」という音声、「ひだり」という音声、及び「みぎ」という音声を、次に行うべき操作と対応付けてスピーカ15a,15b等から出力するようにしてもよい。さらに、演出ランプ13aを「左」、演出ランプ12を「中」、演出ランプ13bを「右」に対応させて、次に行うべき操作と対応付けて発光または点滅させるようにしてもよい。
報知演出管理手段212は、主に遊技に関する情報を遊技者に報知する目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「報知演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。報知演出としては、例えば、エラーが発生したことを「エラー発生」というような文字情報で報知するエラー報知演出や、電源断復帰時に画像が準備中であることを「画像準備中」というような文字情報で報知する演出等が挙げられる。
ランプ演出制御手段213は、演出ランプ12,13a,13b,14a,14b、飾りランプ32a,32b、バックランプ38a〜38dを用いた各種の照明演出を制御するように構成されている。
(サブメイン通信制御手段230を構成する各手段)
制御コマンド受信手段231は、主制御手段100からの制御コマンドを受信し、RAM73等の所定の記憶領域(例えば、受信した制御コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
演出コマンド送信手段232は、主制御手段100からの制御コマンドに基づき、演出に関する各種の情報を含む演出コマンド(例えば、画像情報を含む演出コマンド等)をサブサブ制御手段200Bに送信するように構成されている。
状態コマンド受信手段233は、サブサブ制御手段200Bからの状態コマンド(例えば、演出コマンドの受信エラーが発生したという情報を含む状態コマンド等)を受信し、RAM73等の所定の記憶領域(例えば、受信した状態コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
以上のように構成されたサブメイン制御手段200Aに対し、サブサブ制御手段200Bは、大別すると、演出実行制御手段250とサブサブ通信制御手段270とを備えている。演出実行制御手段250は、ゲーム演出実行制御手段251と報知演出実行制御手段252を備えており、サブサブ通信制御手段270は、演出コマンド受信手段271と状態コマンド送信手段272を備えている。なお、サブサブ制御手段200Bにおける上述の各手段は、図2に示すサブサブ制御基板70B上に配されたサブサブCPU75、ROM76、RAM77、電子回路等のハードウエア及びROM76に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出実行制御手段250を構成する各手段)
ゲーム演出実行制御手段251は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述のゲーム演出を実行するように構成されている。
報知演出実行制御手段252は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述の報知演出を実行するように構成されている。
(サブサブ通信制御手段270を構成する各手段)
演出コマンド受信手段271は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドを受信し、RAM77等の所定の記憶領域(例えば、受信した演出コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
状態コマンド送信手段272は、上述の状態コマンドをサブメイン制御手段200Aに送信するように構成されている。
上述した制御コマンド送信手段151からの制御コマンドの送信、演出コマンド送信手段232からの演出コマンドの送信、及び状態コマンド送信手段272からの状態コマンドの送信は、いずれもシリアル通信方式により行われる(パラレル通信方式で行うようにしてもよい)。また、各送信手段151,232,272は、それぞれ同様の構成を有しており、送信するコマンドを一時記憶する記憶領域としてのコマンドバッファ(「CB」とも称する)、送信するコマンドの書込みや読出し等の処理を行うコマンド処理部、及び、シリアル通信によりコマンドを送信するコマンド送信部を備えてなる。
CBは、各々のアドレスによって区別される複数の記憶領域を有し、各々の記憶領域に1バイトのコマンドデータを記憶できるように構成されている。コマンド処理部は、送信するコマンドデータを生成し、それをCBの書込ポインタが示すアドレス領域に書き込むとともに、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、それをコマンド送信部のTDR(送信用データレジスタ)に書き込むように構成されている。コマンド送信部は、TDRに書き込まれたコマンドデータをTSR(送信シフトレジスタ)に移し、そこでシリアル変換して送信するように構成されている。なお、パラレル通信方式で行う場合は、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から、以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータを所定の出力ポート(副制御手段に送信するための出力ポート)に書き込むことで送信するように構成される。
本実施形態における1つのコマンドは、通常、2バイト構成である(チェックサムは1バイト構成)。また、通信方式は調歩同期式(非同期式)であり、1ビットのストップビット、1ビットのパリティビット(偶数パリティ)を有している(通信方式やコマンド構成は適宜変更可)。
<情報の記憶領>
次に、本実施形態の主制御手段の記憶領域について、図21〜31を追加参照して説明する。図21のメモリマップに示すように主制御手段100の記憶領域は、データの読み出しが可能なROMの領域(ROM62に相当)と、データの書き込み及び読み出しが可能なRAMの領域(RAM63に相当)と、データの書き込み及び読み出しが可能なレジスタの領域と、未使用の領域とに大別される。ROMの領域はさらに、制御領域やデータ領域等の複数の領域に分けられ、特にアドレス「2FC0H」から「2FFFH」の領域は、プログラム管理エリアとして使用される。
ROMのデータ領域には、各種のルックアップテーブルが記憶されている。具体的には、図22の(A)に示す乱数最大値設定テーブル、同図(B)に示す敵カウンタ減算抽選オフセットテーブル、同図(C)〜(E)と図23の(A),(B)に示す敵カウンタ減算抽選テーブル1〜5、同図(C)に示すダメージセットテーブル、図24に示す当選番号抽選置数テーブル、図25の(A),(B)に示すARTゲーム数加算抽選オフセットテーブル1,2、同図の(C)〜(E)と図26の(A)〜(F)に示すARTゲーム数加算抽選テーブル1〜9、及び図27に示すARTゲーム数加算データテーブル等がROMのデータ領域に記憶されている。
乱数最大値設定テーブルは、16ビット乱数RL1〜3、8ビット乱数RS0,1の各最大値を記憶するテーブルである。16ビット乱数RL1〜3の各最大値は、その上位8ビットの数値と下位8ビットの数値とが、2つのアドレスにそれぞれ分けて記憶され(例えば、16ビット乱数RL1の最大値はアドレス「1200H」と「1201H」に記憶され)、8ビット乱数RL0,RL1の各最大値は、それぞれ1つのアドレスに記憶される(例えば、8ビット乱数RL0の最大値はアドレス「1206H」に記憶される)。この乱数最大値設定テーブルは、スロットマシン1に電源が投入される度に参照され、各乱数の最大値が設定されるようになっている(その具体的手順については後述する)。
敵カウンタ減算抽選オフセットテーブルは、敵カウンタ減算抽選を実行する際に、敵カウンタ減算抽選テーブル1〜5のうちのいずれを参照すべきかを決めるためのテーブルであり、役決定の結果に対応付けられる抽選グループ番号に応じたオフセット値を各アドレスに記憶している。例えば、抽選グループ番号3のときは、アドレス「1302H」が参照され、そこに記憶されたオフセット値「18」に基づき敵カウンタ減算抽選テーブル3が参照されるように構成されている。
敵カウンタ減算抽選テーブル1〜5は、敵カウンタ減算抽選の実行可能回数を示す抽選検索データと、当選番号抽選置数データテーブルのいずれのアドレスを参照すべきかを示す抽選データと、敵カウンタ減算抽選を終了させることを示す終了指定データを、各アドレスに記憶している。例えば、敵カウンタ減算抽選テーブル1の先頭アドレス「1308H」には、敵カウンタ減算抽選を最大で6回実行可能であることを示す抽選検索データ値「0111111B」が記憶され、アドレス「1309H」には、1回目の敵カウンタ減算抽選で参照すべき当選番号抽選置数テーブルのアドレスが「1336H」と「1337H」であることを示す抽選データ値「4」が記憶され、アドレス「130EH」には、敵カウンタ減算抽選を終了させることを示す終了指定データ値「0」が記憶されている。
ダメージセットテーブルは、敵カウンタ減算抽選において、敵カウンタの数値をどれだけ減算すべきかを示すダメージ値を決めるために参照されるテーブルであり、所定の減算値を各アドレスに記憶している。例えば、ダメージセットテーブルのアドレス「1320H」には、ダメージ値として「1」が記憶され、アドレス「1323H」には、ダメージ値として「10」が記憶されている。
当選番号抽選置数テーブルは、敵カウンタ減算抽選や、ループ加算抽選の処理中に実行される当選番号抽選において使用される置数データを各アドレスに記憶している。例えば、当選番号抽選置数テーブルのアドレス「1336H」と「1337H」には、抽選データ4に対応する置数のデータ値として「5」が記憶され、アドレス「133AH」と「1335H」には、抽選データ57に対応する置数のデータ値として「5000」が記憶されている。
ARTゲーム数加算抽選オフセットテーブル1,2は、ARTゲーム数加算抽選を実行する際に、ARTゲーム数加算抽選テーブル1〜9のうちのいずれを参照すべきかを決めるためのテーブルであり、抽選モードに応じたオフセット値を各アドレスに記憶している。例えば、抽選モード3のときは、ARTゲーム数加算抽選オフセットテーブル1ではアドレス「13D2H」が参照され、そこに記憶されたオフセット値「24」に基づきARTゲーム数加算抽選テーブル5が参照され、抽選モード6のときは、ARTゲーム数加算抽選オフセットテーブル2ではアドレス「13DCH」が参照され、そこに記憶されたオフセット値「20」に基づきARTゲーム数加算抽選テーブル8が参照されるように構成されている。なお、抽選モードとは、ARTゲーム数加算抽選における有利度に影響を与えるものであり、通常は所定の抽選モード(例えば、抽選モード1)に設定されているが、ART開始遊技モードに移行した際に他の抽選モードに設定されることがある。例えば、ART開始遊技モードでの遊技でスタートレバー25が操作されたことを契機として、抽選モードの決定(抽選モード0〜7の中からいずれかを選択)が行われる。この抽選モードの決定は、役決定などの他の抽選の結果とは無関係に行われるが、役決定の結果に応じて行われるようにしてもよい。その場合、役決定において設定差の無いYK番号等が決定されたときは抽選モードの決定を行うが、設定差のあるYK番号等が選出されたときは抽選モードの決定を行わず、初期設定(抽選モード1)のままとするようにしてもよい。
ARTゲーム数加算抽選テーブル1〜9は、ARTゲーム数加算抽選の実行可能回数を示す抽選検索データと、当選番号抽選置数テーブルのいずれのアドレスを参照すべきかを示す抽選データと、ARTゲーム数加算抽選を終了させることを示す終了指定データを、各アドレスに記憶している。例えば、ARTゲーム数加算抽選テーブル3の先頭アドレス「13E3H」には、ARTゲーム数加算抽選を最大で4回実行可能であることを示す抽選検索データ値「0111000B」が記憶され、アドレス「13E4H」には、1回目のARTゲーム数加算抽選で参照すべき当選番号抽選置数テーブルのアドレスが「133AH」と「133BH」であることを示す抽選データ値「6」が記憶され、アドレス「13E7H」には、ARTゲーム数加算抽選を終了させることを示す終了指定データ値「0」が記憶されている。
ARTゲーム数加算データテーブルは、ARTゲーム数加算抽選の結果、ARTゲーム数に加える加算回数のデータを各アドレスに記憶している。例えば、ARTゲーム数加算データテーブルのアドレス「13F8H」には、加算回数のデータ値として「5」が記憶され、アドレス「13FCH」には、加算回数のデータ値として「100」が記憶されている。
ROMのプログラム管理エリア(アドレス「2FC0H」〜「2FFFH」の領域)には、図28に示すように、プログラムを実行する際に必要な各種データが記憶されている。記憶されるデータ値やその内容は図示のとおりである。以下、いくつかのアドレスに記憶されているデータについて具体的に説明する。アドレス「2FE0H」には、16ビット乱数RL1,RL0の起動方法、更新クロック、乱数列変更方法を示すデータが記憶される。同アドレスのビット7は、16ビット乱数RL1の起動方法の選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、そこに「0」が記憶されている場合は最大値を設定して起動させることを示し、「1」が記憶されている場合は最大値を設定せずに自動起動させることを示している。同アドレスのビット6は、16ビット乱数RL1の更新クロックの選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、そこに「0」が記憶されている場合は内部クロックを更新クロックとすることを示し、「1」が記憶されている場合は外部クロック(2分周してもよい)を更新クロックとすることを示している。同アドレスのビット5,4は、16ビット乱数RL1の乱数列変更方法(乱数列の並びの変更)の設定内容を示すデータが記憶される領域とされ、そこに「00」が記憶されている場合は乱数列の並びを変更しない(毎周同じ並びとする)ことを示し、「01」が記憶されている場合はプログラムにより変更することを示し、「10」が記憶されている場合は2周目から自動で変更することを示し、「11」が記憶されている場合は1周目から自動で変更することを示している。
同アドレスのビット3は、16ビット乱数RL0の起動方法の選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット2は、16ビット乱数RL0の更新クロックの選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット1,0は、16ビット乱数RL0の乱数列変更方法(乱数列の並びの変更)の設定内容を示すデータが記憶される領域とされている。それらの具体的内容は、同アドレスのビット7〜4に準ずるものとなっている。
アドレス「2FE1H」には、16ビット乱数RL3,RL2の起動方法、更新クロック、乱数列変更方法を示すデータが記憶される。同アドレスのビット7は、16ビット乱数RL3の起動方法の選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット6は、16ビット乱数RL3の更新クロックの選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット5,4は、16ビット乱数RL3の乱数列変更方法(乱数列の並びの変更)の設定内容を示すデータが記憶される領域とされている。同様に、同アドレスのビット3は、16ビット乱数RL2の起動方法の選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット2は、16ビット乱数RL2の更新クロックの選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット1,0は、16ビット乱数RL2の乱数列変更方法(乱数列の並びの変更)の設定内容を示すデータが記憶される領域とされている。それらの具体的内容は、アドレス「2FE0H」に準ずるものとなっている。
アドレス「2FE2H」には、16ビット乱数RL3,RL2,RL1,RL0のスタート値に関するデータが記憶される。同アドレスのビット7は、16ビット乱数RL3のスタート値の設定内容を示すデータが記憶される領域とされ、そこに「0」が記憶されている場合はスタート値を「0001H」とすることを示し、「1」が記憶されている場合はスタート値をIDナンバーに基づく値とすることを示している。同アドレスのビット6は、16ビット乱数RL3のスタート値を電源投入される毎に変更するかどうかの設定内容を示すデータが記憶される領域とされ、そこに「0」が記憶されている場合はスタート値を電源投入される毎に変更することを示し、「1」が記憶されている場合はスタート値を電源投入される毎には変更しない(例えば、常に同じスタート値とする)ことを示している。
同アドレスのビット5は、16ビット乱数RL2のスタート値の設定内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット4は、16ビット乱数RL2のスタート値を電源投入される毎に変更するかどうかの設定内容を示すデータが記憶される領域とされている。また、同アドレスのビット3は、16ビット乱数RL1のスタート値の設定内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット2は、16ビット乱数RL1のスタート値を電源投入される毎に変更するかどうかの設定内容を示すデータが記憶される領域とされている。さらに、同アドレスのビット1は、16ビット乱数RL0のスタート値の設定内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット0は、16ビット乱数RL0のスタート値を電源投入される毎に変更するかどうかの設定内容を示すデータが記憶される領域とされている。それらの具体的内容は、同アドレスのビット7,6に準ずるものとなっている。
アドレス「2FE3H」には、8ビット乱数RS1,RS0の起動方法、更新クロック、乱数列変更方法を示すデータが記憶される。同アドレスのビット7は、8ビット乱数RS1の起動方法の選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、そこに「0」が記憶されている場合は最大値を設定して起動させることを示し、「1」が記憶されている場合は最大値を設定せずに自動的に起動させることを示している。同アドレスのビット6は、8ビット乱数RS1の更新クロックの選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、そこに「0」が記憶されている場合は内部クロックを更新クロックとすることを示し、「1」が記憶されている場合は外部クロック(2分周してもよい)を更新クロックとすることを示している。同アドレスのビット5,4は、8ビット乱数RS1の更新クロックの乱数列変更方法(乱数列の並びの変更)の設定内容を示すデータが記憶される領域とされ、そこに「00」が記憶されている場合は乱数列の並びを変更しない(毎周同じ並びとする)ことを示し、「01」が記憶されている場合はプログラムにより変更することを示し、「10」が記憶されている場合は2周目から自動で変更することを示し、「11」が記憶されている場合は1周目から自動で変更することを示している。
同アドレスのビット3は、8ビット乱数RS0の起動方法の選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット2は、8ビット乱数RS0の更新クロックの選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット1,0は、8ビット乱数RS0の乱数列変更方法(乱数列の並びの変更)の設定内容を示すデータが記憶される領域とされている。それらの具体的内容は、同アドレスのビット7〜4に準ずるものとなっている。
アドレス「2FE4H」には、8ビット乱数RS3,RS2の起動方法、更新クロック、乱数列変更方法を示すデータが記憶される。同アドレスのビット7は、8ビット乱数RS3の起動方法の選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット6は、8ビット乱数RS3の更新クロックの選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット5,4は、8ビット乱数RS3の乱数列変更方法(乱数列の並びの変更)の設定内容を示すデータが記憶される領域とされている。同様に、同アドレスのビット3は、8ビット乱数RS2の起動方法の選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット2は、8ビット乱数RS2の更新クロックの選択内容を示すデータが記憶される領域とされ、同アドレスのビット1,0は、8ビット乱数RS2の乱数列変更方法(乱数列の並びの変更)の設定内容を示すデータが記憶される領域とされている。それらの具体的内容は、アドレス「2FE3H」に準ずるものとなっている。
RAMには、図29に示すように、プログラムを実行する際に書き込まれたり読み出されたりする各種データが記憶される。記憶されるデータ値やその内容は図示のとおりであり、以下、いくつかのアドレスに記憶されるデータについて具体的に説明する。アドレス「F018H」は、ボーナスの作動種別を示すデータが記憶される領域である。このアドレスには、RB−A,Bが作動しているときは「00000011B」のデータが記憶され、BB−B〜Eが作動しているときは「00000010B」のデータが記憶され、BB−Aが作動しているときは「00000001B」のデータが記憶される。アドレス「F033H」は、図柄組合せ表示フラグを示すデータが記憶される領域である。このアドレスには、再遊技作動図柄が表示されたときは「00010000B」のデータが記憶され、ボーナス作動図柄のうちRB作動図柄が表示されたときは「00001000B」のデータが記憶され、ボーナス作動図柄のうちBB作動図柄が表示されたときは「00000100B」のデータが記憶される。
アドレス「F060H」は、抽選グループ番号を示すデータが記憶される領域である。このアドレスには、役決定により決定されたYK番号、YYK番号に対応付けられる抽選グループ番号が決定されたときにその値(1〜9のいずれか)が記憶される。アドレス「F087H」は、ART貯留カウンタの値を示すデータが記憶される領域である。このアドレスには初期値として「0」が記憶され、ART抽選等においてART当選が獲得される毎に、記憶されていた値に「1」ずつ加算される(上限値は「255」)。アドレス「F089H」は、敵カウンタの値を示すデータが記憶される領域である。このアドレスには初期値として「20」が記憶され、敵カウンタ減算抽選においてダメージ値が決定される毎に、記憶されていた値からそのダメージ値分の値が減算される。
アドレス「F08EH」は、ループ加算抽選が行われるときに、ARTゲーム数加算抽選テーブル1〜9のいずれかのアドレス値が保存されるバッファ領域(「抽選テーブル2保存バッファ」とも称する)として使用される。
アドレス「F090H」は、ART中モードにおいて獲得された1個目の宝玉(ART終了モードにおいて最初に権利行使される宝玉で「保留1」とも称する)の情報の記憶領域として使用される。当該アドレスに「1」が記憶されているときは宝玉Aが有ることを示し、「2」が記憶されているときは宝玉Bが有ることを示し、「3」が記憶されているときは宝玉Cが有ることを示し、「0」が記憶されているときはいずれの宝玉も無いことを示している。アドレス「F091H」は、ART中モードにおいて獲得された2個目の宝玉(「保留2」とも称する)の情報の記憶領域として使用され、アドレス「F092H」は、同3個目の宝玉(「保留3」とも称する)の情報の記憶領域として使用され、アドレス「F093H」は、同4個目の宝玉(「保留4」とも称する)の情報の記憶領域として使用され、アドレス「F094H」は、同5個目の宝玉(「保留5」とも称する)の情報の記憶領域として使用される。それらの具体的内容は、アドレス「F090H」に準ずるものとなっている。
アドレス「F095H」は、ART中モードにおいて6個目以降に獲得された宝玉Aの個数の記憶領域として使用される。当該アドレスには、6個目以降に宝玉Aが獲得される毎に「1」ずつ加算される。初期値は「0」であり最大で「255」まで記憶することができる。アドレス「F096H」は、ART中モードにおいて6個目以降に獲得された宝玉Bの個数の記憶領域として使用され、アドレス「F097H」は、ART中モードにおいて6個目以降に獲得された宝玉Cの個数の記憶領域として使用される。それらの具体的内容は、アドレス「F095H」に準ずるものとなっている。
レジスタには、図30,31に示すように、プログラムを実行する際に書き込まれたり読み出されたりする各種データが記憶される。記憶されるデータ値やその内容は図示のとおりであり、以下、いくつかのアドレスに記憶されるデータについて具体的に説明する。アドレス「FE00H」のビット0は、RAMへのアクセスを制御するレジスタ(「RAMアクセス制御レジスタ」とも称する)として使用される。このビット0には、RAMへのアクセスを禁止する場合は「0」(初期値)が記憶され、RAMへのアクセスを許可する場合は「1」が記憶される。
アドレス「FE67H」と「FE68H」は、16ビット乱数RL0の最大値を設定するレジスタ(「最大値設定用レジスタ」とも称する)として使用され、そのビット15〜0(ビット15〜8は2つのアドレスのうちの一方のアドレス(例えば下位アドレス)の8ビットを指し、ビット7〜0は他方のアドレスの8ビットを指す。以下同様)には、電源投入時毎に、16ビット乱数RL0の最大値が(例えば、最大値の上位8ビットがビット15〜8に記憶され、下位8ビットがビット7〜0に)記憶される(最大値を設定しないときは初期値「FFFFH」が自動的に記憶される)。同様に、アドレス「FE69H」と「FE6AH」は、16ビット乱数RL1の最大値設定用レジスタとして使用され、アドレス「FE6BH」と「FE6CH」は、16ビット乱数RL2の最大値設定用レジスタとして使用され、アドレス「FE6DH」と「FE6EH」は、16ビット乱数RL3の最大値設定用レジスタとして使用される。それらの具体的内容は、アドレス「FE67H」と「FE68H」に準ずるものとなっている。
アドレス「FE6FH」は、8ビット乱数RS0の最大値設定用レジスタとして使用され、そのビット7〜0には、電源投入時毎に、8ビット乱数RL0の最大値が記憶される(最大値を設定しないときは初期値「FFH」が自動的に記憶される)。同様に、アドレス「FE70H」は、8ビット乱数RS1の最大値設定用レジスタとして使用され、アドレス「FE71H」は、8ビット乱数RS2の最大値設定用レジスタとして使用され、アドレス「FE72H」は、8ビット乱数RS3の最大値設定用レジスタとして使用される。それらの具体的内容は、アドレス「FE6FH」に準ずるものとなっている。
前述したように本実施形態では、16ビット乱数RL1〜RL3と、8ビット乱数RS0,RS1に対して最大値を設定し、16ビット乱数RL0と、8ビット乱数RS2,RS3に対しては最大値を設定しない(図22を参照)。そのため、図30に示すように、最大値を設定する乱数の最大値設定用レジスタのアドレスは、「FE69H」から「FE70H」まで連続することとなっているが、これは意図的なものである。すなわち、本実施形態では、最大値を設定する乱数の最大値設定用レジスタのアドレスが連続するように、最大値を設定する乱数を決めている。このように設定することによって、後述するプログラム開始処理において、乱数の最大値を設定するための処理手順(プログラム)を簡略化することができるので、処理負荷が軽減されるという効果が得られる。具体的には、最大値を設定する乱数の最大値設定用レジスタのアドレスを連続させることにより、プログラム開始処理において、乱数最大値設定テーブルをセットする処理と、乱数最大値設定開始レジスタをセットする処理と、乱数最大値設定バイト数をセットする処理を行った後は、同じ処理(乱数最大値設定)を繰り返し実行することにより、最大値を設定する乱数の全てについて最大値を設定することができるので、処理負荷を低減することができる。これに対し、最大値を設定する乱数の最大値設定用レジスタのアドレスが不連続であると、プログラム開始処理において、乱数最大値設定テーブルをセットする処理と、乱数最大値設定開始レジスタをセットする処理と、乱数最大値設定バイト数をセットする処理を、アドレスが不連続な乱数ごとに行わなければならないので、処理負荷が大きくなる。
アドレス「FE73H」は、8ビット乱数RS3〜RS0、16ビット乱数RL3〜RL0が発生する乱数列の並びを変更するためのレジスタ(「乱数列変更レジスタ」とも称する)であり、乱数列の変更方法として、プログラムにより変更することが選択されている場合にのみ使用される。当該アドレスのビット7は、8ビット乱数RS3が発生する乱数列の並びを変更することを要求するビット(「乱数列変更要求ビット」とも称する)として使用される。このビットに「1」が記憶された場合には、次の周期から乱数列の並びが変更され、記憶された値はクリアされる(「0」が書き込まれる)。このビットに「0」が記憶されている場合には、次の周期においても乱数列の並びは変更されない。当該アドレスのビット6は、8ビット乱数RS2が発生するの乱数列変更要求ビットとして使用され、ビット5は、8ビット乱数RS1の乱数列変更要求ビットとして使用され、ビット4は、8ビット乱数RS0の乱数列変更要求ビットとして使用される。同様に、当該アドレスのビット3は、16ビット乱数RL3の乱数列変更要求ビットとして使用され、ビット2は、16ビット乱数RL2の乱数列変更要求ビットとして使用され、ビット1は、16ビット乱数RL1の乱数列変更要求ビットとして使用され、ビット0は、16ビット乱数RL0の乱数列変更要求ビットとして使用される。それらの具体的内容は、ビット7に準ずるものとなっている。
アドレス「FE74H」は、乱数値を取り込む(ラッチする)ためのレジスタ(「乱数値ラッチ要求レジスタ」とも称する)であり、更新クロックとして外部クロックを用いる場合にのみ使用される。当該アドレスのビット7は、8ビット乱数RS3が発生する乱数値を取り込むことを要求するビット(「乱数値ラッチ要求ビット」とも称する)として使用される。このビットに「1」が記憶された場合には、乱数値を取り込み、取り込まれるとこのビットはクリアされる(「0」が書き込まれる)。このビットに「0」が記憶されている場合には、乱数値は取り込まれない。当該アドレスのビット6は、8ビット乱数RS2の乱数値ラッチ要求ビットとして使用され、ビット5は、8ビット乱数RS1の乱数値ラッチ要求ビットとして使用され、ビット4は、8ビット乱数RS0の乱数値ラッチ要求ビットとして使用される。同様に、当該アドレスのビット3は、16ビット乱数RL3の乱数値ラッチ要求ビットとして使用され、ビット2は、16ビット乱数RL2の乱数値ラッチ要求ビットとして使用され、ビット1は、16ビット乱数RL1の乱数値ラッチ要求ビットとして使用され、ビット0は、16ビット乱数RL0の乱数値ラッチ要求ビットとして使用される。それらの具体的内容は、ビット7に準ずるものとなっている。
アドレス「FE75H」は、乱数値が取り込まれたことを示すためのレジスタ(「乱数値ラッチフラグレジスタ」とも称する)であり、更新クロックとして外部クロックを用いる場合にのみ使用される。当該アドレスのビット7は、8ビット乱数RS3が発生する乱数値が取り込まれたことを示すビット(「乱数値ラッチフラグビット」とも称する)として使用される。このビットに「1」が記憶されている場合には、乱数値が取り込まれたことを示し、取り込まれた乱数値が読み出されるとこのビットはクリアされる(「0」が書き込まれる)。このビットに「0」が記憶されている場合には、乱数値が取り込まれていないことを示す。当該アドレスのビット6は、8ビット乱数RS2の乱数値ラッチフラグビットとして使用され、ビット5は、8ビット乱数RS1の乱数値ラッチフラグビットとして使用され、ビット4は、8ビット乱数RS0の乱数値ラッチフラグビットとして使用される。同様に、当該アドレスのビット3は、16ビット乱数RL3の乱数値ラッチフラグビットとして使用され、ビット2は、16ビット乱数RL2の乱数値ラッチフラグビットとして使用され、ビット1は、16ビット乱数RL1の乱数値ラッチフラグビットとして使用され、ビット0は、16ビット乱数RL0の乱数値ラッチフラグビットとして使用される。それらの具体的内容は、ビット7に準ずるものとなっている。
アドレス「FE76H」と「FE77H」は、16ビット乱数RL3が発生する乱数値が取り込まれる(ラッチされる)レジスタ(「乱数値ラッチレジスタ」とも称する)であり、更新クロックとして外部クロックを用いる場合にのみ使用される。当該アドレスに乱数値が取り込まれると、乱数値ラッチフラグレジスタ(アドレス「FE75H」)の対応するビット(この場合はビット3)がセットされる(「1」が書き込まれる)。同様に、アドレス「FE78H」と「FE79H」は、16ビット乱数RL2の乱数値ラッチレジスタとして使用され、アドレス「FE7AH」と「FE7BH」は、16ビット乱数RL1の乱数値ラッチレジスタとして使用され、アドレス「FE7CH」と「FE7DH」は、16ビット乱数RL0の乱数値ラッチレジスタとして使用される。それらの具体的内容は、アドレス「FE76H」と「FE77H」に準ずるものとなっている。
アドレス「FE7EH」は、8ビット乱数RS3が発生する乱数値が取り込まれる(ラッチされる)乱数値ラッチレジスタであり、更新クロックとして外部クロックを用いる場合にのみ使用される。当該アドレスに乱数値が取り込まれると、乱数値ラッチフラグレジスタ(アドレス「FE75H」)の対応するビット(この場合はビット7)がセットされる(「1」が書き込まれる)。同様に、アドレス「FE7FH」は、8ビット乱数RS2の乱数値ラッチレジスタとして使用され、アドレス「FE80H」は、8ビット乱数RS1の乱数値ラッチレジスタとして使用され、アドレス「FE81H」は、8ビット乱数RS0の乱数値ラッチレジスタとして使用される。それらの具体的内容は、アドレス「FE7EH」に準ずるものとなっている。
<CZ中モードの処理内容(ART当選期待度の制御)>
次に、CZ中モード滞在中の処理内容について、図32(A)を追加参照して説明する。先にも述べたようにCZ中モードは、ART当選を目指す有利区間の遊技モードであり、所定期間(例えば16ゲーム)設定される。CZ中モードでは、主制御手段側において、敵カウンタ減算抽選とCZ中ART抽選が行われる。敵カウンタ減算抽選は、CZ中モードの最終ゲーム以外の遊技において、敵カウンタの値(初期値「20」)を「0」にすることを目指して行われるART関連抽選であり、役決定結果(抽選グループ番号)と、最大値を「9999」に設定した16ビット乱数(例えば、16ビット乱数RL1)が発生する乱数値とに基づき、敵カウンタの減算値を示すダメージ値を選出する。ダメージ値が選出されると、その値を敵カウンタから減算し、敵カウンタの値が「0」になるとART当選とし、最終ゲーム前であってもCZ中モードを終了する(この場合、CZ中ART抽選は行わない)。なお、敵カウンタの値の情報は、制御コマンドの1つ(「敵カウンタ値コマンド」とも称する)として適宜のタイミングで副制御手段側に送信される(ダメージ値の情報を送信してもよい)。
CZ中ART抽選は、CZ中モードの最終ゲームにおいて、ART当選を目指して行われるART関連抽選であり、その時点での敵カウンタ値と、最大値を「99」に設定した8ビット乱数(例えば、8ビット乱数RS0)が発生する乱数値とに基づき、ART当選であるか否かを判定する。その判定は、次式(P)に基づいて行われる。
乱数値<100−敵カウンタ値×5 …… (P)
すなわち、式(P)を満たす場合(読み出した乱数値が、敵カウンタ値を5倍した値を100から引いたときの値よりも小さい場合)はART当選であると判定し、満たさない場合はART当選ではないと判定する。例えば、敵カウンタ値が「20」のときは、式(P)の右辺の値は「0」となる。読み出した乱数値は「0〜99」の範囲内の数値であるので、このとき式(P)を満たすことはない(当選確率0%)。敵カウンタ値が「19」のときは、式(P)の右辺の値は「5」となる。このときは、読み出した乱数値が「0〜4」の範囲内の数値であれば式(P)を満たすので、当選確率は5%となる。同様に、敵カウンタ値が「18」のときは式(P)の右辺の値が「10」であり当選確率は10%、敵カウンタ値が「17」のときは式(P)の右辺の値が「15」であり当選確率は15%、・・・、敵カウンタ値が「2」のときは式(P)の右辺の値が「90」であり当選確率は90%、敵カウンタ値が「1」のときは式(P)の右辺の値が「95」であり当選確率は95%となる。
このように、CZ中ART抽選を行うときの敵カウンタ値(1〜20)と、ART当選となる確率とは正確に対応しており、敵カウンタ値が「1」だけ変動したときの当選確率の変動率は正確に5%となっている(敵カウンタ値が1減る毎に当選確率は正確に5%ずつ上昇する)。これは、抽選に用いる乱数列の数値範囲を、「100(0〜99)」に設定したことにより得られる効果である。すなわち、「100」は百分率に適した数値であり、抽選時の敵カウンタの数値範囲が「20」の場合は、上述のように、敵カウンタ値が「1」だけ変動したとき、当選確率が正確に5%だけ変動する。敵カウンタの数値範囲は「20」に限定されるものではなく、「100」の公約数である「10」、「25」、「50」、「100」等としても、同様に、敵カウンタ値が「1」だけ変動したときの当選確率の変動率を正確に整数値(例えば、敵カウンタの数値範囲が「50」のときは敵カウンタ値が「1」だけ変動したとき、当選確率が正確に2%だけ変動する)に設定することができる。敵カウンタの数値範囲が「10」の場合は、式(P)は「乱数値<100−敵カウンタ値×10」となり、敵カウンタの数値範囲が「25」の場合は、式(P)は「乱数値<100−敵カウンタ値×4」となり、敵カウンタの数値範囲が「50」の場合は、式(P)は「乱数値<100−敵カウンタ値×2」となり、敵カウンタの数値範囲が「100」の場合は、式(P)は「乱数値<100−敵カウンタ値」となる。
また、CZ中モードでは、副制御手段側において、画像表示装置11による所定の画像演出(「バトル演出」とも称する)が行われる。このバトル演出は、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタとバトル(戦闘)を行っている場面の画像を順次表示するものであり、敵カウンタ減算抽選の結果等に応じて表示する画像を変更し得るように構成されている。さらに、このバトル演出に併せて、CZ中ART抽選でART当選が得られる期待度を表示する演出(「期待度表示演出」とも称する)が行われる(図32(A)を参照)。この期待度表示演出における期待度の表示は、次式(Q)に基づいて行われる。
期待度=100−敵カウンタ値×5 …… (Q)
式(Q)の右辺は、式(P)の右辺と同じであり、その値は、CZ中ART抽選においてART当選と判定される確率と正確に一致する。すなわち、期待度として表示される数値は、CZ中ART抽選における当選確率を正確に示すものとなっている。そのため、表示される期待度が、実際の当選確率と乖離したり、実際の当選確率とは異なるのではないかという印象を遊技者に持たれて遊技の興趣が低下したりすることを防止することが可能となっている。敵カウンタの数値範囲が「10」の場合は、式(Q)は「期待度=100−敵カウンタ値×10」となり、敵カウンタの数値範囲が「25」の場合は、式(Q)は「期待度=100−敵カウンタ値×4」となり、敵カウンタの数値範囲が「50」の場合は、式(Q)は「期待度=100−敵カウンタ値×2」となり、敵カウンタの数値範囲が「100」の場合は、式(Q)は「期待度=100−敵カウンタ値」となる。
本実施形態では、期待度表示演出において、敵カウンタ値に基づく実際の当選選確率に合致した値の期待度を表示するように構成しているが、例えば、最終ゲーム前までは、実際の当選確率よりも低い値の期待度を表示し、最終ゲームにおいて実際の当選選確率に合致した値の期待度を表示するようにしてもよい。実際の当選確率よりも低い値の期待度を表示するときは、敵カウンタ減算抽選が行われなかったり敵カウンタ減算抽選でハズレを引いたりして敵カウンタの減算がなかったときなどに、実際よりも低く表示していた分の値を加算して期待度を表示してもよい。その場合、バトル演出では、敵カウンタの減算がなかったことを示す画像を表示し、それにも関わらず、期待度の数値が増加するという矛盾した演出を行ってもよいし、敵カウンタの減算があったことを示す画像を表示してもよい。いずれも、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、最終ゲーム前に敵カウンタ値が「0」に到達したときは、ART当選が確定するので期待度を「100」として表示してもよいし、遊技者が関心を持つような数字(例えば、「77」とか「777」など、ラッキーナンバーと称されるような数字)を表示して、遊技者に達成感を持たせるようにしてもよい。
先述したように本実施形態では、設定差有りのYK番号は、ART関連抽選の抽選契機として用いない。このため、レア役当選に属する設定差有りのYK番号がある場合、それを敵カウンタ減算抽選の抽選契機とすることはできず、そのため設定差有りのレア役当選が得られても敵カウンタの値が減算されることはない。しかし、これまでのスロットマシンでは、レア役当選すると遊技者にとって有利となる抽選結果が得られる可能性が高くなるように設定されることが多いため、停止表示された図柄組合せの態様(出目)等により、レア役当選であることを知った遊技者は、敵カウンタの値が減算される(期待度表示演出における期待度の表示値が加算される)ことを期待すると思われる。それにも関わらず、敵カウンタの値が減算されない機会が増えると、遊技者の期待を裏切ることとなり、遊技の興趣を低下させる虞がある。そこで、レア役当選については全て設定差を設けず、レア役当選時には敵カウンタ減算抽選を必ず行い、敵カウンタの値が減算される機会が増えるようにしてもよい。しかし、これまでのスロットマシンでは、遊技者が、レア役当選を設定ランクの判別の根拠(例えば、レア役当選が多ければ設定ランクが高いと判断する等)として利用することがあるので、設定差有りのレア役当選も設けたいという要望もある。すると、例えば、設定差の無い入賞I(弱チェリー)と設定差のある入賞I2(弱チェリー)を設ける(いずれも停止表示される図柄組合せは同一のため、いずれに当選したか判別できないようになっている)ことになる。
そこで、CZ中モードでの遊技性(敵カウンタ減算抽選及び期待度表示演出における期待度の表示)を次のように設定してもよい。まず、CZ中モードの1ゲーム目では、役決定の結果とは関係なく敵カウンタ減算抽選を行うように構成し、この抽選でダメージ値を獲得しても(この1ゲーム目の抽選では必ずダメージ値を獲得できるようにしてもよい)、期待度表示演出における期待度の表示値は「0」のままととする。そして、このとき獲得されたダメージ値は、最終ゲームにおける期待度の表示値に反映させることを原則とするが、その一部については、途中のゲームで反映させることも可能とする。また、設定差有りのレア役当選と設定差無しのレア役当選を設ける。このとき、どちらのレア役当選が得られた場合でも停止表示される図柄組合せは同じであるように設定する。そして、2ゲーム以降において、設定差有りのレア役当選が得られたときは、実際には敵カウンタ減算抽選は行われず、したがって敵カウンタの減算も行われないのにも拘らず、期待度表示演出における期待度の表示値は増加させる(増加させない場合を設けてもよい)。また、このときの期待度の上昇値は、1ゲーム目で獲得されたダメージ値の一部を反映したものとする。さらに、設定差無しのレア役当選が得られ、それにより敵カウンタ減算抽選を行ったがダメージ値が得られなかったときも、期待度の表示値を増加させたり、実際に獲得されたダメージ値よりも多いダメージ値が得られたように期待度の表示値を増加させたりしてもよい。こうすることにより、設定ランクの判別が可能なように設定差有りのレア役当選を設けながらも、レア役当選時の遊技者の期待感を損なうことなく、最終的には適正な期待度を表示することが可能となるので、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
例えば、敵カウンタの数値範囲が「20」の場合であって、1ゲーム目に敵カウンタの値が「18」となったとする。しかし、このとき表示している期待度は0%のままとする(実際は10%である)。その後、設定差有りのレア役当選が得られたときに、表示する期待度を5%とする(実際は10%である)。そして、最終ゲームにおいて、表示する期待度を10%とする(実際も10%である)。別例として、敵カウンタの数値範囲が「20」の場合であって、1ゲーム目に敵カウンタの値が「18」となったとする。しかし、このとき表示している期待度は0%のままとする(実際は10%である)。その後、設定差無しのレア役当選が得られ、敵カウンタ減算抽選が行われてダメージ値「1」を獲得して敵カウンタの値が「17」となったときに、表示する期待度を5%とする(実際は15%である)。さらに、その後、設定差有りのレア役当選が得られたときに、表示する期待度を10%とする(実際は15%である)。そして、最終ゲームにおいて、表示する期待度を15%とする(実際も15%である)。このように、設定差有りのレア役当選が得られたときに、一部を表示することに意味がある。全てを表示してしまうと、最終ゲームにおいて、上昇させる分がなくなってしまい。設定差有りのレア役当選が得られたときに、その分が使用されたということが分かってしまう。すなわち、設定差有りのレア役当選が得られたとき等に、敵カウンタ減算抽選が行われなかったということが分かってしまう。
<ART開始モードの処理内容(ループ加算抽選)>
次に、ART開始モード滞在中の処理内容について、図32(B)を追加参照して説明する。先述したようにART開始モードは、ARTゲーム数を決定する有利区間の遊技モードであり、1ゲーム限定で設定される。ART開始モードでは、主制御手段側においてループ加算抽選が行われ、これによりARTゲーム数が決定される。ループ加算抽選は、ART開始モード滞在中の1ゲームにおいて複数回実行されるART関連抽選であり、抽選モードと、最大値を「199」に設定した8ビット乱数(例えば、8ビット乱数RS0)が発生する乱数値とに基づき、ARTゲーム数を決定する。ループ加算抽選では、乱数値が短期間で複数回連続的に読み出されるようになっている。このため、8ビット乱数の1つの周期内において複数回読み出してしまう事態が生じ、それにより、抽選確率が変わってしまうという懸念がある。そこで本実施形態では、乱数値を読み出してから次の乱数値を読み出すまでの間に、ある程度の時間が経過するように割込待ちの処理を挟んだり、乱数の更新待ち時間が経過したか確認したりしている。また、読み出した乱数値が毎回同じにならないよう、Rレジスタの値を加算したりしている。なお、ループ加算抽選により決定されたARTゲーム数の情報は、制御コマンドの1つ(「ARTゲーム数コマンド」とも称する)として適宜副制御手段側に送信される。例えば、複数回のループ加算抽選でそれぞれARTゲーム数が決定された場合には、その決定された回数分のARTゲーム数の情報を別々に送信したり、所定回数分のループ加算抽選で決定されたARTゲーム数を纏めた値の情報を送信したり、最終的に決定されたARTゲーム数の合計値の情報のみを送信したりすることができる。なお、本実施形態では、ループ加算抽選に16ビット乱数を用いないようにしている。これは、16ビット乱数は周期が長いので、ループ加算抽選において用いた場合、乱数値が短期間で複数回連続的に読み出される際に、乱数の1つの周期内において乱数値を複数回読み出してしまう事態が生じる可能性が、8ビット乱数を用いる場合よりも高くなるからである。長い周期でも、それに合わせてある程度の時間が経過するように割込待ちの処理を挟んだりすればよいのだが、そうすると、全ての処理が終わるまでに相当な時間がかかってしまうという問題もある。その点、8ビット乱数は、16ビット乱数に比べれば周期が短いので、ループ加算抽選のように短い周期で乱数値を複数回読み出すような抽選に用いるのには、16ビット乱数よりも適している。
また、ART開始モードでは、副制御手段側において所定の報知演出(「ARTゲーム数報知演出」とも称する)が行われる。このARTゲーム数報知演出は、決定されたARTゲーム数を、画像表示装置11等を用いて遊技者に報知するものであり、主制御手段側から送信されるARTゲーム数コマンドの情報に基づいて行われる(図32(B)を参照)。ARTゲーム数の報知は、ARTゲーム数コマンドが複数回送信されてくる場合には、それらを受信する毎にその受信した分のARTゲーム数を報知してもよいし、最終的なARTゲーム数のみを纏めて報知してもよい。また、複数回に分けてARTゲーム数を報知する場合は、途中までは少なめに表示して最後に大きく増えたように報知したり、途中で「???」等を表示して実際のARTゲーム数が遊技者に分からないように報知したりすることにより、遊技の興趣向上を図るようにしてもよい。
<ART中モードの処理内容(宝玉獲得抽選)>
次に、ART中モード滞在中の処理内容について、図33(A),(B)を追加参照して説明する。先述したようにART中モードは、押し順入賞ナビが頻繁に実行されることにより多くの遊技メダルを獲得することが期待される有利区間の遊技モードである。ART中モードでは、主制御手段側において宝玉獲得抽選が行われ、これにより、ART再設定抽選が実行される権利となる宝玉が獲得される。宝玉には、宝玉A、宝玉B、宝玉Cの3種類があり、宝玉A<宝玉B<宝玉Cの順で有利度が高くなるように設定されている。具体的には本実施形態では、宝玉Aは1個あたり1回のART再設定抽選が実行され、宝玉Bは1個あたり3回のART再設定抽選が実行され、宝玉Cは1個あたり5回のART再設定抽選が実行されるように設定される。別態様として、ART再設定抽選においてART当選が得られる確率が、宝玉A<宝玉B<宝玉Cの順で高くなるように設定してもよい。
宝玉獲得抽選は、ART中モード滞在中、所定の条件成立(例えば、所定の役決定結果(抽選グループ番号)が得られたことや、所定の遊技操作がなされたこと)を契機として行われるART関連抽選である。宝玉獲得抽選では、宝玉を獲得できる確率が、例えば、宝玉C<宝玉B<宝玉Aの順で高くなるように設定され、いずれの宝玉も獲得できないハズレも設定される。宝玉獲得抽選で宝玉を獲得した場合は、1個目から5個目までは、獲得した宝玉の種類とともに獲得した順番も記憶される。具体的には図29に示すように、1個目に獲得した宝玉は、保留1として、内蔵RAMのアドレス「F090H」にその種類が記憶され、2個目に獲得した宝玉は、保留2として、アドレス「F091H」にその種類が記憶される。同様に、3個目から5個目に獲得した宝玉は、保留3から保留5として、アドレス「F092H」から「F094H」にそれぞれの種類が記憶される。6個目以降に獲得した宝玉は、獲得した順番は記憶されず、種類別に獲得数がアドレス「F095H」から「F097H」に記憶される。
ART中モードでは、数多くの宝玉を獲得することが可能となっており、その全てについて獲得した順番と種類を記憶することは、RAMの記憶領域を圧迫することとなる。そこで、本実施形態では、最初の5個については、獲得した順番と種類を記憶するが、6個目以降については、獲得数を種類別に記憶することによって、宝玉の獲得数と種類を管理するめに使用する記憶領域を少なく設定している。なお、宝玉獲得抽選により獲得された宝玉の情報は、制御コマンドの1つ(「宝玉状況コマンド」とも称する)として適宜副制御手段側に送信される。具体的には、少なくともART中モードやART終了モードに滞在中は、保留1〜5と宝玉A,B,Cの個数の情報(RAMアドレス「F090H」〜「F097H」の情報)が毎遊技、宝玉状況コマンドとして副制御手段側に送信されるようになっている。
また、ART中モードでは、副制御手段側において所定の画像演出(「宝玉獲得演出」とも称する)が行われる。この宝玉獲得演出は、宝玉が獲得されたことを、画像表示装置11等を用いて遊技者に報知するものであり、主制御手段側から送信される宝玉獲得コマンドの情報に基づいて行われる。宝玉獲得演出の具体的態様としては、例えば図33(A)に示すように、1個目から5個目までは、獲得した順番に宝玉の種類(図では、宝玉A、B、Cをそれぞれ、○、△、☆で示す)が分かるように表示される(種類によって表示色を変えてもよい)が、6個目以降は、宝玉の種類は表示されず獲得数(宝玉A、B,Cの獲得数の合算)のみが表示される(獲得数も表示しないようにしてもよいし、獲得数を表示しないが実際の獲得数に応じて画像の態様(背景色や宝玉の容器の形状や色)が変わるようにしてもよい)。1個目から5個目までで表示する宝玉の種類は、全て正しい情報を表示してもよいし、一部の宝玉については実際の種類とは異なる情報を表示してもよい。例えば、宝玉Bを獲得したときはあたかも宝玉Aを獲得したかのように表示し、宝玉Cを獲得したときはあたかも宝玉Aまたは宝玉Bを獲得したかのように表示することができる。図33の左図及び中央図において、○内にCを記載しているは、2個目に獲得した実際の宝玉は宝玉Cであるが表示は宝玉Aであることを示している。以下、このように実際に獲得した宝玉の種類とは異なる種類の宝玉を表示することを「仮面表示(ガセ表示)」とも称する。
仮面表示を行うときは、遊技の進行状況等に応じて、表示態様を変更する(「保留変化表示」とも称する)ことができる。例えば、実際には2個目に宝玉Cを獲得したが、宝玉Aを獲得したように表示した場合、その後のゲーム(次ゲームでもよいし数ゲーム後でもよい)において、宝玉が獲得できなかったとき(宝玉獲得抽選は行ったがハズレだったとき)に、宝玉Aとして表示されていた2個目の宝玉(保留2)を宝玉C(宝玉Bでもよい)として再表示することができる。保留変化表示を行うときや行う可能性があるときは、仮面表示している宝玉の表示態様を、通常とは異なる態様(例えば、点滅表示や半透明色での表示)に変化(「表示態様変化」とも称する)させて、遊技者に期待感を持たせるようにしてもよい。
宝玉獲得抽選が行われた遊技では、宝玉を獲得できたか否かに関わらず共通の演出(図33(B)の共通演出1,2)を行い、その後、実際に宝玉を獲得していた場合は宝玉獲得時の演出(図33(B)の個別演出1)に切り替え、宝玉を獲得できていなかった場合は保留変化表示の演出(図33(B)の個別演出2)に切り替えてもよい。これにより、宝玉を獲得できたかどうかを表示するまでの間、遊技者に宝玉獲得の期待感を持たせることができるとともに、宝玉を獲得できなかった場合でも宝玉の種類が良いものへと変化することにより、そのような特典が得られたという印象を遊技者に持たせることができる(宝玉の種類が変化するのは、あくまでも表示態様であって、獲得した宝玉が実際に変化しているわけではないが、遊技者には、獲得した宝玉が変化したのではないか(実際には無い変化抽選に当選したのではないか)という印象を与えることができる)ので、宝玉獲得の期待感が大きく損なわれることを防止することができる。保留変化表示を行う宝玉は、抽選により決定してもよいし、仮面表示した順番に応じて決定してもよいし(保留変化表示ができる場合に限る)、表示態様変化させた宝玉を優先して決定してもよい(保留変化表示ができる場合に限る)。
保留変化表示を行うか否かは、適宜決定することが可能であるが、役決定の結果と宝玉獲得抽選の結果とに応じて決定してもよい。例えば、宝玉獲得抽選での宝玉当選確率(宝玉を獲得できる確率)が役決定の結果に応じて変わるように構成した場合に、宝玉当選確率が高く(例えば70%)設定される役決定結果(例えば弱チェリー)と、宝玉当選確率が更に高く(例えば90%)設定される役決定結果(例えば強チェリー)とを設けたとする。このとき、弱チェリーに当選したが宝玉を獲得できなかった場合や、強チェリーに当選したが宝玉を獲得できなかった場合に、保留変化表示を行うようにしてもよい。その場合、このような状況が生じた場合には、必ず保留変化表示を行うようにしてもよいし、抽選により保留変化表示を行うか否かを決定してもよい。
弱チェリーに当選したが宝玉を獲得できなかった場合(「弱残念ケース」とも称する)と、強チェリーに当選したが宝玉を獲得できなかった場合(「強残念ケース」とも称する)とで、保留変化表示を行う割合を変えてもよい。例えば、宝玉当選確率が非常に高い強チェリーに当選したのにも拘らず宝玉を獲得できなかったときの方が遊技者の失望感が大きいと考えて、弱残念ケースよりも強残念ケースの方が保留変化表示を行う割合を高く設定してもよい。一方、強残念ケースで保留変化表示を行うと、強チェリーを引き当てたにも拘らず宝玉を獲得できなかったという遊技者の失望感が却って強くなると考えて、強残念ケースよりも弱残念ケースの方が保留変化表示を行う割合を高く設定してもよい。また、弱残念ケースと強残念ケースで保留変化表示を行う割合を抽選により決定することや、宝玉の獲得数や遊技回数、宝玉獲得抽選の実行回数等に応じて変更することも可能である。
<ART終了モードの処理内容(宝玉再設定抽選、宝玉取出し抽選)>
次に、ART終了モード滞在中の処理内容について、図33(C)を追加参照して説明する。先述したようにART終了モードは、ARTゲーム数の消化によりART中モードが終了した後で設定される有利区間の遊技モードである。ART終了モードでは、主制御手段側において、ART再設定抽選と宝玉取出し抽選が行われる。ART再設定抽選は、ARTモード中に獲得した宝玉の権利を行使してART当選を目指すART関連抽選であり、権利行使する宝玉が宝玉Aのときは1回(1遊技)、宝玉Bのときは3回(3遊技)、宝玉Cのときは5回(5遊技)行われる。権利行使する宝玉は、1個目から5個目までは獲得した順番(保留1から保留5までの順番)の宝玉であり、6個目以降は、宝玉取出し抽選により決定される。1個目(保留1)の宝玉が権利行使されると、保留2の情報(RAMアドレス「F091H」の情報)が保留1に繰り上げて記憶される。同様に、保留3から保留5の情報(RAMアドレス「F092H」から「F094H」の情報)が保留2から保留4に繰り上げて記憶され、保留5の情報はクリアされる。なお、ART再設定抽選の結果を示す情報は、制御コマンドの1つ(「ART再設定抽選結果コマンド」とも称する)として、例えば、ART再設定抽選が行われる毎に、その結果(ART当選か否か)の情報が、副制御手段側に送信される。
宝玉取出し抽選は、6個目以降の宝玉の権利行使の順番を決めるART関連抽選であり、本実施形態では、まず、権利行使する宝玉の種類を抽選で決定する。ここで決定した種類の宝玉が有る場合は、その種類の宝玉の個数の情報を「1」減算し、保留5にその宝玉の情報を書き込む(この処理を「取出し処理」とも称する)。一方、決定した種類の宝玉が無い場合には、宝玉Aの有無を判定し宝玉Aが有る場合にはその取出し処理を行う。宝玉Aが無い場合には、宝玉Bの有無を判定し宝玉Bが有る場合にはその取出し処理を行い、宝玉Bが無い場合には、宝玉Cの有無を判定し宝玉Cが有る場合にはその取出し処理を行う。このように本実施形態では、権利行使する宝玉の種類を最初に抽選でランダムに決定し、そこで決定した種類の宝玉が無い場合は、所定の順番(宝玉A→宝玉B→宝玉Cの順番)で宝玉の有無を確認し、最初に有ることが確認された宝玉を取り出すようにしているが、別の態様としてもよい。例えば、予め定められた順番(例えば、宝玉A→宝玉B→宝玉Cの順番)で宝玉の有無を確認し、最初に有ることが確認された宝玉を取り出すことや、取り出す順番(宝玉の有無を確認する順番)を複数パターン(例えば、宝玉A→宝玉B→宝玉Cのパターン、宝玉B→宝玉A→宝玉Cのパターン、宝玉C→宝玉A→宝玉Bのパターン)用意しておき、それらのパターンの中から1つを抽選でその都度決定することも可能である。
また、宝玉の種類に応じて、取り出される(次に権利行使される)宝玉として選出される確率(「取出し確率」とも称する)を変更してもよい。例えば、最も獲得し難い宝玉Cは、取出し確率を最も低く設定(例えば5%)し、最も獲得し易い宝玉Aは、取出し確率を最も高く設定(例えば80%)し、宝玉Bの取出し確率はそれらの中間に設定(例えば15%)してもよい。また、6個目以降に獲得された宝玉の総数に対する各種類の宝玉の獲得数の割合に応じて、3種類の宝玉の各取出し確率を決めてもよい。例えば、宝玉A,B,Cを同数(例えば1個ずつ)獲得している場合は、それぞれの取出し確率を「1/3」に設定することや、宝玉Aを7個、宝玉B2個、宝玉Cを1個獲得している場合は、それぞれのを取出し確率を「7/10」、「2/10」、「1/10」に設定することなどが挙げられる。その場合、それぞれの取出し確率は固定としてもよいし、実際の取出し状況等に応じて適宜変更してもよい。例えば、取り出されたことにより、宝玉Aが3個、宝玉Bが1個、宝玉Cが1個残っている場合は、それぞれのを取出し確率を「3/5」、「1/5」、「1/5」に変更するなどが挙げられる。また、宝玉Bや宝玉Cが先に権利行使されて宝玉Aばかりが多く残るようなことを防止するために、宝玉Bや宝玉Cは、宝玉Aが所定回数(例えば10回)連続して取り出されなければ取り出されないようにしたり(宝玉Aが9個しかなければ9回となる)、宝玉Bや宝玉Cが1回取り出されると、次から所定回数(例えば5回)は必ず宝玉Aが取り出されるようにしたり(宝玉Aが4個しかなければ4回となる)、宝玉Bと宝玉Cのうちどちらかが必ず最後に取り出されるようにしたりするなどの制限を設けてもよい。なお、上述したように宝玉状況コマンドが毎遊技、副制御手段側に送信されているため、副制御手段は、この宝玉状況コマンドに基づいて、どの宝玉が取り出されたのかを判別することが可能となっている。
また、ART終了モードでは、副制御手段側において、ART再設定抽選の結果を報知するための所定の画像演出(「ART再設定演出」とも称する)が行われる。このART再設定演出は、主制御手段側から送信されるART再設定抽選結果コマンドの情報に基づいて行われる。ART再設定演出の具体的態様としては、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが格闘する画像として、ART再設定抽選が行われる毎に、ART再設定抽選の結果が当り(ART当選)であれば最終的に味方キャラクタが勝利するよう画像を順次表示し、ART再設定抽選の結果がハズレであれば最終的に敵キャラクタが勝利するよう画像を順次表示する態様が挙げられる。この態様の場合、敵キャラクタを複数種類用意しておき、表示された敵キャラクタの種類に応じて、味方キャラクタが勝利する期待度(確率)が変化するようにしてもよい。また、一旦は敵キャラクタが勝利した画像を表示しながら、最終的には逆転で味方キャラクタが勝利する画像を表示する演出(「逆転勝利演出」とも称する)を行うようにしてもよい。このようなART再設定演出は、例えば、スタートレバー操作の受付けに応じて開始し、第三停止操作の受付後から所定時間(敵キャラクタ毎に変えてもよい)が経過したときに、敵キャラクタが勝利する画像か味方キャラクタが勝利する画像のいずれかが表示される。1回のART再設定演出が終了する毎に、味方キャラクタが勝利した場合にはART当選であることを示す表示(例えば「ART獲得!!」とか「ART貯留+1」等の表示)を行い、敵キャラクタが勝利した場合にはART当選ではないことを示す表示(例えば「残念!!」とか「ART獲得ならず」等の表示)を行うようにしてもよい。
さらに、ART終了モードでは、副制御手段側において、宝玉の権利行使が行われたことを報知するための所定の画像演出(「宝玉移動演出」とも称する)が、画像表示装置11を用いて行われる。この宝玉移動演出は、主制御手段側から送信される宝玉取出しコマンドの情報に基づいて行われる。宝玉移動演出の具体的態様としては、例えば図33(C)の左図に示すように、画面上左から1個目(保留1)の位置の宝玉が権利行使されて消滅した後に、2個目(保留2)から5個目(保留5)までの各位置の宝玉が順次1つずつ位置を繰り上げ(左方に移動し)、その後、それまで表示されていなかった6個目(保留6)の宝玉が容器内から容器上(保留5)の位置に表示される態様が挙げられる。宝玉移動演出において、宝玉の移動や取出しの表示を行うタイミングとしては、第三停止操作受付けの直後としてもよいが、受付後から所定時間が経過した後が好ましい。なぜなら、第三停止操作の受付後から所定時間(敵キャラクタ毎に変えてもよい)が経過したときに、敵キャラクタが勝利する画像か味方キャラクタが勝利する画像のいずれかが表示されるからである。すなわち、どちらのキャラクタが勝利するのかが分からない段階で、宝玉の移動や取出しの表示を行うと、演出の妨げとなる虞があり、宝玉の移動や取出しの表示を行うことによって、どちらのキャラクタが勝利するのかが遊技者に分かってしまう虞もあるからである(例えば、ART再設定抽選に当選したら、その時点でART終了モードを終了させる場合であって、味方キャラクタが勝利する画像が表示されるとき(ART再設定抽選に当選)は、宝玉移動演出を次遊技(ART開始モード中)で行うようにしており、敵キャラクタが勝利する画像が表示されるとき(ART再設定抽選に当選しなかったとき)は、宝玉移動演出を当該遊技(第三停止操作受付けの直後)で行うようにしていると、第三停止操作受付け時に、宝玉移動演出が行われたか否かによって、画像が表示される前にどちらのキャラクタが勝利するのかが遊技者に分かってしまう)。また、敵キャラクタの種類に応じて、所定時間を変える場合には、最も長い所定時間に合わせて、宝玉の移動や取出しの表示を行うようにしてもよい。特に、逆転勝利演出が行われるときは、味方キャラクタが一旦は敗北したような画像が表示されたときは宝玉の移動や取出しの表示は行わず、味方キャラクタが逆転勝利した画像が表示されて遊技者にART当選したことが報知された後に、宝玉の移動や取出しの表示を行うことが好ましい。
宝玉取移動演出において、宝玉の仮面表示及び保留変化表示を行うこともできる。例えば図33(C)には、4個目(保留4)の位置の宝玉が実際は宝玉Cであるが、見た目上は宝玉Aとして表示されており、それが3個目(保留3)の位置に移動するときに、見た目上も宝玉Cに変化する演出態様を示している。このような宝玉取移動演出における仮面表示や保留変化表示は適宜行うことが可能であるが、例えば、仮面表示を行っている宝玉があるときに逆転勝利演出を行う場合は、その逆転勝利演出終了直後の宝玉の移動及び取出しの表示のときに必ず保留変化表示を行う(保留変化表示できるものがあるときに限る)とか、あるいは逆に、逆転勝利演出の終了直後の宝玉の移動及び取出しの表示のときには保留変化表示を行わないようにするというように、実行条件を設定してもよい。また、仮面表示や保留変化表示を行うか否かを抽選により決定してもよく、仮面表示を行っている宝玉については、点滅表示等の表示態様変化を行うようにしてもよい。
[主要な制御処理]
以下、スロットマシン1の主制御手段100において行われる制御処理のうち、特に、プログラム開始処理(メイン)、遊技進行制御処理、タイマ割込処理について、図34〜41を追加参照して説明する。なお、以下の説明において幾つかのCPUレジスタやフラグについて記載しているが、それについてここで簡単に説明する。Aレジスタは、演算に用いるデータをセットしたり、演算結果をセットしたりするのに用いられる専用レジスタである。Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタは、様々な目的に使用できる汎用レジスタであり、ペアレジスタ(BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ)としても使用される。Rレジスタは、順次更新される所定のカウンタ値を記憶するレジスタである。Fレジスタは、演算の結果生じる所定の条件を記憶するレジスタであり、その幾つかのビットが、キャリーフラグ、ゼロフラグ、第2ゼロフラグとして構成されている。キャリーフラグは、演算した結果、キャリーが発生したときに、セット(「1」が記憶)されるフラグであり、ゼロフラグは、直前の演算結果が「0」であるときにセット(「1」が記憶)されるフラグである。また、第2ゼロフラグは、所定のレジスタ(例えば、Aレジスタ)にデータをセットしたとき、そのデータが「0」であったときにセット(「1」が記憶)されるとともに、ゼロフラグがセット(「1」が記憶)されたときにもセット(「1」が記憶)されるフラグである。
<プログラム開始処理(メイン)>
プログラム開始処理(メイン)は、スロットマシン1に電源が投入される毎に実行される処理であり、その処理内容一部を図34(A)に示している。図示するようにプログラム開始処理(メイン)では、RAMアクセス許可ビットをセットする(ステップK11)。具体的には、RAMアクセス制御ビット(RAMアドレス「FE00H」)に「1」(アクセス許可)をセットする。次に、乱数最大値設定テーブルをセットする(ステップK12)。具体的には、HLレジスタにROMアドレス「1200H」(乱数最大値設定テーブルの先頭アドレス)をセットする。次いで、乱数最大値設定開始レジスタをセットする(ステップK13)。具体的には、DEレジスタにRAMアドレス「FE69H」(16ビット乱数RL1の最大値設定用レジスタのアドレス)をセットする。さらに、乱数最大値設定バイト数をセットする(ステップK14)。具体的には、Bレジスタに「8」をセットする。そして、乱数最大値設定を実行する(ステップK15)。具体的には、(1)DEレジスタの値が示すレジスタアドレス(「FE69H」)にHLレジスタの値が示すROMアドレスの値(乱数列の最大値)をセットし、(2)DEレジスタの値をインクリメントし、(3)HLレジスタの値をインクリメントし、(4)BCレジスタの値をデクリメントする、という4個の処理をBレジスタの値が「0」になるまで繰り返す。
<遊技進行制御処理>
遊技進行制御処理は、遊技中に繰り返し実行される基本的な処理であり、図34(B)に示すように、スタートレバー25の操作が受け付けられるまでその状態で待機し(ステップS1)、受け付けられると役決定処理を行う(ステップS2)。この役決定処理では、16ビット乱数RL0が発生する乱数値に基づき、役決定結果番号(YK番号,YYK番号)が選出される。選出された役決定結果番号の情報は、RAM63の所定の記憶領域に保存される。
役決定処理を行った後、遊技モード共通開始時処理を行う(ステップS3)。この遊技モード共通開始時処理は、いずれの遊技モードに滞在中であっても共通に行われる処理である。ここでは、遊技モード共通開始時処理中に行われる作動状態セット処理について図35(A)を参照して説明する。作動状態セット処理では、まず、図柄組合せ表示フラグを取得する(ステップS31)。具体的には、Aレジスタに図柄組合せ表示フラグ(RAMアドレス「F033H」の記憶値)をセットする。次に、ボーナス作動状態フラグのRAMアドレスをセットする(ステップS32)。具体的には、HLレジスタにRAMアドレス「F019H」(ボーナス作動状態フラグのアドレス)をセットする。次いで、RB−AまたはRB−B作動時の入賞回数及び遊技回数をセットする(ステップS33)。具体的には、DEレジスタに「8*100H+8H」(「0000100000001000B」)をセットする。次に、RB作動図柄が表示されたか否かを判定する (ステップS32)。具体的には、Aレジスタの値の3ビット目をゼロフラグにセットし、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。
ここで、RB作動図柄が表示されている場合にはステップS44に進み、RB作動図柄が表示されていない場合にはステップS35に進む。ステップS35では、BB作動図柄が表示されたか否かを判定する。具体的には、Aレジスタの値の2ビット目をゼロフラグにセットし、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、BB作動図柄が表示されている場合にはステップS36に進み、BB作動図柄が表示されていない場合にはステップS42に進む。ステップS36では、ボーナス作動種別を取得する。具体的には、Aレジスタにボーナス作動種別(RAMアドレス「F018H」)をセットする。ボーナス作動種別の取得後、BB−B〜E作動時の獲得可能枚数をセットする(ステップS37)。具体的には、DEレジスタに「297+1」(「0000000100101010B」)をセットする。
次いで、BB−A作動時であるか否かを判定する(ステップS38)。具体的には、Aレジスタの値から1を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、BB−A作動時である場合にはステップS39に進み、BB−A作動時でない場合にはステップS39を飛ばしてステップS40に進む。ステップS39では、BB−A作動時の獲得可能枚数をセットする。具体的には、DEレジスタに「18+1」(「0000000000010011B」)をセットする。ステップS40では、BB作動時の獲得可能枚数を保存する。具体的には、DEレジスタの値をBB作動時の獲得可能枚数(RAMアドレス「F054H」)にセットする。BB作動時の獲得可能枚数の保存後、BB作動状態フラグをセットする(ステップS41)。具体的には、HLレジスタの値が示すRAMアドレス(「F019H」)の値の2ビット目に「1」をセットする。
次に、RB作動開始時であるか否かを判定する(ステップS42)。具体的には、HLレジスタの値が示すRAMアドレス(「F019H」)の値から「4」(「00000100B」)を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。RB作動開始時でない場合にはそのままリターンし、RB作動開始時である場合にはステップS43に進む。ステップS43では、RB−CまたはRB−D作動時の入賞回数及び遊技回数をセットする。具体的には、DEレジスタに「2*100H+2H」(「0000001000000010B」)をセットする。次いで、RB作動時の入賞回数及び遊技回数を保存する(ステップS44)。具体的には、DEレジスタの値を、RB作動時の遊技回数(RAMアドレス「F057H」)、RB作動時の入賞回数(RAMアドレス「F056H」)にセットする。その後、RB作動状態フラグをセットする(ステップS45)。具体的には、HLレジスタの値が示すRAMアドレス(「F019H」)の値の3ビット目に「1」をセットし、リターンする。
図34(B)に戻り、ステップS4では、遊技モード別開始時処理を行う。遊技モード別開始時処理とは、設定されている遊技モードごとに行われる各開始時処理の総称である。ここでは、遊技モード別開始時処理のうちの1つの例として、CZ中モードに設定されているときに行われるCZ中処理について説明する。このCZ中処理では、図35(B)に示すように、まず、敵カウンタ抽選処理を行う(ステップS51)。この敵カウンタ抽選処理では、図36(A)に示すように、敵カウンタ減算抽選オフセットテーブルをセットする(ステップS61)。具体的には、HLレジスタに「1300H−1H」をセットする。
次に、抽選アドレスセット処理を行う(ステップS62)。この抽選アドレスセット処理では、図36(B)に示すように、まず、抽選グループ番号を取得する(ステップS81)。具体的には、Aレジスタに抽選グループ番号をセットする。次いで、指定アドレスをセットする(ステップS82)。具体的には、HLレジスタにAレジスタの値を加算する。次に、指定アドレスデータを取得する(ステップS83)。具体的には、HLレジスタの値が示すROMアドレスの値をAレジスタにセットする。指定アドレスデータの取得後、指定アドレスをセットする(ステップS84)。具体的には、HLレジスタに、Aレジスタの値を加算する。指定アドレスのセット後、敵カウンタ減算抽選処理のステップS63に戻り、抽選無しか否かを判定する。具体的には、Aレジスタの値から「0」を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、抽選無しの場合はそのままリターンし、抽選有りの場合はステップS64に進み、16ビット乱数読み出し処理を行う。
この16ビット乱数読み出し処理では、図36(C)に示すように、16ビット乱数RL1が発生した乱数値を読み出す(ステップS91)。具体的には、DEレジスタに16ビット乱数RL1の乱数値ラッチレジスタ(RAMアドレス「FE7AH」,「FE7BH」)の値をセットする。乱数値の読み出し後、ステップS92に進み、当選番号抽選判定処理を行う。
この当選番号抽選判定処理では、図37に示すように、まず、当選番号を初期化する(ステップS101)。具体的には、Bレジスタに「8H」をセットする。次に、抽選検索データを取得する(ステップS102)。具体的には、CレジスタにHLレジスタの値が示すROMアドレスの値をセットする。抽選検索データの取得後、抽選対象チェックを行う(ステップS103)。具体的には、Cレジスタの値を左シフト演算する。このとき、キャリーフラグに7ビット目の値をセットし、0ビット目に「0」をセットする。次いで、抽選対象であるか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、キャリーフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、抽選対象である場合はステップS105に進み、抽選対象でない場合はステップS117に進む。
ステップS105では、次の抽選データアドレスをセットする。具体的には、HLレジスタの値をインクリメントする。次に、終了指定であるか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、HLレジスタの値が示すROMアドレスの値から「0」を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、終了指定である場合はステップS119に進み、終了指定でない場合はステップS107に進む。ステップS107では、抽選置数番号をセットする。具体的には、AレジスタにHLレジスタの値が示すROMアドレスの値をセットする。次いで、当選番号及び抽選検索データを退避する(ステップS108)。具体的には、BCレジスタの値を退避する。続いて、抽選データテーブルアドレスも退避する(ステップS109)。具体的には、HLレジスタの値を退避する。
次に、当選番号抽選置数テーブルをセットする(ステップS110)。具体的には、
HLレジスタに「1330H−2H」をセットする。次いで、指定アドレスをセットする(ステップS111)。具体的には、AレジスタにAレジスタの値を加算し、HLレジスタにAレジスタの値を加算する。続いて、確率データを取得する(ステップS112)。具体的には、BCレジスタにHLレジスタの値が示すROMアドレスの値をセットする。確率データの取得後、抽選データテーブルアドレスを復帰する(ステップS113)。具体的には、HLレジスタの値を復帰する。
次に、抽選用基準数−確率データの演算を行う(ステップS114)。具体的には、DEレジスタの値とHLレジスタの値を入れ替え、HLレジスタの値からBCレジスタの値を減算する。さらに、減算後の値をHLレジスタにセットし、DEレジスタの値とHLレジスタの値を入れ替える。演算後、当選番号及び抽選検索データを復帰する(ステップS115)。具体的には、BCレジスタの値を復帰する。次に、当選であるか否かを判定する(ステップS116)。具体的には、キャリーフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、当選である場合はステップS119に進み、当選でない場合はステップS117に進む。ステップS117では、検索終了であるか否かを判定する。具体的には、Bレジスタの値から1を減算し、減算後の値をBレジスタにセットし、Bレジスタの値が「0」であるか否かを判定する。
ここで、検索終了である場合はステップS118に進み、検索終了でない場合はステップS103に戻る。ステップS118では、最小当選番号をセットする。具体的には、Bレジスタの値をインクリメントする。次いで、当選番号−1の値を生成する(ステップS119)。具体的には、AレジスタにBレジスタの値をセットし、Aレジスタの値をデクリメントする。このステップS119の処理により当選番号抽選判定処理は終了してリターンし、さらに16ビット乱数読み出し処理も終了して、敵カウンタ減算抽選処理のステップS65に進む。
このステップS65では、抽選ハズレであるか否かを判定する。具体的には、Aレジスタの値から「0」を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、抽選ハズレである場合はそのままリターンし、抽選ハズレでない場合はステップS66に進む。ステップS66では、ダメージセットテーブルをセットする。具体的には、HLレジスタに「1320H−1H」をセットする。次に、ダメージ値を取得する(ステップS67)。具体的には、HLレジスタにAレジスタの値を加算し、HLレジスタの値が示すROMアドレスの値をBレジスタにセットする。次いで、敵カウンタのRAMアドレスをセットする(ステップS68)。具体的には、HLレジスタに「F089H」をセットする。
続いて、敵カウンタ値を「1」減算する(ステップS69)。具体的には、HLレジスタの値が示すRAMアドレス(「F089H」)の値から「1」を減算し、キャリーフラグが「1」であれば、HLレジスタの値が示すRAMアドレス(「F089H」)に「0」をセットする。一方、キャリーフラグが「1」でなければ、HLレジスタの値が示すRAMアドレス(「F089H」)に減算後の値をセットする。次に、敵カウンタ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS70)。具体的には、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、敵カウンタ値が「0」である場合はそのままリターンし、敵カウンタ値が「0」でない場合はステップS71に進む。ステップS71では、今回のダメージ減算が終了したか否かを判定する。具体的には、Bレジスタの値から1を減算し、減算後の値をBレジスタにセットし、Bレジスタの値が「0」であるか否かを判定する。ここで、今回のダメージ減算が終了した場合はそのままリターンし、今回のダメージ減算が終了していない場合はステップS68に戻る。
敵カウンタ減算抽選処理の終了後、CZ中処理のステップS52に進む。このステップS52では、敵カウンタ値が「0」であるか否かを判定する。具体的には、敵カウンタ値から「0」を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、敵カウンタ値が「0」である場合はステップS58に進み、敵カウンタ値が「0」でない場合はステップS53に進む。ステップS53では、CZ中の遊技回数を取得する。具体的には、AレジスタにCZ中モードでの遊技回数(RAMアドレス「F088H」の値)をセットする。次に、最終ゲームであるか否かを判定する(ステップS54)。具体的には、Aレジスタの値をデクリメントし、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、最終ゲームでない場合はそのままリターンし、最終ゲームである場合はステップS55に進む。
ステップS55では、敵カウンタ値を取得する。具体的には、Aレジスタに敵カウンタ値をセットし、Aレジスタの値を5倍し、BレジスタにAレジスタの値をセットする。次に、8ビット乱数RS0が発生する乱数値を読み出す(ステップS56)。具体的には、Aレジスタに8ビット乱数RS0の乱数値ラッチレジスタ(RAMアドレス「FE81H」)の値をセットする。乱数値の読み出し後、ステップS92に進み、読み出した乱数値が敵カウンタ値の5倍よりも小さい(乱数値<敵カウンタ値×5)か否かを判定する。具体的には、Aレジスタの値からBレジスタの値を減算し、減算後の値をAレジスタにセットし、キャリーフラグが「1」であるか否かを判定する(なお、ここでの判定方法は、上述の式(P)による判定と実質的に等価なものである)。ここで、敵カウンタ値の5倍よりも乱数値が小さい場合はそのままリターンし、小さくない場合はステップS58に進み、ART貯留カウンタ加算処理を行う。
ART貯留カウンタ加算処理では、図35(C)に示すように、まず、ART貯留カウンタのRAMアドレスをセットする(ステップS121)。具体的には、HLレジスタにRAMアドレス「F087H」をセットする。次に、ART貯留カウンタのカウンタ値を「1」加算する(ステップS122)。具体的には、HLレジスタの値が示すRAMアドレス(「F087H」)の値をインクリメントする。カウンタ値の加算後、カウンタ値が「256」よりも小さいか否かを判定する(ステップS123)。具体的には、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、加算後のカウンタ値が「256」よりも小さい場合はそのままリターンし、小さくない場合はステップS124に進み、カウンタ値を「255」に補正する。具体的には、HLレジスタの値が示すRAMアドレス(「F087H」)の値をデクリメントする。このART貯留カウンタ加算処理からのリターンでCZ中処理も終了する。
次に、遊技モード別開始時処理のうちの別例として、ART開始モードに設定されているときに行われるART開始処理について説明する。このART開始処理では、図38(A)に示すように、抽選モードを取得する(ステップS131)。具体的には、Bレジスタに抽選モード(RAMアドレス「F08AH」の値)をセットする。次に、ステップS132に進み、ループ加算抽選抽選処理を行う。このループ加算抽選抽選処理では、図38(B)に示すように、ARTゲーム数加算抽選オフセットテーブル1をセットする(ステップS141)。具体的には、DEレジスタに「13D0H−1H」をセットする。次に、ARTゲーム数加算抽選オフセットテーブル2をセットする(ステップS142)。具体的には、HLレジスタに「13D7H−1H」をセットする。次いで、ステップS143に進み、ループ抽選アドレスセット処理を行う。
このループ抽選アドレスセット処理では、図38(C)に示すように、抽選モードを取得する(ステップS151)。具体的には、AレジスタにBレジスタの値をセットする。次に、指定アドレスをセットする(ステップS152)。具体的には、HLレジスタにAレジスタの値を加算する。次いで、指定アドレスデータを取得する(ステップS153)。具体的には、AレジスタにHLレジスタの値が示すROMアドレスの値をセットする。さらに、指定アドレスをセットする(ステップS154)。具体的には、HLレジスタにAレジスタの値を加算する。続いて、抽選テーブル2保存バッファをセットする(ステップS155)。具体的には、抽選テーブル2保存バッファ(RAMアドレス「F08EH」)にHLレジスタの値をセットする。
次に、抽選モードを取得する(ステップS156)。具体的には、AレジスタにBレジスタの値をセットし、DEレジスタの値とHLレジスタの値を入れ替える。次いで、指定アドレスをセットする(ステップS157)。具体的には、HLレジスタにAレジスタの値を加算する。さらに、指定アドレスデータを取得する(ステップS158)。具体的には、AレジスタにHLレジスタの値が示すROMアドレスの値をセットする。続いて、指定アドレスをセットする(ステップS159)。具体的には、HLレジスタにAレジスタの値を加算する。ループ抽選アドレスセット処理からのリターンで、ループ加算抽選処理のステップS144に進み、8ビット乱数読み出し処理を行う。
8ビット乱数読み出し処理では、図39(A)に示すように、まず、割込待ち処理を行う(ステップS161)。この割込待ち処理では、図39(B)に示すように、アドレスデータを退避する(ステップS181)。具体的には、HLレジスタの値を退避する。次に、割込カウンタ値(タイマ割込処理が実行される毎にカウントアップされる割込カウンタの値)を取得する(ステップS182)。具体的には、Aレジスタに割込カウンタ値をセットする。次いで、ソフト乱数を更新する(ステップS183)。具体的には、ソフト乱数を更新し、その更新後の乱数値(2バイト)の下位バイトをLレジスタにセットする。ソフト乱数の更新後、割込カウンタ値が変化したか否かを判定する(ステップS183)。具体的には、Aレジスタの値から割込カウンタ値を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、割込カウンタ値が変化していない場合はステップS183に戻ってソフト乱数を再度更新し、割込カウンタ値が変化していた場合はステップS185に進み、更新後のソフト乱数の下位バイトをセットする。具体的には、AレジスタにLレジスタの値をセットする。次に、アドレスデータを復帰する(ステップS186)。具体的には、退避していたHLレジスタの値を復帰する。
割込待ち処理からのリターンで、8ビット乱数読み出し処理のステップS162に進み、乱数更新待ち時間(上述のステップS185でセットされる更新後のソフト乱数の下位バイトの値(不定値))から「1」を減算する(ステップS162)。具体的には、Aレジスタの値をデクリメントする。次に、乱数更新待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS163)。具体的には、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、乱数更新待ち時間が経過していない場合はステップS162に戻って乱数更新待ち時間から「1」を再度減算し、乱数更新待ち時間が経過した場合はステップS164に進み、Rレジスタを取得する。具体的には、AレジスタにRレジスタの値をセットする。次に、乱数加算値をセットする(ステップS165)。具体的には、DレジスタにAレジスタの値をセットする。
次いで、8ビット乱数RS1が発生する乱数値を読み出す(ステップS166)。具体的には、Aレジスタに8ビット乱数RS1の乱数値ラッチレジスタ(RAMアドレス「FE80H」)の値をセットする。続いて、読み出した乱数値を「1」加算する(ステップS167)。具体的には、Aレジスタの値から199を減算し、キャリーフラグが「1」であればAレジスタにAレジスタの値に「1」を加算した値をセットし、キャリーフラグが「1」でなければAレジスタに「0」をセットする。次に、乱数加算値から「1」を減算する(ステップS168)。具体的には、Dレジスタの値をデクリメントする。その後、乱数値加算が終了したか否かを判定する(ステップS169)。具体的には、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、乱数値加算が終了していない場合はステップS167に戻り、終了した場合はステップS170に進み、乱数値をセットする。具体的には、EレジスタにAレジスタの値をセットする。乱数値のセット後、当選番号抽選判定処理(図37を参照)を行い(ステップS171)、8ビット乱数読み出し処理を終了してリターンする。
8ビット乱数読み出し処理からのリターンで、ループ加算抽選処理のステップS145に進み、抽選がハズレであるか否かを判定する。具体的には、Aレジスタの値から「0」を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。次に、ARTゲーム数RAMアドレスをセットする(ステップS146)。具体的には、DEレジスタに「F08BH」をセットする。次いで、ステップS147に進み、上乗せ回数更新処理を行う。上乗せ回数更新処理では、図39(C)に示すように、ARTゲーム数加算データテーブルのアドレスをセットする(ステップS191)。具体的には、HLレジスタに「13F6H」をセットする。次に、指定アドレスをセットする(ステップS192)。具体的には、HLレジスタにAレジスタの値を加算する。次いで、指定アドレスの2バイトデータを取得する(ステップS193)。具体的には、HLレジスタにAレジスタの値を加算し、HLレジスタにHLレジスタの値が示すROMアドレスの値をセットする。
続いて、ARTゲーム数を加算する(ステップS194)。具体的には、DEレジスタの値とHLレジスタの値を入れ替え、DEレジスタにHLレジスタの値が示すRAMアドレス(「F08BH」)の値を加算する。ARTゲーム数の加算後、ARTゲーム数が上限値を超えたか否かを判定する(ステップS195)。具体的には、キャリーフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、ARTゲーム数が上限値を超えていない場合はステップS197に進み、上限値を超えた場合はステップS196に進み、ARTゲーム数の上限値をセットする。具体的には、DEレジスタに「65535」をセットする。ステップS197では、ARTゲーム数を更新する。具体的には、HLレジスタの値が示すRAMアドレス(「F08BH」)にDEレジスタの値をセットする。
上乗せ回数更新処理からのリターンで、ループ加算抽選処理のステップS148に進み、ARTゲーム数が最大値であるか否かを判定する。具体的には、HLレジスタにARTゲーム数をセットし、HLレジスタの値をインクリメントし、第2ゼロフラグ(ゼロフラグとは別のゼロフラグ)が「1」であるか否かを判定する。ここで、ARTゲーム数が最大値である場合はそのままリターンし、最大値でない場合はステップS149に進み、抽選テーブル2のアドレスをセットする。具体的には、HLレジスタに抽選テーブル2保存バッファのアドレス(「F08EH」)をセットする。ループ加算抽選処理からのリターンで、ART開始処理も終了する。
次に、遊技モード別開始時処理のうちの他の例として、ART終了モードに設定されているときに行われるART終了処理(特に、宝玉の保留に関する制御部分)について説明する。このART終了処理では、図40に示すように、保留2及び保留3を取得する(ステップS201)。具体的には、HLレジスタに保留2(RAMアドレス「F091H」)の値及び保留3(RAMアドレス「F092H」)の値をセットする。次に、保留1及び保留2を保存する(ステップS202)。具体的には、保留1(RAMアドレス「F090H」)及び保留2にHLレジスタの値をセットする。次いで、保留4及び保留5を取得する(ステップS203)。具体的には、HLレジスタに保留4(RAMアドレス「F093H」)の値及び保留5(RAMアドレス「F094H」)の値をセットする。さらに、保留3及び保留4を保存する(ステップS204)。具体的には、保留3及び保留4にHLレジスタの値をセットする。
次に、保留5をクリアする(ステップS205)。具体的には、保留5に「0」をセットする。保留5のクリア後、宝玉取出し抽選を行い、当選番号(0〜3のいずれか)を決定する(ステップS206)。具体的には、決定した当選番号をAレジスタにセットする。続いて、宝玉Aの個数を記憶したRAMアドレス(「F095H」)から「1」を減算した値をセットする(ステップS207)。具体的には、HLレジスタに「F095H−1H」をセットする。次いで、指定アドレスをセットする(ステップS208)。具体的には、HLレジスタにAレジスタの値を加算する。指定アドレスのセット後、指定アドレスデータが「0」であるか否かを判定する(ステップS209)。具体的には、HLレジスタの値が示すRAMアドレスの値から「0」を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、指定アドレスデータが「0」でない場合はステップS216に進み、指定アドレスデータが「0」である場合はステップS210に進む。
ステップS210では、宝玉Aの個数を記憶したRAMアドレスから「1」を減算した値をセットする。具体的には、HLレジスタに「F095H−1H」をセットする。次に、処理回数として「0」をセットする(ステップS211)。具体的には、Aレジスタに、Aレジスタの値とAレジスタの値の排他的論理和した値をセットする。次いで、RAMアドレスを「1」加算する(ステップS212)。具体的には、HLレジスタの値をインクリメントする。さらに、処理回数を「1」加算する(ステップS213)。具体的には、Aレジスタの値をインクリメントする。処理回数の加算後、指定アドレスデータが「0」であるか否かを判定する(ステップS209)。具体的には、HLレジスタの値が示すRAMアドレスの値から「0」を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。
ここで、指定アドレスデータが「0」でない場合はステップS216に進み、指定アドレスデータが「0」である場合はステップS215に進む。ステップS215では、処理回数が「3」であるか否かを判定する。具体的には、Aレジスタの値から「3」を減算し、ゼロフラグが「1」であるか否かを判定する。ここで、処理回数が「3」である場合は一連の処理を終了し、処理回数が「3」でない場合はステップS212に戻る。一方、ステップS216では、指定アドレスデータから「1」を減算する。具体的には、HLレジスタの値が示すRAMアドレスの値をデクリメントする。そして、保留5に宝玉取出し抽選の当選番号または処理回数を保存する(ステップS217)。具体的には、保留5にAレジスタの値をセットする。
以上で遊技モード別開始処理の説明を終え、図34(B)のステップS5に進む。このステップS5ではフリーズフラグ(フリーズを行うか否かを管理するフラグ)がONであるか否かを判定する。ここで、フリーズフラグがONである場合には、所定の設定時間だけフリーズを行い(ステップS6)、フリーズ実行後にフリーズフラグをクリアし(ステップS7)、ステップS8に進む。一方、フリーズフラグがONでない場合には、ステップS5〜S7の処理は行わずにステップS8に進み、押し順ナビ処理(役決定の結果等に応じて上述の押し順ナビを実行する処理)を行う。
押し順ナビ処理の終了後、回胴開始処理を行う(ステップS9)。具体的には、各リールの回転開始から定速状態に至るまでの回転状態を管理する。次いで、回胴停止処理を行う(ステップS10)。具体的には、ストップスイッチの操作が受け付けられた場合に、その受け付けたタイミング(押し位置や押し順)と役決定の結果に応じて停止可能位置を定め、リールの減速から停止に至るまでの回転状態を管理する処理を行う。回胴停止処理を行った後、遊技モード別終了時処理(リール停止後に、設定されている遊技モード別に行われる処理)を行う(ステップS11)。遊技モード別終了処理を終えると、遊技モード共通終了時処理(設定されている遊技モードに拘わらず、リール停止後に共通に行われる処理)を行い(ステップS12)、ステップS1に戻る。
<タイマ割込処理>
次に、タイマ割込処理について説明する。本実施形態では、遊技者により行われるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信、リールの駆動制御等の処理が、予め設定された一定の時間(例えば、2.235ミリ秒)毎に実施されるタイマ割込処理によって行われる。このタイマ割込処理では、図41に示すように、まず、割込初期処理(レジスタの退避、割込禁止等)を行い(ステップMT11)、次に、電源断が検知されたか否かを判定する(ステップMT12)。ここで、電源断が検知されていれば電源断処理を行う(ステップMT25)。電源断処理では、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等が行われる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報や遊技状態に関する情報(ARTに関する情報を含む)の保持や、チェックサムの算出及び記憶等の処理も行われる。
一方、電源断が検知されていなければ、割込カウンタ値を更新(「1」減算)する処理を行い(ステップMT13)、さらにタイマ計測を行う(ステップMT14)。このタイマ計測は、上述の遊技進行制御処理においてセットされた任意のタイマのタイマ値の減算や加算処理等を行うものである。次に、入力ポートの読込みを行う(ステップMT15)。この入力ポートの読込みでは、入力ポートに入力された各遊技操作信号等の信号レベルの読込みと記憶、信号レベルの判定等が行われる。
次いで、リール3a〜3cの駆動(回転の加速、減速、定速維持や停止維持等)を制御するためのリール駆動制御処理を行う(ステップMT16)。このリール駆動制御処理では、リール駆動状態(停止、リール回転待機中、加速中、定速中、減速中等)に応じて、ステッピングモータの出力相(励磁相)を切り替えるタイミングを示すリール駆動パルス出力カウンタ値の更新や、ステッピングモータを駆動させるリール駆動パルスデータの取得、更新、出力等の処理が行われる。次のステップMT17では、リール駆動制御処理を全リールに対し実行したか否かを判定し、実行していない場合にはステップMT16に戻り、リール駆動制御処理を再度行う。一方、全リールに実行した場合には、リールやホッパー、ブロッカ等の励磁出力を行うポート出力処理を行い(ステップMT18)、さらに、制御コマンドバッファ(CB)に記憶された制御コマンドを送信する制御コマンド送信処理を行う(ステップMT19)。
次に、ステップMT20に進み、所定の記憶領域に記憶されていた外端信号(外部信号)データを読み出し、外端信号を出力する。次いで、上述の表示用ランプに所定の表示を実行させるLED表示を行う(ステップMT21)。このLED表示では、例えば、払出数表示ランプ46jにおいて、次のような表示を実行させる。すなわち、エラー(E系エラーを除く)が発生していない場合には、遊技メダルの払出数に基づき払出数「0〜9」を表示させたり、設定ランクに基づき「1〜6」という数値を表示させたりする。さらに、押し順の報知を行う場合には、ナビ番号の表示態様「=1」〜「=6」を表示させる。また、エラー(E系エラーを除く)が発生している場合には、エラー番号の値に基づきエラー表示を実行させる。
次に、ステップMT22に進み、エラー管理を行う。このエラー管理では、まず、エラーチェックを行う。このエラーチェックでは、H0エラーが発生したか否かの判定、CEエラーが発生したか否かの判定、CPエラーが発生したか否かの判定、CHエラーが発生したか否かの判定、C0エラーが発生したか否かの判定、C1エラーが発生したか否かの判定、E6エラーが発生したか否かの判定、E7エラーが発生したか否かの判定を行い、さらに、E6エラーまたはE7エラーが発生した場合には、払出数表示ランプ46jにエラー表示させ、遊技の実行を停止させる処理などを行う。なお、E系のエラーが発生した場合には、上述の設定変更時処理が実行されればエラー復帰が可能となる。このエラーチェックの後、エラーが発生している場合には、副制御手段200にエラー情報を送信するためのエラー検出時の出力要求セットの処理を行う。このエラー管理の処理を実行後、役決定等に用いる乱数を更新する処理行い(ステップMT23)、さらに割込復帰処理(レジスタの復帰、割込許可等)を行い(ステップMT24)、割込リターンする。
<変更態様1>
次に、上述の実施形態の構成を一部変更した態様例(「変更態様1」と称する)について、図42〜46を追加参照して説明する。この変更態様1では、図42に示すように、主制御手段側で制御される遊技モードとして、遊技モード1〜4を備えている(他の遊技モードも備えているが図示略)。遊技モード1は、通常区間の遊技モードであり、上記実施形態の通常モードに相当する。遊技モード2,3は、ART当選を目指す有利区間の遊技モードであり、上記実施形態のCZ中モード等に相当する。遊技モード4は、ART当選が得られた場合に、遊技モード3から移行される有利区間の遊技モードであり、上記実施形態のART中モード等に相当する。
遊技モード2は、最大で20ゲーム(ゲーム数は適宜変更可)設定され、遊技モード2滞在中には、所定のポイント(「バトルポイント」とも称する)の獲得を目指す抽選(「ポイント獲得抽選」とも称する)が、主制御手段側において、役決定結果等に応じて行われる。遊技モード2滞在中において、獲得したバトルポイントの累計値が20以上となった場合、及び20ゲームを消化した場合には、ART当選を目指す抽選(「累計ポイントART抽選」とも称する)と、遊技モード3に設定する期間(ゲーム数)を決定するための抽選(「遊技モード3設定抽選」とも称する)が、主制御手段側において行われ、その後、遊技モード3に移行されるようになっている。
遊技モード3は、遊技モード3設定抽選で選出された当選値分の期間(例えば、当選値が「3」のときは3ゲームの期間)設定される。遊技モード2においてART当選が得られなかった場合は、遊技モード3の最終ゲームの終了後に遊技モード1に移行され、遊技モード2においてART当選が得られていた場合は、遊技モード3の最終ゲームの終了後に遊技モード4に移行されるようになっている。なお、遊技モード2においてART当選が得られなかった場合は、遊技モード3滞在中も累計ポイントART抽選に準じたART抽選(「再ART抽選)と称する)を行い、遊技モード3の最終ゲームまでに、ART当選が得られなかった場合は遊技モード1に移行し、ART当選が得られた場合は遊技モード4に移行するようにしてもよい。
ポイント獲得抽選では、役決定結果と、乱数列の数値範囲を「256(0〜255)」(最大値を「255」)に設定した乱数(例えば、最大値を初期設定のままに設定した8ビット乱数RS2)から読み出された乱数値とに基づきバトルポイントの獲得値を選出する。図43(A)は、ポイント獲得抽選における抽選データ(当選置数)の一例を示している。図中の「弱チェリー」、「中段チェリー」、「強チャンスリプレイ」は、役決定結果(上述のYYK番号や抽選グループ番号に相当する)の一例として設定されている(他の役決定結果については図示略)。図示するように、役決定結果として「弱チェリー」または「強チャンスリプレイ」が決定されたときは、バトルポイントの獲得値として「1」から「5」のいずれかが必ず当選し、その当選置数(乱数列の全乱数の個数(「256」)のうち当選に該当する乱数値の個数)は、獲得値が低くなるほど多くなるように設定されている。一方、役決定結果として「中段チェリー」が決定されたときは、バトルポイントの獲得値として「5」が極めて高確率で当選するように当選値数が定められているが、獲得値「5」が当選しないときは必ず獲得値「20」が当選するように設定されている(当選置数の具体的な値は適宜変更可)。
「弱チェリー」、「中段チェリー」、「強チャンスリプレイ」は、いずれも設定差の無い役決定結果(設定ランクに応じて役決定での役決定確率が変わらない役決定結果)として設定されており、ポイント獲得抽選における当選置数は、それらの設定ランクには関係なく、設定1〜6まで共通に設定されている。ただし、ポイント獲得抽選を、設定差のある役決定結果(設定ランクに応じて役決定での役決定確率が変わる役決定結果)が選出されたことを契機として実行したり、当選値数の値を、その設定ランクに応じて変更したりすることも可能である。また、バトルポイントの獲得値の情報は、制御コマンドの1つ(「ポイント獲得値コマンド」とも称する)として適宜のタイミングで副制御手段側に送信される(獲得したポイント値の累計値の情報を送信してもよい)。
累計ポイントART抽選では、当該抽選を行う時点までに獲得したバトルポイントの累計値に応じて予め定められた判定値と、乱数列の数値範囲を「256(0〜255)」(最大値を「255」)に設定した乱数(例えば、最大値を初期設定のままに設定した8ビット乱数RS3)から読み出された乱数値とに基づき、ART当選であるか否かを判定する。その判定は、読み出された乱数値と判定値との大小比較により行われ、読み出された乱数値よりも判定値の方が大きい場合にART当選となる。図43(B)は、累計ポイントART抽選における抽選データ(判定値)の一例を示している。
図示する判定値は、使用する乱数列の数値範囲「256」に対応して設定されている。例えば、ポイントカウンタ値(獲得したバトルポイントの累計値をカウントするカウンタの値)が「0」のときは判定値が「13」に、ポイントカウンタ値が「1」または「2」のときは判定値が「26」に設定されている。以降、ポイントカウンタ値の幅が2ずつ増加する毎に、判定値が「25」または「26」ずつ増加し、ポイントカウンタ値が「19」または「20」のときは判定値が「256」に設定されている(判定値の具体的な値及びそれと対応付けるポイントカウンタ値は適宜変更可)。図示した判定値は、役決定の設定ランクには関係なく、設定1〜6まで共通に設定されるが、設定ランクに応じて変更することも可能である。
このように判定値は、獲得したバトルポイントの累計値(ポイントカウンタ値)の増加に応じて比例的に増加するように設定されている。そのため、累計ポイントART抽選においてART当選となる確率は、ポイントカウンタ値の大小を確実に反映したものとなっている。例えば、ポイントカウンタ値が「0」のときは判定値が「13」に設定されるのでART当選する確率は「13/256≒5.1%」となり、ポイントカウンタ値が「1,2」のときは判定値が「26」に設定されるので当選確率は「26/256≒10.2%」となる。以降、ポイントカウンタ値の幅が2ずつ増加する毎に当選確率が「25/256≒9.8%」または「26/256≒10.2%」ずつ増加し、ポイントカウンタ値が「19,20」のときは判定値が「256」に設定されるので当選確率は「256/256=100%」となっている。
本変更態様1では、獲得したバトルポイントの累計値(ポイントカウンタ値)が主制御手段側において遊技者に表示されるように構成されている。このポイント累計値の表示は、7セグメントランプ等により構成される専用の表示器を用いて行ってもよいし、既存の表示用ランプ(例えば、払出数表示ランプ46j等)を用いて行ってもよい。表示されるポイント累計値は、上述したようにART当選する確率を確実に反映したものとなっている。そのため、表示されるポイント累計値が、実際の当選確率を反映していないという印象を遊技者に持たれて遊技の興趣が低下することを防止することが可能である。
また、副制御手段側において、画像表示装置11等によりART当選する期待度を表示するようにしてもよい。この当選期待度の表示は、例えば、獲得したバトルポイントの累計値を5倍した数値を百分率(%)で表示する態様で行うことができる。具体的には、ポイント累計値が「9」のときは当選期待度として「45(=9×5)%」を表示し、ポイント累計値が「16」のときは当選期待度として「80(=16×5)%」を表示する。なお、ポイント累計値が「9」のときの実際の当選確率は、ポイント累計値が「10」のときの当選確率と同じ「128/256=50%」に設定されている。このため、ポイント累計値が「9」のときの当選期待度として「50%」を表示してもよいし、一旦は「45%」を表示するが次の遊技でポイントを獲得できなかったときに「50%」の表示に変更するようにしてもよい(ポイント累計値が「9」以外の他の奇数の場合も同様とすることができる)。
遊技モード3設定抽選では、累計ポイントART抽選においてART当選しているか否かと、獲得したバトルポイントの累計値が「20」に達しているか否かと、乱数列の数値範囲を「256(0〜255)」(最大値を「255」)に設定した乱数(例えば、最大値を初期設定のままに設定した8ビット乱数RS2)から読み出された乱数値とに基づき、遊技モード3に設定する期間(設定ゲーム数)を決定する。図44は、遊技モード3設定抽選における抽選データ(当選置数)の一例を示している。
図示する当選値(0〜5)は、遊技モード3の設定ゲーム数に対応するものであり、当選置数は、使用する乱数列の数値範囲「256」に対応して設定されている。例えば、ART当選カウンタ値(ART当選の有無を制御するカウンタの値)が「0」(ART非当選を示す)のときは、当選値「3」と「4」に当選置数が「128」ずつ振り分けられ、ART当選カウンタ値が「1」(ART当選を示す)のときは、当選値「2」から「5」に対してそれぞれ当選置数が「16」、「64」、「128」、「48」と振り分けられている。また、ポイントカウンタ値(獲得したバトルポイントの累計値)が「20」のときは、当選値「2」に乱数列の全数値範囲に該当する「256」の当選置数が割り当てられている。図示した当選置数の値は、役決定の設定ランクには関係なく、設定1〜6まで共通に設定されるが、設定ランクに応じて変更することも可能である。なお、遊技モード3設定抽選における当選値の情報は、制御コマンドの1つ(「遊技モード3設定ゲーム数コマンド」とも称する)として適宜のタイミングで副制御手段側に送信される。
次に、本変更態様1において、主制御手段側で行われる制御処理として、遊技モード2制御処理と遊技モード3制御処理について説明する。遊技モード2制御処理は、遊技モード2に設定されているときに行われる処理であり、遊技モード3制御処理は、遊技モード3に設定されているときに行われる処理である。遊技モード2制御処理では、図45(A)に示すように、有利区間カウンタ(有利区間に継続して滞在している期間(ゲーム数)を計数するカウンタで初期値が例えば「1500」に設定される)の値を「1」減算する(ステップL11)。次に、ポイント獲得抽選を行い(ステップL12)、獲得したポイント値をポイントカウンタに加算する(ステップL13)。
次いで、ポイントカウンタ値が「20」以上であるか否かを判定する(ステップL14)。ここで、ポイントカウンタ値が「20」以上である場合はステップL15に進んで遊技モード2終了処理を行ってからステップL16に進み、ポイントカウンタ値が「20」以上でない場合は直接ステップL16に進む。遊技モード2終了処理では、図45(B)に示すように、遊技モードカウンタ(どの遊技モードに設定するのかを制御するカウンタ)に「3」(遊技モード3に設定することを示す値)をセットする(ステップL31)。続いて、遊技モード2制御カウンタ(遊技モード2に滞在している期間(ゲーム数)を計数するカウンタ)をクリアし(ステップL32)、累計ポイントART抽選を行う(ステップL33)。次いで、累計ポイントART抽選の結果が、ART当選であるか否かを判定する(ステップL34)。
ここで、ART当選である場合はステップL35に進んでART当選カウンタに「1」をセットしてからステップL13に進み、ART当選でない場合は直接ステップL36に進む。ステップL36では遊技モード3設定抽選を行い、その当選値を遊技モード3制御カウンタ(遊技モード3に滞在している期間(ゲーム数)を計数するカウンタ)にセットする(ステップL37)。セット後、ステップL38に進みポイントカウンタをクリアしてリターンする。
遊技モード2終了処理からのリターンで遊技モード2制御処理のステップL16に進み、全回胴停止処理(各リールの回転開始から定速状態に至るまでの回転状態を管理する処理)を行う。次いで、遊技モードカウンタの値が「3」であるか否かを判定する(ステップL17)。ここで、カウンタ値が「3」でない場合はステップL18に進んで遊技モード2制御カウンタに「1」加算してからステップL19に進み、カウンタ値が「3」である場合は直接ステップL19に進む。ステップL19では、遊技モード2制御カウンタの値が「20」以上であるか否かを判定する。ここで、カウンタ値が「20」以上である場合はステップL20に進んで上述の遊技モード2終了処理を行ってからリターンし、カウンタ値が「20」以上でない場合は直接リターンする。
遊技モード3制御処理では、図46に示すように、有利区間カウンタの値を「1」減算し(ステップL41)、さらに、遊技モード3制御カウンタの値を「1」減算する(ステップL42)。次に、遊技モード3制御カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。(ステップL43)ここで、カウンタ値が「0」である場合はステップL44に進み遊技モード3終了処理(ART当選カウンタの値に基づき遊技モードカウンタの値をセットしたり遊技モード3滞在中のみで使用するカウンタをクリアしたりする処理)を行い、次いで全回胴停止処理を行い(ステップL45)、リターンする。一方、ステップL43の判定で、カウンタ値が「0」でない場合は遊技モード3終了処理を行わずにリターンする。なお、遊技モード3制御カウンタの値を減算する毎に、減算後のカウンタ値の情報を、制御コマンドの1つ(「遊技モード3制御カウンタ値コマンド」とも称する)として、適宜のタイミングで副制御手段側に送信してもよい。
<変更態様2>
上述の変更態様1では、累計ポイントART抽選において、獲得したバトルポイントの累計値に応じた判定値を予め定め、この判定値に基づきART当選であるか否かを判定している。このような方法は、ポイント累計値と判定値との対応関係が明確であり、当選の判定処理が容易となる利点がある一方で、ポイント累計値に応じて当選確率をより細かく設定しようとすると、予め記憶しておかなければならない判定値の数が増えてしまい記憶容量を圧迫するという課題がある。以下では、獲得したバトルポイントの累計値に基づき判定値を算出し、その算出した判定値に基づき累計ポイントART抽選での当選判定を行う態様例(「変更態様2」と称する)について説明する。なお、変更態様2の基本的な構成は変更態様1と同じである。
本変更態様2では、遊技モード2において行われるポイント獲得抽選により、バトルポイントを最大で「100」(「100」を超えた場合は「100」に補正される)まで獲得できるように構成されている。累計ポイントART抽選では、当該抽選を行う時点までに獲得したバトルポイントの累計値に応じて算出した判定値と、乱数列の数値範囲を「256(0〜255)」(最大値を「255」)に設定した乱数(例えば、最大値を初期設定のままに設定した8ビット乱数RS3)から読み出された乱数値とに基づき、ART当選であるか否かを判定する。判定値は、次式(R)により算出する。
判定値=(獲得したバトルポイントの累計値×256)/特定値 …… (R)
ここで、特定値とは獲得可能なバトルポイントの最大値で、本例の場合は「100」となる。
例えば、ポイント累計値が「25」の場合、判定値は「66」(小数点以下は切り捨て。以下同様)となり、ポイント累計値が「57」の場合、判定値は「145」となり、ポイント累計値が「100」の場合、判定値は「256」となる。ART当選の判定は、算出した判定値と、読み出された乱数値との大小比較により行われ、読み出された乱数値よりも判定値の方が大きい場合にART当選となる。
このように判定値は、上式(R)により算出されるので、累計ポイントART抽選においてART当選となる確率は、ポイント累計値に略一致したものとなる。例えば、ポイント累計値が「25」のときは判定値が「66」となるのでART当選する確率は「66/256≒25.8%」となり、ポイント累計値が「57」のときは判定値が「145」となるのでART当選する確率は「145/256≒56.7%」となり、ポイント累計値が「100」のときは判定値が「256」となるのでART当選する確率は「256/256=100%」となる。
本変更態様2では、獲得したバトルポイントの累計値を主制御手段側及び副制御手段側においてそれぞれ遊技者に表示するように構成されている。表示されるポイント累計値は、上述したようにART当選する確率と略一致したものとなっているため、表示されるポイント累計値が、実際の当選確率を反映していないという印象を遊技者に持たれて遊技の興趣が低下することを防止することが可能である。
次に、本変更態様2において、副制御手段側で行われる演出処理について説明する。なお、以下で説明する演出処理は、実施形態及び他の変更態様でも同様に行うことが可能なものである。累計ポイントART抽選において、獲得したバトルポイントの累計値が特定値(最大値)に到達したときには、ART当選が確定するので、そのことを示唆する演出(「ART確定演出」とも称する)が画像表示装置11等を用いて行われる。ART確定演出の具体的態様については適宜構成することができるが、例えば、画面の背景が虹色に変化するなどの態様が挙げられる。
また、遊技モード2滞在中には、バトルポイントの獲得の有無を遊技者に報知するために、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタと格闘するような動画を、画像表示装置11により表示する所定の画像演出(「格闘演出」とも称する)が行われる。この格闘演出は、多数の演出態様が用意されており、どの演出態様の格闘演出を実行するのかが、3種類の抽選(各々を「格闘演出1次抽選」、「格闘演出2次抽選」、「格闘演出3次抽選」とも称する)により、副制御手段側で決定されるように構成されている。以下、これらの格闘演出1次〜3次抽選について、図47,48を追加参照して説明する。これらの抽選では、乱数列の数値範囲が「65536(0〜65535)」に設定された乱数(副制御手段側の乱数)から読み出された乱数値が用いられる。図47,48の欄中に示す数値は、その乱数に対応した当選置数である。
格闘演出1次抽選は、遊技モード2に滞在中、毎ゲーム行われる。この格闘演出1次抽選では、図47(A),(B)に示すように、主制御手段側から送信された、当該ゲームまでに獲得したバトルポイントの累計値(ポイントカウンタ値)の情報と、当該ゲームでのバトルポイントの獲得の有無の情報と、役決定結果の情報とに基づき、「演出無し」(格闘演出を実行しない)とするのか、「演出有り」(格闘演出を実行する)とするのかを決定する。図中の「ハズレ」、「リプレイ」、「押し順ベル」、「弱チェリー」、「強チェリー」、「中段チェリー」は、役決定結果(上述のYK番号や抽選グループ番号に相当する)の一例として設定されている(他の役決定結果については図示略)。
図示するように、当該ゲームでポイント獲得(1〜5)が有る場合は、ポイントカウンタ値が「95〜99」の場合も「75〜94」の場合(ポイントカウンタ値が他の数値範囲に属する場合は図示略)も、役決定結果に拘らず必ず「演出有り」が決定される。一方、当該ゲームでポイント獲得が無い場合は、ポイントカウンタ値が「95〜99」の場合よりも「75〜94」の場合の方が、「演出無し」が決定される確率(前者の場合は75%、後者の場合は50%)が高く設定されている。これは、後述の負け演出が実行される割合を、前者の場合の方が後者の場合よりも低くすることにより、遊技者が落胆する割合を少なくすることを意図したものである(負け演出が実行される割合を前者の場合よりも後者の場合の方が低くなるようにすることも可)。当該ゲームでポイント獲得が無い場合、各々の役決定結果に割り当てられる当選置数は、役決定結果によらず共通となっているが、役決定結果に応じて異なる当選置数を割り当てるようにしてもよい。このように当選置数の具体的な値は適宜変更することが可能である(以下の他の抽選においても同じ)。
格闘演出2次抽選は、格闘演出1次抽選において、「演出有り」が決定された場合に行われる(抽選のプログラムを簡略化するため格闘演出1次抽選の結果によらず毎ゲーム行うようにしてもよい)。この格闘演出2次抽選では、図47(C),(D)に示すように、主制御手段側から送信された、当該ゲームまでに獲得したバトルポイントの累計値(ポイントカウンタ値)の情報と、当該ゲームでのバトルポイントの獲得の有無の情報と、役決定結果の情報とに基づき、「演出A群」から「演出D群」までの4種類の演出群の中から、1つの演出群を決定する。
図示するように、当該ゲームでポイント獲得(1〜5)が有る場合は、役決定結果に拘らず、「演出A群」または「演出B群」がそれぞれ50%(32768/65536)の確率で決定される。一方、当該ゲームでポイント獲得が無い場合は、「演出A群」と「演出B群」のいずれか一方が、役決定結果によって異なる確率で決定される(例えば、役決定結果が「ハズレ」または「押し順ベル」のときは100%の確率で「演出A群」が決定され、役決定結果が「リプレイ」のときは12.5%(8192/65536)の確率で「演出A群」が決定され、87.5%(57344/65536)の確率で「演出B群」が決定される)。なお、図示の例では、ポイントカウンタ値が「95〜99」の場合と「75〜94」の場合(ポイントカウンタ値が他の数値範囲に属する場合は図示略)とで、同じ当選置数が設定されているが、ポイントカウンタ値の大小(属する数値範囲の違い)に応じて、異なる当選置数を設定してもよい。
格闘演出3次抽選は、格闘演出の具合的な態様を決定するもので、格闘演出2次抽選の結果(決定された演出群の種類)に応じて行われる。図48は、格闘演出2次抽選において演出A群が決定された場合に、格闘演出3次抽選で用いられる抽選データの一例を示している。この格闘演出3次抽選では、主制御手段側から送信された、当該ゲームでのバトルポイントの獲得の有無の情報と、役決定結果の情報とに基づき、負け演出1〜10と勝ち演出1〜10の中から、1つの演出を決定する。負け演出1〜10は、味方キャラクタが敵キャラクタとの格闘で敗北する画像を最終的(例えば、第3停止操作受付時)には表示し、それにより当該ゲームでバトルポイントが獲得できなかったことを報知する演出である(番号の違いは具体的な演出内容が違うことを示す。勝ち演出1〜10において同じ)。勝ち演出1〜10は、味方キャラクタが敵キャラクタとの格闘で勝利する画像を最終的(例えば、第3停止操作受付時)には表示し、それにより当該ゲームでバトルポイントが獲得できたことを遊技者に報知する演出である。
図48に示す例では、当該ゲームでポイント獲得(1〜5)が有る場合は、勝ち演出1〜9のうちのいずれかが必ず決定され、当該ゲームでポイント獲得が無い場合は、負け演出1,4,7のうちのいずれかが必ず決定されるようになっている。各々の演出が決定される確率は、図示する当選置数に対応したものとなる(例えば、勝ち演出3が決定される確率は、当選値数が「16384」なので「25%」(16384/65536)となる)。
以上のように、本変更態様2では、バトルポイントの累計値(ポイントカウンタ値)、当該ゲームで獲得したバトルポイント値、及び役決定結果に基づき、格闘演出を決定するので、格闘演出の内容を多様化することが可能となっている。
また、本変更態様2では遊技モード3滞在中に、ART当選の有無を遊技者に報知するために、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが複数ゲームに亘って連続して格闘するような動画を、画像表示装置11により表示する所定の画像演出(「連続格闘演出」とも称する)が行われる。この連続格闘演出は、複数の演出態様が用意されており、どの演出態様の連続格闘演出を実行するのかが、所定の抽選(「連続格闘演出抽選」とも称する)により、副制御手段側で決定されるように(主制御手段側で決定されるようにしてもよい)構成されている。以下、この連続格闘演出抽選について、図49を追加参照して説明する。この連続格闘演出抽選では、乱数列の数値範囲が「65536(0〜65535)」に設定された乱数(副制御手段側の乱数)から読み出された乱数値が用いられる。図49(A)〜(C)の欄中に示す数値は、その乱数に対応した当選置数である。
連続格闘演出抽選は、遊技モード2から遊技モード3に移行されるとき、例えば、遊技モード3の1ゲーム目において行われる(2ゲーム目も連続して行われることがある)。なお、本変更態様2では、遊技モード3の設定ゲーム数(遊技モード設定抽選での当選値)は「4」または「5」のいずれかに設定されるものとする。この連続格闘演出抽選では、図49(A)〜(C)に示すように、主制御手段側から送信された、獲得したバトルポイントの累計値(ポイントカウンタ値)の情報と、遊技モード3の残りゲーム数(遊技モード3制御カウンタの値)の情報と、ART当選の有無の情報と、役決定結果の情報とに基づき、「演出無し」、「格闘無し演出」、「敵A格闘演出」、「敵B格闘演出」、「敵C格闘演出」、「敵D格闘演出」の6種類の当選項目の中からいずれか1つを選出する。
「演出無し」が選出されたときは、当該遊技においては何の連続演出も実行されず、「格闘無し演出」が選出されたときは、当該遊技において格闘に発展しない演出が実行される。「敵A格闘演出」から「敵D格闘演出」が選出されたときは、それぞれ敵キャラクタA〜Dとの格闘に発展する連続格闘演出が複数遊技に亘って実行される。なお、敵キャラクタA〜Dには、格闘における強さが異なる(例えば、A>B>C>Dの順に強い)といった設定がなされる。また、ART当選が得られている場合に連続格闘演出が実行されるときは、最終的には必ず味方キャラクタが勝利する画像が表示され、これによりART当選が得られていることを遊技者に報知する。一方、ART当選が得られていない場合に連続格闘演出が実行されるときは、最終的には必ず味方キャラクタが敗北する画像が表示され、これによりART当選が得られていないことを遊技者に報知する。
図49(A)は、ポイントカウンタ値が「50〜74」、遊技モードの残りゲーム数が「5」の場合の抽選データを例示するものである。この抽選データが用いられるのは、ポイントカウンタ値が「50〜74」の範囲にあり、かつ、遊技モード設定抽選での当選値が「5」であったときの遊技モード3の1ゲーム目の場合である。この場合、ART非当選のときは「演出無し」と「格闘無し演出」のいずれかが必ず選出され、ART当選のときは「敵A格闘演出」、「敵B格闘演出」、「敵C格闘演出」のいずれかが必ず選出される。なお、この場合の「敵A格闘演出」、「敵B格闘演出」、「敵C格闘演出」は、遊技モード3の遊技モード3の1ゲーム目から開始され、4ゲーム目で味方キャラクタが敗北したような画像を表示し、5ゲーム目に味方キャラクタが復活して逆転勝ちする画像を表示するような態様の演出(「復活演出」とも称する)とすることができる(具体的な態様は適宜変更可。以下同様)。
図49(B)は、ポイントカウンタ値が「75〜99」、遊技モードの設定ゲーム数が「4」の場合の抽選データを例示するものである。この抽選データが用いられるのは、遊技モード設定抽選での当選値が「4」であったときの遊技モード3の1ゲーム目、または遊技モード設定抽選での当選値が「5」であったときの遊技モード3の1ゲーム目で連続格闘演出が行われなかった場合の2ゲーム目であり、かつ、ポイントカウンタ値が「75〜99」の範囲にある場合である。この場合、ART非当選のときは「敵B格闘演出」と「敵C格闘演出」のいずれかが必ず選出され、ART当選のときは「敵A格闘演出」、「敵B格闘演出」、「敵C格闘演出」のいずれかが必ず選出される。この場合の「敵A格闘演出」、「敵B格闘演出」、「敵C格闘演出」は、抽選結果が得られた当該遊技から開始され、遊技モード3の最終ゲームで勝敗が決した画像が表示される態様とすることができる。なお、「敵A格闘演出」が実行されるのはART当選のときだけなので、そのことを理解している遊技者は、ポイントカウンタ値が「75〜99」のときに敵A格闘演出が実行されると、そのことをもってART当選していることが分かるようになっている。
図49(C)は、ポイントカウンタ値が「50〜74」、遊技モードの設定ゲーム数が「4」の場合の抽選データを例示するものである。この抽選データが用いられるのは、遊技モード設定抽選での当選値が「4」であったときの遊技モード3の1ゲーム目、または遊技モード設定抽選での当選値が「5」であったときの遊技モード3の1ゲーム目で連続格闘演出が行われなかった場合の2ゲーム目であり、かつ、ポイントカウンタ値が「50〜74」の範囲にある場合である。この場合、ART非当選のときもART当選のときも「敵A格闘演出」、「敵B格闘演出」、「敵C格闘演出」のいずれかが必ず選出される(選出される確率はART非当選のときとART当選のときとで異なる)。そのため、「敵A格闘演出」、「敵B格闘演出」、「敵C格闘演出」のいずれが実行されても、そのことをもって遊技者が、ART当選しているか否かを判断することはできない。
以上のように、本変更態様2では、バトルポイントの累計値(ポイントカウンタ値)、当該ゲームで獲得したバトルポイント値、ART当選の有無、遊技モード3の残りゲーム数、及び役決定結果に基づき、連続格闘演出を決定するので、連続格闘演出の内容を多様化することが可能となっている。
<変更態様3>
次に、累計ポイントART抽選におけるART当選の有無を、上述の変更態様1,2とは異なる手法で判定するように構成した態様例(「変更態様3」と称する)について説明する。本変更態様3の累計ポイントART抽選では、当該抽選を行う時点までに獲得したバトルポイントの累計値(2桁表示で「00」〜「99」のいずれかとする)の上位桁(十の位の桁)に応じて予め定められた判定値(「上位桁判定値」とも称する)と、下位桁(一の位の桁)に応じて予め定められた判定値(「下位桁判定値」とも称する)と、乱数列の数値範囲を「256(0〜255)」(最大値を「255」)に設定した2つの乱数(例えば、8ビット乱数RS3,RS4)からそれぞれ別々に読み出された乱数値とに基づき、ART当選であるか否かを判定する。その判定は、まず、一方の乱数(例えば、8ビット乱数RS3)から読み出された乱数値と上位桁判定値との大小比較により行われ、読み出された乱数値よりも上位桁判定値の方が大きい場合にART当選となる。ここで、ART当選とならなかった場合は、他方の乱数(例えば、8ビット乱数RS4)から読み出された乱数値と下位桁判定値との大小比較が行われ、読み出された乱数値よりも下位桁判定値の方が大きい場合にはART当選となる。
図50(A)は、累計ポイントART抽選における抽選データ(上位桁判定値)の一例を示している。図示する判定値は、使用する乱数列(例えば、8ビット乱数RS3)の数値範囲「256」に対応して設定されている。例えば、獲得したバトルポイントの累計値(ポイント累計値)の上位桁の値が「0」のときは判定値が「192」に、同上位桁の値が「1」のときは上位桁判定値が「24」に設定されている。以降、ポイント累計値の上位桁の値が1ずつ増加する毎に、上位桁判定値が順次増加し、同上位桁の値が「9」のときは上位桁判定値が「224」に設定されている(上位桁判定値の具体的な値及びそれと対応付けるポイント累計値の上位桁の値は適宜変更可能であり、例えば、上位桁の値が「0」のときは上位桁判定値を「0」としてもよい)。
また、図50(B)は、累計ポイントART抽選における抽選データ(下位桁判定値)の一例を示している。図示する判定値は、使用する乱数列(例えば、8ビット乱数RS4)の数値範囲「256」に対応して設定されている。具体的には、ポイント累計値の下位桁の値が「0」〜「2」のときは下位桁判定値が「2」に、同下位桁の値が「3」〜「5」のときは下位桁判定値が「4」に設定されている。同様に、ポイント累計値の下位桁の値が「6」または「7」のときは下位桁判定値が「6」に、同下位桁の値が「8」〜「9」のときは下位桁判定値が「8」に設定されている(下位桁判定値の具体的な値及びそれと対応付けるポイント累計値の下位桁の値は適宜変更可)。
上位桁判定値は、ポイント累計値の上位桁の値の出現率(累計ポイントART抽選を行う時点でポイント累計値の上位桁の値がその値となっている確率)を反映させたものとなっている。すなわち、ポイント累計値の上位桁の値「0」の出現率はかなり低いので上位桁判定値を「192」と高く設定し、ポイント累計値の上位桁の値「1」〜「5」の出現率は「0」の出現率よりもかなり高いので上位桁判定値を低めに設定している。さらに、ポイント累計値の上位桁の値「6」〜「9」の出現率は、数値が「1」増加する毎に順次低くなっていくので、上位桁判定値を順次(本例では「32」ずつ)高くなるように設定している。これにより、累計ポイントART抽選において、上位桁判定値に基づきART当選となる確率は、ポイント累計値の上位桁の値の出現率の大小を反映したものとなっている。例えば、ポイント累計値の上位桁の値が「0」のときはART当選の確率が「192/256=75%」となり、ポイント累計値の上位桁の値が「4」のときはART当選の確率が「80/256=31.25%」となり、ポイント累計値の上位桁の値が「9」のときはART当選の確率が「224/256=87.5%」となっている。
一方、下位桁判定値は、ポイント累計値の下位桁の値が大きくなるに従って、大きな下位判定値を対応付けたものとなっている。これにより、累計ポイントART抽選において、下位桁判定値に基づきART当選となる確率は、ポイント累計値の下位桁の値が大きくなるに従って高くなる。ただし、下位桁判定値に基づくART当選の判定は、上位桁判定値に基づくART当選の判定においてART非当選となった場合の予備的なものでありることから、下位桁判定値はいずれも小さな値に設定されている。このため、、累計ポイントART抽選において、下位桁判定値に基づきART当選となる確率は、最も高い場合(下位桁の値が「8」または「9」の場合)でも、「9/256≒3.5%」と低いものとなっている。
<その他の態様例>
以上、本発明に係る遊技機の一実施形態及びその変更態様1〜3について説明したが、本発明の範囲は上述した態様に限定されるものではない。以下では、本発明に係る遊技機に適用可能な事項(上述した内容と一部重複するものも含む)について例示する。
本発明では、各種抽選で乱数を用いているが、或る抽選で用いるとして例示した乱数は他の抽選でも用いることが可能である。例えば、ポイント獲得抽選や累計ポイントART抽選、遊技モード3設定抽選でそれぞれ用いている乱数を、他の抽選、例えば、遊技モードを設定するための抽選や、ARTゲーム数の上乗せ抽選などに用いてもよい。1つの抽選において、複数の乱数値を必要とする場合は、互いに異なる複数の乱数を用いて、それぞれから乱数値を取得してもよいし、1つの乱数から複数の乱数値を取得してもよい。例えば、変更態様3の累計ポイントART抽選では、異なる2つの乱数(8ビット乱数RS3,RS4)を用いる例を示しているが、1つの乱数を用い、まず、上位桁判定値と比較する乱数値を取得し、所定時間経過後または、8ビット乱数が1周期更新するのに十分な時間である1割込経過後に、下位桁判定値と比較する乱数値を取得してもよい。
テーブルデータとして予め記憶した判定値を抽選に用いる場合、特定の値の当選確率を特別に高く設定してもよい。例えば、変更態様3の累計ポイントART抽選では、ポイント累計値の上位桁の値が「0」のときは、判定値を「192」と高めに設定して当選確率を高めているが、この他にも、上位桁の値と下位桁の値が同じときは、特別な判定値を設定して当選確率を高めに設定してもよい。例えば、上位桁の値が「3」で抽選ハズレとなったときの下位桁判定値として、下位桁の値が「3」に対応する下位桁判定値を高め(例えば「126」)に設定することなどが挙げられる。判定対象となる数値が特定の値となる場合は、抽選を行うことなく当選としたり、専用の抽選(判定値を「192」とした当選確率が高い抽選)を行うとしてもよい。例えば、変更態様2において、バトルポイントの累計値が「77」や「99」のときは、累計ポイントART抽選を行わずに、ART当選とすることなどが挙げられる。
判定値を用いて抽選を行う場合、互いに異なる複数の判定値を用意し、当選する特典等の種類を変更するようにしてもよい。例えば、変更態様1のポイント獲得抽選において、互いに異なる第1の判定値と第2の判定値をポイント別に用意し、第1の判定値により当選した場合は第1のART当選が得られ、第2の判定値により当選した場合は第2のART当選が得られるようにする。そして、第1のART当選と第2のART当選とでは、遊技者に対する特典として差がある(例えば、ARTゲーム数の初期設定値が異なるなど)ように設定することが挙げられる。
変更態様2では、バトルポイントの獲得を示唆する演出(勝ち演出)と、バトルポイントの非獲得を示唆する演出(負け演出)を実行するが、バトルポイントの累計値が少ないほど負け演出の実行頻度を高くしてもよい。また、当該遊技において所定のポイントを獲得した場合に、ポイント累積値が特定条件(例えば、特定値「100」に到達することや、予め定めた別の値(「77」や「55」)に到達すること)を満たすと、特定の演出を選択可能としたり特定条件を満たなさない場合に比べて特定の演出の選択確率を高くしたりしてもよい。主制御手段側から送信されるバトルポイントの獲得値や累計値の情報に基づき、それらの値を画像表示装置11により表示してもよい。
遊技モード2では、主制御手段側において、累計ポイントART抽選での抽選結果の情報とバトルポイントの累計値の情報に基づき遊技モード3の設定ゲーム数を決定しているが、そのいずれかの情報に基づき遊技モード3の設定ゲーム数を決定してもよい。また、遊技モード2では、副制御手段側において、主制御手段側から送信された、獲得したバトルポイントの累計値の情報と、遊技モード3の残りゲーム数の情報と、ART当選の有無の情報と、役決定結果の情報とに基づき、連続格闘演出を決定するようになっているが、これらの情報のうち1または複数の組合せに基づき連続格闘演出を決定してもよい。
上述のバトルポイントなど遊技状態に影響するポイントを主制御手段で制御する場合、ポイントを抽選ではなく、役決定の結果(当選役)に基づいて決定してもよい。また、所定のルール(押し順正解、抽選、押し位置など)に基づきポイントを決定してもよい。さらに、毎遊技、当選役に基づいてポイントを決定するのに加え、当選役によらずにポイントを決定してもよい。ポイントを高めに抽選する区間と、低めに抽選する区間を備えてもよい(例えば、特定のゲーム数の区間は高め、100ポイント到達後の区間は高めなど)。
上述のCZ中モードや遊技モード2のような特定の期間を主制御手段で制御する場合、ポイントが規定値(例えば「100」)に到達したことによりART当選とし、特定の期間を終了してもよい。また、ポイントが規定値を超えてもポイントの抽選を継続してもよい。規定値を超えた分のポイントは、次回の特定の期間に持ち越してもよいし、それにより、追加の抽選を実行してもよい(例えば、既定値「100」を上回った分で再度同じ抽選または別の特典抽選を行うなど)。抽選の結果に応じて特定の期間を延長または短縮してもよい。複数の特定の区間、例えば、特定期間1と特定期間2を備え、一方を他方よりも特定を長くしたり、高ポイントに当選し易くしたりしてもよい。特定の期間の開始時に所定ポイントを加算してもよい(必ず加算してもよいし抽選により加算してもよい)。
特定の期間の終了時にポイントが所定値(例えば「0」)である場合は、特定の値(最低ポイントまたは最高ポイント)を設定してもよいし再度特定の期間を設定してもよい。特定の区間ではないときに通常状態と高確率状態を備え、特定の期間中でも通常状態と高確率状態を備え、特定の期間の開始時の遊技状態に応じて特定の期間中の状態を設定してもよい。ART抽選の結果に応じてART抽選の結果を報知するための連続演出のゲーム数を決定してもよいし、ART抽選の結果と累積ポイント値に応じてART抽選の結果を報知するための連続演出のゲーム数を決定するとしてもよい。後者の場合、累積ポイント値を考慮した長さの演出を実行することができる。当該遊技の役決定結果(小役当選やハズレなど)に応じて特定の期間への移行を決定してもよい。当該遊技の抽選結果(レア役当選、リプレイ当選)に応じて特定の期間への移行を決定しないようにしてもよい。
ポイント値を副制御手段で表示する場合、主制御手段側から送信された情報に基づいて値を表示してもよい。表示するポイント値は所定の倍率(10倍、5倍など)で表示してもよいし、実際の値より低めに表示してもよいし、実際の値より高めに表示してもよい。特定の期間の演出モードとして、獲得したポイント、累積したポイントの表示の有無を開始時の遊技者の選択により決定してもよい(選択により「??」が表示されるなど)。ポイントを表示しないモードとした場合、ポイントの獲得を示唆する特定の出目(押し順チャンスリプレイ、押し順チャンスベルなど)が表示されない押し順を報知してもよい。累積したポイントと表示しているポイントに差があるとき(累積したポイントより表示しているポイントが低いなど)は、新たにポイントを獲得したときに多めにポイントを獲得したように表示してもよいし、ポイントを獲得していない遊技でもポイントを獲得したように表示を行ってもよい。
主制御手段においてポイント値が特定の条件を満たす場合(内部的に規定値(例えば「100」)に到達しているとか、当該遊技のポイント獲得で規定値に到達するなど)は、副制御手段で特別な表示(「77」ポイントとして表示するなど)を行ってもよい。副制御手段で表示しているポイント値が規定値に到達したらそれ以上は累積値を加算表示しなくてもよいし、規定値を越えても累積値を加算して表示してもよい。規定値に到達したときは特定演出(レインボー表示)を行って到達を報知してもよい。特定の区間の序盤は獲得したポイントより低めに表示して、後半は獲得したポイントより高めに表示してもよい。出目で表示するポイントを変更してもよい(強チェリー表示、弱チェリー表示、こぼし目などでポイントが異なるなど)、副制御手段で表示するポイント値で設定ランクを示唆してもよい(ぞろ目は設定6確定など)。この場合、累積ポイントに応じた情報を報知しつつ、同じ領域で他の情報(設定ランクやART抽選の当否)を報知できる。
副制御手段で表示しているポイント値は特定の条件を満たさない(設定ランクが低いなどの)場合は、特定のポイント値が出ないように獲得表示するポイントを調整してもよい。内部的に所定の抽選で当り(ART当選やボーナス当選)が確定している状態では、表示するポイント値として特定の値(例えば「77」)を表示可能に制御してもよい。この場合も、累積ポイントに応じた情報を報知しつつ、同じ領域で他の情報(設定ランクや抽選の当否)を報知できる。内部的に所定の抽選で当りが確定していない状態では、特定の値が表示されないように表示を調整してもよい。特定の期間中の演出は、累積されたポイント、当該遊技の役決定結果、当該遊技での獲得ポイントに応じて決定してもよい。ポイントの累積値が少ないほど、ポイントを獲得していないのにポイントの獲得を示唆する演出(「ガセ演出」とも称する)の実行頻度を高くしてもよい。この場合、累積ポイント値に応じた頻度でガセ演出を実行することできる。
主制御手段において所定のポイントを獲得した場合に、ポイントの累積値が特定条件を満たすと、副制御手段において特定の演出を選択可能とするか、満たなさない場合に比べ特定の演出の選択確率を高くしてもよい。ポイントの累積値及びART抽選の結果に基づいて、ART抽選の結果を報知する連続演出を設定してもよい。当該遊技の役決定結果が特定の結果(小役当選やハズレ)であった場合に特定の期間に移行する旨を報知してもよい。ベット操作が行われたことに基づいて特定の期間の導入演出や遊技説明を行ってもよい。この場合、ベット操作を必要な状況を設定することで特定の期間について説明する期間を確保することができる。役決定結果(レア役当選やリプレイ当選)によっては特定の期間に移行する旨を報知しないようにしてもよい。この場合、レア役が表示されたゲームで特定の期間に移行する旨が報知されなくなるため、レア役当選による遊技者の期待感を維持させることができる。また、リプレイが表示されたゲームで特定の期間に移行する旨が報知されなくなるため、特定の期間の導入演出や遊技説明を行っても即遊技を開始して表示をキャンセルされてしまうなどを防ぐことができる。複数種類(ARTの当選期待度の異なる)複数の特定の区間を備える場合、副制御手段は、いずれかの特定の期間に移行する旨を報知し、ベット操作に基づいてどの特定の期間に移行するのかについての報知、導入演出、遊技説明などを行ってもよい。
特定の期間に滞在中は、主制御手段側において、毎遊技、役決定結果とは関係なく実行される第1のポイント抽選と、役決定結果に応じて実行される第2のポイント抽選を行ってもよい。この場合、設定差の無い役と設定差の有る役を備え、設定差の有る役に当選したときは、第2のポイント抽選を実行しなくてもよい。これにより、設定差の有る役に当選したのか、設定差の無い役に当選したのかの判別を困難にすることができる。第1のポイント抽選で当選した値は報知せずに、設定差の有る役に当選したときに報知するようにしてもよい。有利区間に滞在可能な残りゲーム数に応じて特定の期間に移行しないように設定してもよい。これにより、特定の期間が途中で終了してしまうことや、特定の期間でART当選したがART遊技が途中で終了してしまうなどの不具合が起きることを防止することができる。
有利区間に滞在可能な残りゲーム数が所定のゲーム数以内のときに特定の期間に移行したときは、副制御手段側では特定の期間に移行した旨を表示せず、主制御手段側の遊技状態とは対応しない演出を実行してもよい。これにより、特定の期間が途中で終了してしまったとか、特定の期間でARTに当選したがART遊技が途中で終了してしまったという印象を遊技者が持つことを防止することできる。有利区間中に規定ゲーム数以上ART状態を実行した場合は、ART状態の終了時にリミット条件(例えば、有利区間中で連続して1500ゲーム消化)を満たさなくてもARTに関する情報を初期化してもよい(例えば、特定の期間中でストックされたART貯留数をクリアするなど)。これにより、特定の期間が途中で終了してしまうことや、特定の期間でART当選したがART遊技が途中で終了してしまうなどの不具合が起きることを防止することも可能である。有利区間中に特定の期間に移行可能な回数に上限を設けてもよい。このことによっても、特定の期間が途中で終了してしまうことや、特定の期間でART当選したがART遊技が途中で終了してしまうなどの不具合が起きることを防止することができる。特定の期間中に設定差の有るボーナス役や設定差の無いボーナス役に当選したときは、ART当選したものとしてもよい。もしくは、ボーナス終了後にポイント抽選でポイントを獲得しやすいRT、ポイント抽選で特定のポイントを獲得できるRTに移行するようにしてもよい。
有利区間中は、非有利区間(通常区間)と役の抽選確率を異ならせてもよい(確率変動させてもよい)。具体的には、有利区間中はボーナス役(BBなど)や特定の役(ベル役など)が高い確率で当選する役決定テーブルを使用したり、非有利区間中は抽選していないボーナス役や特定の役を有利区間中は高い確率で当選するように抽選を行う役決定テーブルを使用する。すなわち、役決定テーブルとして、非RT時の役決定テーブル(非有利区間用)、非RT時の役決定テーブル(有利区間用)、RT1時の役決定テーブル(非有利区間用)、RT1時の役決定テーブル(有利区間用)などが設けられている。或るRT状態時の役決定テーブル(非有利区間用)を使用した場合、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率1%)と、所定の役とボーナス役が重複当選するとき(当選確率0.5%)と、ボーナス役が単独当選するとき(当選確率0.5%)があるとすると、或るRT状態時の役決定テーブル(有利区間用)を使用した場合、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率0.5%)と、所定の役とボーナス役が重複当選するとき(当選確率1%)と、ボーナス役が単独当選するとき(当選確率0.5%)があってもよいし、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率1%)と、所定の役とボーナス役が重複当選するとき(当選確率0.5%)と、ボーナス役が単独当選するとき(当選確率1%)があってもよいし、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率0.5%)と、所定の役とボーナス役が重複当選するとき(当選確率1%)と、ボーナス役が単独当選するとき(当選確率1%)があってもよい。そして、有利区間の終了時に有利区間に関連する情報をクリアすると共に、次遊技から元の役決定テーブルを使用するようにする。また、有利区間中の特定のRT状態でのみ確率変動させるようにしてもよい。このように、有利区間中のみ確率変動させることで無制限に遊技メダルが払い出されることを防ぎつつ、非有利区間と1遊技あたりの遊技メダルの獲得期待値を異ならせることが可能となる。
上述した各態様は適宜組み合わせて用いることが可能である。また、本発明はスロットマシン以外の遊技機(例えば、ぱちんこ機)にも適用可能である。