JP2018111804A - 定型耐火物積み方法および定型耐火物積みシステム - Google Patents

定型耐火物積み方法および定型耐火物積みシステム Download PDF

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Abstract

【課題】ロボットを用いてコークス炉用定型耐火物を、効率的に精度良く積み上げることができる定型耐火物積み方法を提供する。【解決手段】少なくとも1台のロボットを用いてコークス炉用定型耐火物を積む定型耐火物積み方法であって、積もうとする定型耐火物を前記ロボットで把持した状態で、測距センサを用いて、(1)前記定型耐火物の傾き、および(2)前記定型耐火物と、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と隣接する既設部分との位置関係、を測定する測定工程と、前記測定工程で測定された前記傾きおよび位置関係に基づいて、前記定型耐火物の積み位置および角度を補正する補正工程とを有する、定型耐火物積み方法。【選択図】 図5

Description

本発明は、ロボットを用いてコークス炉用定型耐火物を積む定型耐火物積み方法に関し、特に、定型耐火物を、効率的に精度良く積み上げることができる定型耐火物積み方法に関する。また、本発明は前記定型耐火物積み方法に用いる定型耐火物積みシステムに関する。
製鉄に用いられる冶金用コークスは、室炉式コークス炉で石炭を乾留することによって製造される。室炉式コークス炉は、炭化室と、該炭化室に熱を供給する燃焼室とを炉幅方向に交互に配置することによって構成されており、炭化室と燃焼室とを隔てる耐火レンガ等の定型耐火物を介して燃焼室から炭化室へ熱が供給される。室炉式コークス炉には100門以上の炉室を備えるものもあり、その全長は100m以上、高さは10m以上におよぶ巨大レンガ構造物といえる。
コークス炉の築炉は、現在、築炉工による手積み作業で行われている。手積みによる築炉では、レンガ等の定型耐火物一つ一つにコテでモルタルを塗り、これを積み上げるという作業を繰り返し行う必要がある。さらに、コークス炉に使用される定型耐火物は1つあたり十数kgの重さがあり、これを積み上げる作業は極めて重労働といえる。そのため、定型耐火物の積み上げ作業を機械化、自動化し、労力を低減することが求められている。
そこで、発明者等は、ロボットを用いてコークス炉用定型耐火物を積む方法や、そのためのシステムを提案している(特許文献1)。
特開2016−145697号公報
特許文献1に記載された方法によれば、ロボットを用いてコークス炉用定型耐火物を精度良く積むことができ、コークス炉の築炉作業を自動化することができる。しかしながら、一般的な定型耐火物は、製造上の理由から寸法誤差や反り等の形状不良を有することも多く、ロボットによる施工の精度を低下させる要因となっていた。
例えば、定型耐火物の中央付近となるロボットハンドの把持点をティーチングにより事前に設定した目標位置(当該定型耐火物の積み付け位置)に移動した場合であっても、前記定型耐火物と、該定型耐火物が隣接する既設部(既に積まれている定型耐火物や、既存のコークス炉設備など)との間に段差が生じる場合がある。コークス炉はその性質上、一般の建築物に比べて格段に高い精度が要求される。特に、原料である石炭が装入される炭化室の壁面(燃焼室の外壁面)に凹凸があると、得られたコークスを押し出す際に炉壁にかかる負荷が増大するため、可能な限り壁面を平滑とすることが要求される。したがって、上述したような段差の発生を避ける必要があるが、そのためには予め使用する定型耐火物の寸法を検査し、誤差が許容範囲を超える定型耐火物を取り除く必要があり、この除去作業が築炉作業全体の効率を低下させていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ロボットを用いてコークス炉用定型耐火物を、効率的に精度良く積み上げることができる定型耐火物積み方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記定型耐火物積み方法に用いる定型耐火物積みシステムを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題の達成に向けて鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を得た。
(1)定型耐火物を精度良く積むためには、単に積もうとする定型耐火物の形状や寸法などを把握するのみでは十分ではない場合がある。例えば、積もうとする定型耐火物の正確な寸法を測定し、その寸法に基づいて積み位置を調整するのみでは、既設部分の位置が想定からずれているといった要因によって積み位置にずれが生じ、隣接する定型耐火物との間に段差ができるといった問題がある。
(2)上記(1)の問題は、積もうとする定型耐火物と、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と隣接する既設部分(例えば、積もうとする定型耐火物の隣や下段にある定型耐火物)との位置関係に基づいて積み位置を補正することにより解決できる。すなわち、既設部分との相対的な位置関係を測定し、それに基づいて補正することにより、実際の積み位置のずれを最小とすることができる。
(3)上記(2)の方法によれば、隣接する定型耐火物との間の位置のずれ(段差)をなくすことができるが、それだけでは十分な精度を得ることはできない。例えば、図1は、定型耐火物1を横方向に並べて積んだ状態を上から見た模式図である。図1に示したケースでは、隣接する定型耐火物間の、矢印で示した部分における相対的な位置は正確に合わされており、段差がない状態となっている。しかし、一部の定型耐火物が傾斜した状態で積まれているため、結果として定型耐火物の側面には凹凸(破線で示した面からの逸脱)が生じてしまっている。
(4)上記(3)の問題を解決するためには、実際に積む状態における定型耐火物の傾きを測定し、その角度を補正する必要がある。
(5)上記(2)および(4)の補正を併用することにより、極めて高い精度でコークス炉用定型耐火物を積むことができる。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨構成は、次のとおりである。
1.少なくとも1台のロボットを用いてコークス炉用定型耐火物を積む定型耐火物積み方法であって、
積もうとする定型耐火物を前記ロボットで把持した状態で、測距センサを用いて、
(1)前記定型耐火物の傾き、および
(2)前記定型耐火物と、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と隣接する既設部分との位置関係、
を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された前記傾きおよび位置関係に基づいて、前記定型耐火物の積み位置および角度を補正する補正工程とを有する、
定型耐火物積み方法。
2.前記測定工程に先立って前記定型耐火物と前記既設部の少なくとも一方にモルタルを塗布するモルタル塗布工程をさらに有する、上記1に記載の定型耐火物積み方法。
3.前記測定工程における測定を、前記定型耐火物を実際に積む予定の位置に前記ロボットで保持した状態で行う、上記2に記載の定型耐火物積み方法。
4.前記測定工程における測定を、前記定型耐火物を実際に積む予定の位置から所定の距離離れた仮位置に前記ロボットで保持した状態で行う、上記2に記載の定型耐火物積み方法。
5.前記測定工程の後、前記補正工程に先立って前記定型耐火物と前記既設部の少なくとも一方にモルタルを塗布するモルタル塗布工程をさらに有する、上記1に記載の定型耐火物積み方法。
6.上記1〜5のいずれか一項に記載の定型耐火物積み方法において、
前記定型耐火物を積んだ後、次に、該定型耐火物に隣接する位置に積まれる第2の定型耐火物が積み終わるまでの間、前記定型耐火物の位置をロボットにより保持する位置保持工程をさらに有する、定型耐火物積み方法。
7.上記1〜6のいずれか一項に記載の定型耐火物積み方法に用いる定型耐火物積みシステムであって、
前記少なくとも1台のロボットと、
前記測距センサと、
前記測距センサを移動させるための測距センサ移動手段と、
前記測距センサにより測定された
(1)前記定型耐火物の傾き、および
(2)前記定型耐火物と、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と隣接する既設部分との位置関係、に基づいて前記定型耐火物の積み位置および角度を補正するように前記ロボットを制御する制御手段とを備える、定型耐火物積みシステム。
8.前記ロボットは、合計で2以上のロボットアームを有しており、
前記2以上のロボットアームの少なくとも1つが、前記定型耐火物を把持する把持手段を備えた第1のロボットアームであり、
前記2以上のロボットアームの少なくとも1つが、モルタルを塗布するモルタル塗布手段を備えた第2のロボットアームであり、
前記制御手段は、前記第1のロボットアームによって把持された定型耐火物および前記既設部の少なくとも一方に、前記第2のロボットアームを用いてモルタルを塗布するように前記ロボットを制御するように構成されている、上記7に記載の定型耐火物積みシステム。
9.前記第2のロボットアームが前記測距センサ移動手段を兼ねる、上記8に記載の定型耐火物積みシステム。
本発明によれば、定型耐火物が寸法や形状の誤差を有する場合であっても、ロボットを用いてコークス炉用定型耐火物を精度良く積み上げることができる。また、誤差が大きい定型耐火物を予め取り除く必要がないため、作業効率を飛躍的に向上させることができる。
定型耐火物の傾きによる凹凸を示す模式図である。 本発明の第一の実施形態における定型耐火物積み方法を示すフロー図である。 本発明の第二の実施形態における定型耐火物積み方法を示すフロー図である。 本発明の第三の実施形態における定型耐火物積み方法を示すフロー図である。 実施例1で用いた定型耐火物積みシステムの概略を示す模式図である。 実施例2で用いた定型耐火物積みシステムの概略を示す模式図である。 本発明の第四の実施形態における定型耐火物積み方法を示すフロー図である。 実施例3で用いた定型耐火物積みシステムの概略を示す模式図である。 実施例4で用いた定型耐火物積みシステムの概略を示す模式図である。
次に、本発明を実施する方法について具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の好適な実施態様を示すものであり、本発明は以下の説明によって何ら限定されるものではない。
本発明の一実施形態における定型耐火物積み方法は、少なくとも1台のロボットを用いてコークス炉用定型耐火物を積む定型耐火物積み方法であって、「測定工程」と「補正工程」を有している。
[コークス炉用定型耐火物]
前記コークス炉用定型耐火物(本明細書では単に「定型耐火物」とも称する)としては、特に限定されることなく、コークス炉に用いることができるものであれば、レンガやプレキャストブロック等、任意の種類のものを用いることができる。なかでも、手積みでコークス炉を建設する際に用いられる通常の定型耐火物を用いることが好ましい。通常の定型耐火物を使用することにより、本発明の方法で築炉する場合においても、従来と同様の炉の設計とすることが可能となり、その結果、少なくとも従来と同等の炉の性能を保証することが可能となる。なお、ここでいう通常の定型耐火物とは手積み用の定型耐火物全般を指すが、その寸法は、一般的には高さ10〜15cm程度、水平方向の長さが20〜40cm程度である。
前記定型耐火物の形状は特に限定されず、コークス炉の築炉に用いられるものであれば任意の形状のものを用いることができる。一般的なコークス炉の築炉においては、形状が異なる複数種類の定型耐火物が組み合わせて用いられるが、本発明は、そのように形状が異なる複数種類の定型耐火物に対しても好適に適用することができる。また、コークス炉用定型耐火物は、通常、ダボと呼ばれる位置合せのための凹凸を有している。そこで、前記定型耐火物の少なくとも一つとして、ダボを有する定型耐火物を使用することが好ましい。使用する定型耐火物は、すべてがダボを有するものであってもよい。なお、ダボの形状は特に限定されないが、一般的には、略直線状に伸びる畝状の凸部と、前記凸部に嵌合する溝状の凹部がダボとして用いられる。
[ロボット]
本発明においては、定型耐火物を積むために少なくとも1台のロボット(定型耐火物積みロボット)を使用する。前記ロボットとしては、特に限定されず、目的とするコークス炉の定型耐火物積みに必要な可搬質量、可動範囲、および精度に応じて任意のロボットを使用することができる。前記ロボットとしては、産業用ロボットの一種であるアーム型ロボットを用いることが好ましく、垂直多関節型ロボットを用いることがより好ましい。また、限られた作業スペースで複雑な構造を有するコークス炉の築炉を行うという観点からは自由度の高いロボットを用いることが望ましく、具体的には6軸(6自由度)以上のロボットを用いることが好ましく、7軸(7自由度)のロボットを用いることがより好ましい。
前記ロボットの台数は特に限定されず、1台以上であればよい。前記ロボットとしては、1台のロボットが1つのロボットアームを有する単腕型ロボット、および1台のロボットが2つのロボットアームを有する双腕型ロボットの、一方または両方を用いることができる。後述する位置保持およびモルタル塗布の一方または両方をロボットで行う場合には、前記少なくとも1台のロボットが有するロボットアームの合計数を2以上とする。
前記ロボットのうち、少なくとも1台は、定型耐火物を把持できるように構成されている。前記ロボットが定型耐火物を把持する方法は特に限定されず、任意の方法とすることができる。一例としては、2枚の把持板を開閉させて定型耐火物を把持するハンドを用いることができる。前記ハンドは、例えば、ロボットアームの先端に設けることができる。
[測定工程]
前記測定工程では、積もうとする定型耐火物を前記ロボットで把持した状態で、(1)定型耐火物の傾きと、(2)前記定型耐火物と、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と隣接する既設部分との位置関係が、センサを用いて測定される。「積もうとする定型耐火物」とは、前記ロボットで積もうとしている定型耐火物であり、該ロボットで該定型耐火物を把持した状態のまま前記測定が行われる。
前記(1)の傾きとしては、水平方向における傾きと、垂直方向における傾きの少なくとも一方を測定することが好ましく、両方を測定することが好ましい。傾きの測定においては、例えば、積もうとする定型耐火物の、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と水平または垂直方向に隣接する既設部分に対する傾きを測定することができる。より具体的には、水平方向における傾きを測定する方法の例としては、積もうとする定型耐火物の1つの面の、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と水平方向に隣接する既設部分の1つの面に対する傾きを測定することが挙げられる。また、垂直方向における傾きを測定する方法の例としては、積もうとする定型耐火物の1つの面の、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と下方(下の段)に位置する既設部分の1つの面に対する傾きを測定することが挙げられる。
前記(2)の位置関係としては、水平方向における位置関係と、垂直方向における位置関係の少なくとも一方を測定することが好ましく、両方を測定することが好ましい。ここで、水平方向の位置関係とは、例えば、積もうとする定型耐火物の隣、すなわち、該定型耐火物と同じ段の、該定型耐火物に隣接する位置、に既に積まれている定型耐火物との位置関係を指す。また、垂直方向における位置関係とは、例えば、積もうとする定型耐火物の下段に既に積まれている定型耐火物との位置関係を指す。また、前記位置関係としては、水平面内における位置のずれ(段差の有無や、段差の大きさなど)が挙げられる。
測定を行う際の前記定型耐火物の位置(以下、「測定位置」という)は特に限定されず、必要な測定が可能な位置であれば任意の位置であってよいが、上記(2)の位置関係を測定する関係上、前記測定位置は、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と隣接する既設部分の近傍とすることが好ましい。ここで、既設部分とは、積もうとする定型耐火物の隣(同じ段の隣接位置)や下段にある定型耐火物やその他の構造物などを指す。前記測定位置は、当該定型耐火物を実際に積む予定の位置とすることもできる。
[センサ]
前記センサとしては、上記(1)および(2)の測定を行えるものであれば任意のものを用いることができる。前記センサとしては、例えば、測距センサ(距離センサ、変位センサともいう)が挙げられる。前記測距センサとしては、特定の点までの距離を測定できる1次元測距センサ、ある直線状における凹凸を測定できる2次元測距センサ(プロファイルセンサ)、ある面における凹凸を測定できる3次元測距センサなど、任意のものを用いることができる。前記センサとしては、非接触式のセンサを用いることが好ましい。非接触式のセンサとしては、例えば、レーザー式センサ、LED式センサ、超音波式センサ、白色干渉センサなどを用いることができる。
[センサ移動手段]
本発明の定型耐火物積みシステムにおいては、前記センサが移動可能に構成されていることが好ましく、該システムが、前記センサを移動させるためのセンサ移動手段を備えることがより好ましい。前記センサ移動手段により、センサを測定対象となる定型耐火物を測定可能な位置に移動させることができる。また、前記センサとして1次元測距センサを使用する場合には、該センサをセンサ移動手段によって走査しながら測定を行えば、既設部分に対する定型耐火物の位置のずれや傾斜を、二次元的な情報として測定することもできる。
センサ移動手段としては、センサを移動させることができるものであれば、任意のものを用いることができる。センサ移動手段としては、例えば、ボールネジまたはシリンダーなどの直動機構を備えるものを用いることができる。その場合、測定精度を向上させるためにリニアガイドなどの直動案内部材を併用することが好ましい。また、前記センサ移動手段として、ロボットアームを用いることもできる。
前記センサ移動手段としてロボットアームを用いる場合、前記ロボットアームとしては、測定対象としての定型耐火物を把持しているロボットアーム以外のアームであれば、任意のものを用いることができる。例えば、定型耐火物積みシステムが、センサ移動手段としてのロボットアームを有するセンサ移動用ロボットを、定型耐火物積み用ロボットとは別に備えることもできる。また、定型耐火物積み用ロボットが双腕型ロボットである場合、該双腕型ロボットの一方のロボットアームを定型耐火物の把持に使用し、他方のアームをセンサ移動手段として用いることもできる。後述するように、前記システムがモルタル塗布用のロボットアーム(第2のロボットアーム)を備える場合、前記第2のロボットアームとは別のロボットアームをセンサ移動手段として用いることもできるが、装置の大型化やコスト増加を防ぐためには、前記第2のロボットアームをセンサ移動手段として併用することが好ましい。ロボットを測距センサ移動手段として用いる場合には、例えば、該ロボットのアーム先端に測距センサを設置すればよい。第2のロボットアームをセンサ移動手段として併用する場合には、例えば、アームの先端にモルタル塗布用ノズルとセンサとを設ければよい。また、1つのロボットアームが、モルタル塗布用ノズルとセンサとを必要に応じて持ち替えながらモルタルの塗布と測定とを行うように構成することもできる。
前記センサを移動させながら測定を行う場合、センサの移動方向は特に限定されず、任意の方向とすることができる。例えば、前記(2)の位置関係として水平方向における位置関係を測定する場合には、前記センサ移動手段により、センサを水平方向に移動させながらの測定を行えばよい。これにより、水平方向に隣接する定型耐火物との位置関係(ずれ、段差)と、水平方向における定型耐火物の傾斜を測定することができる。また、前記(2)の位置関係として垂直方向における位置関係を測定する場合には、前記センサ移動手段により、センサを垂直方向に移動させながらの測定を行えばよい。これにより、垂直(上下)方向に隣接する定型耐火物との位置関係(ずれ、段差)と、垂直方向における定型耐火物の傾斜を測定することができる。前記水平方向の測定と垂直方向の測定は、少なくとも一方を行うことが好ましく、両方を行うことがより好ましい。
[モルタル塗布工程]
本発明の定型耐火物積み方法は、さらにモルタル塗布工程を有することができる。前記モルタル塗布工程では、前記積もうとする定型耐火物と前記既設部の少なくとも一方にモルタルが塗布される。例えば、既設部にモルタルを塗布する場合、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と隣接する部分、例えば、下の段に積まれている定型耐火物の上面や同じ段の隣り合う位置に積まれている定型耐火物の側面などに、モルタルを塗布する。また、コークス炉では様々な形状の定型耐火物が複雑に組み合わせ積まれるため、既設部(既に積まれた定型耐火物など)の表面にモルタルを塗布することが困難となる場合がある。そのような場合には、積もうとする定型耐火物にモルタルを塗布することが好ましい。
[モルタル塗布ロボット]
モルタルの塗布は、作業者が人手によって行うこともできるが、積み作業を自動化するという観点からはロボット(モルタル塗布ロボット)を用いて行うことが好ましい。前記モルタル塗布ロボットとしては、特に限定されず任意のロボットを使用することができるが、産業用ロボットの一種であるアーム型ロボットを用いることが好ましく、垂直多関節型ロボットを用いることがより好ましい。また、限られた作業スペースで複雑な構造を有する定型耐火物へのモルタル塗布を行うためには、自由度の高いロボットを用いることが望ましく、具体的には6軸(6自由度)以上のロボットを用いることが好ましく、7軸(7自由度)のロボットを用いることがより好ましい。前記モルタル塗布ロボットは、定型耐火物積み用ロボットと同じロボットが兼ねてもよく、定型耐火物積み用ロボットとは別のロボットであってもよい。
モルタルの塗布をアーム型ロボットで行う場合、本発明の定型耐火物積みシステムが備えるロボットは、合計で2以上のロボットアームを備えていることが好ましい。ここで、ロボットが「合計で2以上のロボットアームを備えている」とは、1つのロボットアームを有するロボットを2台以上備える場合と、2以上のロボットアームを有するロボットを1台以上備える場合の両者を包含する。
上記の場合、前記2以上のロボットアームの少なくとも1つを、定型耐火物を把持する把持手段を備えた第1のロボットアームとし、前記2以上のロボットアームの他の少なくとも1つを、モルタルを塗布するモルタル塗布手段を備えた第2のロボットアームとすることが好ましい。そして、前記制御手段は、前記第1のロボットアームによって把持された定型耐火物および前記既設部の少なくとも一方に、前記第2のロボットアームを用いてモルタルを塗布するように前記ロボットを制御するように構成される。
また、1つのロボットアームを、定型耐火物の把持と、モルタルの塗布の両方に用いることもできる。その場合、1つのロボットアームが、その先端に定型耐火物把持手段(ハンド)と、後述するモルタル塗布手段(ノズル)の両者を備えていてもよいが、該ロボットアームの先端部分を交換可能とし、定型耐火物把持手段とモルタル塗布手段とを交換しながら(持ち替えながら)使用することもできる。
前記モルタル塗布ロボットは、モルタルを塗布するためのノズルを備えていることが好ましい。例えば、アーム型ロボットを用いる場合には、前記アームの先端などにノズルを設け、該ノズルからモルタルを吐出するようにすればよい。前記ノズルの形状は特に限定されないが、広い面積に均一な厚さでモルタルを塗布するという観点からは、スリット状の吐出口を備えたノズル(平ノズルともいう)を用いることが好ましい。また、上述したように、モルタル塗布用のロボットアームは、センサ移動手段を兼ねることもできる。
上記モルタル塗布工程におけるモルタルの塗布は任意のタイミングで行うことができる。例えば、測定工程に先立ってモルタルを塗布してもよく、測定工程の後に行ってもよく、また、測定工程の前後に分けて行ってもよい。測定工程の前にモルタルを塗布する場合には、モルタルを塗布した後に、ロボットで把持した定型耐火物を所定の位置へ移動させ、上記測定を行うことができる。測定工程の後にモルタルを塗布する場合には、ロボットで把持した定型耐火物を所定の位置へ移動させた後、測定を行い、次いで、モルタルの塗布を行えばよい。その際、定型耐火物がモルタル塗布の支障となる場合は、定型耐火物を一旦別の位置へ待避させた後にモルタルの塗布を行うこともできる。
[補正工程]
補正工程では、上記測定工程で測定された傾きおよび位置関係に基づいて、定型耐火物の積み位置および角度が補正される。前記積み位置および角度の補正は、定型耐火物を把持しているロボットを用いて行うことが好ましい。以下、前記補正の好適な例について説明する。
積もうとする定型耐火物と隣接する既設部との間に位置のずれ(段差)があることが検出された場合には、そのずれをなくすように定型耐火物を積む位置を補正する。例えば、積もうとする定型耐火物と、前記定型耐火物の隣、すなわち、該定型耐火物と同じ段の、該定型耐火物に隣接する位置、に既に積まれている定型耐火物との間にずれがある場合には、前記ずれをなくすように定型耐火物の積み位置を補正することができる。また、積もうとする定型耐火物と、前記定型耐火物の下の段に既に積まれている定型耐火物との間にずれがある場合には、前記ずれをなくすように定型耐火物の積み位置を補正することができる。
定型耐火物が傾いていることが検出された場合には、その傾きをなくすように定型耐火物の角度を補正することが好ましい。例えば、積もうとする定型耐火物が、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と水平または垂直方向に隣接する既設部分に対して傾いている場合、前記傾きをなくすように該定型耐火物の角度を補正することができる。より具体的には、水平方向に隣接する位置における既設部に対する傾きをなくす場合には、積もうとする定型耐火物の1つの面(面A)と、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と水平方向に隣接する既設部分の面のうち面Aと同じ面を構成すべき面(面B)に着目し、面Aと面Bのなす角度が180°、すなわち傾きがゼロとなるように補正を行うことができる。また、水平方向に隣接する位置における既設部に対する傾きをなくす場合には、積もうとする定型耐火物の1つの面(面A)と、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物の下方(下の段)に位置する既設部分の面のうち面Aと同じ面を構成すべき面(面C)に着目し、面Aと面Cのなす角度が180°、すなわち傾きがゼロとなるように補正を行うことができる。
言い換えると、前記角度および位置関係の補正は、コークス炉の設計上の角度および位置関係に近づけるように行うことが好ましい。例えば、複数の定型耐火物を積むことによってコークス炉の1つの壁面が形成される場合、前記壁面が平滑となるように前記補正を行うことが好ましい。特に、原料である石炭が装入される炭化室の壁面(燃焼室の外壁面)に凹凸があると、得られたコークスを押し出す際に炉壁にかかる負荷が増大するため、炭化室の壁面が平滑となるように、前記角度および位置関係の補正を行うことがより好ましい。
[制御手段]
本発明の定型耐火物積みシステムは、上記補正を行うためにロボットを制御する制御手段を備えていることが好ましい。前記制御手段は、センサ、センサ移動手段、およびモルタル塗布ロボットの少なくとも1つの制御手段を兼ねることもできる。
[位置保持工程]
本発明の一実施形態における定型耐火物積み方法は、さらに、前記定型耐火物を積んだ後、次に、該定型耐火物に隣接する位置に積まれる第2の定型耐火物が積み終わるまでの間、前記定型耐火物の位置を前記ロボットにより保持する位置保持工程を有することができる。
上述したように、定型耐火物は、モルタルで形成される目地を介して既設部に積まれる。その際、通常の定型耐火物は吸水性を有しているため、モルタルに含まれる水分は定型耐火物に奪われ、その結果、目地は硬くなる。また、その状態の目地は、該目地を厚さ方向(目地と定型耐火物の接触面に対し垂直方向)に圧縮する力に対しては十分な強度を有している。そのため、ロボットで定型耐火物を積んだ後に該定型耐火物のロボットによる把持を解放したとしても、定型耐火物の重さによる目地の変形は無視できる程度であり、定型耐火物の位置が大きく変動することはない。
しかし、目地の厚さ方向に対して直角方向(目地と定型耐火物の接触面に対し平行方向)の力、すなわち、せん断力に対する抗力は、ほぼ、目地と定型耐火物の間の接着力のみといえる。そのため、積まれた直後の定型耐火物は、目地と定型耐火物の接触面に対し平行方向に力が加わった場合、ずれてしまう場合がある。
例えば、1つの定型耐火物(第1の定型耐火物)を積んだ後、前記定型耐火物の隣に次の定型耐火物(第2の定型耐火物)を積む場合、第2の定型耐火物を正確な位置に配置するとともにモルタルを介して既設部に接着させるために、該第2の定型耐火物を既設部に押付ける必要がある。そのため、既に積まれている第1の定型耐火物には、該第1の定型耐火物の水平方向に力が加わる。この時、第1の定型耐火物とその下の段にある定型耐火物との間に設けられた水平方向の目地には、せん断力がかかるため、第1の定型耐火物の位置が水平方向にずれてしまう場合がある。
そこで、本発明の一実施形態においては、上述した定型耐火物のずれを防止するために、位置保持工程を行うことができる。前記位置保持工程においては、定型耐火物を積んだ後、次に、該定型耐火物に隣接する位置に積まれる第2の定型耐火物が積み終わるまでの間、前記定型耐火物の位置をロボットにより保持する。位置保持工程において定型耐火物を保持するロボットとしては、任意のロボットを用いることができる。作業効率の観点からは、前記測定工程および補正工程において定型耐火物を把持していたロボットが、そのまま位置保持工程においても該定型耐火物を保持することが好ましい。また、前記測定工程および補正工程において定型耐火物を把持していたロボットを用いて該定型耐火物を積み付けた後、前記ロボットは定型耐火物を解放し、別のロボットまたは同じロボットの別のアームによって位置保持を行うこともできる。
位置保持中、定型耐火物はロボットハンドにより把持された状態とし、該定型耐火物の位置がずれないようにロボットを制御する。前記第2の定型耐火物が積み終わった後は、先に積まれていた定型耐火物の位置保持を終了すればよい。具体的には、ロボットによる定型耐火物の把持を解放し、前記ロボットは次の作業に移ればよい。
次に、本発明を実施する方法について、4つの実施形態を挙げてさらに具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の好適な実施態様を例示するものであり、本発明は以下の説明によって何ら限定されるものではない。
(第一の実施形態)
図2は、本発明の第一の実施形態における定型耐火物積み方法を示すフロー図である。本実施形態では、まず、これから定型耐火物を積みつけようとする位置にモルタルを塗布する(モルタル塗布工程)。具体的には、既に積まれている定型耐火物の上面および側面の一方または両方にモルタルを塗布する。
次に、積もうとする定型耐火物をロボットのハンドで把持し、積み位置へ移動させる。前記積み位置についての情報は、コークス炉の設計情報等に基づいて予めロボットの制御手段に与えられる。なお、一般的な施工条件では、目地内に気泡が残留して接合強度が低下することを防ぐために、実際の目地の体積よりも多くモルタルが塗布される。そのため、定型耐火物を積み位置に押し付けることにより、定型耐火物の間からモルタルがあふれ出す。このあふれ出したモルタルによって次の測定が阻害されるおそれがある場合には、あふれ出したモルタルを除去する工程をさらに設けることもできる。
定型耐火物を積み位置へ移動させた後、該定型耐火物をロボットで把持した状態のままで測定を実施する(測定工程)。この測定では、(1)前記定型耐火物の傾きと、(2)前記定型耐火物と、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と隣接する既設部分との位置関係とが測定される。例えば、レーザー式の測距センサを走査させながら定型耐火物までの距離を連続的に測定し、得られた距離プロファイルを解析することによって前記傾きおよび位置関係を求めることができる。例えば、測距センサを水平方向に移動させながら該測距センサから定型耐火物までの距離を連続的に測定することによって水平(左右)方向における定型耐火物表面のプロファイルを測定することができる。また、さらに、測距センサを垂直(上下)方向に移動させながら該測距センサから定型耐火物までの距離を連続的に測定することによって垂直方向における定型耐火物表面のプロファイルを測定することができる。そのようにして得たプロファイルを解析することにより、上記(1)傾きおよび(2)位置関係の情報を得ることができる。
上記のようにして測定された(1)傾きおよび(2)位置関係に基づいて、前記定型耐火物の積み位置および角度を補正する。ここで、前記角度の補正としては、少なくとも、図1に示したような水平面内における傾斜を補正することが好ましいが、前記水平面に直交する面内における傾斜も補正することが好ましい。
なお、上記測定と補正を行っている間、水分が定型耐火物に吸収されてモルタルの流動性が急速に失われる。そのため、定型耐火物を積み位置へ移動させた後、時間が経過するに従って定型耐火物の位置を調整することが困難となる。そこで、定型耐火物を積み位置に移動させた後は迅速に測定と補正を実施することが望ましい。
補正を行った後は、ロボットのハンドによる定型耐火物の把持を解放し、次に積む定型耐火物の把持動作へと進めばよい。
(第二の実施形態)
図3は、本発明の第二の実施形態における定型耐火物積み方法を示すフロー図である。本実施形態は、測定工程に先立ってモルタルの塗布を行う点で上記第一の実施形態と共通するが、モルタル塗布後に、積もうとする定型耐火物を積み位置ではなく仮位置へ移動させる点で相違する。なお、特に記載していない事項については第一の実施形態と同様とすることができる。
前記仮位置とは、本来の積み位置から所定距離ずれた、測定を行うために一時的に定型耐火物を保持する位置を指す。前記仮位置は、塗布されているモルタルが相手側の定型耐火物と接触しない位置とすることが好ましい。具体的には、モルタルの塗布厚をd1としたとき、前記仮位置は、隣接する定型耐火物から水平方向および垂直方向の両方に、それぞれ距離d2(ここで、d2>d1)ずつ離した位置とすることが好ましい。モルタルの塗布厚にもよるが、一般的にはd2を5mm以上とすることが好ましく、8mm以上とすることが好ましい。一方、d2が大きすぎると、測定工程において隣接する既設部分との位置関係を測定することが困難となる場合があるため、d2は20mm以下とすることが好ましく、15mm以下とすることが好ましい。
上記仮位置へ定型耐火物を移動させた後、測定を行い、その後、定型耐火物を積み位置へ移動させるとともに補正を行う。上述したように、仮位置が積み位置の近傍である場合には、定型耐火物をモルタルに押し付けることによって積み位置への移動が行われる。このように、仮位置で測定を行った後に定型耐火物をモルタルに押し付けることにより、あふれ出した余分のモルタルによって測定が阻害されることを防止できる。なお、前記積み位置への移動と補正は、積み位置へ移動させた後に補正を行うこともできるが、移動させる積み位置(目標位置)と角度を予め補正しておき、補正された位置へ直接移動させることが効率の面から好ましい。
(第三の実施形態)
図4は、本発明の第三の実施形態における定型耐火物積み方法を示すフロー図である。本実施形態では、上記第一および第二の実施形態と異なり、測定の後にモルタルの塗布を行う。具体的な手順を以下に説明する。なお、特に記載していない事項については第一の実施形態と同様とすることができる。
まず、定型耐火物を積み位置へ移動させる。前記移動には、第一の実施形態と同様にロボットを用いることができる。次いで、定型耐火物をロボットで把持した状態のままで測定を実施する。この時点では、前記定型耐火物の表面に接する部分には、まだモルタルが塗布されていないため、あふれたモルタルによって阻害されることなく測定を行うことができる。
測定完了後、モルタルを塗布する必要があるが、ロボットで把持した定型耐火物がそのまま積み位置に存在すると、モルタルを塗布できない。そのため、一旦定型耐火物を別の位置へ待避させ、その状態でモルタルを塗布する。待避位置は特に限定されないが、過度に離れた位置とすると作業効率が低下するため、モルタルの塗布に支障がない位置であればよい。例えば、モルタル塗布ロボットを用いてモルタルを塗布する場合には、該モルタル塗布ロボットと干渉しない位置へ定型耐火物を待避させればよい。
モルタルを塗布した後、定型耐火物を積み位置へ移動させるとともに補正を行う。前記積み位置への移動と補正は、上記第二の実施形態と同様の方法で行えばよい。
(第四の実施形態)
図7は、本発明の第四の実施形態における定型耐火物積み方法を示すフロー図である。本実施形態では、上述した第一の実施形態の補正工程の後に、さらに位置保持工程が行われる。特に記載していない事項については第一の実施形態と同様とすることができる。
例えば、2本のロボットアームを用いて交互に定型耐火物を積む場合の動作は次のようになる。まず、第1のロボットアームを用いて第1の定型耐火物を把持し、積み位置へ移動させる。次に、第1のロボットアームによって第1の定型耐火物を把持した状態で、測定工程と補正工程を実施する。これにより、第1の定型耐火物は正しい位置に積み付けられる。
第1の定型耐火物が積まれた後、第2のロボットアームを用いて第1の定型耐火物の隣に第2の定型耐火物を積み付ける。その際、第1のロボットアームは第1の定型耐火物を把持したままとする。これにより、第2の定型耐火物を第1の定型耐火物に押付けた際に、第1の定型耐火物の位置がずれることが防止される。
第2の定型耐火物が積まれた後は、第1のロボットアームによる第1の定型耐火物の把持を解放する。次いで、第1のロボットアームを用いて第2の定型耐火物の隣に第3の定型耐火物を積み付ける。その際、第2のロボットアームは第2の定型耐火物を把持したままとする。
このように、2本のロボットアームを用いて交互に定型耐火物を積み、かつ、一方のロボットアームで定型耐火物を積む際には、他方のロボットアームで隣接位置の定型耐火物を固定しておくことにより、より効率的かつ正確に定型耐火物を積むことができる。なお、ここでは第一の実施形態においてさらに位置保持を行うことを説明したが、第二の実施形態や第三の実施形態など、他の実施形態においても同様に位置保持を行うことができる。
(実施例1)
上記第二の実施形態で説明した方法により、コークス炉用定型耐火物の積み付けを行った。図5に、用いた定型耐火物積みシステムの概略図を示す。使用した定型耐火物1は、寸法が250mm×100mm×150mm、重量が7kgであった。また、耐火物同士の接合面には、図示されないダボと呼ばれる凹凸形状がある。ロボット10は可搬重量80kgで7軸自由度を持っており、ロボット10のアーム11の先端にはハンド12が備えられており、ハンド12は対向する1対の把持板13が開閉する構造とした。ハンド12の把持力は100kgfである。
積み上げる炉体構造の設計寸法はあらかじめシステムの制御部に与えている。目標目地厚4mmに対し、モルタル20は約1.5倍の厚みを目安として6mm厚で必要箇所に事前に塗布する。また、モルタルは25〜35%程度に水分量が調整されており、流動性に問題は無い。
ロボット10のハンド12に把持された定型耐火物1を、隣接する定型耐火物から横方向に10mm、上下方向に10mmの間隙を有して宙に浮いた状態で保持し、その状態で測定を行った。測定用の測距センサ30は、水平方向及び垂直方向を組み合わせたリニアガイド40により支持されており、図示されない駆動手段によってコークス炉壁面と平行な平面(紙面と平行な面)内で移動することができる。
測距センサ30を水平方向および垂直方向に走査しながら測定を行った。水平方向に走査する際の測距センサ30の高さは、定型耐火物1の高さの中央位置とした。また、垂直方向に走査する際の測距センサ30の水平方向位置は、積もうとする定型耐火物と隣接する定型耐火物との間の縦目地から10mmの内側へ入った位置とした。測定結果に基づいて定型耐火物の積み位置および角度を補正し、炉壁が平滑となるように定型耐火物を積みつけた。
(実施例2)
リニアガイドに代えて、モルタル塗布ロボット50のアーム51先端に測距センサ30を取り付けた点以外は上記実施例1と同様の方法で、定型耐火物を積み付けた。図6に、用いた定型耐火物積みシステムの概略図を示す。モルタル塗布ロボット50は可搬重量15kgで、7軸自由度を有している。モルタル塗布ロボット50のアーム51先端には、モルタル塗布用ノズル52も取り付けられており、ポンプ53から柔軟性のあるホース54を通ってモルタル20が供給される。
(実施例3)
さらに、位置保持を行った点以外は実施例1と同様の条件で定型耐火物を積み付けた。図8に、用いた定型耐火物積みシステムの概略図を示す。図に示したように、定型耐火物1bを積む際には、隣接する位置の定型耐火物1aをロボット110により把持した状態で固定した。ロボット110としては、ロボット10と同じロボットを使用し、ロボット10およびロボット110を用いて交互に定型耐火物を積み付けた。
(実施例4)
さらに、位置保持を行った点以外は実施例2と同様の条件で定型耐火物を積み付けた。図9に、用いた定型耐火物積みシステムの概略図を示す。図に示したように、定型耐火物1bを積む際には、隣接する位置の定型耐火物1aをロボット110により把持した状態で固定した。ロボット110としては、ロボット10と同じロボットを使用し、ロボット10およびロボット110を用いて交互に定型耐火物を積み付けた。
上記実施例1〜4いずれの方法においても、定型耐火物を精度良く積むことができ、積まれた定型耐火物の壁面は極めて平滑であった。特に、位置保持を行った実施例3、4においては、さらに定型耐火物の位置精度が向上した。
1 定型耐火物
10 ロボット
11 アーム
12 ハンド
13 把持板
20 モルタル
30 測距センサ
40 リニアガイド
50 モルタル塗布ロボット
51 アーム
52 モルタル塗布用ノズル
53 ポンプ
54 ホース
110 ロボット
111 アーム
112 ハンド
113 把持板

Claims (9)

  1. 少なくとも1台のロボットを用いてコークス炉用定型耐火物を積む定型耐火物積み方法であって、
    積もうとする定型耐火物を前記ロボットで把持した状態で、センサを用いて、
    (1)前記定型耐火物の傾き、および
    (2)前記定型耐火物と、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と隣接する既設部分との位置関係、
    を測定する測定工程と、
    前記測定工程で測定された前記傾きおよび位置関係に基づいて、前記定型耐火物の積み位置および角度を補正する補正工程とを有する、
    定型耐火物積み方法。
  2. 前記測定工程に先立って前記定型耐火物と前記既設部の少なくとも一方にモルタルを塗布するモルタル塗布工程をさらに有する、請求項1に記載の定型耐火物積み方法。
  3. 前記測定工程における測定を、前記定型耐火物を実際に積む予定の位置に前記ロボットで保持した状態で行う、請求項2に記載の定型耐火物積み方法。
  4. 前記測定工程における測定を、前記定型耐火物を実際に積む予定の位置から所定の距離離れた仮位置に前記ロボットで保持した状態で行う、請求項2に記載の定型耐火物積み方法。
  5. 前記測定工程の後、前記補正工程に先立って前記定型耐火物と前記既設部の少なくとも一方にモルタルを塗布するモルタル塗布工程をさらに有する、請求項1に記載の定型耐火物積み方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の定型耐火物積み方法において、
    前記定型耐火物を積んだ後、次に、該定型耐火物に隣接する位置に積まれる第2の定型耐火物が積み終わるまでの間、前記定型耐火物の位置をロボットにより保持する位置保持工程をさらに有する、定型耐火物積み方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の定型耐火物積み方法に用いる定型耐火物積みシステムであって、
    前記少なくとも1台のロボットと、
    前記センサと、
    前記センサを移動させるためのセンサ移動手段と、
    前記センサにより測定された
    (1)前記定型耐火物の傾き、および
    (2)前記定型耐火物と、前記定型耐火物が積まれる位置において該定型耐火物と隣接する既設部分との位置関係、に基づいて前記定型耐火物の積み位置および角度を補正するように前記ロボットを制御する制御手段、とを備える、定型耐火物積みシステム。
  8. 前記ロボットは、合計で2以上のロボットアームを有しており、
    前記2以上のロボットアームの少なくとも1つが、前記定型耐火物を把持する把持手段を備えた第1のロボットアームであり、
    前記2以上のロボットアームの少なくとも1つが、モルタルを塗布するモルタル塗布手段を備えた第2のロボットアームであり、
    前記制御手段は、前記第1のロボットアームによって把持された定型耐火物および前記既設部の少なくとも一方に、前記第2のロボットアームを用いてモルタルを塗布するように前記ロボットを制御するように構成されている、請求項7に記載の定型耐火物積みシステム。
  9. 前記第2のロボットアームが前記センサ移動手段を兼ねる、請求項8に記載の定型耐火物積みシステム。
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