JP2018111379A - ハイブリッド車両の制御装置及び制御方法 - Google Patents

ハイブリッド車両の制御装置及び制御方法 Download PDF

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圭介 岩堂
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Abstract

【課題】「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中に、第2クラッチの締結開始判定を適切に行うことができるハイブリッド車両の制御装置を提供すること。【解決手段】モータ/ジェネレータの駆動力によって第2クラッチの入力回転速度を目標回転速度に維持する「M-ISC制御」から、エンジンの駆動力によって第2クラッチの入力回転速度を目標回転速度に維持する「E-ISC制御」への移行中に、NレンジからDレンジへのセレクト操作が生じたとき、駆動源(モータ/ジェネレータ及びエンジン)から前輪への駆動力伝達経路に設けられた第2クラッチを締結すると共に、モータ/ジェネレータの負荷の増大変化量、又は、エンジンの回転速度の低下変化量のいずれか一方に基づいて、第2クラッチの締結開始を判定する構成とした。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジン及びモータを含む駆動源と駆動輪との間に配置された摩擦締結要素の締結開始を判断するハイブリッド車両の制御装置及び制御方法に関するものである。
従来、モータの駆動力によって摩擦締結要素の入力回転速度を目標回転速度に維持しているときに摩擦締結要素を締結する際、モータの負荷変化量に基づいて摩擦締結要素の締結開始を判定するハイブリッド車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
WO2014/119088公報
ところで、駆動源にエンジン及びモータを含むハイブリッド車両の場合では、摩擦締結要素の入力回転速度を目標回転速度に維持する際、モータの駆動力のみを利用するモータ入力回転速度制御と、エンジンの駆動力のみを利用するエンジン入力回転速度制御と、を行うことが可能である。一方、このようなハイブリッド車両の駆動源の駆動状態としては、走行状態に応じて、エンジンが停止しモータのみが駆動している状態から、モータが停止しエンジンのみが駆動している状態へと変わることがある。
つまり、摩擦締結要素の入力回転速度を目標回転速度に維持する際、駆動源の駆動状態が変わり、モータ入力回転速度制御からエンジン入力回転速度制御へと移行することが考えられる。
しかしながら、従来技術においては、モータ入力回転速度制御からエンジン入力回転速度制御への移行中に摩擦締結要素の締結開始の判定を行うことについては検討されておらず、締結開始の判定を適切に行うことができないおそれがある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、モータ入力回転速度制御からエンジン入力回転速度制御への移行中に摩擦締結要素の締結開始判定を適切に行うことができるハイブリッド車両の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置は、モータ及びエンジンを含む駆動源と、駆動源から駆動輪への駆動力伝達経路に設けられ、非走行レンジが選択されているときに解放され、走行レンジが選択されているときに締結される摩擦締結要素と、モータの駆動力によって摩擦締結要素の入力回転速度を目標回転速度に維持するモータ入力回転速度制御と、エンジンの駆動力によって摩擦締結要素の入力回転速度を目標回転速度に維持するエンジン入力回転速度制御と、を行うコントローラと、を備えている。また、コントローラは、非走行レンジから走行レンジへのセレクト操作の発生により解放状態の摩擦締結要素を締結する際、この摩擦締結要素の締結開始を判定する締結開始判定部を有している。
そして、締結開始判定部は、モータ入力回転速度制御からエンジン入力回転速度制御への移行中にセレクト操作が生じたとき、モータの負荷の増大変化量、又は、エンジンの回転速度の低下変化量のいずれか一方に基づいて、摩擦締結要素の締結開始を判定する。
よって、本発明では、モータ入力回転速度制御からエンジン入力回転速度制御への移行中に摩擦締結要素の締結開始判定を適切に行うことができる。
実施例1の制御装置及び制御方法が適用されたハイブリッド車両の駆動系と制御系を示す全体システム図である。 実施例1の締結開始判定部で実行される移行時締結開始判定処理の流れを示すフローチャートである。 「M-ISC制御」→「E-ISC制御」移行中、E-ISC要求フラグ・実エンジン回転速度・実モータトルクの各特性を示すタイムチャートである。 「M-ISC制御」→「E-ISC制御」移行中セレクト操作介入時、モータトルク増大余裕ありでのE-ISC要求フラグ・実エンジン回転速度・実モータトルク・レンジ信号・実第2クラッチ油圧の各特性を示すタイムチャートである。 「M-ISC制御」→「E-ISC制御」移行中セレクト操作介入時、モータトルク増大余裕なしでのE-ISC要求フラグ・実エンジン回転速度・実モータトルク・レンジ信号・実第2クラッチ油圧の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置及び制御方法を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車両の制御装置及び制御方法は、駆動力伝達経路に搭載された変速機をベルト式無段変速機とするFFハイブリッド車両に適用したものである。以下、実施例1のハイブリッド車両の制御装置及び制御方法の構成を、「全体システム構成」、「移行時締結開始判定処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の制御装置及び制御方法が適用されたFFハイブリッド車両を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて、実施例1の全体システム構成を説明する。
図1に示すFFハイブリッド車両の駆動系としては、エンジン1(エンジン、略称「Eng」)と、第1クラッチ2(略称「CL1」)と、モータ/ジェネレータ3(モータ、略称「MG」)と、第2クラッチ4(摩擦締結要素、略称「CL2」)と、ベルト式無段変速機CVTと、を備えている。ベルト式無段変速機CVTの出力軸outputは、終減速ギヤトレインFGから差動ギヤと左右のドライブシャフトを介し、左右の前輪5,5(駆動輪)に駆動連結される。
エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であり、FFハイブリッド車両の走行用の駆動源である。このエンジン1は、後述するエンジンコントローラ17からのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やスロットルバルブのバルブ開度制御やフューエルカット制御、アイドル回転速度制御等が行われる。また、このエンジン1は、第1クラッチ2を締結してモータ/ジェネレータ3によりクランキングされることで始動される。
第1クラッチ2は、エンジン1とモータ/ジェネレータ3との間に介装された油圧作動によるノーマルオープンの乾式多板摩擦クラッチであり、第1クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結(スリップ締結状態)/解放が制御される。
モータ/ジェネレータ3は、第1クラッチ2を介してエンジン1に連結された三相交流の永久磁石型の同期モータであり、FFハイブリッド車両の走行用の駆動源である。このモータ/ジェネレータ3は、バッテリ9を電源として駆動する。また、モータ/ジェネレータ3のステータコイルには、力行時に直流を三相交流に変換し、回生時に三相交流を直流に変換するインバータ8がACハーネスを介して接続されている。
さらに、このモータ/ジェネレータ3では、力行時に出力される駆動力を意図する範囲におさめるため、駆動力の上限値を規制するモータトルク上限値と、駆動力の下限値を規制するモータトルク下限値が設定される。なお、モータトルク上限値は、例えば、ドライバーの加速意図がない場合では、意図しない駆動力を出力させない値に設定される。特に、セレクトレバー21が非走行レンジから走行レンジへ切り替えられるセレクト操作の直後では、大きな駆動力を必要とするシーンは少ない。そのため、モータトルク上限値は、セレクト操作直後には比較的低い値に設定される。また、このモータトルク上限値は、バッテリSOCが低いときや、作動油温度が低いとき、モータ/ジェネレータ3に不具合が生じてフェール機能が作動しているとき等にも低い値に設定される。
第2クラッチ4は、モータ/ジェネレータ3とベルト式無段変速機CVTとの間に介装された油圧作動による湿式の多板摩擦クラッチであり、第2クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結(スリップ締結状態)/解放が制御される。実施例1では、ベルト式無段変速機CVTの前後進切替機構に設けられた前進クラッチや後退ブレーキを第2クラッチ4として流用する。また、この第2クラッチ4は、非走行レンジ(Pレンジ,Nレンジ)が選択されているときに解放され、走行レンジ(Dレンジ,Rレンジ)が選択されているときに締結される。
なお、第2クラッチ4は、駆動源(エンジン1及びモータ/ジェネレータ3)から左右の前輪5,5への駆動力伝達経路に設けられていればよいため、図1に示すように、モータ/ジェネレータ3とベルト式無段変速機CVTの間の位置に設定する以外に、ベルト式無段変速機CVTと左右の前輪5,5の間の位置に設定してもよい。
ベルト式無段変速機CVTは、モータ/ジェネレータ3と駆動輪である左右の前輪5,5との間に介装され、プライマリプーリ30と、セカンダリプーリ40と、プライマリプーリ30とセカンダリプーリ40との間に架け渡されたプーリベルト50と、を有する。このベルト式無段変速機CVTでは、プライマリ油室とセカンダリ油室への変速油圧を制御し、プーリベルト50の巻き付き径を変えることで無段階の変速比を得る。
そして、図1に示すFFハイブリッド車両は、第1クラッチ2とモータ/ジェネレータ3と第2クラッチ4により1モータ・2クラッチの駆動システムが構成され、この駆動システムによる主な駆動態様として「EVモード」と「HEVモード」を有する。
「EVモード」は、第1クラッチ2を解放し、第2クラッチ4を締結してモータ/ジェネレータ3のみを駆動源に有する電気自動車モードである。「EVモード」は、モータ駆動モード(モータ力行)・ジェネレータ発電モード(ジェネレータ回生)を有する。この「EVモード」は、例えば要求駆動力が低く、バッテリSOC(バッテリ充電残量)が確保されているときに選択される。
「HEVモード」は、第1クラッチ2及び第2クラッチ4を締結してエンジン1とモータ/ジェネレータ3を駆動源に有するハイブリッド車モードである。「HEVモード」は、モータアシストモード(モータ力行)・エンジン発電モード(ジェネレータ回生)・減速回生発電モード(ジェネレータ回生)を有する。この「HEVモード」は、例えば要求駆動力が高いとき、あるいは、バッテリSOCが不足するときに選択される。
FFハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、コントローラとして、統合コントローラ14と、CVTコントローラ15と、クラッチコントローラ16と、エンジンコントローラ17と、モータコントローラ18と、バッテリコントローラ19と、を備えている。
統合コントローラ14(コントローラ)は、バッテリ状態、アクセル開度、車速(変速機出力回転速度に同期した値)、作動油温等から目標駆動トルクを演算する。そして、その結果に基づき各アクチュエータ(エンジン1、第1クラッチ2、モータジェネレータ3、第2クラッチ4、ベルト式無段変速機CVT)に対する指令を演算し、CAN通信線20を介して各コントローラ15,16,17,18,19へと送信する。
また、この実施例1の統合コントローラ14では、モータ/ジェネレータ3の駆動力によって第2クラッチ4の入力回転速度を目標回転速度(例えばアイドル回転速度)に維持する「M-ISC制御(モータ入力回転速度制御)」と、エンジン1の駆動力によって第2クラッチ4の入力回転速度を目標回転速度に維持する「E-ISC制御(エンジン入力回転速度制御)」と、を行う。
ここで、「M-ISC制御」の実行中には、第1クラッチ2を締結するものの、エンジン1への燃料供給を停止する。そのため、モータ/ジェネレータ3は、エンジン1を連れ回しながら目標回転速度を維持する駆動力を出力することになり、第2クラッチ4の入力回転速度は、モータ/ジェネレータ3が単独で目標回転速度に維持する。
また、「E-ISC制御」の実行中には、第1クラッチ2を締結し、エンジン1を自立運転させつつ、モータ/ジェネレータ3から出力される駆動力がモータトルク下限値になるように、モータ/ジェネレータ3をトルク制御する。そのため、エンジン1は、モータ/ジェネレータ3を連れ回しながら目標回転速度を維持する駆動力を出力することになり、第2クラッチ4の入力回転速度は、エンジン1が単独で目標回転速度に維持する。なお、この「E-ISC制御」中、モータ/ジェネレータ3からは、モータトルク下限値に設定された駆動力が出力されるため、このときのエンジン負荷は、モータ/ジェネレータ3が駆動力を全く出力していない状態よりは軽減される。
なお、「M-ISC」は、「Motor - Idle Speed Control」の略であり、「E-ISC」は、「Engine - Idle Speed Control」の略である。
ここで、「M-ISC制御」中に「E-ISC制御」への移行要求が生じたことによる、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行過渡期のエンジン1の制御とモータ/ジェネレータ3の制御について説明する。なお、「E-ISC制御」への移行要求は、例えばバッテリSOCの低下等に基づいて出力される。
「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行要求が生じた場合には、まず、モータ/ジェネレータ3によって連れ回っているエンジン1に対して燃料噴射を行うと共に点火する。これにより、エンジン1は自立回転を開始する。そして、このエンジン1は、自立運転を開始したら、エンジン回転速度センサ6からの情報に基づいて燃料噴射量等を制御し、エンジン回転速度が目標回転速度に一致するように、エンジン回転速度制御を行う。この結果、エンジン1の駆動力によって、モータ/ジェネレータ3を連れ回しつつ、第2クラッチ4の入力回転速度が目標回転速度に維持される。
一方、モータ/ジェネレータ3は、エンジン1への燃料噴射及び点火に伴ってエンジン1からの駆動力(以下、「エンジントルク」という)が出力されることによる第2クラッチ4の入力回転速度の増大を抑制するため、モータ/ジェネレータ3からの駆動力(以下、「モータトルク」という)の下限値(モータトルク下限値)を低い値に設定すると共に、モータトルクをモータトルク下限値まで低下させる。ここで、「低い値のモータトルク下限値」とは、エンジントルクの発生に伴うトルク変動を抑制することができる値であり、実験等により求める。
そして、所定時間が経過してエンジントルクの変動が安定したら、モータトルク下限値を「E-ISC制御」中に設定される所定値に向けて徐々に上昇させていく。このとき、モータトルクは、モータトルク下限値に一致するように制御する。
なお、「E-ISC制御」中に設定される「所定のモータトルク下限値」は、「E-ISC制御」中に、エンジン1とモータ/ジェネレータ3とが一体になって回転する際のエンジン負荷を軽減可能な最低値に設定される。
さらに、この実施例1の統合コントローラ14は、非走行レンジ(Pレンジ,Nレンジ)から走行レンジ(Dレンジ,Rレンジ)へのセレクト操作の発生により解放状態の第2クラッチ4を締結する際、この第2クラッチ4の締結開始を判定する締結開始判定部14aを有している。
締結開始判定部14aは、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中に非走行レンジ(Pレンジ,Nレンジ)から走行レンジ(Dレンジ,Rレンジ)へのセレクト操作が行われたとき、モータ/ジェネレータ3から出力される駆動力(モータトルク)の増大変化量、又は、エンジン1の回転速度の低下変化量のいずれか一方に基づいて、第2クラッチ4の締結開始を判定する移行時締結開始判定を行う。
なお、セレクト操作の有無は、セレクトレバー21の位置に基づいて選択されているレンジ位置を検出するインヒビタースイッチ22からの入力信号に基づいて判断する。また、モータ/ジェネレータ3から出力される駆動力(モータトルク)は、モータ/ジェネレータ3に作用する負荷に比例する値である。そのため、「モータトルクの増大変化量に基づいて、第2クラッチ4の締結開始を判定する」とは、モータ/ジェネレータ3に作用する負荷の増大変化量に基づいて、第2クラッチ4の締結開始を判定することと同義である。
ここで、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中に、非走行レンジから走行レンジへのセレクト操作が行われたときのエンジン1の制御とモータ/ジェネレータ3の制御について説明する。
「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中に、非走行レンジから走行レンジへのセレクト操作が介入すると、このセレクト操作によって第2クラッチ4の締結制御が開始される。つまり、第2クラッチ4に油圧供給が行われ、第2クラッチ4は次第に締結されていく。
ここで、第2クラッチ4が締結されると、第2クラッチ4の入力回転速度を目標回転速度に維持する駆動源にとっては負荷の増加になる。そして、増加する負荷に対して駆動源からの駆動力の増大を行わなければ、第2クラッチ4の入力回転速度が低下し、エンジンストールの可能性もある。
そのため、セレクト操作が行われ、第2クラッチ4の締結制御が実行された場合には、エンジン回転速度が目標回転速度を超えて所定の乖離幅に達したことで、燃料噴射量を低下させ、エンジン回転速度の増大変化が停止するタイミングで、モータトルクをモータトルク下限値よりも増大した値に設定する。これにより、燃料噴射量の低下に伴って生じるエンジントルクの低下と、クラッチ締結による負荷の増加とを、モータトルクの増大で相殺することができ、第2クラッチ4の入力回転速度の低下を抑制することができる。
なお、このときのモータトルクの増大変化速度は、燃料噴射量の低下に応じて設定してもよいし、予め実験等に基づいて設定してもよい。また、エンジン回転速度の増大変化が停止した後、エンジン回転速度が目標回転速度に向かって低下変化を開始したタイミングで、モータトルクの増大を停止する。
そして、締結開始判定部14aによって第2クラッチ4が締結を開始したと判定されたら、第2クラッチ4の締結制御では、まず、第2クラッチ油圧を一旦低下させ、第2クラッチ油圧が高くなりすぎないようにしつつ目標値に収束させていく。つまり、第2クラッチ4が締結を開始したと判定したタイミングで、第2クラッチ油圧指令値を所定の低下幅で低下させた後、目標値に向けて所定の上昇速度で上昇させる。
一方、モータトルクは、エンジン回転速度が目標回転速度に向かって低下変化を開始したタイミングで増大を停止した後、第2クラッチ油圧の変化に伴うクラッチ締結による負荷の変動を支持し、第2クラッチ4の入力回転速度の低下を抑制するように制御される。つまり、上述のように、モータトルクは、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中にセレクト操作が行われないときには、モータトルクはモータトルク下限値に設定される。しかし、セレクト操作が行われ、第2クラッチ4の締結制御によってクラッチ締結による負荷が発生するときには、このモータトルクは、クラッチ締結による負荷相当のトルクをモータトルク下限値に上乗せした値に設定される。
なお、エンジン1では、エンジン回転速度制御を行っているため、第2クラッチ4の締結に伴う負荷変動に拘わらず、エンジン回転速度が目標回転速度に一致するように制御され続ける。
CVTコントローラ15は、統合コントローラ14からの指令を達成するように、ベルト式無段変速機CVTのプライマリプーリ30とセカンダリプーリ40に供給されるプライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecを制御することにより変速制御を行なう。クラッチコントローラ16は、モータ回転速度センサ7などからの情報を入力し、統合コントローラ14からの指令を達成するように、第1クラッチ2と第2クラッチ4にクラッチ油圧指令値を出力する。特に、非走行レンジ(Pレンジ,Nレンジ)から走行レンジ(Dレンジ,Rレンジ)へのセレクト操作が行われたときには、このセレクト操作をトリガーにして第2クラッチ4を締結するクラッチ油圧指令値を出力する。エンジンコントローラ17は、エンジン回転速度センサ6などからの情報を入力し、統合コントローラ14からの指令を達成するように、エンジントルク制御やエンジン回転速度制御を行なう。
モータコントローラ18は、モータ回転速度センサ7などからの情報を入力し、統合コントローラ14からの指令を達成するように、インバータ8に対し制御電流指令を出力し、モータ/ジェネレータ3のモータトルク制御やモータ回転速度制御を行なう。このモータコントローラ18では、減速時にモータ/ジェネレータ3により発電する回生制御が行われる。なお、インバータ8は、直流/交流の相互変換を行うもので、バッテリ9からの放電電流を、モータ/ジェネレータ3の駆動電流に変換し、モータ/ジェネレータ3からの発電電流を、バッテリ9への充電電流に変換する。バッテリコントローラ19は、バッテリ9のバッテリSOC(バッテリ充電残量)を管理し、バッテリSOC情報を統合コントローラ14やモータコントローラ18へと送信する。
[移行時締結開始判定処理構成]
図2は、実施例1の締結開始判定部で実行される移行時締結開始判定処理の流れを示す。以下、移行時締結開始判定処理構成をあらわす図2の各ステップについて説明する。なお、この移行時締結開始判定処理は、FFハイブリッド車両が停車し、且つ、非走行レンジ(Pレンジ又はNレンジ)を選択していて、第2クラッチ4が解放されていると共に、「M-ISC制御」を行っているときに実行される。
なお、車両停車状態とは、車速が車速センサにて検出可能車速以下になっている状態である。
ステップS1では、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行要求が発生したか否かを判断する。YES(E-ISC要求あり)の場合はステップS2へ進み、NO(E-ISC要求なし)の場合はステップS1を繰り返す。
ここで、「E-ISC制御」への移行要求は、例えば「M-ISC制御」を行うことでバッテリSOCが低下し、閾値を下回ったときなどに発生する。また、「E-ISC制御」への移行要求が発生したときには、エンジン1への燃料噴射及び点火が行われ、エンジン1から駆動力(エンジントルク)の出力が開始される。
ステップS2では、ステップS1でのE-ISC要求ありとの判断に続き、このE-ISC要求が発生してからの経過時間であるT1時間のカウントを開始し、ステップS3へ進む。
ステップS3では、ステップS2でのT1時間のカウント開始に続き、走行レンジ(Dレンジ,Rレンジ)へのセレクト操作が行われたか否かを判断する。YES(セレクト操作あり)の場合はステップS4へ進み、NO(セレクト操作なし)の場合はステップS3を繰り返す。
ここで、セレクト操作の有無は、セレクトレバー21の位置に基づいて選択されているレンジ位置を検出するインヒビタースイッチ22からの入力信号に基づいて判断する。また、セレクト操作が発生したときには、第2クラッチ4への油圧供給が行われ、この第2クラッチ4の締結操作が開始される。
ステップS4では、ステップS3でのセレクト操作ありとの判断に続き、このセレクト操作が行われてからの経過時間であるT2時間のカウントを開始し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、ステップS4でのT2時間のカウント開始に続き、走行レンジへのセレクト操作が行われた時点のモータ/ジェネレータ3から駆動力(モータトルク)と、走行レンジへのセレクト操作が行われた時点のエンジン回転速度を記憶し、ステップS6へ進む。
なお、セレクト操作が行われた時点のモータトルクは、セレクト操作が行われたタイミングでインバータ8に出力した制御電流指令に基づいて推定する。また、セレクト操作が行われた時点のエンジン回転速度は、セレクト操作が行われたタイミングでエンジン回転速度センサ6によって検出された値である。そして、モータトルク情報とエンジン回転速度情報は、統合コントローラ14が有するメモリ(不図示)に記憶される。
ステップS6では、ステップS5でのモータトルク情報とエンジン回転速度情報の記憶に続き、ステップS2にてカウントを開始したT1時間が予め設定した第1閾値時間以上であるか否かを判断する。YES(T1時間≧第1閾値時間)の場合はステップS7へ進み、NO(T1時間<第1閾値時間)の場合はステップS10へ進む。
ここで、「第1閾値時間」は、「E-ISC制御」への移行要求の発生に伴って燃料噴射及び点火を行うことでエンジン1から出力される駆動力(エンジントルク)の変化量が所定値以下になるまでに必要な時間であり、エンジントルクの変動量が所定幅に収束し、エンジントルクが安定したと判断可能になる期間に設定される。すなわち、E-ISC要求が発生してからの経過時間であるT1時間が第1閾値時間未満のときは、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行初期期間であり、エンジントルクが安定していない期間になる。そして、T1時間<第1閾値時間未満と判断される場合は、エンジントルク不安定期間において、セレクト操作が行われたと判断できる。
ステップS7では、ステップS6でのT1時間≧第1閾値時間との判断に続き、「E-ISC制御」への移行要求の発生に伴って出力されたエンジントルクが安定した後にセレクト操作が行われたとして、ステップS5にて記憶した走行レンジへのセレクト操作が行われた時点のモータトルクと、現時点のモータトルクとの差であるモータトルク偏差ΔTを演算すると共に、ステップS5にて記憶した走行レンジへのセレクト操作が行われた時点のエンジン回転速度と、現時点のエンジン回転速度との差であるエンジン回転速度偏差ΔVを演算し、ステップS8へ進む。
ここで、モータトルク偏差ΔTは、現時点のモータトルクから、走行レンジへのセレクト操作が行われた時点のモータトルクを差し引いて求める。つまり、求めた値がプラスの値であればモータトルクの増大変化量を示し、求めた値がマイナスの値であればモータトルクの減少変化量を示す。
また、エンジン回転速度偏差ΔVは、走行レンジへのセレクト操作が行われた時点のエンジン回転速度から、現時点のエンジン回転速度を差し引いて求める。つまり、求めた値がマイナスの値であればエンジン回転速度の増大変化量を示し、求めた値がプラスの値であればエンジン回転速度の低下変化量を示す。
なお、「現時点のモータトルク」は、モータトルク偏差ΔTを演算するタイミングでインバータ8に出力した制御電流指令に基づいて推定する。また、「現時点のエンジン回転速度」は、エンジン回転速度偏差ΔVを演算するタイミングでエンジン回転速度センサ6によって検出された値である。
ステップS8では、ステップS7でのモータトルク偏差ΔT及びエンジン回転速度偏差ΔVの演算に続き、このステップS7にて求めたモータトルク偏差ΔTが、予め設定したトルク閾値以上であるか否かを判断する。YES(モータトルク偏差≧トルク閾値)の場合はステップS11へ進み、NO(モータトルク偏差<トルク閾値)の場合はステップS9へ進む。
ここで、トルク閾値は、セレクト操作に伴って第2クラッチ4を締結することで増大するエンジン1に作用する負荷を支え、第2クラッチ4の入力回転速度の低下を抑制するために必要なモータトルクが出力されたことを示す値(プラスの値)に設定され、実験等により求める。
ステップS9では、ステップS8でのモータトルク偏差<トルク閾値との判断に続き、ステップS7にて求めたエンジン回転速度偏差ΔVが、予め設定した回転速度閾値以上であるか否かを判断する。YES(エンジン回転速度偏差≧回転速度閾値)の場合はステップS11へ進み、NO(エンジン回転速度偏差<回転速度閾値)の場合はステップS7へ進む。
ここで、回転速度閾値は、セレクト操作に伴って第2クラッチ4を締結することで増大するエンジン1に作用する負荷によって、第2クラッチ4の入力回転速度が低下したことを示す値(プラスの値)に設定され、実験等により求める。
ステップS10では、ステップS6でのT1時間<第1閾値時間との判断に続き、「E-ISC制御」への移行要求の発生に伴って出力されたエンジントルクが安定する前にセレクト操作が行われたとして、ステップS4にてカウントを開始したT2時間が第2閾値時間以上であるか否かを判断する。YES(T2時間≧第2閾値時間)の場合はステップS11へ進み、NO(T2時間<第2閾値時間)の場合はステップS10を繰り返す。
ここで、「第2閾値時間」は、セレクト操作の実行に伴って締結制御が開始された第2クラッチ4の締結が開始したと判断できる時間に設定され、実験等により求める。
ステップS11では、ステップS8でのモータトルク偏差≧トルク閾値との判断、ステップS9でのエンジン回転速度偏差≧回転速度閾値との判断、ステップS10でのT2時間≧第2閾値時間との判断のいずれかに続き、走行レンジへのセレクト操作に伴って締結制御を開始した第2クラッチ4の締結が開始されたと判定し、エンドへ進む。
ここで、「締結が開始する状態」とは、具体的には、第2クラッチ4のガタ詰めが完了し、第2クラッチ4の伝達トルク容量の発生を開始した状態である。
次に、作用を説明する。
まず、「M-ISC制御→E-ISC制御移行時のエンジン回転速度変化及びモータトルク変化」を説明し、続いて、実施例1の制御装置及び制御方法における作用を、「ISC制御移行時モータトルク増大余裕ありでのクラッチ締結開始判定作用」、「ISC制御移行時モータトルク増大余裕なしでのクラッチ締結開始判定作用」、「ISC制御移行時エンジン駆動力不安定中にセレクト操作が生じたときのクラッチ締結開始判定作用」に分けて説明する。
[M-ISC制御→E-ISC制御移行時のエンジン回転速度変化及びモータトルク変化]
図3は、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」に移行する際のE-ISC要求フラグ・実エンジン回転速度・実モータトルクの各特性を示すタイムチャートである。以下、図3に基づき、M-ISC制御→E-ISC制御移行時のエンジン回転速度変化及びモータトルク変化を説明する。
図1に示すFFハイブリッド車両において、図3に示す時刻t以前では、停車状態で非走行レンジ(Pレンジ,Nレンジ)が選択されており、第2クラッチ4が解放状態になっていると共に、モータ/ジェネレータ3の駆動力(モータトルク)のみによって、第2クラッチ4の入力回転速度(=実エンジン回転速度)を所定の目標回転速度(例えば、アイドル回転速度)に維持する「M-ISC制御」を行っている。このとき、第1クラッチ2は締結状態になり、エンジン1は駆動力を出力していない状態でモータ/ジェネレータ3によって連れ回っている。
図3に示す時刻t時点において、例えばバッテリSOCの低下等により「E-ISC制御」への移行要求が発生すると、E-ISC要求フラグがOFFからONへと切り替わる。そして、モータ/ジェネレータ3に連れ回っているエンジン1に対して燃料噴射を行うと共に点火する。これにより、エンジン1は速やかに自立回転を開始して駆動力を出力し始める。なお、このエンジン点火直後では、エンジン1から出力される駆動力は不安定である。
一方、時刻t時点において、モータ/ジェネレータ3は、モータ回転速度制御からモータトルク制御へと切り替えられる。そして、エンジン1からの駆動力が出力されることによる駆動力過多が生じ、実エンジン回転速度(=第2クラッチ4の入力回転速度)が増大する、いわゆるエンジン吹き上がりが生じることを抑制するため、モータトルク下限値を所定の低い値Aに設定すると共に、実モータトルクがモータトルク下限値まで低下するように制御される。なお、このときの実モータトルクの低下速度は、エンジン1からの駆動力の発生に伴う駆動力変動を抑制する速度に設定される。
この結果、エンジン点火直後の駆動力過多を抑制することができる。しかも、実モータトルクを大幅に引き下げることで、エンジン1やモータ/ジェネレータ3に作用する慣性力の影響が大きくなる。そのため、エンジン点火直後でエンジン1からの駆動力が不安定であっても、実エンジン回転速度の大幅な変動を抑制できる。
時刻t時点において、「E-ISC制御」への移行要求の発生から第1閾値時間が経過し、エンジン1からの駆動力が安定したら、モータトルク下限値を「E-ISC制御」中に設定される所定値Bに向けて徐々に上昇させていく。このとき、モータ/ジェネレータ3は、実モータトルクがモータトルク下限値に一致するようにトルク制御される。一方、エンジン1は、実エンジン回転速度が目標回転速度に一致するように回転速度制御される。
時刻t時点において、モータトルク下限値の上昇に伴ってエンジン1の負荷が軽減され、いわゆる駆動力過多の状態になると、次第に、実エンジン回転速度が目標回転速度を上回っていく。
そして、時刻t時点において、実エンジン回転速度と目標回転速度との乖離幅が所定値に達したら、エンジン1では、実エンジン回転速度が目標回転速度に収束するように燃料噴射量の調整が行われ、実エンジン回転速度は上昇が停止して一定値を維持した後、次第に目標回転速度に向かって低下する。
これに対し、時刻t時点において、モータトルク下限値が「E-ISC制御」中に設定される所定値Bに達すると、モータトルク下限値はこの所定値Bに維持される。また、実モータトルクは、モータトルク下限値に一致するように制御され続ける。
その後、時刻t時点において、実エンジン回転速度が目標回転速度に収束し、時刻t時点において、実エンジン回転速度が目標回転速度に収束した状態が所定時間継続したことを判断できたら、「E-ISC制御」への移行が完了したと判断される。
このように、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行時、「E-ISC制御」への移行要求が発生した時点で、モータ/ジェネレータ3はトルク制御に切り替えられ、実モータトルクがモータトルク下限値に一致するように制御される。一方、エンジン1は、出力されるエンジントルクが安定したら回転速度制御が実施され、実エンジン回転速度が目標回転速度に一致するように制御される。
[ISC制御移行時モータトルク増大余裕ありでのクラッチ締結開始判定作用]
図4は、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中にセレクト操作が介入したとき、モータトルク増大余裕がある場合でのE-ISC要求フラグ・実エンジン回転速度・実モータトルク・レンジ信号・実第2クラッチ油圧の各特性を示すタイムチャートである。以下、図4に基づき、実施例1のISC制御移行時モータトルク増大余裕ありでのクラッチ締結開始判定作用を説明する。
図1に示すFFハイブリッド車両において、図4に示す時刻t11以前では、停車状態で非走行レンジ(Pレンジ,Nレンジ)が選択されており、第2クラッチ4が解放状態になっていると共に、「M-ISC制御」を行っている。
図4に示す時刻t11時点において、「E-ISC制御」への移行要求が発生すると、エンジン1への燃料噴射及び点火が実行されると共に、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2へと進み、T1時間(E-ISC要求が発生してからの経過時間)のカウントが開始される。
時刻t12時点において、「E-ISC制御」への移行要求の発生から第1閾値時間が経過し、エンジン1からの駆動力が安定したら、モータトルク下限値を「E-ISC制御」中に設定される所定値Bに向けて上昇させていく。また、モータ/ジェネレータ3は、実モータトルクがモータトルク下限値に一致するようにトルク制御される。一方、エンジン1は、実エンジン回転速度が目標回転速度に一致するように回転速度制御される。
第1閾値時間が経過した後の時刻t13時点において、Nレンジ(非走行レンジ)からDレンジ(走行レンジ)へのセレクト操作が行われたら、第2クラッチ4への油圧供給が実行されると共に、ステップS3→ステップS4へと進み、T2時間(セレクト操作が行われてからの経過時間)のカウントが開始される。
T2時間のカウントが開始されたら、ステップS5へ進んで、このt13時点での実モータトルク(図4に示す値α)及び実エンジン回転速度(図4に示す値x)が記憶される。
そして、ステップS6へと進み、セレクト操作が行われた時刻t13時点において、T1時間が第1閾値時間以上であるか否かを判断する。図4に示す場合では、時刻t13以前の時刻t12時点において第1閾値時間が経過している。そのため、ステップS7へと進み、モータトルク偏差ΔT及びエンジン回転速度偏差ΔVをそれぞれ演算する。
ここで、モータトルク偏差ΔTは、セレクト操作が行われた時点(時刻t13)のモータトルク(値α)と、現時点、つまり演算を実行する時点のモータトルクとの差である。また、エンジン回転速度偏差ΔVは、セレクト操作が行われた時点(時刻t13)のエンジン回転速度(値x)と、現時点(演算を実行する時点)のエンジン回転速度との差である。
なお、時刻t13時点では、当然ながらモータトルク偏差ΔT及びエンジン回転速度偏差ΔVのいずれもゼロである。
しかしながら、モータトルク下限値が「E-ISC制御」中に設定される所定値Bに向けて徐々に上昇していくため、実モータトルクは、このモータトルク下限値の上昇に応じて上昇していく。この結果、時刻t13以降、モータトルク偏差ΔTが次第に大きくなっていく。
一方、実エンジン回転速度は、時刻t13以降ほとんど変動しないが、時刻t14時点において、モータトルク下限値の上昇に伴ってエンジン1の負荷が軽減され、いわゆる駆動力過多の状態になると、次第に、実エンジン回転速度が目標回転速度を上回っていく。この結果、マイナスの値のエンジン回転速度偏差ΔVが生じると共に、絶対値が次第に大きくなっていく。
そして、時刻t15時点において、実エンジン回転速度と目標回転速度との乖離幅が所定値に達したら、エンジン1では、実エンジン回転速度が目標回転速度に収束するように燃料噴射量の調整が行われ、実エンジン回転速度の増大変化が停止する。
これにより、燃料噴射量の低下に伴って生じるエンジントルクの低下と、クラッチ締結による負荷の増加とをモータトルクの増大で相殺するため、実モータトルクをモータトルク下限値よりも増大させていく。
このとき、図4に示す場合では、モータトルク下限値とモータトルク上限値との差が大きく、モータトルクの増大余裕代が大きい。そのため、実モータトルクの増大を継続することが可能になる。そして、時刻t16時点において、実モータトルクが値βになり、モータトルク偏差ΔT(プラスの値)が予め設定したトルク閾値に達したら、ステップS7→ステップS8→ステップS11へと進み、第2クラッチ4の締結が開始したと判断する。すなわち、ISC制御移行中に、モータトルクの増大余裕がある場合には、第2クラッチ4の締結開始を、モータトルクの増大変化量に基づいて判定する。
そして、第2クラッチ4の締結が開始したと判定されたら、第2クラッチ油圧指令値を所定の低下幅で低下させた後、目標値に向けて所定の上昇速度で上昇させ、実第2クラッチ油圧が目標値に対して高くなりすぎないように制御しつつ目標値に収束させていく。
一方、エンジン1では、実エンジン回転速度が目標回転速度に一致するように回転速度制御を行う。さらに、モータ/ジェネレータ3では、エンジン回転速度が目標回転速度に向かって低下変化を開始した時刻t17時点で実モータトルクの増大を停止した後、第2クラッチ油圧指令値に応じて、第2クラッチ締結による負荷相当のトルクをモータトルク下限値に上乗せした値に設定される。
その後、時刻t18時点において、実エンジン回転速度が目標回転速度に収束し、時刻t19時点において、実エンジン回転速度が目標回転速度に収束した状態が所定時間継続したことを判断できたら、「E-ISC制御」への移行が完了したと判断される。
[ISC制御移行時モータトルク増大余裕なしでのクラッチ締結開始判定作用]
図5は、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中にセレクト操作が介入したとき、モータトルク増大余裕がない場合でのE-ISC要求フラグ・実エンジン回転速度・実モータトルク・レンジ信号・実第2クラッチ油圧の各特性を示すタイムチャートである。以下、図5に基づき、実施例1のISC制御移行時モータトルク増大余裕なしでのクラッチ締結開始判定作用を説明する。
図1に示すFFハイブリッド車両において、図5に示す時刻t21以前では、停車状態で非走行レンジ(Pレンジ,Nレンジ)が選択されており、第2クラッチ4が解放状態になっていると共に、「M-ISC制御」を行っている。
図5に示す時刻t21時点において、「E-ISC制御」への移行要求が発生すると、エンジン1への燃料噴射及び点火が実行されると共に、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2へと進み、T1時間(E-ISC要求が発生してからの経過時間)のカウントが開始される。
時刻t22時点において、「E-ISC制御」への移行要求の発生から第1閾値時間が経過し、エンジン1からの駆動力が安定したら、モータトルク下限値を「E-ISC制御」中に設定される所定値Bに向けて上昇させていく。また、モータ/ジェネレータ3は、実モータトルクがモータトルク下限値に一致するようにトルク制御される。一方、エンジン1は、実エンジン回転速度が目標回転速度に一致するように回転速度制御される。
第1閾値時間が経過した後の時刻t23時点において、Nレンジ(非走行レンジ)からDレンジ(走行レンジ)へのセレクト操作が行われたら、第2クラッチ4への油圧供給が実行されると共に、ステップS3→ステップS4へと進み、T2時間(セレクト操作が行われてからの経過時間)のカウントが開始される。
T2時間のカウントが開始されたら、ステップS5へ進んで、このt23時点での実モータトルク(図5に示す値α)及び実エンジン回転速度(図5に示す値x)が記憶される。
そして、ステップS6へと進み、セレクト操作が行われた時刻t23時点において、T1時間が第1閾値時間以上であるか否かを判断する。図5に示す場合では、時刻t23以前の時刻t22時点において第1閾値時間が経過している。そのため、ステップS7へと進み、モータトルク偏差ΔT及びエンジン回転速度偏差ΔVをそれぞれ演算する。
なお、時刻t23時点では、当然ながらモータトルク偏差ΔT及びエンジン回転速度偏差ΔVのいずれもゼロである。
しかしながら、モータトルク下限値が「E-ISC制御」中に設定される所定値Bに向けて徐々に上昇していくため、実モータトルクは、このモータトルク下限値の上昇に応じて上昇していく。この結果、時刻t23以降、モータトルク偏差ΔTが次第に大きくなっていく。
一方、実エンジン回転速度は、時刻t23以降ほとんど変動しないが、時刻t24時点において、モータトルク下限値の上昇に伴ってエンジン1の負荷が軽減され、いわゆる駆動力過多の状態になると、次第に、実エンジン回転速度が目標回転速度を上回っていく。この結果、マイナスの値のエンジン回転速度偏差ΔVが生じると共に、絶対値が次第に大きくなっていく。
そして、時刻t25時点において、実エンジン回転速度と目標回転速度との乖離幅が所定値に達したら、エンジン1では、実エンジン回転速度が目標回転速度に収束するように燃料噴射量の調整が行われ、実エンジン回転速度の増大変化が停止する。
これにより、燃料噴射量の低下に伴って生じるエンジントルクの低下と、クラッチ締結による負荷の増加とをモータトルクの増大で相殺するため、実モータトルクをモータトルク下限値よりも増大させていく。
このとき、図5に示す場合では、モータトルク下限値とモータトルク上限値との差が少なく、モータトルクの増大余裕代が小さい。そのため、実モータトルクの増大は時刻t26時点で継続が不可能になり、モータトルク上限値によって実モータトルクの増大が制限される。この結果、モータトルク偏差ΔTがトルク閾値に達することはない。
一方、実モータトルクの増大が制限されたことで、燃料噴射量の低下に伴って生じるエンジントルクの低下と、クラッチ締結による負荷の増加とを、モータトルクによって支えることができなくなり、エンジン1に作用する負荷が増大する。
これにより、エンジン1において、実エンジン回転速度を維持することができなくなり、実エンジン回転速度が急減していく。
そして、時刻t27時点において、実エンジン回転速度が値yになり、エンジン回転速度偏差ΔV(プラスの値)が予め設定した回転速度閾値に達したら、ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS11へと進み、第2クラッチ4の締結が開始したと判断する。すなわち、ISC制御移行中に、モータトルクの増大余裕がない場合には、第2クラッチ4の締結開始を、エンジン回転速度の低下変化量に基づいて判定する。
そして、第2クラッチ4の締結が開始したと判定されたら、第2クラッチ油圧指令値を所定の低下幅で低下させた後、目標値に向けて所定の上昇速度で上昇させ、実第2クラッチ油圧が目標値に対して高い値となりすぎないように制御しつつ目標値に収束させていく。
一方、エンジン1では、実エンジン回転速度が目標回転速度に一致するように回転速度制御を行う。なお、モータ/ジェネレータ3では、第2クラッチ締結による負荷相当のトルクをモータトルク下限値に上乗せした値に設定したいが、図5に示す場合ではモータトルク上限値によってモータトルクが制限されているため、実モータトルクはモータトルク上限値に設定される。
その後、時刻t28時点において、実エンジン回転速度が目標回転速度に収束し、時刻t29時点において、実エンジン回転速度が目標回転速度に収束した状態が所定時間継続したことを判断できたら、「E-ISC制御」への移行が完了したと判断される。
このように、実施例1の制御装置では、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行時、非走行レンジから走行レンジへのセレクト操作が行われ、第2クラッチ4を締結する場合、モータトルク(モータ/ジェネレータ3の負荷)の増大変化量、又は、エンジン1の回転速度の低下変化量のいずれか一方に基づいて、第2クラッチ4の締結開始を判定する。
そのため、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中に、第2クラッチ4の締結開始判定を適切に行うことができる。
すなわち、上述のように、FFハイブリッド車両において、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中にモータトルクの増大余裕がある場合には、第2クラッチ4の締結制御中にモータトルクを増大させて、クラッチ締結負荷の増大をモータトルクの増大変化によって支えることができ、エンジン回転速度の低下を抑制することができる。一方、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中にモータトルクの増大余裕がない場合には、第2クラッチ4の締結制御中にモータトルクを増大させることができず、クラッチ締結負荷の増大を支えることができずに、エンジン回転速度が低下する。
このように、モータトルクの増大余裕の有無により、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への制御移行時に生じるクラッチ締結負荷の増大に対するエンジン回転速度の変化とモータトルクの変化とが異なる。
これに対し、モータトルクの増大変化量、又は、エンジン1の回転速度の低下変化量のいずれか一方に基づいて第2クラッチ4の締結開始を判定することで、ISC制御移行中にモータトルクの増大余裕がある場合にはモータトルクの増大変化量に応じてクラッチ締結開始判定を行い、ISC制御移行中にモータトルクの増大余裕がない場合にはエンジン1の回転速度の低下変化量に基づいてクラッチ締結開始判定を行うことができる。
この結果、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への制御移行時のモータトルクの増大余裕の有無に拘らず、クラッチ締結負荷の増大を適切に検知することができ、第2クラッチ4の締結開始判定を適切に行うことができる。
特に、実施例1では、車両停車状態でNレンジ(非走行レンジ)を選択中、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中にDレンジ(走行レンジ)へのセレクト操作が生じたときに、第2クラッチ4の締結開始判定をモータトルクの増大変化量、又は、エンジン1の回転速度の低下変化量のいずれか一方に基づいて行う。
そのため、モータトルクやエンジン回転速度が比較的安定して変動するときに限り、モータトルクの増大変化量やエンジン回転速度の低下変化量に基づいて第2クラッチ4の締結開始判定を行うことができる。この結果、クラッチ締結開始判定の判定制度を向上することができる。
また、実施例1では、ISC制御移行中にモータトルクの増大余裕があり、モータトルクの増大変化量に応じてクラッチ締結開始判定を行う場合では、セレクト操作が生じた時点(時刻t13)でのモータトルクの値(値α)よりもモータトルクが所定値(トルク閾値)増大したときに、第2クラッチ4の締結開始を判定する。また、ISC制御移行中にモータトルクの増大余裕がなく、エンジン回転速度の低下変化量に応じてクラッチ締結開始判定を行う場合では、セレクト操作が生じた時点(時刻t23)でのエンジン回転速度の値(値x)よりもエンジン回転速度が所定値(回転速度閾値)増大したときに、第2クラッチ4の締結開始を判定する。
これにより、モータトルクの増大変化量やエンジン回転速度の低下変化量の大きさを判断する際の基準が明確になり、第2クラッチ4の締結開始判定を容易に行うことができる。また、変化量の判断基準を明確にしたことで、第2クラッチ4の締結開始判定の判定精度の向上を図ることができる。
さらに、実施例1の制御装置では、モータトルク偏差ΔT及びエンジン回転速度偏差ΔVを演算したら、まず、モータトルク偏差ΔTがトルク閾値以上であるか否かを判断し、モータトルク偏差<トルク閾値の場合に限り、エンジン回転速度偏差ΔVが回転速度閾値以上であるか否かを判断する。
つまり、ISC制御移行中にクラッチ締結開始判定を行う際、モータトルクをセレクト操作が生じた時点(時刻t13)での値(値α)よりも所定値(トルク閾値)増大させることができない場合に、エンジンの回転速度の低下変化量に基づいて第2クラッチ4の締結開始を判定する。
これにより、モータトルク増大余裕がなく、モータトルクの増大変化量に基づいてクラッチ締結開始判定を行うことができない場合であっても、第2クラッチ4の締結開始判定を適切に行うことができる。
なお、「モータトルク増大余裕がない場合」とは、モータトルク下限値に対して上乗せするモータトルクを十分に確保できない場合や、クラッチ締結負荷を支えるために必要な値までモータトルクを増大させることができない場合である。
具体的には、例えば、図5に示すように、モータトルク下限値とモータトルク上限値との差が小さく、モータトルク下限値に対して上乗せ可能なモータトルクが制限される場合である。このときには、モータトルクをほとんど増大させることができない。また、例えば、第2クラッチ4の締結開始前のモータトルクが、すでにモータトルク上限値に設定されている場合や、このモータトルク上限値に近い値に設定されている場合も、「モータトルク増大余裕がない場合」に相当する。このときには、クラッチ締結負荷を支えるために必要な値までモータトルクを増大させることができない。
[ISC制御移行時エンジン駆動力不安定中にセレクト操作が生じたときのクラッチ締結開始判定作用]
実施例1のFFハイブリッド車両において、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」に移行する際に、「E-ISC制御」への移行要求が発生した直後、つまり、ISC制御の移行初期期間(実施例1では、E-ISC要求が発生してからの経過時間であるT1時間が第1閾値時間に達する前)に、非走行レンジから走行レンジへのセレクト操作が生じた場合を説明する。
「M-ISC制御」の実行中に「E-ISC制御」への移行要求が発生したら、エンジン1への燃料噴射及び点火が実行される。このとき、T1時間が第1閾値時間に達する前、つまりISC制御の移行初期期間にセレクト操作が生じたときには、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS10へと進む。
そして、T2時間(セレクト操作が行われてからの経過時間)が第2閾値時間に達したら、ステップS11へと進み、第2クラッチ4の締結が開始したと判断する。
すなわち、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行の初期期間(第1閾値時間経過前)に、Dレンジへのセレクト操作が生じたときは、セレクト操作からの経過時間(T2時間)を基準にして第2クラッチ4の締結開始を判定する。そのため、この場合では、エンジン1の回転速度の低下変化量又はモータトルクの増大変化量に基づいて第2クラッチ4の締結開始を判定することが禁止される。
ここで、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行初期期間(第1閾値時間経過前)は、エンジン1への燃料噴射及び点火が行われた直後であり、エンジン1から出力される駆動力(エンジントルク)が大きく変動する(エンジントルクが不安定)期間である。そのため、エンジン回転速度やモータトルクが、このエンジントルクの大幅な変動の影響を受けることがあり、このエンジン回転速度やモータトルクを基準にしてクラッチ締結開始判定を行うと誤判定するおそれがある。
これに対し、「E-ISC制御」への移行初期期間にセレクト操作が生じたときには、エンジン回転速度の低下変化量又はモータトルクの増大変化量に基づいて第2クラッチ4の締結開始を判定することを禁止し、セレクト操作からの経過時間(T2時間)に基づいて第2クラッチ4の締結開始を判定することで、クラッチ締結開始判定の誤判定を防止することができる。
また、実施例1では「E-ISC制御」への移行初期期間を、第1閾値時間未満のとき、つまり、エンジン1の駆動力(エンジントルク)の変動量が所定幅に収束するまでの期間に設定している。
一般的に、エンジン1が始動した直後は、エンジントルクの変動が大きい、そのため、このエンジントルクの変動が大きい間を「移行初期期間」に設定することで、クラッチ締結開始判定の誤判定を適切に防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置及び制御方法にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) モータ(モータ/ジェネレータ3)及びエンジン1を含む駆動源と、
前記駆動源(モータ/ジェネレータ3及びエンジン1)から駆動輪(前輪5,5)への駆動力伝達経路に設けられ、非走行レンジ(Pレンジ、Nレンジ)が選択されているときに解放され、走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)が選択されているときに締結される摩擦締結要素(第2クラッチ4)と、
前記モータ(モータ/ジェネレータ3)の駆動力によって前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)の入力回転速度を目標回転速度に維持するモータ入力回転速度制御(M-ISC制御)と、前記エンジン1の駆動力によって前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)の入力回転速度を目標回転速度に維持するエンジン入力回転速度制御(E-ISC制御)と、を行うコントローラ(統合コントローラ14)と、を備え、
前記コントローラ(統合コントローラ14)は、前記非走行レンジ(Pレンジ、Nレンジ)から前記走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)へのセレクト操作の発生により解放状態の前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)を締結する際、該摩擦締結要素(第2クラッチ4)の締結開始を判定する締結開始判定部14aを有し、
前記締結開始判定部14aは、前記モータ入力回転速度制御(M-ISC制御)から前記エンジン入力回転速度制御(E-ISC制御)への移行中に前記セレクト操作が生じたとき、前記モータ(モータ/ジェネレータ3)の負荷(モータトルク)の増大変化量、又は、前記エンジン1の回転速度の低下変化量のいずれか一方に基づいて、前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)の締結開始を判定する移行時締結開始判定を行う構成とした。
これにより、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中に、第2クラッチ4の締結開始判定を適切に行うことができる。
(2) 前記締結開始判定部14aは、前記移行時締結開始判定の実行時、前記セレクト操作が生じた時点の値(値α)よりも前記モータ(モータ/ジェネレータ3)の負荷(モータトルク)が所定値(トルク閾値)増大したとき、又は、前記セレクト操作が生じた時点の値(値x)よりも前記エンジン1の回転速度が所定値(回転速度閾値)低下したとき、前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)が締結を開始したと判定する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、第2クラッチ4の締結開始判定を容易に行うと共に、締結開始判定の判定精度の向上を図ることができる。
(3) 前記締結開始判定部14aは、前記移行時締結開始判定の実行時、前記モータ(モータ/ジェネレータ3)の負荷(モータトルク)を前記セレクト操作が生じた時点の値(値α)よりも所定値(トルク閾値)増大させることができない場合、前記エンジン1の回転速度の低下変化量に基づいて、前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)の締結開始を判定する構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、モータトルクの増大変化量に基づいてクラッチ締結開始判定を行うことができない場合であっても、第2クラッチ4の締結開始判定を適切に行うことができる。
(4) 前記締結開始判定部14aは、前記モータ入力回転速度制御(M-ISC制御)から前記エンジン入力回転速度制御(E-ISC制御)への移行の初期期間(第1閾値時間経過前)に前記セレクト操作が生じたときは、前記エンジン1の回転速度の低下変化量に基づいて前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)の締結開始を判定することを禁止する構成とした。
これにより、(1)〜(3)のいずれかの効果に加え、クラッチ締結開始判定の誤判定を防止することができる。
(5) 前記締結開始判定部14aは、前記移行の初期期間(T1時間経過前)を、前記エンジン1の駆動力の変動量が所定幅に収束するまでの期間に設定する構成とした。
これにより、(4)の効果に加え、クラッチ締結開始判定の誤判定を適切に防止することができる。
(6) 前記締結開始判定部14aは、車両停車状態で前記非走行レンジ(Pレンジ、Nレンジ)を選択中、前記モータ入力回転速度制御(M-ISC制御)から前記エンジン入力回転速度制御(E-ISC制御)への移行中に前記セレクト操作が生じたとき、前記移行時締結開始判定を行う構成とした。
これにより、(1)〜(5)のいずれかの効果に加え、クラッチ締結開始判定の判定制度を向上することができる。
(7) モータ(モータ/ジェネレータ3)及びエンジン1を含む駆動源と、
前記駆動源(モータ/ジェネレータ3及びエンジン1)から駆動輪(前輪5,5)への駆動力伝達経路に設けられ、非走行レンジ(Pレンジ、Nレンジ)を選択中に解放し、走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)を選択中に締結する摩擦締結要素(第2クラッチ4)と、を備えたハイブリッド車両において、
前記モータ(モータ/ジェネレータ3)の駆動力によって前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)の入力回転速度を目標回転速度に維持するモータ入力回転速度制御(M-ISC制御)の実行中、前記エンジン1の駆動力によって前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)の入力回転速度を目標回転速度に維持するエンジン入力回転速度制御(E-ISC制御)への移行要求が出力されたか否かを判断し、
前記移行要求が出力されたと判断したとき、前記非走行レンジ(Pレンジ、Nレンジ)から前記走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)へのセレクト操作が生じたか否かを判断し、
前記セレクト操作が生じたと判断したとき、前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)を締結すると共に、前記モータ(モータ/ジェネレータ3)の負荷の増大変化量、又は、前記エンジン1の回転速度の低下変化量のいずれか一方に基づいて、前記摩擦締結要素(第2クラッチ4)の締結開始を判定する構成とした。
これにより、「M-ISC制御」から「E-ISC制御」への移行中に、第2クラッチ4の締結開始判定を適切に行うことができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置及び制御方法を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、FFハイブリッド車両に制御装置を適用する例を示したが、これに限らない。駆動源にエンジンとモータを含むハイブリッド車両であればよいので、FRハイブリッド車両であってもよいし、また、第1クラッチ2を備えていないハイブリッド車両であってもよい。
また、実施例1では、モータとして、発電機能を備えたモータ/ジェネレータ3とする例を示したが、これに限らない。摩擦締結要素(第2クラッチ4)の入力回転速度を目標回転速度に維持することができればよいので、力行機能のみを備えた電動モータであってもよい。
1 エンジン(駆動源)
2 第1クラッチ
3 モータ/ジェネレータ(モータ、駆動源)
4 第2クラッチ(摩擦締結要素)
5 前輪(駆動輪)
14 統合コントローラ(コントローラ)
14a 締結開始判定部

Claims (7)

  1. モータ及びエンジンを含む駆動源と、
    前記駆動源から駆動輪への駆動力伝達経路に設けられ、非走行レンジが選択されているときに解放され、走行レンジが選択されているときに締結される摩擦締結要素と、
    前記モータの駆動力によって前記摩擦締結要素の入力回転速度を目標回転速度に維持するモータ入力回転速度制御と、前記エンジンの駆動力によって前記摩擦締結要素の入力回転速度を目標回転速度に維持するエンジン入力回転速度制御と、を行うコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記非走行レンジから前記走行レンジへのセレクト操作の発生により解放状態の前記摩擦締結要素を締結する際、該摩擦締結要素の締結開始を判定する締結開始判定部を有し、
    前記締結開始判定部は、前記モータ入力回転速度制御から前記エンジン入力回転速度制御への移行中に前記セレクト操作が生じたとき、前記モータの負荷の増大変化量、又は、前記エンジンの回転速度の低下変化量のいずれか一方に基づいて、前記摩擦締結要素の締結開始を判定する移行時締結開始判定を行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記締結開始判定部は、前記移行時締結開始判定の実行時、前記セレクト操作が生じた時点の値よりも前記モータの負荷が所定値増大したとき、又は、前記セレクト操作が生じた時点の値よりも前記エンジンの回転速度が所定値低下したとき、前記摩擦締結要素が締結を開始したと判定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記締結開始判定部は、前記移行時締結開始判定の実行時、前記モータの負荷を前記セレクト操作が生じた時点の値よりも所定値増大させることができない場合、前記エンジンの回転速度の低下変化量に基づいて、前記摩擦締結要素の締結開始を判定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記締結開始判定部は、前記モータ入力回転速度制御から前記エンジン入力回転速度制御への移行の初期期間に前記セレクト操作が生じたときは、前記エンジンの回転速度の低下変化量に基づいて前記摩擦締結要素の締結開始を判定することを禁止する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項4に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記締結開始判定部は、前記移行の初期期間を、前記エンジンの駆動力の変動量が所定幅に収束するまでの期間に設定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記締結開始判定部は、車両停車状態で前記非走行レンジを選択中、前記モータ入力回転速度制御から前記エンジン入力回転速度制御への移行中に前記セレクト操作が生じたとき、前記移行時締結開始判定を行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. モータ及びエンジンを含む駆動源と、
    前記駆動源から駆動輪への駆動力伝達経路に設けられ、非走行レンジを選択中に解放し、走行レンジを選択中に締結する摩擦締結要素と、を備えたハイブリッド車両において、
    前記モータの駆動力によって前記摩擦締結要素の入力回転速度を目標回転速度に維持するモータ入力回転速度制御の実行中、前記エンジンの駆動力によって前記摩擦締結要素の入力回転速度を目標回転速度に維持するエンジン入力回転速度制御への移行要求が出力されたか否かを判断し、
    前記移行要求が出力されたと判断したとき、前記非走行レンジから前記走行レンジへのセレクト操作が生じたか否かを判断し、
    前記セレクト操作が生じたと判断したとき、前記摩擦締結要素を締結すると共に、前記モータの負荷の増大変化量、又は、前記エンジンの回転速度の低下変化量のいずれか一方に基づいて、前記摩擦締結要素の締結開始を判定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。

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