JP2018112610A - 透視可能な透過型スクリーン - Google Patents

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貴之 森川
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Abstract

【課題】プロジェクターから投影された映像の視認性、及び水貼り時の耐傷性に優れた透視可能な透過型スクリーンを提供する。【解決手段】光透過性支持体の少なくとも一方の面に光拡散層を有する透視可能な透過型スクリーンであって、該光拡散層が光拡散微粒子とアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、プロジェクターから投影された映像の視認性、及び水貼り時の耐傷性に優れた透視可能な透過型スクリーンに関する。
現在、プロジェクターより投影された映像を、スクリーンを挟んでプロジェクターの反対側から視認する、いわゆる背面投射型の透過型スクリーンは、これまでのポスター、サイン、看板等の広告媒体に代わって普及しつつある。近年では貼り替えが不要で、即座に内容を変更でき、静的だけではなく動的な広告も可能なデジタルコンテンツを、大画面で投影できるデジタルサイネージとして、前記した透過型スクリーンは非常に注目を浴びている。
とりわけ、店舗のショーウインドウ等は、その多くが顧客の通る道路に面しており、ウインドウを大画面スクリーンとして使用したデジタルサイネージに代えることができれば広告媒体として非常に有用であり、ショーウインドウ貼付型の透過型スクリーンのニーズが高まっている。
このような透視可能な透過型スクリーンとして、透明樹脂バインダーと平均粒子径が1.0〜10μmで透明樹脂バインダーの屈折率に対する相対屈折率nが0.91<n<1.09(但し、n≠1)である球状微粒子を含有する光散乱層を設けたスクリーン(例えば特許文献1、2)が提案され、近年ではより高い透視性とプロジェクターから投影された映像の視認性を両立させた、光拡散微粒子とキセロゲルを含有する光拡散層を有する透過型スクリーン(例えば特許文献3、4)が提案されている。
ところで、ウインドウ貼付型の透過型スクリーンは、ウインドウ(被接着基材)に貼り付けるための粘着層を設けたものが通常使用されるが、透過型スクリーンを被接着基材に貼り付ける際に、被接着基材の貼り合わせ面や、透過型スクリーンの粘着層の貼り合わせ面に界面活性剤を含む水を噴霧し、双方を密着した後、透過型スクリーン側よりスキージ等で、被接着基材と透過型スクリーンの間に存在する空気を水と一緒に掻きだして貼り付ける方法(以下、本貼合方法を水貼りという)が一般的に用いられる。一方、上記した特許文献3、4に記載される透過型スクリーンの光拡散層では、無機微粒子と親水性樹脂バインダーによって構成されるキセロゲルによって光拡散微粒子を保持することでスクリーンの透視性と映像の視認性を高次元で両立しているが、親水性樹脂バインダーを含有する光拡散層は、水貼り時に親水性樹脂バインダーが水を吸収し膨潤することにより表面強度が低下し、スキージ等での応力により傷付きが発生する場合があった。このような問題に対し、表面にプロテクト基材を設ける方法が知られているが(例えば特許文献5)、該プロテクト基材を設けることは、コスト面、生産効率の面から望ましくなく根本的な改善が求められていた。
特開2001−242546号公報 特開2007−034324号公報 特開2013−182141号公報 特開2013−210454号公報 特開2014−126783号公報
本発明の目的は、プロジェクターから投影された映像の視認性、及び水貼り時の耐傷性に優れた、透視可能な透過型スクリーンを提供することにある。
前記課題は以下の発明により達成される。
(1)光透過性支持体の少なくとも一方の面に光拡散層を有する透視可能な透過型スクリーンであって、該光拡散層が光拡散微粒子とアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする透視可能な透過型スクリーン。
(2)該光拡散層が無機微粒子とアセトアセチル変性ポリビニルアルコールにより形成されたキセロゲルによって、光拡散微粒子を担持する層であることを特徴とする上記1に記載の透視可能な透過型スクリーン。
本発明により、プロジェクターから投影された映像の視認性、及び水貼り時の耐傷性に優れた、透視可能な透過型スクリーンを提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の透視可能な透過型スクリーンは、光透過性支持体の少なくとも一方の面に光拡散層を有し、該光拡散層が光拡散微粒子とアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とするものである。なお、本発明における「透視可能」とは、透過型スクリーンのヘーズ値が60%以下であることをいう。より好ましいヘーズ値は50%以下である。
ヘーズ値とは、JIS−K7105において以下で定義されている値であり、値が低い方が透視性に優れる。なお後述する粘着層を有する透過型スクリーンの場合、粘着性の維持を目的に、粘着層上に好ましくはセパレート基材が貼合されるが、本発明の透過型スクリーンのヘーズ値には、このセパレート基材の値は含まないものとする。これは透過型スクリーンが実装される場合、該セパレート基材は取り除かれた状態で実装されるためである。
H=(Td/Tt)×100(%)
H:ヘーズ値
Td:拡散光線透過率
Tt:全光線透過率
本発明における光拡散層が含有する光拡散微粒子は、光を拡散する性能を有するものであれば有機微粒子及び無機微粒子を問わず使用することができるが、透視性の観点より二次の凝集粒子径を有さない、いわゆる、単一粒子分散性の有機微粒子を用いることが好ましく、更に形状は真球状であることが好ましい。
光拡散微粒子の光拡散性は、後述する光拡散微粒子と、光拡散層のバインダー成分との相対屈折率に依存し、また相対屈折率の他に光拡散微粒子の比表面積に依存する。比表面積は光拡散微粒子の平均一次粒子径に依存し、単一粒子分散性の微粒子の場合、平均一次粒子径と比重から容易に算出できる。
光拡散微粒子の平均一次粒子径は、20μm以下であることが好ましく、8.5μm以下であることがより好ましく、更に2.75μm以下であることが好ましい。平均一次粒子径が2.75μm以下の光拡散微粒子を使用する場合、とりわけ優れた透視性を得ることができる。下限は0.2μm以上であることが好ましい。なお本発明でいう平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡による写真撮影で測定することができるが、二次の凝集粒子径を持たない光拡散微粒子の場合、レーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することもできる。
また、光拡散微粒子の屈折率は、1.30以上であることが好ましく、更に1.40以上であることがより好ましい。
有機微粒子としては、例えば、アクリル重合体、スチレン−アクリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル等の多元共重合体、SBR、NBR、MBR、カルボキシル化SBR、カルボキシル化NBR、カルボキシル化MBR、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エピスルフィド系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アクリル樹脂、メラミン樹脂等、従来公知のものから広く選ぶことができる。また、メラミン樹脂やアクリル系樹脂等の微粒子表面がシリカ等の無機微粒子で被覆されたものも使用できる。また、このような有機微粒子と少量の無機微粒子(無機微粒子の割合が50質量%を下回るもの)による複合粒子を用いた場合等でも、実質的には有機微粒子と見なし使用できる。これらのポリマーのモノマー中に屈折率を高める目的で硫黄原子を導入したものや、耐候性を向上させる、あるいは屈折率を下げるためにフッ素置換基を導入したものも用いることができる。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、鉛白、酸化アンチモン類、アンチモン酸亜鉛、チタン酸鉛、チタン酸カリウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化モリブデン、ATO、ITOや、ケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス等の酸化ガラス等があり、これらの複合酸化物あるいは複合硫化物等についても広く用いることができる。また、酸化チタン、酸化亜鉛等光触媒活性を持つ無機微粒子の場合には、無機微粒子表面に極めて薄く、シリカ、アルミナ、ホウ素等による被覆が行われているものも使用できる。また、無機微粒子と少量の有機高分子(有機微粒子の割合が50質量%を下回るもの)による複合粒子を用いた場合等でも、実質的には無機微粒子と見なし使用できる。また光拡散微粒子として用いる無機微粒子は、単一粒子分散性の無機微粒子であることが好ましい。
本発明では、光拡散微粒子として用いる有機微粒子及び無機微粒子は、それぞれを単独もしくは複数種類を混合して使用することもでき、有機微粒子及び無機微粒子の双方を混合して使用することも可能である。
光拡散層における光拡散微粒子の含有量は、スクリーン全体のヘーズ値が60%以下となる量であれば特に制限はなく、光拡散微粒子の相対屈折率や、平均一次粒子径と比重から計算される光拡散微粒子の単位質量当たりの比表面積によって異なるが、0.005〜5.0g/mであり、好ましくは0.01〜3.0g/m、更に好ましくは0.03〜2.0g/mである。
本発明では、光拡散層を構成する樹脂バインダーとして、映像の視認性及び水貼り時における耐傷性の観点からアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを用いる。アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとジケテンの反応等の公知の方法によって製造することができる。アセトアセチル化度は0.1〜20モル%が好ましく、更に1〜15モル%が好ましい。ケン化度は80モル%以上が好ましく、更に85モル%以上が好ましい。重合度としては、500〜5000のものが好ましく、特に2000〜4500のものが更に好ましい。このようなアセトアセチル変性ポリビニルアルコールとしては市販品を入手し使用することも可能であり、例えば日本合成化学工業(株)からゴーセネックスZシリーズとして市販されている。
本発明ではアセトアセチル変性ポリビニルアルコールに加えて、更に他の公知の樹脂バインダーを併用してもよい。例えば、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール以外のポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等を必要に応じて併用することができる。更に、バインダー樹脂として各種ラテックスを併用してもよい。
他の高分子バインダーを併用する際、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールと相溶性の高い高分子バインダーを併用することが好ましい。アセトアセチル変性ポリビニルアルコールと相溶性の高い高分子バインダーとしては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール以外のポリビニルアルコールが好ましく、例えば完全または部分ケン化ポリビニルアルコール、またはカチオン変性ポリビニルアルコールが好ましい。特に、ケン化度が80%以上で、平均重合度200〜5000のものが好ましく使用できる。また、他の高分子バインダーの含有量は、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールに対して100質量%未満であることが好ましい。
本発明において、光拡散微粒子はキセロゲルに担持されることが好ましい。本発明でいうキセロゲルとは、蒸発などにより内部の溶媒を失い空隙を持つ網目構造となったゲルのことを示す。一般に、光拡散微粒子を樹脂バインダー中に含ませただけの構造では、樹脂バインダー及び光拡散微粒子の屈折率が双方とも一般的に1.50近辺であるため、樹脂バインダーに対する光拡散微粒子の相対屈折率は、前述の特許文献1、2のように、0.91<n<1.09(但し、n≠1)に概ね入ってしまい効率的な光拡散が起こりにくい。しかしながら、キセロゲルに光拡散微粒子を担持させることにより、光拡散微粒子表面にキセロゲルの空隙(屈折率1.0の空気)が存在して、光拡散微粒子の空気に対する相対屈折率が非常に高くなるため光拡散微粒子の効率的な光拡散が可能になり、高い透視性とプロジェクターから投影された映像の視認性の双方を高次元で両立することが可能となるため好ましい。
キセロゲルによって光拡散微粒子が保持された光拡散層の空隙率は50%以上が好ましく、60%以上が更に好ましい。空隙率とは、以下の式で定義される。ここで空隙容量Vは水銀ポロシメーター(測定器名称 Autopore II 9220 製造者 micromeritics instrument corporation)を用い測定・処理された、光拡散層における細孔半径3nmから400nmまでの累積細孔容積(ml/g)に、光拡散層の乾燥固形分量(g/平方メートル)を乗ずることで、単位面積(平方メートル)当たりの数値として求めることができる。また塗層厚みTは光拡散層の断面を電子顕微鏡で撮影し測長することで得ることができる。
P=(V/T)×100(%)
P:空隙率(%)
V:空隙容量(ml/m
T:塗層厚み(μm)
本発明において、キセロゲルは無機微粒子とアセトアセチル変性ポリビニルアルコールによって形成されることが好ましく、平均一次粒子径が18nm以下の無機微粒子とアセトアセチル変性ポリビニルアルコールによって形成されることがより好ましい。平均一次粒子径が18nmを超えると、光拡散層の透明性が低下し十分な透視性が得られない場合がある。また、キセロゲルを構成する無機微粒子は、平均二次粒子径は500nm以下の二次の凝集粒子径を有することが好ましい。平均二次粒子径が500nmを超えると、光拡散層の透明性が低下し十分な透視性が得られない場合がある。なお、二次の凝集粒子径を有する無機微粒子の場合、本発明でいう平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡による写真撮影で測定することができ、平均二次粒子径はレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
キセロゲルの形成に用いられる無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、高い空隙率が得られるため非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソーシリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素とともに燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明には、気相法シリカが好ましく使用できる。気相法シリカの平均一次粒子径は18nm以下であることが好ましく、より高い透視性を得るためには、平均一次粒子径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上のものを用いることである。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均粒子径を求めたものであり、本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散するのが好ましい。これにより高い空隙率の光拡散層が得られ、視認性に優れた効果が得られる。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。
本発明では、平均二次粒子径を500nm以下に粉砕した湿式法シリカも好ましく使用できる。ここで用いられる湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径18nm以下であり、かつ平均凝集粒子径が5〜50μmである湿式法シリカ粒子が好ましく、これをカチオン性化合物の存在下で微粉砕した湿式法シリカ微粒子を使用することが好ましい。
本発明に使用するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで粉砕したものが使用できる。
本発明のアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。アルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
上記した無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用、微粉砕した湿式法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用、気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用が挙げられる。この併用の場合の比率は、いずれの様態も、7:3〜3:7の範囲が好ましい。なお、本発明における光拡散層は、上述した無機微粒子を全固形分の50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましい。
光拡散微粒子をキセロゲルに担持させる場合のアセトアセチル変性ポリビニルアルコールの含有量は、キセロゲルを構成する無機微粒子に対して3〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜85質量%、更に好ましくは5〜50質量%であり、8〜30質量%がとりわけ好ましい。このような比率で無機微粒子とアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有する塗布液を光透過性支持体上に塗布、乾燥することで、微細な空隙を有する多孔質な層(多量の空気を含有するキセロゲル)を容易に形成する。また、前述した光拡散微粒子は、キセロゲルを構成する無機微粒子に対して0.1〜40質量%であることが好ましく、0.3〜20質量%であることが高い透視性と優れた映像の視認性をより高い次元で両立できるため特に好ましい。
本発明において光拡散層は架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの架橋剤として公知のものが使用でき、例えば、ホウ素化合物、アルデヒド基含有化合物、多価金属化合物、アミン化合物、ヒドラジン化合物、シラン化合物、メチロール基含有化合物、エポキシ化合物、チオール化合物、イソシアネート化合物、ポリアミド樹脂等が挙げられる。特に、ホウ素化合物、アルデヒド基含有化合物、多価金属化合物、ヒドラジン化合物、アミン化合物が好適である。
係るホウ素化合物としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
係るアルデヒド基含有化合物としては、グリオキシル酸塩、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のモノアルデヒド類、グリオキザール、グルタルアルデヒド、マロンジアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ジアルデヒド澱粉等を挙げることができ、中でもグリオキシル酸塩が好適に用いられる。グリオキシル酸塩にはグリオキシル酸の金属塩やアミン塩等が挙げられ、金属塩としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等の遷移金属、その他の亜鉛、アルミニウム等の金属とグリオキシル酸の金属塩、また、アミン塩としては、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等のアミン類とグリオキシル酸の塩が挙げられる。耐水性に優れる架橋高分子が得られる点から金属塩、特にアルカリ金属、及びアルカリ土類金属の塩が好ましく用いられる。
また、係る多価金属化合物としては、アルミニウム原子、亜鉛原子、鉄原子、ジルコニウム原子、チタン原子、ガリウム原子、インジウム原子、ルテニウム原子、ハフニウム原子を含有する化合物であり、特に、ジルコニウム原子を有する化合物が好適である。
係るジルコニウム原子を有する化合物としては、無機酸や有機酸の単塩及び複塩、有機金属化合物、金属錯体、酸化化合物(ジルコニル化合物)等のいずれであってもよく、具体的には、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ジルコニウム酸、ジルコニウム酸塩、塩化ジルコニル(第一希元素化学工業社製「ジルコゾールZC」)、塩基性塩化ジルコニル(第一希元素化学工業社製「ジルコゾールZC−2」)、硫酸ジルコニル、硝酸ジルコニル(第一希元素化学工業社製「ジルコゾールZN」)、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム(第一希元素化学工業社製「ジルコゾールAC−7」)、炭酸ジルコニウムカリウム、酢酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、乳酸ジルコニル、しゅう酸ジルコニル、リン酸ジルコニル、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製「オルガチックスZC−150」)、ジルコニウムモノアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製「オルガチックスZC−540」)、ジルコニウムビスアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製「オルガチックスZC−550」)、ジルコニウムモノエチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製「オルガチックスZC−560」)、ジルコニウムアセテート(マツモトファインケミカル社製「オルガチックスZC−115」)、ジルコニウムアシレート(マツモトファインケミカル社製「オルガチックスZB−126」)等が挙げられる。
これらのジルコニウム原子を含む化合物の中でも、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、酢酸ジルコニル、塩基性塩化ジルコニル、酸塩化ジルコニル、硝酸ジルコニル等のジルコニル化合物が好ましく、特に塩基性塩化ジルコニル、硝酸ジルコニルが本発明の目的を顕著に発揮できる点で好適に用いられる。
また、係るチタン原子を有する化合物としては、無機酸や有機酸の単塩及び複塩、有機金属化合物、金属錯体、酸化化合物等のいずれであってもよく、具体例としては、チタンアセチルアセテート、トリエタノールアミンチタネート、チタンアンモニウムラクテート、チタンラクテート等が挙げられる。
また、係るヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンの塩酸、硫酸、硝酸、亜硫酸、リン酸、チオシアン酸、炭酸等の無機酸塩、及びギ酸、しゅう酸等の有機酸塩類、ヒドラジンのメチル、エチル、プロピル、ブチル、アリル等の一置換、1,1−ジメチル、1,1−ジエチル等の非対称二置換体等のヒドラジン誘導体、カルボヒドラジド、しゅう酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(味の素ファインテクノ社製「アミキュアVDH」等)、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド(味の素ファインテクノ社製「アミキュアUDH」等)、ポリアクリル酸ヒドラジド、等のヒドラジド化合物を挙げることができ、特にアジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等の多価ヒドラジド化合物が本発明の目的を顕著に発揮できる点で好適に用いられる。
また、係るアミン化合物としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン(2,2,4−、2,4,4−混合物)、ポリオキシプロピレンジアミン等の脂肪族ポリアミン、3,3′−ジメチル−4−4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジアミン等の脂環式ポリアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン、アミノ基変性ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等のアミノ基含有水溶性ポリマーを挙げることができ、特に1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、アミノ基変性ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンイミン等が本発明の目的を顕著に発揮できる点で好適に用いられる。
また、メチロール化アミノ樹脂としてメチロールメラミン(住友化学社製「SUMIMALM−30W」)や、ブチルエーテル化メラミン、メチルエーテル化メラミン等、メチロールメラミンのメチロール基の一部もしくは全部がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の1種もしくは2種以上の1価アルコールで変性されたメラミン樹脂等も好適に用いられる。
架橋剤の含有量は、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールに対して0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。また、2種以上の架橋剤を併用する場合は、各々の架橋剤の総含有量が上記範囲内であればよい。また架橋剤は光拡散層塗布液に含ませる他、塗布乾燥後の塗膜に後から付与することもできる。例えば、ホウ酸を含む光拡散層塗布液を塗布乾燥し塗膜とした後にその他の架橋剤を付与することで塗布液の粘度安定性を損なうことなく架橋度に優れた塗膜を形成することができるため好ましい。
光拡散層の乾燥固形分塗布量は、1〜50g/mの範囲が好ましく、3〜40g/mの範囲がより好ましく、特に5〜30g/mの範囲が好ましい。光拡散層には更に、カチオン性ポリマー、防腐剤、界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等を添加することもできる。
光拡散層は、2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらの光拡散層の構成はお互いに同じであっても異なっていてもよい。なお、複数の光拡散層がある場合、光拡散微粒子は少なくとも1つの光拡散層に含有させることができる。
本発明において、光拡散層の塗布に用いられる塗布方式としては、公知の各種塗布方式を用いることができる。例えば、スライドビード方式、スライドカーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式、エアーナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
本発明の透過型スクリーンが有する光透過性支持体としては、光透過性を有するものであれば特に限定されず、ガラスやプラスチックからなる板状のもの、フィルム状のもの等や、これらに前述した光拡散層等の光透過性を有する層を設けたものを使用することができる。ガラスの種類としては、特に限定されるものではないが、一般にはケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス等の酸化ガラスが実用的であり、特にケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等のケイ酸塩ガラスが好ましい。プラスチックとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアリレート、アクリル、アセチルセルロース、ポリ塩化ビニル等が使用でき、延伸加工、特に二軸延伸加工されたものは、機械的強度が向上されるので好ましい。なお、光透過性支持体のヘーズ値は30%以下であることが好ましい。
本発明の光透過性支持体の厚みは、適用される材料に対して適宜選択することができるが、一般には10μm〜30mm、好ましくは20μm〜20mm程度である。
また、光透過性支持体の光拡散層面や反対の面、及び両面に粘着層を設けることができる。このように粘着層を設けた透視可能な透過型スクリーンは、粘着層の保護のために、フィルムや紙等の公知のセパレート基材を設けることができる。該透過型スクリーンを使用する際はセパレート基材を剥離して透過型スクリーンを被接着基材へ接着して使用する。粘着層としては特に制限はないが、透視可能な透過型スクリーンの透視性を妨げないものが好ましい。なお、このような粘着層は、一般に使用されるアクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ゴム系等の合成樹脂系接着剤を用いることができ、セパレート基材は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアリレート、アクリル、アセチルセルロース、ポリ塩化ビニル等が使用することができる。
また、光透過性支持体の表面には、光拡散層と光透過性支持体との接着性を向上させる目的、あるいは上記粘着層と光拡散性支持体との接着性を向上させる目的で易接着処理を施してもよく、また別途易接着層を設けてもよい。
本発明の透視可能な透過型スクリーンは、少なくとも一方の面に、層界面による光の干渉作用を利用して反射光を打ち消しあう性能を有する公知の反射防止層を有してもよい。これによりプロジェクターから投射された映像を鮮明に視認させることができる。反射防止層としては、例えば、酸化ケイ素やフッ化リチウム等の透明性の高い低屈折率層を主波長の1/4となる光学薄膜となるように設けた単層のものや、このような低屈折率層に酸化チタンや酸化亜鉛等の高屈折率層を適宜積層したもの等を用いることができる。
更に、本発明の透視可能な透過型スクリーンは、少なくとも一方の最表面に、スクリーンの強度を上げるための公知のハードコート層、拡散防止層や帯電防止層を設けることも可能である。
本発明の透視可能な透過型スクリーンは、プロジェクターの映像を光拡散層側もしくはその反対側の双方どちらから投影して使用することも可能である。また一般的に透過型スクリーンの場合、スクリーンの垂線平行に光を照射した場合、ホットスポットという、いわゆるプロジェクターレンズからの直接光が視認者に見えてしまう現象が避けられないため、スクリーンの垂線に対してある程度の角度を持たせて使用することが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部とは固形分あるいは実質成分の質量部を表す。
(実施例1)
厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘーズ値4%)の片面に、下記組成の光拡散層塗布液1を、固形分塗布量が18.5g/mになるようにスライドビード塗布装置を用いて塗布し、10℃及び50℃の熱風を順次吹き付けて乾燥して、光拡散層を設けた。なお、水銀ポロシメーター(測定器名称 Autopore II 9220 製造者 micromeritics instrument corporation)を用いて空隙容量を測定したところ、17ml/m、光拡散層の断面の電子顕微鏡観察による厚みは27μmであり、計算される空隙率は63%であった。また平均一次粒子径と比重より計算されるスクリーン単位面積当たりの光拡散微粒子の比表面積は0.6m/mであった。
<シリカ分散液1の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液を製造した。平均二次粒子径は、堀場製作所製LA910を用いて測定すると80nmであった。
<光拡散層塗布液1>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(ゴーセネックスZ−410:日本合成化学工業(株)製)
アジピン酸ジヒドラジド 1部
ノニオン性界面活性剤 0.3部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
光拡散微粒子 0.74部
(オプトビーズ500S:日産化学工業(株)製、シリカ、メラミン樹脂複合微粒子(メラミン樹脂主体)、単一粒子分散性、平均一次粒子径0.5μm、真比重2.2、屈折率1.65)
全体の固形分濃度が12%になるように水で調整した。
続いて光拡散層を設けた面の反対面に、下記の粘着層塗布液を10μmの乾燥塗厚になるように塗布乾燥した。なお、粘着層面には、セパレート基材としてシリコン樹脂加工で剥離処理を施した厚さ25μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘーズ値3%)を密着貼合し粘着層を保護した。続いて、35℃50%RHの環境下で4日間、加温処理して実施例1の透過型スクリーンを作製した。日本電色工業製NDH−7000を用いてセパレート基材剥離後のヘーズ値を測定したところ、ヘーズ値は41%であった。
<粘着層塗布液>
アクリル系共重合樹脂 100部
架橋剤 4部
(ヘキサメチレンジイソシアネート)
全体の固形分濃度が30%になるようにトルエンで調整した。
(実施例2)
厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘーズ値4%)の片面に、下記組成の光拡散層塗布液2を、固形分塗布量が18.5g/mになるようにスライドビード塗布装置を用いて塗布し、10℃及び50℃の熱風を順次吹き付けて乾燥した。更に下記組成の架橋剤塗布液を、斜線グラビアロールを用いた塗布装置にて塗布を行い、45℃の温風を吹き付けて乾燥し、実施例2の光拡散層を設けた。架橋剤塗布液の湿潤塗布量は、斜線グラビアロールの回転数を調整し15ml/m(固形分換算で0.14g/m)とした。なお、実施例1と同様にして測定した空隙率は63%、平均一次粒子径と比重より計算されるスクリーン単位面積当たりの光拡散微粒子の比表面積は0.6m/mであった。続いて、実施例1と同様に光拡散層の反対面に粘着層を形成し実施例2の透過型スクリーンを作製した。セパレート基材剥離後のヘーズ値は43%であった。
<光拡散層塗布液2>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(ゴーセネックスZ−410:日本合成化学工業(株)製)
ホウ酸 4部
ノニオン性界面活性剤 0.3部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
光拡散微粒子 0.76部
(オプトビーズ500S)
全体の固形分濃度が12%になるように水で調整した。
<架橋剤塗布液>
グリオキシル酸ナトリウム
塗布液の固形分濃度 0.93%
(比較例1)
実施例1の光拡散層塗布液1を下記の光拡散層塗布液3にした以外は実施例1と同様にして比較例1の透過型スクリーンを作製した。なお、実施例1と同様にして測定した空隙率は63%、スクリーン単位面積当たりの光拡散微粒子の比表面積は0.6m/m、セパレート基材剥離後のヘーズ値は38%であった。
<光拡散層塗布液3>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 4部
ノニオン性界面活性剤 0.3部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
光拡散微粒子 0.76部
(オプトビーズ500S:日産化学工業(株)製、シリカ、メラミン樹脂複合微粒子(メラミン樹脂主体)、単一粒子分散性、平均一次粒子径0.5μm、真比重2.2、屈折率1.65)
全体の固形分濃度が12%になるように水で調整した。
(比較例2)
実施例1の光拡散層塗布液1を下記の光拡散層塗布液4にした以外は実施例1と同様にして比較例2の透過型スクリーンを作製した。なお、実施例1と同様にして測定した空隙率は0%、スクリーン単位面積当たりの光拡散微粒子の比表面積は0.8m/m、セパレート基材剥離後のヘーズ値は13%であった。
<光拡散層塗布液4>
アクリルエマルション 100部
ノニオン性界面活性剤 0.3部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
光拡散微粒子 0.76部
(オプトビーズ500S)
全体の固形分濃度が12%になるように水で調整した。
得られた実施例1〜2、比較例1〜2の透過型スクリーンに関し、水貼り時の耐傷性とプロジェクター投影時の映像の視認性を以下の基準で評価した。これらの結果を表1に示す。
<水貼り時の耐傷性>
被接着基材として5mm厚の透明アクリル板面と、セパレート基材を剥離した透過型スクリーン積層体の粘着層面に、3M製フィルム施工液(非イオン系界面活性剤含有)を水で50倍に希釈した液を噴霧し双方を密着させた後、透過型スクリーンの光拡散層側表面にも上記フィルム施工液の希釈液を噴霧し、光拡散層側の面をスキージで擦り、被接着基材と透過型スクリーンの間の空気を水と一緒に掻きだして双方を完全に貼り付けた。乾燥後、表面の状態を観察し、以下の基準により評価した。
○:傷が全くない、あるいは問題無いレベルである
△:実用上問題となる顕著な傷がある
×:光拡散層の脱落が見られる
<プロジェクター投影時の映像の視認性>
プロジェクター投影時の映像の視認性は、デジタルプロジェクター(PJ WX4141N、リコー製)で実際に映像をアクリル板に貼り付けた透過型スクリーンに投影し、プロジェクターとは反対面よりスクリーンに投影された映像の視認性を以下の評価基準により目視評価した。なお、プロジェクターはスクリーンの垂線に対して約30度の角度を持たせて照射し、評価者はスクリーンと平行位置で映像を目視評価した。
○:映像の輝度が高く視認性が良好
△:映像の視認性が前記○レベルよりも劣るが実用上容認できるレベル
×:映像の輝度が低く視認性が悪い
Figure 2018112610
表1の結果から、本発明により、プロジェクター投影時の映像の視認性と水貼り時の耐傷性の双方を満足する透視可能な透過型スクリーンが得られることが判る。

Claims (2)

  1. 光透過性支持体の少なくとも一方の面に光拡散層を有する透視可能な透過型スクリーンであって、該光拡散層が光拡散微粒子とアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする透視可能な透過型スクリーン。
  2. 該光拡散層が無機微粒子とアセトアセチル変性ポリビニルアルコールにより形成されたキセロゲルによって、光拡散微粒子を担持する層であることを特徴とする請求項1に記載の透視可能な透過型スクリーン。
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