JP2018107854A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
Description
このような回転電機は、ステータの導体に通電を行うと、ステータに磁束が発生し、この磁束とロータコア側のマグネットとの間で磁気的な吸引力や反発力が発生する。これにより、ロータが回転する。
つまり、ロータコアの表面において、d軸側にマグネットの磁束が大きく形成されるので、ロータとしてはリラクタンストルクを有効利用できない。このため、回転電機におけるマグネットの磁束に起因するトルクとリラクタンストルクとを合算したトルク(以下、総合トルクという)を高めにくいという課題があった。
ところで、ロータコアへのマグネットの占有率が大きくなると、この分ロータコア自体が薄肉になり、ロータコアの剛性が低くなってしまう。しかしながら、外側マグネットおよび内側マグネットの径方向の最大肉厚を5mm以下に設定することにより、ロータコアの剛性の低下を抑えることができる。
(回転電機)
図1は、回転電機1の構成を示す、軸線O方向に沿う断面図である。図2は、回転電機1の一部の構成を示す、シャフト20(軸線O)に直交する断面図である。なお、図2では、回転電機1の1/12セクター、すなわち、1/12周の周角度領域分のみを示している。
ハウジング14は、例えば、エンジンケース18に取り付けられる略円板状のベース部15を有している。ベース部15の径方向中央には、後述のシャフト20が挿通可能な貫通孔15aが形成されている。ベース部15の外周縁には、このベース部15に直交するように立ち上がる略円筒状の外側周壁部16が設けられている。一方、ベース部15の貫通孔15aの周縁にも、ベース部15に直交するように立ち上がる略円筒状の内側周壁部17が設けられている。そして、外側周壁部16に外側ステータ4が固定され、内側周壁部17に内側ステータ5が固定される。
外側ステータ4は、ロータコア3の外周を取り囲むように形成された略円筒状の外側ステータコア6を有している。外側ステータコア6は、ハウジング14の外側周壁部16に内嵌固定されている。外側ステータコア6は、電磁鋼板を複数枚積層したり、軟磁性粉を加圧成形したりして形成することが可能である。
内側ステータ5も、基本的構成は上記外側ステータ4と同様である。すなわち、内側ステータ5は、ロータコア3の内周を取り囲むように形成された略円筒状の内側ステータコア10を有している。内側ステータコア10は、ハウジング14の内側周壁部17に外嵌固定されている。内側ステータコア10は、電磁鋼板を複数枚積層したり、軟磁性粉を加圧成形したりして形成することが可能である。
ロータ2は、ロータコア3の他に、ハウジング14の内側周壁部17に軸受19を介して回転自在に支持されているシャフト20と、シャフト20とロータコア3とを連結する略円環状のロータディスク21と、を備えている。ロータディスク21は、外側ステータ4および内側ステータ5を挟んでハウジング14のベース部15とは反対側に配置されている。そして、ロータディスク21の径方向中央にシャフト20が固定され、ロータディスク21の外周部に、ロータコア3の軸線O方向の一端が固定されている。
これにより、ロータディスク21を介してシャフト20とロータコア3とが一体となって回転する。また、外側ステータ4、内側ステータ5、およびロータコア3が径方向に並んで配置される。
一方、内側空洞部23は、径方向外側に向かって凸となるように湾曲形成されている。また、内側空洞部23は、長手方向両端がロータコア3の内周面3bに近接するように形成されている。そして、内側空洞部23の長手方向両端と、ロータコア3の内周面3bとの間に、それぞれ内側ブリッジ27が形成される。
次に、図3に基づいて、外側マグネット24の径方向外側の外側面24a、および径方向内側の内側面24bと、内側マグネット25の径方向外側の外側面25a、および径方向内側の内側面25bの形状の決定方法について説明する。
なお、各マグネット24,25が挿入される各空洞部22,23は、各マグネット24,25とほぼ同一の形状に形成されている。このため、各空洞部22,23の形状は、以下に説明する各マグネット24,25の形状決定方法と同様の方法に基づいて決定される(以下の実施形態についても同様)。
{(X−C)2/A2}+Y2/B2=1 ・・・(1)
を満たす楕円D1,D2上の座標位置に形成されている。
上記式(1)を満たす楕円弧(座標位置)は、各ステータ4,5によって形成される磁束のロータコア3での流れの方向にほぼ沿った形になる。以下、より詳しく説明する。
ところで、ロータ2トルクの式は、
すなわち、ロータコア3の内周面3bの半径をR1とし、ロータコア3の外周面3aの半径をR2とし、軸線Oを中心とするロータコア3上を通る任意の円弧D3の半径をRとし、内側ティース本体11aの軸線O方向に沿い、且つ径方向に直交する方向に沿う断面(例えば、図2におけるA−A線に沿う断面)の面積をS1とし、外側ティース7の軸線方向に沿い、且つ径方向に直交する方向に沿う断面(例えば、図2におけるB−B線に沿う断面)の面積をS2としたとき、任意の円弧D3の半径Rは、
R=R1+〔(R2−R1)/{1+(R2/R1)2}〕×(S1/S2)
・・・(9)
を満たすように設定され、任意の円弧D3の径方向外側に、外側マグネット24が配置される。また、任意の円弧D3の径方向内側に、内側マグネット25が配置される。
さらに、外側マグネット24および内側マグネット25の径方向の最大肉厚は、5mm以下に設定されている。
次に、回転電機1の動作について説明する。
まず、外側ステータ4に設けられている複数の外側コイルバー9に、選択的に通電を行う。また、内側ステータ5に設けられている複数の内側コイルバー13に、選択的に通電を行う。
ここで、外側マグネット24は、上記式(1)を満たす座標位置(X,Y)に形成されているので、外側ステータ4によって形成される磁束のロータコア3での流れ方向にほぼ沿っている。また、内側マグネット25も、上記式(1)を満たす座標位置(X,Y)に形成されているので、内側ステータ4によって形成される磁束のロータコア3での流れ方向にほぼ沿っている。
図4は、縦軸を総合トルクとし、横軸をロータ2の回転角度としたときの総合トルクの変化を、本第1実施形態の外側マグネット24および内側マグネット25と、外側マグネットおよび内側マグネットが平板状に形成されている場合(従来)と、を比較したグラフである。
同図に示すように、回転角度の大部分の範囲において、本第1実施形態の回転電機1の総合トルクが従来よりも大きくなることが確認できる。
ところで、ロータコア3へのマグネット24,25の占有率が大きくなると、この分ロータコア3自体が薄肉になり、ロータコア3の剛性が低くなってしまう。しかしながら、外側マグネット24および内側マグネット25の径方向の最大肉厚を5mm以下に設定することにより、ロータコア3の剛性の低下を抑えることができる。
次に、図5に基づいて、第2実施形態について説明する。
図5は、回転電機201の一部の構成を示す、シャフト20(軸線O)に直交する断面図であって、前述の図2に対応している。なお、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態、および変形例についても同様)。
より具体的には、本第2実施形態では、前述の第1実施形態で説明した式(8)を満たす任意の円弧D3の径方向外側に、2つの外側マグネット224a,224bが径方向に並んで埋設されている。
なお、上述の第2実施形態では、ロータコア203に2つの外側マグネット224A,224Bを埋設した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、図6に示すように、ロータコア203に、3つの外側マグネット224C,224D,224Eを径方向に並べて埋設してもよい。これら3つの外側マグネット224C,224D,224Eは、上記式(1)を満たす座標位置(X,Y)に形成され、且つ楕円弧中心が直線L1上に位置するように配置されている。
このように構成することで、上述の第2実施形態と比較して、さらに回転電機201の総合トルクを高めることができる。
また、上述の第2実施形態の第1変形例に加え、図7に示すように、ロータコア203に、2つの内側マグネット225A,225Bを径方向に並べて埋設してもよい。これら2つの内側マグネット225A,225Bも上記式(1)を満たす座標位置(X,Y)に形成され、且つ楕円弧中心が直線L1上に位置するように配置されている。
このように構成することで、ロータコア203の内周面203bに形成される磁束量を増大させることができる。よって、上述の第2実施形態の第1変形例と比較して、さらに回転電機201の総合トルクをさらに高めることができる。
次に、図8に基づいて、第3実施形態について説明する。
図8は、回転電機301の一部の構成を示す、シャフト20(軸線O)に直交する断面図であって、前述の図2に対応している。
前述の第1実施形態と本第3実施形態との相違点は、前述の第1実施形態のロータコア3に形成されている外側空洞部22と、本第3実施形態のロータコア303に形成されている外側空洞部322との形状が異なる点にある。
ここで、2つの外側マグネット324A,324Bは、第1実施形態における外側マグネット24を、長手方向中央を中心にして2分割したものである。すなわち、2つの外側マグネット324A,324Bの基本的構成は、外側マグネット24と同様である。
さらに、上述の実施形態では、ロータ2は、12極の磁極を有している場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ロータ2の極数、各ステータ4,5の各々スロット8,12の個数(スロット数)は、任意に設定することができる。
Claims (6)
- 軸線回りに回転可能に設けられ中空状のロータコアを有するロータと、
前記ロータコアの外周面側に配置され、通電されることにより磁界を発生する外側ステータと、
前記ロータコアの内周面側に配置され、通電されることにより磁界を発生する内側ステータと、
前記ロータコアの外周部に周方向に並んで埋設され、径方向内側に向かって凸となるように湾曲形成された複数の外側マグネットと、
前記ロータコアの内周部に周方向に並んで埋設され、径方向外側に向かって凸となるように湾曲形成された複数の内側マグネットと、
を備え、
前記外側マグネットおよび前記内側マグネットの各々径方向外側の外側面、および径方向内側の内側面は、前記軸線を通る径方向に沿う直線上の任意の点を中心点とする楕円弧状に形成されており、
且つ、前記中心点を中心とする楕円の長半径をAとし、短半径をBとし、前記中心点と前記軸線との間の距離をCとし、前記軸線を原点としたときの前記外側マグネットおよび前記内側マグネットの各々前記外側面、および前記内側面の座標位置をX,Yとしたとき、
前記外側マグネットおよび前記内側マグネットの各々前記外側面、および前記内側面は、
{(X−C)2/A2}+Y2/B2=1
を満たす楕円上の座標位置に形成されている
ことを特徴とする回転電機。 - 前記内側ステータは、周方向に並んで配置され径方向外側に向かって突出する複数の内側ティースを有し、
前記外側ステータは、周方向に並んで配置され径方向内側に向かって突出する複数の外側ティースを有し、
前記ロータコアの内周面の半径をR1とし、前記ロータコアの外周面の半径をR2とし、前記軸線を中心とする前記ロータコア上を通る任意の円弧の半径をRとし、前記内側ティースの軸線方向に沿い、且つ径方向に直交する方向に沿う断面の面積をS1とし、前記外側ティースの軸線方向に沿い、且つ径方向に直交する方向に沿う断面の面積をS2としたとき、
前記任意の円弧の半径Rは、
R=R1+〔(R2−R1)/{1+(R2/R1)2}〕×(S1/S2)
を満たすように設定され、
前記任意の円弧の径方向外側に、前記外側マグネットが配置されると共に、前記任意の円弧の径方向内側に、前記内側マグネットが配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。 - 前記外側マグネットおよび前記内側マグネットの径方向の最大肉厚は、5mm以下に設定されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。 - 前記外側マグネットは、さらに径方向に沿って複数並んで配置されており、
径方向に沿って並ぶ複数の前記外側マグネットは、各々径方向外側の外側面、および径方向内側の内側面の楕円弧中心が同一直線上に配置されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の回転電機。 - 前記内側マグネットは、さらに径方向に沿って複数並んで配置されており、
径方向に沿って並ぶ複数の前記内側マグネットは、各々径方向外側の外側面、および径方向内側の内側面の楕円弧中心が同一直線上に配置されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の回転電機。 - 前記ロータコアは、前記外側マグネットおよび前記内側マグネットの形状に対応するように形成され前記軸線方向に貫通する複数の空洞部を有し、
前記複数の空洞部に、対応する前記外側マグネットおよび前記内側マグネットが収納されており、
前記複数の空洞部のうちの少なくとも1つには、該空洞部を少なくとも2つの空間に隔てるブリッジが設けられており、
前記ブリッジが設けられた前記空洞部に収納される前記外側マグネットおよび前記内側マグネットの少なくとも一方は、前記ブリッジを避けるように分割構成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の回転電機。
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