JP2018113180A - 同軸ケーブル - Google Patents
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一方、細径であっても、高速、大容量化する情報通信機器において、減衰量等の高周波特性を維持することが切望されている。
しかし、横巻シールド構造では細線化が未だ不十分であり、また、リボン状導体では柔軟性が劣る傾向があり、更なる改良が求められている。
(2)シールド層を有する同軸ケーブルにおいて、該シールド層は、導電性を有するテープ材を縦添えし、該テープ材の上に、略平角材を巻きつける構造を有する。
(3)略平角材は、複数本を一括して同時に巻き付けられるとともに、それぞれの素線は互いに重ならないよう並列配置する。
(4)同軸ケーブルを構成する誘電体外径D、及び、シールド層を構成する略平角材の幅Wは、以下の関係式を満たす。
(関係式)0.7≦D/W≦10
(5)同軸ケーブルを構成する誘電体外径D、及び、シールド層を構成する略平角材の厚みTは、以下の関係式を満たす。
(関係式)8≦D/T≦80
(6)シールド層を構成する略平角材の遮蔽密度は80%以上である。
(7)同軸ケーブルの線方向に対する、略平角材の巻き付け角度α(<90°)は、5°〜60°である。
(8)巻きつけられた略平角材間の隙間距離は、100μm以下である。
(9)シールド層を構成するテープ材は、幅方向の両端が重なり合わない状態で縦添えされる。
(10)縦添されたテープ材において、テープが施されていない隙間距離は、200μm以下である。
(2)略平角材を用いるため、丸型の素線に比べ外部導体を薄くできる(すなわち細径化できる)とともに、複数本を並列配置し、一括して巻き付けられるため、太径の略平角材を1本巻き付ける場合と比べ、格段に柔軟性が改善される。
(3)シールド層として、導電性を有するテープ材を縦添えした上に、金属製の略平角材を巻きつける2重構造であれば、細径化の他、減衰量やシールド特性等の高周波特性においても優れる。
(4)さらに、本発明の略平角材の仕様(幅、厚み)及び誘電体外径の関係式、巻き付け角度、略平角材間の隙間距離とすることで、柔軟性を犠牲とすることなく細径化でき、より小型化された機器内への自由な配線が可能となる。
(5)略平角材は、丸線より幅広であることから、丸線を使用する場合と比べ、巻き付ける本数が減らすことができる。その結果、巻き付け張力を高く設定でき、断線・乗りこえ(コブ)等の発生を抑えられる。
(6)また、従前のように丸線を多数束ねて巻き付ける場合と比べ、本願の略平角材のように、幅広の線を少ない本数を巻き付ける方が、線間の隙間が少なくなるため、シールド特性の向上においても寄与する。
(7)本発明のテープ材は、幅方向の両端が重なり合わない状態で縦添えされるため、略平角材を巻き付ける際に、テープ材の反転やしわ、折れ等を防止し、安定生産が可能となる。
例えば、両面又は片面に銅やアルミニウム等の金属箔を設けた、ポリエステル等の樹脂との複合テープ、あるいは、銅やアルミニウム等の金属箔テープ、導電フィラー入りテープ等が挙げられる。
さらに、テープ材4が施されていない(周方向の)隙間距離は、テープ材の反転やしわ、折れ等を防止の観点で200μm以下であることが好ましく、より好ましくは150μm以下である。
シールド特性や、端末加工時のレーザー光による誘電体損傷を防止する観点で、最も好ましくは100μm以下である。
4本より多くすることで、略平角材5の幅を小さくでき、柔軟性に寄与するとともに、16本より小さくすることで、巻き付ける際に素線への巻き付け強度を強く設定でき、より凹凸の少ない滑らかな表面が得られるため、凹凸不良を抑制し生産性に寄与する。
0.7≦D/W≦10(関係式1)
さらに、柔軟性、及び、生産性の観点で、さらに好ましくは、
2≦D/W≦8(関係式2)
である。
すなわち、2倍以上では、より柔軟性に寄与し、8倍以下では、略平角材の持ち数を少なくでき、生産性に寄与する。
8≦D/T≦80(関係式3)
さらに、柔軟性、及び、生産性の観点で、さらに好ましくは、
8≦D/T≦60(関係式4)
である。
すなわち、8倍以上では、より柔軟性に寄与し、60倍以下では、巻き付け強度を強く設定できるため、より生産性に寄与する。
同軸ケーブル1の柔軟性は、先端に重りをつけた一定長のケーブルを、測定台より垂らし、その垂れ具合を測定する方法にて評価する。(図4参照)
(1)測定台にケーブルを固定する。その際、ケーブルが、台の支点より50mm外側に出るように固定し、ケーブル先端に重り5gを取り付ける。
(2)支点下25mmの点において、台とケーブルの水平距離Xを測定する。
実施例1は、内部導体2は外径0.15mmの銀めっき軟銅線7/0.05、誘電体3は肉厚0.125mm、外径0.40mmのPFA樹脂である。
シールド層6は、幅1.20mm、厚さ0.01mmの銅ポリエステルテープを縦添えした上に、幅W0.60mm、厚さT0.05mmの銀メッキ軟銅線からなる略平角材5を2本束ね、互いに重ならないよう並列配置し、一括して同時に巻き付ける。略平角材5の巻き付け角度は12°である。
外層5は、肉厚0.05mm、外径0.56mmのPFA樹脂である。
ケーブル長:1000mm(測定用コネクタ付)
測定器:ネットワークアナライザー
周波数範囲:0−12GHz
2 内部導体
3 誘電体層
4 テープ材
5 略平角材
6 シールド層
7 外層
W 略平角材の幅
T 略平角材の厚さ
α 略平角材の巻き付け角度
X 測定長(柔軟性の指標)
Claims (10)
- シールド層を有する同軸ケーブルにおいて、
該シールド層の少なくとも一層は、略平角形状の導体(略平角材)を巻きつける構造を有することを特徴とする同軸ケーブル。
- シールド層を有する同軸ケーブルにおいて、
該シールド層は、導電性を有するテープ材を縦添えし、
該テープ材の上に、略平角材を巻きつける構造を有することを特徴とする、
請求項1に記載の同軸ケーブル。
- 該略平角材は、複数本を一括して同時に巻き付けられるとともに、それぞれの素線は互いに重ならないよう並列配置することを特徴とする、
請求項1または2のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
- 同軸ケーブルを構成する誘電体外径D、及び、シールド層を構成する略平角材の幅Wは、以下の関係式を満たすことを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
(関係式)0.7≦D/W≦10
- 同軸ケーブルを構成する誘電体外径D、及び、シールド層を構成する略平角材の厚みTは、以下の関係式を満たすことを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
(関係式)8≦D/T≦80
- シールド層を構成する略平角材の遮蔽密度は80%以上であることを特徴とする、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
- 同軸ケーブルの線方向に対する、略平角材の巻きつけ角度α(<90°)は、5°〜60°であることを特徴とする、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
- 巻きつけられた略平角材間の隙間距離は、100μm以下であることを特徴とする、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
- シールド層を構成するテープ材は、幅方向の両端が重なり合わない状態で縦添えされることを特徴とする、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
- 縦添されたテープ材において、テープが施されていない隙間距離は、200μm以下であることを特徴とする、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
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JP2017003432A JP6893419B2 (ja) | 2017-01-12 | 2017-01-12 | 同軸ケーブル |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021028897A (ja) * | 2019-08-09 | 2021-02-25 | 東京特殊電線株式会社 | 屈曲性に優れる細径同軸ケーブル |
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2017
- 2017-01-12 JP JP2017003432A patent/JP6893419B2/ja active Active
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JP2021028897A (ja) * | 2019-08-09 | 2021-02-25 | 東京特殊電線株式会社 | 屈曲性に優れる細径同軸ケーブル |
JP7340384B2 (ja) | 2019-08-09 | 2023-09-07 | 株式会社Totoku | 屈曲性に優れる細径同軸ケーブル |
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