JP2018107344A - 磁気抵抗効果デバイス - Google Patents

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英嗣 小村
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Abstract

【課題】共振器に適用可能な磁気抵抗効果デバイスを提供する。【解決手段】この磁気抵抗効果デバイスは、高周波信号が入力される第1のポートと、第1の方向において順に積層された磁化固着層とスペーサ層と磁化自由層とを含む磁気抵抗効果素子と、第1のポートと磁気抵抗効果素子の一端とを繋ぐ第1の信号線路と、磁気抵抗効果素子の他端と接続された第2の信号線路と、その第2の信号線路と接続され、磁気抵抗効果素子を第1の方向に伝播した高周波信号のうちの一部の高周波成分が出力される第2のポートとを備える。磁気抵抗効果素子は、第1の方向と実質的に直交する第2の方向において互いに対向すると共に第1の方向および第2の方向の双方と実質的に直交する第3の方向にそれぞれ伸びる第1の端面および第2の端面を有し、第1の端面における第3の方向に沿った第1の長さと、第2の端面における第3の方向に沿った第2の長さとが異なる。【選択図】図2B

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を含む磁気抵抗効果デバイスに関する。
近年、携帯電話等の移動通信端末の高機能化に伴い、無線通信の高速化が進められている。通信速度は使用する周波数の帯域幅に比例するため、通信に必要な周波数バンドは増加し、それに伴って、移動通信端末に必要な高周波フィルタの搭載数も増加している。また、近年新しい高周波用部品に応用できる可能性のある分野として研究されているのがスピントロニクスであり、その中で注目されている現象の一つが、磁気抵抗効果素子によるスピントルク共鳴現象である(非特許文献1参照)。
Nature、Vol.438、No.7066、pp.339−342、17 November 2005
磁気抵抗効果素子に対し、交流電流を流すのと同時に、磁場印加機構によって磁場を印加することで、その磁気抵抗効果素子にスピントルク共鳴を起こすことができる。その際、磁気抵抗効果素子の抵抗値は、スピントルク共鳴周波数に対応した周波数で周期的に振動する。また、磁気抵抗効果素子に印加される磁場の強さによって、その磁気抵抗効果素子のスピントルク共鳴周波数は変化する。その共鳴周波数は、例えば数〜数十GHzの高周波帯域である。このような性質を有する磁気抵抗効果素子を利用して、例えば高周波フィルタなどの共振器に適用可能な磁気抵抗効果デバイスを提供することが望ましい。
本発明の一実施の形態としての磁気抵抗効果デバイスは、高周波信号が入力される第1のポートと、第1の方向において順に積層された磁化固着層とスペーサ層と磁化自由層とを含む磁気抵抗効果素子と、第1のポートと磁気抵抗効果素子の一端とを繋ぐ第1の信号線路と、磁気抵抗効果素子の他端と接続された第2の信号線路と、その第2の信号線路と接続され、磁気抵抗効果素子を第1の方向に伝播した高周波信号のうちの一部の高周波成分が出力される第2のポートとを備える。磁気抵抗効果素子は、第1の方向と実質的に直交する第2の方向において互いに対向すると共に第1の方向および第2の方向の双方と実質的に直交する第3の方向にそれぞれ伸びる第1の端面および第2の端面を有する。ここで、第1の端面における第3の方向に沿った第1の長さと、第2の端面における前記第3の方向に沿った第2の長さとが異なる。
本発明の一実施の形態としての磁気抵抗効果デバイスでは、磁気抵抗効果素子は、第3の方向に沿って第1の長さを有する第1の端面および第3の方向に沿って第2の長さを有する第2の端面を有する。このため、高周波信号が第1の端面の近傍を第1の方向に伝播する際の抵抗値と、高周波信号が第2の端面の近傍を第1の方向に伝播する際の抵抗値とが異なる。すなわち、高周波信号が第1の端面の近傍を第1の方向に伝播する際の磁気抵抗効果素子の共振周波数と、高周波信号が第2の端面の近傍を第1の方向に伝播する際の磁気抵抗効果素子の共振周波数とが異なる。
本発明の一実施の形態としての磁気抵抗効果デバイスでは、磁気抵抗効果素子、第1の信号線路および第2の信号線路と共に閉回路を構成する直流電流入力端子をさらに備え、第1のポート、磁気抵抗効果素子および第2のポートがこの順に直列接続されていてもよい。また、本発明の一実施の形態としての磁気抵抗効果デバイスでは、第1の長さをL1とし、第2の長さをL2とするとき、下記の条件式(1)から(3)を満たすようにするとよい。
−0.4<(L1−L2)/L1<0.4 ……(1)
L1≠L2 ……(2)
L1,L2>0 ……(3)
本発明の一実施の形態としての磁気抵抗効果デバイスでは、磁気抵抗効果素子の第3の方向における長さは、第1の端面から第2の端面へ向かうにしたがい、単調減少するとよい。また、磁気抵抗効果素子に対し、第3の方向へ磁場を印加する磁場供給部をさらに備えるようにしてもよい。その磁場供給部は、磁気抵抗効果素子に対して印加する磁場の強度を変化させるものであるとよい。その場合、インピーダンス素子をさらに有するとよい。
本発明の一実施の形態としての磁気抵抗効果デバイスによれば、高周波信号が伝播する部分によって磁気抵抗効果素子の共鳴周波数が異なっている。このため、本発明の一実施の形態としての磁気抵抗効果デバイスは、単一の磁気抵抗効果素子を利用しつつ、より広い帯域に対応した共振器として振舞うことができる。
なお、本発明の効果はこれに限定されるものではなく、以下に記載のいずれの効果であってもよい。
本発明の一実施の形態としての磁気抵抗効果デバイスの全体構成を表す断面模式図である。 図1に示した磁気抵抗効果素子を拡大して表す斜視図である。 図1に示した磁気抵抗効果素子を拡大して表す平面図である。 図1に示した磁気抵抗効果デバイスの直流電流に対する周波数と減衰量との関係を表す特性図である。 図1に示した磁気抵抗効果デバイスの磁場強度に対する周波数と減衰量との関係を表す特性図である。 図1に示した磁気抵抗効果素子の作用を説明するための説明図である。 図1に示した磁気抵抗効果素子の作用を説明するための他の説明図である。 図1に示した磁気抵抗効果素子における、寸法比率と帯域との関係を表す特性図である。 図1に示した磁気抵抗効果素子の第1の変形例を表す斜視図である。 図1に示した磁気抵抗効果素子の第2の変形例を表す平面図である。 図1に示した磁気抵抗効果素子の第3の変形例を表す平面図である。 図1に示した磁気抵抗効果素子の第4の変形例を表す平面図である。 参考例としての磁気抵抗効果素子の作用を説明するための説明図である。 参考例としての磁気抵抗効果素子の作用を説明するための他の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.一実施の形態
2.実験例
3.その他の変形例
<1.一実施の形態>
[磁気抵抗効果デバイス100の構成]
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100の断面模式図である。磁気抵抗効果デバイス100は、例えば磁気抵抗効果素子1と、上部電極5と、下部電極6と、第1のポート9Aと、第2のポート9Bと、信号線路7A,7Bと、チョークコイル10と、直流電流入力端子11と、磁場供給部12と、直流電流源13とを有している。
第1のポート9A、磁気抵抗効果素子1および第2のポート9Bは、信号線路7A,7Bを介してこの順に直列接続されている。すなわち、第1のポート9Aと磁気抵抗効果素子1とが信号線路7Aにより接続され、磁気抵抗効果素子1と第2のポート9Bとが信号線路7Bにより接続されている。チョークコイル10は、接続点P2において信号線路7Bと接続された一端と、グラウンド8に接続された他端とを有する。直流電流入力端子11は、接続点P1において信号線路7Aと接続された一端と、直流電流源13と接続された他端とを含んでいる。直流電流源13は、直流電流入力端子11と接続された一端と、グラウンド8に接続された他端とを含んでいる。このように磁気抵抗効果デバイス100においては、信号線路7A、磁気抵抗効果素子1、信号線路7B、チョークコイル10、グラウンド8、直流電流源13および直流電流入力端子11を含む閉回路が形成されている。
第1のポート9Aは交流信号である高周波信号が入力される入力ポートである。第2のポート9Bは、第1のポート9Aから入力された高周波信号のうち、磁気抵抗効果素子1を通過した一部の高周波成分が出力される出力ポートである。
信号線路7Aは、第1のポート9Aと接続された一端と、上部電極5と接続された他端とを含んでいる。信号線路7Bは、第2のポート9Bと接続された一端と、下部電極6と接続された他端とを含んでいる。上部電極5と下部電極6との間には、それらと電気的に接続されるように磁気抵抗効果素子1が設けられている。また、高周波信号が第1のポート9Aから第2のポート9Bに至る際の電力比(出力電力/入力電力)のdB値である減衰量S21は、例えばネットワークアナライザなどの高周波測定器により測定することができる。
上部電極5および下部電極6は、一対の電極としての機能を有し、磁気抵抗効果素子1を構成する各層の積層方向において磁気抵抗効果素子1を挟んで配設されている。すなわち、上部電極5および下部電極6は、磁気抵抗効果素子1に対し、磁気抵抗効果素子1を構成する各層の面と交差する方向、例えば、磁気抵抗効果素子1を構成する各層の面に対して垂直をなす方向に信号電流を流すように機能する。上部電極5および下部電極6は、例えばTa(タンタル),Cu(銅),Au(金),AuCu(金銅合金)もしくはRu(ルテニウム)を主たる材料として含む単層膜、またはこれらを主たる材料として含む単層膜を2以上積層してなる積層膜により構成されることが好ましい。
磁気抵抗効果素子1は、図2Aに示したように、例えば磁化固着層2とスペーサ層3と磁化自由層4とが下部電極6の上に順に積層された積層構造を有するものである。磁気抵抗効果素子1は、積層方向と直交する上面および底面がいずれも台形状であり、例えば上面から底面に向かうに従って徐々にその平面積を拡大するように傾斜した端面を含む錐台形状をなしている。
磁化固着層2は、例えば強磁性体材料を主たる材料として含んでおり、その磁化方向が実質的に一方向に固着されている。磁化固着層2に含まれる上記強磁性体材料としては、例えばFe(鉄),Co(コバルト)もしくはNi(ニッケル)の単体、またはNiとFeとの合金、FeとCoとの合金、もしくはFeとCoとB(ボロン)との合金などの、高スピン分極率材料が好ましい。そのような高スピン分極率材料を選択することにより、磁気抵抗効果素子1における高い磁気抵抗変化率が得られるからである。
さらに、磁化固着層2を構成する強磁性材料として、例えばCo,CoCr系合金,Co多層膜,CoCrPt系合金,FePt系合金,希土類を含むSmCo系合金またはTbFeCo系合金、などを用いることもできる。これらの強磁性材料を主たる構成材料として含む磁化固着層2は、膜面法線方向に沿って固着された磁化を有することとなる。膜面法線方向に沿って固着された磁化を有する磁化固着層2を構成する強磁性材料としては、上記のもののほか、例えばCo/Pt人工格子膜,Co/Pd人工格子膜,Fe/Pd人工格子膜およびFeBなどが挙げられる。また、磁化固着層2は、ホイスラー合金を主たる材料として含むようにしてもよい。磁化固着層2の膜厚は、例えば1nm〜10nm程度とすることができる。また、磁化固着層2の磁化を安定化するために、磁化固着層2の、スペーサ層3と反対側の面と接するように反強磁性層をさらに設けるようにしてもよい。あるいは結晶構造や形状などに起因する磁気異方性を利用して磁化固着層2の磁化を安定化するようにしてもよい。そのような反強磁性層の構成材料としては、例えばFeO,CoO,NiO,CuFeS2,IrMn,FeMn,PtMn,Cr(クロム)またはMn(マンガン)などを用いることができる。
スペーサ層3は、磁化固着層2と磁化自由層4の間に配置される。磁気抵抗効果素子1では、磁化固着層2の磁化と磁化自由層4の磁化とがスペーサ層3を介して相互作用することにより磁気抵抗効果が得られる。スペーサ層3は、導電体、絶縁体、半導体によって構成される層、もしくは、絶縁体中に導体によって構成される通電点を含む層(電流狭窄層)により構成される。
スペーサ層3として適用される非磁性導電材料としては、例えばCu,Ag(銀),AuまたはRuなどが挙げられる。スペーサ層3がそのような非磁性導電材料からなる場合、磁気抵抗効果素子1は巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto-Resistive)効果を発現する。その際、スペーサ層3の膜厚は、例えば0.5nm〜3.0nm程度とするとよい。
スペーサ層3として適用される非磁性絶縁材料としては、例えばAl2 3 (アルミナ)またはMgO(酸化マグネシウム)などが挙げられる。スペーサ層3がそのような非磁性絶縁材料からなる場合、磁気抵抗効果素子1はトンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magneto-Resistive)効果を発現する。その際、磁化固着層2と磁化自由層4との間にコヒーレントトンネル効果が発現するようにスペーサ層3の膜厚が調整される。スペーサ層3の膜厚は、例えば0.5nm〜3.0nm程度とするとよい。
スペーサ層3として適用される非磁性半導体材料としては、例えばZnO,In2 3 ,SnO2 ,ITO、GaOxまたはGa2xなどが挙げられる。その場合のスペーサ層3の膜厚は、例えば1.0nm〜4.0nm程度とすることが望ましい。
スペーサ層3として適用される電流狭窄層としては、Al2 3 またはMgOなどからなる非磁性絶縁体中に、CoFe,CoFeB,CoFeSi,CoMnGe,CoMnSi,CoMnAl,Fe,Co,Au,Cu,AlまたはMgなどの導体によって構成される通電点を設けるようにした構造を有するものが好ましい。この場合、スペーサ層3の膜厚は、0.5nm〜2.0nm程度とすることが好ましい。
磁化自由層4は、外部印加磁場もしくはスピン偏極電子によって変化する磁化方向を有するものであり、強磁性材料により構成されている。磁化自由層4を構成する強磁性材料としては、例えばCoFe,CoFeB,CoFeSi,CoMnGe,CoMnSiまたはCoMnAlなどが挙げられる。これらの強磁性材料を主たる構成材料として含む場合、膜面内方向に沿って磁化容易軸を有することとなる。その場合、磁化自由層4は、例えば1nm〜10nm程度の厚さを有するとよい。
また、磁化自由層4は、ホイスラー合金により構成されていてもよい。また、磁化自由層4とスペーサ層3との間に高スピン分極率材料が挿入されていてもよい。磁化自由層4とスペーサ層3との間に高スピン分極率材料を挿入することにより、磁気抵抗効果素子1においてより高い磁気抵抗変化率を得ることができるからである。そのような高スピン分極率材料としては、CoFeまたはCoFeBなどが挙げられる。磁化自由層4は、その構成材料としてCoFeまたはCoFeBいずれを用いた場合であっても、例えば0.2nm〜1.0nm程度の厚さを有するとよい。
また、上部電極5と磁気抵抗効果素子1との間、および下部電極6と磁気抵抗効果素子1との間に、それぞれキャップ層、シード層またはバッファー層を配設してもよい。キャップ層、シード層またはバッファー層としては、Ru,Ta,CuもしくはCrなどからなる単層膜、またはそれらの単層膜が複数積層されてなる積層膜などが挙げられる。キャップ層、シード層またはバッファー層の膜厚は、いずれも1nm〜20nm程度とすることが好ましい。
磁気抵抗効果素子1は、その積層方向と直交する断面において、図2Bに示したように例えば台形状の平面形状を有する。すなわち、磁気抵抗効果素子1は、積層方向であるZ軸方向と実質的に直交するX軸方向において互いに対向すると共に、Z軸方向およびX軸方向の双方と実質的に直交するY軸方向にそれぞれ伸びる端面S1および端面S2を有している。なお、本実施の形態において、Z軸方向が本発明の「第1の方向」に対応する一具体例であり、X軸方向が本発明の「第2の方向」に対応する一具体例であり、Y軸方向が本発明の「第3の方向」に対応する一具体例である。ここで、端面S1の、Y軸方向に沿った長さL1と、端面S2におけるY軸方向に沿った長さL2とが異なっている(L1≠L2,L1>0,L2>0)。図2Bでは、長さL1が長さL2よりも大きい場合を表している。ここで、長さL1と長さL2との差分は、長さL1の40%よりも大きいことが望ましい。すなわち、磁気抵抗効果素子1は、下記の条件式(1)から(3)を満たす関係を有することが望ましい。
−0.4<(L1−L2)/L1<0.4 ……(1)
L1≠L2 ……(2)
L1,L2>0 ……(3)
図2Bでは、磁気抵抗効果素子1のY軸方向の長さLは、端面S1から端面S2へ向かうにしたがい単調減少する場合を例示している。なお、端面S1が本発明の「第1の端面」に対応する一具体例であり、端面S2が本発明の「第2の端面」に対応する一具体例である。また、長さL1が本発明の「第1の長さ」に対応する一具体例であり、長さL2が本発明の「第2の長さ」に対応する一具体例である。
グラウンド8は、基準電位として機能する。信号線路7A,7Bおよびグラウンド8の形状は、例えばマイクロストリップライン(MSL)型やコプレーナウェーブガイド(CPW)型であるとよい。信号線路7A,7Bの特性インピーダンスと、閉回路におけるその他のインピーダンスとが等しくなるように信号線路7A,7Bの幅や信号線路7A,7Bとグラウンド8との距離を設計することにより、伝送損失の少ない信号線路7A,7Bが実現される。
チョークコイル10は、信号線路7Bとグラウンド8との間に接続され、インダクタ成分により電流の高周波成分をカットすると同時に電流の直流成分を通す機能を有する。本明細書において、「チョークコイル」という用語は、インダクタ成分により電流の高周波成分をカットすると同時に電流の直流成分を通す機能を有する素子の総称として用いる。チョークコイル10は、チップインダクタまたはパターン線路によるインダクタのどちらでもよい。また、インダクタ成分を有する抵抗素子でもよい。チョークコイル10のインダクタンス値は10nH以上であることが好ましい。チョークコイル10の存在により、磁気抵抗効果素子1を通過する高周波信号の特性を劣化させることなく、磁気抵抗効果素子1、信号線路7A,7B、チョークコイル10、グラウンド8および直流電流入力端子11などを含む閉回路に、直流電流入力端子11から印加された直流電流を流すことができる。
直流電流入力端子11は、磁気抵抗効果素子1を挟んでチョークコイル10とは反対側の信号線路7Aに接続されている。直流電流入力端子11に直流電流源13が接続されることで、磁気抵抗効果素子1に直流電流を印加することができる。図1に示した磁気抵抗効果デバイス100では、磁気抵抗効果素子1に、磁化自由層4から磁化固着層2の方向に流れる直流電流が印加される。また、直流電流入力端子11と直流電流源13との間に、高周波信号をカットするための、チョークコイルまたは抵抗素子が直列に接続されてもよい。
直流電流源13は、グラウンド8および直流電流入力端子11に接続され、直流電流入力端子11から、磁気抵抗効果素子1、信号線路7A,7B、チョークコイル10、グラウンド8および直流電流入力端子11などを含む閉回路に対し直流電流を印加するものである。直流電流源13は、例えば、可変抵抗と直流電圧源との組み合わせの回路により構成され、直流電流の電流値を変化可能に構成されている。直流電流源13は、一定の直流電流を発生可能な、固定抵抗と直流電圧源との組み合わせの回路により構成されてもよい。
磁場供給部12は、磁気抵抗効果素子1の近傍に配設され、磁気抵抗効果素子1に対し例えばY軸方向の磁場を印加するものである。磁場供給部12は、例えば電圧もしくは電流のいずれかを変化させることにより印加磁場強度を可変制御できる電磁石型あるいはストリップライン型の磁場印加装置である。また、磁場供給部12は、電磁石型あるいはストリップライン型の磁場印加装置と、一定の磁場のみを供給する永久磁石との組み合わせにより構成されていてもよい。磁場供給部12は、磁気抵抗効果素子1に対し磁場を印加することにより、磁気抵抗効果素子1にスピントルク共鳴現象を誘起することができる。また、磁場供給部12は、磁気抵抗効果素子1に印加する磁場を変化させることで磁気抵抗効果素子1のスピントルク共鳴周波数を変化することができる。
[磁気抵抗効果デバイス100の動作]
次に、磁気抵抗効果デバイス100の動作について説明する。ここでは、まずスピントルク共鳴現象について説明する。
磁気抵抗効果素子1に対し磁場供給部12により磁場を印加すると同時に、磁気抵抗効果素子1に固有のスピントルク共鳴周波数と同じ周波数の高周波信号を第1のポート9Aへ入力すると、磁化自由層4の磁化がスピントルク共鳴周波数で振動する。この現象をスピントルク共鳴現象と呼ぶ。磁気抵抗効果素子1の素子抵抗値は、磁化固着層2と磁化自由層4との磁化の相対角で決定される。そのため、スピントルク共鳴時の磁気抵抗効果素子1の抵抗値は、磁化自由層4の磁化の振動に伴い、周期的に変化する。すなわち磁気抵抗効果素子1は、スピントルク共鳴周波数においてその抵抗値が周期的に変化する抵抗振動素子として取り扱うことができる。さらに、その抵抗振動素子(磁気抵抗効果素子1)にスピントルク共鳴周波数と同じ周波数の高周波信号を入力すると、磁化自由層4の磁化の振動の位相と、入力した高周波信号の位相とが同期し、この高周波信号に対するインピーダンスは減少する。すなわち、磁気抵抗効果素子1は、スピントルク共鳴現象により、スピントルク共鳴周波数において高周波信号のインピーダンスが減少する抵抗素子(共振器)として取り扱うことができる。また、磁気抵抗効果素子1に印加される磁場が強くなるに従ってスピントルク共鳴周波数は高くなる。
また、スピントルク共鳴時に磁気抵抗効果素子1に直流電流が印加されることにより、磁気抵抗効果素子1におけるスピントルクが増加し、振動する磁気抵抗効果素子1の抵抗値の振幅が増加する。振動する磁気抵抗効果素子1の抵抗値の振幅が増加することにより、磁気抵抗効果素子1の素子インピーダンスの変化量が増加する。また、磁気抵抗効果素子1に対して印加される直流電流の電流密度が大きくなるに従い、磁気抵抗効果素子1のスピントルク共鳴周波数は低くなる。したがって、磁気抵抗効果素子1のスピントルク共鳴周波数は、磁気抵抗効果素子1に対し磁場供給部12により印加される磁場の強度を変化させたり、直流電流入力端子11から磁気抵抗効果素子1に対し印加される直流電流を変化させたりすることで、変化させることができる。
スピントルク共鳴現象により、第1のポート9Aから入力された高周波信号の高周波成分の中で磁気抵抗効果素子1のスピントルク共鳴周波数と一致する、もしくはスピントルク共鳴周波数の近傍の周波数成分は、低インピーダンス状態の磁気抵抗効果素子1を通過したのち、第2のポート9Bから出力される。したがって、磁気抵抗効果デバイス100は、スピントルク共鳴周波数の近傍の周波数帯域を通過帯域とする高周波フィルタとして機能する。
図3および図4は、磁気抵抗効果デバイス100に入力される高周波信号の周波数と減衰量S21との関係を示した特性図である。図3および図4の縦軸は減衰量S21、横軸は周波数を表している。図3は、磁気抵抗効果素子1に印加された磁場が一定である場合の、高周波信号の周波数と減衰量S21との関係を表している。図3において、プロット線100a1は直流電流入力端子11から磁気抵抗効果素子1に対して印加される直流電流値がIa1である場合に対応し、プロット線100a2は直流電流入力端子11から磁気抵抗効果素子1に対して印加される直流電流値がIa2である場合に対応する。ここで、直流電流値Ia2は直流電流値Ia1よりも大きい(Ia1<Ia2)。一方、図4は、磁気抵抗効果素子1に印加される直流電流値が一定である場合の、高周波信号の周波数と減衰量S21との関係を表している。図4のプロット線100b1は、磁場供給部12から磁気抵抗効果素子1に対し印加される磁場強度がHb1である場合に対応し、プロット線100b2は磁場供給部12から磁気抵抗効果素子1に対し印加される磁場強度がHb2である場合に対応する。ここで、磁場強度Hb2は磁場強度Hb1よりも大きい(Hb1<Hb2)。
例えば、図3に示したように、直流電流入力端子11から磁気抵抗効果素子1に印加する直流電流値をIa1からIa2に増大させた場合、その直流電流値の変化に伴い磁気抵抗効果素子1のスピントルク共鳴周波数の近傍の周波数(通過帯域の周波数)での素子インピーダンスの低下量が増加する。そのため、第2のポート9Bから出力される高周波信号がさらに大きくなり、減衰量S21の絶対値が小さくなる。したがって、磁気抵抗効果デバイス100は、遮断特性のレンジおよび通過特性のレンジが大きな高周波フィルタとして機能する。また、直流電流値をIa1からIa2に大きくすると磁気抵抗効果素子1のスピントルク共鳴周波数はfa1からfa2へ低下する。すなわち通過周波数帯域は低周波数側へシフトする。したがって、磁気抵抗効果デバイス100は、通過周波数帯域の周波数を変化することのできる高周波フィルタとしても機能する。
さらに、図4に示したように、磁場供給部12から印加される磁場強度をHb1からHb2に高めた場合、磁気抵抗効果素子1のスピントルク共鳴周波数はfb1からfb2へ高まる。すなわち、通過周波数帯域は高周波数側へシフトする。また、磁場強度を変化させる場合のほうが、直流電流値を変化させる場合よりも通過周波数帯域を大きくシフトさせることができる。このように、磁気抵抗効果デバイス100は、磁場強度を変化させることで通過周波数帯域の周波数を変化可能な高周波フィルタとして機能することもできる。
さらに、通過周波数帯域が変化する際、通過周波数帯域の任意の周波数1点に注目すると、通過信号の位相が変化する。すなわち、磁気抵抗効果デバイス100は、通過周波数帯域の周波数の信号の位相を変化可能なフェイズシフターとして機能することもできる。
このように、磁気抵抗効果デバイス100では、磁気抵抗効果素子1に対し第1のポート9Aから信号線路7Aを介して高周波信号が入力されると同時に、磁場供給部12から磁気抵抗効果素子1に対し磁場が印加されることにより、磁気抵抗効果素子1にスピントルク共鳴を誘起させることができる。そのスピントルク共鳴により、磁気抵抗効果素子1は、スピントルク共鳴周波数に対応した周波数で周期的に抵抗値が振動する素子として扱うことができる。このため、磁気抵抗効果素子1のスピントルク共鳴周波数と同じ周波数に対する素子インピーダンスが減少する。第1のポート9A、磁気抵抗効果素子1および第2のポート9Bがこの順に直列接続されることにより、高周波信号を高インピーダンスの非共鳴周波数では遮断し、低インピーダンスの共鳴周波数では通過させることができる。すなわち、磁気抵抗効果デバイス100は、高周波フィルタとしての周波数特性をもつことが可能となる。
また、信号線路7Bとグラウンド8とを繋ぐチョークコイル10(インピーダンス素子)は、高周波信号は通さずに直流信号を選択的にグラウンドに流すことができる。これにより、直流電流入力端子11から入力された直流電流は、磁気抵抗効果素子1、信号線路7A,7B、チョークコイル10(インピーダンス素子)、グラウンド8および直流電流入力端子11を含んで形成される閉回路を流れる。この閉回路により、磁気抵抗効果素子1に効率的に直流電流を印加することができる。磁気抵抗効果素子1は、この直流電流が印加されることにより、スピントルクが増加して、振動する抵抗値の振幅が増加する。振動する抵抗値の振幅が増加することにより、磁気抵抗効果素子1の素子インピーダンスの変化量が増加するため、磁気抵抗効果デバイス100は、遮断特性のレンジと通過特性のレンジとが大きな高周波フィルタとして機能することが可能となる。
また、直流電流入力端子11から印加される直流電流を変化させることにより、磁気抵抗効果素子1のスピントルク共鳴周波数を可変制御することができる。このため、磁気抵抗効果デバイス100は、周波数可変フィルタとしても機能する。
さらに、磁気抵抗効果デバイス100は、磁場供給部12が、磁気抵抗効果素子1に印加する磁場を変化させて磁気抵抗効果素子1のスピントルク共鳴周波数を変化可能であるので、周波数可変フィルタとして機能することが可能となる。
さらに、磁気抵抗効果デバイス100には、第2のポート9Bに対して並列に信号線路7A,7Bおよびグラウンド8と接続された磁気抵抗効果素子が存在しない。信号線路7A,7Bおよびグラウンド8に、第2のポート9Bに対して並列に接続された磁気抵抗効果素子を設けた場合、その磁気抵抗効果素子のスピントルク共鳴周波数に対するインピーダンス減少の影響により、高周波信号の損失増加が生じる。磁気抵抗効果デバイス100では、そのような高周波信号の損失増加を防ぐことができる。これにより、磁気抵抗効果デバイス100は、通過特性のよい高周波フィルタとして機能することができる。
また、本実施の形態の磁気抵抗効果デバイス100では、磁気抵抗効果素子1がX軸方向において互いに対向すると共にY軸方向にそれぞれ伸びる端面S1および端面S2を有し、端面S1の長さL1と端面S2の長さL2とが異なるようにした。このため、磁気抵抗効果素子1に対して例えばY軸方向に沿った磁場が印加されている状態において、磁気抵抗効果素子1の積層方向(Z軸方向)へ信号電流を流すと、端面S1近傍における抵抗値と端面S2近傍における抵抗値との差が生じる。すなわち、高周波信号が端面S1の近傍をZ軸方向に伝播する際の磁気抵抗効果素子1の共振周波数F1と、高周波信号が端面S2の近傍をZ軸方向に伝播する際の磁気抵抗効果素子1の共振周波数F2とが異なる。
例えば図5Aおよび図5Bに示したように、X軸方向において異なる位置X1〜X5での磁気抵抗効果素子1の共鳴周波数F1〜F5は互いに異なる。図5Aは磁気抵抗効果素子1における位置を表し、図5Bは磁気抵抗効果素子1におけるスピントルク共鳴現象のピーク位置およびピーク強度を表す模式図である。図5Bにおいて、横軸は周波数[Hz]を表し、縦軸は減衰量S21[dB]を表している。図5BにおけるピークPK1〜PK5は、それぞれ、図5Aに示した磁気抵抗効果素子1における位置X1〜X5でのスピントルク共鳴現象を表している。このように、同一の磁気抵抗効果素子1でありながら、スピントルク共鳴現象が生じるスピントルク共鳴周波数の帯域がF1〜F5の範囲に広がっている。
したがって、本実施の形態の磁気抵抗効果デバイス100によれば、高周波信号が伝播する部分によって磁気抵抗効果素子1の共鳴周波数が異なるようにしたので、単一の磁気抵抗効果素子1を利用しつつ、より広い帯域に対応した共振器として振舞うことができる。このため、複数の磁気抵抗効果素子を設ける必要がないので、磁気抵抗効果デバイス100の全体構成の簡素化および小型化を実現できる。
ここで、本実施の形態の磁気抵抗効果デバイス100では、端面S1および端面S2がいずれも平坦面であることから、端面S1および端面S2が湾曲している場合と比較して、より広い帯域の高周波信号に対応したフィルタとして機能することができる。端面S1および端面S2が湾曲面である場合よりも端面S1および端面S2が平坦面である場合に、X軸方向の位置に応じて生じるスピントルク共鳴現象を生じる周波数での減衰量S21のばらつきが小さくなるからである。これに対し例えば端面S1および端面S2が湾曲している場合、例えば楕円形や円形の平面形状を磁気抵抗効果素子1が有する場合、減衰量S21のばらつきが大きくなってしまう。端面S1および端面S2が湾曲している場合、XY平面において、その磁気抵抗効果素子1のうち比較的小さな長さLを有する部分の占有面積率が、端面S1および端面S2が平坦面である場合と比較して小さくなるからである。より具体的には、例えば図9Aに示した参考例としての磁気抵抗効果素子101のようにその平面形状が半楕円形をなす場合、すなわち、端面S2が湾曲している場合を考える。この場合も図9Bに示したように、X軸方向において異なる位置X1〜X5(図9A参照)での磁気抵抗効果素子101の共鳴周波数F1〜F5は互いに異なる。図9Aは磁気抵抗効果素子101における位置を表し、図9Bは磁気抵抗効果素子101におけるスピントルク共鳴現象のピーク位置およびピーク強度を表す模式図である。図9Bにおいて、横軸は周波数[Hz]を表し、縦軸は減衰量S21[dB]を表している。図9BにおけるピークPK1〜PK5は、それぞれ、図9Aに示した磁気抵抗効果素子101における位置X1〜X5でのスピントルク共鳴現象を表している。このように、磁気抵抗効果素子101では、共鳴周波数F1〜F5が高くなるほどピークPK1〜PK5の高さ、すなわち減衰量S21が減少する傾向を示すこととなる。より広い帯域の高周波信号に対応したフィルタとしては、図5Bに示した挙動を示す磁気抵抗効果素子1がより望ましい。
<2.実験例>
次に、本発明の磁気抵抗効果デバイスにおける磁気抵抗効果素子について、シミュレーションにより、磁気抵抗効果素子における長さL1と長さL2との差と、スピントルク共鳴現象を生じる周波数帯域との関係について調査した。その結果を図6に示す。図6において、横軸が(L1−L2)/L1[%]を表し、縦軸が周波数帯域[MHz]を表している。
図6に示したように、長さL1と長さL2との差が大きくなるほど周波数帯域も大きくなることがわかった。ところが、(L1−L2)/L1[%]が+40%を超えたり、(L1−L2)/L1[%]が−40%を下回ったりすると、周波数帯域の変化は小さくなった。これは、端面S1近傍における抵抗値と端面S2近傍における抵抗値との差が大きくなりすぎることにより、磁気抵抗効果素子1を流れる信号電流の大半が抵抗値の低い領域を流れるようになるためと考えられる。したがって、上述の条件式(1)を満たすようにすることで、磁気抵抗効果素子1の共鳴周波数の帯域を効果的に広げることができる。
<3.その他の変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明では、軟磁性層の形状は上記実施の形態等のものに限定されない。例えば上記実施の形態では、磁気抵抗効果素子がその積層方向(Z軸方向)において端面が傾斜する錐台形状である場合を例示して説明するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば磁気抵抗効果素子を構成する各層の平面寸法を全て同一としてもよい。
また、平面形状についても台形状のものに限定されない。すなわち、図2Bでは磁気抵抗効果素子1の平面形状が、一対の対向する端面S1,S2と、それらに対して傾斜した端面S3,S4とを含む台形状である場合を例示したが、その平面形状は例えば図8A〜8Cに示した各種形状であってもよい。図8Aは、矩形部分21と矩形部分22とを組み合わせたT形状をなす磁気抵抗効果素子1Bの例である。図8Bは、矩形部分21と台形部分23とを組み合わせた形状をなす磁気抵抗効果素子1Cの例である。図8Cは、端面S3が端面S1および端面S2と直交する台形状をなす磁気抵抗効果素子1Dの例である。磁気抵抗効果素子1Dの例のように、対称性を有しない形状であってもよい。
また、上記実施の形態では、インピーダンス素子としてチョークコイル10を用いた例を説明したが、本発明ではチョークコイル10に替えて抵抗素子をインピーダンス素子として備えてもよい。この場合、その抵抗素子は、信号線路7Bとグラウンド8との間に接続され、その抵抗素子の抵抗成分により電流の高周波成分をカットする機能を有する。この抵抗素子は、チップ抵抗またはパターン線路による抵抗のどちらでもよい。
また、上記実施の形態では、磁場供給部により磁気抵抗効果素子に印加する磁場強度を変化させることで、磁気抵抗効果素子におけるスピントルク共鳴周波数を変化させるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、磁化自由層の磁化の歳差運動の周期(共鳴周波数)を磁場強度変化以外の手法、例えばスピン軌道トルクの変化を利用する方法、直流電流の電圧変化を利用する方法、あるいは高周波電圧の変化を利用する方法により、スピントルク共鳴周波数の選択が行われる磁気抵抗効果デバイスであってもよい。
100…磁気抵抗効果デバイス、1,1A〜1D…磁気抵抗効果素子、2…磁化固着層、3…スペーサ層、4…磁化自由層、5…上部電極、6…下部電極、7A,7B…信号線路、8…グラウンド、9A…第1のポート、9B…第2のポート、10…チョークコイル、11…直流電流入力端子、12…磁場供給部、13…直流電流源。

Claims (7)

  1. 高周波信号が入力される第1のポートと、
    第1の方向において順に積層された磁化固着層とスペーサ層と磁化自由層とを含む磁気抵抗効果素子と、
    前記第1のポートと前記磁気抵抗効果素子の一端とを繋ぐ第1の信号線路と、
    前記磁気抵抗効果素子の他端と接続された第2の信号線路と、
    前記第2の信号線路と接続され、前記磁気抵抗効果素子を前記第1の方向に伝播した前記高周波信号のうちの一部の高周波成分が出力される第2のポートと
    を備え、
    前記磁気抵抗効果素子は、前記第1の方向と実質的に直交する第2の方向において互いに対向すると共に前記第1の方向および前記第2の方向の双方と実質的に直交する第3の方向にそれぞれ伸びる第1の端面および第2の端面を有し、
    前記第1の端面における前記第3の方向に沿った第1の長さと、前記第2の端面における前記第3の方向に沿った第2の長さとが異なる
    磁気抵抗効果デバイス。
  2. 前記磁気抵抗効果素子、前記第1の信号線路および前記第2の信号線路と共に閉回路を構成する直流電流入力端子をさらに備え、
    前記第1のポート、前記磁気抵抗効果素子および前記第2のポートがこの順に直列接続されている
    請求項1記載の磁気抵抗効果デバイス。
  3. 前記第1の長さをL1とし、前記第2の長さをL2とするとき、下記の条件式(1)から(3)を満たす
    請求項1または請求項2に記載の磁気抵抗効果デバイス。
    −0.4<(L1−L2)/L1<0.4 ……(1)
    L1≠L2 ……(2)
    L1,L2>0 ……(3)
  4. 前記磁気抵抗効果素子の前記第3の方向における長さは、前記第1の端面から前記第2の端面へ向かうにしたがい、単調減少する
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果デバイス。
  5. 前記磁気抵抗効果素子に対し、前記第3の方向へ磁場を印加する磁場供給部をさらに備えた
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果デバイス。
  6. 前記磁場供給部は、前記磁気抵抗効果素子に対して印加する前記磁場の強度を変化させる
    請求項5記載の磁気抵抗効果デバイス。
  7. インピーダンス素子をさらに有する
    請求項6記載の磁気抵抗効果デバイス。
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