JP2018109493A - 熱交換用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】多孔性フィルムの親水性樹脂を塗布している面と間隔保持部材とを接着固定している接着剤の接着力の低下が抑制され、熱交換用シートと間隔保持部材との分離が抑制される熱交換用シートを提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも多孔性シートと樹脂層との積層体を備え、前記樹脂層は、吸湿率が30%以下であり、かつ、ピロリドン基を有する分子を含有するものである、熱交換用シート。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも多孔性シートと樹脂層との積層体を備え、前記樹脂層は、吸湿率が30%以下であり、かつ、ピロリドン基を有する分子を含有するものである、熱交換用シート。
【選択図】なし
Description
本発明は、熱交換用シートに関するものである。
熱交換器は、住宅・建築物の換気設備の省エネルギー部材として注目されている。熱交換器は、室内と室外からの空気流路、熱交換素子、送風機からなる。この熱交換素子内にて、室内から室外へ排気される空気(排気)の「温度」と「湿度」を、室外から室内へ供給される空気(給気)に移行させ、室内に戻す構造となっている。熱交換素子の構成は、熱交換用シートと間隔保持部材の2種類の熱交換用シートとそれらを接着固定する接着剤から形成される。その中でも熱交換用シートは、熱交換素子の温度交換効率、湿度交換効率、有効換気量率を高めるために熱伝達性、透湿性、気体遮蔽性が求められており、その性能を高める検討が行われている。
ここで、熱交換用シートとしては、親水性繊維のパルプ等を主体とする紙に無機塩などの吸湿剤を付与したもの(特許文献1参照)や、多孔性フィルムに親水性樹脂を塗布したもの(特許文献2参照)などが知られている。
熱交換器の普及に伴い、寒冷地における浴室や温水プール、自動車等に用いられる熱交換器に対する要求が強くなっている。つまり、高温多湿環境下等の結露の発生し易い環境下での使用に耐え得る熱交換器が期待されているのである。しかし、特許文献1に開示された熱交換用シートでは、紙に添着された無機塩の吸湿剤が結露水に溶け出し、熱交換用シートの透湿性が低下するなどし、熱交換器の長期耐久性が劣るという課題がある。
また、特許文献2に開示された熱交換用シートでは、特許文献1に開示された熱交換用シートに見られる上記の課題は見られない。しかし、特許文献2に開示された熱交換用シートでは、熱交換用シートに要求される気体遮蔽性と透湿性を実現するために、多孔性フィルムに親水性樹脂を塗布する必要がある。そのため、高温多湿条件下や熱交換用シート表面に結露が発生する条件下では、親水性樹脂が結露により生じた水分を多く保持することになり、多孔性フィルムの親水性樹脂を塗布している面と間隔保持部材とを接着固定している接着剤の接着力が低下し、多孔性フィルムと接着剤との界面で剥がれが生じ、熱交換用シートと間隔保持部材とが分離してしまい、熱交換用シートと間隔保持部材との分離発生箇所において給気と排気との混合が起こるという課題があることを本発明者は見出した。
そこで、本発明は、上で説明した事情に鑑み、結露が発生する環境下においても、多孔性シートの親水性樹脂を塗布している面と間隔保持部材とを接着固定している接着剤の接着力の低下が抑制され、熱交換用シートと間隔保持部材との分離が抑制されることで、分離発生箇所において給気と排気との混合を抑制することに貢献し得る熱交換用シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の熱交換用シートは以下の構成を有する。すなわち、本発明は、少なくとも多孔性シートと樹脂層との積層体を備え、前記樹脂層は、吸湿率が30%以下であり、かつ、ピロリドン基を有する分子を含有するものである、熱交換用シートである。
本発明によれば、熱交換用シートが、少なくとも多孔性シートと樹脂層との積層体を備え、前記樹脂層は、吸湿率が30%以下であり、かつ、ピロリドン基を有する分子を含有するものであるため、結露が発生する環境下においても、多孔性シートの親水性樹脂を塗布している面と間隔保持部材とを接着固定している接着剤の接着力の低下が抑制され、熱交換用シートと間隔保持部材との分離が抑制されることで、分離発生箇所において給気と排気との混合を抑制することに貢献し得る。
以下、発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の熱交換用シートは、少なくとも多孔性シートと樹脂層との積層体を備え、前記樹脂層は、吸湿率が30%以下であり、かつ、ピロリドン基を有する分子を含有するものである、熱交換用シート。
本発明の熱交換用シートは多孔性シートと樹脂層との積層体を備える。ここで、この積層体においては、多孔性シートに存在する微孔が樹脂層により閉塞されているため、この熱交換用シートの気体遮蔽性は優れたものとなる。よって、この熱交換用シートを用いた熱交換素子においては給気と排気が確実に隔離されることになる。
また、樹脂層は、ピロリドン基を有する分子を含むことで、熱交換用シートの透湿性は優れたものとなる。そのメカニズムの詳細については不明であるが、以下のとおり推測する。すなわち、上記のピロリドン基が、この樹脂層の水蒸気の取り込みが起こる面(すなわち、高湿雰囲気側の面)からの水蒸気の取り込みを促進し、この樹脂層に取り込まれた水蒸気は凝集し水分となる。そして、樹脂層の一方の面側と他方の面側との湿度の高低差により、この水分は、樹脂層を、樹脂層の水蒸気の取り込みが起こる面の反対側の面(すなわち、低湿雰囲気側の面)に向けて浸透し、樹脂層の水蒸気の取り込みが起こる面の反対側の面から拡散するためであると推測する。なお、本願においては、樹脂層の水蒸気の取り込みが起こる面の反対側の面を、樹脂層の水蒸気の拡散が起こる面と称することがある。
そして、上記のピロリドン基を有する分子の吸湿率が30%以下であることが、本発明の特徴の一つである。ここで、上記のピロリドン基を有する分子の吸湿率が30%超である場合、高温多湿の環境下や結露が発生する環境下においては、熱交換用シートが備える樹脂層が水分を多量に保持することとなり、熱交換用シートと間隔保持部材とを固定する接着剤の接着力が低下し、熱交換用シートと間隔保持部材との分離が発生し、熱交換用シートと間隔保持部材との分離発生箇所において給気と排気との混合が起こる傾向がみられる。しかし、上記のピロリドン基を有する分子の吸湿率が30%以下であることで、熱交換用シートの優れた透湿性を担保しつつ、熱交換用シートが備える樹脂層が水分を適量に保持することとなり、熱交換用シートと間隔保持部材との分離の発生を抑制することができ、このことにより熱交換用シートと間隔保持部材との分離発生箇所における給気と排気との混合が抑制される。上記の観点から、ピロリドン基を有する分子の吸湿率は、好ましくは25%以下、より好ましくは21%以下である。また、透湿性を保持する観点より吸湿率5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上である。
ここで、ピロリドン基を有し、かつ、吸湿率が30%以下の分子とは、具体的には、親水性の低い官能基および疎水性の官能基の何れか一方又は両方を有するものであることが好ましい。ここで、本発明において親水性の低い官能基や疎水性の官能基とは、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基、酢酸基、アセトアセチル基、カプロラクタム基から選ばれる少なくとも1種を有しているものである。なかでも接着強力と透湿性の双方を高めるという観点より、カプロラクタム基であることが好ましい。
また、上記の分子はピロリドン基を有するモノマー単位と親水性の低い官能基を有するモノマー単位との共重合体であることが好ましい。また、この共重合体はランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものであることが好ましく、その中でもランダム共重合体と交互共重合体とを含むものであることが好ましい。ランダム共重合体と交互共重合体とを含む共重合体はブロック共重合体やグラフト共重合体と比べ、共重合体中にピロリドン基と、親水性の低い官能基とが分散して混在することとなるため、樹脂層の一方の面から取り込まれた水分を、樹脂層の他方の面に素早く移行させることができ、さらに、この水分を樹脂層の他方の面から素早く拡散させることができ、熱交換用シートの透湿性が優れたものとなる。
さらに、上記の分子はビニルピロリドンとビニルカプロラクタムとからなる共重合体であることが特に好ましい。ここで、この共重合体は、具体的には、ビニルピロリドンおよびビニルカプロラクタムのみからなるものであってもよいし、上記の効果を大きく害しない範囲において、ビニルピロリドンおよびビニルカプロラクタム以外の成分を含有してもよい。
本発明の熱交換用シートが有する樹脂層の目付は0.1g/m2以上5.0g/m2以下であることが好ましい。樹脂層の目付が0.1g/m2以上であることで、多孔性シートの微孔を樹脂層によって確実に閉塞することができ、この樹脂層を有する熱交換用シートは気体遮蔽性に優れたものとなり、この熱交換用シートを用いた熱交換素子においては給気と排気とが確実に隔離される。上記の観点から、好ましくは0.5g/m2以上、より好ましくは0.9g/m2以上である。一方で、上記の樹脂層の目付が5.0g/m2以下であることで、この樹脂層を有する熱交換用シートの熱伝達性と透湿性がより優れたものとなる。
本発明の熱交換用シートに用いる多孔性シートは、シート状のものであって複数の微孔を有するものであれば特に限定はされないが、なかでも優れた透気性および優れた透湿性を有し、微細な貫通孔、すなわち微孔を多数有していることが好ましい。多孔性シートとしては乾式不織布、紙などの湿式不織布、多孔性フィルムなどが挙げられる。また、多孔性シートの中でも多孔性フィルムは、パルプを用いた紙等に比べ、高温多湿条件下において強度が大きく低下することが抑制されるため好ましい。
ここで、多孔性フィルムを構成する樹脂は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、フッ素系樹脂などいずれでも構わないが、耐熱性、成形性、生産コストの低減などの観点からポリオレフィン樹脂が好ましい。上記ポリオレフィン樹脂を構成する単量体成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルペンテン−1、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、5−エチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネンなどが挙げられ、これらの単独重合体や、これらの単量体成分からなる群から選ばれる少なくとも2種の共重合体、これら単独重合体や共重合体のブレンド物などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。そして、上記の単量体成分以外にも、例えば、ビニルアルコール、無水マレイン酸などを共重合しても構わない。特に多孔性フィルムにおいて、空孔率や細孔径など調整や製膜性、生産コストの低減などの観点から、上記のポリオレフィン樹脂を構成する単量体成分は、エチレンおよび/またはプロピレンを含むものであることがより好ましい。
多孔性フィルムの厚さは、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下であり、一方、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上である。多孔性フィルムの厚さを上述した上限値以下とすることで熱交換用シートの温度および湿度の交換効率を向上させることができる。また、多孔性フィルムの厚さを上述した下限値以上とすることにより、多孔性フィルムの第一の面への塗液の塗工や、その多孔性フィルムを用いた熱交換用シートを熱交換素子に成型する過程におけるコルゲート加工等の際の熱と張力に耐えうる強度を保持するものとすることができる。
多孔性フィルムを製膜する方法としては、公知の湿式法や公知の乾式法を採用することができる。
熱交換用シートの製造方法として、多孔性シートの片面又は両面に樹脂層成膜用の塗液を塗工する方法が好ましい。塗工方法としては、ロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、キスコーター、スクリーンコーター、スピンコーター等のコーティング方式が挙げられ、それらのなかでも、塗液を薄く塗工することができ、塗工速度も速いとの観点からグラビアコーターが好ましい。
塗液の塗工量は、ラインスピード、塗液の固形分濃度、および、塗液の粘度などにより調整することができる。また、グラビアコーターを用いる場合は、グラビアセルの形状、グラビアセルのセル深さ、グラビアロールの周速などでも調整することができる。
塗工装置における塗液を乾燥するための乾燥部は、ロールサポート型やフローティング型などがあり、特に、薄い多孔性フィルムをシワなく搬送させるためには、ロールサポート型が好ましい。更に、エキスパンダーロールにより幅方向に伸ばしながら搬送させ、乾燥させることが好ましい。乾燥温度は、多孔性フィルムに用いられる樹脂の融点以下で加工することが必要であり、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは60℃以下であり、乾燥温度を上記の範囲とすることにより多孔性フィルムの熱による収縮率が5%以下となるため好ましい。
前記樹脂層は、ピロリドン基を有する吸湿率30%以下の分子を含有した塗液(以下、塗液とすることがある。)を多孔性シートの表面の上に塗工することで形成される。ここで、上述するように、5.0g/m2以下の極めて薄い樹脂層を形成するためには、多孔性シート上に塗液を極めて薄く塗工する必要がある。しかし、例えば多孔性シートとして多孔性フィルムを用いる場合、多孔性フィルムは、多数の微孔を有するため、それらの微孔を起点に塗液が弾かれ、極めて薄く塗液を塗工することが困難である。そこで、多孔性フィルムの表面の上に極めて薄く塗液を塗工するためには、多孔性フィルムに対する塗液の濡れ性を調整する必要がある。また、多孔性フィルムに対する塗液の濡れ性は、多孔性フィルムと塗液の接触角で表すことができ、多孔性フィルムと塗液の接触角は、好ましくは70°以下、より好ましくは60°以下、更に好ましくは50°以下である。そうすることで、多孔性フィルムの表面に形成される層を適切なものとすることができる。一方で、多孔性フィルムと塗液の接触角は、好ましくは20°以上、より好ましくは30°以上、更に好ましくは40°以上である。そうすることで、多孔性フィルムに対する塗液の濡れ性を高め過ぎが抑制され、塗液が多孔性フィルムの微孔を通り抜け多孔性フィルムの表面の反対側の面から抜けてしまい、多孔性フィルムの微孔を確実に閉塞することが困難になり、気体遮蔽性に劣る熱交換用シートとなることを抑制でき、更には、多孔性フィルムの第一の面の反対側に抜けた塗液によるブロッキングが発生することも抑制できる。
多孔性フィルムに対する塗液の濡れ性は、多孔性フィルムの表面にコロナ処理やプラズマ処理などを施すことによる多孔性フィルムの表面の改質や、塗液に用いる溶媒の選定、塗液への界面活性剤の添加の有無、塗液に添加する界面活性剤の選定、塗液の固形分濃度、塗液の粘度により好適な範囲に調整することができる。また、塗液に用いる溶媒としては、水や有機溶剤(アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類または炭化水素類など)などを挙げることができ、塗液に添加することができる界面活性剤としては、アニオン界面活性剤(硫酸エステル型、リン酸エステル型、ガルボン酸型、スルホン酸型)、両性界面活性剤、非イオン界面活性材または高分子型界面活性剤などを挙げることができる。溶媒に有機溶剤を用いる場合には、融点が低く、相対蒸発速度が高いものを選定することで上記の濡れ性を好適なものとすることができることに加えて、塗工のラインスピードを早くすることができ、熱交換用シートの生産性を優れたものとすることができるため好ましい。融点が低く、相対蒸発速度が高い有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルアセテートエチルアセテート、イソプロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサンなどが挙げられる。ここで、ピロリドン基を有する吸湿率30%以下の分子が酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体である場合には、その塗液に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよび、それらと水との混合物が好ましい。
また、塗液の粘度は、好ましくは50cP以上とすることで、塗液が多孔性フィルムの微孔を通り抜け多孔性フィルムの表面の反対側の面から抜けてしまうことを抑制することができる。上記の観点から、より好ましくは100cP以上、更に好ましく150cP以上である。一方、塗液の粘度は、好ましくは300cP以下、より好ましくは250cP以下、更に好ましくは200cP以下である。そうすることにより、例えばグラビアロールによる塗液の塗工において、塗工面にセルの型が残らず、多孔性フィルムの微孔を確実に閉塞することが可能となる。塗液の粘度は、樹脂の重量平均分子量と、塗液の固形分濃度にて好適な範囲に調整することができる。
次に、本発明の熱交換用シートについて実施例を挙げて詳細に説明する。
[測定方法]
(1)吸湿率
200mm角の熱交換用シートの試験片を20枚と、300ml容量のガラス容器を用意した。まず、ガラス容器を温度100℃の雰囲気に1時間放置し、その後に、ガラス容器の初期重量T1(g)を測定した。次いで、ガラス容器に200mlの溶媒(特級エタノール)を充填させ、10枚の試験片を5分間含浸させた後、試験片を取除いた。次いで、残る10枚の試験片を溶媒に5分間含浸させた後、試験片を取除いた。次いで、溶媒が充填されたガラス容器を温度100℃の雰囲気に24時間放置し、溶媒を全て揮発させ、ガラス容器の重量T2(g)を測定した。次いで、ガラス容器を温度23℃、湿度65%RHの雰囲気中にて24hr静置し重量T3(g)を測定し、下記式より試験片の樹脂層の吸湿率(%)を計算した。
吸湿率(%)=((T3−T1)−(T2−T1))/(T2−T1)×100 。
(1)吸湿率
200mm角の熱交換用シートの試験片を20枚と、300ml容量のガラス容器を用意した。まず、ガラス容器を温度100℃の雰囲気に1時間放置し、その後に、ガラス容器の初期重量T1(g)を測定した。次いで、ガラス容器に200mlの溶媒(特級エタノール)を充填させ、10枚の試験片を5分間含浸させた後、試験片を取除いた。次いで、残る10枚の試験片を溶媒に5分間含浸させた後、試験片を取除いた。次いで、溶媒が充填されたガラス容器を温度100℃の雰囲気に24時間放置し、溶媒を全て揮発させ、ガラス容器の重量T2(g)を測定した。次いで、ガラス容器を温度23℃、湿度65%RHの雰囲気中にて24hr静置し重量T3(g)を測定し、下記式より試験片の樹脂層の吸湿率(%)を計算した。
吸湿率(%)=((T3−T1)−(T2−T1))/(T2−T1)×100 。
(2)樹脂層の目付
100mm角の熱交換用シートの試験片を5枚用意し、それらを温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中にて24hr静置し、その後に、5枚の試験片それぞれの初期質量(g)を測定した。次に、300ml容量の容器に充填された200mlの溶媒(エタノール)に5枚の試験片を含浸させ、5枚の試験片の表面及び裏面を2回ずつ拭き取った。次に、5枚の試験片を300ml容量の容器に充填された200mlの溶媒(エタノール)に2分間浸漬させ、次いで、再度、5枚の試験片を300ml容量の容器に充填された200mlの溶媒(エタノール)に2分間浸漬させた。続いて、5枚の試験片を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中にて24hr静置し、その後に、5枚の試験片それぞれの質量(g)を測定し、下記式より各試験片の樹脂層の目付(g/m2)を計算し、試験片5枚の平均値を樹脂層の目付とした。
樹脂層の目付(g/m2)=(初期質量(g)−樹脂層を除去した質量(g))/0.01(m2)。
100mm角の熱交換用シートの試験片を5枚用意し、それらを温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中にて24hr静置し、その後に、5枚の試験片それぞれの初期質量(g)を測定した。次に、300ml容量の容器に充填された200mlの溶媒(エタノール)に5枚の試験片を含浸させ、5枚の試験片の表面及び裏面を2回ずつ拭き取った。次に、5枚の試験片を300ml容量の容器に充填された200mlの溶媒(エタノール)に2分間浸漬させ、次いで、再度、5枚の試験片を300ml容量の容器に充填された200mlの溶媒(エタノール)に2分間浸漬させた。続いて、5枚の試験片を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中にて24hr静置し、その後に、5枚の試験片それぞれの質量(g)を測定し、下記式より各試験片の樹脂層の目付(g/m2)を計算し、試験片5枚の平均値を樹脂層の目付とした。
樹脂層の目付(g/m2)=(初期質量(g)−樹脂層を除去した質量(g))/0.01(m2)。
(3)多孔性シートおよび熱交換用シートの目付
JIS L1906(2000)5.2の方法により目付を測定した。試料(多孔性シートまたは熱交換用シート)の異なる箇所から100mm角の試験片を5枚採取し、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中にて24hr静置し、その後、それぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表し、5枚の平均値を目付(g/m2)とした。
JIS L1906(2000)5.2の方法により目付を測定した。試料(多孔性シートまたは熱交換用シート)の異なる箇所から100mm角の試験片を5枚採取し、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中にて24hr静置し、その後、それぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表し、5枚の平均値を目付(g/m2)とした。
(4)多孔性シートおよび熱交換用シートの厚さ
厚さは、試料の異なる箇所から200mm角の試験片を3枚採取し、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中にて24hr静置し、その後、3枚の試験片それぞれの中央と4隅の5点の厚さ(μm)を測定器(型式ID−112、(株)ミツトヨ製)を用いて1μmまで測定し、平均値を値とした。
厚さは、試料の異なる箇所から200mm角の試験片を3枚採取し、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中にて24hr静置し、その後、3枚の試験片それぞれの中央と4隅の5点の厚さ(μm)を測定器(型式ID−112、(株)ミツトヨ製)を用いて1μmまで測定し、平均値を値とした。
(5)熱交換用シートの透湿度
透湿度は、JIS Z0208(1976)透湿度(カップ法)の方法により測定した。使用したカップは、直径60mmで深さ25mmである。試験片は、直径70mmの円形のものを5枚用意した。試験片は、温度20℃、湿度65%RHで24hr放置した。次に、その試験片を、水分測定用塩化カルシウム(和光純薬工業製)の入ったカップに設置し、初期重量(T0)を測定し、温度20℃、湿度65%RHに設定した恒温恒湿槽内で1時間、2時間、3時間、4時間および5時間静置し、その際の質量(それぞれT1、T2、T3、T4、T5)を測定した。下記式により透湿度を求め、5枚の平均値を透湿度(g/m2/hr)とした。
透湿度(g/m2/hr)={[((T0−T1)/T1)+((T0−T2)/T2)+((T0−T3)/T3)+((T0−T4)/T4)+((T0−T5)/T5)]/5}×100。
透湿度は、JIS Z0208(1976)透湿度(カップ法)の方法により測定した。使用したカップは、直径60mmで深さ25mmである。試験片は、直径70mmの円形のものを5枚用意した。試験片は、温度20℃、湿度65%RHで24hr放置した。次に、その試験片を、水分測定用塩化カルシウム(和光純薬工業製)の入ったカップに設置し、初期重量(T0)を測定し、温度20℃、湿度65%RHに設定した恒温恒湿槽内で1時間、2時間、3時間、4時間および5時間静置し、その際の質量(それぞれT1、T2、T3、T4、T5)を測定した。下記式により透湿度を求め、5枚の平均値を透湿度(g/m2/hr)とした。
透湿度(g/m2/hr)={[((T0−T1)/T1)+((T0−T2)/T2)+((T0−T3)/T3)+((T0−T4)/T4)+((T0−T5)/T5)]/5}×100。
(6)熱交換用シートの二酸化炭素遮蔽率
幅0.36m、長さ0.60m、高さ0.36m(0.078m3)のボックスの開口部(20cm×20cm)に熱交換用シートの試験片(25cm×25cm)を、この開口部を閉塞するように貼り、ボックス内の二酸化炭素濃度が8,000ppmとなるように二酸化炭素注入口から二酸化炭素をボックス内に注入し、1時間後のボックス内の二酸化炭素濃度(ppm)を測定し、次式により二酸化炭素遮蔽率(%)を計算した。二酸化炭素濃度は、測定機(testo535((株)テストー))を用いて評価した。
二酸化炭素遮蔽率(%)={(1時間後のボックス内の二酸化炭素濃度−ボックス外の二酸化炭素濃度)/(ボックス内の初期二酸化炭素濃度−ボックス外の二酸化炭素濃度)}×100。
幅0.36m、長さ0.60m、高さ0.36m(0.078m3)のボックスの開口部(20cm×20cm)に熱交換用シートの試験片(25cm×25cm)を、この開口部を閉塞するように貼り、ボックス内の二酸化炭素濃度が8,000ppmとなるように二酸化炭素注入口から二酸化炭素をボックス内に注入し、1時間後のボックス内の二酸化炭素濃度(ppm)を測定し、次式により二酸化炭素遮蔽率(%)を計算した。二酸化炭素濃度は、測定機(testo535((株)テストー))を用いて評価した。
二酸化炭素遮蔽率(%)={(1時間後のボックス内の二酸化炭素濃度−ボックス外の二酸化炭素濃度)/(ボックス内の初期二酸化炭素濃度−ボックス外の二酸化炭素濃度)}×100。
(7)熱交換用シートと接着剤の剥離強力
熱交換用シートと接着剤の剥離強力は、下記の方法にて測定した。すなわち、熱交換用シートに酢酸ビニル接着剤をバーコーターで35g/m2塗布し、クラフト紙60g/m2に塩化リチウム4g/m2塗布したコルゲート形状の中芯紙を貼り付けて試料を得た。この試料から長さ150mm、幅20mmの試験片を加工長さ(MD)方向に5枚採取し、温度20℃、湿度50%RHの雰囲気中にて3hr静置し、その後、剥離速度200mm/minで、その試験片の熱交換用シートと中芯紙とを試験片の面と熱交換用シートの面との角度が90度、試験片の面と中芯紙の面との角度が90度、且つ熱交換用シートの面と中芯紙の面との角度が180度となるように熱交換用シートと中芯紙とを引っ張り、熱交換用シートと中芯紙とを剥離させ、その際の最大剥離強力を測定し、その平均値を値(N/20mm)とした。
熱交換用シートと接着剤の剥離強力は、下記の方法にて測定した。すなわち、熱交換用シートに酢酸ビニル接着剤をバーコーターで35g/m2塗布し、クラフト紙60g/m2に塩化リチウム4g/m2塗布したコルゲート形状の中芯紙を貼り付けて試料を得た。この試料から長さ150mm、幅20mmの試験片を加工長さ(MD)方向に5枚採取し、温度20℃、湿度50%RHの雰囲気中にて3hr静置し、その後、剥離速度200mm/minで、その試験片の熱交換用シートと中芯紙とを試験片の面と熱交換用シートの面との角度が90度、試験片の面と中芯紙の面との角度が90度、且つ熱交換用シートの面と中芯紙の面との角度が180度となるように熱交換用シートと中芯紙とを引っ張り、熱交換用シートと中芯紙とを剥離させ、その際の最大剥離強力を測定し、その平均値を値(N/20mm)とした。
また、同試料より、長さ150mm、幅20mmの試験片を加工長さ(MD)方向に5枚採取し、温度20℃、湿度50%RHの雰囲気中にて3hr静置し、その後、温度50℃、湿度80%RHの雰囲気中にて1hr静置した後、剥離速度200mm/minで、その試験片の熱交換用シートと中芯紙とを上記と同様にして剥離させ、その際の最大剥離強力を測定し、その平均値を値(N/20mm)とした。
(実施例1)
多孔性シートとして、目付6.7g/m2、厚さ12μm、空孔率43%、細孔径33nmのポリエチレン多孔性フィルムを用いた。物性は、透湿度101g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率2%であった。
多孔性シートとして、目付6.7g/m2、厚さ12μm、空孔率43%、細孔径33nmのポリエチレン多孔性フィルムを用いた。物性は、透湿度101g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率2%であった。
吸湿率30%以下のピロリドン基を含む高分子として、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム(5/5(モル比率))共重合体(BASF社製“Luvitec”(登録商標)VPC55)の30重量%水溶液を用意した。
樹脂層成膜用の塗液を上に示したVPC55を20.0質量%、溶媒(エタノール:水=2:1)80.0質量%混ぜ合わせ作成した。熱交換用シートの製造方法は、マイクログラビアコーターを用いて、上に示した多孔性フィルムの表面に塗液を塗工し、乾燥させることで熱交換用シートとした。
熱交換用シートは、表1に示すとおりのものであり、透湿性と気体遮蔽性に優れ、熱交換用シートと接着剤の剥離強力がある熱交換用シートであった。
(比較例1)
多孔性シートとして、実施例1に記載のポリエチレン多孔性フィルムを用いた。
また、ピロリドン基を含む高分子として、ポリビニルピロリドン(BASF社製“Luvitec”(登録商標)K85)を用意した。
多孔性シートとして、実施例1に記載のポリエチレン多孔性フィルムを用いた。
また、ピロリドン基を含む高分子として、ポリビニルピロリドン(BASF社製“Luvitec”(登録商標)K85)を用意した。
樹脂層成膜用の塗液は、K85を7.0質量%、溶媒(エタノール:水=2:1)93.0質量%を混ぜ合わせ作成した。熱交換用シートの製造方法は、マイクログラビアコーターを用いて、上に示した多孔性フィルムの表面に塗液を塗工し、乾燥させることで熱交換用シートとした。
熱交換用シートは、表1に示すとおりのものであり、透湿性と気体遮蔽性に優れるが50℃80%RH環境下の熱交換用シートと接着剤の剥離強力が劣る熱交換用シートであった。
Claims (3)
- 少なくとも多孔性シートと樹脂層との積層体を備え、
前記樹脂層は、吸湿率が30%以下であり、かつ、ピロリドン基を有する分子を含有するものである、熱交換用シート。 - 前記樹脂層はピロリドン基を有する分子およびカプロラクタム基を有する分子を含むか、ピロリドン基とカプロラクタム基とを有する分子を含むか、ピロリドン基を有する分子、カプロラクタム基を有する分子およびピロリドン基とカプロラクタム基とを有する分子を含むものである、請求項1に記載の熱交換用シート。
- 前記樹脂層はビニルピロリドンとビニルカプロラクタムからなる共重合体を含むものである、請求項1又は2に記載の熱交換用シート。
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