JP2018109877A - 携帯端末、携帯端末制御方法およびプログラム - Google Patents

携帯端末、携帯端末制御方法およびプログラム Download PDF

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博久 藤川
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Abstract

【課題】災害発生後、最寄りの推奨避難場所、最寄りの推奨避難場所への避難経路および緊急速報に関する情報を迅速にユーザへ提示できる携帯端末、携帯端末制御方法およびプログラムを提供する。【解決手段】動作モード切替手段1043は、緊急速報受信手段1041が緊急速報を受信すると、携帯端末100の動作モードを避難モードに切り替える。地図表示手段1042は、携帯端末100の動作モードが避難モードに切り替わると、メモリ105から取得した地図データを用いて最寄りの推奨避難場所および避難経路を表示する。通知手段1052は、緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を地図データに対応する地図に重ねて表示する。【選択図】図1

Description

本発明は、携帯端末、携帯端末制御方法およびプログラムに関する。
東日本大震災、熊本地震などの大規模災害が発生し、今後も首都直下地震や南海トラフを震源とした大震災又は噴火、津波、若しくは集中豪雨等の災害が予想される。そのため、そのような災害発生時に如何に多数の人命を救うかが大きな課題となっている。こうした要請に対して、例えばインターネット上において、ユーザに緊急避難場所を提示するいわゆる避難所マップを提示するサービスを提供するサイトが開設されている(非特許文献1参照)。
「避難所マップ」、[online]、2016年、ヤフー株式会社、[2016年7月26日検索]、インターネット<URL:http://crisis.yahoo.co.jp/shelter/map/>
ユーザは、非特許文献1に示すサービスを利用しようとする場合、サービスを利用するためのアプリケーションの起動、最寄りの避難場所の検索、最寄りの避難場所への避難経路を表示させる操作といった幾つかの煩雑な操作を行う必要がある。しかしながら、災害発生時にユーザが精神的にパニックに陥った状態で、ユーザがこれらの操作を迅速に行うことは容易ではなく、ユーザが最寄りの避難場所を把握するのに時間を要してしまう。また、ユーザは、緊急速報を受信した場合に、緊急速報に関する情報(例えば緊急速報を受信した時点における現在位置の安全性に関する情報)を把握できない。従って、ユーザは、緊急速報に関する重要な情報を把握できずに、適切に避難場所へ避難できず、被害を受けてしまう虞がある。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、災害発生後、最寄りの推奨避難場所および緊急速報に関する情報を迅速にユーザへ提示できる携帯端末、携帯端末制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点にかかる携帯端末は、
地図データを記憶する記憶手段と、
緊急速報を受信する緊急速報受信手段と、
前記緊急速報受信手段が前記緊急速報を受信すると、自己の動作モードを、自己の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるモード切替手段と、
現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位する測位手段と、
前記最寄りの推奨避難場所を特定する推奨避難場所特定手段と、
前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記記憶手段から前記地図データを取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示する地図表示手段と、
前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前記地図データに対応する地図に重ねて表示する通知手段と、を備える。
また、本発明の第2の観点にかかる携帯端末制御方法は、
地図データを記憶するステップと、
緊急速報を受信するステップと、
前記緊急速報を受信すると、携帯端末の動作モードを、前記携帯端末の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるステップと、
現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位するステップと、
前記最寄りの推奨避難場所を特定するステップと、
前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記地図データを取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示するステップと、
前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前記地図データに対応する地図に重ねて表示するステップと、を含む。
さらに、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
コンピュータを、
地図データを記憶する記憶手段、
緊急速報を受信する緊急速報受信手段、
前記緊急速報受信手段が前記緊急速報を受信すると、携帯端末の動作モードを、前記携帯端末の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるモード切替手段、
現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位する測位手段、
前記最寄りの推奨避難場所を特定する推奨避難場所特定手段、
前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記記憶手段から前記地図データを取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示する地図表示手段、
前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前記地図データに対応する地図に重ねて表示する通知手段、として機能させる。
さらに、本発明の第4の観点にかかるプログラムは、
コンピュータを、
地図データを記憶する記憶手段、
緊急速報を受信する緊急速報受信手段、
前記緊急速報受信手段が前記緊急速報を受信すると、携帯端末の動作モードを、前記携帯端末の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるモード切替手段、
現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位する測位手段、
前記現在位置の安全性を判定する安全性判定手段、
前記最寄りの推奨避難場所を特定する推奨避難場所特定手段、
前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記記憶手段から前記地図データを取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示する地図表示手段、
前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、前記安全性判定手段による判定結果に基づいて、生成した前記通知情報を、前記現在位置を中心とした円形のシェーディング領域とともに前記地図データに対応する地図に重ねて表示する通知手段、として機能させる。
本発明によれば、モード切替手段が、緊急速報受信手段が緊急速報を受信すると、自己の動作モードを、自己の現在位置から最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替える。そして、地図表示手段が、自己の動作モードが避難モードに切り替わると、地図データを用いて最寄りの推奨避難場所を表示するとともに、通知手段が、緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成して地図データに対応する地図に重ねて表示する。これにより、ユーザは、携帯端末が緊急速報を受信した後、携帯端末に対して最寄りの推奨避難場所を検索するための操作を行わなくても携帯端末に最寄りの推奨避難場所と緊急速報に関する通知情報とが表示される。従って、災害発生後、最寄りの推奨避難場所およびユーザに通知すべき通知情報が迅速にユーザへ提示される。さらに、シェーディング領域を表示することにより、位置情報に関する誤差をユーザに認識し易い形で提供することが出来る。
本発明の実施の形態にかかる携帯端末の構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る制御部が実行する携帯端末制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態に係る制御部が実行する携帯端末制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態に係る表示部に表示される画面の一例を示す図である。 実施の形態に係る制御部が実行する地図データ更新処理の一例を示すフローチャートである。
本発明に係る実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施の形態および図面によって限定されるものではない。
図1に示すように、本実施の形態に係る携帯端末100は、スマートフォン(基地局との間で3G、4G、LTE等の通信プロトコルによるディジタル通信可能な携帯電話)よりなり通信回路102とGPS機能部103と制御部104とメモリ(記憶手段)105と電源制御部106と表示部107と操作部108と音声入出力部109と各部を接続するバス101とを備える。バス101は、制御バスおよびデータバスを有する。各部間のデータの伝送は、バス101を介して実行される。通信回路102は、携帯端末100内のアンテナ(図示せず)を介して、携帯電話事業者の基地局とのデータ送受信を実行する。通信回路102は、遠隔地から基地局を介して取得したデータを、バス101を介して制御部104へ出力したり、制御部104からバス101を介して取得したデータを、基地局を介して遠隔地へ送信したりする。
GPS機能部103は、GPS衛星から携帯端末100内のアンテナを介して受信した信号を処理することにより、地上における携帯端末100の位置を示す座標を算出する。携帯端末100は、このGPS機能部103を備えることにより、携帯端末100の現在位置を検出する現在位置検出機能を発揮する。
メモリ105は、オペレーティングシステム、地図アプリケーション(以下「アプリ」という。)、避難モードアプリのようなプログラム、並びに電子メール、アドレス帳およびユーザ情報等の携帯端末で利用する可能性のあるデータを記憶する。また、メモリ105は、地図データを記憶する。
地図データは、地上に配置された道路、歩道、通路などの基本地図データと、基本地図データが示す地図上に表示されるレストラン、商業施設、駅、ビルディング、官公庁、観光地等に関する付属情報と、の双方を含む一般的地図データから構成される。つまり、一般的地図データは、一般的商業施設等を特定するための情報を含んでいる。この一般的地図データの構造は、基本地図データを構成する基本道路データ、詳細道路データ等と、付属情報である建物データ、文字データ、形状データ、背景データ等と、から構成されるレイヤ構造となっている。そして、制御部104は、これらのデータを合成したデータを表示部107に表示させる。また、付属情報には、住所コード、街区符号、番地、住居番号、名称等を示す基本属性情報を含んでいる。
また、地図データは、推奨避難場所の位置情報とその属性情報とを含んでいる。この推奨避難場所には、緊急避難場所として指定されている場所のみならず、緊急避難場所として指定されていない建物や場所等も含まれる。推奨避難場所には、例えば建築基準法に基づく新耐震基準(1981年6月1日 建築基準法施行令改正)を満たしている建物や2000年(平成12年)6月1日の建築基準法及び同施工令改正に依拠して建てられた建物、「既存建築物耐震診断・改修等推進全国ネットワーク委員会」(略称「全国耐震ネットワーク委員会」)の基準適合認定建築物に係るプレートが交付されている建物、東京都耐震マークが付与された建物等が含まれる。また、推奨避難場所には、一般的地図データの作成者による独自の調査または検証により防災上の安全性が高い建物や場所も含まれる。但し、推奨避難場所としては、単に緊急避難場所のみを含むもの、緊急避難場所の一部を含むもの、又は緊急避難場所の一部と追加の建物若しくは地域が追加されたものなどの組み合わせであってもよい。例えば、推奨避難場所としては、新耐震基準を満たす全ての建物を含めてもよい。
属性情報は、例えば、推奨避難場所が建物であるか公園や空き地等の土地であるか、或いは建物が耐えうる地震の震度、推奨避難場所の高さ、推奨避難場所の海岸線や河川からの距離等に関する情報である。
地図アプリは、推奨避難場所を表示し、かつ現在位置と目的地に至る経路を表示するためのものである。目的地は、ユーザが操作部108を介して目的地の名称や属性(例えば駅、郵便局、推奨避難場所等)を入力することにより選択される。但し、目的地に関する所定の条件が事前に設定されている場合、携帯端末100は、ユーザによる操作部108を介した目的地の名称等の入力がない場合でも、現在位置から目的地への経路を表示することが出来る。
避難モードアプリは、緊急速報を受信した際に、携帯端末100の動作モードを避難モードに切り替える。この避難モードとは、携帯端末100の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所と携帯端末100の現在位置から最寄りの推奨避難場所への避難経路とを表示する動作モードである。ここで、「最寄りの推奨避難場所」とは、必ずしも携帯端末100の現在位置からの直線距離が最も短い推奨避難場所を意味するのではなく、携帯端末100の現在位置からの到達経路の長さが最も短い推奨避難場所を意味する。また「最寄りの推奨避難場所」は、1つの推奨避難場所に限られるものではなく複数の推奨避難場所であってもよい。そして、携帯端末100の動作モードが避難モードに切り替わると、地図アプリが起動し、地図アプリが、携帯端末100の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所と、携帯端末100の現在位置から推奨避難場所までの避難経路と、を表示する。なお、緊急モードにおける地図上の表示項目については、最寄りの推奨避難場所のみとし、ユーザによる推奨避難場所アイコンの指定(タッチパネル上の指による押圧等)を待って避難経路を表示するように設定することも出来る。
ここで、緊急速報とは、気象庁等が配信する「緊急地震速報」や「大津波警報」、「津波警報」、「特別警報」、或いは、国・地方公共団体が配信する「災害・避難情報」等を含む。緊急速報は、これらの緊急速報が通知する情報の種類を識別する速報種類情報も含んでいる。また、緊急速報は、例えば災害が発生した位置(緯度・経度)と災害の規模に関する情報も含む。例えば地震の発生を通知する緊急速報には、地震が発生した位置と地震のエネルギ・マグニチュードと震源の深さとを示す情報が含まれている。
緊急速報は、携帯電話事業者の基地局からその携帯電話事業者により選択された対象エリアにいるユーザの携帯端末へブロードキャスト(同報)配信される。避難モードアプリは、携帯端末100の電源をオンした時点で自動的に起動する。また、避難モードアプリは、受信する緊急速報に含まれる災害の種類と程度に応じて、携帯端末100の動作モードを避難モードに切り替えるか否かの選択を実行する。例えば、前述のように、津波警報の場合、大津波警報と津波警報との2種類がある。ここで、避難モードアプリは、大津波警報を通知する緊急速報を受信すると、携帯端末100の動作モードを避難モードに切り替えるが、津波警報を通知する緊急速報を受信した場合、携帯端末100の動作モードを切り替えない。
制御部104は、マイクロプロセッサを含んで構成されている。制御部104は、メモリ105が記憶するプログラムを読み込んで実行することにより、緊急速報受信手段1041、地図表示手段1042、動作モード切替手段1043、測位手段1044、属性特定手段1045、推奨避難場所特定手段1046、避難経路特定手段1047、危険範囲特定手段1048、地図更新手段1049、設定手段1050、安全性判定手段1051、通知手段1052、として機能する。緊急速報受信手段1041は、通信回路102を介して緊急速報を受信する。
動作モード切替手段1043は、緊急速報受信手段1041が緊急速報を受信すると、携帯端末100の動作モードを、避難モードに切り替える。ここで、動作モード切替手段1043は、緊急速報に含まれる速報種類情報に応じて、携帯端末100の動作モードを避難モードに切り替える。設定手段1050は、動作モード切替手段1043が携帯端末100の動作モードを避難モードに切り替えるか否かの設定をする。
地図表示手段1042は、携帯端末100の動作モードが避難モードに切り替わると、メモリ105から地図データを取得し、取得した地図データを用いて、携帯端末100の現在位置、最寄りの推奨避難場所および避難経路を表示部107に表示する。なお、地図表示手段1042は、後述するように、携帯端末100の現在位置を、地図が視認出来る程度に彩度または明度を落とした円形のシェーディング領域として表示する。また、携帯端末100の動作モードが平常モードの場合、ユーザが操作部108に対して表示部107に地図を表示させるための操作を行うと、地図表示手段1042は、メモリ105から地図データを取得して表示部107に地図を表示させる。
測位手段1044は、GPS機能部103に携帯端末100の現在位置を示す座標を算出させ、GPS機能部103が算出した座標を取得する。
安全性判定手段1051は、受信した緊急速報の内容を解読するとともに、メモリ105が記憶する地図データを取得し、緊急速報の内容と地図データに含まれる情報とに基づいて携帯端末100の現在位置の安全性を判定する。ここにおいて、安全性判定手段1051は、地図データを参照して、緊急速報に含まれる災害の種類や規模等を示す情報に基づいて、携帯端末100の現在位置が安全であるか危険であるかを判定する。もっとも、この安全性は相対的なものであり、絶対的なものではない。すなわち、一定の条件を満たしているか否かに基づいて、比較的安全であるか否かをユーザの参考に供するものであり、必ずしもその基準を満たしているからと言って、その場所が絶対的に安全であると判断することは出来ない。
通知手段1052は、安全性判定手段1051による判定結果に基づいて、ユーザに表示部107を介して通知する通知情報を生成しメモリ105に記憶させる。そして、通知手段1052は、メモリ105に記憶させた通知情報を取得して通知情報を表示部107に表示させる。ここで、通知手段1052は、緊急速報を受信した後、可及的速やかに、通知情報301を、表示部107に表示されている地図に重ねて表示した後、予め設定された期間だけ経過した後、通知情報の表示を解除する。また、別の態様によれば、携帯端末100の動作モードが平常モードである場合、予め設定された待機時間だけ経過した後、通知情報を表示部107に表示されている文字情報やアイコンに重ねて表示する。一方、通知手段1052は、緊急速報を受信した後、携帯端末100の動作モードが避難モードに切り替わっている場合、通知情報301を、表示部107に表示されている地図に重ねて表示した後、予め設定された期間だけ経過した後、通知情報の表示を解除するよう構成されている。
属性特定手段1045は、緊急速報に応じた、推奨避難場所が具備すべき属性要件を特定する。
推奨避難場所特定手段1046は、携帯端末100の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置し、属性特定手段1045が特定した属性要件を満たす推奨避難場所を特定する。
避難経路特定手段1047は、携帯端末100の現在位置から、推奨避難場所特定手段1046が特定した推奨避難場所への避難経路を特定する。
危険範囲特定手段1048は、緊急速報に含まれる情報に基づいて、災害による危険が及びうる範囲である危険範囲を特定する。たとえば、緊急地震速報(警報・予報)の場合には、震源地の深度及びマグニチュードに基いて、地表面における深度を予想することができるので、その大きさが所定のもの(例えば、深度3、4、5弱 )以上の範囲を危険範囲として特定する。なお、簡易的には予想される最大震度が発生する地点、または最大震度が観測された観測点から一定の距離(例えば150Km)を危険範囲として、ユーザに伝達することもある。
地図更新手段1049は、定期的に、通信回路102を介してネットワークに接続し、外部の地図サーバから最新の一般的地図データおよび避難地図データを取得する。なお、地図情報自体に大きな変更がない場合には、単に新設された避難関連施設の情報および廃止された避難関連施設の情報のみの差分情報を受け取り、携帯端末100内でそれらの情報を既存の地図データと統合するように構成することもできる。
電源制御部106は、制御部104の指示に従って、通常動作と通常よりも電力消耗を低減した節電動作との切り替えを行う役割を果たす。電源制御部106が節電動作に切り替えると、例えば通信回路102における通信機能の一時的遮断や表示部107の明度低減、制御部104の動作速度(クロックスピード)の低減が実行され、携帯端末100での電力消費が抑えられる。
表示部107は、通常、多数の微小な発光点と、多数の発光点それぞれに接続された半導体スイッチ群と、フィルタと、から構成されたドットマトリクスである。この種の表示部107は、通常、液晶又はOLED(Organic Light Emitting Diode)から構成されている。表示部107は、半導体スイッチ群により発光点が部分的にオン・オフすることにより、表面から見られる画像が変化する。本件発明にかかる一般的地図データまたは避難用地図データは、この表示部107に表示されることになる。
操作部108は、携帯端末100に対するユーザからの操作を受け入れるスイッチ群よりなり、通常、感圧センサや押しボタンから構成されている。ここで、ユーザが操作部108を操作して表示部107に表示された複数アプリのアイコンの一つを選択する操作を行うと、制御部104が、選択されたアイコンに対応するアプリを起動する。そして、制御部104は、そのアプリが起動した状態で、ユーザが操作部108に対して所定の操作を行うと、起動したアプリに対応する所定のプログラムを実行する。
音声入出力部109は、マイクとスピーカとを有し、音声の入出力を行う。
なお、図1は携帯端末内の主要機能をブロック図として表示したものであり、制御部104、メモリ105等の構成要素が、複数のLSIまたはICチップに分散配置されていることもあり、各構成要素が物理的に分離していることは必ずしも必要とするものではない。従って、例えば通信回路102とGPS機能部103とが一体化しており、電源制御部106が、制御部104の一部となっていてもよい。なお、市販されているデジタイザは、表示部の上に感圧センサを配置し、表示部107と操作部108の機能が一体化されたものになっている。さらに、各要素が、各別に制御部及びメモリを一体化した半導体製品から構成されているものも一般的に市販されている。
携帯端末100が避難モードへの動作遷移を可能とするか否かの設定は、携帯端末100の初期設定において行うことができる。また、この設定は、避難モードアプリ内での設定操作及び避難モードアプリ動作時に携帯端末100に対して避難モードでの動作を解除するための解除操作を行うことにより行うことも出来るので、その場合にはこの設定に応じて動作モードを最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードへ切り替えられるか否かが決定される。
この手動による避難モードの停止は、表示された緊急速報の内容によってすぐに避難をする必要が有る場合とない場合もあるので、その判断をユーザが選択することを可能としている。例えば、大震災の緊急速報に関して、ユーザが耐震設計に基づく安全な高層ビル内の上層階にいるような場合には、地震や津波などが発生した際には、むしろ即座に避難場所に向かうよりも、その場にとどまるほうが好ましい場合も有り得るからである。
次に、本実施の形態に係る携帯端末100の制御部104が実行する携帯端末制御処理について、図2乃至図4を参照しながら説明する。この携帯端末制御処理は、携帯端末100へ電源が投入されたことを契機として開始される。また、図2および図3に示すフローチャートに示す各ステップは、制御部104が、メモリ105が記憶する携帯端末制御処理用のプログラムを読み込んで実行することにより逐次処理される。まず、緊急速報受信手段1041は、緊急速報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。
緊急速報受信手段1041により緊急速報を受信していないと判定されると(ステップS101:No)、携帯端末100は、平常時処理を続行する(ステップS102)。このとき、携帯端末100は、ユーザの操作に応じて、適宜通話、通信、各種アプリの起動等を実行する。その後、再びステップS101の処理が実行される。
一方、緊急速報受信手段1041が、緊急速報を受信したと判定すると(ステップS101:Yes)、安全性判定手段1051は、受信した緊急速報の内容を解読する(ステップS103)。この緊急速報は、それ自体ではユーザが内容を判別できない特定のコードから構成されたり、人に読まれることを意図した災害の種類を表示するテキストメッセージ、電子メール等から構成されたりする。ここでは、安全性判定手段1051は、緊急速報に含まれる災害の種類や規模等を示す情報を解読し、解読して得られた情報をメモリ105に記憶させる。
次に、安全性判定手段1051は、メモリ105が記憶する地図データを取得する(ステップS104)。
次に、動作モード切替手段1043は、設定手段1050により緊急速報受信時に携帯端末100の動作モードを平常モードから避難モードに切り替える設定がなされているか否かを判定する(ステップS105)。動作モード切替手段1043により緊急速報受信時に携帯端末100の動作モードを避難モードに切り替える設定がなされていると判定されると(ステップS105:Yes)、後述のステップS114の処理が実行される。
一方、動作モード切替手段1043が、緊急速報を受信しても携帯端末100の動作モードを平常モードで維持する設定がなされていると判定したとする(ステップS105:No)。この場合、測位手段1044は、GPS機能部103に携帯端末100の現在位置を示す座標を算出させ、GPS機能部103が算出した座標、即ち、携帯端末100の現在位置を取得する(ステップS106)。もっとも、GPS機能部103が常時又は定期的に携帯端末100の現在位置を示す座標をメモリ105内のキャッシュメモリ領域に記憶させている場合、測位手段1044は、キャッシュメモリが既に記憶している携帯端末100の現在位置の座標を取得してもよい。
続いて、安全性判定手段1051は、携帯端末100の現在位置の安全性を判定する(ステップS107)。ここでは、安全性判定手段1051は、地図データを参照して、緊急速報に含まれる災害の種類や規模等を示す情報に基づいて、携帯端末100の現在位置が安全であるか危険であるかを判定する。例えば、緊急速報が津波警報を通知するものであるとする。この場合、安全性判定手段1051は、携帯端末100の現在位置が高台(例えば海岸線及び河川から2km以上離れた50m以上の高台)である場合、現在位置は安全であると判定する。また、緊急警報が震度4の地震警報を通知するものであるとする。この場合、安全性判定手段1051は、携帯端末100の現在位置の周囲に存在する建物が震度6以上の地震に耐えられる耐震構造を有するものである場合、現在位置は安全であると判定する。
その後、通知手段1052は、安全性判定手段1051による判定結果に基づいて、ユーザに表示部107を介して通知する通知情報を生成しメモリ105に記憶させる(ステップS108)。ここにおいて、例えば緊急警報が震度4の地震警報を通知するものであるとする。そして、安全性判定手段1051が、携帯端末100の現在位置の周囲に存在する建物が震度6以上の地震に耐えられる耐震構造を有し携帯端末100の現在位置が安全であると判定したとする。この場合、通知手段1052は、例えば「その周辺にある○○ビルは震度6以上に耐える構造なので比較的安全です。」といったメッセージを示す通知情報を生成してメモリ105に記憶させる。
ところで、通常、GPS機能部103に基づいて特定された携帯端末100の現在位置は、ある程度の誤差を許容せざるを得ない。これは、大気の影響等により電波が伝播する際に生じる遅延量の変化、GPS衛星の位置を示す位置情報の誤差、GPS衛星に搭載された原子時計のズレ、ビルや周辺の建造物等による衛星から送信される電波の反射に依る。したがって、携帯端末100の現在位置として検出された場所が、必ずしも携帯端末100の正確な現在位置とは限らない。
従って、携帯端末100の現在位置が「その周辺ある○○ビル」と表示された場合、実際には携帯端末100が、そのビルの中に位置する場合もあるしそのビルの外に位置する場合もある。そうすると、携帯端末100を所持するユーザは、実際に自分がどのビルに居るのかがわかりにくい場合もあり得る。
そのため、携帯端末100が避難モードで動作している場合、GPS機能部103により検出された携帯端末100の現在位置は、点ではなく携帯端末100の実際の現在位置を含む円で表示されたほうが好ましい。これにより、携帯端末100を所持するユーザは、自身の現在位置がどのビル内であるかを把握し易くなる。
この場合、現在位置を示す円は、GPS機能部103により検出した携帯端末100の現在位置から所定の半径(例えば25mまたは50m)を有するものとして表示されてもよい。この円の内側は、例えば、表示される地図の明度または彩度を落としたいわゆる透かし状態で表示されたり、または特定の薄い色(例えばピンク色や水色)にて表示されたりする(以下「シェーディング領域」という。)。
このシェーディング領域は、 安全性判定手段1051による判定結果に基づいて、生成した通知情報とともに表示するように構成されている。また、シェーディング領域は、GPS機能部103がその機能を十分に発揮できない不安定な状態でも表示されるように構成されている。このGPS機能部103が不安定な状態とは、例えば、携帯端末100の加速度センサ(図示せず)による検出結果に基づいて算出される携帯端末100の現在位置には大きな変化が無いにも関わらず、GPS機能部103が受信したGPS信号に基づいて算出される携帯端末100の現在位置が大きく変動している場合が該当する。
すなわち、携帯端末100が静止しているときに、加速度センサによる検出結果に基づいて算出される携帯端末100の現在位置のズレ量がせいぜい数センチメートルであるのに対して、GPS信号に基づいて算出される携帯端末100の現在位置のズレ量が数メートルになるような場合である。同様に、携帯端末100を所持するユーザが歩行移動しているときに、加速度センサによる検出結果に基づいて算出される携帯端末100の移動速度が数m/秒であるのに対して、GPS信号に基づいて算出される携帯端末100の移動速度が数十m/秒になるような場合に生じうる。
さらに、このシェーディング領域は、簡易化のため 地図上に現在地を表示する場合に、緊急避難情報の発生に連動すること無く常時表示することも可能である。
次に、通知手段1052は、メモリ105に記憶させた通知情報を取得し(ステップS109)、続いて、通知手段1052は、予め設定された待機時間だけ経過したか否かを判定する(ステップS110)。待機時間は、例えば1secに設定される。通知手段1052は、予め設定された待機時間を経過しない限り(ステップS110:No)、ステップS110の処理を繰り返す。
一方、通知手段1052は、予め設定された待機時間を経過したと判定すると(ステップS110:Yes)、通知情報を携帯端末100の表示部107に表示させる(ステップS111)。ここで、通知手段1052は、例えば通知情報を、表示部107に表示されている文字情報やアイコンに重ねて表示する。
続いて、通知手段1052は、通知情報を表示部107に表示後、予め設定された期間だけ経過したか否かを判定する(ステップS112)。この予め設定された期間の長さは、例えば5sec乃至10secに設定される。通知手段1052は、通知情報を表示部107に表示後、未だ予め設定された期間を経過していないと判定すると(ステップS112:No)、通知情報の表示を継続する(ステップS111)。一方、通知手段1052は、通知情報を表示部107に表示後、予め設定された期間を経過したと判定すると(ステップS112:Yes)、通知情報の表示を解除する(ステップS113)。その後、再びステップS101の処理が実行される。
また、前述のステップS105において、動作モード切替手段1043が、緊急速報受信時に携帯端末100の動作モードを避難モードに切り替える設定がなされていると判定したとする(ステップS105:Yes)。この場合、動作モード切替手段1043が、携帯端末100の動作モードを避難モードに切り替える(ステップS114)。このとき、制御部104は、ユーザにより避難モードを解除するよう指示する解除指示がなされるまで、他のアプリケーションの動作を停止する。
その後、危険範囲特定手段1048は、緊急速報に含まれる災害の種類や規模等を示す情報に基づいて、災害による危険が及びうる範囲である危険範囲を特定する(ステップS115)。
次に、測位手段1044は、GPS機能部103に携帯端末100の現在位置を示す座標を算出させ、GPS機能部103が算出した座標、即ち、携帯端末100の現在位置を示す現在位置情報を取得する(ステップS116)。
続いて、安全性判定手段1051は、前述のステップS107と同様にして、携帯端末100の現在位置の安全性を判定する(ステップS117)。その後、通知手段1052は、前述のステップS108と同様にして、安全性判定手段1051による判定結果に基づいて、ユーザに表示部107を介して通知する通知情報を生成しメモリ105に記憶させる(ステップS118)。
その後、属性特定手段1045は、緊急速報に含まれる災害の種類や規模等を示す情報に基づいて、推奨避難場所が具備すべき属性要件を特定する(ステップS119)。例えば、緊急地震速報の場合には予想される震度に対して、耐えうる構造設計がされている建物又は周囲に倒壊する建造物等が無い公園のような広い場所であることが、この警報に対する好適な推奨避難場所が具備すべき属性要件である。また、津波警報の場合には、想定される津波の高さよりも遥かに高い高さか、海岸線及び河川から遥かに遠い場所に位置する建物又は地域が、この警報に対する好適な推奨避難場所が具備すべき属性要件である。
次に、推奨避難場所特定手段1046は、図3に示すように、地図データを参照し、携帯端末100の現在位置から最寄りの場所に所在し且つ推奨避難場所として具備すべき属性要件を満たした推奨避難場所を特定する(ステップS120)。
続いて、避難経路特定手段1047は、メモリ105が記憶する地図データを参照して、最寄りの推奨避難場所への避難経路を特定する(ステップS121)。
その後、地図表示手段1042は、取得した地図データに対応する地図上に、携帯端末100の現在位置と、最寄りの推奨避難場所と、その推奨避難場所への避難経路と、危険範囲と、が示された画面を表示部107に表示させる(ステップS122)。このとき、携帯端末100の表示部107の画面107aには、地図アプリを操作するためのアイコンも同時に表示される。地図表示手段1042は、例えば図4に示すような画面107aを表示部107に表示させる。画面107aには、図4に示すように、解除アイコン304と、地図の拡大・縮小を行うサイズ調整アイコン305と、縮尺アイコン306と、が表示されている。解除アイコン304は、携帯端末100について、避難モードを解除して動作モードを通常モードへ切り替えるためのアイコンである。
また、画面107aには、複数(図4では3つ)の推奨避難場所A、B、C(501、502、503)と、携帯端末100の現在位置500と、携帯端末100の現在位置500から各推奨避難場所501、502、503への避難経路504、505、506と、が表示されている。また、画面107aには、危険範囲を示す危険範囲マーク601も表示されている。これにより、携帯端末100のユーザは、災害により危険がおよびうる範囲を視覚的に把握することが可能となる。
なお、先述のとおりGPS信号に基づいて算出される携帯端末100の現在位置の不正確さを許容するために、GPS機能部103により検出した携帯端末100の現在位置は、地図が視認出来る程度に彩度または明度を落とした半径25mの円形のシェーディング領域701として表示される。これにより、携帯端末100を所持するユーザは、その周辺状況を容易に把握することが出来る。なお、この場合、通知情報301における「その周辺にある」という部分は、「GPS情報により検出された地点から半径25m以内にある」という、より正確な表現に換えてもよい。
図3に戻って、その後、通知手段1052は、既に通知情報の表示の解除が実行されたか否かを判定する(ステップS123)。通知手段1052により既に通知情報の表示の解除が実行されたと判定されると(ステップS123:Yes)、後述のステップS128の処理が実行される。
一方、通知手段1052は、未だ通知情報の表示の解除を実行していないと判定すると(ステップS123:No)、メモリ105に記憶させた通知情報を取得し(ステップS124)、通知情報を携帯端末100の表示部107に表示させる(ステップS125)。ここで、通知手段1052は、例えば図4に示すように、通知情報301を、表示部107に表示されている地図に重ねて表示する。
次に、通知手段1052は、通知情報を表示部107に表示後、予め設定された期間だけ経過したか否かを判定する(ステップS126)。通知手段1052により通知情報を表示部107に表示後、未だ予め設定された期間を経過していないと判定されると(ステップS126:No)、後述のステップS128の処理が実行される。一方、通知手段1052は、通知情報を表示部107に表示後、予め設定された期間を経過したと判定すると(ステップS126:Yes)、通知情報の表示を解除する(ステップS127)。
その後、地図表示手段1042は、避難モード解除指令が有ったか否かを判定する(ステップS128)。この避難モード解除指令は、例えば携帯端末100のユーザが、操作部108に対して避難モードを解除するための操作を行うことにより、携帯端末100に入力される。地図表示手段1042により避難モード解除指令が有ったと判定されると(ステップS128:Yes)、再びステップS101の処理が実行される。一方、地図表示手段1042は、避難モード解除指令が無いと判定すると(ステップS128:No)、再びステップS116の処理を実行する。
次に、本実施の形態に係る携帯端末100の制御部104が実行する地図データ更新処理について図5を参照しながら詳細に説明する。この地図データ更新処理は、携帯端末100へ電源が投入されたことを契機として開始される。また、図5に示すフローチャートに示す各ステップは、制御部104が、メモリ105が記憶する地図データ更新処理用のプログラムを読み込んで実行することにより逐次処理される。この地図データ更新処理は、前述の携帯端末制御処理と並行して実行される。まず、地図更新手段1049は、メモリ105が記憶する地図データの更新時期が到来したか否かを判定する(ステップS201)。この地図データ更新時期は、例えば半日毎に設定される。地図更新手段1049は、地図データの更新時期が到来していないと判定する限り(ステップS201:No)、ステップS201の処理を繰り返し実行する。
一方、地図更新手段1049は、地図データの更新時期が到来したと判定すると(ステップS201:Yes)、携帯端末100の動作モードが避難モードであるか否かを判定する(ステップS202)。地図更新手段1049は、携帯端末100の動作モードが避難モードであると判定すると(ステップS202:Yes)、再びステップS201の処理を実行する。
一方、地図更新手段1049は、携帯端末100の動作モードが平常モードであると判定すると(ステップS202:No)、通信回路102を介してネットワークに接続し外部から新たに地図データを取得する(ステップS203)。次に、地図更新手段1049は、メモリ105に新たに取得した地図データを記憶させることによりメモリ105が記憶する地図データを更新する(ステップS204)。その後、再びステップS201の処理が実行される。
以上説明したように、本実施の形態に係る携帯端末100によれば、緊急速報受信手段1041が緊急速報を受信すると、動作モード切替手段1043が、携帯端末100の動作モードを、携帯端末100の現在位置から最寄りの推奨避難場所とそこへの避難経路とを表示する避難モードに切り替える。そして、地図表示手段1042が、携帯端末100の動作モードが避難モードに切り替わると、地図データを用いて最寄りの推奨避難場所および避難経路を表示する。また、通知手段1052が、ユーザに通知する通知情報を生成して地図データに対応する地図に重ねて表示する。これにより、ユーザは、携帯端末100が緊急速報を受信した後、携帯端末100に対して最寄りの推奨避難場所やそこへの避難経路を検索するための操作を行わなくても携帯端末100に最寄りの推奨避難場所とそこへの避難経路と通知情報とが表示される。従って、災害発生後、最寄りの推奨避難場所、最寄りの推奨避難場所への避難経路およびユーザに通知すべき通知情報が迅速にユーザへ提示される。
また、本実施の形態に係る携帯端末100は、携帯端末100の現在位置の安全性を判定する安全性判定手段1051を備える。そして、通知手段1052は、安全性判定手段1051による判定結果に基づいて、ユーザに通知する通知情報を生成する。これにより、ユーザは、現在位置の安全性について把握することができるので、安全に避難することが可能となる。
(変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限
定されるものではない。例えば、実施の形態では、地図表示手段が、一般的地図データを使用する例について説明したが、これに限らず、例えば推奨避難場所とそこへの避難経路との表示に特化した、一般的地図データよりもデータ量の少ない避難用地図データを使用する構成であってもよい。
避難用地図データは、例えば、緊急速報が送信される地域を網羅するデータであり、一般的商業施設等を特定するための情報を含んでいないものである。具体的には、避難用地図データは、基本地図データおよび推奨避難場所に関するデータのみを含む。この避難用地図データは、一般的商業施設等を特定するための情報を含まない分、一般的地図データに比べて、同一面積の領域に関する情報量は少ない。
また、推奨避難場所に関するデータは、地方公共団体等から発信される火災時の緊急避難場所に関する情報や避難用地図データの作成者の独自の実地調査により得られた情報、各推奨避難場所の属性を示す属性情報等を含んでいる。また、基本地図データは、推奨避難場所に隣接する道路を示すデータを含む。なお、基本地図データは、道路に関する詳細なデータを含まないもの(例えば白地図)であってもよい。
この場合、避難用地図データの大きさを更に減少させることができる。ただし、この場合には、正確な経路表示が出来ないために、現在位置から目的とする推奨避難場所までの距離と方向を示すことにより、簡易な移動ガイダンスが可能となる。
実施の形態では、測位手段1044が、携帯端末100の位置をGPS機能部103からの出力に基づいて行う例について説明した。但し、これに限らず、測位手段1044が、複数の基地局から受信する電波の強度から複数の基地局から携帯端末100までの相対的な距離差を求めて三角測量を利用して携帯端末100の位置を検出するものであってもよい。
また、本発明に係る携帯端末100の各種機能は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD−ROM等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する携帯端末100を構成してもよい。
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、クラウドコンピューティングにおけるサーバに通信回線の掲示版(BBS:bulletin board system)にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OSの制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行する携帯端末100として機能する。
以上、本発明の各実施の形態および変形例(なお書きに記載したものを含む。以下、同
様。)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施
の形態及び変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
本発明は、災害発生時に避難者を避難先へ誘導することによる避難支援に好適である。
100:携帯端末、101:バス、102:通信回路、103:GPS機能部、104:制御部、105:メモリ、106:電源制御部、107:表示部、107a:画面、108:操作部、109:音声入出力部、301:通知情報、304:解除アイコン、305:サイズ調整アイコン、306:縮尺アイコン、500:現在位置、501,502,503:推奨避難場所、504,505,506:避難経路、601:危険範囲マーク、701:シェーディング領域、1041:緊急速報受信手段、1042:地図表示手段、1043:動作モード切替手段、1044:測位手段、1045:属性特定手段、1046:推奨避難場所特定手段、1047:避難経路特定手段、1048:危険範囲特定手段、1049:地図更新手段、1050:設定手段、1051:安全性判定手段、1052:通知手段
本発明の第1の観点にかかる携帯端末は、
通話を可能とする音声の入出力を行う音声入出力手段を備える携帯端末であって、
地図データを記憶する記憶手段と、
緊急速報を受信する緊急速報受信手段と、
前記緊急速報受信手段が前記緊急速報を受信すると、自己の動作モードを、自己の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるモード切替手段と、
初期設定により、前記緊急速報の内容に応じた前記モード切替手段による動作モードの切替を行うか否かを設定する設定手段と、
現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位する測位手段と、
前記最寄りの推奨避難場所を特定する推奨避難場所特定手段と、
前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記記憶手段から前記地図データを取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示する地図表示手段と、
前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前記地図データに対応する地図に、当該地図の一部が見える状態でかつ当該地図が表示された画面の一部を覆うように重ねて表示する通知手段と、
前記現在位置の安全性を判定する安全性判定手段と、を備え、
前記通知手段は、前記安全性判定手段による判定結果に基づいて、ユーザに通知する前記通知情報を生成する。
また、本発明の第2の観点にかかる携帯端末制御方法は、
通話を可能とする音声の入出力を行う音声入出力手段を備える携帯端末の携帯端末制御方法であって、
地図データを記憶するステップと、
緊急速報を受信するステップと、
前記緊急速報を受信すると、前記携帯端末の動作モードを、前記携帯端末の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるステップと、
初期設定により、前記緊急速報の内容に応じた動作モードの切替を行うか否かを設定するステップと、
現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位するステップと、
前記最寄りの推奨避難場所を特定するステップと、
前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記地図データを取得し、取得した
前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示するステップと、
前記現在位置の安全性を判定するステップと、
前記現在位置の安全性の判定結果に基づいて、前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前記地図データに対応する地図に、当該地図の一部が見える状態でかつ当該地図が表示された画面の一部を覆うように重ねて表示するステップと、を含む。
さらに、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
通話を可能とする音声の入出力を行う音声入出力手段を備える携帯端末のコンピュータを、
地図データを記憶する記憶手段、
緊急速報を受信する緊急速報受信手段、
前記緊急速報受信手段が前記緊急速報を受信すると、前記携帯端末の動作モードを、前記携帯端末の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるモード切替手段、
初期設定により、前記緊急速報の内容に応じた前記モード切替手段による動作モードの切替を行うか否かを設定する設定手段、
現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位する測位手段、
前記最寄りの推奨避難場所を特定する推奨避難場所特定手段、
前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記記憶手段から前記地図データを
取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示する地図表示
手段、
前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前
記地図データに対応する地図に、当該地図の一部が見える状態でかつ当該地図が表示された画面の一部を覆うように重ねて表示する通知手段、
前記現在位置の安全性を判定する安全性判定手段、として機能させるプログラムであって、
前記通知手段は、前記安全性判定手段による判定結果に基づいて、ユーザに通知する前記通知情報を生成する。
本発明の第1の観点にかかる携帯端末は、
通話を可能とする音声の入出力を行う音声入出力手段を備える携帯端末であって、
地図データを記憶する記憶手段と、
緊急速報を受信する緊急速報受信手段と、
前記緊急速報受信手段が前記緊急速報を受信すると、自己の動作モードを、自己の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるモード切替手段と、
初期設定により、前記緊急速報の内容に応じた前記モード切替手段による動作モードの切替を行うか否かを設定する設定手段と、
現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位する測位手段と、
前記最寄りの推奨避難場所を特定する推奨避難場所特定手段と、
前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記記憶手段から前記地図データを取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示する地図表示手段と、
前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前記地図データに対応する地図に、当該地図の一部が見える状態でかつ当該地図が表示された画面の一部を覆うように重ねて表示する通知手段と、
前記緊急速報に含まれる災害の種類、規模を示す情報に基づいて、前記現在位置が安全性に関する一定の条件を満たしているか否かにより、前記現在位置が比較的安全であるか否かを判定する安全性判定手段と、を備え、
前記通知手段は、前記安全性判定手段による判定結果に基づいて、ユーザに通知する前記通知情報を生成する。
また、本発明の第2の観点にかかる携帯端末制御方法は、
通話を可能とする音声の入出力を行う音声入出力手段を備える携帯端末の携帯端末制御方法であって、
地図データを記憶するステップと、
緊急速報を受信するステップと、
前記緊急速報を受信すると、前記携帯端末の動作モードを、前記携帯端末の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるステップと、
初期設定により、前記緊急速報の内容に応じた動作モードの切替を行うか否かを設定するステップと、
現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位するステップと、
前記最寄りの推奨避難場所を特定するステップと、
前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記地図データを取得し、取得した
前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示するステップと、
前記緊急速報に含まれる災害の種類、規模を示す情報に基づいて、前記現在位置が安全性に関する一定の条件を満たしているか否かにより、前記現在位置が比較的安全であるか否かを判定するステップと、
前記現在位置の安全性の判定結果に基づいて、前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前記地図データに対応する地図に、当該地図の一部が見える状態でかつ当該地図が表示された画面の一部を覆うように重ねて表示するステップと、を含む。
さらに、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
通話を可能とする音声の入出力を行う音声入出力手段を備える携帯端末のコンピュータを、
地図データを記憶する記憶手段、
緊急速報を受信する緊急速報受信手段、
前記緊急速報受信手段が前記緊急速報を受信すると、前記携帯端末の動作モードを、前記携帯端末の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるモード切替手段、
初期設定により、前記緊急速報の内容に応じた前記モード切替手段による動作モードの切替を行うか否かを設定する設定手段、
現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位する測位手段、
前記最寄りの推奨避難場所を特定する推奨避難場所特定手段、
前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記記憶手段から前記地図データを
取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示する地図表示
手段、
前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前
記地図データに対応する地図に、当該地図の一部が見える状態でかつ当該地図が表示された画面の一部を覆うように重ねて表示する通知手段、
前記緊急速報に含まれる災害の種類、規模を示す情報に基づいて、前記現在位置が安全性に関する一定の条件を満たしているか否かにより、前記現在位置が比較的安全であるか否かを判定する安全性判定手段、として機能させるプログラムであって、
前記通知手段は、前記安全性判定手段による判定結果に基づいて、ユーザに通知する前記通知情報を生成する。

Claims (6)

  1. 地図データを記憶する記憶手段と、
    緊急速報を受信する緊急速報受信手段と、
    前記緊急速報受信手段が前記緊急速報を受信すると、自己の動作モードを、自己の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるモード切替手段と、
    現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位する測位手段と、
    前記最寄りの推奨避難場所を特定する推奨避難場所特定手段と、
    前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記記憶手段から前記地図データを取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示する地図表示手段と、
    前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前記地図データに対応する地図に重ねて表示する通知手段と、を備える、
    携帯端末。
  2. 前記現在位置の安全性を判定する安全性判定手段を更に備え、
    前記通知手段は、前記安全性判定手段による判定結果に基づいて、ユーザに通知する通知情報を生成する、
    請求項1に記載の携帯端末。
  3. 地図データを記憶するステップと、
    緊急速報を受信するステップと、
    前記緊急速報を受信すると、携帯端末の動作モードを、前記携帯端末の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるステップと、
    現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位するステップと、
    前記最寄りの推奨避難場所を特定するステップと、
    前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記地図データを取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示するステップと、
    前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前記地図データに対応する地図に重ねて表示するステップと、を含む、
    携帯端末制御方法。
  4. コンピュータを、
    地図データを記憶する記憶手段、
    緊急速報を受信する緊急速報受信手段、
    前記緊急速報受信手段が前記緊急速報を受信すると、携帯端末の動作モードを、前記携帯端末の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるモード切替手段、
    現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位する測位手段、
    前記最寄りの推奨避難場所を特定する推奨避難場所特定手段、
    前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記記憶手段から前記地図データを取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示する地図表示手段、
    前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、生成した前記通知情報を前記地図データに対応する地図に重ねて表示する通知手段、として機能させる、
    プログラム。
  5. 前記地図表示手段は、前記通知手段が前記通知情報を表示する際、前記現在位置を円形のシェーディング領域で表示する、
    請求項4に記載のプログラム。
  6. コンピュータを、
    地図データを記憶する記憶手段、
    緊急速報を受信する緊急速報受信手段、
    前記緊急速報受信手段が前記緊急速報を受信すると、携帯端末の動作モードを、前記携帯端末の現在位置から予め設定された距離の範囲内に位置する推奨避難場所である最寄りの推奨避難場所を表示する避難モードに切り替えるモード切替手段、
    現在位置検出機能を用いて前記現在位置を測位する測位手段、
    前記現在位置の安全性を判定する安全性判定手段、
    前記最寄りの推奨避難場所を特定する推奨避難場所特定手段、
    前記動作モードが前記避難モードに切り替わると、前記記憶手段から前記地図データを取得し、取得した前記地図データを用いて前記最寄りの推奨避難場所を表示する地図表示手段、
    前記緊急速報に関してユーザに通知する通知情報を生成し、前記安全性判定手段による判定結果に基づいて、生成した前記通知情報を、前記現在位置を中心とした円形のシェーディング領域とともに前記地図データに対応する地図に重ねて表示する通知手段、として機能させる、
    プログラム。
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