JP2018112117A - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンピンオフセット量の変化や重量および慣性重量の増加を回避するうえで有利な可変圧縮比内燃機関を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのシリンダ10と、シリンダ内に往復摺動可能に収容されたピストン1と、ピストンに対応するクランクピン21を有するクランクシャフト2と、大端32がクランクピンに回動可能に連結されたコネクティングロッド3と、ピストンにピストンピン11を介して角変位可能に連結され、かつ、前記ピストンピンと異軸位置にある第1連結部41にて前記コネクティングロッドの小端31に角変位可能に連結された揺動部材4と、先端52が第1連結部41と異軸位置にある第2連結部42にて揺動部材4に角変位可能に連結され、かつ、基端51がコネクティングロッド3に対して変位可能に設けられている可動ロッド5と、コネクティングロッド3に対して可動ロッド5を変位させる駆動手段とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、可変圧縮比機構を備えた内燃機関に関する。
内燃機関において種々の可変圧縮比機構が提案されている。例えば、特許文献1には、コネクティングロッド小端に偏心機構が設けられ、この偏心機構がクランクケース側のアクチュエータとリンクで連結されており、アクチュエータにより偏心機構を回動させることにより、コネクティングロッド大端と小端の距離を変更可能である可変圧縮比機構が開示されている。
特開2013−40607号公報
内燃機関のピストンは、燃焼圧とコネクティングロッドの位置関係により、上死点付近においてピストン側圧が上昇する。一般的にピストンはスラスト側の荷重が高くなるので、コネクティングロッドとの位置関係を改善するため、反スラスト側にピストンピンオフセットを設けているものが多い。ピストンピンオフセット量の要求はエンジンが低回転の時ほど大きく、高回転になるほど小さくなる。そのため、一般に、低回転型エンジンではピストンピンオフセット量を大きくし、高回転型エンジンでは小さくするか、もしくは無くしている。
しかし、特許文献1では、圧縮比を変更する手段として、コネクティングロッド小端に偏心機構を設けているため、圧縮比とともにピストンピンオフセット量が変化してしまう問題がある。圧縮比の要求は、エンジン回転数だけでなく、負荷によっても変化するため、ピストンピンオフセット量が要求と整合しない範囲が必然的に存在することになる。
例えば、図9に示すように、低回転かつ低負荷時には、熱効率を向上するために高圧縮比にすることが好ましいが、低回転であっても高負荷時には、ノッキングやプレイグニッション等の異常燃焼を抑制するために低圧縮比にすることが好ましい。このように、同じ回転数でも負荷により圧縮比の要求は異なるが、特許文献1では、圧縮比の変更とともにピストンピンオフセット量も変化するので、ピストンのスラスト側もしくは反スラスト側の荷重が増大し、フリクションの増大、ピストンスラップ音の発生等が懸念される。
また、特許文献1では、コネクティングロッド小端に2重構造となる偏心機構を設けるため、コネクティングロッド小端の外径が必然的に大きくなることに加えて、ピストン裏面との干渉を避けるための逃がしを大きく確保する必要が生じ、ピストンの強度確保等の制約も加わるので、重量や慣性重量の増加は不可避であり、軽量化に不利であることは否めない。
本発明は、従来技術の上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピストンピンオフセット量の変化や重量および慣性重量の増加を回避するうえで有利な可変圧縮比内燃機関を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る可変圧縮比内燃機関は、少なくとも1つのシリンダと、前記シリンダ内に往復摺動可能に収容されたピストンと、前記ピストンに対応するクランクピンを有するクランクシャフトと、大端が前記クランクピンに回動可能に連結されたコネクティングロッドと、前記ピストンにピストンピンを介して角変位可能に連結され、かつ、前記ピストンピンと異軸位置にある第1連結部にて前記コネクティングロッドの小端に角変位可能に連結された揺動部材と、先端が前記第1連結部と異軸位置にある第2連結部にて前記揺動部材に角変位可能に連結され、かつ、基端が前記コネクティングロッドに対して変位可能に設けられている可動ロッドと、前記コネクティングロッドに対して前記可動ロッドを変位させる駆動手段と、を備えた。
本発明は、上記構成により、ピストンピンオフセット量の変化、および、コネクティングロッド小端の大径化とそれに伴う重量および慣性重量の増加を回避しつつ、運転状況に応じて最適な圧縮比を得ることができる。
本発明第1実施形態に係る可変圧縮比内燃機関を示す側面図である。 本発明第1実施形態に係る可変圧縮比内燃機関を示す概略斜視図である。 本発明第1実施形態に係る可変圧縮比内燃機関を示す分解斜視図である。 本発明第1実施形態に係る可変圧縮比内燃機関のクランク角(a)0度、(b)90度、(c)180度、(d)270度の各位置を示す側面図である。 本発明第1実施形態に係る可変圧縮比内燃機関のクランク角0度、90度、180度、270度の各位置を示す概略側面図である。 本発明第1実施形態に係る可変圧縮比内燃機関の低圧縮比位置(a)および高圧縮比位置(b)を示す要部側面図である。 本発明第1実施形態に係る可変圧縮比内燃機関の圧縮比変化を示す概略側面図である。 本発明第2実施形態に係る可変圧縮比機構を示す側面図である。 エンジン回転数とトルク、要求圧縮比の関係を示すグラフである。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の第1実施形態に係る可変圧縮比機構110を備えた内燃機関100のエンジンブロック等を省略した可動部分を示しており、図1には、シリンダ10が二点鎖線で概略的に示されている。図2および図3には、内燃機関100の1気筒分のみが示されているが、複数気筒がクランクシャフト2の軸方向に並設されていても良い。以下の説明では複数気筒の場合を前提とする。
シリンダ10の内部には、ピストン1が往復摺動可能に収容されており、ピストン1の冠面1aとシリンダヘッド10aとの間に、ピストン1の位置に応じて容積が変化する燃焼室10bが画成される。シリンダヘッド10aには、不図示の吸気弁や排気弁が設けられる。ピストン1の周側面にはピストンリングを装着するためのピストンリング溝13が設けられ、その下方にはピストンピン11を嵌合するためのピストンピン穴12が横方向に貫通している。
クランクシャフト2は、クランクジャーナル20、クランクピン21、バランスウエイト22、クランクアーム23から構成され、クランクジャーナル20においてエンジンブロックに回転自在に支持されており、クランクピン21は、コネクティングロッド3の大端32(軸受部30)に回転自在に連結されている。
一般的な往復動型内燃機関ではコネクティングロッドの小端にピストンピンが直接連結されるが、本発明に係る可変圧縮比機構110を備えた内燃機関100では、コネクティングロッド3の小端31は、以下に述べる揺動部材4(シーソー形状アーム)を介してピストンピン11に連結される。
揺動部材4は、ピストン1のスカート部で囲まれた内部14に全体または大部分が収容される小形状のリンクアームである。揺動部材4の略中央にはピストンピン11に角変位可能に嵌合する貫通孔40が設けられ、その両側に腕部43,44が延出している。
ピストンピン11と異軸位置にある一方の腕部43に第1連結部41が設けられ、該第1連結部41に、コネクティングロッド3の小端31が角変位可能に連結されている。ピストンピン11と異軸位置にある他方の腕部44には第2連結部42が設けられ、該第2連結部42には、可動ロッド5の先端52が角変位可能に連結されている。
可動ロッド5(第2コネクティングロッド)は、その基端51が、中間揺動部材6の一端側の偏心軸61に角変位可能に連結されることで、コネクティングロッド3に対して略長手方向に変位可能に設けられている。可動ロッド5は、コネクティングロッド3、揺動部材4、中間揺動部材6(偏心中間軸60)と共に4節リンク機構を構成している。
中間揺動部材6は、コネクティングロッド3の大端32付近に貫通する軸受け孔36に回動可能に支持され、一端側に偏心軸61が突設された偏心中間軸60、および、その他端62に基端64が回動不可能に固定された中間揺動アーム63から構成されており、中間揺動アーム63の先端65(中間揺動部材6の他端)は、揺動アーム7の先端71に回動可能に連結されている。
なお、図3では、偏心中間軸60の他端62と、中間揺動アーム63の基端64とが、相互に嵌合する円形断面の軸および軸孔として概略的に示されているが、相互に嵌合する部分円形断面や四角形断面など、非回転形状断面の嵌合部としてトルク伝達可能に形成されるか、または、偏心中間軸60と中間揺動アーム63が一部材で形成されても良い。
揺動アーム7は、その基端72(軸受部70)において、クランクケース側に角変位可能に支持された回動軸8の偏心軸81に揺動可能に連結されている。回動軸8は、クランクシャフト2と平行に配設され、各気筒のコネクティングロッド3に隣接して、一対のフランジ部82(ディスク部)が一体に設けられており、これらフランジ部82間に偏心軸81が延設されている。
回動軸8には、図2に概略的に示されるように、アクチュエータ9(駆動手段)が連結されている。アクチュエータ9としては、回動軸8に角変位を与え、かつ、角変位に対する保持力を有する各種アクチュエータを使用できる。例えば、回動軸8に固定されたウォームホイールとそれに係合するウォームを駆動回転する電動式あるいは油圧式モータ、回動軸8に角変位を与える電動式あるいは油圧式のロータリーアクチュエータを用いることができる。
(可変圧縮比機構によるピストン上死点位置の変化)
以上のように構成された可変圧縮比機構110は、アクチュエータ9で回動軸8が回動され、図1に示すように、偏心軸81の角位置(CH〜CL)が変更されることにより、偏心軸81とクランクシャフト2の距離、揺動アーム7とコネクティングロッド3(偏心中間軸60)の距離が変更され、中間揺動部材6に偏心中間軸60を中心とした角変位が与えられる。
それに伴い、可動ロッド5がコネクティングロッド3に対して略長手方向に相対変位し、揺動部材4が、コネクティングロッド3の小端31との第1連結部41を中心に角変位し、クランクピン21の中心21aとピストンピン11の中心11aとの間の距離が変化することによって、ピストン1の上死点位置(CH〜CL)が変更され、圧縮比が変化する。
図6(b)は、ピストン1が上死点において高圧縮比位置CHにある内燃機関100の可変圧縮比機構110を示しており、回動軸8の上方(制御角0°)に偏心軸81が位置している。一方、左側の図6(a)は、ピストン1″が上死点において低圧縮比位置CLにある内燃機関100″の可変圧縮比機構110″を示しており、図6(b)に対して、回動軸8″が図中反時計方向に90°回動し、回動軸8″の図中左側に偏心軸81″が角変位している。これに伴い、中間揺動部材6″が図中反時計方向に約30°回動し、可動ロッド5″が下方に移動し、揺動部材4″が図中反時計方向に約5°回動することによって、ピストン1″が下方の低圧縮比位置CLに変位する。
図7は、可変圧縮比機構110の回動軸8が制御角0°、45°、90°に角変位した場合の各部材の位置を示しており、可変圧縮比機構110が、コネクティングロッド3を固定リンクとした場合に、中間揺動部材6を原動リンク、揺動部材4を従動リンク、可動ロッド5を中間リンクとする4節リンク機構を構成しており、原動リンクとなる中間揺動部材6の変位に応じて、揺動部材4および可動ロッド5は、コネクティングロッド3に対して確定的に変位することが分かる。
(可変圧縮比機構による変位とクランク角に応じた周期的変位の関係)
第1実施形態に係る可変圧縮比機構110は、ピストン1の往復運動の外部にあるアクチュエータ9から、ピストン1と共に往復運動するコネクティングロッド3側の可動ロッド5に、揺動アーム7および中間揺動部材6を介して変位CVが伝達される構成であるため、図4および図5に示すように、揺動アーム7および中間揺動部材6は、ピストン1の往復運動と共に揺動運動する。
そのため、上死点以外では、可変圧縮比機構110によって与えられる変位(CH〜CL)に、クランク角に応じた周期的な変位が付加されるものの、上死点では、専ら、可変圧縮比機構110によって与えられる変位によって、ピストン1の上死点位置(CH〜CL)が決定される。
また、下死点位置について、仮に、クランク角に応じた周期的な変位の付加により、上死点位置と同程度、同方向に変位する場合を想定しても、下死点位置の変位が圧縮比に与える影響は無視できるくらい小さい。
したがって、下死点の変位に拘わらず、可変圧縮比機構110による上死点位置(CH〜CL)に応じて所望の圧縮比が得られることになる。
因みに、図5を参照すると、回動軸8の偏心軸81が高圧縮比位置CHにある場合、偏心中間軸60の偏心軸61が、偏心中間軸60の中心60aに対して上方(上死点側)で変位(61′)するため、ピストン1の往復動方向への下死点の変位は上死点側と殆ど同程度である。
これに対し、図7に二点鎖線で示されるように、回動軸8の偏心軸81が低圧縮比位置CL(81″)にある場合、中間揺動部材6″(中間揺動アーム63″)は下方に変位し、偏心中間軸60の偏心軸61は側方に変位するが、この変位は、下死点側では、クランク角に応じた変位によって相殺され、ピストン1の往復動方向への下死点の変位は殆ど無い。つまり、クランク角に応じた下死点の変位は、僅かながらも最低圧縮比をさらに減少させる方向(圧縮比の可変域CVを拡げる方向)に作用することになる。
(第1実施形態の可変圧縮比機構により得られる効果)
以上のように構成された可変圧縮比機構110では、ピストンピン11は、偏心機構などを伴うことなく、揺動部材4に角変位可能に連結されているので、
(i)圧縮比を変更してもピストンピンのオフセット位置が変化することがなく、最適位置に保持される。そのため、ピストンピンオフセットの変動に起因するスラスト側もしくは反スラスト側のフリクション増大やピストンスラップ音の発生を抑制できる。
(ii)ピストンピン上方の必要空間(ピストン裏面との干渉を避けるためのクリアランス)の増加を回避でき、ピストンのコンパクト化を図るうえで有利である。
(iii)ピストンの往復運動に伴うコネクティングロッドと揺動部材および可動アームの相対運動が小さく、可変圧縮機構を持たない通常のコネクティングロッドと同等の相対角速度となるので、潤滑条件の悪化を回避できる。
揺動部材4の第2連結部42がピストンピン11(11a)と異軸位置にあることで、可動ロッド5を介して伝達される制御力に相応のレバー比が得られ、駆動手段の負荷増大を回避するうえで有利である。
したがって、コネクティングロッド3の大端中心(21a)とピストンピン11の中心11aを結ぶ線が、揺動部材4の第1連結部41の中心と第2連結部42の中心の間を通る構成は、上記の点で特に有利であることに加えて、ピストン1が受ける燃焼圧力が、揺動部材4を介してコネクティングロッド3と可動ロッド5(第2コネクティングロッド)に按分されるので、圧縮比変更に起因したクランクシャフトへの伝達効率の変動を回避するうえでも有利である。
ピストンピン11の中心11aが、揺動部材4の第1連結部41中心と第2連結部42中心を結ぶ線に対して燃焼室側にある構成(図5)により、ピストンの往復運動に伴う揺動部材4の揺動(図4、図5)に起因したピストンピン上方のクリアランス増加を回避でき、ピストンのコンパクト化を図るうえで有利である。
可動ロッド5が、偏心中間軸60を介してコネクティングロッド3に連結される構成により、コネクティングロッド3、揺動部材4、可動ロッド5はトラスに準じた構造となり、ピストン1が受ける燃焼圧力が、コネクティングロッド3、可動ロッド5(第2コネクティングロッド)を介してクランクシャフト2に確実に伝達される。
さらに、図示例では、ピストン1が上死点側にある場合に、中間揺動部材6のリンク(偏心中間軸60の中心60a−偏心軸61)と可動ロッド5とが直線状に配列されるように(4節リンク機構の死点となるように)、偏心軸61の初期変位角が設定されることで、ピストン1が受ける燃焼圧力が、コネクティングロッド3、可動ロッド5(第2コネクティングロッド)を介してクランクシャフト2に一層効果的に伝達される利点もある。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係る可変圧縮比機構210を備えた内燃機関200のコネクティングロッド203付近を示している。図中省略されているピストンやクランクシャフトの構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態の可変圧縮比機構210では、可動ロッド205を変位させる駆動手段として、ピストン1と共に往復運動するコネクティングロッド203に油圧シリンダ207を備えている。
油圧シリンダ207は、コネクティングロッド203の大端232に形成されており、ピストン271と一体のピストンロッド206の先端261に、可動ロッド205の基端251が連結されている。油圧シリンダ207の油室270には油路273が連通され、該油路273は、クランクシャフトの端部から内部を貫通しクランクピンに至る油路と軸受面内で連通している。この油路の構成は周知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
以上のように構成された可変圧縮比機構210によれば、油路273を通じて油室270に油圧が供給されることで、リターンスプリング272の付勢に抗してピストンロッド206が突出し、可動ロッド205が高圧縮比位置CHに保持される。油圧の供給を停止すると、リターンスプリング272の付勢によりピストンロッド206が退没し、可動ロッド205が低圧縮比位置CLに保持される。
このように、油圧シリンダ207により、可動ロッド205を高圧縮比位置CHまたは低圧縮比位置CLに変位させることで、第1実施形態と同様に、可動ロッド205の先端252に第2連結部242にて連結された揺動部材204が、第1連結部241を中心に角変位し、クランクピンとピストンピン211との間の距離が変化し、内燃機関200の圧縮比が変更される。
また、高い燃焼圧時は、ピストン1が受ける力が可動ロッド205を介して油圧シリンダ207に伝達されることで、急激な筒内圧力上昇を緩和し、ノッキングを回避することもできる。
さらに、油圧シリンダと直列にスプリングを介設することにより、ピストン1が受ける力が可動ロッド205を介してスプリングに伝達され、スプリングが圧縮変形されることで、前記同様に、急激な筒内圧力上昇を緩和し、ノッキングを回避することもできる。
なお、上記第2実施形態では単動式の油圧シリンダ207を用いる場合を示したが、ピストン271の両側に油室を形成し、各油室に連通する油路を設けることで、複道式油圧シリンダとすることもできる。
(第2実施形態の可変圧縮比機構により得られる効果)
以上のように構成された可変圧縮比機構210では、クランクシャフトを通じた油圧系を具備する必要がある反面、ピストン往復運動の外部から可動アーム205に制御力を伝達するためのリンク機構(中間揺動アーム63および揺動アーム7)を省略でき、機構の簡素化および軽量化において有利である。
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらに各種の変形および変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態では、回動軸8およびアクチュエータ9により複数気筒の圧縮比を一斉に変更する場合を示したが、アクチュエータを各気筒に設け、気筒ごとに圧縮比を制御することもできる。
また、揺動アーム7の基端72の支軸(偏心軸81)を角変位させる代わりに、支軸を設けた部材(スライドブロックなど)をねじ送り機構や油圧シリンダなどのリニアアクチュエータを用いて直線的に変位させ、圧縮比を制御することもできる。
また、上記第1実施形態では、中間揺動部材6のリンクとして偏心機構(偏心中間軸60)を用いる場合を示したが、偏心機構以外の一般的なリンク(中間揺動アーム63を含めたレバー)を用いることもできる。
上記各実施形態では、揺動部材4,204の略中央にピストンピン11,211が連結され、ピストンピン11,211と異軸位置にある第2連結部42,242に可動ロッド5,205が連結される場合を示したが、第2連結部42,242はピストンピン11,211と同軸位置であっても良い。
上記各実施形態において、内燃機関100,200のクランクシャフト2の回転方向に対する可動ロッド5,205や揺動アーム7の設置方向は特に限定されるものではなく、図示例と反対方向であっても良い。
1 ピストン
2 クランクシャフト
3,203 コネクティングロッド
4,204 揺動部材
5,205 可動ロッド
6 中間揺動部材
7 揺動アーム
8 回動軸
9 アクチュエータ(駆動手段)
10 シリンダ
11,211 ピストンピン
21 クランクピン
31,231 小端
32,232 大端
41,241 第1連結部
42,242 第2連結部
51,251 基端
52,252 先端
60 偏心中間軸
61 偏心軸
63 中間揺動アーム
207 油圧シリンダ(駆動手段)
206 ピストンロッド
271 ピストン
272 リターンスプリング
100,200 内燃機関
110,210 可変圧縮比機構

Claims (7)

  1. 少なくとも1つのシリンダと、
    前記シリンダ内に往復摺動可能に収容されたピストンと、
    前記ピストンに対応するクランクピンを有するクランクシャフトと、
    大端が前記クランクピンに回動可能に連結されたコネクティングロッドと、
    前記ピストンにピストンピンを介して角変位可能に連結され、かつ、前記ピストンピンと異軸位置にある第1連結部にて前記コネクティングロッドの小端に角変位可能に連結された揺動部材と、
    先端が前記第1連結部と異軸位置にある第2連結部にて前記揺動部材に角変位可能に連結され、かつ、基端が前記コネクティングロッドに対して変位可能に設けられている可動ロッドと、
    前記コネクティングロッドに対して前記可動ロッドを変位させる駆動手段と、
    を備えた可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記第2連結部は、前記ピストンピンと異軸位置にある、請求項1記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記コネクティングロッドの大端中心と前記ピストンピンの中心を結ぶ線が、前記第1連結部中心と前記第2連結部中心の間を通る、請求項1または2記載の可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記ピストンピンの中心が、前記第1連結部中心と前記第2連結部中心を結ぶ線に対して燃焼室側にある、請求項1〜3の何れか一項記載の可変圧縮比内燃機関。
  5. 前記駆動手段は、クランクケース側に固定配置されており、
    前記可動ロッドの前記基端は、前記コネクティングロッドに揺動可能に支持された中間揺動部材の一端に連結され、前記中間揺動部材の他端は、前記駆動手段により変位する可動軸に揺動可能に支持された揺動アームの先端に連結されている、請求項1〜4の何れか一項記載の可変圧縮比内燃機関。
  6. 前記駆動手段は、前記コネクティングロッドに固定配置されており、
    前記可動ロッドの前記基端は、前記駆動手段に連結されている、請求項1〜4の何れか一項記載の可変圧縮比内燃機関。
  7. 少なくとも1つのシリンダと、
    前記シリンダ内に往復摺動可能に収容されたピストンと、
    前記ピストンに対応するクランクピンを有するクランクシャフトと、
    大端が前記クランクピンに回動可能に連結されたコネクティングロッドと、
    前記コネクティングロッドを含む4節リンク機構を構成すべく、前記コネクティングロッドの小端に連結された揺動部材と、前記コネクティングロッドの大端側に連結された中間揺動部材と、前記揺動部材と前記中間揺動部材を連結する可動ロッドと、
    前記揺動部材に連結されたピストンピンと、
    前記中間揺動部材を前記コネクティングロッドに対して角変位させる駆動手段と、
    を備えた可変圧縮比内燃機関。
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