JP2018112946A - 情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】処理能力を向上させる情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラムを提供する。【解決手段】キャッシュ16は、データを格納する。演算処理部11は、キャッシュ16のうちアプリケーション毎に割り当てられたサイズの領域を用いて各アプリケーションを実行する。ヒット率計算部102は、異なるサイズの領域を用いた場合のそれぞれのヒット率を示す指標をアプリケーション毎に求める。グラフ予測部104は、ヒット率計算部102により求められた各指標を基に、アプリケーション毎に所定時間後のサイズとヒット率との関係を示す関係情報を取得する。割当サイズ決定部14は、グラフ予測部104により取得された関係情報を基に、各アプリケーションに割り当てるサイズを決定する。【選択図】図1
Description
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラムに関する。
サーバにおいてOS(Operating System)が自身のために確保した物理メモリ内の領域のうち、データが読み込まれていない部分をキャッシュ領域として使用する技術がある。このメモリ上のOSによりキャッシュ領域とされた領域を、以下では単に「キャッシュ」という。複数のアプリケーションがサーバ上で動作する場合、それぞれのアプリケーションは、キャッシュを共有する場合がある。その場合、キャッシュ全体を小領域に分割して各アプリケーションに割り当て、サーバを運用することが行われる。
なお、キャッシュメモリの割り当ての技術として以下のような従来技術がある。例えば、通信端末で動作するウェブアプリケーションの開始から終了までのキャッシュのヒット率を計算し、ヒット率が基準を超えた場合、次回のウェブアプリケーション実行時に割り当てるキャッシュサイズを所定量増減させる従来技術がある。また、補助記憶装置のデータ転送速度に基づいてバッファキャッシュ分割比率を決定し、バッファキャッシュをそのバッファキャッシュ分割比率に基づいて一定周期で再分割する従来技術がある。
しかしながら、キャッシュを各アプリケーションに割り当てる場合、キャッシュサイズとヒット率の関係を知らなければ、目標ヒット率を達成するための正確なサイズ調整を行うことは困難である。そして、アプリケーションのキャッシュのヒット率とキャッシュサイズとの関係は、時間が経過すると変化する可能性がある。そのため、現在のヒット率だけから割り当てるキャッシュサイズを決定すると、ヒット率とキャッシュサイズとの関係が変化した場合に適切なキャッシュの割り当てを行うことが困難である。このため、情報処理装置の処理能力を向上させることが困難となる。
この点、アプリケーションの開始から終了までのキャッシュのヒット率を用いてキャッシュサイズを増減させる従来技術では、所定量の大きさによっては再度のサイズ調整を行うなど適切なキャッシュの割り当ては困難である。さらに、この従来技術では、前回動作時のヒット率を用いるため、ヒット率とキャッシュサイズとの関係が変化した場合に適切なキャッシュの割り当てを行うことが困難となる。このため、情報処理装置の処理能力を向上させることが困難となる。
また、データ転送速度に基づいてキャッシュ分割比率を決定する従来技術では、ヒット率を直接考慮しておらず、適切なキャッシュの割り当てを行うことは困難であり、情報処理装置の処理能力を向上させることが困難となる。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、処理能力を向上させる情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
本願の開示する情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラムの一つの態様において、キャッシュは、データを格納する。演算処理部は、前記キャッシュのうちアプリケーション毎に割り当てられたサイズの領域を用いて各前記アプリケーションを実行する。指標取得部は、異なる前記サイズの領域を用いた場合のそれぞれのヒット率を示す指標を前記アプリケーション毎に求める。関係取得部は、前記指標取得部により求められた各前記指標を基に、前記アプリケーション毎に所定時間後の前記サイズとヒット率との関係を示す関係情報を取得する。割当決定部は、前記関係取得部により取得された前記関係情報を基に、各前記アプリケーションに割り当てる前記サイズを決定する。
1つの側面では、本発明は、情報処理装置の処理能力を向上させることができる。
以下に、本願の開示する情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラムが限定されるものではない。
図1は、サーバのブロック図である。サーバ1は、情報処理装置である。サーバ1は、図1に示すように、関係予測部10、演算処理部11、IO(Input Output)受付部12、キャッシュ制御部13、割当サイズ決定部14、補助記憶部15及びキャッシュ16を有する。
補助記憶部15は、ハードディスクなどの補助記憶装置である。補助記憶部15は、データを格納する。
キャッシュ16は、OSによって主記憶装置上にキャッシュとして使用するために確保された領域である。キャッシュ16が有する領域は、キャッシュ制御部13によりアプリケーション毎に分割されて割り当てられる。
演算処理部11は、OSを実行する。さらに、演算処理部11は、入力部などから演算処理の指示を受けて複数のアプリケーションを実行し演算処理を行う。演算処理部11は、演算処理を実行するにあたりデータの読み出しなどのIO要求を各アプリケーションから受信する。そして、演算処理部11は、アプリケーションからのIO要求に応じたデータの読み出しをIO受付部12に要求する。その後、演算処理部11は、データの読出要求の応答として指定したデータの入力をIO受付部12から受ける。
IO受付部12は、アプリケーションからのIO要求の入力を演算処理部11から受ける。そして、IO受付部12は、データの読出要求を行ったアプリケーションのID(Identifier)を取得する。ここで、アプリケーションのIDとは、OSがWindows(登録商標)やLinux(登録商標)の場合、プロセスIDにあたる。また、IO受付部12は、IO要求の種別を取得する。さらに、IO受付部12は、IO要求のファイル名、サイズ及びアドレスを取得する。
IO受付部12は、IO要求が読出要求又は書込要求であった場合、IO要求で指定されたデータのアクセスアドレス情報やファイル情報などのメタデータをキャッシュ制御部13へ出力し、データの読み出しや書き込みを要求する。
データの読み出し要求の場合、IO受付部12は、データの読み出し要求に対する応答として、指定したデータ又はキャッシュミスの通知の入力をキャッシュ制御部13から受ける。指定したデータを取得した場合、IO受付部12は、取得したデータをデータの読出要求の応答として演算処理部11へ出力する。
これに対して、キャッシュミスの通知を受けた場合、IO受付部12は、補助記憶部15からデータの読出要求で指定されたデータを取得する。そして、IO受付部12は、取得したデータをデータの読出要求の応答として演算処理部11へ出力する。また、IO受付部12は、取得したデータをキャッシュ制御部13へ出力する。
また、書き込み要求の場合、IO受付部12は、書き込み完了の応答をキャッシュ制御部13から受ける。そして、IO受付部12は、書き込み完了の応答を演算処理部11へ出力する。
さらに、IO受付部12は、データの読出要求又は書込要求の入力を受けた場合、読出要求又は書込要求で指定されたデータのメタデータを関係予測部10へも出力する。さらに、IO受付部12は、取得したアプリケーションIDを関係予測部10へ出力する。
キャッシュ制御部13は、メタデータを使用したデータの取得要求の入力をIO受付部12から受ける。そして、キャッシュ制御部13は、メタデータを用いてデータの取得要求で指定されたデータがキャッシュ16に格納されているか否かを判定する。
キャッシュ16に指定されたデータが格納されている場合、キャッシュ制御部13は、メタデータにより特定されるデータをキャッシュ16から取得する。そして、キャッシュ制御部13は、データの取得要求に対する応答として取得したデータをIO受付部12へ出力する。
これに対して、キャッシュ16に指定されたデータが格納されていない場合、キャッシュ制御部13は、キャッシュミスの通知をIO受付部12へ出力する。その後、キャッシュ制御部13は、キャッシュミスしたデータの入力をIO受付部12から受ける。そして、キャッシュ制御部13は、予め決められたキャッシュアルゴリズムにしたがいキャッシュ16に格納されたデータの中から削除するデータを抽出する。例えば、キャッシュ制御部13は、キャッシュ16に格納されたデータの中で最も古いデータを削除するデータとして抽出する。次に、キャッシュ制御部13は、抽出したデータを削除し、キャッシュミスしたデータをキャッシュ16へ格納する。
また、キャッシュ制御部13は、データの書込要求を受けた場合、キャッシュ16に指定されたデータが有ればキャッシュ16の内容を更新する。キャッシュ16に指定されたデータがなければ、キャッシュ制御部13は、キャッシュミスの通知をIO受付部12へ出力する。
さらに、キャッシュ制御部13は、各アプリケーションへのキャッシュサイズの割り当てを示すキャッシュ管理テーブルを有する。より詳しくは、キャッシュ制御部13は、更新された新しいキャッシュサイズの割り当てを示す新サイズ管理テーブル及び更新前のキャッシュサイズの割り当てを示す旧サイズ管理テーブルの2つのキャッシュ管理テーブルを有する。
キャッシュ制御部13は、各アプリケーションに対するキャッシュサイズの割当情報の入力を割当サイズ決定部14から受ける。そして、キャッシュ制御部13は、新サイズ管理テーブルの内容を旧サイズ管理テーブルへ移す。さらに、キャッシュ制御部13は、取得したキャッシュサイズの割当情報にしたがって新サイズ管理テーブルを更新する。ここで、旧サイズ管理テーブルに登録された各アプリケーションに対して割り当てられたキャッシュサイズを「旧サイズ」という。また、新サイズ管理テーブルに登録された各アプリケーションに対して割り当てられたキャッシュサイズを「新サイズ」という。
キャッシュ制御部13は、各アプリケーションにおける旧サイズと新サイズとを比較する。新サイズが旧サイズ未満のアプリケーションに対しては、キャッシュ制御部13は、新サイズと旧サイズとの差分に対応するデータブロックをそのアプリケーションに割り当てたキャッシュ16の領域から選択し破棄対象とする。そして、キャッシュ制御部13は、破棄対象としたデータブロックを一時領域に保存する。その後、キャッシュ制御部13は、アプリケーションに割り当てるキャッシュサイズを更新して、割り当てるキャッシュサイズを減らす。
一方、新サイズが旧サイズ以上のアプリケーションに対しては、キャッシュ制御部13は、新サイズと旧サイズとの差分に対応するデータブロックをそのアプリケーションのデータを格納した一時領域から取得する。そして、キャッシュ制御部13は、そのアプリケーションに割り当てるキャッシュ16の領域に取得したデータブロックを格納する。その後、キャッシュ制御部13は、そのアプリケーションに割り当てるキャッシュサイズを更新して、割り当てるキャッシュサイズを増やす。
関係予測部10は、APP(Application)用仮想キャッシュ101、ヒット率計算部102、ヒット率保存部103及びグラフ予測部104を有する。以下では、図2を参照して、APP#1及び#2という2つのアプリケーションが動作する場合で説明する。図2は、2つのアプリケーションが動作する場合の関係予測部10の詳細を表すブロック図である。ただし、これは一例でありアプリケーションの数に特に制限は無い。
APP用仮想キャッシュ101は、アプリケーション毎の仮想キャッシュを有する。例えば、図2に示すように、APP用仮想キャッシュ101は、APP#1の仮想キャッシュ111及びAPP#2の仮想キャッシュ112を有する。
APP#1の仮想キャッシュ111は、サイズが異なる仮想キャッシュ211〜213を複数有する。また、APP#2の仮想キャッシュ112は、サイズが異なる仮想キャッシュ221〜223を複数有する。例えば、仮想キャッシュ211〜213及び221〜223は、それぞれキャッシュ16の領域全体の内の100%、90%、・・・、10%のサイズを有する。ここで、キャッシュ16の領域全体とは、各アプリケーションが使用できるキャッシュサイズの総和にあたる。キャッシュ16の領域全体にあたるキャッシュサイズを「全体サイズ」という。
仮想キャッシュ211〜213には、APP#1が要求したデータのメタデータが、ヒット率計算部102によりキャッシュアルゴリズムにしたがって格納される。また、仮想キャッシュ221〜222には、APP#2が要求したデータのメタデータが、ヒット率計算部102によりキャッシュアルゴリズムにしたがって格納される。仮想キャッシュ211〜213のそれぞれを区別しない場合、「仮想キャッシュ210」という。また、仮想キャッシュ221〜223のそれぞれを区別しない場合、「仮想キャッシュ220」という。
ヒット率計算部102は、メタデータとともにアプリケーションIDの入力をIO受付部12から受ける。そして、ヒット率計算部102は、アプリケーション毎に以下の計算を行う。このヒット率計算部102が、「指標取得部」の一例にあたる。例えば、図2に示すように、ヒット率計算部102は、APP#1ヒット率計算部121、APP#2ヒット率計算部122を有する場合で説明する。
APP#1ヒット率計算部121は、APP#1によるデータの読出要求又は書込要求で指定されたメタデータの入力をIO受付部12から受ける。ここで、APP#1ヒット率計算部121は、取得したアプリケーションIDによりどのメタデータの送信元のアプリケーションを特定することができる。そして、APP#1ヒット率計算部121は、APP#1の仮想キャッシュ111が有する各仮想キャッシュ210にメタデータに対応するデータが格納されているか否かを判定する。
メタデータに対応するデータが格納された仮想キャッシュ210であれば、APP#1ヒット率計算部121は、その仮想キャッシュ210においてはキャッシュヒットと判定する。また、メタデータに対応するデータが格納されていない仮想キャッシュ210であれば、APP#1ヒット率計算部121は、その仮想キャッシュ210においてはキャッシュミスと判定する。キャッシュミスの場合、APP#1ヒット率計算部121は、キャッシュ制御部13と同じキャッシュアルゴリズムにしたがってメタデータをその仮想キャッシュ210に格納する。
APP#1ヒット率計算部121は、各仮想キャッシュ210におけるキャッシュヒット及びキャッシュミスの回数をカウントする。そして、APP#1ヒット率計算部121は、自己が有するタイマで時間を計測し、一定時間が経過すると、その間のキャッシュヒット及びキャッシュミスの回数を用いて、各仮想キャッシュ210におけるヒット率を計算する。そしてAPP#1ヒット率計算部121は、計算したヒット率をヒット率保存部103及びグラフ予測部104へ出力する。以下では、APP#1ヒット率計算部121が出力したヒット率を「現在のヒット率」という。
また、APP#2ヒット率計算部122も、APP#1ヒット率計算部121と同様に各仮想キャッシュ220のキャッシュヒット及びキャッシュミスをカウントすると共に、メタデータの格納を行う。そして、APP#2ヒット率計算部122は、一定時間毎に各仮想キャッシュ210におけるヒット率を計算し、計算したヒット率をヒット率保存部103及びグラフ予測部104へ出力する。このように、ヒット率計算部102は、アプリケーション毎に、APP用仮想キャッシュ101が有するサイズの異なる仮想キャッシュのそれぞれにおけるヒット率を計算する。
ヒット率保存部103は、アプリケーション毎の保存領域を有する。例えば、図2に示すように、ヒット率保存部103は、APP#1ヒット率保存部131、APP#2ヒット率保存部132を有する。
APP#1ヒット率保存部131は、一定時間毎に各仮想キャッシュ210のヒット率の入力をAPP#1ヒット率計算部121から受ける。そして、APP#1ヒット率保存部131は、一定時間前の各仮想キャッシュ210のヒット率をグラフ予測部104へ出力する。その後、APP#1ヒット率保存部131は、一定時間前の各仮想キャッシュ210のヒット率を削除し、新たに取得した各仮想キャッシュ210のヒット率を記憶する。
APP#2ヒット率保存部132も、APP#1ヒット率保存部131と同様に、各仮想キャッシュ220のヒット率をグラフ予測部104へ出力するとともに、新たに取得した各仮想キャッシュ220のヒット率を記憶する。このように、ヒット率保存部103は、アプリケーション毎のサイズの異なる仮想キャッシュにおける一定時間前のヒット率を一定時間維持する。
グラフ予測部104は、アプリケーション毎にグラフの予測を行う。このグラフ予測部104が、「関係取得部」の一例にあたる。例えば、グラフ予測部104は、APP#1グラフ予測部141及びAPP#2グラフ予測部142を有する。
APP#1グラフ予測部141は、各仮想キャッシュ210における現在のヒット率の入力をAPP#1ヒット率計算部121から受ける。また、APP#1グラフ予測部141は、各仮想キャッシュ210における一定時間前のヒット率の入力をAPP#1ヒット率保存部131から受ける。
図3は、目標を達成するためのキャッシュサイズの調整を説明するための図である。図3の縦軸はヒット率を表し、横軸は仮想キャッシュ210のキャッシュ16の全体サイズに対する割合を示す。
APP#1グラフ予測部141は、図3に示すように各仮想キャッシュ210における現在のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフ301を作成する。次に、APP#1グラフ予測部141は、各仮想キャッシュ210における一定時間前のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフ302を作成する。次に、APP#1グラフ予測部141は、グラフ301とグラフ302から線形外挿法によって一定時間の半分の時間後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフ303を予測する。ここで、一定時間をT秒として、一定時間の半分の時間を「T/2秒」という。この一定時間の半分の時間が、「所定時間」の一例にあたる。
より具体的には、APP#1グラフ予測部141は、次の数式(1)を用いて各キャッシュサイズにおけるT/2秒後のヒット率の予測値を求める。
ここで、HRA,Sは、「A」というアプリケーションにおけるキャッシュサイズの全体サイズに対する割合がS%である仮想キャッシュのヒット率を表す。そして、HRA,Sの後の括弧内はヒット率に対応する時刻を表す。例えば、HRA,S(t=now)は、現在のヒット率を表す。また、HRA,S(t=now+T/2)は、T/2秒後のヒット率を表す。
その後、APP#1グラフ予測部141は、T/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフ303を割当サイズ決定部14へ出力する。
また、APP#2グラフ予測部142も、APP#1グラフ予測部141と同様にT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフを予測する。そして、APP#2グラフ予測部142は、T/2後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフを割当サイズ決定部14へ出力する。このように、グラフ予測部104は、アプリケーション毎にT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフを予測し割当サイズ決定部14へ出力する。
図1に戻って説明を続ける。割当サイズ決定部14は、アプリケーション毎のT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフの入力をグラフ予測部104から受ける。ここで、割当サイズ決定部14は、各アプリケーションのそれぞれに要求される最大ヒット率に対する目標割合を予め記憶する。最大ヒット率とは、キャッシュ16の領域すべてを1つのアプリケーションが使用した場合のヒット率である。
割当サイズ決定部14は、アプリケーション毎のT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフを用いてアプリケーション毎の目標ヒット率を達成するためのキャッシュサイズの全体サイズに対する割合を算出する。例えば、図3を参照して、APP#1の目標ヒット率を達成するためのキャッシュサイズの全体サイズに対する割合の算出について説明する。
割当サイズ決定部14は、図3におけるグラフ303を用いて仮想キャッシュ210が全体サイズの100%の場合のヒット率である最大ヒット率を算出する。図3では、点304が最大ヒット率を表す。そして、割当サイズ決定部14は、最大ヒット率に予め記憶する目標割合を乗算してAPP#1の目標ヒット率を算出する。例えば、最大ヒット率を「R」とし、APP#1の目標割合を「p」とした場合、割当サイズ決定部14は、R×pとして目標ヒット率を算出する。図3では、点305が目標ヒット率を表す。
そして、割当サイズ決定部14は、目標ヒット率を達成するための全体サイズに対する割合をグラフ303から求める。図3では、点307が、目標ヒット率を達成するための全体サイズに対する割合を表す。ここで、現在のAPP#1に割り当てられたキャッシュサイズを点306で表される割合とすると、APP#1に割り当てるキャッシュサイズを点306から点307へ変化させる、すなわちS%からSt%へ変化させることで目標ヒット率が達成される。
図4は、複数のアプリケーションにおける目標ヒット率を達成するためのキャッシュサイズの割り当てを表す図である。例えば、第1アプリケーション及び第2アプリケーションを含む多数のアプリケーションがある場合で説明する。グラフ311は、グラフ予測部104により求められた第1アプリケーションのT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフである。また、グラフ312は、グラフ予測部104により求められた第2アプリケーションのT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフである。さらに、グラフ予測部104は、他のアプリケーションにも同様にT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフを求める。
割当サイズ決定部14は、第1アプリケーションの目標割合としてp=0.5を記憶する。割当サイズ決定部14は、最大ヒット率に0.5を乗算した値を第1アプリケーションの目標ヒット率とする。そして、割当サイズ決定部14は、グラフ311を用いて、第1アプリケーションの目標ヒット率を達成するためのキャッシュサイズの全体サイズに対する割合をSt1%と算出する。また、割当サイズ決定部14は、第2アプリケーションの目標割合としてp=0.7を記憶する。割当サイズ決定部14は、最大ヒット率に0.7を乗算した値を第2アプリケーションの目標ヒット率とする。そして、割当サイズ決定部14は、グラフ312を用いて、第2アプリケーションの目標ヒット率を達成するためのキャッシュサイズの全体サイズに対する割合をSt2%と算出する。同様に、割当サイズ決定部14は、他のアプリケーションについても目標割合から算出した目標ヒット率を達成するためのキャッシュサイズの全体サイズに対する割合を求める。このように、割当サイズ決定部14は、アプリケーション毎に、目標ヒット率を達成するためのキャッシュサイズの全体サイズに対する割合を算出する。
次に、割当サイズ決定部14は、キャッシュ16の容量が全てのアプリケーションが目標ヒット率を達成するようにキャッシュサイズを割り当てた場合のキャッシュ容量以上か否かを判定する。以下では、キャッシュ16の容量が全てのアプリケーションが目標ヒット率を達成するようにキャッシュを割り当てた場合のキャッシュ容量以上の場合を、「キャッシュ16に十分な容量が存在する場合」という。
キャッシュ16に十分な容量が存在する場合、割当サイズ決定部14は、取得したアプリケーション毎の全体サイズに対する割合に応じたキャッシュサイズを全てのアプリケーションに割り当てる。次に、割当サイズ決定部14は、割り当て後に残ったキャッシュ16の領域を各アプリケーションに均等配分する。
これに対して、キャッシュ16の容量が十分でない場合、割当サイズ決定部14は、キャッシュ16を各アプリケーションに均等配分する。次に、割当サイズ決定部14は、均等配分した場合に、目標ヒット率を達成できるアプリケーションを特定する。そして、割当サイズ決定部14は、特定したアプリケーションに対して、目標ヒット率を達成できるキャッシュサイズを割り当てる。ここで、特定したアプリケーションが目標ヒット率を達成できるキャッシュサイズは、均等配分した場合のキャッシュサイズより小さいため、キャッシュ16の中に未割り当ての領域が残る。そこで、割当サイズ決定部14は、残ったキャッシュ16の領域を他のアプリケーションに均等配分する。割当サイズ決定部14は、目標ヒット率を達成できるアプリケーションが存在しなくなるまで、目標ヒット率を達成可能なアプリケーションへの目標ヒット率を達成できるキャッシュサイズの割り当て及び他のアプリケーションへの均等配分を繰返す。このように分配することで、目標ヒット率を達成することが困難なアプリケーションであっても、均等配分の場合よりも大きいキャッシュサイズが割り当てられる。
その後、割当サイズ決定部14は、各アプリケーションに割り当てたキャッシュサイズの情報をキャッシュ制御部13へ出力する。この割当サイズ決定部14が、「割当決定部」の一例にあたる。
次に、図5を参照して、関係予測部10によるT/2秒後のヒット率を表すグラフの作成処理の流れについて説明する。図5は、関係予測部によるT/2秒後のヒット率を表すグラフの作成処理のフローチャートである。
ヒット率計算部102は、前回のヒット率の計算時刻からT秒経過したか否かを判定する(ステップS101)。
T秒経過していない場合(ステップS101:否定)、ヒット率計算部102は、T秒経過するまで待機する。
これに対して、T秒経過した場合(ステップS101:肯定)、ヒット率計算部102は、アプリケーション毎にサイズの異なる各APP用仮想キャッシュ101におけるヒット率を算出する(ステップS102)。そして、ヒット率計算部102は、算出したアプリケーション毎の各APP用仮想キャッシュ101におけるヒット率をヒット率保存部103及びグラフ予測部104へ出力する。
ヒット率保存部103は、アプリケーション毎の各APP用仮想キャッシュ101におけるヒット率の入力をヒット率計算部102から受ける。そして、ヒット率保存部103は、アプリケーション毎の各APP用仮想キャッシュ101におけるT秒前のヒット率をグラフ予測部104へ出力する。次に、ヒット率保存部103は、ヒット率計算部102から取得したアプリケーション毎の各APP用仮想キャッシュ101における現在のヒット率を保存する(ステップS103)。
グラフ予測部104は、アプリケーション毎の各APP用仮想キャッシュ101における現在のヒット率の入力をヒット率計算部102から受ける。また、グラフ予測部104は、アプリケーション毎の各APP用仮想キャッシュ101におけるT秒前のヒット率の入力をヒット率保存部103から受ける。そして、グラフ予測部104は、取得した情報を用いてアプリケーション毎のT/2秒後のヒット率を計算する(ステップS104)。
次に、グラフ予測部104は、算出したアプリケーション毎のT/2秒後のヒット率からアプリケーション毎のT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフを作成する(ステップS105)。そして、グラフ予測部104は、作成したアプリケーション毎のT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフを割当サイズ決定部14へ出力する。
次に、ヒット率計算部102は、自己が有するタイマをリセットする(ステップS106)。そして、関係予測部10は、操作者からのキャッシュ割当処理の停止の指示の有無により、動作を停止するか否かを判定する(ステップS107)。
動作停止しないと判定した場合(ステップS107:否定)、関係予測部10は、ステップS101へもどる。これに対して、動作停止すると判定した場合(ステップS107:肯定)、関係予測部10は、グラフの作成の処理を終了する。
次に、図6を参照して、本実施例に係る割当サイズ決定部14による各アプリケーションに対して割り当てるキャッシュサイズの決定処理の流れについて説明する。図6は、実施例1に係る割当サイズ決定部による各アプリケーションに対して割り当てるキャッシュサイズの決定処理のフローチャートである。
割当サイズ決定部14は、アプリケーション毎のT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフを関係予測部10から取得する(ステップS201)。
次に、割当サイズ決定部14は、アプリケーション毎に目標ヒット率を達成するためのキャッシュサイズを算出する(ステップS202)。
次に、割当サイズ決定部14は、キャッシュ16に十分な容量が存在するか否かを判定する(ステップS203)。
キャッシュ16に十分な容量が存在する場合(ステップS203:肯定)、割当サイズ決定部14は、各アプリケーションに目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズを割り当てる(ステップS204)。
次に、割当サイズ決定部14は、余剰キャッシュを各アプリケーションに均等配分し割り当て(ステップS205)、ステップS210へ進む。
これに対して、キャッシュ16に十分な容量が存在しない場合(ステップS203:否定)、割当サイズ決定部14は、各アプリケーションにキャッシュ16の全体を均等に配分し割り当てる(ステップS206)。
次に、割当サイズ決定部14は、均等配分した状態で、目標ヒット率を達成するアプリケーションがあるか否かを判定する(ステップS207)。目標ヒット率を達成するアプリケーションがある場合(ステップS207:肯定)、割当サイズ決定部14は、目標ヒット率を達成可能なアプリケーションに目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズを割り当てる(ステップS208)。
次に、割当サイズ決定部14は、目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズを割り当てた後の余剰キャッシュを目標ヒット率を達成していない他のアプリケーションに均等に割り当て(ステップS209)、ステップS207へ戻る。
これに対して、目標ヒット率を達成するアプリケーションがない場合(ステップS207:否定)、割当サイズ決定部14は、ステップS210へ進む。
割当サイズ決定部14は、操作者からのキャッシュ割当処理の停止の指示の有無により、動作を停止するか否かを判定する(ステップS210)。
動作停止しないと判定した場合(ステップS210:否定)、割当サイズ決定部14は、ステップS201へもどる。これに対して、動作停止すると判定した場合(ステップS210:肯定)、割当サイズ決定部14は、キャッシュサイズの割当処理を終了する。
次に、図7を参照して、キャッシュ制御部13によるキャッシュ領域の割当処理の流れについて説明する。図7は、キャッシュ制御部によるキャッシュ領域の割当処理のフローチャートである。
キャッシュ制御部13は、アプリケーション毎の割り当てられたキャッシュサイズの入力を割当サイズ決定部14から受ける。そして、キャッシュ制御部13は、新サイズ管理テーブルの情報を旧サイズ管理テーブルへ移行し、新サイズ管理テーブルに新たに取得したアプリケーション毎の割り当てられたキャッシュサイズを登録し更新する(ステップS301)。
次に、キャッシュ制御部13は、新サイズが旧サイズ未満のアプリケーションがあるか否かを判定する(ステップS302)。
新サイズが旧サイズ未満のアプリケーションがある場合(ステップS302:肯定)、キャッシュ制御部13は、新サイズが旧サイズ未満のアプリケーションを1つ選択する。次に、キャッシュ制御部13は、新サイズと旧サイズとの差分にあたるデータブロックを選択したアプリケーションに割り当てられているキャッシュ領域から選択し一時領域に保存する(ステップS303)。
次に、キャッシュ制御部13は、選択したアプリケーションのキャッシュサイズを新サイズに更新し(ステップS304)、ステップS302へ戻る。
これに対して、新サイズが旧サイズ未満のアプリケーションがない場合(ステップS302:否定)、キャッシュ制御部13は、新サイズが旧サイズ以上のアプリケーションがあるか否かを判定する(ステップS305)。
新サイズが旧サイズ以上のアプリケーションがある場合(ステップS305:肯定)、キャッシュ制御部13は、新サイズが旧サイズ以上のアプリケーションを1つ選択する。次に、キャッシュ制御部13は、選択したアプリケーションに対応する一時領域に存在する新サイズと旧サイズとの差分にあたるデータブロックを選択する。そして、キャッシュ制御部13は、選択したデータブロックを選択したアプリケーションに新たに割り当てるキャッシュ領域に格納する(ステップS306)。
次に、キャッシュ制御部13は、選択したアプリケーションのキャッシュサイズを新サイズに更新し(ステップS307)、ステップS305へ戻る。
これに対して、新サイズが旧サイズ以上のアプリケーションがない場合(ステップS305:否定)、キャッシュ制御部13は、キャッシュ領域の割り当て処理を終了する。
以上に説明したように、本実施例に係るサーバは、アプリケーション毎にキャッシュサイズとヒット率との関係を予測し、予測結果を用いて各アプリケーションにキャッシュサイズを割り当てる。これにより、ヒット率とキャッシュサイズとの関係における将来の変化を考慮してキャッシュサイズを割り当てることが可能となり、目標ヒット率を達成するための正確なサイズ調整を行うことができる。したがって、サーバの処理能力を向上させることができる。
次に、実施例2について説明する。本実施例に係る情報処理装置も図1及び2で表される。本実施例に係る情報処理装置は、T/2秒後のグラフを用いた各アプリケーションへ割り当てるキャッシュサイズの算出方法が実施例1と異なる。以下では、各部における実施例1と同様の機能については説明を省略する。
割当サイズ決定部14は、関係予測部10から取得したアプリケーション毎のT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフから、アプリケーション毎に目標ヒット率を達成するためのキャッシュサイズを算出する。次に、割当サイズ決定部14は、キャッシュ16に十分な容量が存在するか否かを判定する。
キャッシュ16に十分な容量が存在する場合、割当サイズ決定部14は、各アプリケーションに目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズを割り当てる。次に、割当サイズ決定部14は、目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズを各アプリケーションに割り当てた後に残っている余剰キャッシュを求める。そして、割当サイズ決定部14は、余剰キャッシュを各アプリケーションに均等配分した場合のヒット率の増加率をアプリケーション毎のT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフから求める。
具体的には、割当サイズ決定部14は、ヒット率の増加率を求めるアプリケーションを選択する。そして、割当サイズ決定部14は、目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズを選択したアプリケーションに割り当てた場合のヒット率をT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフから取得する。さらに、割当サイズ決定部14は、余剰キャッシュを各アプリケーションに均等配分した場合の選択したアプリケーションのヒット率をT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフから取得する。次に、割当サイズ決定部14は、目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズを選択したアプリケーションに割り当てた場合のヒット率と余剰キャッシュを各アプリケーションに均等配分した場合の選択したアプリケーションのヒット率との差を算出する。そして、割当サイズ決定部14は、余剰キャッシュを各アプリケーションに均等配分したときの配分したキャッシュサイズで目標ヒット率が達成可能な差分を除算してヒット率の増加率を算出する。割当サイズ決定部14は、全てのアプリケーションについて同様にヒット率の増加率を算出する。
そして、割当サイズ決定部14は、余剰キャッシュをヒット率増加率の高い順にアプリケーションに優先的に割り当てる。例えば、アプリケーション#i(i=1,2,・・・)がサーバ1内で動作する場合で説明する。割当サイズ決定部14は、次の数式(2)を用いて余剰キャッシュの中から各アプリに割り当てるキャッシュサイズを決定する。
ここで、ΔSiは、アプリケーション#iに余剰キャッシュから割り当てるキャッシュサイズである。また、Δhiは、アプリケーション#iのヒット率増加率である。また、
ΔSは、余剰キャッシュのサイズである。
ΔSは、余剰キャッシュのサイズである。
そして、割当サイズ決定部14は、余剰キャッシュからの各アプリケーションに割り当てるキャッシュサイズを目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズに加算したキャッシュサイズを求める。そして、割当サイズ決定部14は、求めたキャッシュサイズを各アプリケーションへのキャッシュサイズの割当情報としてキャッシュ制御部13へ出力する。
これに対して、キャッシュ16に十分な容量が存在しない場合、割当サイズ決定部14は、各アプリケーションにキャッシュ16を均等配分する。次に、割当サイズ決定部14は、キャッシュ16を均等配分した場合に目標ヒット率を達成可能なアプリケーションがあるか否かを判定する。
目標ヒット率を達成可能なアプリケーションがある場合、割当サイズ決定部14は、目標ヒット率を達成可能なアプリケーションに目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズを割り当てる。この場合、均等配分した場合のキャッシュサイズよりも、目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズの方が小さいため、余剰キャッシュが発生する。
そこで、割当サイズ決定部14は、余剰キャッシュをヒット率の増加率の高いアプリケーションに優先的に割り当てる。例えば、割当サイズ決定部14は、各アプリケーションのヒット率の増加率を算出し、数式(2)を用いて各アプリケーションに割り当てるキャッシュサイズを決定する。
その後、割当サイズ決定部14は、目標ヒット率を達成可能なアプリケーションの特定、目標ヒット率を達成可能なキャッシュサイズの割り当て、余剰サイズの均等配分を、目標ヒット率を達成可能なアプリケーションが無くなるまで繰り返す。
そして、目標ヒット率を達成可能なアプリケーションが無くなると、割当サイズ決定部14は、その状態での各アプリケーションへのキャッシュサイズの割当情報をキャッシュ制御部13へ出力する。
次に、図8を参照して、本実施例に係る割当サイズ決定部14による各アプリケーションに対して割り当てるキャッシュサイズの決定処理の流れについて説明する。図8は、実施例2に係る割当サイズ決定部による各アプリケーションに対して割り当てるキャッシュサイズの決定処理のフローチャートである。
割当サイズ決定部14は、アプリケーション毎のT/2秒後のヒット率とキャッシュサイズとの関係を表すグラフを関係予測部10から取得する(ステップS401)。
次に、割当サイズ決定部14は、アプリケーション毎に目標ヒット率を達成するためのキャッシュサイズを算出する(ステップS402)。
次に、割当サイズ決定部14は、キャッシュ16に十分な容量が存在するか否かを判定する(ステップS403)。
キャッシュ16に十分な容量が存在する場合(ステップS403:肯定)、割当サイズ決定部14は、各アプリケーションに目標ヒット率が達成可能なキャッシュサイズを割り当てる(ステップS404)。
次に、割当サイズ決定部14は、各アプリケーションについてヒット率の増加率を算出する(ステップS405)。
次に、割当サイズ決定部14は、余剰キャッシュをヒット率の増加率が高いアプリケーションに優先的に割り当て(ステップS406)、ステップS412へ進む。
これに対して、キャッシュ16に十分な容量が存在しない場合(ステップS403:否定)、割当サイズ決定部14は、各アプリケーションにキャッシュ16の全体を均等に配分し割り当てる(ステップS407)。
次に、割当サイズ決定部14は、均等配分した状態で、目標ヒット率を達成するアプリケーションがあるか否かを判定する(ステップS408)。目標ヒット率を達成するアプリケーションがある場合(ステップS408:肯定)、割当サイズ決定部14は、目標ヒット率を達成可能なアプリケーションに目標ヒット率を達成可能なキャッシュサイズを割り当てる(ステップS409)。
次に、割当サイズ決定部14は、目標ヒット率が未達成の各アプリケーションについて、余剰キャッシュを均等配分した場合のヒット率の増加率を算出する(ステップS410)。
そして、割当サイズ決定部14は、余剰キャッシュをヒット率の増加率が高いアプリケーションに優先的に割り当て(ステップS411)、ステップS408へ戻る。
これに対して、目標ヒット率を達成するアプリケーションがない場合(ステップS408:否定)、割当サイズ決定部14は、ステップS412へ進む。
割当サイズ決定部14は、操作者からのキャッシュ割当処理の停止の指示の有無により、動作を停止するか否かを判定する(ステップS412)。
動作停止しないと判定した場合(ステップS412:否定)、割当サイズ決定部14は、ステップS401へもどる。これに対して、動作停止すると判定した場合(ステップS412:肯定)、割当サイズ決定部14は、キャッシュサイズの割当処理を終了する。
以上に説明したように、本実施例に係るサーバは、ヒット率の増加率が高いアプリケーションに対して優先的にキャッシュ領域を割り当てる。これにより、より全体的なヒット率を向上させることができ、より効率的なキャッシュサイズの割り当てを行うことができる。したがって、サーバの処理能力をより向上させることができる。
(ハードウェア構成)
図9は、サーバのハードウェア構成の一例を表す図である。各実施例で説明したサーバ1は、図9に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、メモリ92及び複数のHDD(Hard Disk Drive)93を有する。
図9は、サーバのハードウェア構成の一例を表す図である。各実施例で説明したサーバ1は、図9に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、メモリ92及び複数のHDD(Hard Disk Drive)93を有する。
HDD93は、図1に例示した、補助記憶部15の機能を実現する。また、HDD93は、例えば、図1に例示した、演算処理部11、関係予測部10、IO受付部12、キャッシュ制御部13及び割当サイズ決定部14の機能を実現するプログラムを含む各種プログラムを有する。
メモリ92は、図1に例示したキャッシュ16の機能を実現する。また、メモリ92は、APP用仮想キャッシュ110の機能を実現する。さらに、メモリ92は、一時記憶領域の機能も有する。
CPU91は、HDD93から図1に例示した、演算処理部11、関係予測部10、IO受付部12、キャッシュ制御部13及び割当サイズ決定部14の機能を実現するプログラムを含む各種プログラムを読み出し、メモリ92に展開して実行する。これにより、CPU91及びメモリ92は、演算処理部11、関係予測部10、IO受付部12、キャッシュ制御部13及び割当サイズ決定部14の機能を実現する。
さらに、各実施例で説明した機能は、仮想化統合環境(Virtual Converged Perform)にも適用可能である。仮想化統合環境とは、例えば、物理的なサーバとストレージとが一体となった構成を有する情報処理システムであり、1台のサーバで複数の仮想マシンが動作する。そして、仮想化統合環境では、複数の仮想マシンを統合的に制御し、1台の物理的なサーバ上で動作させるための基盤ソフトウェアであるハイパーバイザが動作する。また、各仮想マシンには、それぞれ仮想ディスク又は仮想ファイルが割り当てられる。
各実施例におけるサーバ1を仮想化統合環境とし、OSをハイパーバイザとし、アプリケーションを仮想マシンとして置き換えることで、各実施例で説明した機能を仮想化統合環境で実現することができる。その場合、アプリケーションのIDは、仮想マシンのIDにあたり、ファイルは仮想ディスク又は仮想ファイルにあたる。
1 サーバ
10 関係予測部
11 演算処理部
12 IO受付部
13 キャッシュ制御部
14 割当サイズ決定部
15 補助記憶部
16 キャッシュ
101 APP用仮想キャッシュ
102 ヒット率計算部
103 ヒット率保存部
104 グラフ予測部
111 APP#1の仮想キャッシュ
112 APP#2の仮想キャッシュ
210〜213 仮想キャッシュ
220〜223 仮想キャッシュ
121 APP#1ヒット率計算部
122 APP#2ヒット率計算部
131 APP#1ヒット率保存部
132 APP#2ヒット率保存部
141 APP#1グラフ予測部
142 APP#2グラフ予測部
10 関係予測部
11 演算処理部
12 IO受付部
13 キャッシュ制御部
14 割当サイズ決定部
15 補助記憶部
16 キャッシュ
101 APP用仮想キャッシュ
102 ヒット率計算部
103 ヒット率保存部
104 グラフ予測部
111 APP#1の仮想キャッシュ
112 APP#2の仮想キャッシュ
210〜213 仮想キャッシュ
220〜223 仮想キャッシュ
121 APP#1ヒット率計算部
122 APP#2ヒット率計算部
131 APP#1ヒット率保存部
132 APP#2ヒット率保存部
141 APP#1グラフ予測部
142 APP#2グラフ予測部
Claims (8)
- データを格納するキャッシュと、
前記キャッシュのうちアプリケーション毎に割り当てられたサイズの領域を用いて各前記アプリケーションを実行する演算処理部と、
異なる前記サイズの領域を用いた場合のそれぞれのヒット率を示す指標を前記アプリケーション毎に求める指標取得部と、
前記指標取得部により求められた各前記指標を基に、前記アプリケーション毎に所定時間後の前記サイズとヒット率との関係を示す関係情報を取得する関係取得部と、
前記関係取得部により取得された前記関係情報を基に、各前記アプリケーションに割り当てる前記サイズを決定する割当決定部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。 - 前記関係取得部は、異なる時刻における前記指標を基に、前記関係情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記指標取得部は、一定時間毎に各前記指標を取得し、
前記関係取得部は、最新の各前記指標及び前回の各前記指標を基に、前記関係情報を取得する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。 - 前記割当決定部は、予め決められた目標ヒット率を達成可能な前記サイズを前記アプリケーション毎に決定し、決定した前記サイズを各前記アプリケーションに割り当てた結果、前記キャッシュに未割当領域が残る場合、前記未割当領域をさらに各前記アプリケーションに割り当てることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
- 前記割当決定部は、予め決められた目標ヒット率を達成可能な前記サイズを前記アプリケーション毎に決定し、決定した前記サイズを各前記アプリケーションに割り当てた結果、前記キャッシュが足りない場合、前記キャッシュを各前記アプリケーションに均等配分することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
- 前記割当決定部は、予め決められた目標ヒット率を達成可能な前記サイズを前記アプリケーション毎に決定し、決定した前記サイズを各前記アプリケーションに割り当てた結果、前記キャッシュが足りない場合、前記ヒット率の増加率が大きいアプリケーションほど前記サイズの割り当てが大きくなるように前記キャッシュを各前記アプリケーションに割り当てることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
- データを格納するキャッシュにおける異なるサイズの領域を用いた場合のそれぞれのヒット率を示す指標をアプリケーション毎に求め、
求められた各前記指標を基に、前記アプリケーション毎に所定時間後の前記サイズとヒット率との関係を示す関係情報を取得し、
取得された前記関係情報を基に、各前記アプリケーションに割り当てる前記サイズを決定し、
決定された前記サイズを各前記アプリケーションに割り当て、
前記アプリケーション毎に割り当てられた前記サイズの前記キャッシュの領域を用いて各前記アプリケーションを実行する
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。 - データを格納するキャッシュにおける異なるサイズの領域を用いた場合のそれぞれのヒット率を示す指標をアプリケーション毎に求め、
求められた各前記指標を基に、前記アプリケーション毎に所定時間後の前記サイズとヒット率との関係を示す関係情報を取得し、
取得された前記関係情報を基に、各前記アプリケーションに割り当てる前記サイズを決定し、
決定された前記サイズを各前記アプリケーションに割り当て、
前記アプリケーション毎に割り当てられた前記サイズの前記キャッシュの領域を用いて各前記アプリケーションを実行する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理装置の制御プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017003650A JP2018112946A (ja) | 2017-01-12 | 2017-01-12 | 情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017003650A JP2018112946A (ja) | 2017-01-12 | 2017-01-12 | 情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラム |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=62911284
Family Applications (1)
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JP2017003650A Pending JP2018112946A (ja) | 2017-01-12 | 2017-01-12 | 情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018112946A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021019674A1 (ja) * | 2019-07-30 | 2021-02-04 | 日本電信電話株式会社 | キャッシュ使用指標算出装置、キャッシュ使用指標算出方法、および、キャッシュ使用指標算出プログラム |
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-
2017
- 2017-01-12 JP JP2017003650A patent/JP2018112946A/ja active Pending
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WO2021019652A1 (ja) * | 2019-07-29 | 2021-02-04 | 日本電信電話株式会社 | キャッシュチューニング装置、キャッシュチューニング方法、および、キャッシュチューニングプログラム |
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